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超胸クソ女神様ぶっころ的な?

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●籠の中の小鳥と籠の鳥と
 荒廃した庭、かつては栄華を誇っていただろう廃屋敷。
 奪われた人間がまた、誰かを奪うとは悲劇でも喜劇もない。生きるために仕方がない、繁栄のためには仕方がないと言い聞かせ、男は鞭を手に廃屋敷へと入る。
 廃屋敷の広間。略奪によって最早瓦礫の山と化したその片隅に美しい少年少女達はお互いの身を寄せ合っていた。定期的に開かれる『お披露目会』。下卑た男や女達が群がる中、また一人仲間は消えていく。
 鳥籠の中で雛を包む母鳥の暖かい羽根はなく、響くのは床を叩く鞭の音。
「もっと愛想よく笑え!『お披露目会』まで時間がないんだぞ!」

●ある村人の嘆き
 子供たちを売ってしまった。あの男達はどこからあんな大金を手に入れたのだろうか。
 話を進めている最中、御者が呟いていた。目が虚ろだった。
「これもあの女神さまのため、われらの救世主、繁栄、繁栄、尽きることはない、共に歩もう……」
 よくみると、御者は痩せこけ、食事もとっていないようだ。しかし、虚ろな目はギラギラとしていた。

●???の歌
 今日も素敵な繁栄を。
 素敵な村に祝福を。
 繁栄を。共に歩み、共にいきましょう。

●いんぐりもあべーす
「ちょー胸クソなんですけど!こそこそ隠れてやりたい放題超激おこぷんぷん丸!」
 ダークセイヴァーの世界でオブビリオンが潜伏している。それを予知したグリモア猟兵カバンシ・サフィリーン(ギャル系宝石人形(妹分)・f10935)は憤慨していた。
「うがー!まぢ最悪だからちょっと待って!説明をレジュメってくる!」
 集まってきた猟兵達に背を向けて、カバンシはスマホを猛烈にタッチし始めた。

 というわけでこれから皆に行ってもらうのはダークセイヴァーって世界。オブビリオンが支配者になっていて、そんでもって圧制を敷いている最悪な場所。
 でもって、アタシが予知したのはラグナソピアって異端の神。どこの村かは分からないけど村人達はその神を救世主だと思ってあえて匿っている。対価としてかどうか知らないけど、村は裕福みたい。
 その住民の奴らが胸クソ悪いことに近隣の村から少年少女を買うか、最悪攫って人身売買まで始めた。皆にはここからオブビリオンの撃破まで切り込んで貰う、って感じ。

 到着するころにはもう『お披露目会』は始まっている。
 場所は廃屋敷の広間。屋敷の中にはその胸クソ女神を匿ってる村人達の中でも腕っぷしに自慢のある奴らが護衛代わりにうろついていて、んでもって広間には数十人の客。そして……子供達が売られ始める。
 正面突破、潜入して子供達の救出を試みるのもいいし、捕虜になった奴をあえて手当して情報を聞き出すのもいい。
 子供達を売ってしまったという罪悪感のもあるし、そして猟兵の存在を知らない近隣の住民は村の場所を知ってても口は割らないと思う。
 でも、子供達やもしかしたら捕虜が正気になればその超胸クソな女神を匿っている村の情報はゲットできるはず。

 カバンシがれじゅめと題されたファイル、記号や顔文字まみれのスマホの画面には美しい女性の姿が手描きで描かれていた。
「こいつがそのラグナソピア。超胸クソ度バリマックスだから気を付けてね!」


硅孔雀
 ここまで目を通していただきましてありがとうございます。硅孔雀です。
 ダークセイヴァー世界で支配者ではなく救世主として匿われているオブビリオン。
 今回はちょっとダークに探索と情報収集、そしてオブビリオンの撃破を最終目的に頑張っていきまっしょい。

 第1章:冒険。『お披露目会』の撃破。ここで第2章への情報がゲット出来ます。
 第2章:冒険。??の??オブビリオンを匿っている村への潜入。ここをクリアできれば直ぐボス戦へと移行します。 
 第3章:ボス戦。『繁栄の代行者・ラグナソピア』の撃破。
 という流れになります。

 グリモア猟兵も説明していますが、近隣の住民達は猟兵には非協力的です。
 彼らとの共闘はないと思ってください。

 合同行動やアドリブ等についてはお手数ですがマスターページに簡略化の案内がありますのでご参照ください。
 それではご武運を。
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第1章 冒険 『籠の中の小鳥達は』

POW   :    正面突破で救出を試みる

SPD   :    潜入して救出を試みる

WIZ   :    捕虜の手当などをする

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

未魚月・恋詠
許せませんね。許せませんとも!
異端の神であろうとギターの神であろうと、子供達の笑顔と未来を摘み取る等あってはならぬことでございます。
未だ明けぬこの世界の天に代わって、恋詠めが暗雲晴らすと致しましょう!

お披露目会へ潜入しお子様方の救出に参ります。
人形達を操りフェイント、騙し討ちを用いて見張りを欺き仕留め痕跡は適度にお掃除し証拠隠滅。
無事発見できたならば怖がらせぬよう人形であやしつつ、
件の神の手掛かりとなりそうなことを聞いてみましょう。

さぁ、もう大丈夫でございますよ。恋詠めが皆様をお家までちゃんと返してあげますからね。
怖いことなどございません

※和服の大和撫子然とした外見です◎


アウレリア・ウィスタリア
SPD

滅びた村から逃げ出してきました
そんなボロボロな姿に変装
ボクぐらいの背格好なら
商品の子どもの一人して扱われると思うので
それなりに抵抗はしても既に弱って振りほどけない感じを装い
お披露目会に潜入しましょう

潜入中は子どもたちに話しかけて
情報収集を
同じように捕まっているので不安で仕方ないような
それで些細なことも知りたがっているような
そんな調子で動きましょう

情報も十分集まり
他の猟兵が駆け付けたりすれば
【血の傀儡兵団】を起動
ボクひとりでは全員を守りきれませんが
ボクの兵団ならそれが可能です
腕っぷしに自信があったとしても
100体の血人形を一度に相手できますか?
こんな人身売買はやめにしましょう

アドリブ歓迎◎



【売られていく小鳥達】
「ボクくらいの背格好であれば、服を粗末なものにすれば売り物として潜入できるかもしれません」
 琥珀色の瞳で廃屋敷を見つめるのはアウレリア・ウィスタリア(瑠璃蝶々・f00068)。白と黒の翼に紫の髪に咲くロベリアの花。黒猫の仮面で顔を隠していても、その少女は好色家には『美しい鳥』として価値があるだろう。
「そうですか……くれぐれもお気をつけて。こちらはまず見張りの掃除を致します」
いつもの笑顔を封印し青い瞳で真剣に考え込むのは未魚月・恋詠(詠み人知らず・f10959)だ。
 和服の大和撫子、凛とした雰囲気を纏わせる未魚月は憤っていた。
(許せませんね。許せませんとも!異端の神であろうとギターの神であろうと、子供達の笑顔と未来を摘み取る等あってはならぬことでございます。未だ明けぬこの世界の天に代わって、恋詠めが暗雲晴らすと致しましょう)
「……服を脱がされた形跡があります」
 未魚月の憤りの原因の一つが、乱暴に割かれ地面へと投げ捨てられた粗末な衣類である。
「ありがとう、これで変装が出来ます」
 アウレリアの着替えを見ないよう、未魚月はくるりと背を向けた。

 粗末な衣類を身にまとったアウレリアはわざと、屋敷の裏口に倒れた。それを見つけたごろつきは、どこか虚ろな瞳で、しかしはっきりと怒りを露わにする。
「逃げ出そうとでもしてたのか!お前は上等ものだな、ほら早く屋敷に戻れ!」
(腕、掴まれるの気持ち悪い……でも、我慢しないと)
 裏口らしき扉から放り込まれるアウレリアを待っていたのは、何十人もの少年、少女達の目だ。
「大丈夫?いたくない?」
「こわいよね。にげようとしたの?」
 アウレリアを仲間だと認識している子供達を前に、ここは真実を話すしかないと切り出す。
「いや、ボクは、皆を助けに来た。変装して、ここに来たんだよ。大丈夫。いっぱい大人の人達が助けに来てくれる」
 寒々とした空気の中、アウレリアはあえて同じ子供であるような素振りと喋り方で話しかけた。息を呑んで、或いはその意味を考えていた子供たちは……皆、アウレリアの周りに集まった。
「本当に、ママに会える?」
「うれしい。お家に帰りたい」
 ごろつき達、いや大人にひどい目にあわされてきた子供達にとって同じ子供だと認識したアウレリアの言葉は信じられるものであったようだ。
「その代わりなんだけど……あの大人達、なんで皆をここに集めたのか聞いてもいいのかな?」
 年長者であろう少年が小声で答える。それに続き何人かの子供達が次々に声をあげる。
「あいつらは頑丈そうな馬車に乗ってやってきた。きっと遠くの村かもしれない」
「はんえいのため、とぶつぶつ行っていて怖かった」
「ここに連れてこられる間、倒れて死んだおとこのひとが何人かいた。凄く疲れた顔をしていた。がいこつさんみたいだった」
(オブビリオンは遠い村から村人を働かせている、のでしょうか?繁栄の意味は他の方と話し合う必要が……)
「おいガキ共!何をしている!さっきからうるさいぞ!」
 開け放たれていた裏口の扉からごろつき達が入ってきた。アウレリアは怯えている子供達に向かって振り返り、微笑む。
「大丈夫、でも、少し下がっていて。血を一滴、二滴……我が血は力、敵を切り裂く無数の兵団。進め、そして道を切り開け!」
 アウレリアのユーベルコード:血の傀儡兵団(ブラッドマリオネット)が発動する。広間の片隅、そして裏口周辺を取り巻く100体の血の色をした人形。
「ひ、ひいい!!!」
「ボクひとりでは全員を守りきれませんが、ボクの兵団ならそれが可能です……こんな人身売買はやめにしましょう」
 化物だ!と叫びながらごろつき達は逃げ出していった。恐らくは、未魚月のいるであろう屋敷の正面に回っているだろう。
「もう、怖いのはいなくなりました。さあいきましょう」
 こうして少年少女達はアウレリアと共に屋敷を抜け出した。

 こちらへ向かってくる足音。しかし、アウレリアとは違う。がちゃりがちゃりという音を聴き、予測する。
「おそらく、ごろつき達でしょうね。ちょうどいいです。まとめてお相手いたします」
 物陰に身を隠した未魚月の予想通り、見張り達らしき気配の元に足音は近づいていった。
「さっきから誰かこの屋敷に入ってきてやがってるみたいなんだよ!」
「こっちからはきてねえみてえだぞ」
「はい、その通りです。今からあなた達を倒すのですから。例え神に騙されていようと子供たちへの非道なる仕打ち、許すわけにはいきません」
 ごろつき達4人がその声に気が付き、振り向いた時目に入ってきたのは人形が二体。人形姉妹『ヒナゲシ・ナデシコ』。花飾りをつけた人形が喋っている。元々精神を『女神様』に蝕まれていたであろう男が叫ぶ。
「お、おれは悪くない!繁栄のためだ!だから許してくれ!」
「……まだ、罪悪感は残っていたようですね。しかし、それでもまだ足りません。他の猟兵達のためにも眠っていただきます」
 男達が慌てふためいている間に、集中する時間は出来た。目に入った男達を避けるように何本もの矢が地面に刺さる。未魚月のユーベルコード:千里眼射ちの効果であった。直接的なダメージは受けていないもの、ごろつき達は恐怖のあまり皆気絶していた。
「さて、この跡はお掃除ですね」
 こうしてごろつきは捕虜として物陰に投げ込まれ、矢も回収し何もなかったかのように屋敷への侵入が可能となった。
「おねえさん……いいひと?」
 突然見知らぬ人物に声をかけられ、未魚月は驚く。よく見てみると屋敷の入り口の近くに馬車が置いてある。声をかけてきた少女は恐らく売り物の一人であろう。一部始終を見ていた少女に未魚月は近づく。
「怖いところを見せて申し訳ございません。ほら、二人共ごめんなさいしましょうね」
『ヒナゲシ・ナデシコ』の姉妹人形を操り、ぺこりとお辞儀させる。その技量と、何より可愛らしい花飾りをつけた人形に少女は微笑む。
「かわいい!おねえさん、助けに来てくれたんだね!ありがとう」
「はい、そうです。怖いことなどございません」
 怖くない。その言葉に少女は完全に心を許したのか、今まで自分が聞いたことを話し始めた。
「あのね、わたし、南の村からきたの。大人たちはみんな北に帰りたいって、女神さまにあいたいっていってたの」
「女神さまがはんえいをのぞむから、お金が欲しいと言っていました」
(ここから北に村はあるのでしょうか?女神は繁栄を望んでいるのもきになります……)
 そう未魚月が思案している間に、聞いた足音と、小さな幾つもの足音が聞こえる。
「アウレリア様、ご無事でしたか」
「はい。子供達も無事に」
 こうしてごろつきは捕虜として、子供達の集団を二人は助けることが出来た。

 二人は子供達を安全そうな、屋敷の外にある馬小屋らしき廃屋まで連れて行きながら情報を交換する。
「繁栄、といのは村が栄えるという意味でよろしいみたいですね」
「そうですね。金銭を稼ぐのも繁栄のためでしょう。気がかりなのは女神を匿っている大人達。子供達の話からすると過重な労働をしていたように思います」
 二人が考え込んでいると、少年少女たちが不安な顔で猟兵達を見つめている事に気が付いた。
「もう大丈夫でございますよ。恋詠めが皆様をお家までちゃんと返してあげますからね」
 未魚月が微笑み返すと、綺麗なお洋服のお姉さんありがとうと子供達は笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

八剱・忍
人の売り買いは正直あんまり気分ええもんちゃうな。
悪いけど邪魔させてもらおか。

スキル「忍び足」で廃屋敷に忍び込んで、うろつく護衛をうまくかわしながら、子供の捉えられてる部屋を探すで。
首尾よく見つけれたなら、スキル「コミュ力」で子供たちに逃がす旨を伝えて、納得してもらってから、みんな引き連れて脱出を試みるわ。
他猟兵がいるなら上手く連携できるとええな。

途中、護衛と鉢合わせてもうたら、ユーベルコード 「リザレクト・オブリビオン」で死霊騎士を召喚して相手させるで。
その間にうちらは脱出や。


数宮・多喜


へっ。真っ当に生きてる奴らが悲しくなってくらぁ。
アタシの身のこなしなら、
スタイリッシュに潜入はできないだろうけど……
相手の意識の隙をついて潜入するのはできるさ。
【超感覚探知】で見張りの盲点を見極めて、
「商品」たちの場所を目指すよ。
うまく子供たちと接触できたなら、
…このカオだから怖がらせるだろうね。
説得は同行者に任せるよ。
いなかったらま、【コミュ力】でなんとかしてみようとするさ。

この子たちから少しは真相を聞き出せればいいんだろうけど、
どこまで話してくれるかねぇ?



【鍵となる猟兵達】
「正面から侵入、は流石に危険やろうか」
「でも少なくとも見張りのごろつき共はいない。裏からか、それとも二階かどこかからはいりこむか。でも子供達が閉じ込められている場所を考えないと……」
 赤い瞳で廃屋敷をみつめる八剱・忍(黒の囀り・f13028)と、未だやまない風にこげ茶色の髪の毛を揺らす数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)
 猟兵達の成果によって侵入経路はいくらでも見つけることが可能になった。
「んー……よく見てみてみると、屋敷の広間にもう一つ大きそうな部屋がありそうに見える」
 暗闇が支配する世界でも八剱は正確に廃屋敷の構造を見て伝える。
「広間の次に大きいのは客間、かねえ。だとすると、思い切って正面からいって見るのいいかもしれないねぇ。恐らくこの手の屋敷は広間から客間って感じで造られてそうだ」
 そのための手段は持っていると数宮が説明すると、八剱はその案に乗る。
「どんな手段かはあとで聞いておくとして、人の売り買いは正直あんまり気分ええもんちゃうな。悪いけど邪魔させてもらおか」
 二人の猟兵達は、屋敷へと乗り込んでいく。

 朽ちた扉は開けっ放しにされ、音を立てずに二人は玄関へと入る。八剱から音を立てないで歩く方法を聴きながら数宮は瓦礫が積まれ隠れられそうな場所を見つけ手招く。
「じゃ、これからがその手段の見せ所。悪いね、ちょいと繋がらせてもらったよ」
 数宮のユーベルコード:超感覚探知(テレパシーリンク)が発動する。
「まあサイキック能力を応用してのテレパス。これでごろつきの場所位は感知できる」
「おおー人間センサーって感じやな。んでどうや?」
「このままだとここから西の奥……さっき言っていた客間で戦闘が起こる……ん?」
「どないしたん?」
「ごろつき達が中央……『お披露目会』に集まっている。何か騒動が起きたのを止めたんじゃないみたい、戦闘が起きる予知は消えた」
 少し考えこみ、八剱はアンダーリムの眼鏡をかけ直す。
「それはつまり、このままこっそり行けばとりあえず戦闘沙汰にはならずに子供達のいそうな場所にはいけそうってことやな」
 暗闇の中でも臆することなく、しなやかにかつ音一つ立てずにここまで来た八剱の能力を理解した数宮は頷く。
「先行、頼む」
「首尾よく見つけられると思うで。ごろつきが守ってたってことはきっと脱走防止ってことやと思うし」
 そう言い残すと、闇の奥へと八剱は歩みを進めた。屋敷の奥にある広間には松明が燃やされ舞台のようなものが出来ている。しかし、恐らくその上に立っているであろう少年少女の姿はない。
 しかし誰もその場を動かそうとせず、よく見てみるとごろつきらしき男までも舞台の上ではなく何かに群がっている。
(何があったんやろうな……他の猟兵さんが引きつけている、もあるか)
 そうして八剱は客間らしき場所へと足を踏み入れた。
「……ビンゴ、やったな」
 二ヵ所に分けて子供達は閉じ込められていたらしい。最後の場所を上手く見つけることに安堵している八剱に向けられるのは不安げな視線。
「女の人だよ、こわいのかな」
「どうしよう」
 子供達は驚き、自分を人身売買してきた大人と一緒だと思っているように八剱は感じた。
「いや、うちはあんな怖い大人とはちゃうで。皆が困っているってお父さんお母さんから聞いて皆を助けに来たんや」
 堂々とした態度で、一人一人に声をかける。
「そうだよ。あたし達はそのために来た」
 八剱の後を追い、客間にたどり着いた数宮も言う。
(このカオだから怖がらせるだろうね……八剱さん頼んだよ)
「このおねーさんと一緒にな、走って頑張ってきたんや。皆が馬車に乗せられるのが可哀想ってことで、ここまで歩いてきたんやで」
 その言葉にうずくまっていた少年が驚く。
「ここまで、馬車でいっぱい時間がかかったよ?お姉さんは凄いの?」
「勿論凄いで。な、信じてくれる?」
 子供達は顔を見合わせ、八剱の方へと駆けよる。
「あのね、おかあさんたちがしゃべってたの。めがみさまがいる村があるっておはなしをこっそりきいたの」
「すごくおおきくて、おいしくてあったかい食べ物がたくさんあるんだって」
「でも、わたしや皆をつれてきたひとは、もっとはんえいしないとっていってたの」
「はんえいって何?」
 次々と八剱のスカートや制服のセーターを掴みながら子供達は真の救世主の元に集まる。
「どうやら交渉成立、だな」
 数宮はその様子を見て思わず笑った。
 
 舞台の近くではまだ客達が騒いでいる。うまく二人は屋敷の入り口まで子供達を先導できた。
「おい!お前らなにをやっている!」
 背後からごろつきが駆け寄る。どうやら今まで舞台の近くにいたごろつきの一人であるように見える。
「んー折角もう少し、って所やったのにおしいなー。ま、でも」
 数宮が子供達を急かす中、八剱は振り返りごろつきに対峙する。八剱のユーベルコード:リザレクト・オブリビオンが展開され、何もない空間から騎士が現れた。
その騎士は生気がなく、まるで死霊。死霊騎士の召喚が八剱の切り札でもあった。
「な、なんだお前」
「えっと、悪い奴らを退治する正義の味方やで?」
 死霊騎士がゆっくりとごろつきに近寄ると、絶叫をあげまた舞台の方へと戻っていく。
「根性ない奴やなぁ。ま、脱出と救出成功やな」
 こうして廃屋敷から小鳥達は全て逃げ出せた。
 二人の鍵によって。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

聖護院・カプラ
【WIZ】
ラグナソピア。麗しく偉大に見えますが、実態は悪質なオブビリオンそのものといったところでしょうか。
手下となっている村人も心の隙に付け込まれた只のヒト。
『お披露目会』の機会を強引に潰す訳にもいきません。
ここは一芝居打たせていただきましょうか。

『後光』から放つ『存在感』を一層に強め、会場に堂々と乗り込みます。
身分を偽る事に良心は痛みますが、自身をオブリビオンと『説得』力で示し
誰かその場で接触できた方に旧知の仲である(という、嘘)ラグナソピアの催しに興味を持った風を装い情報を引き出そうとします。

失敗してしまっても警備や人目はこちらに引き付けられます。
その間に他の方、よろしくお願い致します。



【舞台上の新たな神】
 ここで少し時間はさかのぼる。
「ラグナソピア。麗しく偉大に見えますが、実態は悪質なオブビリオンそのものといったところでしょうか」
 黄金に輝く肢体、緑に輝く、否、光る瞳。2メートルを超える聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)は嘆きにも似た声で屋敷の前に立っていた。
 ダークセイヴァーとはただ黒い色だけが共通している世界、スペースシップワールドのウォーマシンである彼は人型戦闘ロボットであり、そして人を守り祀られる対象にすらなった物だ。
「手下となっている村人も心の隙に付け込まれた只のヒト。『お披露目会』の機会を強引に潰す訳にもいきません」
 彼は慈悲深く、ヒトを肯定する。全てはオブビリオンの悪行である。
「私にできることは……そうですね、一芝居うつこと、位でしょうか」
 そうつぶやき、会場に堂々と歩みを進めていった。

 会場にいた男や女、そしてオブビリオンに支配されているごろつき達も全て、暗がりから現れるその姿に驚く。松明に照らされたその表面は光を放ち、自分達よりも遥かに大きいそのナニカ。
「これはこれは失礼。彼女から話があると聞いたのでやってきたのですが、驚いてしまわせてしまいましたでしょうか」
 仰々しく礼をするカプラ。その動作の一つ一つがすべての人間に強烈なイメージを、存在感を与える。
「あの……彼女、とは我らが女神様、のことで、しょうか?」
 粗暴な男が一人、恐る恐るカプラに話しかける。
「ええそうです。ラグナソピアとは旧知の仲。彼女より招待を頂いているのですが、案内がなかったのでお邪魔しました」
(身分を偽る事に良心は痛みますが、自身をオブリビオンだと思わせなければ)
「私はカプラ。ラグナソピアの催しも気になりますが、この場に来るのは初めてです。なにもかもが新鮮です!」
「どうでしょう。すこし『お話をしませんか』?この場所、彼女は今どうしているのか知りたいのです。中々会えないもので」
 聖護院・カプラのユーベルコード:説得の発動にも気が付かず、客だけではなくごろつきまでも彼の言葉を疑わない。
「ここは少年少女を買い求める場でございます!そこで得られる金貨こそ繁栄の証です!」
「カプラ様ならご存じでいらっしゃるかもしれませんが、ラグナソピア様は繁栄のために現れてくださりました神であります!」
「我々の村は潤い、そして元通りに回復しました!」
「ですがラグナソピア様がおっしゃられる繁栄にはまだほど遠いのです!」
「繁栄のために同胞がいくら死のうとも、なにがあろうとも全ては繁栄のためなのです!」
 繰り返される繁栄という言葉に、カプラは眩暈を覚える。
(破壊された町を復興させるために繁栄という言葉を使い、ここまで人を操っているのでしょうか……実に悪質です)
 幸い少年少女たちを舞台に立たせるための男までも自分を新たな神だと思っている。誰も商品のことなど考えていないようだ。
(私は神ではありませんし、そして、ラグナソピアはオブビリオンですね)
 視界の端で子供達が動いているのをカプラは捉えた。囮としての自分の役割は果たせたようだ。
「それではどなたか私を彼女の元に案内していただけませんでしょうか?」
 その言葉にはっとした顔で、ごろつき達や男たちは叫び始める。
「お披露目会は終わりだ!この方をお送りする!お前たちはついてくるな!」
 客に怒鳴り散らし、ラグナソピアのいる村へと案内するとごろつき達がカプラへ纏わりついてくる。

「女神様は我々に生きる希望を、繁栄することを教えてくださいました」
「水もパンも住む場所もいりません。幸せな村の繁栄のためにお力を貸してくれるのです」
 ぎらぎら光る眼は痩せこけた顔の中で不気味に輝く。廃屋敷からごろつき達を連れ出したところで、素早く体を動かし、出来るだけ傷を与えないようカプラは村人達を気絶させた。
「仕方がありません。しかし、この方達もまた被害者。正気に戻る方法を知っていらっしゃる方に引き渡しましょう」
 カプラは呟き、男達を抱え歩き出した。
 こうして、お披露目会は終わった。
 しかし、まだ聞き出せることがあるかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔴​

祝聖嬢・ティファーナ
『クリスタライズ』で姿を隠して、捕虜や子供たちに近付いて猟兵たちにも簡潔に伝えて『フェアリーランド』に入ってもらいます☆ 
体調や健康に問題のある人には『シンフォニック・キュア』で治癒します♪ 
“鼓舞”と“祈り”と“歌唱”で「元気」と「勇気」と「希望」を届けます☆ 
正面突破を試みる猟兵たちには『生まれながらの光』で傷や疲労を癒します♪ こちらや猟兵の邪魔をする相手や勢力には『エレメンタル・ファンタジア』の闇x大雲で目隠しや阻害で邪魔をします☆猟兵が近付いたら瞬間晴れてもらいます♪
安全な場所や危険の無い場所を探して消えながら移動します☆
もちろん猟兵には行き先を伝えます♪



【全ての物へ癒しを】
 猟兵達の手によってお披露目会は終わった。
 馬小屋であっただろう廃屋には商品であった子供達と、縛り上げられ捕虜になった男達。誰の顔色も悪く、子供達の中には手や足に鞭で打たれた跡まである。
「猟兵の皆が助けてくれたのは嬉しいけど、これは流石に酷い!回復が必要かな?☆じゃあボクの出番だ☆」
 祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)は長く癖っけの金髪を揺らし、ステップを踏みながら子供達に近づいてくる。
「大丈夫♪ちょっと透明になるだけだよ☆」
 ティファーナは子供を抱きしめると、ユーベルコード:クリスタライズを発動させる。段々と透明になっていく子供、しかし
「や、やだこわい!」
 ティファーナの手を振り払い、子供達の中に逃げていく。どうやら回復させる方法が子供達には理解できなかったみたいだ。
「むむ、じゃあもう一つ方法があるから、それだ☆」
 軽く床を足でたたき、息を整える。
「詠唱……、祝詞……、聖歌……。祈りに旋律の生命を!」
 ユーベルコード:シンフォニック・キュアの発動。響き渡るティファーナの歌声に乗せられた思いが子供達、そして捕虜をも包み込む。
(元気と勇気、そして希望☆)
 子供達はなにより希望を求めていた。
「おねえちゃんのおうた、元気がでてくるよ!」
「わーみて!ぶたれた所がもとにもどった!」
「さむくないよ!」
 はしゃぎまわる子供達の様子にほっと胸をなでおろすティファーナに、声をかける者がいた。
「そこの人……今の歌、祈りに満ちていて、とてもすばらしかった」
 ごろつきの一人だった。その目には光がともっており、痩せこけて土気色になった肌も血色がよくなったように見える。
「ボクの歌で癒されたでしょう♪」
 ティファーナがにっこりとわらうと、意識を取り戻し始めたごろつき達は静かに話し始めた。

「我々に対して、ここまで奇跡のようなことをしてくださるとは、貴方達は何か特別な力を持っているようだ」
「うん☆みんなを助けるために、だよ♪」
ダークセイヴァーの世界では猟兵は存在せず、正に今奇跡の癒しを見せたティファーナ達猟兵が真の救世主であった。
「こんなことをして、贖罪になるとはいわないが子供達は責任をもって帰すことを誓う」
「自分達の村もヴァンパイアの圧制、略奪であえいでいた」
「その時、一人の神を名乗る美しい人が村を見て泣いていた」
「『この村をこんな風にするなんてひどい。かつての繁栄を取り戻しましょう』と」
「皆彼女の言葉に従い始め、働き村は元に戻っていった」
「でも女神様はまだ笑っていうんだ『もっと、もっと繁栄させましょう』と微笑んで、なんだか、この身を削ってでもそうしないといけない気がして」
「飲まず食わず働いていた。繁栄、繁栄、繁栄しないと……」
 また虚ろな目をしたごろつきの手をティファーナが握る。
「それはきっと悪い神様だよ!やっつけるから、安心して♪」

 猟兵達は子供達に頭を下げどの場所が家なのか聞き込みを始めたごろつき、否村人達を横目に駆けだす。
『女神様の村』までの道は開けた。
「しかし、村の近くには繁栄の証として作った物があります。それは……」
 村人の呟きを誰もが思い出していた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『関所破壊』

POW   :    力づくでぶっ壊す

SPD   :    技術を駆使して分解する

WIZ   :    魔法や頭脳でもって崩壊させる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【繁栄の証、そして女神】
 この関所を作るのに、まずは石を切り出すのに3人過労死した。
 運搬するのに5人。作り上げるまでに10人。
 これでもう敵は襲ってこない。他の村の奴も通さない。
 しかし、この関所にはまだ繁栄が足りないと言う。
 金で宝石をつける。繁栄。関所をもっと広げて巨大な壁にする。繁栄。
 繁栄。繁栄。繁栄。
 ここで村人の日記は途絶えている。

 美しい桃色の髪の毛を靡かせ、ラグナソピアは村から関所へと歩き始めた。
 彼女が微笑みかけるのは皆土気色をして、痩せこけた人間達。
「ああラグナソピア様、野菜が籠4つまでとれるようになりました」
「まあ素敵な繁栄です。それでは次は5つまで。畑を耕し繁栄させましょう」
「はい、動かなくなった弟を夕食にし耕します!」
 鼻歌を歌いながら、ラグナソピアは関所を見上げる。繁栄のシンボル。

「もっともっともっと繁栄を。この村のために!関所の石を高く積ませる?それともいっそのこと村を城にして関所を城門にすればいいのかしら?ああ素敵、この村がどんどん繁栄してしまう!」
 くるくると踊る女神・ラグナソピア。
 その傍らには動かなくなった村人が横たわっていた。
アウレリア・ウィスタリア
困りました。
関所、つまりこの石壁を破壊すると?
ボクはそんなに強力な攻撃手段は持ってないので
……空から少しずつ削っていきましょうか

WIZ

ボクの故郷でもあるダークセイヴァーの世界
飛行技術はそんなに発達していなかったように思えます
なので、空からみて脆くなっていそうな場所や
壁の薄そうな場所を狙って
【今は届かぬ希望の光】を放ちます
威力はそこまで大きくないので一転突破
七色の光を集中して威力をあげます

その際には村人への被害が及ばないように
気をつけて攻撃しましょう
いくら非道な行いをしていたとしても
それはオブリビオンの影響なのですから……
うん、ボクのときとはちがうから
だから関係ない人に被害は……

アドリブ歓迎◎



【その光は救いになるか】
 アウレリア・ウィスタリア(瑠璃蝶々・f00068)は見上げる。故郷と同じ暗闇に包まれた視界を塞ぐほど関所の壁は高い。
「困りました。関所、つまりこの石壁を破壊するとなると……手段はこれ、しかありませんね」
 アウレリアは周りを見回し、壁を見下ろせるくらいまでの木々を見つける。
(ボクはそんなに強力な攻撃手段は持ってないので……空から少しずつ削っていきましょうか)
 そう考えながら枝から枝へ、その羽根で飛び移っていき、木のてっぺんから関所を見下ろす。
「やはり、思った通りでしたね」
 自分の故郷での生活。外の様子はあまり知らなかったが、あの時、初めて外に出た時の様子からアウレリアは思い出す。
「上に行けば行くほどただ石を置いただけ。そこまで技術が発展していないこの世界で」
 恐らくはその分だけ人を使ったのだろう、とまでは口には出したくなかった。白と黒の翼を再び広げ、関所全体を見回し手薄になっている場所を確認する。
(村人の人は、いないみたいですね)
 幸い自分の姿を見ている村人はいなかった。ユーベルコード:今は届かぬ希望の光(セブンソードバレット)を発動させる。
「なにものにも染まり、なにものにも染まらぬ七色の光。貫け、天空の光剣」
 手に取っていた短剣『ソード・スヴェル』より輝く光は正確に、雑に積み上げられていたり薄くなっていた場所を貫いていく。
「な、なにがあったんだ!」
「あの閃光!雷に違いない!む、村に戻るぞ!」
 微かに村人たちが村へと帰っていく声と音。それを聴きながらアウレリアは地面へと降り立った。
(よかった、関係ない人もこれで被害には合わない。非道な行いは、オブビリオンによってもたらされたもの。)
 ボクの時とは、まで考えていると、足音が聞こえてきた。恐らくは猟兵達だろう。
「今はそんな事を考えるより先に、ですね」
 アウレリアは猟兵達に、先程見てきた関所の様子について、そして村人達を巻き込まずに破壊が出来ることを伝えに走った。

成功 🔵​🔵​🔴​

聖護院・カプラ
【POW】
おお、この関所が『繁栄の証』とでもいうのでしょうか。
繁栄とはヒトが充足し心豊かである事が前提にあるというのに、です。
度し難い行いを改めさせねばならないでしょう。

村人を正気に戻して中に入るのも考えはしましたが、
その場をラグナソピアに見咎められては村人の命に危険が及びましょう。
関所を物理的に破壊するのも被害の余波が村人に及ぶかもしれない……。

そこで、最適な選択ではありませんが
『大仏建立の詔』を用い私が関所と合体する事で無血開城を為してみましょう。
合体後に適当な場で関所の一部を破棄(パージ)する事で他の猟兵が侵入しやすく、
また村人も正気に戻せば逃げやすくなります。
試してみる価値があります。


数宮・多喜


そんだけ心血注いで作った関所、ねぇ……。
けど腹ペコでそんな工事をしたら、
ずさんな場所も出てくるんじゃないのかね?
こういうのは一気に全体を見て、直観に頼る!
この世界じゃカブはどんな形態でもどうせ不審だろうから、
最高速が出せる形態で周囲をぐるっと回る。
積み増ししたり、不自然な補強場所があったりするだろうから
そこを細かく小突くように崩し始めるよ。

同乗者がいてくれるなら、
そっちに関所破壊の実力行使をお願いしたいところだけどね!


しっかしアレだねぇ。
まるでブラック企業のワンマン社長だよ、ラグナソピアって奴はさぁ……。



【救いとなる破壊】
「おお、この関所が『繁栄の証』とでもいうのでしょうか。繁栄とはヒトが充足し心豊かである事が前提にあるというのに、です。」
 聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)は荒野の中、突如現れた関所を見て思わず呟く。関所としては確かに立派な物であったが、周りは寂れている。猟兵によって一部崩された壁から覗く景色もまた荒野。
「大体の見取りは分かったことだし、このカブで今度は地面から削っていきたいねえ」
 それにしてもブラック企業のワンマン社長にやらせた仕事みたいで腹が立つねえ、とカプラに声をかけるのは『宇宙カブJD-1725』に跨る数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)だ。
「ブラック企業のワンマン社長……詳細は分かりかねますが、村人の繁栄は願っていないとは思っております」
「ああ、そういう解釈でいい。さっきの報告だと、村人は巻き込まずに済むそうだしあたしはこのバイクで突っ込んで壊す」
 そっちは、と問われ、カプラは安堵した様子で関所へと視線を向ける。
「無血開城が出来るのであれば、それに越したことはありません。数宮さんと別の場所で破壊を行います」
「破壊の方法は?」
 別の場所と言われ、数宮は『宇宙カブJD-1725』の向きを器用に変え、振り返りカプラに尋ねる。
「合体です」

 カプラは関所の前に立ち、人気がいない事を再度確認する。近づいて触ってみると、石は綺麗なように積まれている。
「ですが……歪です。石を切り出す技術も、組み立てる術も」
 全ては村人、しかも大量の村人を動員した事によって作られたの物であることが分かる。
「救済のために。開眼供養の儀!」
 ユーベルコード:大仏建立の詔(ダイブツゾウリュウノミコトノリ)の発動と共に、カプラの体は手に触れた関所の石壁からから溶けていくように消えた。
(やはり……畑もあり、道具も揃っている。しかし、ああ、あそこには)
 無機物である石壁と合体したカプラは村へと続く道を眺め、そして横たわりもはや救済することが叶わないであろうそれを見てしまう。
(皆さんを正気にするために、破壊を)
 ユーベルコードを解除することにより、カプラの体分だけ石壁には穴は開き、脆く積まれていた個所から崩れ落ちる。
「ラグナソピア。その度し難い行い、改めさせねばならないでしょう」
「おお、そういう手があったわけね。どっちみちこのカブなんざ異端も異端。だったら」
 そう独り言ち、数宮はユーベルコード:ゴッドスピードライドを発動させる。
『宇宙カブJD-1725』がその形を変えていくと、ハンドルを握る手に再度力を入れる。
「さあ、突っ込んでいくよ!」
 全力でアクセルを踏みきり、石壁を観察する。器用に『宇宙カブJD-1725』を操り、ターンしたそれと共に
「ブチ開ける!」
 轟音が響き、質量と速度を持ったそれは壁を砕いた。
「ふう、これで穴は開けてやった……待ってなよ」
 村人を巻き込まずに二人は壁の向こう側へと歩む。救済のために。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

紬雁・紅葉
嗚呼、成程。あぁ、なるほど…
これは、これは度し難い…!
深い笑み、だが目は笑っていない…!

【地の魔力】を攻撃力に付与
石や土の衝撃波…振動波にて建物の建材を砕き、基礎を揺るがす
人が居るなら吹き飛ばして押し退け、範囲を薙ぎ払い、建物を崩し続ける

知らぬ弱神(わかもの)に教えよう
繁栄は終焉を以て完成する
撒き育ち実り枯れまた撒く…
永久の繁栄など外道の外れ
如何な世界でも夢のまた夢

"剣の神"がやって来た
終わりの神がやって来た
実って熟れて腐った栄え
斬って落として終わらす為に

目覚めよ!破壊神が来たぞ!!
怒りの羅刹紋を顕わに、笑みのまま詠う

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※


未魚月・恋詠
「この関所も、繁栄の証というわけでございますか。
……ああいえ、違いますね。繁栄などと言うのは烏滸がましい」
「単に、「女神」というハリボテを飾り立てる為の舞台装置。
これほどのものを築き上げた自分はどれほど素晴らしいのだろう、と悦に浸るためのものでしかないのでございましょう」


立派な関所に見えても、実態は疲れ切った人々が専門技術や知識もなく組み上げただけのもの。
石の継ぎ目の僅かな隙間、各部の細かな劣化、作業中に生じたであろう小さな疵、そういった部分を見つけ出し撃ち抜きます。
何発、何十発と射抜き傷を広げて関所を破壊し、繁栄を否定します。

「『大山も蟻穴より崩る』――砂山より脆かったですけれど」



【そして、扉は砕け散る】
「嗚呼、成程。あぁ、なるほど…これは、これは度し難い…!」
「この関所も、繁栄の証というわけでございますか。……ああいえ、違いますね。繁栄などと言うのは烏滸がましい」
 石壁の上部から裂け目が幾つも走り、穴の開いた関所。しかし、依然として関所は猟兵達の前に立ちふさがっている。漆黒の髪が風に吹かれさらさらと音を立てる中、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は度し難い光景を生み出したであろうラグナソピアの顔を想像する。
(ここまでの事をしておいて、女神等、さぞかし歪んだ笑みでも浮かべているのであろう)
「単に、『女神』というハリボテを飾りたてるための舞台装置。これほどのものを築き上げた自分はどれほど素晴らしいのだろう、と悦に浸るためのものでしかないのでございましょう」
 未魚月・恋詠(詠み人知らず・f10959)の和服の袖が揺れるが、それも気にせず舞台装置を見上げる。
「完全に壊すというのであれば、基礎からすべてを壊します。地に立つ不浄なものあれば、破壊のみです」
「分かりました。恋詠めは崩れ行く舞台装置に最後のとどめを」
 こうして、二人の乙女――否、真なる女神達による救済は始まった。

 恋詠を少し下がった場所に移動して貰うように頼んだ紬雁は、関所を見上げる。
 その顔に浮かぶのは、笑み。
「弐の式…来たれ」
 自身に染み渡る地の魔力。紬雁のユーベルコード:トリニティ・エンハンス弐式(トリニティ・エンハンス・ニシキ)の発動により全身に力が流れる。
「知らぬ弱神(わかもの)に教えよう
 繁栄は終焉を以て完成する
 撒き育ち実り枯れまた撒く……
 永久の繁栄など外道の外れ
 如何な世界でも夢のまた夢」
 一撃一撃、地を、壁を暴力的に破壊する。 
「"剣の神"がやって来た
 終わりの神がやって来た
 実って熟れて腐った栄え
 斬って落として終わらす為に
 攻撃力に特化したその力は建物の建材を砕き、基礎を揺るがす。
「目覚めよ!破壊神が来たぞ!!」
 石壁が揺れ、石が落ちてくる衝撃風に吹かれ、巫女服独特な形状の羅刹紋【ムラクモ】が浮かび上がるのを見た恋詠は驚く。
「力、それも素晴らしいです。それでは、こちらは全てを砕きましょう」
 一部始終を真剣な瞳で見ていた恋詠が、ユーベルコード:千里眼射ちを発動させる。既に継ぎ目だらけ、劣化した部分。全てが露わになった場所に。
「繁栄の否定を、ここに」
 出現した矢が正確に貫いた。
 轟音と共に、石壁は全て砕け散り、関所は瓦礫の山とかした。
「『大山も蟻穴より崩る』――砂山より脆かったですけれど」
 関所は破壊され、そして道は開けた。

「あら、何の音でしょう。繁栄を否定する……の、かしら?」
 その微笑み、しかしその瞳は笑ってはいなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『繁栄の代行者・ラグナソピア』

POW   :    繁栄の時、来たれり
【周囲を鼓舞し能力を引き出す声援】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
SPD   :    栄耀の時、来たれり
【正】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【光輪】から、高命中力の【限界を超えて能力を引き出す光】を飛ばす。
WIZ   :    最盛の時、来たれり
【死亡させた人々】の霊を召喚する。これは【自身が創造した肉体】や【他者に憑依する事】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

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※このボスの宿敵主はリーヴァルディ・カーライルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【繁栄の代行者・ラグナソピア】
 猟兵達が関所を破壊し、村へ近づく。
 一本道の先にある村の入り口の前、彼女は立っていた。

「ようこそ繁栄の村へ。私は皆様の繁栄のため降臨せしラグナソピア」
 薄汚れた格好の村人達は羨望の眼差しで彼女を女神様とうわ言の様に呟きながら見つめる。
「関所が壊れれば、また作ればいい。そうですよね、それが繁栄ですものね」
 ラグナソピアは村人達に微笑みかける。村人達は頷くのみ。
「村人の皆様の嘆き、破壊されたそれを癒すのは再興、即ち繁栄のみ」
 女神は猟兵達の方を向きなおす。
「繁栄。全ては繁栄のため。私は代行者です。皆様への救済として、繁栄をもたらしてきました」
「……どうして、怖い目をなさるのですか?皆様、繁栄のために命を捧げてくださいました。たったそれだけの事だけなのに」
 ゆっくりと猟兵達に歩み寄りながら、ラグナソピアは何か思い浮かんだとばかりその笑みをさらに深くした。
「貴方達の臓物、服、存在価値。全てを繁栄のために使えばいいのですね。それが村人達の幸せに繋がる道」
 猟兵達ははっきりと分かる。
 繁栄は全て、彼女が求め続けてきたもの。
 そして、村人は彼女の『繁栄』を受け入れ、動かされ続けてきた人形。
 壊れたら見向きもされず捨てられてきた、人形。

「私は繁栄の代行者ラグナソピア。代行者としてここを通すわけには参りません」
 白いドレスに桃色の髪をなびかせ、ラグナソピアは笑う。
祝聖嬢・ティファーナ
神を称し“死”の安寧を妨げる様にティファーナは笑顔を忘れて無言の無表情で向かう中、紬雁・紅葉 に止められて頬を叩かれて我を取り戻します☆

『クリスタライズ』でティファーナと紅葉の姿を消して、2人と戦う猟兵に『生まれながらの光』+『シンフォニック・キュア』で怪我を癒して状態異常を回復させます♪
雷X闇の『エレメンタル・ファンタジア』で攻撃をしたり、本当の人々を救う神様の『神罰の聖矢』で攻撃を相殺させたり、防いだりします☆

2人と猟兵には「鼓舞」「勇気」「オーラ防御」を「祈り」と「歌唱」で全力で届けます☆


紬雁・紅葉
ティファ―ナと共に行動
ティファ―ナに一言
「怒るのは、私の役目よ…!」

敵に最早語るに及ばず

UCにて"剣神"を宿し
では神殺しと参る…師匠
「な゛ぉーぅ(おぉ)!」
"ひのかがひこ"の力を借り
破魔+炎の属性衝撃波を用い薙刀を以て全力で敵を薙ぎ払う
回数を以て範囲を焼き祓い亡霊ごと女神を打つ

躱せる攻撃は避けるが基本はUCやオーラ防御などで受ける
我が気炎…触るれば斬れるぞ!

とどめは力を溜めて渾身の一撃を見舞う
爛熟の女神…去り罷りませい!

終わったら先ずティファ―ナの様子を気遣い窺う
落ち着いた?大丈夫?

村人になるべく会わないように撤収
破壊神は、消え去るのみ…

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※



【女神は笑う】
 常に笑顔の祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)が、表情を変えた。無表情で微笑むラグナソピアへと自然に足が向けられていた。 その怒りを感じ取った紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)が咄嗟にその肩を掴み、振り向かせその勢いのまま頬をはたく。
「……え、あ」
「しっかりして、怒るのは、私の役目よ……!」
 紬雁の声と、じんとした頬の痛みにティファ―ナはふわりとほほ笑む。
「そうだね♪紅葉、ボクが癒すし、姿を消すよ☆」
 祝聖嬢はそっと紬雁を抱きしめる。
「身体も貴方も水晶の様に透明に…」
 祝聖嬢のユーベルコード:クリスタライズが発動し、二人の体が透明になっていく。
「あら、不思議……ああそう、やはり、貴方達は私の、村の繁栄の敵ね。私はラグナソピア。栄耀の時は来たれり。繁栄は正しい事、ですよね?」
 ラグナソピアがそう村人達を振り向くと、村人達は頷く。頷いた村人達の頭上には選ばれた者の証であるかのように光輪が現れる。
「一体何をしているかは知りませんが……神殺しと参る。師匠、お力を」
 師匠と『ひのかがひ』、尻尾の先端に火をともした金目の黒猫がそれにこたえるように鳴く。紬雁のユーベルコード:巫覡載霊の舞が発動し、その身は剣神と呼ばれる神霊体と化す。
 そのまま無言で薙刀を振るおうとした所で、女神はくるくると舞った。
「栄耀の時は来たれり。風は常に我らより吹きます」
 その時、一斉に光輪から放たれた光がラグナソピアの頭上の光輪へと集まる。
「ありがとう、皆様。これで最盛の時、来たれり。あの時の最盛をここに集めましょう」
 空中に黒い霞があつまる。それらは彼女の『繁栄』によって死んだ人々の霊である、と紬雁は直感する。
「我が気炎…触るれば斬れるぞ!」
 薙刀から放たれる衝撃波で霊を薙ぎ払おうとする。
「栄耀の時はすでに輝いています。その最盛もまた、輝きに満ちております」
ラグナソピアがそう唄い、手を空にかざすと幾人もの人間が空中に召喚される。彼女が作り出した肉体だ。
 恐らくは村人であったであろう死体と共に融合しているのであろうそれに霊が重なると、地上には歪んだ肉体を持つ異形の物で溢れる。幾重にも重なった異形は衝撃波へとぶつかっては、バラバラの体になり、歪な形のまま再び突っこんでいく。
「払っても払っても……これでは切りがない」
 先程の光は彼女自身の力を強化するものか、と紬雁は考えていたその時であった。
「あっ……!」
 祝聖嬢の肩に、吹き飛んだ手が触れる。そのまま手は意思を持っているかの祝聖嬢の肩を勢いよく引き裂くと、血しぶきが上がった。そして、その痛みに耐えかねた祝聖嬢は抱きしめていた手を放し、紬雁が実体化する。
「ティファ―ナさん!くっ……」
 薙刀で異形を振り払い、紬雁は祝聖嬢を下がらせるように後ずさる。
「成程、そういう仕組みでしたのね。最盛を迎えたこの村に、これ以上近寄るのですのであれば」
 ラグナソピアはどうしたものかと考えながらと行ったように二人の元へと近寄る。
「紬雁……ボクは大丈夫だよ☆だから行って!」
 ユーベルコード:シンフォニック・キュアで自身を回復しながら祝聖嬢は叫ぶ。その声に、薙刀を再度構え破魔の力を込めたそれを振るった。薙刀から放たれた衝撃波を受けたラグナソピアは地面へと叩きつけられる。
「ああっ!これが、痛み。この痛みを村人の皆さんは受けてきたのですね。大丈夫です、守ります。私は正しいですよね?」
 先程と同じように村人達がラグナソピアへと声をかけ、そしてゆっくりとラグナソピアは頭上の光輪を輝かせながら立ち上がる。
「これは……これ以上は出来ないか」
 ダメージは与えられたものの、再び襲い掛かってくる攻撃にこれ以上耐えられるか。
(あの光……侮っていたか)
 その判断は的確であったかもしれない。

 後方に下がったティファ―ナの様子を気遣い、その様子を窺う紬雁。
「落ち着いた?大丈夫?」
「うん、大丈夫……ごめん、癒すことも自分にしかできなかった」
 クリスタライズを長時間使用し疲労していたこともあり、攻撃は出来ず回復を複数行うことも出来なかった。
「ここはいったん引きましょう。ですが、攻撃は当たります」

 ラグナソピアは笑う。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

数宮・多喜


ラグナソピアさんよ、
アタシはアンタの行動も凄いとは思うよ。
ここまで他人の力を振り絞らせるカリスマはたいしたもんだ。
……もしここで【栄耀の時、来たれり】が飛んで来たら
甘んじて受ける。
限界を超えなきゃ、やれなさそうなんでね……!

やるぜ、相棒……!
【人機一体】、初お披露目さ!
とにかく加減が分からないから高速で暴れ回る!
時にはバイクに変形して他の猟兵の脚になったり、
時にはラグナソピアに急接近して
至近距離からメーザー光線をぶち込む!
遠距離でも近距離でも、
基本は他の猟兵との連携重視で動くよ!

ま、かなり負担がデカいから長時間は稼働できないかも。
何事も身の丈合った振る舞いが一番!
分かったかい村人さん達よぉ!


聖護院・カプラ
『繁栄の代行者・ラグナソピア』。
行いを改めさせる事でこの地に住まう人々の救済と致します。

利己的であり、人の命の価値に気付かぬだけであればまだ諭せました。
貴女は仮定の繁栄を達成する為に居るだけの機械仕掛けの神です。
そこに思想、理想、夢、希望……全て存在しなかった。
欠片たりとも。

そう、それは代行者ですらなかった。
これよりこの地の繁栄の代行者、私が引き受けましょう。

妄執や死霊ごとラグナソピアを『経法』で浄化しきってみせます。
既にラグナソピアの影響を受けて操られている人々にも、この浄化の光が届くと信じています。



【繁栄と救済】
 猟兵達の攻撃を受けてなお、微笑みそこに立つ『繁栄の代行者・ラグナソピア』
 聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)はラグナソピアの姿を見、静かに、しかし僅かな怒りを込めて呟く。
「利己的であり、人の命の価値に気付かぬだけであればまだ諭せました」
どんな仕打ちであれその行いが、あくまでも村人のためであればまだそれは救済であっただろう。
(そこに思想、理想、夢、希望……全て存在しなかった。欠片たりとも)
 ラグナソピアが自分に向けられた言葉に口を開く前
「ラグナソピアさんよ、アタシはアンタの行動も凄いとは思うよ。ここまで他人の力を振り絞らせるカリスマはたいしたもんだ」
「でもねえ、真の繁栄なんてものは搾り取る物じゃできやしないよ」
 数宮・多喜(疾走サイキックライダー・f03004)が『宇宙カブJD-1725』に乗ったまま、敵として睨みつけるように言葉を重ねる。
「何をおっしゃっているのでしょうか。私は繁栄の代行者。代行をしているに過ぎません」
「貴女は仮定の繁栄を達成する為に居るだけの機械仕掛けの神です」
「……行いを改めさせる事でこの地に住まう人々の救済と致します」
 カプラはラグナソピアの微笑みに、全てを悟った。彼女は代行者ですらない。ならば、
「これよりこの地の繁栄の代行者は私が引き受けましょう」
 数宮はカプラの方を振り返って、ニヤリと笑う。
「おお、私はこっちの代行者様を信じるよ。こっちにはカブがある。なに、限界までかっ飛ばすから2ケツしても大丈夫だ」
 かくして、猟兵達はラグナソピアへと向かっていく。

「分かり合えないのであればその全てを繁栄に使うのみ。最盛の時は来たれり。最盛の時は来たれり」
 ラグナソピアが唄いあげると地面から幾つもの手が伸びる。起き上がり、蘇る死体達。村人たちのそれはもはやラグナソピアの力により変貌した異形の物。
「妄執や死霊ごとラグナソピアをで浄化しきってみせます」
 カプラの言葉に、とっておきだけどねえと言葉を返し、数宮はユーベルコード:人機一体(チャージアップバディ・ジャンクションドライブ)を発動させる。
「気合入れろよ相棒…いくぜ。アタシたちは、一心同体さ!」
『宇宙カブJD-1725』がその場でバラバラになったかと思うと、それは数宮の体を纏う鋼の衣になる。
「無機物との合体ですか」
「まあね、しかもこのまま高速移動のカブにもなれる」
 さあ乗りな、と数宮が笑うとその姿はバイクへと変形する。
「ありがとうございます。それでは、救いを」
 死霊たちを間を高速で抜ける宇宙マイクと化したカブの上に乗っかるカプラ。道中の死霊はカブから発せられた高出力のレーザーで焼き切られ吹き飛ぶ。
「ああ、なんということを!どうして、何故繁栄を受け入れてくれないのです!」
 地団太を踏むように喚くラグナソピア、妄執によって生きていても死んでいても彼女の機会の部品にされる村人達。
(なあ真代行様、こっちはこのままラグナソピアに突っ込む。空中からやっちまってくれ)
 宇宙バイクから響く数宮の声に、分かったと言わんばかりにその機体をこつんとカプラは叩いた。
(おう。それじゃあスピードについてきな!)
 一段と加速する宇宙バイク。その接近に気が付かなかったラグナソピアには、祝福の光ではなく高出力のレーザーが至近距離から当てられる。
そのドレスが引き裂かれるのと同時に、血ではなく黒い瘴気が飛び散る。
「あ、あ、ああああああ!」
 痛みによって操っていた死霊達が動きを止めた。空中へと放り出されたカプラは精神を集中させる。
「この浄化の光にて、全ての物へ救済を。繁栄をここに。私はこの地に住まう人々を救済します」
 カプラのユーベルコード:経法(キョウボウ)によって辺り一面に浄化の光が降り注ぐ。
「痛い痛い。どうしてこんなに、な、なんですかこの光は」
「手向けの言葉です。機械仕掛けの神、仮定の繁栄だけの存在に何も救いはありません」
 そしてカプラがこの地に住まう人々を救済すると告げると、それを聴いた全ての村人は我に返ったような顔を見せる。そして死霊は肉体が消え、そのまま消滅する。
「はは、真の代行者様の勝ち、って所かねえ」
 ユーベルコードを解除した数宮は笑う。 カプラが地面に着地した時、そこには傷だらけのラグナソピアと、『繁栄の代行者であった』ラグナソピアを訝しげに遠巻きに見つめる村人達の姿。
「よかった、私の浄化の光が届いたのですね」
 真なる繁栄の代行者・カプラは微笑んだ。
 対して、ラグナソピアは痛みからか、憎しみからか、その顔から笑みが消えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

八剱・忍
「何かを得るには何かを代償とする、やな。村人はんらの思いはどうあれ、や」

大鎌を肩に担ぐように構えて続けるで。

「ま、あんたが繁栄の代行者なら、うちは破滅の代行者や。偽りの楽園は壊させてもらうで」

指を噛み切り血を大鎌の刃に押し付けて、ユーベルコード 「魂喰らい」を発動させるわ。

ほんで、一気に間合いを詰めて近接戦闘に持ち込むで。
相手に攻撃させる暇をあたえへん勢いや。

スキル「残像」で相手を撹乱させつつ、スキル「暗殺」で死角に回り込んで、スキル「なぎ払い」で大鎌を振るうで。

「今度はあんたが臓物撒き散らす番や」

スキル「見切り」で攻撃をぎりぎりでかわしてからの、スキル「なぎ払い」でのとどめの横薙ぎを狙うわ。



【破滅は繁栄への歩みを知らせる】
 猟兵達の攻撃によって、その本性を傷ついた体から覗かせる『繁栄の代行者・ラグナソピア』
 彼女が本当に女神様であれば村人達が駆け付けたであろう。しかし今、その女神からは黒い瘴気が血の様に溢れ続け、そして村人達の目には光がともっている。
「ま、偽物の神様のインチキ洗脳術はとけてるって事やな」
 八剱・忍(黒の囀り・f13028)は暗闇の中光るその希望に目を細める。
「何かを得るには何かを代償とする、やな。村人はんらの思いはどうあれ、や」
 その手に持つ巨大な大鎌を肩に担ぎ、八剱は続ける。
「あんたが繁栄の代行者なら、うちは破滅の代行者や。偽りの楽園は壊させてもらうで」
「偽りなどでは、なく、は、繁栄、繁栄繁栄のために」
 ラグナソピアから向けられる憎悪など気にせず、八剱は親指を噛み、一筋流れた血を大鎌に押し付けた。
「ねぼすけさん、そろそろ目ぇ覚ましや」
 その言葉と共に、八剱のユーベルコード:魂喰らい(タマシイクライ)が発動される。彼女の背負う大鎌『デモン・サイズ』、
 悪魔が鍛えたというそれは、彼女の血を代償代わりと言わんばかりに飲み込むと漆黒の炎を纏った姿へと変貌させる。悪魔が女神の首を刈り取りにきた、その様な光景が村人達には見えているだろう。
「……悪魔は、本当はどっちなんだ?」
 誰かが呟く。自分達は今迄何をしてきたのか、朧げに記憶が蘇っていく。
 偽りの楽園、と鎌を持った少女が言っていた。偽りの楽園とは……
「この村の事、なのか?」
 ざわざわと騒ぎ始める村人たちに振り返り、ラグナソピアは半ば怒鳴りつける形で叫ぶ。
「違います!繁栄の時は来たれり、皆さん惑わされないでください!」
 しかし、村人達はその声、そしてラグナソピアの形相に顔を見合わせる。
「違う。女神様、じゃない!」
 もはやラグナソピアの声に耳を傾ける者も、共感する者もいない。
「ならば、最盛の時をもたらします。皆さんが繁栄の先に行きつけば、また繁栄は広がるはずです」
 何人かの村人達がうめくと、その体にはラグナソピアが召喚した、かつての同胞である村人達の霊が憑依する。
「村の繁栄のため、とか言いながら実際は駒みたいに操ってたって自白したようなもんやないか……っと!」
 明確に悪意を見せて八剱に襲い掛かってくる村人達。その攻撃を残像を残した速さで躱しながらラグナソピアの元に八剱は駆け寄る。
「繁栄のためです。何人壊れても壊れても壊れても繁栄……」
 自らの傷口を抑えるのに夢中であったラグナソピアの死角に回るこむことは簡単であった。
「今度は、あんたが臓物撒き散らす番や」
 空を切る音。その音と共に、背中から大きく瘴気が噴き出す。
「ああああああああああ!神を!神に何たることを!」
 その絶叫は先程まで女神だと言わんばかりに微笑んでいた女とは思えない程怨嗟のそれを含んでおり、我に返った住民達は村へと逃げ出す。
「まあ、もう女神様って顔は出来なくなったなあ」
 彼女に一撃を与えた『デモン・サイズ』を地面におき、八剱は笑う。
 段々と、風は止んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

未魚月・恋詠
アドリブ歓迎◎

「……なるほど。見立てが違っておりましたか。
己の欲のまま繁栄と嘯く輩ですら無く、役を遂行するだけの人形。
それが貴女なのでございますね。最早掛ける言葉も不要にございます。」
「参りますよ、ヒナゲシ、ナデシコ。
我らが人形舞台にて、あの無様な人形劇を幕引きと致しましょう。」

UCを発動し人形2体を自律行動、自身を含めた三位一体の連携で女神を討ちます。
恋詠が人形を、人形が恋詠を互いに援護射撃し隙を与えぬよう立ち回り、
フェイントで女神の攻撃のタイミングを乱しての騙し討ちなど、相手の神経をとことん削るよう攻め立てます。

女神討伐後は弱った村人達の介抱に向かいます。


アウレリア・ウィスタリア
風、偽りの風が止んでいくのなら
新しい、村人が自分の意志で、自分たちの力で未来を作る新しい風を

出遅れましたが
上空から【今は届かぬ希望の光】を発動
七色の光剣
ラグナソピアを囲み、その動きを制限せよ
そしてその胸にボクは刃を突き立てる

光剣と共に空から舞い降り
一陣の風となって「敵」を貫く

歌は人を想い、人に伝えるために紡ぐもの
自分の理想を押し付ける歌なんて、ボクは絶対に認めない
だからボクはお前とは違う村人の心を奮い立たせる歌を
優しさと勇気をもう一度取り戻す歌を奏でましょう

アドリブ歓迎



【その凪は朝へと続く】
 吹き荒れていた風が段々と弱まると同時に、目の前の『女神様』も力を失っていっている。未魚月・恋詠(詠み人知らず・f10959)はふと考えた。
「……なるほど。見立てが違っておりましたか。己の欲のまま繁栄と嘯く輩ですら無く、役を遂行するだけの人形。それが貴女なのでございますね。最早掛ける言葉も不要にございます」
「アナタが偽りの風としてもたらしてきたのは、繁栄などではなく、欲望の押し付け」
(ならば、村人が自分の意志で、自分たちの力で未来を作る新しい風を吹かせるのが……猟兵の役目だ)
 アウレリア・ウィスタリア(瑠璃蝶々・f00068)もまた、止んでいく風に、ラグナソピアの終焉を感じる。アウレリアの心をざわつかせていたのは、ラグナソピアが猟兵達の前で歌い舞うように戦闘を楽しんでいただろうという事だ。
「歌は人を想い、人に伝えるために紡ぐもの。自分の理想を押し付ける歌なんて、ボクは絶対に認めない」
 引き裂かれた白い服は黒い瘴気によって染まり、それでもラグナソピアは立ち上がる。
「な、なにをいっているの?わたしはだいこうしゃ。みんなのため、はんえいのための歌をひびかせるの。うたうの」
 その顔には笑みは浮かんでおらず、身を蝕んでいた瘴気がさらに濃くなり風がラグナソピアから吹き始める。
「栄光、栄華、最盛、繁栄……貴方達の体も魂も存在価値もすべて繁栄の礎に!」
 恋詠とアウレリアはラグナソピアの絶叫にも似たその声に反応する。
「ボクは空から攻撃します。そちらは」
「恋詠めは、地上より攻撃を。その翼、撃ち抜かれぬようお気を付けください」
「お気遣いありがとうございます。それでは行きましょう」
 この悲劇を作り出す歌を止めるために。

 吹き荒れる風を上手く利用し、アウレリアは己の白と黒の翼を広げ宙に舞った。地上にはラグナソピアが呼び出した死霊が地面よりはい出ている。己の顔を隠す黒猫の仮面が風で吹き飛びそうになるが、アウレリアはそんなことなど気にしないとばかりに大勢をととのえる。
「まだ、村人を巻き込むのですか。彼らにも安らぎを与えるために……なにものにも染まり、なにものにも染まらぬ七色の光。貫け、天空の光剣」
 漆黒の短剣『ソード・スヴェル』の剣先が輝く。アウレリアのユーベルコード:今は届かぬ希望の光(セブンソードバレット)の発動。『ソード・スウェル』を村人達の亡骸をなぞるように動かすと、虹色に輝く7本の光剣が正確に亡骸を貫き、それは消滅する。
「私の私の私の繁栄の村人が、どうしてどうして!」
 半狂乱に叫ぶラグナソピア。村人を嘆くわけではなく、繁栄の駒が消えたことに悲しんでいる。
「……救えない、ですね」
 剣先をラグナソピアに向ける。7色に輝く光剣がラグナソピアを囲み、彼女を包む檻と化す。
「出して!繁栄を、繁栄をしなければ!」
 その姿にラグナソピアを女神と崇める者はいないであろう。早く終わらせるしかない。
「参りますよ、ヒナゲシ、ナデシコ。我らが人形舞台にて、あの無様な人形劇を幕引きと致しましょう。」
いつもの笑顔を一時封印し、真剣な顔で恋詠が舞台に立たせるのは『人形姉妹ヒナゲシとナデシコ』
 そして、ユーベルコード:人形舞台『汝、死ニ候エ』(ニンギョウブタイ・ナンジシニソウラエ)が発動する。
『舞台に幕引きを』
『終らせましょう』
 ヒナゲシとナデシコがそれぞれ口を開き、地上に立つ。
「それでは開幕となります」
 舞台の上には3人の乙女、そして繁栄を唄うナニカ。そしてその上を舞う美しき乙女。
「い、嫌よ。消えるのは、繁栄が無くなるのは嫌よ!」
 いくらラグナソピアが叫んでも、助けを求めても、村人達の姿はそこにはない。ラグナソピアの頭上に輝く光輪に残っていた力の残存が、レーザーのように辺りを滅茶苦茶にするが、3人の乙女達はお互いの動きを助け合いそれを躱す。
「これにて劇は、貴方の奏でる悲劇はお終いです」
「ラグナソピア。もうその歌は、誰にも聞かせない」
 恋詠が舞台に立たせたヒナゲシとナデシコ、そして上空よりアウレリアが突き立てた7色の光剣がラグナソピアを貫いたのは同時であった。
「――あ、ああ」
 その声は老婆のうめきの様にも、獣の叫びの様にも、形容しがたい何かでもあった。ラグナソピアの体が黒い瘴気へと化し、突風が吹く。恋詠とアウレリアは思わず後ずさりする。次の攻撃が来るかと思ったが、何も来なかった。
「風は止み、悲劇は終わった。のですね」
 再び恋詠は笑顔を見せた。

【吹く風に響く音色】
 村はとても綺麗だった。立ち並ぶ家々は立派に作られ、道は綺麗に舗装してある。
しかし、住民達は誰もがやつれていた。恋詠は弱った人々に声をかけ、手を取る。
「は、はんえいのために……服を作らねば」
「その必要はありません。貴方に必要なのは……まず、布を重ねて、ゆっくりと寝る事です」
 水や食料はないか。恋詠は村の中を捜索し始める。

 アウレリアは、女神さまがいなくなったと嘆く人々の前に立つ。
「彼女の声は貴方達を誤った繁栄絵と導いていた歌」
「貴方達に優しさと、勇気を導く歌を」
 アウレリアは『玉咲姫花忍』を手に取る。魔力を通すことで聞こえてくるのは優しいリュートの音色。その音に合わせ、アウレリアは歌う。
 風は止み、歌は人々へと伝わる。
 その目には光が宿り。皆、顔を合わせ涙を零していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日
宿敵 『繁栄の代行者・ラグナソピア』 を撃破!


挿絵イラスト