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迷宮災厄戦⑭〜さっさと寝ろ

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦


●アリスラビリンス:"おやすみなさいの国"
 猟兵たちの到来を待ち構える、恐るべき『ジャバオウガ』たち。
 ……は、みんな頭にナイトキャップを着けていた。
「やべー、猟兵来るの楽しみすぎて眠れねー。マジ眠れないわー」
「かーっ、俺なんか二時間しか寝てないわー、辛いわー」
「ねえお前、クラスの女子で……誰か好きなやつ、いる?」
「おい! 枕投げしようぜ!!!!!!!!!!!!!」
 そしてきゃっきゃと騒いでいた。修学旅行の夜の男子中学生かこいつら。
「ねえ~戦いに備えて眠っておきたいんだから静かに」
「オラーッ!(文句言ったやつの顔面に枕ぶん投げる)」
「このーっ、やーたなーっ!」
 キャッキャウフフ!
 お前らほんとに戦うつもりあんのか? みたいな雰囲気であった。

●グリモアベース:予知者、ムルヘルベル・アーキロギア
「というわけで」
 いやというわけでもクソもねえよ、という猟兵たちの視線はスルーしつつ。
「新たな戦場だ。ここは"おやすみなさいの国"、名前のとおり強烈な睡魔が襲いかかる。
 それを防ぐには……(間)……あー、パジャマパーティをすればいいそうである」
 なんだよこの不思議の国、とムルヘルベルの顔面に書いてあった。
 でも仕方ないじゃんね。そういう国なんだもの。
「連中もパジャマパーティを……というか、旅行の夜みたいなじゃれあいをしておる。
 そのまま立ち向かって行けば睡魔のせいでかなり手を焼くであろう。かなり」
 不可能ではないようだが、それでも手をこまねくのは間違いない。
 郷に入っては郷に従えとも言うし、このノリに身を委ねるのが無難だ。
「そもそもパジャマパーティとはなんなのであろうな? ワガハイ正直よくわからん。
 多分なんかこう……寝間着姿で布団敷いてそれっぽく騒いでればよいのではないか?」
 少なくとも相手は、修学旅行の夜の男子みたいなノリのようだ。
 多分そんな感じで振る舞うと、相手も油断して攻撃しやすいだろう。
「とまあ要項は以上……ふぁ~あ」
 予知のさなかにあくびするという失態。ムルヘルベルは眠たげに目をこする。
「んー……寝床の話をしておったせいかワガハイまで眠くなってきた。
 オヌシら転移し終えたらワガハイ少々寝るゆえ、あとは任せたのである」
 だいーぶゆるい感じで、ねむけ眼をこするムルヘルベル。
 ともあれ、それが転移の合図となった。スヤァ。


唐揚げ
 リアルで昼寝したばかりの磯辺揚げです。戦争シナリオですよ。
 見てのとおり多分ネタシナリオなので、その点ご承知おきください。
 パジャパの定義はあやふやです。それっぽければなんとかなる。

 なお、採用期間は設けず、適当なタイミングで執筆を始めるつもりです。
 全採用は確約いたしかねますので、その点併せてご了承くださいませ。
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第1章 集団戦 『ジャバオウガ』

POW   :    喰らいつく顎
【噛みつき】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    かきむしる爪
【爪】による素早い一撃を放つ。また、【翼を限界まで酷使する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    燃え光る眼光
【視線】を向けた対象に、【額のクリスタルから放たれるビーム】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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●アリスラビリンス:"おやすみなさいの国"
「あっ猟兵来た!」
「やべー! みんな寝たフリしろ寝たフリ!」
「布団入れ布団!」
 枕投げ中のジャバオウガたちが慌てて布団(もしくはベッド)に潜り込む。
 見回りの先生が来たときの男子学生みたいなノリであった。
 多分そんな感じでやってれば、向こうも油断すると思われる。
淵守・竜二郎
先日水着コンテストあったじゃないですか
もちろんコンテストだからね、僕はきちんと真剣にチェックしましたよ
そりゃだってコンテストですからね
いやそんな不誠実な目でなんて見てないですよ当たり前でしょ?
だからね、僕はこの…こういう…(気持ち悪い手付き)…こういう感じの、わかります?ラインがね?すごく芸術的な、だから違いますって!アーティスティックな話をしてるんですよ今は!
それでさあ、思ったんですけどさあ、水着ってもうあれ
下着っていうか…ンフッ
はいはい違う違う日常生活を憂いているんですよ
実質下着じゃないですかあれ
つまり水着がある世界では下着無いんですよきっと
それを考えると僕は…眠れません
(寝ろ)
しかし!



●男は狼だったりするのよ
「先日水着コンテストがあったじゃないですか」
 おやすみなさいの国、つまり戦場のど真ん中。
 車座になったジャバオウガたちは、淵守・竜二郎の話に耳を澄ませる。
 あったじゃないですか、と言われてもオウガのほうは知らねえんだが。
「もちろんコンテストだからね、僕はきちんと真剣にチェックしましたよ。
 そりゃだってコンテストですからね。チェックしないと審査出来ないでしょう?」
「お、おい、まさかそのコンテストって」
「そうです。男女混合ですよ」
「「「…………!!!!!!」」」
 ジャバオウガたちは戦慄した。猟兵、パねぇ!!
 竜二郎は「わかります」とキリッとした顔で頷いた。賢者の時間であった。
「でもよぉ、それってつまり視か……」
「違いますよ!!!!!!!!!!!!!」
 けど急に鼻息荒くしてフンフン反論しだした。なんだよこいつ。
「そんな不誠実な目で見るわけないじゃないですか当たり前ですよそもそもなんですかその言葉全然わかんないですねあーわかんない僕清純だから全然わかんないなあわかんないけどとても不名誉で不愉快なのはわかりますよ言葉遣いには気をつけてもらえませんか僕の純粋にいいものを評価したいという芸術的美術的関心を揶揄するのはやめてもらいたいですねまったく!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「「「アッハイスイマセン!!」」」
 フー。と、息継ぎしてお茶(持参した)を飲む竜二郎。
「……まあつまり、とにかく僕はじっくり堪能いやチェックしたわけです。
 特にこの、こう……こういう、ね? こういう……こういう感じのですね」
 くねくね。なんか空中に波線を書き始める竜二郎。撫でるような手付きだ。
 実に気持ち悪い。ジャバオウガたちは訝しげな顔をしていたが
 やがてある一体のジャバオウガが「エウレカ!!」と叫ぶと理解は幸せ。
「こう……こういう、ね? ラインがね? すごく芸術的な、そういう」
「つまりおっぱ」
「だから!!!!!!!!!! 違いますよ!!!!!!!!!!!!!!!!」
 だんっ!! 竜二郎は拳を布団に叩きつけた。
「いいですか僕はいまアーティスティックでイノベーションでエキサイトな話をしているんですそういう一面的かつ低俗なものの味方で茶化すのはやめてくださいもしかしてあれですか芸術なんて理解できないとかそういう高尚性をあげつらうわけですかダメですねそういうのはダメですダメダメですよあくまで僕はアート!! 芸術!! 文化!! そういう面から評価しているのであってけしてそんなでかければでかいほうがいいとか出来ればお尻の方も大きめでお願いしたいとかそんなことは考えてないんですそもそもですよ歴史的に豊満さは国の豊かさに繋がるとされてきました紀元前の遺跡などからはそういった遺物が多数発見されているんです僕は悪くない大きければ大きいほどよいって漫画の神様も言ってたんですよおっぱい!!!!!!!!!!!」
「「「アッハイスイマセン!!」」」
 あれ? 今こいつ勢いに任せて自白しなかったか?
「……そもそもですよ」
 ポテチをボリボリ喰い始める竜二郎。
「僕が言いたいのはね、そういうことじゃないんです」
「アッハイ」
「いいですか? 猟兵の皆さんってすごく個性的なんですよ。多様性なんです」
「はあ」
「服装もそうなの。水着ってなったらもうね、もう、すげえんだわ。すげえの」
 口調が若干壊れてきた。
「もう水着っていうかもうあのあれあの……下着っていうか……ンフッ(吐息)」
 めちゃくちゃ気持ち悪い顔をしていた。
「あのやっぱりいかがわしい目で」
「はいはいはいはい出たー出ましたねそういうの! はい出たーーー決めつけーーーーーはいそれハラスメントーーーーーーセクハラですよセクハラーーーーーーーーーーポリティカルーーーーーーーー!!!!」
 うっせえなこいつ!!
「違う違う日常生活を憂いているんですよ僕は! わかります!?」
「「「わかんないです……」」」
「つまりですねえ! 水着がある世界では、いいですか? これは推測ですよ」
 竜二郎は指を立て、できるだけ小声で言った。
「――……水着がある世界では、下着がないんですよ。きっと」
「「「ええ……」」」
「それを考えると僕は……」
「寝ろ」
「眠れません!!」
「いいから、寝ろ!」
「しかし!!」
「寝ろ!」
「ですが!!」
 お前ら戦闘はどうした?

大成功 🔵​🔵​🔵​

テイク・ミハイヤー
第1回!寝る前の最強妄想あるある選手権!
お前等も寝る前に妄想するよな、すげーつえー敵をもっとすげーつえー俺が圧倒するやつ。
やっぱ定番は激しい空中戦とか手からビームとかだよな。
は?お前等は羽生えてるしビームだって撃てるって?違うんだよ、そういう事じゃねぇんだって!
妄想だから最強なの、瞬間移動みたいに凄い速度で空飛べてビームだって何倍も太くて威力がやべぇの。
まだピンと来てない奴がいるな……しょうがねぇ、こんな事もあろうかと円盤と再生機器を持って来た。
本編だと流石になげーから劇場版セットだ!朝まで鑑賞会だからな!
ヤベッ!センコー来た!全員静かにしろ!見つかっても俺が持って来たってチクんなよ!?



●脳内オープニングとか誰でもやりますよね
「第一回!! 寝る前の最強妄想あるある選手権~!!」
『『『わー!!』』』
 ぱちぱちぱち。テイク・ミハイヤーのタイトルコールに拍手するオウガたち。
 お前ら敵と味方だよな? とか、そんなことを言ってはいけない。
 パジャマパーティに国境はない。オウガと猟兵の垣根だって……!!
 いやほらなんかこう、お互いに隙を伺ってるんですよ多分。
 水面下で高度な心理戦が繰り広げられてるんですよ。はいお題目成立! 続き!
『ところで、寝る前の最強妄想ってなんだよ?』
「えー! いやお前らもやるだろ? こう、すげーつえー敵を出してさあ、
 そいつをもっとすげーつえー俺が圧倒するやつ! そういう妄想だよ!」
『あー』
『わかるわ~』
『俺も猟兵とか倒しまくるわ~』
 さりげなく不穏な単語も出てきた。ほら、オウガらしいでしょ!(必死)
「だろ? やっぱ定番は、激し空中戦とか、手からビームとかだよなー」
『え、そういうのはないかなー。だって俺ら羽生えてるし』
『手からビームも出せるもんなー』
『もっとこうロボとかそういうのだよなー』
「ばっか、ちげーよ! そういう話してんじゃねーって!」
 テイクは熱弁した。18歳男子、エロ本は買えても心は中学生なのだ。
「妄想だから最強なの、瞬間移動みたいにすごい速度で空飛べて、
 ビームだってお前らのよりも何倍も太くて威力がやべーの! わかる!?」
『『『うーん……』』』
「ったく、わかってないなー。けど、今日はいいものを持ってきたぜ!」
 テイクが取り出したもの、それは……円盤と再生機器である!(???)
 電源どこから持ってくるんだよとか、
 お前その妄想の映像どうやって収録したんだよとか、
 そういう細かいことを気にしてはいけない。ユーベルコードは奇跡の力だ。
 え? ユーベルコードが指定されていない? いんだよこまけえことは!!
「本編だとさすがになげーから劇場版(???)セットだ!」
『『『うおーすげー!!』』』
「朝まで一気見と行こうぜ、俺のオススメ映画も持ってきたからさ!」
『俺ジュース持ってくる!』
『じゃあ僕ポップコーン!』
『友達呼んできていい!?』
「いいぞいいぞー、けどセンコーにはバレんなよ! 静かにな!」
『『『りょーかーい!!』』』
 誰だよセンコーって。ここは修学旅行先じゃ……いやまんまだこれ!

 まあそんな感じで、垣根を超えた映画鑑賞会がしばし始まった。
 多分なんかこう、その途中でどっちかが隙見て攻撃したんじゃない?
 一気観して疲れて眠りこけるテイクの笑顔は、それはそれはいいものだったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
じゃあ、とりあえずパジャマと焼酎とつまみで
晩酌という名のパジャマパーティを…

すまねぇ、軍犬は44歳…キマイラで第六猟兵世界の
住人なので実年齢と肉体年齢が一致するかは謎だが
それはそれとして44歳なんでOPのノリはキツいの
…ヒーローズアースの映画? 知らんなぁ?

という訳で【指定UC】のグルメ姫君!
君の出番だ! お前ならあのノリの中に入っていっても
違和感ないから!

グルメ姫「夜だけどパーティだからケーキ食べて良いでケキ?」

…食べ過ぎんなよ

あとは枕投げとかにかこつけてジャバ君たちには
躯の海におかえり願おう

詳細は省くがグルメ姫の戦闘力は軍犬とほぼ互角なので
ネタシナリオなら強めに枕ぶつけるだけでイケるイケる



●誰にだって老いは来る、キマイラにだって
「ふぅ~、どっこいせっと。っす」
 かなり年齢を感じさせる声を出しながら布団の上にあぐらをかく秋山・軍犬。
 そして取り出したのは、焼酎とつまみ。こう、イカゲソととかだ。
『う、うわあ……』
『まじかよ、おっさんじゃん……』
『パジャマパーティに酒って……』
 男子中学生めいてワクワクしていたオウガたちもこれにはドン引き。
「いやすまねえ、自分は44歳……そういうノリはきついんすよ」
『だからってお酒はやめてよ~くさいよ~』
『でもこのおつまみ美味しそう!』
「あげないっすよ。うーん、ならここは……カモン、グルメ姫!」
 パチン! と軍犬が指を鳴らすと、ぼわんと煙が生まれた。
 その中から生まれたのは、なんかケキケキやかましい少女? であった。
『ケ~キケキケキケキ! 私はグルメ姫! 美味しいもの大好きケキ~!』
『『『すげえ、女の子出てきた!!』』』
『……夜だけどパーティだから、ケーキ食べていいでケキ?』
「いいっすよ。けど食べすぎたらダメっすからね」
『ケキ~!!(了解の合図)』
 召喚されたグルメ姫は、るんるん気分でいろいろなお菓子を取り出した。
 ケーキ、マシュマロ、チョコレート、マカロン……ふんわりしたお菓子の山!
『『『わーすげー!!』』』
『食べたいケキ?』
『『『食べたい!!』』』
『じゃあ私の言うこと聞いてほしいケキ! そしたら分けるケキ~!』
『『『わかったー! わーい!』』』
 そんな感じで完全にジャバオウガたちは、ペースを握られてしまった。
 グルメ姫は、さながらオウガサークルの姫といったところか。
「いやー、この年になると夜に飲む焼酎のうめえことうめえこと」
 軍犬はしみじみと酒を飲む。お冷もいいが、熱燗だって悪くない。
『オラーッ死ねケキーッ!!』
『『『アバーッ!?』』』
 背景では枕投げ(ルビ:ころしあい)が繰り広げられている気がするが、
 軍犬は出来るだけ気にしないようにしながら、酒を飲んでいる。
「焼酎がしみるっすねえ……」
『ケーキのお代はお前らの命ケキーっ!!』
『『『アババババーッ!?』』』
 おとなになるといろんなことが出来るようになる。
 たとえば、都合の悪いことをシャットアウトするとか……ネ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​

祇条・結月
甚平はパジャマに入りますか。
入りますね、入りますね。異論は認めない

じゃあそれらしく、怪談大会でもしよっか。
影の梟を素知らぬ顔で放して行って演出に使うね

不気味な鳴き声とか、タイミングよく羽音をさせたりとか、いろいろ

……じゃあ、僕からいくよ

って風に、抑揚を抑えて、緩急つけて話し始めるね

きさらぎ駅だとか、江戸時代の妖怪話とか、ヨーロッパの不思議な話とかいろいろと……

こういうことしてると悪ふざけしだす奴とかもいるよね
布団被せてきてびっくりさせに来るやつとか

けどそういう行動は【見切って】るから
現役学生を舐めたらだめだよ

場合によったら強めのツッコミ(物理)とか入れとくね



●なんだったら水着で参加してもらってもいいんですよいやしろ!!
 祇条・結月は甚平姿であった。実にラフな格好だ。
 年頃の少年にしてはやや細く、けれどもたくましい生足。
 白い生足が覗く甚平姿である。スケ……もとい、涼やかですね。涼やか。
 なんか邪念が漏れてる? 気のせいじゃないですか? 話進めましょうか。
「こんなに暑いと涼しくなりたいよね。……怪談大会とかどうかな?」
『『『ご、ごくり……』』』
 ジャバオウガたちは息を呑む。怖がりなやつもいるようだが強がりの姿勢だ。
 いやオウガが怪談怖がるってなんだよ。お前ら人食いの怪物だろ。
「じゃあ、僕から行くよ……」
 結月は声の抑揚をおさえて、緩急をつけて怪談話を始めた。
「これは"きさらぎ駅"っていう、誰も知らない駅で降りちゃった人の話なんだけど」
『『『…………』』』
 ジャバオウガたちは、固唾を飲んで結月の話に聞き入っていた。
 こんなトークの経験があるのか、はたまた怖がらせるのが得意なのか、
 特殊エフェクト(影のフクロウのことだ)を使った結月の怪談は、
 プロの怪談師もさながらの臨場感極まるもの。
 なにより恐ろしいのは、彼が引用する様々な怪談の生々しさだろう。
 よくある都市伝説にアドリブやアレンジを加え、臨場感を醸し出す。
 かと思えばとても古いちょっとユーモアある怪談(たとえば落語の噺などだ)を語って場を和ませ、直後また身も凍るようなエピソードで引き込む。
 どことなくファンシーで、センスオブワンダーを感じさせる海外のエピソードなど、結月のレパートリーは実に豊富だった。さすがは探索者。
 ちなみになんですがこれを書いている私は怖い話がめちゃくちゃ苦手です。
 こうやって書いてるだけでも想像して怖いくらいです!! 畜生!!

 話を続けよう。
「……と、そこで彼女は見たんだ。暗い廊下の向こうにぼんやり浮かぶ人影を……」
『『『ひいいい……!!!』』』
 震え上がるジャバオウガ。しかし、別の一体がニヤニヤと笑っていた。
 奴は結月が気付いていないと思って後ろに回り込み、布団を被せようと、
 虎視眈々とタイミングを伺っていたのだ。話者を怖がらせようというわけか。
(そら、いまだっ!)
 いたずらなジャバオウガが布団をかぶせようとした――その時!
「そしてその男はこっちを見返してきたんだ――こ ん な ふ う に !」
『!? ギャーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!』
 いきなり結月に振り返られた(しかも顔の下からライトつき)オウガは、
 逆にマジビビリした! 涙を流しながらへたり込んで布団にくるまる!
「……とまあ、怪談話してる最中に怖がらせるのとかはダメだから」
(((この猟兵のアドリブのほうがよっぽどこええ……!)))
 ジャバオウガたちは、間違っても不意打ちなどしないことにした。
 もしも手を出していたら、奴らのほうが怪談の犠牲者に仲間入りしてただろう……!
 やはり暴力、暴力がすべてを解決する……!(雑な生きてる人間怖いオチ)

大成功 🔵​🔵​🔵​

アンジェ・アリスナイト
(パジャマ姿でジャバオウガ達と卓を囲みながら)迷宮に入ったら"Light"の呪文を杖にかけて進みましょう。

はい、GM。"Magic missile"を撃ちます、対象もいないのにって? 闇を撃つんですよ。おや、エルフと遭遇したようですね。こんにちは、私は光のソーサラー・ゴルスタッフです。

え、オウガ7体に囲まれている?

ちょっと待ってくださいGM。私は"Mordenkainen's faithful hound"を使ったはずですよ? たしかに使うって言いました。聞かれた時に言いましたから。



●楽しいですよね、TRPG!
「ではそこで"Light"の呪文をかけておきますね。周囲も警戒します」
 ころころ。アンジェ・アリスナイトは、20面体ダイスを転がしながら宣言した。
 ゲームマスター役のジャバオウガ(???)は、何かをメモした。
 マスタースクリーンの向こうでダイスを振る気配。アンジェは笑顔のままだ。
(不意打ち対策に、知覚技能を一本伸ばししておいたから大丈夫でしょう)
 ダンジョンアタック(???)に挑む冒険者たるもの、備えは大事だ。
 もちろん万が一の戦闘に備え、片手は常に空けたままである。エキスパート!
『……えー、ではキミは、明かりも届かないくらい広い部屋に出ます』
「わかりました。ではそこで、"Magic Missile"を撃ちますね」
『えっ?』
 ゲームマスターは顔を上げた。
『いや、でも対象がいないよ? なんでそんなことをするの?』
「……や、闇を撃つんですよ!」
 ジャバオウガたちは顔を見合わせた。
『『『HAHAHAHAHA!!』』』
(くっ、敵が潜んでいるものだと早合点してしまいました……!)
 アンジェは両手で顔を抑える。でもこういうの、TRPGだとありがちな失敗だよね!
『えー、じゃあキミは闇に向けて"Magic Missile"を撃』
『ねえポテトチップ食べていいー!? あと炭酸飲料どこー!?』
『……冷蔵庫の中だよ。お菓子も食べていいから』
 そこで口を挟んできたのは、登場前のプレイヤーのひとりであった。
 すぐに出てくるから待っていればいいものを、もうほろ酔い状態である。
 だが、この手の中座もTRPGでは日常茶飯事……いやなんでTRPGやってんだこいつら。
『(咳払い)えー、キミの前にひとりのエルフが立っています』
『それが俺だね!』
 登場を心待ちにしていた別のプレイヤーは、ウキウキとアップを始めた。
 そしてアンジェのほうを見ると、すこし気恥ずかしそうに台詞を読む。
 ロールプレイがいつになっても気恥ずかしい人は多い。初対面ならなおさらだ。
『ハ、ハロー! こんにちは!』
「ええこんにちは。私は光のソーサラー、ゴルスラッフです」
 にこり。だがアンジェは慣れた様子で、しかも二つ名まで名乗りやがった。
 お互いにレベル1の初期作成PCである。このロリ、出来る……!
『……ところで、どうしたって"Magic Missile"を撃ったんですか?』
『『『HAHAHAHAHAHA!!』』』
 しかしナイスな切り返しに、アンジェはまた顔を抑えて足をバタバタさせる。
 こういういじりあいも、TRPGの醍醐味……いやだからなんでTRPGを?
『ところで、キミたちはいま、七体のオウガに囲まれています』
 GMが言った。いやお前がオウガだし同卓してるだろうがよ!
「えっ? ちょっと待って下さいGM、私はもう呪文を使っていましたよ」
 アンジェの言葉に、ゲームマスターは顔をしかめた。
『いや、それは"Magic Missile"……』
「違います、"MasterWizard's Faithful Hound"ですよ。ほら警戒用の」
『いやいやいや! 使ってないから! だからキミたちはオウガに囲まれてるの!』
「使いましたよ。聞かれたときに言ったじゃないですか」
『使ってないよ!』
『ねえいま俺そこにいるの!? オウガなら俺のマジックナイフで一撃だぜ!』
『お前はここにはいないよ!』
『そっかあ、じゃあ俺今酔ってるか判定してみてー!』
『(ころころとダイスを転がすGM)酔ってるってさ!』
『だよね! HAHAHAHAHA!!』
「GM! 私は呪文を唱えていました。不意打ちは受けないはずです」
『だから! 唱えてないでしょ!!』
 そして始まるガチ口論。エルフ役のオウガはため息をついてうつむいた。
 TRPGは楽しい。だが、こんな事故とも隣り合わせなのだ……!

 ……いやだから、なんでTRPGやってんだよこいつらは!?

大成功 🔵​🔵​🔵​

セリア・エーデルワイス
【プラチナ】
ふふ、こうしてリュシールさんと一夜をご一緒するのは久しぶりですね。
久しぶりの二人のパジャマパーティに少しだけ浮かれちゃいます

実は私、外の世界の知識を得てからやってみたかったことがあったんです
自分の枕をそっと手にもって…えいっ
ふふ、枕投げ…というのですよね?痛くない程度に優しく投げてみたのですが、なんだか不思議と楽しいですね
リュシールさん、そ、そんな方法もあったので…きゃうっ

枕投げを終えて思わず疲れて倒れこんじゃいます…
リュシールさん、最近はなんだかとても活き活きしています…
ふふ、素敵なお相手さんが見つかったのでしょうか?
私にもそのお話、聞かせてもらえませんか?


リュシール・オッフェンバック
【プラチナ】
えへ、本当に久しぶりですねえ、パジャマパーティは去年ぶりでしょうかっ
積もる話もありますし、いっぱい楽しんじゃいましょう!

わっ、わわっ!?
枕投げ!これが枕投げですかっ!うおお、ぼくも負けませんよ!
長い抱き枕をバット代わりにして、投げられた枕を打ち返しちゃいますっ!

枕投げの後はのんびりゆったり、お布団の上でお話を
はいっ、素敵な人とお付き合いすることになりまして……
セリアさんも知ってる人ですよっ
えへ、本当に、積もる話がいっぱいです
セリアさんの事も、いっぱい聞かせてもらいましょー!



●楽しい楽しいパジャマパーティ……?
 リュシール・オッフェンバックとセリア・エーデルワイスは、揃って笑顔だ。
 どうやらこの戦場でのパジャマパーティが、楽しみでしょうがなかったらしい。
「ふふっ。こうしてリュシールさんと一夜をご一緒するのは久しぶりですね。
 たしか前のパジャマパーティは……春頃だったでしょうか? 楽しかったです」
「ですね! えへへ、本当はもっと気を引き締めなきゃいけないんでしょうけど」
 昨年のパジャマパーティのことを思い出し、リュシールは微笑んだ。
 気になる相手のことを聞かれてわたわた慌てたり、種族にまつわり話をしたり。
 オラトリオとダンピール、それぞれの種族の変わった話で盛り上がったものだ。
 あのときはセリアの小屋がパーティ会場だった。だが今日はまさかの不思議の国。
 いやいや、別に遊んでいるわけではない。これもれっきとした戦術なのだ。
 なにせ、グリモア猟兵がそれを奨励したのだからしょうがない。仕方ない。
「……実は私も、ちょっとだけ浮かれちゃってるんです」
 と、気を引き締めようとしたリュシールに、セリアが耳打ちした。
 ふたりは顔を見合わせて、いたずらが成功した子供めいてくすくす笑い合う。
「なあんだ、セリアさんもだったんですね! それなら、おそろいですねっ」
「はい、悪い子同士ですね。ふふふ」
 ただお話をするだけなら、今まで何回だってしてきたのに。
 パジャマパーティと名前をつけると、急に秘密の冒険めいてくる。
 どちらともなくおかしそうに笑い出し、くすくす、ふふふ、と声を忍ばせた。
 可憐な少女たちのじゃれあいは、傍から見ても楽しげである。
「積もる話もありますし、今日はいっぱい楽し――わぷっ!?」
 そこでリュシールの顔に投げつけられたのは、ふわふわやわらかい何かだった。
 リュシールは目を白黒させて、一体何をされたのかと確かめる。
 ……はて、手の中に落ちてきたのは、フリル付きの可愛らしい枕……?
「って、セリアさん! 急に何するんですかーっ」
「ご、ごめんなさいっ。でも実は私、ずっとやってみたかったんです、これ」
「……枕投げ、ですか?」
 リュシールが首を傾げると、セリアは少し恥ずかしそうに頬を赤らめた。
「……痛くなかったですよね?」
「大丈夫ですよ? ただ急だったからびっくりしちゃいました」
 そこでリュシールは、何かを思いついたようににんまりと笑みを深める。
 そして自分が持ってきた長い抱き枕を手に、セリアの枕を上へ放り投げて……。
「というわけで、お返しです! てやーっ!!」
「きゃうっ!?」
 セリアの枕をボールに、自分の抱き枕に見立ててフルスイング!
 今度はセリアが顔面に枕を喰らい、柔らかいベッドに仰向けに倒れ込んだ。
「ふっふっふ、どうですかぼくの枕投げは!」
「そ、そんな方法もあったのですね……知りませんでした」
 セリアはきょとんとした顔で起き上がり、髪型を直しながらくすくす笑う。
 なぜだろうか、妙に楽しくなってきた。仲良しと一緒にいるからだろうか?
 枕投げ……実に奥が深い遊びだ。セリアは意気込み、立ち上がる。
「負けませんよ、えーい!」
「わわっ!? やりますねセリアさん、くらえーっ!」
「ひゃあっ。よし、今度は打ち返されないように……えいっ」
「そんな魔球が!? むむむ、ぼくだって負けませんからねー!」
 枕がひょいひょい飛び交う。少女たちは楽しそうに微笑んでいた。
 息が上がってしまうまで、ふたりは楽しい楽しいパジャマパーティを楽しんだ……。

『『『枕投げやろうぜ!!!!!』』』
「「ええっ!?」」
 で、済むと思ったか? ここはネタシナリオなんですよぉ!!
 枕投げの気配を察知して殴り込みをかけてきたジャバオウガ軍の参戦だ!
『うおおおおチーム戦だ! 喰らえーっ!!』
「ちょ、りゅ、リュシールさん!? どどどどうしましょうっ?」
「こうなったら、一時休戦です。ぼくとセリアさんで迎え撃ちましょう!」
 いち早くノリに乗っかったリュシールは胸を張っていった。
 そして抱き枕バットを振り回し、オウガ枕を次々に打ち返す! ホームラン!
『グワーッ!』
「1ポイントゲットです!」
「ま、枕投げってそういうゲームだったでしょうか……?」
「わかりません! さあセリアさんも、迎撃ですよ!」
「わ、わかりました……狙いを定めて……えいっ!」
 セリアの剛速球(枕である)が、ジャバオウガの顔面にダブルヒット!
『『グワーッ!!』』
「やりますね! 一気に2ポイントですよセリアさん!」
「私が読んだ本にそんなルールは書いてなかったような……ま、まあいいですっ」
 セリアは光り輝く蝶精霊を呼び出し、自らの枕を強化した。
 なんだかんだこれは戦いなのだ。オウガ相手とあっては負けられない!
「リュシールさん!」
「はいっ!」
 セリアが放り投げたボール(枕)を、リュシールがフルスイング!
 光をまとった枕は、ジャバオウガの群れをぶち抜いて吹っ飛んでいった!
『『『や、やられた……!!』』』
「ふふーん。ぼくらの勝ちですね、セリアさん!」
「そう、ですね……? ああ、なんだか疲れちゃいました」
 オウガが蹴散らされると、セリアは慣れない運動のせいかへなへなとへたり込む。
 リュシールは戻ってきた枕をキャッチしつつ、その隣に座った。
「じゃあ去年の続きのお話をするのはどうですか? ほら、ぼくが言ってた……」
「……あ、例の"素敵な方"のお話ですねっ?」
「はいっ! 実は、その方とお付き合いすることになりまして……えへへ」
 まあ、とセリアは手を合わせて驚いた。
「い、一体どなたなんですか……?」
「それはですねえ、セリアさんも知ってる人です。実は……」
 そうして少女たちは、またきゃいきゃいと楽しいパーティを再開した。
 少女の絆は、トンチキシナリオの圧にだって負けないのだ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロット・クリスティア
……寮長の苦労がわかるような気がしますねぇ……。
パジャパではないですけど、夜更かししてると色々怖いんですよ。

……ま、たまにはそっち側の立場に立ってみるのも経験ですか。

というわけで敵集団の様子を見て回りましょうかね。
ランプを手に、起きているものがいないかじっくり視力を凝らして巡っていきます。
話し声とか物音とか聞こえたら、逃さぬように確認していきましょうね。
そうして見つかった相手?ふむ、ならば……。

(銃声)

これで寝られますね。ゆっくりお休みください。(申し訳程度の戦闘要素)


……しかし、これ毎晩やるのも大変でしょうね……実際の学生寮では当番制とかなんでしょうが。



●これ修学旅行っていうかホラーじゃないですか
 カツーン、コツーン、カツーン、コツーン……。
『『『ヒッ!』』』
 暗闇から響いてくる足音に、ジャバオウガたちは悲鳴を漏らした。
 すぐに口を抑え、カタカタと震えながら布団を被る。必死の形相だ。
 カツーン、コツーン、カツーン、コツーン……。
 足音は徐々に近づいてくる。ジャバオウガたちは震え上がった。
 人食いのオウガたちをして、ここまで震え上がらせるものとは一体……?
 ランプに照らされた人の影が廊下に長く伸びる。そして、足音。
 カツーン、コツーン、カツーン、コツーン……。
『『『…………』』』
 足音が遠ざかっていくと、やがてジャバオウガたちはのっそりと起き出した。
『行った……?』
『行ったみたいだな』
『はあ、まったく恐ろしいや』
 ジャバオウガたちは胸をなでおろし、再び歓談を始める。
『じゃあ次は何の話する? 恋バナ?』
『いや、それより枕投げしようぜ!』
『いいねー、じゃあ俺から(タァン)あっ』
 突然の銃声。そして、額に風穴が開いて仰向けに倒れるジャバオウガ。
 ジャバオウガたちは倒れた仲間を呆然とした顔で見て、そして振り返った。

「まだ起きていたのですね」

 恐怖の象徴がそこに居た。

「消灯時間だというのに、まだ起きて遊んでいたのですね」

 その手には恐るべき殺意の象徴。ジャバオウガたちは震え上がる!
『『ひ、ひぃいいいいいっ!!』』

「規則違反は――罰則です」

 銃声が二度。
 悲鳴は途切れ、そしてもうあがることはなかった。
 硝煙が立ち上り、やがてランプの明かりが遠ざかっていく……。

「…………なんか色々おかしい気がしますね?」
 と、オウガ視点から見れば完全にホラーなのだが、それはともかく。
 シャルロット・クリスティアは、あくまで真面目に見回りをしているつもりだ。
 というかそもそも、オウガ相手に戦いに来たのだから容赦とかいらないし、
 隙を見たらさっさと撃って仕留めるのは間違っていない。
 そう、申し訳程度の戦闘要素というやつである。それを膨らませたらこうなった!
「いやしかし、これは寮長の苦労がわかるような気がしますねえ」
 マスケット銃を肩に担ぎ、シャルロットはしみじみと行った。
 夜更ししてると"色々"恐ろしい寮長も、なんだかんだ苦労しているのだ。
「今度からはもう少し、夜ふかしをしないように気をつけないと……」
 カツーン、コツーン、カツーン、コツーン。
『『『やべ、隠れろ!』』』
「――……居ましたね。寮則違反の生徒(???)たちが」
 そしてシャルロットはまた真顔になった。ランプの逆光のせいでこええ!
「罰則を与えないと……ゆっくりお休みになれるように……」
 シャルロットはそぞろ歩く。銃声が響き、そしてまた永遠の眠りが訪れた。
 え? ホラー? 真面目に仕事してるだけじゃないですか失礼な!
 まあそれはさておき、かなりの数のオウガを仕留めたそうですよ!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケンタッキー・マクドナルド
◆フェルトと

……。

なァ オイ。
なンだこれ 阿呆なのか??戦争してンだよな俺ら。(人形化した布団と枕で適当に敵をとっちめつつ)

いや パジャマ(黒いシンプルな奴。持ってないと言ったら押しつけられた)言われた通り着てきたけどよ。なンつゥかノリがわかンね……

(垂れてるうさ耳を見る)

……。

……嫌とは言ってねェよ。
付き合えばいンだろ。

つゥか何すンだパジャパ?って。ただ喋ってりゃいいのか?

……ん、あー……そォだな?(※口下手なので会話が続かない)
…………。
そォいやそれ着てきたんだな。パーカー。
良いじゃねェか。
似合ってンぞ。

……。

(<なー見ろよあそこの妖精めっちゃうさ耳動いt)黙ってろ糞が(敵に枕ブン投げる)


フェルト・フィルファーデン
◆ケン様と
(ケン様から貰ったうさ耳パーカー部屋着(感情に合わせてうさ耳が動く)(本人は気付いていない)を着て)
いいじゃない、平和的で……(兵士人形に敵を片付けさせつつ)

それともこんなことのためにわたしと、来るのは嫌……?(垂れるうさ耳)(備考:ケン様に秘かに片思い中)

えっ?ええ、多分そうじゃないかしら……お喋り……ええと……きょ、今日もいい天気ね……?(違う!?そんなこと言いたいんじゃない!!)(うさ耳ジタバタ)

……ふぇ?似合ってる……い、いきなり何よ……会話が続かないからって適当言っちゃって、ご機嫌取りのつもり?
……でも、あ、ありがとう、嬉しいわ……?
(うさ耳照れ照れぴょこぴょこ超嬉しそう)



●いちゃつくならはようせい! 妖精だけにようせい! 妖精だけに!!
「「…………」」
『ウオオオオなんだこの人形!? いやていうか人形なのかこれ!?』
『ま、枕が! 枕と布団が銃を! アイエエエ!!』
『なんだこの兵士は!? おいやめろパジャパに槍はアイエエエ!』
「「……………………」」
『アパーム! 枕もってこいアパーム!!』
『畜生パジャパがしたかっただけなのにどうしてこんなアバーッ!?』
『助けてくれー! 誰かー!! 助けてくれー!!!』
 背景で響き渡る戦争交響曲と阿鼻叫喚は、二人の耳には届かない。
 ケンタッキー・マクドナルドとフェルト・フィルファーデンは、
 なんだか妙によそよそしいというか、ぎこちない雰囲気だった。
 ちなみにケンタッキーの服装は、黒くてシンプルなパジャマ。
 対するフェルトはというと、実に可愛らしいうさみみつきのパーカーだ。

 なんでもねえ、お互いに(事実上)贈りあった品物なんですってよ奥さん!
 あらやだわ~ペアルックよりも初々しいわねえ(事実上)プレゼントだなんて!
 見ていて微笑ましくなっちゃいますわねえ奥様! オホホホホ!

「……なァ、オイ」
「なっ(うわずった高音)……何かしら、ケン様?」
「なんだ今の妙な声。まァいいや……なンつーかよ」
 ケンタッキーはちらりと、背後の阿鼻叫喚を見やった。
「戦争してンだよな俺ら。なンでこんな阿呆な格好してンだ?」
「い、いいじゃない、平和的で……」
「あそこがまったく平和じゃねェんだけど」
「そんなことはいいのよ、本題じゃないわ1」
「いや本題だろアッチのほうが」
 フェルトの様子がなんかおかしい。ケンタッキーは訝しんだ。
 今日と言わず、なんだかちょっと前から振る舞いがよそよそしい気がする。
 ケンタッキーは真剣に考えた。自分は何か悪いことをしてしまっただろうか?

 いやですわあ見てくださいませ奥様、あの初々しい悩みっぷり!
 普段ぶっきらぼうで乱暴な彼だからこそキュンと来ちゃいますわね~!
 ところで私たち誰なんでございましょうかね奥様~?

「……そ、それとも」
 フェルトはおずおずと上目遣いにケンタッキーを見上げ、言った。
「こんなことのために、わたしと来るのは……いや?」
 瞳を潤ませ、頬を紅潮させ、眉をハの字にしながらの台詞だ。
 並の男ならばこれで死ぬ。だがケンタッキーは並ではない男であった。
 え? 人形師の腕が? そうじゃねえよ度を越えた朴念仁だっつってんだよ!
「…………イヤとは言ってねェよ」
 ケンタッキーはなぜかフェルトの眼差しから目をそらしてしまった。
 代わりに目に入ったのは、へにゃりと残念そうにたれているうさ耳だ。
「付き合えばいいンだろ?」
「え、ええっ!? そ、そそそ、そんなっ! えっいやでもわたしはそのえっと」
「……何言ってンだ? だから呼んだンだろ? なら付き合うぜ、パジャパに」
「……………………そうね。そうね。パジャパによね!!」
 一瞬ぴこぴこ揺れていたうさみみがだらーんと垂れた。なんだこの反応。
 ケンタッキーには何もわからなかった。あら~いやですわ奥様(以下省略)
「で、パジャパって何すりゃいいンだ一体」
「えっと、そ、そうね……おしゃべり、とかかしら……?」
「そォか」
「……(話題を出してくれるのかと期待している)」
「……(口下手なので話題を出すのを待っている)」
「「…………」」
『布団が! 布団が吹っ飛んできてアバーッ!?』
『枕に食われる! アーッ! 枕にーッ! ギャアアアーッ!!』
『た、助けてくれ! そんな残虐な処刑方法は勘弁アバーッ!?』
 血みどろの背景はさておき、しばし無言で見つめ合う男女。いじましい。
 しかし残念ながら、そこにパジャパらしい和気藹々の会話は一切なかった!
 辛抱強く耐え続けたフェルトだが、ついにこらえきれずおずおずと口を開く。
「……え、ええと……きょ、今日もいい天気ね、ケン様!」
「おう。夜だけどなこの国」
「そ、そうね……(違う! そんなことを言いたいんじゃないのわたしは!!)」
「…………(なンかすげェジタバタ暴れてンなあのうさ耳……)」
 顔を真っ赤にして身悶えするフェルト、ぴこぴこ動くうさ耳。
 それを見ていたら、ケンタッキーは自然と口を開いていた。
「そォいやよ」
「ふぇっ!?」
「それ。パーカー。着てきたんだな」
「えっ……あ、そ、そう、だけど……? ダメ、だったかしら……?」
「いや? いいじゃねェか。よく似合ってンぞ」
「………………ふぇ」
 しばしぽかんとしていたフェルト、顔がぼっ!! と首まで真っ赤になった。
「い、いいいいきなり何よ!? か、会話が続かないからって適当言って!」
「別に適当言ったつもりはねェよ!?」
「ふ、ふん! ご、ご機嫌取りのつもりかしら? そ、そんなの無駄よ!」
「なンだよその反応は、褒めてやったっつゥのによ!」
 と、いつものノリでぎゃあぎゃあ言い争いになりそうになるふたりだが。
「…………で、でも、ありがとう……(消え入りそうな声)」
「…………おう」
 うさ耳はぴょこぴょこ超嬉しそうに揺れていた。
 なぜだろう。ケンタッキーはそのさまを直視できず目をそらしてしまう。
 お互いにあっちのほうを見て、しかし距離は縮まったふたり。
『た、助けて! 助けてくれーッ! 布団に殺されるー!!』
『なんでこの兵士どもは残虐な方法で俺らを殺そうとしアバーッ!?』
『人形が! 人形を! 人形で!? アイエエエ!』
 背景では、血みどろの地獄が続いていた。コワイ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

佐那・千之助
クロト先生(f00472)と

Tシャツ+学校指定のハーフパンツでオウガと雑魚寝
え、こないだの調理実習で女子が焼いたクッキーもらった?よいのう

危ない、先生じゃ!
ふぅ、やり過ご…
せてない!
まぁそうカタいことを言うでない
いま大事な話をしておったのじゃ

かわいい手で食べ物を作ってくれるの最高
クッキーの粉で甘くなった指先かじって血を吸いたくなる
ダンピらしい嗜好、されどオウガになら賛同を得てもいいと思う
…こんな夜じゃしもう少し明かすと
やわらかいお尻とか、かふっとしたいし
ささやかな肉付きのお胸とかも
ほれ先生も。何かお話せよ

…私達の知ってる「いじめたい」と違う
先生こそ特定の誰かを想定しているのでは
わー鬼畜先生―!


クロト・ラトキエ
千之助(f00454)…
芋ジャージはパジャマに入りますか?

というわけでクロト先生(仮)、容赦無く扉をバーン!
寝たフリしてたら一旦閉め、起き出した所をフェイントでバーン!
さっさと寝ろ!
…って、ん?大事な話とは?

やはり好みの話か…
誰から話す?
わたしも同席する。
(先生はノリが良いのだ!)

(特定人物の話になってない?千之助を訝しみつつ)
話せと言われても…先生、大人ですし?
少々刺激が強いかも?
…それでも、聞きたい?

ほら、好きな子ほど苛めたいってあるじゃないですか。
自分を見て欲しい。
涙も可愛い。
でも本当は優しくしたい。
…なぁんて。

ほら、話しましたよ。寝なさい!
それとも…実践、してみます?
(鋼糸スタンバイ!



●まるで女性向けゲームのような顔のいい男たちが集まってきた
 ワイワイガヤガヤ。
 布団をほっぽらかして車座になった野郎どもが、和気あいあいと騒いでいる。
 なお服装はパジャマなどと上等なものではない、Tシャツとハーフパンツだ。
 ……ジャバオウガまでなぜそんな格好をしているのかはさておき、
 なぜかその中に、さも当然とばかりに佐那・千之助も混ざっていた。
 普通なら20超えの男性が学生みたいな格好をするのはかなりキッツイのだが、
 そこは顔のいい千之助のことである、よく似合っていた。おのれ顔のいい男!!
『そんでさ~、こないだ女子からクッキーもらっちゃったんだよねー!』
「なんと、それはよいのう。手作りクッキーは美味いゆえな」
『おいおい、その口ぶりじゃもしかして食べたことあるのかよ!』
「ふふふ、それは秘密じゃ」
『くっそー、隅に置けないぜー!』
 お前ら本当に敵対してんのか? という和気あいあいぶりである。
 するとその時! とん、とん、とん……と足音が近づいてきた!
「いかん、先生じゃ! 皆、寝たふりをせよ!」
『『『やべえ!!』』』
 慌てて布団に潜り込む一同。同時に、容赦なく扉がバーン!!
 現れたのは、芋ジャージ姿のクロト・ラトキエであった。手には懐中電灯。
「……全員寝てますかー? 寝てますねー」
 クロトはじろじろと部屋の中を見渡す。布団はしっかり被ってあった。
「寝ているようならいいでしょう。夜ふかしは厳禁ですからね」
 クロト先生、すすーっと扉を閉める。しばらくして顔を出す生徒たち。
 ……いやそもそも先生と生徒ってなんだ?? とりあえず置いとこう。
『ふう~、危なかったぜ~』
『気付いてくれなきゃヤバかったな!』
「ふっ、それほどでもないのじゃ。とにかくやり過ごせ」
 スパーン!! 開かれる扉!
「やっぱり起きていましたね!!」
「……て、いないじゃと……!?」
『『『ウワーッ!!』』』
 なんたることか。クロト先生の高度なフェイントだ! 術中だったのだ!
「さっさと寝なさい君たち! 夜ふかしはダメですよ!」
「まあそうカタいことを言うでない、クロト先生よ」
「カタいこともなにも、それが規則ですよ?」
「それはわかる。が、私たちはいま大事な話をしておったのじゃ」
 千之助が先頭に立ち、クロト先生をなんとか説得しようと試みる。
 クロトは当然のように、千之助の言葉を一蹴する、と思われたが……。
「……なるほど。好みの話ですか」
 おっと?
「誰から話す? わたしも同席する」
『『『せ、先生ん……!!』』』
 クロトは普通に加わった。そう、彼は単にノリがよかったのだ……!
 ワッと歓声を上げるジャバオウガたち。深くうなずく千之助。なんだこの状況。

 とまあそんなわけで、先生(だから先生ってなんだ?)も交えて雑談再開。
 ジャバオウガたちは、やれクラスの女子がどうだと盛んに話し合う。
 ……クラスの女子ってなんだ? 多分だけど、幻覚を見てるんだと思う。
『ところでよ、猟兵たちはなんかねえの、そういうの!』
「うん? 私たちか? ふむ、そうじゃな……」
 クロトのほうをちらりと見つつ、千之助は語り始めた。
「かわいい手で食べ物を作ってくれるのとか最高じゃと思う」
『あー、手作りはいいよなー。ポイント高い』
「クッキーの粉で甘くなった指先に、こうかじりついて血を吸いたくなるのう」
『わかるわかる! そのままがぶっと食べちゃったりしてな(笑)』
 ダンピールとオウガ、妙なところで気が合って(?)いた。
 いやまあ、吸血鬼とオウガだと、食べ具合とかがだいぶ違うようだが。
「……そうじゃな。こんな夜じゃしもう少し明かしておこうか」
 千之助はなぜか遠い目をして語り始めた。
「やわらかいお尻とかかぷっとしたいし、ささやかな肉付きのお胸とかも……」
『『『ん???』』』
 やけに内容が具体的だぞ? ジャバオウガたちは揃って首を傾げる。
 クロトも笑顔のままだが、内心ではこう思っていた。
(千之助、それ特定人物の話になってない? っていうのは野暮ですかねえ)
 クロト先生、思っていても口に出さない良識があった。えっ良識?
「……それよりもじゃ、先生も話すがよい。あるんじゃろう? そういうの」
「えっ、私ですか?」
 千之助はにやりと笑った。クロトはやれやれと苦笑して頭をかく。
「そういわれても、先生は大人ですし……少々刺激が強いかもしれませんよ?」
『『『聞きたい聞きたい!』』』
「仕方ないですねえ……」
 黒とは咳払いして語り始める。
「ほら、好きな子ほどいじめたい、っていうのがあるじゃないですか」
『『『うんうん!』』』
「自分を見てほしい。涙も可愛い。でも本当は優しくしたい。つまりですね。
 ……を……して、さらに……とか、……なんてこともしてみたり、あとは……」
『『『!!??』』』
 ジャバオウガたちは戦慄した。この先生、レベルが"違い"すぎる……!!
「……私たちの知っている「いじめたい」と、だいぶ違うんじゃが」
「おや? 話せと言ったのはあなたたちでしょう? それとも――」
 にこり。クロトは笑顔のまま、鋼糸の束を取り出した。
「実践、してみます?」
『『『アイエエエ!』』』
「ふうむ、なるほど。じゃあ私も実践を施す側に立つということで」
『『『アイエエエ!?』』』
 にこりと笑顔になって並ぶふたり。揺らめく焔! 張り巡らされる糸!
「君たち、もう寝なさーい!」
『『『アイエエエアバーッ!?』』』
 完全に不意をついた連携が、哀れなジャバオウガたちをバラバラにしたのであった……コワイ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

兎乃・零時
澪(f03165)と!
アドリブ歓迎!

パジャマは兎のパーカーのやつ!
勉強してすぐ眠りたいとき、この服装楽なんだよ…
澪も兎かー、仲間じゃん!

(…ってかなんで敵はあんなはしゃいでんの…??)
…まぁいっか!
(布団ゴロゴロ
ノリで入ればなんかこう…場に溶け込まないかな?
UC(ただの諦めないやつ)使うべき?
…なるほど、声かけりゃ!
混ぜて―!

噂に聞いてた枕投げ!
故郷でもやったことねぇし
俺様も初めてなんだ!
やろうぜ!

俺様は強いぞー(※初めてやる
負けないぞー!

あ、そうだ!(枕ぽい!
お前らなんか魔術知らないか?(枕ぶつかる
なんでかって?
ふっふーそれはな、俺様にはでかい夢があるからさ!
しってるなら教えろー!(枕ぽい!


栗花落・澪
兎乃さん(f00283)と
アドリブ歓迎

萌え袖な兎のワンポイント入り白パジャマ

あはは、そうだね兎仲間だ!
兎乃さんの方が可愛いけどね

敵さん楽しそうだなー
混ざっちゃう?混ざっちゃう?(ワクワク
兎乃さん声かけたらいいのに
ねぇねぇ、僕達もまーぜて!(無邪気

枕投げって僕初めてなんだー!
枕投げたらいいの?顔面は反則とかある?
えへへ、僕だって負けないもんねー!(えっへん

無邪気に意気込むものの非力過ぎて投げる枕がもはやただのパス状態に
な、投げるだけが枕投げじゃないもんね
避けるのは得意だから!
え、キャッチ?
わー速いよぉ!(ぴゃあぁ
こっちだってー…わーい当たったー!
(破壊力のあり過ぎる笑顔という名の【指定UC】)



●性別欄を三度見しました
『おい! 枕投げやろうぜ!!』
『よっしゃー乗ったー!!』
『チーム戦やろうぜチーム戦!!』
 どこの男子中学生だよという勢いで盛り上がるジャバオウガたち。
 そんな騒ぎを前に、兎乃・零時と栗花落・澪はちょこんと布団に座っていた。
「……あいつら、なんであんなはしゃいでんの……?? オウガなんだよな?」
「うーん、なんでだろうね。パジャマパーティだからじゃないかな?」
 澪はややズレた回答をした。が、そもそもこの戦場自体が色々ズレている。
 ズレにズレを重ねれば実質プラスだ。なので、零時はなるほどなーと納得した。
 なお、ふたりの服装はどちらもウサギをイメージしたパーカーとパジャマだ。
 特に澪のそれは、萌え袖という強力なアクセサリを備えたものである。
 誰がどう見ても、ゆるふわっとした美少女にしか見えない。
 ほんとな、マジで美少女しか見えないんですけど。性別どういうこと!?
 いえ文句があるわけじゃないんです! それでいい、むしろそれがいい!
 せっかくなので、零時も女の子みたいな格好でいいのではなかろうか?
 しかし残念ながら格好はすでに描写されたあとなので、どうしようもなかった。

 話を戻そう。
「……兎乃さん、もしかしてあれに混ざりたかったりするの?」
「えっ」
 布団の上で所在なさげに転がっていた零時は、澪の言葉にきょとんとした。
「だって、なんだかすごく楽しそうだなーって顔してるし。混ざりたいのかなって」
「べ、別にそんなこと……まあ、なくもない気がしなくもないけど……」
 オウガと頭空っぽにして枕投げ合戦したかったです、とは認めがたいのか、
 零時は目をそらして唇を尖らせ、パーカーの耳をいじりつつぶつぶつ言った。
 澪はそんな様子が可愛らしく見えたようで、くすくすと笑っている。
「な、なんだよぅ、笑うなよぅ!」
「ううん、兎乃さんを笑ってるわけじゃないよ? 僕も楽しそうだと思ったし!」
「……じゃあ、澪はあれに混ざりたかったりすんの?」
「うん! もし兎乃さんが行かないようならそうしよっかなーって」
 澪はおべっかを使っているわけではなく、本当にワクワクソワソワしていた。
 零時は咳払いすると勢いよく立ち上がり、ふふんと胸を張ってみせる。
「そーゆーことなら仕方ないなー! じゃあ俺様が声かけてくるよ!
 ……おいお前ら! 楽しそうなことしてんな! 俺様も混ぜてー!」
「(零時のあとに続いて)まーぜてー!」
『『『いいよー!!』』』
 お前ら公園で出会った小学生か? みたいなノリであった。
 澪も零時も、いつも以上に心が童心に帰っているような気がする。
 そしてなにより色々おかしいのは、猟兵を襲わないオウガどもであった。
 ……でもまあ、ネタシナリオだからね! そういうこともあるある!!

 というようなゆるーい流れで始まった、猟兵VSオウガの枕合戦。
 いよいよこれから開戦だ、というところで、零時がふと呟いた。
「……実はさ。俺様、枕合戦初めてなんだよな……!」
「えっ、そうなの!? じ、実は僕も……」
 マジかーって感じで顔を合わせるふたり。が、すぐに笑顔になった。
「てことは、お互い初めての楽しさってわけだな! こっちもお揃いだ!」
「うん、そうだね! よーし、オウガにも兎乃さんにも、負けないぞー!」
 ふたりは意気込んだ様子で枕を手に取り、勢いよくフルスイング!
『ぐえーっ!!』
「よーし、当たったー! ……って、枕投げってどうやったら勝ちなんだ?」
「うーん、ルールってあるのかな? 顔面は反則とか……?」
 ふたりは首を傾げつつも、ぽいぽい投げられてくる枕をかわし、反撃。
 猟兵もオウガも関係ない。ここは一種のパラダイス……!
「えーい、喰らえーっ!」
『うわーっ!! ……って、なんだこいつの枕全然痛くないぞー!』
 澪が投げた枕は、彼が非力すぎるせいでほとんどパス状態であった。
 簡単に枕をキャッチしたオウガたちが、一気に澪狙いで枕を投げまくる!
「え、キャッチ!? わー、速いよぉ! わあああっ!」
 澪は思わず頭を抑えてしゃがみこむ。その背中を守ったのは、零時だ!
「お前らー! 弱い者いじめはやめろー! 俺様が相手だー!!」
『『『ウワーッ!?』』』
 零時はピッチングマシンよろしく両手をぐるんぐるん振り回し枕を投擲!
「俺様にはでかい夢がある! それは! 全世界最強の魔術師になることだ!
 俺様は枕投げでだって最強なんだ! それを教えてやるぜー!!」
 ヒュパパパパパ! 枕に魔力が伝わりオウガをも斃す速度に到達だ!
『な、なんてやつだ……グワーッ!?』
「す、すごいね兎乃さん! よーし、僕だって……えいっ!」
『うおっ!』
「やった! 当たったーわーい!!」
『!? グ、グワ……ッッ(がくり)』
 輝くほどの天使の笑みを見たジャバオウガは、胸元を抑えて倒れた。
 心停止である。ダメージを与えるほどの笑顔、恐るべし……!
「澪、ここからが反撃だぞ! 立つんだ!」
「うん、僕らのコンビネーション、見せてあげよう!」
 枕投げも立派な戦い……そこに平和的解決という文字はないのだ。
 かっこよく書いたらなんとかなる気がしたが、これただのじゃれあいだな!
 でもまあ、なんだかんだオウガは倒れてるし、戦闘にはなったということで!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

片瀬・栞
共闘、アレンジ歓迎
パジャマは適当にぶかぶかTシャツ。

なるほどそういうノリ。
男子の猥談とか言うものに片瀬はひじょうにきょうみがあります(きりり
片瀬は禁忌とか男子ルールとかを恐れない。
適当に布団被ってカモフラしながら寝そべって頬杖つきながらぽっきーたべつつ男子猟兵とオウガの猥談の輪にひっそりこっそり混ざってこよう。
適当に相槌。
ほうほう
ふむふむ
いやー、片瀬はおっぱいは小さくても小さいなりに良いかと思うけど
おへそもよいよおへそも

バレても適当に居直ってよう。あ。片瀬に気にせず続けて続けて。
駄目だったらつまみ出される。はずかしえっちどもめ!
戦闘になったら敵も味方も性癖で呼びつけ鎖つき棘鉄球で適当に戦闘。


ルゥナ・ユシュトリーチナ
●連携アドリブ歓迎
わーい、パジャマパーチ―だ!寝る?いやいや、夜は長いんだし、楽しもうねぇ!

取り合えず、彼らと一緒に枕投げかな?枕だけとは言わず、掛けも敷きもマットレスも投げて思いっきり楽しんじゃおうねぇ?勝敗とかルールとか良く分かってないけどほら、思い切り運動した方が寝つきも良いってもんだし。
速さも力比べも負けないよぉ?

…ただねぇ。熱中しているとさ、色々こう、間違うよね?枕とか布団以外のものを投げちゃったりとかさ。【目潰し、気絶攻撃、乱れ撃ち、怪力】
ちょっとしたヤンチャも、まぁ華だよ華。

最終的には全員仲良くお休み(オブラート表現)するんだし、無問題だねぇ!
という訳ではよ寝ろ。ハリー、ハリー!


マルコ・トリガー
フーン、パジャマパーティーか
ボクはやった事は無いけど、どんなものかは知ってるよ
郷に入っては郷に従え
きちんとルールを守ってあげようじゃないか

ボクは猫の着ぐるみパジャマを着よう
なんかちょっと君たちと似ているだろ?
これでボクもパジャマパーティーの仲間入りだ

この前読んだ本に修学旅行の記述があった
修学旅行の夜にはコイバナというものをするらしい
誰が誰を好きか打ち明けあって議論するのだとか
それなら、もっと白熱した議論になるように協力してあげるよ

【窮猿投林】で1人のジャバオウガに良いものを付けてあげよう
ほら、他のジャバオウガはこれを見てどう思うかな?

君たちにとって眠れない夜にしてあげるよ


雪羽銀・夜
羽衣を布団代わりに、オウガと一緒にごろり
「行った?」
と紛れ込みながら、会話に参加する。

え、で、お前どうなの、気になるアリスとかいる?
まじかよー、あの子あっちの世界に行くって言ってたぜ
なんか猟兵に助けてもらえそうって愉快な仲間の奴らが匿ってんだって
そういや、俺らのオリジナルの力狙ってた猟書家とかこえーよな。操られてるやつもいるらしいぜ

え?
やけに詳しい?
何言ってんだよ、当たり前だろ?

ガバ!! と立ち上がり、月光の妖力で電灯スイッチっぽくピカー

どうも猟兵です

こら!何時だと思ってんだ!!消灯時間過ぎてっぞ!
猟兵様の神罰だ!寝ろ!!
UC発動、雲の振動を抑えて防音癖替わりにして、寝させる

寝たら次の見回りへ


逢海・夾
あー、なんだ。オレはこういう…なんだ?こういうのは経験したことねぇんだよな。なんで初めて経験するのが此奴等となんだ?依頼だからだ。そうだ。空気に呑まれるところだった。呑まれてねぇよ。
口調を観察してうまく乗せりゃいいんだろ…は、好きな奴…?いや話を合わせて隙を作らねぇと。「んー?そうだな…ってお前はどうなんだよー?そっちこそいるんじゃねぇのー?」…オウガに好きな奴とかいるのか?そもそも美醜感覚とかどうなってんだ?いやそれはどうでもいい。合わせろ。大丈夫だオレならできる。
「え、オレはどうかって?んー…そうだな…気になる奴はいるぜ…って言わせんなよ恥ずかしいな!」UCで照れ隠し風に焦がすぜ、自然にな



●枕投げと猥談と恋バナと見回りと不意打ちと不意打ちと不意打ち
 この戦場のジャバオウガたちは、なぜか完全に敵対心が消えていた。
 というか、心を男子中学生マインドに支配されていた。なんで?
『『『…………』』』
「……行った?」
 見回りの先生(???)が去っていったのを確認すると、
 布団を被っていたジャバオウガたち……と、雪羽銀・夜は顔を覗かせた。
 あとなぜか、逢海・夾とマルコ・トリガーもそこに混ざっていた。
「行ったみたいだぜ……ってなんだよあの芋ジャージ着たオウガはよ」
「何って、見回りの先生に決まってるじゃん」
「なんでオレのほうがおかしいこと言ってるような扱いなんだ……?」
 何言ってんだこいつ、みたいな面してる少年(ただし竜神)に呆れる夾(27)。
 まあふたりして妖狐と竜神なので、あまり外見の違和感はないのであった。
「ボクは知ってるよ。パジャマパーティーってこういうものなんだってね」
 そして、一番少年らしい見た目(ただしヤドリガミである)のマルコが、
 そこはかとなく自慢げな顔で言った。まあ、クールな無表情なんですが。
「パジャマパーティーはパジャマが正装なんだよ。君はどうしたの?」
「いや、そんなドレスコード間違えてるような扱いされてもよ……」
 きちんと(?)猫パジャマを着たマルコの圧に、夾は困惑した。
 なにせ彼は普段着である。おかげで、この時点でちょっと浮いていた。
「郷に入っては郷に従え、という言葉を知らないのかな。まったく」
 マルコはやれやれみたいな感じで頭を振る。夾はひたすら呆れていた。
 というか、困っていた。オウガのノリも大抵だが何故彼らは溶け込んでるのか。
(もしかしてオレがおかしいのか……? いやそんなわけねえよな……)
 と、思わず真面目に考えかけて、夾はぶるぶると頭を振る。
 この雰囲気に呑まれたら終わりだ。いや、何が終わるかわかんないけど。
「それよりさ、話の続きしようぜ」
 と、そこで夜が言った。続きも何も気がついたらこの状況なんですが?
「で、お前どうなの。気になるアリスとかいる?」
「って待てよ! なんだよその話題の振り方!?」
 夜の切り出した話題に、夾は思わずツッコミを入れてしまった。
「何って、こういうときは気になるコの話とかするものじゃん?」
「いや、まあそうかもしれねえ……そうなのか? よくわかんなくなってきた」
「そうだよ。パジャマパーティーでは、"コイバナをするものなんだ」
 ろくに経験もないくせに、なぜかマルコは自信満々の様子でうなずいた。
「アリスも女の子もあんまり変わらないよ。ようは秘密を打ち明けるのが大事なんだ」
『『『そうだそうだー!!』』』
「……わかった。オレはもう何も言わねえ。この空気がつらすぎる」
夾はいろんなことを諦めた。ツッコミとか、彼らを説得することとか。
 いやそもそも自分がツッコミってなんだよ。ここ、漫才会場じゃなくて戦場だろ。
 絶対に呑まれてはダメだ。多分、あのふたりだってそのつもりなのだ。
 ジャバオウガたちのノリにうまくノッて、好きを作るつもりなのだ……!

「って、違う違う。こういうときはコイバナじゃなくて、ワイ談をするのよ!」
「「「は???」」」
 しかし、残念ながら話はまだこじれるのであった! 新たなエントリー!
 が、本人的には正体が露見するのは予想外だったらしく「あ」という声。
 視線が集中したそこには、うまいこと風景に溶け込んでいた少女……片瀬・栞。
「……えーと、いまの発言はなかったことにしてもらえると……」
「出来るわけねーよ! なんで急にワイ談とか言い出したの?」
 今度は夾じゃなくて夜のほうがツッコミを入れた。さもありなん。
 コイバナからワイ談は完全にランクがひとつ上がってしまっている!
 ……なんのランク? いやわからんけど。CEROとかそういうのでは?
「そもそも、YDANって、なに? ボク、それは聞いたことないな」
「あー、知らなくていいと思うぜ。うん」
 クールな無表情でボケをかますマルコを、うまくなだめる夾。彼は大人だ。
「っかしいなあ、片瀬はこう、うまいこと男子たちの群れに紛れて、
 猟兵と言わずオウガと言わず、恥ずかしいワイ談を聞くつもりだったんだけど」
「やり口が陰険すぎる……」
 とんでもねえ顔でとんでもねえ犯行を暴露する栞にちょっとヒいた夜。
「えっ、だって片瀬は男子ルールとか禁忌とか、そんなものは恐れませんし。
 男子のワイ談とか、ちょっとえっちでむふふな妄想とか、超オイシいじゃん!?」
「同意求められても知らねえよ。むしろオレらがおかしいみたいな顔するな(夾)」
「ふーん、つまりYDANっていうのは、オイシいものなんだね」
「そう、そうなんですよ! だからちょーっと聞きたいなーって思っただけで」
 マルコは相変わらず勘違いしていた。栞はこれ幸いとばかりに揉み手をする。
「だからこう、片瀬のことはなかったことにして、ね? 話を進めてもらって。
 女の子のあんなところとかこんなところか、あんなこととかこんなことの話を」
「「出来るか! するかッ!!」」
 夜と夾は思わず声を揃えて言った。そして顔を見合わせ、サムズアップ。
 なんだろう。いま、バラバラだったはずの魂が通じ合った気がする。
「ええ~~~? はずかしえっちどもめ! 隠さなくていいんだぞっ☆」
「「なんでオレらが隠したがってるみたいな扱いになってんの?」」
 ……夜と夾はまた顔を見合わせた。なんだ? このシンクロは。
 いやでも、こんな謎のノリの女子を前に、ツッコミをするなという方が無茶だ。
「……YDANって、何かを打ち明けるものなの? それってコイバナじゃない?
 話を聞いてると、よく違いがわからないな。同じような議論なんでしょ?」
「いやーいやいや、違う違う。そこはもう全然違う違う」
 相変わらずピンときていないらしいマルコに、手をぶんぶん振る栞。
「いやまあコイバナはコイバナで甘酸っぱさとかあっていいけどね~?
 片瀬的にはやっぱこう、もうちょい年齢制限に挑戦した感じのアレが、ね?」
 この子何言ってるの、みたいな顔で夾と夜のほうを見るマルコ。
 色々諦めた表情で頭を振るふたり。残念ながら手のつけようがなかった。
「まあとにかく、片瀬のことはいいから! ね! オウガのみんなもさ!」
『『『いやそういうえっちなのはちょっと……』』』
「なんだーこっちもこっちもー! そんなもじもじしてさー! だがそれがいい!」
 なんだこいつ無敵か? 栞はそれはそれでホクホク顔であった。
 こういうノリで来る女子は、男子中学生の最大の天敵と言っていい。
 いやこの場にいる誰も男子中学生ではねえんだけど。そこはそれ。
 さしもの猟兵男子三人も、いろんな意味でコイバナどころではなかった。
「え? 何この空気。もしかしてコイバナもワイ談もしないの? ええー!!
 片瀬がここにいる意味は? わざわざこんなところに来た意味は!? ねえ!」
『『『いや俺たちに言われても……』』』
「なんだよオウガのキミたちもさー! コイバナもワイ談もしなかったらどうするのさー!」
「よし、じゃあ枕投げをしよう!!」
「「「「えっ」」」」
 さらにさらに闖入者! 今度は四人が一斉にそちらを見やった!
 そこにいたのは、これまでの若者らしい(ひとり27歳だがまあさておき)猟兵たちとは打って変わり、酒と煙草のにおいをほんのりさせたツインテールの女性だ。
 そのせいかいやに肌は白い――といってもこれは別に不摂生のせいではない。
 彼女……ルゥナ・ユシュトリーチナは、フラスコチャイルドなのである。
 あどけない風貌なため、言われなければ成人とはわからないだろう。
 ともあれその五人目の猟兵ことルゥナは、ゆっるーい笑みをにへらと浮かべた。
「いやーほら、修学旅行の夜と言えばさー、やっぱ枕投げが定番じゃん?」
「それは聞いたことがあるね。枕で相手の頭部を破壊したら勝ちなんでしょ?」
「うーんそんな物騒でデンジャーな遊びではないかなー結果的にはそうなるかもだけどねぇ」
 マルコの素っ頓狂なセリフにもルゥナはへらへらとダウナーな笑い声。
 どうせオウガどもはまとめてぶっ殺すことになるので、ある意味間違ってない。
「やっぱさ、運動が一番だよ運動。わたし運動どちらかっていうと嫌いだけど」
「えっ運動? この流れで運動っていう単語、かなりヤバくない?」
「目をキラキラさせてるところ悪いけどそういう意味じゃないからねぇ」
 ルゥナのゆるーい切り返しを受けて、栞はしょぼーんと肩を落とした。
 ていうか、まだワイ談諦めてねえのかよ。呆れた顔で栞を見る夜と夾。
「こういう話がこじれたときはさ、とりあえずドンパチで話まとめるものじゃん?
 いやまあドンパチじゃなくて投げるの枕なんだけど。布団でもなんでもいいし」
「布団まで投げたら、それもう枕投げじゃなくない?(マルコ)」
「いいのいいのぉ。そのほうが楽しいじゃん?(オウガ殺すしとは言わない)」
 ルゥナはルゥナで、だいぶちゃらんぽらんでいい加減な猟兵であった。
「ね、オウガのキミたちもさ、やっぱやりたいじゃん? 枕投げぇ」
『『『やりてー!!』』』
「うーん、でもコイバナ……」
「この流れでまだこだわるのかよ(マルコの真顔に呆れる夾)」
「やっぱりワイ談だって! 絶対ワイ談がいいと片瀬はおもいまーす!」
「なんでまだゴリ押し出来ると思ってんの???(栞が心底恐ろしい夜)」
 なんてことだ。猟兵それぞれでやりたいこと(?)がめちゃくちゃだ!
 もともと流れに合わせてうまいことカモフラージュするつもりだった夾は、
 なんでこんな話がこじれてしまったのか、と大きく大きくため息をついた。
「……よし、わかった!」
 そして、さも「わたしこそが一番の常識人です」みてえな面で音頭を取るルゥナ。
 誰一人としてそれを受け入れたわけではないのだが、話の強引さで持ってかれる。
 ルゥナはぱん! と手を叩いて一同の注目を集めると、にへらと笑った。
「全部やろっか」
『『『「「「「全部!?」」」」』』』
「そう、全部! せっかくのパーチーなんだから楽しもうねぇ!」
 とんでもないことになった。などと誰かが嘆く暇もなく、事態は動く……!

 ……で、その後どうなったかというと。
「おいおーい、お前誰が気になってんだよー! 言ってみろよー!(ぽーい)」
『ばっ、そんなの言えっかよー! そっちこそ言えよー!(ぽーい)』
「あーえーと……そっちのお前はどうなんだよ? いんじゃねぇの?(ぽーい)」
 飛んできた枕をキャッチして投げ返しつつ、夾は真顔になった。
 なんかあの夜ってやつはノリノリで枕投げしながらコイバナ振ってっけど、
 さすがのオレでもこんなの馴染めるかよだいたいなんだよ並行でやるって。
(いやそもそもオウガの美醜感覚ってどうなんだ? オウガに好きな奴いんのか?)
「どうしたの手ぇ止まってるよ! もしかしてやっぱりワイ談が!?(ぽーい)」
「ちげぇよ!? その熱はどっから来るんだよ!?(ぽーい)」
 栞はまだチャンスを狙っていた。ふたりは枕投げしながらぎゃあぎゃあ言い合う。
『ねえそっちの猫の子は!? 誰か好きな人とかいないの!?(ぽーい)』
「ん? ボク? ボクのことはいいよ。むしろ自分から出していけば?(ぽーい)」
「あっはっは、話の躱し方も枕の躱し方もさまになってるねぇ(ぽーい)」
 あくまでクールな無表情を崩さないマルコ。ただし猫の着ぐるみパジャマ。
 そんな彼の枕さばきとスルースキルにへらへらと笑うルゥナ。
 彼らは全員枕を投げていた。そう、結局全部やることになったのだ。
 まるでしりとりしながら卓球するような器用さである。頭の負担半端ねぇ!
「でもこれだとキャッチボールみたいだしねぇ、もうちょいペースあげてこ!」
「会話のハードルも上げておくべきよ! 片瀬はおへそがいいと思います!」
 シュゴウ! 栞はいきなり性癖話をねじ込みながら剛速枕もシュート!
『ぐえーっ!?』
「はいそっちのキミ! キミはどう!? やっぱり胸!?」
「えっボク? よくわかんないからあっちのオウガにパスするね」
 栞がなぜか味方にぶん投げてきた枕をうまいことキャッチするマルコ。
 そして速度を殺さぬまま、近くに居たオウガの顔にシューッ!!
『グワーッ!?』
『『『あ、なんだこいつ!?』』』
 しかもその枕を顔面に喰らったオウガの全身には、謎のキスマーク!
 これはマルコのユーベルコード"窮猿投林"によるものだ。
 このキスマークが刻まれた者は、マルコが考えた「修羅場」の渦中となる。
 たとえば大量の女性がいれば、泥棒猫との罵り合いで混乱が生まれるのである。
 しかしここにいるのは、男子中学生マインドのオウガたち……つまり!
『お前、なにそれ! うわーエロだー! エーロ! エーロ!』
『エ、エエエエロじゃねーし!! エロじゃねーし!!』
『お前格ゲーで女キャラとか使ってんだろー? エロだー!』
『エロじゃねーし!!』
「いやこれ完全に小学生レベルのいじめじゃねぇか(夾)」
「マジかよエロかよー! エロ本とか隠してんだろー! エーロ!」
 えっお前ノるの? みたいな顔で夜を見る夾。ハイパー驚き顔であった。
 が、夜はこれ幸いとばかりに、オウガたちを狙って枕を投げまくる!
「むっ片瀬的に興味深い流れになってきた! これはぜひこのまま白熱を」
「おっと校則違反(???)の生徒(???)は見つかったようだな!!」
「ぐえーっ!?」
 突然栞の顔を照らすライト! いやよく見たら妖力で生み出された月光だ!
 その光を照らし出しているのは……話を加熱させたはずの夜だった!?
『『『か、懐中電灯!? まさか!!』』』
「その通りだよ、どうも宿直の先生です! じゃないや、猟兵です!!」
『『『い、猟兵ーっ!?』』』
「気付いてなかったのかよこいつら!?」
 夜のネタバラシに驚愕するジャバオウガたち。それに驚愕する夾。
「こらお前ら! 消灯時間過ぎてっぞ! 神罰覿面! 寝ろーっ!!」
『『『グワーーーーッ!?』』』
 ピカーッ! 月光の妖力! さらにもやもやとした黒雲がオウガにのしかかる!
 光をも通さぬ夜の黒雲は、そのままジャバオウガたちを窒息させた。
 え? こんな神の力の使い方ある? 就寝(意味深)しちゃってんだけど?
『な、なんてこった! まさか猟兵が』
「オラッはよ寝ろ!(SMAAAASH!!)」
『アバーッ!?』
 浮足立つジャバオウガのふところに炸裂するルゥナのボディーブロー!
 こんな美少女でダウナーって感じのノリでやることは"ステゴロ殺法"である。
 ルゥナ、こえー! キャラが柔軟な方ってある意味無敵ですよね!
「これはあくまで楽しい枕投げfeatコイバナa,k,aワイ談……つまりパジャパ。
 楽しすぎてヒートアップして間違うこともあるし、やんちゃもあるよねぇ?」
『『『アイエエエ!』』』
「どうせ全員仲良くおやすみ(オブラート表現)するんだから死ねぇ!!」
『『『アバーッ!?』』』
 コワイ! ルゥナはへらへら笑いながらステゴロでジャバオウガを殺! 殺! 殺!
 もちろん枕も投げる! だってパジャパだから! パジャパってなんだ!?
「……よし、オレはもう色々諦めるぞ! うまく馴染むのとか!!」
『『『ぎゃーっ!?』』』
 もうこれあやふやにしていいよな、と考えた夾が狐火を放射した!
 燃え上がる枕を食らってトーチめいて燃え上がるジャバオウガ! 阿鼻叫喚!
「ねえちょっと、みんな! 目的を思い出してよ!! ワイ談でしょ!?」
「「ワイ談ではねーよ!?(声を揃える夜と夾)」」
「片瀬はワイ談が聞きたかったの! あーもーよし敵斃すかぁ!!」
 栞はストレスの矛先をオウガに向けることにした。棘鉄球を雑に蹴る!
 いきなりの凶器登場である。オウガの間をピンボール跳ねる棘鉄球!
『『『これもう枕ですらないアバーッ!?』』』
「投げてるから無問題無問題! え? 蹴ってる? 同じ同じぃ!」
 ルゥナがおっけーと言ったので。アリになった。これがネタシナリオである。
 たちまちその場は地獄と化した。マルコはその風景を見渡し、うなずいた。
「うん。ボクの狙い通り、白熱するようになったね。コイバナ」
 彼の知識が完全に間違っていることは、もはや誰も指摘できなかった。
 この場合のコイバナって、多分漢字で虚威刃無とか書くやつだと思う!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

狭筵・桜人
矢来さん/f14904
赤ずきんさん/f17810

浴衣の右前ってマジでわかりづらいんですよ
どっちから見て右かわかるように説明してくれないと。
修学旅行ですか?まあ私も仕事で休んだので知りませんけど。
こうして遊んでると本当に修学旅行みたい――

どう考えてもズルでしょコレ!イカサマしないと勝てないんですか??
だったらコイツ(枕)で決着を
……と喋ってると見せかけて不意打ち枕投げ!!
いやぁ無様ですねえ!
それでも人々に恐れられる都市伝説(何も悪いことしてないのに巻き添え)と影の暗殺者ですか〜?
やだ〜ダサ〜い!ンッフフフ。

ちょ、待っ……
枕投げでUC使うとかあんたら何歳ですか!
三歳児の方がまだ理性的ムボッ(気絶)


矢来・夕立
狭筵さん/f15055
赤ずきんさん/f17810

●方針
仲違いをしているように見せかけて油断を誘い、実際仲違いをしかけている。

修学旅行って浴衣でトランプと枕投げをするんでしょう。
それババですよ。はい上がり。気づかれなければイサカマではありません。
なんです?枕投げなんて物理戦でオレに勝つつもりですか?
負けが込んで自棄になるとかオウガと頭が同レベウグッ
(顔面に入る枕)
(無言で姿を消す)(闇に紛れるったら紛れる)

――忍法、梔。枕返しの術(仕返し的な意味で)。

隣のクラスの連中(オウガ)のことは枕に紛れさせた式紙で無力化します。


「自分無関係なんで」みたいなツラしてる赤ずきんさんの事も背後から狙っています。


レイニィ・レッド
坊ちゃん/f14904
狭筵サン/f15055


パジャマ…か…
(ナイトキャップを被る)
(首を傾げる)
(アイマスクを装備する)
(首を傾げる)

……、
今回は修学旅行と聞いて来ました
自分全然記憶ないんですけど
真剣ババ抜き七番勝負の準備は出来てます

もう何が何だか分かんねぇんですよ自分でも

兎に角、自分こういうの得意なンで
はい、揃いました
上がりです
イカサマなんてしてませんよ
自分の実力を認めやがってくだぶべっ

(クリーンヒットする枕)(流れるように鋏を鳴らす)
――テメェは正しいか?

枕の射線上にいるオウガは鋏でブチ抜いといて
そば枕をブン投げます

いつもの如く綺麗に伸びて
坊ちゃん容赦ないっすね
ま、自分も投げましたけど


ヴィクティム・ウィンターミュート
いやどういうことだよ(どういうことだよ)
あー、でもアレだな…寝れるならそれはそれで…
いや、ダメだな。多分落ちた瞬間首を絞められる
そのまま死んだらやばいし、起きてねえと

…パジャマパーティーのこと何も分かんねぇ
え?どうしよう…寝巻でやることだよな…そもそも俺寝巻無いな…適当に探すか見繕ってもらおう
で、えーと…寝巻でやること…つまり枕投げ…
(すっと枕を構え、"ガチ"のフォーム)

体重移動よし、枕の中に凶器を入れるのもよし
ソォォォォォォォォォィッ!!!!
オラァッ死にさらせっ
顔面狙ってぶちこんでやるぜっ
うおおおお俺は枕機関銃じゃああああああっ!!

これが俺のキリングパジャマパーティーだ…
楽しんでいけ…



●キリングパジャマパーティー(プレから取りましたがこれB級映画にありそう)
「オラァアアア死にさらせぇええええええ!!」
『アバーッ!?』
「絶対ぶっ殺してやりますからね私マジで!! オラッくたばれ!!」
『グワーッ!?』
「オレに当たるわけないでしょうがあんたのヘナチョコ枕がオラッ死ね」
『オゴーッ!?』
「あ?? アンタあれか? 自分に勝てると思ってんですか? あ???」
『アイエエエ!』
 ギラギラと血走った目でにらみ合う少年四人。
 具体的に言うと、
 ヴィクティム・ウィンターミュート、
 狭筵・桜人、
 矢来・夕立、
 レイニィ・レッドの四人である。

 ん? と思った方もいるはずだろう。具体的に三バカの方々。
 なんでヴィクティムここにおんねん? と。そうだよアドリブだよ!
「全員皆殺しだァ……俺の"領域"から逃れられると思ってんじゃねえぞ……」
 だがその影のランナーは、口の端からフシュウと蒸気めいた吐息を漏らす。
 完全に目は据わっていて、ほかの三人も殺意MAXの顔をしていた。
 何がどうしてこうなったのか。それを語るには少し時間を遡る必要がある……。

「…………………眠ぃ」
 この戦場に転移してきたヴィクティムの第一声は、それであった。
 彼はある事情から、睡眠そのものが極めて致命的な事態に関わる可能性があった。
 それはヴィクティムが扱う、あの恐るべき虚無の力に由来することなのだが……。
 まあぶっちゃけ、ネタシナリオなんでそのへんの話は置いときましょう。
 シリアス出来ると思った? 無理だよなあだってここはネタシナリオだぜぇ!!
「いやもういっそ寝……ダメだな絶対落ちた瞬間首を絞められる……。
 ……絞められるはずなんだが、なんだこの「もっとひでえことになる」感は」
 ヴィクティムはぴーんと第六感で何かを捉えた。それは空気の違い。
 なんてかっこいい言い方しなくても、あたりは修学旅行の夜状態である。
「いやどういうことだよ(どういうことだよ)」
 ぎゃあぎゃあ男子中学生マインドで騒ぐオウガたちを見て、思わず一言。
 もしかしてこれ、自分の腕で首絞められるとかそんなもんじゃなくて、
 風邪のときに見る夢みたいなことになんじゃねーの? なんで俺ここに来た?
 しかも眠い。おそらくこの戦場にかかっているという導眠の呪いのせいか。
 眠い……だが眠るとヤバい……でも起きてるにはバカやらんといかん……。
「パジャマパーティー……ダメだわかんねえ。頭が働かねえ」
 ここのところの無理も祟ったか、ヴィクティムは大きく思考能力を落としていた。
 実際これはかなりの危険な状況なのだが、ご安心くださいここはネタ戦場。
 猟兵が死ぬことなんてありえな……いやありえるかな?(同士討ち的な意味で)
「パジャマパーティー……やるなら寝間着か? 寝間着、ううん……はっ」
 と、そこでヴィクティムは、見知った顔の猟兵たちが居ることに気付いた。
 それはまさしく、桜人・夕立・レイニィの三人。ほぼ全員と面識がある。
 ヴィクティムは戦場に溶け込むためにも、彼らとコンタクトを取ろうとした。
 取ろうとした、のだが……最初の歯車は、ここで狂ってしまったのである。

 で、その三バカ(おそらく三人とも不満を述べるであろうまとめ方)はというと。
「はいそれババですよ。上がりですね」
「坊ちゃんさすがですね。あ、自分も上がりです」
「ムキーーーーーーッ!!」
 何をやっているかというと、車座になってトランプをしていたらしい。
 ちなみに順位はセリフでわかるとおり、夕立>レイニィ>桜人の順番である。
 なお、これが12ゲーム目だ。順位もそのまんま変動していない。
「なんで12回もやってずーっと同じ順位で決着してるんですかねぇ!?」
「あなたがバカだからじゃないですか?」
「坊ちゃん言いすぎですよ……狭筵サンがトランプ弱えだけじゃないですか」
「どっちも同じレベルの罵倒ですよそんなの!! いやそもそも!!!」
 桜人は顔を真っ赤にして。びしっびしっと夕立とレイニィを交互に指差す。
 ちなみに、レイニィはナイトキャップを被り、額にはアイマスク装備。
 桜人はごくごく普通のパジャマ、夕立は黒インナーにラフな甚平姿である。
 え? レイニィはともかくふたりの服装に関してプレイングはない?
 知らねえ! 関係ねえこの顔のいい男どもの寝間着姿が見てえ!
 あわよくばイラストとかも頼んでもらいてえ! 戦って勝ちてえ!!(???)
 そういうわけなのでそういうことになりました。諦めな!!(ゴリ押し)
 話を戻そう。
「私にはわかってますよ! あなたたちふたりしてイカサマしてるでしょ!!」
「いや自分はイカサマとかしねえですよ狭筵サンじゃあるまいし」
「赤ずきんさんの言うとおりですね、まあオレはさりげなくやってましたが」
「私がするわけって何ちゃっかり認めてんですかこいつ! この! メガネ!!」
「罵詈雑言のレパートリーが小学生すぎる……(レイニィ)」
「バレなければイカサマではないんですが? 負け犬の遠吠えですか」
 夕立は極めて無表情で、メガネをくいっと上げ直した。わざわざ侮蔑しながら。
 ちなみにそんな彼だが、プレイングではイサカマと派手に誤字っている。
 まあそういうこともありますよね。誤字を訂正するのも執筆作業のうちですから。
 ここでうまいことポイント稼いだので、服装の件なんとかなりませんか?
 ならない? 話を進めろ? わかりました。
「言うに事欠いてこの……この、黒髪!! ……詰め襟!!」
「いや狭筵サンの罵倒レパートリー少しすぎですよ朝4時のコンビニかよ」
「黒髪で何か? あと詰め襟でもないですね(これみよがしにサラッサラの黒髪をかきあげ、甚平の襟をパンッとする夕立)」
「坊ちゃんも全力で煽らないでくださいよ話こじれるじゃねえですか」
「と、とにかく!! 私は認めませんよ、こんなイカサマありきの勝敗はね!!」
「自分はイカサマしてねえんですけど、狭筵サンにずっと勝ってますよ?」
「………………」
 沈黙が流れる。
「……いや赤ずきんさんもしてますねイカサマ! 私わかりますもん!」
「だからしてねえですって、そもそもトランプ持ってきたの自分ですよ?
 あいにく自分こういうの得意なンですよ。スピードとか七並べでもいいですよ」
「やめましょうよ赤ずきんさん、どっちも狭筵さんが可哀想なことになります」
「あっ(察し)そうですね、死体蹴りはさすがに正しくねえですよね」
「キーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!」
 桜人は飛び上がって怒った。あぐら姿勢から。どこの男爵だ?
「……わかりました、もういいですよ。こうなったらこいつでケリをつけましょう」
 目が据わった桜人が取り出したるは、枕。そう、枕投げである。
 だが夕立もレイニィも動じない。むしろ若干嘲笑う気配すらあった。
「なんです? 枕投げなんて物理戦でオレに勝つつもりですか?
「狭筵サンフィジカルふにゃふにゃじゃねえですか、人間こんにゃくでしょうよ」
「あーもうこれはダメですねこれはもう宣戦布告ですよ事実上の!!」
「いやもう、いい加減実力を認めやがってぶべっ」
「負けが込んで自棄になるとかオウガと頭が同レベウグッ」
「おいお前ら、悪ぃんだけど寝間着のスペアとか持ってなグホッ」
 その時! 顔面に顔を喰らった夕立とレイニィは倒れ……ん? 今なんかいたぞ?
「へっへーん! どうですかこれ、私の不意打ち作戦大成功ですねえ!
 いい気になっておいてもろに喰らうとか無様ですねえ! いやーいい気分!
 それでも人々に恐れられる都市伝説と影の暗殺者とハッカー……ん? あれ??」
 そこで桜人も、何かがおかしいことに気付いた。
 仰向けにぶっ倒れた人の数を数える。えーと、ひとりめ(夕立を指差す)
 ふたりめ(レイニィを指差す)
 さんにんめ(ヴィクティムを指差す)
 えっあれ? おかしいぞ?? ひとり、ふたり、さんにん……。
 一人、二人、三人! おかしいぞ!! なぜかひとり増えている!!
「これあれですか!! 山小屋の角ぐるぐるしてたら一人増えてたって奴!?」
 ぜんぜん違う。偶然近づいてきたヴィクティムが自然に巻き込まれたのだ。
 そもそもレイニィも巻き添え食らってるだけなんだが、こんな不条理あるのか?
 ……が桜人は、仰向けに倒れる三人を見下ろしてにやぁ~と笑う。そういうとこ!
「いや~無様ですねえ! ダサ~イ! ンッフフフ!
 よし、これちょっと写真撮っておきましょう。いい材料(BOMB!!)ギャーッ!?」
 取り出したスマホ爆死! 誰の仕業だ!? 全員だ!
 具体的に言うと、まずヴィクティムが過負荷をかけて中身をヒートさせ、
 夕立の振るった紙苦無がぐさりとカメラを貫通し、レイニィが真っ二つにした。
「――テメェは正しいか?(UC発動)」
「黙らせます(UC発動)」
「"言って"おくが、"コイツ"は"特別製"だぜ……!?("!?")(UC発動)」
「ちょっとあんたたち枕投げでユーベルコード使うとか何歳ですか一体!!
 ていうか待ってください本当待ってくださいあのヴィクティムさんはなんで!?」
「それはこっちのセリフだオラァアアアアアアアアアア!!」
 ヴィクティム、キレた!!
 ただ単にパジャマどうしようか話しかけにきたのにこのザマである!
 不意打ちされたのもムカつくしあっさり喰らったのも割と悔しかった!
 でも仕方ないよ眠気があるからね! ヴィクティム君悪ない!
 悪いのが誰かっつったらこんな戦場用意したオウガだ! ね!!!
「こっちはなぁ!! ただでさえ寝不足でイラついてんだぞ! アァ!?」
「ヒイイイイ!!」
 ヴィクティムはガチのフォームで、凶器入りの枕をぶん投げまくる。
 寝不足、ストレス、トンチキな状況への困惑、不意打ちへのいらだち。
 そこにツッコミ気質や深夜の腹ペコ、好みのエロ本が売り切れてた悲しみ、
 あとこう環境汚染への怒りとかなんかそんなもんが混ざって怒髪天だった!
「オラァアア死にさらせぇえええ!! その顔面吹き飛べコラァアアア!!」
「やめっやめてください! 戦うのは私じゃないでしょ!?」
「正当防衛って知ってっかあぁ!? 最初にヤッパ抜いたのはどっちだァ!?」
「違う、違うんです! 私はただあの黒髪陰険忍者に唆されてギャーッ!?」
 SMAAAAASH!! 桜人の後頭部に叩きつけられる枕! 桜人は前につんのめる!
 そして闇(どこにあんだよ)から滲み出したのは夕立。なんたる隠密か!
 闇に紛れる810も取ってたらもうどうしようもねえな。カゲだもんな。
「――忍法、梔。枕返しの術。あとさりげなく人を主犯にするな」
「う、うぐぐ……私は悪くなグエーッ!?」
「よし正しくねえなアンタ。処するか? 処しますか?」
 そば枕を顔面に叩きつけ、マジ顔で大鋏をしゃきーんしゃきーんするレイニィ。
 夕立とレイニィは顔を見合わせ、うなずいた。こいつはあとで痛めつけよう。
「それよりあっちなんとかしねえと自分らまでヤバい気がしますよこれ」
「そうですね。端役さん、落ち着いてください。諸悪の根源はこの通あっぶね」
 夕立は割の素の声を出しながら、飛んできた凶器入り枕を危うく回避!
「オイオイ、オイオイオイオイ……チューマ、何寝ぼけたこと言ってんだぁ?」
 ヴィクティムの目は血走っていた。主に、寝不足のせいでギンギンだった。
「もう火蓋は切って落とされたんだよ……だったらもう落とし前つけねえとなぁ!?」
「いやだからそれは元凶倒してつきましたっぶねぇ!!」
 レイニィにも容赦なく投げられる凶器入り枕! コワイ!
「うるせぇ!! ナメられたらランナーはおしまいなんだよォ!!」
「これはちょっと対話の余地がねえですね坊ちゃ……あれ坊ちゃん?」
 レイニィは姿を消した夕立を探してきょろきょろした。そこに凶器入り枕!
「っぶねえなマジで!? 待ってください、これはなんかやべえ気配が」
「オオオオラァアアアアア俺は枕機関銃じゃああああああ!!」
「バーサーカーかよこの人!!!! ちょっと坊ちゃんどこ行って」
「ここですよオラッ!(レイニィの背後から全力枕投擲)」
「っぶねぇ!?!?!?!?」
「チッ」
「チッじゃねえですよなんで自分まで攻撃(ブオンッ)だからあっぶねぇ!?」
「避けんじゃねェエ……全員皆殺しだァア……!!」
 コフー、と口の端から蒸気めいた吐息を吐き出すヴィクティム。コワイ!
 なお、回避された枕がどこに行くかと言うと、ぶっ倒れた桜人の頭の上だ。
 え? オウガ? 巻き添えを食らって全員死んでる。
 これも、仲違いをしていると見せかけた作戦なのだ……!(作戦ではない)
「端役さん、まさかこんな形であなたと殺し合うことになるとは思いませんでした」
「えっなんですこのシリアスな空気? マジですか???」
「一度火が点いた導火線は止められねえよなあ……?」
 ヴィクティム、凶器入り枕を抱えて名野手みたいな腰だめの構え!
「楽しんでいけ……これが俺の殲滅寝間着祭(キリングパジャマパーティ)だ!!」
「そこわざわざルビ振るとこですかってだからあっぶねぇですが!?」
「(むくり)さっきから私の頭にぶっ刺さってんですよ色々と!!!!」
「面倒なのが起きましたね」
「面倒なのが起きやがりましたね」
「面倒なのが起きちまったな」
「なんでそこは異口同音で声揃えるんですかあんたら!?!?!?」
 頭に刺さった凶器入り枕(凶器入り枕ってなんだよ)をズボッと引き抜く桜人。
 血まみれである。なんてこったこれじゃあ赤ずきんがどっちかわかんねえや!
「全員血で染めちまえば関係ねえよなぁ!?」
 ヴィクティムはマジ顔であった。寝不足って怖いね。
「ここは三人で協力してことをなしましょう。……オラッ!」
「ほらきた絶対だましうちすると思いましたよそういうとこ~!!」
「とか言う狭筵サンも自分の方に枕投げてんじゃねーですよわかってんだよ!!」
「最終的に全員殺せばよかろうなんだよオラァアアアアア!!」
 ああ、人の歴史は争いとともにあった。これもまた人類の業なのか。
 手を取り合うべき10代男子たちは、互いに睨み合い憎み合い枕を投げ合う!
 枕と書いて"さつい"と読みます。オウガ? その余波で死んでる。
「ぶっ殺してやらァアアアアアッ!!」
「まず狭筵さんを仕留めます。その次に赤ずきんさんで、最後が端役さんです」
「だからなんで自分狙われてんですか!? とりあえず狭筵サンは仕留めますよ」
「おうやってみろよ返り討ちですよ私だってやってやギエエエーッ!?」
 ……とまあ、そんな感じでリプレイ冒頭の感じに至ったのである。
 戦いは、主に桜人がボコボコにされる形で推移したという。だってもやしだから。

 そんで、オウガどもがほぼほぼ全滅したあとのこと。
「やっぱり世界平和が一番だよな!(爽やかな笑顔のヴィクティム)」
「恒久的な世界平和実現のために常に努力してます(涼しい顔の夕立)」
「アンタらあんなことのあとによくそんなセリフ吐けますね……(ドン引きレイニィ)」
「たすけて(たすけてほしい桜人)」
 血まみれで倒れる桜人を囲んで、がっしりと握手し合う三人。
 その姿は、まるで○○VS☓☓と題された特撮映画のクライマックスめいていた。
 やっぱり猟兵同士友情と平和が大事! 同じ仲間だからね!
 え? オウガ? 奴らは余波で死んだ。
 え? 桜人? その後彼を見たものは誰もいなかったのです……(雑な怪談オチ)

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アーロン・フェニックス
【壁】で参加
コレは僕の普段着であり正装であり戦装束であり寝間着だよ?

なるほどユーザリアさん(f03153)は時には新しい出会いを求めることも大事だと言いたいわけだね。わかるよ。僕も昔は弾はばら撒くものだと思ってた……実際下手だったからね、でもいつの間にか腕も上がってさ。こう、スコープ越しに一発ズバンと……え、コレ胸キュンする話をする会じゃなかったっけ?

大いに遊んで眠れぬ夜を語り明かそう。疲れ切るまで、壊れ果てるまで、今日の命を使い切ろう。(機巧腕に機関砲を連結)
甘酸っぱい思い出もこの地に刻み付けてッ(枕を撃ち抜く) 
崩れ落ちて、眠りにつくまでさァ!(砲撃。おやすみのパーティだ!


桜田・鳥獣戯画
【壁】(白熊のきぐるみ系パジャマを着込んで)
でかした!!雑魚寝だ!!
女王(f03153)が恋バナをしている横で、敷かれた布団の掛布団部分だけを横に置き、敷布団だけの状態にしてストレッチを開始
胡坐をかいて背筋を伸ばし、両足裏を合わせて膝を下に押す
続けて足を前に伸ばし前屈。そこの男子、背中を押してくれんか!
そして開脚し、腕と体を倒して左、右
そこの男子、背中を押してくれんか!
さらに腹筋。そこの男子足首を抑えてくれんか!
時折女王の恋バナにナイスな相槌を打ちつつ、そのへんのジャバオウガを座らせて背中を押しストレッチを続ける
フフ、恋バナとは良いものだな。情緒が色めき立つ!!
アドリブ連携その他歓迎!!


ユーザリア・シン
【壁】
(牛のきぐるみ系パジャマを着込んで)つまり恋バナか。フ…恥ずかしい話ではあるが、妾はあまりチェーン店のうどん屋に赴かぬタチでな。
やはり地元密着型の店がよいとこの歳まで考え、ナスの天ぷらがある所を贔屓にしておった。
しかしふと気分を変え、それまで足を運んでおらなんだ近所にあるチェーン店の暖簾をくぐってな。
そして妾は思ったのだ…愛することを、差別してはいけないのだと。
変わらぬのだよ、アツアツのダシの前では、等しく美味いのだ。
聖女たる妾にとって、あまりにも遅い気付きであったな…(遠い目)


末代之光・九十
【壁】(茶色熊のきぐるみ系パジャマを着込んで)んん。 恋バナかあ。それは。少し恥ずかしいけど楽しそうだね。……うん?うんユーザリア(f03153)それ恋バナじゃなくて……ええと。なんだろう。いや本当なんだよその話。どうしろってんだよってギガ(f09037)に至っては恋以前に話にすら辿り着いて無いね準備運動だねソレは自分では恋バナする気が無いのかそれともストレッチパワーが必要な程のアグレッシブな恋バナをする気なのかどっちなのか知らないけど見ず知らずの男子を酷使するなって言うか何で見ず知らずの男子が普通に参加してるのかなこのパジャマパーティ怖いでもそう言えば僕もちっとも恋バナしてないけどもう字数が


明石・鷲穂
【壁】
(ヤギ用パジャマ)
どうしても下履かなきゃダメか。
前脚と後脚でそれぞれ履けば行けるか…?

九十がツッコミ入れてくれてるから…俺も安心して適当に聞くぞ
ストレッチ余裕そうなギガとネーヴェには、話を聞きながら背中押すぞ。どんどん押す。

菊花は可愛いしかないな。俺も皆好きだぞ!あと酒とツマミも好き。
ユーザリアとうどん…アーロンのスコープ越しの愛…運命だったってわけか。
2人とも悲しい話だなあ(適当)

ステラも遠慮なく旦那の話をしてくれ。オウガも気になったのか集まってきてるしな! 
オウガは後脚で[怪力]込めて蹴ってくぞ。
恋バナ邪魔する奴らは馬に蹴られるって昔から決まってるんだ。


ステラ・エヴァンズ
【壁】(白梟のきぐるみ系パジャマを着込んで)
皆さんのお話を伺いながらほゎほゎ相槌を入れております
私は本当に旦那さんとの惚気話しか…ぇ、してもいい?…いつも格好いいとか無自覚不意打ちかズルい…とか?
陛下(f03153)のお話とか団長さん(f09037)の行動とか凄く気になりますけれど末代之光さん(f27635)が適宜突っ込んでくださっているので私は安心しております
それに年下さん達がお可愛らしくなごなごするのです
こう言う皆で恋バナ(?)とかも初めてなので気分が高揚していますし
えへへ、楽しいですね
敵さん?あぁ…適応範囲に入ったら星剣で応戦を
それから皆さんには念の為、結界術で結界を張っておきましょうね


八重垣・菊花
【壁】アドOK
(子アザラシの着ぐるみパジャマ)
恋バナ、恋はようわからんけど好きなもんの話でえぇ?
えっとなぁ、うちは団長さん(桜田)が好きやろ、でーと?したいし!
九十ちゃんも好きやで、一緒にお写真撮りたい!
ユーザリアさんも好きやし、なんやったらそのお胸にダイブしていちゃいちゃしたいしな(ド健全イチャイチャです)
ステラさんは優しくて好きやろ、アーロンさんとネーヴェさんと明石さんはまだよう知らんけど、これからもっと知ってけたら絶対好きになるやろし!
まだまだうちの好きは増えるで!
(他の人の話には相槌や突込み入れ)
敵はユーザリアさんの女王パワーとかで近付いてこれへん気もするんやけど来たらUCで撃退やで!


ネーヴェ・ノアイユ
【壁】(ペンギンの着ぐるみ系パジャマを着込んで)八重垣様をはじめ私は壁の皆様と出会ってから日が浅いので……。これを機に親しくなりたい……。ですね。
恋バナ……。初めてなので礼儀作法も分からず……。なので桜田様の真似をしながらシン様のお話を拝聴いたしましょう。あ……。明石様……。ストレッチへのご協力……。ありがとうございま……。す……。
おうどんへの深い愛情は恋バナではなかったのですね……。末代之光様の反応を窺うところ……。ストレッチも必要なかったのかもしれません……。頑張りましたのに……。
フェニックス様とエヴァンズ様は既に戦いの準備が万全ですね。では……。僭越ながら私も加勢させていただきます。



●ところでタイトル通りに寝たらそれ敗北ですよねって出してから思った
「妾は思うのだ……そう、恋とかき揚げはほとんど同じなのだと」
 ユーザリア・シンは真顔であった。この女はいつだって狂っている。
 そもそも高い確率で踊りだす女がまともなわけがない。アイエエエ狂人!
「なるほど、ユーザリアさんの言うことには含蓄があるね。僕もそう思うよ。
 そう、恋と焼夷弾は同じもの……燃え上がるところとか。あと燃え上がるところ」
「うん、ユーザリアもアーロンもおかしいことしか言ってないからな?」
「いや含蓄があるな! 私もそう思う! ところで誰か背中を押してくれんか!」
「ギガはなんで普通にストレッチしてんの? なんで?」
「ああ背中を押すのは任せておけ。ところで俺、やっぱ前と後ろ両方履かないとダメか?」
「鷲穂はいつまでパジャマのことで悩んでるの? スロースターターか???」
 アーロン・フェニックス、桜田・鳥獣戯画、明石・鷲穂。
 この三者三様の非常に曲者なボケに、頑張ってツッコミを入れる末代之光・九十。
 頼むぞ九十、ざっと見たところツッコミできそうなのはあなたしかいない……!
 そもそも上の四人はストレッチしたりうどん啜ったりパジャマ片手に悩んだり銃の話しかしねえしで完全に話がとっちらかってしまっているし、
 じゃあ残りの女性陣はどうなのかと言うと、
「うーん、楽しいですね恋バナ! 初めての経験です!」
 ステラ・エヴァンズはこんな狂った状況に楽しさ感じてしまっているし、
「うち、恋はようわからんけどわかった気がする! かき揚げで焼夷弾なんやね!」
 わりかし純朴な八重垣・菊花はもう完全に勘違いしてしまっているし、
「んっ、んっ……ストレッチしながら話すとは、大変なのですね恋バナとは……」
 ネーヴェ・ノアイユは、ひたむきなあまりにまた別の誤解をしていた。
「いやこんなとっちらかった恋バナ僕も初めてだからね。多分地上初だよ」
「地上初!? それはつまり……みんなが初体験ということですね!
 こんな楽しいはじめての恋バナを共有できるなんて、私嬉しいです!」
「いやだからそもそも恋バナじゃないんだよねこれ……」
 ほわほわと天然ボケをかますステラの笑顔にぐったりする九十である。
 頑張ってくれ九十! 鷲穂もツッコミ放棄してるからマジであなたしかいない!
「えっ恋バナじゃなかったん? じゃあ一体これは……なんやの?」
「ふふっ、答えを焦るでないぞ菊花よ。答えを焦るのはうどんを伸ばすようなもの。
 いやこねるとかではなく汁を吸う的な意味でな。つまりは美容に繋がることだ」
「7歳の女の子に全力で間違った美容知識植え付けるのやめようねユーザリアはね」
「び、美容……! おうどんを極めればシン様のようにお美しく……?」
「だからなんで僕の話だけ都合よくスルーされてるんだろうねこれホントね」
 菊花もネーヴェも間違った方向に勘違いしていく。ほら若者だから。子供だから。
 いやこれわざとやってねえか? やってる疑いはありますよね面子的に。
「待て九十! うどんのことはともかく話を急くなというのはたしかだぞ!
 何事も急ぐのは厳禁だ。急ぎすぎると……筋を痛めたりしてしまうからな!!」
「うんまあギガは絶対ストレッチに話収束させるだろうと思ったよ」
「ワンホールショットを成功させたあの瞬間の胸キュンはたまらないよね」
「よね、って当然のように同意求められてもアーロン以外にはわかんないからね?」
「えっ」
「そんな「ウソでしょサンタさんってパパだったの」みたいな顔されてもさ」
「えっ!?!?!?!」
「あっいや菊花いまの話は聞かなかったことにしてなんでもないからマジで」
「なんだと!?!?!? サンタさんって実在しないのか!?!?!?」
「なんでギガが菊花より驚いてるの???」
「末代之光さんのツッコミは安定感があって安心いたしますね……」
「熟練のプロの技に惚れ惚れする観客みたいな安堵の仕方やめてねステラはね」
「うーんどっちを前脚に履くべきか迷うなあこれは……」
「あ……明石様、取り込み中にご協力ありがとうございます……」
「いやいやいいんだよ、どんどん押すから頼ってくれ」
「ねんでネーヴェと鷲穂はちょっと信頼感出してんの? ストレッチで???」
 もう会話がどがちゃかであった。八人いるからとかそういうレベルじゃねえ。
 九十は思った。もしかするとこれ旅団にいるときよりハードモードなのでは? と。
 多分九十だけセリフが異様に増えると思いますけどまあ仕方ないよね!
 第六猟兵には過労死なんてシステムは存在しない。やったね!

「……わかった、妾が少し間違えていたようだ」
 と、そこでようやく、牛の着ぐるみパジャマ姿のユーザリアが言った。
 でも知ってんだかんな最初に出オチプレイング書いたのこの人だって!
 バレてないと思ったら大間違いなんですからね! 一番狂ってるしさあ!!
 ……でもこんな切り出し方したんだし、すこしはまともになるのでは?
 と、九十は期待した。残念ながら、ステラと鷲穂はもう諦めていた。
 というか考えるのをやめていた。これが人類の残酷さということかよ!
「恋バナ……フ、こう言ってはなんだが、妾も少し気恥ずかしくてな」
「女王にも羞恥心があったのか! ノーベル賞が獲れそうだな!!」
「だ、団長さん! さすがに陛下に失礼なような気が」
「エヴァンズ様の仰る通りかと……。
 たしかにシン様は突然踊りだしたり、ホログラムになって消えたり、
 色々他の方と違う振る舞いをされ……ホログラムになって消える、とは……??」
「よすんだネーヴェ。考えちゃいけない。そう、昔の偉い人は言ったものだ。
 考えるな、感じろ。センス・オブ・ワンダーを捕らえるんだぜ!」
「うちはユーザリアさんのお胸がおっきいからそれでええと思う!」
「菊花いきなり何言ってるの???」
「口径が大きいほうが、弾をばらまいたときの爽快感も増すしね……」
「いい感じにアーロンが事故起こしてるな! 流石だところで背中押してくれ!!」
 ぐっぐっ。なぜかストレッチを続ける鳥獣戯画。どういうことだよ。
「皆の者が言うこともわかる。だが妾は、いまこそ己を律して話すとしよう。
 ……妾は、あまりチェーン店のうどん屋に赴かぬタチでな……」
「けっきょくうどんの話になるんだね……(九十)」
「やはり地元密着型の店がよいと、この歳まで考えていたのである。
 ナスの天ぷらがあるところを贔屓にしていたのだが、ある日気分を変えてな」
「もう本当にいまさらだけど、ユーザリアは無敵だなあ(鷲穂)」
「それまで足を運んでおらなんだ近所にあるチェーン店の暖簾をくぐったのだ」
「……あの、私が浅学なのかもしれないので差し出がましいのですが……。
 ダークセイヴァーに、うどん屋はあるのでしょうか? 聞いたことが……」
「明石さんが言うとったやろ? センス・オブ・ワンダーやでネーヴェさん!」
「ワンダーをセンスするとサニティが削れそうなのですが……???」
「陛下はそういう方ですから。それに楽しいから気にしなくてもいいかと」
「僕が言うのもなんだけど、この話を楽しめるステラは色々すごいね」
「本当にアーロンが言うことではないなところで誰か足首抑えてくれ!!」
「いやー実にいつもどおりの空気だねー(鳥獣戯画の足首を抑える鷲穂)」
「……とまあそういうわけで、妾は遅い気付きを得たのである」
「一番大事なところがみんなの相槌で完全に流れちゃったねこれ」
 そもそも聞いていたとして納得できる話だったのだろうか? 九十は訝しんだ。
「……こう、もうちょっと普通の胸キュンの話はないのかな? 普通の」
 九十は、遠い目をしているユーザリアをほっといて水を向けた。
 このままうどんの話を続けていると自分もネーヴェもやられそうだからだ。
「それなら僕に任せてほしいな。やはり一番なのはスコープ越しの」
「もうこの時点でオチが見えたから次にいこうか」
「えっ」
「鳩が豆鉄砲を食ったような顔してるけど今の話題どこに当たると思ったの……?」
「おかしい、僕が最近一番胸キュンした話なのに……!」
 アーロンは愕然とした。そういうことじゃねえと九十は大いにいいたかった。
「ほら、他の人……ステラとかさ、なんかなかったりしない?」
「えっ、私ですか? ううん、そう言われても旦那さんとの惚気話しか……」
「なにそれうちも聞きたい! 恋バナってそういうのやもんね!」
「い、いいんでしょうか本当にそんなので……」
 笑顔で食いつく菊花の勢いに、ステラは困惑した。ちょっと恥ずかしそうだ。
 でもね、思うんです。そもそもそれがデフォなんじゃねえか? と。
「恋バナとは奥が深いものですね……ストレッチも必要ですし……」
「手伝っておいてなんだけど、恋バナにストレッチはいらないと思うなあ俺は」
「えっ」
 ネーヴェは鷲穂の言葉に愕然とした。どうやら何もかも間違っていたらしい。
 残念なことにこの場はツッコミ不足だ! いやもうこの旅団自体が……?
「フフ、気負うことはないぞネーヴェ! ストレッチは重要だからな!」
「で、ですが明石様が恋バナには関係ないと」
「それはそうだが?」
「えっ」
「え?」
 ぽかんとする鳥獣戯画とネーヴェ。ボケ役が迷子だよもう!
「大丈夫やで、うちは団長さんのことも好きやしネーヴェさんも絶対好きになる!」
「八重垣さん……! 素敵ですね! 好きになることは大事ですよ!」
「えへへ、ステラさんは優しいから好き! ユーザリアさんはお胸が好き!」
「すごい勢いで胸を推すよね菊花は。まあ言いたいことはわかるけどさ(九十)」
「つまり……アツアツのダシの前では等しく美味い、ということであるな」
「話をいい感じにまとめようとしてるけど全然通じてないよユーザリア」
「なるほど、わかったよ! ガトリング銃を撃ったときの」
「そっちも絶対違うからねアーロン」
「えっ」
「だからなんでいちいち驚いた顔するの???」
「おいみんな、気をつけろ!! オウガどもがやってきたぞ!!」
『『『グオオオオオオ!!(いきなりソシャゲ風に横スライドしてくるオウガ)』』』
「出てくるタイミングを伺ってたけど話が散らかってるから耐えかねたみたいだな!」
「ええ~、これからええところやのに! さっさと倒してまお!」
「話はオウガを倒したあとに……と、いうわけでございますね。わかりました」
「はい、楽しい時間をまた過ごすためにも!」
 敵が出てきたのでようやく話がまとまった。チャキッと立ち上がる六人。
 ……六人? あとのふたりは誰で何してんの?
「で、そのチェーン店で食べたうどんの話なのだが……」
「よし頑張れみんな! ところで男子、背中を押してくれないか!」
 このふたりであった。それはさておいて始まる戦い!
「よしこれで僕もお役御免だね! うおおおお勝利をつかもう!」
「「「「「おー!!」」」」」
「この太麺がまた絶品でな……」
「背中を押してくれないか! 誰か背中を!! 背中を!!!」
 話がまとまるわけがねえのであった。オウガ? 雑に死んだよ!!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月10日


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🔒
#アリスラビリンス
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#戦争
🔒
#迷宮災厄戦


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト