迷宮災厄戦④〜ジャイアントパンダVSキングゴリラ〜
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「止めるんだ、ジャイアントパンダ!」
巨大なぬいぐるみの愉快な仲間たちがすごすその不思議な国は、本来平和なワンダーランド。
しかしそこは今まさに、阿鼻叫喚の渦と化していた。
何故ならば愉快な仲間たちの一人――ジャイアントパンダが、その体内にオブリビオンを乗せ暴れまわっていたのだ。
「黙れキングゴリラ! もう名前だけで貴様を王と戴くことなど御免だ! ぬいぐるみ王に、俺は成る!」
オブリビオンが跋扈する迷宮災厄戦の中で、新たな戦いの火蓋が切手落とされようとしていた。
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「巨大な愉快な仲間たちが暮らす不思議な国があるらしい」
そうグリモアベースで語り掛けるのは、自信もまた愉快な衣装に身を包んだグリモア猟兵――ゴリ・ゴリ(ミュータント・ゴリラーズ・f18193)だ。
ゴリによれば今回の戦場は巨大なぬいぐるみたちが過ごす不思議な国。そこで巨大なぬいぐるみに乗り込んだオブリビオンが暴れまわっているという。
「どうやらその不思議な国には、愉快な仲間たちだけに効果を発揮する特殊な効果があるらしい」
本来そこに住まう愉快な仲間たちは単なるぬいぐるみ。
巨大化し、そしてチャックを付けることで乗り込むことが可能となるのは、その不思議な国に依存する効果らしい。
故に猟兵が愉快な仲間であるならば、同様に2倍程度の身長に巨大化し、そして背中にチャックがつくというのだ。
「皆には、現地の愉快な仲間たちと共同して事に当たって欲しい。どうやら愉快な仲間たちに乗り込むことで、その者の戦闘力が数倍に跳ね上がるというのだ」
敵のオブリビオンもまた、愉快な仲間の一人に乗り込んでいる。
それに対抗する為には、猟兵たちもまた乗り込むことが必須となろう。
それは現地の者でなくとも良い――愉快な仲間である猟兵であれば、仲間の猟兵に乗り込んでもらうことも可能なのだから。
「愉快な仲間たちのことは心配いらん……これもまた不思議なことに、ダメージは乗り込んだ者に入るようだしな」
愉快な仲間たちを戦いに参加させることを心配する者もいるだろうが、ダメージは全て猟兵に入る為それは心配無用。
彼らの諸事情により敵対している愉快な仲間もまた同じであり、ダメージは全てオブリビオンに入る為、遠慮なくしばき倒して欲しいのだ。
「是非、不思議の国の平和を守って欲しい」
そう言いながら、猟兵たちを送り出すのであった。
きみはる
●ご挨拶
お世話になります、きみはるです。
アリラビ戦争二作目は、不思議な仲間と共に戦って頂きます。
●依頼について
全員巨大なぬいぐるみの愉快な仲間たちに乗り込んで頂きます。様々なぬいぐるみが存在しますので、どんなサイズの猟兵でも乗り込むことが出来る愉快な仲間がいたこととします。また、愉快な仲間の猟兵と共に戦う場合は、その猟兵に乗り込んでもかまいません。
本依頼でのプレイングボーナスは下記の通りです。
プレイングボーナス……「きぐるみ愉快な仲間」の許可を得て、乗り込んで戦う。
乗り込むぬいぐるみの名前や設定は、自由に決めて頂いて構いません(ゴリラで無くともかまいません)そのぬいぐるみへ許可を取るプレイングに対し、ボーナスを与えさせて頂きます。また、正確だけを決めて頂いて名前や外観など一部お任せでもかまいません。
キングゴリラに乗り込んでも構いませんが、ネタ被りが発生した場合は適時別のぬいぐるみに変更させて頂きます。
また、特に記載が無かった場合は乗り込む人形は完全お任せと受け止めます。ですが、メカゴリラとか、ホラーテイストなぬいぐるみのクレイジーバニーとか、安直な感じで行きますのであんまりセンスには期待しないで下さい。
また、敵側はぬいぐるみの方がハイテンションなので、基本パンダさんしか喋らない予定です。
●プレイング募集について
8月3日(月)8時31分~プレイング募集開始とさせて頂きます。最低人数で……とまでは考えておりませんが、特に募集締め日を定めず、適当に締められるタイミングで締めさせて頂きます。
第1章 ボス戦
『563部隊・隊長『赤兎』』
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POW : ひょっこり兎
【もうひとりの自分 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : 殺戮兎刀
自身の【瞳 】が輝く間、【野太刀・赤】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 死なない愉快な仲間達
攻撃が命中した対象に【癒えない傷跡 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と蘇る「死んだ愉快な仲間達の亡霊」】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
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リック・ランドルフ
着ぐるみを着るのは、前にお偉いさんの娘さんの警護の時に遊園地で着た時以来だな。……ま、大きさは全然違うが。……それじゃ、いっちょ、いや、ゴリっと行くとするか…!
キングゴリラ!あの愛くるしくないパンダをいっちょ、とっちめてやろうぜ!いっしょによ!
というわけでキングゴリラに力を課して貰う。
着たら、相手の剣の射程距離に入らないようにしつつ、銃で攻撃。(地形の利用、戦闘知識、スナイパー)
そして相手がUCを発動したら……こっちも一気に仕掛ける!いくぜ!キング!相手の攻撃を気にせずに分身を掴んで、相手にぶん投げる…!【激痛耐性】
おらぁ!これが南国ゴリラパワーだ!
そして、投げたらすかさず、銃で追撃だ!
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「着ぐるみを着るのは、前にお偉いさんの娘さんの警護の時に遊園地で着た時以来だな……ま、大きさは全然違うが」
UDCアースの南国で刑事を務める猟兵――リック・ランドルフ(刑事で猟兵・f00168)は着ぐるみと聞き、ふと仕事での経験を思い出す。
彼にとって、着ぐるみとはその程度しか関わり合いの無いもの……だが今は世界を救うべく着ることを求められている。
「……それじゃ、いっちょ、いや、ゴリっと行くとするか!」
不思議なこともあるものだ……そう感じ入るものの、いつまでも呆けているわけにはいかない。
気を取り直し、リックは前へと進む。
己が成すべきこと成す為に、ちょっぴりファンシーな戦場へと足を踏み入れるのだ。
「キングゴリラ! あの愛くるしくないパンダをいっちょ、とっちめてやろうぜ! いっしょによ!」
リックは、眼前の巨漢へと声をかける。
彼の名はキングゴリラ――この大きなぬいぐるみたちが住まう不思議の国の王。
今まさに簒奪せんと暴れるジャイアントパンダとの争いに敗北し、額から綿を零しながら膝を着く。
リックは感じていた……彼こそが王の気位の持ち主――迂遠な問答など求めず、目の前の苦難に立ち向かうべく言葉を投げかければ、きっと共に立ち上がってくれるはずだと。
「貴殿は、猟兵か……その筋肉、その風格……是非も無い、共に国の平和の為に立ち向かおうぞ」
漢と漢のコミュニケーションに、雑多な言葉はいらない。
互いに視線を絡めた二人は通じ合えば、キングゴリラは無言で背中のチャックを引き下ろす。
そうして中に乗り込んだのならば、戦闘力は数倍、元気は百倍。
仇敵を打ち滅ぼさんと気炎を吐くジャイアントパンダを迎撃せんと、その綿の詰まった拳を握りしめるのだ。
「今更中身を得たところでもう遅い! このまま中綿ごろ引き釣り出してくれるわ!」
ジャイアントパンダが呼び出すは、白黒反転のもう一人のパンダ。
ダブルパンダ殺法宜しく二手に分かれれば、キングゴリラを挟み込むべく左右に分かれる。
しかし彼は既に単なるキングゴリラでは無い……リックというベテラン刑事を搭乗者に得たキングゴリラはもはやキング刑事(デカ)ゴリラと言っても過言では無いのだ。
生み出された分身を手早く撃ち抜けば、もう一方の本体を迎え撃つ。
「……こっちも一気に仕掛ける! いくぜ! キング!」
ゴリラがまさか銃を使うなどと欠片も思ってはいなかったパンダは、その白黒フェイスを驚きに歪める。
そうして生まれは隙を見逃すほど、キング刑事ゴリラは優しくは無いのだ。
「おらぁ! これが南国ゴリラパワーだ!」
白黒パンダは宙を舞う。
そしてその柔らかボディに、大量の鉛玉を叩きこまれるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴェル・フィオーネ
・心情
う、うーん……オウガとの戦争が起きているこのタイミングじゃなきゃ、話し合いとかを勧めたんだけど……
サイのぬいぐるみさん、あなたのお名前は?
そう、ライノさんっていうの
それじゃあ、ジャイアントパンダさんを止めるのに力を貸してくれないかしら?
・戦闘
とにかく、ジャイアントパンダさんを止めなくちゃ!
なんか新しいユーベルコードも手に入れたし、せっかくだから使っちゃお!
不満があったら、まず話し合いをしなさーい!
・その他
ヴェルはユーベルコード『スパイラル・オーバーロード・ストライク』の代償について認識できていないので、もし描写して頂ける場合はそこを注意して頂けるとありがたいです
アドリブ等は大歓迎です
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「う、うーん……オウガとの戦争が起きているこのタイミングじゃなきゃ、話し合いとかを勧めたんだけど……」
目の前で繰り広げられる王位簒奪戦(クーデター)を見つめ、ヴェル・フィオーネ(ウィザード・オブ・アリスナイト・f19378)は何とも言え無さそうに額に皺を寄せる。
争いの内容は欠片も可愛くは無いのだが、結局は殴り合っているのはぬいぐるみであるが故、どうしても凄惨さは感じない。
故に出来れば話し合いを進めたいところではあるものの……しかしこうしてオブリビオンの絡んだ事件である以上、世界存亡の危機の最中である以上は、そうも言ってもいられないのだ。
「サイのぬいぐるみさん、あなたのお名前は?」
ヴェルが話しかけるは、巨大なサイのぬいぐるみ。
雄々しい角を備えるも、その瞳はつぶら。
「おいら、ライノ……」
気の弱そうに返って来る声を聞けば、自然とヴェルも笑みを浮かべる。
「そう、ライノさんっていうの。それじゃあ、ジャイアントパンダさんを止めるのに力を貸してくれないかしら?」
気の優しい戦士の同意を得られれば、痛くないようにとそっとジッパーを引き下し、その柔らかな綿の中へとその身を滑り込ませるのであった。
「パンダ、もう止めて~」
「ライノ、貴様もあの類人猿が王に相応しいというのか!?」
争いを止めるべく、ライノへと乗り込んだヴェルはジャイアントパンダへと体当たりを行なう。
「こらっ! 不満があったら、まず話し合いをしなさーい!」
敵対するならば問答無用とばかりに、パンダウォーリアを量産するジャイアントパンダに対し、ヴェルは叱咤の声をあげる。
言って聞くならば苦労は無い――だがこの穏やかなライノに気を病ませるくらいであれば、己が割って入った方がマシだと声をあげるのだ。
「黙れっ! 異邦者(ストレンジャー)が口を挟むなっ!」
眼前のパンダの心無い声を聴き、ヴェルはその綿に包まれた拳に魔力を集める。
その力こそスパイラル・オーバーロード・ストライク――返るべき『自分の扉』へ繋がる道筋を代償に膨大な魔力を放つ強力な一撃。
己とて、故郷に帰れるのであれば帰りたい……好きで異邦者と成ったわけでは無い。
そうした彼女の心の葛藤など、脳の代わりに真綿の詰まった彼らには理解が出来ないだろう。
故に彼女は殴って聞かせる。
力を使うほどに故郷から……己が望みから遠ざかっているのだと、悲しき皮肉に気付くことも無いまま。
「何を失うかはわからないけど……それでも!譲れない!」
何かを失っている感覚はある……だが、それが何かは分からない。
言いようの無い恐怖を感じながらも、それでも少女は世界を守る為に戦うのだ。
今はまず、この分からず屋を殴って聞かせると、心に誓いながら。
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス
「王座決定戦はいいっすけど、オウガが関係ないところでしてほしいっすよ」
そんな訳で自分も着ぐるみに入ってたたかわせてもらうっすかね
「オブリビオンを中に詰めての戦いはフェアじゃない気がするっすよ。そんなわけで、パンダを止めるのに力を貸して欲しいっすよ」
と、愉快な仲間にお願いして、中に入れさせてもらう。愉快な仲間は陽気なバナナの木(本当は草)とかそんな感じの
「やー、目線が高くなるっすねー。けれど、もっと大きいのを呼ぶっすよ!」
【影魔人の術】でバナナの木の3倍はある影魔人を呼び出し、相手の増援ごと攻撃。影魔人は【怪力】パンチとかで、こちらはバナナをもいで二刀ダガーみたいに振るう【2回攻撃】
あとはノリで
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「王座決定戦はいいっすけど、オウガが関係ないところでしてほしいっすよ」
辟易とした様子を見せながら、青年……では無く、その額に乗せられた仮面であるヒーローマスク――リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は声をあげる。
弱者の味方である、その名の通りヒーローマスクであるリカルド。
身内の争いなど好きにやってくれればと思うが、それに世界の崩壊が天秤にかかるとなれば話は別。
多勢に無勢であれど暴れモノクロ熊を叩き伏せ、さっさと事件を解決するに限るのだ。
「オブリビオンを中に詰めての戦いはフェアじゃない気がするっすよ。そんなわけで、パンダを止めるのに力を貸して欲しいっすよ」
リカルドが声をかけるのは、一際大きなバナナの木。
声は帰ってこないものの、かさかさと大きく幹を揺らすその様子を見れば、どうやら共に戦ってくれるのだと、意思を感じ取ることが出来る。
それは常人であればファスナーまで手の届かぬほどの巨体――しかしマスクを被るNINJAの身体能力により手早く登れば、その頭頂部にするりと身を滑り込ませるのだ。
「やー、目線が高くなるっすねー」
常人を容易に包み込むサイズの巨大ぬいぐるみたち――こちらに敵意を向けるジャイアントパンダとて容易に見下ろすその巨大なバナナツリーからマスクだけを出し、リカルドは気の抜けた声をあげる。
「けれど、もっと大きいのを呼ぶっすよ!」
しかしその態度に反し、ヒーローたるリカルドは事件解決の為に万全を期す。
彼が放つは忍法・影魔人の術――自身の3倍はあろう影の巨人を生み出す忍術だ。
マスクとして放てば1mにも満たない。
身体を借りて放てば3mは越すだろう。
だが今彼にボディーを貸してくれているのは、トロピカルフルーツたるバナナツリー。
そんじょそこいらの木よりも背の高いご機嫌ボディーは、10m以上の影魔人を従えるのだ。
「さあ、行くっすよ! 影魔人!」
影魔人はバナナツリーのバナナを豪快にもげば、いくぞ忍法バナナ手裏剣。
さらなる綿入りバナナを双剣として取り扱えば、竜巻起こせと無双乱舞だ。
そうしてパンダが呼び出す分身をすり潰せば、残るは一人の孤独な反逆者。
「怪力パンチっす!」
唖然とこちらを見上げるパンダを見下ろし、影魔人は無慈悲な一撃をお見舞いするのであった。
成功
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陣・泰眞
●ふむふむ、つまりはここの住民達と一心同体になって事に当たれってことだな。うーん、誰に協力を仰ごうか……
●うん、そこにいる巨大トノサマガエル(ちょんまげ付き。性格:某暴れたがり将軍)さん。俺と一緒に戦ってくれないかな。正義のお殿様よろしく、あのパンダに乗ってるオブリビオンを「成敗!」してみないかな。使う刀は俺の剣を使えばいいからさ。一緒にここを元の平和で楽しい国に戻そう!
●協力関係を築けたら剣に「神罰」の力を込め、体に「オーラ防御」を纏ってパンダに立ち向かう。敵が増えたらそいつを掴み、「びったんびったん」で本体に何度も叩きつけてやろう。もちろん、その逆もアリだ。
●殿様カエルの世直しの始まりだ!
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「ふむふむ、つまりはここの住民達と一心同体になって事に当たれってことだな……」
巨大なぬいぐるみたちがひしめく不思議な国を見つめ、陣・泰眞(巨神の落し子・f28742)はそう言葉を零す。
グリモア猟兵による事前の説明を聞けば、ぬいぐるみたちを着込むか否かでの身体能力の差は圧倒的――故に現地の住民である巨大ぬいぐるみたちの協力は必須と言えよう。
「うーん、誰に協力を仰ごうか……」
しかし問題は、泰眞自身にあった。
彼の種族は巨人、彼の身長は5.7m――ぬいぐるみたちの争いを心配そうに見つめる亀さんも、目が血走った怪しいうさぎさんも、泰眞がその身を纏うには慎重不足。
いやはやどうしたものかと悩んでいると、ふと傍らにそびえ立つ巨大な存在に気付くのであった。
「うん、そこにいる巨大トノサマガエルさん、俺と一緒に戦ってくれないかな?」
一目見たその瞬間には岩かと見紛うほどのサイズ。
その泰眞ですら見上げるほどのサイズぬいぐるみは、立派なちょんまげを拵えた巨大なカエルであった。
「正義のお殿様よろしく、あのパンダに乗ってるオブリビオンを“成敗!”してみないかな」
「ほう、儂を選ぶとは見込みがあるではないか……豆粒ほどのサイズで無いことも良い。良かろう、乗るが良い」
正義という言葉に心惹かれたか、はたまた自分の体格に見合った泰眞の身長に興味を覚えたか、その両方か……。
いずれにせよ乗り気になった巨大トノサマガエル――もとい、カエル将軍は泰眞の持つ巨人用の剣を手に戦場へと踊り出す。
「御大、貴方もか!?」
まさかこの不思議な国随一の巨漢を誇るカエル将軍すら、己が敵に回るとは考えていなかったのであろう。
奇襲せんと咄嗟に生み出された分身を、しかし泰眞とカエル将軍を容易につかむ。
その体格差は正しく子供と大人。
しかし着ぐるみにより身体能力が強化された泰眞の膂力は、子供とは比較にならぬほどの剛力をもってジャイアントパンダを振り回す。
床に打ち据えたならば、そのまま持ち上げ振り回した後に壁へと打ち据える。
圧倒的怪力で以って、しかし子供以上の乱雑さでぬいぐるみを振り回す二人。
それは「びったんびったん」としか表現できぬ修行――ぬいぐるみたちにとって最も恐れる粗雑な扱いなのだ。
「さぁ、殿様カエルの世直しの始まりだ!」
巨人は己以上の体躯を誇る相棒の力を借り、豪快に戦う。
己が信じる正義を以って、己が信じる道理を通し、己が信じる世直しを遂行する為に。
繰り返し打ち据えられるジャイアントパンダから彼の声では無いくぐもった呻き声が聞こえてきていたことに、気付かぬまま。
大成功
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ビリー・ライジング
いつもは妹と一緒だけと、たまには一人で頑張ってみるか。
乗り込むぬいぐるみ:
耳が翼のように大きな金色の象
着ぐるみに対しての交渉は常に大声で行う。
「あんな奴を王にした所で、只の暴君にしかならない。
ここを守りたいんだろ? 力を貸してくれ!」
乗り込んだら、大声で敵を挑発。
先陣を切り込み、UCを発動させると見せ掛けたフェイントで、鼻先の土をなぎ払い、目潰し。
亡霊をグラップルして、敵を盾にする事で追加攻撃を防ぎながら、
爆撃・砲撃・誘導弾を合わせたUCで攻撃だ。
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「いつもは妹と一緒だけと、たまには一人で頑張ってみるか」
普段は共に戦う妹を思い出しながら、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)は戦場へと足を踏み入れる。
そこは巨大なぬいぐるみたちが暮らす不思議な国。
そんな可愛らしい世界が暴力で争う様はさすがに妹には見せられないと思い、一人こうしてやってきたのだ。
「あんな奴を王にした所で、只の暴君にしかならない。ここを守りたいんだろ? 力を貸してくれ!」
ビリーはふと目についたぬいぐるみへと声をかける。
それは決して小さくはないビリーが首が痛くなるほど見上げねば顔が見えない巨大な金色の象。
「い~~~~よ~~~~~」
まるで羽かと勘違いしそうなほどに巨大な耳を引きずるその象は、のったりまったりとした声をあげる。
果たして大丈夫かと不安になりながらもファスナーを開き、綿の中へとその身を躍らせるビリー。
しかし一度その身を着ぐるみで包んだならば、彼は身体の奥底から力が沸き起こるのを感じる。
それはグリモアベースで聞いていた力が数倍に引き出されるという感覚――これならば戦えると確信し、戦場へと足を踏み入れるのであった。
「来いよ、白黒野郎! そんなんで王に成れると思ってるのか!?」
ジャイアントパンダの前へと飛び込んだビリーは黄金色の炎を生み出す。
生み出され続ける亡霊たちを牽制するように周囲を飛び交うその炎は、マジックナイトたるビリーが得意とするUCの一つ――全てなる臨界点(バーニングゴールド)だ。
糸と布、そして綿で出来ているぬいぐるみたちにとって、火は厳禁。
それは例え亡霊とて、生前に刻み込まれた炎への恐怖には抗えず、近づくことすら出来ないのだ。
「喰らえっ!」
そうして生み出された隙を突き、ビリーは亡霊たちの間を抜きジャイアントパンダへと接敵する。
象の鼻先を用いて土を吹き付ければ、視界を潰され怯んだパンダへと全ての炎を撃ちだすのであった。
辺りに、パンダのものとは思えない悲鳴が木霊する。
成功
🔵🔵🔴
メグレス・ラットマリッジ
【POW】
功を求める者、爪が疼く者、恨み妬みを心に宿す者……
争いを生業にする私は、争いに野心を燻ぶらせている者が一目で分かります
そういった着ぐるみにそっと背中を押すように囁きましょう
"立ち上がって、武器を取って。平和の為に、正しい事を為しましょう?"
基本的にお喋りは着ぐるみさんに任せます、シャイな着ぐるみさんなら無言でも問題なく
戦闘も爪なり牙なりあるものを使って戦います、身のこなしと足癖の悪さには自信ありますよ
UCの雷は相手が遠くにいれば直撃を狙い、近くにいれば巻き込まれないよう自身の後ろに落として雷光によって目を潰します
因みに王に相応しい動物は海にいると私は思っています
下々の争い いとおかし
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「功を求める者、爪が疼く者、恨み妬みを心に宿す者……争いを生業にする私は、争いに野心を燻ぶらせている者が一目で分かります」
その瞳に暗い光を宿しながら、メグレス・ラットマリッジ(襤褸帽子・f07070)は戦場を見下ろす。
己が生業からか、薄暗い心を持つ者は一目で見分けることが出来るメグレス。
それがたとえ縫い付けられたボタンおめめであろうとも、その十字に重ねられた縫い糸から迸る陰鬱なオーラから、その者の心が透けて見えるのだ。
「立ち上がって、武器を取って。平和の為に、正しい事を為しましょう?」
そっと伸ばすは金属のファスナー。
ゆっくりと響くジップの音にびくりと震えるふわふわボディー。
しかしメグレスの言葉を聞いたならば、やはり思うところはあるのだろうか。
無言で俯くも静かに首肯し、毛並みの荒れた狼は彼女を受け入れるのであった。
「飢狼……一匹狼の貴様が何故……」
「僕だって、この国には平和でいて欲しいから……」
ぬいぐるみの意思を尊重するように、メグレスは決して口を挟まない。
蛇口が開くのを待っているだけの奔流をそっと解放するように、己もまた何かが出来るのだと燻る者の背中を押すように、そっと寄り添うのだ。
部分的に硬質素材で作られている爪と牙。
分身パンダの拳を潜り抜ければ、メグレスはその猛る狼の四肢を用い、その中綿を引き摺り出して見せる。
怒り狂う本体パンダが牙を剥こうと、くるりと身を翻せば蹴り上げる。
それは猟兵たる彼女だけでも、毛並みの荒れた飢えた狼のぬいぐるみだけでもこなすことは出来ない動き。
メグレスの身体能力が着ぐるみにより十全に引き出され、練り上げられたからこその軽業だ。
「貴方は自分の影にさえ怯えることになる」
連撃により態勢を崩したパンダを蹴り飛ばし、メグレスが放つは招雷。
雲一つ中から生み出されるは、空気を切り裂くような轟音と雷光。
ぷすぷすと煙をあげながらも、綿の中から何かぴくぴくと痙攣する動きを感じながらも、ジャイアントパンダは立ち上がる。
それこそメグレスが良く知る、恨み妬みを心に宿した……敗者の瞳を携えながら。
「因みに王に相応しい動物は海にいると私は思っています」
王の座をと、簒奪をと猛るこのぬいぐるみたちの視野の何と狭いことか。
このぬいぐるみたちの器の、何と小さい事か。
血肉の通わぬ真綿の塊に、何を言っても詮無き事。
しかし彼女には、この狭い世界で争う身体ばかり大きい彼らの小ささが、可笑しくてしょうがないのだ。
「嗚呼、下々の争い……いとおかし」
そう、女は嗤うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ラブリー・ラビットクロー
ウホウホホ
ウホホホホホウッホウッホ
ウホ?ウホホッ!!ウッホホウッホッホ!
ウホホホウホウホウッホッホ!(ピョンピョン)
あぇ?なんで?そーじゃないのん?
普通に喋るんだ?そーなんだ?
せっかくバナナよーいしてきたのに…
でもそーとわかれば話が早いのん
一緒にパンダせんせー…の中の人とたたかおーなん!
だいじょーぶ
らぶと力を合わせればきっとなんとかなるなん!
はぇ?
バナナよりもアイスがいーなん?
しょーがないなーん
じゃー今かららぶはゴリのししょーなん!
よーし
パンダせんせーには負けないもん
なんだか翼もいつもより強くなってる気がするのん
バサーって派手にやっちゃうなん!
空も飛べるのん
凄いでしょ?
今だゴリ
やっちゃえ!
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「ウホウホホ。ウホホホホホウッホウッホ」
流暢なゴリラ語を用いながら、ラブリー・ラビットクロー(とオフライン非通信端末【ビッグマザー】・f26591)は眼前の立派な体躯を誇るゴリラぬいぐるみへと声をかける。
「ウホ? ウホホッ!! ウッホホウッホッホ! ウホホホウホウホウッホッホ!」
それはゴリラであれば感動を覚えるほどのゴリラ語。
バイリンガルならぬゴリリンガルと化したラブリーは、もはやゴリラたらしと言える程の話術を披露していた。
「あぇ? なんで? そーじゃないのん? 普通に喋るんだ? そーなんだ? せっかくバナナよーいしてきたのに……」
しかしそんな彼女ですら、人生には落とし穴が待っている。
完璧なゴリラ語を使いこなすラブリーであったが、そんな彼女の唯一の誤算は眼前のゴリラは通常のゴリラでは無くあくまでぬいぐるみであること。
「我が名はキングゴリラ・ジュニア……良く分からぬが、麗しき少女よ……共に戦おう」
食べられぬバナナをそっと受け取りながら、真摯なゴリラぬいぐるみはラブリーと共に戦うことを決意するのであった。
「一緒にパンダせんせー……の中の人とたたかおーなん! だいじょーぶ、らぶと力を合わせればきっとなんとかなるなん!」
ジッパーを引き下げぬいぐるみの中へと飛び込んだラブリーは、己が偽神細胞を活性化し翼のような偽神兵器を発動する。
これこそが着ぐるみを身に纏った力なのか、普段以上の大きさのその神の翼は、巨漢たるキングゴリラ・ジュニアとて容易に持ち上げ空を舞う。
それはキングゴリラ・ジュニア・エンジェルフォーム。
神々しいオーラを纏った黒き毛玉は、荒々しく宙を駆けるのだ。
「ジュニア! 貴様を廃品にしてやればキングも絶望をするだろう!」
ゴリラとラブリーは翼をはためかせフライングザスカイ――その瞳を輝かせ殺意マシマシに野太刀を振るうジャイアントパンダを見下ろし、不敵な笑みを浮かべる。
「凄いな……ここから見下ろすこの国は小さい。皆……何と小さいことか」
「うん、空も飛べるのんって、凄いでしょ?」
この狭い国での王座を求め、醜く争うぬいぐるみ。
しかしそれを天から見下ろせば、その争いのなんと小さなものか。
次代の王たるキングゴリラ・ジュニアはため息を吐くと、この不毛な争いへと終止符を打つべく、拳を握るのだ。
「少女よ、終わらせよう……この醜い争いを」
「うん、今だゴリ! やっちゃえ!」
純白の翼に漆黒の毛皮――神々しき王子は醜き簒奪者へと終わりを与える。
全ては世界の平和を守る為。
そして未来へと、繋げる為に。
大成功
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