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バレンタインにはマグロだろぉぉ?!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●マグロ送れよ
「ヴァアアアアアアアア!!」
「イヤアアアアアアアアアア!!」
「喰われるぅぅうううううううう!!」
 マグロが走る、めっちゃ走ってくる。
 あるマグロにはかわいらしいピンクリボンのラッピング。
 あのマグロには「バレンタインにはわたしを食べて(はぁと)」のメッセージ。
 このマグロには「リア充爆発」とか書いてあったりしてる。
「ふっふっふ……そうだ、その調子でバレンタインをメチャクチャにしてしまえマグロ怪人ツーナーよ! ついでにバレンタインにはマグロを送るというクレイジーなインパクトブームを広めるのだ!!」
「ギャアアアアアアアアアアアア!!!!」
「だすけでええええええええええ!!!!」
 マグロ怪人たちの悲鳴と、ハートの形をした頭を持つ怪人の高笑いがキマイラフューチャーの世界に響き渡った。

●いやマグロも好きですけどね
「……ひっどいバカ騒ぎでしたねぇ」
 ぴっこんぴっこん。
 コンラッド・アレグリアス(ケットシーの精霊術士・f01460)は板チョコをうまうまと召し上がりながら、グリモアをピコピコハンマーでぴっこんと叩く。
 あんまりバイオレンスにグリモアを扱うもんだからと、お友達にプレゼントして頂いたそうですよ、ピコハン。
「んーと、きちんと説明したほうがいいですか、これ」
 どうぞどうぞ。
「はいはい。 なんか、まぁ、あんな感じで謎のバレンタインデコレーションされちゃったマグロ怪人がああやって走り回ってるんですよ」
 マグロ怪人ツーナーは、どういうわけかいつも猫に食われる危険に襲われちゃってる不憫なオブリビオンだ。
 そんな常に猛ダッシュしてる存在が街中に大量に現れるっていうのは単純に危ない上、今回の事件のキモはマグロ怪人たちに施された細工にある。
「マグロ怪人に施されたバレンタインデコの視覚的暴力のせいで、キマイラフューチャーの人々に『バレンタインにはマグロを送ろう』っていう謎のブームが広がっちゃうと、僕のグリモアが示したんです。 最初は故障かな、と思って何度か本の角で殴ったんですけどねぇ」
 結局殴ったんかい、よく見たらグリモアはきちんと凹んでいた。
 まあとにかく、バレンタインにそんなブームを広げられても、マグロはそこまで気軽に手に入るものでもないし、持ち運びも不便だし痛みやすいしでいろいろ大変になる。
 現地住民もなにかのイベントかと勘違いしているみたいで、動画を取りまくって拡散していたりしてと、すっかりお祭り騒ぎなんだとか。
「とりあえずですね、このバカ騒ぎをどうにかしないといけません」
 どうにかする方法として、コンラッドはぴ、と三本指を立てて提案する。
 一つ目は、猟兵たちで新たなバレンタインイベントを開いて、現地住民の注目を集める。
 二つ目は、走り回ってるマグロ怪人たちの足を止めるなどして、間違ったブームが広がることを妨害する。
 三つ目は変わり種、むしろこの怪人たちを走らせているのは猟兵たちなのだとして、ブームを乗っ取ってしまう、などが挙げられた。
「どの手段を取るかはお任せしますが、最終的には走り回ってるマグロ怪人は全滅させてくださいね」
 現地の人と普通に事故を起こしそうなので、きちんと処理してくださいと、コンラッドはぱきりと板チョコを噛み砕く。
「……そんなバカ騒ぎが終わった頃には、黒幕が現れると思います。 それもきちんと、倒してくださいね」
 肉球に微かにくっついたチョコを舐めながら、コンラッドは転移の準備を開始する。
「……僕はマグロもチョコも好きですけど、バレンタインならチョコのほうがいいです。 皆さんも同意見かな、と思いますので頑張ってください」
 あ、僕はケットシーなので、チョコで中毒は起こしませんよ、と一言添えるのは忘れなかった。


四季臣
 十一度まして、四季臣です。
 この度はここまでOPを閲覧していただき、ありがとうございます。

 まだ一月なんですが、節分やバレンタインの見出しをよく見かける時期になりました。
 四季臣はコンビニで買えるブロック系のチョコが好きです。

 第1章は、冒険パートです。
 現場に着いた時点でマグロ怪人たちがわーっと走り回っています。
 フラグメント内の手法に従って、とりあえず乗り切ってください。
 まったく新しい手法を編み出す人も、もしかしたらいるかもですね。
 第2章は、集団戦です。
 走り回っていたマグロ怪人たちと戦っていただきます。
 どれもバレンタインデコレーションを施されています、チョコは持っていません。
 第3章は、ボス戦です。
 黒幕が登場致しますので、倒してください。

●わりとどうでもいいおはなし
 コンラッドがピコハンを持っていましたね。
 プレイングで「私がコンラッドにあげました」などと記入して頂くと、なんかそういうことになります。
 複数名いらっしゃった場合は、きっと自室にストックとして置いてあるんだよきっと。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『マグロバレンタイン、ご期待ください』

POW   :    猟兵達による新しいバレンタインイベントを発案する

SPD   :    猟兵達のバレンタインイベントの支援、または怪人達のバレンタインイベントを妨害する

WIZ   :    怪人達のバレンタインイベントを自分達が巻き起こしたブームだと言うことにしてしまう

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
『バレンタインにはマグロを送ろう』ブームって嘘だろ……
オレがグリモア猟兵だったら同じ様にグリモアの異常を疑うぞ
だが現実に怪人の陰謀が起きている以上解決しないと!

バレンタインのプレゼントにはチョコ等料理がある
その料理を一番おいしく食べられる時は空腹の時
つまりバレンタイン当日はいっぱい動けばいいんだ!
という訳でキマイラフューチャーの皆の注目が集まる様に筋トレしまくるぞ!
筋トレなら怪人の様に周囲に迷惑かけないはずだ
アースジャイアントで大地の巨人を出しオレと一糸乱れぬ動き(トレースしてるから)で腕立て伏せとスクワットを1,000回だ!
「筋肉は裏切らない、筋肉と共にチョコもバレンタインも楽しもうぜ!」



●筋肉に捧げるバレンタイン
「『バレンタインにはマグロを送ろう』ブームって嘘だろ……」
 グリモアが示したあんまりな未来におののくのは、グァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)。
 彼女がもしもグリモア猟兵だったなら、例の彼のようにグリモアの異常を疑いかねない事態なのだが、そんなクレイジーな未来だって起きちゃう、キマイラフューチャーならね。
 理由はどうあれど起きちゃうのだから、猟兵としては解決しなければならないのだ。

 バレンタインといえば、まずチョコレートを用いた料理などの出番が挙げられる。
 それに注目を置いたグァーネッツォが導き出し、提示したイベントはとってもマッシブな内容だった。
「チョコレートを一番おいしく食べられる時は空腹の時! つまりバレンタイン当日はいっぱい動けばいいんだ!」
 そう宣言したグァーネッツォは、大地の巨人を呼び起こして、巨人と共に筋トレを開始する。
 街の真っ只中、マグロが走ってこようともお構い無く自分の心身を磨く、一糸乱れずの腕立て伏せ、スクワットを千セット!
 やがてグァーネッツォの筋トレ風景に気付いた現地住民は、ただ闇雲に走って叫ぶだけのマグロからグァーネッツォを注目し始めた。
「見ろよ、あのでっかいやつ!」
「めっちゃきびきびしてる、スゲェ!」
「褐色巨乳幼女もいいね……!」
 なんかいろんな属性に突き刺さった人たちが動画撮影しまくって、視聴数やいいねをめっちゃ稼いでいくところへ、グァーネッツォはひとつのカメラレンズに向かって笑顔で親指を立てる。
「筋肉は裏切らない、筋肉と共にバレンタインも楽しもうぜ!」
 そうしてここから、バレンタインには筋肉ブームが爆発的に広がり始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ブリッツ・エレクトロダンス
なんだこの悪夢。
視覚的暴力が襲い掛かってんじゃねえかァーーー!

よし。一狩り行こうぜ。
先に言っておくが俺がネコ科だからって別にマグロ怪人に食欲を抱いてるわけじゃないぞ。
首から下がどう考えても旧人類のソレだし。

さて、執拗に追いかけ回してやるか。
爆走するマグロ怪人を猟兵が追い回す今年の期間限定バレンタインイベント…これだ。
逃げるのに必死で冷静な判断が出来ていなさそうなら、誘導にあっさり引っかかりそうだな。
追いかけつつ、前方にある電光掲示板を《ハッキング》、分岐路の片方に「→ねこがいます」と表示させる事で移動方向を絞り込ませるぜ。
できれば、人が多くない方に誘導したいな。事故のリスクは減らしたい。


セット・サンダークラップ
【SPD】怪人たちのバレンタインイベントを妨害する

相手が走り回ってるなら話は早いっす! ……いえスピードの話ではなく。
この手法でこのユーベルコードをうまく扱えるかは不明っすが、エレクトロレギオンを二機一組にしてロープでつなぐっす。
そして走ってくるマグロのすね辺りの高さにこう、ロープをピンと張って相手の転倒を誘うっす。
レギオンが使えなければ自分と電柱とか柵を使ってロープで転倒作戦をするっすよー!


アンシェ・ローム
わたくしならマグロ一匹貰えて、その場で捌いていただけたなら、も〜それだけで恋に落ちてしまいそうですけれど…。

まあそれはそれとして、

オブリビオンはほっとくわけにはいきませんわよね。狙うはマグロのイメージダウン!
ここはこっそり(ジャッジメントクルセイド)の光をマグロ怪人に当て続けて鮮度を下げちゃいましょーっと!
マグロに対する行為としては心苦しいですけれど…。

……う゛っ!…やっぱ臭っ…臭いですわ!!


ファン・ティンタン
(街を脅かす大惨事鮪事変を眺めて)
ねぇ…ねぇ、どうするのコレ

【SPD】どうにでもなれ

散々、考えてはみたけれど
私に“コレ”を平和的解決に導く方法は捻り出せなかったよ…
だから、とりあえず―――


怪人相手とは言え、一方的に行われる暴力的解決はキマフューでも御法度だろう
けれど、“誰かのイベントを守るため”仕方なく、止むを得ず、ならばどうか?
(一般人にとっては)恐ろしきエラ呼吸の暴徒を、(一般人じゃなくてもヤヴァいと思う)冬空の下で荒れ狂う裸の狂気を、刃を持って制するならばどうだろう?
それは、許されるのではないか
いや、それで許して欲しい
もう…許して


―――ねぇ…ガードマン、要らないかな…?

要共闘(←超重要)



●視覚的音声的嗅覚的暴力も追加でお願いします
「ギャアアアアアアアア!!」
「食わないでえええええ!!」
「猫イヤアアアアアアア!!」
 なんだこの悪夢。
 なんて思ったのはきっとブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)だけじゃないと思うんだ。
 ほら、だってちらっと隣を見たならファン・ティンタン(天津華・f07547)は街を脅かす大惨事鮪事変を眺めて呆然としているもの。
「視覚的暴力が襲い掛かってるってか、まずうるせェーーー!!」
 そう、こんなブリッツの叫びすらもみ消すんじゃないのってくらいのボリュームで叫び走ってるんだ、このマグロたち。
「相手が走り回ってるなら話は早いっす! ……いえスピードの話ではなく」
 セット・サンダークラップ(青天に光を見る・f05234)はなんか上手いこと言ったようだけど、マグロカオスに呑まれた皆さんはきれいに聞き流している。
「わたくしならマグロ一匹貰えて、その場で捌いていただけたなら、も~それだけで恋に落ちてしまいそうですけれど……」
 アンシェ・ローム(ですわ〜・f06211)お嬢様ったら、マグロのお刺身辺りをほわほわイメージしているみたい。
 同じネコ科なキマイラことブリッツは別に食欲は沸いてこないそうです、なんせ首から下がどう考えても旧人類のソレだから。
 ともあれ、この四名は爆走マグロ軍団のイメージダウンを計るべくして参戦することとなりました。

「待て待て待て待てぇーーー!!」
 クロヒョウのブリッツはまず、このマグロ軍団を執拗に追いかけ回すことから作戦はスタートした。
 なんせこのマグロ軍団にとってネコは天敵である、それも大型なネコ科キマイラが全力で追いかけてくるとなれば、それはもう必死で逃げると言うわけだ。
「ひぃいやああああああ!!」
「ネコだあああああああ!!」
 マグロ怪人たちはあまりにも必死になってしまうため、冷静な判断力なんてもの存在しないも同然。
 ブリッツも闇雲に追い回しているように見えるが、実はこのマグロ軍団を誘導する手段を握っていたのだ。
 マグロ軍団の走る先にある分岐点、そこに立て掛けられた電光掲示板をご覧じろ、それにはでかでかとこう書かれている。
『→ねこはいます』
「ねっ、ねこがいますぅぅぅ?!」
「右はだめだぁ、左に逃げろぉぉ!!」
 この電光掲示板はブリッツがハッキングを行い、ただこう書き換えてやるだけで、マグロ怪人たちは面白いくらいそれの従って進路を変えてくれる。
 その移動先にはねこはいないが、仲間がそれぞれ罠を仕掛けて待機していた。
 
「この手法でこのユーベルコードをうまく扱えるか不明っすが……」
 セットがちょっぴり心配そうにエレクトロレギオンを見ているが、程々の強さを持ってるからきっと大丈夫。
 二機一組となったレギオンをロープで繋いで、マグロ怪人たちが走り込んでくる地点へ移動させて、ロープをピーンと張って転倒を誘う作戦を実行に移した。
 比較的シンプルであり、まぁ引っ掛かるであろう罠を張ったセットの横に待機しているのはアンシェ。
 狙うはマグロのイメージダウンと言うことで、こちらもユーベルコードの準備をしてその時を待つ。
 やがて、マグロ怪人たちの重なる叫び声が聞こえてきた……罠を発動させるタイミングだ。
「よしっ、みんなロープを張るっすよ!」
「はぎゃああああああああ!!」
 セットの号令でレギオン達がロープを張ると、そのロープがすね辺りで引っ掛かったマグロ怪人たちが次々とスッ転んでいく。
 そこへアンシェがすかさずジャッジメント・クルセイドにより光を当てて、マグロの鮮度を落としていくのだ。
 マグロ捌きで恋に落ちるかもしれないお嬢様が、マグロに対する行為としてはとても心苦しいものであるが、その効果はわりとすぐに現れた。
「……う"っ! やっぱ臭っ、臭いですわ!!」
 鮮度が落ちて痛んだ生魚の生臭さ+走り込んだがための泥臭さ、汗臭さがミックスされたマグロ怪人たちは、アンシェが予想してた以上に臭かった。
 これには共にいたセットも思わず鼻を覆う、現地住民も臭いに敏感な人が多いのだろうか、臭いものは見ないってなノリで動画を取る手を納めて帰っていく。
 それでも走り続けるマグロ怪人たちへ立ちはだかるのは、ファンだった。

 キマフュー世界で一番面倒なことと言えば、問題を起こしている怪人がいても、それを力技で解決しようとすると現地民の反感を買うと言う点に尽きる。
 それは怪人が起こした「楽しそうなイベント」を、無理矢理潰そうとする悪い人がいる、という構図になってしまうためだ。
 ならば、怪人が猟兵の「楽しいイベント」を邪魔しようとする構図を仕立ててしまえばいい。
 ブリッツが電光掲示板ハッキングを用いて誘導した先は、グァーネッツォの筋肉バレンタインイベント会場だったのだ。
 故に、ファンはガードマンって役割で走り込んでくるマグロをばったばったと捌き倒していく。
 なんせ恐ろしきエラ呼吸の暴徒たちが、グァーネッツォのイベントをぶっ潰そうと全力で走ってくる(ように見える)のだから、これなら現地住民はイベントを守ってくれるファンにも称賛の声を上げてくれる。
 ここにアンシェがいたら、うっかり惚れそうな捌きっぷりにも注目が集まった。
「(これなら、許された……)」
 ちょっぴりリスキーなことをしたと思っていたファンだったが、他の猟兵たちとの連携が上手く噛み合っていたようだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ユーリィ・バザード
こういう浮かれ騒ぎは、説教臭くしてしまえば一気に白けてしょぼくれるもの。
つまり、マグロ共のメッセージに一言付け加えて、バレンタインからインフルエンザ対策の呼びかけにしてやればよい。
例えば…「私を食べて」には「食べる前には手を洗おう」、ピンクのリボンには白いマスク、という具合だな。

急いで特性の矢を作らねば。矢の先を吸盤に変えて、矢羽根には上書きメッセージをでかでかと書いたリボンを取り付けたものを山ほど。
そして、アタシの千里眼射ちで視界に入ったマグロ共を悪趣味なバレンタインの使者から、退屈なインフルエンザ予防の使者に変えてしまうんだ。



●インフルエンザ予防はきちんとね
「こういう浮かれ騒ぎは、説教臭くしてしまえば一気に白けてしょぼくれるもの」
 急いで特製の矢を作らねば、とユーリィ・バザード(ドラゴニアンのビーストマスター・f06679)はいそいそと準備を整え始める。
 全力で走るマグロ怪人は数こそ減ったが、バレンタインデコのでかでかとした文字はいまだ健在だ。
 そんなメッセージにもう一言添えて、バレンタインイベントからインフルエンザ対策の呼び掛けに上書きしてしまえばいい。
 そう考え付いたユーリィは吸盤を付けた矢を次々とマグロ怪人たちへ放っていく。
 あるマグロのかわいらしいピンクリボンには、白いマスクをぺったんこ。
 あのマグロの「わたしを食べて」には、「食べる前に手を洗おう」とぴったんこ。
 「リア充爆発」って書いてあったマグロはリタイアしたらしく、ユーリィが見かけることはなかった。
 ともあれ、バレンタインデコになんとなく説教臭くなった呼び掛けがむりやりプラスされて、更にカオスになったマグロを見たいと思う住民は少数派のようで、走るマグロの周りに人は集まらなくなった。
 こうして『バレンタインにはマグロを送ろう』ブームは消滅し、猟兵たちよ第1作戦は滞りなく成功となった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『マグロ怪人ツーナー』

POW   :    止められない止まれない
【食べられるという恐怖心から無限のスタミナ】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    そんなことより助けて欲しい
レベル分の1秒で【腕を振り払うことで自らに噛み付いてる猫】を発射できる。
WIZ   :    水を得たお魚
【水鉄砲】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を水浸しにし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ねこはいました
「ああああああああああ!!!!」
「ナンデ?! ねこちゃんナンデェ?!」
 あっさりと猟兵たちに包囲されてしまったマグロ怪人ツーナーたちは、主にブリッツとアンシェを見て驚愕のリアクションを取る。
 ねこがいますって表記を全力で避けたのに、避けた先にねこがいるんだからそりゃ叫びたくなるってもんなのだろう。
「いやだぁ、食われたくないぃぃ!!」
 マグロ怪人たちは必死の抵抗として、がむしゃらに猟兵たちに襲いかかってくる。
 相変わらずの視覚的暴力に加え、騒音的悪臭的暴力もプラスされたが、がんばれ猟兵たち!
 君たちには、鍛え上げられた筋肉がある!
 そう、筋肉は裏切らないのだ!!
アンシェ・ローム
「くっさくさのくさですわ……。(鼻をつまむ)
ひっ、やーっ!あのマグロ向かって来ますわー!?」

アイテムのお洗濯セットから液体洗剤をばら撒き、走ってくるマグロ怪人を転倒させやすくする。ついでに転倒したマグロに柔軟剤をかけて匂い消しにならないか試してみる。
転倒せずに向かって来たマグロは【カウンター】で反撃する。

【メグリメグルル】
UCで猫を受け止めた場合、マグロが腕を振り払った時に起きた僅かな風で、マグロの臭みを感じ取ったキマフュ中の空気清浄機がフル稼動、温暖化が進み、なんやかんやあって謎の力で大吹雪が起こる。(※大幅改変短縮可)

冷凍マグロができる…?


ブリッツ・エレクトロダンス
『埒外』、断片解放…!
(真の姿を解放。🔴1つなので纏う雷、風どちらも控えめ)
水を得るつもりだろうがな、させるかよ!
水鉄砲を誘発させ、野生の勘で直感回避。
で、水浸しになった地形にマグロ怪人が移動したのを見計らって…疾風神雷(しっぷうじんらい)、シュトルムブリッツ!
突撃着弾地点はマグロ怪人じゃない、そいつが立つ水浸しの地形!
俺が纏う雷を水に流し込んで―――感電させてやるッ!



●ねこはたいしょします
「くっさくさのくさですわ……」
 盛大に痛んだお魚スメルにアンシェお嬢様も思わずお鼻をつまむ。
 ぶっちゃけお魚の痛みが激しくなったのは主に光が原因なんだけども、あえて誰も突っ込まない優しさを……いや違った。
 目前から猛ダッシュしてくるマグロ怪人達へ対処するために、突っ込み入れてる場合じゃなかったのだ!
「ひっ、やーっ! あのマグロ向かって来ますわー!?」
「『埒外』、断片解放……!」
 びっくりしてお洗濯セットをばらまき始めるアンシェの前に、躍り出たのは真の姿を解放させたブリッツだった。
 その身に風と雷のダブル属性を纏ってマグロ怪人たちを迎え撃とうとしていたところ、後ろでアンシェがばらまくお洗濯用の液体洗剤をチラッと見かける。
「一か八かだな……アンシェ、その洗剤ありったけブチ撒けろ!」
「わっ、わかりましたわー! そーれー!」
 ブリッツの指示通り、アンシェは洗剤をさらに追加して目前にぽいぽい投げて辺りを洗剤まみれにしてしまう。
 そこへ足を踏み入れたマグロ怪人たちと言えば……。
「イヤアアアアア滑るぅぅぅぅぅ?!」
「おんぐおっほぉぉぉあうぅぅう?!」
 なんかよくわからない奇声を上げながら、洗剤の上をつるっつると滑って盛大にスッ転んでしまったのだ。
 これなら水鉄砲を誘発させる必要もなく、ブリッツは己のユーベルコードを発動させる。
「疾風神雷、シュトルムブリッツーーッ!」
 風と雷を纏った高速突撃の目標はマグロ怪人ではなく、彼らがつるつる滑っている洗剤まみれの地形だ。
 ブリッツの纏う雷は液体洗剤を流れ込んで、その地でもがいているマグロ怪人たちを大いに感電させていく。
「ああああっ、しびっしびっしびれるるるるるるる!!」
 もがき苦しむマグロ怪人の一人が、がんしゃらに自らを噛み付いてる猫を飛ばしてくる。
 そのうち一匹がアンシェにぽむっとぶつかってきたとき、それは起きてしまった。
「きゃーっ、いやですわー!」
 マグロくっさい謎の猫をぽいっと振り払った先にあったのは、筋肉イベントの為にエキストラさんが用意してくれたらしい降雪マシーン。
 なんでエキストラさんがそんなの用意したかなんてわからないが、ともかくそれが猫がぶつかったせいでスイッチオン。
 なんでかフル稼働を開始させてしまい、凄まじい勢いでブリザードを発動させて軌道上のマグロ怪人たちをガックガクに冷やしまくってしまったのだ。
「……かっ、神様は許しませんわよ!」
「…………つーかどっからこんなもん持ってきやがったエキストラーー?!?!」
 寒いわー! と衣服が若干破けているブリッツの雄叫びが響くものの、マグロ怪人の皆さんはかっちかちに冷えきって行動制限されていそうだ。
 アンシェお嬢様のメグリメグルル、恐るべしであった。 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

グァーネッツォ・リトゥルスムィス
まさかここまで筋肉がブームになるなんて……
プレッシャーが重いが、頑張って怪人倒すぞ!

敵が連続攻撃してくる前にかわしやすくする為に
敵の斜め後ろを強く凝視して
「えっ、あんな所から猫が!?」と演技してみる
超高速攻撃だから普通にかわすと間に合わないと思うから
敵の攻撃の向きを斜めに誘導させて逆方向に回避しやすさを狙うぞ

無事に回避できたら敵が攻撃を中断できない間に
大地との友情合体でさっきまで筋トレしてた大地の巨人と合体!
腹筋バキバキ割れてるマッチョ少女ロボに変形!
「筋肉は進化する、くらええええ!!」
敵の次の攻撃が始まる前に撃破を試みるぞ!
……オレの演出が誇大広告として迷惑かけてしまったらごめんなさい!


ファン・ティンタン
(今までを含め、鮪捌きには【天華】の複製を使用、【天華】本体は絶対に使わない)


精神攻撃は基本

臭い
汚い
煩い
そもそも、猫に食べられるなんて騒ぎ回ってるけど、あなた達その見た目して本気で言ってるの?
「鮪だから止まると死ぬ」って嘯いてくれた方が、まだ屁理屈も通るよ
あぁ、でも…魚の脳ミソじゃその程度の洒落も思いつかないよね

じ ゃ あ 細 切 れ に な っ て 死 の う か ?

諸々の苛立ちから語気を強め、【恫喝】し【恐怖を与える】
その間にも【天羽々斬】により【天華】の複製を増やし、物量で片をつける
速やかな死こそ彼らに対する【優しさ】
故に、一切の慈悲もなく、一片の切り身も残さず、虚空にばら撒いてあげよう


ユーリィ・バザード
そうか、猫が怖いか…。
では特大のムキムキの美しい野生猫で迎え撃ってやろう。

しかしまぁ、窮鼠猫を噛むというからな。
真っ向から殴るのは得策ではあるまい。
アタシは一時後退したと見せて、物陰にライオンとともに潜む。
で、包囲網から逃げ出そうとする奴を奇襲してやろう。
ライオンの狩りでよく使われる手だ。相方のライオンもきっと驚くほど上手くやってくれる。
まぁ、連中が一匹も突破出来ないくらいこっちの仲間が強かったら、アタシの出番はなくなってしまうけどね…。



●ホワイト筋肉バレンタイン細切れ風味
「ま、まさかここまで筋肉がブームになって、しかもエキストラまで付いてたのんて……」
 あまりの影響力の凄まじさに、イベント発起人のグァーネッツォだって驚いちゃう展開になっていた。
 なんでバレンタインに雪を降らせようって発想になったかはやっぱり分からないけれど、それでマグロ怪人たちの動きが止まったならよしとした。
 グァーネッツォはさっきまで一緒に筋トレしていた大地の巨人にライドオンして、キマイラ受けしそうなマッシブポーズをキメた後に、更なるユーベルコードを発動させる。
「大地の恵みと力を見せる時だ! 大地との友情合体、アースフレンズフュージョン!!」
 グァーネッツォは事前に呼び出していた友たる大地の巨人と心を通わせることで、巨人と合体し、腹筋がバッキバキに割れてるマッチョ少女ロボに変形することができるのだ!!
 そのあまりの急展開に、筋肉イベントを見に来ていたキマイラの皆さんも大盛り上がりだ、頑張れ筋肉幼女ーとの声援も結構聞こえてくる。
「筋肉は進化する、くらええええ!!」
「まっちょぎゃああぁぁぁ?!!!」
 水を得たどころか、まな板の上のマグロ怪人たちをマッチョ少女ロボは凄まじい攻撃を以てボッコボコにしていく。
 それでも止まったら死んじゃうらしいマグロであるが故に、まだ走り出そう、なんとかマッチョ少女ロボから逃げ出そうとがんばる怪人もちらほらといる。
「き、筋肉がぁ、あとねこがぁ……ひぃぃ」
「そうか、猫が怖いか……」
 筋肉と猫のコラボ包囲網から意地でも抜け出そうとするマグロ怪人の前に現れた、特大のむっきむきな野生美猫こと、黄金のライオンが姿を表し。
 そのライオンを指揮しているユーリィは、物陰から的確な狩りの指示を出してマグロ狩りを開始させる。
「ンギャアァァァァァネコォォォォ?!」
 黄金のライオンにばっしばしとボコられていくマグロ怪人たちから、まだ走りだそうとするモノは次第に減っていく。
「あぁ……俺たちはやっぱり猫に食われる運命なのか……!」
 ちょっと悲哀な空気を纏い出したマグロ怪人たちに、メグリメグルル降雪マシーンブリザードよりも凍てつく視線がブッスリ突き刺さってきた。
 その視線の主は、初っぱなから天華を複製させて本体は絶対に使わないと固く誓ったらしいファンだった。
 なんだかとっても檄おこな表情浮かべてます、あれこれ某猫ソウル宿ってませんか。
「臭い」
 一閃。
「汚い」
 二閃。
「煩い」
 三閃。
「そもそも、猫に食べられるなんて騒ぎ回ってるけど、あなた達その見た目して本気で言ってるの?」
「ひぃっ」
 表情筋がピキピキいってるファンの威圧にビックリしてるマグロ怪人は思わず後ずさる。
「『鮪だから止まると死ぬ』って嘯いてくれた方が、まだ屁理屈も通るよ……あぁ、でも……魚の脳ミソじゃその程度の洒落も思い付かないよね」

 じ ゃ あ 細 切 れ に な っ て 死 の う か ?

 そこからは激おこぷんぷんしまくったファンさんによる、一方的なお捌きが始まった。
 恐怖を与えて身を無理矢理引き締めさせつつも、速やかな死を以て優しさとする白の一振りの徹底としたお仕事によって、マグロ怪人はきっちりと解体されていく。
 それでもいくらか残骸は残ったはずなのだが、故障中の降雪マシーンの雪がその全てを覆い尽くしてしまったが故に……マグロ怪人ツーナーたちの姿はこの街から消え去ってしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ハートブレイク・チョコレート怪人』

POW   :    ジェラシックフレイム
【チョコレートの頭部から噴き出す嫉妬の炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【嫉妬の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    センチメンタル・ギリチョコワールド
戦闘中に食べた【義理チョコ 】の量と質に応じて【過去の悲しみを糧として】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    ジェラシック・ラブイーター
【嫉妬 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【とろけるチョコの塊】から、高命中力の【愛を食らう触手】を飛ばす。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠滝舘・穂刈です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●筋肉バレンタインを守れ!
「はーっはっはっはっはぁ!! よくやってくれたなぁ猟兵たちよ!!」
 マグロ怪人の残骸混じる雪をどう処理しようか悩み始めた頃に、そいつはやってきた。
 真ん中に大きなヒビの入ったハート頭に、真っ黒い全身タイツの怪しいそいつは黒いオーラを纏いながら、筋肉バレンタイン会場のステージに立つ。
「ようこそ、ハートブレイク・チョコレート怪人さまの筋肉バレンタインイベントへ! バレンタインに送るのはプロテインとバーベルを! デートスポットにはロッククライミングを! 筋肉なき恋人など切り捨ててしまえ! キマイラたちよ、貴様らの恋人は筋肉なのだァーー!!」
 こ、こいつ……グァーネッツォの発起した筋肉イベントをまるごと乗っ取るつもりか!
 このままハートブレイク・チョコレート怪人の好き勝手にさせていたら、お腹を透かせて美味しくチョコレートを食べるという趣旨から大きく外れ、バレンタインは更にカオスなイベントへと変貌してしまう!
 そんなことは許してはならない、負けるなイェーガーたちよ!
 健康的で健やかで正しい筋肉とチョコレートのために、間違ったクレイジー筋肉ブームが広まるのを阻止するのだ!!
ブリッツ・エレクトロダンス
えぇ。
なんだよこれ。ホントなんだよこれ。
なんでどうしてこうなったんだよこれェ!?

…はぁ。呆れたぞ、俺は。
好き勝手してると思ったら挙句の果てに…ホントなんだよこれ。
もういい、お前は―――この雷の『埒外』で黙ってろ。永遠にな。


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
そうだ、みんなの明るいバレンタインを目指すんだから悩む必要なかったぜ
陰湿な怪人なんてぶっ飛ばしてやる!

嫉妬の炎を出すのなら武器で雪を掬って怪人にぶっかけたり、
オレ自身も雪塗れになって冷気や水気で少しでも燃やされない様にしてみる
「魚臭い!後で風呂に絶対入ろう!」

ドラゴニック・エンドを発動させる為に槍を当てたいが、
どうしても攻撃が届かない時や敵の炎が激しい時はロボをパージして
脱出しながら生身で捨て身の槍投げをするぞ!
「一人の嫉妬よりもオレ達猟兵全員の熱い想いがずっと強いんだ!」
召喚した大食いドラゴンには炎ごとチョコ頭を食べさせるぜ

終わった後も鮪の残骸にも槍突き立てて召喚ドラゴンに食べて貰おう


ファン・ティンタン
臭く汚く煩い鮪の次は全身タイツの変人?
キマフューの自由さは嫌いじゃないけど、こーゆー敵は好きじゃないよ

精神攻撃は(ry

煩い
キモい
馬鹿みたい

自分の企画イベントが潰えたからって、今度は他人企画を乗っ取り?
ぽっと出の変人が自ら“様付け”で登場しても、ねぇ?
しかもあなた、言うほど筋肉無いよね?
ねぇ、ねぇ?

あ な た な に し に き た の ?

精神攻撃中に【歓喜の細剣】に【力溜め】
溜めが済めば、全身タイツの顔面へ【白刃の矢】で投擲
刺さった直後に溜めた魔力を解放、雷【属性攻撃】の【2回攻撃】仕様

知ってる?
人は100mAくらいで死んじゃうんだよ
あなたは―――どれくらいで絶命(ハートブレイク)するのかな?


ユーリィ・バザード
ええい、折角の甘いイベントに不味そうな風体で横入りしてつべこべと暑苦しいこと言ってるんじゃない。

真っ正面から突っ込んで怪人の嫉妬の炎を煽る。リア充的な嫉妬は無理だが「折角の高級チョコがお前の安っぽい匂いで不味くなるだろう」とちょっとずれた方向からの嫉妬なら煽れるんじゃないだろうか。

で、怪人が火を吹いたらすかさずドラゴニアン・チェインで相手をつなぎ止め、更に近寄って力尽くで組み付く。
さあ、火を消してボコボコにされるか、自らの嫉妬の炎にあぶられてどろどろ溶けるか、自ら選ぶがいい。



「えぇ」
 なんだよこれ。
 ホントなんだよこれ。
 なんでどうしてこうなったんだよこれェ?!
 ブリッツがそう困惑するのも無理もない状況が、そこに展開されていた。
 グァーネッツォが発起人であるにも関わらず、いきなり現れた怪人が自らの企画であると主張し始めれば、事情を知るものは誰であれこういった拒絶反応を示すのであろう。
 まさに盗人猛々しい怪人に、少し落ち着いてきたブリッツは大きくため息を吐いた。
「……はぁ、呆れたぞ、俺は。 好き勝手してると思ったら挙げ句の果てに……ホントなんだよコレ」
 もういい、とばちりと雷を身に纏ったブリッツは苛立ちを隠さずに『埒外』の制御を開始する。
「お前はーーーこの雷の『埒外』で黙ってろ。 永遠にな」
 己の名と同じ名を持つユーベルコード、神雷(ブリッツ)の落雷がイベント会場に降り注ぎ始める。
 ブリッツ怒りの先制攻撃を切っ掛けに、他の猟兵たちもハートブレイク・チョコレート怪人討伐のために動き始めた。
「そうだ、みんなの明るいバレンタインを目指すんだから悩む必要なかったぜ」
 グァーネッツォは己のイベントが乗っ取られたことよりも、なぜ自分がこのイベントを起こしたのか……その理由を再認識していた。
 自分も人も楽しめるイベントを守るために、グァーネッツォはドラゴンランスを構えてチョコレート怪人へと突撃していく。
「陰湿な怪人なんて、ぶっ飛ばしてやる!」
「ふはは、俺のイベントの盛り上げ役ご苦労だったなぁ、ご褒美をやろう!」
 グァーネッツォの接近に気づいた怪人は嫉妬の炎を燃え上がらせて、グァーネッツォを焼き払おうとする。
 しかしその場には、なんやかんやで作動していた降雪マシーンによって大量の雪(マグロ風味)があったのだ。
 グァーネッツォはその雪を思いっきり武器で掬い上げると、その雪の冷気をもって怪人の炎を相殺していく。
 なんせ今のグァーネッツォはアースジャイアントと合体しているのだ、マッチョ少女ロボと化したグァーネッツォのぶっかける雪の量は半端なものではない。
 それこそチョコレート怪人を覆い尽くさんとするほどであり、鮪臭い雪の固まりに怪人をどかどかと沈めていく。
「あぁっ、ちょ、魚くさっ! 何をするんだ貴様ぁ!」
「うるせぇー!! それはこっちのセリフだこんのイベント泥棒がァ!!」
「あぎゃー?!」
 雪にまみれた怪人に、ブリッツが渾身の神雷をいくつも叩き落とす。
 わずかに溶けた雪の水分が電流の通り道となって、ブリッツの雷の威力をさらに上昇させて怪人をより強く痺れさせる。
 その思いきり感電している怪人の側へ寄り、本日は精神攻撃に特化してきたらしいファンが再び口を開く。
「煩い」
 一閃。
「キモい」
 二閃。
「馬鹿みたい」
 三閃。
「自分のイベントが潰えたからって、今度は他人企画を乗っ取り? ぽっと出の変人が自ら“様付け”で登場しても、ねぇ?」
「ええい、貴様らが邪魔なんかしなければ俺のイベントは成功間違いなしだったんだよ! こうなりゃヤケだ、マグロでも筋肉でも、バレンタインさえ潰せりゃ俺はなんだってーー」
「しかもあなた、言うほど筋肉無いよね?」
「う”っ」
 言い訳ばかりの全身黒タイツに突き刺さる、ヤドリガミの容赦ない口撃。
 そう、筋肉イベントを自分で起こした風にしたいらしい怪人には、キマイラフューチャーの人々を魅了するだけの美しい筋肉を持っていないのだ。
 これでは到底乗っ取りなど成功するはずがない、と言外にねぇ、ねぇとファンは煽る、かなり煽る。

 あ な た な に し に き た の ?

「ち、ちくしょーー!!!!」
 いきなり叫びだしたチョコレート怪人、そそくさと取り出した義理チョコを食べて自己強化を図ろうとするも、当然それは見逃されない。
 煽りながらも、歓喜の細剣に力を込めていたファンはその刃に雷の属性を更に上乗せして、怪人のひび割れたハート頭にそほ剣を投じる。
 ユーベルコード、白刃の矢と化した剣はハート頭にざっくりと突き刺さり、100mAくらいの電流を流し込む。
 人はだいたいそれくらいの電流で死んでしまうらしいが、そこは怪人の頑丈さだ。
 雪のなかに埋もれながら、ブリッツとファンの電流を受けながらもまだ生き長らえている。
「ちくしょう、ちくしょう……! 俺だってイベントが成功すればモテモテになれるはずだったんだぁ……!」
「ええい、折角の甘いイベントに不味そうな風体で横入りしてつべこべと暑苦しいこと言ってるんじゃない」
 嫉妬の炎を意地でも生み出そうとする怪人へ、さらに追撃を叩き込むのはユーリィだ。
 バレンタインイベントと言うことで、ご近所のキマイラがチョコレートの出店まで起こしていたので、そこで適当に買ったチョコレートを頬張りながら、怪人をまた煽る。
「折角の高級チョコが、お前の安っぽい匂いで不味くなるだろう」
「俺が不味くなったのは主に雪のせいだろぉーー?!」
「いやいや、お前が呼んだマグロのせいだろうに」
 嫉妬どころか怒りにも燃え出した怪人へ、ユーリィはドラゴニック・チェインを放った。
 自身と怪人をオーラの鎖で繋いだ上で更に近寄り、力任せに組み付いて拘束する。
 この身動きが取れなくなったところへ、マッチョ少女ロボからパージされたグァーネッツォが、その褐色の肉体を晒しながらドラゴンランスをブン投げた。
「一人の嫉妬よりも、オレ達猟兵全員の熱い想いのほうがずっと強いんだぁ!!」
 ドラゴンランスが怪人に突き刺さると、その槍は大食いドラゴンへとその姿を変え……痺れて燃えて、雪まで被ったハートブレイク・チョコレート怪人を頭からがっぷりと、怪人の悲鳴ごと噛み砕く。
 ドラゴンはその大食っぷりを発揮して、焦げたチョコ味マグロ風味の怪人をもぐもぐと平らげると、ついでとばかりにマグロ風味の雪までしゃくしゃくと大口で食べていってしまった。

「……ふぅ、すっかり魚臭くなっちゃったな。 運動した後は風呂に入ろうな!」
 グァーネッツォが親指を立てて決めポーズを取れば、ギャラリーとなっていたキマイラ住民たちから大きな歓声が巻き起こった。
 こうして猟兵たちは、間違ったブームの拡散を阻止して、バレンタインに新たなイベントと平和をもたらしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト