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雷雲に咲く不滅の薔薇

#アックス&ウィザーズ #戦後 #群竜大陸

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 眩い稲光が薄暗い辺りを照らす。
 見渡す限りの雷雲。大地などなく、稲妻を宿す雲が地面の代わりに一面に広がっている。
 全てが質量を持った雷雲で出来た土地。群竜大陸の一画であるそこは以前は帝竜『ワーム』が支配していた場所。ワームの圧倒的力によって雷雲の大地が生まれ、如何なる存在も住む事が敵わない大地だった。だが猟兵によって討伐され、圧倒的支配者を失うと大小さまざまな生物が新たに棲み処を求めて集まっていた。

 そんな場所に、この世のものとは思えぬ美しい花が咲いていた。雷雲しかない過酷な環境だというのに、雲から生えるのは見たものを魅了してしまいそうな、魅惑的な薔薇だった。その色は鮮やかな真紅で、雷雲しかない白黒の世界を彩っていた。
 その美しい薔薇を巨大な影が覆う。見上げれば、そこには翼を羽ばたかせて飛ぶ、王冠のようなものを被った巨大なドラゴンがいた。
 そのドラゴンが脚に捕まえていた大型の狼のような魔獣を投下する。それが雷雲にぶつかると、衝撃で雷雲をへこませながらバウンドし、血を撒き散らせ地面を転がった。
 弱った魔獣が立ち上がろうとする。だがその脚に茨が絡みつき、動きを止めて全身を覆うように巻き付いていった。それは薔薇の茨。棘が柔らかな部分に突き刺さり、血と生気を吸い上げて魔獣を干からびらせていった。すると美しい真紅の薔薇が新たに咲いて、赤い彩りの範囲を広げた。
 ドラゴンは餌やりを済ますと、まるでこの場所が自分のテリトリーだと知らしめるようにゆっくり旋回して存在を誇示する。そして雷雲に着地すると咲き誇る真紅の薔薇を見下ろし、その美しさを鑑賞するようにじっと眺めていた。


「こんにちはー! 今回はお宝探しの冒険だよ!」
 閃光の走る雷雲の世界を映すグリモアベースで、ラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が猟兵達に元気に挨拶をした。
「アックス&ウィザーズでの戦争は終わったけど、群竜大陸にはまだまだモンスターがいっぱいいて、探索してない場所もたくさんあるみたいだよ!」
 帝竜を倒しても、モンスターを一掃した訳ではない。まだまだ広い土地を探索出来ていない状態で、群竜大陸を『無尽蔵の開拓地』と呼び、未知のお宝目当てに探索している冒険者も増えている。
「そんな冒険者さんたちから聞いたんだけど、みんながやっつけた帝竜『ワーム』がいた雷雲の大地に、まっ赤でキレイなバラが咲き始めたんだって!」
 冒険者の間にそんな噂話が流れているとラフィロワが口にする。

「土もないしお花さんが住むのは無理そうな場所なんだけど、そのバラは生き物を食べて繁殖する怖いバラなんだよ! 名前は『不滅の薔薇』っていうんだって! その名の通り枯れないんだって!」
 生き物であれば何でも食べて増殖し、険しい雷雲の土地でも少ない生物を食べて永遠に咲き続ける希少な薔薇なのだという。
「怖いけどキレイで珍しいから、とっても高価なお宝なんだって! だけどそのバラが咲いてる場所に、おっきなドラゴンが住み着いていて、冒険者さんたちは諦めて帰ってきたらしいんだ」
 王冠を被った巨大なドラゴンの姿を見たという情報だった。
「雷雲の世界は同じような風景で目印もないから、はっきりとした場所はわからないんだ。でも高い位置にあるおっきな雲だったらしいよ!」
 こーんなとイメージしてラフィロワは両手を広げた。

「それと、ドラゴンの近くに雷雲に隠れて獲物を待ち伏せるオブリビオンのフェアリーの集団も見たって言ってたよ」
 探索慣れした冒険者は運よく先に敵を発見して、近づかないように遠距離からの情報収集に徹したのだという。
「そんなフェアリーやドラゴンの場所を探せば、バラの咲いてるドラゴンの棲み処を見つけられるはずだよ!」
 まずは広く高低差もある雷雲の大地の探索を行い、不滅の薔薇が咲く竜の棲み処を見つけなくてはならない。
「あと、バラは直接触ると食べられちゃうから、何か密封できるケースに入れてしっかり保管しないと危ないよ!」
 厳重な管理をしないと、周りの弱い生物を根絶やしにして繁殖してしまう。採集にも保管にも気を配る必要がある。力はないので分厚いガラスなら割られる心配はないだろう。

「冒険にお宝! ワクワクしちゃうよね!」
 まるでも物語の冒険譚のようだとラフィロワは目を輝かせながら、宝石のように煌く道で世界を繋いだ。
「ドラゴンをやっつけてキレイなバラを手に入れてきてね! 手に入ったら、ボクにも見せてくれるとうれしいな! ずっと咲き続けるバラなんて、お部屋に飾れたらきっとステキだよね☆」


天木一
 こんにちは天木一です。今回はアックス&ウィザーズの群竜大陸で、創世雷雲領域でのお宝探しの冒険となります!

 第一章は質量を持った雷雲の世界で、お宝である不滅の薔薇の咲く場所を探すことになります。薄暗くて視界が悪く、足場となる雲も何層にもなっていたり不規則に浮かんでいます。
 最終的に王冠を被ったドラゴンを探し出せれば、薔薇の場所を特定できます。

 第二章はドラゴンの棲み処を守るフェアリーの集団との戦闘になります。

 第三章では、ボスであるドラゴンとの戦闘になります。倒せば不滅の薔薇を手に入れることができます。

 不滅の薔薇は一株金貨1850枚(1850万円)の値がつきます。
 一輪の花でも咲き続け枯れることはありません。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
 それでは不滅の薔薇を求めて、雷雲の世界の冒険をお楽しみください!
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第1章 冒険 『群竜大陸の探索』

POW   :    地道に歩き回って情報を集めたり、あえて危険な場所に踏み込んで捜索する

SPD   :    潜伏するオブリビオンの痕跡を見つけ出し、隠れ場所を突き止める

WIZ   :    オブリビオンの行動を予測して網をはったり、偽情報で誘き出したりする

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雷雲の大地
 空も大地も薄暗い雲に包まれた土地に足を踏み入れると、まるで綿のように質量を持った雲の感触が返ってくる。
 時折雷光が閃き眩く辺りを照らす。見渡す限り代わり映えしない雲だらけの世界が広がっている。だがそんな中でも逞しく生き抜こうと、さまざまな生物が入り込んでいるようで、雲の隙間にこっそりと隠れた獣達の姿を見つけたりもできた。
 下を見れば雲は大地として広がり、上を見ればばらばらに浮かんでいたり、空に浮かぶ大地のように重なっていたりもする。飛び地になっている浮かんだ雲を跳んで渡ることもできそうだ。
 この中から小さな花を探すのは大変だろう。だが巨大で空も飛ぶドラゴンなら見つける事も可能なはずだ。

 永遠に咲き続けるという不滅の薔薇を探しに、猟兵達は雷雲の中へと冒険の一歩を踏み出した。
比良坂・逢瀬
【薔薇園の古城】で参加。
不滅の薔薇ですか。美しい花には棘や毒があるとは言いますが、どうやら、その類のものである様子ですね。
金銭的な価値は兎も角として、永遠に枯れない薔薇となれば是非、目にしたいものです。

高い位置にある大きな雲という証言をもとに探索してみましょうか。
もっとも足場が質量をもった雷雲とのことなので直接、触れないように細心の注意を払いましょう。<地形耐性>と<環境耐性>はあるので多少は平気ではあるのですけれども。

風を踏み、空中を自在に<ジャンプ>するユーベルコードを駆使して、高所にある巨大な雲を地道に探索してみますね。


ミネルバ・アレキサンドリア
【薔薇園の古城】で参加
pow
「不滅の薔薇......わたくしにふさわしい宝物ですわね!」
お値段1850万円! 【聖なる薔薇の銀竜】として、これは無視するわけには行きませんの。すでにバイト先には辞表を出してきました。不滅の薔薇、わたくしたちで山分けしたいですの。
UCでドラゴン形態に変身し、ローズ様と歌織様を背中に。
「わたくしは通りすがりのうら若きドラゴニアン......付き合っている殿方はおりません」(棒読み)
ドラゴン語でかよわい乙女ボイスを出してドラゴンをおびき寄せつつ、巨大雲に向かって進みますの。


薙沢・歌織
【薔薇園の古城】【WIZ】
帝竜戦役がつい昨日のことのように感じます。
不滅の薔薇とは、一体…?A&W世界にもまだ謎は多いですね。

空中浮遊の魔力消費を抑える為、竜化したミネルバさんの背に乗り行動。【団体行動】を心掛けます。

事前に【魔力溜め】。蒼海の腕輪の力で【天候操作】を行い、雷雲を普通の雲に変えながら、各種オーブを遠隔操作して悪天候下の【視力】とし【宝探しの為の偵察】をします。
大規模な雷雲に対しては【精霊が誘う幻想世界】による【天候操作】を行い、またこの大きな天候変異により敵のドラゴンに異変があったと思わせ【おびき寄せ】を試みます。
どうしても雷に触れる場合は、地霊盾の【電撃耐性】で防ぎます。


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】メンバーで参加(計5名)
SPD判定
アドリブ歓迎

■心情
雷雲の中での探索ですか、なかなか厳しい状況ですけど
不滅の薔薇は私も興味ありますので、頑張って探しましょう。

■行動
ドラゴンに変身したミネルバの背中に乗って、一緒に探索しますわ。
私は、雷雲の中を【暗視】や【視力】で視界を補い
【情報収集】で潜伏するオブリビオンの痕跡を探しますわ。
「あの大きな雲辺りとか、怪しそうですわね」

雷雲には【電撃耐性】で雷にも耐える様にし、
ミネルバの背や、雲から落ちそうになったら
【空中浮遊】で落下を防ぎますわ。


風雷堂・顕吉
【薔薇園の古城】pow アドリブ歓迎
不滅の薔薇というのか。興味はあるぞ。
おれがいくら薔薇の精気を吸収しても、枯れることはないということだろう?
王冠を被ったドラゴンか、オブビリオンのフェアリーを探す、か。
ドラゴンが魔獣を薔薇の餌にするといったか。ならば魔獣を捕獲して連れ去るドラゴンを見つけて追跡するのも良いか。
ユーベルコード「蝙蝠変身」で吸血蝙蝠の群れに変身し、他のメンバーと共にはるか上空から捜索をする。
【視力】で見つけるか、【追跡】で探す。
【吸血】で、血の匂いがする雷雲を探しても良いかも知れないな。
例え雲の中でも、蝙蝠のエコーロケーション能力で探知する。



●薔薇を求めて
 辺りを眩い雷を放つ薄暗い雷雲に包まれた世界に、薔薇園の古城のメンバー5人が足を踏み入れた。
「帝竜戦役がつい昨日のことのように感じます」
 薙沢・歌織(聖痕宿す魔法学園生・f26562)は戦争の時の激闘を思い出しながら、もこもこしている綿のように質量を持った不安定な雷雲の上をゆっくりと歩く。
「しかし不滅の薔薇とは、一体……? A&W世界にもまだ謎は多いですね」
 そして枯れない薔薇という不可思議な存在を想像し、まだまだ未知なることでいっぱいだと、歌織は冒険を楽しむように微笑んだ。
「雷雲の中での探索ですか、なかなか厳しい状況ですけど、不滅の薔薇は私も興味ありますので、頑張って探しましょう」
 辺りを見回したローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は、この広大でどこを見ても同じように見える風景の中での困難な探索でも、仲間と一緒なら決して不可能ではないと意気揚々と一歩を踏み出した。
「不滅の薔薇というのか。興味はあるぞ」
 風雷堂・顕吉(ヴァンパイアハンター・f03119)も興味があると頷いた。
「おれがいくら薔薇の精気を吸収しても、枯れることはないということだろう?」
 花は少し精気を吸っただけでもすぐに枯れ果ててしまう。それが幾ら吸っても枯れないというのであれば是非とも欲しいと、顕吉は期待通りの薔薇である事を願いながら後に続く。
「不滅の薔薇……わたくしにふさわしい宝物ですわね!」
 美しく咲き続ける希少な薔薇と聞いて、ミネルバ・アレキサンドリア(自称「聖なる薔薇」のポンコツドラゴン・f17280)は自分にこそ相応しい宝物だと目を輝かせた。
「不滅の薔薇ですか。美しい花には棘や毒があるとは言いますが、どうやら、その類のものである様子ですね」
 美しい花には棘があると、比良坂・逢瀬(影斬の剣豪・f18129)はその永遠の美しさに伴う薔薇の棘の恐ろしさを懸念する。
「お値段1850万円! 【聖なる薔薇の銀竜】として、これは無視するわけには行きませんの。すでにバイト先には辞表を出してきました。不滅の薔薇、わたくしたちで山分けしたいですの」
 そんな懸念を吹き飛ばすように、まだ薔薇を見てすらもいないのに、ミネルバは既に薔薇を手に入れた後に換金することまで考えて浮かれていた。
「金銭的な価値は兎も角として、永遠に枯れない薔薇となれば是非、目にしたいものです」
 恐ろしさと美しさが共存する魔性の薔薇を一目見てみたいと、逢瀬は雷雲を見上げた。
「そうですわね、それほど希少な薔薇なら、一度は見ておきたいですわ」
 ローズも値段よりもその見た目が気になると薔薇の姿を思い浮かべる。
「どんな薔薇なのか楽しみです。必ず探し出しましょう」
 お宝扱いされる薔薇ならば美しいに違いないと、歌織は意気込んで辺りに目を配る。
「では早速この雷雲の大地を探索するとしよう」
 顕吉の言葉に仲間達が同意し、不滅の薔薇を探す冒険を開始した。


「高い位置にある大きな雲という証言をもとに探索してみましょうか」
 逢瀬は雷を帯びる雲を観察し、雷撃を受けないように注意しながら跳躍すると、風を踏んで宙でさらに跳躍を繰り返し、高々と空に昇って高所から辺りを探索する。
「我々も逢瀬様に続きましょう。ローズ様、歌織様、どうぞわたくしの背中に」
 ドラゴンオーブを手にしたミネルバが、その姿を黒い二本の角が生えた銀色の巨大なドラゴンへと変貌させた。
「ありがとうございます。乗せてもらいますわね」
「ではお邪魔します」
 ローズと歌織が背に乗って落ちぬように体勢を整えると、ミネルバは翼を羽ばたかせて空へと舞い上がった。
「雷雲は私が対処しますね」
 歌織は魔力を溜めておいた蒼海の指輪によって天候を操り、灰色の雷雲を普通の白い雲へと変えていった。
「これで雷に当たる確率は減るはずです。それに普通の雲の方が視界はいいですよね」
 さらに歌織が三つのオーブを飛ばし、遠隔操作によって宝探しへと向かわせた。
「あの大きな雲辺りとか、怪しそうですわね」
 雷雲の暗い世界を見通すように目を向けていたローズが、視界にある一番大きな雲を指さすと、ひとつ頷いてミネルバはそちらに方向を変えた。
「王冠を被ったドラゴンか、オブビリオンのフェアリーを探す、か」
 巨大な雲を探しに仲間達が先んじて飛んでいくのを見送って、顕吉は自分はどうしようかと思案する。
「ドラゴンが魔獣を薔薇の餌にするといったか。ならば魔獣を捕獲して連れ去るドラゴンを見つけて追跡するのも良いか」
 違う方面からアプローチしてみようと、顕吉の身体が蝙蝠の群れへと変身する。そして魔獣を探す為に仲間を追いかけて空へと飛び上がった。


「どこを見ても雷雲ばかり、これでは場所を正確に伝えられないのも納得ですね」
 同じような風景が広がり、時折の稲光が視界を塞ぎ、小さな雷雲は風に乗って動いて風景も少しずつ変わってしまう。これでは人に場所を教えるのは困難だろうと、逢瀬は風を蹴って幾重にも重なる雲の大地を見て回る。
「本当ですわね。薔薇どころかドラゴンを探すのも簡単ではありませんわ」
「一つ雲を越えても、まだまだ雲の層が続いていますね」
 ローズと歌織も辺りを探すが、何層にもなって散らばった雲によって視界はすぐに遮られる。
「ではわたくしが試してみますわ――わたくしは通りすがりのうら若きドラゴニアン……付き合っている殿方はおりません」
 ミネルバはドラゴン語で棒読みの台詞を読み上げる。かよわい乙女ボイスによってドラゴンをおびき寄せる作戦だった。
「アギャァッ」
 すると雲の合間からぬっとドラゴンのような顔が幾つも突き出る。それは立派なトサカを持つ1m程の小型の地竜達だった。その視線がミネルバに留まり、観察するようにじっと頭を見る。そしてトサカがないことを確認して残念そうに横に首を振ると、興味を失ったようにぷいっと視線を外し雲の中に姿を隠してしまった。
「な、なんですのこの敗北感は……わたくしの方こそあなた方に用はありませんわ!」
 負け惜しみのように捨て台詞を残すと、ミネルバは荒々しく雲を突き破って上に向かった。
「今のは小型のドラゴンか、あの辺りなら魔獣も生息してそうか?」
 その姿を見た顕吉は、肉食の獣なら他の動物の近くに居るはずだと考え蝙蝠の向きをそちらに向けた。


 そうして探索していると、分厚い雲から僅かに差し込む日の光が一瞬だけ遮られた。
「今何か空を飛ぶものを見かけました」
 偵察に飛ばしているオーブに飛ぶ何かが映ったと、歌織が仲間に告げると、皆が警戒して空を見上げる。
「本当ですわ、あの影は……ドラゴンのように見えますわ」
 ローズが目を細めてじっと見ていると、大きな影が雲に映る。そして雲の隙間から王冠を被ったドラゴンらしき大きな顔がちらりと見えた。
「確かめる為にも行ってみましょう」
 逢瀬がそう言って風を蹴って空を駆け出すと、ミネルバも針路をそちらに向け速度を上げた。ときおり雲から放出される雷を逢瀬は風に乗るように身軽に躱し、ローズと歌織がミネルバに当たらぬように防いで、スピードを緩めることなく雷雲を突き進む。

 突如、追うドラゴンの影が分厚い雷雲の中に急降下して潜り込んだ。するとギャオッと獣の悲鳴が上がる。
「血の臭いは……こちらか」
 顕吉が雷雲に潜り、血の臭いを頼りに潜航すると、雲から飛び出したところで巨竜の姿を遠目に確認した。
 ドラゴンの足元には大型の獣の姿がある。だがドラゴンの巨体と比べれば小さく見えた。まだ息のある獣を掴むと、ドラゴンは優雅に羽ばたいて空に舞い戻る。そこで仲間達が雷雲の中から姿を見せた。
「王冠を被ったドラゴンを見つけたぞ、向こうへ飛んでいった」
 顕吉が蝙蝠の群れを使って、雷雲に消えるドラゴンの後ろ姿を示すように空中に矢印を描いた。
「あそこですわね」
「本当です、情報通りの王冠を被ったドラゴンです」
 辺りへ警戒するよう視線を向けていたローズと歌織も気付き仲間に知らせる。
「見えました、このまま薔薇の元まで追い駆けましょう」
「ああ、せっかく道案内をしてくれるんだ。ついていくとしよう」
「スピードを上げますわ! 一獲千金への道しるべ、絶対に逃がしませんわよ!」
 竜の影を視界に収めるとすぐさま逢瀬が空を駆け出し、顕吉とミネルバもその巨影を追って翼を羽ばたかせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夙寐・結菜
(アドリブ連携歓迎)
何気猟兵としては初仕事。大きな脅威は先人が片付けたとはいえ、小さな脅威はまだまだ残っている。
経験を積むのにはちょうどいいかもしれないね。
しかし生き物を食べて繁殖する薔薇か……ん、となると餌が必要になりそうだけど。

さてさてまずは……ま、兎にも角にも情報は足で稼ぐってね。ああ、空を飛べればどんなに楽な事か。
虎穴に入ずんばなんとやら。多少の危険は許容できるよ。
……大丈夫、焦ることなくしっかりと道筋立て一手ずつ動いていれば必ず成功するさ。


グロリア・グルッグ
生き物を栄養にして永遠に咲き続ける不滅の薔薇…リスキーかつ面白そうな研究素材なので是非ともうちのラボに飾りたいですねぇ。

ともあれまずは愛機の戦車と合体してロボ化しましょう。
経験則的に生身で雷雲を突っ切るより、機械化して電撃耐性を内蔵してしまう方が楽ちんなんですよね。

動きやすさを確保すれば周囲を電脳魔術でサーチしながら探索しましょう。
ダッシュやジャンプにはちょっとした自信もあるので、華麗に空中アクションを決めながら雷雲の海を駆け抜けてみせますよ。
広大なフィールドで一輪の花を見つけるのは困難でしょうが、空飛ぶドラゴンが目印になってくれるので頑張って探しましょう!


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
綺麗でお宝な薔薇を見てみたいし、悪い冒険者(盗賊)の手に渡る前にも入手したい、一石二鳥目指すぞ!

ドラゴンは薔薇の肥料に他の生物を狩猟しているなら、
狩られる生物には悪いが囮にしてやってきたドラゴンを追ってみるか
牛や熊など出来るだけ食べ応えがありそうなデカい生物を見つけて、
全身をUCの『アースマスコット』で肌触りがいい大地の小人に変異させ、
視覚外からこっそり毛皮に紛れ込んじゃうぜ
ほらほら暴れない、マッサージしてやるから落ち着いてくれ

ドラゴンが生物を襲ったら生物から離れつつ
UCで生物の臭いをより強くした泥を生物につけておいて
オレの自慢の嗅覚で獲物と共にするドラゴンを追跡するぜ
待ってろよお宝の薔薇!


霧島・絶奈
◆心情
宝探し、と…
そう考えると楽しい催しの様ですね
…とは言え、索敵をした方が効率が良い様ですし、先ずはドラゴンを探しましょう

◆行動
【環境耐性】と【電撃耐性】を活かしつつ【空中浮遊】を活用
雷雲を恐れずに縦横無尽に飛行
…こう言った場面に於いて、「飛べる」と言うのはアドバンテージ足り得ますね

また、雲海や暗がりを利用し【目立たない】様な行動を心掛けます

暗がりは【暗視】で見通し、雲海による視界不良は【聞き耳】を立てる事で相殺を図ります
いくら雷鳴が鳴り響いていたとしても、絶えず鳴り響いているわけでもありません
対して、ドラゴンは絶えず羽搏かなければ飛べない様ですから、音を頼りに探すのも非効率ではないでしょう



●竜を探して
「宝探し、と……そう考えると楽しい催しの様ですね」
 霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は普段よりも気軽な気分で雷雲に降り立つ。
「……とは言え、索敵をした方が効率が良い様ですし、先ずはドラゴンを探しましょう」
 軽やかに雲を蹴った絶奈は、ふわりと宙に浮かんで空に飛び上がる。撒き散らされる雷を耐性を宿したオーラを纏って防ぎ、雷雲を恐れずに縦横無尽に雷の中を遊覧飛行するように自由に飛び回る。


「猟兵としては初仕事なんだよね」
 夙寐・結菜(そこにいるのは・f28973)は緊張と期待で胸を膨らませながら、雷雲の大地へと足を踏み入れた。
「大きな脅威は先人が片付けたとはいえ、小さな脅威はまだまだ残っている。経験を積むのにはちょうどいいかもしれないね」
 もうここを支配していた強大なドラゴンは居ないが、新たに入ってきたモンスターが巣食って新たな生態系を築いている。
「しかし生き物を食べて繁殖する薔薇か……ん、となると餌が必要になりそうだけど」
 結菜は不滅の薔薇の繁殖を想像し、その餌になるものを連想した。
「さてさてまずは……ま、兎にも角にも情報は足で稼ぐってね。ああ、空を飛べればどんなに楽な事か」
 空を飛ぶ猟兵を見上げて羨ましい気持ちになるが、だがないものねだりをしても仕方がないと、結菜は地道に雷雲の綿のような地面を歩いて探索を始めた。


「生き物を栄養にして永遠に咲き続ける不滅の薔薇……リスキーかつ面白そうな研究素材なので是非ともうちのラボに飾りたいですねぇ」
 興味深いとグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)は薔薇探しに乗り出す。
「これだけ広いと探すのは大変そうですねぇ」
 辺りを見渡せば、雷雲ばかりで視界も悪く、雷によって足止めもされそうだった。
「経験則的に生身で雷雲を突っ切るより、機械化して電撃耐性を内蔵してしまう方が楽ちんなんですよね」
 ならばとグロリアは愛機の二足歩行型戦車『エンジェル』と合体してロボ化した。
「これで動きやすさは確保できました、あとは電脳魔術でサーチして目の代わりです」
 グロリアは周囲を探りながら、ロボの足を動かし、ドシンドシンと雷雲を揺らしながら駆け出した。


「綺麗でお宝な薔薇を見てみたいし、悪い冒険者(盗賊)の手に渡る前にも入手したい、一石二鳥目指すぞ!」
 ドワーフの小さな体に元気を一杯詰めたグァーネッツォ・リトゥルスムィス(超極の肉弾戦竜・f05124)は、一石二鳥を狙ってワクワクしながら軽い足取りでお宝探しを始める。
「ドラゴンは薔薇の肥料に他の生物を狩猟しているなら、狩られる生物には悪いが囮にしてやってきたドラゴンを追ってみるか」
 その為には餌が必要だと、ドラゴンが襲いそうな大きな生き物を探そうと雲に突っ込んだ。


「……こう言った場面に於いて、『飛べる』と言うのはアドバンテージ足り得ますね」
 場所場所に応じた能力が有るか無いかで随分と違って来ると、絶奈は苦労なく雲の上を飛んで辺りを調べた。
「此方が探す身です、余り目立つのも良くありませんね」
 雲海の暗がりや隙間を利用して目立たぬように飛び、絶奈は闇を見通すような目で周辺を調べる。
「いくら雷鳴が鳴り響いていたとしても、絶えず鳴り響いているわけでもありません。対して、ドラゴンは絶えず羽搏かなければ飛べない様ですから、音を頼りに探すのも非効率ではないでしょう」
 目だけでなく耳でも周辺の情報を得ようと集中し、雷雲の中から手掛かりを探す。
「動物の鳴き声……ドラゴンではありませんが、向かってみることにしましょう」
 絶奈は微かに届いた動物の声を頼りに針路を変えた。

「虎穴に入ずんばなんとやら。多少の危険は許容しないと、得るものは何もないからね」
 結菜はポニーテールに結んだ髪を靡かせながら、雷雲の飛び地をジャンプしてぴょんぴょんと渡っていく。するとその衝撃に慌てて動物達が雲に隠れる姿が目に入った。
「いた、やっぱり生き物が住み着いているみたいだね」
 脅かさないようにそっと結菜はその動物たちを観察する。それは小さなリスのような草食動物のようで、他所のエリアから持ち寄ったのか、どんぐりを雲の中に埋め込むように隠していた。
 そのリスの動きを察知したように、唸り声を上げた肉食の狼のような動物の群れが飛び込んできた。捕まるまいと素早くリス達が散って逃げ出すが、足の遅い個体が何匹か犠牲となって甲高い鳴き声が響く。
「思ったよりも多くの生き物が住んでいるのかな、これなら薔薇の餌には困らないのかも」
 目を瞑りじっと思案していた結菜は、大型の動物を探していけば、餌を獲りにくるドラゴンとも会えるかもしれないと推理し、狼を追う事にした。
「……大丈夫、焦ることなくしっかりと道筋立て一手ずつ動いていれば必ず成功するさ」
 辺りは変わらぬ雲ばかりで、ずっと同じ景色を見て迷っているような気分になってしまう。そんな中でも冷静さを失わずに結菜は独り言を喋り続け、動物の追跡に集中した。

「雲がバラバラに浮かんでますね、ですが空中アクションにはちょっと自信があります!」
 ロボの足音を響かせながら、グロリアが足跡が残る圧力を掛けて跳躍し、浮いた雲を渡って雲の層を登っていく。
「サーチで反応する生命反応は動物のものばかりですね」
 生命反応に向かってグロリアが動くと、潜んでいた動物達が逃げ回る姿が確認される。
「この広大なフィールドで一輪の花を見つけるのは困難でしょうが、空飛ぶドラゴンが目印になってくれるので頑張って探しましょう!」
 薔薇を直接見つけられなくとも、空飛ぶドラゴンを察知できればいいと、グロリアは巨大な反応を探して次々と雲を渡り続けた。
 その動きによってさまざまな雲に隠れていた動物が動き出し、雲の大地が騒がしくなる。

「牛や熊など出来るだけ食べ応えがありそうなデカい生物がいいんだけど、なかなか見つからないな」
 グァーネッツォは大きい動物を探すが、見つかるのは小さなものばかり。視界に雲から飛び出してきたリスと狼の姿が映る。狼がリスに牙を突き立てようとしたとき、ズボッと地面の雲から大きな腕が突き出て狼を掴んだ。のっそりと雲から姿を現したのは大型の熊だった。悲鳴を上げる狼を握り潰すように仕留める。その間に何を逃れたリスは姿を消していた。
「こんなところに隠れてたのか、見つからないはずだぜ」
 ようやく見つけたと、グァーネッツォは狼を食べる熊の背後からこっそり近づき、ユーベルコードによって自らの全身を大地の小人に変異させ、熊の毛皮にこっそりと紛れ込んだ。
「ガアッ?」
 熊は何か気になったように、背中をぽりぽりと掻き始める。
「ほらほら暴れない、マッサージしてやるから落ち着いてくれ」
 それを大人しくさせようとグァーネッツォは背中を揉んでやった。

「リスに狼に熊……順調に大きな生き物が見つかってるね。だけど熊を捕食する動物となると……」
 その様子をじっと雲に隠れて観察していた結菜が、次に現れる動物はどんなものだろうかと考えていると、その上を巨大な影が覆った。
「あれは――」
 結菜が空を見上げて息を飲んだ。そこには離れていても巨大と分かるドラゴンの姿があった。
「この風を切る音……現れたようですね」
 バサリバサリと大きな翼を羽ばたかせる音を聞きつけ、すぐに絶奈は高度を上げた。そこで雲の隙間から王冠を被ったドラゴンの姿を垣間見る。
「この反応! 間違いなくドラゴンのものです!」
 グロリアのサーチに強く大きな生命体が引っ掛かり、そちらに向かって駆けながら空を見上げる。すると巨大な翼を広げた影が飛んでいる姿を見つけた。
 ドラゴンは既に右脚に魔獣を捕まえている。だが下が騒がしく獲物が動き回っている為、もう一匹ついでに獲って帰ろうと寄り道したのだ。

 急降下するドラゴンが左脚の一撃で熊を仕留め、すぐに上昇して重い身体をやすやすと持ち上げる。
「来たな!」
 すぐにグァーネッツォが生物の臭いをより強くした泥を熊に塗り付けて飛び降りる。そして雲の上で元の姿に戻ってドラゴンを見上げた。
「待ってろよお宝の薔薇!」
 その臭いを頼りに、グァーネッツォはドラゴンの追跡を始めた。
「急いで追い駆けましょう!」
「見失わないように、そして気取られぬように追いましょう」
 グロリアは雷など気にもせずに雲を突っ切って全力で駆け、空飛ぶ絶奈も雲に紛れながら慎重にドラゴンの後を追った。
「あれが今回の敵となるドラゴン……近くで見ると凄い迫力だね……っと置いていかれないようにしないと」
 間近で見たドラゴンの迫力に驚いた結菜が思わず呆けていたが、すぐに我に返ってグロリアが真っ直ぐに雲をぶち抜いた後を追いかけ始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『暗殺妖精』

POW   :    スキルオーバーリミット「妖精暗殺術」
【気配を猟兵に感じさせない状態】に変形し、自身の【暗殺実行後の生存率】を代償に、自身の【「暗殺」の技能レベル】を強化する。
SPD   :    暗殺技能・魔法罠即席設計
いま戦っている対象に有効な【魔法で作成したトラップ】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    暗殺技能・虚構群衆召喚
戦闘力のない、レベル×1体の【二乗の数までの現地人・生物を模したデコイ】を召喚する。応援や助言、技能「【群衆偽装】」を使った支援をしてくれる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雷雲の居城
 ドラゴンを見失わないように、猟兵達は上へ上へと移動していく。するとドラゴンが速度を緩め空に浮かぶ分厚く大きな雲へと魔獣と熊を投げ捨てた。そして空を優雅に旋回している。
 あそこがドラゴンの棲み処だと、猟兵達がその姿を肉眼で確認した。
 見上げれば巨大な雲はまるで小さな山のようにも見える。その頂上にドラゴンは住んでいるようだった。
 階段状に浮かぶ雲がその巨大雲へと続き、道のようになっている。生き物はドラゴン以外に存在しているようには見えない。だが猟兵達は知っていた。その巨大な雲に潜む悪しき妖精の存在を。
 じっと目を凝らせば、風で雲が動いた時に黒い衣服に身を包んだ無表情なフェアリーの姿が目に入った。小さく気配が薄い。暗い雲の陰に紛れればすぐに見失ってしまうだろう。
「1班3番、侵入者発見」
「1班1番、了解。接近次第急襲を開始」
 ぶつぶつとフェアリー達は小声で簡素に行動の確認だけをする。それはまるで心を持たぬ機械のようだった。

 竜を守る護衛。地上からでも空からでも迎撃に現れる暗殺妖精の部隊を倒さなくては竜の元まで辿りつけない。
 不滅の薔薇を手にする為、そして危険な妖精のオブリビオンを放置もできないと、猟兵達は雷雲の道を踏みしめて、雲で出来たドラゴンの棲み処へと歩み出した。
ミネルバ・アレキサンドリア
【薔薇園の古城】
■心情 うう、野良ドラゴンにはわたくしの美しさが理解できないようですの。トサカがなんだというのですか! 今度見かけたらボディーブローですの。 今わたくしはご機嫌ナナメですの。邪魔するなら容赦しませんわよ!
■行動  SPD
もう乗り物は不要でしょうから、ひとまず人間形態に戻りますの。敵は妖精ですし。 敵は暗殺が得意な様子......ここは範囲攻撃でまとめて吹き飛ばしますの。
【銀竜爆裂破】で半径60メートルの空間ごと敵を爆破します。無差別攻撃なので皆様とは距離をとっておきますの。


ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】メンバーで参加(計5名)
WIZ判定
アドリブ歓迎

■心情
妖精が現れましたか、つまりは不滅の薔薇の所まで
あと少しという事でしょうか?
此処まで来て諦める訳にはいきませんわ。

■行動
夕暮れ時に薔薇は踊り咲く(UC)を使用して戦いますわ。
雲を足場にしつつ【ジャンプ】で敵の群れの近くまで寄って
UCを【範囲攻撃】で使用して、纏めて倒していきますわね。
【気絶攻撃】や【マヒ攻撃】も織り交ぜつつ、
敵の動きを止めるように攻撃していきますわね。

虚構群衆召喚を使用されたら
まずはデコイからUCを使用して、纏めて倒していきますわね。

「さぁ、不滅の薔薇の在り処まであと少しですわ」


比良坂・逢瀬
【薔薇園の古城】で参加

竜の棲み処の前には暗殺者が潜む、ですか
不滅の薔薇への道程は、やはり険しい様子ですね
もっとも其処に潜んでいる事が予知によって予め看破されてしまっているので、その脅威も半減というものですけれど

私は雲塊に身を隠す暗殺者の位置を暴き立てる事で、同行する友人たちの助けとなりましょう
巫女として祈祷する事で、この身に神霊を憑依させて、暗殺妖精たちの所在についての託宣を受け、それを友人たちに伝えますね

妖精の体躯で、相手に致命傷を与える為には急所を狙うしか方法はありません
それは翻って、相手が何処を狙ってくるかが手に取るように分かるという事です
それを念頭において、敵の暗殺にも備えますね。


薙沢・歌織
【薔薇園の古城】【WIZ】
暗殺妖精の襲撃ですか…!不滅の薔薇への道も一筋縄ではいきませんね。

髪飾りの齎す【戦闘知識】で彼らを調査。帝竜戦役の時にも現れ、現地の生物や人を模した囮を召喚していたそうですね。フルートと水神剣の音色を共鳴させ【機刃得た鮫部隊】を召喚、【動物使いの集団戦術】でデコイを撃破させます。

私自身は、薔薇園の団員の皆さんと共に暗殺妖精の群れと戦闘。雲上を【ダッシュ】で駆け、逢瀬さんの託宣を元に精霊銃の【誘導呪殺弾】を撃ち込みます。またルナティックオーブから【殺気】を放ち敵に不意打ち発覚を警戒させ、敵の攻撃は地霊盾の【オーラ防御盾受け】し、緋炎剣や精霊銃で【カウンター】を取ります。


風雷堂・顕吉
【薔薇園の古城】アドリブ連携可

暗殺妖精の初撃は【咄嗟の一撃】【武器受け】で防ぐ。

【気絶攻撃】で反撃し、気絶や死んだ暗殺妖精はユーベルコード「召使契約」で次々にサーヴァントに変えていく。
サーヴァントになった暗殺妖精には、最初は各人のサポートにつけて暗殺妖精の居場所やトラップを看破を逐次させて、それから我々の護衛もやってもらおうか。
ある程度、サーヴァントの数が揃ったら、三人一組でチームを組ませて暗殺妖精の暗殺をさせる。

最後に、不滅の薔薇の場所までできるだけ安全なルートで案内してもらう。
せっかくなので、ここのドラゴンの話もしてもらおうか。



●雲山を登って
 山のようにそびえる雷雲の塊。その頂上へと至る浮雲の道の一つに、薔薇園の古城の面々が到着した。それを阻止すべく、雲にはドラゴン配下の暗殺妖精が隠れ潜んでいる。
「妖精が現れましたか、つまりは不滅の薔薇の所まであと少しという事でしょうか?」
 ローズが雲に隠れる妖精を見つけ、これが正解ルートだと竜のミネルバから下りて雷雲の上に着地した。
「此処まで来て諦める訳にはいきませんわ」
 どんな困難があろうとも世にも珍しい薔薇を諦める気はないと、仲間と共に妖精との戦いへ臨む。
「暗殺妖精の襲撃ですか……! 不滅の薔薇への道も一筋縄ではいきませんね」
 同じく竜の背から飛び降りた歌織がローズと並び、巨大な雲を見上げた。
「それにしても、近づくと大きさがよく分かりますね……」
 思わず歌織は口を開けて山のような雲に目を奪われる。
「竜の棲み処の前には暗殺者が潜む、ですか。不滅の薔薇への道程は、やはり険しい様子ですね」
 風に乗って軽やかに着地した逢瀬も、巨大な宙に浮かぶ雲の山を見上げる。
「もっとも其処に潜んでいる事が予知によって予め看破されてしまっているので、その脅威も半減というものですけれど」
 知っていれば奇襲とはならない。予知のアドバンテージによってこちらが先手を取れ、恐れることなく戦いに挑めた。
「うう、野良ドラゴンにはわたくしの美しさが理解できないようですの。トサカがなんだというのですか!」
 先程の一件を思い出し、人間形態に戻ったミネルバは怒りの籠もった愚痴を垂れ流す。
「今度見かけたらボディーブローですの。 今わたくしはご機嫌ナナメですの。邪魔するなら容赦しませんわよ!」
 シュッシュッと宙にボディーブローを打つ仕草をして、その怒りをぶつけるようにギロリと隠れる敵に視線を向けた。すると感情がないはずなのに、殺気に怯えて妖精がびくりと震え雲の奥へと姿を隠した。
「不滅の薔薇まで後少し、このまま一気に進んでしまうとしよう」
 蝙蝠から人の姿に戻った顕吉の言葉に仲間達が頷いた。


「この上ですわね、行きますわよ」
 先陣を切るようにローズが階段状に浮かぶ小さな雲を跳躍して上っていく。すると山のような大きな雲に隠れていた暗殺妖精がするりと近づき手にした針を首に突き刺そうとする。
「不意打ちも来ると分かっていれば脅威ではありませんわ」
 慌てることなくローズは夕焼け色のロングソードを振り抜き、妖精の胴を薙ぎ払って両断した。
「1班5番、不意打ち失敗」
「1班1番、了解、次の作戦に移行する」
 仲間が倒れたのを見ても顔色一つ変えずに、雲に隠れた妖精達は次の行動に移った。妖精達の身体が薄っすらと透け始め、周囲の風景に溶け込むように気配を消して猟兵達に迫る。
「姿を消しましたか」
 ならばと逢瀬が目を閉じて祈祷する。すると自身に神霊を憑依させ、妖精の所在について託宣を行う。
「背後から気配を消した妖精が迫っています」
 逢瀬の言葉と共に僅かな気配を感じた顕吉が振り向いて、呪われた刀『ドラクリヤ』を抜き放って一閃した。そこには鋭い刃によって断ち切られた半透明の妖精の姿があった。
「ここまで近づかれていたか、暗殺妖精を名乗るだけのことはある」
 顕吉が辺りに注意を向けると、薄っすらとした気配が全方向から囲むように近いているのに気付いた。
「囲まれている。油断するな」
 後方の敵を受け持とうと、顕吉は背後からくる妖精に刀を走らせる。
「妖精は……そこですね!」
 歌織も精霊銃フュルギア・改式を構え、誘導呪殺弾を放って多少の誤差も曲がる弾が軌道を修正して妖精を撃ち抜いた。
「仲間と力を合わせれば、包囲されても対処できます」
 さらに歌織はルナティックオーブから殺気を放って敵を怯ませ、機械仕掛けの地霊盾を割り込ませて妖精を止めた。
「見え見えですの!」
 そこへ飛び込んだミネルバが、ベレトの魔槍を突き入れて妖精を仕留めた。

「1班2番、仕切り直しを求める」
「1班1番、雷雲に一度身を隠す」
 妖精達は不利と見て、態勢を立て直す為に距離を取って雷雲へと飛び込んだ。
「敵は暗殺が得意な様子……ここは範囲攻撃でまとめて吹き飛ばしますの」
 隠れた敵にどうしようかと考えたミネルバは、ならば纏めて吹き飛ばしてしまえばいいと力任せの作戦に打って出る。
「雲に隠れて罠を仕掛けようとも、全て吹き飛ばしてしまえばいいだけですの!」
 仲間を巻き込まぬように雲に飛び込みながらミネルバが全身から竜属性の魔力を放出し、まるで竜のブレスの如きエネルギーが吹き荒れ大爆発を起こす。
「1班3番、莫大な魔力を感知、退避開始」
「1班2番、同じく退避――」
 隠れていた妖精が逃げうとするが、それよりも速く爆発に包まれて消し飛ばされる。至近距離にいなかったものでも雷雲と共に吹き飛ばされ、ミネルバを中心とした半径60メートル程にぽっかりと何もない空間が拓けた。

「2班4番、危険な敵性体を確認」
「2班1番、接近は危険。違う個体に接近して同士討ちを狙う。攪乱開始」
 暗殺妖精達は爆発を起こしたミネルバを危険視し、狼や馬に牛といった動物の群れを模したデコイを猟兵達の周りに召喚する。それに紛れてミネルバから離れ、他の猟兵との距離を詰めた。
「ただの動物を傷つけるのは心が痛みますが、作られたデコイなら容赦はしませんわ」
 ローズが手にした剣を掲げてオレンジ色の薔薇に変え、その薔薇を振るうと花びらが舞い散り辺りを埋め尽くす。それに触れた動物のデコイはズダズダに切り裂かれ、張りぼてのように倒れていった。
「隠れていても無駄ですわよ」
 さらに舞い続けるオレンジの薔薇は潜む妖精までも切りつけた。
「2班、全員で奇襲を――」
 飛び出そうとした妖精がよろりと空中でふらつく。
「美しい薔薇には棘があるものですわ」
 ローズの放つオレンジの薔薇の花びらに僅かに付けられた傷。そこから麻痺毒が侵食して妖精の動きを鈍らせていた。
「妖精の小さな体躯では、致命傷を与える為には急所を狙うしか方法はありません」
 逢瀬は動きの鈍った妖精に、太刀『三池典太』を振るい、正確に首を刎ねた。さらに続けて突きをいれ胸を切っ先で貫く。
「それは翻って、相手が何処を狙ってくるかが手に取るように分かるという事です」
 逢瀬の動きに合わせて、妖精は手にした針で目を狙いにくる。
「読まれているなら、それも含めて動きも読んでしまえば対処できます」
 妖精を逢瀬は柄で弾き、太刀の刃を妖精に押し当て腰から両断した。
「数には数です。動物使いの集団戦術でデコイを食い破ります」
 歌織はシルフフルートを吹き、水神剣と音色を共鳴させ美しい旋律を響かせ、その音に導かれたように無数の機械の刃を得たサメ達を召喚する。サメは空中を泳ぎ、妖精達を魔導蒸気機関式チェーンソーで切り裂いた。
「2班、デコイに隠れ攻撃を凌げ」
 妖精達はデコイを増やして死角に隠れていく。
「隠れてもデコイごと切り裂くだけです!」
 サメ達は動物のデコイごと唸りを上げるチェーンソーで妖精をぶったぎった。
「乱戦ではこれ以上の爆破は無理ですの、それならこちらでお相手しますの」
 ミネルバは魔槍を振り回し、近づく妖精を纏めて薙ぎ払う。
「近づくならストレス発散の相手をしてもらいますわよ!」
 ブンブンと旋回する魔槍が近づく妖精達を吹き飛ばしていく。だが妖精は諦める事を知らないように、虎視眈々とチャンスを窺っていた。
「隠れるのも厄介だが、数の多さが問題か。それならばこちらも頭数を増やすとしよう」
 顕吉が襲い掛かる妖精を峰打ちで気絶させる。
「目覚めよ、我がしもべ」
 そしてユーベルコードを発動して召使契約を施すと、妖精がサーヴァントとなった。
「これで数はこちらが上回る。そちらの有利は全て消えた」
 辺りの死んでいた妖精もサーヴァントとして操られ、仲間だった妖精へと襲い掛かった。
「乱心、排除する」
 対して妖精達もサーヴァントに反撃を行い針で貫く。同士討ちの様相で、妖精達が数を減らしていった。


「そろそろ進みましょうか」
 太刀が妖精を真っ二つにし、辺りの妖精が残り僅かになったのを見て、逢瀬はもう少しでここを突破できそうだと浮雲を跳躍で移動し、先行して安全を確保する。
「不意打ちも鮫達が護ってくれます。進みましょう!」
 頷いた歌織がサメを伴ってそれに続き、残った敵をサメのチェーンソーで駆除していった。
「残りは弱ったものだけか、脅威にはならんな」
 周辺の妖精が減ったのを見て、顕吉は弱っている妖精を見下ろした。
「さて、不滅の薔薇の場所までできるだけ安全なルートで案内してもらうか」
「…………」
 顕吉が脅しをかけると妖精がよろよろと飛び、主の元に逃げようとする。それを追えばドラゴンの元へと辿りつける。
「お宝が待ってますの!」
 派手に暴れたことでイライラを少しは解消したミネルバは、妖精を追いかけるように雷雲を進む。
「さぁ、不滅の薔薇の在り処まであと少しですわ」
 切り開いた道をローズがオレンジの花びらを纏い、舞うように雲の上を跳んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
前哨戦と言うわけですか…
では、遠慮なく

◆行動
引き続き【環境耐性】【電撃耐性】と【空中浮遊】を活用し機動力を確保

【罠使い】の技能を活かし、「空中に浮遊する機雷」を戦域に複数散布

散布後は『涅槃寂静』にて【範囲攻撃】する「死」属性の「ハブーブ」を行使
ハブーブ其の物と、暴風に煽られた機雷が襲い来る【範囲攻撃】です
加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し追撃

…呼出されるのは所詮デコイに過ぎません
諸共に蹂躙するだけの話です

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復

そして…光栄に思うと良いでしょう
貴女方は同じ環境で、帝竜ワームを屠った戦術と相対するのですから…


グロリア・グルッグ
ドラゴンが財宝の番人をするのは定番ですけど、妖精さんの暗殺チームまで居るとは侮れませんねぇ。
冒険者の方の情報がなかったら不意打ちされていたかもです。
まぁしかし「居る」とバレた暗殺者は怖くも何ともないのでぱぱっとド派手に蹴散らしてみせましょう!

ロボ化を解除し愛機のエンジェルに騎乗しながら、搭載したミサイルを敵に向けてぶわわーっと一斉発射します。
展開したミサイルはユーベルコードで極彩色の電子の花びらに変換し、射程内にいる全ての敵を捉えましょう。
デコイだろうが群衆だろうがマヒ攻撃で感電させてしまえばおしまいですからね!


夙寐・結菜
いやあ思ったよりもきついね……。雲登りは兎も角環境が特にね。ちょっと甘く見過ぎてた。

さて、戦いは先輩方に任せ学ばせてもらおうか。……なんて、無理な相談なのは判ってるよ。
……でだ。予想はしてたけどいざ対面となると、それ以上に小さい。
参ったね。こうも的が小さいと、思うように当てられないぞ?

……なんて。ま、こんな時の為の命中重視の誘導弾なんだけどね。制圧射撃でそもそも寄らせないように立ち回ろう。

相手の罠や行動に対しては少々の戦闘知識……ん、戦闘自体は猟兵以前から少しね。それを元にどう仕掛けてくるか想定しつつ動くよ。
……けど戦闘が始まれば考える時間も少ないし、結局は第六感という名の直感頼りかもね。


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
まずは第一歩、ドラゴンの棲み処に辿り着けたな
次は暗殺が得意の妖精か、腕が鳴るぜ

気配が分からない上に自身の命を顧みない暗殺をする気なら
オレも下手に守りに徹するよりもガンガン攻めるぞ
グラウンドクラッシャーで巨大雲を攻撃し
崩壊する雲の地形で位置が分からなかろうと360度全面範囲攻撃だ
近づけられるものから来てみやがれ、オレの武器と雲の錆にしてやる!

普通なら崩壊する雲から避けないと危ないが
ここは逆に雲の中に突っ込んで更に巨大雲を崩壊させながら突き進むぞ
頂上へ至る雲の道には近すぎず遠ざかり過ぎず
多少怪我しようとも暗殺を防いで妖精をぶっ倒し
土竜の如く目指すぜてっぺん!
薔薇がないから思う存分暴れまわるぜ



●道を切り拓いて
 頂上へのルートは幾つもある、その内の一つに到着した猟兵が巨大な雲を見上げた。
「まずは第一歩、ドラゴンの棲み処に辿り着けたな。次は暗殺が得意の妖精か、腕が鳴るぜ」
 ここからが本番だとパシッと拳を掌に打ち鳴らし、グァーネッツォは巨大な雲を見上げる。
「気配が分からない上に自身の命を顧みない暗殺者か……こういう時は守りに入った方が負けだぜ、ガンガン攻めてこっちのペースにするのが勝利への近道だ!」
 迷うことなくグァーネッツォは雲の階段を駆け上る。
「3班1番、侵入者の排除を開始」
 雲に隠れていた妖精が動き出し、グァーネッツォに毒針を突き立てようと静かに近づく。
「どこから来るのか分からないなら――」
 跳躍して巨大雲に飛び掛かったグァーネッツォは竜の骨の巨大斧を振り上げた。
「全部吹き飛ばしてやる!」
 体重を乗せて重々しい斧を巨大な雷雲に叩きつける。爆発するように雲が飛び散り、その中に潜んでいた妖精達も姿を露わになった。それを斧のフルスイングで薙ぎ払う。
「近づけられるものなら来てみやがれ、オレの武器と雲の錆にしてやる!」
 山のような雲を抉りながら、グァーネッツォは頂上目指して穴を掘り始めた。

「ドラゴンが財宝の番人をするのは定番ですけど、妖精さんの暗殺チームまで居るとは侮れませんねぇ」
 二足歩行型戦車『エンジェル』を走らせるグロリアはロボ化を解除し、隠れた妖精達を電脳魔術のレーダーで捉え、ゴーグルに光点として映し出す。
「冒険者の方の情報がなかったら不意打ちされていたかもです。まぁしかし『居る』とバレた暗殺者は怖くも何ともないので、ぱぱっとド派手に蹴散らしてみせましょう!」
 一気にやっつけてしまおうと、グロリアは全てのミサイルランチャーを開放し、ぶわわーっと大量のミサイルを一斉発射した。
「3班7番、遠距離攻撃を確認」
「3班、散開せよ」
 雷雲に隠れていた妖精達が攻撃を察知し、すぐさまばらばらに飛び退く。だがミサイルはロックオンされており、誘導して方向を変えた。
「3班7番、攻撃が曲が――」
 最後まで言い切ることなくミサイルの直撃を受けて妖精が爆散する。雲とごと消し飛ばすように連続して爆発が起こり、次々と妖精が光点が減っていった。

「前哨戦と言うわけですか……では、遠慮なく」
 上空から逃げ回る妖精を見下ろした絶奈は、空中に浮遊する機雷を散布した。
「罠が得意なようですが、さて、どう対処するのか見物です」
 準備が整うと、絶奈が森羅万象へと干渉しハブーブを巻き起こす。死を纏う黒い砂塵の嵐が雷雲に侵食する。
「3班5番、砂嵐を確認。退避を進言」
「3班1番、了解。3班は全員退避する」
 妖精達が黒い砂嵐から逃げようとする。だがそこへ嵐によって流れる機雷が接近し爆発を起こす。その衝撃で飛ばされた妖精は砂嵐の中に飲み込まれて見えなくなった。
「3班3番、罠を発見」
「3班、回避行動、距離を取る」
 妖精達は爆発に巻き込まれぬように高度を下げていく。

「いやあ思ったよりもきついね……。雲登りは兎も角環境が特にね。ちょっと甘く見過ぎてた」
 冷や汗を掻いたと結菜は額を拭い、まだまだ続く雷雲の山へと伸びる浮雲の道を見上げた。
「さて、戦いは先輩方に任せ学ばせてもらおうか。……なんて、無理な相談なのは判ってるよ」
 一休みしたい気持ちを押し殺し、自分も協力する為にはどうすればいいかを思案する。
「……でだ。予想はしてたけどいざ対面となると、それ以上に小さい。参ったね。こうも的が小さいと、思うように当てられないぞ?」
 仲間の攻撃を避けようと小さな妖精が飛び回るのを見て、今の手持ちではなかなか難しい相手だと眉を寄せた。
「……なんて。ま、こんな時の為の命中重視の誘導弾なんだけどね。制圧射撃でそもそも寄らせないように立ち回ろう」
 こちらの射程距離まで降下した敵に向け、結菜はアサルトウェポンの銃口を向けて引き金を引く。雷光のような光と共に銃弾が放たれ、連射される弾丸は多少狙いが逸れても勝手に誘導されて妖精を貫いていった。
「下方からの攻撃」
「雲に――」
「咄嗟の判断が遅いのは感情が薄いせいかな、恐怖というのは戦いには必要な感情だよ」
 逃げる方向を変えようと一瞬動きを止めたところに、結菜が銃弾の雨を浴びせ、さらに絶奈の砂嵐が吹き荒れて妖精達を押し流した。


「3班、全滅した模様」
「4班、デコイを召喚。壁にして身を守れ」
 妖精達は馬や象に熊とさまざまな動物達の動くデコイを呼び出し、攻撃を遮る壁として利用した。
「デコイを出しましたね、ではこちらも次の手に移ります」
 グロリアは無数のミサイルを発射し、それをユーベルコードによって極彩色の電子の花びらに変換した。きらきらと煌めく花びらがデコイに紛れた妖精に触れる。するとビリッと電撃が走って感電させ、動物型デコイも痺れさせて動作を停止させた。
「ミサイルは防げても、花びらは防げないでしょう!」
 舞う花びらは直線的な動きではなく、ひらひらとデコイの隙間にまで入り込み小さな妖精に触れて炙り出していった。
「デコイだろうが群だろうがマヒ攻撃で感電させてしまえばおしまいですからね!」
 上手くいったと、グロリアはまるで煙に炙られた虫のように地面に落ちた妖精を見下ろし、ミサイルを撃ち込んだ。

「デコイで忍び寄って仕留める」
 妖精達は動物達のデコイをさらに召喚し、それに紛れて身を隠す。そしてデコイが猟兵に近づくのに合わせて接近した。
「……呼出されるのは所詮デコイに過ぎません。諸共に蹂躙するだけの話です」
 絶奈は冷静にデコイを観察し、纏めて始末すればいいと砂嵐と機雷をぶつけて爆発を起こし、デコイを破壊し妖精を薙ぎ払う。
「4班6番、デコイが破壊される。一時離脱を提案」
「承諾、4班、離脱」
 妖精達は砂嵐を突破して逃げようとする。
「そして……光栄に思うと良いでしょう。貴女方は同じ環境で、帝竜ワームを屠った戦術と相対するのですから……」
 その前に絶奈が立ち塞がると、左右の手に持った槍を突き入れ剣を振るい、妖精達を容易く葬った。
「といっても、帝竜に比べれば全く歯応えのない相手ですが、手加減はしません」
 逃げ惑う妖精を砂嵐と機雷で追い詰め、絶奈は確実に刃を突き立て仕留めていった。

「敵陣が崩れたね、このまま一気に叩いて殲滅してしまおう」
 猟兵としては初めてでも、戦闘経験を持つ結菜は冷静に戦局を読み、どこを叩けばいいかを考えて銃口を向ける。直接当てられなくても、敵の動きを誘導するように制圧射撃を仕掛ける。
「4班4番、攻撃の回避困難」
「4班、雷雲へと移動する」
 数を減らした妖精達は立て続けの攻撃に傷つき、雲の中へと飛び込んだ。だがその瞬間、雲側からとんでもない衝撃を受けて吹き飛んだ。
「そろそろ頂上が見えてきたかな? って外? ちょっとばかり方向を間違ったみたいだぜ。土竜のマネは意外と難しいな」
 吹っ飛んだ雲にぽっかりと開いた穴から姿を見せたのは、中を土竜の如く掘り進んでいたグァーネッツォだった。
「どこにも隠れる場所はありませんよ」
 想定外の出来事にまた妖精達の動きが乱れ、そこを結菜が狙い撃つ。
「まだ薔薇まで遠いなら思う存分暴れられるな!」
 グァーネッツォも雲に隠れようとする妖精を斧で叩き潰し、暴風のように辺りの雲を撒き散らしていった。
「デコイ展開」
 危機を逃れようと妖精が動物の姿をしたデコイを並べて身を隠す。
「そんなもんで止められるかよ! ここでぶっ倒してやるぜ!」
 斧で暴れ回るグァーネッツォがデコイを粉砕し、ついでに妖精もぶっ飛ばす。しかしその頭上からこっそりと一体の妖精が忍び寄る。
「やっぱり小さくとも油断はできないね」
 そこへ結菜が狙い澄まして銃弾を撃ち込み、妖精は胴に穴を開けて吹き飛んだ。


「この辺りの敵は殲滅できたようですね」
 絶奈が周囲を確認し、近くに隠れていた敵は全滅したと砂嵐を治める。
「では先に進みましょう! もう少しで財宝と対面できます!」
 テンションを上げたグロリアがエンジェルを走らせ勢いよく雲の山を登っていく。
「目指すぜてっぺん!」
 グァーネッツォもやる気を漲らせ、頂上に繋がる雲のトンネルを作る為に雲掘りを再開した。
「薔薇も気になるけど、それを育てるドラゴンにも興味があるね」
 結菜も仲間に続き、頂上を目指して雲を登り始めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オヴェリア・ゲランド
【王と騎士】
私の聖騎士であるレオンハルト(f23015)と共に。
「ここに仇がいると申すか、ならば貴公の主として助太刀しよう!」

●戦法
「遅れての参陣だ、武働きで取り戻す!
行くぞレオンハルト!」
物理・魔術のどちらもを、逸らす【念動力】と防ぐ【オーラ防御】を内包した我が【覇気】を纏いて守りを固め【切り込む】。
「剣帝として、レオンハルトの為に道を開く!」
守りは覇気とレオンハルトに任せ【野生の勘】で敵を捕捉し【皇技・百華剣嵐】にて一気に【薙ぎ払い】敵勢を【吹き飛ばし】尽くを【蹂躙】し尽くす。
「脆い、脆い!そんな脆弱さで私を止められると思うな!」

●アドリブ歓迎


レオンハルト・ヴァイスレーベ
オヴェリア(f25174)と。
コンビ名【王と騎士】
「共に行きましょう。-敵討ちの道を!」<出撃前、主に対して

・行動
味方をかばう盾役に徹する。

敵のUCに対し【無敵城塞】を使用。
他の攻撃に対しては、
オーラ防御やかばうを駆使して守りに徹する。
(人を惹きつける様な、澄んだ鈴の音の声で)
「ボクが皆の盾になります!その間に奴らを-!」

(防御時、誓いの剣を眼前に翳しつつ)
「ボクは進む-“救世”の道を…。ここで倒れる訳にはいかないんだ!」

自分のUCが解除されたら、己を鼓舞し、
武器受けからのカウンターやなぎ払いで援護。
(敵に向かって)
「AL界で戦った奴らと違う-何て不気味な存在なんだ…」

アドリブ・連携等は一任。



●王と騎士
「この地にボクの故郷――白獅子王国を滅ぼした竜の目撃情報を得ました」
 凛々しく立ったオヴェリア・ゲランド(銀の剣帝・f25174)の前で、レオンハルト・ヴァイスレーベ(白獅子の聖騎士・f23015)が膝をつき頭を垂れる。そして雲海の世界に赴いた理由を告げた。
「ここに仇がいると申すか、ならば貴公の主として助太刀しよう!」
 その無念の想いが籠った言葉にオヴェリアが即決し、主として臣の敵討ちに助力をしようと告げて手を差し伸べた。
「共に行きましょう――敵討ちの道を!」
 その手をしっかりと掴み、立ち上がったレオンハルトはその目に強い決意と闘志を宿し、竜の住まう雷雲の山へと視線を向けた。

「遅れての参陣だ、武働きで取り戻す! 行くぞレオンハルト!」
「はい!」
 オヴェリアとレオンハルトが雲で出来た道を登り始める。すると大きな雲の中から僅かな殺気を感じ取った。
「敵です」
「雲の中か、その程度で私の不意を突けるつもりとはな」
 レオンハルトが短く告げると、オヴェリアが覇気を纏って前を征く。すると飛び出した妖精が針を手に目や首の急所を突き刺そうとする。
「剣帝に接近戦を挑むとは、身の程を知れ!」
 オヴェリアが覇剣シグルドリーヴァーを一閃する。堅牢で鋭い巨大な剣は妖精を断ち切り、そのついでとばかりに雲まで両断した。
「こちらの敵はボクが――!」
 レオンハルトは背後からオヴェリアを襲おうとする妖精の前に立ち塞がり、誓いの剣を振り抜いて切り払った。
「5班3番、奇襲失敗」
「5班1番、敵の注意を引け」
 妖精が攻撃を避けるのに専念する。その間に半透明になった妖精が暗殺しようと気配を消して近づいていた。
「敵の気配が消えました。ボクが盾になります! その間に奴らを――!」
 澄んだ鈴の音の声を上げ目立つようにレオンハルトが飛び出し、誓いの剣を眼前に翳して誓いを立てユーベルコードを発動した。
「ボクは進む――“救世”の道を……。ここで倒れる訳にはいかないんだ!」
 姿を消した妖精がレオンハルトに針を突き立てる。目に首にと鎧に覆われていない必殺の場所を狙う。だがその先端はレオンハルトが身体に宿す光によって止められ、傷一つ付けられなかった。
「姿を消そうとも、音は消えていない。そこか!」
 攻撃時の音を頼りにグァーネッツォが大剣を振るう。すると透き通っていた2体の妖精が姿を現し、一太刀で2体とも真っ二つになって落下した。

「5班1番、2番が死亡」
「戦闘継続、これより4番が指示を出す」
 味方が殺されようとも、一切の感情を表さず、ただ妖精達は機械のように侵入者の殺害へと行動を繰り返す。
「AL界で戦った奴らと違う――何て不気味な存在なんだ……」
 その様子にレオンハルトは気味の悪さを感じ、ユーベルコードが解除されると守りの構えを取る。
 四方から襲い来る妖精を、レオンハルトは剣で弾き、鎧で防ぐ。そして逆にカウンターを当てて袈裟懸けに斬り裂いた。
「剣帝として、レオンハルトの為に道を開く!」
 敵が数を減っているうちに前に進もうと、オヴェリアは誰も居ない場所で幾重にも斬撃を重ね、無数の衝撃波を放って周囲を薙ぎ払った。隠れていた妖精も巻き込まれ、切り裂かれながら消し飛んだ。
「脆い、脆い! そんな脆弱さで私を止められると思うな!」
 オヴェリアはそのまま道を切り開き、妖精など物ともせずに切り刻んで撃墜していく。
「このまま竜の元へ向かいましょう!」
「任せろ、私に続け! この手で頂上までの道を切り開く!」
 周囲の敵が減るとレオンハルトが気が急くように上を見上げ、オヴェリアがその意を汲んで妖精を斬り捨てながら上へと進む速度を上げる。
「背中は護ります!」
 その主の背を護ろうと、後に続くレオンハルトは不意打ちしようとする妖精を薙ぎ払う。
「もうすぐ頂上だ!」
「はい、この上に故郷の仇が――!」
 オヴェリアが暴風のように妖精を蹴散らし、レオンハルトは鉄壁のように攻撃を防ぐ。そうして二人は妖精の襲撃を退け頂上へと続く雲の道を力強く登った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『王竜・マクシミリアス』

POW   :    我が城壁は砕かれず!
全身を【城塞を模した駒】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    出でよ我が臣下共!
【騎士を模した駒】【司教を模した駒】【女王を模した駒】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    迎え撃て、我が兵士共!
【兵士を模した駒】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレオンハルト・ヴァイスレーベです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●雷雲の城の王
『美しい……そして滅びぬというのがよい。この竜の王である我輩に相応しき花よ』
 頭上に王冠を戴く巨大なドラゴンが、雷雲の山の頂上。雲が平らに整備された開けた場所に鎮座し真紅の薔薇を眺めていた。
 薔薇は血を吸ったように紅く。その造形も見事で、幾重にも重なった花びらが絢爛さを際立たせる。枯れることがない花は、その形を乱すことなく完全な状態を永遠に保つ。まさに宝石に匹敵する至高の薔薇だった。
 だがその平穏な空気を破るように、一体の傷ついた妖精が飛び込んできた。頭を低くしそっとドラゴンの耳元で口を動かす。
『何と、我輩の領土に侵入者だと!』
 くわっとドラゴンが目を剥いて怒気を放つ。
『この地が我輩、王竜・マクシミリアスの領土と知っての狼藉か!』
 ドラゴンが雷雲の満ちる下界を見下ろし、そこに居るだろう侵入者を憎々し気に睨みつけた。
『ならば刮目せよ! 我輩の軍勢を!!』
 ドラゴンの魔力が漲り、周囲に2mほどの大きさのチェスの駒が現れる。クイーン・ビショップ・ナイトがドラゴンを守り、一回り小さなポーンの集団がずらりと整列する。
『我輩は王にして英雄殺しの竜なり! 領土を侵す者は何人であれ滅ぼしてくれる!!』
 咆哮が轟き大気を震わせ、辺りの雷雲が荒れ狂い眩く雷光が走った。

 財宝である不滅の薔薇はドラゴンの向こうにある。それを手に入れるには王竜とそれを守護する配下の駒を倒さなくてはならない。
 妖精を退けた猟兵達は恐れずに、その主であるドラゴンに挑もうと雷雲を駆け上がった。
ローズ・ベルシュタイン
【薔薇園の古城】メンバーで参加(計5名)
WIZ判定の行動
アドリブ歓迎

■心情
王竜とはいえ、不滅の薔薇を独り占めするのは心が狭いのでは無いですか?
此処で王竜を倒して、皆で薔薇を山分けしますわよ。

■戦闘
風嵐薔薇矢雨(UC)を使用して戦いますわ。
兵士を模した駒は、UCの薔薇の矢を【属性攻撃】と【破魔】で強化し
近くに居る兵士から全部倒していきますわね。
【マヒ攻撃】や【気絶攻撃】も織り交ぜてUCを使い、
敵の動きを止めつつ戦いますわね。
兵士を全部倒したら、王竜へと攻撃ですわね。

仲間と互いの死角をカバーし合う様に立ち位置には気を付けて
協力して戦いますわ。

「さぁ、不滅の薔薇は、どれ程の美しさでしょうか?」


比良坂・逢瀬
【薔薇園の古城】で参加。

かつては帝竜が支配した雷雲も今では王竜の領地ですか。
盛者必衰が世の習い。貴方にも玉座を追われる時が訪れたと理解して頂きましょう。

私は不滅の薔薇が咲き誇る平らな雷雲の大地を<ダッシュ>と<ジャンプ>を駆使して駆け抜けます。
王竜の放つ西洋将棋の駒に由来する攻撃は冷静に、その軌道を<見切り>、対処しましょう。

私の《月ヲ穿ツ》、伸縮自在の影の刃は6キロメートル強の射程範囲を誇ります。それをもって片端から王竜の駒を穿ち、敵の手筋を封殺します。
西洋将棋において保有する駒の数と強さ、即ちマテリアルアドバンテージは戦局を左右する重要な要素ですからね。


薙沢・歌織
【薔薇園の古城】【WIZ】
竜は財宝を好むと言われますが、オブリビオンに不滅の薔薇を独占はさせません。薔薇を新しい魔法の研究に使うか、それとも研究費用に充てるか…悩みますね。

団員との【集団戦術】で、敵の隙を狙うように攻撃。 敵の兵士召喚中に【魔力溜め】。【闇属性攻撃】で増幅した【常闇の悲槍】の【範囲攻撃】で対抗し、余った槍を王竜へと放ちます。
王竜の鱗は非常に硬いはず。【鱗の継ぎ目への部位攻撃と鎧砕き】を意識しましょう。

王竜へは遠距離ではレイン・クロインの実弾モード【砲撃】、接近戦では【ダッシュ】から風翠槍の【切り込み・鎧砕き】の突き。敵の攻撃は地霊盾の【オーラ防御盾受け】で防ぎます。


ミネルバ・アレキサンドリア
【薔薇園の古城】
POW
ローズ様の仰る通りですの。王竜を名乗る割に不滅の薔薇を独り占めとは、器が小さい奴ですの。この薔薇はわたくしたちがもらい受けますわ!
聖なる薔薇の銀竜であるこのわたくしとどちらが格上か、思い知らせてあげますの!(髪をふわさっ)
ユーベルコードの代償かローズ様の毒で動けなくなったところに【アージェント・スパーク】。地面に叩き落としてやりますの!


風雷堂・顕吉
【薔薇園の古城】で参加

UC【吸血乱舞】で王竜の注意を引き続ける

吸血蝙蝠の群れ(集団戦術)が蚊のように王竜のまわりにまとわりついて(空中戦、目立たない)、隙を見ては吸血(吸血、生命力吸収)して逃げる(逃げ足)
まだ24時間もたっていないので、暗殺妖精サーヴァントの生き残りもサポートにつける(継戦能力)
もちろん吸血の際は、吸血が終わって離脱してからその事に気がつくような中途半端なマヒ毒(毒使い、マヒ攻撃)を注入する
皮膚が厚いからって安心するなよ?(鎧無視攻撃)

銀竜ミネルバが必殺のマウンティングポジションを取ったところで、吸血蝙蝠の一匹が邪悪な笑みを浮かべて告げる
「いいのかい、俺の相手ばかりしていて」



●王竜の軍勢
 猟兵達は雷雲の頂上へと辿り着き、王竜とその配下の駒の軍勢と向かい合う。
「王竜とはいえ、不滅の薔薇を独り占めするのは心が狭いのでは無いですか?」
 薔薇を自分だけのものにする狭量な王にローズが物申す。
「ローズ様の仰る通りですの。王竜を名乗る割に不滅の薔薇を独り占めとは、器が小さい奴ですの。この薔薇はわたくしたちがもらい受けますわ!」
 ローズの言葉に同調し、ミネルバも王竜を言葉で攻め立てその背後に咲き誇る真紅の薔薇を指さした。
『我輩に意見しようというのか、人間風情が! 対等に口を利くことすら王に対する不遜だと知れ!』
 人など塵芥に過ぎぬと、王竜は咆えるように一喝した。
「竜は財宝を好むと言われますが、オブリビオンに不滅の薔薇を独占はさせません」
 歌織は王竜の背後に広がる、真紅の薔薇の花園に目を向けた。
「薔薇を新しい魔法の研究に使うか、それとも研究費用に充てるか……悩みますね」
 そして手に入れたらどうしようかと想像して、戦う前から竜の宝を手に入れた事について悩んでいた。
「かつては帝竜が支配した雷雲も今では王竜の領地ですか。盛者必衰が世の習い。貴方にも玉座を追われる時が訪れたと理解して頂きましょう」
 帝竜の棲み処が王竜のものとなった。それならば次へと変わるのも道理と、逢瀬は王座から竜を引き摺り下すと宣言する。
「倒さねば薔薇が手に入らぬというのなら、竜の王だろうと討ち取ろう」
 強大なドラゴンが相手であろうとも、顕吉は表情一つ変えずに蝙蝠の群れへと変じた。
「此処で王竜を倒して、皆で薔薇を山分けしますわよ」
 ローズの言葉に仲間達も同意し、お宝を手に入れる為に竜へと戦いを挑む。


「兵士の駒は数が多くて邪魔ですわね。ならこちらも数で攻めますわ」
 ローズがユーベルコードを発動し、風と樹と破魔を複合させて無数の薔薇を咲かせ、それが矢となって突風に乗って次々と敵軍に飛翔した。
 薔薇の矢がポーンに突き刺さると、激痛を走らせて足を止めた。耐えきれぬ者はもがき苦しみ消滅していく。
「この調子で数を減らしますわよ」
 ローズは次々と薔薇の矢を飛ばし、ポーンを行動不能にしていった。
「まずは露払いですの!」
 ミネルバは髪をふわさっと靡かせ、動けなくなったポーンの軍勢に斬り込んだ。駆けながら『ベレトの魔槍』を縦横無尽に振るい、ポーンの群れを粉砕していく。
「動けないならただの的ですの!」
 そのままポーンの群れを突破し、ミネルバは王竜を守ろうとするクイーン・ナイト・ポーンへと迫る。
「あなたたちの相手をしている暇はありませんの!」
 それを無視するようにミネルバが高々と跳躍して躱し、王竜に頭上から魔槍を突き立てようとする。
『無駄な事を……我が軍勢を抜けようとも、この無敵の城壁は砕けぬ!』
 王竜はその巨体を無骨な壁のようなルークの駒へと変身する。するとその身は城壁の如く強固なものとなり、ミネルバの放つ槍を易々と受け止めた。
「硬いですの! これでは刃が通りませんわ!」
 鉄の塊にでも攻撃したように、反動でミネルバの手が痺れる。そこへナイトの駒が跳躍して襲い掛かった。だが蝙蝠の群れが現れてその視界を防ぐように妨害して見失わせる。
「仕切り直しですの!」
 その隙にミネルバは城壁を蹴って跳び退いた。それを見て王竜は元の姿に戻る。

「鎧を着込んでいようとも、隙間は幾らでもある」
 吸血鬼の群れとなっている顕吉は王竜にまとわりつき、鎧に覆われていない手足や顔に貼り付く。
『蝙蝠如きが我輩に何をするつもりだ?』
 蝙蝠では竜に傷一つ付けられないと嘲笑する。その隙を見て蝙蝠達は王竜に鋭い牙を立て、硬い鱗をも貫いて血を吸い上げた。
「皮膚が厚いからって安心するなよ?」
『羽虫程度が我が鱗を破るだと!? ええい! 鬱陶しい!』
 王竜は両手や尻尾を振るって蝙蝠を蹴散らすが、すぐにまた戻ってくる。
『兵士共! 何とかせよ!』
 王竜が指示を出すとすぐにポーンの群れが集まり、蝙蝠を追い払う。そして排除しょうと槍を振るって追い回し始めた。
『我の血を吸った愚か者を一匹も逃すな!』
 そう怒鳴りつけたところで、王竜の身体がふらりと揺れ己が身の異変に気付いた。
『……なんだこれは?』
「ようやく毒が回り始めたか、それだけの軍勢を率いているのだ、正面からのぶつかり合いには自信があるのだろうが、こうした搦め手には対処できまい」
 顕吉はさらに毒で敵を侵食しようと、隙を見ては近づいて蝙蝠の牙を突き立てた。

「兵士はお任せして、私は王竜を狙いましょう」
 ポーンを狙う薔薇の矢を追うように逢瀬は雷雲の大地を駆け、王竜へと近づく。だがその前にはクイーン・ビショップ・ナイトの大駒が並ぶ。
「西洋将棋の駒ですか、どのような攻撃をするのか見極めるとしましょう」
 逢瀬は冷静に敵の動きを観察する。ナイトが一足で飛ぶように突撃し、ランスを突き入れる。それを二尺三寸の太刀『三池典太』で受け流す。そこへビショップが死角を突くように駆け、手にした無骨なメイスを振るう。逢瀬は跳び下がってそれを躱したが、そこへ最後の一撃。クイーンの魔力弾が撃ち込まれた。その連携を逢瀬は太刀を振り抜いて、迫る魔力弾を切り裂くことで難を逃れる。
「この連携は厄介ですね。こちらの動きを読んでいるような動きです」
 駒の洗練された連携に、敵の間合いは危険と見て逢瀬は距離を取って太刀に影を纏わせた。
「普通ならば届かない間合いですが、私の剣術には距離を補う技があります」
 逢瀬がまったく太刀の届かぬ間合いからその刃を振るう。すると纏う影が伸びて一振りで前方にいるポーンもナイトもビショップも薙ぎ払った。だがクイーンに刃が当たると影の刃が消えた。クイーンが背後の王を守ろうと魔力の壁を作って防いでいた。
「女王ですか、将棋にはない存在ですね」
 王竜を守る女王に警戒の視線を向けた逢瀬は、すぐに切り替えて攻め方を変える。
「ならば大物は後回しにして、手駒を先に減らして手筋を封殺しましょう」
 王竜と女王に届かぬように影の長さを抑え、配置された駒へと斬撃を放つ。
「西洋将棋において保有する駒の数と強さ、即ちマテリアルアドバンテージは戦局を左右する重要な要素ですからね」
 逢瀬に薙ぎ払われて、ポーン達が切断されて崩れ落ちていった。

『なかなかやるようだが、我輩の軍勢がこの程度と思われては困る。竜の王に仕えし兵は大地を埋め尽くすほどに存在する!』
 王竜が魔力を放つと、倒された兵の代わりがまた召喚されていく。
「財宝を手に入れた後のことよりも、まずは手に入れるための戦いに集中しないといけないようです」
 新たに補充された駒を見て、歌織は財宝のことは一旦頭の片隅に追いやり、敵軍へと意識を集中してユーベルコードを発動した。
「常闇の深淵より出でし暗黒の槍よ、仇なす敵を無慈悲に貫け!」
 歌織が溜めていた魔力を解き放つと、足元に広がる雷雲が黒く塗り潰され、そこから無数の暗黒の槍が突き出た。呼び出されたばかりの駒が串刺しになり、何も出来ぬまま消滅していった。
「射線が通りました。このまま王竜にも攻撃しましょう」
 邪魔な駒が消えると王竜の姿がはっきりと見える。そこへ歌織は地面から突き出た暗黒の槍を引き抜き、助走をつけて投擲した。
 風を切り放物線を描く槍は、王竜の長い首に当たるが、纏う鎧によって弾かれた。
「竜なのに鎧を纏っているせいで硬さが増していますね。隙間を狙いましょう」
 新たな槍を引き抜いた歌織は鎧の継ぎ目を狙って投げつける。
『同じ手が我輩に通じると思うたか!』
 王竜はその槍を尻尾で弾き飛ばした。
「この距離から投げ槍で鎧の隙間を突くのは難しそうです」
 歌織は同じ攻撃を繰り返しても避けられると判断し、可変型口径キャノン砲『魔導砲レイン・クロイン』を実弾モードで構えた。そして狙い澄まして引き金を引くと、放たれる砲弾が真っ直ぐに飛んで首に当たって爆発し、鎧をひしゃげさせた。


「兵が減り道が開けましたわね。王竜へと攻撃する好機ですわ」
 夕焼け色のロングソード『夕の憩い』を抜いたローズが王竜に向かって駆け出す。それに遅れず仲間達も一斉に王竜へと向かった。
「我輩の軍勢を抜けてきたか! ならば王たる我輩が直接手を下してくれよう!」
 王竜は魔力を衝撃波のように放った。その雷雲に起こる津波のような攻撃に猟兵達が呑み込まれようとする。
「正面は私が抑えますわ」
 ローズが剣を一閃し、衝撃波を切り裂いた。そして駆け抜けながら敵の鎧に覆われていない右脚に斬りつける。
「もう貴方を守るものはいません」
 側面から逢瀬が影の刃を振るい、太刀から伸びた影が王竜の左腕の装甲を深く切り裂いて肉まで抉った。大量の血が伝って雲を濡らし、咲く不滅の薔薇がそれを吸収して増殖する。
「鎧の隙間を狙います」
 駆け寄った歌織は跳躍し、先ほど砲撃を当てた首に出来た鎧の隙間を狙う。鋭く『風翠槍シナツヒコ』を突き入れ、首に穂先が食い込む。硬い鱗を砕いて刺さるが、強靭な肉によって深く刺さる前に止められた。
『我輩の甲冑を壊すだけでなく、この身まで傷つけるとは……許せん!』
 怒る王竜が右腕を振るい歌織に叩きつける。それを歌織はオーラを纏わせた『地霊盾』で受け止める爪による裂傷は防ぐが、雷雲に叩き落とされてしまった。
「行け、かつての主を葬り去れ」
 顕吉が指示を出すと、暗殺妖精サーヴァントの生き残りが針を手に王龍に襲い掛かる。その動きは鈍く、王竜の硬い鱗を貫けない。だが王竜の注意を引くには十分な効果があった。
『おのれ! 我を裏切るつもりか!』
 激高した王竜は魔力を爆発させ、妖精達を薙ぎ払う。
「こちらから意識が逸れたな」
 そうして自分から意識を逸らした隙に、顕吉は蝙蝠の群れでまた王竜に取り付き、たっぷりの血を吸い上げた。

「我は王竜・マクシミリアスなるぞ!! 下郎が傷つけてよい身体ではない!」
 王竜から覇気が放たれ、蝙蝠達を薙ぎ払った。
「流石は王を名乗るドラゴンですわね。ですがこちらも負けてはいませんわ」
 仲間に注意が向かっている隙に、ひらりとスカートを靡かせながら跳躍したローズが剣を振るって王竜の顔をざっくりと斬った。刃が大きな左目を深々と抉る。
「人風情が! 我輩の顔に傷をつけるとは!」
 閉ざされた左目から血の涙を流した王竜が怒りに声を荒げ、尻尾を薙ぎ払い空中に居るローズを襲う。
「これは避けられませんわね」
 ならばとローズは剣でガードしたが勢いに押されて吹き飛ばされた。
『そのまま地上に地上に墜ちよ! ……ぬぅ? なんだこの薔薇は?』
 ローズから視線を切った王竜が尻尾に一輪の薔薇が突き刺さっているのを見つけた。その瞬間、激痛が尻尾から身体を走り抜ける。
『がっ!?』
 痛みに動きが止まったところへ蝙蝠が顔付近に群がった。
『邪魔だ!』
 頭を振りながら王竜は手でその蝙蝠を払う。
「いいのかい、俺の相手ばかりしていて」
 そう吸血蝙蝠の一匹が邪悪な笑みを浮かべて告げ、顕吉が王竜の顔から離れ上昇する。
「聖なる薔薇の銀竜であるこのわたくしとどちらが格上か、思い知らせてあげますの!」
 王竜の意識が完全に自分から外れたところへミネルバが好機と再び突進し、慈悲の心を代償に、殺意の波動を籠めた一撃を放った。矢のように真っ直ぐ放たれる魔槍は王竜の胸甲を貫き胸を穿つ。
『人間如きが! 王竜である我輩を倒そうというのか!!!』
 その槍が心臓に届く前に、手がミネルバを掴んで止めていた。そして槍を引き抜き、ミネルバを雷雲に埋め込むように叩きつけた。
「我が身を護れ!」
 それと同時に王竜はその身を城壁へ変え、駒に防衛を任せて態勢を立て直す。
「守りに入られたか、少しばかり長引きそうだな」
 その身体に顕吉は蝙蝠の牙を立てたが、今度はまったく歯が立たなかった。
「今の状態では無理か、ならば先に残りの駒の相手をするとしよう」
 顕吉は蝙蝠の群れを飛ばし、駒へと狙いを変えて攻撃を仕掛けた。
「手傷を負わせていますが、まだ倒すには至りませんわね」
 ローズは空中で回転して体勢を立て直すと、ふわりと雲の上に着地して離れてしまった王竜へと視線を向けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

夙寐・結菜
うーん薔薇を育てる竜。もう少し穏やかそうなのを想像してたんだけどね。

と、王冠ってそういう意味だったんだ。となると……キャスリングしそうだなあ。
残念だけど私の手札じゃ城塞を真正面から砕くことは能わないようだ。

となればどうする? 
距離を保ちながら弾幕による援護・制圧射撃で軍勢を漸減、そして観察だ。
どんな城にも隙間はある、僅かな綻びを探ってみよう。
回避にも意識を向ける必要がある。観察と直感(UC)で何とか、かな。
……もちろん、なんやかんやしてる内に決着って言うのが一番望ましいんだけどね。

懸念として……荷物袋の中に入れてある容器は大丈夫かな。それなりに頑丈なモノを選んだつもりだけど。
(アドリブ歓迎)


グロリア・グルッグ
ついに出ましたね王冠ドラゴン!
自分自身をキングに見立て、部下はチェスの駒と来ましたか!
ならば私は電脳ハッカーとして『計算』することでゲームを優位に進めるとしましょう!

自前の電脳魔術とハッキング技能などをフル活用しながらユーベルコードを展開します。
空中に浮かべた電脳キーボードをひたすら叩きながら駒の動きを計算し『次にどう動くか?』『いまはどんな布陣になっているか?』といった解析情報を味方と共有しましょう。
私としては本来、こういったバックアップ的な役割が本職なとこがあるので腕には相当自信がありますよ(どや顔)
勝てたら宇宙技術の粋を集めた透明な密閉ケースで不滅の薔薇をお持ち帰りですね。


霧島・絶奈
◆心情
兵士に操られる王、ですか
傀儡も良い所です

◆行動
引き続き【環境耐性】【電撃耐性】と【空中浮遊】を活用し機動力を確保

それでは私の軍勢もお見せしましょう
『暗キ獣』を使用

軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
効果範囲を鑑みても味方を巻き込む心配はありません

設置を進めつつ軍勢と共に【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
さて…「操っている兵士」諸共【範囲攻撃】を受けて尚、無事に立っていられるでしょうか?
兵士が居なくなれば強化が消え、庇えば浅くない傷を負うのですから

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


グァーネッツォ・リトゥルスムィス
薔薇を独り占めする上に、守るにも最前線は駒にやらせる、
横暴な支配者は御免だぜ!

ポーン達をなるべく損壊させない様に武器の大振りによる衝撃波で鎧無視攻撃をし、
動けない内に『大地との友情合体』でポーン達と合体して兵士ロボで更に戦うぞ
竜の王冠からして鉄製の駒でよかった、この雷雲の世界でもロボになれるぞ!

ある程度ポーン達を吸収出来たら三駒の相手は他猟兵を信じて任せて
オレは竜を狙うぜ
城塞になろうとも昇降機ロボに変形して吸収して仲間にしたポーン達を送り込んで
内側から攻め落としてやる
これがチェスにはない、一度戦った敵とも協力し合うショーギの戦い方だ!

竜を倒したら採集ロボに変形して薔薇を食われない様にゲットだぜ



●チェスゲーム
『我を護れ兵共! 決して狼藉者を近づかせるな!』
 手傷を負った王竜は駒を補充し、猟兵を近づかせないように布陣する。
「ついに出ましたね王冠ドラゴン! 自分自身をキングに見立て、部下はチェスの駒と来ましたか!」
 グロリアはそんな敵のチェスのような布陣を観察する。
「ならば私は電脳ハッカーとして『計算』することでゲームを優位に進めるとしましょう!」
 空中に並べた電脳キーボードを目にも留まらぬ速度で叩き、電脳魔術による高速演算によって駒の動きを計算する。その解析情報を味方にも空中に浮かぶ画面を表示して共有し、逐一敵味方の動きを俯瞰できるようにした。

「それが貴方のご自慢の軍勢ですか、それでは私の軍勢もお見せしましょう」
 敵の駒の軍勢を前にして、絶奈はその身に蒼白き燐光の霧を纏うと異端の神々の似姿に変身する。すると霧が広がり、その中に屍の獣の兵の軍勢が姿を現した。
「変則的ですが、互いの軍勢でチェスといきましょう」
 屍の軍勢が前進を始め、敵の展開しているポーンの部隊とぶつかる。互いの兵が槍を持ち、突き刺し合って倒れていく。そこへ横から屍獣が飛び掛かり、ポーンを押し倒して隊列を崩していった。
「我輩にチェスで勝負だと? 舐められたものだ!」
 王竜はポーンを密集させて圧を上げ、そこへナイトを飛び込ませて屍兵を蹂躙し、互いの軍勢の最初の槍合わせは痛み分けで終わる。

「うーん薔薇を育てる竜。もう少し穏やかそうなのを想像してたんだけどね」
 結菜は思っていたイメージと違うと、傲慢そうな王冠を被る竜を見た。
「と、王冠ってそういう意味だったんだ。となると……キャスリングしそうだなあ。残念だけど私の手札じゃ城塞を真正面から砕くことは能わないようだ」
 守りに入られると自分ではどうしようもないと考え、そうならない戦術を考える。
「となればどうする? 距離を保ちながら弾幕による援護・制圧射撃で軍勢を漸減、そして観察だ」
 まず相手の軍勢を削りながら、敵の手の内を見極めようと結菜はアサルトウェポンを構えた。
「どんな城にも隙間はある、僅かな綻びを探ってみよう」
 どれほど強敵であろうとも無敵ではないと、結菜は敵兵に弾丸を浴びせて数を減らしていった。

「ぷはっ、やっと到着したぜ!」
 雷雲を掘って登ってきたグァーネッツォが敵陣のど真ん中に顔を出し、玉座に座るようにこちらを見下ろす王竜と、それを護る駒たちを見渡した。
「薔薇を独り占めする上に、守るにも最前線は駒にやらせる、横暴な支配者は御免だぜ!」
 グァーネッツォがなるべくポーンを損壊させないように、『竜骨ナチュラルアックス』を大振りして衝撃波を放ち、吹き飛ばして敵陣を崩す。
「よし! 今のうちに合体だ!」
 ユーベルコードを発動すると、ポーン達を吸収するように吸い込んでいく。
「竜の王冠からして鉄製の駒でよかった、この雷雲の世界でもロボになれるぞ!」
 金属の駒を身に纏うように合体してグァーネッツォはガシーンッと兵士ロボへと変形した。
「ロボの力を見せてやるぜ!」
 グァーネッツォが巨大斧を一振りすると、攻撃しようと包囲していたポーンが薙ぎ払われた。
「ロボの前に雑魚が出て来たってやられるだけだ!」
 軽々とグァーネッツォは巨大斧を振り回し、近づく敵を吸収していった。


「私としては本来、こういったバックアップ的な役割が本職なとこがあるので腕には相当自信がありますよ」
 どや顔でグロリアがキーボードを叩き続け、夢中になって計算していると、ビショップが死角から突進しメイスを叩きつけた。だが一心不乱にキーボードを叩くグロリアの瞳と髪が金色に光り輝き、外部からの接触を完全に遮断して攻撃を防いだ。
「無駄ですよ、本物の電脳ハッカーを止める術はありません」
 グロリアがビショップにマークを付けてデータを転送する。
「そこか!」
 その情報を元に、グァーネッツォが高々と持ち上げた巨大斧を振り下ろし、ビショップを頭から粉砕した。

「準備はできました。後はこの場所に王を誘い込むだけです」
 気配を消して屍の軍勢に紛れた絶奈は、テルミット焼夷弾の罠を仕掛けた。そこへ敵を引き込むように軍勢を動かす。すると突き破ろうと迫る敵軍が押し込んで徐々に戦線が下がっていった。
『よいぞ! そのまま押し切れ!!』
 王竜の指示と共にポーンの群れは勢いづく。
「もう少し……この辺りでしょうか、これ以上は下がらず死守です」
 絶奈は戦況をコントロールし、軍勢同士の鍔迫り合いを繰り広げる。絶奈も剣と槍を振るい、衝撃波によってポーンを薙ぎ払った。

「回避にも意識を向ける必要がある。観察と直感で何とか、かな……もちろん、なんやかんやしてる内に決着って言うのが一番望ましいんだけどね」
 そう都合よくはいかないだろうと、結菜は敵の駒でも機動力のあるナイト・ビショップ・クイーンから目を逸らさずに、常に視界に入るようにしていた。するとナイトの姿が消える。それに気付いた瞬間、結菜は横に跳び退いた。一瞬遅れて、立っていた場所にランスが突き刺さる。
「この距離を一足とはね、注意してなかったら危なかったよ」
 結菜は落ち着いて銃口を向け、至近距離からの銃弾を浴びせてナイトを穴だらけにして消し飛ばした。その間もビショップ・クイーンからは意識を逸らさない。
「この距離なら気をつけていれば不意打ちは食らわないね」
 ならこの距離を維持して仲間の援護をしようと、結菜は休むことなく敵兵に向けて銃撃を続ける。
「懸念として……荷物袋の中に入れてある容器は大丈夫かな。それなりに頑丈なモノを選んだつもりだけど」
 今の激しい回避運動で壊れてないだろうかと考えつつ、結菜は引き金を引き続けた。

『もういい、我輩の力で粉砕してくれるわ!』
 痺れを切らした王竜が翼を羽ばたかせて低空を飛翔し、一気に前に飛び出した。
「王冠ドラゴンが動きます! 気を付けつけてください!」
 これまで集めたデータからグロリアが敵の動きを予測して、仲間にその解析情報を送る。
「ですがこれはこちらからの攻撃のチャンスでもあります!」
 王竜が直接攻撃するということは、こちらも攻撃を当てる好機でもある。グロリアは王竜の正確な動きを捉え、そこから予測される次の行動を示した。
「尻尾の薙ぎ払いがきます!」
「兵士に操られる王、ですか。傀儡も良い所です」
 グロリアの警告の声を共に絶奈が軍勢で壁を築く。そして放たれる一撃を受け止めた。大部分が身体を吹き飛ばされるが、手足が残っていれば屍は動き尻尾にしがみ付いた。
『有象無象が邪魔をするな!』
 王竜は尻尾を雲に叩きつけて屍兵を叩き潰す。
「さて……『操っている兵士』諸共、範囲攻撃を受けて尚、無事に立っていられるでしょうか?」
 絶奈が罠を起爆し、爆発が敵兵と王竜を包み込むように燃やした。
「兵士が居なくなれば強化が消え、庇えば浅くない傷を負うのですから」
 爆発が起こりポーンの群れが炎に巻かれて吹き飛んだ。王竜も身体が燃え上がり、思わず仰け反ってしまう。
「罠だと!? 卑怯な真似を!」
「これはただのチェスではありません。ルール無用の戦争という名のゲームです」
 罵声を飛ばす王竜に、冷たく絶奈は返答する。
「ぬぅうう! 征け! 力で以って制圧せよ!」
「冷静さを失えばゲームも戦争も勝てるものではありません」
 王竜は荒々しく残った軍勢を前へと動かし、絶奈はそれを冷静に受け止めて勢いを殺す。
「竜を狙うチャンスだぜ!」
 膠着した戦況を破るように、雷雲に掘った穴を利用してグァーネッツォが敵陣に飛び出して、王竜の首を狙う。
「その首もらったーーーー!」
『なに!?』
 グァーネッツォが飛び掛かり巨大斧を振り下ろす。それを王竜は左腕で受け止める。籠手で防ぐつもりだったが、既に破壊されており、直接腕で食らうことになった。その重い一撃は鱗を砕き肉を裂く。それだけに留まらず骨に達して断ち切った。王竜の巨大な左腕がずるりと雲に落ちて血を撒き散らした。
『グオオオオオッ! おのれぇええええ!!!』
 怒りの咆哮を上げた王竜が右腕を振るい、グァーネッツォに叩きつけて吹き飛ばす。
『くっ、傷を癒さねば……』
 王竜はルークとなって城壁のように鉄壁の防御の構えを取る。
「城壁になったのなら内側から攻め落としてやる!」
 倒れていたグァーネッツォが昇降機ロボに変形して仲間にしたポーン達を送り込んで、内側から攻め落とそうとする。
『我が兵を奪ったというのか!』
「これがチェスにはない、一度戦った敵とも協力し合うショーギの戦い方だ!」
 どうだと胸を張ってグァーネッツォが笑い、ロボの身体を揺らした。
『こうなれば仕方があるまい!』
「王冠ドラゴンが飛ぼうとしてます!」
 王竜が姿を戻し空に逃れようとする僅かな動きをグロリアが読み取り、先回りして仲間に伝える。それに遅れて王竜が元の姿に戻って翼を羽ばたかせ始めた。
「飛ばれると厄介だね。このまま地上で倒してしまうのが最善だ」
 結菜が銃口を向けてドラゴンの翼に銃弾を浴びせる。すると穴が開き羽ばたく度に翼の傷が広がっていった。
「兵を見捨てて逃げるのが王ですか、暗君ですね」
 そこへ絶奈が槍を投げて翼を貫き、とうとうバランスを保てなくなったドラゴンが落下する。
『我輩の翼を!? この王が墜ちるだと!!』
 雷雲の上にドラゴンが墜ち、巻き散らされる雲の中から憎悪に満ちた右目で猟兵を睨んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オヴェリア・ゲランド
【王と騎士】
私の聖騎士であるレオンハルト(f23015)と共に。
「フン、彼奴がレオンハルトの仇という訳か…面白い!」

●戦法
「王竜とやら、貴様が国持つ領主であるならば我が騎士の挑戦を受けて立つがよい…この男こそ聖騎士レオンハルトなり!」
UC【魔導砲ドーラ起動】によりレオンハルトに魔導砲【援護射撃】を与え、私も【リミッター解除】して物理・魔術のどちらも逸らす【念動力】と防ぐ【オーラ防御】を内包した【覇気】を纏いレオンハルトと共に【斬り込む】。
「征けレオンハルト!仇を討ち白獅子の咆哮を轟かせるのだ!」
剣にて【薙ぎ払い】【吹き飛ばし】立ちはだかる全てを【蹂躙】し道を開く。

●アドリブ歓迎


レオンハルト・ヴァイスレーベ
【王と騎士】
オヴェリア(f25174)と。
「-我が主よ。我が戦い、ご照覧あれ!」<白獅子の旗を翻して

覚悟を決め、リミッター解除し誓いの剣で突撃。
UCは命中率重視
「貴様の城壁、我が一撃で砕いてみせる!
-目覚めよ我が魂、吠えろ我が獅子、-受けてみろ!獅子王斬!」

あとは、己を鼓舞し、勇気を奮い立たせた捨て身の一撃で攻撃
(防御はオーラ防御と武器受けからのカウンター)

「…貴様が忘れたとしても、ボクは一時たりとも忘れたことはなかった!
父上達の無念はボクが晴らす!英雄殺しを気取るのもここまでだ!」
(戦いの途中で敵から誰何された時)

打ち倒したら、兜を脱ぎ、雄たけびを上げながらも涙を流す
「皆…敵は取りました」



●王竜を討つ騎士の剣
 駒の多くは猟兵達に倒され、残りは今もまだ争い続けている。そして深く傷つき血を流す王竜の前に王と騎士が姿を現した。
「露払いは終わっているか。フン、彼奴がレオンハルトの仇という訳か……面白い!」
 強大な力を持つドラゴンを前にしても、オヴェリアは怯えるどころか嬉々として不敵な笑みを浮かべた。
「王竜とやら、貴様が国持つ領主であるならば我が騎士の挑戦を受けて立つがよい……この男こそ聖騎士レオンハルトなり!」
 堂々と竜の正面からオヴェリアが呼び掛け、己が騎士を指し示した。
「――我が主よ。我が戦い、ご照覧あれ!」
 そして騎士たるレオンハルトも堂々とした佇まいで、雄々しい白獅子の旗を翻して王竜へと戦いを挑む。

『我輩に挑むだと? ふんっ、傷つこうとも矮小な人間なぞに負けるものか!』
 手負いとなった王竜が立ち上がり、大気を震わせる覇気を発してレオンハルトを委縮させようとする。
「その程度で我が騎士が止まると思うか!」
 オヴェリアの激を受けレオンハルトは駆け出す。
「我が一撃を受けてみろ!」
 震えるような空気の中をレオンハルトは踏み出し、王竜に向かって駆け寄って『誓いの剣』で斬りかかった。だがその刃は王竜の右手で受け止められる。
『人の身でありながら偉大なる竜に歯向かったことを後悔させてやろう』
 王竜は身の竦むような殺気を放ち、その大きな手でレオンハルトを握り潰そうとする。
「恐れるな! 其奴が仇なのであろう!」
 オヴェリアが魔導砲ドーラを起動し、王竜に向けて砲撃を開始して爆発を起こす。それによって敵の動きが一瞬止まり、視線がオヴェリアに向けられた。
「貴様は偉大でもなんでもない! ただの簒奪者だ!」
 その隙にレオンハルトは剣を斬り上げ、右手の指を数本切断した。
『調子に乗りおって人間め! 我は竜の王ぞ!』
 王竜の尻尾が薙ぎ払われて剣で防ごうとするレオンハルトを吹き飛ばした。
「調子に乗っているのは貴様の方だ!」
 そこへ覇気を纏ったオヴェリアが駆け寄って一瞬で間合いを詰め、『覇剣シグルドリーヴァー』を一閃した。大剣はばっさりと竜の尻尾を断ち切り、尻尾が中ほどから切れて勢いよく飛んでいった。
『我が尾を斬っただと!!』
 驚愕して王竜が己が失われた尻尾を見下ろした。
「竜の王よ!」
 そんな王竜に不屈の闘志で立ち上がったレオンハルトが正面から斬り掛かる。だがその刃はガキンッと弾かれた。
『貴様等は人の英雄か! ならば方法は問わん。皆殺しにして我が武勇伝の一つにしてくれよう! 兵共よ! 戻れ! 我が敵を討て!』
 王竜がルークの駒のように強固な城壁となって身を護る。そしてその間に周辺の駒を集めようとしていた。

「征けレオンハルト! 仇を討ち白獅子の咆哮を轟かせるのだ!」
 集まって来る駒をオヴェリアが斬り捨て、ここより先には行かせぬとレオンハルトの進む道を切り拓く。
「貴様の城壁、我が一撃で砕いてみせる!」
 駆けるレオンハルトは迷いなく、真っ直ぐに突撃して剣を振り上げた。
「――目覚めよ我が魂、吠えろ我が獅子、――受けてみろ! 獅子王斬!」
 全身全霊の一撃。それは城壁をも切り裂く白獅子の牙。城壁にひびが入り、亀裂が広がっていくと城壁が割れた。
『ガアアアアアアアアアッ!』
 王竜の絶叫と共に城壁が崩れ、身体に縦に真っ直ぐに深い裂傷を負った王竜の姿が現れた。
『莫迦な、こんな莫迦なことがあってたまるか!』
 信じられぬと王竜は首を振った。
『その白獅子の紋章……どこかで見覚えがある……貴様は何者だ!』
 ふと何か思いだしたように王竜が誰何した。
「……貴様が忘れたとしても、ボクは一時たりとも忘れたことはなかった! 父上達の無念はボクが晴らす! 英雄殺しを気取るのもここまでだ!」
 過去の無念を思い浮かべたレオンハルトが震える声で叫び、その怒りと憎しみを籠めて剣を振るう。
『そうか、我輩に倒された英雄の血縁か……だが済まぬな、我が手によって屠られた英雄は両の手では数え切れん。……つまり、貴様の血縁など覚えておらん』
 くふふふふっと王竜は含み笑いを漏らし、レオンハルトを逆上させる。
「貴様ァ!!!」
 怒りに呑み込まれてレオンハルトが剣を振るおうとしたところで、頬を張るような声が聞こえた。
「レオンハルト! 貴公は何者だ!」
 こちらに背を向けたままオヴェリアがクイーンと対峙し、大剣を地面に突き立てて尋ねる。
「はっ! ボクは主の剣にして盾、聖騎士であります!」
「私は王として覇道を進む為に剣を振るおう。貴公も騎士として剣を振るえ!」
 襲い来る敵に、オヴェリアが地面を削りながら大剣を斬り上げ、逆袈裟にクイーンを斬り裂いた。
「そうだ。ボクは騎士だ。怒りではなく、“救世”の為に剣を振るう!」
 冷静さを取り戻したレオンハルトが斬り込む。
『チッ、余計な真似を。だが英雄の血ならば、素晴らしい色の薔薇が咲くだろう!』
 王竜は噛み砕かんと上から牙を剥く。だが捨て身の覚悟で飛び込んだレオンハルトはその一撃を躱し、冷静さを取り戻したことで気付いた胸にある傷痕に向かって剣を突き入れた。深々と入る刃から血が伝い、さらに押し込めると水袋が破れたように、大量の血が噴き出した。
『この我輩が……こんなところで……ああ、もっと薔薇で我が領土を彩らねば……』
 ゆっくりと王竜が倒れ込む。その力を宿した大量の血は深紅の薔薇に吸い上げられ、辺り一面に薔薇の花園が広がった。

「うおおおおおおおおおおおーーーー!!」
 レオンハルトは兜を脱ぎ捨て、雄叫びを上げながらもとめどなく涙を流す。それは獅子の慟哭のようだった。
「皆……敵は取りました」
 震える声でずっと脳裏に焼き付けていた家族の面影に呼びかける。夢に出る家族はいつも苦悶に顔を歪ませていたが、今浮かぶ家族の顔は皆穏やかで、生前によく見た笑顔を浮かべていた。
 その様子をオヴェリアは優しげな表情で見守っていた。


●不滅の薔薇
 ――戦いは終わり、竜の死も自然の淘汰の一つと、何事もなかったように薔薇は満開の花を咲かせている。
「不滅の薔薇か、竜の血を吸って咲いたものだ。あの竜に殺された人々の手向けには丁度良かろう」
「はい、ありがとうございます――」
 オヴェリアが覇気を纏って手を護りながら命を糧にする薔薇を手折ると、レオンハルトは頭を下げて真っ赤な目を隠し、その気持ちに感謝してまた涙が零れそうになってしまうのを我慢する。

「これが財宝の薔薇か! 食われない様に気をつけないとな!」
 グァーネッツォは採集ロボに変形して雲を掘り起こして薔薇を手に入れる。
「おおー、綺麗な薔薇ゲットだぜ!」
 そして嬉しそうに掲げてみせた。
「容器は大丈夫みたいだね」
 荷物袋から結菜は頑丈そうな容器を取り出す。
「これに保管して……うん、これで薔薇の繁殖も抑えられそうだね」
 結菜は不滅の薔薇を慎重に容器に移して確認して、大切そうに荷物袋に戻した。
「密封ならやはりこの宇宙技術の粋を集めて作られた密閉ケースです」
 グロリアは完全密閉型の透明ケースの中に薔薇を収納する。
「永遠に咲く薔薇ですか、竜の王をも魅了するだけあって、目が離せなくなりますね」
 絶奈もオーラを纏った手でその薔薇を手折って眺め、どの向きから見ても美しさを損なわぬ完成度にまさに財宝だと納得した。

「さぁ、不滅の薔薇は、どれ程の美しさでしょうか?」
 期待しながらローズが薔薇に近づく。薔薇は近づくものを捕食しようとするが、猟兵の力の前にはその棘は届かなかった。
「これが不滅の薔薇……これほど鮮やかな紅い薔薇は初めてです」
 ローズは感嘆の声を漏らし、そっと宝石を扱うように薔薇を瓶の中に封じ込めた。
「これは……確かに生気を吸い上げても枯れない」
 顕吉は薔薇を一輪手にして生気を吸い上げたが、薔薇は枯れずに美しい満開の姿を保っていた。
「素晴らしい。これならば何度でも使える。ドラゴンを倒したかいがあった」
 夢中になって顕吉は薔薇を眺め、その芳醇な生気を味わっていた。
「これを見てこの場に王座を作ったのでしょうか。確かにこの薔薇に魅了されれば、普遍の美しさを独り占めしたくなる気持ちも分かります」
 逢瀬はじっと見ていると、吸い込まれるように薔薇から視線が外せなくなりそうで、薔薇に酔ったように目を閉じた。
「この薔薇を元に新たな魔法を作れば美しいものになりそうです……ですがこのままの状態で飾っておくのも……」
 財宝を手に入れた歌織は、美しい薔薇を前にどうしようかと余計に悩み始めた。
「不滅の薔薇を手に入れましたの! これを売ればしばらくは遊んで暮らせますわ!」
 その隣でミネルバは全く悩まず、換金してどうやって豪遊しようかと考えていた。
「咲いてる薔薇を全部持って帰ったら……ダメですわよね……」
 根こそぎ持って帰れば幾らになるだろうとすぐさま脳内でミネルバが換算する。
「残しておけばまた繁殖しますわ。それに私達だけで独占すると、あの王竜のような末路になってしまいそうですわ」
 ローズの言葉に皆も納得し、それぞれが永久に咲く不滅の薔薇を手に入れたことで満足して、これからも雷雲を深紅に彩り続ける秘密の薔薇の園を後にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月13日
宿敵 『王竜・マクシミリアス』 を撃破!


挿絵イラスト