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誰が為に歩んだ結果

#サクラミラージュ #幻朧戦線 #籠絡ラムプ

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#サクラミラージュ
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#幻朧戦線
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#籠絡ラムプ


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●偽りの英雄
 帝都で一つの特報が世間を震わせていた。
『正体不明のヒィロォ、現る』
 殺人事件の記事ではあるが、なぜ良い意味でのヒィロォと言われるのか、それは狙われる人物は全員殺人事件や窃盗等何か悪い事を起こし、帝都の民から悪者と見なされていた人物のみであったからだ。
 その存在がいたからこそ、帝都の民は安心して生活や娯楽を楽しむことができる。
 いつしかその正体を確かめたいと、多くの人たちが探し回っているが、未だ成果はでていない。

 ……。

「と、言う事になってる」
 少女はベッドに横たわり、その記事の内容をまぢまぢと見つめる、その部屋はその同じ特報の記事で散乱しており、見るに堪えない状況となっていた。
 端から見れば、それは狂気以外の何物でもないだろう。
 少女は横に刀を置き、棚の上に保管していた物に燐寸で火を灯す。目標はあるが、それにたどり着く事など絶対に出来ないと悟り、自暴自棄になっていた際に骨董屋で見つけた小型のラムプ、それはいつしか少女の宝物となり、誰にも言えない秘密となっていた。
 骨董屋で見つけたがゆえに、埃等は沢山ついていた物の、その何処となく引かれる意匠が気に入り、つい買ってしまったのだ。
 でも、今ではその行動を起こした当時の自分に感謝こそしている。
「――し、師匠。私、今日もやれましたっ。」
 少女が見つめる先は、ラムプの光映る白き小屋壁、だが只の光ではない。その光には薄くだが、大きな剣を持った一人の女性の影が映っていた。その女性は少女に向かってニヤッと笑っている。まるで、少女の活躍を喜んでいるかのように。
 少女はそれを師匠と呼んでいる、なんでも師匠と出会ってから剣の腕がみるみる上達していったという。
「明日も頑張ります――で、ですから、見守っていてください、コホッコホッ」
 最近多くの人を斬ってきたからなのか、体調が悪くなっている。でも師匠を心配させまいと、そんなことお構いなしに見栄を張る。
 師匠の表情は変わらない、ずっと少女を笑っている。
「頑張ります――だから」

「見捨てないでください」

●グリモアベース
「やっほやっほ、ところで皆は籠絡ラムプという兵器を知っているかな?」
 帝都の中心部で、鍛冶用ハンマーを片手で振り回しながらソルティリア・ブレイズ(過去の剣豪・f27901)は、皆にそう問うた。
「影朧っていう不安定なオブリビオンを閉じ込めてる代物でね? それを使っちまうと、凄い力を得る対価に、何れ所有者が壊れちゃうどころか、その影朧が蘇っちゃって帝都が滅んじゃう可能性が出てくるんだ、相当ヤバい代物だよ」
 要するに、影朧の力を拝借することができるラムプと言ったところなのだろうか? 各々がそう口にすると、ソルティリアは『察し良し!』とグッドサインを飛ばした。
「勿論影朧の力を拝借した子はユーベルコードも使えちゃうわけで――あ、ここまで言ったら分かるかな? そう、ユーベルコードは万能な力だけど、適合しない者が使っちゃえば、身も心も滅ぼしちゃう力になってしまうんだ。
 そして今回、その兵器を使ってる存在を確認したから、皆にその存在を見つけ出し、ラムプの回収を行ってほしいんだよね」
 ユーベルコード、それを一般人が何らかの理由で手にし、世界が滅びかけてしまったという事例はいくつか存在する、故に今回の騒動は放っておけばカタストロフィなど簡単に起こってしまう事など想像に難くない。
「ラムプを使った所有者だって、何も知らずに使ってしまったらさぁ~? 一種の被害者となっちゃうんだよね、可哀そうに。
 だから、取返しのつかなくなる前に、その子も保護しなきゃらないないし、やる事はいっぱいだよぉ~。心身がボロボロになってたら、相当ヤバい状況だからね」
 いくらその力を好き勝手に行使したとしても、ラムプの入手経路は大抵が偶然の産物だ。もしそれで加害者扱いにされてしまっては、復帰した所有者も納得いかないだろう。
 故に、所有者も被害者として扱うのだ。

「手がかりとなるのはこれっ、正体不明のヒィロォの特報記事ッ。内容も荒唐無稽でさ? 凄い怪しいんだよね。何でも、誰も正体を知る事ができない正義の味方扱いされてるとかなんとか……ね? 可笑しいでしょ」
 ソルティリアは特報記事をぴらぴらと見せながらそう告げる。それ以外に所有者が起こしたと思われる事件も発見されなかったがゆえに、一番可能性のある手がかりと言えるであろう。
「それじゃぁ、保護と回収よろしく頼むね。
 それにしても、可哀そうなもんだよ。ラムプを所有して使ったとしても、得た力に興味がなければ、すぐ捨てたりするものなんだ。だから、所有者には何かしら理由がある。その力を得る理由が。
 今回はどういう理由なんだろうね?」
 ソルティリアは意味深な言葉を言い残し、その場を去った。


神崎-Kanzaki-
 こんにちは、神崎-kanzaki-です。
 2作目です、今作も気合入れて頑張ります。

 ★当シナリオは以下の手順で進んでいきます。
●一章―――帝都を散策し、ラムプ所有者を探る。
●二章―――所有者が放つ影朧と戦うボス戦
●三章―――所有者のその後。
 一つの章のみの参加でも構いません、気軽に参加お待ちしております。

 ★プレイングについて。
 章公開時に、断章を公開します。プレイング送信は、断章公開後でお願いします!

 それではみなさんの素晴らしいプレイングお待ちしております。
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第1章 日常 『営みの裏に潜む影』

POW   :    体力、勘に物を言わせて事件に向き合う

SPD   :    捜査は脚で、つまり健脚こそ事件解決の第一歩

WIZ   :    整理しよう。きっと何か見落としがちな手がかりがある

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



「誰かがいる……?」
 暗い路地裏で一人の少女が顔を出す。
「皆強そうだなぁ……コホッコホッ、あぁ違った、私は今誰よりも強いんだ……そう、誰よりも、そうですよね? 師匠」

 手元にはあのラムプ、決して誰かにバレてはいけない自分の宝物。
「一先ず隠れよう――もし見つかったとしても……同じように逃げれば問題ない」
 そう呟き、少女は路地裏の闇の中へと消えるのだった。

 果たしてそれに気づいた猟兵はいるのでしょうか?
八坂・操
【SPD】

ヒーロー物は良いよね♪ 自身の力と環境に苦悩する主人公に、スカッとする勧善懲悪! ヒヒヒッ、操ちゃんも大好きだよ♪

そんな訳で、操ちゃんは記者に『変装』して『情報収集』と行こっか!
事件現場を調べるのが手っ取り早いんだろうけど、そんなのは無かったらしーし、ヒーローの記事が出回った辺りを虱潰しに聞き込みだ!
「すみません、私大空新聞の八坂と申します」
「近頃この辺りでヒィロォの記事が撒かれたそうで、ウチの新聞でも本格的に取り上げようと取材に来たのですが、何かご存知ありませんか?」
記者が堂々と嗅ぎ回っていれば、記事をばら撒いた相手も無視出来ないだろうね♪

実在しない事件をでっち上げたヒーローさん。



●帝都の記者(?)調査録
 ヒィロォ騒ぎで活気が満ちている帝都に一人の女性がハイテンションで舞い降りる。
「ヒーロー物は良いよね♪ 自身の力と環境に苦悩する主人公に、スカッとする勧善懲悪! ヒヒヒッ、操ちゃんも大好きだよ♪」
 独特な感想を抱きながら、八坂・操(怪異・f04936)は街中で噂されているヒィロォ騒ぎを耳に入れる。映画鑑賞好きな彼女にとって、これほどまで興味を惹かれる物は左程ないだろう。
「気になってしまっては仕方ないね♪ そんなわけで、操ちゃんは情報収集と行こっか!」
 手に取りだしたのは謎の小道具類――いや、衣装セットといった所だろうか? 眼にも止まらぬ速さで丁度いい物を厳選し、着替える。単なる早着替えとは形容できない程の荒業であった。
「じゃーん、記者ちゃんに変装だー! 事件現場を調べるのが手っ取り早いんだろうけど、そんなのは無かったらしーし、ヒーローの記事が出回った辺りを虱潰しに聞き込みだ!」
 どんな変装しても彼女のハイテンションぶりは変わらない。されど、その変装のクオリティは彼女のハイテンションぶりが目立たない程素晴らしい物であった。
 広い帝都の景観にも溶け込んでおり、周りの人からは『なんだ、ただの記者か』程にしか思われなかったという。

「それじゃぁさっそく~――すみません、私大空新聞の八坂と申します」
『うん? なんだなんだ??』
『その身なりは記者の者か? 俺達に何の用だ?』
 先程ヒィロォ騒ぎの噂をしていた男性二人に声をかけ、今回の事件について彼女は単刀直入に聞く。こういうのは、変に言葉を変えたりすると返って分かりづらくなったり、怪しまれたりするので、ド直球に聞いた方が分かりやすい。
 変装している身にとって、怪しまれたりされるのは一番危険な事である。
「近頃この辺りでヒィロォの記事が撒かれたそうで、ウチの新聞でも本格的に取り上げようと取材に来たのですが、何かご存知ありませんか?」
『あぁ例の奴か、そうそう聞いてくれよ記者の嬢ちゃん? なんでも、帝都で悪さしてる奴を異様な手段で消し去るって話だそうだ、おっかないだろ?』
『事件現場を見た奴はいるみたいだけどな? 言ってる事もおかしくて信用されてないってオチだそうだ。死体もいつの間にか消え去っているそうだ』
『『だから犯人も見つかる事もない』』
 男性二人は同時にそう彼女に告げ、笑いあった。成程、特報記事の内容が荒唐無稽なのはこれが原因であったのか、つまるところ人間が到底起こせる物ではないが、実際に起きた出来事――ということだろう。
 それを可能にする事柄、といえばもうそれはこの世界だと籠絡ラムプという代物に他ないであろう。
「なるほど~っ!? ありがとうございます、お二人さん♪」
『おう嬢ちゃんも悪い事してやられねぇようにな~?』
 二人と別れ、再び別の人に声をかける。「すいません~」と先程と同じ要領で。
 それを繰り返していくうちに、彼女はふと帝都の路地裏から何者かの視線を察知する。
(ヒヒヒッ、引っかかった?)
 記者(に変装してる自分)が、堂々と自分に関することを色々嗅ぎまわっていたのなら、当然それに反応しないわけがない。
 何か後ろめたい事のある人間の持つ特殊な感情だ、例えるならば泥棒が『自分の事についてバレたのではないか』と気になってしまう感情に近いだろう。
 故に――

「み~つけた♪」
『……ッ!』
 路地裏から覗いていたであろう人影はすぐさまその奥へと逃げ去ってしまう。きっとあれが、探し求めていた目標《ターゲット》であろう。
「逃がさないよ~!」
 恐らく無駄だろうと知りつつも彼女はその後を追って暗い、暗い、路地裏の中へと入っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

雪華・風月
うむむ…正義のヒィロォですか…
悪人がいなくなり平和になるのは良いことではありますが
罪は法で裁かれるもの…個人による裁きでは冤罪という可能性もありますから
その辺り複雑な気持ちですね…

まぁ、籠絡ラムプの力によるものであればその持ち主の方の身のためにも
止めなければ、なのですが…


特にそういう捜査が得意でもなく、UCがあるわけでもないので
地道に足を使って探すとしましょう

殺人事件、正体不明…つまり誰にも見られていないということですかね?
ならば、路地裏等の人の目が届きにくい場所を重点に探してみるとしましょう



●真実の道も正しい正解も一歩から
「うむむ…正義のヒィロォですか…」
 路地裏で一人、雪華・風月(若輩侍少女・f22820)は歩きながら考え込んでいた。いや、気持ちがもやもやすると言った方が正しいだろうか?
 今回の任務、引き受けたは良い物の、今回の目標《ターゲット》について考えると、どうもモヤモヤせずにはいられないのである。
「悪人を倒すヒィロォ…確かに、悪人がいなくなり平和になるのは良いことではありますが」
 罪は法で裁かれる――それが理ではある世界に、ヒィロォという存在はいるのだろうか? 個人で悪を裁く、それに関しては悪い事ではない。だが、個人の判断であるがゆえに、無実の人にも危害が及ぶ可能性もある……メリットとデメリットは半分半分だ。
「複雑ですね…まぁでも、籠絡ラムプの力によるものであればその持ち主の方の身のためにも止めなければ、なのですが…」
 故に早く見つけたいところなのだが――捜査が得意ではない自分に、有用な力やUCなどあるわけがなかった。
 だから虱潰しに探っていくしかないのだ。
「殺人事件、正体不明…つまり誰にも見られていないということですかね? その手ならば、路地裏とか怪しそうですが」
 よって今に至り路地裏を歩いている。なんとも安直な考えだ、こんなんで見つかるのだろうか?
「まぁ、行動しなければ何も起こりませんからね、暗い路地裏ですが探してみる都市まっ……て?」
『うわっ』
 何かにぶつかった。暗い路地裏である、人とぶつかる事なんてあり得る話である。こんな路地裏にいるくらいだ、どんな恐ろしい人なのかと顔をあげると……。

 そこにいたのは少女だった。
『いたた……ご、ごめんなさい。……あれ? なんか、強そうな人?』
「えっと?」
 少女は雪華の顔を見るなり、一目散に逃げ出した。何故? と想い、ふと少女の手を見ると、何やらラムプの様なオブジェを引っ提げているのを確認する。
 ――まさか。
「……こんな偶然あるんですね」
 目標《ターゲット》が見つかったのなら、ここからは彼女の十八番だ。追いかけっこは頭を使わない分、自分にとって都合のいい事であった。
「逃がしませんよ…」
 見失わない様に、ただ目標を眼で追いながら、自身も素早い速度で追いかけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
偵察技術が役立てそうな案件なら任せてください
ただ、追跡対象ではあれ殺していいとまでは言われてませんし
…交渉も想定し、人派の姿で参加しましょう
人ウケいいんですよ、あっちの顔


●追跡・情報収集・地形の利用

ユーベルコード使用、携行する【諜報道具一式】から音を頼りに探します
路地裏に逃げ込んでくれたのは幸いでした
そこなら人の出す音は特徴的過ぎます
足音、呼吸、布の掠れる音でさえも
まして刀でもランプでも余計な物を持つ所以に立つ音もあるでしょう
逃げ方に関しては素人なはず?我々猟兵は数を頼りに悠々と追い詰めればいい

敵は影朧
無駄に体力を消耗する余裕はありません
話し合いで解決できればラクですが…そう上手くはいかないか



●微かな音でさえも
 出店や家屋、裏の事情が垣間見える路地裏。
 ――……その全てに通じる人通りの多き帝都の中心部、そこに男性が一人ベンチに座り、持ち運び可能な箱に入れられた《諜報道具一式》を弄りながら、周りに聞こえない程の声量で独り言を呟いていた。
「まずは人探し、ですか。偵察技術が役立てそうな案件ですね」
 目標がどこにいるか直ぐにわかれば、その後の行動速度に大きく影響する。長々と探し、時間をかけるのは物事を複雑化するだけで余り得策ではない。
 ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は、それ故に効率よく目標を探す事に適した盗聴装置や測定機器等の延長技術を使用した諜報は得意であり、これまで幾度となくその大体をこなしてきたという。
「これで良し、ラムプを持っているという事ですし、それが持つ特有の音を探ってみるとしましょう」
 彼が一たび力を念じると、目の前の《諜報道具一式》が一斉に作動を開始し、周囲の微かな音の盗聴、測定を開始する、これが彼の持つユーベルコードの一つ――……音源探知《ノイズディテクション》。
 ――……
 ――……
 ――……カランッ
 すると、右端に見える路地裏へ通ずる細道から、何かが擦れたような物音の盗聴、測定に成功する。勿論彼はそれを聞き逃さなかった。
「成程、路地裏ですか。そこに逃げていたとは……幸いでしたね、何せ路地裏で人が起こす音というのは少々独特ですから」
 道が狭い分、音も反響する。反響した音は同じ路地裏にいる者からは良く響き、どこから発せられているのかもある程度特定が可能である。
 足音――呼吸――布や物の掠れ――普段の帝都ならば判断材料にすらなり得ない音でも、だ。
「それに相手はラムプを持つ――そして、先程見せてくれた特報記事には刀を使ったような形跡があると書かれている、故に目標は刀も携帯している事でしょう。判断材料が揃いに揃ってしまいましたね」
 単純明快を良しとする彼の顔に思わず笑みがこぼれた。ここまで知る事ができたのなら、後は簡単だろう。
「あとは路地裏の出口を他の猟兵が監視――そして私含めた多くの猟兵達で悠々と追い詰めればいい。
 敵は影朧、体力はそこまで使えないですね。話し合いで解決できるといいのですか……」
 彼はスッと立ち上がり、路地裏へと足を運ぶ。

「(念のため人派の姿にしてますが――事が上手く運ぶ事を祈るしかないですね。人ウケは良いので、期待だけしておきましょう)」

成功 🔵​🔵​🔴​

響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです


リク・ネヴァーランド(サポート)
「大丈夫、“僕たち”が来た!」
うさぎ人の住む不思議の国、ラパンドール王国の元王子様です。
魔法の本の中に王宮を封じ込めることにより、王国と国民を携帯している状態にあります。
本の中から国民や過去助けた愉快な仲間達を召喚したり、剣を用いたりして戦います。

利発そうな少年といった口調で話し(僕、~さん、だね、だよ、~かい?)、年上の人や偉い人には敬語を使います。戦闘中は凛々しく台詞を言い放つことも多いです。

ユーベルコードは設定したものを何でも使いますが、命よりも大切な魔法の本に危害が加えられる可能性がある場合は本を用いず、自分自身の力で何とかしようとします(他の猟兵と連携が取れそうなら取りに行きます)。



●愉快で可憐な捜索隊?
「籠絡ラムプか……何とも恐ろしい物だね!」
 リク・ネヴァーランド(悠久ノ物語・f19483)は、広い帝都をトコトコと歩きながら目標の居場所を探る。しかし、やはりと言うべきか、どこを探しても該当するような人物は見つからない、やり方を変えた方がいいのか?
「帝都というこの場所はすごい広いんだね、ラパンドール王国と同じくらいかな?」
 彼はうさぎ人という種族が住まう不思議の国の王国の一つ、ラパンドール王国という場所の元王子様であった。今その王国は、手に持った魔法の本に封じ込めている状態であるが、王国はもちろん国民たちとも連携がとれる状態にある。
 やはりこういう人探しというのは、一人だけだと難しいね――……そう判断した彼は、抱えた魔法の本を取り出し、国民と過去助けた愉快な仲間たちを召喚する。
『王子様、久しぶりですね。お元気でしょうか?』
『王子様!』
 さすが元王子様と言うべきだろうか? 国民や仲間たちからの信頼は相当厚いようであった。
「うん、元気だよ! 実は今とある人を探しているんだけど、手伝ってくれるかい?」
『王子様の頼みならば喜んでお受けします!』
『わかりました!』
 二つ返事で引き受けた彼/彼女らは、すぐさま帝都に散らばり捜索を開始した。
「これで見つかるといいんだけどね……よし、僕ももう少し探さないとだね」
 と、彼は再び帝都に繰り出そうとすると、一人の女性が彼の元に駆け寄ってくる。

「あら……可愛いウサギ耳ですわ!」
「ん? え、あ、えっと?」
「あ……突然すみません。私は響納・リズと言う者ですわ」
「は、はい……僕はリク・ネヴァーランドという者です」
 突然語り掛けてきた響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)と言う女性は謝罪しながら自己紹介した。
 その勢いから、彼はつい敬語になってしまった。しかし、見た感じ相手が年上であると悟ったのか、そのまま敬語で話す事にした。服装から推測するに上級階級の者だろうか、まだ親しみやすそうな人であったのは不幸中の幸いであった。
「リク様ですわね、宜しくお願いします。私、可愛い動物や年下の子には弱くて、ついつい話かけてしまいますの」
「成程そうでしたか……それならば仕方ありませんね」
 それでいいのか、と内心彼は突っ込んだ事だろう。
「……あ、もしかして、リク様も人捜しでございませんこと?」
「あなたもですか?」
 どうやら彼女も同じ籠絡ラムプ所持者を探す猟兵であった。お互い『連携とれそうだ』と安堵したことだろう。それを裏付けるかのように、両者同時に安堵の息をもらした。
「――一先ず召喚した仲間たちと共に帝都中を探しているのですが、やはり簡単には見つかりそうにないですね」
「その様ですわね……何か見落としている場所は……」
 これ程広すぎる帝都だ……探すのも一苦労だろう。だが、複数人で探しているのだ、それなのに見つからないという事は……。
「……細い道にいるかもしれませんわ」
「細い道、ですか?」
「そこの路地裏とか隠れるのに良さそうじゃありませんこと?」
 リズは道脇に存在する小さな道の入り口を指さした。そこは比較的暗い道であり、余り立ち寄りたくない雰囲気を放っていた。確かにここなら隠れるには持ってこいの筈だ。
「な、成程……盲点、ですね。探してもらっている仲間たちにも伝えてみましょう」
 本の力を経由して、先程召喚した国民や仲間たちにすぐさま路地裏を探すように伝達する、彼/彼女らは『了解しました』と脳内に返事を送った。

 ――……『ラムプらしき物をもった少女を見かけました!』

 数分して国民から脳内連絡が入る。
「どうやら、見つかったようです! 行きましょう!」
「やはり見落としていたようですわね、ご一緒しますわ!」
 2人はその国民に具体的な場所を伝達してもらい、急いで路地裏へと駆け込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『人斬り『十香』』

POW   :    血戦山河
【魔刃刀『裏正』】が命中した対象を切断する。
SPD   :    悪鬼羅刹
自身に【裏正に封じられしかつて斬った人々の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波と血のような斬撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    百花繚乱
自身の【瞳】が輝く間、【魔刃刀『裏正』による斬撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はガイ・レックウです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●路地裏にて
「い、行き止まり?」
 少女は猟兵達の策にハマり、行き止まりの場所へと逃げ込んでしまった。猟兵達は好機と捉え、ジリジリとその距離を縮めていく。
「わ……私が、私がやらなきゃ」
 腰に担いだ鉄剣の鞘に手をかける。

 ――……だが、目の前の猟兵達の存在に圧倒されているのか、身体の震えが止まらず、鞘を抜く事ができなかった。

「どうしよう――師匠っ」
 彼女がその名を叫ぶと、ラムプの炎が輝きを増し、遂にそれは直視できない程へと到達する。
 その光はすぐに収まり、猟兵達が目を開くと、先程まではいなかった場所に赫い刀を担いだ女性の影朧が出現した。
 これが――彼女に力を与えている影朧だろうか?

『全く――この子はただ人助けをしているだけなのに、それだけで怖い顔をしながら追い詰めるのかい?』

 殺意を放ち、影朧は貴方達に語り掛ける。
『私も昔、長く悪い奴を成敗する人斬りをやってたんだ。お前達みたいな存在は、その時の悪い奴によー似てるわ』

 ――だから、この子の代わりに私が成敗してあげる。
雪華・風月
人助け…その果てに自身の、この世界の破滅があるとしてもでしょうか?
彼女はその不利益を知っているので?

わたし達が悪人なら貴方は口八丁で善人を騙す詐欺師ですか
もはや問答無用、ただその悪心を斬るのみです


雪解雫にて『切り込み』を
足を活かし、動き回りながら敵の刀と交わせ
敵の剣筋を目で覚えさせてもらいます
敵のUCを動作から『見切り』、『カウンター』のUCによる一太刀を
我が刃にて、邪剣を断ち、心を正す


師を名乗るなら剣だけではなく心も正しく導くものです
貴方に師を名乗る資格は…ありません



●本当に正しき事
――だから、この子の代わりに私が成敗してあげる。
 彼女の師だと言う影朧がそう告げ、貴方達に刀を向ける。ギラリと輝るその刀身から放たれる覇気は、流石と言わざるを得ない程だった、それも恐らく影朧が過去に“悪い奴を成敗していた存在"であったが故なのだろう。が――……

「人助け…その果てに自身の、この世界の破滅があるとしてもでしょうか?」
『うん?』

 雪華・風月(若輩侍少女・f22820)が、誰よりも先に口を開いた。ただ率直に感じた疑問を影朧に投げつける、こんな物を投げかけた所で、相手が動じない事など想定の範疇ではあるのだが。
「貴方から力を借りて人助けをすることで、彼女の身体は害される――そのことです。彼女はその不利益を知っているので?」
 雪華は影朧の後ろで震える少女に視線をやる。時折咳込むような仕草をし、顔は少し熱があるかのように赤くなっている。これも影朧の力を借りて、得た代償なのだろう。
『……人助けってのは、そんな簡単じゃない事は彼女も知ってるだろうと思ったからね。知らないで言っているのなら、とんだ大馬鹿者だよ』
「――何故説明しなかったのです? することによって、何か不都合な事があるからでしょう? ならば貴方は、口八丁で善人でありたい者を騙す詐欺師の様な者です。
 そんな貴方に、誰かを悪人だと言う事も……師を名乗る資格も、ありません」
 雪華はゆっくりと腰につけた刀を鞘から抜く。もうこれ以上、影朧と会話しても無意味と判断したのだろう。それを示唆するかのように、雪華の眼は影朧に対する純粋なる敵意に染まっていた。
「師を名乗るなら剣だけではなく心も正しく導くものです!」
 ダンッ――……と、地を蹴り、影朧に向かって刀を振り、勢いよく切り込む。当然影朧はそれに反応し、手に握った大きな赫い刀でそれをいなす。
『いい切り込みだっ、ならこういうのはどうだ』
「!」
 突如、影朧の瞳が赤く煌めく。影朧の動きが、次第に陽炎の如く揺らめき始める――いや、これは残像か?
『百花繚乱!』
「(これは……)」
 影朧の動きが早くなったのか知らぬが、一度に刀を振ったかのように思えば、剣閃は9個に増えていた。
 雪華はその剣閃一つ一つを後退しながらいなし続ける。こういう斬撃には大抵法則性がある。一つの剣技として成っているのならば、斬りこむ場所が同じであったりする事等が多い。
 一つの剣技を即席で別の剣技へと派生させる事は、容易い事ではない。それが出来る剣士という者は、それ即ち歴史に名を刻む者のみであろう。

「……剣技という者は目で見て覚えるのです」

 ――……

 何度いなしただろうか? 何十? 何百? いや、もう誰にも分らない。でも、これだけは分かる。
 もう、この剣技は見飽きたという事。
「頃合いです」
『何?』
 相手の剣閃一つをいなした刹那、地を蹴り影朧の方へ刀を素早く振る。強くいなした際に出来る隙という物は予想以上に大きい。
「もう見飽きたという事です。後はそのふざけた悪心を斬るのみです」
 一閃、雪華の持つ霊力のこもった刀《雪解雫》で敵の心臓部――いや、心を斬る。
『なっ――』
 燕返し、カウンターによる一撃。それは不可避の斬撃。
「……凄い」
『くっ……いや、まだだ!』
 影朧は立つ、だが勿論想定の範囲内。油断は禁物――と、再び雪華は刀を握る。
 だが、少女が漏らした『凄い』という言葉を聞いた雪華は、少しだけ心を撫でおろしたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルベナ・ラウンドディー
失礼。貴女のお名前は?
…あんたじゃねえ影朧、保護対象のヒィロォごっこさんのほうです
何がしたいのか知りませんが殺されそうなので倒して構いませんね?




●地形の利用・串刺し・読心術

狭い路地裏で刀を、それも斬撃で振るうのは難しいのです
その点では突きに優れる直刀はこの状況では向いてますが…
爪や牙で突く、刺す、避けるの体術で応戦します
…剣術で格上の相手に同じ剣術で勝負など仕掛けませんよ。刀を使うと警戒させ、その裏を突いてこそ刀の名手です
体術を警戒されたら?それこそ直刀の出番です


●逃げ足・優しさ
私は戦闘は専門外です
ほどほど交戦を済ませたら保護対象を連れて後退します
…人斬りが向いてるようには見せませんけどねぇ…



●巧な戦術
 他の猟兵達が影朧と戦っている中、ベルベナ・ラウンドディー(berbenah·∂・f07708)は常に冷静であった。その時、ふとある疑問を投げかけた。
「失礼。貴女のお名前は?」
 誰もがこの状況下で必要だとは思わないその疑問に、影朧は猟兵の攻撃を裁きながら応答する。
『何だ? その疑問は――』
 彼はすぐに舌打ちする。
「あんたじゃねぇ影朧、保護対象とされている後ろのヒィロォごっこさんのほうです」
 指さした先には身震いしながら、座り込んでいる少女がいた。が、小さい声で泣くだけであり、彼の言葉に反応することなんてなかった。
 それを見てすぐに彼は呆れた様な溜息をつく。
「何がしたいのか知りませんが殺されそうなので倒して構いませんね?」
「ぁ……だ、ダメ、コホッ」
 少女の言葉を気にする事なく、彼は影朧の隙を見計らって一気に間合いを詰める。影朧もそれに気づいたのか、戦っていた猟兵を弾き飛ばし、彼を迎撃する体制に入る。
『(間合いを詰めた――刀か?)』
 影朧は彼に向かい、勢いよく刀を振り下ろす。
「(狭い路地裏で刀を、それも斬撃で振るうのは難しいですね――ならば)」
 彼は振り下ろされた刀に向かって、自身の爪を大きく振り上げ、それを弾き飛ばす。その時に出来た隙を見逃す程甘くはなく、すかさずそこに片腕の爪で致命傷を突く。
『くっ……へぇ、中々な体捌きにその爪……人の物じゃないな。剣術相手にそれで挑むとはな』
「…剣術で格上の相手に同じ剣術で勝負など仕掛けませんよ」
 相手の剣を的確に避け、その際に爪や牙で突いたり、刺したりする簡単な仕事――だが、相手の剣も流石の物であり、いくつか剣閃が掠り負傷する。
 剣士という物は、戦いの中で成長していく者である。相手がどういう手で戦うかを見極め、その中で順応していく存在である。影朧も恐らくだが、相手が体術の使い手だという事を悟り、戦い方を体術相手に変えてきているのだろう。
 それを裏付けるかのように、剣を薙ぎ払う等こちらの体勢を崩すかのように戦い方を変えてきていた。
 だが、それも彼は計算のうちであった。
「まぁ、剣術を使わないとも言ってないですしね」
『!?』
 相手が薙ぎ払い終わったのを見計らい、腰から隠していた直刀を取り出し、それを敵の腹部に向かって勢いよく突く。直刀は相手を刺殺することに適している、故に直ぐには使わず、相手が刺しやすい動きをしてくれるまで待っていたのである。
「私、本来戦闘は専門外なのです。後はお任せしますよ」
 そう言い残し、動きを止めた影朧を過ぎ去り、その後ろにいた少女を抱きかかえ、保護する。
「えっ…だ、誰?」
「ただの猟兵です。…それにしても、全く人斬りが向いている様には見えませんけどねぇ」
 彼は少女と共に、そのまま元の定位置へと戻っていった。少女の問題は一先ず解決した、後は奴を倒すだけだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

八坂・操
【SPD】

悪い子どこの子操ちゃん! ちょっと調べてるだけで悪い子扱いするなんて酷くない?

「ね、操ちゃんもそー思うでしょ?」
「操ちゃんもそうだそうだって言ってるよ!」

そんな感じで【影の煩い】でもう一人の操ちゃんを出して、場を攪乱しよっか♪
ある程度の斬撃なら『見切り』、隙を見て包丁を『投擲』だ!

「ヘイ、操ちゃんパス!」
「わぁ自分殺し!」
「頑張れ二刀流!」

どっちが本物かは分からなくとも、無手になれば当然『おびき寄せ』られるよね? ここまでが『フェイント』だよ!
相手の攻撃に合わせて『カウンター』狙いの『串刺し』貫手だ!

「ごめん、嘘♪」
「操ちゃんったら悪い子!」

ヒヒヒッ、操ちゃん無手の方が強いんだ♪



●搦手
「ちょっとちょっと! 悪い子どこの子操ちゃん! ちょっと調べてるだけで悪い子扱いするなんて酷くない?」
 影朧の言い分に『さっきから言わせてみれば』と言わんばかりのハイテンションな声で、八坂・操(怪異・f04936)が声を上げる。その勢いには、流石の影朧も驚いた様であった。
『どうせお前“ら"も責め立てるのだろう? ただ人助けをするだけの善良な者にさ』
 八坂はその言い分に対して特に何も返さなかった。ただ何時ものように、笑っているだけ。
 それに――影朧が驚いたのはそのハイテンションぶりな事だけではなかった。
「知らないよ! 操ちゃんは良い子だよ! ね、操ちゃんもそー思うでしょ?」
「操ちゃんもそうだそうだって言ってるよ!」
 ハイテンションな様子でしゃべる彼女の後から、もう一人の彼女がひょっこりと姿を現す。見た目も性格も瓜二つ――双子にしては出来すぎていると言った感じであった。
 二人に増えた事で、周りの猟兵も騒然とし始める。もはや、この戦場は八坂の独壇場と言っても過言ではなかった。
『な、何だこれは! しかし、例え増えたとて、斬れば問題ない!』
「おっと! 危ない危ない! そしてヘイ、操ちゃんパス!」
「わぁ自分殺しだ!」
『本当に何なんだ?』
 予想を上回る出来事に、影朧の放つ斬撃も少し弱まっている様に感じた。想定外の出来事に弱いタイプなのだろうか? もしそうだとするのなら――と八坂は妖しく笑った。
「操ちゃん頑張れ二刀流!」
『――躱す際の動きはそう速くない、ならばッ!』
「ひゃー刀だよ! こわーい!」
 地を駆け、素早い速度で影朧は八坂の腹に一発剣を振るう。だが視線は背後を向き、後ろの包丁二刀流の八坂にも注意する。襲い掛かってきたならば、多少の体術で弾き返せばいい、そういう算段だったのだろう。

 ――……だが

『……な』
 刀先が八坂の腹に触れる――事はなく、逆に影朧の腹に八坂の腕が振れていた。――というより、貫通していたと言ったほうが正しいだろうか?
『ぐぁ……な、なんだこれは……』
 膝から崩れ落ちる、まだ死にはしないが相当なダメージを負った事は確かだろう。
「ごめん、怖いの嘘♪」
「操ちゃんったら悪い子!」
「ヒヒヒ、だって……」

 ――……操ちゃん無手の方が強いんだ。

 その時に見せた八坂の笑顔は、周囲に恐怖を与えたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

家綿・衣更着(サポート)
「衣更着参上!っす」

狸妖怪の忍者っす。
人と妖怪に友好的で人助けを好み、食べ物は粗末にできないっす。
どろんバケラーらしく【化術】と【おどろかす】を有効利用し、忍者っぽい行動をするっす。

ユベコは状況に応じて有効なものを使うっす。
困ったら『トリプルどろんチェンジ』か『綿ストール本気モード』

戦闘時は妖怪煙を大量放出し煙幕のようにして【迷彩】し、敵の攻撃には【化術】で煙に【残像】を映してかく乱したり【見切り】と【結界術】で回避っす。
忍者手裏剣【乱れ撃ち】しつつ、敵の視界外で【化術】と【演技】で敵が油断する姿になりストール布槍で【だまし討ち】【暗殺】っす。

エロは勘弁を
アドリブ歓迎。よろしくおねがいします!


神楽坂・神楽(サポート)
「お主が今回のターゲットのようじゃな」
「では、捕まえさせて貰おうとするかの」
永年の功夫により10層の《氣》を纏うに至った武術家です。
大地を砕き、大河を分断する武術と気功、そして、ユーベルコードをも分解・吸収する《刻印》を用いて戦います。
搦手はあまり好きではなく、敵のユーベルコードを弾いて一気に接近。《氣》を集束した一撃を叩きつけます。

敵を倒せたならば、刻印で敵の全てを分解・吸収します。
「最初に捕まえると言ったが、あれは嘘じゃ」
「お主の身体は肉片一つ残さずこの刻印が喰らってくれるでな。後片付けは気にせんで良いぞ」



●見えざる手法
『(状況が悪い……一時退くか?)』
 影朧は猟兵が想像以上にやり手であるという事に気づき、焦りを感じていた。敵が想像以上に多く、一つ一つを捌くのに精いっぱいな状況であった。
 猟兵は特異な力を持つと聞くが、それは影朧も同じ。特異には特異を――故にてこずる事などそうそうにないと思っていたのだが、どうやら自分は過信しすぎていたようだった。

 されど。

『舐めるな!!』
 紅き刀身を靡かせ、先ほどとはくらべものにならない程の速さで戦場を駆け、勢いよくそれを振り回す。影朧の血と斬られた者の思念が纏わりついた恐ろしい斬撃、衝撃波――それら全てが猟兵たちに向かって迸る。
『“悪鬼羅刹"、とくと味わいな!』
 その斬撃は誰にも遮られる事は無く――猟兵の命をすぐ様に刈り取っていく――。

 事は無かった。

 故は、その斬撃は猟兵にあたる前に謎の煙によって遮られ――その中の見えない“何か"に衝突し、相殺されていた。
『何?』
 ただの煙ではない事は想像がつく。それに、姿こそ見えないが、人の気配は感じる。猟兵であることには間違いない。だが――一体誰が。
 迷走していると、煙の中心から快活な声が渡る。
「遅れてもうしわけないっす! 衣更着参上!っすよ」
 誰かまではわからない、がそこにいるのは確かだ。
『ふん、煙で姿を隠した所で、声を上げては意味がない!』
 影朧は自らを省みず、煙の中へと入り、中心部を袈裟斬りにする。――が、斬った感触はない。
 いや――そこには確かに存在していたのだろう。が、猟兵はおそらく煙の中で刀を見切り、その隙をつき避けたのだろう。恐ろしい程の動体視力だ。
『くそ、どこだ!』
 周囲を警戒し、見渡し、耳を澄ます。――物が動く音が一つ、二つ、三つ――いや、何人いるんだ? 動く音が多すぎる。
『(なんだ……)』
 音が大きくなっていく。やがて一番大きくなると、顔の横を一つの手裏剣が掠る。
『手裏剣か!』
 刀をぶん回し、迸る手裏剣を同時に弾く。
「ダメっすね……以外と警戒心が強いっす。でも……」
 あの振り回しと斬撃はおそらく、先ほど影朧が放った悪鬼羅刹というユーベルコードの物だろう。ならば――後は“もう一人"の猟兵に託すしかないだろう。先ほどここに向かう途中で出会った猟兵だ。

『でも…なんだ』
「…ふっ、お主が今回のターゲットのようじゃな」
『?』
 先ほどとは違い、強い氣を感じる声が眼前の方から響く。このような煙の中ならば、眼前ではなく周囲を動きながら接近した方が都合がいい――筈なのに、その声は眼前から響き、しかもどんどんこちらに近づいている。
『馬鹿だな、せっかくの煙も台無しじゃないか!』
 影朧は再び、悪鬼羅刹の斬撃を眼前に放つ。声の響きの方角は変わらない。攻撃が放たれたにも関わらず。
『(舐めた真似を)』
再び斬撃を何度も放つ――その瞬間、何かが弾かれる音が無数に起こり、眼前に一人の女性が素早い速度で迫る。
『なっ』
「わしにそのような手は効かぬ。では、捕まえさせて貰おうとするかの」
 彼女は影朧の放ったユーベルコード と 元々持っていた自らの氣を両方纏った拳で影朧を勢いよくたたきつける。
『がっ……』
 その際の音は帝都中に響き渡り、多くの者はその音に恐怖さえ感じたという。
 その一撃をまともに食らった影朧は、これまでの猟兵たちとの闘いでの負傷も合わさり、地に伏して動けない状態となっていた。
『私が――負けるだと?』
 空を仰ぎ、ありえない状況に困惑する。――そこに、先ほど攻撃を放った女性がやってくる。
「他愛もないのう」
 そして笑みを浮かび、彼女は自らの持つ刻印を発動させる。
『何だ……何を』
「最初に捕まえると言ったが、あれは嘘じゃ」
 影朧はその声を聴いた瞬間に、謎の脱力感を感じるだろう――それもそのはず、影朧は吸い取られているからである。――文字通り、彼女に――その力を、その全てを。
『な、消える? どういうことだ!』
「お主の身体は肉片一つ残さずこの刻印が喰らってくれるでな。後片付けは気にせんで良いぞ」

 煙の中から、けたたましい程の断末魔が響き――やがてそれは聞こえなくなった。
 やがてその煙は晴れ、その中心にいたのは。

 二人の猟兵。そしてその中心には――一本の紅刀が突き刺さっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『籠絡ラムプの後始末』

POW   :    本物のユベルコヲド使いの矜持を見せつけ、目指すべき正しい道を力強く指し示す

SPD   :    事件の関係者や目撃者、残された証拠品などを上手く利用して、相応しい罰を与える(与えなくても良い)

WIZ   :    偽ユーベルコヲド使いを説得したり、問題を解決するなどして、同じ過ちを繰り返さないように教育する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 師匠がいなくなり――少女は意気消沈していた。

『なんで――どうして――これからどうすればいいの?』

 行き場を失った彼女は、ただそう嘆き、悲しみの表情を浮かべていた。

 そんな彼女に――猟兵は何を語るのだろうか。
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※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
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バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒や薬の扱いに長けている
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎



「ねえ、貴女……」
 バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)の呼びかけに、少女は跳ねるように肩を震わせた。
「……あ、」
 一瞬踵を返しかけ、走り出せないままその場にへたり込む彼女を視線を合わせるように膝をついて、バジルは少女の頬に手を添えた。
「大丈夫? 怪我はない?」
「……」
 いらえはない。掌に伝わる脈拍は速い。恐らくは疲労も、自らのしていたことへの思いも、その双方が重くのしかかっているのだろう。無言のままバジルが様子を見守っていると、不意に少女が唇を開いた。
「その言葉が、嫌いだった」
「……?」
 促すように、敢えてバジルは首を傾げるだけに留めて少女を見る。幼さを残した目元に、涙が滲むのがはっきりと見えた。
「皆そう言うの。大丈夫、無理しないで、って」
「……そう」
「私は、だって……!」
「誰かを守る、ヒーローになりたかった?」
 少女が頷く。ヒーローになって、皆のことを悪漢から颯爽と救って、微笑んで手を差し伸べて。それは少女の体では、到底成しえぬ夢物語。けれど。
「……その思いは、私たちに否定できるものではないわ」
 ヒーローと呼ばれるのは、なにも刀を振るい、敵を打ち倒す者だけではない。そうでなく、もっと別の形でどこかの誰かを助けている、誰かにとってのヒーロー――或いは、別の言い方をするなら特効薬。そうした存在だって、どこの世界にも沢山いるのだけれど。
 けれど、彼女が求めたヒーローのかたちは『それ』なのだ。すぐには認められないこともあるだろうと考え、バジルはそっと彼女に問いかける。
「……私たちの話を、聞いてくれる?」
 少女はしばし逡巡し――小さな咳を二、三零した後、頷いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

雪華・風月
貴方が何故力を求めたのか…理由はしりません
ただ、たとえ、悪人であれ…それを個人が裁いてしまっては私刑
罪は罪です

まずは自首し自身の罪を精算しましょう
はい、わたしからも影朧に拐かされていたことを語りましょう、少なくとも罪は少しは軽くなるかと…

その上で、貴方が本気で正義を為したいと言うなら桜學府へ来てみませんか?
世には鍛錬の末にユーベルコヲドに匹敵するほど技能を極めた方もいるようで…
はい、厳しい道ではありましょうが…

多くの同僚や心を導いてくれる師となってくれる方もいることでしょう
無論、その際はわたしも微力ではありますが手を貸しましょう



 その後を引き取り、雪華・風月(若輩侍少女・f22820)はまずまっすぐに少女の瞳を見つめた。
「貴方が何故力を求めたのか……理由は一旦置くことにしましょう。ただ、たとえ、悪人であれ……それを個人が裁いてしまっては私刑、罪は罪です」
「罪……」
「ええ」
 帝都には守るべき秩序のかたちが、法がある。彼女の『ヒィロォ』としての振る舞いがそれに反していたのは、まず紛れもない事実だ。そう、風月は淡々と指摘する。
「まずは自首し、自身の罪を精算しましょう」
「……」
 自らを抱くようにして少女が押し黙る。無理もない。その言葉は彼女にとってあまりにも重いものだろう。
「わたしからも、影朧に拐かされていたことを語りましょう。そうすれば、少しは――」
「……い、いいえ!」
 急に上がった大声に、思わず風月は目を見開く。思いの他自身の声が大きいことに驚いたのか、少女もそれは同様だった。呼吸を整えるように数度肩を上下させ、少女は先ほど風月がそうしたように、猟兵の瞳にまっすぐ自身の視線を合わせる。
「……これは……師匠、影朧の言うとおりに人を斬っていたのは、私の……罪、ですから」
 それに向き合わないというのは、正義の道にもとります。――そう続ける声は、ひどく震えていた。細い肩に手を添えれば、やはり止まらぬ震えが掌から伝わる。しばしそれを受け止めた後で、風月は声音を和らげ、ひとつの提案を口にした。
「……貴方が本気で正義を為したいと言うなら、桜學府へ来てみませんか?」
「私が? ……でも、私には」
「世には鍛錬の末にユーベルコヲドに匹敵するほど技能を極めた方もいるようで……はい、厳しい道ではありましょうが」
 頷いてみせれば、少女の瞳から涙が溢れた。何度も頷き、頭を下げる彼女の手を引いて、風月は立ち上がる。かくして、帝都を騒がせる『ヒィロォ』は消え――ひとつの籠絡ラムプもまた、ここに消滅したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年01月14日
宿敵 『人斬り『十香』』 を撃破!


挿絵イラスト