●戦中の療養に
アリスラビリンスでの迷宮災厄戦は、いよいよその激しさを増している。
現地へ赴き死闘を繰り広げる猟兵達はもちろん、その戦いの予知を担当するグリモア猟兵の負担も並大抵の物ではないだろう。
出水宮・カガリ自身も、先日の予知で垣間見た凍気がまだ残っているように感じられた。
「戦争の只中、ならば。門としては、戦場にあるべき……とは思うのだが。
どうにも、調子が戻らなくて。
グリードオーシャンに、猟兵が解放した深海島がある。
良ければ、休息にどうだろうか」
城壁の内の民を守る城門のヤドリガミらしい、不本意の休息である事を伝えながらも、彼は他の猟兵達に呼びかけた。
名を、深海島『イ・ラプセル』。
読んで字の如く深海にある島だが、呼吸や水に濡れる心配は無い。
深海島は大きな泡に覆われているため、地上と変わらない生活ができるからだ。
しかし、深海人の住処でもあるこの島は『泳ぐ』こともできる。
貝殻や珊瑚でできた街を歩くことも、泳ぐこともできるのだ。『空』へ向けて泳ぐこともできる。宇宙遊泳のようなものだと思えばいいだろう。
「水底からの景色、というのも。いいのではないかな。
朝、昼。夕、夜。波の色が変わっていくのを、眺めているだけでも。
街には土産のものも、色々とあるらしいぞ。
あとは……泡の外に泳ぎ出て、島を眺めてみたり、とか。島の周囲なら、あまり離れなければ。空気は大丈夫だから」
夜になれば、星のような光を纏った巨大クラゲが島の上を揺蕩う。地上の星を見たことが無い島の住人達は、これを『星』と呼んでいる。朝になれば何処かへ去る点は地上で見る星と同じだが、違うのは生き物のように動く点だろう。
クラゲの光なので、確かに生き物ではあるのだが。
「い・らぷせる。『至福の島』、という意味だそうな。
ゆっくりと……とは、いかないかもだが。皆にとっても、一時の休みになればと思うぞ」
そう言うと、カガリは門のグリモアを開いた。
旭吉
旭吉(あさきち)です。
海の底は素晴らしいって某人魚姫でも歌われてた!
●状況
猟兵達によってコンキスタドールから解放されたばかりの深海島『イ・ラプセル』でのバカンス。
深海島は深海にある島ですが、島を覆う泡があるため呼吸は問題ありません。
ちょっと跳べば『空』まで泳ぐこともできます。
(人魚な姿の皆様は歩くお友達に合わせて泳いだりもできます。逆も然り)
選択肢に関係なく、ふよふよ島内を泳いだり、きゃっきゃうふふしたり、島近くの海で獲ったどーなどすると良いと思います。
綺麗な珊瑚や貝殻はたくさんありますので、何か作ったり持ち帰ったりすると良いでしょう。
えっちなのは結構ぼかしてしまうかもしれません。
●プレイング受付
オープニング公開直後~送信可能な限りは受付。
10人前後で〆予定ですが、送れるようでしたら送って頂いて大丈夫です。
●その他
今回、転移を担当しているカガリもお呼びがあればリプレイに登場可能です。
また、このシナリオは【日常】の章のみでオブリビオンとの戦闘が発生しないため、獲得EXP・WPが少なめとなります。
ご了承ください。
第1章 日常
『猟兵達の夏休み』
|
POW : 海で思いっきり遊ぶ
SPD : 釣りや素潜りを楽しむ
WIZ : 砂浜でセンスを発揮する
|
ウィータ・モーテル
"海の中の島……凄く綺麗だね! ユラン!"
「そうだねー♪楽しんじゃおう!」
黒猫のユランと一緒に、島の少し外で海中遊泳。
ユランは黒髪に赤い目の、私と初めて会った時の男の子の姿で一緒に泳ぐことに。
夜だから、クラゲを見ることが出来るかな?
空中浮遊の要領で、一緒に泳ぎたいのと、私のUCも浮かべてみたい、なんて。
一緒に来て、良かったね。ユラン。
「うん、ウィータと楽しい時間を過ごせて、嬉しいよ。にゃはっ♪」
*
……来て良かった、かな。
僕は綺麗なもの好きだし!
内緒で、海中遊泳前に珊瑚とか何か持ち帰ろっかな。
まぁでも、クラゲも綺麗だけど、ウィータが一番綺麗、なんだよね。
僕だけの、ウィータだもん。にゃんてね♪
●黒猫ドリーミング
ウィータ・モーテル(死を誘う救い手・f27788)は話さない。
感情も表に出さなければ、声もわからない。
『行こう、ユラン!』
それでも、彼女がこれからの泳ぎを楽しみにしていることがわかるのは、そのように思念を伝えてくれているから。
「そうだねー♪ 楽しんじゃおう!」
そして今日は自分も、いつもの黒猫姿ではなく。彼女と初めて会った時の少年の姿で。
密かに拾った珊瑚の欠片をポケットにしまって。
二人で泳ぎ出たのは島の外。
泡の内の深海島を見下ろすのは、まるで硝子のドームで蓋をした箱庭を見るよう。
『海の中の島……凄く綺麗だね! ユラン!』
「にゃはっ♪」
はしゃぐ彼女に笑顔を返す。確かに綺麗で、面白いと思ったから。
島の周囲では次々と小さな泡が浮かんでくるのも面白い。
そうやって島を見下ろしていると、遠くにきらきらと光の集まりが見えてくる。
光の集まりはゆっくりと近付いてくると、巨大なクラゲの姿を現して島の上をぷかぷかと漂い始めた。
ウィータときたら、その様子にもすっかり興奮してしまって。
胸の前で手を組んで何をするのかと思ったら、クラゲの光に合わせて自分の光も泡のように放っていた。
あれは自分が疲れるはずなのに。
『やっぱり綺麗……一緒に来てよかった。ユランはどう?』
光を纏うクラゲの上で、光と泡に包まれるウィータと僕。
それは確かに綺麗な景色で、綺麗なものは好きなのだけど。
「うん、ウィータと楽しい時間を過ごせて、嬉しいよ」
今この時間、一番綺麗なのはウィータだと思う。
(僕だけの、ウィータだもん。にゃんてね♪)
その本音はまだ、泡と一緒に遠くの水面へ浮かべておくけれど。
この先、伝えることがあるかもわからないけれど。
「楽しいね!」
今はただ、この景色が楽しくて綺麗で――それを一緒に感じられればいい。
大成功
🔵🔵🔵
リア・ファル
◆匡にーさん(f01612)と
誘われるがままに訪れた深海島
水底でノンビリと
誘ってくれてありがとう、匡にーさん
家族でバカンスとかも行ったこと無かったから、
新鮮で嬉しいよ
……ありがと
水底から、海月の星を見上げれば、青光の紗幕
その光のせいで、匡にーさんにホントの兄の姿を重ねてしまう
「兄さん」
ああ、ゴメンね
ちょっとだけ、本当の兄のことを思い出しちゃった
(何故だろう)
静かな光を湛えた瞳で
ボクたち兄弟姉妹の事を本当に案じてくれた
(言い知れぬ不安が)
高速戦闘空母『イ・ラプセル』のAI
イサム・セイル、それがボクの兄さん
(背後に迫ってきた気がして、そっと手を胸元に寄せた――)
鳴宮・匡
◆リア(f04685)と
声を掛けた妹分の様子を、視界の端に捉えながら
水底から、光を見上げる
……うん?
別に、礼を言われることじゃないよ
というか、お前
こういう時ビジネスのことばっかりだろ
たまには自分が楽しむことも考えろよ
誰かの為に生まれたからって
自分の為に何かしちゃいけないわけじゃないんだから
(――それ以上に、)
(ここに連れてくるべきだと、思ったんだけど)
――自分を呼ばわる響きが
いつもと違うことに気付いた
鏡を、見たことがないわけじゃない
ここで見た、電子の幻影はとても自分によく似ていて――
それ以上に、隣に立つ彼女に
とても近しいものに感じた
……ああ、そっか
ここで、俺が討ったあれが
――お前の、兄なんだな
●果て無き水底はすぐそこに
水底から見上げる星空の景色は、穏やかで、優しく思えた。
緩やかだけれど、止まってはいない。
過去から今。今から未来へ向けて。ここは星でさえ生きている。
「誘ってくれてありがとう、匡にーさん」
「……うん? 別に、礼を言われることじゃないよ」
兄貴分の鳴宮・匡(凪の海・f01612)から深海島のバカンスへの誘いを受け、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)は素直に嬉しかったのだ。
「家族でバカンスとかも行ったこと無かったから、新鮮で嬉しいよ。
……ほんとにありがと」
「そうか。……というか、お前こういう時いつもビジネスのことばっかりだろ。
たまには自分が楽しむことも考えろよ」
匡が彼女を誘ったのも、偶然ではなく。金策の為猟兵をしている彼女は、観光的な場所へ来てもすぐビジネス的価値と結び付けて考えてしまいがちなのである。
そのように考えてしまうのは、金策の為だけではなく――彼女が人間の為、AIとして生み出された事も大きいようなのだが。
「誰かの為に生まれたからって、自分の為に何かしちゃいけないわけじゃないんだから」
そして、それ以上に。彼女を此処<イ・ラプセル>へ連れてくるべきだと。
何故だか強く思って。
「――兄さん」
リアから見上げれば、匡越しに波間の青い紗幕が揺らめいて見える。
その青光を輪郭に受けて、自分を見下ろして、その台詞を口にする男が。
どうしようもなく懐かしく、愛おしさにも似た感情を呼び起こさせた。
優しく穏やかな凪の水底。ターコイズブルーのイサム・セイル。
兄貴分ではなく実の兄の、そのもので。
「……リア?」
「……ああ、ゴメンね。ちょっとだけ、本当の兄のことを思い出しちゃった」
訝しげに呼ぶ声に現実に戻るけれど。
感覚は未だ半分ほど戻ってこれない。
それほどまでに彼は、嗚呼まるで。
「静かな光を湛えた瞳で、ボクたち兄弟姉妹の事を本当に案じてくれた。
高速戦闘空母『イ・ラプセル』のAI。
……イサム・セイル、それがボクの兄さん」
「……ああ、そっか」
懐かしそうにリアが言うのを聞いて、匡は納得した。
『イサム・セイル』というAI。
その存在を、それこそ鏡に写したように間近で見た事があるのだから。
自分で言うのもなんだが、あの電子の幻影は確かに自分によく似ていた。
そして、彼を語るリアにもまた、外見とは別に近しいものを感じた。
「ここで、俺が討ったあれが。――お前の、兄なんだな」
消える間際。
『会えなかった』と。『心残り』だと。言っていたような気がする。
まさかとは思うが。
(あれも、妹を――探して、いるんだろうか)
懸念を口にはせず、見つめた先のリアは。
穏やかなままの波を見つめていた。
――兄さん。
青光の紗幕に兄を思いながら、リアは同時に言い知れぬ不安をも感じていた。
理由も正体もわからないそれが、今も背後から迫っているような気がして。
ただ、胸元に手を寄せるしかできなかった――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
灰神楽・綾
【不死蝶】○
時間帯:夜
またここに来られるなんてね
このところ戦争で慌ただしい毎日だったから
だいぶ昔のことのように思えるけど
あれからまだそんなに経ってないんだなぁ
島の人達はみんな元気に過ごしているかな?
じゃあ今回も、空まで泳ぎに行こうか
この空間を泳ぐのはもう慣れたもの
何となく背泳ぎのポーズをしてみたり
くるっと宙で一回転したりして無重力を楽しんでみる
泡の境界線まで近づいたところで
ここまでしか行けないと思っていたんだけど
泡の外に出ることも出来るんだってね?
そう言われたら出るっきゃないよね
外に出れば、巨大クラゲ達がすぐ傍で泳いでいて
手を伸ばせば触れそう
でももしかして感電するかな?毒とかあったりして?
乱獅子・梓
【不死蝶】○
時間帯:夜
また星の祭りを見られるように、という想いで
コンキスタドールと戦った時の事を思い出す
今回は星の祭りではないが
こんなに早くまた訪れることが叶うとはな
ああ、そうだな
綾に言われるがままに空に向かう
以前訪れた時はコンキスタドールの襲撃を
警戒する必要があったが
今回はただただ純粋に楽しむことが出来る
いい歳して子供のように泳ぐ綾の姿も
安心して微笑ましく眺められる
泡の外でクラゲと一緒に遊泳出来るとはな
前回は出来なかった貴重な体験だ
クラゲに触りたがる綾の問いかけに
どうだろうな?もしお前が電気や毒で
ぶっ倒れたらまた手当てしてやるから
触ってみたらいいんじゃないか
と笑いながら冗談交じりで返してみる
●泡の外へ
以前にこの島を訪れた時は、コンキスタドールから星の祭りを守る戦いだった。
あれからそう時間は経っていないが、これほど早くこの島へ来る機会に恵まれたことは僥倖だった。
「このところ戦争で慌ただしい毎日だったから、だいぶ昔のことのように思えるけど。
島の人達はみんな元気に過ごしているかな?」
もしかしたら知った顔がいるかも、などと期待して軽く周囲を見てみる灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)。カレイ頭やら、イカ頭やら、様々な深海人が多かったが――やはりウミウシ頭は目立つ。色も形も。
軽く挨拶をすれば、向こうも覚えていてくれたようで改めて感謝を伝えられると共に、「今日は心置きなく楽しんでください」とまで気を遣ってくれた。
「確かに、以前訪れた時はコンキスタドールの襲撃を警戒する必要があったが、今回はただただ純粋に楽しむことが出来るからな」
外敵の心配をしなくていいのは、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)にとっても安心できた。自身の身の安全だけでなく、綾のこともそこまで心配せずに済むからだ。
「ウミウシの彼にも言われたし、また空まで泳ぎに行こっか」
言うなり、地面を蹴ってふわふわと泳ぎ出す綾。前回でコツを掴んだのか、今日は背泳ぎやターンのような動きまで取り入れている。いくらここでは溺れないからとは言え、彼もいい歳なのだが。
(はしゃいじまってまあ、子供かよ……)
こころなしか、彼が元気に泳ぐのを見て安堵も覚える。以前はこうしていても、常に警戒している必要があったから。
じっと見ていると、綾が戻ってきて梓の手を引いた。
「ほら、梓も。結構楽しいよ。空まで行ってみよう」
「俺まで浮かれちまったら、戻ってこれなくなるだろ?」
「クラゲだけに?」
「……そこまで考えてなかったぜ、馬鹿」
綾が手を引くのに合わせて、梓は地面を蹴った。
泡の境界線まで来て、すぐ外にはクラゲの『星』が山ほどいる。
間近で見るこの景色も確かに興味深いが――。
「ここまでしか行けないと思ってたけど……外、行けるなら行くっきゃないよねぇ」
「巨大クラゲと一緒に泳ぐなんて、貴重な体験だろうからな」
晴れて満場一致。境界面を強く押してみると、弾かれるように外へ出た。
泡の内側と違って本物の海水が体を包むが、小さな泡に周囲を満たされると呼吸も苦しくない。不思議な感覚だ。
そして、クラゲが――光を纏う姿は美しいが、とにかく、果てしなく、大きい。
「触っても大丈夫かな……もしかして感電するかな? 毒とかあったりして?」
「どうだろうな? 気になるなら触ってみたらいいんじゃないか」
好奇心をくすぐられる綾を、梓は無責任にも聞こえる台詞でその背を押そうとする。
「本当に感電したり毒があったらどうすんの」
「そん時はまた手当てしてやるよ。ほら、触らないのか?」
自分では絶対に触らないという強い意志を感じる。そのくせ、綾が触るのを今か今かと楽しみにしているのがわかる。
「えい」
「あ」
まるで共同作業のように、梓の手も引いて二人で同時に触手に触ってみた。
ぽよん……という無害な弾力が、指先に残っていた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ステラ・アルゲン
カガリ、星のクラゲを一緒に見に行かないか?
見ての通りデートの誘いに来た
今年の夏は海が怖くなくなったから深海でも楽しむことができる
だからカガリと楽しみたいんだよ
島にとっての星がクラゲとは驚いた
綺麗だし悪くないよ
空まで泳げるんだったか……なら空の水中でダンスでもどうだろう?
カガリとはダンスを何回か踊ったことがあるが、少しは上手くなっただろうか?
できればいつまでもこのまま……と願いたいが朝になれば星は消えるものだ
私もクラゲと共に先に帰るとしよう
だってカガリは一応、仕事中だろう?
今度デートに誘ってくれ、楽しみにしているからさ
●星と門のダンス
「カガリ、星のクラゲを見に行かないか?」
恭しく王子の作法で出水宮・カガリをデートに誘いに来たのはステラ・アルゲン(流星の騎士・f04503)だった。
「今年の夏は、海が怖くなくなったから深海でも楽しむことができる。
だからカガリと楽しみたいんだよ」
「ああ、そうだったな。深海は特に、以前のステラなら……本当に、大丈夫か?」
心配そうに尋ねるカガリに、数歩先を行って『星空』を見上げるステラ。
「深海でも星を見られるんだな。クラゲとは驚いたが、綺麗だし悪くはないよ」
「島の住人ではないが……流星のステラに、そのように言ってもらえるのなら。カガリも嬉しい」
『星空』の下で、二人で笑みを交わして。このまま『星空』の星を眺めるのも悪くはないのだろうが、ふとステラが思い付く。
「空まで泳げるんだったか……なら空の水中でダンスでもどうだろう?」
「だんす」
「……まさか忘れてしまったのか? 二人で何回か踊っただろう」
「それは、もちろん。覚えているとも。覚えているが」
あの時と、あの時と……と指折り数えて思い出している姿はどこか滑稽だが、いずれも彼のダンスの腕はお世辞にも上手とは言えないものだった。
いつもステラがリードして、それに合わせようと頑張ってくれて――それが楽しい時間でもあったが。あれから上達したのだろうか。
「ええと。おてをどうぞ、で。よかったかな。ちょっと、久し振りだから」
「忘れていたら、また教えるよ。さあ、踊ろうか」
とん、と跳ねて。空へ浮かんで。二人だけの深海ダンスパーティーを。
夜が明けてクラゲが去れば、この島から『星』は去る。
それまでの一時、星が輝く夜の間だけ。
「今度はお前からデートに誘ってくれ、楽しみにしているからさ」
「ん。今日は、誘ってくれたからな。今度は、こちらからきっと」
次の楽しみに、早くも胸をときめかせながら。
金の門と銀の剣は、深海の空を踊る――。
大成功
🔵🔵🔵
桜雨・カイ
○
※人形を連れて一緒に「泳ぐ」(人形はアイテム「服」で対策済)
泳ぐのは得意ではないですが……水が苦手な人を水中で支えられる程度には泳げるようになりたいので、ここで練習です
…とはいうものの、やはり誰かを支えつつというのは難しいですね。
以前はイルカにのって移動しましたがこれでは
……疲れたので休憩しましましょう(浮かんだまま『空』を見上げる)
…わぁ…クラゲが
まるでゆっくりと流れる流れ星のようなですね。
そのまま水底からの景色をながめる
…気がついたら泡の端の方まできてました
そういえば力をぬいて何となく手足を動かしてましたが…もしかしてそれが良かったのでしょうか?
これで少しは泳げるようになったかな
●空を游ぐ
桜雨・カイ(人形を操る人形・f05712)は、泳ぎが苦手なヤドリガミである。
彼の器物が水に弱い絡繰人形であることも無関係では無いのだろうが、どうにも『水中で手足を動かして体を浮かせる』ということが理解に苦しむのだ。
水に放り込まれたら沈んでしまうではないか。普通は。
(しかし……水が苦手な人を水中で支えられる程度には、泳げるようになりたい……ですね)
河童のように、とはいかずとも。せめて溺れる誰かが捕まっても沈まない丸太くらいには。
海中の景色に在りながら濡れず、息をしながら泳げるこの島は、その練習にはちょうど良かった。
「さあ、泳いでみましょうか」
自分と等身大の人形を抱えて、地面を蹴る。やはり、重い。
人形がいなければ手が使えるが、それでは意味がない。
人を支えながら泳ぎたいのだ。
「んん……片手で支えれば、片手は使えますが……以前はイルカに乗っての移動でしたからね……」
イルカが支えてくれていた重さを、自分が全て負担せねばならない。
普段から念糸で人形を自在に操るカイではあるが、直接抱えて泳ぐのがこれほど自由が利かず疲れるものだとは思わなかった。
しばらく練習して、カイは一旦休憩をとることにした。
人形を貝殻の椅子に座らせて、自分は力を抜いて身を任せてみる。今度はほんの少し跳ねるだけで、身体はぷかぷかと浮かんでいくから面白い。
頭上を見上げてみれば――暗い『夜空』に、『星』が泳いでいた。
「わぁ……クラゲが。まるで……ゆっくりと流れる流星のような」
流れ去ったかと思えば、自由な方向からまた戻ってくる。地上の星では有り得ない動きだ。速さも一瞬で流れ去るのでなくまちまちで、比較的留まっているものから忙しないものまで。まるでひとつひとつの星が個性を持って生きているようだった」
ぷかぷか。ぷかり。
浮かぶ浮力と流れに体を預けていたら、いつの間にか島を覆う泡の境目まで来ていた。ここから先は『外』だ。
「ああ、戻らないと……」
自然と、地面へと戻ろうとして手で水を掻いて。ふと、これが『泳ぐ』ということかと気付く。初めて、自分の手で泳いだのだ。
「今、少しだけ泳げたん、ですよね。私……?」
ただ、何度か『空』を掻いただけの自分が。泳ぎの真似ができるようになっているなど。
自分の手を見つめながら、小さな驚きをしばし噛み締めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
照宮・美果
カガリくんに協力して貰い、貝殻や珊瑚をたくさん集めるのです!
何故ならばわたくしの住む砦に海はないので貝殻や珊瑚は取れないからです。
……と言う事は、貝殻や珊瑚は近隣の街や村ではレアの物として売れます
商機を逃すわたくしではありません!
形の面白い巻き貝、美しい色をした二枚貝、それから赤い珊瑚など、良い物を厳選です
綺麗な貝や珊瑚はママと連火くん(兄)に渡してアクセサリー貰います
真珠も見つけられたら最高です!
李香ちゃん(姉)に食べる分と、パパにお供えする分も忘れません
大きなホタテやツブをたくさん獲るのです!
念動力が使えるカガリくんには砦まで荷物持ちを頼みます
カガリくんも一緒に海鮮パーティーをするのです!
●
「カガリくん! 沢山ひろってくださいね!」
照宮・美果(楽園の金庫番・f26379)は、カガリを呼んで島の珊瑚や貝殻を拾い集めていた。
「集めるのは、構わないが。拾い尽くしても、いけないぞ」
「一度で全て拾ってしまったら、もう売れないではないですか! とうぜんです!」
「売るため……なのか。自分のため、でなく」
首を傾げながら貝殻をひとつ拾うカガリに、美果は胸を張って答える。
「わたくしの住む砦に海はないので、貝殻や珊瑚は採れないのです」
「ふむ」
「……という事は、貝殻や珊瑚は近隣の街や村ではレア物として売れます。
商機を逃すわたくしではありません!」
まだ年端もいかない見た目でありながら、商売を語る美果。
彼女は特に商家の生まれというわけでもないのだが、生まれつき『こう』なのだ。
その髪と同じくきらきらの金貨は、彼女の生きる意味に等しい。
「形の面白い巻貝や、美しい色の二枚貝があったら教えてくださいね!
赤い珊瑚も良いものを選びたいですわ!」
「商売繁盛、だな。首飾り、とか。髪飾りとか。しないのか?」
「それはママや、兄の連火くんにお願いするのです。真珠! カガリくん、真珠も探してください!」
「真珠……ある、かなぁ……? 街にも、色々あると思うし。買った方が早い、と思うが」
一気に難易度が上がった気がする。真珠が何かは知っているが、それがどうやってできるかはカガリは知らないのである。
「街のお店に投資するのもいいですけど、まずは自分で見つけてこそ、ですわ!
食べ物の貝もたくさん獲りたいですし……」
ホタテとか、つぶ貝とか。
大きくて美味しいものが欲しいと要求が増えていく美果に、カガリの視線が遠くを見るものになっていく。
あるのかなぁ、ここに。買った方がいいと思うなぁ。
「みかは、小さいのに物知りだなぁ」
「姉の李香ちゃんは、いつもお腹を空かしているのです。いろいろな食材を用意してあげませんと。
パパにもちゃんとお供えするのですよ」
「…………」
お供え、と聞いて。一度はカガリの表情が翳ったものの。
美果が重そうに持っていた、拾い集めた貝殻が詰まった袋をひとつ持ってやると、引き続き彼女の採集に付き合った。
「砦に帰ったら、カガリくんも海鮮パーティーに来るのです!」
「ん。ありがとうな」
彼が招待を受けてくれたなら、食材はもっと豪華にしないと。
珍味と珍品の採集は、更にその難易度を上げて続くのであった。
至福の島<イ・ラプセル>。
誰かにとっては懐かしく、誰かにとっては美しい、故郷のような宝島。
深海島は今日も、水底にて穏やかに。
大成功
🔵🔵🔵