5
伝説のアヒルちゃんを探せ!(作者 鈴木リョウジ
9


●という設定です。
 擦り切れた地図のかすれた面を指でなぞる。
 目をすがめ、かろうじて読める文字をたどれば神秘に気付く。
 幾多の困難を乗り越えて、目指すものはここにあるのだ。

●お宝の地図ってなんだかわくわくするよね。
「お宝の地図なんですって!!!!!!!!!!!!」
 語彙がなくなるほどに、愛鷹・あさひ(桜の精のパーラーメイド・f23344)のテンションは限界であった。
 対して、彼女を見つめる猟兵たちは普通からやや低めのテンションだった。
「……お宝とか好きなの?」
「お宝自体は特に好きじゃないけど!!」
 曰く、『お宝を探す浪漫が好き』とのこと。
 はあなるほどねえ、と微妙な表情の猟兵たちに、まあまあ探偵さんたち聞いてくださいな、とグリモア猟兵は何やら怪しげな巻紙を見せた。
「ふふふ……ここに取り出しますは、なんかちょっといい感じに古いお宝の地図! ご依頼主さんからお預かりしてきました!」
 まずはこの地図をもとに街の市場で情報収集をして、それから冒険に出発!
 立ちはだかる敵を倒して、お宝を手に入れよう!
 オーソドックスな冒険の流れである。
 これは分かりやすい。
「で、そのお宝の地図って?」
「これ!」
 ばばーん! っと広げて見せた地図は、なんかちょっといい感じに古くてそんな感じに書き込みがあってそれっぽい印もあった。
「それでね、この地図を解読して、自分の代わりに現地へ行って、お宝探索の結果を報告してほしいんだって。だから、ご依頼主さんもお宝よりもそれを見つけるまでの冒険譚のほうが重要みたい!」
「ほー」
「お宝があるのは、なんとなく険しい感じの峡谷を越えた先にある神秘の泉でね。行ってみれば分かるんだけど、いい感じの宝箱的なアレに入っているお宝を手に入れれば目標達成!」
 泉と聞いて、ちょうど水遊びに向いた服装を調達したばかりの猟兵もいるか、そわっとした空気が漂う。
 しかし油断してはならない。途中の峡谷にはモンスター……つまりオブリビオンがいるので、これをどうにかする必要がある。
 はてさてどうやって攻略していこうか、と考える猟兵たちに、グリモア猟兵がちょこっと言い添える。
「という設定です」
「ほー」
 ……ん?
 唐突に出てきた単語に、あさひへと疑問の視線が向けられた。
「設定って?」
「えっとね、これは実は駆け出しの冒険者さん向けの依頼なの。このお宝の地図も本当はそんなに古いものじゃなくって、そんな感じに見えるように加工してあるんだって。だから難易度としてはぜーんぜん簡単なんだけど」
 だけどね、と笑う。
「どんなに歴戦の勇者だって、最初はみんな初めての駆け出しさんでしょう? だから、冒険に出る好奇心や敵と戦う勇気、そして目的を達成する喜びを覚えてもらいたいんですって」
 まだ冒険を経験していない猟兵であるあさひは、それでも楽しそうだ。彼女自身、猟兵たちを送り出す側としてその冒険譚を聞いて楽しんでいるのだろう。
 それならば、仕方あるまい。
「で、お宝っていうのは?」
 かすかに笑みを浮かべて猟兵が問うと、グリモア猟兵はふふっと笑う。
「アヒルちゃんです!」
「アヒルちゃん」
「しかも伝説の!」
「伝説のアヒルちゃん」
 あっこれ絶対普通のアヒルちゃんだ。いやもしかしたら巨大アヒルちゃんかもしれないけど。
 でもとりあえず確認してみると、黄色くてお腹を押すと鳴くアヒルちゃんらしい。うーん。
 考え込む猟兵たちに、そうそう悩んで挑戦するのが冒険だよねーと頷くあさひ。
「初心者さん向けだからって、油断しないでね。初心忘れるべからず、だよ!」
 ね! と念を押して笑いかける。
「それじゃあ、いってらっしゃい! 冒険者さんたち!」





第2章 集団戦 『ピンク・モフ』

POW ●はい、次は君が鬼ね
【体を擦り付けることで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD ●僕が逃げる番だね
非戦闘行為に没頭している間、自身の【体毛】が【激しく光り】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ ●僕が見えるかな?
自身と自身の装備、【咥えて持っている】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 冒険の支度を終えた猟兵たちは、伝説のアヒルちゃんを求めて旅立つ。
 街を離れてすぐは歩きやすく平坦で、もう少し行くとやや傾斜しはじめる。
 そこを越えれば、神秘の泉へと至るための難関である峡谷にたどりついた。
 人通りは途絶えていないのだろうがほとんど自然そのままに近く、切り立った崖に挟まれた川に沿った道のあちこちには、小さいものでもひと抱えはありそうな、大きなものは見上げるほどに巨大な岩がある。
 これは手強いぞと思いながらよくよく地形を観察すると、その岩と崖と川の流れが錯覚を起こさせているだけで実際にはそこそこ平坦なので、山歩きなどに慣れた人なら難なく進めそうだ。
 これぐらいなら、そう苦労もせずに越えられるだろう。
 さてここに出るモンスターについての情報だが、市場の人たちが言うところによると。
『普通に行こうとすると邪魔されてしまい、単純に戦うだけでは難しい厄介なモンスターがいるので正面突破は難しいらしい』
「あ、あれ」
 ふと、岩陰に揺れるピンク色の何かに気付く。
 緑豊かな風景に目立つ鮮やかな色彩をじっと見つめていると、あちこちの岩からいくつもの姿がぴょいっと現れた。
 柔らかくてふわふわしたその姿は、見る間にあちらへ動きこちらへ飛んで、とらえどころがない。敵意はなさそうだが、遊び心といたずら心はありそうだ。
「……確かにこれは厄介だな」
『どんなものに遭遇しても動揺しない心の余裕が大切、気負いすぎると空振りするのでほどほどに』
 さあ、どうやってここを乗り越えようか?
火狸・さつま
たからちゃんf01148と

可愛いぴんくのもふもふさんがいっぱい、だね!
遊んで、良い?よね!
そう、失礼、だから!
うんうん滅茶苦茶同意頷いて
いそいそ近寄る

わわ、凄く、擦り寄って、くる、よ
可愛い!!
尻尾ぱったぱた振り振り大歓迎
そっちの仔、見えなくなちゃた、の?
…!!
ね、猫ちゃ……!!!
増えたもふもふに目を輝かせれば
これはもふもふに埋もれねばと狸色の狐姿へと変化!
きゅっっヤー♪
喜々として飛び込む
人語は話せなくなるけれども
今はもふもふすることが先決!

きゅ?きゅヤこヤーん!(きつねきつね!)
通じずとも一応あぴーるは忘れない
自慢の尻尾は触り放題、気にならない


たっぷり遊んだら、おねんねの時間
優しい炎で送りだす


鎹・たから
さつま(f03797)と

市場の人達の言う通り
彼らは遊びたくて仕方がないのですね

ならば遊んであげましょう
ふわふわですからね
むしろ遊んであげなくては失礼です(わきわき

ですが、透明になってしまうとよくわかりませんね
出番ですよ(わらわら出る猫
これだけいれば彼らの匂いや物音にすぐ気付いてくっつくでしょう

ほら、狸も居ますよ
モフ達も猫や狸と遊びましょう

…今のうちに(モフの鬣に顔を埋める

この毛並み
艶やかだけれどやわらかくしなやか
とても健康的で素晴らしいです(もふもふ

猫達も元気でなによりです(もふもふ
こちらの毛並みもふわふわですね(どさくさに紛れてさつまの尾を吸う

満足しましたか?
そうですか…たからはまだですが


カトル・カール
攻撃してくる様子はないな。
遊びたい…のか?かくれんぼだな?

岩の後ろを覗いたり、フェイントで振り向いたりしてモフを探す。
物音や気配に注意を払う。
移動しながら【桜の癒やし】を繰り返してモフを眠らせられるか挑戦。
上手く効くといいが。
倒す必要があるなら倒すが、そうでなければ眠らせたり捕まえたりに留めたい。
まさか岩を転がしてこないよな?ぺしゃんこはごめんだ、立ち位置に気をつけて進む。

いざ、伝説のアヒルちゃんの元へ。


 岩陰からふやふやと姿を見せたり姿を透かしたり。オブリビオンがそこここでこちらの様子をうかがっていた。
「可愛いぴんくのもふもふさんがいっぱい、だね!」
 きゃっきゃとはしゃぐさつまの言葉に、カトルはじっくりと観察する。
 攻撃してくる様子はないな。
「遊びたい……のか? かくれんぼだな?」
 独白を聞いて、ぴゃっとさつまの耳が跳ねた。
「遊んで、良い? よね!」
 問うと言うよりは同意を求める彼に、たからもほとんど変わらない表情のなかで目を輝かせた。
 ならば遊んであげましょう。ふわふわですからね。
「むしろ遊んであげなくては失礼です」
「そう、失礼、だから!」
 わきわきとする彼女にうんうん滅茶苦茶同意頷いて、いそいそ近寄る。
 するとぴんくのもふもふは、するぅり彼らの周りを踊るような足取りで近づいてきた。
「わわ、凄く、擦り寄って、くる、よ」
 可愛い!!
 尻尾ぱったぱた振り振り大歓迎のさつまの意向に反して、触れられそうなほど近くまで来るのはごく少数だ。その多くはまだ岩陰に隠れたまま。
 岩の後ろを覗いたり、フェイントで振り向いたりしてモフを探すカトルが物音や気配に注意を払い、……しかして、背後を取られたと振り返れば前へ逃げられ、捕らえようとすると空を蹴ってかわされて。
 角にも見える枝振りの先を得意げにかすめられては渋い顔をするほかない。
「市場の人達の言う通り、彼らは遊びたくて仕方がないのですね」
 うむうむ。
 たからが頷く間に、す……っとその姿が消えてしまった。
 ……うむ。
「ですが、透明になってしまうとよくわかりませんね」
「そっちの仔、見えなくなちゃた、の?」
 じゃれ合っていたさなかだったのにしょんぼりするさつま。
 いいえ、落ち込むのはまだ早いです。
 出番ですよと呼び出したのは、わらわら出る猫。
「これだけいれば彼らの匂いや物音にすぐ気付いてくっつくでしょう」
「…………!!」
 ぱああっと顔を輝かせるたからとさつまに、猫……? と訝るカトル。
「この猫は……」
「ネコチャンです」
「……ネコチャン」
「ネコチャンです」
 ドヤたから。
 それぞれに雪模様が体についているネコチャンは、日差しを受けて雪華晶めいたきらめきをまとっている。
「ね、猫ちゃ…………!!!」
 増えたもふもふにさつまは目を輝かせれば、これはもふもふに埋もれねばと狸色の狐姿へと変化!
「きゅっっヤー♪」
 喜々として飛び込む彼の姿は、鮮やかなピンクのなかにあってよく目立つ。
 人語は話せなくなるけれども、今はもふもふすることが先決!
 きゅーんと声をあげてころころとじゃれつく。
「ほら、狸も居ますよ」
 モフ達も猫や狸と遊びましょう。
 近くの宙猫を抱えてうにゅーんと伸ばしながら誘うたからの言葉に、狸もといさつまが抗議の声をあげた。
「きゅ? きゅヤこヤーん!(きつねきつね!)」
 通じずとも一応あぴーるは忘れない。
 多分ピンク・モフたちは、さつまが狸か狐かどちらかなのかは気にしていないだろう。
 誘い出されたところを、カトルが移動しながらユーベルコード『桜の癒やし』を繰り返してモフを眠らせられるか挑戦。
 峡谷には不似合いな桜の花びらがふわりひらりと舞い、風の向きとは違う流れに乗る。
(「上手く効くといいが」)
 懸念は幸い当たらず、花びらに惹かれるように寄ってきたピンク・モフたちはふらりへたりと眠り込んでしまった。
 そうして眠った個体を、さつまとたからがもふもふ……もとい、処理していく。
「……今のうちに」
 そぉっとたからはモフの鬣に顔を埋める。
 この毛並み。
 艶やかだけれどやわらかくしなやか。
「とても健康的で素晴らしいです」
 もふもふ。
「猫達も元気でなによりです」
 小宇宙を感じていそうな猫達にももふもふ。
 もふもふを摂取するうちに、だんだんたからの表情もつやつやしてきた。
「こちらの毛並みもふわふわですね」
 どさくさに紛れてさつまの尾を吸うけれど、彼自慢の尻尾は触り放題、気にならない。
 ピンク・モフもつんつんつっついたり自分の尾をゆるく絡めたりしている。
 彼らに近づいてこないものは、岩に飛び乗ったり岩から岩へと飛び移ったり。
 足場にされた岩はその拍子にぐらりと揺れて、不安になったカトルは周囲へと視線をやった。
「まさか岩を転がしてこないよな?」
 ぺしゃんこはごめんだ、と立ち位置に気をつけて進む。
 もっとも、そんなことがあってもピンク・モフたちにとってはちょっとした『アクシデント』みたいなものでしかないかもしれない。
 だがそうなったとしても、注意を払えばかわすこともできるだろうし、うまく対処できればもっと早い段階で回避することもできるだろう。
 だからこそこれは、初心者が基本的なことを学ぶための冒険なのだ。
「満足しましたか?」
 たからに喉をすりすりされたピンク・モフは、んふー。と尾をふりふり。
「そうですか……たからはまだですが」
 こんなに素敵なもふもふは、いつまでだって満足できないだろう。
 けれど、いつまでもそんな時間は続かない。
 たっぷり遊んだら、おねんねの時間。
 優しい炎で送りだす。
「おやすみ」
 熱さも苦痛も生じない炎が揺らぎ、風に散るさまを猟兵たちは見届ける。
 その余韻が消えてしばらくして、カトルは猟兵たちへと促した。
「では、進もうか」
 いざ、伝説のアヒルちゃんの元へ。
成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴