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伝説のアヒルちゃんを探せ!

#アックス&ウィザーズ #戦後 #アヒルちゃん

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#戦後
#アヒルちゃん


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●という設定です。
 擦り切れた地図のかすれた面を指でなぞる。
 目をすがめ、かろうじて読める文字をたどれば神秘に気付く。
 幾多の困難を乗り越えて、目指すものはここにあるのだ。

●お宝の地図ってなんだかわくわくするよね。
「お宝の地図なんですって!!!!!!!!!!!!」
 語彙がなくなるほどに、愛鷹・あさひ(桜の精のパーラーメイド・f23344)のテンションは限界であった。
 対して、彼女を見つめる猟兵たちは普通からやや低めのテンションだった。
「……お宝とか好きなの?」
「お宝自体は特に好きじゃないけど!!」
 曰く、『お宝を探す浪漫が好き』とのこと。
 はあなるほどねえ、と微妙な表情の猟兵たちに、まあまあ探偵さんたち聞いてくださいな、とグリモア猟兵は何やら怪しげな巻紙を見せた。
「ふふふ……ここに取り出しますは、なんかちょっといい感じに古いお宝の地図! ご依頼主さんからお預かりしてきました!」
 まずはこの地図をもとに街の市場で情報収集をして、それから冒険に出発!
 立ちはだかる敵を倒して、お宝を手に入れよう!
 オーソドックスな冒険の流れである。
 これは分かりやすい。
「で、そのお宝の地図って?」
「これ!」
 ばばーん! っと広げて見せた地図は、なんかちょっといい感じに古くてそんな感じに書き込みがあってそれっぽい印もあった。
「それでね、この地図を解読して、自分の代わりに現地へ行って、お宝探索の結果を報告してほしいんだって。だから、ご依頼主さんもお宝よりもそれを見つけるまでの冒険譚のほうが重要みたい!」
「ほー」
「お宝があるのは、なんとなく険しい感じの峡谷を越えた先にある神秘の泉でね。行ってみれば分かるんだけど、いい感じの宝箱的なアレに入っているお宝を手に入れれば目標達成!」
 泉と聞いて、ちょうど水遊びに向いた服装を調達したばかりの猟兵もいるか、そわっとした空気が漂う。
 しかし油断してはならない。途中の峡谷にはモンスター……つまりオブリビオンがいるので、これをどうにかする必要がある。
 はてさてどうやって攻略していこうか、と考える猟兵たちに、グリモア猟兵がちょこっと言い添える。
「という設定です」
「ほー」
 ……ん?
 唐突に出てきた単語に、あさひへと疑問の視線が向けられた。
「設定って?」
「えっとね、これは実は駆け出しの冒険者さん向けの依頼なの。このお宝の地図も本当はそんなに古いものじゃなくって、そんな感じに見えるように加工してあるんだって。だから難易度としてはぜーんぜん簡単なんだけど」
 だけどね、と笑う。
「どんなに歴戦の勇者だって、最初はみんな初めての駆け出しさんでしょう? だから、冒険に出る好奇心や敵と戦う勇気、そして目的を達成する喜びを覚えてもらいたいんですって」
 まだ冒険を経験していない猟兵であるあさひは、それでも楽しそうだ。彼女自身、猟兵たちを送り出す側としてその冒険譚を聞いて楽しんでいるのだろう。
 それならば、仕方あるまい。
「で、お宝っていうのは?」
 かすかに笑みを浮かべて猟兵が問うと、グリモア猟兵はふふっと笑う。
「アヒルちゃんです!」
「アヒルちゃん」
「しかも伝説の!」
「伝説のアヒルちゃん」
 あっこれ絶対普通のアヒルちゃんだ。いやもしかしたら巨大アヒルちゃんかもしれないけど。
 でもとりあえず確認してみると、黄色くてお腹を押すと鳴くアヒルちゃんらしい。うーん。
 考え込む猟兵たちに、そうそう悩んで挑戦するのが冒険だよねーと頷くあさひ。
「初心者さん向けだからって、油断しないでね。初心忘れるべからず、だよ!」
 ね! と念を押して笑いかける。
「それじゃあ、いってらっしゃい! 冒険者さんたち!」


鈴木リョウジ
 こんにちは、鈴木です。
 今回お届けするのは、冒険と泉とアヒルちゃん。

 第1章【冒険】古びた宝の地図をもとに、街の市場で情報収集をします。街の人たちも分かっているのでそれっぽい情報をいい感じに教えてくれます。ついでに買い物をしていってもいいでしょう。
 第2章【集団戦】オブリビオンとの戦闘です。いい感じに一筋縄ではいきませんが、頑張って倒しましょう。
 第3章【日常】幾多の困難を乗り越えて(?)たどり着いた神秘の泉で、いい感じの宝箱的なアレに入った伝説のアヒルちゃんを手に入れます。大きさやデザインは様々ですが、『黄色くてお腹を押すと鳴く』点は共通しています。

●市場と峡谷と泉と
 第1章舞台の街の市場は、食料品や雑貨をメインに扱う店が多いようです。訪れる冒険者たちを、情報収集がてらの買い物客として期待しているようです。
 第2章舞台の峡谷は、一見険しく見えますがそこそこ平坦で、隠れたりできそうな岩陰などがあっちこっちにあります。
 第3章舞台の神秘の泉は、結構な人数で水遊びができるくらいの広さと泳げるくらいの深さがあります。

●お願い
 全章通してえっちな描写はありません。
 一緒に行動される方がいる場合【○○(ID)と一緒】と分かるようにお願いします。お名前は呼び方で構いません。
 グループでの場合はグループ名をお願いします。
 複数名で行動される場合、リプレイ執筆のタイミングがずれてしまうのを避けるために、プレイングの送信タイミングを可能な限り同日中に揃えてください。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『古びた宝の地図』

POW   :    怪しいところを片っ端から探す

SPD   :    広く浅く手がかりから探す

WIZ   :    じっくり検討してピンポイントに探す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 喧騒あふれる通りを歩けば、そこここから声をかけられる。
 他の店よりもとびっきりいい品が手に入ったとか、ちょうど料理ができたてだとか。
 よーく見れば同じものでも店によって値段が違ったり、なんなら値下げ交渉だって可能なところもあった。
 おひとつどうぞと差し出されたお菓子をありがたくいただきながら、猟兵たちは思案する。
 さてさて、ここでどんな情報を……或いは、品物を手に入れようか?
フリル・インレアン
ふええ!?アヒルさん、本気ですか?
このクエストをクリアして、伝説のアヒルさんになるって、そのためにこの街で装備を整えるって
ふえぇ、アヒルさん絶対に勘違いしていますよね。
お宝の伝説のアヒルちゃんから伝説のアヒルちゃんの称号を引き継ぐクエストと勘違いしてますね。
それにしても、私まで巻き込まないでほしいですよね。
お供の魔法使いって、
あ、でもこの三角帽子とか素敵ですね。



 グリモア猟兵から渡された依頼書とお宝の地図をよく見て、それから胸に抱いたアヒルちゃん……ではなくアヒルさんを見て。
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)が声を上げた。
「ふええ!? アヒルさん、本気ですか?」
 もちろん冗談なわけがない、と至って真摯でつぶらな瞳のアヒルさんの意志は硬い。
 彼女をそんなにも驚かせたアヒルさんの主張はというと。
 このクエストをクリアして、伝説のアヒルさんになるって、そのためにこの街で装備を整えるって。
 あれ、そんな内容でしたっけ?
「ふえぇ、アヒルさん絶対に勘違いしていますよね」
 困惑するフリルとは対称的に、すごくキリッとしてイキイキとしたアヒルさんの表情。
 間違いなく勘違いしている顔だこれ。
 お宝の伝説のアヒルちゃんから伝説のアヒルちゃんの称号を引き継ぐクエストと勘違いしてますね。
 それはそれでなんだか大冒険な感じもする。伝説のアヒルさん。ちょっとかっこいい。……それほどでもない?
 伝説のアヒルさんになるための冒険にはお供が必要だ! さあ行くぞ、お供の魔法使い! といった趣旨の主張に、フリルは天を仰いだ。
「それにしても、私まで巻き込まないでほしいですよね」
 お供の魔法使いって、と溜息をついて、ふと視線を向けた先。
 そこは帽子屋さんなのか、それとも雑貨屋さんの一角か。雑多でちょっと分類しにくいお店に並ぶ帽子のなかのひとつに目を留めた。
「あ、でもこの三角帽子とか素敵ですね」
 目移りしそうに様々なデザインを眺めていると、よければ試着をどうぞと促され、それではせっかくだからと気になったものをいくつか合わせてみる。これもいいな。
「アヒルさんもどうでしょう?」
 ちょうどよさそうなサイズの帽子をちょこんと乗せてみると、先日の水着コンテストでもちょっと装いを変えてみたアヒルさんは、これもいいけどもっと伝説のアヒルさんにふさわしい帽子はないかと品定め。
 これはそう、伝説のための準備だから。これだって冒険なのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

寧宮・澪
アヒルちゃん、ですかー……ちょっといいですねー

では、情報収集しましょー……
地図を、まず読みます……
地形や、方角……世界知識合わせて、読んで……どっちにあるか確認しましょね……

それから、市場にー……
向かうのに必要な、乾燥した果物や、携帯食、干し肉といった食事……あと、入れる袋……ロープや、マント……
そういった品を扱う店主に、この地図のある方角の近辺の地形……できたら峡谷の長さや、橋があるかとか、泉にまでに他の水場はあるか、とか
そういうのを聞いて回りましょー……
あ、必要な物も買っていきますよー……

うん、こういうの、楽しいですねー……
わくわく、します……
さて、何が待ち構えてますかね……



 寧宮・澪(澪標・f04690)は、地図や資料を束ねてまとめる紐留についたアヒルちゃんをなでた。
「アヒルちゃん、ですかー……ちょっといいですねー」
 そっと笑みを浮かべる。アヒルちゃん。どんなアヒルちゃんだろう。
「では、情報収集しましょー……」
 冒険のスタートは情報収集である。ということで、まずは手元にある情報から。
 地図を、まず読みます……。
「地形や、方角……世界知識合わせて、読んで……どっちにあるか確認しましょね……」
 じーっくりと整理して。それから足りない情報を確かめる。
 それから、市場にー……。
「向かうのに必要な、乾燥した果物や、携帯食、干し肉といった食事……あと、入れる袋……ロープや、マント……」
 指折り数えて、うん、と唸る。
 そういった品を扱う店主に、この地図のある方角の近辺の地形……できたら峡谷の長さや、橋があるかとか、泉にまでに他の水場はあるか、とか。
 そういうのを聞いて回りましょー……。
 ではれっつごー。声をかけられるまま、或いはこちらから声をかけて聞いてみると。
 初心者向けの冒険ということで、そこまで険しい道のりではないけれど決して簡単ではない道行きのようだ。
 装備もそこまで重装備でなくとも大丈夫そう、でもちゃんと揃えておいたほうがよさそう。
 あれこれと話を聞いて回っていると、必要なのは情報だけかいと笑って問われ。
「あ、必要な物も買っていきますよー……」
 そこまで念入りに準備する必要があるかは分からないけれど。でもまあ、準備をするのも冒険なのだ。
 決して大声ではないのにしっかりと届く声。不思議な雰囲気をまとう彼女に関心を惹かれた市場の人々から、これもどうぞこれはおまけとちょこちょこ荷物を増やされて。
 一息ついて、サービスでつけてくれたアヒルちゃんの形をした固定具を見つめた。
「うん、こういうの、楽しいですねー……」
 わくわく、します……。
 準備をしている時からそんな気持ちになるのはなぜなんだろう?
 いつだって同じ冒険にならないかもしれない。
「さて、何が待ち構えてますかね……」

成功 🔵​🔵​🔴​

フィカラッテ・トーカ
連携不可・アドリブ歓迎。楽しくお任せします!
独り言は中性的、初対面には敬語口調

「迷子の猫探しより断然ロマン溢れるせって……冒険ですね!」
学生探偵として宝探しは外せない(?)
ノリを合わせつつも、新米猟兵なので楽しく真面目に取り組みます

市場では笑顔で挨拶、印象良く振舞いながら
今日のオススメおやつを買いつつ聞込みしてみたり
君も何か知ってるかい?なんて野良猫にも尋ねてみたり

買い物は真面目にするつもりが
(好奇心、勇気、それから)
「……目的を達成する、喜び、か」
アヒルちゃんに付けられそうなちび王冠を手に取って



「迷子の猫探しより断然ロマン溢れるせって……冒険ですね!」
 依頼書をたしかめて、目を輝かせるフィカラッテ・トーカ(Miracle Replica・f25547)。
 依頼の正体を知っていても、だからとネタバラシは無粋だ。
 学生探偵として宝探しは外せない(?)。
 ノリを合わせつつも、新米猟兵なので楽しく真面目に取り組みます。
 そう、何事も楽しむことが肝心だ。
 市場では笑顔で挨拶、印象良く振舞いながら、今日のオススメおやつを買いつつ聞込みしてみたり。
「これははずせない! っておやつはありますか?」
 スイーツ系のお店が並ぶ一角でうっかり訊いたら、よくぞ聞いてくれましたとあっという間に囲まれてしまった。
 それならこれはどうかと差し出された、茶巾包みのように包まれた小ぶりのゼリーは、食べ歩きにちょうどいい。
 アヒルちゃんを模したお菓子は柑橘類を使ってさっぱりと。桶に張った氷水で冷やした瓶詰めのフルーツジャーも涼しげだ。
 たくさんのおやつを保冷機能のある包みに入れてもらって持ち歩き、君も何か知ってるかい? なんて野良猫にも尋ねてみたり。
 フィカラッテへ向けて返ってきた答えは。
 ふにゃあん。……んにゃ〜ん。
「……うん、ちょっと分からないかな?」
 その代わり、風通しのよさそうな生地のストールや手触りのいい生地のリボンなどを扱う服飾雑貨屋に案内してくれた。
 店主が言うにはよく餌をねだりに来る子らしくて、お客さんを連れてきてくれるけど時々売り物の生地で遊んでしまうのが困りものらしい。
 買い物は真面目にするつもりが、ついついあんまり関係ないものも手に取ってしまい。
「……は、いけないいけない。これはお仕事なんだから」
 顔をそらした先でもやっぱり気になってしまった。
 そんな彼女を、市場の人々が微笑ましく見守っている。
 視線を知ってか知らずか、新米猟兵の足取りは軽やかだったり立ち止まったり。
(「好奇心、勇気、それから」)
 ふいと目に留まったお店を覗いた。
「……目的を達成する、喜び、か」
 アヒルちゃんに付けられそうなちび王冠を手に取って、ふと呟く。

成功 🔵​🔵​🔴​

鎹・たから
さつま(f03797)と

伝説のアヒルちゃん
きっと巨大なのでしょう、そしてぷいぷい鳴くのです
きらきら光っているかもしれません
泉でたから達を待っているはずですよ

情報収集はしっかりとしなくては
冷たい食べ物や飲み物があれば買わせて頂きます
さつまは何が食べたいですか(もぐ
…大きい綿菓子ですね
はい、頂きます
買い食いしながら市場の人に訊きこみ

はい、伝説のアヒルちゃんを探しているのです
道のりの最中に目立つ物や
モンスターの噂などがあれば教えてください

教えてもらった情報はきちんとメモ
忘れないようにしましょうね

お土産ですか?
別に要らないと思いますが…(もぐ
まぁ寂しがり屋ですからね
甘いお菓子でも買っておきましょうか


火狸・さつま
たからちゃんf01148と

おたから、さがしー!(わぁい)
伝説のっアヒルちゃん!
おっきいの!
ぷぃぷぃ!
きらっきら!!(ふぉお)
絶対、見つけなきゃ、ね!!!

地図を手に、しっぽふっさふさ振り振り
うきうき軽い足取りながらも歩調合わせ
気になるお店とか、ある?

フラッペとかある、よ
ソフトクリームも美味しそ!
冷たい物ばかりだとお腹まで冷えちゃう、から
温かいもの、も……あ!綿菓子!俺、綿菓子、買う!ください!
通りがかり突然の即決で大袋を手に。
一緒、食べよ!(にぱー)
買い食いしつつ各店で地図見せ情報収集

ねぇ、これ、知ってる?
目印とか、知らない?

要点纏めて目処が付いたら

そだ!なびきちゃんへのお土産!何が良い、かな?



 伝説のアヒルちゃん、と鎹・たから(雪氣硝・f01148)は口にして。
「きっと巨大なのでしょう、そしてぷいぷい鳴くのです」
「おたから、さがしー!」
 根拠レスで自信たっぷりな彼女の言葉に、わぁいと火狸・さつま(タヌキツネ・f03797)が声を上げた。
「伝説のっアヒルちゃん!」
 おっきいの! ぷぃぷぃ!
 彼のなかでいったいどんなアヒルちゃんがイメージされているのか、分かるような分からないような。
「きらきら光っているかもしれません。泉でたから達を待っているはずですよ」
「きらっきら!!」
 ふぉお。と目を輝かせる。もしかしたら飛んだり音が出たりもするかもしれない。
「絶対、見つけなきゃ、ね!!!」
 しかし、そのためには、である。
 情報収集はしっかりとしなくては。
 地図を手に、さつまがしっぽふっさふさ振り振り。
 うきうき軽い足取りながらも歩調合わせ、ちょこっと前へ出たり長躯を活かして遠くまでを眺めたり。
「気になるお店とか、ある?」
 問われたたからが、冷たい食べ物や飲み物があれば買わせて頂きます。と言い終わらないうちに、さつまの姿は消えていた。
 てん、てん、てん。と間を置く間にざばっと滑り込んでくる。どうやら視察に走っていたようだ。
 甘くて冷たい物はこのあたり! 地図に示したそちらへさっそく向かおう。
「フラッペとかある、よ。ソフトクリームも美味しそ!」
 いっそ全部買おうと言わんばかりの様子の彼に、お財布のなかを覗きこんだりおなかの様子を考えたり。
 迷ってしまうけれども、はい、ではそれとこれを。
「さつまは何が食べたいですか」
 もぐ、と別の意味で口を動かしながら訊くと、えーっと、うーんと。
 冷たい物ばかりだとお腹まで冷えちゃう、から。
「温かいもの、も……あ! 綿菓子! 俺、綿菓子、買う! ください!」
 通りがかり突然の即決で大袋を手に。
 顔くらいあるとかそんなレベルじゃなくて。こういう生き物いそうってくらいふわふわで大きい。
「……大きい綿菓子ですね」
 これにはさすがのたからも驚きを隠せない。
 たからの顔の横に綿菓子の袋を置いてみて、おっきい! とちょっと自慢げなさつま。
「一緒、食べよ!」
 それはもう、ええ、もちろん。
「はい、頂きます」
 買い食いしながら市場の人に訊きこみです。
 とはいえ地図を持ってうろついていると、市場の人々は「ああ、あれだな」と察してくれる。
 冒険ですかと問われてたからが首肯した。
「はい、伝説のアヒルちゃんを探しているのです。道のりの最中に目立つ物や、モンスターの噂などがあれば教えてください」
 お菓子を抱えての問いに、お店の人たちは思案顔。
「正面突破は難しいらしいよ」
「厄介なモンスターだって聞いたことがあるなあ」
「単純に戦うだけではダメらしいとか」
 ちょっとわざとらしい感じの伝聞調で。
「ねぇ、これ、知ってる? 目印とか、知らない?」
 さつまも訊いてみると、うーん、と唸る。
「ここをこう行った先にこんな感じの場所があってね、自分らは行ったことはないけどその先だって訊いたことがあるよ」
「普通に行こうとすると邪魔されるからねえ」
 教えてもらった情報はきちんとメモ。
「忘れないようにしましょうね」
 メモを覗き込むさつまにたからが念を押した。
 要点纏めて目処が付いたら、ぱちりと手を叩く。
「そだ! なびきちゃんへのお土産! 何が良い、かな?」
「お土産ですか?」
 さつまの言葉にこっくり首をかしげる。
 あのやたら甘やかしてくるくせに何かと口を出してくるけどいざとなるとぎゃーってなる狼。
「別に要らないと思いますが……」
 もぐ、とお菓子を口に運びながら言うものの。
 まぁ寂しがり屋ですからね、甘いお菓子でも買っておきましょうか。
 そう考え直したたからの視線の先に、アヒルちゃんグッズの専門店が見えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リリゥム・ヒュプノシア
ふぁ……あ、もう始まってましたか
えぇ、お話ならちゃんと聞いてましたよ。アヒルさんを探してくればいいんですね
これくらいなら、リリゥでも出来そうなのでがんばりますね……(うとうと

【行動:WIZ】
情報収集は……あんまり動くと疲れそうなので、お宝と関係ありそうな所に絞っていきます
お宝がアヒルさんなので、似たようなもの置いてそうな玩具屋さんならそれっぽい事聞けそうですね
せっかくだから、寝る時に丁度良さそうなサイズのぬいぐるみも買っておきたいです。何かおすすめされたら、それにしてみます


カトル・カール
伝説のアヒルちゃん…ふふ、大した浪漫だ

古地図(仮)ってことは、地形の変化があるかもな
露店で携行食など買いながら聞き込み
装備は手持ちで間に合うが、アヒルちゃんを求める冒険に相応しい装備があったら仕入れて行こうか
他は…先輩勇者の冒険譚や失敗談やら、先人の経験談があれば傾聴させてもらいたいな

さて、準備が整ったら少しばかり趣味の時間と
行商先で喜ばれそうな品の仕入れだ
手頃で綺麗なアクセサリに、地域ならではの布。保存が効く酒の肴はどこでも人気がある
買った物は一つにまとめて、雑貨屋の店主に預かってもらえるか交渉
冒険に持ち歩くわけにいかないんでね
帰ってくるまで預かってくれ

アド連携歓迎



 ずいぶんと愛嬌のあるお宝に、カトル・カール(コロベイニキ・f24743)は笑みを浮かべる。
「伝説のアヒルちゃん……ふふ、大した浪漫だ」
 冒険の目的にしては少々拍子抜けするようなものだ。しかしそれは些末なことだろう。
 きっと、冒険の果てに手に入れることそのものが浪漫なのだから。
(「古地図(仮)ってことは、地形の変化があるかもな」)
 思案し、露店で携行食など買いながら聞き込みをしようと足を向けた矢先に出くわしたのは、木箱に腰掛けてうとうととしているリリゥム・ヒュプノシア(万年寝不足の夢魔・f28940)。
「……大丈夫か?」
「ふぁ……あ、もう始まってましたか」
 あくびをこぼして、こっくりとうなずいた。
「えぇ、お話ならちゃんと聞いてましたよ。アヒルさんを探してくればいいんですね」
 これくらいなら、リリゥでも出来そうなのでがんばりますね……。
 などと言う間にまたうとうととしだす。
 具合が悪いのかそれとも調子がよくないのかと不安になるが、彼女はいつもこんな様子なのだ。
 とはいえやっぱりちょっと心配なので、カトルが同行を申し出る。
 装備は手持ちで間に合うが、アヒルちゃんを求める冒険に相応しい装備があったら仕入れて行こうか。
「他は……先輩勇者の冒険譚や失敗談やら、先人の経験談があれば傾聴させてもらいたいな」
 さて、どこから手を付けるべきか。
 あてはあるかと訊くと、リリゥムの視線がさまよう。
「情報収集は……あんまり動くと疲れそうなので、お宝と関係ありそうな所に絞っていきます」
 彼女の言葉に、カトルは市場の地図を開いて指でなぞる。今いる場所は……。
 ここ。とリリゥムが指差し。
「お宝がアヒルさんなので、似たようなもの置いてそうな玩具屋さんならそれっぽい事聞けそうですね」
 なるほど。
 玩具屋、雑貨屋。そういった類いの店を覗いて、情報を得ようと試みると。
「あのモンスターはねえ、真面目にやろうとすると失敗するよ」
「大切なのは、どんなものに遭遇しても動揺しない心の余裕ってやつだな」
「気負いすぎると空振りしてしまうから、ほどほどがいい」
 ちょっと要領を得ないが、しかしそういった感じのものなのだろう。
 道中遭遇するであろうモンスターは、狂暴だったり攻撃的だったりするわけではないのだろうか?
 行き交った猟兵たちとも情報を交換し、必要そうな事柄をまとめておく。
 さて、準備が整ったら少しばかり趣味の時間と、カトルは行商先で喜ばれそうな品の仕入れだ。
 手頃で綺麗なアクセサリに、地域ならではの布。保存が効く酒の肴はどこでも人気がある。
「買いたいものはあるか?」
 カトルの問いに、まどろむ瞳がとろりと玩具屋の品物を眺めた。
「せっかくだから、寝る時に丁度良さそうなサイズのぬいぐるみも買っておきたいです」
 なるほど。確かにこういった場所ならではの、いい感じにちょうどよさそうな品が見つけられるだろう。
 猟兵としてではなく行商人としての顔で品定めをし、いくつか提示する。リリゥムも手触りや抱き心地などをたしかめて、それではこれをと選んだ。
 そうして買った物は一つにまとめて、雑貨屋の店主に預かってもらえるか交渉してみる。
「冒険に持ち歩くわけにいかないんでね」
 帰ってくるまで預かってくれと伝えると、長くは待たないよと返ってきた。
 それは、ただ期間としての意味ではないのだろう。荷物を預けたまま、永遠に待たせている冒険者もいたのかもしれない。
「冒険を終えたら取りに来るさ。必ず」
 念を押すカトルに、まああんたたちは強そうだから大丈夫だね、と店主が笑い。
 大丈夫です、とリリゥムもあくびまじりに応えた。

 さあ、情報と準備は整った。
 次はお宝があるという神秘の泉、そこへ至るための峡谷へと向かおう。
 かの地ではいったいどんな冒険が待っているのか――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ピンク・モフ』

POW   :    はい、次は君が鬼ね
【体を擦り付けることで】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
SPD   :    僕が逃げる番だね
非戦闘行為に没頭している間、自身の【体毛】が【激しく光り】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    僕が見えるかな?
自身と自身の装備、【咥えて持っている】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 冒険の支度を終えた猟兵たちは、伝説のアヒルちゃんを求めて旅立つ。
 街を離れてすぐは歩きやすく平坦で、もう少し行くとやや傾斜しはじめる。
 そこを越えれば、神秘の泉へと至るための難関である峡谷にたどりついた。
 人通りは途絶えていないのだろうがほとんど自然そのままに近く、切り立った崖に挟まれた川に沿った道のあちこちには、小さいものでもひと抱えはありそうな、大きなものは見上げるほどに巨大な岩がある。
 これは手強いぞと思いながらよくよく地形を観察すると、その岩と崖と川の流れが錯覚を起こさせているだけで実際にはそこそこ平坦なので、山歩きなどに慣れた人なら難なく進めそうだ。
 これぐらいなら、そう苦労もせずに越えられるだろう。
 さてここに出るモンスターについての情報だが、市場の人たちが言うところによると。
『普通に行こうとすると邪魔されてしまい、単純に戦うだけでは難しい厄介なモンスターがいるので正面突破は難しいらしい』
「あ、あれ」
 ふと、岩陰に揺れるピンク色の何かに気付く。
 緑豊かな風景に目立つ鮮やかな色彩をじっと見つめていると、あちこちの岩からいくつもの姿がぴょいっと現れた。
 柔らかくてふわふわしたその姿は、見る間にあちらへ動きこちらへ飛んで、とらえどころがない。敵意はなさそうだが、遊び心といたずら心はありそうだ。
「……確かにこれは厄介だな」
『どんなものに遭遇しても動揺しない心の余裕が大切、気負いすぎると空振りするのでほどほどに』
 さあ、どうやってここを乗り越えようか?
火狸・さつま
たからちゃんf01148と

可愛いぴんくのもふもふさんがいっぱい、だね!
遊んで、良い?よね!
そう、失礼、だから!
うんうん滅茶苦茶同意頷いて
いそいそ近寄る

わわ、凄く、擦り寄って、くる、よ
可愛い!!
尻尾ぱったぱた振り振り大歓迎
そっちの仔、見えなくなちゃた、の?
…!!
ね、猫ちゃ……!!!
増えたもふもふに目を輝かせれば
これはもふもふに埋もれねばと狸色の狐姿へと変化!
きゅっっヤー♪
喜々として飛び込む
人語は話せなくなるけれども
今はもふもふすることが先決!

きゅ?きゅヤこヤーん!(きつねきつね!)
通じずとも一応あぴーるは忘れない
自慢の尻尾は触り放題、気にならない


たっぷり遊んだら、おねんねの時間
優しい炎で送りだす


鎹・たから
さつま(f03797)と

市場の人達の言う通り
彼らは遊びたくて仕方がないのですね

ならば遊んであげましょう
ふわふわですからね
むしろ遊んであげなくては失礼です(わきわき

ですが、透明になってしまうとよくわかりませんね
出番ですよ(わらわら出る猫
これだけいれば彼らの匂いや物音にすぐ気付いてくっつくでしょう

ほら、狸も居ますよ
モフ達も猫や狸と遊びましょう

…今のうちに(モフの鬣に顔を埋める

この毛並み
艶やかだけれどやわらかくしなやか
とても健康的で素晴らしいです(もふもふ

猫達も元気でなによりです(もふもふ
こちらの毛並みもふわふわですね(どさくさに紛れてさつまの尾を吸う

満足しましたか?
そうですか…たからはまだですが


カトル・カール
攻撃してくる様子はないな。
遊びたい…のか?かくれんぼだな?

岩の後ろを覗いたり、フェイントで振り向いたりしてモフを探す。
物音や気配に注意を払う。
移動しながら【桜の癒やし】を繰り返してモフを眠らせられるか挑戦。
上手く効くといいが。
倒す必要があるなら倒すが、そうでなければ眠らせたり捕まえたりに留めたい。
まさか岩を転がしてこないよな?ぺしゃんこはごめんだ、立ち位置に気をつけて進む。

いざ、伝説のアヒルちゃんの元へ。



 岩陰からふやふやと姿を見せたり姿を透かしたり。オブリビオンがそこここでこちらの様子をうかがっていた。
「可愛いぴんくのもふもふさんがいっぱい、だね!」
 きゃっきゃとはしゃぐさつまの言葉に、カトルはじっくりと観察する。
 攻撃してくる様子はないな。
「遊びたい……のか? かくれんぼだな?」
 独白を聞いて、ぴゃっとさつまの耳が跳ねた。
「遊んで、良い? よね!」
 問うと言うよりは同意を求める彼に、たからもほとんど変わらない表情のなかで目を輝かせた。
 ならば遊んであげましょう。ふわふわですからね。
「むしろ遊んであげなくては失礼です」
「そう、失礼、だから!」
 わきわきとする彼女にうんうん滅茶苦茶同意頷いて、いそいそ近寄る。
 するとぴんくのもふもふは、するぅり彼らの周りを踊るような足取りで近づいてきた。
「わわ、凄く、擦り寄って、くる、よ」
 可愛い!!
 尻尾ぱったぱた振り振り大歓迎のさつまの意向に反して、触れられそうなほど近くまで来るのはごく少数だ。その多くはまだ岩陰に隠れたまま。
 岩の後ろを覗いたり、フェイントで振り向いたりしてモフを探すカトルが物音や気配に注意を払い、……しかして、背後を取られたと振り返れば前へ逃げられ、捕らえようとすると空を蹴ってかわされて。
 角にも見える枝振りの先を得意げにかすめられては渋い顔をするほかない。
「市場の人達の言う通り、彼らは遊びたくて仕方がないのですね」
 うむうむ。
 たからが頷く間に、す……っとその姿が消えてしまった。
 ……うむ。
「ですが、透明になってしまうとよくわかりませんね」
「そっちの仔、見えなくなちゃた、の?」
 じゃれ合っていたさなかだったのにしょんぼりするさつま。
 いいえ、落ち込むのはまだ早いです。
 出番ですよと呼び出したのは、わらわら出る猫。
「これだけいれば彼らの匂いや物音にすぐ気付いてくっつくでしょう」
「…………!!」
 ぱああっと顔を輝かせるたからとさつまに、猫……? と訝るカトル。
「この猫は……」
「ネコチャンです」
「……ネコチャン」
「ネコチャンです」
 ドヤたから。
 それぞれに雪模様が体についているネコチャンは、日差しを受けて雪華晶めいたきらめきをまとっている。
「ね、猫ちゃ…………!!!」
 増えたもふもふにさつまは目を輝かせれば、これはもふもふに埋もれねばと狸色の狐姿へと変化!
「きゅっっヤー♪」
 喜々として飛び込む彼の姿は、鮮やかなピンクのなかにあってよく目立つ。
 人語は話せなくなるけれども、今はもふもふすることが先決!
 きゅーんと声をあげてころころとじゃれつく。
「ほら、狸も居ますよ」
 モフ達も猫や狸と遊びましょう。
 近くの宙猫を抱えてうにゅーんと伸ばしながら誘うたからの言葉に、狸もといさつまが抗議の声をあげた。
「きゅ? きゅヤこヤーん!(きつねきつね!)」
 通じずとも一応あぴーるは忘れない。
 多分ピンク・モフたちは、さつまが狸か狐かどちらかなのかは気にしていないだろう。
 誘い出されたところを、カトルが移動しながらユーベルコード『桜の癒やし』を繰り返してモフを眠らせられるか挑戦。
 峡谷には不似合いな桜の花びらがふわりひらりと舞い、風の向きとは違う流れに乗る。
(「上手く効くといいが」)
 懸念は幸い当たらず、花びらに惹かれるように寄ってきたピンク・モフたちはふらりへたりと眠り込んでしまった。
 そうして眠った個体を、さつまとたからがもふもふ……もとい、処理していく。
「……今のうちに」
 そぉっとたからはモフの鬣に顔を埋める。
 この毛並み。
 艶やかだけれどやわらかくしなやか。
「とても健康的で素晴らしいです」
 もふもふ。
「猫達も元気でなによりです」
 小宇宙を感じていそうな猫達にももふもふ。
 もふもふを摂取するうちに、だんだんたからの表情もつやつやしてきた。
「こちらの毛並みもふわふわですね」
 どさくさに紛れてさつまの尾を吸うけれど、彼自慢の尻尾は触り放題、気にならない。
 ピンク・モフもつんつんつっついたり自分の尾をゆるく絡めたりしている。
 彼らに近づいてこないものは、岩に飛び乗ったり岩から岩へと飛び移ったり。
 足場にされた岩はその拍子にぐらりと揺れて、不安になったカトルは周囲へと視線をやった。
「まさか岩を転がしてこないよな?」
 ぺしゃんこはごめんだ、と立ち位置に気をつけて進む。
 もっとも、そんなことがあってもピンク・モフたちにとってはちょっとした『アクシデント』みたいなものでしかないかもしれない。
 だがそうなったとしても、注意を払えばかわすこともできるだろうし、うまく対処できればもっと早い段階で回避することもできるだろう。
 だからこそこれは、初心者が基本的なことを学ぶための冒険なのだ。
「満足しましたか?」
 たからに喉をすりすりされたピンク・モフは、んふー。と尾をふりふり。
「そうですか……たからはまだですが」
 こんなに素敵なもふもふは、いつまでだって満足できないだろう。
 けれど、いつまでもそんな時間は続かない。
 たっぷり遊んだら、おねんねの時間。
 優しい炎で送りだす。
「おやすみ」
 熱さも苦痛も生じない炎が揺らぎ、風に散るさまを猟兵たちは見届ける。
 その余韻が消えてしばらくして、カトルは猟兵たちへと促した。
「では、進もうか」
 いざ、伝説のアヒルちゃんの元へ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

寧宮・澪
おや、もっふもふー……遊んでくれますかねー……。

とりあえず、飛んで進みまして……邪魔されるようなら、謳いましょー……。
心淵……さあ、聞いてくださいなー……。
消えちゃっても、聞こえるなら問題なく……。
かわいいアヒルちゃん……たのしい冒険……わくわく浮き立つ気持ち。
保存食や景色も楽しみですねー……もふもふとの出会いも、いいですねー。
そんな気持ちを込めて、謳いましょー。
邪魔するより、詩を聞きたい、気持ちに誘いましてー……あ、ちょっともふもふさせてください、なー……。
ふわふわの毛並み、触りたいんですよ……。
嫌がられたら、おとなしく、諦めて。
邪魔のないうちに、先に進みましょね……れっつごー……。



 柔らかな尾が、もてあそぶように澪の黒髪をなでていく。
 いたずらに乱された髪を押さえたその手にもふわふわとなでた。
「おや、もっふもふー……遊んでくれますかねー……」
 そろりと尾に触れれば、くすぐったそうな動きで身をよじる。
 遊んでくれるの? じゃあ、遊んであげる! そう笑っているふうにも見えた。
(「とりあえず、飛んで進みまして……邪魔されるようなら、謳いましょー……」)
 しかし試みはすぐに妨げられる。
 遊んでくれそうな気配を察したピンク・モフたちが彼女にじゃれついてきたり、姿を消したままいたずらしてきたりとやりたいほうだいされてしまうのだ。
 であるならば、仕方がない。
「心淵……さあ、聞いてくださいなー……」
 消えちゃっても、聞こえるなら問題なく……。
 込めるのは想い。重くのしかかるようなものではなく、むしろ手を引き背を押すように。
 かわいいアヒルちゃん……たのしい冒険……わくわく浮き立つ気持ち。
 保存食や景色も楽しみですねー……もふもふとの出会いも、いいですねー。
 準備をする間だって、目的地へ向かう途中だって、とってもたのしい。
 たのしいことがたくさん重なって、そうしてたどり着いた場所は。
(「そんな気持ちを込めて、謳いましょー」)
 峡谷に、澪の歌声が響く。
 決して耳を奪うことはなく、むしろ穏やかに流れていく。しかして確かに、その声は心をすくい取り寄り添って。
 いつしかピンク・モフたちはおとなしくなり、彼女のそばへ集まってきていた。
 謳はいつも側にあるのだから――。
(「邪魔するより、詩を聞きたい、気持ちに誘いましてー……あ、ちょっともふもふさせてください、なー……」)
 ふわふわの毛並み、触りたいんですよ……。
 謳い続けながら手を伸ばせば、触れたその指がゆったりと沈んでいく。
 なかには静かに聴いていたいと触れられることを拒むものもあり、嫌がられたら、おとなしく、諦めて。
 彼女の謳に鎮められたオブリビオンたちを邪魔しないように、そぉっと離れた。
「邪魔のないうちに、先に進みましょね……れっつごー……」

成功 🔵​🔵​🔴​

フリル・インレアン
ふわあ、可愛らしい子が出てきましたよ。
ふええ、モンスターは退治して経験値にするって、アヒルさん酷いですよ。

・・・あの、アヒルさん、そのおいかけっこはいつまで続けるんですか?
そのユーベルコードは非戦闘行為に没頭している間は無敵になるんですよ。
だから、どれだけ攻撃してもピンク・モフさんにはダメージを与えられないんですよ。
ふええ、魔法使いなんだから援護しろって、私はこの子たちを攻撃するつもりは・・・。
そうです、お菓子の魔法でアヒルさんたちの行動を1/5にすれば待ち時間も1/5になるはずです。
それにあのユーベルコードは没頭する必要があるから、追いかけっこに飽きてしまったら効果も切れるはずです。



「ふわあ、可愛らしい子が出てきましたよ」
 猟兵たちがかまってくるので、それまで隠れていたり自分の好きなようにしていたピンク・モフたちは、あちこちに散らばってふわふわもふもふしている。
 それを見たフリルが感嘆の声をあげた。
 なんだかみんなのんびりしているしこのままでも全然よさそうだけど、しかしアヒルさんはやる気満々だ。
 冒険の準備段階でかなり気合が入っているアヒルさん。フィールドで敵に遭遇したなら、やることはもちろん。
「ふええ、モンスターは退治して経験値にするって、アヒルさん酷いですよ」
 フリルが諌めるよりも早く、覚悟しろ! とばかりにさっそく追いかけはじめて、遊んでくれると判断したピンク・モフたちも楽しそうに追いかけられ。
 次第にその姿が光りだしたことに気付いて、お供はアヒルさんへ声をかけた。
「……あの、アヒルさん、そのおいかけっこはいつまで続けるんですか?」
 そのユーベルコードは非戦闘行為に没頭している間は無敵になるんですよ。
 だから、どれだけ攻撃してもピンク・モフさんにはダメージを与えられないんですよ。
 ……と説明しても、アヒルさんは全然聞いてくれない。むしろフリルに手伝えとさえ言ってきた。
「ふええ、魔法使いなんだから援護しろって、私はこの子たちを攻撃するつもりは……」
 あっちから攻撃してくるならともかく、放っておいても危険じゃないなら攻撃する必要はないもの。
 だというのに、アヒルさんがさっきからずーっとピンク・モフを追いかけているのでそれに夢中になってしまって、多くの個体が日差しの下でも分かるほど激しく輝いていた。
 あの状態では攻撃しても通らない。
 さて、どうしましょう……?
「そうです、お菓子の魔法でアヒルさんたちの行動を1/5にすれば待ち時間も1/5になるはずです」
 ぱちりと手を叩いた。
(「それにあのユーベルコードは没頭する必要があるから、追いかけっこに飽きてしまったら効果も切れるはずです」)
 いそいそと取り出したのは、彼女が趣味で作っているお菓子。
 お菓子そのものは普通だけれど、これを用いてユーベルコードを発動させる。
「あ、あの、お菓子を作ってきたんです。よかったら、おひとつどうぞ」
 おそるおそる差し出してみせると、ピンク・モフたちはなあに? と寄ってきた。
 離れた場所でアヒルさんとおいかけっこをしていたものもつられてやってくる。そうでないものは不意にその動きがゆっくりとなったことに驚いて、おいかけっこをやめる。
 そうしてすぐに彼女のお菓子に興味を持って、あっという間にぎゅうぎゅうに集まってしまい。
 気がつけばフリルは、身動きできないほどのもふもふに囲まれてしまっていた。
「ええと、あの。……ふええ……」

成功 🔵​🔵​🔴​

ピリスカ・ニスク
「初心者向けの依頼…わたしにもできそう、かな?」
旅支度と称して土産物や雑貨を見てまわった後、ほかの猟兵に遅れて峡谷にたどりつく。

「酷いことはしたくないなぁ。可愛いし。」
戦闘はなるべく避けるが、依頼の邪魔をされても困る。ユーベルコード「エレクトロレギオン」を随伴させ、反撃のみ行うように指示する。

「消えた?…サーマルなら…見えるね。」
ピンク・モフの「僕が見えるかな?(WIZ)」に一瞬驚くが、すぐにアイテム「電磁波センサー」を調節し「暗視」で対応する。かわし、いなし、穏やかに進んでいく。可愛らしいモンスターの姿をきっちり記録しながら。


リリゥム・ヒュプノシア
【行動:WIZ】
やわらかそうなモフモフがいっぱい……ぎゅってしたら気持ちよさそうです
でも、ここを乗り越えないとアヒルさんに辿り着けないので困りましたね……あれ、モフモフさん消えてる?リリゥの気のせいじゃなさそう…?

とりあえず、箒で【空中浮遊】して安全を確保したらモフモフさん達に向けて電脳世界を展開させてびくりさせるといった【時間稼ぎ】をしてみますね
消えた子はいつまでも透明にはなれないだろうし、周りが驚けば動きにくくなるからそのうち出てきそうかな、って
そのまま捕まえられたらいいけど、ダメそうなら誰か助けを呼んでみます……

アドリブや連携はお任せします



 目の前のたくさんのもふもふに、リリゥムが息を呑んだ。
「やわらかそうなモフモフがいっぱい……ぎゅってしたら気持ちよさそうです」
 そんな彼女の歓喜の気配を察してか、ピンク・モフたちはそばに寄ってくる。
 思ったとおり柔らかくてふわふわ。しかも少し力がかかるとふんわり沈んで。
「でも、ここを乗り越えないとアヒルさんに辿り着けないので困りましたね……」
 するりと身体をすりすりしてくる子の頭をなでてやると、嬉しそうに頭を手のひらに押しつけてきた。
 もふもふ。もふもふ。
「あれ、モフモフさん消えてる? リリゥの気のせいじゃなさそう……?」
 ついでに市場で買い物したぬいぐるみも。気づいたその時、ぬいぐるみをくわえたピンク・モフが、いたずらっぽくくるぅり飛び跳ねて姿を消した。
 追いかけようにも姿が見えなければ探しようも捕まえようもない。
 とりあえず、箒で空中浮遊して安全を確保したら、モフモフさん達に向けて電脳世界を展開させてびっくりさせるといった時間稼ぎをしてみる。
 消えた子はいつまでも透明にはなれないだろうし、周りが驚けば動きにくくなるからそのうち出てきそうかな、って。
「…………。」
 うん。時間稼ぎは確かにできているけれど。
 消えたピンク・モフの姿を捉えられないので、事態は好転していない。
 近づいてきた子をもふもふしてみても変わらない。
 そのまま捕まえられたらいいけど、と思ったのだけど、これはちょっと駄目そう。
「ええと……」
 ……ちょっと、ほかの誰かにお願いしましょうか。

「初心者向けの依頼……わたしにもできそう、かな?」
 旅支度と称して土産物や雑貨を見てまわった後、ピリスカ・ニスク(ミレナリィドールの電脳魔術士・f27382)はほかの猟兵に遅れて峡谷にたどりつく。
 それは、猟兵たちが来たことでうわついているピンク・モフたちにとって、新しい遊び相手が来たのと同じでもあった。
 さっそく近づいてきて、相手がどう出てくるか様子をうかがっているようだ。
「酷いことはしたくないなぁ。可愛いし」
 戦闘はなるべく避けるが、依頼の邪魔をされても困る。
 攻撃されるようなことがあればと、ユーベルコード「エレクトロレギオン」を随伴させ、反撃のみ行うように指示する。
 しかしピリスカが懸念したような敵対的な態度は見られず、むしろ彼女の操るエレクトロレギオンに興味を持ったらしく、ピンク・モフたちは彼女の周囲でふわふわと機械兵器相手にじゃれあおうとしていた。
 壊されたら困るなぁ。と、つい心配になってしまう。
 それでもゆっくりと歩を進めていくと、不意に目の前からエレクトロレギオンごとピンク・モフが消えた。
「消えた? ……サーマルなら……見えるね」
 姿が見えなくなっただけで、何かがすぐ近くにいる気配や物音は消えていない。
 ピンク・モフの姿が消えたことに一瞬驚くが、すぐに電磁波センサーを調節し暗視能力で対応する。
 ついでに、途方に暮れているリリゥムの姿も見つけて。
 声をかけるとことの次第を説明されて、さてどうだろうと見てみれば、たしかにそんな一体を見つけた。
「あの子かな?」
「……あ、そう……です、多分」
 見えているわけじゃないから、確信がないけれど。
 そちらへ向けてリリゥムが電脳世界を展開してみせると、突然のことに驚いたのかふわっと姿を見せた隙に確保する。
 別の一体が姿を消したままこっそりピリスカの荷物を持っていこうとするのを捕まえると、す……っと再び姿を見せた。
 身振りも加えてそれは駄目と伝えれば、理解したのかしょんぼりと離れていって。
 その様子がなんだかおかしくて笑みがこぼれた。
 遊びたがってじゃれてくるピンク・モフをかわし、いなし、穏やかに進んでいく。可愛らしいモンスターの姿をきっちり記録しながら。

 猟兵たちが進んでいくと、不意に大きく視界が開けた。
 そこにあったのは、湖かと思うほどに大きな水がめ。
「これは……」
 地図と照らし合わせれば、ここが目的地であると分かる。
 さあ、ここが冒険の大詰め……お宝の発見だ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『神秘の泉でのひと時』

POW   :    泉で泳いだり、水を飲んでみたりする。

SPD   :    泉やその周囲に咲く植物を調べたりしてみる。

WIZ   :    泉の畔で休みながら、景観や空気を楽しむ。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちがそこへ近づくと、水がめに冷やされたのだろう涼やかな風が頬をなでた。
 どこかにいるらしい鳥の鳴き声にも否応なく心が沸き立ち、はやる足を運んで少しだけ急ぐ。
 近づいてよく見れば、そこここにある木々が日陰を作り、柔らかな葉を持つ草花が足元をおおっているのが分かる。
 そして、その隙間に隠れるように、黄色い何かがあった。
「これは……」
 手のひらサイズのアヒルちゃん。
 黄色くて、お腹を押すとぷゅー。鳴いた。
 おおお……と思っていると、よくよく周りを見てみれば、木々の枝の合間にも、泉の陰になっているところにも、あっちこっちに大小様々なアヒルちゃんがたくさん隠れている。
なかにはどーんと泉の上に浮かんでいるものも。
 これらのうちのどれかが伝説のアヒルちゃんなのか、それとも全部なのか。
 頭にお星様の飾りがついたアヒルちゃんや背中にちっちゃな騎士っぽいものを乗せているアヒルちゃんを見て、猟兵たちは思案するのだった。
リリゥム・ヒュプノシア
【行動:WIZ】
ここまで来ればもう一息……でも、ちょっと疲れてきたので少しひと眠りしたいです
でも、こんなにアヒルさんがいるなんて、驚きです。ここはアヒルさんの楽園……という設定なんでしょうか
せっかくこういう所まで来たので【空中浮遊】で宝箱的なものを探しつつ、どんなアヒルさんがいるか見ておきたいです
お宝のアヒルさんがどういうものか気になりますけど、どうせなら抱き枕に使えそうなサイズのアヒルさんだといいですね
……今日はたくさん動いた気がしたので、帰ったらぐっすり寝たいです……

アドリブや連携はお任せします


鎹・たから
さつま(f03797)と

アヒルちゃんです
こんなに大勢隠れているとは思いませんでした

泉の陰でぷいぷい鳴らし
岩場のてっぺんでぷいぷい鳴らし
大小様々、どれも可愛らしいですね
どうしました、さつま
…これは巨大なアヒルちゃん
乗れるのでしょうか(そわそわ

足場がないので
なかなか乗るのは難しそうで…おや?
さつま、宙に浮かべるのですね(大人しく抱っこされ
ふわふわ尻尾の力でしょうか
違う?そうですか

やわらかいアヒルちゃんと一緒に
ぷかぷか湖に浮いています
はい、風がとても涼しいです

この子はきっとヌシのアヒルちゃんなのでしょう
湖の散歩をありがとうございます(なでる

ちょこんと浮かぶ子を手に
こんにちは
あなたがたからの一羽です


火狸・さつま
たからちゃんf01148と

みてみて!アヒルちゃん、いっぱい!
泉の畔でたむろ(?)してる群れ(?)の中
大きめのこを1羽、ぎゅむっと抱き締め
ぷぃ~ぷぃぷぃ~~っと鳴かせつつ
ふと泉に視線移せばハッとして
なに、あのこ……すっごく、おっきい…!!
乗れそう!!
行こう行こうとうきうきわくわく

二人乗っても大丈夫そうな大きさだけれど
水に浮かんでいるのだから不安定…と、くれば
ちょと、失礼
ふわっとお姫様抱っこして
空中浮遊で巨大アヒルちゃんの背へ
重心見切りバランス良く乗りこなす
泉の上は、風も涼しくて気持ち良い、ね

大きさは伝説級、だ、けど…連れてけない、ね
もっと小さい子、かな

俺の、お宝っ
直感で1羽
きっと大事なのは思い出


ピリスカ・ニスク
『泉の畔で休みながら、景観や空気を楽しむ。(WIZ)』

「やった、アヒルちゃん♪」
黄色くて小さい、普通のアヒルちゃんを発見。ぷゅーと鳴らしてニンマリ。泉の畔で一休み。

「涼しいー、助かるー。」
木々の間を抜ける風が、魔導蒸気と電脳魔術で熱をもった体を冷ます。

「わぁ、可愛い。これも、これも。」
別のアヒルちゃんや可愛い花を見つけてはパシャパシャと記録していく。泉で戯れる猟兵たちは…記録しない。ドールにもマナーがあるのだ。

※アドリブ・連携歓迎


カトル・カール
ついに…伝説のアヒルちゃんにたどり着いたか。

目標は『いい感じの宝箱的なアレに入っているお宝』だったな。
アヒルちゃん達を眺めながら宝箱っぽい何かを探そうか。
とりあえず箱っぽいもの…か?大きいアヒルちゃんがマトリョーシカ状に…なっていないな。

最後は泉に潜って確認。
箱っぽいものを見つけて持って浮上。

木陰で休憩がてら、箱の中身を確認しよう。
…『引換券』?『好きなアヒルちゃん一羽と交換できます』?…なるほど。

苦笑しながら戦利品選び。
手のひらサイズの、セーラー帽をかぶったアヒルちゃんに決めた。
これが俺の伝説のアヒルちゃんだった、というわけだ。


フリル・インレアン
ふええ!?アヒルさん、ここが聖地って本気で言っているんですか?
えっと、無事聖地にたどり着いたアヒルさんは伝説のアヒルさんになれましたとさ、めでたしめでたしですね。
ふえー、聖地にたどり着くだけじゃダメなんですか。
ここで伝説のアヒルさんを見つけ出さないといけないんですか。
まさかとは思うのですが、ここにあるアヒルさんを全部調べるとか・・・言うんですね。
ふええぇ。


寧宮・澪
わーい、アヒルちゃん……伝説の……うん、どれだって、いいですよね……どれだってかわいい……

泉のそばに陣どって、浮かぶアヒルちゃんを眺めましょー……近くに来た子を、突くのもいいですねー……
大きい子も、飾りがついた子も、普通の子も、かわいい……
お腹突けば、どの子もぷゅぷゅ鳴くんでしょね……楽しみ……

買ってきたご飯になりそうなもの、齧りながら、ピクニック気分ー……お腹いっぱいになったら、お昼寝もいいですかね……
気持ち居場所なんですから、おやすみしてもいいですよねー……
寝心地良さそうなところで、アヒルちゃん一個お供に、寝ちゃいましょー……

この子、持って帰ってもいいですよねー……お風呂に浮かべたい……



「ここまで来ればもう一息……でも、ちょっと疲れてきたので少しひと眠りしたいです」
 そっと溜息をついて、リリゥムは周囲を眺めた。
 そこここに柔らかく草が生えた場所があり、ちょうどいい感じに日差しを遮る木陰がある。
 泉からの風もあって、眠るのにはきっと気持ちいいだろう。
「でも、こんなにアヒルさんがいるなんて、驚きです。ここはアヒルさんの楽園……という設定なんでしょうか」
 せっかくこういう所まで来たので空中浮遊で宝箱的なものを探しつつ、どんなアヒルさんがいるか見ておきたい。
 そうして眺めてみると、あからさまにこれですよと言いたげに巨大な宝箱に入った巨大なアヒルちゃんから、群れを作っているアヒルちゃんたちまでさまざまだ。
「お宝のアヒルさんがどういうものか気になりますけど、どうせなら抱き枕に使えそうなサイズのアヒルさんだといいですね」
 くるぅり、頭をめぐらせて。
 ……おや、あれは?
「わーい、アヒルちゃん……伝説の……うん、どれだって、いいですよね……どれだってかわいい……」
 あっちこっちに隠れたり浮かんだりしているアヒルちゃんに、澪はほんわり微笑む。
 泉のそばに陣どって、浮かぶアヒルちゃんを眺めましょー……近くに来た子を、突くのもいいですねー……。
 大きい子も、飾りがついた子も、普通の子も、かわいい……。
「お腹突けば、どの子もぷゅぷゅ鳴くんでしょね……楽しみ……」
 さあ、どの子にしようかな。そう思っていたところに、遠くからぷいー。と鳴き声が響いた。
 どうやら、泉に浮かぶとっても大きなアヒルちゃんが鳴いたらしい。
 買ってきたご飯になりそうなもの、齧りながら、ピクニック気分ー……お腹いっぱいになったら、お昼寝もいいですかね……。
「気持ち居場所なんですから、おやすみしてもいいですよねー……」
 寝心地良さそうなところで、アヒルちゃん一個お供に、寝ちゃいましょー……。
 絡まないように髪をまとめてからそっと横になると。
 ふふわふわと空からこちらを見下ろしているリリゥムが目に入った。
 視線の先をよーく見ると、どうやら彼女が見ているのは自分ではなくすぐそばにあった、宝箱に入った結構大きめなアヒルちゃんのようだ。
「そのアヒルさん、いただけますか?」
 おりてきたリリゥムの問いにどうぞーと差し出して、ふむ。と考え。
「あなたも一緒にどうですかー……」
 自分の近くをぽふぽふ叩いて示す。
 お誘いいただいたので、リリゥムはお言葉に甘えて彼女の隣にちょこんと腰をおろす。
 ころんと寝そべったまま、澪がアヒルちゃんを手に持ち掲げるようにして眺める。
「この子、持って帰ってもいいですよねー……お風呂に浮かべたい……」
 もう1個くらいいいかな。それならもう2個くらい。いややっぱり1個だけにしようか。
 うとうととつぶやく澪の隣で、リリゥムもアヒルちゃんをぎゅーしてそっと目を閉じた。
「……今日はたくさん動いた気がしたので、帰ったらぐっすり寝たいです……」
 アヒルちゃんと一緒に、ぷかぷか空を飛んで泳ぐ夢が見られそうだ。

「みてみて! アヒルちゃん、いっぱい!」
 泉の畔でたむろ(?)してる群れ(?)の中、大きめのこを1羽、ぎゅむっと抱き締めぷぃ~ぷぃぷぃ~~っと鳴かせつつ。
 感極まったさつまの声に負けずとも劣らない、なかなかいい音……もといいい声をしているアヒルちゃんだ。
 あんまりはしゃぐものだからうっかりぶつかった木からポロポロと落ちてくるそれらに、アヒルちゃんです。とたからも静かに感激する。
「こんなに大勢隠れているとは思いませんでした」
 泉の陰でぷいぷい鳴らし、岩場のてっぺんでぷいぷい鳴らし。
 微妙に違う鳴き声と、微妙に違う表情と。
「大小様々、どれも可愛らしいですね」
 感嘆に首肯していたさつまがふと泉に視線移せばハッとして、ふるふると震える。
「どうしました、さつま」
「なに、あのこ…………すっごく、おっきい……!!」
 かろうじて絞り出した言葉にたからもハッとし、言葉を失った。
 ……これは巨大なアヒルちゃん。
 乗れるのでしょうか。そわそわするたからにさつまが、乗れそう!! とむしろ乗れるの確定でぶんぶん頷いて。
 行こう行こうとうきうきわくわく。
 けれど巨大アヒルちゃんは、その大きさゆえに風が吹くだけでゆるゆるゆらゆら。
 二人乗っても大丈夫そうな大きさだけれど、水に浮かんでいるのだから不安定……と、くれば。
「足場がないので、なかなか乗るのは難しそうで……おや?」
「ちょと、失礼」
 ふわっとお姫様抱っこして、空中浮遊で巨大アヒルちゃんの背へ。
 重心見切りバランス良く乗りこなし、やわらかいアヒルちゃんと一緒にぷかぷか湖に浮いている。
「さつま、宙に浮かべるのですね」
 大人しく抱っこされながら目を輝かせる。
 ふわふわ尻尾の力でしょうか。首を傾げる彼女にふわっと笑って否定して。
 違う? そうですか。
 アヒルちゃんから落ちないように控えめにはしゃぐふたりを、優しく風がなでていく。
「泉の上は、風も涼しくて気持ち良い、ね」
「はい、風がとても涼しいです」
 魚か何かもいるのか、ぱしゃんとはねた湖面を眺めて応える。
 心配性の狼が見たらどんな反応をするだろう?
 ものすごくあわあわするのか、それとも許すのか、或いは見たこともないような顔なのか。
 なんとなく想像ができそうだけど、さてはて。
「この子はきっとヌシのアヒルちゃんなのでしょう」
「湖の散歩をありがとうございます」
 そわり撫でれば不思議とアヒルちゃんの周囲に波が立った。
 とっても大きいしとっても楽しいし、だけど……さつまはちょっぴり残念そう。
「大きさは伝説級、だ、けど……連れてけない、ね」
 もっと小さい子、かな。
 しばらく湖上の散歩を楽しんでから、ヌシのアヒルちゃん(仮)にお礼を言っておりて今度は泉の周囲で探索。
「……む」
 あるものに気付いて、たからがそそっと早足で水辺に近づいた。
 ちょこんと浮かぶ子を手に、こんにちは。挨拶する。
「あなたがたからの一羽です」
 ちょこっと押してみると、ぷぇ。鳴いた。
 さつまはじっくりと考えることはせず、さあっと眺めてぱっと目を留めた。
「俺の、お宝っ」
 直感で1羽、大切に取り上げる。
 きっと大事なのは思い出。
 これはその思い出のひとかけら。

「ついに……伝説のアヒルちゃんにたどり着いたか」
 主張しすぎない程度にあちこちに隠れたり隠れていなかったりするアヒルちゃんたちを見て、カトルが感慨深げに息をつく。
 まあちょっと多すぎる気もするけれども。
 彼から少し離れたところで、ピリスカも声をあげた。
「やった、アヒルちゃん♪」
 黄色くて小さい、普通のアヒルちゃんを発見。ぷゅーと鳴らしてニンマリ。
 その鳴き声も涼しげに聞こえて、ここまでの道のりでの疲れが癒やされるようだ。
 目的も達成したことだし、泉の畔で一休み。
「涼しいー、助かるー」
 木々の間を抜ける風が、魔導蒸気と電脳魔術で熱をもった体を冷ます。
 風にまぎれてほのかにただよう花の香りをそっと吸い込めば、すぅっと穏やかな心地になる。
 寝そべってなんとなく指を伸ばした先にも、ちょっぴりスチームパンクっぽいデザインのアヒルちゃん。
 なでるように触れるとゆぅらり揺れて、どことなく愛嬌がある。
 安らいだ様子のピリスカにこちらも穏やかな気持ちになって、カトルはふっと笑みを浮かべた。
 では、目的を果たすとしよう。
「目標は『いい感じの宝箱的なアレに入っているお宝』だったな」
 アヒルちゃん達を眺めながら宝箱っぽい何かを探そうか。
「とりあえず箱っぽいもの……か? 大きいアヒルちゃんがマトリョーシカ状に……なっていないな」
 それとなくそんな感じがする大きめのアヒルちゃんを手にとって確かめてみる。
 そのままポンッといたり、かと思えば木の実の殻に入っていたりと割とフリーダムだが、さまざまなアヒルちゃんがいるとはいえ、さすがになかに入っていたりはしないようだ。
 しばらく周囲を探してみて、目当てのものが見つからないと判断する。
 最後は泉に潜って確認。
 透きとおる水のなか、水面で揺らぐ日差し模様に染まりながらよく目をこらすと、水中にもアヒルちゃんが沈んで……潜水して……? とりあえずいた。
 なぜか沈んでいる、沈没船の残骸的なものや骨董風の壷などのなかから、箱っぽいものを見つけて持って浮上。
 木陰で休憩がてら、箱の中身を確認しよう。
 開けてみればそのなかまでは濡れておらず、入っているのは小さな紙片とおまけの小さなアヒルちゃん。
「……『引換券』? 『好きなアヒルちゃん一羽と交換できます』? ……なるほど」
 苦笑しながら戦利品選び。
 手のひらサイズの、セーラー帽をかぶったアヒルちゃんに決めた。
「これが俺の伝説のアヒルちゃんだった、というわけだ」
 つん、とつつくと、ぷゃ。と短く鳴く。
 ちょっと休んで元気になったピリスカは、さっそく次の行動に映る。
「わぁ、可愛い。これも、これも」
 別のアヒルちゃんや可愛い花を見つけてはパシャパシャと記録していく。泉で戯れる猟兵たちは……記録しない。ドールにもマナーがあるのだ。
 その代わり、その心に記録する。これくらいなら許されるだろう。
 そうしてまたひとつずつ、重ねていくのだ。

 さて。
 ここにもうひとり、泉にたどり着いた冒険者……もとい猟兵がいた。
「ふええ!? アヒルさん、ここが聖地って本気で言っているんですか?」
 胸を張って主張するアヒルさんに、フリルが半ば悲鳴をあげる。
 ううん……確かにどこを見てもアヒルちゃんのいる、聖地というか楽園みたいな感じではあるけれど。
「えっと、無事聖地にたどり着いたアヒルさんは伝説のアヒルさんになれましたとさ、めでたしめでたしですね」
 うん、よかったよかった。
 こくこくと頷く彼女の表情が、しかしアヒルさんの却下により凍りつく。
 伝説のアヒルさんの冒険は、そんな簡単にお話を終えるわけにはいかないのだ。
「ふえー、聖地にたどり着くだけじゃダメなんですか」
 ここで伝説のアヒルさんを見つけ出さないといけないんですか。
 泣きかけのフリルに、アヒルさんは容赦しない。
 とはいえ、アヒルちゃんはあっちこっちにたくさんある。アヒルさんが伝説のアヒルさんになるためのアヒルちゃんは……。
 あっちを見てもアヒルちゃん。
 こっちを見てもアヒルちゃん。
 ついでにそっちにもアヒルちゃん。
「まさかとは思うのですが、ここにあるアヒルさんを全部調べるとか……言うんですね」
 おそるおそる確かめるフリルの頭の上で、アヒルさんは当然というように主張する。
 なんならアヒルさんが突撃を仕掛けようとしているのもアヒルちゃんだ。
 さあ行くぞお供!
 ふええぇ。

 とまあそんな感じに、伝説のアヒルちゃんを探す冒険は無事(?)終了した。
 はじめての冒険で困難を乗り越えた者。
 困難の果てに新たに縁をつないだ者。
 そして、なお困難に立ち向かう者。
 なんと素晴らしい物語を紡いだのか。
 猟兵たちの冒険譚をいい感じにまとめて伝えたグリモア猟兵の話によれば、依頼主はいたく感動したそうだ。
 なにかちょっと違う気もするけども、終わりよければすべてよし、だ。
 ちなみに宝箱に入っていないアヒルちゃんを手に入れた人には、お持ち帰り用の宝箱が渡されました。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月17日


挿絵イラスト