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War never ends(作者 あるばーと。
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●亡者の行進
 その日は長い砂嵐が巻き起こっていた。
 吹き荒ぶ砂は道を覆い、その視界は著しく損なわれ、目の前を往く者すら覚束ない。
「……獲物……」
 それは呻き声のような声だった。
 ひとりやふたりではない、幾人もの声が、そこらから聞こえてくる。
「……獲物……」
 道はまだ見えず……それでも、迷わない。
 今回の目標は決まっていた。この世界に大凡似つかわしくない、豊かな自然と水が潤う地だ。
「……獲物……」
 歩く理由。別に『歩かない理由』が無いから。向かう理由。そこに『物』が有るから。
 襲う理由。……そこに『略奪対象』が居るから。
「…………前進、せよ」
 唯一、指示らしいものを下す者が居たとしても、目的は変わらない。
 聞こえているかもわからない、その呟き声。それを聞いてか否か、やはり歩みを止める者はひとりとして居なかったのである。

 略奪。
 それが、彼らの生きる唯一の理由であり、戦う意味だった。
 だから、彼らは迷わない。
 今日の略奪こそ、自分達の渇きを癒してくれるものだと信じて。

●グリモアベース
「アポカリプスヘルで襲撃を察知した」
 その古きウォーマシン、萩原・誠悟(屑鉄が如く・f04202)は重々しく口を開いた。
「今回、彼らが狙っているのは拠点の外にある農場だ。実際、大した規模の農場なのだが、それ故に目を付けられた形だな」
 誠悟の手の写真数枚の中に、現地で撮影されたと見られる景色が納まっている。
 瑞々しい果実、陽を浴びて光を反射する野菜。畑の中に点在する木々。
 そのいずれも、確かに存在するのだと写真越しに生命力が主張し、視覚に訴えて来ていた。
「この農場を作ったのは、アポカリプスヘルで活動する猟兵達に勇気づけられて新たに生活をスタートさせた者達だ」
 以前にオブリビオンの魔の手から守ってくれた猟兵達。その後ろ姿が、農場に生きる人達の目に焼き付き、さらには希望を見出したのだと言う。
 それならば、その活動を支援するだけの義理が、猟兵達にはある。
 戦う理由なんていくらでもあるが、あえて誠悟が口にした理由は『義理』であった。
「何より少し栄えた程度で目を付けられて水の泡、というのは興醒めだろう。なんとかしたいところだ」
 そう理由を付け加え、誠悟は次のお題目を切り出した。

「目下の敵は所謂レイダー達だ」
 今回の敵について、誠悟は襲撃者を意味する言葉で称した。
 徒党を組み、略奪を繰り返す。今回の敵はそういう集団だと言う。
 彼らもまたオブリビオン。油断の出来ない敵に違いはない。
「さらに、これらをけしかけて来た者が別にいるようだ」
 けしかけて来た……とはいえその性質上、完璧に統率の取れた部隊であるとは考えにくい。
 それでも、そのレイダー達の動きを操作する者が、より強力な敵である事は想像に難くない。
「彼らは、亡者のような存在だ。略奪をする事でしか最早自己を維持できない」
 終わらない襲撃、略奪。それを作り出す敵は、現れる度に倒していかなければ、世界は遠からず滅んでしまう。
「今回も放っておけば……物資を奪って、その物資を消費して、また次の地へ略奪に向かうだろう」
 彼らには基本、改心はない。
 それ故に遠慮も容赦も必要としない、純然たる敵。
「戦いは続く……いつ終わるのか? それは誰にもわからない」
 もしかしたら終わりは来ないのかも知れない。それどころか猟兵達がいつまでもオブリビオンを退け続けられる保証もない。
 それでも。
「それでも、我々猟兵達は今まで通り『当たり前に』この障害にぶつかっていき、これを打ち砕いていくべきだ」
 ――飽くまで私の持論だがね。
 最後に茶化すように述べた後、誠悟は猟兵達を見送った。





第3章 日常 『アポカリプスで農業を』

POW力仕事を担当する
SPD丁寧な仕事を心掛ける
WIZ技術指導などを行う
👑5

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達の活躍によりレイダーは撃退され、危機は去った。
 それに伴い、拠点から避難していた拠点の住人達は続々と拠点に戻って来ている。
「被害状況の確認、急げ!」
 農場の目と鼻の先で激しい戦闘があった事もあり、農場に役割を持つ住人達は真っ直ぐに農場へ向かっていた。
 農場の規模が大きいため、その分住人はどたどた、大勢押し寄せて行く。
「お前んとこのトウモロコシ、もうすぐ収穫だったよな?」
「おうよ。レイダーめ、何もこのタイミングで来なくたってなぁ!」
「腕の立つ猟兵さん達が来てくれたから大丈夫だべ。なぁに、万が一焼けててもトウモロコシならポップコーンが食えらぁ!」
「そうはならねぇだろ! ……あれ、奪還者じゃなかったっけ?」
 外装がでこぼこした軽トラックに乗ったり、編み目が所々傷んでほつれた麦わら帽子をかぶったり。
 先ほどまで命の危機に瀕していた住人達は、すぐに農民の顔になった。

 少々忙しそうだが、彼らの仕事振りを拝見できる良い機会かも知れない。
 作物の収穫や手入れを手伝ったり、彼らの農作の技術について物申したりする事で、この拠点の暮らし振りを体験してみるのも悪くはないだろう。