星逢ノクターン(作者 蜂蜜檸檬
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 猟兵たちの活躍により、災魔の去ったアルダワ魔法学園。
 そこには、様々な迷宮が存在している。
 大輪の華を咲かせる花火のフロアでは、生徒たちが幻影魔法を使って花火を咲かせる練習をしている。何時でも夜の部屋のそこは、安心して花火を放って楽しむことができる。
 きらきらと夢のように満天の星空が広がるのは星の散歩道のフロアだ。壁に、地面に、ぴかぴか瞬く光は、星の瞬きを宿したよう。星空の中を歩くような道のりを、星あかりのランプを持って、好きなように散歩をしよう。きらきら輝く軌跡は、あなたが生み出した道しるべ。
 さあ、束の間の日常を楽しんで。


「集まってくれてありがとう。少し話を聞いて行ってもらえると有難い」
 そう、訥々と語り出したのはグリモア猟兵のシリウス・ノーム(星雲地脈・f27085)。
「勘のいい人は気が付いているかもしれないが、今回向かって貰いたいのは先に案内した二つのフロアだ。即ち、花火のフロアと星空のフロアだな」
 まず、猟兵たちに向かって欲しいのは花火のフロア。そこで、幻影魔法を使って好きな花火を産み出して咲かせて欲しいとシリウスは言う。
「魔法とはいえ火の扱いには気を付けて欲しい」
 怪我をしては折角の楽しみも辛い思い出になってしまうから──そう目を伏せたシリウスは、もちろん、安全を守って楽しむなら全く問題はないと首肯する。
「そして、次に案内したいのは星空のフロアだ。そこでは満天の星空が拝める上に、星のランプで好きな光を放てるらしい」
 ぴかぴかと星の如き輝きを放ちながら散歩するのはきっと楽しい。一人一つずつ星のランプが配られるから、好きなように散歩して欲しいとシリウスは言う。
「あなた達は普段からとても頑張っているからな。少し、息抜きになると俺も嬉しい」


 ……此処からは、仕事の話になって心苦しいのだが。そう零したシリウスは、まっすぐに猟兵達を見つめた。
「楽しい案内で終わらずに申し訳ない。最後にオブリビオンとの戦いが控えているんだ」
 その敵は、とても可愛らしいお茶汲み人形たちだ。大昔の学園で試験的に運用されていたが、何時の間にかオブリビオンになってしまったという。彼女達は今も昔もお茶汲みが大好きな、美しくもいじらしい存在だけれど。
「今はもう、オブリビオンだ」
 シリウスは眉根を寄せて呟いた。どうか、彼女達に終止符を打って欲しい──。
 祈るような声音で猟兵達を見据えると、シリウスは頭を下げた。


蜂蜜檸檬
 こんにちは。蜂蜜檸檬(はちみつ・れもん)と申します。
 当シナリオをご覧いただきありがとうございます。
 今回は、アルダワ学園にて日常(イベシナ系)を楽しんだ後、オブリビオンとの集団戦にご案内させていただければと思います。
 今回は1章、2章とお遊び要素が強めなので、特定の章のみの参加も大歓迎です。
 グループで参加される場合は、迷子防止のため【相手の名前(愛称)+ID】か、チーム名を記載していただけたら幸いです。

●1章
 花火の部屋です。
 常に夜のフロアなので、お客様のお好きな花火を咲かせてください。
 幻影魔法で素敵な華を咲かせるのはもちろん、他の人の咲かせた花火をご覧になるのも、ご自由にお過ごしください。

●2章
 星空の部屋です。
 満天の星空が拝めるフロアですが、更にお客様に一つずつお配りする星のランプで、ひかりの軌跡を描いていただければと思います。
 お好きなように星空の逍遥をお楽しみください。

●3章
 この章のみ戦闘が発生致します。
 オブリビオンと対峙していただきます。
 相手は可愛らしい見た目ですが、様々な技を持っています。
 工夫して戦っていただければ勝てる相手かと思いますので、彼女たちを骸の海へと還してあげてください。

●プレイング受付につきまして
 1章はオープニング公開直後から受付開始いたします。
 2章と3章は、断章を挟んだ後に受付開始いたします。
 受付終了時期やその他ご案内は、大変恐縮ですがマスターページをご覧いただけますと幸いです。


 以上となります。
 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『魔法の花火』

POW力いっぱい大輪の花を咲かせる
SPD複雑な模様の花火を作る
WIZ小さな花火をたくさん生み出す
👑5 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達が足を進めれば、そこに現れたのは真っ暗闇のフロア。
 思い描いて念じれば、好きな花火が咲かせられる。
 先に来ていた生徒達が、猟兵の姿を認めて「先生!」と笑顔を咲かせる。
 そして、「こうやって花火を咲かせるんですよ」と念じた後に指先から花火を打ち上げる。
 やり方はとっても簡単、だけどどんな華が咲かせられるかは本人次第。
 さあ、思い思いの華を咲かせて──。
オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と

どこがはじっこかわからないねっ
ぐるり見渡して

先生と呼ばれたなら得意げに
むんむんむー、えいっ
浮かぶはにこにこえがおな三角お耳
本人の画力に合わせてゆるい姿

ヒナタとヒメだよっ
アヤカのところの猫の名挙げて
わかったと言われたら喜ぶ

わあっ、いいねいいね
それじゃあ
アヤカが咲かせた花に合わせ
空色の翅持つ白兎の精霊をぽぽん
それぞれ目の色がちがう、みんなのともだち

チョコレート色の目をしたちょこ
苺色の目をしたチコ
ポポに、みかん
みんなみんな順番に

わあ、きれいっ
うんうん、ばっちりばっちりっ
リリアライトのいろだ

ふふ、つぎはいっしょにこれたらいいね
きっとみんな、きょうの話をしたらよろこんでくれるよっ


浮世・綾華
オズ(f01136)と

夜の中にいる、って感じだなぁ
幻想魔法…思い浮かべてえいっとやればいー感じ?
オズせんせー
やってみてくださーい

ゆるい姿でもオズが考えてくれそうなことは分かる
ん、分かったよ。うちの子可愛い、と目を細め

あ。リリアライト咲かせて
リィリも浮かべようよ

リリアライトは空色に輝く小さな花
リィリは小さな兎に翅が生えた愛らしい精霊

俺がぱぱぱぱぱーっとリリアライトをいっぱい咲かせるから
オズはリィリをふわふわーってさ

オズ、特徴とらえんの得意だよな
ちゃんとどの子か分かる、と指さし名前を
な、俺の色の再現もばっちりじゃネ?

浮かぶ景色にあの森を思い出して
村のみんなにも、あの人らにも見せてやりたかったなぁ



 真っ先にフロアに乗り込んだのは、光のような色彩を纏うオズ・ケストナー(Ein Kinderspiel・f01136)と夜色に艶やかな紅を咲かせたような浮世・綾華(千日紅・f01194)。
 暗がりの中の二人の姿は、まるで夜に佇む花のように美しい。綾華の「夜の中にいる、って感じだなぁ」と言う呟きが闇の中に吸い込まれていく。
「どこがはじっこかわからないねっ」
 オズは無邪気に辺りをぐるりと見渡した。本当にどこからどこまで続いているのか解らない空間だ。
「幻想魔法……思い浮かべてえいっとやればいー感じ?オズせんせー、やってみてくださーい」
 綾華がゆるりと告げると、「先生」と呼ばれたオズは得意げに胸を張る。
「むんむんむー、えいっ」
 お手本とばかりにオズが夜空に咲かせた華は、にこにこえがおが愛らしい、三角お耳の……。本来よりもゆるい姿だが、オズが考えてくれそうなことは分かる、と綾華は微笑む。
「ん、分かったよ。うちの子可愛い」
「そう、ヒナタとヒメだよっ」
 その華は、綾華のところの猫たちだ。優しく目を細めた綾華に分かってもらえて思わず嬉しくなるオズ。優しい気持ちが伝わって、ふんわりした空気が二人を包む。
「あ。リリアライト咲かせて、リィリも浮かべようよ」
 綾華が提案したのは、リリアライト……空色に輝く小さな花と、小さな兎に翅が生えた愛らしい精霊のリィリだ。綾華はリリアライトを胸の裡に浮かべると、ぽんっと指先に火の幻影魔法を灯して、闇の中に咲かせた。
 その美しい華にはしゃいで、オズもニコニコの笑顔を咲かせる。
「わあっ、いいねいいね」
 ……それじゃあ、とオズが生み出したのは、綾華の咲かせた花に合わせた空色の翅持つ白兎の精霊。ぽぽん!ぽん、ぽぽん!
 それぞれ目の色がちがう、みんなのともだち。チョコレート色の目をしたちょこに苺色の目をしたチコ、ポポにみかん。可愛い白兎のともだちの姿が、リリアらいとと共に夜空を賑やかに彩っていく。みんなみんな順番に、だれもさびしくならないように。
「オズ、特徴とらえんの得意だよな。ちゃんとどの子か分かる。な、俺の色の再現もばっちりじゃネ?」
「わあ、きれいっ。うんうん、ばっちりばっちりっ」
 オズの咲かせたともだちの華を指差して、ひとりひとり名前を呼ぶ綾華。彼の咲かせた華には、リリアライトのいろだ、とオズは笑顔になる。
「ふふ、つぎはいっしょにこれたらいいね。きっとみんな、きょうの話をしたらよろこんでくれるよっ」
 オズが楽しげに告げると、綾華はああ、と首肯して。とある森を想起した綾華は、
「村のみんなにも、あの人らにも見せてやりたかったなぁ」
と、どこか切ない言の葉の響きを、ひっそりと闇に咲かせた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

周・助
終夜くん(f22048)と一緒に。

「終夜くんは、花火を見たことはありますか?」
傍の彼を見上げて問いかける
「俺は本で見ました。綺麗な火の華、なんですよね」
実はアルダワに来たのは初めて
魔法の心得はありませんが…がんばります!


……
「むむ…?」

できない。

「しゅうやくん…」
できましたか…?
彼を真似て再度試るも暴発するように手の中で火が弾け
難しいなあ…

──本の中の花火、でなく
今度は、花を思い浮かべて
私の記憶の中に咲くそれは、とても美しくて

…そうして

「…あ…!」
手の中に、一輪の光の華が、咲いた

出来ましたと声が弾んで、彼を見上げて
…でも、子どもっぽかったかなと
頬を赤くして俯き恥じる
_
アドリブマスタリング歓迎


空・終夜
助(f25172)と
アドリブ可

「花火はチビの頃に数度…
そう…空にデカい華が咲くんだ」
って
「生で見た事ないのか?
助は花火が似合うと思うのに…もったいない」

なら
今日は良い花火を作ろう

が、魔法は案外難しい
小さい華の輪はできるが…何か違う

助は順調か?
隣見ると
小さな掌に一輪の綺麗な華が咲いた

「!…俺が知ってるのより…ずっと、綺麗だ
凄いぞ、助」

喜ぶ姿につられ、珍しく己も笑顔零す
だが、助は少し恥ずかしそう?
不思議そうに首を傾げ
褒める様に頭をぽんと撫でる

…もっと喜ばせたい

助の姿に背中を押されるように
もう一度挑戦
指先に魔力の火玉を浮かばせ宙に弾く

咲け!

強く念じると小さな光華が数輪
宙に弾け、鮮やかに舞う

…でき、た



 ぱーん、ぱぱーん。
 アルダワ学園の生徒に猟兵も交ざって、夜空に美しい華を咲かせるその頃。二つの影が寄り添うように並んでいた。
「終夜くんは、花火を見たことはありますか?」
 凛々しい雰囲気を纏ってはいるが、驚くほど可憐な美貌を傾けながら、傍らの終夜を見上げて問いかける助。
「花火はチビの頃に数度……そう……空にデカい華が咲くんだ」
 対して、前髪からのぞく整った貌で空を仰いで、ぽつりと零すのは終夜。その脳裏には、鮮やかな色彩の華が咲いているのだろうか。きっとそれは秀麗な刹那。
「俺は本で見ました。綺麗な火の華、なんですよね」
 無邪気、とも呼べる助の語らいに目を瞠る終夜。
「生で見た事ないのか?助は花火が似合うと思うのに……もったいない」
 えへへ、と照れ臭そうに微笑む助。実はアルダワに来たのは初めての助。終夜の言う通り、助には一瞬に華咲かせる炎がとても似合うだろう。
「なら、今日は良い花火を作ろう」
 そう語りかけてくれる終夜はとても優しくて。思わず助にも気合がい入るというもの。
 魔法の心得はありませんが……がんばります! そう意気込む助は、なんともいじらしい……のだが。
 ……。
 …………。
「むむ…?」
 ぽひゅん、と小さい炎が現れて助の手の中で儚く消えた。もう一度、そしてもう一度。ぼふっ……。助はみるみる青ざめていく。できない。
「しゅうやくん……」
 ちいさな声で、できましたか……?と終夜に尋ねる助。
 終夜は手の中に小さい華を咲かせていた。しかし、それでも魔法は案外難しく、終夜の納得のいくものはできない様子。
(……何か違う)

 助は、そんな終夜の姿に触発されて、より一生懸命火の華を咲かせようとする。
 ──本の中の花火、でなく、今度は、花を思い浮かべて。
 ──私の記憶の中に咲くそれは、とても美しくて。

 助は心に花を浮かび上がらせる。それは記憶の中の、火を纏わぬ瑞々しい花。手のひらの魔法と助の記憶の中の麗しい花が融和していく。
「……あ……!」
 手の中に、一輪の光の華が、咲いた。
 順調か? と、終夜が隣を見ると、ちょうど助の小さな掌に一輪の綺麗な華がふわりと咲いた所だった。出来ました! と声が弾ませて彼を見上げる助。無邪気な愛らしさに満ちた顔に、思わず終夜も顔を綻ばせる。
 はた、と。……子どもっぽかったかな、とはしゃいだ態度を恥じて頰を赤く染めて俯く助。けれど、助の恥じる様子に不思議そうに首を傾げた終夜から返ってきた言葉はとても優しくて。
「!……俺が知ってるのより……ずっと、綺麗だ。凄いぞ、助」
 終夜は珍しく笑顔を零しながら、褒める様に頭をぽんと撫でた。
 ……もっと喜ばせたい。
 助の姿に背中を押されるように、終夜の心にもあたたかな思いが咲く。助を喜ばせたい一心で、もう一度挑戦する終夜。手を組み、祈るように見守る助。終夜は指先に魔力の火玉を浮かばせて、宙に弾く。
 ──咲け!
 終夜が強く念じると、小さな光華が数輪。宙に弾け、鮮やかに舞う。同時に、助も満面の微笑みを浮かべる。
 それは、終夜の思いが咲かせた奇跡の一瞬。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

ホーラ・フギト
アルダワでの花火、久しぶり
昔は研究員さんたちが咲かせてくれたけど
……
ね、ティーナ(ランタンに居る火の精霊へ話しかけて)
あの花がいいな。名前、なんだっけ
ティーナ覚えてるでしょ? 任せるね

火の心得があるから、誰にも怪我はさせません
(精霊をランタンの外へ)
ティーナに下図を描いてもらい、そのあと杖に変える
杖を掲げ、画稿を元に幻影魔法で小さな花の蕾たちを空へ
白、赤、薄紅、黄──
天でたくさん咲かせるのは、バーベナを模した花
やった、綺麗に咲いたわっ

生徒さんや他の方の花火にも、綺麗ね、素敵! とはしゃぐ
色、形、目映さ……使い手の好みや性質が窺えて、そこが楽しいの
それにやっぱり、誰かと見る花火の方がずっといいわ



「アルダワでの花火、久しぶり」
 ホーラ・フギト(ミレナリィドールの精霊術士・f02096)は、懐かしそうに呟いた。賑やかに空を彩っているのは、猟兵やアルダワ学園の生徒達の作品。どれも個性が光ってとっても綺麗。今も猫や名前の知らない花が咲いては散っていった。ホーラだって、昔は研究員さんたちが咲かせてくれたけど。…………。
 夜闇を見上げる、ホーラの貌からはどんな記憶が再生されているのか窺い知れないけれど。ホーラはくるりと火の精霊へ向き直り、明るく話しかけた。
「ね、ティーナ。あの花がいいな。名前、なんだっけ」
 ランタンの中にいる、ホーラとずっと一緒の気まぐれな火の精霊は、ホーラに教えるように游いで煌く。その姿にふふっと微笑みを浮かべるホーラ。
「ティーナ覚えてるでしょ? 任せるね」
 火の精霊ティーナは、ホーラにランタンの外に出してもらうと、下図を描く。そして、ホーラの手の中で魔法の杖へと姿を変えた。
「火の心得があるから、誰にも怪我はさせません」
 そう自信を持って語るホーラの艶やかな肌が、ティーナの放つ光できらきらと光る。ホーラは杖を掲げると、画稿を元に幻影魔法で小さな花の蕾たちを空へと送る。
 白、赤、薄紅、黄──。
 天でたくさん咲かせるのは、バーベナを模した花。そのどれもが、美しく華やかに咲いて、夜天を彩った。
 周りの生徒や猟兵から、「綺麗……!」と感嘆のため息が溢れる。
「やった、綺麗に咲いたわっ」
 嬉しそうにはしゃぐホーラ。彼女とティーナが咲かせた華は見る者を幸せな気持ちにする。思わず見惚れた学園の生徒達がホーラに寄って来た。
 ホーラは、先に咲かせていた生徒や他の猟兵たちの花火にも、「綺麗ね、素敵!」と賛美した。色、形、目映さ……使い手の好みや性質が窺えて、そこが楽しいのだと。そう語る彼女に、生徒も猟兵も力強く頷いて。
「あなたの花火こそとっても綺麗です……! よろしければ、私にその花もっと見せてくださいませんか」
「僕も見たいです! あんなに鮮やかな花は見たことがありません。あなたの性質を表わしているのでしょうか」
「あら、いいわよ。ふふ、とっても嬉しい!」
 ホーラの周りに集ってくる。わくわくと輝く瞳に囲まれて、ホーラは再び杖を掲げる。花火だけじゃなくて、この時間にしあわせの魔法が掛かったみたい。
 ──やっぱり、誰かと見る花火の方がずっといいわ!
大成功 🔵🔵🔵

エテル・カルセドニー
絡み・アドリブ大歓迎

いつでも夜の部屋だなんてとっても素敵ね?予め聞いてはいたけれど、これは思っていた以上だわ
ずっとこのままの空を堪能しているのも悪くないのだけど、私も夜空を彩ってあげましょうか
生徒がやり方を教えてくれるのを見て、同じように念じてから花火を打ち上げてみる
月下美人のような白い花が夜空に咲き誇った後、点滅してきらきらと瞬きながら消えていく星のような花火

それを幾つか上空に咲かせてから、ふうと一息
少しは感動して貰えたかしら?けど、先生と呼ばれるのはちょっと…くすぐったいわね
他の人が咲かせる花も堪能させて貰おうかしらね
どんな風に、どんな彩りを見せているのか気になるもの



 いつでも夜の部屋だなんてとっても素敵ね? 予め聞いてはいたけれど、これは思っていた以上だわ。
 エテル・カルセドニー(白月・f23478)は宵空を堪能しながら、くるりと空を見回した。何処までも続く深い闇。そこにエテルの透石膏の瞳が濃紺に煌めいて、彼女自身が夜に浮かぶ星のようだ。
 ──ずっとこのままの空を堪能しているのも悪くないのだけど、私も夜空を彩ってあげましょうか。
 エテルはアルダワ魔法学園の生徒達が空に華を咲かせるのを真似て、念じてから花火を打ち上げた。エテルに花火の咲かせ方を教えた生徒も、「どのような花火になるのでしょうね!」とワクワクしながら見守っている。
 ぱぁん、と夜空に麗しく咲いた華は。月下美人のような白い花。夜に咲く華が宵に似合ってなんとも美しい。見ていた者達は、思わず感嘆のため息を漏らした。エテルが見守る中、白い花は端麗に咲き誇り、点滅してきらきらと瞬きながら星のように消えていく。
 それは、彼女自身を表すような清らかで美しい花だった。
「先生、とっても綺麗です!」
「さすが、先生!」
 彼女を慕って寄ってきた生徒達に、優しい眼差しを向けるエテル。
「少しは感動してもらえたかしら?」
「ええ、もちろん! 私、まだ胸に残っています」
 ふふ、と微笑む彼女は、「先生」と呼ばれて少しだけくすぐったい気持ちになる。そして、他の人の咲かせる花を堪能したくなった彼女は、生徒達に静かに語りかける。
「それでは、次はあなた達の花火を見せてもらえるかしら?」
「はいっ。任せてください!」
 一番背の小さな、大きな眼鏡の女の子が元気に挙手。エテル先生に贈ろうと、練習した通りに心を込めて念じる。そして、空にぱあっと咲いた大きな華は。
 ──エテル先生をイメージした、清楚で可憐な焔の花束。
大成功 🔵🔵🔵

メール・ラメール
【眠りの】
魔法で好きな花火が出来るの?
せっかくだもの、大きくて派手で華やかなやつを咲かせましょう!
ね、ね。やっぱり派手なのがいいわよね、ニルちゃん!
分かってるう、とハイタッチの構え

カルパちゃんの言葉にはぱちぱち瞬いて
えっ、カルパちゃんめっちゃ魔法使えそうなのに…
話をしながら空中で指先くるり
咲いた大輪の花にわあ、と瞳を輝かせるも
……音もすごい!!?

音なしに出来る?出来るのかな?
よし、気を取りなおしてもう一度
今度は音は控えめで出来ますように!
あっ、アタシも写真撮る(スマホ構えて)

ニルちゃんと気が済むまで打ち上げたら、カルパちゃんとお揃いのちいさな花火もやりたいな
誰がいちばん長く続けられるかしら!


ニーレット・ジンクス
【眠りの】
ふむ、花火。
私のサブウェポンはショットガン、UCにも広範囲型があってつまり数撃ちゃ当たるって意識があるんじゃないかな多分きっとそう!
なので連続でドンドン打ち上げいってみよー!
やっぱ打ち上げるんなら派手でなんぼってねー(メールちゃんとハイタッチ)
スターマインってやつね、メールちゃんのおっきな花火とカルパちゃんの風情ある線香花火をBGM的に盛り上げる感じでひとつどうかしら?
とと、勝負と聞いたらやるしかないなぁこれでも運は良い方、負けないわ!(フラグ)
皆でワイワイ、楽しく過ごせたら最高よねー♪


カルパ・メルカ
【眠りの】
ほほう、花火を。魔法で。
……魔法で?
私魔法は専門外なので見てるだけでアッハイガンバリマス。

メルちゃんさんのヤツ豪快で良いですね。
そうですよねー、どうせならド派手にデッカいの打ち上げたいですよねー。
(琥珀色の線香花火を生み出しつつ)
……打ち上げたいんですけどねー。
いやでも小さいのも悪くないですよ、粗が見え難くて。
これ以上大きくすると細部がガタガタなのがバレてしまう。
ううむ、ニルさんみたいに数で押せば誤魔化せるかなー。
……やっぱり無理だったから後で画像加工しよう、そうしよう。
(スマホで撮影)

お、勝負ですか良いですとも。
見栄えは兎も角、持久力なら多分そこそこ良い線いく気がしなくもない……!



「魔法で好きな花火が出来るの? せっかくだもの、大きくて派手で華やかなやつを咲かせましょう!」
 メール・ラメール(砂糖と香辛料・f05874)はきらきらと瞳を輝かせた。その言葉にすかさず反応したのはニーレット・ジンクス(邪道剣豪・f24342)。
「ふむ、花火。私のサブウェポンはショットガン、UCにも広範囲型があってつまり数撃ちゃ当たるって意識があるんじゃないかな多分きっとそう! なので連続でドンドン打ち上げいってみよー!」
 ニーレットの元気の良い言葉に、きゃあ、と喜ぶメール。
「ね。ね。やっぱり派手なのがいいわよね、ニルちゃん!」
「やっぱ打ち上げるんなら派手でなんぼってねー」
 分かってるう、とハイタッチする乙女達。その横で、静かに佇むカルパ・メルカ(被験体七七號・f04679)は、二人とは少しテンションが違う様子。
「ほほう、花火を。魔法で。 ……魔法で?」
 ぎくり、と肩を揺らすカルパ。けれど、二人の期待に満ちた視線を受けたら……。
「私魔法は専門外なので見てるだけでアッハイガンバリマス。」
 さあ、魔法花火大会のはじまり、はじまり!


「カルパちゃん、めっちゃ魔法使えそうなのに……」
 カルパの意外なセリフに、驚いた様子のメール。カルパの魔術士然とした服装や、魔法学園に在籍している身分から想像する姿とは裏腹で。メールはお喋りを楽しみながら、くるりと空中で指先で弧を描く。彼女が咲かせたのは、大輪の美しい華。わあ、と瞳を輝かせるも、低く腹に響く音に、メールはびっくり。それほど大作だったのだろう。
「メルちゃんさんのヤツ豪快で良いですね。そうですよねー、どうせならド派手にデッカいの打ち上げたいですよねー」
 音なしに出来る? 出来るのかな? と、思わずはらはらするメールの横で、淡々と告げながら、線香花火を生み出すカルパ。彼女の紡いだ魔法の華は、溢れる涙のように静謐で美しい。
「……打ち上げたいんですけどねー。いやでも小さいのも悪くないですよ、粗が見え難くて」
 ぽつり、呟くカルパ。これ以上大きくすると細部がガタガタなのがバレてしまう。そんな謙虚なセリフを紡ぐが、カルパの紡ぐ華も情緒的で十分清麗だ。
「よし、気を取りなおしてもう一度。今度は音は控えめで出来ますように!」
 メールの気合の入った言葉に、ふふんと笑いかけるニーレット。
「スターマインってやつね」
「ううむ、ニルさんみたいに数で押せば誤魔化せるかなー」
 ……やっぱり無理だったから後で画像加工しよう、そうしよう。
 そう呟いたカルパは、思ったように大輪の華が咲かなかった様子。スマホで加工しよう、と花火を撮影する。そうは言っても、彼女の花火も、きらきらと溢れる静謐な光がなんとも美しいのだけれど。
「メールちゃんのおっきな花火と、カルパちゃんの風情ある線香花火をBGM的に盛り上げる感じでひとつどうかしら?」
 ニーレットのなんて素敵な提案! 早速メールとニーレットはスターマインの花火を連発。カルパはきらきらと光を零す華を咲かせ続ける。

「誰が一番長く続けられるかしら!」
「勝負と聞いたらやるしかないなぁ。これでも運は良い方、負けないわ!」
「お、勝負ですか良いですとも。見栄えは兎も角、持久力なら多分そこそこ良い線いく気がしなくもない……!」
 メールの言葉にニーレットは勝気に微笑むと、盛大にフラグを立てた。カルパもやる気だ出して、三人が次々と打ち上げる花火。それはとめどない光の洪水のように宵色を彩って──。
「皆でワイワイ、楽しくて最高ねー♪」
 ニーレットはご満悦。
「あっ、アタシも写真撮る! それで、カルパちゃんとお揃いのちいさな花火もやりたいな」
 メールはスマホを構えて撮影。
「あっ、はい。ちいさな花火も楽しいですよ」
 カルパはどうやって精緻な花火を作れるのか、無心に考えながら。

 ──乙女達の楽しい夜は、まだまだ続く。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第2章 冒険 『星巡りの夜道』

POW星明かりの導きに誘われて、まっすぐに歩む。
SPD星の瞬きを見落とさぬように、前を見据えて歩む。
WIZ星の位置を確かめて、行く先を定めて歩む。
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 思い思いの花火を咲かせた部屋を出ると、星巡りの夜道に続いていた。
 真っ暗な宵の空に、綺羅星が浮かんでいる。このフロアでは星の逍遥が楽しめる。
 ただ、星空を堪能するのも良い。星の導きのままに歩いてみるのも楽しいだろう。
 そして、この時期に条件が揃えば見られる、夜空を横切る雲状の光の帯を見つけたなら──きっと、UDCアースのとある国にある伝承の、離ればなれになったつがいの星が微笑んでいるはず。
グスタフ・ビェルカ
アドリブ可

こんな夜空を見てるとA&W出会った人々と山間で野宿した頃を思い出すよ
暗いけど、手元のランプも照らしてはくれるから見失うことはないかな
…でも、なんとなく寂しいね、うん
どうせだったら、知り合った猟兵さんの一人や二人誘えばよかったかも
まぁ、せっかくの一人旅だ。ゆっくり詩の一つでも認めながらいくのもまた乙なものだ

手慰みに 笛奏づれど 侘しさが
星間距離に 繋いでいた手に

今は遠きあの子へ届くように、奏でるとしよう。いつかきっとまた逢えることを信じて



 真っ暗闇に浮かぶ星々、空に光が舞い踊る満天の星空。
 こんな夜空を見てると、アックス&ウィザーズで出会った人々と、山間で野宿した頃を思い出す。グスタフ・ビェルカ(沈黙の詩人・f25164)は、手元のランプを手に逍遥を楽しんでいた。四方八方を闇と星に囲まれて、まるで、星が手元に落ちてきそうな圧倒的な夜空だ。
「暗いけど、手元のランプも照らしてはくれるから見失うことはないかな」
 ……でも、なんとなく寂しいね、うん。どうせだったら、知り合った猟兵さんの一人や二人誘えばよかったかも。
 そう一瞬思うものの、辺りにはちらほらと他の猟兵の姿が見える。全くの一人きりと言う訳ではない様子だ。むしろ、程よい距離感に居心地が良いくらい。グスタフは一人の気楽さと楽しさを味わう事にした。
 せっかくの一人旅だ。ゆっくり詩の一つでも認めながらいくのもまた乙なものだだろう。そう思う彼は、立派な星間の旅人。
 すぅ、と息を吸い込んで、グスタフが編んでいく言の葉達。

手慰みに 笛奏づれど 侘しさが
星間距離に 繋いでいた手に

 それは、美しくも切なく、流星のように宵闇に響いた。
 彼の紡いだ声音は魅力的だ。まるで、この時期の伝承を謳っているかのようにも、全く別の事を想っているようにも感じられる。

 (今は遠きあの子へ届くように、奏でるとしよう。いつかきっとまた逢えることを信じて)
 そう想う彼の瞳に、今にも降ってきそうな星々が写り込んだ。あの星のどこかに、あの子はいるのだろうか。
 グスタフの紡ぐ詩は、切なくもあたたかい響きを持って闇に震える。きっといずこかに居るあの子へ伝わったと信じて。
大成功 🔵🔵🔵

浮世・綾華
オズ(f01136)と

――すげ
地面にも散らばる星屑が不思議で
しゃがみこんでじぃと観察
どーなってんだろ、これ
見上げるオズは何だかきらきらして見えたケド
どうだろうねえ
なんてくすりくすり

立ち上がればランプをゆらゆら進む
こーゆーとこ、ヒナタとヒメとか連れてきたら
すげー吃驚するんだろうな?
ん、そう。だってあの子ら
あの町から見える景色しか殆ど知らねーし
…あら、ほんとだ
でもそれって、と笑う
(オズの眸の色でもあるんだよなぁ)

…寝てみたりしてもいいのかしら
なんかすごそーじゃない?ダメかな
浮いてる…うん、そーネ

あ、あれってもしかして天の川?
…また七夕飾り作る?そう去年を思い出しながら

どれだろ
夏の大三角を探して


オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と

すごい、すごいっ
ぴょんと跳ねてランプ手にくるり一回転
とおくからみたら
わたしも星のひとつみたいに見えるのかな

お星様を色鉛筆で塗ったらこんな色
そんな柔い黄色の光

ヒナタとヒメはびっくりしちゃうの?
きらきらがたくさんだから?
でもでも、アヤカの家から見る星だってとってもきれいだよ
2匹を思いながらきらきら出せばヒナタの目の空色
色がかわったっ
……?それって?
笑うアヤカに首傾げ
答えがなくても笑み返して

アヤカの言葉に
きっとだいじょうぶだよ
寝てみようっ
手を引いてころんと

空にういてるみたい
ふふ
指さす先に、わあと
たなばた、やるっ
ねえ、アヤカ
おりひめとひこぼし、見える?

星の川を辿るように探して



「──すげ」
 思わず漏らした言葉。綾華の足元まで星屑が広がって、宇宙の中に迷い込んだようだ。不思議な感覚に足を踏み均して、しゃがみ込むと、星をじぃっと観察する。
「どーなってんだろ、これ」
 星の部屋は綾華の好奇心を刺激する。
 対照的にその場でぴょんと跳ねて、一回転してみるのはオズ。
「すごい、すごいっ」
 星のランプを持ったまま無邪気に大はしゃぎ。きらきら、きらきら、星のような光が彼のランプから、彼自身から溢れゆく。オズの無垢で眩い魅力が、もしも遠くの誰かが見ているのならば。きっと鏤められた星のように伝わるだろう。
「とおくからみたら、わたしも星のひとつみたいに見えるのかな」「どうだろうねえ」
 くすりくすりと艶麗に笑って見せる綾華。お星様を色鉛筆で塗ったらきっとこんな色。そんな柔い黄色の光。そうして空を見上げるオズは、何だかきらきらして見えたケド。なんて、それは内緒だ。
 立ち上がった綾華は、ランプを手にゆらゆらと進む。
「こーゆーとこ、ヒナタとヒメとか連れてきたら、すげー吃驚するんだろうな?」
 愛猫の名前を出す綾華は、少し口元が綻んでいて。彼の愛情が口の端から滲み出る。
「ヒナタとヒメはびっくりしちゃうの? きらきらがたくさんだから?」
 驚いて目を丸くするオズ。だって、こんなにきれいなのに。
「ん、そう。だってあの子ら、あの町から見える景色しか殆ど知らねーし」
 はっ!としたオズは、間髪入れずに握りこぶしを作って熱弁する。
「でもでも、アヤカの家から見る星だってとってもきれいだよ」
 2匹を思いながら、オズがきらきらを出せばヒナタの目の空色。オズの優しい気持ちが相俟って、それは非常に美しいいろだった。
「色がかわったっ」
「……あら、ほんとだ」
 首肯した後に、でもそれって、と笑う綾華。彼の微笑みはあたたかさに満ちていた。
(それって、オズの眸の色でもあるんだよなぁ)
 綾華の反応に、オズはこてりと首を傾げて。
「……?それって?」
 答えはない。けれど、綾華の優しい笑みに、オズも嬉しげな笑みを返した。

「……寝てみたりしてもいいのかしら。なんかすごそーじゃない? ダメかな」
「きっとだいじょうぶだよ、寝てみようっ」
 オズは綾華の手を引いてころんと寝転んだ。圧倒的な輝きが、オズと綾華の視界いっぱいに広がる。それはなんだか不思議な心地で。
「空にういてるみたい。ふふ」
「浮いてる……うん、そーネ」
 二人の世界はぽっかりと切り離されて、世俗から浮かび上がったサンクチュアリのようだ。

「あ、あれってもしかして天の川?」
 綾華が指差したその先には。ミルキーウェイ、光の帯が確かに煌めいている。
「わあ」
 オズはにっこりと笑う。今年は伝承のつがい星はあえるのかな。
「…また七夕飾り作る?」
 そう去年を思い出しながら、隣を見て問いかける綾華。
「たなばた、やるっ。ねえ、アヤカ。おりひめとひこぼし、見える?」
 星の川を辿るように、オズが指先で空をなぞってみれば。
「どれだろ」
 夏の大三角を探す綾華。きっとそこには、遊びに来てくれた二人を祝福するように、織姫と彦星は煌めいていた。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

周・助
終夜くん(f22048)と。
アドリブマスタリング歓迎です!

_

「わあ…!」
星のランプを手に空を見上げ
そこには美しい満天の星空があった
心を奪われて、うまく言葉が出てこない

…星、ときいて
そういえばと思い出す
「終夜くん、『星座』ってお詳しいですか?」
俺、この前本で読んで初めて知ったんです。
星々を線で繋いで、一つ一つに物語がある。
とても面白いんですよと、場の静寂を崩さぬように配慮しながらお話し
記憶の中を辿りながら二人で星座辿り
「…あ」
あれ、もしかして、織姫様と彦星様でしょうか。
離れ離れはすごく寂しいけれど、でもこの時ばかりは出逢えたのならよかったとまるで自分のことのように嬉しくて。
自然と笑みが浮かんだ。


空・終夜
助(f25172)と
アドリブ可

空を埋める輝きに
ほぅ…と感動に吐息を零す
助のように大きく感情表現はないが
満天の星空に感動せずにいられない

星座と聞くとその話につられ星を辿る
そうだ…夏といえば一等輝く星座があると聞いた
そう…助が見つけた星座

助の近くに寄り頭上にランプを持ちあげる

「…織姫と彦星を繋げる星も知ってるか?
デネブ…はくちょう座
3つを繋げると夏の大三角ができる…」

ランプを3つの星をなぞるように動かす
「不思議な事に、あの星達は夏の間はどこでも見れるものだ
だから
あの三角が輝く間
織姫も彦星も年に1度と言わずいつでも互いを見つめる事ができる」

そう思うとあの三角は恋の幸せの象徴だよな?
なんて仄かに笑って



「わあ……!」
 星のランプを手に掲げて、空を見上げる助。そこには美しい満天の星空があった。助は心を奪われて、うまく言葉が出てこない。それでも、助の表情からは、言葉よりも雄弁に感動の気持ちが伝わってくる。その可憐な貌をランプがきらきらと照らして、まるで天女のようだ。
 隣で、ほぅ……と感動に吐息を零す終夜も同じ。助ほど大きな感情表現はないものの、満天の星空に感動した彼の眼差しは、星空にも負けないくらい輝いていた。美しいふたりは、他人から見れば、まるで彦星と織姫の星のように輝いて見えただろう。
 ……星、ときいて、そういえばと助は思い出す。
「終夜くん、『星座』ってお詳しいですか?」
 場の静寂を壊さぬように、と配慮した助の囁き声が、終夜の耳にだけ届く。「俺、この前本で読んで初めて知ったんです。星々を線で繋いで、一つ一つに物語がある。とても面白いんですよ」、と。
 そうだな、と頷いた終夜は、星座と聞いて話につられて星を辿ってゆく。
「そうだ……夏といえば一等輝く星座があると聞いた」
 返す終夜の声も優しく小さな囁き声。
「……あ」
 その刹那、助の指差した星。それは一等輝いていて、直線で結べば何かの形になりそうな──。
 そう……助が見つけた星座。終夜は助の近くに寄り、頭上にランプを持ちあげる。
「……織姫と彦星を繋げる星も知ってるか?デネブ……はくちょう座。3つを繋げると夏の大三角ができる……」
「あれ、もしかして、さっき俺が見つけたのは織姫様と彦星様でしょうか」
 助が指差していた星座は、奇しくもかの織姫と彦星だった。離れ離れはすごく寂しいけれど、でも、この時ばかりは出逢えたのならよかったと。まるで自分のことのように嬉しくて。自然と笑みが浮かんだ助。
「ああ、すごいな、助」
 頷いて心から感心して見せる終夜。えへへ、と照れた表情を浮かべる助。二人の表情が、ランプの灯りに明るく照らされる。
「不思議な事に、あの星達は夏の間はどこでも見れるものだ。だから、あの三角が輝く間、織姫も彦星も年に1度と言わずいつでも互いを見つめる事ができる」
 博識な終夜は、助に解説をする。すらすらと話す口調は、やはり星に詳しいのだと聞き手に確信させる。
「えっ、そうなんですか!? それなら良かった……」
 助はほっとした表情を見せる。年に一度、会えるかどうかも分からない二人の境遇に、優しい乙女は心を痛めていたのだろう。そんな助に仄かにと笑いかけると、
「そう思うとあの三角は恋の幸せの象徴だよな?」
終夜は星座を指でなぞった。指先の動きに合わせて、星々がきらりときらめく。
 この幸せな真実は、二人だけの秘密。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵


第3章 集団戦 『ヴィクトリア』

POW ●ただいま清掃中です
単純で重い【強酸性の水を吸ったモップ】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD ●急にお客様が来ましたよ
【使用者のレベル×7体の調理係】の霊を召喚する。これは【よく研がれだ牛刀】や【高温の油】で攻撃する能力を持つ。
WIZ ●本職
【午後3時のお茶】を給仕している間、戦場にいる午後3時のお茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 幻影魔法の花火と、満天の星空を魅惑的に描いた猟兵達は、次なるフロアへと向かった。アルダワ魔法学園の生徒達ともここでお別れ。
 暗い回廊を進んで行くと、ぽつんと佇む扉が薄く開いていた。
 中を覗くと、その部屋は、可憐なビスクドール達で埋め尽くされていた。硝子の瞳と猟兵達の視線が交差すると、ビスクドールのオブリビオン、「ヴィクトリア」達はため息を吐いた。
「ああ、ここまで来てしまったのですね。いけません……」
「ここは立ち入り禁止ですのに……」
「今すぐに、『お掃除』しなくては……」
「本当は、お茶会でご奉仕する方が好きなのですけれど……」
 ヴィクトリア達は、渋々と言った様子でモップを構える。その瞳は困ったように揺れていて。
「マスターに叱られてしまいます……」
ルディア・ディアマンテ(サポート)
助けが必要なようね。助太刀いたしますわ!

サポートでの参加なので人々の避難や救出、敵の陽動のような支援になるような事を中心にこなしますわ。
事情がわからないまま行動すると事態を悪化させる恐れがあるので、その辺りは気をつけないとね。
指示をしてくれる仲間がいれば素直に従いますわ。

支援中心とはいえ戦闘は避けられないもの
その時は武器は白銀のバルバードを使いその遠心力と、UC金色の風で強化された速度を利用し一撃離脱戦法で戦いますわ!その姿はまさに金色の風の如し!

騎士の誇りを胸に、堂々と恥じない行動を!



 数多のヴィクトリア達が、『お掃除』しようとモップを構えて、猟兵達に襲いかかろうとしたその時。
「助けが必要なようね。助太刀いたしますわ!」
 高らかな宣言が鐘の如く辺り一帯に響いた。その声の主は麗しきオラトリオのパラディン、ルディア・ディアマンテ(金色の風・f18851)。金の髪は美しく誇らしく、彼女の動きに合わせてたなびく。
 突如現れたルディアに、ヴィクトリア達はざわめく。
「何です……?」
「新しい侵入者ですか……?」
 可憐なれど何処か虚ろな瞳でルディアを見上げるヴィクトリア達。彼女達は、出来るならば戦闘はさけたいのですが──とため息交じりに呟く。可憐さゆえ、ドール達の姿は気の毒にも見えるが、戦いは避けられない。彼女達は過去から訪れた「今この時」の仇敵たるオブリビオンなのだから。
 ルディアは無言で白銀のハルバード構えて煌めかせると、白き鎧の下から、青き風の衣──麗しい戦闘服をはためかせて飛翔した。
(わたくしはわたくしの為すべき事をするだけですわ。つまるところ、今は──)
「あなた達のお相手になりますわ!」
 魔力で生成した金色の風を纏って、ヴィクトリア達に直進するルディア。掲げた鋭い切先が月影のように光を纏い、人形達の無機質な敵意を切り裂く。掛け声と共に重い一撃を喰らわせると、ルディアは金色の風を纏ったまま元の位置へと舞い降りた。きらきらと光を零し、誇りに満ちたその姿は。まさに金色の風の如し。
「どうです?わたくしはまだ戦えますわよ。あなた達が引かないのなら、お相手になりましてよ!」
 白銀のハルバードの切先をヴィクトリアに向けるルディア。その姿は、勝利の女神のようでありながら、戦乙女の如く輝かん。
成功 🔵🔵🔴

オズ・ケストナー
アヤカ(f01194)と

わあ、すごい
きれいな子たちだ
シュネーもともだちになれそうっ
腕の中の人形に、ねー、と

ごめんね
おわったら出ていくから、少しだけおじゃまするね

お茶会、いいないいな
アヤカの提案にうれしそうに笑って
うんうんっ、お茶、のみたい
よかったらいれてほしいな

いいにおいっ
おちゃがしはねえ、ケーキがいいな
たっぷりジャムを挟んであるんだよ
ヴィクトリアっていうの

おんなじ名前なの?
ふふ、すてきだね
ヴィクトリアはね、女王さまもだいすきなんだって

ヴィクトリアも、お茶のまない?

お茶のおれいに、歌うね
蒲公英の歌を歌って
魔鍵で触れ生命力吸収

たのしいお茶会をありがとう
マスターとも、たのしくお茶会ができるといいね


浮世・綾華
オズ(f01136)と

あら、入っちゃダメな場所だった?
ごめんネ
シュネーに語りかける様子に微笑み

…お茶会の奉仕、好きだったの?
な、オズ。この子らに淹れて貰う?
折角だしさ

へえ、なかなか美味しいじゃん
これはなんの紅茶?
お茶菓子とかもあれば良かったなぁ
オズはこのお茶となら、何食べたい?
ヴィクトリア…たっぷりジャムを挟んだケーキ?
どんなものだろうと想像しながらも
確かにそれなら、この紅茶にきっとぴったりだ

お茶、ありがと
美味しくて、楽しかったよ
君らも楽しんでくれてたらいいんだケド――

もし抵抗するようなら、オズを傷つける行動があるなら
動きを制限するように花弁を舞わそう
すまんネ、お掃除されるわけにはいかんので



「あら、入っちゃダメな場所だった? ごめんネ」
 綾華の言葉に、ヴィクトリア達は一斉に硝子の瞳を向ける。その瞳は冷えた星のように輝く。それから、困ったように言葉を繰り出した。
「ええ、ええ。わたくし達は、戦いたくはないのです……」
「お茶汲みが本業ですから……」
 オブリビオンとは言え、優しい素質のヴィクトリア達。お茶さえ淹れていられれば、彼女達は幸せに暮らせていたのだろうか。しかし、こうして出会ってしまったから。
「わあ、すごい。きれいな子たちだ」
 ヴィクトリア達の美しさに、オズから思わず感嘆のため息が零れた。
「シュネーもともだちになれそうっ」
 オズは腕の中にいる、雪のような白い髪と桜色の瞳の愛らしい人形に、ねー、と話しかける。シュネーは、言葉こそ返さないものの、オズの言葉に柔らかな雰囲気を纏った気がした。
「ごめんね。おわったら出ていくから、少しだけおじゃまするね」
 申し訳なさそうに眉尻を下げるオズ。そんなオズの様子に微笑む綾華。そして、綾華は友人と彼女達に優しい提案を。
「……お茶会の奉仕、好きだったの? な、オズ。この子らに淹れて貰う? 折角だしさ」
 ぱっと表情を明るくするオズ。お茶会、いいないいな、とにこにこ顔を綾華と人形達に向ける。
「うんうんっ、お茶、のみたい。よかったらいれてほしいな」
「わたくし達のお茶をご所望なのですか……?」
「それならば、ご奉仕いたしましょう」
 ヴィクトリア達は、少しだけ嬉しそうに。一時休戦、とてきぱきお茶の準備を始める。何故なら、それこそがヴィクトリア達の天職なのだから。そして、あっという間にティーセットが二人の前に用意された。
 オズの前に紅茶を注ぐヴィクトリア達。その貌は、何処か誇りに満ちていて。
「へえ、なかなか美味しいじゃん。これはなんの紅茶? お茶菓子とかもあれば良かったなぁ」
 綾華の嘘のない褒め言葉に、少し頰を赤く染めるヴィクトリア達。
「UDCアースから取り寄せました、アップルティーでございます。芳醇な香りをお楽しみいただけますかと」
「うん、通りで。オズはこのお茶となら、何食べたい?」
 綾華はヴィクトリア達に頷くと、オズの様子を窺った。
「うん、いいにおいっ。おちゃがしはねえ、ケーキがいいな。たっぷりジャムを挟んであるんだよ。ヴィクトリアっていうの」
 にっこり笑ってカップを両手で包むオズ。
「ヴィクトリア……たっぷりジャムを挟んだケーキ? 確かにそれなら、この紅茶にきっとぴったりだ」
 微笑む綾華。対して、人形のヴィクトリア達は微かに狼狽えた。
「ヴィクトリア……? それは、わたくし達の個体名……」
「おんなじ名前なの? ふふ、すてきだね」
 ヴィクトリアはね、女王さまもだいすきなんだって。そう付け足すオズ。ヴィクトリア達は、オズの優しい言葉に、流すはずのない涙を浮かべていた。
 ──わたくし達のお茶を飲んでくださって、女王様のお話までしてくださる。そして、だいすきとまで言ってくださる……。そんな、マスター以外のお方に懐柔されてはなりませんのに。嗚呼、嗚呼。わたくし達は……。

「ヴィクトリアも、お茶のまない?」
 オズの申し出には、きゅっとドレスの裾を摘んで。
「わたくし達は、奉仕する側の人形ですので」
 そっか、と眦を優しく緩めるオズ。綾華は、空になったカップを傾けると、ご馳走サマと告げて。
「お茶、ありがと。美味しくて、楽しかったよ。君らも楽しんでくれてたらいいんだケド──」
「お茶のおれいに、歌うね」
 オズも続けて、ヴィクトリア達に言葉をかけると、蒲公英の歌を歌う。それと同時に、オズと綾華の戦闘力が上昇していく。綾華は、その歌の力を瞑目して受け取り、美しく清らかな白菊を舞わせる。
「たのしいお茶会をありがとう」
 オズは笑顔と共に、人形達と最後の言葉を交わす。マスターとも、たのしくお茶会ができるといいね──と。
「ええ、きっと出来ますわ──」
 オズに魔鍵で生命力を吸収されながら、そっと目を閉じた。ヴィクトリア達の瞼に浮かんだのは、きっと愛おしい彼の方。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

空・終夜
助(f25172)と
アドリブ可

「…ああ、頼りにしてる」

任せた
ただ一言、助に告げると

首飾りの鋭い部分で
己の掌を裂く
滴る血が己の武器…UCだ

――Spider
6本の刃を携えて
念動力で操ってヴィクトリア達と向き合う

「ああ…本当に困ったよな…
俺も、お前達に茶会をさせてやりたかったと思う
――だが」

オブリビオンである以上はそれを叶える事は不可能だ…
せめて、苦しまないように破壊する

獰猛な蜘蛛のような早業で範囲攻撃
確実に傷口をえぐりながら串刺していく
助の動きに時折目を配り
彼女と合わせる呼吸で確実に一撃を落とす

「掃除は終わりだ…
せめて、安らかに眠れ」


周・助
終夜くん(f22048)と。
アドリブ、マスタリング歓迎です。

_
「終夜くん。背中はどうぞお任せください」

本当は、戦なんて怖い。
何かを傷付けるのは恐ろしい。
けれどその弱さは心の奥に秘める。

…私の刃は、護るべきものを護るためにある。
その対象を見誤ってはならない。
そう自分に言い聞かせて。

──春を啼け、鶯丸。

その名を呼ぶと、私の手の中に一振りの愛刀が桜吹雪と共に顕現する。

終夜くんの背中を死守しながら、一瞬の隙を見て納刀。刹那集中。
終夜くんと呼吸を合わせ、

「壱の剣──」


椿の花を


「──椿 一閃」

落とす様



──その首、頂戴致す。

_
(──おやすみなさい。)



 助は、真正面から人形のオブリビオンと対峙した。虚ろな眼と助の可憐な瞳がぶつかり、長い睫毛に縁取られた藍色が一瞬揺らぐ。

 本当は、戦なんて怖い。
 何かを傷付けるのは恐ろしい。
 けれどその弱さは心の奥に秘める。

 助は本来は心優しい乙女であるがゆえ、百戦錬磨の猛者のように、また狂戦士のように、嬉々として戦いに興じる事は無い。しかし、それこそが彼女の持つ強さ。
(「……私の刃は、護るべきものを護るためにある。その対象を見誤ってはならない」)
「終夜くん。背中はどうぞお任せください」
 彼女は、護るべきひとに凛と言葉を伝えた。
 そんな助の覚悟を感じ取り、周夜もまた、静かに言葉を返す。
「……ああ、頼りにしてる」
 ──任せた。
 ただ一言、助に告げた。その言葉は、決してぶっきらぼうではなく、助への信頼に満ちていた。そして、彼女の苦悩を周夜はその身に痺れるように感じ取る。だからこそ、彼もまた真摯な覚悟を以って戦いに臨むのだ。

 ヴィクトリア達が調理係を召喚しようとした刹那、
「──春を啼け、鶯丸。」
その場に凛とした声音が響き渡る。助の声だ。
 その名を呼ぶと、助の手の中に一振りの愛刀が桜吹雪と共に顕現する。弧を描くように刃の軌跡が煌めくと、助は鶯丸を構えた。思わず後ずさりするヴィクトリア達。
 助の抜刀と同時に、周夜は首飾りの鋭い部分で己が掌を裂く。Spider──蜘蛛の足のような6本の刃を生成した。
 さあ、舞台は整った。
「困ります……」
 ヴィクトリア達はため息をひとつ。出来れば戦いたくは無い、という気持ちが伝わってくる。それは、助や周夜とて同じこと。
「ああ……本当に困ったよな……俺も、お前達に茶会をさせてやりたかったと思う。──だが」
 オブリビオンである以上はそれを叶える事は不可能だ、と周夜は思う。そして、心優しい彼は、せめて、苦しまないように破壊する事を胸に誓った。
 ヴィクトリア達はばらばらに散りながら、強酸性の水を吸ったモップを周夜に振り下ろす。しかし、それより早く、周夜は範囲攻撃をヴィクトリア達に齎す。確実に傷口をえぐりながら串刺していくそれは、獰猛な蜘蛛のような早業。
 それと同時に、助の動きに時折目を配った。彼女と合わせる呼吸で確実に一撃を落とす算段だ。

 助は、戦いへと神経を研ぎ澄ましていた。終夜の背中をモップから、人形から死守しながら、一瞬の隙を見て納刀。刹那集中。
終夜と呼吸を合わせ、

「壱の剣──」
椿の花を

「──椿 一閃」
落とす様

──その首、頂戴致す。

「──あ、」
 ヴィクトリア達は助の剣戟を受け、すぱっと喉元が肉体パーツと乖離する。そして、周夜は助と合わせる呼吸で確実に重い一撃を落とした。ごろん、と倒れて積み重なるヴィクトリア。
「掃除は終わりだ……せめて、安らかに眠れ」
 白い躰が無機質に転がってゆく。しかし、その身は猟兵達の手によって骸の海へと還っていく様子だ。
(──おやすみなさい)
 助は、オブリビオン相手にも願わずにはいられない。どうか、人形達に安らかな眠りを。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年07月02日
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴