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あんなに、可愛かったのに……

#UDCアース #UDC-HUMAN #ハートフル

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 ここはアパートの一室……。
「やだー! 絶対やだー!」
「こら、逃げるな!」
 中学生くらいの可愛らしい少年が、少し年上の少女に追いかけられている。
 ボーイッシュな少女の手に握られているのはスマホと……何かひらひらした衣装。
「あんたのために溜めてたお年玉も叩いて買ったのよ! 大人しく着て見せなさい!」
 少年は壁に追い詰められ、少女を涙の浮かぶ目で見上げていた。
「だって……だって姉ちゃん、もうやらないって言ったじゃないか!」
「何を言ってるの。」
 追い詰めた少女……少年の姉は衣装を手に、じりじりと迫る。
「前に着せたスク水はもうやめてあげる、って言ったのよ。」
「へ、屁理屈だー!」
「うるさい! さっさと……」
 ボン!? と突然、少年が煙に包まれた。
「ケホッケホ……な、なに?」
 少女が咳き込んでいると、衣装がその手から奪い取られる。
 ふと見れば……妙に筋肉質な足が、ファンシーなブーツを履いていて。
「……え?」
 たどってみれば、少女の衣装を着たマッチョな男性がいた。
 ……少年の身体に合わせた衣装は、今にもはじけ飛びそうで。
「えええー!?」
「……さぁ、お姉ちゃん。」
 へたり込む少女に対し、男はダンディーな声で言った。
「お姉ちゃんも、魔法少女になろうではないか。」

「……えーと、まぁ、そういう感じです。」
 どういうことだよ……という猟兵達のざわめきを見ながら、アトは改めて話を続けた。
「最近、人がUDCへと変身するという奇妙な事件が起きています。
 UDC組織ではUDC-HUMANと呼称していますが、今回の件もそれに当たりますね。
 皆さんには、変身してしまったUDC-HUMANを倒してもらいます。
 彼はまだ、変身して間もありません……まだ間に合いますから。」
 手にしたグリモアを輝かせると……そこに居たのは、変わった姿の少女たちに囲まれた、マッチョな男性。
 その服装はもちろん、ひらひらとした魔法少女。
「それでですね……問題を起こしたお姉さんですが、弟が可愛いからと様々な女性用の衣装を着せていたようなのですよね。
 ですが、弟さんも思春期を迎え……さすがに恥ずかしいという気持ちが出てきたようで、それが嫌になっていたようです。
 カッコよくなりたい、という想いがあの姿なのでしょう……さすがに少し、やりすぎですが。」
 ゲートを開いたアトは、いたずらっぽい笑みを浮かべながら猟兵達へ言葉を紡ぐ。
「お姉さん、あまり自分自身の事を可愛いと思っていないようなんですよね……スポーツが得意な、活発な方です。
 弟さんを可愛く着飾らせていたのは、それもあったのかもしれません。
 なので……弟さんを元に戻したら、自分の魅力に気が付かせてあげるといいかもしれませんね。
 そうすれば、弟さんへ向いていた気持ちが落ち着くでしょうから。
 それでは、よろしくお願いしますね。」


ヨグ
 ヨグです、UDC-HUMANの物語をお送りしたいと思います。
 こういう制裁も、たまにはいいのではないでしょうか?
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第1章 集団戦 『黒史病の使徒』

POW   :    ぼくのかんがえたさいきょうのわざ
無敵の【今の状況に適した肉弾戦の奥義】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    こんなこともあろうかと
無敵の【今の状況に適したアイテム】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
WIZ   :    ぼくのかんがえたきゅうきょくのまほう
無敵の【今の状況に適した魔術の秘奥】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きように。
黒史病の使徒ね、弟君が元なら男の娘なのかしら?じゅるり。
妄想具現化で大量の分身(集団戦術/多重詠唱/魔力溜め)を作って集団に対応。
肉弾戦の奥義を感応能力(第六感/情報収集)による先読みで見切り、盗み攻撃でタイミングを盗みながら唇を略奪☆そのまま魔法の鍵の概念を宿した舌で蹂躙しながら新しい世界の扉を開いてあげるわ♪
さぁ、情熱の炎で焼き尽くしてあげる☆高まった感情エナジーをおいしく捕食するわよ♡
ふふ、姉弟揃って同じ性癖に目覚めればいい、でも新技だからこの子達でやり過ぎないレベルに抑える練習をするわ☆というわけで今回は少年誌レベル、一応跳躍掲載のを基準で♪


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……いや、まぁ、うん。
変異するのは見過ごせないけどさ。
アタシにゃ弟クンの気持ち、めっちゃよく分かるわ……
……だからな?
お前はお呼びじゃねぇんだよ珍獣!
ここはアタシ自身でなんとかするってやめろぉォー!?

……はぁ。
やっぱこうなるのかよ。
ほらそこ、少女に?マークつけない。
アタシだって理不尽だって感じてるんだよ。
分かるよな?この憤り。
分 か れ よ ?

なんかロッドだって渡された戦車砲を
そのままぶん回す。
うん、アンタらの困惑もよく分かる。
これ魔法じゃねぇよな?
でも『恐怖を与える』には抜群らしいからね。
やはり暴力……暴力は全てを凌駕する!

訳ねぇだろ!?
なんとかしろよこの状況!



「ふぅん、現れたのは黒史病の使徒ね。」
 立ちはだかる変わった格好の女の子、黒史病の使徒たちの前に現れた、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)。
 舌なめずりするように少女らを見つめ、
「弟君が元なら、男の娘なのかしら? じゅるり。」
「そんなわけないでしょ!」
「……ない、はず。」
 なぜか自信無さげに応える少女もいるが、各々拳を構え、
「あんたには、ぼくのさいっきょーの技をたたきこんでぶふっ!」
 口上の途中で突然吹き出した少女たち。
 背後の気配にアリスが振り向くと、そこに立つのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。
「……はぁ、解っちゃいても。」
 数宮は野性味あふれる顔で、ライダースーツでバイクにまたがるような姿の方が似合う女性だ。
 だが、今の姿は……ひらひらとしたピンクが基調になった魔法少女のもの。
 ご丁寧にピンクのウサギのマスコットまでついてきていた。
「その反応はさすがに傷つくぜ?」
「……いや、だってねぇ?」
「私たちを呼び出した人もインパクトあったけど……大人の女性が魔法少女の服を着るって、すごい……。」
「感心してんじゃねえよ! クソっ、変身しちまった弟君に同情してみりゃこれだ。」
 怒鳴り返した数宮が振り上げた腕に握られていたのは、巨大な筒。
「多喜ちゃん、今こそらじかる☆ハートロッドを使う時だよ!」
「……ハートロッドだって。」
「あれ、どう見ても戦車の砲身……。」
 マスコットの言葉に、こそこそと耳打ちをする少女達の声が聞こえてくる。
「うるせえよクソっ! ああ、やってやるよ!」
 恥ずかしさに顔を真っ赤にしたまま、やけくそで殴り掛かっていく数宮。
 普通の人では持つのも難しい砲身を片手で持ち、さらに少し浮き上がりながら。
「……ふふ、今回も楽しめそうね。」
 その後ろでアリスも自身の姿を増やしながら、ゆっくりと少女達へと近づいていった。

「ちょ、ぐはっ!?」
 力いっぱい振られた戦車の砲身、もといらじかる☆ハートロッドに少女の一人が吹き飛ばされていった。
「次はお前だ。」
「ひぃ!? ち、近づいてみなさい! 一歩でもそこから動いたら、あたしの魔法のトラップが」
「へぇ、」
 ダン! と床を砲身でぶったたくと、魔力の槍が空間を刺し貫いていく。
「ふ、ふん、これであなたも動けない」
「おりゃあ!」
 ブン! と薙ぎ払うと、少女の生みだした魔力の槍が霧散していった。
 あまりの風圧にぺたんと座り込んでしまった少女の顔は、恐怖に引き攣っている。
「う、うそ……。」
「お前さんに教えてやるよ……。」
 ゆっくりと歩いてくる、ひらひら衣装に身を包んだ数宮を……少女はただ震える瞳で見上げることしかできず、
「やはり暴力……暴力は全てを凌駕する!」
「きゃああ!」
 そのまま横薙ぎに殴り飛ばされていった。
「あらあら、可哀想に。」
 すでに瀕死な少女を抱きとめたアリス。
 その無防備な姿に、別の少女が一気に踏み込んできた。
「時間を止めて、その間に繰り出される拳に耐えられる?」
 周りの光景がスローモーションになるほどの高速移動、そして拳が……動かない。
「え、なんで……。」
 しゅるりと蛇のように少女の腕に巻き付いていたのは、ピンク色の触手だった。
「ふふふ……やる事さえわかれば、」
「んぅ!?」
 腕の方へと視線を移した少女の唇が、熱いもので塞がれた。
 いつの間にか後ろに立っていた別のアリスに捕らわれ、その唇を舌が入り込んでくる。
「ん……んぅう……。」
「……捕まえるのは難しくないわ。」
 アリスがその口を離した時、少女の顔はすでに蕩けきっていた。
 その様子を見たアリスは少し困ったように眉を顰め、
「ふむ……ちょっとやりすぎたかしら?」
「……何してんだよ。」
 見れば、肩に戦車の砲身をかけて呆れた様子で立つ数宮の姿。
「ちょっと新技の練習よ。問題のお姉さんにお仕置きしなきゃいけないけど、壊しちゃったらいけないでしょう?」
「ああ……そういう事か。」
 アリスの腕の中にいた少女がピンクの触手に絡まれ、そのまま吸われて消えていく。
 ぺろりと舌をなめ、
「ご馳走様。ふふ、高まった感情のエナジー、美味しかったわ。」
「……あたしにゃわからない世界だな。」
 気配に振り向けば、まだ別の少女達がいる。
 数宮はアリスに背を向けるように立ち、
「まぁいいや、あいつらを倒さなきゃ終わらないからね。」
「ええ、まだまだ練習しなきゃ♪」
「……ほどほどに。」
 隣に立つ別のアリスと共に、数宮は少女へと殴り掛かっていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジズルズィーク・ジグルリズリィ
POW判定*アドリブ歓迎

混沌、問答。ジズは、状況に困惑を隠しきれません。ですが、ジズたちにできることをまずはなしましょう
どなたかは存じ上げないですが、お引き取り願うのです

奥義ですか。威風、畏怖。ジズは、もしもその技が絶対最強のそれなら恐怖を覚えるのです
あえて無防備な祈りの姿勢で受け止めてみせましょう
ぼっこんぼっこにされても、立ち上がることができれば反撃の好機到来
持ってるハンマーでばちこーんと反撃なのです

容姿に騙されずその本質を突かなければ、最強とは程遠いかと
ジズは、再び祈りを捧げながら、そう告げるのです



「混沌、問答。ジズは、状況に困惑を隠しきれません。」
 前に立つ少女達、そして奥に見える魔法少女の衣装を来た男を見やる、ジズルズィーク・ジグルリズリィ(虚無恬淡・f10389)。
 自身に絡む鎖につながれた鉄槌を手に、少女達へと歩み出す。
「ですが、ジズたちにできることをまずはなしましょう。どなたかは存じ上げないですが、お引き取り願うのです。」
「ふん、出来ると思うならやってみなさい!」
「ぼくらのさいきょーの奥義で相手してあげる!」
 そう言って二人の少女がジズルズィークへと向かってきた。

 ジズルズィークの目の前で左右に分かれ、壁へと飛ぶ少女達。
「奥義ですか。威風、畏怖……。」
 壁を蹴って左右の空中から飛び蹴りを仕掛けてくるのをぼうっと視界に入れながら、鉄槌の柄に軽く凭れ掛りながら両手を合わせ、
「ジズは、もしもその技が絶対最強のそれなら恐怖を覚えるのです。」
「「てりゃぁー!」」
 目を閉じて祈りを捧げるポーズをとった時、少女達の足がジズルズィークの身体に突き刺さる。
 そして息の合った動きで同時に少女たちは跳びあがり、また壁を蹴る。
「これぞ、ぼくたちのきゅうきょくおーぎ!」
「壁を蹴って2倍、二人で同時に仕掛けて2倍、合わせて4倍の威力のキックをくらえー!」
「くふっ……。」
 安らかに祈るポーズは変わらないが、ジズルズィークの身体を襲う衝撃に吐息が漏れる。
 しかし、まだ倒れない。
「しぶといね!」
「もう一回いくよ!」
 そう言って少女たちが改めて壁を蹴った瞬間、ジズルズィークは突然鉄槌を持ち上げる。
「えっ……!」
「まだそんな力が!?」
「忍耐、擬態。ジズはこの機を窺っていました。」
 すでに空中で軌道修正はできない少女達……ゆらりと体をずらし、二人の蹴りが合わさる瞬間に鉄槌を上から叩きつける。
「ばちこーんと反撃なのです。」
「「ぐえっ……。」」
 そのまま叩き潰された少女たちは、黒い塵となって消えていった。
 鉄槌を持ち上げて肩に担いだジズルズィークは、改めて祈るように手を合わせ、
「容姿に騙されずその本質を突かなければ、最強とは程遠いかと。」
 少女たちの居た場所へと告げ、目を閉じて祈りを捧げていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

防人・拓也
「やれやれ…少年がアレになるとはな。これは早く戻してあげた方が良さそうだ」
と言い、敵の前に登場。
持っていた銃を地面に置き、敵に指差してこう宣言する。
「今から俺は銃を使わずに、お前達を倒してやる」
宣言後、敵が攻撃しようとした瞬間、『ブレイブ・ソルジャー』を発現させ、『ブレイブ・ソルジャー』で超高速の拳を放って先制攻撃。
「何を呆けている。俺の攻撃はこれからだぜ」
と言い、指定UCを発動して敵を纏めてラッシュしていく。
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリィィィー!!」
と『ブレイブ・ソルジャー』が叫んで、フィニッシュブローを放った瞬間、こう決める。
「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」
アドリブ・連携可。


アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
ふむ、調整としてはこんなところかしらね?
何人かヤりすぎて壊しちゃったけど、ちょうどいいぐらいに仕上げられるようになったわね。問題は、性癖の扉を開いたからと敵対関係までは解消出来ないことよね。
第六感で見切り、早業の先制攻撃での盗み攻撃で機先を制して攻撃の機会そのもを略奪し、威厳ある存在感による気当て(精神攻撃/マヒ攻撃)で心を折りましょ♪無敵の技もタイミングをずらされれば形無しね?
心折れた彼女達を具現化した妄想世界に連れ込んで、シャーマンとして情熱的に心通わせるわ♡サクラメントを刻めば破壊の衝動もデリートできてUDC-P化もできるし楽園の住人になってもらうわよ♪



「あぅ……あ……。」
「ふむ、調整としてはこんなところかしらね?」
 アリスの足元に少女たちが転がっている。
 蕩けた顔をした者もいれば、白目を剥いて泡を吹いている者も……。
「何人かヤりすぎて壊しちゃったけど、ちょうどいいぐらいに仕上げられるようになったわね。もっとも……問題は、性癖の扉を開いたからと敵対関係までは解消出来ないことよね。」
「く、ぼくらの仲間をよくも!」
 そんなアリスへと少女達はまだ襲い掛かろうとするが……銃を持って立ちふさがる、軍人風の男。
「やれやれ……少年がアレになるとはな。これは早く戻してあげた方が良さそうだ。」
「……なんなのよ、あんたは。」
 突如現れた防人・拓也(コードネーム:リーパー・f23769)に、少女たちは身構えながら足を止めていた。
 その様子を見た防人は銃を置き、指先で来るように伝えつつ、
「今から俺は銃を使わずに、お前達を倒してやる。」
「……馬鹿にするなー!」
 対する少女は怒りのままに拳を振り上げて突っ込んできた。

「ぎゃん!?」
 突然横から殴りつけられ、少女が横に倒れていた。
「ちょ、え、なに……?」
「何を呆けている。」
 声をかける防人の方を見れば、その近くに半透明な人影が浮かび上がっていた。
「まだ俺の攻撃は終わってないぜ。」
「ひっ!?」
 少女が身構えた時にはすでに遅く、半透明な人影が振り上げた拳が少女の身体を殴りつけていた。
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリィィィー!!」
「やっ、ぐぇ、がは……!」
 高速の拳のラッシュに少女の体が宙に浮きあがり、
「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」
 キメ台詞と共に渾身の力を込めた一撃が炸裂し、少女の体は塵と化していった。
「う、うそ……。」
「あらあら、やられちゃったのね。」
「くっ! ……あっ!?
 何もできずに仲間がやられ、あっけに取られていた別の少女のすぐ横に立っていたアリス。
 少女はとっさに殴り掛かるが、その時にはアリスの姿はそこにはなく、少女の意識の外から絡み付いてくるのはアリスの触手。
「えい♪」
「ぐ、ぅ……。」
 そして、少女に叩きつけられるのは、異界の存在による気当て。
 大いなるモノに精神を揺さぶられ、無気力になった少女をアリスから生えるピンクの触手が絡めとり、足元に転がっていた少女と共に何処かにある妄想世界へと呑み込んでいった。
「ふふ、この子たちとはもっと心を通わせないとね♪」
「……失礼を承知で聞くのだが、彼女らはどこへ?」
 クスクスと無邪気に笑うアリスへと、防人は少し眉をひそめながら問いかけていた。
 対して、アリスは楽しくてたまらないという様子で、
「楽しいところよ♪ サクラメントを刻めば、破壊の衝動もデリートできてUDC-P化もできるし、楽園の住人になってもらうわよ♪」
「そう、か……。」
 背筋に冷たいものを感じ、防人はそれ以上聞くことはなかった。
 一つだけわかる事は……これは、人とは違う存在だ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞ

弟君、新たな扉を開くことが出来なかったんだね
開くことが出来ていれば違う結末もあっただろうに
いや、ある意味目覚めてしまったと言うべきか

登場即自爆
とにもかくにも速攻で自爆することが最優先
自爆さえできれば台詞も活躍もいらぬ!

ただ自爆するためだけに現れる存在

技能:捨て身の一撃を用いてのメッサツモードによる高威力な広範囲無差別自爆

射程範囲内に敵が1体でもいれば速攻で自爆する
自爆することが最重要
なので敵がいなくても自爆するよ
近づかない動かない一歩も動かず即自爆
大事なのはスピード
そう、スピードなのですぞー

捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
1回限りの大爆発
自爆後は爆発四散して戦闘不能さ


斉賀・悠
※アドリブ連携大歓迎!
「あぁ~… あー…」
うん、えーと、とりあえず
「かわいらしいからって、フリフリとか着たくないよね…」
弟さんに物凄く同意しながら、僕は猟兵としてのお仕事を果たすぞ…!(●恥ずかしさ耐性)
(変身バンク ※カット可)(POW)
「僕だって、好きで変身してる訳じゃ無いからね!」
何か凄そうな攻撃は●空中戦●ダッシュ●ジャンプ●スライディング●気合い で回避して…痛いのは嫌だから●オーラ防御 も使っておくよ
「どんなに強い攻撃でも…」
UC:雷の矢 を●高速詠唱 しながら、●呪殺弾 や●誘導弾 も混ぜこんで…●一斉発射 だ!
「隙って言うのは生まれるんだっ!」



「あぁ~……あー……。」
 二人の少女たちの奥に立つ、魔法少女の服装をしたダンディーの姿を見上げていた、斉賀・悠(魔法少年 エクレール・f17889)。
 中性的な可愛らしい顔だが、状況を見ていたその目から光が失われかけていた。
「かわいらしいからって、フリフリとか着たくないよね……。」
「えっ。」
 斉賀の呟きに少女たちが驚きの声をあげる。
 信じられない、と言いたげに。
「可愛い男の子にフリフリの可愛い服って、さいきょーでしょ!?」
「いや、違う! 自分の意思で着るならいいけど、他の人に着せられたくないんだ!」
「何を言ってるの!」
 否定する斉賀に対し、少女たちは言葉をかぶせていく。
「嫌がってるところも可愛いじゃない!」
 ……まるで、UDC-HUMANになる前の姉弟のやりとりのように。

「話が通じない……なら、」
「うあ!? 眩し……!」
 言葉と共に斉賀がスマホを取り出すと、画面から光が溢れ出す。
 光がおさまった様子に少女たちが恐る恐る目をあけると……ヒラヒラの魔法少女、いや魔法少年エクレールの姿があった。
「やだ、可愛い!」
 少女たちからの黄色い声に、斉賀は若干顔を赤らめつつも気丈に言い返す。
「僕だって、好きで変身してる訳じゃ無いからね!」
「どっちでもいいよ! ぼくらのものにしちゃうからね!」
「くっ!」
 二人で一気に距離を詰め、息の合ったコンビネーションで殴り掛かってくる少女たち。
 対する斉賀も、跳び退って拳を避け、さらに追いかけてくる蹴りが当たらぬように跳び上がった時……少女たちの足元に見えたのは、『うつろぎ』の4文字。
「うつろぎ式・切宮殺戮術『一爆鏖殺』 これが僕の鏖殺領域さ。」
「きゃああ!?」
 足元に現れた4文字こと、虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)の自爆に巻き込まれ、少女たちの身体が浮き上がる。
「仲間が命を捨てて作ってくれた隙なんだ……。」
 空中に浮いたまま、斉賀の周りにバチバチと雷を纏う不可視の矢が生み出されていく。
「絶対に倒すっ! 降り注げ、ライトニングアロー!」
 手にしたファンシーなロッドを振るうと、それに合わせて無防備な少女たちへと矢が降り注ぎ、その身体を貫いていった。
「あぐっ……。」
「で、でも……。」
 塵となりつつある少女たちの声が残る。
「「可愛い男の娘にやられるなら、いいかな……。」」
 少女たちだった塵を、疲れたように斉賀は見つめていた。
「いい、の……?」
「それでいいのだよ、少年よ。」
「……え?」
 突然かけられた声に振り向けば、地面に横たわるうつろぎの文字。
 プルプルと字を震わせながら、言葉を紡ぐ。
「あの弟君は、新たな扉を開くことが出来なかったのだよ……開くことが出来ていれば、違う結末もあっただろうに。」
「何の、話?」
「そう……少年、君のように新たな扉を開いていれば、あのような姿となる必要は、」
「だから! 好きでこの格好してるんじゃない!」
「少年よ……目覚める方向を間違えた弟君を、頼む……。」
「あーもう! 分かったよ!」
 くたりと床に描かれたうつろぎから視線を外し、魔法少女の姿をしたダンディーへと身構える。
「……絶対に助けるよ。あの子の気持ちは、僕もよくわかるし。」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『大変態魔法少女騎士』ダンディーニ』

POW   :    可愛らしい呪文(野太い声で)
単純で重い【魔法】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ライドオンステッキ
【ステッキに跨り絶叫しながらの突撃】による素早い一撃を放つ。また、【服をパージして褌一丁になる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    レッツ!メイクアアァァァァップ!!
いま戦っている対象に有効な【魔法少女化洗脳光を放ち、新しい衣服と武器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ポーラリア・ベルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ずい、と迫るダンディーニに、壁に追い込まれた姉。
「さぁ、お姉ちゃん。」
「い、いや……。」
「どうしてそんなに嫌がるんだい?」
 ダンディーニは手にした魔法少女の服へと目を落とし、
「こんなに可愛らしい服だ、お姉ちゃんに似合うぞ?」
「そんな、だって……私、可愛くないし……。」
「くっ……まだそんなことを言うか。」
 頑なな姉の様子に、ダンディーニはぐぐっとゴツくファンシーなロッドを握り、
「無理やり着せるしかないか。……できればこの方法は使いたくなかったが。」
 ロッドに力が溜まっていく。
 魔法少女へと洗脳させる、光線を放つ力が。
アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。お好きなように。
ダンディーニもとい弟君の新たな世界の扉を開かないと。
第六感で元の姿を読み取りつつ形態変化の神罰でダンディーニを元の弟君の姿に戻すわよ。その為のリソースは単純で重い魔法から略奪捕食して確保よ。
妄想具現化でクールタイプな男の娘魔法少女を具現化し、式神使いで操り盗み攻撃で弟君の唇を略奪させ魔法の鍵で魔法少女(クールタイプ男の娘)でもカッコいいという性癖の扉を鍵開けよ☆男の娘×男の娘いいと思います♪
お姉ちゃんが魔法少女(ボーイッシュタイプ)になって姉弟キマシタワーとかなれば最高ね♡
さぁ、私と契約して魔法少女になりましょ?

次章予告、お姉ちゃん堕つ。誕生姉弟魔法少女。


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

おい弟!バカ野郎!何やってんだ!
これ以上魔法少女テロの被害者を増やすんじゃねぇよ!
いいか!?
衣装だけならなぁ、まだ脱げば済むんだ!
本気で変身光線なんて使うんじゃない!!
あれやこれやでなぁ、色んな意味で後戻りできなくなるんだよ!
アタシを見ろ!
ハロウィンで仮装しただけだった筈なのになぁ、
なんかこんな珍獣がいてこんな格好でも戦う羽目にって
こらそこ!珍獣と弟!意気投合してるんじゃねぇーー!
今の時点で着せようとするんじゃねぇよ!
姉貴にオシオキするのはもうちょい先だろうが!

だから!マッチョで変な力はいらねぇから!
鍛えたいなら自分で筋トレする!
そうして自分の努力で見返してやれよ!


斉賀・悠
(変身継続中) ※アドリブ連携大歓迎
「ショートカットも可愛いと思うんだけどな…」
それはそれとして、強制変身の被害者は少ない方が良いに決まってるから、阻止するよ!
「このオブリビオンとの戦いにも慣れてきた自分が居るのが、なんか…」
変な方向で成長してる気がする…
(POW)
兎に角、あのステッキの一撃は強烈だから、それに当たらないのが一番!
UC:スーパージャスティス や●逃げ足 で●見切って 避けながら、離れた所からの●全力魔法 ●多重詠唱 ●高速詠唱 で威力を高めた雷の●属性攻撃 をお見舞いするよ!
「僕は…魔法少年って言ってるでしょー!!!」
魔法少女じゃないもん!魔法少年だもん!!!(確固たる意思)


防人・拓也
「そこまでだ。そこの可愛い嬢ちゃんは解放してやれ」
と『ブレイブ・ソルジャー』を発現してそう言うが、敵に近距離パワー型と見破られてしまい
「その通りだ。1発だけだが、これを使わせてもらうぜ」
と言い、銃弾1発を手に取り、ブレイブ・ソルジャーに銃弾を敵の背後にある壁へ指で弾いてもらう。
馬鹿にされた時
「ああ、外れたな。なら、得意の魔法で攻撃してきたらどうだ?」
と挑発。攻撃してきた瞬間、UCを発動して銃弾がある壁の近くに瞬間移動し、敵の背後をとる。ついでに姉もお姫様抱っこして救出。
「さて、覚悟はいいか? 俺はもう出来ているぜ」
と言い、先ほどの戦闘にも劣らぬブレイブ・ラッシュをくらわせる。
アドリブ・連携可。


二色・ありす
お任せプレイング。お好きなように。
き、筋肉だけがかっこよさの象徴じゃないから(震え声)
魔法少女が可愛らしいだけとは偏見もいいところです。いいでしょう、可愛らしさの中にも凛々しさとかっこよさを内包した魔法少女(男の娘)の可能性をお二人にお魅せしましょう。
ウェイクアップ(化術で変身)
最近の魔法少女は格闘戦も必要なんですよ?(決闘/グラップル)
貴腐神様の妄想で最初は苦戦します。ぼろぼろにやられますが限界突破した継戦能力で魂が肉体を凌駕して立ち上がります。そして、苦戦したことにより武器防具がパワーアップ、つまり覚醒による二段階変身を演出できます。
リミッター解除し情熱を込めた拳でクロスカウンターです。


ジズルズィーク・ジグルリズリィ
明解、危害。ジズは、その荒ぶる欲望を鎮めるのです。ジズは、慣れていますが、強要はよくないかと

とりあえず危害をこれ以上周囲に振り撒くことないよう挑発しつつ交戦なのです
呪文と言いつつ、力技? とりあえずステッキを取り上げる所存です
使用するユーベルコードは《神聖なる咫尺》、ステッキをふりかざしたのを見計らってその武器を奪ってしまいましょう
フィジカルの殴り合いとなりましたら、武器のあるこちらが有利ですよ

仲睦まじいきょうだいに戻ること、切に望みます
悪意は、叩き出します



「ひぅ……!」
 ステッキにエネルギーが溜まり、少女が目を閉じて息を呑んだ時……ガキン! と重い鉄を弾き飛ばす音が響く。
「そこまでだ。」
「明解、危害。ジズは、その荒ぶる欲望を鎮めるのです。」
「くっ、邪魔をするか。」
 間に入ったジズルズィークの鉄槌、そして防人の呼び出した半透明の人型実体、ブレイブ・ソルジャーの拳にダンディーニが押し返されていた。
「この可愛い嬢ちゃんは解放してやれ。」
「……え?」
 ……自分の事? と疑問を浮かべた少女の目に映ったのは、
「ジズは、慣れていますが、強要はよくないかと。」
 隠すべきところは隠しているものの、露出度の高いジズルズィークの服装。
 思わず自分で着た姿を思い浮かべ……頭を振って想像をかき消した少女が、顔を赤くしながら俯いていると、
「おい弟! バカ野郎、何やってんだ! これ以上魔法少女テロの被害者を増やすんじゃねぇよ!」
 もう一人の魔法少女……少女? な数宮が、涙を流しながらダンディーニに訴えていた。
「む……君はすでに着ているのか。」
「ああそうだよ、無理やりだけどな……いいか!? 衣装だけならなぁ、まだ脱げば済むんだ! 本気で変身光線なんて使うんじゃない!! あれやこれやでなぁ、色んな意味で後戻りできなくなるんだよ!」
「ふん、何を言うか。」
 ダンディーニはそんな数宮を鼻で笑い、
「後戻りをする必要などないではないか。魔法少女は良いぞ、君も解っているのではないか?」
「ちっげーよ! そういう意味じゃねえよ!」
「うんうん、よくわかってるね。もっと魔法少女を増やす活動頑張ろう!」
「うむ、もちろんだ。」
「珍獣てめえ! 弟と意気投合してるんじゃねぇーー!」
 絶叫が響いた。

「え、えっと……。」
 そんな様子を唖然と見ていた少女を守るように、二人の少年が立っていた。
「ショートカットも可愛いと思うんだけどな……。」
「うん、お姉さんに似合ってると思うよ!」
 斉賀と二色・ありす(人工未知霊体・f23683)、二人とも魔法少女らしい姿をしていた。
「あ、この子達の魔法少女の姿、可愛い……。」
「うんうん、お姉さんは男の娘の良さが解ってるみたい♪」
「ち、ちょっと待って! 僕は魔法少女じゃないもん! 魔法少年だもん!!!」
 喜ぶ二色に対し、斉賀は顔を真っ赤にしながら反論していた。
「えー、だってこんなに似合ってるのに。」
「いや、似合ってるかもしれない、けど……違うんだ! 魔法、少年!」
「……ふふ。」
 言い合ってる二人を見ていた少女から、思わず笑みがこぼれていた。
「あの子に着せたら、そんな感じだったのかなって……。」
「あぁ、やっぱりそういうところが観たかったからなのね。」
 いつの間にか横に立っていたアリスの言葉に少女は頷き、
「可愛いし、似合うし……ほら、ああやって怒る所とかも。」
「ふふ、そういうのもありよね。今度造るときは、うちの子もそうしてみようかしら?」
「……え?」
「ともかく、まずは弟君を元に戻さないとね。行くわよ、魔法少女隊出撃!」
「おー!」
「いや、ちが……あーもう! 解ってるよ、行くよ!」
 指揮するアリスはいつの間にか姿を消し、二色が跳び出し……釈然としないまま、斉賀もダンディーニへと駆け出していった。

「だから! マッチョで変な力はいらねぇだろ!」
「いいや、これは必要な力だ。」
 ダンディーニと数宮のステッキがぶつかり合う。
 なお、多少ゴツイが魔法のステッキらしいダンディーニに対し、数宮の持つモノは戦車の砲身である。
「鍛えたいなら自分で筋トレする! そうして自分の努力で見返してやれよ!」
「……それができるなら苦労はしない。」
 微妙に言い淀みながら、数宮のステッキを弾き返す。
「しかし、パワーはすさまじいな。」
 防人の呼び出したブレイブ・ソルジャーの拳を、ダンディーニはステッキで受け流し、
「俺のブレイブ・ソルジャーは決して弱くはないはずだが。」
「そのはずです。」
 横からジズルズィークが鉄槌で殴りつけるも、やはりステッキで弾き飛ばす。
 二人で別の方向から叩きつけようと、ダンディーニは己の腕とステッキで受け流して殴りつけてくるのだった。
「奪取、ダッシュ。あの武器が厄介です、奪ってしまいましょう。」
「やれるか?」
「試してみましょう。」
 ジズルズィークが鉄槌を背負い、素手で待ち構えた時……その上を跳んで襲い掛かる、魔法少女(男の娘)の姿。
「き、筋肉だけがかっこよさの象徴じゃないんだからね!」
 空中から飛び蹴りを仕掛ける二色だったが、
「ふん!」
「きゃあ!?」
 可愛らしい悲鳴と共に、ダンディーニの振るうステッキに弾き飛ばされて倒れる。
 何故か衣装も少し破け、死闘を繰り広げたような姿に変わっていた。
「く、強い……!」
「……いや、確かに彼は強いが、」
 そうはならないだろう、という言葉を防人が言いかけた時……追撃とばかりにダンディーニが襲い来るのが見えた。
「さぁ、我が魔法を受けよ!」
「好機、適期……。」
 そこへするりと滑り込むジズルズィーク。
 ダンディーニの振り上げたステッキに手を添えると、そのまま力を合わせて地面に振り下ろさせる。
「え、ちょっと!?」
「な、なんと……!」
「ジズは、これを狙っていました。」
 眼を閉じた二色がブレイブ・ソルジャーに抱えられて離れた時、そのまま叩きつけられたステッキ。
 そのまま床に半分呑み込まれ、ステッキが床材に絡み付かれて抜けなくなっていた。
「び、びっくりした……え、これは?」
「ほう、パワーアップの2段階目というところか。」
 防人の言葉通り、二色の服装がさらに可愛らしく変わっていた。
 そのまま二色を降ろし、
「これからあいつにラッシュをかける。合わせられるか?」
「えっと……はい、行けます!」
「よし、いい返事だ。」
 ピンとブレイブ・ソルジャーが銃弾を指で弾き……ダンディーニから外れて後ろへと飛んだ。
「……外れたが?」
「それでいい。ブレイブ・ソルジャー!」
「なに!?」
 銃弾が当たった壁から現れたブレイブ・ソルジャーが、背後からダンディーニへと殴り掛かる。
 そして、いつの間にかこの戦いを見ていた貴腐神たちの力を得た二色も、
「ボクもいるんだよ!」
「ぐああああ!」
 前後からの拳の連打に、ダンディーニも成す術なく殴られていく。
「これで終わりにしてやるよ、悲劇は終わらせなきゃいけねえんだ!」
「ジズも同意です。」
 ステッキを握った数宮、そして鉄槌を構えたジズルズィーク。
 身動きの取れないダンディーニに対し、2本の武器が振り上げられた。
「元に戻りやがれ!」
「そして、仲睦まじいきょうだいに戻ること、切に望みます。」
「げふっ!?」
 床にめり込むほどの威力で叩きつけられる、重量級の鈍器。
「なんか……このオブリビオンとの戦いにも慣れてきた自分が居る。」
 変な所に自分の成長を感じてしまった斉賀の身体から、黄金のオーラが湧き出てくる。
 それを自身の持つステッキへと集め、
「これでトドメを刺してあげる!」
「く……しかし、」
 斉賀を見上げるダンディーニは、どこか落ち着いた様子で呟いていた。
「魔法少女にやられるのなら、本望だ……。」
「だから僕は……魔法少年って言ってるでしょー!!!」
 そんな斉賀の叫びと共に、ステッキから放たれるのは黄金の雷。
 巻き上がる爆発と共に、ダンディーニの姿が見えなくなっていった……。

「これで……あの子は元に……?」
 少女がそう呟いた時、
「ふふ……さぁいらっしゃい、二色。」
「はーい、アリス様。」
 巻き上がる煙の中から響いたアリスの声に導かれるように、二色がその中へと消えていく。
 煙が晴れた時……中に居るのは、二人の魔法少女。
「……え?」
 少女が目をこすってよく見れば、片方はダンディーニの着ていた服を着た弟で。
 彼を助け起こすもう一人は、クールな雰囲気に変わった二色だった。
「もう、大丈夫だよ、弟君。……と、」
 意識がもうろうとした様子で、バランスを崩した少年を支えた二色……その時、二人の唇同士が触れる。
「あ……。」
「おっと、失礼……君の唇まで頂いてしまった。。」
 ……そんな男の娘二人の様子を、顔に当てた指の隙間から見ている少女。
「ふふ……どうかしら?」
「……良い、カッコいいのも良いよ。」
「お気に召したようで何よりよ。」
 新しい性癖の扉が開いたと、ニヤリと笑ったアリスがすぐ横に現れる。
「さぁ、後はおねえちゃんが魔法少女(ボーイッシュタイプ)になって、姉弟キマシタワーとかなれば最高ね♪」
「え……ええ!?」
「さぁ……私と契約して魔法少女になりましょ?」
 少女へとにじり寄るアリス。
「……やってることが変身した弟と変わってねえじゃねえかよ!?」
 数宮の叫びが部屋に響いていた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW   :    殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る

SPD   :    証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる

WIZ   :    事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「う、うーん……。」
 少年が目を覚ました時、
「や、やだ! 絶対似合わないって! ちょっと待って! せめてもうちょっとあの、可愛い感じじゃなくて! ほら他にあるじゃない!?」
 少女の悲鳴が聞こえた。
 視線を移せば、取り囲まれた少女が服を着せられているようだった……。
防人・拓也
「目覚めたか、少年」
と少年に声を掛ける。
「君の姉はまぁ、ご覧の通り…ああいう状態になっているわけだ」
と姉の方を見るように少年に促す。
「さて、今着ているその服、渡してくれるか。代わりにこれでも着てくれ」
と少年に自分の予備の戦闘服を渡し、魔法少女の服を受け取る。
「さて、やるか。ブレイブ・ソルジャー!」
とブレイブ・ソルジャーを発現し、受け取った服を空中に放り投げ、自身のコンバットナイフをブレイブ・ソルジャーに渡し、ラッシュで切り刻む。
「過去の君に、アリーヴェデルチ(さよならだ)!」
とフィニッシュにそう言う。
「さぁ、少年。これからは君自身の理想の男を目指すといい。では、さらばだ」
アドリブ・連携可。


アリス・セカンドカラー
お任せプレ。お好きに。狂言回し役?
最終的に姉弟の確執が無くなるように。ま、お互いが納得できればいいんじゃないかな?
カートゥーンキャラ的に悪巧みして空回りしたあげく因果応報自業自得的に自滅なり制裁なりされる役どころですな。
宣言通り、不可思議なる沼への誘いで姉弟魔法少女キマシタワーへの性癖の扉を開こうとします。姉弟の変身は化術の早着替えで演出☆前章で契約云々いったので、それは濃厚なキスで☆無酸素詠唱で魔法陣浮かべる演出も♪こっそり分霊を姉弟に降霊♡
止める人がいなければ姉弟揃って口説き落としてハーレムに加えようとするでしょう。グッドナイス・プレイヴァーの収益があるので金銭的な不安はまったくないしね。


斉賀・悠
「終わったー…」(●早着替え で元の少年の姿に)(感慨深げに息を吐く)
あっ、お姉さんの魅力も伝えなきゃ…!
「あ、起きた? 良かった…」
僕としては、運動してる人ってかっこいいと思うけど、かっこいい人がフリフリの洋服を着てたって構わないんじゃないかなぁ…?
「お姉さんに似合う格好って、どんなだと思う?」
フリフリの洋服を着こなしながら運動も出来るって世間一般的に凄いことだと思うんだけどなぁ…
あ、必要なら●言いくるめ とか●コミュ力 とかで援護したりもするし、スマホ(でばいす)で●撮影 したりもするよ


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【ツッコミ多めで】

えぇい!覚悟をキメやがれ!
だいたいなぁ!
アタシのこのカッコを見ても踏ん切りが付かねぇってのかよ!
……あ゛?
誰が余計やりたくなくなっただぁ―!?
もうこうなったら自棄だ!
おいコラ珍獣!お前の出番だよ!
いつぞやみたいに、アタシ以外……姉貴の方も魔法少女にしちまえよ!
……うっわノリノリだなオイ。
ちょっとアタシもヒく。
でもまぁ、大丈夫。
壊滅的なセンスにゃならねぇよ、多分。
だからほら、腹の底から声を出す!
《ラジカル☆まじかる★チャームあーっぷ!!》ってな!

……はっ!?なんでアタシまで唱えてるんだよ!?
しかもこれ変身に変身重ねて二段変身!?
どうすんだよこれー!?


ジズルズィーク・ジグルリズリィ
致命、知命。その身をもって、あなたがしたことの罪深さを知る時です
では制裁を、固定観念は破壊も辞さない所存です
なるほどなるほど、こうして恥じらいを感じさせることが今回の裁きと。なるほど、くふ

ではジズのポーズを真似てみるのです。さあ遠慮なさらず
なるだけ女の子らしく、可愛らしく、きゃるーん。いえいえ、こう、もっと思い切り、きゃる〜ん
甘美、完備。ジズは、その愛らしさに初々しさが備わりひたすら魅力されるのです

よきかな、きょうだいあい。これにて一件落着ですね
たまにはこういう制裁も悪くないです。睦まじき関係にこれからも祝福あれ。ジズは祈りを捧げます



「終わってよかったー……。」
 斉賀が早着替えで、魔法少年エクレールから元の少年の姿に戻った頃。
「う、うーん……。」
「目覚めたか、少年。」
「あ、起きた? 良かった……。」
 少年が目を覚ますと、覗き込んでいたのは特殊部隊の服装をした防人だった。
 ダンディーニへと変わっていた後遺症か、少年は少しぼんやりとしている。
「えっと……はい。」
「えぇい! 覚悟を決めやがれ!」
「や、やだ!」
 ……そんな意識を呼び戻すように、女性陣の声が響いていた。
「致命、知命。その身をもって、あなたがしたことの罪深さを知る時です。」
「ふふ、魔法少女も良いじゃない♪」
「そんな、だって! そんな可愛い服似合わないって!」
 無理やり服を着せようとする女性陣に囲まれながら、少女は悲鳴を上げている。
「姉ちゃん……?」
「君の姉はまぁ、ご覧の通り……ああいう状態になっているわけだ。」
「君に色々服を着せてたことを、少しは反省させようって。」
「あの……大丈夫、なんですか?」
 本気で嫌がっているのを感じたのか、少年は姉の居る方へ心配そうな視線を向けている。
 そんな様子に防人は少し表情を緩め、
「君が、姉を嫌っていないようで安心したよ。」
「うん、そうだね。これはもっと仲良くなるためだから、安心して。」
「あ……そうなんですね。」
 優しく言葉をかける斉賀に、少年が安堵の表情を向けた時……女性陣の方が少し静かになっていた。

 普通に着せようとするとあまりに抵抗するので、女性陣は少し距離をとって語り掛けることにした。
「周知、羞恥。そんなに、この服を着るのは恥ずかしいです?」
 ニコニコと笑みを浮かべながら、ジズルズィークは元々少女が買ったという魔法少女の服を示す。
「だって、それ……あの子になら似合うと思って……。私じゃ、」
「サイズの事? あなたには少し小さいかもしれないけど、色々強調されて丁度いいくらいよ?」
「そ、そうじゃなくって……。」
 同じように楽し気に語り掛けるアリスにも、何かと言い訳を重ねている。
 その様子に一歩前に出たのは数宮だった。
「何をそんなにうじうじしてやがる!」
「ひぅ!?」
 大声で言い放つ数宮に、小さな悲鳴を上げていた。
 ピンクでファンシーな魔法少女の衣装を着たまま詰め寄り、
「だいたいなぁ! アタシのこのカッコを見ても踏ん切りが付かねぇってのかよ!」
 一瞬、呆気にとられたような表情へと変わるが、
「だ、だって……お姉さんと同じように、なるのは、ちょっと……。」
 視線を逸らしてごにょごにょと呟いている。
「ああ、確かに。髪の長さの違いはあるけど、似た雰囲気になるかもね♪」
「理解、了解。活動的な人に着せるとそうなるのです。」
「ちょっと待て! おまえらもかよ!?」
 後ろの二人からも梯子を外されていた。
「もうこうなったら自棄だ! おいコラ珍獣! お前の出番だよ!」
「呼んだ? 多喜ちゃん。」
 いつの間にか、数宮の背中の辺りに浮かんでいるピンクのウサギのマスコット。
「いつぞやみたいに、アタシ以外……姉貴の方も魔法少女にしちまえよ!」
「ふっふっふ~、待ってました!」
「え……あ、ちょっと!?」
「さぁ変身だ! ラジカル☆まじかる★チャームあーっぷ!!」
 あたりがキラキラとした光に包まれる。
 そして少女は、自分の着ていた服がいつの間にか消えていることに気が付いた。
「まって、どういう事!?」
「これが魔法少女の変身だ。ちなみに、」
 光の中、少女の手を取った数宮は真顔で言葉を続ける。
「ちゃんと最後までやらないと、光が消えても裸のままだからな。」
「そんな!?」
「だから最後までやるんだよ。変身のキーワードはさっき珍獣が言った通りだ。」
「ら、らじかる、まじか」
「ちゃんと腹から声を出せ! 安心しろよ、壊滅的なセンスにはならねぇから!」
「う、うん。」
「じゃあ行くぜ?」
 そして、二人の息の合った声が響いた。
「「ラジカル☆まじかる★チャームあーっぷ!!」」

 光が消えた時……そこには、二人の魔法少女が立っていた。
 少女は明るい青を基調とした衣装で、飛んだり跳ねたりしやすい動きやすそうな物。
 引き締まったお腹や脚を覗かせつつも、リボンやフリルで覆われた腰や胸元は可愛らしくまとまっている。
「……って、なんでアタシまで変身してるんだよ!?」
 隣に立つ少女に合わせたように、数宮もピンクを基調にした似たような姿へと変わっていた。
 その声に我に返ったのか、それまで決めポーズをとっていた少女の顔がみるみる真っ赤になっていく。
「うぅ……やっぱり、変なんでしょ……。」
「ううん、お姉さん似合ってるよ!」
「……え?」
 素直な斉賀の声に、少女は俯きかけていた顔を上げた。
「うんうん♪ やっぱり似合うと思ってたわ♪」
「うむ、それなら問題はないだろう。」
 アリスや防人の漏らす感想にも、繕った感じはない。
 そして、姿を見た弟も、
「姉ちゃん、その……か、可愛い、よ。」
「そ、そう……かな?」
「うん。すごく、良いと思う。」
「え、えへへ……そ、そう?」
 身内の言葉にだんだんと、自分の姿を恥じる気持ちが失われていく。
「くふ、場もあったまってきたのです。では、もっと可愛らしくなるようにポーズをとるのです。」
 そう呟いたジズルズィークが一歩前に出て、ウィンクと共に可愛くポーズをとる。
「ジズのポーズを真似てみるのです。」
「え、えっと……こう、かな?」
 しかし、普段からガサツだった少女には変に体に力が入っている。
「もっと力を抜くのです。なるだけ女の子らしく、可愛らしく、きゃるーん。」
「きゃ、きゃるーん?」
「いえいえ、こう、もっと思い切り、きゃる〜ん」
「きゃる~ん。」
 それでも素直に真似ていけば、すぐに形になっていった。
「甘美、完備。ジズは、その愛らしさに初々しさが備わり、ひたすら魅力されるのです。」
「……ありがとう。」
 最高のポーズが決まったのを見て、ジズルズィークも少女へ笑顔で祝福の言葉をかけていた。

 一方、少し離れたところではぼんやりとした瞳でアリスがブツブツと呟いていた。
「そうそう、姉弟で一緒に変身するほうがいいわよね。やっぱり弟君を合わせるなら……。」
「……え、え!?」
 妄想を続けるアリスの声に合わせ、世界の方が改変されていく。
 つまり……少年の姿がオレンジを基調とした魔法少女のものへと変わっていた。
「うん、間違っていないわ♪ 姉弟の仲をよくするなら、変身は濃厚なキスで決まりね☆」
「え、あ、ちょっと!?」
「ね、姉ちゃん、身体が!?」
 気が付けば二人は抱き合い、困惑した顔のまま距離を縮め……。
「そうねぇ、やっぱり変身なら魔法陣を浮かべながらも」
「ストップ、ストップだ! おいそいつを止めろぉ!」
「ふふふ……これで、姉弟魔法少女キマシタワーげふっ!?」
 二人の間に入って止めた数宮の叫びと共に、ほかの猟兵達によってアリスの妄想具現化は止められ、
「ああー、せっかくの禁断の姉弟愛の物語なのにー。」
「うるせぇ! 誰もそこまでやれって言ってねぇんだよ!」
 アリスは数宮に引きずられて退場していった。
「……色々悪かったな。少年、とりあえずはこれを着るといい。」
「は、はい。」
 魔法少女の服へと変わってしまった少年へと、防人が取り出したのは自身の予備の戦闘服だった。

 少しサイズが大きいが、レンジャー部隊のような戦闘服へと着替えた少年。
「おおー、カッコいいね!」
 それを見た斉賀が笑顔で親指を立てながら、隣にいる少女へと問いかける。
「ね、お姉ちゃんもそう思うよね?」
「……うん、似合ってる。」
 弟も、すっかり男らしくなっている……その事に、少女も改めて気が付いたようだった。
「では、その服を渡してくれるか?」
「あ……はい。」
 手にしていた魔法少女の衣装を受け取った防人。
 その隣には人型の守護霊が浮かび上がる。
「いくぞ、ブレイブ・ソルジャー!」
 防人の手から衣装が空中に投げられ……そこへコンバットナイフを持った防人と守護霊が向かう。
「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!」
 二人の息の合ったラッシュに衣装が斬り刻まれ、
「過去の君に、アリーヴェデルチ(さよならだ)!」
 キメ台詞と共に小さな布切れとなった衣装が辺りに散っていった。
 それを見ていた少年へ防人は視線を向け、
「さぁ、少年。これからは、君自身の理想の男を目指すといい。」
「は、はい!」
「うむ、いい返事だ。」
 しっかりと応えた少年へと、防人は笑みを返す。
 そして、少女の方へと向き直り、
「姉ちゃん……俺、こういう服の方が良い。」
「……そっか。」
 弟の成長を見てうれしいような、少し寂しいような……そんな表情で、少女は弟を抱きしめる。
「うん、これからは無理に服を着せたりしない。」
「へへ、やった。」
「でも……カッコよくならなかったら、その時は容赦しないからね。」
「……うん、頑張るよ。」
 魔法少女と戦闘服、背丈のほとんど変わらない姉弟の二人の並ぶ姿は、非常によく似合っていた。
 そんな二人に、ジズルズィークは祈りを捧げつつ。
「よきかな、きょうだいあい。これにて一件落着ですね。睦まじき関係にこれからも祝福あれ。」
「ね、せっかくだから記念撮影しよう!」
「え……?」
 斉賀の提案に、二人は顔を見合わせる。
 前だったら恥ずかしがっていただろうが……二人は笑みを交わし、
「「お願いします。」」
 仲良く元気よく、息の合った返事をしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月02日


挿絵イラスト