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画面越しの悪意の果てに

#UDCアース #UDC-HUMAN

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 一人の女性が操作するパソコン画面に映るアカウント削除通知。
 別ウインドウには自分を揶揄し、非難したり見下したり、更にはいわれ無き誹謗中傷といった数多の書き込みが見て取れた。
 数多の人間が同時多発に、そして扇動されるがままに。
 自分自身を徹底的に否定し、蔑み、そしてある事ない事、真偽不明の情報が乱れ飛び、貶め続けられる現実。
 反論どころか反応示せば言葉の揚げ足取りから始まって、文面や行動の都合良い切り取りと、不足点を虚構で補いより相手を貶める書き込みが加速する。
 最早我慢の限界であった。
 なぜ自分がこんな目に遭わねばならないのか。
 発端は多人数同時参加のゲーム。
 対人要素のあるゲーム、強くなるためには課金アイテムの購入か多大な時間をかけてのプレイが要求されるもの。
 そしてこの手のゲームにはお決まりのプレイヤー同士のグループが存在し、有力グループと目される物が出現するのは当然であった。
 自分は別段、そういったグループと群れるのは面倒だとソロプレイで上位ランクに駆け上がり、また気の合う面々とだけプレイしていたがある時仲のよかった者から相談を受けたのが発端。
 どうしても上位グループに入りたい、だから成果を上げたいからとあるグループへの攻撃に協力してほしい、と頼み込まれて引き受けたのが間違いだった。
「ごめんねー、あなたのレアアイテムをロストさせてランキングから引き摺り下ろすのが条件だったのー、ミャハ♪」
「ふざけ、ないでよね……!」
 そう、これは相談を持ち掛けた相手に嵌められた罠。
 懇願されて渋々救援に向かえば助けるべき相手はそこにおらず、完全に騙して悪いが仕事なんでな、といわれるような状況で。
 一人で奮戦するが敵グループも必死、自分達が負ければ失う物が大きいと全力で戦い結果として女性は敗北。
 数多のアイテムを失い、ランキングから脱落したがその後が更に酷かった。
 なんと、知り合いが入りたがっていた有力グループを名乗りこの別グループへ攻撃を仕掛け、双方が対立するように仕向けたプレイヤーとして事実無根の噂が立てられていたのだ。
 弁明しようにも有力グループは協力なんて頼んでいないの一点張り、また自分に救援してくれと懇願した相手もそんな事はしていないと否定し、一人に罪をかぶせてくる。
 そこへ有力グループリーダーがメンバーを扇動して次々と虚偽と事実を織り交ぜた噂を書き込ませ、収拾がつかない状況に追いやられ。
 そして最終、他人のグループを騙った行為という判定を下されアカウント削除まで追い込まれたのだ。
 そこまで追い込まれてから届くのは、自分を追い込んだ裏切り者の上記のコメント。
 更には有力グループの中核である者からの。
「自分たちに歯向かって、ソロで目立つからこうなるんだよ、自業自得だ」
「女の癖に一人で目立っててむかついたんだよねー、ざまぁ」
 リーダー格でグループに属さず、ランクを高めた事への嫉妬心、そして追いやった事への達成感の溢れるコメント。
 そのリーダーに取り入り、グループの姫のように振舞って。
 上位の女性プレイヤーに盛り立てて貰ったが最上位の女性プレイヤーになる為に邪魔だった女性を蹴落としたかったのだろう。
 それが成された事に対する勝ち誇ったコメントが。
 神経を逆撫でする状況で女性は怒りのままに部屋を出て夜の町へと繰り出せば。
 歩を進めるごとに体が変容、最終的には電脳世界の住人のような姿へ転じていた。
「まだ、終電はあるわ。まずはゲーム会社で住所を引き出して、それからあいつらを……」
 あまりに理不尽な仕打ちへの怒りが引き金となったのか、なんと女性はUDCへと変貌してしまったのだ。
 目指す場所は深夜の無人駅、電車に乗って連中の下へと向かおうと進む中。
 新たなUDCの誕生を祝い、そして自分たちの戦力に加えようとする集団が彼女を追って、無人駅へと集結していた。


「ゲームを介してこんなコトをするトハ、度し難い行為デス。
 出来るコトならワタシが直接乗り込んで張り倒してやりたいデスガ、諸々の事情で皆サンに任せるコトになりマス」
 普段はテンション低め、熱してもすぐ冷めるクラルス・フォルトゥナ(強化人間のスピリットヒーロー・f17761)であったが何やら今回は予知で抱いた怒りのボルテージが下がっていない御様子である。
 それもそのはず、ゲーマーである彼女にとって大切なゲーム、その中で他者を徹底的に誹謗中傷、貶める事を何とも思わず追い詰めて。
 挙句、標的となった人物がUDCになる事件にまで発展したのだ、怒らないはずはなかった。
「ト、申し訳ありまセン、感情的になりすぎまシタ。
 流れの説明に戻りマスネ。先ずハUDCに変化してしまった方を回収しヨウと集まったUDCの集団排除。
 その後にUDCへと変化シタ方を何とかしマス。
 今は変化したバカリ、倒せバ元に戻るようデスが、戦闘力ハかなりのモノ。
 普通に戦うと苦しいカモですが、事情を考えテノ説得なり傷つけない言葉かけデ攻撃を弱めるコトが出来るようデス」
 前哨戦となる集団敵を早期に蹴散らせば、心傷つきUDC-HUMANとなった女性との戦いとなる。
 普通に倒す事でも救出は可能だろうがまだ人としての心、思考を残した状態のようなので、猟兵の働きかけで攻勢を弱める事ができるという。
 ただし、相手に心がある以上、下手な言葉かけや説得では逆効果になる可能性もあるので注意が必要だろう。
「変化した方をどうにかスレバ、目的の半分は達成デス。
 ソシテ……ここからが本番デス」
 戦闘に関しての注意を言ってから、更に付け加えるクラルス。
「ゲーム内で嘘をツキ、騙して、誹謗中傷を扇動する面々にお仕置きして欲しいのデス。
 住所ハ割り出していマスので無理矢理ゲームプレイさせた上デ、悪事を白日の下に晒してしマイ。
 ゲーム内でトップランカー、姫様と良い気にナッテ、それをリアルでも強イテ強力アイテムを貢がせたりシテ、今回のプレイヤーを嵌めた中心人物ト。
 その面々に取り入ッテ、騙した張本人、アトはついでに取り巻きも纏めて成敗して欲しいのデス。
 マァ、ゲーム内だけで無く、他ニモ良いお仕置きがアレバお任せしマス。
 ワタシがやれない分、盛大にしてやってクダサイ」
 ゲームの中で悪事をばらしたり、アイテムロスト前提の戦いに延々と繰り出させたり。
 虚構と集団圧力で無理矢理築き上げたスーパーリーダーや可憐な姫なポジションをぶち壊して差し上げたり、まあ色々とお仕置きして欲しいとの事。
 自分が直接手を出しにいけない分を全力で、ゲームを皆で楽しんでいくのではなく自分たちだけが楽しみ、他者を虐げるのを何とも思わない面々を成敗して欲しいと彼女は続ける。
「情報ハこんなものデスネ。では、現場へと案内しマス」
 そこまで言うとクラルスはグリモアを起動、それと同時に数多の氷塊が周囲に浮かび、猟兵一同を戦いへ、そして仕置きの場へと誘っていた。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 最近はギャグ、コメディ方面でぶっ続けていましたが今回はシリアス方面に。
 まあ三章のお仕置きタイムは内容によってはギャグ、コミカル方面になる可能性はありますが前半戦は真面目にシリアスになると思います。

 戦場は無人駅、終電前なので他利用者は居ませんので一般人対策は不要です。
 ただ、あまりにも広範囲への破壊を伴う攻撃は駅の機能を損なうのでその点にはご注意下さい。

 一章では集団敵、UDC-HUMANとなった一般人を連れ出そうと出現した大量の敵を殲滅し。

 二章で本命のUDC-HUMANを倒し、変貌を止めて救助する事になります。
 この際、様々な説得次第で敵の攻撃が弱まったりしますが逆上させてしまう可能性もありますので、何らかの声かけをされる際はご注意ください。
 根拠や理由も無く適当に綺麗ごとを言うだけだったり、相手の立場を考えなかったり、無意味に非難だけするなどが逆効果になります。

 第三章では変貌事件の原因になった、とあるオンラインゲームの有力グループの中核メンバーとそこに取り入る為に今回の被害者を騙した者にお仕置きするターンです。
 有力グループのリーダーA、そこに取り入ってお姫様扱いされてそれを周りにも強いていたB、グループに入る為に今回の被害者を騙してアカウント削除まで追い込んだ原因のC。
 あとはこの有力グループのメンバーがチラホラと居ますので誰をどんな形で成敗するのかを決めて下さい。
 一人に絞っても構いませんし、全体にダメージを与えても構いません。
 一人にお仕置きが集中しても連鎖して悪事がばれて炎上するでしょう。

 なにを行うか、は。
 悪事の証拠をさらけ出して信用失墜させるもよし、アイテムロストが平然と発生する対戦に延々と出撃させて高額アイテム全てを失わせて貶めた相手と同じ、裸一貫までさせてしまうもよし。
 他、現実世界で出来る仕置きを色々するもよし。
 殺さない程度に徹底的に、必殺な仕事の人みたいに容赦なく仕置きして下さい。

 それではここまで長文をご覧いただきありがとうございました。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『邪神プラモ『ヴァイスシュヴァルツ』』

POW   :    フルバースト・ジェイル
【僚機と連携し、逃げ場を塞ぐ様な一斉射撃 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    オールレンジ・プリズン
【全方位 】から【ビット兵器】を放ち、【拘束ビームの弾幕】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    イーヴィルプラモエナジー・フルブースト
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【高濃度邪神プラモデルエナジー 】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

四季乃・瑠璃
緋瑪「あ、あの支援兵器(ビット兵器)良いな~!欲しい!」
瑠璃「倒せば手に入るかな?というか、使えるかな?」
翡翠「プラモみたいだしねー…それより、さっさと倒してあのコ追いかけよう」
緋瑪「後で元凶にもしっかりお仕置きしなきゃだしね♪」
瑠璃「それじゃ、一気に片づけよう」

【チェイン】で分身&シスターズ

瑠璃が両手からの大量接触式ボムを放ち広範囲爆破。
翡翠が両手にK100を構えて二丁拳銃の連射で敵集団及びビットを撃ち落とす等して牽制。
敵が爆破と銃弾に翻弄された隙に機巧大鎌の機巧を使って高速で一気に斬り込み、集団を大鎌で一刀両断。
3人で連携して互いをサポートしながら一気に仕留めて行くよ


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

また、なのか。
人間のUDC化……!
被害者の気持ちはわかるけれど、ダメだ!
「そっち」に行っちゃいけねぇ!
「お迎え」なんか、させねぇよ!

無人駅の近くってのは有難いね。
電撃を使う上で、色々とやりやすいよ。
とにかくまずは、彼女を追いかけたいところだけれど。
ビームで拘束にかかってくるだろうね。

けどな、檻(プリズン)を作れるのはテメェらだけじゃないんだ。
拘束されながらも『属性攻撃』のように放電し、
さらに電車の電線からも電気を引き込み。
聖句を唱え、【黄泉送る檻】にプラモ共を閉じ込める!
拘束なんて生ぬるい、そのまま骸の海へ還っとけ!

アタシは、その先にいる「彼女」に用があるんだ!


イフェイオン・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

……うるさい敵です。
折角の静かな夜が台無しですよ。
ブラックドラゴンを召喚。
雑多な敵を薙ぎ払い蹂躙したい時には、彼が適任でしょう。

ブラックドラゴンに『騎乗』し攻撃を仕掛けます。
敵の攻撃?既に死んでいるドラゴンです。多少の攻撃は無視します。
動かせなくなるまで存分に使い果たしましょう。
竜の尾を振りかざし、巨大な爪で引き裂き、効果があるかわかりませんが猛毒のブレスもプレゼントです。特別ですよ?
倒した敵を更に代償に、竜の一部として組み込ませるのも面白いかもしれません。

もし苦戦を強いられるようでしたら空へ退避し、上空からの攻撃を。難しい場合には使い潰すまで戦わせてあげましょう。



 無人駅のホームに佇む女性、いや、女性だったもの。
 既にUDCへと姿を変えた彼女を取り囲み、付き従い在るべき場所へ連れ出そうという邪神プラモのヴァイスシュバルツであったがその企みを阻止すべく猟兵が駆けつけていた。
「また、なのか。人間のUDC化……!」
 変貌した女性を遠くに見遣り歯噛みしながら言葉を漏らすは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)
 人間が変化していくこの手の事件に心ざわめく何かを感じ、それでも尚捨て置けぬと彼女は走り。
「「そっち」に行っちゃいけねぇ! 「お迎え」なんか、させねぇよ!」
 耐えれぬ心の傷、被害者の気持ちも考えつつ、あちら側、つまりは人を止めUDCへと向かう事はダメだと声を張り上げ無人駅のホームを目指す。
 だがその妨害を許さぬとヴァイシュシュバルツ達が彼女を阻むべく立ちふさがる。
「あ、あの支援兵器良いな~! 欲しい!」
「倒せば手に入るかな? というか、使えるかな?」
 そんな緊迫した空気な多喜に続けて聞こえた声。
 敵の武器を羨んでる言葉や倒して回収とは、まるでゲームのような会話をしていたのは分身体の緋瑪と彼女の主人格である四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)、そして更なる別人格が宿った人形の翡翠がその後ろに続いており。
「プラモみたいだしねー…それより、さっさと倒してあのコ追いかけよう」
 欲求を漏らしていた緋瑪と使ってみたそうだった瑠璃に対してしっかりと分析や本来の目的であるUDC-HUMANを追う事を呟く翡翠。
 ぶっとんだ二人に対してある種人格の中の良心的ポジションを確立しつつ行動を開始していた。
「オッケー、後で元凶にもしっかりお仕置きしなきゃだしね♪」
「それじゃ、一気に片付けよう」
 翡翠の言葉を聞き、緋瑪と瑠璃もゆるい空気から一転、しっかりお仕事するモードへ。
 緋瑪は大鎌を構えれば、瑠璃は数多の爆弾を、そして翡翠がそれぞれの手に銃を持つ2丁拳銃モードへ。
 一気呵成に蹴散らそうと動くが逆に自分たちが潰してやろうと広域展開、プラスチックの体をギチギチと慣らして飛び回る邪神プラモ。
「……うるさい敵です。折角の静かな夜が台無しですよ」
 その展開に苦言を呈し、うんざりした表情で敵を見るイフェイオン・ウォーグレイヴ(濡鴉の死霊術士・f19683)が現れたのはちょうどそのタイミング。
 魔力を注ぎ呼び出すは、黒き巨躯を誇る竜。
 されどその竜は既に命を落とし、術者であるイフェイオンに忠実に従う死竜でもある。
 静寂を乱す邪神プラモ、それを嫌うイフェイオンの心を代弁するかのように、腹の奥底から空気を震わす咆哮あげてブラックドラゴンが地面を進めば、その背に飛び乗るイフェイオン。
 ここに、猟兵とその進軍を阻む防衛部隊としての邪神プラモとの戦い、その戦端が開かれていた。


「ギギッ、排除排除」
 標的はUDC-HUMANを止めようとする猟兵。
 その進軍を阻止すべく広域に展開、浮遊し数多のビットを飛ばす者や僚機と連携、お互いの位置情報を把握し銃器を構え、射撃準備に入る邪神プラモ。
 掌から子供程度まで大きさは様々だが、全てに言える事は互いに援護しあうことで確実に相手を追い詰める戦術を構築しているということだろう。
「あちゃー、こうも手広くやられると結構面倒だね」
「瑠璃……そもそもそれを適当にばら撒くのは禁止」
 降り注ぐ数多のレーザー、それを避けつつ距離を保つ瑠璃と翡翠。
 一気に敵陣をなぎ払う瑠璃の爆弾、されど無秩序に使えば施設に被害が及ぶと翡翠が制止しながら拳銃K100を構え反撃とばかりに発砲すれば、乾いた炸裂音と共に放たれる弾丸。
 飛翔、命中と同時にそれはひしゃげ、形を変えてプラモの表面打ち砕き、内部に入り込めば崩れた形がゆえに無茶苦茶に跳ね、内部からパーツを破壊。
 浮遊状態を維持できず、揺らめき落下を始めるも最後の抵抗とばかりに銃器を向けて、反撃にレーザーを放とうとするがそれを阻む者がいた。
「シャアァアアアアア!」
 闇夜を切り裂く激しい咆哮、そして滑り込む黒き巨体。
 イフェイオンが駆るブラックドラゴンが邪神プラモと瑠璃の翡翠の間に入り込み、その巨体を盾として銃撃を防ぎ。
 被弾上等、ウロコを剥がれつつも振るわれた強靭な尾の一撃は落下しつつあったプラモの胴部に直撃し、凄まじい勢いで跳ね飛べばその体は別のプラモと激突、双方を地上へと撃ち落としていたのである。
「無理は禁物です。このドラゴンを盾にして手早く始末しましょう」
 銃火を浴びつつ耐え、そして近づく相手を巨大な爪で引き裂いて。
 プラモを無力化させつつイフェイオンが言葉を紡げば意図を察して瑠璃、翡翠が頷いて。
 更に後方、大鎌振るう緋瑪が竜の体に遮られ、自分を察知していない邪神プラモに狙いを定め急接近。
 地面を蹴って一跳ね、竜の体を蹴って二跳ね。
 飛び上がって空中で鎌振れば、その刃が防御の為に翳した銃ごとプラモの胴部に食い込んで、勢いのままに両断を。
「ありがとー、これで斬り込むタイミングは自由自在だね♪」
 浮かんだままで緋瑪がイフェイオンに礼を述べ、大鎌の機巧を作動。
 爆発による加速度を乗せ瞬時に側面へ飛びのけば、彼女が居た場所に次々と飛来したレーザーが外れ虚空に消える。
 そこへお返しとばかりに瑠璃が空中へ投げつけた数多の爆弾、それらは浮遊し展開していた邪神プラモやビットの合間で次々と爆発し、衝撃によるダメージと爆風による視界妨害を仕掛けていく。
「ギギギッ、戦況不利、広域攻撃、散開、散開!」
 範囲への攻撃、少数の足止めとなる銃撃、壁となり敵を押し止める存在と高機動を武器とした近接戦力。
 中途に密集しては逆に不利と判断した邪神プラモ達は爆破による被害を抑えるべく更に散開、銃器によるアウトレンジ攻撃を徹底しようと戦術を変更するが……。
「させるかよ! 連中の足を止める、その後は頼んだよ!」
 これ以上の散開許さぬと地面を駆ける多喜。
 その突撃を阻止すべく、展開したビットより次々とレーザーが降り注ぎ、衣服の端々を焦がしていくがその程度では止まらずに。
 反撃とばかりに彼女は全身より放電、その影響下で髪の毛がぶわっと広がり身だしなみが乱れるが意に介さず。
 浮遊状態のプラモが一体、痺れ動きを止めるがその程度では攻撃の密度は下がらぬと更に別個体がビットを展開、よりビームの密度を高めれば降り注ぐビームがまるで檻のような模様を生み出し多喜を束縛しようと試みる。
「ハッ、さながらビームのプリズンだな。けどな……。
 檻を作れるのはテメェらだけじゃないんだ」
 より密度を増したビームが降り注ぐ中、不敵に笑う多喜。
 再び地面を駆け抜けて、被弾しながら飛び跳ねて。
 軌道を変えれぬ滑空状態、これは格好の的だとプラモたちが更なる弾幕を形成し、一気にビームで焼き尽くさんと軌道を先読み、銃撃するも虚空で右手を伸ばした多喜。
 ぐっと何かを握りこむ、そんな動作をした瞬間。
 彼女の体は空中で静止、更には逆方向へ飛びのく様に跳ね動き、先読みして放たれたビームの雨は悉く外れていたのだ。
 一体何が起こったのか?
「へっ、ちょうどいい所に電気があってね」
 笑う彼女、その右手には線路の上に伸びる電線が握られて。
 そう、彼女は相手が自分の動きを先読みし、攻撃することを見越して飛び跳ねて電線つかみ、その張力を利用して静止、そして反転することで攻撃を回避し。
 更には電線を伝わる電力を自らの体に取り込み力を高め、そのままユーベルコードを起動していたのだ。
「ashes to ashes,dust to dust,past to past……収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
 唱えられた聖句、そして広がる電撃の檻。
 多喜の左手から伸びる檻は空中を飛び回る多くのプラモを、地表展開した面々と共に包み込み。
 強烈な電撃で痺れさせその動きを止めていたのだ。
「こっちへきやがれ、そしてそのまま骸の海に還っとけ!
 アタシは、その先にいる「彼女」に用があるんだ!」
 力任せに引き寄せて、駅からその横、何もない空き地へと拘束したプラモ達を引き寄せる多喜。
 結果、派手に攻撃しても問題無い場所に引き出された面々には容赦の無い攻撃が降り注ぐ事となる。
「……瑠璃、やっちゃって」
「オッケー、派手にやるよ」
 施設破壊の危険が無いと見た翡翠が何とか拘束を逃れ、後退しようとしたプラモを銃弾で撃ち抜いて。
 瑠璃へと合図を送っていけば、今まで全力でばら撒けなかった鬱憤を晴らすように瑠璃が駆け抜け、動けぬ集団の上を飛び越えながらありったけの爆弾を投下して。
 次々と立ち上る爆炎と広がる爆風、至近距離で直撃受けた個体は体を大きく崩壊させて、直撃避けた者もまたまともな抵抗ができなくなり。
「さーて、これで一刀両断だよ♪」
 爆発の衝撃で多喜の作った檻が消滅、衝撃で動けない敵集団という好機逃さず緋瑪が突撃。
 敵陣の真っ只中で大鎌を一振りすれば、数多のプラモが断ち切られ空中で胴部を無残に回転させて機能を停止、地面に落ちて砕け散る。
「さあ、特別ですよ。効果があるかはわかりませんがね」
 そこへに漂う濃緑の空気、それはイフェイオンの駆るブラックドラゴンの口より放たれた毒のブレス。
 被弾し、装甲部分に入った亀裂に毒を受けたプラモ達はその部位から形状を歪め、やがてはどろりと融けていき、まともな抵抗が出来なくなればその待っただ中に飛び込むドラゴン。
「さて、あなた方の部品を取り込めばどんな変化をするのでしょうかね?」
 動けぬプラモたちを巨大な体で押し潰し、強靭な爪で引き裂き、尾で跳ね飛ばし。
 噛み砕き、そのパーツを取り込む竜を操り戦況を有利に運ぶイフェイオン。
 一同の連携により邪神プラモ・ヴァイスシュバルツの一角は崩されて、他の猟兵が切り込む突破口、とするには大きすぎる陣容の亀裂を敵に与えていたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
拙者の名は姫プレイヤー絶対殺すマン
オブリビオンの始末は兎も角…ゲームには真摯で有るべきでござる

要は連携させなければよろしい
敵陣に煙幕とチャフ、スタングレネードなど目眩ましを行い撹乱、続いて【流体金属】君を投げ入れ伸縮する身体にて敵の射撃を妨害させ同士討ちを狙わせておきますぞ

拙者は戦場が混沌としている間に接近し、孤立している敵からは無傷のパーツを【スリ盗って】無力化、集団に近い敵は爆発物を【スリ渡し】て纏めて撃破を狙いますぞ

ふーむこの造形美、磐梯か壽かはわからんが最近のプラモの進化は凄いネ…
スり盗ったパーツで一体ぐらい組み立てられねぇかな



 正面から敵陣を押さえ込み、陣形を崩す面々が居るのなら。
 搦め手、妨害によってその綻びを広げる者も居る。
「拙者の名は姫プレイヤー絶対殺すマン。
 オブリビオンの始末は兎も角……ゲームには真摯で有るべきでござる」
 激戦の影に隠れてゆらりと現れたエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)だが、これは姫プレイヤー絶対殺すマンと呼ぶべきなのか、エドゥアルトと呼ぶべきか。
 今回ばかりは自称しているので姫プレイヤー絶対殺すマンと呼ぶことにしよう。
「ギギギッ、陣形再編、防衛ライン、再設定」
 闇に潜む姫プレイヤー絶対殺すマン、その潜伏に気付かぬ邪神プラモ達が戦線を再構築、引き裂かれた防衛ラインを塞ぐべく動き出すがそれを許す姫プレイヤー絶対殺すマンではない。
 夜間迷彩服の効果を生かし、物陰から物陰へ。
 ささっと動き接近し、友軍の援護に動く集団目掛け放り投げるはチャフ、スタンという二種のグレネード。
 強烈な閃光と甲高い音、更には対象を痺れさせる衝撃が同時に走り視覚、聴覚という二つの感覚器官に影響を与え、続けざまに投げ込まれたのは多量の煙を上げて転がる煙幕弾。
 完全に視界を奪い、情報伝達をお互いに行ったとしても入手できるものは視界不良というもののみ。
「ぬははー、拙者はここにいるでござるよ?」
 そこに響いた姫プレイヤー絶対殺すマンの挑発的な声。
 何とか復旧しつつあった、音響センサーを頼りに銃器を向けてビームを放つ邪神プラモ。
 だがその銃撃は、人影……に見えた流体金属が生み出した曲面によって逸らされて、同胞のボディに命中しその装甲を焼き溶かしていたのである。
「はっはっは、何処を狙っているでござるか?」
 相手が自分を正確に認知できない状況を最大限に活用、姫プレイヤー絶対殺すマンは挑発的な言葉と共に煙幕の中を駆け抜けて、流体金属が伸縮して攻撃を逸らしたりかわしたり。
 何処に本体が居て、どこに妨害手が居るのか判別不能な混乱状態、その機を逃さず急接近。
「そのパーツ、お主にはもったいないでござるよ。こっちがお似合いでござる」
 混乱、被弾にて低下した握力、その瞬間に武器をスリ取り、変わりに渡すは時限式の爆破物。
 武器を失い、危険物を渡されたと認識するも時既に遅し。
 爆発、四散。
 爆風と共にパーツが飛び散り、近隣の友軍の部品やビットを破損させその戦闘力を奪い取る。
 だが姫プレイヤー絶対殺すマンの妨害はこれだけに留まらない。
「ふーむこの造形美、磐梯か壽かはわからんが最近のプラモの進化は凄いネ……」
 奪い取った武器、その洗練された形状をまじまじと眺め良からぬ事を思いついたのだろう。
 再び投げ込まれるグレネード、そして広がる閃光。
 その中で走る影は次々と邪神プラモの脇をすり抜け、手当たり次第に部品を強奪。
「これだけスり盗ったパーツがあれば、一体ぐらい組み立てられねぇかな」
 相手が自分を認識できない刹那、奪い取れそうな場所からスリ取った数多のパーツ。
 だが敵は掌から子供程度まで大きさにばらつきのあるプラモたち、となれば奪ったパーツの互換性も完全ではなく無理矢理取り付けたようになり……。
「オウ、これは完全に化け物でござる!」
 強引に組み立てた結果、頭はでかいサイズのままに他のパーツがサイズダウン。
 胴体は最小サイズのせいでまったく他パーツの装着に意味をなさず、顔から直接腕や足が生えているという珍妙なデザインに。
 各々のパーツの形状は整っているだけに、顔からちょっと小さい右腕とその二倍程度の左手、首があるべき場所に何故か装着されてる小さい胴体。
 胴体に装着不可能なので頭部とドッキングしている、巨大な右足とアンバランスに三分の一程度の大きさしかない左足。
 つまり……。
 大きい頭、こめかみ付近から小さい右腕が伸び、左側はその二倍の左腕。
 首のあるべき場所に、顔から考えて首と同等の太さな胴体、そして胴体が小さすぎるが故に頭にもめり込む右足と、反対側でサイズの違う左足。
 無茶苦茶なプラモが完成してしまっていたのである。
 だが、これは敵を目を引くには十分な代物、なのかもしれない。
 同胞の無残な姿、それにより認識にエラーを起こしていたのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

霧島・絶奈
◆心情
平和な時代ならではの愚挙なのでしょうね
彼らが絶対優位な安全な場所と信じるネット上の数の優位は、個人の安全保証とは同一ではないと言うのに…

◆行動
『暗キ獣』を使用
屍者と屍獣による【範囲攻撃】する【二回攻撃】で敵を蹂躙

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動

【罠使い】の技能を活かし「魔法で敵を識別する指向性散弾」を複数設置し【範囲攻撃】

設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

「あらゆる行動を成功させる」
其れ自体は確かに脅威的ですが…
エネルギーが切れるまで攻め立てれば良いだけです
…さあ、戯れにお付き合い頂けますか?

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



 切り崩された邪神プラモ達の陣容、そこへ食い込み完全に制圧すべく猟兵の猛攻は続いていく。
「平和な時代ならではの愚挙なのでしょうね。
 彼らが絶対優位な安全な場所と信じるネット上の数の優位は、個人の安全保証とは同一ではないと言うのに……」
 この事件の切欠、女性がUDC-HUMANへと変貌した原因を生み出した者達に呆れつつ霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が戦場に踏み込めば。
 新手による戦線崩壊を防ぐべく邪神プラモが奮起、己がエネルギーを消耗させて身体能力を跳ね上げて絶奈の進軍を阻むべく行動開始。
 向けた銃器の、展開するビットの銃口をナノメートル単位で微調整、狙い定めたビームの雨を降らせ一気に倒そうと連携するが……。
「……さあ、戯れにお付き合い頂けますか?」
 絶奈がパチンと指を鳴らせば、彼女の周囲。
 いや、足元から暗い波紋が波打つように広がって、そのうねりはやがて大きな波となり。
 その中から、長槍で武装した屍者の軍勢、そして周囲を走り回る屍獣の群れが姿を見せて、攻撃受けた絶奈の姿を隠しつつ放たれたビームを受け止める。
「ギギ、ガガ、増援多数、火力集中」
 突如現れた軍勢、突き崩された陣容に食い込んだ集団は自軍の崩壊を招くと判断。
 されど集団が群れているならば攻撃を当てるは容易、手を回せる面々の火力を重ね一気に集団をなぎ払おうと邪神プラモたちが次々とビームを放つ。
 その射撃で屍者や屍獣が倒れるが集中砲火を受けるだけの軍勢ではなく、槍を突き出し、跳ね回り。
 こちらからも打って出て、邪神プラモの展開を阻んでいく中ひとつの事に邪神プラモが気付いていた。
「……!? 指揮官消失、認識不可、総員、警k……」
 軍勢を生み出したはずの絶奈、その姿が何処にも見えぬと状況を見渡していた邪神プラモが気付き、同胞たちへ情報共有。
 だがしかし、連絡中にその信号は途絶え仲間が視線を其方に向ければ全身が穴だらけ。
 全てのパーツが、そして浮遊ビットがひび割れ力なく落下していく邪神プラモの姿であったのだ。
 指揮官の消失、同胞の撃破、そこから導き出されるのは絶奈による不意打ちと何体もの邪神プラモが首を回して索敵すれど、見えるは暴れまわる屍者と屍獣のみ。
 紛れ隠れたと判断し、ならば一掃するのみと再び一斉掃射を始めた瞬間、側面から放たれた散弾にて一体のプラモが破損。
 更には地表すれすれから放たれ、地面を削りながら上空狙う衝撃波が破損したプラモを打ち据えて、そのまま空中で粉砕していたのだ。
「「あらゆる行動を成功させる」
 其れ自体は確かに脅威的ですが……エネルギーが切れるまで攻め立てれば良いだけです」
 仲間を討った衝撃波の軌道を辿り、地表を見遣る邪神プラモ。
 そこには青白き燐光纏い、漂う霧の中に佇む異端の神。
 いや、神の似姿へと変容した絶奈が立ち、再び振るわれた剣が生み出す衝撃波。
 その衝撃に打ち据えられて、体制崩して地上に降下した瞬間。
 邪神プラモの後背で爆発音が響くと同時に広がる数多の散弾。
 そう、これは絶奈が軍勢を目くらましとして仕掛けた多量の罠に他ならない。
 数多の軍勢、多数の罠、そして範囲をなぎ払う衝撃波。
 次々と繰り出される攻撃に邪神プラモ達はその数を大きく減らしていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロッテ・ヴェイロン
またネトゲを悪用しやがった連中が相手ですか。純粋にゲームを楽しもうとせずに、他人を貶めようとするのを楽しむ輩って本当に多いですねぇ…。
(思えば、猟兵になって最初の仕事の舞台もネトゲのオフ会の場だったりする)

(で、現れた眷属を見て)
まぁ、確かに数は多いでしょうが、しょせんはプラスチックの塊でしょう?だったら【焼却】属性を付与して、まとめてやっつけちゃいましょう。【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃・蹂躙】――あぁ、もちろん駅の施設に影響が出ないように調節はしますよ?

※アドリブ・連携歓迎


荒珠・檬果
アドリブ連携大歓迎。

クラルスさんの怒り、わかります。とてもわかります。
私も、バトルゲーマーの前に、普通にゲーマーですからね。許しがたき…!!

ともかく、被害者女性に会うために。まずは集団排除しますね。
こちらの手数を増やしましょう。カモン【バトルキャラクターズ】!
プラモにはプラモを。怒りの赤いプラモキャラクターズ!
壁部隊と攻撃部隊、半々に割り振りましょうね。

私は、攻撃部隊に混じって、紅紋薙刀にてなぎ払いしましょう。
私自身だって、戦えるのです!!


黒沼・藍亜
経緯を聞く限りそのグループ手慣れてそう
後運営もアカ削除の前にログとかの確認やったんすかね?
「(糞グループから)通報があったのでとりあえずアカ削除」で辞めた人、他にもいそうっすね

さて、お仕事っすよ
目立たない様忍び足で接近し体内のUDCを足元へ広げつつ、一定以上広げたら範囲の相手へ触腕を出して一気に『捕縛』狙い

捕まえたら生命力吸収しつつ絞めて、
逃れた奴は銃で『マヒ・気絶弾』で撃ち落として再度捕縛
敵の攻撃は捕らえた相手を『盾にする』っす

拘束から脱したのがいても関係なし
捕らえた時点でUC【簒奪者の揺り籠】を使います
触れた時点でもうUDCの一部は付着してる、後は命も力もその何とかエナジーも奪うだけっすね



 多くの邪神プラモを撃滅した猟兵達、最後の一押しとばかりに攻撃を続ける者が集まっていたのはその時である。
「またネトゲを悪用しやがった連中が相手ですか。
 純粋にゲームを楽しもうとせずに、他人を貶めようとするのを楽しむ輩って本当に多いですねぇ……」
「クラルスさんの怒り、わかります。とてもわかります。
 私も、バトルゲーマーの前に、普通にゲーマーですからね。許しがたき……!!」
 ため息混じりに事件の原因になったグループへの文句を言うシャルロッテ・ヴェイロン(お嬢様ゲーマーAliceCV・f22917)に、転送したグリモア猟兵の怒りに同意していた荒珠・檬果(アーケードに突っ伏す鳥・f02802)が言葉を交わす。
 ゲームを楽しむ、ゲーマーとしての在り方を否定して他者を貶める方へ向けられた意識、それはゲーマーにあらず。
 人としての問題だと憤慨する二人であったがその意見に更に同意し、今回の事件で発生する二次被害について言及する者も居る。
「後運営もアカ削除の前にログとかの確認やったんすかね?
 糞グループ、から通報があったのでとりあえずアカ削除な対応で辞めた人、他にもいそうっすね」
 運営の不味い対応、ゲーム内だけで確認できるログと多人数、ただしグループやグループの子飼いに近い面々の証言で対処しちゃったという事実を突き止めた黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)が呟いて。
「それに、経緯を聞く限りこのグループ手馴れてる感じがするっすね。
 別のゲームとかでもやってきてるんじゃないっすか?」
 事を起こしたにしては、相手を貶め自分達は被害者と認めさせる準備を入念にしている様子に他ゲームでも同じようにして他者を貶め、排斥してきたのではと疑念を見せる。
「ああ、そう言われれば。猟兵になって最初の仕事の舞台もネトゲのオフ会の場、同じように他人を貶めるグループが関わっていました。
 ネトゲを悪用する連中はゲームを跨いで色々な場所でやりますから、きっと他でもやってそうですねぇ」
 自分の初仕事、オフ会に参加していたら何故か邪神教団が関わっていて巻き込まれ、事件解決に携わった過去を思い出しつつしみじみとシャルロッテが呟いて。
 10歳の少女、24歳の女性、32歳のシャーマンズゴーストという年齢や種族が離れている三人だったがゲームを悪用する連中を許せぬという思い、そして他にやらかしている事件は予想できると意気投合。
 仲間の猟兵により多くの戦力を失いつつも、まだ健在の邪神プラモの集団を一掃すべく行動を始めていた。


「プラモにはプラモを。怒りの赤いプラモキャラクターズ!」
 ピピッとゲームデバイスを起動、檬果が電子音を奏でれば姿を見せる、赤いプラモのキャラクター。
 手数を増やして敵を食い止め、仲間の攻撃に繋げるべく生み出されたプラモたちは、空中でビームを放つ邪神プラモに恐れも無く飛び掛り、その射撃を阻んでいく。
「あれは良い目くらましっす。さてさて、お仕事っすよ」
 赤きプラモの集団が飛び回り、邪神プラモの気を引く最中。
 楽に仕事が出来ると地上を走る藍亜の姿。
 手近な物陰見つけて滑り込み、敵から身を隠せば精神集中、体内のUDCを開放すれば、まるでタールが広がるように彼女の足元から徐々に黒き何かが広がる。
 仕込みは万全、後は範囲内部へ敵が追い込まれれば事を成すのみと藍亜は最善のタイミングを計りつつ戦況を見守って。
「結構減らされていますが、数は多いですね。
 ですがしょせんはプラスチックの塊でしょう? 一気に焼いてしまいましょう」
 一歩踏み出し、チープなつくりのおもちゃの拳銃を取り出したシャルロッテ。
 だがしかし、見た目に惑わされる事なかれ。
 その銃は見た目こそチープなおもちゃだがその実態は、高性能な光線銃に他ならない。
 侮ったか、それとも赤きプラモの相手で手が足りなかったか。
 シャルロッテに対して二つのビットが飛来して、その体を撃ち抜こうとビームを放つもそれより早く銃口向けていたシャルロッテ。
 二度、早撃ちの要領で引き金引けば、地上と空中、双方二本の輝きが交錯し、一拍置いて空中でビットが溶解。
 地上はどうかと視線を移せば、軽やかに飛びのいたシャルロッテがつい先ほどまで立っていた地面が黒く焼け焦げていた。
「おっとぉ、壁部隊、しっかり守るのです!」
 攻撃を阻めなかった状況を即座に分析、檬果が指示を飛ばせば仲間を守るべく赤いプラモが武器を盾にし集結し、続けて放たれるビーム攻撃を受け止めながら崩壊を。
 一撃耐えて消滅するも攻撃を凌ぎ、時間を稼げばそれは猟兵が攻め立てるに十分な時間を生み出す。
「プラモ任せだと思いましたか? 私自身だって、戦えるのです!!」
 ビームをプラモで凌ぎつつ、更には武器を振るって切り込むプラモに引き続き。
 紅き刃を闇夜に光らせ、紅紋薙刀を大上段に構えて突っ込む檬果。
 ふわっと飛んで、力任せに振り下ろせばまず一体、不運な邪神プラモが巻き込まれ、柄の直撃で頭部を砕かれ機能を停止。
 更には彼女が狙っていたプラモに刃が食い込み、一撃の元に断ち切って。
 着地と同時に反転、敵の反撃に備え上空を見遣る檬果であったが反撃させぬと夜空に広がるは、輝く数多の文字列であった。
「攻撃プログラム展開、一斉射出! この弾幕から逃げられると思うな!」
 その文字列、いや、プログラミングにおけるプログラム言語を形と成して展開していたのはシャルロッテ。
 空中に浮かぶプラモを、そして展開していたビットを取り囲むように広がる文字列は燃え上がりながらその包囲を狭めれば。
 あるものは蛇が這い回るように。
 またあるものは川の流れがそそり立つ大岩を前にして、形を変えて流れ行くように。
 それぞれがバラバラに、複雑怪奇に動きつつ邪神プラモにまとわり付いて、そのプラスチックの体を燃え上がらせる。
 何とか逃れようと飛び回り、包囲を掻い潜った個体があれどそれを見逃すシャルロッテではない。
「残念、そこでゲームオーバーです」
 炎を避けた邪神プラモに向けられたおもちゃの拳銃、その銃口。
 冷淡に告げた言葉と共に引き金が引かれれば放たれる光線が邪神プラモの容赦なく射ち貫いて射落とせば、燃えながら駅舎へ落ちる個体を認識。
 そのままでは不味いとシャルロッテが銃口向けて次々と光線を放てば燃えながら落ちるプラモの形がバラバラに砕け散り、駅舎に触れる直前で完全消滅。
 火災の発生も防ぎつつ、広範囲の敵を殲滅すれば残る戦力はあと僅か。
「はいはーい、ここで終わりっす。
 アンタの力と命、この子がちゃーんと受け継いであげるっすよ?」
 包囲を逃れ、距離を置いた邪神プラモたちに聞こえてきたのは藍亜の言葉。
 地表に視線を向ければ黒き脈打つ液体のようなナニカ、を地面に広げた彼女の姿が認識出来て、何かをされる前に倒さねばと次々とビームを放つ。
 降り注ぐビームを受けて藍亜の体が焦げ、そして地表に広がる黒いモノが波打って。
 このまま一気に倒してしまおうとビットも集結、藍亜を狙うが邪神プラモの猛攻はそこまでであった。
「いやー、今のは効いたっすけど……その分、命を貰うっすよ?」
 波打っていた黒きモノ、藍亜の広げたUDCが一気に展開。
 広がる場所から無秩序に、空中目掛けて延びる黒き触腕が集結していたプラモを、ビットに絡みつき捕縛。
 そのまま力任せに締め付けながら生命力を収奪し、傷ついた藍亜の体を癒し始めたのである。
 ギチギチと嫌な音を鳴らしつつ、機能維持を保てなくなったプラモからぐしゃりと潰れ、次々とその数は減っていき。
 何とか触腕を銃撃し、ビームで焼き切り拘束から逃れた個体も居たが既に手遅れ。
「あー、逃げても関係ないっすよ?
 触れた時点でもうUDCの一部は付着してる、後は命も力もその何とかエナジーも奪うだけっすね」
 やれやれ、といった風に肩をすくめて頭を振るジェスチャーをする藍亜。
 彼女の言葉通り、まとわり付いた粘つく黒きナニカ、に残る生命力を吸い上げられて、逃れた邪神プラモ達も次々と落下。
 そのまま地表に叩き付けられ砕け散り、UDC-HUMANを狙い集結していた邪神プラモ・ヴァイスシュバルツの集団は殲滅されていたのである。
「これで大丈夫、さあ、早く被害者女性に会って話をしましょう!」
 直近の脅威、その完全排除を認めた檬果が言葉を発し、仲間の猟兵達に促せば。
 一同の視線は無人駅のホームに佇む一つの人影、否、異形へと姿を変じたUDC-HUMANに注がれて。
 戦いは新たな局面へと移行するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『楽園への招待者』

POW   :    安寧なる楽園への案内状
【頭上にある天使のような輪の高速回転】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    健やかなる楽園の住民の召喚
対象のユーベルコードに対し【『楽園』へ導かれた『幸福』な一般人達の霊】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    美しき楽園の象徴画
【両袖の中から噴き出す色とりどりのインク】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【には不気味な抽象絵画の様な物が描かれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルム・サフィレットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ふふふ、みーんな死んで、楽園へ案内しちゃえば幸福に……違う、あいつら全員不幸のどん底に!」
 夜の無人駅、電灯に照らされて。
 くるくる回り、楽園へ導こうとするUDCとしての言動と、自分を貶めた面々を完膚なきまで叩き潰そうという人としての歪んだ感情。
 双方を口走るUDC-HUMANがそこには居た。
 変異したままに、完全に人ではなくなろうとするその動き。
 安寧な楽園に送り出そうとする性質に対し、強烈な復讐心、敵愾心で変異したが為に相容れないのか人としての意識がまだ多く残る女性。
 アンバランスな状況のままに、されど体のコントロールはUDCがほぼ全て握った状態のUDC-HUMANが完全なUDCとなるべく変容を始めていたのだ。
 だが、このまま変容を認めては一人の女性を見殺しに、やがては多くの人々の命を奪いかねない存在を容認することになる。
 変異の切欠、それを事前に聞いた猟兵ならばかけれる言葉もあるだろう。
 優しいだけの言葉は不要、厳しい叱咤が必要と考える者も居るだろう。
 いや、言葉は不要、ただ倒すのみと考える者が居るかもしれない。

 ただ一つ確かなことは、このままUDC-HUMANを放置する事は出来ない、という一点のみ。
 倒すことが最低条件、言葉を、そして女性を守るように動くかは個々人の自由。
 残機1、やるかやられるかのゲームを終わらせるべく猟兵達は己が武器に力を込めて、この怪異に相対する。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

変異は終わってたか……!
って、ん?
なんか喧嘩してるッポイ?
一体どうなって……あー、細かい部分でズレが出てるのかな?
なら好都合だよ、そのズレを突かせてもらおうじゃないのさ。
ある程度まで自力で何とかしようとしてた風だし、
きっとゲーム用語で話せば、分かってくれるだろ。

おいおい、なに逆シナジーしかないアバターを被ってるのさ。
「復讐に燃える孤高のソロプレイヤー」なんて、
格好の人間限定のユニークバフ持ってるのに、
そのアバターじゃ発動しないだろ。
それに奴らを送りたいのは楽園じゃなくて地獄だろ?
だから、そいつとは手を切っちまえ。
奴らへの仕置きの手段を、存分に考えようじゃないか。


黒沼・藍亜
あーもう!
その力じゃ望んだ「徹底的な制裁」は難しいってもうわかってるでしょうに!
それをやるならボクらが手伝うから、今は自分を強く保つっすよ!
二度とどんなゲームもできない体になんかなりたくないっしょ!?

相手のUC対策に体内のUDCを地面に広げて“使える”地面を減らしつつ、こっちもUC、黒くなんかヌメヌメする触腕付きパンジャンドラム落とし子をぶん投げ爆破ー!
インクの上で戦闘力上がったら簡単に避けられるけど、
パン子の爆発は同時に「ボクのUDCと同じ黒い粘液」を地形にぶちまけるもの
つまりインクの上書きと、アイツの足元にぶちまけた粘液から触腕を出しての『捕縛』が本命!
動きを封じて、味方に繋げるっすよ!



「変異は終わってたか……!
 って、ん? なんか喧嘩してるッポイ?」
 異形へと姿を変えた女性の元へ駆けつけた多喜であったが、一人で言い合うその様子。
 完全にUDCへと変異していないという事に気付いたのは彼女だけではなかった。
「あーもう! その力じゃ望んだ「徹底的な制裁」は難しいってもうわかってるでしょうに!」
 まだ人としての意識を保つ、そこへ言葉をかけていたのは藍亜。
 制裁を加えたいという女性の意識と楽園へと送り込み、救済とするUDCの意思。
 相反するが故に言葉を届ける隙間があると彼女は見ていたのである。
「あー、なるほど……細かい部分でズレが出てるのかな?
 なら好都合だよ、そのズレを突かせてもらおうじゃないのさ」
 不完全な変容、つまりは致命的なUDCとのズレ。
 となれば十二分に揺さぶりは仕掛けられると多喜も判断、ならばこの好機を逃す手はない。
 自力で何とかしようとしていたフシもあるならば、そこから内部へ働きかけることも可能と踏んで、あえて攻撃ではなく言葉で一気に切り込む事を目指す多喜は仲間を手で制しつつ、UDCへ声をかけていた。
「おいおい、なに逆シナジーしかないアバターを被ってるのさ。
 復讐に燃える孤高のソロプレイヤーなんて、格好の人間限定のユニークバフ持ってるのに、そのアバターじゃ発動しないだろ」
 肩をすくめて選択ミスだと言わんばかりにUDCへと声をかける多喜、無防備に近づく彼女へ反撃しようとUDCが力を込めるがそれを制するのは、UDC内部に潜む女性の意思。
 どういう意図だと警戒は続けたままに、攻撃を押し止め多喜の言葉に応じていた。
「あ、なた……私の、何を知って……」
「手ひどくやられた分をやり返す、そのために心を燃やしてる、ってコトかな?」
 自分の事を尋ねる女性、不用意な言葉ではなくわかる事実だけで応じていく多喜。
 その言葉で単なる殺害ではなく、復讐心という人間として抱いた感情を思い出し、更に言葉を届ける余地が生まれていた。
「そう、私は、あいつらを……楽園?」
「違うな、奴らを送りたいのは楽園じゃなくて地獄だろ? だから、そいつとは手を切っちまえ」
 表層へ、UDCの影響下の中強まった女性の意識。
 それを塗り潰そうとUDCが楽園へ、救済へと口を開いて言葉を紡ぐも否定し、女性が求める復讐を。
 自分を貶めた連中を制裁し、地獄に叩き落したかったのが本心だろうと多喜が言葉を返し、UDCの目論見を潰していく。
 このままでは不味いと苦虫を噛み潰したような表情になり、女性の意識を完全に塗り潰そうと両袖からインクをぶちまけ自身の力を、意識を高めるUDCだがその目論見を阻止すべく別方向からも声がした。
「そうっす、やり返すならボクらが手伝うから、今は自分を強く保つっすよ!
 二度とどんなゲームもできない体になんかなりたくないっしょ!?」
 声の主は藍亜、女性の意識を塗り潰さんとぶちまけられた色とりどりのインクの汚染。
 そこへと上書きするように、インクの上へと触腕つきのパンジャンドラムを投げ込めば無秩序に走り回ってそのまま自爆。
 同時にドス黒い粘液が撒き散らされてインクの汚染へ粘液の上書きを行って、UDCの意識拡大、それを防ぐような錯覚を見るものに与えていた。
「邪魔ね、本当に邪魔。楽園で救済を……復讐、やりか……救済」
 飛び散るインクをふわりと飛んで回避して、猟兵への強い敵愾心と目的に挟み込まれる女性の意識。
 攻撃そのものを止めるまでには至らぬがUDCによって塗り潰される事はなく、強く意識を保てばそれは後々、仲間が言葉による揺さぶりを仕掛ける為の布石としては十二分な成果と言えよう。
「ああ、その意気さ。そんな奴の侵食なんざ跳ね除けちまえ。
 その後、奴らへの仕置きの手段を、存分に考えようじゃないか」
 地面を汚すように広がるインクの海、その侵食から逃れる様に飛びのいて。
 内部で抗う女性の意識へ言葉を続ける多喜が笑えば、彼女が侵食を阻む存在と認めたか。
 UDCが睨み付け、排除しようと急接近、至近距離からインクの放出を仕掛けんと腕を伸ばしたその刹那。
「はーい、そこまでっす。
 パン子の粘液、ただ色の上書きだけだと思ったっすか?」
 待ってましたとばかりに言葉を紡ぎ、指を鳴らした藍亜。
 それと同時にUDCの足元、つまりは自爆したパンジャンドラムがぶちまけた黒き粘液から数多の触腕が一気に伸びて、多喜へと攻撃しかけたUDCに絡みつく。
 結果、伸ばした腕は標的を失ってあらぬ方向へとインクを飛ばし、無人駅の構内へ前衛的なアートを描くに留まっていた。
「なっ……しまっ!?」
 次々と伸びる触腕、それらに包まれ動きを阻害されるUDC。
 その間に接近果たした多喜は後退、攻撃の機会を逸し更には振りほどきつつあるはいえ、絡む触腕によって致命的な時間が生まれる。
「ふっふっふ、それなりに頑丈っすよ、それは。
 ボク達が話したいのはアンタじゃなくて中の人っす、意思をもったアバターはお呼びじゃないんっすよ」
 粘液から伸ばす触腕、それによる捕縛を続ける藍亜。
 自分勝手に、プレイヤーの意思とは関係なく動き始める存在は呼んでいない、実際のプレイヤーに用事があるとUDCの存在を否定して、後に続く仲間の為に彼女は足止め、時間稼ぎに集中していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

荒珠・檬果
アドリブ歓迎。

両極端でアンバランス…だからこそ、まだ保ってるんですね。
この機は逃しません!
UCは気を引き付けるためのもの。

たとえゲームのキャラクターであれど。長い時間、自分で操作して育て上げた存在。
それは、娘・息子や自分の分身とも言える存在ですね!
それを…陥れられ、一方的に消されたのならば、その無念はもっとも!
ていうか、その感情をぶつけるの、手伝いたいくらいです。
ですが、一点だけ。その感情をぶつけるための手段に、UDCの力を使うのだけは止めます!
感情をぶつけるのは、あなたのままで行うべきことですからね!

そして戻ったのならば。あなたの名前を、教えて下さい。
私は荒珠檬果。一ゲーマーですよ。


エドゥアルト・ルーデル
磯野ー姫プレイヤー狩りに行こうぜー

真面目な説得は他に任せて拙者は協力要請でござるな
拙者的には首謀者達の生き死には割とどうでもいい…が、あえて生き恥を晒させて見せしめにする事で他のゲーム含めた姫プレイヤーへの抑止にしたいんでござるよね!
復讐も兼ねてゲームのアドバイザーとして手伝ってくだちぃ!

戦闘では輪っかが飛んでこない内にスタングレネードなりで目眩まし、背後から【流体金属生命体】を【スリ渡し】変形する流体の身体で拘束させますぞ
暴れるようなら【生命力吸収】させて大人しくしてもらうでござるよ

よーしよしいい子だ流体金属君!そのまま大人しくさせるんでござるよ…冬のナマズのようになッ!



「今の状況は両極端でアンバランス……だからこそ、まだ保ってるんですね。この機は逃しません!」
 足元から伸びる漆黒の触腕に絡めとられたUDC、楽園への招待者。
 内部に存在し、取り込む筈が猟兵の言葉かけで強固に形を保つ女性の意思への対処も強いられ動きに精彩を欠いた好機を見逃さず、檬果が接近。
 ようやく拘束を振りほどいたUDCを揺さぶるべく、更に言葉をかけていた。
「たとえゲームのキャラクターであれど。長い時間、自分で操作して育て上げた存在。
 それは、娘・息子や自分の分身とも言える存在ですね!」
「何を言って……ええ、そう、そのとお……違う、貴方を楽園に!」
 どれほどの労力をかけた存在であろう、自分自身の分身でもありえるゲーム内のキャラクター。
 同じゲーマーだからこそわかる点に同意を示せば、UDCが困惑を、そして内部の女性が肯定し、それをUDCが否定する状況。
 女性の意識を保つためには声をかけ続ける必要があると彼女は判断、更に言葉を続けていく。
「ちょっと、そこの天使さんはお呼びじゃないんです。
 私が話したいのは、貴方の中も人……そう、自分の分身ともとれる存在。
 それを……陥れられ、一方的に消された無念を持っておられる方です!」
 きっぱりとUDCではなく、中に残る女性個人を指定して。
 お呼びでない存在の相手を自分はしない、と先ほど召喚した赤いプラモキャラクターを多数召喚。
 夏の夕暮れ、何故か自分に纏わりつくように飛び回る蚊柱の如く展開すれば、それへの対処でUDCは数多の霊を召喚し、迎撃に回すが故に女性の意識を押さえつける力が弱まって。
「そう、この恨みは絶対に晴らし……ええい、邪魔ね」
 檬果の言葉に応じる女性の意識、それと展開されたプラモを鬱陶しいと評しつつ攻撃を避けるUDC。
「ていうか、その感情をぶつけるの、手伝いたいくらいです」
「ええ、なら一緒に……」
 そんなUDCの思惑など関係ないとゲーマー同士で盛り上がる会話、猟兵への好意的感情をしっかりと植えつける事に成功した檬果。
「ですが、一点だけ。その感情をぶつけるための手段に、その天使な奴の力を使うのだけは止めで!
 感情をぶつけるのは、あなたのままで行うべきことですからね!」
「いいえ、私の力を使わないと貴方では復讐はできない、楽園に向かえ……ぐ、じゃあどうやってやりかえ……私が楽園、送り……」
 やり返したい一心、されどその方法にUDCの力は駄目だと檬果が叫べばこれ以上、女性の意識を引き戻されてなるものか、と女性の無力さを指摘するUDC。
 別の手段が思い浮かばぬ女性の意識へ自分の力が最適だと続け、意識を飲み込もうとしていくが……。
「ならばそういったプレイヤーには、生き恥を晒させてやればいいのでござるよ!」
 闇の中方飛び出す不審者、いや、姫プレイヤー絶対殺すマンことエドゥアルトがそこへ乱入。
 不意打ちとばかりに投げ込まれたグレネードは空中で激しく発光、真昼を凌ぐ明るさを周囲に示せばその機に姫プレイヤー絶対殺すマンはUDCへ急接近。
 相手に攻撃される前に終わらせるスタイルで、こっそり流体金属なんかをUDCの足元に設置、光が収まる前に再び物陰へと逃げ込めば。
 視界が戻ったその瞬間、流体金属が活性化、伸びる金属質の触手となってUDCを瞬時に拘束していたのである。
「ぐっ、またこんな……」
「よーしよしいい子だ流体金属君! そのまま大人しくさせるんでござるよ……冬のナマズのようになッ!」
 抵抗させぬ、無力化させよと命令する姫プレイヤー絶対殺すマン。
 拘束を解こうと頭上に浮かぶカラフルな輪を高速回転、流体金属を断ち切るように繰り出したUDCだが液体は切られた瞬間、その流体的な性質を生かして瞬時に再生。
 切断系の攻撃ではそう簡単に解けないとうねってより拘束範囲を広めていく。
「無駄でござるよ、断ち切ることはできないでござる!
 さて、ではそこのお人。磯○ー姫プレイヤー狩りに行こうぜー!」
 切断不能、ならば力任せに振りほどく必要があると力をこめたUDC、その抵抗を無視して姫プレイヤー絶対殺すマンは内部の女性を貶めた存在、姫プレイヤーをやっちまおうと提案を。
 困惑して言葉が返せていない状況だがかまわずに、自分の考えを述べていく。
「拙者的には首謀者達の生き死には割とどうでもいい……が」
 命の有無には拘らない、ならば何を目指すのか。
「先も言ったが、生き恥を晒させて見せしめにする事で他のゲーム含めた姫プレイヤーへの抑止にしたいんでござるよね!」
 生き恥、つまりは見るに耐えない、やらかした事案の数々を白日の下に晒していき、仮に今のゲームから逃れたとしても別のゲーム、移籍先でも居場所がない。
 あのゲームでやらかした連中、というか姫プレイヤーじゃん、と噂をされて居場所をなくさせたいというのである。
 あとついでに、姫プレイヤーにはこんな未来があるんだと示して恐怖を与え、抑止したいという姫プレイヤー絶対殺すマンの願望も入っているのだが。
「そう、力づくで命を奪う以外にも制裁手段はあります、だから!」
「復讐も兼ねてゲームのアドバイザーとして手伝ってくだちぃ!」
 檬果がエドゥアルト、っていうか姫プレイヤー絶対殺すマンの言葉を借りて制裁手段は力だけではないと語れば、それに続けてやっぱり自分の願望を言っちゃう姫プレイヤー絶対殺すマン。
 その言葉をかき消すように、UDCは強引に流体金属の拘束を振りほどき空中へ。
 飛び回るプラモデルを打ち払いながら猟兵達を見下ろしていた。
「わかったわ、けど。私じゃ体を……ふふ、そんな事を言っても一度、自分で楽園に送ればもう病みつきに」
 意識を強く持っても体のコントロールを奪うまではできない。
 その事を女性の意識が告げ、UDCが完全に変容させる思惑を語っていくが最初に比べ動きが悪いのは誰の目にも明らか。
 ならば後は一気に制圧、UDCの支配下から女性を解放するのみと猟兵の猛攻が始まろうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャルロッテ・ヴェイロン
まぁ、アカウント削除までに至ったあなたの気持ち、お察ししますよ?
でもね、直接乗り込んで復讐云々とかしたところで、根本的には何も解決しないとは思うのですよ。
(とか説得してる間に【指定UC】で解析してる(【世界知識・戦闘知識】も駆使))

で、相手の攻撃を【見切り】つつ回避しながら、【ATTACK COMMAND(解析結果を基にした属性を付与。威力は弱め)】で攻撃していきましょうか。【誘導弾・2回攻撃・一斉発射・制圧射撃・捨て身の一撃】

※アドリブ・連携歓迎


イフェイオン・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

彼女が抱く復讐心。理解はできますが興味はありません。
私の興味は、彼女の力が私に死を感じさせてくれるかどうか……。

夜の無人駅。死角が多く、戦いやすい環境です。
『闇に紛れる』ように『忍び足』で接近し、ナイフで攻撃していきましょう。『毒使い』の本領発揮です。
一息に『暗殺』できれば良いですが、そう容易くない敵ですよね。
接近が難しい場合、敵の攻撃が放たれた場合、ブラックウォーカーを利用して闇と闇の間を渡り歩いて接近・回避を試みます。
敵の影が利用できれば、それも利用します。

彼女が異能の力を利用し続ければ、いずれ文字通り破滅するでしょう。
それでは面白くありません。外から流されて死ぬのは面白くない


霧島・絶奈
◆心情
確かに害虫は駆除するに限りますが…
彼女の名誉が回復しません

◆行動
少し話をしたいと思います

殺して手打ちにする…随分と優しいのですね
彼らの手段が自らに牙を剥いてこそ留飲も下がるというものです

関係者しか知り得ない悪事を「内部告発」して疑心暗鬼を煽り…
彼ら自身を相争わせ評判を地に落とし…
その上で貴女が具体的な被害を世に訴える…
後は扇動されたネットが彼らを追い詰めます

そして其は、貴女が人として存在するからこそ成立する謀略です
ですので、協力して頂けますか?
彼らの破滅と貴女の名誉回復に…

『涅槃寂静』にて【範囲攻撃】する「死」属性の「濃霧」を行使

負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


四季乃・瑠璃
緋瑪「殺しはわたし達が言える立場じゃないけどね」
翡翠「でも、UDCになって殺すのと復讐じゃワケが違うからね…」
瑠璃「あの子をこれ以上不幸にさせない為に止めてあげないとね」

UCの効果で分身&能力・武装強化+シスターズ

3人による強化されたボムによる一斉爆破で動きと視界を封じ、3人の機巧大鎌による高速連続斬撃。
斬撃で怯んだ敵に3人でK100による銃撃と片手で生成したボムによる爆破を浴びせて徹底的に叩きのめし、最後は3人の魔力を注ぎ込んだ本気のジェノサイドノヴァでUDCを消し飛ばすよ

緋瑪「おまえはその子を利用してるだけの卑怯者」
翡翠「その子を解放する為に…」
瑠璃「おまえは殺すよ…殺人姫の名に賭けて」



「殺しはわたし達が言える立場じゃないけどね」
「でも、UDCになって殺すのと復讐じゃワケが違うからね……」
 UDC内部の女性、その意識を感じつつ緋瑪と翡翠が言葉を交わす。
 殺意に飲まれて行動を起こそうとした女性の立場、それを否定できるほど自分たちは聖人でもなんでもないと緋瑪が言うが、それでもUDCへの変容、殺戮と個人の復讐は別物だと翡翠が続き。
「そうだね、あの子をこれ以上不幸にさせない為に止めてあげないとね」
 不必要な罪を、それも自分の意識では止める事ができないままに犯させ、自ら破滅の道へ進む事は無いと瑠璃が締め。
 一列に並んで全員で。
 右手に持った大鎌、左手には手投げの爆弾携え地面を蹴ってUDCへと急接近。
「三人がかり、けど全員楽園に送ってあげるわ」
 切り込む面子に相対するUDCは頭上に輝く多色の輪を高速回転、真っ先にに切り込む緋瑪目掛けて投擲を。
 切断力に優れたそれを大鎌の峰で受け止め軌道を逸らすが相手は力のあるUDC、すぐさま逸れた輪へと魔力を送り、起動を戻し今度は翡翠を狙い操るが。
「おっと、そういうインチキじみた動きは禁止だよ♪」
 自在に攻撃はさせぬとばかりに緋瑪が手持ちの爆弾投げれば空中で輪と衝突。
 轟音と共に爆発、更に瑠璃まで爆弾投げれば輪の周囲には多量の爆煙が立ち昇り視界を奪う。
「まあ、三人になってる私達もインチキかもだけど……」
 攻撃凌いだ三人の中で翡翠がポツリと呟きつつ、そのままUDCへと切り込んで。
 大鎌振り上げ切り伏せる、と見せかけて。
 彼女も二人と同じく爆弾投げつけUDCを爆風で包み込み、視界を奪った中で繰り出されるは三人による、息の合った連続斬撃。
 前後左右、更には上部と煙に包まれた中で伸びる刃、命を刈り取るその大鎌を回収した輪でいなし、最小限の被弾で抑えるUDCだが徐々にその体へは傷が刻まれ。
 衣服が破れ、血液の代わりに電子文字のようなものが飛び散り、着実にダメージを与える中で聞こえたものは数多の銃声。
「嘘……? こっちが完全に見えて……そう、ここにいるわ!」
 爆風による煙幕、その中でかなり正確に狙って放たれた三人の銃撃に驚愕したUDCと、声による音で自分の位置を知らせ猟兵を援護する女性。
 徐々に薄れる煙の中で自ら音を出し攻撃を当てさせようとするその行為は、更なる猟兵の攻撃を引き込む誘引剤のようなもの。
「爆風、煙。そして夜闇と障害物。
 更には貴方自身が音を出して場所を知らせてくれました、ならば近づくのは容易です」
 突如UDCの耳元で聞こえた声、それは皆の攻撃と地形を生かし、更には戦況変化を確実に読み取って背後に迫ったイフェイオン。
 完全な暗殺者の動き、そんな彼の手には一振りのナイフが握られ無人駅のホーム、その電灯に照らされて刀身がキラリと輝く。
 回避不能のタイミング、傍目には軽く突き出されたそれはUDCの背部に深々と突き刺さり、これまでの戦いで一番の深手を与えていたのだ。
「がふぁっ!? 違う、私がやられるはずがない!」
 激痛に顔をしかめ、体を揺らすUDC。
 だが一撃で倒されてなるものか、と腕を振るえばその袖口から数多のインクが飛び出して周囲を汚染。
 広範囲への攻撃でイフェイオンを巻き込みながら自分自身の能力向上を狙ったUDCではあったのだが。
「おっと、今のは危なかったです」
 放たれた攻撃、あわや命中というタイミングで姿を消したイフェイオン。
 彼が隠れ潜んだ場所は、遮蔽物が生み出した小さな暗闇、そこから通じるユーベルコードで出来た暗闇の中。
 闇と闇、影と影を結んで出入りする異空間を活用して攻撃を避けつつ、敵との距離を離していたのだ。
「どうしました? 彼女の復讐心を利用してその程度ですか?」
 再び姿を見せたイフェイオン、相手を挑発するように言葉を紡げば歯軋りしながら自身を睨み、再び魔力を高める姿が見て取れる。
 力の高まりは圧倒的、影を、闇を利用できない状況ならばかなりの危険を伴った戦いになっただろうと思いを馳せつつ彼は再び闇の中へと姿を消して、別の場所から姿を見せる。
「いいえ、復讐心ではなくて救済の心よ。私と同化してのそれがわからないのかしら?」
 その出現、読んでいたとばかりにぶちまけられたインクの奔流。
 黒き衣服を汚しながらも最小限の被弾に抑え、左腕を汚して痛みを堪えてイフェイオンが右手のナイフを繰り出して。
「貴方がその異能と共に力を利用し続ければ、いずれ文字通り破滅するでしょう。
 だがそれでは面白くありません。外から流されて死ぬのは面白くない事は分かるでしょう?」
 UDCの左腕、自分がやられた場所と同じ部位を傷つけながら内部の女性に語りつつ切り抜けるイフェイオン。
 その攻撃を受けたUDCは舌打ちと共に再びインクを周囲に飛ばし、自分の力を高める領域を形成。
 内部から妨害を図る女性の意識を押さえ込み、更には能力向上にて猟兵を撃破しようと狙っていくが押さえ込んだ女性の意識、それを再び浮上させようとする動きを見せる者も居る。
「まぁ、アカウント削除までに至ったあなたの気持ち、お察ししますよ?
 でもね、そのアバターの言うがまま直接乗り込んで復讐云々とかしたところで、根本的には何も解決しないとは思うのですよ」
「ええ、そのアバターが言うのは殺して手打ちにする……随分優しいと思いますね。
 彼らの手段が自らに牙を剥いてこそ留飲も下がるというものでしょう?」
 UDCが力を高め、強引に女性の意識を封じ込めようとするならば。
 本来の目的が何であったかを呼び起こさせつつ、復讐するに相応しい別の手段があるとシャルロッテと絶奈が言葉を紡ぎ女性の意識を引っ張り上げる。
「おっと、勝手に動くアバターにこれ以上の発言権はありませんよ?
 あくまでプレイヤー同士の会話なんですから邪魔はしないで下さいね」
 再び妨害されてはたまらぬとUDCが何か言おうと口を開くもそれより早く、何かを言う前に言葉を被せて妨害するシャルロッテ。
 相手の発言を阻止した好機、そこで女性の意識を再び引き上げる言葉、復讐方法を提示していくのは絶奈であった。
「関係者しか知り得ない悪事を「内部告発」して疑心暗鬼を煽り……彼ら自身を相争わせ評判を地に落とし……。
 その上で貴女が具体的な被害を世に訴える……後は扇動されたネットが彼らを追い詰めます」
「そういうことです。あなたが直接手を下して相手を消しても、同じような輩が現れます。
 つまりは被害が発生する前に戻るだけで同じことが繰り返されるのですよ。
 それを防ぐには……そう、見せしめというものが必要です」
 絶奈よち提示されたのは具体的な復讐方法、そこに続けてシャルロッテが語るのは単純な暴力で個人を排しても同じ輩が現れるいたちごっこが続くだけ。
 ならば抑止する為の方法が必要だとの説得で押さえ込んだ女性の意識を引き上げて。
「な、なるほど、仲間同士で醜い争いをさせれば……いいえ、楽園に送り届けるのが最良……潰し合わせたい」
 抑圧しようと否定したUDCの言葉にも更に被せる女性の言葉。
 押さえ込まれてなるものか、やり返すのだと再び動くその意識を封じ込めれぬUDC。
 ここが好機と更に畳み掛けるは絶奈。
「ええ。そして其は、貴女が人として存在するからこそ成立する謀略です。
 ですので、協力して頂けますか? 彼らの破滅と貴女の名誉回復に……」
 失った名誉の回復、そして絶奈が害虫と評するほどに悪行に走ったユーザー達。
 それらの破滅と女性の復権を叶えるには人のままであってのこと、アバターに支配されての行動では駄目だと続けてそのアバターを剥ぎ取る様に絶奈が濃霧を生み出せば。
 それは死という概念で、偽りの姿を消滅させる魔性の霧。
 袖口から死に犯されてデータが薄れる状況に焦ったか、絶奈を討とうとUDCが頭上の輪を回転させるも既に手遅れ。
「目標確認、データ解析――同じ攻撃を何度も使えば分析されますよ」
 此れまでの戦いで計測してきた敵のデータ、それらを完全解析したシャルロッテ。
 水、それも粘性を高めたような物へとプログラムが実態化すれば次々と放たれて、今まさに放たれようとする天使の輪へと絡みつきその回転を減じていく。
 完全に攻撃を相殺され、体を侵食する死の気配、更には巻きつくように次々と伸びてくる電子文字の配列。
 詰みとなった状況で攻撃を打ち消し打開しようと多量の霊体を生み出して、楽園への賛美と共に攻撃へとぶつけようとするUDCだがそれをさせぬと上空から三つの影が落ちてくる。
「おまえはその子を利用してるだけの卑怯者」
 それは仲間の攻撃と説得の間に魔力を高めた緋瑪の声。
「その子を解放する為に……」
 最初は復讐心の高まりで、しかし今はUDCの求む方向とは別の手段を見出した女性を救おうとする翡翠が続き。
「おまえは殺すよ……殺人姫の名に賭けて」
 その存在が許せぬと瑠璃が続けば三人の手には光り輝く爆弾が握られて同時に投下。
 一際大きい爆発が、インクで汚染された地面も、生み出された霊体も、そして本体であるUDC、楽園への招待者も巻き込み吹き飛ばし。
 ホームの一部が崩れて復旧作業に時間がかかるな、と一同が思いつつ視線を移せば、そこにはUDCではなく人間に戻り、意識をなくしてへたり込む女性の姿があるのみとなっていた。

 ………………
 …………
 ……

 数十分後、後始末の為に到着したUDC組織によって女性は保護され、治療を受ける事となる。
 派手に破壊した為に理由付けに手間取りそうだと職員がボヤキながらも、意識を取り戻した女性からゲーム会社や自分を貶めた面々の情報を記した紙を取り出して。
 どうにかやり返したい、怪我が治れば是非とも一緒にと伝言があったと職員は付け足して、報復はかまわないがやり過ぎないようにと伝言し、後始末へと戻っていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 日常 『人間の屑に制裁を』

POW   :    殺さない範囲で、ボコボコに殴って、心を折る

SPD   :    証拠を集めて警察に逮捕させるなど、社会的な制裁を受けさせる

WIZ   :    事件の被害者と同じ苦痛を味合わせる事で、被害者の痛みを理解させ、再犯を防ぐ

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 一人の女性を徹底的に追い詰め、UDC-HUMANに変じさせた事などまったく知らず。
 自分達は間違ったことをしていない、当然の権利を行使したまで。
 従わない動きをした女性こそ悪であると身内同士で盛り上がるゲームのグループ。
「いやー、派手なイベントだったなぁ」
「ほんとほんと、無様な自爆ってやつかなー」
 一人のユーザーを不当に貶め、更にはアカウント削除まであの手この手で追い込んだにもかかわらず。
 自分達にとってはひとつのイベント、他のユーザーを巻き込んでの騒動に発展したことすら楽しかったと言い放つ。
 完全に他のユーザーを見下して、自分達だけがよければいい。
 ゲーム全体の雰囲気が悪くなってもそれは運営が悪いと責任転嫁、最悪グループとグループに無理矢理取り込んだユーザーを従えて別のゲームでまた、強大なグループを形成すれば良い。
 お互いの連絡手段なんて今のご時勢、ゲームの中だけでなく外部でも多数ある、中核である自分達さえよければ周囲の従う連中は便利に使い、時折恩恵を与えていれば十分だろうという選民思想。
「うんうん、騙されたときの反応が鈍かったけど、絶対画面見て震えてるかショックで寝込んでるかどっちかじゃないかな?」
 更には女性を裏切ってまで取り入ったユーザーも加わって、悪辣さは加速するこの集団。
 そして、次なる標的も既に定めているようで。
「あー、いらいらする。なーにがバンされたあの人の方が凄かった、よ。
 もう居なくなった奴でしょ、私は今最高の女性プレイヤーってのが分かってない連中がいるのよ」
 この集団やその他取り巻きを使っての姫プレイ。
 自分のテクニックや装備が不十分なのをパーティプレイで補ってもらい、不自然にまでランクを上げた姫扱いのプレイヤー。
 ゲームから追放された女性が居なくなり、自分がトップだと自負したにもかかわらず、居なくなった女性の凄さを言いグループに従わず。
 それでいて、不用意な動きで女性と同じ様に嵌められてなるものかと対策をする小集団を完膚なきまで潰したいと動いていたのだ。
 その要望に応じて様々なSNSを利用してまで攻撃手段を探そうとするグループ。
 これはもう、ゲームでの正当な勝負ではなく他者を貶め、排斥し、踏みにじりたいという歪んだ欲求をゲームを介して実行しているに等しい。

 この悪辣な集団の情報、そしてUDC組織によってゲーム運営会社に様々な働きかけも可能となった状況を利用して。
 猟兵たちよ、命を奪わない程度にしっかりお灸を据えてやるのだ。
シャルロット・シフファート
まず救済措置としてUDC組織からゲーム運営会社に被害者の女性の状況を纏めて電脳魔術師の力も使い女性のアカウントを復元させるわ。

そしてここからは聖裁動画の出番。No4の幕開けよ。
まず、ゲームのグループの身内ログ等を引き出して公開。醜いやり取りに加えて周辺の様々なSNSの履歴を晒して悪質性を公開するわ。
更にメンバーのリアルの姿などの個人情報も流出させるわ。どうせろくでもない経歴の持ち主でしょうしね。

さらに止めとしてUDC組織の者としてゲーム会社に出向いて特定したリアルの様々な情報を含めてグループ全員をBANさせるわ。


荒珠・檬果
UDCの力を使うな、と私は言った。だからこそ、私は地道にやるのです。私もUDCですがそこはそれ。

あ、これ猟兵生活が忙しくなって休止していたゲームですね。
画面を録画機器に繋いで、ログイン&録画ぽちっとな。

釣り餌になりましょうか。
「戻ってきて知りました。あの凄いプレイヤーの方が」
姫プレイヤーの腕に疑問を感じるのも書いてっと。

ええ、向こうの罠には掛かりに行きます。
おそらく装備ロストするでしょうが、それも承知の上。
録画したものを動画サイトに「とあるグループの真実」とでも題してUPしましょう。
知ってますか。こういうの、『消したら増える』って法則。
ついでにこの動画、ゲーム会社に証拠としても提出しましょう。


四季乃・瑠璃
3人で改造スマホと魔術【ハッキング、情報収集】併用でプロバイダやゲーム会社、携帯会社のデータにハッキング。
主犯女性やグループの個人情報やチャット、メールや通話・音声ログを収集。更にメンバのPCからも証拠のやり取りや事件時のスクショ等を引き出し、全てまとめて掲示板や動画サイト等、世界中に本名で一斉大公開。
裏切者もグループ全員社会的に殺してあげる。
主犯は過去の余罪も調べ、込みで大公開。

後は最後に…(主犯の部屋に忍び込み)
「どうも~殺し屋でーす♪」
「誰に雇われたかなんて…判らないか。心当たり多そうだし」
「サヨナラ。あの世で後悔するよ良いよ」

「…なんてね。今回は脅しだけ。次は、殺すよ」



 女性プレイヤーを貶めた面々が次なる標的探す中、制裁すべく猟兵たちが動き出す。
「あれ、これ猟兵生活が忙しくなって休止していたゲームですね。
 画面を録画機器に繋いで、ログイン&録画ぽちっとな」
 檬果がゲーム画面を開いてみれば、それは自分が放置していたゲーム。
 しっかりと録画準備を完了して行うのは、相手側に罠を張らせて自らが引っかかることで悪事を知らしめる、文字通り捨て身の作戦。
「えーと、先ずは全体チャットに書き込みを……久々に戻ってきて知りました。あの凄いプレイヤーの方が、っと」
 アカウントを削除されてしまった女性、その消失と現在、最高の女性プレイヤーなどとのたまう姫プレイヤー。
 その腕前に疑念を抱く書き込みを、無知を装い堂々と。
 他のプレイヤーは妙な噂を聞きつつも、恐れて裏で密やかに言われる事を、全体で見えるように表示して、相手側の注目を一気に集める作戦である。
 手を打って数十分後、動きはすぐに現れた。
 個人宛ダイレクトメールで上記の発言は宜しくない、と示唆するものが数通と。
 詳しく話を聞きたいので、と外部SNSへの招待を促すものが数通、紛れ込む。
「一部はお節介な人、ですかね。あとのお誘いは……野次馬根性で色々聞きたい人でしょうか。
 ただまあ、このメッセージが殆ど動いていないようなサブアカウントからばかりですねぇ」
 忠告するのも何か情報を引き出そうとするのも、全て自分のメインではなくサブで正体を隠している辺り、何か言うのも策にはめようにも身バレを防ぎ、被害を受けないようにしているのか。
 だがしかし、猟兵達は既に様々な手段で持って相手の情報を引き出しているのだ。
「はいはーい、サブアカウントばっかりだねー、大丈夫、アカウントの情報送ってくれるー?」
「ハッキングしてあるから、照会して信号の出所から主犯グループかどうか調べるよ」
 檬果が行う電話の相手は緋瑪と瑠璃、2人は別方面からの制裁として既にゲーム会社、各種通信会社や携帯電話の会社といった、各種情報の出所を全て把握。
 アカウントに表示される情報を聞き出せば、どれが誰のサブアカウントかすぐにわかる状況に。
 その中でひとつ、主犯の取り巻きであろう存在のサブアカウントと照会できたものを檬果に伝え、そのキャラと接触するよう言いながら、二人はニコリと笑いあう。
「さーて、次はメールや通話ログの収集だね」
「こっち側が接触したら、どうやって嵌めるかの相談で証拠はザクザク出るだろうからね~」
 笑顔であるが、顔の上半分に影が入っている状況。
 完全にダークな微笑み、俗に言う暗黒微笑というやつである。
 早速、2人が監視していたチャットログには檬果が返答に応じた事、そこからどうやって彼女を潰すかという相談が成され始め、証拠が次々と上がっていくのであった。


 同刻、更に別方面から手を打つ者も
「ってことで、完全にこれは濡れ衣。
 彼女のアカウントの即時復刻、可能なら嵌められて失ったアイテムの保障もしてほしいわ」
 UDC組織のコネを使い運営会社に乗り込んでシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)が主要な社員に要求を出していた。
 その手元にはこの事案に至るまでの経緯、その証拠が記された書類があり、明らかに不当な形で女性の権利を侵害した旨が記されて。
 仮に要求を断ったとしたら、此方もそれ相応の形で対応する、と半ば脅しを行いつつアカウントの復帰を約束させていた。
「し、しかし、その情報開示は……わが社の信用にも」
「あら、その信用を失うような相手の言い分を、課金額だけで判断して鵜呑みにして、被害者側を制裁したのはどこのどなた?
 まあこちらとしても会社に甚大な被害を出すのが目的じゃないし、ある意味被害者でしょうからあなたたちも嵌められた、という形ならいいわよね?」
 こんな証拠を前にしても、見苦しく言い訳をする運営会社。
 やらかしたというのに自分たちの保身を優先していく態度に半ば呆れて皮肉を言いつつ、ならば会社側も騙されたという体での情報開示で両者手打ちと相成って。
 女性のアカウント復旧、情報開示、そして情報開示の後にこのグループの悪辣さを認めた上でのアカウント削除という手続きを行う形で約束を取り付けて。
 運営公認での制裁、その準備を彼女は完了していたのである。
「情報開示は運営公認、手加減なしでやってOK。これでいいわね、皆にメールも送ったし私以外も色々と情報を出してくれるわ」
 様々な事前準備、盛大な制裁とその流れをシャルロットが定めることで仲間も躊躇なく実行できる。
 着々と制裁の準備は進み、そしてそれは数時間後に花を咲かせる事になる。

「おっとぉ、外部で色々話した後にゲーム内で接触しようといわれましたが、やはり罠でしたね」
 檬果がゲーム画面を眺めてみれば、自キャラがやられたという表記、復帰と同時に襲い掛かる敵クリーチャー達。
 完全に嵌められた形であり、装備やアイテムが次々と失われ再起不能まで追い込まれるがそれは彼女は織り込み済み。
 外部掲示板への招待、話し合いからの呼び出し、しかし呼び出し相手は不在で数多のクリーチャー相手に何度もやられ、アイテムは消失。
 相手側は時間を間違えた、といった言い訳と同時に謝罪と称して自分から引退とのたまってログアウトしていく様子をしっかりと録画して、細かい部分を早送りして編集を。
 そこに、捨てアカウントと主犯グループのメンバーが同一人物であることがわかるように、通信信号の出所が同じである証拠を記しつつ、自分が嵌められ全てを失う流れを記録した動画を作成。
「これで準備完了です、それでは動画投稿サイトに投稿、っと」
 タイトルは、とあるグループの真実。
 主犯グループの構成メンバーが無知な人物をサブアカウントを用いて罠に嵌め、全てのアイテムを失わすまでの流れを赤裸々に告発するその動画、最初は再生数が伸び悩むも外部掲示板などで存在が示されれば爆発的に再生数が増加して。
 何とか削除しようと削除申し立ての上、削除されたが時既に遅し。
 メンバーとサブアカウントが同一である、と示した証拠部分の切り取りだけの動画や、録画して更に再編集したものなど亜流として発生した動画が次々と投稿されて、逆に火に油を注ぐ展開に。
「知ってますか。こういうの、『消したら増える』って法則。
 慌てて証拠隠滅を図ったようですが、これは逆にやらかしましたね」
 この動画削除に至る流れもグループの動きと称して檬果はゲーム会社に証拠として提出を。
 先ずは外部動画を皮切りに、相手側を追い詰める流れが出来始めていた。


「ちょっと、なんだよこの動画たちは!」
 檬果を罠に嵌めた後、出現した一つの動画。
 ゲームのグループリーダーにその情報が入ってきた後、慌ててグループメンバーを駆使して動画サイトに申請し、個人情報保護の観点から元動画の削除にこぎつけたのだが、多量の類似動画が出現。
 最早、炎上は止められない状況にリーダーは苛立ちを隠せないでいた。
 パソコンの画面にはどうすればいいのかと、取り巻きやらメンバーからの問い合わせのチャットが多数表示されるがリーダーも何をすべきか判断ができずにいた。
 しかし、手をこまねいていれば状況は悪化するものである。


「……なるほど、碌でもないわね、この履歴は」
 秘匿されていたグループメンバーのチャットログをハッキングで入手、様々な人物を貶めるような会話、相手の事を一方的に異常者と決め付けて誹謗中傷するような呼び方をしていたり。
 相手を貶める為の細やかな指示、そして自分たちが無関係である事を装う為の口裏あわせや協力者の確保についての具体的なやり取りを見ていたシャルロットは、現在出現した多量の動画を前提に。
 内部のメンバーが裏切って、内部告発の体で作成した、という形でこのログを動画編集。
 そこへ更に仲間からの連絡が。
「同じような事をしてるってきいたから、この情報も動画にいれたらいいかと思って♪」
 作業中に飛んできたメッセージ、それは同じ様にハッキングからグループの主要メンバーのリアル、現実を語っているSNSを特定した緋瑪からのものであった。
 その情報も同時に動画に貼り付けて、ふとため息をつくシャルロット。
「はぁ……まともに働いた事のない、ひどい経歴の人もいたけど。
 普通の会社勤めの人や主婦までいるってどういうことよ。日ごろのストレスか知らないけど、だからって他人にぶつけてここまで酷い事をしていい理由にはならないわ」
 画面を見つつ、更に動画やスクリーンショットの公開を継続。
 最後に運営会社に証拠が多数上がった事を連絡し、アカウント削除への手続きを始めさせシャルロットの情報提示は終了していたのだった。


「クソッ、ふざけるな! 裏切り者まで出たのかよ、誰だ!」
 声を荒げて、部屋の中の物にあたるグループリーダー。
 瑠璃、緋瑪の協力で更に情報量を増やしたシャルロットの動画やスクリーンショットが出回り始め、一気に追い込まれていたのだから。
 次々と入ってくるメッセージ、証拠は全て出揃ってしまっているので言い逃れもできず。
 個人情報も晒されどうすればいいんだと焦るメッセージが中核メンバーだけに止まらず末端メンバー、更には自分たちが持ち上げていた姫プレイヤーからも来ているのだ。
 しかも、メンバー同士や姫プレイヤー、末端メンバーに至るまで殆どが自分の経歴を盛ったり詐称したりしていたことが今回発覚。
 他者を貶め、蹴落とす間は問題なく、またゲームという繋がりだけなら気にもならない経歴の詐称であるが、全員の自称していた仮面が剥がれ落ち、更には晒された今ならばそれらは致命的な問題となる。
 それは、メンバー同士による疑心暗鬼、そこから始まる対立であったのだ。
 次々とポップアップする、チャットのメッセージ。
 電源を落とそうかとリーダーがパソコンに手を伸ばしたその瞬間、招かれざる客が襲来していた。
「どうも~殺し屋でーす♪」
「誰に雇われたかなんて……判らないか。心当たり多そうだし」
 ガチャっと扉を開けて入ってきたのは緋瑪と瑠璃。
 見たことの無い女子高生、そしてその手には片やナイフを、片や拳銃を持ちリーダーに突きつけていたのだ。
「ヒッ……な、なんだ、お前ら! 警察を呼……うひゃぁ!?」
 警察を呼ぼうとしたリーダーの視界から瞬時に消えた二人。
 直後、床に叩きつけられる感触と共に情けない悲鳴を上げたリーダーの目に映ったものは、自分を地面に押し倒しナイフをちらつかせる緋瑪の姿。
 視線を少し動かせば、そこには拳銃と共にナイフを持った瑠璃が立つ。
 恐怖で何も言えない状況、先に口を開いたのは緋瑪であった。
「サヨナラ。あの世で後悔するよ良いよ」
 振り上げたナイフが下ろされる。
 一瞬の出来事、しかしそれはスローモーに映り、永遠に続くようにリーダーには思えるが。
 無常にも振り下ろされた一撃、目を閉じたリーダーだがいつまでたっても痛みは来ずに、恐る恐る目を開けば。
 自分の首のすぐ横にナイフが刺さり、それをゆるりと引き抜く緋瑪。
「……なんてね。今回は脅しだけ。次は、殺すよ」
 ゆるりと立ち上がる緋瑪が言葉を紡げば、瑠璃が促しドアを示す。
 二人揃ってドアへと向かうその最中、背中越しに瑠璃が最後の言葉を紡いでいた。
「あ、そうそう、パソコンはきちんと確認したほうがいいよ。
 大変な事になってる、って皆が頼ってるからさ」
 頼るどころか、こんな事態になったことに対する恨み言が多数書き込まれるチャットを指差し皮肉を言う瑠璃。
 緋瑪と瑠璃が立ち去った後、そこには力なくへたり込むリーダーだけが残されていた。
 だが、猟兵の制裁は始まったばかりである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・ヴェイロン
さーて、いよいよお仕置きタイムといきましょうか。
この天才ゲーマーAliceCVが、姫気取りのイディオットを成敗しちゃいましょう。

てなわけで、まずは動画配信の準備をしておきましょうか。
そのうえで、ターゲットをPvPアリーナに引きずり込んで【おびき寄せ・誘惑・演技・パフォーマンス】、タイマン勝負の様子を公開しちゃいましょう――あぁもちろん、一回で終わらせようなんて考えてません。それこそエンドレスでボコっちゃいますよ?それから取り巻き連中も【ハッキング】で強制ログインさせて、自称姫の無様な姿を晒しちゃいますよ?

※アドリブ・連携歓迎


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

まったく、ゲームでここまでになるたぁね……
でもっておーおー皆姫さん狩るのにヤル気だねぇ。
んじゃまぁ、アタシは姫さんの味方してみるかな?
……後ろから撃つ感じの無能な味方だけどなァ!

とりあえず捨てアカでキャラ作って、
運営さんからちょっと聞きかじったアイテム複製のバグを
ゲーム内で再現してスクショを『撮影』。
「凄いイベントだったみたいですね!
その時(姫)さんから教わったやり方なんですが……」
と増殖バグのやり方を丁寧に【ヌwitter】へ投稿するよ。
これで課金アイテムの価値も暴落……え?
アタシのゲーム垢が即BAN?なんか凄いな?

こんだけ炎上してりゃ、リアルでも大丈夫かねぇ…?


エドゥアルト・ルーデル
始末の時間だ!覚悟の準備をしてくだされ!良いでござるな!?

全身を【ドット絵】に変換、【ハッキング】にて現実からゲームの世界にエントリーしシステム乗っ取りでござる

女性に最上級モンスや姫共の行動把握など補助を頼みつつリアルタイム中継、対象を見つけたらコマンドでモンスター無限増殖ですぞ
全員リスポン地点は死んだ場所に設定したから存分に楽しんで欲しい

度重なるデスペナでズタボロにしたら…祭りの時間だァ!
姫共の操作権を奪い街へ、生かさず殺さず他のプレイヤーを轢き殺しながら何処までもモンスター共をトレインしてもらう
悪質プレイヤーとして処分は確実でござるねェ

なおこの一部始終は各種SNSにばら撒いておきますぞ


霧島・絶奈
◆心情
秩序を保つ為に必要なモノが刑の裁定と執行です

◆行動
<真の姿を開放>し『666』を使用

グループを装い「生意気な小集団を誘き寄せたので叩き潰しましょう」と『招待状』を送りましょう
勿論相手は<私達>ですが…
ええ、偽りの依頼です
貴方方には此処で果てて頂きます

さて…戦闘自体が欺瞞です
戦闘中に<私達>が其々中心人物の家に直接訪問し制圧
【優しさ】を籠めて【恫喝】し【恐怖を与える】としましょう
内部告発を添えてネット上に悪事自慢や選民思想丸出しのスクリーンショットを晒させ追従させます

主要メンバー全員が同じ事をさせられているとは露知らず、互いに疑心暗鬼を募らせ裏切りが連鎖する…
『選民』に相応しい末路でしょう



 リーダーへの連絡がひっきりなしに行われている、それもメンバー全体から。
 どうしてこうも早いのか、それは先の仕置きが行われる少し前、他の猟兵が行った仕込みに他ならない。
「さーて、いよいよお仕置きタイムといきましょうか。
 この天才ゲーマーAliceCVが、姫気取りのイディオットを成敗しちゃいましょう」
「始末の時間だ! 覚悟の準備をしてくだされ! 良いでござるな!?」
 ゲームにアクセスしていたシャルロッテとエドゥアルト、標的は姫プレイで最高の女性プレイヤー、という幻想の上に立つBを完全にゲーム内で叩きのめす事。
 そしてそれを補助する様に、姫とその周囲の取り巻き、上位グループの主要メンバーに招待状を送る者が居た。
「生意気な小集団を誘き寄せたので叩き潰しましょう、と。後は皆さんが所定の場所に向かえばやって来るでしょう」
 仲間のハッキング、その補助を受けてメンバーを装って絶奈がメッセージの送信を完了。
 これにより、猟兵が仕掛けた罠へグループ全体を誘い込む準備が整っていたのである。
「まったく、ゲームでここまでになるたぁね……。
 でもっておーおー皆姫さん狩るのにヤル気だねぇ」
 そんな仲間が仕込んだ罠、完膚なきまで叩き潰そうと動く様子を感心して眺めつつ、自分は別の手段で姫プレイヤーを潰そうと動く多喜。
 黒い笑顔で画面を操作、そこには新たなアカウント作成がなされ、姫プレイヤーを賞賛する自己紹介を入力し。
「じゃあアタシは姫さんの味方してみるかな?
 ……後ろから撃つ感じの無能な味方だけどなァ!」
 こちらは味方、新しい取り巻きを装っての姫への攻撃を画策し、完膚なきまでにその信頼を失墜させることを目的にしていたのだ。
 こうして4人のゲーム内による仕置きが行われ、グループメンバーがほぼ全員ログインし、成敗されて。
 そこへ追い討ちとばかりに先の個人情報の暴露が行われ、それに対してメンバーがリーダーに問い合わせていたというのが事実であった。
 では、どんな仕置きが行われたのか見ていこう。


「えーと、アイテム増殖のバグは……ここをこうして、っと」
 運営から聞きかじった情報、事前に仲間の交渉も相まって、実行許可を取っていた多喜。
 高額アイテムを課金でまずはひとつ入手、そしてそのアイテムを所定の操作を繰り返す事で……増殖させる。
 まずはひとつ、更にはもうひとつ。
 本来ならば初心者パックでひとつだけしか入手できないレアアイテム詰め合わせボックスを次々と入手し、その様子、手順をスクリーンショットで撮影。
 事細かいやり方を記録して、その手順をご丁寧に、ユーベルコードを利用して多数の人間がアクセスするようなネットサービスに投稿を。
「凄いイベントだったみたいですね!
 その時(姫)さんから教わったやり方なんですが……」
 皆から崇められ、雲の上の存在のように扱われる姫から教えて貰った、一気に上位となって彼女を守る戦士となる為の方法。
 高額な、限定アイテムを増殖させてそれらを利用し、急成長して戦力になれる方法としてアップしてしまったが故にその手順は瞬く間に拡散し、高額アイテムのゲーム内取引は増殖を用いて増やしたアイテムを販売しているのではという疑惑が一気に広まる。
「おっとぉ、これはすごい反響だわ……緊急メンテナンスでログイン不可能になって……。
 え? アタシのゲーム垢が即BAN? なんか凄いな?」
 瞬時に広まった手段や、それを教えて取り巻きを強化していたのが最高の女性プレイヤーである姫だったのか、というような書き込みが次々と発生する中、緊急メンテナンスで強制ログアウト。
 それと同時に多喜が連絡用に設定していたメールアドレスには、不正行為によるアカウント削除の通知が届いていたのだ。
 事前に話をしていたとはいえ、素早い対応に驚きつつも、彼女の行う姫への援護射撃、という名の味方撃ちはこれで完了。
「こんだけ炎上してりゃ、リアルでも大丈夫かねぇ……?」
 有志によるゲーム攻略サイトや、外部掲示板で次々と姫プレイヤーに対する疑念やでっち上げでは、といった書き込みがなされ大炎上が始まる様子を多喜は眺め、仲間の更なる追撃を待つのであった。

 姫を貶める案件が発生した後、メンテナンスが終了したゲームでは。
 不正操作の手順として必要だった、とあるポイントへの移動があったので、そのエリアへの立ち入りが不可能になるという対処を持ってゲームが復旧していた。
 そして、このメンテナンスを発生させた原因、それを炊き付けたのは小生意気な小集団だと絶奈が再度のメッセージ。
 そこで指定されたポイントに集まったのが課金グループたちであり、ゲーム内での終わり、その始まりでもあったのだ。
「来ましたか……ですがこれは、偽りの依頼です。
 貴方方には此処で果てて頂きます」
 理由はわかっているだろう、と言いたげにゲームを操作をする絶奈。
 そこには主要メンバーとして名前を挙げられたシャルロッテとエドゥアルトが既に臨戦態勢で控えており、呼び出した絶奈は既に戦場に姿は無い。
 騙して悪いが仕事なんでな、と誰かが言いそうな展開へグループ一同を誘い出せば、後は二人がうまくやるだろうと彼女は現実世界での行動に切り替えて。
「では、後はお任せと言うことで。
 秩序を保つ為に必要なモノが刑の裁定と執行です」
 ゆらり、と自身の体を影のような物へと変化させ、そこから多量に分裂し。
 仲間の入手していたターゲット達の住所へそれぞれの絶奈が向かう中、ゲームの中では完膚なきまでに相手を叩きのめす処刑の時間が始まっていたのだ。
「さぁさぁ、どうしました? タイマンに応じられないとはやはり取り巻きが居ないと何もできない。
 最高の女性プレイヤー、なんてのは嘘っぱちなんですかねぇ?」
 姫プレイヤーを煽るようなメッセージを送信しつつ、PvPアリーナで待つシャルロッテ。
『ふん、イキがらないでよ。そんな無駄なことはしないだけよ』
 挑発を受けながらも、自分の化けの皮が剥がれないように勝負の場へと向かおうとしない姫プレイヤーB、だがその言動に、姫を持ち上げない他ユーザーから不満のコメントが飛び交い始める。
 それはもちろん、先の多喜が仕掛けた不正アイテム増殖バグによる疑念が大きい。
 不正して取り巻きを強化、自分を守らせて成り上がったので実力が無いんじゃないかというコメントが飛び交い始めていたのだから。
「あれあれ、戦わないんですか? じゃあこのコメントは全部事実なんですかねぇ」
 煽りコメントを継続するシャルロッテ、完全に分が悪くなった姫プレイヤーBは周囲の目に抗えず、タイマンではなくグループでの勝負ならと妥協案を出してみるが周囲はタイマンを要求する。
 しかしそこは歴戦のプレイヤーであるシャルロッテ、それでも勝てると踏んだのだろう。
「なるほど、なら3人ずつでなら。ほぼ初期アカウントの人が居ますのでアイテム譲渡はさせてもらいますね」
『いいわよ、そんな付け焼刃な対処で勝てると思わないでよね』
 しれっと言い放つシャルロッテに、取り巻きの中で最高の装備を持つメンバーを引っ張り出して勝負に出た姫プレイヤー。
 だが、相手が悪すぎるだろう。
 なにせ相手にするのはゲームの腕前が一級品なシャルロッテに、こっそりハッキングしてやりたい放題できるようになってるエドゥアルト、さらには先にアカウント削除されていた、事件の被害者である女性プレイヤーの為にあらたに用意されたアカウントなのだから。
 つまり、課金装備だけでごり押しするメンバーとプレイヤースキル最上位が二人&システム面での不正まで使用可能なメンバーを抱えたチームの激突なのだ。
 こうなれば結果は火を見るより明らか。
『ちょ、あなたたち、なんでそんなアッサリ負けて……きいいいい!』
 画面の向こうで叫ぶ姫プレイヤー、まあ仕方ないことだろう。
 アリーナで、相手側を一人も倒せず、また装備品でも圧倒していたはずのチームがあれよあれよとライフを削られ、あっさりと壊滅していたのだから。
 しかもこの光景、動画配信されており。
 バトルを仕掛けたシャルロッテは言わずもがな、観戦していた他プレイヤーたちも配信したり、結果を編集して動画を作成して、速報として投稿したり。
 完全に、姫プレイヤー達の化けの皮が剥がれる結果がさらけ出されていたのである。
「おや、もう終わりですか? けど、これで終わったと思っています?
 これまでやってきた分の清算ですよ」
 そこへ伝えられる容赦の無いシャルロッテの宣言、そして始まる第二戦、第三戦。
 最初は3対3だったのに、次は2対3で圧倒し、最終的には1人で3人を叩きのめすシャルロッテ。
 弱さをさらけ出され、焦ってプレイに集中できない点と姫プレイヤーのわめく様子に集中力を乱された取り巻きたちが普段の力を発揮できない点を存分に突き、無様な姿を赤裸々に晒してシャルロッテの制裁は終わりを迎える。
「無様ですね、これで最高の女性プレイヤーを名乗っていたなんて。
 結局は周りが相手をしていなかっただけ、他人の力でその座に持ち上げられていただけですよ」
 冷たくコメントを残し、シャルロッテはログアウト。
 コッソリと相手側がログアウトできないようにハッキングしておけば、次はエドゥアルトのターンである。
「ぼろ負けして落ち込んでいる所ですが、おかわりの時間でござるよ!」
 放心状態でプレイできないであろう所でエドゥアルトのキャラが特殊アイテムを使用、自身のレベルに応じた敵が出現するというアイテムにより姫プレイヤー一団へ容赦ない追い討ちが。
 先の戦いでボロボロだったのに、そこへ更なるモンスターの襲撃で反応が遅れたメンバーは次々と倒され、アイテムロストと同時にリスポーン地点で復活、となるはずだったが……。
「あぁ、全員リスポン地点は死んだ場所に設定したから存分に楽しんで欲しい」
 逃がしはしないぞ、とメンバー全員に非情の通告。
 死んで何かを失いながら復活、しかしそこは自分がモンスターにやられたポイント。
 しかもモンスターはバグったのか延々と増殖を続ける最悪の状況であり、姫プレイヤーやその取り巻き、更にはグループメンバーも巻き込んでの大規模戦闘が急遽勃発。
『い、いやぁああああ! なんでよ、なんでこうなるのよ!』
『なんで、なんで。せっかくメンバーになったのに!』
 事件の原因だった姫プレイヤーBや、女性を裏切って有力グループに入り込んだCが喚き、課金グループのメンバーが次々とアイテムを失い、何度も倒れ。
 関係者一同が大損害を受ける様子をエドゥアルトが満足げに眺めつつ。
 ほぼ全員がボロボロに、そう。
 罠にはめられた女性プレイヤーが受けたような、多数のアイテムロストという結果を受けたあたりでモンスターの増殖を停止。
「さてさて、ここで囲みを解除して……祭りの時間だァ!」
 一部プレイヤーのコントロールを奪い取り、囲みの外れたポイントに逃げるように促して。
 モンスターから逃げれた様子を見て、メンバー達も同じ様に逃亡開始、しかしそれこそエドゥアルトの罠である。
 何せ上級モンスターの大群である、それを引き連れて走り回る行為はトレインと呼ばれ、つり出して狩をするには基本の動作であるが集団で釣ればそれはもう、進路上の他プレイヤーにとっては迷惑極まりない行為である。
『ちょ、なんであの集団が逃げてんだ!?』
『ふざけんな、巻き込まれてこっちが死んだじゃねーか!』
 街の近辺でのんびり行動をしていた他ユーザーが、課金グループの引き連れた集団に巻き込まれて死亡、アイテムロスト。
 完全に周囲のプレイヤーに被害を与える問題行動を次々と引き起こされて、悪質行為を集団でしていると通報が続出。
「おっほぉ、これは悪質プレイヤーとして処分は確実でござるねェ。
 あ、この一部始終はもう既にSNSにばら撒かれてありますぞ」
 そこに続いて無常な一言がゲーム内のチャットに示されて、多方面に被害を出しての制裁は終了していたのだ。

 ゲーム内でとんでもない被害を受けた一団、だが制裁はこれだけでは終わらない。
 仮装世界で化けの皮を剥がされて、自分たちの立場が完全に無くなった直後、個人情報などが流出し始めていたのだから。
 それぞれのメンバー、その家に来訪していたのは分裂した絶奈が動きを見せていたのだ。
 ではどんなことをしていたのか?
 中核メンバーの一人の家の様子を見てみよう。
「ど、どうぢてごんな……」
 脱力しきったメンバーがマンションの一室で突っ伏す中、自分しか居ないはずの家のドアが開かれて。
 黒い影となった絶奈が入ってきたのだ。
「お邪魔します、ずいぶんとやられたようですね」
 優しげに話しかけつつ、その異形たる体を用いて恐怖を与えていく。
 もっとも、メンバーはこの惨状でまともな思考力を失っていたのだが。
「ですが、ほら、ここを見てください。ひどいですね、どうして皆さんの個人情報が漏洩しているんでしょう?
 仲間内での話まで……誰かが裏切ったとしか思えないですね」
 内部告発を行う決意がこめられた、文章のあいさつ文。
 そして同時に添付されていた、メンバー同士で行ったチャットログ、悪事自慢や選民思想丸出しのスクリーンショットが絶奈の言うがままに操作した、パソコン画面に映されて。
 誰か思い当たる者が居たのだろうか、何人かの名前を言い出したあたりでふっと影である絶奈は姿を消した。
 いつの間にか居なくなっていた事に驚き、夢でもみたのか、とメンバーがパソコン操作。
 そこには、先ほどと変わらず内部告発を疑わせる証拠の画面が映し出されていたのである。
 こうなれば、誰かがやったと決め付けて犯人探しが始まるのは明白。
 誰が怪しい、いや、こいつだとメンバー内部でのやり取りが始まるのを部屋の外から確認した絶奈。
「主要メンバー全員が同じ事をさせられているとは露知らず、互いに疑心暗鬼を募らせ裏切りが連鎖する……。
 まさに『選民』に相応しい末路でしょう」
 皮肉めいた言葉を呟いて。
 ゲーム内での居場所を失い、またグループそのものが空中分解を始めたのを感じつつ、彼女は闇へと溶け込んでいくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イフェイオン・ウォーグレイヴ
アドリブ歓迎

彼ら加害者の善意に期待して、自白してもらえるようにお願いするのが簡単な気がします。
そうと決まれば夜分遅くに失礼しますですよ。

あの女性が受けた苦痛。同じように貴方も受けなければバランスが取れませんよね?
あの女性に対する所業の全ての自白と謝罪。大手掲示板やSNSに拡散して下さいね?
私のような子供がお願いしても無視……。悲しいです。
そんな時には大人の方と一緒にお願いです。
ブラックスローター。私の忠実な処刑人達。
ちょこっと槌と刃で誠意を見せれば受け入れてくれるでしょうか?
もう一度お願いしてもダメなら、槌と刃が引き起こす痛みを感じてもらうしかありません。
……私のお願い、聞いてくれますよね?


黒沼・藍亜
さて、と。

他の人のお仕置きと並行するように
得られた住所から一人ずつ、目立たず侵入し銃でマヒ攻撃+触腕捕縛して、
UC【祈り絶え、果てに病め】の『精神攻撃』でその思想信条、「信仰」や「行動理念」を

ズタズタに
念入りに
歪め侵し改竄してあげる

ま、これで「心を入れ替え」れば御の字
性懲りもなくまだつるんでるとかなら、
「まだ嬲られ足りなかった?」とでも『ハッキング』で使ってる端末に表示させて『恐怖を与える』

後は末端からABCまでこれの繰り返し。
我が身可愛さに反省もせず逃げる奴も
開き直り無謀な反撃を試みる奴も
まだ別のゲームがあるなんて甘い夢見てるやつも

一人、また一人と消していってあげる
※アドリブ連携歓迎っすよ


ユキメ・サリディア
ふ~ん、悪辣な人達も居るもんだね~
VCな自分としては、電脳内でのそれは許せないや
全部暴露させてあげましょう

PCにおうちのかぎでハッキングで繋いで
情報収集で、SNSや通話記録を抜き取る
ネット内に直接入れるからこそよね

それらは運営会社に送っておこう
再犯するつもりらしいって

それと、その小集団?にも伝えておいて…
ゲーム内の対象者以外の全プレイヤーにも伝えて置きましょー
やらかしたら、すぐにわかるようにね

通帳にも何かしようかなと思ったけど…そこまではいいか
ゲームの運営会社も被害を受けたような物だし
訴えてもらおうか
威力業務妨害?で裁判にまでね~

名前と住所の晒し?
世の中にはそれを調べちゃう人達もいるのですよ?



 ゲーム内での徹底的な制裁、更には裏で行っていた問題行為の暴露。
 そしてこういった時に指示をするはずのリーダーがまともに動けない状況に追い込まれ、仲間同士で疑いあう、疑心暗鬼の状況に。
 次々とアップされる動画や証拠で炎上が収まらない状況だが、現実世界でも追い討ちは続いていた。
「彼らの善意に期待して、自白してもらえるようにお願いするのが簡単な気がします」
 他の猟兵による徹底的な攻撃でメンタルがやられた今が話を聞かせやすいと踏んだイフェイオン。
 お話をするには十分に期が熟したと、標的としたとあるメンバーの家へやってきたのだ。
「夜分遅くに失礼しますですよ」
 マンションの一室で興奮状態のグループメンバー、そこへ不意に現れた侵入者。
「だ、誰だ!? 鍵はかけてたはずっ!?」
 招かれざる来訪者、その存在に飛びのき距離を取り、通報しようと携帯電話に手を伸ばす。
 その動きを無表情で眺めつつ、イフェイオンは諭すように語り掛けていた。
「あの女性が受けた苦痛。同じように貴方も受けなければバランスが取れませんよね?
 あの女性に対する所業の全ての自白と謝罪。大手掲示板やSNSに拡散して下さいね?」
 自分が行った行為、それの清算が今だと語る。
 だが、その言葉への返答は完全な拒絶であった。
「ふ、ふざけるな! たかが一人、ゲームから追放しただけじゃないか!
 それなのに、こっちはゲーム内でボロボロにされて、挙句個人情報まで晒されて!
 どうしようもなくなってるんだぞ! むしろこっちが被害者だ!」
 自分達が行った行為、更にはこれからも続けようとしていたことや、過去にも同様に、他者を貶めていた事など棚に上げ。
 むしろ自分達こそ被害にあっている、相手側こそ制裁されるべきだと叫ぶ始末である。
 追い詰められたが故に思考が回らず、また自分本位な点が醜く曝け出されたと言っていい様子を見、ため息混じりに頭を振るイフェイオン。
「私のような子供がお願いしても無視……。悲しいです」
 悲しげに言葉を紡げば、彼は言葉とは裏腹にユーベルコードを発動。
 大槌を持つ奴隷頭、大剣を持つ処刑人、明らかに危険極まりない武器を持った僕が部屋の外から入ってくれば、グループメンバーの恐怖は最高潮に。
 ガクガクと震え、へたり込むメンバーに迫る僕、恐怖で携帯電話の操作も出来ない所にイフェイオンが近づいて、携帯電話を取り上げつつ再び言葉を紡いでいく。
「やったことの責任、とってくれますよね?
 私が見せれる誠意は、この槌と刃だけですが……必要なら、槌と刃が引き起こす痛みを感じてもらうしかありません。
 ……私のお願い、聞いてくれますよね?」
 しゃがみこんで相手の顔をしっかり見つめ。
 お願い、という名の脅迫をしれっと行うイフェイオン。
 恐怖に駆られたメンバーは何度も何度も頷いて、イフェイオンと彼の僕が見つめる中で、自分達が行ってきた行為を自白する文言を投稿、謝罪を始める。
 こうして、猟兵によるハッキングではなく自発的な告白まで加わって、グループへの糾弾は更に加速。
 しっかりと自分から、罪を認めたメンバーを満足げに見つめたイフェイオンはマンションから立ち去って、次なる標的に罪を認めてもらう様に動いていた。

「さて、と。
 どうしてこんなことになっているか、わかるっすかね?」
 仲間の猟兵が行う仕置きと並行する形で、女性を裏切りグループに取り入ったCの家へと侵入していたのは藍亜。
 体を痺れさせる銃弾から、更には触腕を繰り出して完全捕縛。
 Cにしてみれば、不審者が急に家にやってきて縛り上げられたように見えただろう。
「わ、わからないわよっ! なんで、なんでこんなことになるのよ!
 なにをしたっていうのよっ!」
 喚き散らすC、だが藍亜は容赦なく制裁を始めるのであった。
「わかんないっすか……まあ仕方ないっす、そういう人だって事っすからね」
 淡々と呟いて、Cの耳元で語りかける藍亜。
「本当に、取り入ったグループの事を信じていていいんすか? 本当に? ほんとうに? ホントウニ?」
 女性を裏切ってまで入り込んだ上位グループ、そこでの中核な役割に抜擢されたというのに。
 今はグループが徹底的に、問題行動を晒されて、しかも証拠も突きつけられて。
 更には現実の情報までもが暴かれた最悪の状態。
 せっかく取り入ったのに、むしろグループに入らかった方がよかったと思い始めた時に、信じたグループを疑うような囁きから始まって。
 自分の信じる、寄る辺となる考え方の根幹や。
 行動の指針となる、あり方までもが疑われ、否定され、徹底的に追い詰められていくC。
「ち、ちが、わたしは、裏切ったわけじゃ……う、だって、仕方なく……。
 ひぃっ、ごめんなさい、許して、許して……」
 ココロの中を歪められ、引き裂かれても尚、言い訳をしようとしたC。
 まだ反省していないなと藍亜は感じ、手にしたタブレット端末を見せ付けて。
「自白してる人もいるっすよ、自分から。
 証拠も出ているのに、悪い事をして謝ることも出来ないとか最悪っすね」
 言い逃れなどさせるものかと追い詰める藍亜。
 仲間が別の猟兵によって陥落、行いを悔いている中でも尚、自らの行いを認めない事を攻め立てて。
 信念の中に、不義の行為を許せない、自らの不義があれば認めるようにと刷り込んで。
 ズタズタに引き裂かれた思考の合間にいとも容易く刷り込まれたその考えが、Cを蝕み始めていた。
「いや、ちが……そうしないとわたしが目の敵に……。ご、ごめんなさ……。
 そうする以外に、手はあったのに……わたしが、いい思いをしたいからって……ううっ」
 嗚咽交じりに、刷り込まれた考えによってようやく謝罪の言葉を述べたC。
 やっと効果があったかと藍亜は安堵の息をつき。
「わかったっすか? やったことにはそれ相応の報いが来るっす。
 もしまた、同じような事を考えたら……わかるっすね?」
 二度と同じ行いをしないように、もっとも個人情報などが曝け出され、監視され後ろ指を差される状況になった今から行えるかは甚だ疑問ではあるが。
 Cに念入りに言葉をかけて、藍亜は次なるターゲットの元へと向かう。
「我が身可愛さに反省もせず逃げる奴も。
 開き直り無謀な反撃を試みる奴も。
 まだ別のゲームがあるなんて甘い夢見てるやつも。
 一人、また一人とその考えを消していってあげる……」
 不敵に笑い、闇夜を賭ける藍亜。
 彼女の精神攻撃により、グループの中核も、末端で悪事に加担した者も。
 徹底的に、歪んだ考えを引き裂かれ、そして別の信念を刷り込まれ。
 良心の呵責に苛まれる状況に追い込まれていくのであった。


 現実世界でのお話、もとい脅迫やら刷り込みでグループの面々は全員が徹底的に心を折られたこの状況。
 そして、総仕上げとばかりにユキメ・サリディア(バーチャルキャラクターの戦巫女・f15392)がバーチャルキャラクターとしての自身の特徴を活かし、ハッキングからの電脳世界、そこでの活動を行っていた。
「ふ~ん、悪辣な人達も居るもんだね~。
 VCな自分としては、電脳内でのそれは許せないや、全部暴露させてあげましょう」
 ネットの中に直接入り込んでの活動、そして主要メンバーのパソコンにアクセスしての記録の抜き出し。
 既に仲間がかなりの情報を引き抜いているが、それ以外の細かい情報や個人情報を引き出して、外部から完全にパソコンの主導権を奪い取っての警告を行うという事である。
「とりあえず、この証拠は運営会社に報告かな?
 ここまで証拠があれば再犯の可能性も高い、って事で確実だし」
 仲間の集めた、悪事の企みに関する情報を補足する、少人数同士での標的選びのやり取りや。
 スクリーンショットや相手の個人情報を引き出そうと試みた様子など、明らかにクロと言える証拠を回収し、運営会社に転送する証拠としてまとめていくユキメ。
 それと同時に、個人情報の部分を黒塗りにする優しさをみせながら。
 特定ユーザーを狙って、ゲーム内で何かを仕掛けようとする計画、果てには現実世界での嫌がらせに至るまで、相手側を特定して行おうとしていた企みの証拠までを引き出して。
「情報の一部は隠して……注意喚起で他の全プレイヤーにも伝えて置きましょー。
 アカウント削除までに、やぶれかぶれで何かしてもすぐわかるようにね」
 引き出せる情報をどんどん引き出し、事を起こさないように、周囲の目が監視に向かう様に手を回し。
 完全にグループ全体の動きを封じ込めていくユキメ。
「通帳にも何かしようかなと思ったけど……そこまではいいか」
 ついでに相手側の預金通帳に細工をしようと思うも、思いとどまるユキメ。
 何せ自分が手を下さなくとも、ここまで事が大きくなれば後は流れを止めることなど出来はしないのだ。
「ゲームの運営会社に訴えてもらおうかな? ゲームを悪用してここまで色々やったんだし、威力業務妨害? で裁判にまでね~」
 クスクスと小悪魔のように笑いつつ、様々な情報を転送していくユキメ。
 ふとハッキングしているパソコンの画面越しにグループ達の様子を見れば、ほぼ全員が放心状態の中で。
 姫扱いされていたBだけが、まだ何か戯言を言っているのが目に留まった。
「ふざけ、ふざけないで……私の何もかもが滅茶苦茶よ。
 きっとあいつよ、逆恨みで……いや、もしかしてあいつ?
 私への妬み? ああ、違う違う、なんでなんで私がこんな目に!」
 猟兵の仕置きを受けて反省した風を装って、脅威が去ってから再び被害者ぶる姫プレイヤーB。
 これはもう一度、言葉をもって仕置きが必要とパソコン画面にバーチャルキャラクターである自身の姿をユキメが見せて。
「ずいぶんとご立腹だけど、自業自得よ?」
「ふ、ふざけないで! アンタね、何もかも滅茶苦茶にしたの! 誰なのよ!」
 髪の毛を振り乱し、姫として称えられていた優雅な物言いは全て投げ捨てモニターをつかむ姫プレイヤー。
 だが、そんな様子は意に介さず、ユキメは淡々と言葉を続ける。
「反省したフリかな? だから名前と住所の晒しを容赦なくされちゃうのよ。
 あなたが躊躇わないで悪事をするように、世の中にはそれを調べて公表しちゃう人達もいるのですよ?」
 煽るように言葉を紡ぎ、再び反省が必要だと宣告するユキメ。
 半狂乱で、喚き散らす姫プレイヤーであったが数分後、連絡を受けて戻ってきた藍亜、更に追加と称してイフェイオンとその僕まで追加して。
 徹底的な精神攻撃が実行され、より強烈な刷り込みがされたのは仕方の無いことである。
 

 こうして、ゲームを利用して他者を貶め、自分達だけが利益を享受していた集団と。
 その集団に取り入り、利用し、自らを姫のように扱わせ、更には現実世界でも同等の扱いを要求していた者。
 そしてそのグループに相手を裏切り、貶めてまで入り込んだ者。
 中核から末端に至るまで、全てのメンバーがオンラインゲームからほぼ完全追放、更には現実でも悪事を企んだ事を公表されて、身から出た錆とはいえ、大きな制裁を受けることになっていた。
 今回は、UDC-HUMANが発生するが為に猟兵が介入、報復としての殺人も阻止され、また悪事を行った者達も徹底的に制裁されていた。
 しかし、猟兵が介入しない所では同じような、ユーザーのグループによる悪事が行われている可能性も否定できない。
 健全にゲームを楽しむ、そのためには。
 一人ひとりがしっかりと考え、悪を悪と判断し、流されず勇気を持って意見を言えばそれが保護される環境と。
 しっかりとマナーとモラルを持った上で、楽しんでいく事が必要なのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年07月16日


挿絵イラスト