4
画面越しの悪意の果てに(作者 紅葉茉莉
5


 一人の女性が操作するパソコン画面に映るアカウント削除通知。
 別ウインドウには自分を揶揄し、非難したり見下したり、更にはいわれ無き誹謗中傷といった数多の書き込みが見て取れた。
 数多の人間が同時多発に、そして扇動されるがままに。
 自分自身を徹底的に否定し、蔑み、そしてある事ない事、真偽不明の情報が乱れ飛び、貶め続けられる現実。
 反論どころか反応示せば言葉の揚げ足取りから始まって、文面や行動の都合良い切り取りと、不足点を虚構で補いより相手を貶める書き込みが加速する。
 最早我慢の限界であった。
 なぜ自分がこんな目に遭わねばならないのか。
 発端は多人数同時参加のゲーム。
 対人要素のあるゲーム、強くなるためには課金アイテムの購入か多大な時間をかけてのプレイが要求されるもの。
 そしてこの手のゲームにはお決まりのプレイヤー同士のグループが存在し、有力グループと目される物が出現するのは当然であった。
 自分は別段、そういったグループと群れるのは面倒だとソロプレイで上位ランクに駆け上がり、また気の合う面々とだけプレイしていたがある時仲のよかった者から相談を受けたのが発端。
 どうしても上位グループに入りたい、だから成果を上げたいからとあるグループへの攻撃に協力してほしい、と頼み込まれて引き受けたのが間違いだった。
「ごめんねー、あなたのレアアイテムをロストさせてランキングから引き摺り下ろすのが条件だったのー、ミャハ♪」
「ふざけ、ないでよね……!」
 そう、これは相談を持ち掛けた相手に嵌められた罠。
 懇願されて渋々救援に向かえば助けるべき相手はそこにおらず、完全に騙して悪いが仕事なんでな、といわれるような状況で。
 一人で奮戦するが敵グループも必死、自分達が負ければ失う物が大きいと全力で戦い結果として女性は敗北。
 数多のアイテムを失い、ランキングから脱落したがその後が更に酷かった。
 なんと、知り合いが入りたがっていた有力グループを名乗りこの別グループへ攻撃を仕掛け、双方が対立するように仕向けたプレイヤーとして事実無根の噂が立てられていたのだ。
 弁明しようにも有力グループは協力なんて頼んでいないの一点張り、また自分に救援してくれと懇願した相手もそんな事はしていないと否定し、一人に罪をかぶせてくる。
 そこへ有力グループリーダーがメンバーを扇動して次々と虚偽と事実を織り交ぜた噂を書き込ませ、収拾がつかない状況に追いやられ。
 そして最終、他人のグループを騙った行為という判定を下されアカウント削除まで追い込まれたのだ。
 そこまで追い込まれてから届くのは、自分を追い込んだ裏切り者の上記のコメント。
 更には有力グループの中核である者からの。
「自分たちに歯向かって、ソロで目立つからこうなるんだよ、自業自得だ」
「女の癖に一人で目立っててむかついたんだよねー、ざまぁ」
 リーダー格でグループに属さず、ランクを高めた事への嫉妬心、そして追いやった事への達成感の溢れるコメント。
 そのリーダーに取り入り、グループの姫のように振舞って。
 上位の女性プレイヤーに盛り立てて貰ったが最上位の女性プレイヤーになる為に邪魔だった女性を蹴落としたかったのだろう。
 それが成された事に対する勝ち誇ったコメントが。
 神経を逆撫でする状況で女性は怒りのままに部屋を出て夜の町へと繰り出せば。
 歩を進めるごとに体が変容、最終的には電脳世界の住人のような姿へ転じていた。
「まだ、終電はあるわ。まずはゲーム会社で住所を引き出して、それからあいつらを……」
 あまりに理不尽な仕打ちへの怒りが引き金となったのか、なんと女性はUDCへと変貌してしまったのだ。
 目指す場所は深夜の無人駅、電車に乗って連中の下へと向かおうと進む中。
 新たなUDCの誕生を祝い、そして自分たちの戦力に加えようとする集団が彼女を追って、無人駅へと集結していた。


「ゲームを介してこんなコトをするトハ、度し難い行為デス。
 出来るコトならワタシが直接乗り込んで張り倒してやりたいデスガ、諸々の事情で皆サンに任せるコトになりマス」
 普段はテンション低め、熱してもすぐ冷めるクラルス・フォルトゥナ(強化人間のスピリットヒーロー・f17761)であったが何やら今回は予知で抱いた怒りのボルテージが下がっていない御様子である。
 それもそのはず、ゲーマーである彼女にとって大切なゲーム、その中で他者を徹底的に誹謗中傷、貶める事を何とも思わず追い詰めて。
 挙句、標的となった人物がUDCになる事件にまで発展したのだ、怒らないはずはなかった。
「ト、申し訳ありまセン、感情的になりすぎまシタ。
 流れの説明に戻りマスネ。先ずハUDCに変化してしまった方を回収しヨウと集まったUDCの集団排除。
 その後にUDCへと変化シタ方を何とかしマス。
 今は変化したバカリ、倒せバ元に戻るようデスが、戦闘力ハかなりのモノ。
 普通に戦うと苦しいカモですが、事情を考えテノ説得なり傷つけない言葉かけデ攻撃を弱めるコトが出来るようデス」
 前哨戦となる集団敵を早期に蹴散らせば、心傷つきUDC-HUMANとなった女性との戦いとなる。
 普通に倒す事でも救出は可能だろうがまだ人としての心、思考を残した状態のようなので、猟兵の働きかけで攻勢を弱める事ができるという。
 ただし、相手に心がある以上、下手な言葉かけや説得では逆効果になる可能性もあるので注意が必要だろう。
「変化した方をどうにかスレバ、目的の半分は達成デス。
 ソシテ……ここからが本番デス」
 戦闘に関しての注意を言ってから、更に付け加えるクラルス。
「ゲーム内で嘘をツキ、騙して、誹謗中傷を扇動する面々にお仕置きして欲しいのデス。
 住所ハ割り出していマスので無理矢理ゲームプレイさせた上デ、悪事を白日の下に晒してしマイ。
 ゲーム内でトップランカー、姫様と良い気にナッテ、それをリアルでも強イテ強力アイテムを貢がせたりシテ、今回のプレイヤーを嵌めた中心人物ト。
 その面々に取り入ッテ、騙した張本人、アトはついでに取り巻きも纏めて成敗して欲しいのデス。
 マァ、ゲーム内だけで無く、他ニモ良いお仕置きがアレバお任せしマス。
 ワタシがやれない分、盛大にしてやってクダサイ」
 ゲームの中で悪事をばらしたり、アイテムロスト前提の戦いに延々と繰り出させたり。
 虚構と集団圧力で無理矢理築き上げたスーパーリーダーや可憐な姫なポジションをぶち壊して差し上げたり、まあ色々とお仕置きして欲しいとの事。
 自分が直接手を出しにいけない分を全力で、ゲームを皆で楽しんでいくのではなく自分たちだけが楽しみ、他者を虐げるのを何とも思わない面々を成敗して欲しいと彼女は続ける。
「情報ハこんなものデスネ。では、現場へと案内しマス」
 そこまで言うとクラルスはグリモアを起動、それと同時に数多の氷塊が周囲に浮かび、猟兵一同を戦いへ、そして仕置きの場へと誘っていた。





第2章 ボス戦 『楽園への招待者』

POW ●安寧なる楽園への案内状
【頭上にある天使のような輪の高速回転】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD ●健やかなる楽園の住民の召喚
対象のユーベルコードに対し【『楽園』へ導かれた『幸福』な一般人達の霊】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ ●美しき楽園の象徴画
【両袖の中から噴き出す色とりどりのインク】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【には不気味な抽象絵画の様な物が描かれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルム・サフィレットです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ふふふ、みーんな死んで、楽園へ案内しちゃえば幸福に……違う、あいつら全員不幸のどん底に!」
 夜の無人駅、電灯に照らされて。
 くるくる回り、楽園へ導こうとするUDCとしての言動と、自分を貶めた面々を完膚なきまで叩き潰そうという人としての歪んだ感情。
 双方を口走るUDC-HUMANがそこには居た。
 変異したままに、完全に人ではなくなろうとするその動き。
 安寧な楽園に送り出そうとする性質に対し、強烈な復讐心、敵愾心で変異したが為に相容れないのか人としての意識がまだ多く残る女性。
 アンバランスな状況のままに、されど体のコントロールはUDCがほぼ全て握った状態のUDC-HUMANが完全なUDCとなるべく変容を始めていたのだ。
 だが、このまま変容を認めては一人の女性を見殺しに、やがては多くの人々の命を奪いかねない存在を容認することになる。
 変異の切欠、それを事前に聞いた猟兵ならばかけれる言葉もあるだろう。
 優しいだけの言葉は不要、厳しい叱咤が必要と考える者も居るだろう。
 いや、言葉は不要、ただ倒すのみと考える者が居るかもしれない。

 ただ一つ確かなことは、このままUDC-HUMANを放置する事は出来ない、という一点のみ。
 倒すことが最低条件、言葉を、そして女性を守るように動くかは個々人の自由。
 残機1、やるかやられるかのゲームを終わらせるべく猟兵達は己が武器に力を込めて、この怪異に相対する。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

変異は終わってたか……!
って、ん?
なんか喧嘩してるッポイ?
一体どうなって……あー、細かい部分でズレが出てるのかな?
なら好都合だよ、そのズレを突かせてもらおうじゃないのさ。
ある程度まで自力で何とかしようとしてた風だし、
きっとゲーム用語で話せば、分かってくれるだろ。

おいおい、なに逆シナジーしかないアバターを被ってるのさ。
「復讐に燃える孤高のソロプレイヤー」なんて、
格好の人間限定のユニークバフ持ってるのに、
そのアバターじゃ発動しないだろ。
それに奴らを送りたいのは楽園じゃなくて地獄だろ?
だから、そいつとは手を切っちまえ。
奴らへの仕置きの手段を、存分に考えようじゃないか。


黒沼・藍亜
あーもう!
その力じゃ望んだ「徹底的な制裁」は難しいってもうわかってるでしょうに!
それをやるならボクらが手伝うから、今は自分を強く保つっすよ!
二度とどんなゲームもできない体になんかなりたくないっしょ!?

相手のUC対策に体内のUDCを地面に広げて“使える”地面を減らしつつ、こっちもUC、黒くなんかヌメヌメする触腕付きパンジャンドラム落とし子をぶん投げ爆破ー!
インクの上で戦闘力上がったら簡単に避けられるけど、
パン子の爆発は同時に「ボクのUDCと同じ黒い粘液」を地形にぶちまけるもの
つまりインクの上書きと、アイツの足元にぶちまけた粘液から触腕を出しての『捕縛』が本命!
動きを封じて、味方に繋げるっすよ!


「変異は終わってたか……!
 って、ん? なんか喧嘩してるッポイ?」
 異形へと姿を変えた女性の元へ駆けつけた多喜であったが、一人で言い合うその様子。
 完全にUDCへと変異していないという事に気付いたのは彼女だけではなかった。
「あーもう! その力じゃ望んだ「徹底的な制裁」は難しいってもうわかってるでしょうに!」
 まだ人としての意識を保つ、そこへ言葉をかけていたのは藍亜。
 制裁を加えたいという女性の意識と楽園へと送り込み、救済とするUDCの意思。
 相反するが故に言葉を届ける隙間があると彼女は見ていたのである。
「あー、なるほど……細かい部分でズレが出てるのかな?
 なら好都合だよ、そのズレを突かせてもらおうじゃないのさ」
 不完全な変容、つまりは致命的なUDCとのズレ。
 となれば十二分に揺さぶりは仕掛けられると多喜も判断、ならばこの好機を逃す手はない。
 自力で何とかしようとしていたフシもあるならば、そこから内部へ働きかけることも可能と踏んで、あえて攻撃ではなく言葉で一気に切り込む事を目指す多喜は仲間を手で制しつつ、UDCへ声をかけていた。
「おいおい、なに逆シナジーしかないアバターを被ってるのさ。
 復讐に燃える孤高のソロプレイヤーなんて、格好の人間限定のユニークバフ持ってるのに、そのアバターじゃ発動しないだろ」
 肩をすくめて選択ミスだと言わんばかりにUDCへと声をかける多喜、無防備に近づく彼女へ反撃しようとUDCが力を込めるがそれを制するのは、UDC内部に潜む女性の意思。
 どういう意図だと警戒は続けたままに、攻撃を押し止め多喜の言葉に応じていた。
「あ、なた……私の、何を知って……」
「手ひどくやられた分をやり返す、そのために心を燃やしてる、ってコトかな?」
 自分の事を尋ねる女性、不用意な言葉ではなくわかる事実だけで応じていく多喜。
 その言葉で単なる殺害ではなく、復讐心という人間として抱いた感情を思い出し、更に言葉を届ける余地が生まれていた。
「そう、私は、あいつらを……楽園?」
「違うな、奴らを送りたいのは楽園じゃなくて地獄だろ? だから、そいつとは手を切っちまえ」
 表層へ、UDCの影響下の中強まった女性の意識。
 それを塗り潰そうとUDCが楽園へ、救済へと口を開いて言葉を紡ぐも否定し、女性が求める復讐を。
 自分を貶めた連中を制裁し、地獄に叩き落したかったのが本心だろうと多喜が言葉を返し、UDCの目論見を潰していく。
 このままでは不味いと苦虫を噛み潰したような表情になり、女性の意識を完全に塗り潰そうと両袖からインクをぶちまけ自身の力を、意識を高めるUDCだがその目論見を阻止すべく別方向からも声がした。
「そうっす、やり返すならボクらが手伝うから、今は自分を強く保つっすよ!
 二度とどんなゲームもできない体になんかなりたくないっしょ!?」
 声の主は藍亜、女性の意識を塗り潰さんとぶちまけられた色とりどりのインクの汚染。
 そこへと上書きするように、インクの上へと触腕つきのパンジャンドラムを投げ込めば無秩序に走り回ってそのまま自爆。
 同時にドス黒い粘液が撒き散らされてインクの汚染へ粘液の上書きを行って、UDCの意識拡大、それを防ぐような錯覚を見るものに与えていた。
「邪魔ね、本当に邪魔。楽園で救済を……復讐、やりか……救済」
 飛び散るインクをふわりと飛んで回避して、猟兵への強い敵愾心と目的に挟み込まれる女性の意識。
 攻撃そのものを止めるまでには至らぬがUDCによって塗り潰される事はなく、強く意識を保てばそれは後々、仲間が言葉による揺さぶりを仕掛ける為の布石としては十二分な成果と言えよう。
「ああ、その意気さ。そんな奴の侵食なんざ跳ね除けちまえ。
 その後、奴らへの仕置きの手段を、存分に考えようじゃないか」
 地面を汚すように広がるインクの海、その侵食から逃れる様に飛びのいて。
 内部で抗う女性の意識へ言葉を続ける多喜が笑えば、彼女が侵食を阻む存在と認めたか。
 UDCが睨み付け、排除しようと急接近、至近距離からインクの放出を仕掛けんと腕を伸ばしたその刹那。
「はーい、そこまでっす。
 パン子の粘液、ただ色の上書きだけだと思ったっすか?」
 待ってましたとばかりに言葉を紡ぎ、指を鳴らした藍亜。
 それと同時にUDCの足元、つまりは自爆したパンジャンドラムがぶちまけた黒き粘液から数多の触腕が一気に伸びて、多喜へと攻撃しかけたUDCに絡みつく。
 結果、伸ばした腕は標的を失ってあらぬ方向へとインクを飛ばし、無人駅の構内へ前衛的なアートを描くに留まっていた。
「なっ……しまっ!?」
 次々と伸びる触腕、それらに包まれ動きを阻害されるUDC。
 その間に接近果たした多喜は後退、攻撃の機会を逸し更には振りほどきつつあるはいえ、絡む触腕によって致命的な時間が生まれる。
「ふっふっふ、それなりに頑丈っすよ、それは。
 ボク達が話したいのはアンタじゃなくて中の人っす、意思をもったアバターはお呼びじゃないんっすよ」
 粘液から伸ばす触腕、それによる捕縛を続ける藍亜。
 自分勝手に、プレイヤーの意思とは関係なく動き始める存在は呼んでいない、実際のプレイヤーに用事があるとUDCの存在を否定して、後に続く仲間の為に彼女は足止め、時間稼ぎに集中していた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

荒珠・檬果
アドリブ歓迎。

両極端でアンバランス…だからこそ、まだ保ってるんですね。
この機は逃しません!
UCは気を引き付けるためのもの。

たとえゲームのキャラクターであれど。長い時間、自分で操作して育て上げた存在。
それは、娘・息子や自分の分身とも言える存在ですね!
それを…陥れられ、一方的に消されたのならば、その無念はもっとも!
ていうか、その感情をぶつけるの、手伝いたいくらいです。
ですが、一点だけ。その感情をぶつけるための手段に、UDCの力を使うのだけは止めます!
感情をぶつけるのは、あなたのままで行うべきことですからね!

そして戻ったのならば。あなたの名前を、教えて下さい。
私は荒珠檬果。一ゲーマーですよ。


エドゥアルト・ルーデル
磯野ー姫プレイヤー狩りに行こうぜー

真面目な説得は他に任せて拙者は協力要請でござるな
拙者的には首謀者達の生き死には割とどうでもいい…が、あえて生き恥を晒させて見せしめにする事で他のゲーム含めた姫プレイヤーへの抑止にしたいんでござるよね!
復讐も兼ねてゲームのアドバイザーとして手伝ってくだちぃ!

戦闘では輪っかが飛んでこない内にスタングレネードなりで目眩まし、背後から【流体金属生命体】を【スリ渡し】変形する流体の身体で拘束させますぞ
暴れるようなら【生命力吸収】させて大人しくしてもらうでござるよ

よーしよしいい子だ流体金属君!そのまま大人しくさせるんでござるよ…冬のナマズのようになッ!


「今の状況は両極端でアンバランス……だからこそ、まだ保ってるんですね。この機は逃しません!」
 足元から伸びる漆黒の触腕に絡めとられたUDC、楽園への招待者。
 内部に存在し、取り込む筈が猟兵の言葉かけで強固に形を保つ女性の意思への対処も強いられ動きに精彩を欠いた好機を見逃さず、檬果が接近。
 ようやく拘束を振りほどいたUDCを揺さぶるべく、更に言葉をかけていた。
「たとえゲームのキャラクターであれど。長い時間、自分で操作して育て上げた存在。
 それは、娘・息子や自分の分身とも言える存在ですね!」
「何を言って……ええ、そう、そのとお……違う、貴方を楽園に!」
 どれほどの労力をかけた存在であろう、自分自身の分身でもありえるゲーム内のキャラクター。
 同じゲーマーだからこそわかる点に同意を示せば、UDCが困惑を、そして内部の女性が肯定し、それをUDCが否定する状況。
 女性の意識を保つためには声をかけ続ける必要があると彼女は判断、更に言葉を続けていく。
「ちょっと、そこの天使さんはお呼びじゃないんです。
 私が話したいのは、貴方の中も人……そう、自分の分身ともとれる存在。
 それを……陥れられ、一方的に消された無念を持っておられる方です!」
 きっぱりとUDCではなく、中に残る女性個人を指定して。
 お呼びでない存在の相手を自分はしない、と先ほど召喚した赤いプラモキャラクターを多数召喚。
 夏の夕暮れ、何故か自分に纏わりつくように飛び回る蚊柱の如く展開すれば、それへの対処でUDCは数多の霊を召喚し、迎撃に回すが故に女性の意識を押さえつける力が弱まって。
「そう、この恨みは絶対に晴らし……ええい、邪魔ね」
 檬果の言葉に応じる女性の意識、それと展開されたプラモを鬱陶しいと評しつつ攻撃を避けるUDC。
「ていうか、その感情をぶつけるの、手伝いたいくらいです」
「ええ、なら一緒に……」
 そんなUDCの思惑など関係ないとゲーマー同士で盛り上がる会話、猟兵への好意的感情をしっかりと植えつける事に成功した檬果。
「ですが、一点だけ。その感情をぶつけるための手段に、その天使な奴の力を使うのだけは止めで!
 感情をぶつけるのは、あなたのままで行うべきことですからね!」
「いいえ、私の力を使わないと貴方では復讐はできない、楽園に向かえ……ぐ、じゃあどうやってやりかえ……私が楽園、送り……」
 やり返したい一心、されどその方法にUDCの力は駄目だと檬果が叫べばこれ以上、女性の意識を引き戻されてなるものか、と女性の無力さを指摘するUDC。
 別の手段が思い浮かばぬ女性の意識へ自分の力が最適だと続け、意識を飲み込もうとしていくが……。
「ならばそういったプレイヤーには、生き恥を晒させてやればいいのでござるよ!」
 闇の中方飛び出す不審者、いや、姫プレイヤー絶対殺すマンことエドゥアルトがそこへ乱入。
 不意打ちとばかりに投げ込まれたグレネードは空中で激しく発光、真昼を凌ぐ明るさを周囲に示せばその機に姫プレイヤー絶対殺すマンはUDCへ急接近。
 相手に攻撃される前に終わらせるスタイルで、こっそり流体金属なんかをUDCの足元に設置、光が収まる前に再び物陰へと逃げ込めば。
 視界が戻ったその瞬間、流体金属が活性化、伸びる金属質の触手となってUDCを瞬時に拘束していたのである。
「ぐっ、またこんな……」
「よーしよしいい子だ流体金属君! そのまま大人しくさせるんでござるよ……冬のナマズのようになッ!」
 抵抗させぬ、無力化させよと命令する姫プレイヤー絶対殺すマン。
 拘束を解こうと頭上に浮かぶカラフルな輪を高速回転、流体金属を断ち切るように繰り出したUDCだが液体は切られた瞬間、その流体的な性質を生かして瞬時に再生。
 切断系の攻撃ではそう簡単に解けないとうねってより拘束範囲を広めていく。
「無駄でござるよ、断ち切ることはできないでござる!
 さて、ではそこのお人。磯○ー姫プレイヤー狩りに行こうぜー!」
 切断不能、ならば力任せに振りほどく必要があると力をこめたUDC、その抵抗を無視して姫プレイヤー絶対殺すマンは内部の女性を貶めた存在、姫プレイヤーをやっちまおうと提案を。
 困惑して言葉が返せていない状況だがかまわずに、自分の考えを述べていく。
「拙者的には首謀者達の生き死には割とどうでもいい……が」
 命の有無には拘らない、ならば何を目指すのか。
「先も言ったが、生き恥を晒させて見せしめにする事で他のゲーム含めた姫プレイヤーへの抑止にしたいんでござるよね!」
 生き恥、つまりは見るに耐えない、やらかした事案の数々を白日の下に晒していき、仮に今のゲームから逃れたとしても別のゲーム、移籍先でも居場所がない。
 あのゲームでやらかした連中、というか姫プレイヤーじゃん、と噂をされて居場所をなくさせたいというのである。
 あとついでに、姫プレイヤーにはこんな未来があるんだと示して恐怖を与え、抑止したいという姫プレイヤー絶対殺すマンの願望も入っているのだが。
「そう、力づくで命を奪う以外にも制裁手段はあります、だから!」
「復讐も兼ねてゲームのアドバイザーとして手伝ってくだちぃ!」
 檬果がエドゥアルト、っていうか姫プレイヤー絶対殺すマンの言葉を借りて制裁手段は力だけではないと語れば、それに続けてやっぱり自分の願望を言っちゃう姫プレイヤー絶対殺すマン。
 その言葉をかき消すように、UDCは強引に流体金属の拘束を振りほどき空中へ。
 飛び回るプラモデルを打ち払いながら猟兵達を見下ろしていた。
「わかったわ、けど。私じゃ体を……ふふ、そんな事を言っても一度、自分で楽園に送ればもう病みつきに」
 意識を強く持っても体のコントロールを奪うまではできない。
 その事を女性の意識が告げ、UDCが完全に変容させる思惑を語っていくが最初に比べ動きが悪いのは誰の目にも明らか。
 ならば後は一気に制圧、UDCの支配下から女性を解放するのみと猟兵の猛攻が始まろうとしていた。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴