8
見せてご覧、君が負った傷跡を 隠した恐怖の総てを暴こう

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0





 アルダワ魔法学園で、鏡張りの迷宮というくらいはそう珍しくはない。
「ただ、この迷宮はちょっと厄介だぜ」
 そのように説明を切り出したタハニ・クルツリンガー(乱暴者は乱舞する・f03635)によると、この迷宮はただ相手の姿を映し出すだけではないらしい。
 見たくない姿、見られたくない姿を暴く……そんな性質を持った鏡からなる迷宮のようだ。

 例えば服の下に隠した傷を暴くかのように、服が破れた姿に映り。
 例えば思い出したくない過去を暴くかのように、幼いかつての姿に映り。
 例えば楽しい今を塗り潰すかのように、血肉と臓腑にまみれた姿に映り。
 苦しめ、傷つけるために在るかのように、迷宮の鏡は見られたくない姿を映し出すのだ。

 鏡を破壊しながら進むことも出来るが、先に進み続ければオブリビオン――グレムリンやシェイプシフターと遭遇することになる。
「交戦している最中は、多少は鏡を見ちまうかもしれねえ。……悪趣味だよな」
 鏡張りの床や壁と向き合いながら、戦うことになるだろう。
「見られたくないもの、見たくないものを見ることになると思うが……突破した先には、オブリビオンがいるんだ」
 オブリビオン『グレムリン』、そして『シェイプシフター』を撃破すれば、迷宮の鏡は塵に帰る。
 オブリビオンを撃破しなければ、人の傷をえぐる悪趣味な迷宮は残り続けてしまうとタハニは言い。
「……覚悟があるやつだけ転送する。出てきてくれ」
 猟兵へと、そのように呼びかけるのだった。


遠藤にんし
今回はアルダワ魔法学園です。

第一章が迷宮内を進行、
第二章はグレムリンとの戦闘、
第三章がシェイプシフターとの戦闘です。

●特記事項
 舞台となる迷宮は床と壁が鏡張りです
 鏡には『隠している自分の姿』『見たくない自分の姿』『見られたくない自分の姿』が映し出されます
 鏡に映る自分の姿だけが変わるというフレーバーのため、それによる有利不利は発生しません
 隠している傷や、過去の姿や見られたくない姿をプレイングに記載いただけましたらリプレイに反映いたします
 特に記載がない場合、今の姿が『血肉と臓腑にまみれた』様子を描写いたします

皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
98




第1章 冒険 『オンリートラップを突破せよ!』

POW   :    力尽くで攻略する

SPD   :    罠が発動する前に突破する

WIZ   :    罠を利用したり解除したりして突破する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セラータ・ファルチェ
アル(f03401)と……師匠(f12537)と参加

師匠のこと?嫌いだ。
アルに近づけたくない。

見たくない姿…アルを守れなかった過去、だろうな

罠はできる限り発動する前に突破する
趣味の悪い鏡は【鎧砕き】【なぎ払い】【援護射撃】などによる【衝撃波】で割る。

私はこれまでも、これからもあなた(師匠)の意見には賛同できません。
…それ以上アルに近づかないでください。
私はアルと共に盾の騎士として“皆”を守る。

ん、俺もそう。
アルと同じだ。

ここで仲間割れを起こすほど落ちぶれてはいませんよ。
…ぶっ潰したいのは確かですが。

……そちらこそ、いつまでも師匠面しないでいただけますか


フレッド・ピエタ
弟子達(f03368/f03401)と参加かな。

見たくない自分ねぇ…父親に似たこの外見がそもそも見たくないね。
自分の外見見たとこで今更何も思わないケドな。

で?バカ弟子どもはどーなってるかね?
昔を思い出して俺に殺意でも向けようもんなら更に過去の【傷をえぐる】ような事でも言ってやろうか。

『弱い奴から死んでくのは自然の摂理だろ?死にたくないなら強くなれよ、弱虫ども』

殴りたいなら1発ぐらい貰ってやろうかね。

正気に戻ったら、さっさと抜けるぞこんなとこ。

炎と水…いや氷の魔術を使って温度差で鏡を割り、風の魔術で破片を俺達とは逆に飛ばすわ。

ほら、進むぜ。
いつまでも師匠の陰に隠れてないで独り立ちしな。


アルバ・ファルチェ
セラ(f03368)と師匠(f12537)と参加。

師匠の事は嫌いじゃないけど好きじゃない…と言うか過去殺されかけた経験が。
自分が未熟だったせいもあるけど、容赦なさすぎるのもどうかと思う。

『見たくない姿』は『誰も守れない自分』。
守りたいのに守れない…そんな弱さはもう要らない。
思い出すだけで傷が痛む。

…だぁぁっ、コルノ(ドラゴンランス)!
周りの鏡を割れ!(【援護射撃】の要領)

僕は!もう!弱い子供じゃない!
僕の前では誰も傷つけさせないって【覚悟】を決めた!
師匠がどう言おうと、どう思おうと、僕は僕の意思で立つ。

セラもそうだよね?
僕達はまだ未熟だとしても成長してやる。

いつか師匠を殴るから、覚悟しとけ。



 フレッド・ピエタ(La debolezza e un peccato・f12537)に言わせてみれば、鏡に映る前の自分の姿だって見たいものではない。
 父親に似たこの姿。今さら見たところで、血肉と臓腑にまみれた姿を映されようと大した気持ちの変化は無いが――思いつつフレッドが見やるのは、弟子であるセラータ・ファルチェ(蒼蒼の盾・f03368)とアルバ・ファルチェ(紫蒼の盾・f03401)の姿だ。
 鏡に映るセラータの姿は今より幼く、アルバを守れなかった過去を示す。
 鏡に映るアルバの姿も今より幼く、誰も守れなかった自分を示す。
「――っ!」
 セラータの手の中で黒銀の銃『Zanne d'argento nere』が火を噴いて鏡を破片に帰していく。
「……だぁぁっ、コルノ!」
 衣服の上から腹に手を当てているというのに、鏡の中のアルバは腹に通る貫通痕を晒したまま。
「周りの鏡を割れ!」
 ドラゴンランスは柔らかな毛をなびかせながらも鏡を散らす。
「僕は! もう! 弱い子供じゃない!」
 破壊音をかき消すかのように、アルバの叫びが響く。
 自分の前ではもう誰も傷つけさせないと覚悟を決めた――師匠がどう言い、どう思おうと。
「僕は僕の意思で立つ……セラもそうだよね?」
「ん、俺もそう。アルと同じだ」
 互いの気持ちを確かめ合うセラータとアルバ。
 そんな二人へ向けるフレッドの視線は愉快がっているようにも見えて、セラータとアルバは殺意を籠めてフレッドを見やる。
 アルバは一度はフレッドに殺されかけた――だからセラータはフレッドをアルバに近づけたくはない。
 過去の己の行いは理解しているというのに、フレッドの言葉は軽く、傷をえぐるかのように。
「弱い奴から死んでくのは自然の摂理だろ? 死にたくないなら強くなれよ、弱虫ども」
 言葉に、アルバが拳を握るのが分かった。
 一発くらいなら貰ってやろうかと考えていたフレッドだったが、アルバはその拳を鏡にのみ向ける。
「いつか師匠を殴るから、覚悟しとけ」
 まだ未熟だとしても、成長してみせると呟くアルバの手から、一筋の血が垂れる。
「ここで仲間割れを起こすほど落ちぶれてはいませんよ。……ぶっ潰したいのは確かですが」
 殺意は隠さず、アルバを遠ざけるようにフレッドとの間に割り入るセラータ。
 師匠であることは事実だとしても、これからもこれまでもフレッドの意見に賛同することなどは出来ない。
 セラータとアルバは共に、盾の騎士として“皆”を守るのだから――決意と敵意を向けられたフレッドは背を向けると、炎と氷の魔術を辺りに放ち。
「正気に戻ったら、さっさと抜けるぞこんなとこ」
 炎に舐められ、かと思ったら氷による急冷。
 温度差に割れる破片が飛んでこないようにフレッドはすぐさま風魔法を展開、進行方向とは逆方向に破片を飛ばすことで、先行きを盤石にしていく。
「ほら、進むぜ。いつまでも師匠の陰に隠れてないで独り立ちしな」
「……そちらこそ、いつまでも師匠面しないでいただけますか」
 冷たく言いながら、セラータは鏡を薙ぎ切って進んでいく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天星・零
UC【首狩り女王の死刑執行】共に探索

自分の姿
7-8歳くらい血塗れ痣だらけ姿で胸の刻印が見えるように服が破れてる


『はは、家庭には恵まれなかったんだよなぁ‥いや、分かってはいたけどキッツいなーこれ』

ディミオスと二人なので口調は素で

『僕は家族を殺した。君と契約して罪人を殺したね。けど僕は後悔していないよ。この事がなければ君達と今の家族にも会えなかったでしょ?』


胸の刻印を抑えながら【覚悟】を決めて
『これは僕達と僕の家族だけが知ってる秘密の姿。他人は知らなくていい事だ。改めて教えてくれてありがとう』


鏡の自分の姿に微笑んだ後突破

ディミオス
私+貴様、お前、零は名前で-だ、だよな、だろう?と女王様らしい喋り方



 血に濡れた天星・零(多重人格の霊園の管理人・f02413)の姿は、数年前のもの。
 破れた胸元からは刻印が覗き、血まみれの体中は痣だらけで。
「はは、家庭には恵まれなかったんだよなぁ……いや、分かってはいたけどキッツいなーこれ」
 そんな零は独りだから――否、骨の山羊、とでも呼ぶべき禍々しい霊と二人きりだから、いつもの丁寧な口調ではなく素の言葉で呟く。
「僕は家族を殺した。君と契約して罪人を殺したね」
 ゴールドの、ワインレッドの瞳が揺れる。
「けど僕は後悔していないよ」
「零、貴様は後悔していないと言うのだな?」
 霊――ディミオスの問いに、迷うことなく零はうなずく。
「この事がなければ君達と今の家族にも会えなかったでしょ?」
 零の手は胸の刻印を押さえるように。
「これは僕達と僕の家族だけが知ってる秘密の姿。他人は知らなくていい事だ」
 言葉に出すたびに、覚悟が決まっていくのを感じた――もう一度、零はかつての姿を見つめて。
「改めて教えてくれてありがとう」
 鏡の向こうの彼へと微笑みを浮かべて、零は迷宮を進んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイツ・ディン
【POW】
「映るならカッコよく映ってほしいものなんだけどな」『フン、姿ごときに惑わされるなど下等生物らしい考え方だ』
やれやれ、という顔のナイツと不遜な竜槍『ディロ』。

第六感や情報収集を使って警戒はするが、見られたくない姿が映る鏡があったら容赦なく串刺しでぶち破る。キリがないようなら諦めるものの、ディロは不満げにブレスで八つ当たりをしたり。

「……あんま、見ないでほしいもんだな。」
『ありえぬ、我が負けるわけなかろうが!』
足早に、逃げるように。それでも罠は警戒する。旅人としての習性。

映る姿は幼く怯えるように竜に隠れている「竜翼」の妖精と、槍に貫かれ翼や鱗がボロボロの紅竜。
他者との絡み、合わせ歓迎


ジャガーノート・ジャック
(ザザッ)――迷宮、か。面倒な仕掛けだが――構わない、可及的速やかに疾り抜ける。

(ザザッ)
SPD選択。
『ダッシュ』『早業』を使用し超速度でダンジョン内を駆け抜ける。
回避行動は『Leg Vernier』を使用し空中跳躍する事で実行。

罠など発動する前に駆け抜けてしまえば恐れる事はない。

(ザザッ)
――ああ、そうだろう。映るのはその姿だろう。

(『隠している自分の姿』:鎧の中身。ひ弱で細く、鎧よりも小さく、少し長い黒髪の、女とも見られかねない弱者たる姿。)

――構わない。映る姿がどうだろうと本機が遂行するミッションにはなんら支障はない。


本機の行動指針は以上、実行に移る。オーヴァ。
(ザザッ)


ジャンヌ・ストレージ
悪趣味な迷宮ね。犠牲者が出る前になんとかしないと......。

迷宮を進んで、罠が発動しかけたらバウンドボディで身体を変形させて避けるわ
こんな罠にジュリエッタ(いつも持っている大切な人形)の力を借りる必要はないわ。

【見たくない自分の姿】
ジュリエッタが居なくても大丈夫な自分。普段はジュリエッタが生きていると言い張っているが、心の奥ではただの人形と思っている。一人でも生きていけるのをジュリエッタに依存することで見ない振りをして、自分の責任から逃げている。

【見たくない姿を見た反応】
鏡にジュリエッタがいなくて発狂しかけるが手元のジュリエッタを見て安心する。
私は、私は、ジュリエッタがいないと駄目、駄目なの


ライヴァルト・ナトゥア
POW、破壊工作、勇気、第六感を使います

出来るだけ見ないように進め、か
視覚に頼らない歩法で進むべきかな
(目を閉じて、第六感を頼りに敵に極力あわないように進む。壊せる道は壊していく)
敵が出れば、流石にこうは行かないだろうな
(敵に遭遇したのであればそのまま戦う。無理そうなら目視で戦う)
仕方がないか。見たいないものなんて、見ないほうがいいって言うのに
(勇気を振り絞って目を開ける。映る情景は森の中、複数の狼人に襲われていた幼い頃の自分。
自分を庇った父の片腕がちぎれ飛ぶ光景だ)
ああ、これを俺に見せるのか
確かに後悔はしてもし足りないくらいだ。だから俺は親父の分までーー
(隙を晒すが)
負けるわけにはいかない


天星・暁音
気に入らないな…生きてるものなら誰しも触れられたくないものはあるものだ…それを無遠慮に暴き出そうだなんて…
どれ程、心を強く持とうとも嫌なものは嫌なものだもの…

血縁り両親の見ているのに見てない存在しない者を見る目で今の家族や知り合いにも見られることや
両親との決別後に新しく出来た家族を失うこと
若しくは武器【共苦】による他者と世界の痛みに押し潰されて壊れてしまうこと

血や臓腑に塗れた自分はそれが嫌なら初めから戦わなければ良いと特に気にも留めないと思います。

何を見せられても家族を信じているし共苦に負けるつもりもないので、大騒ぎはしないです。
精々怒りに任せて怪我もとか気にせずに鏡を素手で叩き割るくらいかと



「映るならカッコよく映ってほしいものなんだけどな」
 ナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)のぼやきに、紅竜『ディロ』は不遜にも言葉を返す。
「フン、姿ごときに惑わされるなど下等生物らしい考え方だ」
 警戒しつつ歩みを進めるナインだが、取り囲む鏡が映すものは許しがたいものがある。
 ドラゴンランス:ローアが刺し貫いて、竜翼を持つ怯えた様子の妖精の姿は砕けて消える。
 槍に貫かれ、翼や鱗に深い傷を負う紅竜の姿もまた、潰れて散った。
「おっと」
 空中から気配を覚えてナイツが見上げれば、そこにいるのは空中跳躍で進むジャガーノート・ジャック(OVERKILL・f02381)の姿がある。
「――可及的速やかに疾り抜ける」
 ノイズの混じる声で呟いて、早業で疾駆するジャガーノート。
 足を踏み入れるたび砕け、陥没しては罠を仕掛けようとするが、発動する頃にはジャガーノートの姿は既に進んでしまっている。
 ダッシュで駆けるジャガーノートの姿から遅れることなく、鏡の中の姿も追随する。
「――ああ、そうだろう。映るのはその姿だろう」
 予想通りの姿――痩躯はひ弱で小さく、女とも見えるような黒髪を垂らした姿は、まさしく『弱者』。
 鎧に隠している中身を晒され、ノイズの中で「構わない」とジャガーノートは声を漏らす。
「映る姿がどうだろうと本機が遂行するミッションにはなんら支障はない」
 鏡の中を正視しないよう進むジャガーノート。
 天星・暁音(貫く想い・f02508)は鏡の中の姿を認めると、怒りに任せて素手で鏡を叩く。
 放射状に入ったヒビ。破片は全てが暁音を傷つける刃物となって手を汚させたが、暁音はそれを気にせず怒りの声を上げる。
「生きてるものなら誰しも触れられたくないものはあるものだ……それを無遠慮に暴き出そうだなんて……」
 どれだけ心を強く持とうとも、嫌なものは嫌だ。
 いくら鏡を壊しても、続く道のりに鏡は残る。
「……あんま、見ないでほしいもんだな」
 壊しても壊しても鏡は消えず、ナイツは諦めるがディロは諦めきれずにブレスで粉砕を続ける。
「ありえぬ、我が負けるわけなかろうが!」
 逃げるように足早であっても、旅人としての習性が罠を警戒させる。
 大きな、致命的な罠はないようだが、どこまでも続く鏡迷宮だけはどうしようもなく。
 他者と世界の痛みに押し潰され壊れていく自分の姿を映し続ける鏡に唇を噛みしめながら、暁音は進んでいく。
 ジャンヌ・ストレージ(少女を抱く者・f08146)は発動しかかる罠を身体をバウンドモードにすることで対処、腕に抱くジュリエッタに傷がついていないことを確かめると、小さく小さく微笑んだ。
「こんな罠にジュリエッタの力を借りる必要はないわ」
 口元に微笑の名残を張りつかせてジャンヌが歩き出せば、鏡もまたジャンヌの姿を映す。
 ――とはいっても、鏡の中のジャンヌは血肉や臓腑にまみれもせず、正気の顔で、歩いている。
 ただの鏡のように映し出すだけに見えた――しかしその腕に。
「ッア……、ジュリエッタ――?」
 ジュリエッタの姿だけが、ない。
 ジュリエッタがいないのに平気で生きてジュリエッタがいないのに平然としていてジュリエッタがいないのはただの人形だからでジュリエッタがいなくても自分の責任を負ってジュリエッタがいなくても、
「ア、アアアアアアア…………!」
 ジャンヌの体が強張り、脳味噌が狂気に侵されていく。
 ――ガクリと頭が下がる。その瞬間ジュリエッタの姿が目に入り、ジャンヌは急速に正気へと戻っていく。
「私は、私は、ジュリエッタがいないと駄目、駄目なの」
 離れないようにジュリエッタを抱きしめる。
 自分の腕の中のジュリエッタを見つめることで狂気を退けるジャンヌ。
 鏡を見ないためにジュリエッタを見つめるジャンヌに対し、ライヴァルト・ナトゥア(巫女の護人・f00051)は目を閉じて進むことにした。
 目を閉じても第六感のお陰で危険は避けることが出来た。行き止まりは破壊して進むが、それでも歩みはいつもよりもゆっくりだ。
「敵が出れば、流石にこうは行かないだろうな」
 目を閉じたまま戦うよう努力はするが、無理ならば目を開けるほかないだろう――思っていると、前方から何かの気配を覚え。
 咄嗟の判断で右に避けたのは正解だったらしく、左側に何か恐ろしいものが通り抜けるのが感じられた。
 ライヴァルトの前方からの気配は増す。一対一ならともかく、複数体となれば戦闘は困難だと判断し。
「仕方がないか。見たいないものなんて、見ないほうがいいって言うのに」
 目を開いたライヴァルトの視界には、鏡。
 複数の狼人に襲われた時の幼い自分の顔と体に飛んでいる血飛沫は、自分をかばって片腕がちぎれた父親の血なのだろう。
「ああ、これを俺に見せるのか」
 立ち尽くして、ライヴァルトは血に濡れた幼子と向き合う。
「確かに後悔はしてもし足りないくらいだ。だから俺は親父の分まで――」
 隙だらけの背中へ、敵は殺到しようとして。
「負けるわけにはいかない」
 振り向いたライヴァルトは、千剣白夜を敵へと投擲した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『グレムリン』

POW   :    スパナスマッシュ
【巨大なスパナ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ツールボックス
いま戦っている対象に有効な【分解用の工具】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    ハイドアンドシーク
自身と自身の装備、【アイコンタクトをとった】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

天星・零
『(ちょっと晴れ晴れした気分だ。やっぱり、見られたくない姿とはいえ、今がいいってこと再確認出来たしね。)とはいえ、この迷宮は無い方がいい。再確認出来たとはいえ、あれは見るに耐えない。そう思いませんか?小悪魔さん?』

UC【首狩り女王の死刑執行】を使いつつ自身もディミオスと連携を取る

【情報収集】で常に戦況を把握しつつ、【第六感】を働かせて万が一がないようにする

また、【毒使い】の技能を用いて毒のついた武器『マフェットスレッド』を使いつつ、
可能なら、相手に【呪詛】を使うことで毒の侵攻を加速させて速やかに終わらせようと
相手が弱ったらディミオスにとどめをさして貰う

ディミオスの口調
前章と同じです

ソロ希望



 零の気持ちが少しばかり晴れたのは、過去と向き合う時間が作れたから。
 見られたくない姿であっても今の方が良いと再確認できた。
「とはいえ、この迷宮は無い方がいい」
 そうだよね、と問うようにディミオスを見上げる零へと、ディミオスは頷いて見せる。
「その通りだ。では、どうする?」
「見るに耐えないからね、壊してしまおう」
 言いながら零は服の中からワイヤー『マフェットスレッド』を展開。
 塗り込められた毒が鏡を割り、グレムリンの四肢を絡め取っては裂いていく。
 第六感のお陰でスパナを避け、零は更にワイヤーを操ってグレムリンを狙う。
 回避するグレムリンも触れてしまえば毒が障る。広げられていた翼から力が失われ、破片だらけの床に落下する様子を見て、零はディミオスへ言う。
「ディミオス、いいかな?」
「任せよ」
 まだ命あるグレムリンらの首に鎌が当てられ。
 その首は、ディミオスによって一息に狩り取られる。
 ――舞い散る血飛沫に鏡は汚れて、零の姿は鏡の中から消えて行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

フレッド・ピエタ
3種の中から選べるのはお前だけの特権じゃないってね。
俺はもちろん『攻撃力重視』で行かせてもらう…何せ“優秀”な盾が居るもんで。
さて、お手並み拝見と行こうか。

俺の剣は魔法剣であり、処刑道具の一種。
斬れば斬るほど鋭さを増すぜ。
どう避けてくれるのかね?
少しでも刺されば風の魔法で【傷口をえぐり】にかかるぞ。
ついでに炎の魔法でそこを焼いといてやろうか。
ははっ、痛みに喚いて見せろよ。

あぁ、もし姿が消えたときのために周囲の鏡は戦闘の最中にいくらか割っておくぜ。
破片を踏んだ足音が消せないなら姿が見えなくても方向くらいは解るだろう?
まさかそんな知恵も回らないほど落ちぶれてないよな、弟子ども。


アルバ・ファルチェ
セラ(f03368)と師匠(f12537)と参加。

…師匠はホントいちいち嫌みったらしいな。
はいはい“優秀”な盾は存分に実力を発揮させて貰いますっ。

【挑発】【おびき寄せ】で意識をこちらに。
攻撃が来れば【武器/盾受け】【見切り】【第六感】【オーラ防御】でダメージを最小限に。
セラや…まぁ一応師匠の方へ攻撃が向かった場合は【かばう】。
ここで少しでも守り切れなかったらまた嫌みを言われるんだろうなぁ。

そうそう…鏡の自分が目に入っても、もう動揺はしない。
護るって【覚悟】を決めた以上何時までも揺らいでは居られないしね。

コルノには【援護射撃】で敵に攻撃と鏡割りの指示を。
僕だって【戦闘知識】を活かせるんだよ。


セラータ・ファルチェ
アル(f03401)と……師匠(f12537)と参加

素直に守ってくださいってお願いしたらどうですか。全く……
……ほんと、悪趣味というか性格歪んでんの年々悪化してんじゃないか?
セラ、無理しすぎるなよ?
文句は言いながらも盾の役割はしっかりやる

自分への攻撃は【野生の勘】や【見切り】で回避
味方への攻撃は【武器受け】で対処する

鏡?そんなの気にしてる暇あったら、敵を攻撃する

俺は味方がやりやすいように【マヒ攻撃】【援護射撃】【鎧砕き】で敵を不利な状況に追い込もう
もちろんチャンスがあれば【スナイパー】で急所を狙ったり【2回攻撃】【零距離射撃】で攻撃しよう



「さて、お手並み拝見と行こうか」
 余裕たっぷりのフレッドは魔法剣――処刑道具を手に、アルバとセラータの後姿を見やる。
「俺はもちろん『攻撃力重視』で行かせてもらう……何せ“優秀”な盾が居るもんで」
「……師匠はホントいちいち嫌みったらしいな」
 うんざり顔のアルバに、セラータは溜息をついて。
「素直に守ってくださいってお願いしたらどうですか。全く……ほんと、悪趣味というか性格歪んでんの年々悪化してんじゃないか?」
 などと会話をする間にも迫るグレムリン。
 挑発的な眼差しにか、それともこれ見よがしに掲げた得物にか、グレムリンの狙いはアルバとセラータに向けられる。
 タンザナイトのピアスを揺らすアルバはドラゴンランス『コルノ』でスパナを受け、セラータは自分へ向かう攻撃は野生の勘で回避、その上でフレッドに投げつけられた大量のネジをZanne d'argento nereで一つ残らず撃墜した。
「優秀で何よりだ」
 フレッドは言いつつ自身も処刑道具でグレムリンを斬り、また一体と斬る。
 初めは皮一枚を斬るのがやっとだった剣は斬るたび鋭さを増してついには一閃で首を落とせるほどになった。
 慌てて回避するグレムリンの背中を貫いて、いたぶるように風の魔法で傷をえぐり、炎の魔法で焼き壊す。
「ははっ、痛みに喚いて見せろよ」
 笑い声に目を合わせる二人――残虐な攻撃にかグレムリンはフレッドへも向かおうとするが、嫌みを言われるのも厄介なのでアルバは庇うようにフレッドの前に立つ。
 鏡を背にするグレムリンと向き合えば、嫌でも見たくないものが目に映る。
 それでもアルバは覚悟を決めた。それ以上揺らぐことはなく、アルバはコルノへ声を上げる。
「援護射撃だ。攻撃と、鏡を割るんだ!」
 殺到する攻撃にアルバの姿が透明に変わる――それでもセラータは動揺することなくグレムリンの急所を狙い、零距離射撃で命を奪う。
 アルバのいるであろう場所で鏡が割れる音が響く。姿が見えずとも息を合わせて攻撃を重ねるアルバとセラータの様子に、フレッドは血まみれの剣を振って。
「どうやら俺の弟子どもも、まだ落ちぶれちゃいないようだな」
「僕だって知識を活かせるんだよ」
 ようやく姿の戻ったアルバはセラータと背中合わせにグレムリンを捌き、フレッドを守る。
 割れても割れても鏡は尽きないが、セラータはそこに映る姿よりもグレムリンに気持ちを向けて。
 コルノの援護射撃の甲斐あってグレムリンらは三人へ決定的な攻撃は仕掛けられずにいる。それをいいことに追い詰め、護りを砕き、斬り払う。
「無理しすぎるなよ?」
 言葉を交わし合いながらの猛攻のお陰で、致命的な傷はない。
 窮地へ追い立てたグレムリンを前にしてもセラータは油断なく痺れを与え、動きが鈍ったところをアルバの剣が貫く。
 二人の攻撃もかいくぐるグレムリンにはフレッドの残虐なる斬撃のプレゼントがある。
 斬られ、えぐられ、焼かれ……悲鳴を上げるグレムリンを、三名は着実に追い詰めていく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ジャンヌ・ストレージ
ジュリエッタ、私は貴方が居ないと駄目なのよ。本当よ?
正気に戻ったものの、迷宮で嫌な姿を見てから不安でしきりにジュリエッタを撫でたり抱き締めたりしている。
グレムリンが攻撃をしかけてくるのにも気付けない程夢中にジュリエッタへ話しかけ、無防備な姿を晒す。
攻撃を受けると【オペラツィオン・マカブル】が発動し、ジュリエッタが反撃を排出する。
反撃に対して『また私を助けてくれたのね。やっぱり私には貴方が必要よ』と感動する。
失敗して被害が二倍になったら『今、ジュリエッタとお話してるの!!!邪魔しないで!!!』と逆ギレする。

アレンジ、他絡み歓迎です。


天星・暁音
…少しばかり八つ当たりになるけど…良いよね。
ちょっとしたストレス発散だ。
本当は怒りのままに力を振るうのって余り好きじゃないのだけど…俺にだってどうにも腹立たしい事はあるんだ。

全力魔法、範囲攻撃、高速詠唱、スナイパー、戦闘知識、等をフル活用して全力全開全身全霊で持って吹き飛ばします。

抜けて来た相手は銀糸で張り巡らせた糸の結界で足止めして銃で撃ち抜いたら締めてバラしたりします。


ナイツ・ディン
「……鬱陶しい。殲滅するぞ。」『我は、我は負けぬのだ!』
精神的に割と参っている。八つ当たり気味にグレムリンに攻撃する。
基本は竜槍ディロによるなぎ払い。攻撃に対しては敵を盾にすることによって自滅を狙ってみる。無理そうなら盾受け(鉄のカードによる防御)。
そういや、グレムリンは鏡にどう映るのだろうか。そもそも映らないとかだろうか。
グレムリンが鏡に写った姿を馬鹿にするようならディロがキレてドラゴニック・ロアーを放つ。
『我を恐れよ、讃えよ!我は最強の竜種なのだ!』
鏡を割るほどの咆哮。相当あの鏡が嫌いらしい。


ライヴァルト・ナトゥア
(小剣を投擲した相手を見やって)
ほう、これはこれは随分と悪趣味な顔をしてるじゃないか。まるで生け花のようだな?
グレムリン、ね。そこそこ数がいるようだけど、その程度じゃ、まだまだだ
(ユーベルコードで100を超える狼を召喚する。高いところにいる敵に対しては同じ狼の背に乗って跳躍して攻撃する)
さぁ、狩りの時間だ。一分一秒でも長く、楽しませてくれよ?
(時には狼の背に乗って自ら鎌で首を飛ばしてゆく)
数の暴力っていうのはこういうものだ。ちょっとばかし、数が足りなかったな?
(殲滅し終えたら)
皆、お疲れさん。
腹はいっぱいになったか?なんて、そんな訳がないか
それじゃあ、またな
(パン!と手を叩いて狼を送還する)



「ジュリエッタ、私は貴方が居ないと駄目なのよ。本当よ?」
 ジャンヌがジュリエッタから決して目を離さないのは、この鏡が嫌なものを見せるから。
 ジュリエッタがいる、ジュリエッタがいなければ駄目……そんな思いがあるというのに不安はぬぐえず、ジャンヌは絶えずジュリエッタを抱きしめ、撫でさすってそこに在ることを確かめる。
 そんな隙だらけのジャンヌを狙うようにグレムリンは巨大なスパナを叩きつけようとする――だが、それより早く暁音の全力魔法が炸裂した。
「大丈夫かい、ジャンヌ」
「ええ……ジュリエッタがいるから、ジュリエッタがいれば私は大丈夫よ。そうよねジュリエッタ?」
 ジャンヌを気遣う暁音だったが、気遣い以上に迷宮への怒りが強い。
 冷静ではないことは暁音自身にも分かっていた。怒りのままに力を振るうことは好きではないが、どうにも腹立たしい気持ちを押さえられず、暁音はその感情のままにグレムリンを吹き飛ばしていく。
 高速詠唱、範囲攻撃――広範囲にわたって吹き飛ばされたグレムリンがナイツの足元に転がり、ナイツは竜槍ディロでその心臓を縫い留める。
「……鬱陶しい。殲滅するぞ」
「我は、我は負けぬのだ!」
 気分が悪いのはナイツも同じ。八つ当たりのように薙ぎ払い、釘を投擲するグレムリンに辺りにいたグレムリンをひっつかんで盾代わりにして対抗。仲間割れを起こしたところを槍で突いて一網打尽にした。
 それでも次から次へと湧くグレムリンに、ライヴァルトは目を細める。
「ほう、これはこれは随分と悪趣味な顔をしてるじゃないか。まるで生け花のようだな?」
 そこそこの数はいるようだけど、まだまだ――言ってライヴァルトが手を広げれば天狼の大群が姿を見せる。
 百を超える狼の中でも体格の大きいものの背に乗り、ライヴァルトは鎌を振るって魂を簒奪する。
「さぁ、狩りの時間だ。一分一秒でも長く、楽しませてくれよ?」
 追い立てられて逃げ惑うグレムリンは、この戦場において最も隙の多いジャンヌの元へ。
 あまりにも無防備な姿にスパナが叩きつけられる――完全な脱力状態にあったジャンヌが攻撃を受けた瞬間、黒のドレスを広げてジュリエッタが反撃に打って出る。
「また私を助けてくれたのね。やっぱり私には貴方が必要よ」
 顔を輝かせ、思い切りジュリエッタを抱きしめるジャンヌ。
 己の無意識がジュリエッタを動かしたのだという気付きはないまま、ジャンヌはジュリエッタを撫で、ジュリエッタ以外から目を逸らす。
 最も隙が多く見えたジャンヌへの攻撃に失敗したことで怖気づいたのか、グレムリンの激しかった攻撃が和らぐ。
 だが、猟兵たちを除こうという意思は強く、グレムリンはまだ割られていない鏡の前に立ち。
「弱っちいクセに! ホントは弱っちいクセに!」
 不利を悟ったグレムリンはキイキイと叫びを上げ、ナイツへと鏡を指さす。
 そこに映るグレムリンの姿は血まみれなだけだが、そこに映る人間と竜の姿は――、
「我を恐れよ、讃えよ!」
 ディロの咆哮と共に放たれる無差別攻撃。
「我は最強の竜種なのだ!」
 みしみしと大気が揺れ、かと思えば鏡は粉塵と化す――これでもう、ディロの姿を映すものは何もない。
「数の暴力っていうのはこういうものだ。ちょっとばかし、数が足りなかったな?」
 残りも減ってきたグレムリンをライヴァルトは狩って回り、狼たちも喰らい尽くそうと猛る。
 僅かなグレムリンはそうした大群の攻撃をかいくぐってライヴァルトの心臓を狙うが、暁音の仕掛けた銀糸がグレムリンを搦め取り、縛り付けられたところを星と闇の拳銃が撃ち抜いていく。
 撃ち抜かれたグレムリンは更に締め上げられていくつかのパーツに分かれて地面に落ちる。それでようやく、グレムリンの姿は迷宮から消え去った。
「皆、お疲れさん」
 ライヴァルトは言ってから、呼び出した狼たちへも声をかける。
「腹はいっぱいになったか? なんて、そんな訳がないか」
 まだ飢えた様子の狼だが、残念ながら餌はもうない。
「それじゃあ、またな」
 パン! と手を叩けば狼の姿は消え、猟兵たちは歩みを進める。
 この迷宮を、破壊し尽くすために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『シェイプシフター』

POW   :    思考の簒奪
【自身を対象の姿へと変化させ思考を読み取り】対象の攻撃を予想し、回避する。
SPD   :    血肉の簒奪
戦闘中に食べた【対象の血肉】の量と質に応じて【捕食した対象の姿と戦闘経験を簒奪し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    秘技の簒奪
対象のユーベルコードを防御すると、それを【強化し体内へ取り込み】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鏡に黒が滲んだと思ったのは、新たな刺客が現れたため。
 グレムリンの亡骸を踏み越えて姿を見せたシェイプシフターは、巨大な眼球を巡らせて猟兵らを映す鏡を見て。
 ……笑みの形に眼と体を歪めて、猟兵らへと襲い掛かる。
セラータ・ファルチェ
アル(f03401)と師匠(f12537)と参加

迷宮も悪趣味なら主も悪趣味だな
いや、主が悪趣味だから迷宮がこうなったのか
何にしても…お前、失せろよ

甘っちょろくて結構。
私達はそれでここまで生きて来たんだ、これからもそれは変わらない。

【マヒ攻撃】【気絶攻撃】【援護射撃】で敵の動きの妨害を試みる
あの特徴的な目玉を狙って攻撃してみよう

攻撃の回避は【見切り】【野生の勘】【武器受け】を駆使
アルや師匠に向かう攻撃も【なぎ払い】【スナイパー】などで相殺を試みる


アルバ・ファルチェ
セラ(f03368)と師匠(f12537)と参加。

ようやくボスのお出ましかな?
ホンット悪趣味な迷宮準備してくれてありがと。
おかげで色々…再認識したよ。
僕はたとえ僕の身が傷つこうと守れる全てを守ろうと思うし、見捨てたりはしない。

だから師匠がどんな考えで、僕達と相容れなかろうと一応守ってあげますよ。
僕は敵を引きつけるんで、ちゃんと倒してきて貰いましょうか。

『お前にとって一番食べ応えがあるのは僕だろ?』と【挑発】、【おびき寄せ】。
血肉を食らうと言うのなら、【見切り】をメインに、【武器/盾受け】でも防御を。
【オーラ防御】は身に、肌に纏わせる感じでたとえ噛みつかれても身は千切られないよう気をつける。


フレッド・ピエタ
弟子達(f03368/f03401)と参加。

鏡の迷宮だけあってボスも『モノマネ』が得意ってか。
やだねぇ、猿真似しか出来ないヤツなんて。

…ぁ?そんな甘っちょろい考えで世の中生きていけるかっての。
利用できるものは利用して踏みつけて、それでも生きるしかねーんだよ。
弱いモノを守って共倒れなんざ本末転倒だろうがよ。
…まぁ良い。お前らがそう言うんだったら見せてみろよ。
どこまでその妄言が続くか見物だなっ。

姿を変化させてから思考を読む?
そんな暇、与えるかよ。
攻撃力を上げる要領で瞬発力を上げて切りつける。
【属性攻撃】で風の魔力を放ちゃかまいたちみたいになんだろ。

守りは任せろってーんなら、きちんと守れよバカ弟子。



 ようやく姿を見せた黒い影は、しかしグレムリンとは異なる形をしていた。
「ボスのお出ましかな?」
 顔を上げたアルバの隣、セラータはグレムリンの不定形な姿を見やり。
「迷宮も悪趣味なら主も悪趣味だな」
 あるいは、主が悪趣味だからこそ迷宮も悪趣味になったのか……何であれやることは変わらないと、セラータはシェイプシフターへと銃口を向ける。
「何にしても……お前、失せろよ」
「ホンット悪趣味な迷宮準備してくれてありがと」
 感謝の言葉を述べるアルバもまた、敵意を滲ませる。
「おかげで色々……再認識したよ。僕はたとえ僕の身が傷つこうと守れる全てを守ろうと思うし、見捨てたりはしない」
 シェイプシフターへ向けての言葉だったが、シェイプシフターは何も言わず蠢くばかり。
「……ぁ?」
 そして、代わりにフレッドが口を開く。
「そんな甘っちょろい考えで世の中生きていけるかっての」
 利用できるものは利用して踏みつけて、それでも生きるしかないのがこの世界。
「弱いモノを守って共倒れなんざ本末転倒だろうがよ」
「甘っちょろくて結構。私達はそれでここまで生きて来たんだ、これからもそれは変わらない」
 迷宮攻略の中でセラータの、アルバの気持ちは固まった。
「だから師匠がどんな考えで、僕達と相容れなかろうと一応守ってあげますよ」
 戦いの方針は先ほどまでと同じ――シェイプシフターの動きに呼応するように動き出した二人から、フレッドはルーンソードへ目を移す。
「……まぁ良い。お前らがそう言うんだったら見せてみろよ。どこまでその妄言が続くか見物だなっ」
 フレッドの振るった刃は風を纏ってかまいたちのように。
 自ら作り出した追い風に乗ってフレッドがシェイプシフターの至近に迫ると、シェイプシフターは巨眼を動かしてフレッドに焦点を定める。
 黒い腕が歪み、フレッドの黒い軍服を模そうと蠢く。
「そんな暇、与えるかよ」
 しかしフレッドはその腕を両断し変貌の隙を与えない。
 中途半端に人間と同じ形の腕は鏡の上に落ちていたが、やがて蠢いてシェイプシフターの身体へと戻る。フレッドは変わらずシェイプシフターへ肉薄したまま、視線をじろりと二人に向けて。
「守りは任せろってーんなら、きちんと守れよバカ弟子」
 その言葉に密かな溜息。それから、アルバはシェイプシフターへと告げる。
「お前にとって一番食べ応えがあるのは僕だろ?」
 アルバの銀のエクステの絡む首筋は白く、内側の血肉が欲しくなったのだろうか。嬉々として飛びかかるシェイプシフターの体を白銀の盾でアルバは受け止め、セラータは揺らめく触手を薙ぎ払い、すぐさま得物を持ち替えて側面から援護射撃。
 眼球めがけてのセラータの射撃が白目をかすめ、青白かったそこから赤いものが流れ落ちる。
 鏡は割れて煌めきとなって降り注ぎ、そこにはシェイプシフターの、あるいは猟兵たちの血がこぼれて。
 セラータとアルバは護りと共に、フレッドは風を携えて戦いを続ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ナイツ・ディン
「……面倒だな。敵すら真似てくるとは。」『我が偉大さは奪えるものか!』
まあ思考を読み取ろうが、速度と二面攻撃で攻めたてれば避けきれまい。
ダッシュやジャンプを駆使して撹乱させる。割れた鏡がアレば投擲で牽制してもいいな。動き回るから視界にちらちら鏡が映るが我慢だ。俺は、強くなったんだから。
「ディロ、お前には俺がついてるからな。」
『貴様、我を誰だと思っている!護ってやってるのは我の方だぞ!』
多少はディロの気持ちも元に戻れば。

すばやく近づけたら槍(ローア)でなぎ払い。避けられたらそのタイミングで槍(ディロ)を投げてドラゴバーストを起動させる。
「追い詰めた、行け、ディロ!」『我が偉大さをその眼に刻め!』



 シェイプシフターの形の定まらぬ姿は時折大きく歪曲して、人を真似ようとする。
「……面倒だな。敵すら真似てくるとは」
「我が偉大さは奪えるものか!」
 げんなりと呟くナイツに、尊大な調子のディロ。
 思考を読もうとするシェイプシフターを前にして二人はシェイプシフターを囲むように左右へ別れ、壁を蹴って互いの位置を入れ替え、かと思えば疾駆し前へ背後へと回り込む。
 そうして攪乱する間も鏡の中の姿がちらつくが、ナイツもディロも耐える――もう、強くなったのだから。
「ディロ、お前には俺がついてるからな」
「貴様、我を誰だと思っている! 護ってやってるのは我の方だぞ!」
 多少はディロの気持ちも戻ればとすれ違いざまの言葉にはそんな返事がある。
 ナイツの姿を真似ようにも姿を捉えきれないためか、シェイプシフターは黒い身体を尖らせてナイツを突き刺そうと暴れまわる。
 切っ先を蒼竜を宿す槍『ローア』で捌きながらナイツはシェイプシフターとの距離を詰めていくが、心臓へ突き刺そうとした一撃は回避される。
 ――だが。
「追い詰めた、行け、ディロ!」
 もう一本のドラゴンランスを投擲しナイツが声を上げると、ディロは炎のブレスを吐き。
「我が偉大さをその眼に刻め!」
 逃れ得ない至近からのブレスがシェイプシフターの全身を、辺りの鏡を一斉に燃やし尽くす。
 炎によって迷宮が崩壊するさまを、ナイツは最後まで見つめていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月27日


挿絵イラスト