帝竜戦役㉘〜偽金(ぎきん)の羅針盤
●竜の宝物庫の偽金細工師
宝を蓄える、伝承において其の様な性質を持つ竜は多く存在する。
そして、竜の中の竜と言える存在、ヴァルギリオスも又、宝をかき集め己が宝物庫へ宝を蓄える性質を有していた。
とはいえ、其処はヴァルギリオス。
彼の有する宝物は己自身をオブリビオンへと変化させ自らに身を守らせる性質を有しているという。
そして、其れは此の場に安置されていた宝石をちりばめられた金色の羅針盤も同様であった。
「確かにアルミニウム青銅は偽金と言われるが……何で俺が防衛システムとやらにならなきゃならんのだか」
金色の剣を持つ山羊角の男はそうボヤキながら乱雑に置かれた宝箱に座り込む。
「まあ、此の辺りには色々と塗り甲斐のある物も多いから、そういう意味では悪くないんだが……戦闘にならん限り、其れが無理って言うのがなあ。
早く猟兵が来てくれんかなあ」
周囲に点在する、羅針盤ほどではないが非常に高い価値のありそうな宝物を観ながらため息をつき、男は猟兵の到来を待ち望むのであった……。
●グリモアベースにて。
「という訳で、皆にはヴァルギリオスの宝物庫に行って敵を倒してきてほしいんだ」
己の予知した未来について説明しながらアルビルダ・パイレートは集まってきた猟兵達に説明する。
「今回赴く先にある宝物はアルミニウム青銅、偽金(ぎきん)ともいわれる光沢のある黄金色の金属を使って宝石の装飾が施された羅針盤だぜ。
価値は金貨2000枚、アース系列の世界で言うと2000万円位の品だな。
色々な形のがある様だが持って帰れるのは一つだけなんで其の辺は注意だぜ?」
敵は此れを取り込んで戦うので、熱や磁石の特性を活かして戦うと有利に戦えるんじゃないか、そう言うとアルビルダは次にオブリビオンの写真を見せてくる。
「で、こいつが此の羅針盤の防衛システム、偽金細工師・ガーザム。
歴史あるもんを金色に塗った自作品とすり替えオリジナルを破壊したり贋金を流通させたりと厄介な奴でな。
金色になる様に塗料をぶっかけてくる部下を召喚したり自分の武器に魅了の力を持つと塗料を塗って敵を惑わしたり歴史ある一品に金色の塗料を塗って台無しにして、自我を持って暴れ回る存在にして戦うんだが……特に最後のが厄介でな。
実は此処、羅針盤みたいに金銭的な価値は低いけど考古学的に価値のある宝物が多いんだわ」
そう苦笑いしながらアルビルダは話を続ける。
「古い書物とか海図や舵輪と大昔に此の世界の船乗りが使ったもんが沢山置いてあってな。
ものの見事に塗料を散布されたら完全に台無しになるもんばっかりなんだよ」
多分、それもあってガーザムは防衛システムとして選ばれたんだろうとアルビルダは猟兵達に告げる。
「ま、無理は言わねえが少しだけ気にかけておいてくれるとありがたいな。
其れじゃ、無理しない程度に頑張ってきてくれよ?」
そう言って彼女は集まった猟兵達を宝物庫へ転移したのであった―――。
久渓洞
初めまして、或いはお久しぶりです久渓洞です。
今回の依頼は帝竜戦役、ヴァルギリオスの宝物庫への侵入と宝物の奪取、となります。
今回のプレイングボーナスは『シナリオごとに提示された「財宝」の特性を考え、その弱点をつくような作戦を実行する』。
アルミニウム青銅製という素材面での弱点や羅針盤、方位磁石という特性を活かした場合、より有利に戦えます。
それでは皆様の参加、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『偽金細工師・ガーザム』
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POW : ゴールドラッシュメーカー
自身が【コイツ金色じゃないなという感想】を感じると、レベル×1体の【金色に染める塗料を持った金で雇った手下】が召喚される。金色に染める塗料を持った金で雇った手下はコイツ金色じゃないなという感想を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD : ゴートリック・ゴールド
自身の装備武器に【見た者を魅了し意識を惑わす金色の塗料】を搭載し、破壊力を増加する。
WIZ : ゴールデンエイジコンダクター 61
【アックス&ウィザーズの歴史ある一品の価値】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【金色に塗装、その品を自我を持ち暴れる存在】に変化させ、殺傷力を増す。
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才堂・紅葉
貴重な歴史的資料が沢山あるのに、なんて奴なのかしら
この危険な環境から保護しないといけませんね。私の懐とかに
ゴーグルを下ろします。視覚から来る魅了に対して【呪詛耐性】を発揮する逸品です。全てを防ぐ事は難しいですが、反撃の時間を稼ぐことが出来ます
UCで呼び出した弾丸は磁力弾。磁気【属性攻撃】を発揮する、錬金科の力作だ
「その羅針盤。使い物にならなくしてやるわ」
相手の攻撃を【野生の勘】と「高周波シャベル」で応戦しながら、リボルバーによる【暗殺】を狙う
強い磁気が奴の羅針盤としての機能を狂わせるだろう
後は、隙を見て「対戦車杭打銃“楔”」の【封印を解く】からの一撃で止めを狙いたい
月灘・うる
おたからは羅針盤!
しかも敵が贋作師なんて、ぶっとばしても正義ってことだよね。
おかたらはうーちゃんがもらっても問題なし!
いやむしろ、そのほうが世界のためだよね!
相手の攻撃は【第六感】を使って回避していくよ。
攻撃は【ホエール・スプラッシュ】で水蒸気攻撃。
相手の塗料を洗い流しつつ、ダメージを与えていきたいな。
あ、でも、紙のものは水で被害が出そうだから、
そこにはあたらないように、自分や攻撃の位置を気をつけよう。
ガーザムを倒したら、ゆっくりお宝探索だね!
【宝探し】を使っていろいろ探してみよう。
持って帰りたいのは羅針盤だけど、
海図に舵輪とか、船乗りさんのおたからなら
なるべくいろいろ見ておきたいよね!
●お宝求めて
「貴重な歴史的資料が沢山あるのに、なんて奴なのかしら。
この危険な環境から保護しないといけませんね……私の懐とかに」
「うんうん、敵が贋作師なんて、ぶっとばしても正義ってことだよね。
おかたらはうーちゃんがもらっても問題なし!
いやむしろ、そのほうが世界のためだよね!」
そう言いながら最初に宝物庫に踏み入ったのは歴戦の工作員にしてお金大好きな才堂・紅葉(お嬢・f08859)と『海の中のものは、うーちゃんのものだよ』がモットーの深海のお宝を探すハンター、月灘・うる(salvage of a treasure・f26690)。
「やれやれ、漸く来てくれたか……」
二人の猟兵の姿を認めた山羊角の青年は腰の剣を引き抜いて手に持つ袋から塗料をかけていく。
それは見た者を魅了し意識を惑わす金色の塗料。
本来ならば其れは割りとお金大好きな二人にとっては凄まじい効果を発していただろう。
だが、その力を既に把握していた猟兵達が対策を取っていない筈はない。
「成程、中々強力な魅了ですね。
このゴーグルの呪詛耐性でも完全に防ぎきれない様です。
ですが……」
紅葉は腰のリボルバーを引き抜いて手に持つスピードローダーを弾倉に装填。
紅葉は銃弾をガーザムへと撃ち放つ。
「全てを防げずとも反撃の時間を稼ぐ事は出来ます。
『コード申請。来なさい六星!!』
其の羅針盤。使い物にならなくしてやるわ」
「ぐっ……こいつは磁力の?!」
銃弾に込められた磁力がガーザムの内部にある羅針盤を狂わせ、それはガーザムの動きも鈍らせる。
そして、其れをもう一人の猟兵、うるは見逃す事はない。
「いっくよ~!」
「な、俺の塗料を洗い流すだと!
しかも目を瞑ってやがる?!」
(紙のものは水で被害が出そうだし其処には当たらない様に位置とかは気を付けないと、ね~)
その言葉と共に彼女は水蒸気をガーザムに噴出。
塗料の影響を受けない様に目を瞑りながら攻撃するが、うるの優れた第六感はガーザムの位置を完全に把握。
周囲の書物に被害を出す事なく、狙いを過たずに武器に直撃。
武器の塗料を洗い流していく。
そして、猟兵達の猛攻は更に続いていく。
「あら、こっちを忘れて貰っては困りますよ?」
「ぐっ!いつの間に俺の懐迄!!」
己の懐に潜り込んだ紅葉に対しガーザムは剣の柄で殴りかかるが強靭な高度を有する高周波シャベルで防ぎきり、もう片方の手に持つリボルバーでガーザムの肩を討ち貫く。
「くっ!この弾丸、磁気が強すぎて俺の中の羅針盤の機能が!」
「こっちも忘れて貰っちゃこまるよー!」
「ぐぁっ!」
紅葉の放つ磁力弾の影響で動きが鈍ったガーザムにうるのがオックスブラッド、パーカッションロック式のブランダーバスによる散弾で追撃する。
そして、体勢を崩したガーザムにトドメとばかりに紅葉が迫る。
「それじゃあ此れで終わりですよ?」
「ぐ、ああああああああ!!俺が何も出来ずに……っ!!」
【対戦車杭打銃“楔“】、携帯式パイルバンカーを装備した紅葉の一撃はガーザムを討ち貫く。
そしてガーザムの姿は消え、其処には羅針盤が二つ残っていた。
「ふぅ、終わりましたね。
それじゃあ……」
「ゆっくりお宝探索だね!いろいろ探してみよう。
持って帰りたいのは此の羅針盤だけど、海図に舵輪とか、船乗りさんのおたからならなるべくいろいろ見ておきたいよね!」
「ええ、海図とかは歴史的資料として価値がありますし色々と探しましょう、ええ」
そうして、二人はお宝探しを開始。
結果、色々な宝物や資料をゲットできたという―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナミル・タグイール
なんでも金色にするにゃ?いいヤツデスにゃ!
金ぴか羅針盤もほしいけどー倒すのももったいないにゃー。
金ぴかにしてくる手下は放置、むしろ歓迎ハイテンション
一面金ぴかにゃ!もっとやれデスにゃー!
でも色金ぴかにするだけだとすぐ剥げちゃいそうにゃ?どうせならちゃんと金ぴかにするデスにゃ!
手下と一緒に【呪詛】を纏った爪でちょっとだけお宝カリカリ傷つけ
呪詛で本物の金ぴかに変えてあげるにゃ!ハッピーにゃ!
…反発してくるなら敵対にゃ!本物の金ぴかのほうがいいデスにゃ!
ザックリして金ぴかにしてやるデスにゃー!
意気投合したらいっぱい金ぴかにしたあと友好のハグにゃ!
間違えて爪触れちゃって呪詛発動しちゃってもどんまいにゃ
●金を欲する黒猫
「なんでも金色にするにゃ?いいヤツデスにゃ!
金ぴか羅針盤もほしいけどー倒すのももったいないにゃー」
「あん?何だ、お前。他の猟兵達と違って俺の妨害はしねえのか?」
周辺の海図や舵輪の地味な色合いに此れは金ぴかではないと判断し部下を呼び出して塗りたくろうとしたガーザムに対しナミルは止めようともせずに寧ろ歓迎ハイテンション。
「何を言うにゃ。一面金ぴかとかもっとやれデスにゃー!」
「お、おう。まあ、止めねえなら良いんだが」
そして、其の侭ナミルの見守る中で此の場にいるガーザムの周辺の海図や舵輪は金色に塗りつぶされていく。
「そうにゃー!もっとやるデスにゃー!」
「……変わった嬢ちゃんだなあ」
止めるどころかガーザムの部下を応援するナミルの姿に流石にガーザムも困惑を隠せない。
そして、そうこうしていく内にナミルはガーザムの部下が塗りつぶした舵輪に禍々しい『何か』が感じられる爪でカリカリと傷をつける。
「おい、何を……?」
「色だけきんぴかにするだけだとすぐ剥げちゃいそうにゃ?
どうせならちゃんと金ぴかにするデスにゃ!
呪詛で本物の金ぴかに変えてあげるにゃ!ハッピーにゃ!」
そういうナミルを横目に彼女が『何か』、呪詛がこもった爪でカリカリと傷つけた舵輪は本物の金に変わっていく。
「成程、そういう類いか。……悪いが俺は俺の塗料で金色になったもんをみたいんだ。
本物の金だと輝きが別もんだろうが!」
自分とは似て非なるタイプ、自分の望む金色じゃないと感じたガーザムは部下に戦いの指示を始める。
「む!本物の金ぴかのほうがいいデスにゃ!
戦うならザックリして金ぴかにしてやるデスにゃー!」
それに対し、ナミルも戦う構えを取り戦いが始まった。
金色に染める塗料を手にガーザムの部下が迫るが自身が金色になる事を気にしないナミルにとって敵の攻撃は特に気にする事でもなく、還す刀で彼女の爪で金の彫像に変わっていく。
「くっそ、全然気にしやがらねえから足も止まらねえじゃねえか」
「残りはお前デスにゃー。もっと素敵にしてあげマスにゃ!」
黄金の像に囲まれてニコニコ笑顔のナミルの爪がガーザムに迫り、其の傷つけられた傷口には呪詛の楔。
其処からガーザムの体は徐々に徐々に金に変わっていく。
そうして動きが鈍ればナミルの攻撃は更にガーザムを傷つけ、その傷口から更に彼の体は金へと変じていく。
「く、クソ……俺自身が金になるなんざ、望んじゃ……」
「大勝利デスにゃ―――!」
そして、最後に残ったのは金色に染め上げられた宝物庫と其れに歓喜するナミルの姿のみであった―――。
大成功
🔵🔵🔵
フィロメーラ・アステール
「人質を取られてるようなモンか」
……救出してみる?
歴史ある一品、いま助けにいくぞー!
光学【迷彩】魔法で姿を隠し、【忍び足】で接近して、敵が怪しげな動きをしたら【ダッシュ】で飛び出せるようスタンバイ!
【残像】のスピードで物品を【盗み】取ることで塗装を防ぐ!
手が届かなくても【念動力】で動かしたり、【オーラ防御】バリアを飛ばして少しでも被害を防ぐぞ!
こんなヤツだとその気が無くても塗料飛んできそうだしな!
一人くらい保護に専念した方がいいだろ?
物品の安全を確保したら【星の遊び場】だ!
星属性の磁気嵐で、磁気を急変動させる!
羅針盤の特性を持つ敵なら凄く混乱するんじゃない?
これで生じた隙を仲間に突いてもらう!
シノギ・リンダリンダリンダ
偽金とて金。お宝。ならば大海賊"強欲"のシノギのための物です
お前がどれほど悪い事をしているか知りませんが、大海賊には劣るでしょう?
全てにおいて勝る私に、お前が敵うでしょうか?
金色であればいいのですね
【おシノギちゃん大変身】でゴールデンチェーンソーシャークに変身
そして宝箱から【這い寄る金貨】!
黄金に塗れた数多の金貨蟲!お前の羅針盤は果たして誰に向きますかね?
飛び回る金貨蟲と一緒に「空中戦」
攻撃を避けつつ、いくら偽金とて威力増強したチェーンソーには敵いません
黄金の魅力程度、すでに魅入られてます。今更です
完全完璧に封殺し、「蹂躙」し、「略奪」します
黄金の羅針盤。私からしたら、それなりに良い物ですよ?
●海賊と幸運の流れ星
「人質を取られてるようなモンか。
……救出してみる?」
「ええ、お願いしますフィロメーラ様。
その方が私も動き易いですし」
ナミルの次に別のガーザムが守る宝物庫に踏み込んだのは其の綺麗な金髪をツインテールに尻尾の根元には星の髪飾りのフェアリーの女性、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)と桃色の髪に海賊姿、否、海賊のミレナリィドール、シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)の二人。
偶々、一緒に戦う事になった二人は手短に言葉を交わし役割分担を決めると其々のやる事を決めて動き出す。
先ず動いたのはシノギであった。
「漸く来たかよ猟兵…俺は此れから金色じゃねえ舵輪を金ぴかに塗りたくるんだ。
邪魔すんじゃねえぞ」
己の前に現れたシノギの姿に周囲を金色に塗りたくろうと動き出す。
だが、当然シノギは其れを赦しはしない。
「いいえ、邪魔しますよ。お前が塗りたくろうとする舵輪も、お前が守護する羅針盤もお宝。
ならば大海賊”強欲”のシノギのための物です。
それを台無しにするなんて許す訳ないじゃないですか」
そう言いながら不敵に笑うシノギに対しガーザムは鬱陶し気に彼女を見据え警戒する。
其の左手には塗料の瓶が在り、隙を見せれば即座に舵輪を金色に塗り尽くすだろう。
(尤も、其れを赦しはしないけどな!
歴史ある一品、いま助けにいくぞー!)
光学迷彩の魔法で周辺の景色に同化して姿を隠し何時でも其れを妨害できるようにスタンバイしていたフィロメーラ、フィロは其の動きを見守っていた。
そして、そんな中、シノギが遂に動き出す。
「金色であればいいのですね。
【シャーククォーツ
!!!】……変身っ―――!!」
ギュインギュインギュイン、音を立てて光がシノギに集約、其の侭、彼女は黄金のサメの着ぐるみ姿に変身する。
「な、何だぁ?」
「さぁてそのお宝、全部私に返しなさい?」
「お前のじゃなくてヴァルギリオスの宝だろうが!」
シノギの言葉にガーザムは大きな声でツッコミつつ舵輪へ塗料を塗ろうと動き出す。
だが、フィロが其れを赦す筈もない。
「させないぜ!」
「なにぃ?!」
気付かれるギリギリまで近づいていた彼女はガーザムの懐に瞬時に到着。
残像が生じる速さで舵輪を盗みとって塗装を防いだのだった。
其れは少しでも早く保護する為に念動力でガーザムの手元から飛び出させ、激しい動きで塗料が周囲を汚さない様に気の障壁で保護する徹底っぷりだ。
「それじゃあさっきも言ったけど、周囲のお宝の保護は任せろ。
こんなヤツだと其の気が無くても塗料飛んできそうだしな!
一人くらい保護に専念した方がいいだろ?」
「ええ、お任せしました」
そして、宝を保護するフィロを横目にシノギは宝箱から這い寄る金貨を開放。
黄金に塗れた数多の金貨蟲がガーザムに集る。
「うわ、やめろ。この!」
「お前の羅針盤は果たして誰に向きますかね?」
空を飛び回る金貨蟲に集られ、攻撃しては離れ、離れては攻撃し、を繰り返されるガーザムに対し、シノギは更に自身も最後の足掻きと乱雑に繰り出されるガーザムの攻撃を避けながらチェーンソーによるヒットアンドウェイを繰り返す。
其の攻撃は凄まじく、偽金と同化したガーザムとて威力が増した其れに敵いはしない。
そして、其処にお宝を安全な所に完全に避難させたフィロによる追撃が繰り出される。
「羅針盤の特性を持つのなら此れが効くんじゃない?
あたしにまかせろー!バリバリ!」
「やめて!
あ、思わず言ってしまいましたけど、止めなくて良いですからね?」
「うん、判ってる判ってる!」
マジックテープ的な何かが浮かんだのか、ついつい言ってしまったシノギを横目にガーザムの周囲に星の属性の磁気嵐が顕現。
ガーザムの磁気を急変動させていく。
「くっ!何だ……視界がおかしいし体もフラフラする……」
「さあ、トドメは任せたよ!」
フィロはそうシノギに良い、シノギは其れに即座に答えた。
自身に迫るシノギにガーザムは動かぬ体で必死に抵抗しようと足掻く。
「くそ!俺は此の世を金に染めて俺の作品で金の魅力に魅入らせるんだ……!
こんなところで……!」
「黄金の魅力程度、お前にされる迄もなく既に魅入られてます。今更です」
そう嘯きながらガーザムに向かいシノギはチェーンソーを振り下ろす。
完全完璧に封殺され、ガーザムは蹂躙され尽くし其の何度目かの生を略奪されたのである。
「ああ、そうそう。
黄金の羅針盤。私からしたら、それなりに良い物ですよ?」
だから、私のお宝として大事にしてあげます。
後に残った二つの羅針盤をみながら、海賊の少女はそう告げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナイ・デス
お金は別に、いいのです、が
どの子も、100年大事にされても、おかしくないような
それを、ダメにするのは、阻止です!
【念動力オーラ防御、覚悟、激痛耐性、継戦能力】一応の防御膜を纏い、あとはもう、受けても気にしない
財宝【かばう】そのうち跡形もなく再生する一時的な傷です。怯むことなく
【鎧無視攻撃】対象が何であれ癒す光のように、何であれ【生命力吸収】する光で、元の財宝に戻していきます
戦い終わったら『生まれながらの光』で、元通りを目指します
ヤドリガミにならないかもしれない。なるかもしれない
わからないですが、可能性は、残したい
売るなら、100年大事にしてくれる人に、したいですね
月宮・ユイ
アドリブ連携◎
※ヤドリガミ
財宝の守護者がさらに財を利用、ね
確かに戦力とするには適した配置、
けれど歴史ある一品を塗装してしまう、とは
「ある意味、護り手としては不適切ではないですか
◇機能強化
肌覆う○オーラに悪しき影響消す○破魔の力付与
【魅了】の効果弾き耐性強化。
『ステラ』電磁石状にした鉄杭多数創生
○捕食○呪詛付与による○生命力吸収と
風雷○属性付与、磁界生みつつ命中時衝撃波発生する様調整。
強化された○怪力基づく身体能力で駆け回り
杭投擲の初速確保し○念動で誘導弾化。
敵財宝の影響受けている、
磁界と衝撃で命中する度に方位磁石としての特性乱れさせ
価値下げる事で敵弱体化狙う。
「黄金だけが財宝ではありませんよ
●ヤドリガミ二人
「お金は別に、いいのです、が。
どの子も、100年大事にされても、おかしくないような。 それを、ダメにするのは、阻止です!」
「全くです。
財宝の守護者が更に材を利用するのは確かに戦力とするには適した配置だけど、歴史ある一品を塗装するというのは在る意味、護り手としては不適切ではないですか?」
そう言って周辺の海図や舵輪の扱いに怒ったり呆れたりしながらやってきたのは少女みたいな可憐な見た目の少年、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)と可愛らしい黒髪の少女、月宮・ユイ(月城・f02933)の二人。
二人は偶々一緒に同じ宝物庫に来る事になったのであるが二人とも物が100年大事にされてなるヤドリガミ。
自分達の仲間になり得る者が台無しにされるのは流石に黙っていられない様である。
「ふん、俺の塗料で金色に染まった姿や俺の作った金色の模造品の方が価値があるに決まってるだろ。
何がダメになってるというんだっての」
そんな二人のヤドリガミの言葉は何処吹く風、ガーザムは己が左手に持つ塗料を周囲の舵輪や自身の持つ剣に散布。
舵輪をナイに差し向け、自身は剣をユイに向け其の意識を惑わそうとする。
『―――――――!!』
「待ってて、ください。
すぐ戻して、あげます、から。
ヤドリガミにならないかもしれない。
なるかもしれない、わからないですが、可能性は、残して、あげたいです、し」
回転しながら己に迫る舵輪の動きを念動力で鈍らせ、更に気の障壁で防ぎながら生命力を吸収する光を上手く応用。
舵輪の中に悪影響を与えている因子を舵輪を覆う塗料ごと己の内部に吸収していく。
勿論、容易な事ではなく抵抗する舵輪の攻撃、そして物に悪影響を与える塗料の因子を自分の体内に取り込む事で内外から痛みが生じるがナイにとって其れは其の内、跡形もなく再生する一時的な傷。
痛みは意思の力で抑えつけ怯む事なく彼は舵輪を癒し続け、其れが功を奏し舵輪は元の姿に戻っていく。
「ふぅ、後は、戦いが終わったら、ですね」
ナイは舵輪を安全な所に安置するとガーザム本体と闘っているユイの元へ向かった。
そして、其のユイとガーザムは、というと―――。
(共鳴・保管庫接続正常、能力強化。情報読取蓄積更新…各技能へ反映継続、最適化…機能強化)
「適用―――此れで貴方の塗料は効きません」
「くそっ、本当に俺の塗料の魅了が効いてない、だと!」
ガーザムの塗料による魅了はユイの体を覆う、悪しき影響を消し去る破魔の力を付与された気の障壁によって弾き返されていた。
「貴方は羅針盤。ならば、此れはどうでしょう?」
その言葉と共に彼女はテスラ電磁石状にした鉄杭を周囲に無数に創生。
敵の生命力を吸収、捕食する呪詛と風雷の属性を付与し磁界を生み出す領域を作成する。
「此れだけではないですよ?」
「ぐっ!こいつは……!」
そして、彼女は強化された身体能力を活かし周囲を駆けまわり、テスラコイルと化した杭をガーザムに投擲。
其の怪力による威力に加え、命中時に生じる衝撃波は凄まじく、更によけようとしてもユイの念動力によって誘導弾化した其れは到底避けきれる物ではない。
「ぐっ、クソっ……!」
「あなたは羅針盤の影響を受けている。
磁界と衝撃で命中するたびに方位磁石としての特性は乱れるでしょう?」
ユイの言葉通り、ガーザムの動きは杭が当たる度に乱れ鈍っているのが傍目から見ても見て取れる。
そして、只でさえ不利な状況で自身の戦いを終えたナイもやってきたのだから、結果は最早目に見えたもの、と言えるだろう。
鉄杭に貫かれた所をナイの手によってガーザムは討ち滅ぼされたのであった。
「最後に一つだけ黄金だけが財宝ではありませんよ」
「ええ、皆、持ち主に大事にされてもおかしくない、素晴らしい子達、です」
「はっ、何を言うんだ、黄金の光こそ……」
二人の言葉をガーザムは嗤いながら消えていく。
そして、戦闘で荒れ果てた宝物庫に二つの羅針盤が残っていた。
「とりあえず、舵輪の子も、含めて、元通りに、してあげたい、ですね」
「確かに、皆歴史ある一品ですしね。
手伝います」
そう言って生まれながらの光で舵輪達を治療し元の姿に戻していくナイをユイは手伝っていく。
ヤドリガミの彼等にとっては物が傷ついた侭の状態というのは放っておけるものではないのだろう。
「売るなら、100年大事にしてくれる人に、したいですね」
「100年後に再会出来たら嬉しいですしね」
完全に修復された舵輪や海図を見て二人は彼等の幸せを願うのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
緋神・美麗
ダッチマンで参加
お宝ゲットはいいけど目障りなのがいるわね。さっさと排除してお宝回収しましょうか。
シールドビットに属性攻撃を付与し雷属性で帯電させて磁場を乱し、念動力で羅針盤の周囲を浮遊させて方位磁針を機能させなくする
「これで相手の命中に補正かかったりしないかしら」
相手の気がシールドビットに削がれてる間に間合いを詰め、零距離からなの
威力重視出力可変式極光砲でガーザムを消し飛ばす
「お宝に被害を出さないように戦うのってめんどくさいわよねぇ。」
「さて、邪魔者は排除したしお宝回収していくわよ」
マリア・フォルトゥナーテ
ダッチマンで参加
アドリブ、連携歓迎
UCにより、幽霊船フライングダッチマン号と悪霊船員達を後方で召喚し、私は船に乗り込みます。砲手達には早速、敵への砲撃を加えさせます。
「美麗さんの邪魔にはなれないからね!船と私は後方支援です!!砲手以外の全員で、敵の首を取ってこーい!!!」
そして、船の大砲で敵を攻撃している間に、配下の悪霊達を敵に突撃させます!最も、彼らの役割は本命の美麗さんの攻撃の隙を作ることです。しかも、霊体なので、彼らなら美麗さんの攻撃の巻き添えにもならないって寸法です!
「磁石の弱点を突いたこの作戦なら、相手は一たまりもないでしょう!」
「早いところ片付けて、略奪に移りますよ!!」
●そして、お宝は海賊船にかっさらわれる
「お宝ゲットは良いけど目障りなのがいるわね。
さっさと排除してお宝回収しましょうか」
「ええ、早いところ片付けて、略奪に移りますよ!!」
そう言いながら宝物庫にやってきたのは蝶の仮面をした少女剣士、緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)とシスター姿の女性、マリア・フォルトゥナーテ(何かを包んだ聖躯・f18077)。
「略奪って猟兵なんだし言葉を選んだ方が良いんじゃねえか?」
そんな二人にガーザムは少し呆れた様な表情を浮かべつつ立ち上がるが、当然二人は此れをスルー。
『死ぬのは怖いだろう?……むふふ』
「最後の審判の時を、先延ばしにしたいという奴は、向こう100年間、私の船で働け」
「は?おいおい、此処が室内だってわかってるのかよ?!」
そうマリアが宣言すると同時に轟音を立てて異形の姿の船員を乗せた巨大な幽霊船が出現。
突然現れた巨大船の姿にガーザムは戸惑いを隠せず叫ぶが、其の隙を美麗は当然見逃さない。
「それじゃあ行きなさいビット達」
「ぐ!こりゃあ帯電してやがるのか?!」
雷属性を付与し帯電させたシールドビットはガーザムの周囲を取り囲み、周囲の磁場を乱す。
そして、其の乱れた磁場はガーザムの体内にある羅針盤の方位磁石を機能させなくなっていく。
(此れで相手の動きに補正がかかったりしないかしら?)
そう思考を巡らせながら美麗は乱れた磁場に苦しむガーザムに間合いを詰めていく。
そして、其れに対しガーザムは己の配下に妨害させようとするが、其れは海賊船に戻ったマリアが支援を開始し妨害する。
「敵の動きは鈍ったし、船と私は後方支援です!
砲手以外の全員で、敵の首を取ってこーい!!!」
美麗に当たらぬ様、ガーザムの逃げ道を塞ぐよう、ガーザムの部下たちを殲滅するように大砲を撃ちながら、マリアはそう宣言。
そして、霊体である配下の悪霊たちをガーザムに突撃させ、大砲で処理しきれなかったガーザムの部下やガーザムの塗料によって暴走した舵輪達を倒していく。
本来ならば其れは美麗の邪魔になるであろうが、彼等は実体を持たない霊体。
(美麗さんの邪魔をする事もなければ攻撃の巻き添えにもならないって寸法です!
寧ろ……)
寧ろ、霊体である彼等、船員たちの存在は本命の美麗がガーザムに迫る際の目くらましになり攻撃の為の隙を作る。
其れこそが彼等の役割。
そして、電磁の乱れによって感覚を乱され、幾多の船員たちというデコイが在れば……美麗の技量でガーザムとの距離を詰めれぬ筈もない!
「な…ッ手前!くそ、此処迄近付かれて気付けねえとか……!」
「お宝に被害を出さない様に戦うのって面倒くさい状況、早く終わらせて貰うわよ?」
その言葉と共に彼女はガーザムに手を押し付ける。
「此れが私の全力だ―――――――――――!」
「ぐ、ああああああああああああああああああ
!!!!」
美麗の言葉と共に美麗の手の先、ガーザムの体内に生じた電磁の弾は彼の体内で猛威を振るい……ガーザムを完全に消し飛ばす。
【出力可変式極光砲】。サイキックエナジーで出力を調整した電気の球で敵を攻撃する其れの威力を増強した物を体内で喰らってしまえば、敵が耐えきれる筈もない。
「流石、美麗さんの磁石の弱点を突いた作戦。
敵もひとたまりもありませんでしたね!」
「ええ。狙い通りにいって良かったわ。
さて、邪魔者は排除したしお宝回収していくわよ」
戦いを終えた二人はハイタッチ。
そして、其の侭、異形の船員達と共に現場に残された二つの羅針盤と其の区画に存在する数多の宝物をかき集め、幽霊船に積み込むと宝物庫を後にするのであった―――。
大成功
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