●帝竜戦役㉙〜山脈の狭哭
「皆……本当にお疲れ様! とうとう、最後の帝竜が見えてきたんだ!」
と、双葉・翔は、集まった猟兵に、力強く声を掛ける。
「最後の帝竜、群竜大陸の主、ヴァルギリオス。彼は四方を呪力の高山により囲まれた世界樹の中に棲んでいて、帝竜の魔力により完全不可侵の結界に護られていたんだ」
「でも、皆の力によって、不可侵の結界は解かれたんだ。その結果、やっとの事で帝竜ヴァルギリオスと戦う事が出来る様になったんだ!」
「とは言えども、帝竜ヴァルギリオスは最強の敵である事は間違いない。戦うにしても、かなりの苦戦を強いられるのは間違いない」
「それに……猟兵の皆の行動に対しても、常にその動きを予測して先手を打ってくるという力を持っている。一つ一つの能力の攻撃力自体、下手に喰らえば即重症になる事も充分に考えられるから、その辺りは皆でよく相談して、作戦を考えて欲しい……絶対に油断はしないで欲しいんだ!」
そして翔は更に。
「ちなみに、ヴァルギリオスの攻撃手段の中で一番危険なのは、8本の首から放たれる、炎水土氷雷光闇毒の全属性を纏った強烈なブレス攻撃だ。この攻撃、命中率が高く、攻撃力も高く、躱す事もかなり難しい一撃になる……この一撃を立て続けに食らわない様、特に注意して欲しいんだよ!」
そこまで言うと、最後に翔はもう一度皆を見渡し。
「最後の帝竜の名にふさわしく、強力無比な攻撃を仕掛けてくる相手だ。皆の力を振り絞って、奴を倒してきて欲しい。宜しく頼むね……!」
と、猟兵達をまっすぐに見つめるのであった。
幾夜緋琉
皆様、御世話になっております。幾夜・緋琉(いくよ・あける)です。
アックス&ウィザーズ『帝竜戦役』。
とうとう最奥部、戦場29に到達しました。
戦場29には、当然、帝竜ヴァルギリオスがおり、彼を倒す作戦になります。
このシナリオは【難しい】の難易度です。
判定も、今迄の帝竜より一際厳しく判定されますので、シナリオ失敗の可能性も充分にあり得ます。
決して油断なさらない様御願いします。
尚、此のシナリオは一章のみの構成です。
執筆予定日は、公開日の次の日の予定ですので、宜しくお願い致します。
それでは、皆様のプレイングを心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝竜ヴァルギリオス』
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POW : スペクトラル・ウォール
【毒+水+闇の『触れた者を毒にするバリア』】【炎+雷+光の『攻撃を反射し燃やすバリア』】【氷+土の『触れた者を凍結するバリア』】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 完全帝竜体
【炎と水と雷の尾】【土と氷と毒の鱗】【光と闇の翼】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
WIZ : ヴァルギリオス・ブレス
【8本の首】を向けた対象に、【炎水土氷雷光闇毒の全属性ブレス】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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ナハト・ダァト
サテ、君ノ弱点
こノ叡智デ、証明しようカ
対策
先手の毒、水、闇のバリアを庇う形で受け止める
その後、タールの液体純度を水に合わせてバリアの内に溶け込み
闇属性は闇に紛れる技能で自身の力へ
毒に対しては、ドーピング、限界突破、継戦能力を使いながら
世界知識、情報収集、医術、早業で抗体を作って相殺
「トラップツールⅡ」、武器改造でバリアを体に馴染ませたら
敵を盾にする、シールドバッシュ技能でその他のバリアの相殺に掛かる
炎、雷、光のバリアへ2番目にぶつかり
尚燃える体を、氷と土のバリアへぶつける
相殺後、弱点を実証した事でユーベルコード発動
君ノ弱点ハ
互いヲ殺し合ウ事ダ
まるデ蠱毒…いヤ、孤独だネ
セリオン・アーヴニル
物語に歌われた勇者達の足跡を追った結果が『これ』とは、面白い巡り合わせだな。
行動目的は、敵の撃破そのものではなく『最低でも首一つを再起不能にする』事。
それが他者の補佐に繋がれば上等だ。
先制攻撃は、尾なら横や上から、翼や鱗なら直線的な縦の動きで攻撃が来ると予測し、複数部位から連続攻撃が来る事を想定した上で【第六感】も頼りに敵の予備動作から動きを【見切り】回避。
その後再攻撃が来る前に一気に接近し、手近な首にワイヤー付きナイフを投擲。
上手く巻き付けば手繰りよせて直に取り付き身体を固定、全力でしがみつきつつUCをブチ込む。
巻き付けに失敗、又は首撃破後は、再度手近な首に対し同行動を繰り返す。
館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携大歓迎
八属性も使うのは無茶苦茶だ!
これがオブリビオン・フォーミュラの力か…!
超強化を止める術はない
だが、超強化はそれに見合った代償が必要
いくら強敵でも代償を受け続ければ消耗するはず
【魂魄解放】発動
「戦闘知識、視力、暗視」で敵の攻撃範囲を予測し
「ダッシュ、地形の利用、闇に紛れる」+高速移動で攻撃範囲外をひたすら駆け回る
他猟兵が攻撃を受けそうになったら「かばう、オーラ防御」で守った上で「挑発、覚悟」で粘着
超強化の代償蓄積or超強化解除で攻撃に転ずる
「範囲攻撃」+衝撃波でブレスを散らしながら肉薄
「2回攻撃、鎧砕き、部位破壊」で首を斬り落とす!
界渡りはさせない
このまま沈め!
レクス・マグヌス
【心情】
ようやく会えたぞ
オブリビオン・フォーミュラ、ヴァルギリオス!
僕はお前を倒す日をどれだけ焦がれたか
「聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」
【戦術】
攻撃に対しては「残像」「オーラ防御」によりダメージを最低限にすることに集中
受けたダメージは「生命力吸収」で回復
「気合い」で意志を保ち、「属性攻撃」で属性による攻撃の相殺を行う
「毒耐性」で耐えつつ、「力溜め」「高速詠唱」からの攻撃で逆転を狙う
この世界に戻ってきて、属性を操る魔術は使う機会が多かったからな
下僕たちを出すタイミングは慎重に図る
お前を倒せばこの戦いも終わる
今ここで、群竜大陸の土に還れ!
比良坂・逢瀬
ついに帝竜ヴァルギリオスとの決戦ですね
新陰流剣士、比良坂逢瀬、参ります
私は剣士として如何なる強大な相手にも心を平静に保ち、対峙します
敵の攻撃を<見切り>、得意とする<残像>を生む高速の歩法で幻惑します
私の得意とするユーベルコードは《影ヲ斬ル》です
相手が如何に堅固な防御を備えようとも、厚みも硬さも無い影を斬る太刀は、その護りを無効とする<鎧無視攻撃>です
帝竜本体を強化する各属性のバリアも、自身の影までは覆ってはいないでしょう
それに私のユーベルコードは初見では対処することの難しい奇襲性の高い業ですからね
愛刀たる三池典太の<破魔>の太刀をもって、帝竜を骸の海に還しましょう
戦場外院・晶
心技体……全てをもって耐え、踏破してみせましょう
「戦場外院・晶と申します……よしなに」
耐えると決めて祈ったならばオーラと化して我が身を包む……ヴァルギリオス・ブレスに、挑む
「……ぅ」
焼かれる、回復して、また焼かれ……尚も進む
「……ふふ」
超重力の回廊を何度も横断した日々を思う
「ここです……」
攻撃と防御を縫うことを教えてくれた、骨の平原での日々も……
【手をつなぐ】
帝竜とはいえ手があるならば、この戦争を乗り越えてきた私に捕らえられない道理無し
「……せいぃ!」
手があり、肉と骨と関節があるならば、この怪力と技巧をもって、崩してみせます
「……破ぁ!」
練り上げ繰り出すは渾身の拳
破魔の力、今までの全てを込めて
帝竜ヴァルギリオス。
群竜大陸を支配する、強力な帝竜。
「……物語に歌われた勇者達の足跡を追った結果が『これ』とは……面白い巡り合わせだな」
セリオン・アーヴニルが、静かに呟くと。
「……ついに帝竜ヴァルギリオスとの決戦ですね」
「ええ……心技体……全てをもって耐え、踏破しなければなりません」
比良坂・逢瀬に、戦場外院・晶も静かに頷く。
そう覚悟せざるを得ないほど、今回の敵は最強の名に相応しい実力を持っている。
「それにしても無茶苦茶な相手だな。八属性を使うなんて! これがオブリビオン・フォーミュラ-の力か……!」
館野・敬輔がぐっと拳を握りしめると晶とセリオンも。
「ええ……確かに八属性をマスターし、攻撃してくると言う事は、今迄ほとんど無かったパターンでありますね」
「そうだな。しかし超強化を止める術はない。だが、超強化はそれに見合った代償が必要だ。いくら強敵でも、代償を受け続ければ消耗する筈」
それにレクス・マグヌスが。
「そうだな……ここで、必ずけりを付ける」
強く、拳を握りしめる。
そして覚悟を決めた猟兵達は、帝竜ヴァルギリオスの暴れ廻る戦場へと赴く。
『よくぞここまで来た、猟兵達よ! 余こそが群竜大陸の主、帝竜ヴァルギリオスである!』
と、帝王が如き風格で、猟兵達へと告げる。
それに対し。
『ようやく会えたぞ、オブリビオン・フォーミュラー、ヴァルギリオス! 僕はお前を倒す日をどれだけ焦がれたか! 聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!』
強い口調で言い放つレクス、しかしヴァルギリオスは。
『ははっ、面白い! 我を斃すだと? 出来る物なら仕掛けてみるがいい!』
と笑いながら、【完全帝竜体】にて炎と水と雷の尾、土と氷と毒の鱗、光と闇の翼をその身に宿す。
それにナハト・ダァトが。
「サテ、君ノ弱点、こノ叡智デ、証明しようカ」
と言うと共に、前進。
前進してきたナハトに、ヴァルギリオスは毒、水、闇の、触れた物を毒に侵すバリアを貼って防御、かつ毒付与の体勢。
しかし、その攻撃に対しても怯みもせず、その身で受け止めるナハト。
己がブラックタールの液体純度を、水に合わせてバリアの内に溶け込ませ、闇、水、毒の属性を相殺させる。
その間に、敬輔は早くも。
「喰らった魂を、力に替えて……」
【魂魄解法】で、高速移動と刺突、斬撃の衝撃波を可能とする力を得て、自己強化、そして。
「戦場外院・晶と申します……よしなに」
「新陰流剣士、比良坂逢瀬、参ります」
晶、逢瀬はヴァルギリオスに名乗ると共に、オーラで己が身を纏い、敵に続けて接近。
しかし敵の触れた者を毒にするバリアは継続しており、二人に対しても毒の効果が及ぶ。
それに立ち止る事無く、接近、そして。
「……ふふ」
僅かに微笑むと晶は帝竜の手を握る。
「……せいぃ!」
そして、手の少し上、関節部分に拳の一撃。
『グゥオ……!』
と、その一撃は僅かながらもダメージを与えた模様。
更に逢瀬も。
「影を斬るのは、体を斬るのも同じことです」
と【影ヲ斬ル】を発動、鎧無視の一撃で敵のバリアをぶった切る。
ぶった切られたバリア、しかしヴァルギリオスは次の刻に備え、炎、雷、光の攻撃を反射するバリアで攻撃回避にシフト。
それにセリオン、レクス二人が続く。
オーラ防御で、防御力を上昇させると共に、接近。
攻撃を反射するバリアに対し、レクスは反属性の水を纏い、セリオンもワイヤー付きナイフを投擲し、敵の注意を惹きつける。
そしてワイヤー付きナイフを弾いた瞬間に、水属性の一撃で斬りかかる。
敵の体力を減らせはしないが、バリアを少しでも削る。
……ただ、中々ヴァルギリオスの体力を直接的に削る事は難しい。
二刻、三刻……と、猟兵達はバリアを解除するのに集中。
しかし、バリアが解除された後には、全属性を備えた『ヴァルギリオス・ブレス』を、至近距離の猟兵一人に対して放つ。
「く……っ」
流石にその一撃に、意識遠のきかける晶。
でも、ぐっと唇を噛みしめることで、踏ん張る。
「大丈夫ですか?」
と逢瀬の言葉にこくり、と頷く晶、そしてレクスが。
「あのブレスだけは、出来る限り避けたい所か……ならば!」
レクスは力溜めからの、高速詠唱を放つ。
一発のダメージを上げつつ、敵が攻撃した後の隙を利用して、攻撃。
一方で、セリオンは。
「8本の首を向けた相手に全属性のブレスでダメージを与えてくる……ならば、一つの首でも再起不能にすれば」
と言うと共に、敵のブレス後に再びワイヤーを敵の首一つに巻き付ける。
『小賢しい……!』
と怒りと共に、大きく首を振り回すヴァルギリオス。
それに必死にしがみつくセリオン、そしてタイミングを見計らうと。
「周辺魔力素を転換吸収……集約……形成! それでは、殲滅を開始しようか……!」
頭部の眼球に、渾身の一撃『絶禍光槍』を叩きつける。
『グゥオオ……!』
それに苦悶の咆哮を上げ、他7つの首が大きく蠢く。
……生じた隙に、怒濤の如く猟兵達は攻撃開始。
「君ノ弱点ハ、互いヲ殺シ合ウ事ダ。まるデ蠱毒……いヤ、孤独だネ」
とナハトは敵を挑発しつつ、『受難の左手』を発動。
先程受けた、敵の水効果を、炎を纏う首に向けて一閃。
コピーした反属性の攻撃で、別の敵首を一つずつ狙う。
勿論、ヴァルギリオスも素直に攻撃を当てさせる様な事は無い。
反撃のブレス、バリアを立て続けに貼り、反撃。
かなりのダメージを受けてしまうが、それらは晶が『生まれながらの光』で、適宜回復。
……かなり苦戦はしつつも、一つずつ、敵の首を再起不能にして行く。
そして……戦闘開始から、数十分。
既に猟兵達の体は傷だらけ……だが、敵も、残る首は一つ。
「お前を倒せばこの戦いも終わる。今ここで、群竜大陸の土に還れ……!」
と、レクスは、『剣の軍勢』を召喚、力を合わせて帝竜の残り一つの首に集中攻撃。
怒濤の如く放たれる攻撃の波に……ヴァルギリオスは。
『グゥ……グゥオオオオ
……!!』
地を轟かす咆哮と共に、崩れ墜ちた。
成功
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