帝竜戦役㉑〜原始の轟火、垓王牙
●原始の焔
それは余りにも巨大だった。
その足は山を軽く踏みつぶし身に纏う炎で焼き尽くす。
その目はまるで太陽の様に煌々と輝き見据えられた者に恐怖と絶望を齎す。
その背には焔の山が幾重にも重なり大地を蒸発させるマグマを垂れ流す。
その身から出た炎は竜と獣と化して敵を屠る。
大地の精髄、マグマの血液を持つ焔の竜、垓王牙。
それは空を見上げていた。
『どうなされました垓王牙様?』
『――――』
垓王牙の咆哮を聞き近くに控えていた額に一角獣の様な角を生やした焔の虎が傍に近寄っていく。
『猟兵達がやってくる、と?為らば打ち倒さねばなりませぬな。嘗ての……勝利を収めれど再度の戦で其の勝利を奪われた時の様にならぬ為に……最早、立ち上がれぬ様に全力を以って討ち滅ぼしましょうぞ!』
『そうだとも、我らは再び負けはせぬ!垓王牙様に勝利を齎すのだ!』
焔の翼竜が三つ首竜が獅子が狼が土竜が傍に控えし焔の獣と竜達がその言葉に応えるように遠吠えをあげた。
其の姿に垓王牙は満足そうに再度咆哮を上げる。
『――――――――――――
!!!!!!』
●グリモアベース
「という訳で、かなり危険な依頼ではあるんだけど帝竜、垓王牙との闘いに赴いてほしいんだな」
そう言いながらシャーマンズゴーストの青年、水貝雁之助は今回の依頼について説明する。
「敵の能力は炎の獣を生み出し戦わせる力、炎の竜を生み出し戦わせる力、体の一部を其れに触れれば大地をも消滅させる超高熱溶岩流に変化させる力の三つだね。
炎の獣と炎の竜自体もかなり大きい方。ただ垓王牙の意思で消せるんで盾にして攻撃を防ぐとかには向いてないかもかも?」
そういうと雁之助は垓王牙の画像資料を猟兵達に見せる。
「そして、予知でも説明した通り、其の体は山よりも巨大。その癖、絶対に僕等猟兵よりも早くユーベルコードによって先制攻撃を仕掛けてくるんだなー。
なので、ユーベルコードを使わずに其れに対応する必要があるんだよ」
そう言い終わると雁之助は集まった猟兵達を見回す。
「危険な依頼ではあるけれど、どうか垓王牙に勝利し無事戻ってきてほしいんだな!お願いなんだな!」
そう言い雁之助は猟兵達を戦場へ送るのだった―――。
久渓洞
こんにちは久渓洞です。
今回の依頼は帝竜、垓王牙。
一部の方には懐かしいかもしれない強敵です。
今回の依頼において垓王牙は絶対に先制攻撃を仕掛けてくるようになっております。
この敵のユーベルコードへの対処法を編み出す事でプレイングボーナスが得られますので強敵ではありますが是非挑戦なさってください。
それでは皆様の垓王牙への挑戦、楽しみにお待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝竜ガイオウガ』
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POW : 垓王牙炎弾
【全身の火口から吹き出す火山弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【『炎の獣』に変身する】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 垓王牙溶岩流
自身の身体部位ひとつを【大地を消滅させる程の超高熱溶岩流】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 垓王牙炎操
レベル×1個の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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ビスマス・テルマール
●POW
『激痛耐性』と『火炎耐性』で備え低空で『空中戦』『ダッシュ』で駆け
『第六感』で敵のUCや炎の獣の攻撃を『見切り』つつ『属性攻撃(火除け味噌)』と『オーラ防御』を込めた実体『残像』をばら蒔き
火の炎上の燃え広がりや攻撃を阻みつつ回避
※とあるお寺の火事を味噌で消し逸話もあり味噌も炎等に有効
隙見て『早業』でUCを攻撃力重視発動
【蒼鉛式火除け味噌ビーム砲】を『一斉発射』の『砲撃』と併用し
炎の獣ごと『範囲攻撃』で『制圧射撃』し
『残像』で撹乱しつつ『ダッシュ』し
『鎧無視攻撃』と『怪力』と『重量攻撃』込めた【ご当地キック用ビスマスブレード】で
火除け味噌キックを敵にお見舞いを
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
ルパート・ブラックスミス
青く燃える鉛の翼で飛翔、【空中戦】。
先制攻撃は火山弾の軌道を【見切り】回避。
その上で着弾分を大剣【武器受け】、後はこの鎧の【火炎耐性】で凌ぐ。
着弾した炎は『炎の獣』として自分に取り付いてくるだろうが。
…黒騎士を前に生命の形を成したのが『命』取りだ。
UC【黒騎士呑み込む青き業火】。
敵が消す前に『炎の獣』を【生命力吸収】、変換した燃える鉛で大剣と翼を【武器改造】。
【限界突破】した翼の出力で【空中浮遊】【ダッシュ】、【捨て身の一撃】!
巨大化させた大剣ごと突貫し【串刺し】、そのまま【怪力】任せに破砕し溶かしにかかる!
その巨体を呑み込んでくれよう。今宵は貴様が黒騎士への贄だ!
【共闘・アドリブ歓迎】
●ご当地ヒーローと
『――――――――――――
!!!!!!』
『顕れたか猟兵!垓王牙様の御為に貴様等、灼□者をを討ち滅ぼさん!』
『我ら焔の獣、此の身全てを垓王牙様の御為に!嘗ての敗北は二度と起こさせぬぞ■滅者―――!』
猟兵達の姿を見出した大地の根源たる帝竜は咆哮。
全身の火口から焔の弾丸を解き放つと其れは即座に獣へと変じていく。
「何と勘違いしているかは知りませんが、通りすがりのご当地ヒーローとして貴方達は此処で止めます!
なめろうを愛する、此れからなめろうと出会う人達が涙を流す事がない様に!」
『ご当地ヒーロー!垓王牙様の大地の力を取り込みし慮外者か……!』
鎧に身を包むクリスタリアの少女、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)の言葉に彼女に襲い掛かっていた炎の狼が激昂。
其の攻めは更に激しさを増していたが彼女は其の痛みを身に纏う鎧の炎への態勢と強い意志の力で抑え込みながら地面スレスレに飛んで凌いでいく。
「何を言ってるかは判りませんが言いがかりは困ります……よっ!」
炎の狼が彼女を襲う間にも降り注ぎ続ける焔の弾丸の動き、そして炎の狼の攻撃を其の高い第六感で見切り、時に投擲した火避け味噌によって炎の勢いを殺しながら彼女は狼に言葉を返す。
『戯言を……!先程からの其の味噌こそ、その証であろうが!
斯様な戦い、ご当地怪人とご当地ヒーロー以外がする者か―――!』
「だから知らないと……!」
ズガンッ!狼の爪がビスマスを貫いたと思われた瞬間、轟音と共にビスマスと思われた其れが爆発する。
『グゥ、此れは残像、だと
……?!』
「……言っているし、そんな風に興奮しているから引っ掛かるんですよ?」
その言葉と共に無数のビスマスが周囲に現れる。
『ぐぅ、厄介になったものだな■滅者よ……!
ならば数で攻めるのみ……!』
その言葉に応えるかの様にビスマスに向かって振ってくる焔の弾丸は炎の獅子、炎の虎等に変じていく。
だが、ビスマスは冷静に其れを見据える。
「だから、知らないと言ってるんですが……『Namerou Heart Omaguro!』海と沖膾の鮪の覇者は今此処に、オーマグロ転送!」
ビスマスの詠唱と共に彼女の体は黒を基調に蒼と白で彩られた鎧で包まれ背に二門の砲身、手にマグロ型のブレードが顕現する。
「行きますよ!」
『ぐ、ぐあああああああ
!!!!』
そして、彼女は二門の砲身から火避け味噌の力を込めたビームを一斉放射。
其の強大な茶色の光はビスマスを囲む炎の獣達ごと周囲を制圧。
炎の獣達を消し飛ばしていく。
『―――――――――!』
「今更慌てても……!」
其れを見た垓王牙が焔の弾丸をビスマス、そしてもう一人の猟兵へ向けて放ってくるがビスマスは残像を囮に其の弾丸を避け、垓王牙へと向かい飛翔する。
「其処の騎士さん、合わせます!
先ずはわたしが―――!」
「承知――――!」
其の侭、彼女はマグロ型のブレードを垓王牙に向けて投擲。
『―――――――!!』
「火避け味噌キィィィックッッ
!!!!」
垓王牙の右目へ刺さった其れを更にえぐり込むように己と己の纏う鎧の質量を高速で飛行し放たれる蹴りを垓王牙へと叩き込む!
●黒き騎士
焔の弾丸の雨が蒼く燃える鉛の翼で空を駆ける黒き鎧の騎士、ルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)に襲い掛かる。
だが、騎士は其の起動を見切り避けていく。
「流石に全てを避けきれはしない、か。
だが……!」
避けきれない焔の弾丸をルパートは己が携える鉛滴る大剣によって其れを受け止める。
剣で防ぎきれぬ炎はルパートを襲うが燃える鉛の詰まった鎧のヤドリガミたる彼にとって此の程度の炎は慣れた物。
涼しい顔で耐え抜いていく。
『炎への耐性はあるか!ならば我が体躯を以って貴様を打ち据え、我が牙で貴様の鎧を打ち砕こう!!』
そして、受け止めた焔の弾丸は炎の獅子へと姿を変えルパートを地面に叩きつけようとしてくるが……。
「……黒騎士を前に生命の形を為したのが『命』取りだ。
我が血はもはや栄光なく…されど未だ我が業と炎は消えず…『黒騎士呑み込む青き業火』!」
『ぐぅ、何ダト……我が体が鉛に……?!がああああああああああ!!!』
獅子は逆にルパートの手により其の身を鉛へと変じさせていき、ルパートの剣へと吸収されていく。
『ぐっ!■□■!未だだ!皆でかかれば―――!』
『我ら垓王牙様に仕えし炎の獣!二度とあの敗北を垓王牙様に味合わせぬ為にも負ける訳には―――!!』
其の姿を見て炎の虎、炎の狼が其れを止めようとルパートに襲い掛かるが……。
「その忠義は見事。だが、甘く見て貰っては困る」
『ぐ、がああああああああ!!!』
『▲▼△―――!?ぐ、わ、我もだと……垓王牙様申し訳
……!!』
其れすらもルパートの狙い通り。
垓王牙が彼等炎の獣を消す間もなく其の身は鉛へと其の身を変換されていく。
そして、其の鉛はルパートの剣と翼に吸収され、結果、炎の獣たちは彼を打ち倒す処か彼の力を増す結果となる。
「垓王牙、我が剣を喰らうが良い!」
そして、其の増幅された力によってルパートの翼は巨大化し更に速く、更に高く飛べる様に、彼の大剣を包み込む鉛は溶岩の様に熱く燃え滾り敵の装甲をたやすく融解させる。
「さあ、参るぞ垓王牙よ!」
ルパートは垓王牙へ向けて飛翔。
彼と同時に垓王牙へと向かう猟兵と共に焔の弾丸を放たれるが其の焔によってもたらされる傷をものともせず只管に突き進む。
「其処の騎士さん、合わせます!
先ずはわたしが―――!」
「承知――――!」
其の言葉と共に猟兵の少女が刃を垓王牙の右目へ投擲、其れを更にえぐり込む様に全身全霊の蹴りを叩き込む。
「――――――――――――!!!」
「続かせて貰う!」
もだえ苦しむ垓王牙に対し更に追撃をかける様にルパートは鉛を剣へ集中させながら飛翔。
「垓王牙!その巨体を飲み込んでくれよう」
翼に用いた鉛も全て大剣に回し垓王牙の傷付いた右目へ其の余りにも巨大になった剣を突き立てる!
『―――――――――――――――――――!!』
其の余りの痛みに暴れ回る垓王牙。
だがルパートは手を放さず剣を介して垓王牙の体を鉛へと変換させていく。
「どれだけ暴れ回ろうと此の手を放しはしない!
垓王牙、今宵は貴様が黒騎士への贄だ!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
髪塚・鍬丸
任務了解、だ。御下命如何にしても果たすべし。
初撃をかわさないと話にならない。
【早業】【空中戦】。空戦特化型忍装束「忍鎧・天戎」のスラスターと慣性操作機能を全開にし、上空へと飛び立つ。溶岩を操る敵相手に、地上で戦うのは無茶だ。溶岩の攻撃が上空へと放たれるならば【視力】を凝らして【見切り】、回避する。
敵の初撃を凌ぎきれたら反撃だ。
とは言え、敵は巨大過ぎる。山岳に等しい巨体を、俺の力で撃てるか……?
……撃つ。
【変位抜刀術】使用。鞘に納めた刀を抜き打ちで振るう。「変位抜刀……腑断ち!」
【範囲攻撃】【鎧無視攻撃】。空間を越え、任意の箇所を切り裂く斬撃で、燃え盛る竜鱗を越えて奴の体内の広範囲を斬り裂くぜ。
●忍びの抜刀
「任務了解、だ。御下命如何にしても果たすべし」
そうグリモア猟兵に言い垓王牙の前に新たに立つは飄々とした雰囲気の青年、髪塚・鍬丸(一介の猟兵・f10718)。
『――――――!』
そんな彼に右目を奪われた怒りをぶつけるかのように垓王牙は己が尾を溶岩へと変じて叩きつけようとする。
(さて、此の初撃を躱さないと話にならんな)
己に向け叩きつけられてくる溶岩流に対し鍬丸は其の動きを見切りつつ、冷静に己が身に纏う【忍鎧・天戎】を起動。
慣性操作機能とスラスターを全開にし空へと駆けて溶岩流を避けていく。
『――――――
!!!!』
「溶岩を操る敵に地上で戦うのは無茶だからな。
其れに上空へと放たれる其れは見切り易いというもの」
そう嘯きながら鍬丸は何度も己に叩きつけられる溶岩の尾の動きを其の鍛えられた眼力で見切り避けていく。
其の動きはまるで風に舞う木の葉の様でひらりひらりと避けていき、溶岩の尾は掠りもしない。
『―――――――――――!!』
其れに怒りを覚えた垓王牙が更に激しく鍬丸へ尾を叩きつけるがひらりひらりと避けていく。
(さて、そろそろ反撃だが……敵は巨大すぎる。
山岳に等しい巨体を、俺の力で討てるか……?)
「いや……討つ!」
決意を胸に鍬丸は鞘に収めた刀を抜き放つ。
「変位抜刀……腑断ち!」
それは一瞬であった。
鍬丸が刀に触れたと思った瞬間、閃光が走ったのだ。
『―――?――――――――?!』
そして、次の瞬間、燃え盛る竜鱗に包まれた垓王牙の尾が断ち切られた。
斬られたと相手に認識させぬ、軌跡をずらした斬撃。
それは空間を越え、鍬丸が断ち切ると決めた物を断ち切る無音の刃。
「任務完了。後はそれがしに続く人々に託すのみ、か」
己の役目は果たした。
そして、自分の後に続く猟兵達ならば此の自然の猛威の化身たる竜を討ち滅ぼすだろう。
尾を断ち切られ其の痛みに暴れ回る垓王牙の巨体を油断なく見据えながら鍬丸はそう確信するのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵
彩瑠・理恵
ガイオウガ。母さんたちが唯一戦争で負けた相手、そして決死戦で父さんが闇落ちした相手
ですが、再孵化した帝竜という存在に堕とされたオブリビオンなら、母さんたちの時程の力はないはずです
先制攻撃は、上空から降ってくる火山弾をよく見てとにかく逃げ回ります
避けきれない分や炎の獣イフリートはバベルブレイカーで迎撃するか、盾にして受け流します
とにかく致命傷だけは避けるようにします
最悪片手が無事ならそれでいいです
先制後は上空に指鉄砲を向けて【模倣再現・殲術再生弾(キリングリヴァイヴァー・コピー)】です
これで唯一倒せなかった相手でも、今のガイオウガなら!
殲術再生弾発動後はリエに代わって流した血液を武器に戦うわ!
●灼滅者
『ぐぅ、垓王牙様に斯様な傷を負わせてしまうとは……!』
『此の失態は戦さを以って濯ぐのみ!此れ以上、我らの主に傷を負わせてなるものか!』
『―――――――――――!!!』
右目を失い尾を断ち切られた痛みからか垓王牙は己が背負いし火山から無数の焔の弾丸を放ち続ける。
そして、其の焔の弾丸は垓王牙を守る焔の獣に変じていく。
そんな状況下で少女、彩瑠・理恵(灼滅者とダークネス・f11313)は戦場に降り立った。
(ガイオウガ。母さんたちが唯一戦争で負けた相手、そして決死戦で父さんが闇落ちした相手。
ですが、再孵化した帝竜という存在に堕とされたオブリビオンなら、母さんたちの時程の力はないはずです)
眼前に聳える巨大な竜、垓王牙の姿を見据え理恵は改めて戦意を強くする。
『―――――!!』
『又現れたか猟兵!……其の武器は貴様は
……!!』
『させぬ!再びの敗北は齎させぬぞ灼滅者!!』
そして、そんな彼女の存在を観とめた垓王牙は焔の弾丸を彼女に向けて降り注がせ、彼に付き従う炎の獣、理恵曰くイフリート達は理恵に襲い掛かる。
「流石ガイオウガ。ですが耐え抜いてみせます!」
己に降り注ぐ焔の弾丸の降りが弱い箇所を見切って避け、襲い掛かるイフリートを己が手にする超常戦用杭打機【バベルブレイカー】で討ち貫き、時にバベルブレイカーを盾に焔の弾丸やイフリートの攻撃を防ぎ、受け流しながら彼女は戦い抜いた。
(とにかく致命傷だけは避ける様に……。
最悪片手が無事なら其れで良いですしね……)
傷つき血を流しながら少女は其れでも倒れる事無く戦い抜く。
『―――――――!!!』
『此れでトドメだ灼滅者―――!!』
僅かにふらついた理恵の姿に好機ととったかガイオウガは焔の弾丸を更に激しく降り注ぎ、イフリートは理恵に殺到する。
最早、理恵の命は風前の灯かと思われたが彼女は決して諦めはしない―――!
「此れで唯一倒せなかった相手でも、今のガイオウガなら!
『キリング、リヴァイヴァーっ!!』」
上空に指鉄砲を向け宣言した彼女の言葉に応え、戦場を光が包み込む。
『此れはあの時の――――!!』
『落ち着け、嘗ての様に我らの力で勝利を……』
其の懐かしき光にイフリート達は惑い、其れをリーダー格と思しき獅子が宥めようとするが……。
「いいや、君達はボクの手で骸の海に送られるのさ……!」
『ぐぁ……!』
『な!■□□――――!!』
鉄のさびた様な、人の血の匂いを漂わせた紅き槍が其れを貫き、致命の傷を負った獣は倒れ伏し、火の粉となって消えていく。
『――――――!!!』
『貴様、よくも―――ッッ!!』
『敵は必ず取ってやる!!』
「残念、当たらないよ?」
其れを見た獣達、そして垓王牙は理恵、否、もう一人の彼女リエに襲い掛かる。
だが、其の攻撃を彼女は軽々と躱し、すれ違い様に其の影から生じた鮮血の斧が、ギロチンが獣達の首を跳ね飛ばし、彼女に迫る垓王牙の牙を打ち砕く。
『――――――
!!!!』
「ボクは理恵みたいに優しくないからね。
流した血の分、君達を殺し壊し、血の華を咲かせてあげるよ」
そう怪しく嗤いリエはイフリートと垓王牙を誘うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
御剣・刀也
炎そのものみたいな竜だな
だが形を成している以上、斬れない相手じゃない
お前の炎が俺の闘志を焼き尽くすかどうか、一つ勝負と行こうか
垓王牙炎弾は、全身の至る所から発射されるので、第六感、見切り、残像で避けつつ、勇気で恐れず、ダッシュで飛び込んで、捨て身の一撃で斬り捨てる
途中、自分に被弾しそうな火山弾は武器受けで獅子吼で斬り捨てるか、弾きながら、一気に間合いを詰める
火口の近くだと、打ち出した際の溶岩などでダメージを食らうと思うで、なるべく火口から離れたところを狙う
「ははは!炎の竜に恥じない名前だな!俺の闘志を焼き尽くせるもんなら、焼き尽くしてみろ!」
●刀持つ修羅
(炎そのものみたいな竜だな。
だが他の猟兵達も証明したように形を為している以上、斬れない相手じゃない)
「お前の炎が俺の闘志を焼き尽くすかどうか、一つ勝負と行こうか」
『―――――――――!!』
右目と尾を失い、牙を砕かれた垓王牙の前に新たに立つは刀を携えし洋装の男、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)。
其の姿を見つけた垓王牙は焔の弾丸を己の背負いし火口から解き放ち刀也目掛けて降り注がせる。
「此れは又、随分と熱烈だな。
だが、此の程度じゃあ俺はやれんぞ?」
己に降り注ぎ其の命を奪わんとする、幾ら猟兵と言えども直撃すれば深い傷を負うのは間違いないであろう威力を有する無数の焔の弾丸も何のその。
それら全ての動きを刀也は其の戦場で鍛えられた鋭い感覚により見切って軽々と避けていく。
時に弾丸が変じた獣が刀也に襲い掛かるが……。
『な、此れは残像?!』
「残念だったな。俺はこっちさ!」
『グァァァァァァ!!』
其の優れた剣術を以って避け、斬り伏せる。
『――――――!!』
「ははは!炎の竜に恥じない名前だな!
俺の闘志を焼き尽くせるもんなら、焼き尽くしてみろ!」
まるでスコールの様に更に激しく焔の弾丸を降らしていく垓王牙にも刀也は怖れる事なく、ただ楽しそうに笑って垓王牙に向けて走る。
降り注ぐ根源的な恐怖を齎す焔の弾丸に怖れる事無き勇気を持ち刀を共に駆ける其の姿はまさに深紅の荒獅子。
『なっ、此の男、死に対する恐怖がないのか
……?!』
『奴を止めろ!垓王牙様に近付け……グァッ!』
『□◇―――!くっ、此れ以上は……ギャッ!!』
自らに降り注ぐ焔の弾丸を見切って僅かな動きで避け、避けきれぬ焔の弾丸や彼の行く手を塞ぐ焔の獣は己が携えし刃、獅子吼で受け、鉄鎧ごと両断する其の剛剣で切り捨て、或いは其の膂力を以って弾き飛ばし、只管に垓王牙へ向かって駆けていく。
そして、垓王牙の傍、刀也の刀が届く間合い迄、辿り着いた時、彼は刀を高く掲げる。
『くっ!奴を止めろ!垓王牙様を守るのだ
……!!』
「遅すぎる!行くぞ!
この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」
『―――――――――――――!!!』
焔の獣たちが刀也を止めようとするが、彼の剣は獣達に止められる程遅くはない。
一瞬であった。
刀也の己の持てる力の全てを振り絞った上段からの一閃は雲耀の太刀という名に恥じぬ雷鳴の如き速さ、否、雷鳴をも遥かに凌ぐ速さで以って垓王牙を斬り捨てたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
楠葉・狐徹
【SPD】
「ガイオウガ…初めて見るはずだが…どこか因縁を感じるのはなぜだ…まるで記憶にはないけど、心は覚えているみたいな。まあいいか!気にしても仕方ない!」
まずは【怪力】と【地形利用】で地面に穴を掘る。敵が溶岩流を使ってきたらそこから素早く離れ、溶岩流が穴に流れこむのを待つ
「大地を消滅させるなら穴を埋める事はできないはずだ。つまり、このまま溶岩流は地中深くまで沈むんじゃねえのか?」
敵の先制攻撃が途切れたら妖剣解放による高速移動で敵に接近。敵の顔面に斬撃による衝撃波+【鎧無視攻撃】を放つ
「防御は薄いって最初に聞いたからな…ならこれがお前の殺し方だ!」と殺意が暴走した状態で一言
※アドリブ&連携OK
●妖刀の振るい手
「ガイオウガ、初めて見る筈だが……。 何処か因縁を感じるのは何故だ…まるで記憶にはないけど、心は覚えているみたいな……」
眼前の垓王牙に対し何処かで出会ったかの様な既視感を覚えもどかしく感じながらも水晶の様に美しい刃を持つ妖刀、浄玻璃刀を携えて戦いの場に立つは赤黒い着流し姿の妖狐の剣客、楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)。
彼は一瞬考えこむ様な表情を浮かべるが直ぐに首を振って考えを止める。
「まあいいか!気にしても仕方ない!」
そう言うと彼は其の手にはめた黒い籠手で地面を殴りつける。
其の怪力は凄まじく、殴られた地面はドゴンッっと音を立て爆砕。
其処に在った土は周囲へ吹き飛んで巨大な大穴が空いていく。
「この調子で幾つか欲しい所だな」
彼は其の侭地面に殴り付け轟音を立てて幾つも地面に大穴を開けていく。
「仕上げは上々、後は、と」
『―――――!!』
狐徹のたてた轟音を耳にし狐徹の存在に気付いた垓王牙が己が体を溶岩へと変え狐徹に向かい放つ。
それに対し狐徹は其の場を素早く離れるが……。
「狙い通り。
大地を消滅させるのなら穴を埋める事は出来ない筈だ。
此の侭溶岩流は地中深く迄沈むんじゃねえのか?ってな」
狐徹の言う通り、垓王牙の放った溶岩流は狐徹の開けた幾つもの穴に誘導され、其の穴を更に深くしていく。
「ははは!未だ未だ穴は沢山用意しているから楽しんでくれよ?」
『―――――――――!!』
其れに怒りが刺激されたのか、垓王牙は執拗に溶岩流を放ち続けるが何れも狐徹の開けた大穴のどれかに吸い込まれ溶岩流は狐徹に届かない。
そして、垓王牙は更に執拗に溶岩流を放ち続けるが、其の隙を見逃す程、狐徹は甘くはない。
「見えたぜ、お前の殺し方。
……さあ行くぜ浄玻璃刀」
己が携えし浄玻璃刀の力を開放し垓王牙へと駆けていき先程垓王牙と闘った猟兵の斬り裂いた足の傷へ向かい剣を一閃。
『――――――――!!!』
その一撃は凄まじく既に傷付いていたとはいえ垓王牙の巨大な足を切り飛ばす。
そして、垓王牙は己を支える足を一つ失い轟っと音を立てて倒れ伏す。
「防御は薄いって最初に聞いたからな……なら、此れがお前の殺し方だ!」
狐徹は隠しきれぬ殺意を周囲に放ちながら戦いへの歓喜に愉しそうに嗤って垓王牙へそう言い放つのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵
黒城・魅夜
ふふ、牙にかけてはダンピールである私も多少自負があります
牙の王と名乗るものよ、その鋭さを比べてみるとしましょうか
炎熱の地に無数の炎龍
熱は環境耐性で凌げるとしても龍たちの攻撃自体は侮れませんね
オーラ防御で致命傷だけは避けながら見切りと第六感で攻撃を回避
それでも傷だらけになるでしょうが構いません
この傷から生まれる鮮血の胡蝶たちが狙いだったのですからね
いかなる環境下でも飛翔できるこの蝶たちを焼き尽くすことはできません
ふふ、どうしました? まるで悪い夢でも見たようなお顔
どこか他の世界で戦った悪夢でも見ていましたか?
いずれにせよあなたの精神は既に破壊され
そしてその肉体もまた崩壊していくのですけれどね
ヒスイ・カトラリー
ガイオウガの情報を目にして、気付いたら戦場への転移をお願いしてた
朧げな記憶。過去(トラウマ)と、似ている気がする、威容
とても、こわいけど
この敵に、立ち向かわなかったら
私は一生、戦えない気が、したから
先制で溶岩流に変異した敵を確り、みて
迫る溶岩流よりはやく【封印を解く】
今の私にできるのは、それだけ
『竜因子、解放』
それさえ、できれば
『怪力ジャンプ』迫る溶岩流から逃れ
背から炎翼噴いて『吹き飛ばし空中戦ダッシュ』
近寄るだけでもきつい超高熱も『オーラ防御火炎耐性』平気
また、私……戦います!
どこかにある核を『第六感』目指して
炎獣いれば爪と腕の刃で『早業なぎ払い』ながら飛び
私も、猟兵だから!
核へ全力で、拳を
●黒き少女
「ふふ、牙にかけてはダンピールである私も多少自負があります。
牙の王と名乗るものよ、その鋭さを比べてみるとしましょうか?」
『―――――――!!』
右目と尾を失い牙は砕かれ無理やりに立ってはいるものの足も一つ半ばから断ち切られている。
そんな状態でありながら垓王牙からは其の荒ぶる自然の猛威の如き威容は喪われていない。
垓王牙は自分の眼前に立つ少女、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)ともう一人の猟兵を観止めると最後まで抗い眼前の敵を討ち滅ぼさんと二人を睨みつける。
『――――――
!!!!』
『我らが主には此れ以上触れさせぬ!』
『あの敗北を繰り返してなる物か――――!!!』
そして、垓王牙は己の背負いし火山から焔の弾丸を魅夜に降り注がせ、自らはもう一人の猟兵に己の足を溶岩へと変じて襲い掛かる。
(熱は未だ耐えられますが、竜の攻撃は侮れませんね)
そのダンピール故の優れた感覚で敵の動きを見切って避け、避けきれぬ攻撃は致命傷となり得る急所をオーラの盾で防ぎ、傷だらけになりながら彼女は焔の竜の攻撃を凌いでいく。
敵の攻撃は苛烈で其の美しい肌には幾多の傷痕が刻まれ血が流れていく。
だが、其れは彼女にとって狙い通りであった。
『さあ、此れでトドメだ!!我が牙で倒れよ猟兵!!』
「いいえ、倒れるのは貴方達ですよ?」
己に迫る焔の竜に対し魅夜は傷だらけで血に塗れた姿に似合わぬ笑みを浮かべ、そういう。
「『肉も鋼も魂までも朽ち果てよ、終焉の赤き闇夜今来たれり』―――。
如何なる環境下でも飛翔できるこの蝶達、焼き尽くす事はできませんよ?」
『ぐ。ああああああああああああああ!!止めろ灼滅者!垓王牙様の核を――――!』
『垓王牙様が我らが主が敗れる等あっていいはずがない、良いはずがないのだ!!』
「ふふ、どうしました?まるで悪い夢でも見た様なお顔。
何処か他の世界で戦った悪夢でも見ていましたか?」
彼女の詠唱と共に深紅の羽をもつ蝶が焔の竜に群がり、其の翅から零れ落ちる鱗粉を浴びた竜達は苦しみ悶え、徐々に其の姿を崩していく。
【滅びの日、最期に舞うもの、紅き翅】、悪夢を魅せ精神を破壊し、其れに触れたモノに浸食し粉々に崩壊させる鱗粉をまく深紅の胡蝶。
彼女の傷から零れ落ちた鮮血の胡蝶は焔の竜達、そして垓王牙を侵食し崩壊させていく。
『―――――――――――!!』
「いずれにせよあなたの精神は既に破壊され、そしてその肉体も又崩壊していくのですけれど、ね?」
年齢にそぐわぬ妖艶な笑みを浮かべ、魅夜はそう垓王牙に告げるのであった。
●竜の力を宿せし少女
少女は其の竜の情報を目にし、気付けばグリモア猟兵に戦場への転移を願っていた。
朧気な記憶。過去(トラウマ)と似ている気がする威容……。
嘗ての対邪神組織での戦い、目の前で仲間を喪った記憶が彼女の脳裏に過る……。
(とても、こわいけど……)
「この敵に立ち向かわなかったら私は一生、戦えない気が、したから―――」
だからこそ、少女、ヒスイ・カトラリー(サイボーグのヴィジランテ・f16892)は眼前の敵、垓王牙と闘う為に戦場に立っている。
今までの猟兵との闘いによって垓王牙は数多の傷を負っている。
だが、其の凶悪な迄の圧は喪われていない。
『―――――――!』
ヒスイ、そしてもう一人の猟兵、魅夜の姿を観止めた垓王牙は己の背負いし火口から焔の竜を呼び出し魅夜に差し向け、無事な方の足を溶岩へと変え、ヒスイを屠ろうと仕掛ける。
(動きを確り見て攻撃を凌いで……)
負傷の度合いが酷い事もあって垓王牙の動きは僅かに鈍っているのでヒスイもどうにか凌げているが其れでも幾つか小さくはない傷を負っている。
(一瞬でも隙があれば封印を解けるのに……!
今の私にできるのはそれだけ、だし…それさえ、出来れば……!)
ヒスイは溶岩流の動きを見切り避けていくが垓王牙は執拗に彼女を攻撃し続け彼女の奥の手を使う隙を与えようとしない。
そんな時であった。
『―――――――――――!!』
「此れは……!今なら
……!!」
鮮血の胡蝶が垓王牙を襲い、ヒスイへの攻撃の手が緩まったのである。
そして、其の隙を見逃す程、ヒスイは甘くはなかった。
「『竜因子開放』、変身―――!』
その言葉と共に彼女の体は完全戦闘形態へと変貌する。
其の背には焔の羽が、そして籠手や足甲は竜の手足の様な姿に変貌していく。
そして、垓王牙によって放たれる溶岩から跳躍。
「此れ、なら―――戦える!」
『――――――――――――――!!』
垓王牙を見据えると、背から噴出し続ける焔の翼で大空を駆け向かっていく。
それを止める為、垓王牙は溶岩流を差し向けるが其のスピードは凄まじくとらえきる事すら難しく、そも彼女を守るオーラの盾が垓王牙の溶岩流を寄せ付けない。
封印を解いた彼女の、其の力は余りにも圧倒的すぎる力であった。
『―――――――!!』
「私も、猟兵だから!此の世界を守ってみせる!」
せめて一人だけでも屠らんと最後の足掻きとばかりに己の体全てを溶岩流へと変え、ヒスイに襲い掛かる垓王牙の攻撃を己が結晶化した鋭い爪で打ち払い、腕に生えた刃を以って薙ぎ払って防ぎきる。
「見つけた……!此れを砕けば―――!」
その強化された感覚を頼りにヒスイは己に放たれる攻撃を防ぎ砕きながら本来は口であった所から体内へと入り、その奥へ。
脈動する『何か』を見出す。
『――――――――――――!!』
『何か』はヒスイを排除せんと垓王牙の姿へと変貌し周囲を溶岩流へと変えて彼女に襲い掛かるが、ヒスイは其れを物ともしない。
ただ『何か』に一直線に突き進み全力で拳を放ち…『何か』、垓王牙の焔炉を打ち砕いた。
『――――――――――――――――――――――――――――――――――
!!!!!!!』
垓王牙の核たる焔炉は打ち砕かれ、原始の災害、天災の化身は完全に倒れ伏す。
数多の猟兵達の積み重ねた戦い、それが齎した勝利であった―――。
大成功
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