帝竜戦役㉑〜其は王たる牙。ガイオウガ!~
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「皆さん!竜退治と行きましょう!」
己の本体である剣を抱き抱えながら、シェーン・キララ("伝説の勇者の剣"のヤドリガミ・f18023)がキラキラした目で見上げてきた。
説明しよう!
アックス&ウィザーズのオブリビオン・フォーミュラ「帝竜ヴァルギリオス」は『帝竜』と呼ばれる強力な幹部配下を『再孵化』した。
しかし各幹部も復活したてでまだ軍備を整え切れていない。
今この時こそ、配下からの邪魔を受けずに直接幹部である「帝竜」を倒しに行く事が出来る。
「今回相手取って頂きたいのは、赤熱する火山に住まう「燃え盛る獣の帝竜」『帝竜ガイオウガ』となります!」
火山と同等の巨体を誇る、煮えたぎる溶岩の如き帝竜であり、その全身からは溶岩と『炎の獣』が放たれ、踏みしめた大地を活発化させるまさに燃える大地そのものが敵となっているようなオブリビオンである。
「ガイオウガはその巨体、そして凄まじいエネルギーを有しているが故に、【必ず先制攻撃してきます】!」
こちらが使うユーベルコードに対して、必ずそれより先に攻撃してくるのだ。
それは防御の術や補助の術等でも同じだろう。対策もなくユーベルコードを使おうとしても発動前に攻撃を受けてしまいかねない。
【相手のユーベルコードに対して、どのような手段で防ぎ、そして反撃するのか】それが重要である。
また帝竜の名を冠す程の相手だ。ユーベルコードなしで挑む事や複数のユーベルコードを発動するのも難しく、巨体と数多くの炎の獣が配下にいるため、奇襲や狙撃も難しい。
「しかし!こちらにも勝機があります!……それはこちらが用意しているユーベルコードによって相手のユーベルコードが決まる事です。そこを上手く活用してください」」
ガイオウガは巨体と炎やマグマを用いたユーベルコードを使ってくるが、それは猟兵側が使うユーベルコードの種類(POW、SPD、WIZ)に対応したものを使ってくる。
【相手のユーベルコードに対して、どのような手段で防ぎ、そして反撃するのか】それが重要である。
「気炎万丈。相手が火山のドラゴンであっても、燃え上がる炎のようにこちらも気力を燃え上がらせて、立ち向かいましょう!」
あ、ところで竜退治したらこの剣抜いてみませんか?と言いながら、シェーンは火山地帯へと背景を変えるのだった。
ナイン高橋
ナイン高橋です。
純戦、帝竜戦は燃えますねって言ってたら物理的に燃えてる敵が来ちゃいましたね!
『ガイオウガ』は、【必ず先制攻撃してきます】!
工夫がない限りは、防御の術や事前のユーベルコード発動なんかも間に合いません。
先制攻撃で一発KOとまではいきませんが、先に攻撃を許すとかなり戦況が悪くなるのは間違いありません。
【どう防ぎ、どう反撃するか】が重要となります。
それではご参加お待ちしております。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「帝竜戦役」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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この依頼では、基づく行動をすると有利になる特別なプレイングボーナスがあります。
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プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』。
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
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第1章 ボス戦
『帝竜ガイオウガ』
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POW : 垓王牙炎弾
【全身の火口から吹き出す火山弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【『炎の獣』に変身する】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 垓王牙溶岩流
自身の身体部位ひとつを【大地を消滅させる程の超高熱溶岩流】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ : 垓王牙炎操
レベル×1個の【ガイオウガに似た竜の姿】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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シズホ・トヒソズマ
何故でしょうね…帝竜なんだから当然なんですが、アイツを逃した場合に物凄い嫌な予感がするんですよね…ま、女の勘、という事にしておきましょう
転移前に自身の本体や装備に耐熱加工の◆武器改造
大地を流れる溶岩流はシュヴェラの重力制御◆空中浮遊で高度を取り回避
上空へ伸びて来たり、こちらに向けて放射された場合はクロスリベルで移動力を強化しての飛行逃げに徹しUC発動時間を稼ぎます(◆逃げ足)
敵上空でUC、宝石災魔の力を使用
『青の首』に敵の首から下をコピーさせその巨大質量を上から落とし
更にシュヴェラの◆重力光線で重量も増して押し潰します
流石にこれだけ形成すると反動も強いですがそれでもコイツはここで倒します!
ビスマス・テルマール
●POW
『激痛耐性』と『火炎耐性』で備え低空で『空中戦』『ダッシュ』で駆け
『第六感』で敵のUCや炎の獣の攻撃を『見切り』つつ『属性攻撃(火除け味噌)』と『オーラ防御』を込めた実体『残像』をばら蒔き
火の炎上の燃え広がりや攻撃を阻みつつ回避
※とあるお寺の火事を味噌で消し逸話もあり味噌も炎等に有効
隙見て『早業』でUCを攻撃力重視発動
【蒼鉛式火除け味噌ビーム砲】を『一斉発射』の『砲撃』と併用し
炎の獣ごと『範囲攻撃』で『制圧射撃』し
『残像』で撹乱しつつ『ダッシュ』し
『鎧無視攻撃』と『怪力』と『重量攻撃』込めた【ご当地キック用ビスマスブレード】で
火除け味噌キックを敵にお見舞いを
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
アリス・セカンドカラー
女禍戦では肉体がボトルネックであったからその枷を外し(封印を解く)、魂のリミッター解除。要は幽体離脱し肉体はベースに預けておく。
霊体でもこのLVなら焼かれるだろう。熱エネルギーを盗み攻撃で捕食し略奪し吸収属性攻撃でリソースとして吸収(魔力溜め)し、吸収する端からオーラ防御へとリソースを回して各種耐性を強化。限界突破した継戦能力による耐久力と回復力で耐えるわ。
成る程、巨大過ぎて変化しきれないと?ならば、星辰界に精神を分離させてそちらを男の娘化させておいしく料理してエナジーを捕食し生命力吸収するわ。
精神を分離する(封印を解く)ことで肉体は一時的にでも無防備になる……といいなぁ(気絶攻撃/マヒ攻撃)
天道・あや
竜退治!それはロマン!竜退治!それは未来の為!よーし、やりますか!気力よし!情熱よし!やる気よし!いざ!クエスト!
っと!まずはあっちのターン!おっと、炎が、ガイオウそっくりに!?っとと、襲ってきた!?っとと!?とりあえず、動きを読んで、ガントレットでガード!(見切り、激痛耐性、火炎耐性)
よし!何とか炎に動きになれてきたかも、それじゃ、今度はこっちのターン!
UC発動!皆!悪いけど、ちょっとその炎の足止め、お願いします!
そしてあたしはドリームスター号に移動して、船長!大砲の準備出来てるよね!
よし!それじゃあたしは大砲の中に入って、目標!ガイオウガ!発射!
拳を突き出して、突撃!【鎧砕き、属性攻撃雷】
アウレリア・フルブライト
彼我の距離未だ遠くとも感じられるこの熱気…!まさに火山そのものの威容ですわね。
なればその炎よりも尚熱きこの闘志にて挑むと致しましょう!
【ダッシュ】し真っ直ぐガイオウガのもとへ突撃。
上空に注意を払い、火炎弾を【第六感】も併用して弾道を【見切り】、かわしながら疾走継続。
現れる炎の獣は懐に潜り込んだりフェイントをかけたりしてかわし、とにかく足を止めないようにして進行。
ユーベルコードが使用可能になれば、ギリギリまで引きつけたところに激震脚を繰り出し一掃を試みます。
ガイオウガの懐まで飛び込めたら、【怪力】を乗せた【鎧砕き】の拳を【限界突破】の全力で叩き込みますわ!
ゴッド・ゴッダー
ほほう!よもやこのような場所で垓王牙に会おうとはのう!
何故垓王牙を知って居るかじゃと?全知全能の神に知らぬ事などないのだ!
こやつの炎が相手なら、流石のワシも万が一ヤケドくらいは負えるやもしれぬ。
だが、神を畏れぬその態度が気に入らんな!よってここに神罰を下す!
まずはワシの威厳を以て一喝し萎縮させよう!
そのような弱気の炎では、ワシのスーパーなボディを焼く事など出来ぬわ!
次はこちらの番じゃな!神の轟雷で反撃といこう!
手加減はするゆえ安心せい!
ただし大ヤケドは覚悟する事じゃ!お主のお株を奪うようで悪いがな!!
黒城・魅夜
王の牙ですか
大きく出ましたね、ふふ
では私も名乗りましょう、魔性の牙持つダンピールとね
とはいえ無数の龍炎は確かに厄介
見切りや残像・第六感を駆使しますがかわしきれはしないでしょう
おそらく私は傷つき血塗れとなりますが
オーラ防御で致命打さえ防げればそれでいい
ふふ、この我が傷こそが私の逆転への一手です
数には数
私の胡蝶の舞をお見せしましょう
あらゆる環境、そう、この炎熱地獄にも適応する胡蝶をね
……ところで、あなたが今戦っているのは誰ですか?
ふふ、大切なヴァルギリオスに逆らっているのではありませんか?
ええ、それは悪夢――あなたの魂を引き裂く悪夢
同時にその肉体も我が胡蝶の鱗粉により侵食され崩壊していくのです
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「何故でしょうね…帝竜なんだから当然なんですが、アイツを逃した場合に物凄い嫌な予感がするんですよね」
シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)はテレポートしてくると遠くに見える山のような存在に目を向ける。
未だ遠い、しかし巨体故に視認できる帝竜ガイオウガ。
全てを灼き尽くし、あらゆる生命の存在を許さぬ、圧倒的な炎。
その熱気が、圧が、未だそれ程近くまで辿り着いてはいないはずのシズホの元まで届く。
「……ま、女の勘、という事にしておきましょう」
自然と出る汗をぬぐい、シズホは敵を見据え、駆け出し始める!
『グオオオオ!!!』
するとガイオウガの巨体の尻尾が溶けていく……!
「垓王牙溶岩流ですね!」
それはガイオウガのユーベルコード。身体の部位を【大地を消滅させる程の超高熱溶岩流】に変異させ、その特性を活かした様々な行動を行う技。
例え身体の部位一つと言えど、ガイオウガの巨躯ではその質量は桁違い!
「シュヴェラ!重力制御!」
シズホは"推定"からくり人形の一体を呼び出す。
「……シュヴェラ?」
呼び出す……呼び出しをしてみるが、出て来ない。
ふふふ、シズホよ。何故"推定"からくり人形なのかわかるだろうか。
こちらは確かにプレイングに記載がなくても装備欄におっ!いいな!と思えた装備品やユーベルコードは積極的に採用してしまうMSだが、だがそれはあくまでもステータス上に存在すればの話。
プレイングに記載があっても、装備品にもユーベルコードにもその固有名詞が存在しないものは登場させられないからである!
申し訳ないのですが、装備品は判定に使うステータスにシステム的に補整を与えるし、もしユーベルコードだったとしてもOPで複数のユーベルコードを発動するのも難しいって事前告知してあるのでー、アウトっ!
からくり人形なんじゃないかなー?と思ったのは過去の流れだ!っていうか確か前にも使ってた記憶ある!
「あーっクロスリベルもいないです!」
今回、シズホが連れてきたからくり人形は3機。『ヴァジラ姫』『大帝巫』『デザイア・キメラ』のみである。
「ええーっ、ど、どうしましょうこれ」
耐熱コーティングだけはしっかりやってきたシズホはしかし持ってこれていない装備はどうしようもなく判断に困る。
だが、安心して欲しい。
ここには他にも猟兵はいるのだ!
「はっ!貴方はっ!?」
「ほほう!よもやこのような場所で垓王牙に会おうとはのう!」
シズホが見上げるのは丘の高い所を陣取ったゴッド・ゴッダー(ゴッデスト・f20871)であった!
神様は大体高いところがお好き!
「え、貴方はガイオウガを知っているのですか?」
「何故に垓王牙を知って居るかじゃと?ほざけ、全知全能の神に知らぬ事などないのだ!」
あ、はい。予兆をご覧になったのですね。
「こやつの炎が相手なら、流石のワシも万が一ヤケドくらいは負えるやもしれぬ」
見据えるガイゴウガがこっちの姿に気付き、なんか口の辺りが炎で光った。
「だが、神を畏れぬその態度が気に入らんな!よってここに神罰を下す!」
ゴッドの身体から神気が稲妻を伴って噴出する。
多くの力を縛りし神が今ここにその真の力の一片を垣間見せようとしていた!
「まずはワシの威厳を以て一喝し萎縮させ……ん?」
そして威勢よく喋っていたゴッドの真上にガイオウガの垓王牙炎弾が降ってきた。
ドゴーン!
ゴッドぉぉぉ
!!!???
ユーベルコードの対策はぁぁぁ!?
まさかのスーパーボディ(自分から弱体化させてる)(特に技能ともない)で対処し切るつもりだったんですかーっ
!!!???
「おじーさーーーん!」
『ま、流石に死んではいないでしょ』
ふわりとアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)が精身体の状態で現れる。
猟兵は基本的には命の危機があればグリモアの力で無理矢理グリモアベースにサルベージするし、そうなれば即死でもなければ真の姿を開放してしまえば傷は全快する。
今戦っている最中のこの戦闘中に復帰できるかは別にして、命にまで関わる事は現状では考えにくい。
『因みに私は幽体離脱でグリモアベースに肉体は置いてきたから死ぬことはまずないわ!』
他の帝竜戦で肉体がボトルネックとなったアリスは対策を取ってきたのだった。
なおこの判定は恐らく依頼によっては肉体はグリモアベースに置いて来れないかもしれない時があるので注意してね!
「彼我の距離未だ遠くとも感じられるこの熱気……!まさに火山そのものの威容ですわね」
アウレリア・フルブライト(輝くは黄金の闘志・f25694)も既にゴッドが倒された事を華麗にスルーして燃え滾る闘志に火をつける。
「なればその炎よりも尚熱きこの闘志にて挑むと致しましょう!」
そしてまずは近づかんとダッシュで走り始める。
「気を付けて下さい。火炎弾が『炎の獣』になってきます!」
クロマグロ型水陸両用鎧装オーマグロを装着したビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)が並走しながら声をかける。
見れば、ゴッドが押しつぶされた火山弾の一部が分離・変化し、様々な動物の形をした『炎の獣』となって猟兵たちへ襲い掛かってくる。
「属性カートリッジ:火除け味噌! とあるお寺の火事を味噌で消し逸話もある、蒼鉛式火除け味噌ビーム砲!」
ビスマスの範囲制圧砲撃が炎の獣を消火しようと襲い掛かる!
「あのガイオウガに挑もうとしているのですから、この程度の敵にてこずってなど、いられませんわっ!」
アウレリアは決して減速する事なく、懐に潜り込んだりフェイントをかけたりしてかわし、とにかく前に出続ける。
「むむっ!皆さん、ガイオウガに動きがあります!」
見ればガイオウガはさらに炎を噴出。
その炎が小さなガイオウガになって襲いかかってくる。
「竜退治!それはロマン!竜退治!それは未来の為!」
踊るように前に出てきたのは天道・あや(未来照らす一番星!・f12190)。
元気はつらつに炎の獣と竜を相手どる。
「よーし、やりますか!気力よし!情熱よし!やる気よし!いざ!クエスト!」
飛び掛かってきた炎の竜を気が付いたら枕元にあったというガンドレットでガード!
「っと!まずはあっちのターンだったね!ガイオウそっくり!」
熱さに耐えながらも身軽な身体を生かしてジャンプ&キック!
「よし!何とか炎に動きになれてきたかも、それじゃ、今度はこっちのターン!」
飛び蹴りした勢いで後退しながらあやは一匹倒しただけでもう学習。
ユーベルコードを起動する
「楽器よし!衣装よし!……あたし達のやる気よし!それじゃ……ライブスタート!」
楽器やライブ衣装で武装した夢や希望を思い出して未来(前)へと進むの幽霊船が、地響きを立てながら地面からせり上がってくる!「チーム結成!チーム名は『Dreamship』!(ユメトキボウミチアフレルウミヘフタタビ)!船長!大砲の準備出来てるよね!」
幽体船に乗り込むあやに無言のままにサムズアップする船長の霊。
どうやら大技を仕掛けにいくようだ。
「皆!悪いけど、ちょっとその炎の足止め、お願いします!」
『面白そうだし手伝うわよ』
精身体としてやってきたアリスは足止めをかってでる。
『やっぱり霊体だろうと、ガイオウガの炎じゃ焼かれちゃうし……食べても食べても相手の力が大き過ぎて減らないし巨大過ぎて変化しきれないのよね』
自然現象そのものとも言えるガイオウガのエネルギーはアリス一人でどうにかするにはやはり比重が違い過ぎる。
相手自身が暴走などを引きおこして制御下におけていない訳でもないのだ。より力の差がはっきりと出てしまう。
『でもそれなら……分離した炎の方を男の娘化させておいしく料理してあげるわ♪』
そしてアリスは吸収したエナジーを利用して恐るべきユーベルコードを起動する。
『黄昏時に『真なる夜』は到来す。メタモルフォーゼ☆魔少女ジェニュインデモン♡秘密の『夜』のダンスで昇天させてあげる♪』
宝石型メガリスの変身バンクを使用する事で、寄生触手マーラ様を生やした、自身の身長の3倍の星辰界を具現化する『真なる夜』に変身。
マーラ様パワーによってビビビっと炎の獣や小型ガイオウガの炎の竜がその身体を無理矢理に男の娘化されていく!
『突然身体が変化したらそれだけで混乱して動かし方も分からないでしょ?』
ガイオウガの分身体である炎の獣や炎の竜が炎に包まれた半獣半人のような姿になる!
なお大事な所は毛が生えているので見えません!あの角がある!
「ナ、ナンダ、コレハ……?」
「イヤ、知ッテイル。知ッテイルゾ」
『あら?』
だが何故か炎の獣たち。最初こそ戸惑うそぶりを見せてはいたが、人型に突然姿を変えられたはずなのにそのまま戦闘を続行し始める。
生粋の獣ではないのだ。どこかに人型での動きを共有しているタネがあるのかもしれない。
「いえ、無数の龍炎は確かに厄介でしたから」
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)はそれでもこれぞ好機と出る。
「ガイオウガ……王の牙ですか。大きく出ましたね、ふふ」
竜の炎を元にした男の娘の炎を受けながらも魅夜は最低限のオーラ防御のままに歩みを進める。
「ふふ、この我が傷こそが私の逆転への一手」
そして魅夜の足元より、胡蝶が舞う。
「では私も名乗りましょう、魔性の牙持つダンピールとね」
彼女の傷より流れいでし真っ赤な血が、真紅の胡蝶となり戦場を舞い始める。
「数には数。私の胡蝶の舞をお見せしましょう」
「ナニ、コノヨウナ虫、燃ヤシテ、クレヨウ、ゾ」
男の娘化した竜の炎が魅夜の胡蝶を焼き払おうと火を吹く。
「私の胡蝶はあらゆる環境に対応する……あらゆる環境、そう、この炎熱地獄にも適応する胡蝶をね」
しかし炎が過ぎ去ったあとには変わらぬ姿で羽ばたく胡蝶が真紅の輝きを増していた。
「それだけではありません…………ところで、あなたが今戦っているのは誰ですか?」
魅夜の言葉は周りにいる男の娘化した炎の獣と竜の耳に響く。
「ふふ、大切なヴァルギリオスに逆らっているのではありませんか?」
「ナ、馬鹿ナ……」
「コレハ、何ヲ、シタ……」
魅夜のユーベルコード。びの日、最期に舞うもの、紅き翅(ドゥームズデイ・オブ・エターナルレッド)。
それは悪夢を見せ精神を破壊する真紅の胡蝶を呼び出すユーベルコード。
獣でも竜でもなく、人の形をとった故に、その権能が相手に作用し始まる。
「ええ、それは悪夢――あなたの魂を引き裂く悪夢。同時にその肉体も我が胡蝶の鱗粉により侵食され崩壊していくのです」
「アアアアア……!」
炎の耐性を持ち、人化した炎の獣と竜に悪夢を見せる胡蝶。
戦場は魅夜の魔力に崩れ落ちていく。
「今ですわ!激震脚(ワールドクエイク・ショックウェーブ)」
雑兵の動きが止まったタイミングで、アウレリアは大きく踏み込んだ震脚を繰り出し道を作り出す!
「この隙にいきますよ!」
さらにビスマスと共にガイオウガに向け一気に駆け出す。
だがそれでもガイオウガの身体からは更なる後続の竜の炎がその身から出てくる。
「フゥゥゥゥン
!!!!」
しかしそのタイミングで神の雷と共に、火山弾の下から這い出ていた神がいた。
そう!最初に出オチしたゴッドだ!
「そのような弱気の炎では、ワシのスーパーなボディを焼く事など出来ぬわ!」
この世界に現界するため弱体化させてしまっていたとはいえやはりそこは神っ!
火山弾の炎を己の神気で吹き飛ばすと、天に拳と神剣を掲げながら空中へと浮遊する。
「次はこちらの番じゃな!神の轟雷で反撃といこう!」
呼び出したるは、神の雷。
天空に雷雲が召喚されれば、そこ雲の中に恐るべき力が集約されていく。
「手加減はするゆえ安心せい!ただし大ヤケドは覚悟する事じゃ!お主のお株を奪うようで悪いがな!!」
ゴッドが振り下ろす剣と共に、凄まじい轟音と閃光が雷雲より放たれる!
「天を切り裂き、大地を焼き払う! 神の怒りを思い知るが良い!神の轟雷(ゴッド・サンダー)」
それは別れていた炎の獣たちと、そしてガイオウガ本体へも轟く!
『グオオオオ!!!』
ガイオウガは溶岩と化した尻尾を振り回し噴火させながらのたうち回る。
「くっこんなに暴れられたら」
「近づけません!」
身体の一部とは言え、ガイオウガの巨体が変化した溶岩流はアウレリアとビスマスの接近を阻む!
「ふっふっふーっ!皆、ありがとうね。あや、いきまーす!」
そんなこんなをしている内に召喚していた幽霊船の準備が整った。
あやはなんと幽霊船の大砲に自らをセット!
「あやさん!私もいきます!」
「おっけー、シズホさん!」
いつの間にかヒーローマスクの本体だけになってきたシズホがあやに協力を申し出ると、そのまま装着。
「目標!ガイオウガ!」
これはまさかの人間大砲っ!!?
「拳を突き出して、突撃!」
ドカーン!
「あ、ダメです。溶岩になった尻尾が反撃してきます」
「え、何それ聞いてないよっ!?」
ヒーローマスクの特徴で外部のダメージ……つまりは発射の衝撃や風の影響などをシズホが一身に受けて悦んでいるのをええ……と間近で思っていたあやだったが、ここに来てガイオウガからの反撃は予想していなかった!
超高熱溶岩流の特性を持った尻尾は噴火によって撃ち落とそうとしてマグマを発射してくる!
「いえ、ここは私に任せてください!」
「おお!格好いいシズホさん」
しかしここでシズホ、持ってきたからくり人形を呼び出し強行突破の作戦に出る。
「例えユーベルコードだとしても超高熱溶岩流自体は自然現象!ヴァジラ姫、デザイア・キメラ!」
2体のからくり人形が呼び出されると、お姫様のような見た目の人形が、くるみ割り人形型のミサイルを発射!
自然属性のエネルギーが同じく自然現象を元にした超高熱溶岩流に干渉し、ほんの少しだけ溶岩が到達するのを遅らせる。
「うひゃあっ!?」
「飛びますよ!」
そしてもう一体のツインテール型のからくり人形がバリアを発生させながら背中の翼でシズホとあやを抱えながら飛翔!
「うぉーっ!飛んだーっ!!!」
「でもそこまで長くはもちません!」
興奮してはしゃぐあやにシズホが忠告する通り、溶岩となったガイオウガの身体に触れたからくり人形は急速に燃え始めてしまっている。
「私が、最後のからくり人形と共に相手の動きを封じます!その隙に、とどめを!」
パチン、と空中でヒーローマスクと、あやは別れる。
「まっかせておいてー!」
「『大帝巫』!」
持ってきた最後の1体。『大帝巫』を呼び出したシズホはユーベルコードをからくり人形の中に注ぐ。
「人形が吸いし過去の影、我が身に宿り力となれ。応報を持って因果を制す!幻影装身(アームドオブリビオン・ミラージュ)
それは倒してきたオブリビオンの幻影を出現させ、その能力を自身に纏い行使する大技。
「『青の首』の能力、それは敵の首から下をコピーするちからぁぁぁぁ!!!」
シズホは超巨大なガイオウガの、その大質量の身体をコピー!
飛行能力などないままにそのままガイオウガの真上に落下し押しつぶしにいく!
「ぐぐぐ、流石にこれだけ形成すると反動も強いですがそれでもコイツはここで倒します!」
『グオオオオ!!!』
上から叩きつけられたガイオウガはその質量に押しつぶされる。
本来であれば完全なコピーとも言えない相手。ただ押し負けるなどあり得ないが、今のガイオウガは尻尾を溶岩流に変化させてしまっていた。
質量の差がここに響いてくる。
『グオオオオ!!!』
そうなればガイオウガはユーベルコードの能力を解除し、尻尾を元に戻すと本物のパワーでシズホのコピーした身体を跳ね飛ばす!
「貰ったー!これが今のアタシの想い!受け止められる?どっかーん!」
だがその瞬間、空中から落下してきたあやの雷を纏った拳がガイオウガの頭に突き刺さる!
「フン!小娘よ!ワシの力ももっていけい!」
さらにそこにゴッドの雷雲が神のパワーを追加する。
『グオオオオ!!!』
ガイオウガの顔が大地に向かって落とされる!
「溶岩がなくなれば」
「幾らでも近づけましてよ!」
そしてそこに地上から近づいていたビスマスとアウレリアがガイオウガの懐に飛び込むと、降ってくる顎に向かって跳躍する!
「ご当地キック用ビスマスブレード、スイッチオン!」
「絶対不壊などこの世に有り得なくてよ!」
対火の属性として選んだ味噌の力を籠めた蹴りを。
渾身の力を籠めた拳の連打を。
「火除け味噌キックっ!」
「ストライクインパクト!」
同時に叩き込む!
『グ、ガ、ガガ……』
猟兵たちの度重なる連続攻撃に、遂に、ガイオウガはその身を崩壊させていくのだった。
帝竜ガイオウガ、討伐完了!
大成功
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