2
氷と水の回廊

#アルダワ魔法学園

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アルダワ魔法学園


0





 とぷん。
 揺れる水面を前に、少年少女――アルダワ魔法学園の生徒達は、途方に暮れる。
「装備を整えれば何とか……」
「正確な距離がわからないのに危険じゃないか?」
「道具を取りに戻るにしても、また氷の上歩くんでしょ? 今日はもう無理じゃないかなぁ」
 倒すべき敵は、水で満ち満ちた通路の向こう。彼らの出した結論は、
「……猟兵の皆さんに、お願い出来ないかな」


「マジごめん。寒中水泳頼むわ」
 蒸気が発達してるなら温水にしてくれりゃイイのに、等とぼやきながら二本木・アロは猟兵達に手を合わせた。
「アルダワの地下迷宮でさぁ、『骸の海のダンクルオルテウス』っていう、古代魚っつーの? すっげー顎と牙の魚が暴れてんだ。そいつ倒してきて」
 敵はたったの一体。だが、そこに至るまでの過程が厄介だと言う。
「まずは氷のエリア。壁も床も天井も、ぜーんぶ凍ってる」
 どういった経緯で出来上がった迷宮なのかは不明だが、何故か普通の氷より遥かに滑りやすい。しかも常に風が吹いており、立っているだけでもつるつると何処かに移動してしまう。所々に配置された氷柱に激突しないように注意が必要だ。
「飛行しても風に煽られるから気を付けろよ。で、そのエリアを抜けた先の通路なんだが……水の中だ」
 水没エリアは複雑な迷宮になっているわけではないが、四方から激しく流れ込む水が独特の水流を生み出しており、真っ直ぐ泳ぐ事すら困難だ。また、ほとんどの場所で水が天井に達しており、どうしても潜水する必要がある上、息継ぎが可能なポイントがどの程度の間隔であるのかも不明だ。
「水温も低いから、いくら猟兵でも長丁場になるとキツいぜ。その通路を抜ければ災魔が居る部屋なんだけどさ。そこもちょっと、な」
 古代遺跡の神殿のような造りで、戦闘に差し支えの無い十分な広さがあるが、半分が水没してしまっているという。空中と水中を自在に行き来出来るダンクルオルテウスに有利なフィールドと言えるだろう。
「寒い時期に悪いんだけど、アルダワの生徒さんじゃ無理っつーし、頼むぜ。あ、風邪ひくなよ!」


宮下さつき
 寒い日が続きますが、お風邪など召されていませんでしょうか。宮下です。

●世界
 「アルダワ魔法学園」です。

●判定について
 水着やその他道具を利用する場合は、装備している必要はありません。一般的に入手が困難な物でなければプレイングに書くだけで大丈夫です。
 水棲生物型キマイラの猟兵さんは描写上は泳ぎが得意なものとして扱うかもしれませんが、判定で有利になる事はありません。

●共闘
 お友達とご一緒の際はお相手のお名前、またはグループ名をご記入ください。

 それではよろしくお願い致します。
78




第1章 冒険 『氷上で舞え』

POW   :    障害物など気にせず、破壊しながら進む。

SPD   :    華麗に滑り、障害物を避けていく。

WIZ   :    魔法で滑りを調整したり、滑る向きを調べて障害物を避けながら進む。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

茲乃摘・七曜
心情
生徒さんのお願いですし頑張りましょうか

事前準備
スケート靴
長いロープやザイル等、冬山登山の装備品

風対策
Angels Bitsによる【歌唱】の輪唱で風【属性攻撃】【範囲攻撃】の身体を覆う風の膜を歌い吹き付けてくる風の影響を緩和
寒さが酷い場合は火【属性攻撃】も織り交ぜ凍えないように注意する
氷柱にザイルを撃ち込みロープを張っていくことで後続の仲間の移動の援護
※普通に打ち込めない場合、火【属性攻撃】も併用
「どこまで続くかは分かりませんが着実に進んでいきましょう

移動経路選定
氷の回廊部分は生徒が踏破していることを鑑み痕跡を【追跡】し進む方向を決める
「少し不謹慎ですが、ここまで見事に凍っていると綺麗ですね


綿津見神・禮
今回の戦場は氷に閉ざされた海ですか…ちょっと寒いですね。
道のりがとても厄介です。体力を消費してはオブリビオンとの戦いに影響しかねません、外套をしっかり纏っておきましょう。
「でも、”風邪ひくなよ”なんて、無茶を言いますね。ヒトにはつらい場所でしょうに。」

【溟界の加護】を使用。風の魔力を纏い、風を味方につけて進みます。
更に【空中戦】で氷に触れずに進めればなお良いですね。
味方の体力消耗を避ければ後の戦いも有利になるかもしれません。
ロープの類を調達して、氷柱に巻き付けたり氷柱の間に張ったり。掴まって動けるようにしていきましょう。



「『風邪ひくなよ』なんて、無茶を言いますね。ヒトにはつらい場所でしょうに」
 ひくなと言われても、はいそうですかというわけにはいかない。綿津見神・禮は外套の前を合わせ、ふるりと体を震わせた。
「そこで私達の出番なのでしょう。生徒さんのお願いですし、頑張りましょうか」
 風に攫われそうになり、茲乃摘・七曜はピクチュアハットを目深に被り直す。二人はロープを手に、仲間の安全を確保すべく氷上へ先行した。
「なるほど、これは確かに……寒いですね」
 禮は氷柱の間を泳ぐように移動するが、強い風に煽られて思うように進まない。風の魔力と第六感を頼りに空気の動きを感じれば、どうやら幾本もの太い氷柱によって風の流れが複雑化しているようだ。この風の強さもビル風のようなものだろうか。
「どこまで続くかは分かりませんが、着実に進んでいきましょう」
 かちり。七曜の小ぶりな蒸気機関式拡声器が宙に浮かび、古美色の歯車が回り始める。
「――風を」
 謳い、歌う。艶のある歌声の、繰り返される旋律の調和。風の膜が七曜の肢体を覆い、吹き荒ぶ風から優しく守る。
「『溟海の歌声、海原の加護を、ここに。』」
 禮も後で戦闘を控えている事を見越しつつも、ここで魔力を出し惜しみするより仲間の消耗を割けるべきだと判断した。彼女もまた柔らかな風を纏い、氷柱に叩き付けられぬよう、慎重にロープを引く。
「ここは……」
 七曜が火の魔力で熱した箇所にハーケンを打ち込み、禮がザイルを通す。地道な作業を繰り返す途中、氷柱ではなく氷の壁が現れた。どちらに行くべきかと考えあぐねる禮に、七曜が言う。
「薄くなってはいますが、ここに傷が。自然に付くようなものでもありませんし、恐らく生徒達が通った跡でしょう」
「では、仲間が迷わないように目印をつけましょうか」
 中にはロープを使わずにスピード勝負で挑む猟兵も居るだろう。遠目にもわかるよう、明るい色のカラビナをいくつか下げた。
「それにしても、屋内とは思えませんね。まるで、氷に閉ざされた海のよう」
 少し拓けた場所で、禮がぽつりと呟く。どのくらい厚いのか、何処も彼処も氷に覆われ、人工物らしい物が一切ない。天井が無ければ、地下である事すら忘れそうだ。それでいて探索に明かりを必要としない程度の光量が保たれた、奇妙な空間。
「そうですね。けれど……少し不謹慎ですが、ここまで見事に凍っていると綺麗ですね」
 人工物と自然の共存とでも言うべきか。不思議な光景を前に、七曜は口元に笑みを浮かべた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

フルーネ・フローライト
【行動:SPD】
まぁ相手が魚ならそりゃ陸上にいるわけでもないから一般人には無理だし
かといって放置もよくないので結局行くしかないのが猟兵の辛い所なわけで…

しかも一面氷ともなれば歩くより滑ってった方が早そうなので障害物を避けつつ滑っていこう。強引に突っ込んでって障害物ごと破壊しながら突き進むのも手と思ったが後々の事を考慮すると障害物を破壊していくと弾薬の残りや戦闘前に戦力を削りすぎるからなるべく消耗は避けたいので見た目によらず華麗に滑っていきます


ナタリア・ノエル
【WIZ】
寒いですわね……けれど、寒さ故に気が引き締まるというもの。

まずは風をどうするかですわ。これはむしろ利用したいトコロですけれど……そうだ!

腹ばいになって翼を広げれば、カラダに風を受ける面積を減らしつつ翼で風を受けれますから、風の受け方をわたくし自身の考える通りにできますわ。
そしておっぱいを軸に体重の掛け方を変えることで、翼と併せて加速・減速・そして方向調整が出来るという寸法ですの。おっぱいは変形しますから、体重を氷面にダイレクトに伝えることができる筈ですわ。

ムダな抵抗を減らせるよう競泳水着(UDCアースで買ってきたハイレグ競泳)を着て、あとは寒さに耐える覚悟だけですわ。さ、往きますわ!


セルマ・エンフィールド
【SPD】使用

この寒い時期に……まぁ、風は厄介ですが、氷上は慣れたものです。

スケートブーツの『スライディング』技術で氷を滑走して進みます。ないとは思いますが、凍り付いていないところがあればデリンジャーからの【アイスリンク・バレット】でこちらから凍り付かせて滑っていきます。

もし横風に煽られて氷柱にぶつかりそうになれば『クイックドロウ』技能による【クイックドロウ・四連】で砕きます。

服の下に着て来た水着は『氷結耐性』のある耐寒性の高いものを選びましたし、このくらいの寒さなら問題はないでしょう。



「この寒い時期に……風は厄介ですが、氷上は慣れたものです」
「まぁ、相手が魚ならそりゃ陸上にいるわけでもないから一般人には無理だし、かといって放置もよくないとなれば、結局行くしかないのが猟兵の辛い所なわけで……」
 歩くのが困難ならばいっそ滑ってしまった方が早かろうと、セルマ・エンフィールドとフルーネ・フローライトはスケート靴で氷上に立つ。
「寒いですわね……」
「ええと……寒いんだよね?」
「ええ。ですが、寒さ故に気が引き締まるというもの」
 フルーネが当たり前の事を問うたのも無理はない。ナタリア・ノエルは引き締まった肉体を惜しげもなく晒し、競泳水着で佇んでいたのだ。
「寒さに耐える覚悟は出来てますわ」
 スピードを重視する猟兵達に遅れまいと知略を巡らせた結果、空気抵抗を極限まで減らすという結論に至ったようだ。至極真面目に考えているのだが、少々天然な所があるのは否めない。セルマも水着を着ているが、服の下、それも耐寒性の高い物である。表情にこそ出さないが、ナタリアの出で立ちを見て、寒そうに己をかき抱くような仕草を見せた。
「さ、往きますわ!」
 二人の心配をよそに、ナタリアは腹ばいで氷上を滑るような低空飛行で飛び出す。
「私達も行こう」
「はい」
 続いて、二人も滑り出した。右前方から吹き付ける風にも巧みに重心を調整し、危なげなく氷柱を躱す。その様は、何処となくアイスクロスの競技のようだ。
「目印があるからわかりやすいね」
 先行した猟兵達が張ったであろうロープを視界の端に収めながら、フルーネが呟いた。障害物を破壊しながら強引に進む事も考えなかったわけではないが、やらなくて正解だったと彼女は思う。障害物の数が少ないならまだしも、後々の戦闘を思えば弾薬は温存しておきたい。
 ヒュオオオオオ。突然、真横からの突風が猟兵達を襲った。
 フルーネは咄嗟にロープに手を伸ばす。時速四十キロ以上は軽く出ていたが、機械化された腕の握力を以てしっかと掴んだ。ヒトより大柄な彼女の体躯ですら煽られたのだ、仲間を案じて視線を向ければ、ナタリアは器用に方向を調整しているようだった。
「この風はむしろ利用したいトコロですわ……!」
 彼女は氷に豊かな胸を押し当てて体勢を安定させると、機体をバンクさせるグライダーのように翼を用い、障害物を避けながらも加速した。
 セルマも辛うじて転倒は免れたものの、進行方向にはひと際太い氷柱。勢いを殺せなければ激突という状況でありながら、焦り一つなくデリンジャーを取り出す。
「『種も仕掛けもありません、』」
 一見玩具のようにも見える小型な拳銃では到底歯が立ちそうにないが、四挺をほぼ同時に発射出来るとなれば話が違う。視認出来ないような速度で放たれた弾丸は正確に柱を穿ち、脆いグラスを叩き割るように粉々に砕いた。降り注ぐ破片を銃剣で弾きながら、スライディングで通り抜ける。
「――『ただの早撃ちです』」
 全員が無事に切り抜けた事にフルーネは胸を撫で下ろし、前方を見据えた。この調子であれば、戦力を削られる事なく次のエリアに到達出来るだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ベルリリー・ベルベット
氷って、水晶みたいにキラキラしていてキレイよねぇ。
それにしても、とっても立派なスケートリンク。
持参したスケート靴を履いて、華麗に氷上を舞いましょう。

止まっていると風に煽られてしまうから、氷の上を滑って目的地まで進み続けるわ。
他にも氷を滑る作戦をとる人がいれば、手を繋ぐか、お互いの体をロープで繋ぐかすればもっと風に煽られにくいかしら。

天井の障害物はしゃがむか横に避けて、
地面の障害物は『ジャンプ』で避けるわね。

余裕があったら、フィギュアスケートみたいに回転を加えたジャンプを披露するわ。
さすがにロープで繋いでる場合はしないけれど。
ねぇねぇ。今のジャンプ、何点だった?

◆アドリブや絡み歓迎


ネレム・クロックワーク
歩くのではなくて、最初から滑って移動してみましょう
ベタだけれど、スケート靴に履き替えて、いざ氷の上に
風の強い日は特にね、アイスリンク状態になった地面やツルツルの路面は滑るようにして歩いた方が、危険がないのよ
寒いところにお住まいの方々は、自然とこの歩き方をマスターしているものなのって……今はこんな話している場合ではなかったわね

スケートなんて、何時ぶりかしら
大丈夫、上手に滑ってみせる、わ
スケートは、バランスが特に大事なのよね
滑りながら、最短ルートを目測
氷柱には華麗にターンを決める、わ



「氷って、水晶みたいにキラキラしていてキレイよねぇ」
 ほうと小さく息を吐き、ベルリリー・ベルベットはうっそりとして氷の回廊を見つめた。まるで立派なスケートリンクのよう、と迷宮に挑むというより純粋に楽しみに来たかのような調子で言えば、ネレム・クロックワークもそれに同意する。
「風の強い日は特にね、ツルツルの路面は滑るようにして歩いた方が、危険がないのよ。寒いところにお住まいの方々は、自然とこの歩き方をマスターしているものなの……って、今はこんな話している場合ではなかったわ、ね」
 そう、だからスケート靴持参で来たのは理に適っており、断じて遊びに来たわけではない。
 シャッ、シャッ。小刻みにステップを踏む音と、風の音だけが辺りを支配する。
「スケートなんて、何時ぶりかしら」
 ネレムはスケートなど久しくしていなかったと話すが、感覚は鈍っていないようだ。片足でエッジに乗り、緩やかな弧を描くように障害物の合間を縫う。
「止まったらあらぬ方向に攫われそうね」
 足を止めずに進んでいても、油断すれば風に流されてしまいそうなのだ。いっそロープで繋いでしまえば、より煽られ難くなるだろうかとベルリリーがする中、下から吹き上げるような強い風が吹いた。
「きゃっ」
 人より小柄なネレムの身体が、ぶわりと宙に投げ出された。氷の表面が平坦で無かった為に、運悪くジャンプ台のような働きをしてしまったのだ。ベルリリーは方向転換するなり、前傾姿勢で加速する。ネレムに追い付くなり、氷のこぶを利用して自身も跳んだ。
「手を出して」
 空中で手を捉える事など、軽業師である彼女には造作もない。ネレムの手を握り、社交ダンスでも踊るかのようにくるりと回りながら着地する。
「ねぇねぇ。今のジャンプ、何点だった?」
 少しおどけたように尋ねるベルリリーに、ネレムも破顔した。
「満点、だわ!」
 二人は笑い合うと、手を繋いだまま滑り出す。淡い桑染色と白藍色の長い髪が靡き、氷に覆われた世界に、時折少女特有の声を押し殺したような笑い声がくすくすと響く。
 その様子は、まるで凍った湖の上で戯れる妖精達のようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『水没した通路』

POW   :    体力や肺活量に物を言わせて、泳ぎ切る

SPD   :    乗り物や効率的な泳法を用いて、すばやく泳ぎ切る

WIZ   :    水流を正確に読み、流れに乗って速やかに泳ぎ切る

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 氷の回廊を抜けると、階下へと向かう階段は途中から完全に水没していた。水に手を入れてみれば、散々冷気に晒され続けた後だけに、少し温かいような錯覚に陥る。
 グリモア猟兵の見立てでは、空気が全くないわけではないが、どの程度の間隔で息継ぎの出来る空間が残されているか不明。そして水温は高くなく、水の流れは複雑。ある程度、体力を消耗するのは免れないだろう。
 意を決し、猟兵達は階下へと身を投じた。
綿津見神・禮
氷の後に水中。またもつらい状況ですね。
水が暖かい気がしますが気のせいです。
水は空気よりも熱が伝わりやすいんです、気付けば体が冷え切っていることでしょう、陸の生き物には過酷です。

しかし、これはわたしの力の活かせる場所でもあります
【水泳】には自信があるんです、この鰭と鱗は飾りじゃありません。
【溟海の加護】で水の魔力を纏い、水の抵抗を下げてすいすい泳ぎます

行く先は入り組んでいるみたいです、
【ロープワーク】で紐を括り、引きながら進みましょう。
正解の道を探します。迷った仲間が居たら【救助活動】が必要になるかもしれませんね。

無事水路を越えたら後続の仲間たちのために、火を焚いて待っていましょう。


ナタリア・ノエル
【POW】
ぅぅ……流石に堪えますわね……(先の滑走で姿勢安定に用い、故に芯まで冷え切ってしまった巨乳を揉みほぐし)
けれどまだ第一関門を突破しただけですわ。もう1つ山場を越え、そして巨大な古代魚を打ち倒さなくてはならないのですから。
弱音を吐くのはここまで。ここから先は自分との勝負ですわ……!

小細工は必要ありません、守護者たれと日々積み重ねてきた鍛錬の成果を発揮する時です。

深呼吸し、心身を落ち着けて。
心の中で祈りを捧げましょう(祈り1)。
『主よ、どうか苦難に立ち向かいし我等に加護を』
さぁ、肺いっぱいに息を吸い込んで……意を決して飛び込みますわ!
水中をドルフィンキックで進みますわ、兎に角行ける限り!


茲乃摘・七曜
心情
ほんと見事に水没していますね…一体どこから水が湧き出たのでしょう?

指針:Wiz
Angels Bitsで水【属性攻撃】【範囲攻撃】で水流を作り出し移動する
「個人的な印象ですが…水流の源が出口だったりすることもありますし、そちらを目指してみましょう。

呼吸
風【属性攻撃】【範囲攻撃】で周囲に空気の膜を作る
「作ってもすぐ流されてしまうかもしれませんが挑戦するだけなら大丈夫でしょう…

対水流
水流を作り出す装置などがあれば『流転』で動作停止が出来ないか行動
水の排出口があった場合は土【属性攻撃】【範囲攻撃】(土壁)で塞げないか試行
「うまくいけばラッキーと思いましょう。水圧ってかなり強い力が掛かっていますし…



「ぅぅ……流石に堪えますわね……」
 豊かな胸を競泳水着に押し込み、氷に密着させたのは些か負担が大きかったのかもしれない。冷え切った体を摩りながら、ナタリア・ノエルは溜息混じりに呟いた。
「けれど、弱音を吐くのはここまで。ここから先は自分との勝負ですわ……!」
 最終的にはオブリビオンを撃破しなければならない。己を奮い立たせ、水面を見やる。
(「主よ、どうか苦難に立ち向かいし我等に加護を」)
 吸って、吐いて、大きく吸って。ぱしゃん。ナタリアは吸い込まれるように、階下へと飛び込んだ。

 ごぼごぼと水を蹴る音を聞きながら、綿津見神・禮は少し血の巡りが良くなったように感じたが、すぐにかぶりを振る。
(「水は空気よりも熱が伝わりやすい……気付けば体が冷え切っていることでしょう」)
 陸の生き物には過酷な環境だと何処か客観視していられるのは、彼女が魚のキマイラだからだろうか、それとも自身を強化する溟海の加護の恩恵か。どちらにせよ水中は彼女の領分だ。ゆらり。光沢のある黒い鱗が、時折ソーダライトのように煌いている。
(「ほんと見事に水没していますね……一体どこから水が湧き出たのでしょう?」)
 水属性の範囲攻撃で新たに作り出した水流に乗りながら、禮のやや後ろをついて泳ぐ茲乃摘・七曜は、辺りに視線を巡らせる。
(「個人的な印象ですが……水流の源が出口だったりすることもありますし」)
 ただ何処からか湧いているだけならば、上の階に水が溢れてもおかしくない。排水するにしても、この水量だ。このフロアで水が循環していると仮定するならば、何処かに水流を生み出している装置があるはず――七曜は極めて冷静に分析すると、身振り手振りで禮に行先を提案する。こくり。承知したと頷き、禮は持っていたロープを近くのパイプに固定し、大きな水の流れに逆らうように鰭を動かし始めた。

 一体どれくらいの距離を泳いだだろうか。前から押し寄せてくる水に負けまいと目を見開き、ナタリアはひたすらにドルフィンキックで前へと進む。肺に取り込んだ空気が用を成さなくなるのは時間の問題だが、彼女はその身一つで挑み続けた。幸いにも、先行した仲間の張ってくれたロープで道に迷う心配は無い。
 出口だろうか、周囲より明るい水面が見えたと思ったその時、ひと際強い流れが彼女を襲う。
(「守護者たれと日々積み重ねてきた鍛錬の成果を、今こそ発揮する時……!」)
 薄れそうになる意識を聖者としての矜持だけで保ち、水を掻くナタリアの手を、誰かがしっかりと握った。続いて石造りの床面の一部がせり上がり、水圧が弱まる。
「ぷはっ! はっ、は」
 新鮮な空気を取り込み、咽そうになるナタリアの背を禮が優しく撫ぜた。
「こちらで身体を温めてください」
「た、助かりましたわ……」
 赤々と燃える焚き火に照らされ、ほうと息を吐く。
 ざぱっ。水面から顔を出した七曜は、思案するように顎に手を当てた。
「やはり長くは持たないようですね」
 水から上がり、絹糸のようなしなやかな黒髪を掌で押さえるようにして絞る。
「水流を生み出しているのは恐らくこの扉の向こう……古代魚の居る部屋でしょう。せめて排出口を塞ごうと試みましたが、水圧で壊れてしまいます」
 先程水圧が弱まったのは、七曜が作り上げた土属性の壁に因る効果だ。一時的とはいえ、最後の難関を泳ぎ切るには非常に有効だった。
「大丈夫ですよ。救助活動はわたしにお任せください!」
「頼もしいですわ」
 後続の仲間があまりに遅いようならばいつでも迎えに行くと胸を張る禮に、ナタリアが微笑む。彼女がロープを辿り無事に辿り着いた事こそ、禮と七曜が最適なルートを探り当てた証拠だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
この水流の中、着衣で泳ぐのは自殺行為ですね……仕方ありません。

マスケットは背負い、服を脱ぎ水着になって潜ります。
氷結耐性のある耐寒性の高いものですし、少しはましでしょう。

泳ぎはスカイステッパーの応用で水中を跳ねるように、視界がどの程度かも分かりませんし、息継ぎできる場所や進路は第六感を頼みにしてきましょう。

はぁ……水から上がったらまずは銃の整備ですね……オブリビオンと戦う前にできればいいのですが。


フルーネ・フローライト
【行動:SPD】
こっから先は泳ぎ…いや素潜りか?しないと進めそうにない
ともすると結構な数装備持ってきたのは誤算だったかもしれないから必要最低限にして残りはいったんここに置いておこう。

寒さ自体はまぁ何とかなるとして水の流れが厄介だがここは水の流れを逆に利用して目的の方向に対してあっているときは意図的に流れて体力を温存する方向で泳ぎ切ろう



「こっから先は泳ぎ……いや素潜りか? しないと進めそうにないか……ともすると、結構な数の装備を持ってきたのは誤算だったかもしれない」
 自身の装備を前に、フルーネ・フローライトは独り言ちた。彼女の装備に装飾品の類は一切無く、持参した大型のトランクもそれそのものが武器になる。この後に控える戦いを思えば持って行きたいのはやまやまだが、水の抵抗を考えると全てというわけにはいかなそうだ。
「必要最低限にして、残りはいったんここに置いておこう」
 装備の選別を行うフルーネの隣で、セルマ・エンフィールドも階下を見つめて考え込んだ。
「この水流の中、着衣で泳ぐのは自殺行為ですね……仕方ありません」
 氷のフロアを抜けたとはいえまだ肌寒さは残るが、服の下に着込んでいた水着姿になる。
「氷結耐性のある耐寒性の高いものですし、少しはましでしょう」

 階段を蹴り、水の中へと身を投じる。左右から流れ込む水にもみくちゃにされ、湧昇流のような下からの圧力に体勢を崩されながら、ロープに沿って水を蹴る。水は冷たいが濁りが少なく、比較的視界がクリアな事が救いだった。
(「水の流れる先は……うん、進行方向で間違いない」)
 水流を見極め、フルーネが体の力を抜いた。波間を漂うクラゲのように流されていくが、目的の方向に進んでいるので問題ない。水路を行く中で一番の障害である水流を逆に利用し、とことん体力を温存する構えだ。
(「この辺りでしょうか」)
 不意にセルマが見えない足場を蹴り、急浮上した。空中を蹴るスカイステッパーの応用で、水の中を跳ねるように移動する。
「……はぁっ」
 天井まで数十センチはあるだろうか。第六感を頼りに水面から顔を出した彼女は息継ぎをするのに十分な空気があるのを確認し、水中に居るフルーネに向けて手招きをした。
「ふっ」
 フルーネも顔を出し、深呼吸。ここから先の道は流れに逆らわねばならないようだ。次にいつ休めるかもわからない為、壁を伝うパイプに掴まり、しばしの休息を取る。
「はぁ……水から上がったらまずは銃の整備ですね……オブリビオンと戦う前にできればいいのですが」
「私も」
「やるべき事が多いですね」
「まずはこの通路を越えないとね。正念場だ」
 種類は違えど銃火器を扱う者同士通ずるものがあったのか、互いに視線を合わせるとこくりと頷き、同時に水中へと戻る。
 ――いざ、オブリビオンの下へ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『骸の海のダンクルオルテウス』

POW   :    噛みつき
【噛みつき 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    尾撃
【尾っぽ 】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    影化
【輪郭のぼやけた影 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠秋冬・春子です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 果たして経年劣化でこのような事になるだろうか。所々が朽ちた石造りの床と、折れた石柱が水面から生えている。部屋の面積の半分くらいは水没しているが、戦う為の足場は十分にある。例えるならば、岩礁で戦うようなイメージだろうか。
 その時、凪いだ海のような水面が、ごぼりと音を立てて盛り上がった。
 ――ぎちぎちぎち。異様な形をした牙を鳴らしながら、骸の海のダンクルオルテウスが姿を現した。
フルーネ・フローライト
想定よりも足場はちゃんとあるしまぁ何とか戦えるだろうが…地の利は相手に有利だが見る限り相手に遠距離攻撃手段はなさそうとみたから
ここは遠距離から射撃戦で牽制しつつUCで相手の動きを止めることに専念しその間にどうするべきか対策を練ります


…しかし思ってた以上に魚としては巨大だな


セルマ・エンフィールド
真の姿の片鱗により左目が赤く染まっています

先行してくれた人たちのおかげで体もある程度温まりました。銃の整備も万全とは言えませんが一戦ならば問題ないでしょう。

ここにくるまでよりは随分とマシな地形ですね。

ジャンプ技能で足場を飛び回り移動を。空中にいるときに敵に狙われた場合は【スカイステッパー】で回避し、空中での零距離射撃【氷の狙撃手】で反撃、ジャンプの回数に余裕があるならそのまま空中戦を仕掛けます。人は宙では動けない……とは限りませんよ。

敵が水中に隠れたときはその影を視力で発見および第六感で察知、奇襲を受ける前にスナイパー技能での銃撃でこちらから仕掛けます。



「想定よりも足場はちゃんとあるしまぁ何とか戦えるだろうが……」
「ここにくるまでよりは随分とマシな地形ですよね」
 足場は決して良いとは言えず、足下には巨大な災魔が潜れるだけの深さがある海。それでも水に落ちない限りは体温を奪われる心配がない。
「先行してくれた人たちのおかげで、体もある程度温まりましたし」
 気になる事と言えば銃の整備が万全でない事だが、身体は十全に動く。セルマ・エンフィールドは不規則に配置された飛び石のような足場を渡り、射線を確保する。
「地の利は向こうにあるが、見る限り遠距離攻撃手段は無さそうだ」
 ならばやるべき事は一つ、敵の射程外からの狙撃だ。フルーネ・フローライトの機関砲が、セルマの弾丸と同時に熱線を浴びせた。体表を焼かれ、災魔が水中へと逃れる。
「っ! フルーネさん、後ろです!」
 目ざとく微かに水面を震わせるさざ波を認め、セルマが叫んだ。フルーネが床面を蹴るが早いか、災魔が禍々しい大口を開けて飛び掛かる。その顔面に連続して弾丸を叩き込みながら後方へと跳ぶが、災魔の勢いは衰えない。すかさずセルマが側面から援護射撃を行い、僅かに災魔の軌道を逸らす。
 ドオオォンッ!
 勢い余った災魔が石柱に喰らい付いた。劣化しているとはいえ、それなりに硬度のある石に牙が突き刺さる。
(「この手の古代魚は、異世界でも生態系の頂点に居たらしいけど……思ってた以上の巨大さと咬合力だな」)
 着地したフルーネが発砲すると、災魔は弾丸を叩き落とすように尾びれを振るい、標的をセルマへと変えた。石柱から広い床へ飛び移ろうとしていた彼女の進行方向に回り込み、牙を剥く。
「人は宙では動けない……とは限りませんよ」
 がちり。セルマは身を翻し、災魔は虚空を喰らう。二度、三度と空気を蹴り、災魔より高く跳んだ彼女が、広い頭部に向けて引き金を引いた。
 ゆら、ゆらり。厳めしい怪魚の輪郭が、古い映像のようにぶれる。弾丸は確かに当たったにも関わらず、災魔は怯まず宙を駆けるセルマを追った。
「セルマ! ダンクルオルテウスは……動きに反応してる!」
 セルマは咄嗟に石柱の陰に身を滑り込ませ、凌ぐ。フルーネは災魔の視界に入らぬように接近し、空中に複数の機雷を放った。だが。
「なっ?!」
 普通であれば得体の知れない物を警戒するだろうが、理性を失くした災魔は迷わず浮遊機雷へと攻撃を仕掛ける。機雷が炸裂した。
「グオオォオオオッ!!」
 殺傷力は無い。とはいえこけおどしにはなったようで、錯乱した様子で奇妙な動きを見せている。
「動きを封じるのは、一応……成功か?」
 しかし長くは持つまい。猟兵達は、武器を構え直した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ナタリア・ノエル
さて、カラダも暖まりましたし怪魚討伐開始!ですわ!

どうやら動くモノ相手に見境なく仕掛ける様子。であれば、引きずり出して槍を当てることも可能な筈ですわね……!

槍をフリフリしてやれば、その動きに万能してこちらへ向かってくるかしら。
首尾よく向かってくればこっちのもの!槍を引いて後ろへ下がると見せかけて、逆に懐へ飛び込むカウンター殺方を仕掛けますわ!
そして槍の一撃はただの一撃ではありませんの。【串刺し】そしてドラゴニック・エンド……深々と槍を刺してやったことろへ、さらにドラゴンの一撃!コレで仕留めてみせますわ……!

リスクが大きい作戦ですので、保険に【オーラ防御】をしますわ。あとはもう気力の問題ですわね



「さて、カラダも暖まりましたし怪魚討伐開始! ですわ!」
 光のヴェールに身を包み、ナタリア・ノエルは機雷を爆発させてはのたうつ災魔を睨めつける。凡そ理性とはかけ離れた動きは、どうにも狙いを定め辛い。
「どうやら動くモノ相手に見境なく仕掛ける様子。であれば……」
 ヒュッ、ヒュン。構えた竜騎士の槍の切っ先を、右へ、左へ。黒い靄の中で爛々と輝く目が、槍を追って揺れた。
「オオオ゛ッ!」
 重そうな外見からは想像もつかない速度で、災魔が空を切る。尖った板のような牙を剥き出し、ナタリアへと迫った。
 だが、彼女は退かない。裂帛の気合と共に摺り足で踏み込み、槍を突き出す。
「当て難いなら、当たりに来て頂けば良いのですわ」
 ガギィッ!
 姿形は不確かながら、確かに穂先が胴甲に命中した音と手ごたえを感じ、ナタリアは口の端を上げた。
「これは、ただの一撃ではありませんの」
 影のような怪魚を掻き消すように現れたドラゴンが首を擡げ、喰らい付く。おっとりとした彼女のイメージに似つかわしくない程の暴威。
「……あわよくば、これで仕留められたらと思いましたが」
 恐らく影化さえ無ければ、今の一撃で仕留める事が出来ただろう。とはいえ、超耐久力を得た怪魚に手傷を負わせたのは大きい。

成功 🔵​🔵​🔴​

茲乃摘・七曜
心情
すでに、影化しているのでしたか…

指針
敵の影化が溶けるまで行動を阻害
「このまま攻撃するのは分が悪そうですね
「他の階層より動きやすいのはありがたい限りです

戦闘
初手で機雷に反応し奇妙な動きをしている敵へと『流転』
七曜【陽光、月光、水流、火炎、樹木、貴金、土石】の杭を強化するように
Angels Bitsとの輪唱で【属性攻撃】を【歌唱】
「さて、力比べと参りましょう

誘導
早く動くものに反応する特性を利用し
壊さそうになっている七曜杭の反対側から攻撃を仕掛け誘導
※攻撃は別の七曜杭をからの火炎の矢や貴金属の針等
「幾ら強化されても披露しないというわけではないでしょう?ならば、どちらが先に根を上げるかの勝負ですね



「あれだけの攻撃でも致命傷には至りませんか……このまま攻撃するのは分が悪そうですね」
 ならば影化が解除されるまで時間を稼げば良いと茲乃摘・七曜が取り出したのは、愚者を冠する二挺の拳銃。
「『万物流転。有限が作り出す無限の円環……』」
 次々と撃ち出された弾丸は暴れ回る災魔に追い縋り、一定の距離に達すると急激に弾速を緩めた。災魔の周りを浮遊するように動く様は、まるで衛星のようだ。
「『幽玄たる時間の監獄へようこそ』」
 ガァンッ! それぞれに異なる属性を帯びた七本の杭が、災魔を取り囲むように打ち込まれた。続いて発動した術式が、怪魚の巨体を床面に縫い留める。
「さて、力比べと参りましょう」
 透明感のある、それでいて力強い歌声が響き渡った。半壊した遺跡内の反響と、蒸気機関式拡声器『Angels Bit』を通した歌声とが織り成すハーモニーが、杭に更なる力を与える。
「ガアァアアッ!」
 災魔は己を封じ込める檻を破壊しようと暴れるが、辰星の杭を叩けば熒惑の杭が火炎を放ち、熒惑の杭に噛みつけば太白の杭から煌びやかな針が無数に襲い掛かる。動く物に反応する特性を活かし、七曜は怪魚の動きを見事に制御して見せた。
 挑発的に言い放ち、七曜は蠱惑的な笑みを浮かべる。
「どちらが先に根を上げるかの勝負ですね」

大成功 🔵​🔵​🔵​

綿津見神・禮
出ましたね、骸の海のお魚。空を泳げるのがあなただけだと思わないことです!

あの歯や尾による攻撃は脅威ですが、どちらも間合いの狭いものです。
【空中戦】で対応します、時に【水泳】も使えそうです。
【地形の利用】も手でしょうか。【おびき寄せ】て古代遺跡の残骸に衝突させてしまうのも手かもしれません。
【フェイント】を織り交ぜて攻撃を誘い。【残像】で回避します。

【溟海の加護】で星の指揮刀に雷の魔力を付与。今回は状態異常力を重視します。
【鎧無視攻撃】で刺突、【串刺し】にして、【属性攻撃】、雷の魔力でその身を内から烙きます。いくらオブリビオンでもただじゃ済みませんよ!



 めきりと杭が折れ、ばりばりと封印が砕かれ、ぎちぎちと醜い歯が擦れる耳障りな三重奏が部屋を満たす。揺蕩うように浮かんだ骸の海のダンクルオルテウスの輪郭ははっきりと像を結んでおり、影化が失われた事を物語っていた。根競べは猟兵の勝利だ。
「出ましたね、骸の海のお魚。空を泳げるのがあなただけだと思わないことです!」
 そう気を吐いた綿津見神・禮を底の見えない瞳が捉え、唸りを上げて飛び掛かる。
「追い付けるものなら追い付いてごらんなさい!」
 災魔の攻撃はどれも驚異的な威力を誇るが、間合いに入らなければ良いだけだ。禮は災魔より遥かに小回りの利く体を石柱の間や崩れた石壁の陰、時には水中を潜らせ、災魔を翻弄する。彼女が狭小な空間を通り抜ける度に怪魚は巨体をぶつけ、一向に距離は縮まらない。
 焦燥に駆られた災魔は体を回転させ、遮蔽物である石柱の幾本かを尾撃で叩き折ると、振り抜いた尾の遠心力の勢いそのままに、最短距離で禮へと迫る。
「……それは、残像ですよ?」
 悪戯っぽく笑った禮の姿が掻き消え、勢いを殺し切れなかった災魔が壁に激突した。そこに折れた石柱が殴りつけるように倒れ、災魔を押し潰す。轟音。ダメージにこそならなかったが、身動きの取れない災魔は尾をびちびちと振るばかりだ。
「雷の魔力でその身を内から烙きます。いくらオブリビオンでもただじゃ済みませんよ!」
 頭甲と胴甲の僅かな隙間を軍刀で穿つ。刀身を覆う魔力が鎧のような外皮の内側にある肉を直に焼き、体中を駆け巡る雷は災魔に断末魔を上げさせる暇を与えずに意識を刈り取った。

 重い荷物を落としたような音を立て、厳めしい尾が力なく水面に垂れ下がる。猟兵達の活躍により、氷と水の回廊の主が骸の海へと還っていった瞬間だった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年01月30日


挿絵イラスト