帝竜戦役⑭〜一点突破のギャップアタック
死に包まれた平原に、巨大な骨が転がっている。
かつて帝竜によって絶滅させられたという「古竜」の巨大な骨だ。
さてここに、古竜の骨を身に纏う集団がある。
「早く誰か来ないかな」
「早く殺したいな」
「違うよ氷漬けにするんだよ」
近づく者を氷漬けにするブリザードたちだ。
「誰が来たって殺しちゃおう」
「だって、この古竜の骨があれば、やられっこないもんね」
「古竜の骨をかぶっていれば、安全だもんね」
ブリザードたちは皆古竜の骨を身に纏っており、防御に絶対の自信があるようだった。
冷たいブレスが平原を走る。凍てつく平原には、死が待っていると言わんばかりに。
●帝竜戦役⑭〜一点突破のギャップアタック
「みんな群竜大陸の踏破は進んでるかな」
ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)が皆に呼びかけた。
「今回は死に包まれた平原の予知をしたんだよ」
そこは絶滅した「古竜」の巨大な骨がいまも残る死の平原だという。
「平原にブリザードっていう氷のトカゲたちが巣食っているようなの。古竜の骨を身に纏って、平原に足を踏み入れた人を氷漬けにしちゃうみたい」
古竜の骨を身に纏うとは?
ルビナは説明を続ける。
「この古竜の骨が厄介なんだよね。その骨は『触れたユーベルコードの威力を激減』する効果があるんだよ。だから、ブリザードたちを倒すためには、古竜の骨に触れないよう、工夫して戦う必要があるんだよ」
敵が身につけている『古竜の骨』の隙間を狙う戦い方が必要になるだろう。
「ちなみに、古竜の骨で顔も体も覆われているんだけど、やっぱり関節部分は隙間があるんだよね。あとは、尻尾部分。尻尾の付け根にも隙間があるから、狙って行けると思うよ」
とにかく、古竜の骨の隙間を狙い一撃叩き込むしかないようだ。
「来た人を氷漬けにするって怖いよね。なんとかブリザードの群れを撃破してほしいの。吹雪のブレスはとっても寒そうだけど、とにかく頑張って!」
死に包まれた平原に巣食う敵を一掃してほしい。
ルビナは期待の瞳で猟兵達を見た。
陵かなめ
こんにちは、よろしくお願いします。
『帝竜戦役』の戦争シナリオ、⑭古竜平原での戦いになります。
特別なプレイングボーナスがありますので、これを利用して有利に戦ってください。
このシナリオの特別なプレイングボーナスは、『敵がまとっている「古竜の骨」に触れないよう、隙間を縫う攻撃などの対策を行う』です。
ブリザードたちは触れたユーベルコードの威力を激減する古竜の骨を纏っています。隙間がありますので、「古竜の骨」に触れないよう、隙間を縫う攻撃などを考えてみてください。
なお、この島で手に入れられる財宝は宝物「古竜の骨」になります。
かつて一体の帝竜によって絶滅させられた、叡智ある種族「古竜」の骨ですね。小さな骨片で金貨84枚(84万円)の価値があるそうです。
オープニング公開と同時のプレイング受付開始です。プレイングお待ちしております。
第1章 集団戦
『ブリザード』
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POW : ブリザードクロー
【周囲の気温】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ダイヤモンドダストを放つ超硬質の氷爪】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : ブリザードブレス
【レベル×5本の氷柱を伴う吹雪のブレス】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を氷漬けにして】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : 人質策
【氷漬けにした被害者】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
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一郷・亞衿
ただでさえ寒々しい場所が超寒くなってる……気合い入れて頑張ろう。
『ロケットマン』を使用。効果対象はあたし自身の体だし、発動する分には骨の“威力を激減”する効果の影響はない、と思う。
<殺気>を放って敵の動揺を誘いつつ、愛用の金属バットを担いで不敵に<カウンター>を狙おう。吹雪を<見切り>、<呪詛>を籠めたバットで氷柱を打ち返すって目論み。結構意表を突けるんじゃないかな?
体に無理を強いて流血することになろうとも、周囲が超低温になっていれば勝手に凍って止まるはず。そもそもこんな戦法で戦う以上少なからず負傷するのは<覚悟>の上!
尖った氷柱の軌道を呪詛の力で上手く操って、骨の隙間に致命打叩き込んでやる!
●アイス・カウンター
「ただでさえ寒々しい場所が超寒くなってる……」
ブリザードたちが吐く息で、辺りは冷え冷えとしていた。
一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)は周辺の冷気を感じ、知らず身震いする。
単純に寒い。
だが、と、気を取り直した。
「気合い入れて頑張ろう」
古竜の骨を纏うブリザードの集団が猟兵に気づいたようだ。
「来た来た! あら、あなた素敵なマスクね!」
「ねえ、私たちずっと鑑賞してあげるから、凍って!」
無邪気な笑顔を浮かべて迫って来る。
亞衿はユーベルコード『ロケットマン』を発動させた。
「“私はまだ立っている”──それで終わりか?」
脳内の神経伝達物質の分泌を過剰に促進。自身を超強化して愛用の金属バットを担ぐ。
「で、死にたいのは誰だって?」
先端に括り付けられた灰色の狐の尻尾らしきものが揺れた。
思い切り殺気を放ち、冷ややかな目でブリザードを見る。
一瞬で戦場に戦いの予感が走った。
「そんな、脅しても無駄だよ。この古竜の骨がある限りやられないんだから!」
ブリザードは激しいブレスを吐き出す。
氷柱が混じり、勢いのある攻撃だ。
亞衿は吹雪を避けるよう、回り込んで走り出した。
「逃げられないよ!」
ブリザードは向きを変え、広範囲に吹雪を吐き出す。見れば、大地も岩も、徐々に氷漬けにされ始めているようだ。
「逃げられるなんて、思っちゃいないけどね」
上昇させた反応速度を以て吹雪を回避しながら、ここだという場所で両足を広げ立ち止まる。
激しい風が露出している肌を裂いた。
その激痛に耐えながら亞衿が構えを取る。
見ているのは、吹雪に混じる氷柱。
「そもそもこんな戦法で戦う以上少なからず負傷するのは覚悟の上!」
バットに呪詛を流し込み、狙いをつけて腰を捻った。
「何を――」
「ここだ!!」
先の尖った氷柱を、ダイナミックなフォームで打ち返す。
あっと敵が驚いた時には氷柱が吹雪を逆走し始めた。
亞衿は呪詛の力で氷柱を操る。ピンポイントで狙ったのは、古竜の骨の隙間だった。
「あ、え……?」
見事氷柱が貫通し、貫かれた敵が息絶えた。
続けて何度かバットを振るい、打ち返した氷柱で敵を貫く。
驚いた表情を浮かべながら、数体のブリザードが消えていった。
大成功
🔵🔵🔵
戦場外院・晶
心頭滅却すれば、氷もまた、熱いもの
我が祈りの前には吹雪も涼風
「はじめまして、戦場外院・晶と申します……どうぞよしなに」
人質?転移?……つれない方です
「いざ、いざ、いざ尋常に」
強制的に、真っ向から勝負していただきます
オーラ防御で凍気を凌ぎつつ、尚も前へ
「その立派な爪が自慢のようですが……」
武器にするからこそ、其処に骨は無く、であれば私にとっては裸も同然
【手をつなぐ】
近づく、手をつなぐ、殺す
掛け値無く、そればかりを考える毎日ですとも
「捕まえました」
実践の機会は有り難いものです
怪力とグラップル活かして崩し他の敵との遮蔽にしつつ首をとる
「じっくり楽しみたいですが」
頸椎を愉快に捩って
「後がつかえて……」
●ホールド・ストロングリィ
「心頭滅却すれば、氷もまた、熱いもの」
我が祈りの前には吹雪も涼風と、戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)は静かに微笑みながら戦場をゆっくりと歩いた。
「あなたも氷漬けにされたい?」
「良いよ、氷漬けにしてずっと愛でてあげるね」
「はじめまして、戦場外院・晶と申します……どうぞよしなに」
晶はマイペースを崩さず、丁寧に挨拶を送る。
「それじゃあ、あなたもこうなっちゃうかもね!」
ブリザードがお気に入りの氷漬けを取り出した。
だが晶は特に慌てず小首を傾げる。
「人質? 転移? ……つれない方です」
そして、凍てつく大地を蹴った。
「いざ、いざ、いざ尋常に」
真正面から敵との距離を詰め走る。
「勝負していただきます」
「何なの? 近づかないで!」
ブリザードが冷気を吹き出し牽制した。すべてを凍てつかせるような、突き刺す冷気。
晶は全身にオーラを纏わせこれを凌ぐ。
そして、前へ前へと駆けた。
見据えるのは敵の爪。
「その立派な爪が自慢のようですが……」
武器にするからこそ、古竜の骨を纏うはずもない。むき出しの爪をただただ凝視する。
であれば、晶にとってそれは裸も同然なのだ。
「っ、そんなに近づいても無駄だよ! 古竜の骨がある限り……」
敵の言葉が最後まで終わらぬうちに、ぐんと踏み込みその手を握った。
手をつなぐ。
そして、殺す。
掛け値なく、それだけを考え続けた日々。
晶とブリザードは、確かに手をつないだ。
ただそれだけが、辿り着いた真実。
慌てて振りほどこうとブリザードが身を捩る。
だが、手をつなぐことに関して、晶は譲らない。
「捕まえました」
そして強引に引き寄せ、首を取った。
「は、放せっ!」
「……実践の機会は有り難いものです」
これは日々思い描いた戦いの思い。
静かに微笑みながら晶が腕に力を込めた。
「じっくり楽しみたいですが、後がつかえて……おりますので」
「ぐ、あ、……ぁ」
ブリザードの頸椎をねじ切る。
晶の腕の中で、敵は力を失い崩れ落ちた。
成功
🔵🔵🔴
セルマ・エンフィールド
関節部というと腕に足に……この数を相手にするには少し消極的ですね。
ならば狙うは大きく稼働する部位であり当たれば致命傷になる箇所……首ですね。
あちらは接近戦を挑んでくるでしょうし、射程は不要ですね。デリンジャー2丁を持ち戦闘を。冷気の扱いに長けているのはこちらも同じ。周囲の気温が下がるのもダイヤモンドダストも私には関係ありません。(氷結耐性)
氷爪による物理攻撃は視界内からの攻撃は見切り、視界外からの攻撃は第六感で回避し、カウンターの【砕氷弾】を骨の鎧の首部分の隙間に撃ち込みます。
小型の銃ですが……冷気の技が仇になりましたね。周囲の気温が代償にされている今なら、首から上を吹き飛ばすには十分です。
●アイズ・バレット
「関節部というと腕に足に……この数を相手にするには少し消極的ですね」
セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)は敵の動きを見ながらデリンジャーを2丁手に取った。
それならば、狙うのは大きく稼働する部分が良い。
当たれば致命傷になることを考えると――。
「首ですね」
そう言って駆け出した。
「また来たよ!」
「今度こそ、氷漬けだね!」
ブリザードたちが氷爪を構える。
周辺に冷気が舞い、今にも凍り付きそうな爪だ。
「さあ、凍っちゃえ!」
敵が氷の爪を振り下ろすと、激しいダイヤモンドダストが発生。セルマに襲い掛かってきた。
横薙ぎに氷晶が降りつけて来る。凍り付くとも、鋭く貫かれるとも、恐ろしい氷吹雪だ。
通常ならば、この冷気の中息をするのも難しいだろう。
だがセルマは怯むことなく前へ進んだ。
冷気の扱いに長けているのはこちらも同じということ。
「周囲の気温が下がるのもダイヤモンドダストも私には関係ありません」
氷結への耐性を最大限に活かし、冷たい吹雪をものともせず駆けていく。周囲の気温が下がっても、氷晶が頬を打ち付けても、勢いは止まらない。
「こ、この!」
距離を詰められたブリザードが、焦ったように爪の攻撃を繰り出してきた。超硬質の氷爪は、当たればかなりの殺傷力だと感じられる。
だが――。
「見えています」
セルマが姿勢を低くし進速度を変化させた。
敵の爪を見切り、第六感を頼りに回避する。
駆けながら体勢を変え、セルマがデリンジャーを構えた。
周囲の温度が低ければ低いほど、この弾丸は威力が増す。冷気を振りまく敵には、至極相性が良い。
「撃ち砕きます」
ユーベルコード『砕氷弾』を発動させ、古竜の骨鎧の、首の隙間を狙い撃った。
「……え?」
ブリザードが目を見開く。
弾丸が鎧の隙間を貫通し、周囲の低気温を代償に大爆発を起こした。
あっと思った時には、敵の頭が吹き飛んでいる。
掛け値なしの、致命的な一撃だ。
「小型の銃ですが……冷気の技が仇になりましたね」
頭部を失ったブリザードは、力を無くしその場に崩れ落ちた。
大成功
🔵🔵🔵
ベルンハルト・マッケンゼン
アドリブ、他参加者との絡み大歓迎
「地形利用」で塹壕を布陣、氷雪柄のギリースーツを着込み「迷彩」で待ち構える。
「戦闘知識」から威力減衰より自行動の隠匿性を重視してUC使用、セントリーガンの弾幕を目眩まし的に張る。その砲火の嵐の中、「スナイパー」としてヘカート対物ライフルで骨の隙間を狙撃しつつ塹壕内を徐々に前進。肉薄したら「先制攻撃」のスタングレネードで「目潰し」後、バヨネットを着剣して「ランスチャージ」の白兵突撃、骨の隙間に銃剣を刺し貫く。
SPD
敵のブレスにも臆せず、不敵に笑う。
「こんなもの、か。かつてアイラウでミュラ元帥と共に味わったシュネーシュトゥルムに比べたら、そよ風だぞ。戦術的に…フッ」
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
へーっくしょい!
うう、寒っ!
なんでここだけこんなに寒いんだよ!?
あーあー地面もテカテカに凍っちまって……
これじゃカブに乗ったらスリップ必至だね。
仕方ねぇ、纏うか!
【人機一体・雷】でアーマーとして纏い、
地面に足を付けずに済むように飛びながら攻撃を仕掛けるよ!
動きを確保するために関節に隙間があるのは助かるね。
それなら強化した『念動力』で『グラップル』の真似事もできるだろ。
遠隔で肩と尻尾の付け根を掴むように念動力を制御して、
その場に投げて転ばせる。
凍った地面なら硬さも段違いだろ!
人質を取られたら、アタシも『敵を盾にする』。
伸びた奴を人質にし返すよ!
その隙に追撃してやらぁ!
●イン・ザ・スノウストーム
「へーっくしょい!」
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は両腕で体を抱え周囲を見回した。
「なんでここだけこんなに寒いんだよ!?」
見ると、足元はますます凍り付きテカテカとアイスバーンのようになっているではないか。
寒いはずだ。
「これじゃカブに乗ったらスリップ必至だね」
「確かに普通に進めば、な。だが手段は確保してあるだろう、互いにな」
ベルンハルト・マッケンゼン(黄金炎の傭兵・f01418)は口元に笑みを浮かべ多喜を見る。
多喜は黙って肩をすくめた。それは、肯定の沈黙だ。
「仕方ねぇ、纏うか!」
ユーベルコード『人機一体・雷』を発動させ、宇宙カブをパワードアーマーとして纏った。
「気合入れてくぜ相棒……アタシたちの全力サイキック、見せてやろうじゃねぇか!」
宇宙バイクの機動性と多彩な機能を合わせたパワードアーマーは、いとも容易に体感を軽くする。
その姿を見たベルンハルトは、なるほどと頷きながら周囲に塹壕を掘った。氷雪柄の迷彩を着込み、当然のように塹壕に滑り込む。
多喜はジャンプする準備をしながら声をかけた。
「ベルンハルトさんは、ここで待機なのかい? この寒い中?」
「タイミングを見計らって動くさ。派手に暴れてくれるとありがたい」
「オッケー! それじゃあ、あたしは真っ向から仕掛けるよ!」
互いに戦いの準備ができたところで、多喜が大きくジャンプして敵の前へと躍り出た。
「来たね!」
「さあ、氷漬けにしちゃうよ!」
ブリザードたちは、吹雪を吐き出しながら多喜を見る。
「こんな寒い中、無駄にお喋りしてる暇はないよ!」
多喜はパワードアーマーの処理速度をさらに上げ、最大出力で念動力を発動させた。
「な――」
凍り付いた足場の不利を、飛んで浮くことでカバーしている。力を込めることに何の不安もない。
離れているが、敵の尻尾の付け根を取った。
多喜が腕に力を込めると、まるで直接掴んでいるかのように敵の尻尾がねじられる。
「動きを確保するために関節に隙間があるのは助かるね」
「そんな、古竜の骨で守れない箇所が……」
ブリザードが焦ったような声をあげた。
更に、敵の肩も掴むよう念動力を操作する。
あとは簡単だ。
少しばかり力のバランスを変えてやると、ブリザードの身体が大きく回転して地に打ちつけられた。
「凍った地面なら硬さも段違いだろ!」
「……っ」
転がった敵にとどめを刺そうと追撃する多喜。
その時、別のブリザードが凍り付いた人間を取り出して叫んだ。
「……っ、やめてよね!! この人質がどうなっても知らないよ?」
言いながら、遠くへテレポートしたようだ。
「おっと、そう来るなら――」
多喜が振り上げた拳をいったん下げる。
そして、面白いものを見るように、敵が逃げた先に目をやった。
「この人質がどうなっても知らないよ?」
多喜に攻められたブリザードが人質を抱えてレポートしてきた。
その様子を塹壕の中から見ていたのはベルンハルト。
人質を前面に押し出し、多喜をけん制することしか頭に無いようだ。
これは好都合、と。
「愛してるぜ、タレットーッ!」
ベルンハルトはユーベルコード『Verne S.H.o.T.』を発動させ、ガンタレットを展開。ガトリング連装砲から連射して弾幕を張った。
「え?」
何が起こったのか分からず、ブリザードが振り向く。
「っ、攻撃された? でも、こんな弾、当たらないよ!!」
戦場にばら撒かれた弾丸を見て、急いで吹雪のブレスを吐き出した。
その間、ベルンハルトはただ静かに一点を狙って狙撃の体勢を取る。
狙うはあの骨の隙間だ。
「そこ」
対物ライフルが火を噴いた。
弾丸は正確に敵の骨の隙間を撃ち抜く。
「なっ」
撃ち抜かれた個所が爆ぜ、敵の腕が吹き飛んだ。
「やられるもんか!」
だが敵はまだ立っている。氷柱の混じるブレスを吐き出し、必死に応戦してきた。
その吹雪を見ても、ベルンハルトは何ら臆さない。
「こんなもの、か」
徐々に前進しつつ、タイミングを見計らう。
かつての戦場で味わったシュネーシュトゥルム……吹雪に比べたらそよ風のようなものだ、と。
バヨネットを手に取り、敵に飛び掛かった。
「あ」
「戦術的に……フッ」
骨の隙間に銃剣を突き刺し、もう一つ力を込めて息の根を止めた。
多喜は念動力で敵を地に叩きつけさらに追撃。ベルンハルトは銃剣で確実に仕留めていく。
二人の目標は氷漬けの人間を人質に取ったブリザード。その集団を更に数体撃破して沈めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
緋翠・華乃音
古竜の骨は厄介だが、一発の銃弾が通る隙間さえあれば十分だ。
帝竜と戦う手間に比べれば何も問題無い。
戦法は虚実を織り交ぜた変幻自在の立ち回り。
ヒット&アウェイで少しずつ敵を消耗させる。
優れた五感と直感を生かして見切り、敵の一挙手一投足、視線や重心のブレから行動の予測を立てる。
動きを読み切れば拳銃で古竜の隙間を狙撃。
必要となればコンバットナイフの投擲も行う。
まるで見えない糸に絡めるが如く、緻密に計算立てて戦闘。
●ダンス・オン・ハンズ
ブリザードたちの個体数がかなり減少してきた。
だが敵はまだ吹雪を撒き散らし、近づいてくる者を氷漬けにしようと意気込んでいる。
緋翠・華乃音(終ノ蝶・f03169)はブレスを吐き出し周辺を威嚇する集団を見つめた。
「古竜の骨は厄介だが、一発の銃弾が通る隙間さえあれば十分だ」
あのお粗末な行動も、防御力の高い古竜の骨を纏っているからこそなのだろう。
帝竜と戦う手間に比べれば何も問題無い。
華乃音は迷わず敵の中へ駆けていった。
「また来た!」
「今度こそ、氷漬けにするよ」
ブリザードたちがブレスを吐く。
氷柱の混じった激しい吹雪が辺りを包んだ。
「狙いが甘い」
走るスピードに緩急をつけ、華乃音はその吹雪をやり過ごす。次のブレスが来る前に敵との距離を詰め、小手調べのように牽制の射撃を繰り出した。
「無駄だよ! 古竜の骨があるから、怖くないもんね!」
言葉の通り、古竜の骨が弾丸を弾いて敵を守る。
華乃音は気にする風も無く、いったん飛び退いて距離を取った。
更に何度か撃ち合う。
「どうしてっ! 凍らないの!」
何度目かの敵のブレス。
華乃音はステップして回避し、体を捻って敵に狙いを定めた。
ブリザードが華乃音を追うように近づいてくる。
だがすでに行動のパターンは読めた。
あの足の運びなら次の攻撃は爪での牽制だろう。位置取りを考えても、関節を守る余裕は無いはず。弾丸を凍り付かせるようなブレスを吐く間はない。
全て華乃音の予測の範囲だ。
「これで終わりだ」
ユーベルコード『流転の鈴』を発動し、研ぎ澄ました感性で古竜の骨の隙間に弾丸を叩き込む。
真っすぐ飛んだ弾丸が貫通し、敵の足が吹き飛んだ。
「あ、え?」
突然の狙撃にブリザードが呆然とその場に崩れ落ちた。
「なに! やらせないよ!」
近くにいた敵が数体、倒れたブリザードに集まって来る。
「それも織り込み済みだ」
華乃音は翅のように軽いコンバットナイフを素早く投擲し、次々にブリザードたちを仕留めた。
投げて隙間を貫けるような位置に敵が集まっていたから。
それを見越して最初の一体を崩したのだ。
華乃音が服についた砂ぼこりを払う。狙う敵は、全て崩れ落ちた。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
闇に紛れて忍び足と罠使い…戦場にデストラップで網を作る。
鎧の外からの拘束で動きを止める算段だ。
設置前に気づかれたら戦闘中に無理矢理糸を張るぜ
「可愛いお顔が隠れる酷い鎧だ。これがお洒落だぜ」
可愛い魔女帽被ってアピール
アークウィンドを振るってつむじ風でブレスを武器受け。
風の力で逸らしてやる
「ファイアストーム!」
妖魔解放発動。
魔女の魂を霊着。
炎属性衝撃波を噴射し地形の氷を溶かして足場確保。
高速移動でブレスから逃げ罠へおびき寄せ
拘束したら鎧の隙間に手を当てて「蜥蜴の黒焼き」と囁き。
惨いことはせず兜を脱がして噛みついて吸血・生命力吸収で吸精と魂喰いだ。
罠に掛かった娘全員この身に宿すよ
鎧は換金目当てに確保
●コールド・ブラッド
仲間の猟兵達が戦っている間、四王天・燦(月夜の翼・f04448)は闇に紛れてトラップを設置していた。忍び足を使い、目立たぬよう罠を張り巡らせる。
ひと通り準備が整ったところで魔女の帽子を取り出した。帽子をかぶり、ブリザードたちから十分に見える場所に立つ。
「可愛いお顔が隠れる酷い鎧だ。これがお洒落だぜ」
そう言って、敵が纏う古竜の骨を指さした。
「この古竜の骨が欲しいの? あげないよ!」
「その帽子が気に入ってるのなら、氷漬けにして永遠に保存してあげるね!」
ブリザードたちはそう言うと一斉に吹雪を吐き出す。
燦は肩をすくめアークウィンドを構えた。
「確かに、勢いある吹雪だぜ」
アークウィンドからつむじ風が巻き起こる。吹雪が風に流されて軌道を変えた。
二回、三回とつむじ風で吹雪を受け流した後、燦はブリザードたちに向かって駆け出す。
「魂の奥底に宿りし魔の者よ、この身を依り代に顕現せよ」
走りながら詠唱し、ユーベルコード『妖魔解放』を発動。魔女の魂を霊着させた。
周辺は冷気により凍り付いている。滑らぬよう走るのはやや難しい。
ならばと。
「ファイアストーム!」
燦は炎属性の衝撃波を放った。すると見る間に足元の氷が解けていく。放射状に広がる足場を頼りに、さらに走る速度を上げた。
「もっともっと、凍らせてあげるよ!」
ブリザードたちが息を吐き出す。
鋭いブレスを何とか回避しながら、燦はひたすら高速移動を繰り返した。
「この! 待て!」
吹雪は勢いを失わず、溶けた氷の足場が再び氷始める。
勢いづいたブリザードが燦を追い近づいてきた。
瞬間。
燦の設置したトラップが発動。
ブリザードたちを絡め取るように拘束した。
「なにこれ!!」
「くそ、ほどけない!」
暴れれば暴れるほど、罠が身体に絡みつく。
やがて数体のブリザードは身動きが取れなくなってしまった。
「いくら防御力が高い鎧でも、拘束されたら動けないものだぜ?」
燦は身を捩る敵を掴んだ。
「蜥蜴の黒焼き」
古竜の骨の隙間に手を入れ、一部を引き剥がす。
「そ――」
そして露出した個所に噛みついた。
だらりとブリザードの腕が下がる。
魂を全て喰らい尽くすように、燦は敵の血をすすっていた。
大成功
🔵🔵🔵
伊美砂・アクアノート
【SPD 短刀法選・八天斬】
寒いのは苦手なんだけど…。いや、ようやく春めいて額に汗するような気候になってきたというのに、また極寒の冬に戻されるのは勘弁していただきたく…!
寒さに震え、指先が凍えつつ、頑張って早く終わらせよう。【地形の利用、拠点防御】で、少しでも吹雪が避けれそうな大地の窪地か起伏に体を伏せるよ。 【スナイパー、投擲、視力、援護射撃】で他のヒトの支援として銃の射撃や暗器の投擲を敢行。この火力支援は、そこまで厳密に狙わずにスキを作れればいいや、くらいの気持ちで撃つよ。 相手さんが、オレを邪魔だと排除に接近してきたら【見切り、早業】で骨鎧の隙間に鉈を振るうよ。…悪いね、遠近両用なのさ。
城島・侑士
アドリブ・共闘◎
竜の骨で着飾るトカゲとかなかなか滑稽だな
だがここはお前達の遊び場じゃないんだ
一匹残らず消えてもらうぞ
巨大な骨がまだ戦場に残ってるなら丁度いい
闇に紛れるで骨の影に身を潜ませ死角から接近
此方に気付かれる前に骨の隙間を狙ってUCを放つ
UCがヒットしたら周囲のトカゲが此方に気付いて接近してくる前に素早くその場を離脱
骨の影に隠れながら次の狙撃ポイントを探して移動する
なるべく見つからずに攻撃して敵の数を減らしていきたいところだがそう上手くはいかないかもしれない
トカゲと接触したら
先ずはオーラ防御でブリザードブレスの直撃を防ぐ
氷像になるのはごめんだぜ
あとはスナイパー技能で骨の隙間を狙い攻撃する
●アイス・スナイパー
ブリザードたちの吐くブレスで、周辺はすでに凍り付いている。
だが個体数が減ってきているのも事実。
あと一息で全て撃破できるだろう。
伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)は震えて凍り付きそうな指をトリガーにかけた。
今は吹雪を避けるように、見つけた窪みに伏せて射撃の体勢を取っている。
「いや、ようやく春めいて額に汗するような気候になってきたというのに、また極寒の冬に戻されるのは勘弁していただきたく……!」
寒いのは苦手だ。
吐き出す息が白い。
集団で行動していたブリザードたちの姿が疎らになり、一体一体を確実に落とす必要がある。
様々な考えと共に敵の配置場所を確認していると、他にも動く影を見つけた。
戦場に転がる巨大な骨の陰に潜む城島・侑士(怪談文士・f18993)の姿だ。
「近づこうとしてるなら、支援できそう?」
伊美砂は侑士の動きに合わせるように狙いをつける。
「竜の骨で着飾るトカゲとかなかなか滑稽だな」
巨大な骨から様子を窺い、侑士が独り言ちた。
残る敵の数は少ない。
一体一体を確実に仕留め、一匹残らず消えてもらうのが良いだろう。
侑士は敵の配置を確認し、巨大な骨の陰から蔭へ体を滑り込ませた。
「まだ近くにいるかも!」
「それなら全部凍らせちゃおうよ!」
ブリザードたちも周辺を警戒している。
だが侑士の姿は死角になっているようでまだ見つかっていない。
「ここはお前達の遊び場じゃないんだ」
仕掛けるなら今だとアサルトライフルを構え、侑士はユーベルコード『ヴァルカンの鉄槌』を発動させた。
「大丈夫だ、一瞬で終わらせる」
敵はまだこちらに気づいていない。それならこの一撃は、ほぼ狙った部位に命中するはず。
確信に近い感触があった。
乾いた音と共に銃口から弾丸が飛ぶ。それは真っ直ぐ狙い通りに飛んでいき、骨の隙間を貫いた。
「え……?」
ブリザードが驚きの声をあげる。
貫かれた個所が爆ぜ、次の瞬間には倒れ伏せた。
「狙撃! どこから?」
「あっちかも!」
残ったブリザードが一斉に弾丸の発射元へと動く。
「動いたね、それじゃあ支援だ」
伊美砂が動いた敵を射撃する。
仕留めなくても問題はない。仲間が移動する間を稼げばよいと考えた。
続けて二度、援護射撃。
「あの辺からも、弾が飛んできたよ!」
「当たっても古竜の骨が防いでくれるもん!」
混乱したブリザードが散り散りに走り出す。
敵を分断するように、伊美砂は右へ左へと射撃を繰り返した。
「ちょっとつついただけだが、効果はあったようで何より」
敵の動きは良く見えている。
自分に向かってきたのは二体。
これだけ射撃を重ねたら、ある程度の居場所は割れるが問題はなかった。
「あそこだよ!」
「そんな遠くからの弾なんて当たらないもんね」
凍えるようなブレスを吐き出しながら、ブリザードが飛び掛かってきた。
近接戦闘なら利があると思われたのだろうか。
伊美砂はすぐに持っていた銃を捨て蛤刃の鉈を手におさめる。
「一本の短刀は、三尺八寸の大太刀よりも速い」
ユーベルコード『刀法選・八天斬』を発動させると、瞬く間に敵に飛び掛かり骨鎧の隙間を狙って鉈を振り下ろした。
刃が古竜の骨の隙間に食い込み、敵を叩き斬る。
「あ……?」
「……悪いね、遠近両用なのさ」
鉈を引き抜き、近くにいたもう一体も同様に斬り捨てる。
「そ、ん、な……」
信じられないという表情を浮かべ、ブリザードが崩れ落ちた。
伊美砂の援護射撃もあり、侑士は再び巨大な骨の陰から敵を撃ち抜いた。
「これで二体、援護は助かるな」
「見つけた!」
ようやく侑士の姿を見つけたブリザードが駆けて来る。
あれが最後の一体だ。
「全部全部、凍っちゃえ!」
遠くから激しい吹雪のブレスを吐き出し、氷柱で攻撃を仕掛けてきた。
「氷像になるのはごめんだぜ」
侑士は全身をオーラで覆いブレスの直撃を防ぐ。
ピリピリと、まるで皮膚が焼けるような感覚。あまりに寒いのだろう。
だが動ける。侑士はしっかりと敵の様子を確認した。
敵は最大限の息を吐き出すのに夢中になっている。
それなら狙い撃つだけ。
腕に力を込めて、射撃体勢を取る。
「これでラスト、狙いは決まってるぜ」
射撃技術を総動員し、引き金を引いた。
狙いは骨の隙間。
弾丸は吹雪を切り裂くように飛び、敵の喉元を貫いた。
ひゅうひゅうと、敵の口から息が漏れる。
吹雪が止み、敵の身体は崩れて消えていった。
全てのブリザードを撃破し、いっとき静けさが戻る。
残ったのはいくつもの古竜の骨。財宝が欲しい者はそれを拾った。
凍り付いた地が溶けていく。この場を凍らせる吹雪は、もう無い。
大成功
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