帝竜戦役⑭〜小さき暗殺者たち
「どうもお疲れ様です。
帝竜戦役も、そろそろ中盤戦というところでしょうか……皆さん、ここが踏ん張りどころです、頑張りましょう。」
グリモアベースに集まった猟兵達へ、ゆったりと鼓舞するように話すアト。
やがてその手のグリモアが輝くと、巨大な古竜の骨が転がる平原が映し出された。
「今回、皆さんに行ってもらいたいのは、この原っぱです。
この地に転がる巨大な骨は、かつてこの地を支配していた者たちの成れの果て、というところですね。
皆さんも、ベルセルクドラゴンは知っていると思います。
彼が一人で滅ぼした結果が、この平野なのだという話です。
ふふ、今回はそのドラゴンと戦うわけではないので、安心してください。
ただ……もしかしたら、もっと厄介かもしれませんが。」
そう言って画面を切り替えると、巨大な骨と草むらの間に隠れる、フェアリーと思しき人影が映る。
感情の起伏の乏しい目つきで、周囲を油断なく見回していた。
「今回の相手は、この子達です。
かつて攫われ、暗殺者として育てられてしまった、フェアリーの成れの果てです。
ここに現れる人を無差別に殺して回る、暗殺者となってしまっています。
皆さんの手で止めてください、よろしくお願いします。」
そう言った時、フェアリー達の胸元や肩などに小さな骨の飾りが揺れているのが映る。
「私が厄介といった理由は、この骨です。
ただでさえ、身を隠すことに長けた暗殺者であるフェアリー達ですが、この骨は触れたユーベルコードを大幅に弱体化させます。
この子達がいる範囲を焼き払う……というような攻撃では、倒すことはまずできないでしょう。
対策を考えてください、よろしくお願いします。」
ヨグ
ヨグです、戦争シナリオ第4弾です。
暗殺妖精たちを見つけ出し、倒してください。
なお、このシナリオでは以下の行動にプレイングボーナスが付き、財宝が手に入る可能性があります。
財宝の入手は任意です、欲しい方はプレイングにて指定してください。
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プレイングボーナス……敵がまとっている「古竜の骨」に触れないよう、隙間を縫う攻撃などの対策を行う。
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※この戦場で手に入れられる財宝
宝物「古竜の骨」……かつて一体の帝竜によって絶滅させられた、叡智ある種族「古竜」の骨です。ユーベルコードを弱める効果を持ち、小さな骨片で金貨84枚(84万円)の価値があります。
第1章 集団戦
『暗殺妖精』
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POW : スキルオーバーリミット「妖精暗殺術」
【気配を猟兵に感じさせない状態】に変形し、自身の【暗殺実行後の生存率】を代償に、自身の【「暗殺」の技能レベル】を強化する。
SPD : 暗殺技能・魔法罠即席設計
いま戦っている対象に有効な【魔法で作成したトラップ】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 暗殺技能・虚構群衆召喚
戦闘力のない、レベル×1体の【二乗の数までの現地人・生物を模したデコイ】を召喚する。応援や助言、技能「【群衆偽装】」を使った支援をしてくれる。
👑7
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伊美砂・アクアノート
【SPD 結界糸・無風陣】
ーーー来るなら来なさい。私は此処よ? トラップに関しては、『罠使い、見切り、第六感、視力、聞き耳、忍び足』で警戒して進む。悪いね、これでも本職シーフなんだ。
身体が小さいというコトだから、大道芸セットからジャグリングメテオを取り出し、振り回して牽制するね。相手が一定圏内に入ってきたら、『無風陣、早業、だまし討ち、フェイント』…極細のガラス糸で捕縛。そのまま骨鎧の隙間に糸を通して切断。……悪いな同業者。お互いに業が深いもんだと諦めてくれ。 なおも接敵されたら、ロープダートを撃ち出し、散弾銃を撃って後退。一旦、仕切り直してから蜘蛛糸を張るよ。……さあ、来るといい暗殺者。
黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
徹底的な隠密行動をする。
自身は存在感を消し目立たないように闇に紛れ物陰に身をひそめる。
隙を見て柳葉飛刀の投擲で暗殺攻撃を乗せたUC無射を使用、骨の隙間を狙う。
標的が小さく、古龍の骨を纏っていても飛刀は長距離を飛ばせるほど薄い刃物だ。狙えれば通すのはたやすい。
場所を特定されない様、場所を移動し同様に攻撃を繰り返す。
相手の攻撃は第六感による見切りで回避を試みるが、回避しきれないものは黒鵺で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らってしまうものはオーラ防御で軽減、かつ激痛耐性で戦闘継続。
古龍の骨
ペンダントトップにできそうな小さめの牙か爪希望
セルマ・エンフィールド
……視線と気配は感じますが、場所までは掴めませんね。
場所がここでなければ【絶対氷域】で周囲一帯を凍り付かせるだけですが……仕方がありませんか。
罠を避けるのは苦手ではないのは幸いですね。
【絶望の福音】の予知めいた第六感で罠を察知し回避しながら索敵します。罠はこちらの行動に合わせてすぐに対応を変えるのは難しいですし、これならばかかることはないでしょう。
そして……罠の場所が分かれば、その後の追撃のために潜む場所も予想がつきます。私も似たようなことをしたことがあるので。
罠の位置から敵の位置を推測、敵を発見したらデリンジャーを『クイックドロウ』、『スナイパー』の技術で骨の合間を縫って弾丸を撃ちこみます。
リミティア・スカイクラッド
身を隠すのに長けたフェアリーにUC封じの遺骨
この上ないほど暗殺向きの組み合わせですね
……それが当人の喜びかどうかは分かりませんが
何が仕掛けられているか分からない魔法のトラップ
なら、こちらは試行回数を増やして対抗しましょう
UCを発動して時間をループさせ、罠のパターンを把握
同時に敵がどこに潜んでいるのか「情報収集」します
把握が完了したら、わざと罠にかかったフリをして油断させ
敵が近付いてきたら「封印を解く」要領でトラップの魔法を解除
不意をついての宝石剣の一太刀で仕留めます
リムはまだ殺されるわけにはいかないので
あなたたちも、もうお休みください
古竜の骨は拾っていきましょう
売る気はないですが、供養のために
大きな骨の転がる原野に降り立った猟兵達。
「……視線と気配は感じますが、場所までは掴めませんね。」
隠れる妖精たちを見つけようと、油断なく視線をめぐらす、セルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)。
しかし、サバイバルガンナーであるセルマの眼でも、今は敵の影も捕えることができていなかった。
「皆さんも、油断しないようにしてください。」
「ええ、そうね。それにしても、」
言葉を受けて、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は、隠れているフェアリーに思いを巡らせていた。
「身を隠すのに長けたフェアリーに、UC封じの遺骨……この上ないほど暗殺向きの組み合わせですね。」
「本当だな。できるなら、まともにやり合うべきじゃない。」
右手に刀、左手にナイフを構えながら呟く、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)。
「奴らが出てくるのを待つかい?」
「暗殺者が姿を現す時といいますと……俺達を確実に殺すときじゃねえか。」
丁寧に考えを口にしたと思えば、荒い言葉を続けたのは、伊美砂・アクアノート(さいはての水香・f00329)。
中に住まう人格たちの自己主張に押されつつも、思考はまとまっている。
「だが、のう……それも一つの手です。」
伊美砂が一歩を踏み出した時、静かにセルマの言葉が響く。
「……気を付けて、かなりの数の罠が仕掛けられてますよ。」
「わぁってる、わぁってるよ……これでも本職はシーフでございまして。」
そんなやり取りの間……猟兵達は、周囲の気配が動くのを感じた。
「来ます。」
セルマがそう告げた時、黒鵺はその姿をどこかへと隠していた。
どこへ……? と考えが頭に浮かんだとき、ヒュンヒュンと紐の音が響く。
「……来るなら来なさい。私は此処よ?」
伊美砂が手にして振り回しているのは、大道芸で使うジャグリングメテオ……一本の紐の両端に重りをつけたもの。
まとわりつく殺気に、周囲の空気が張り詰めた。
「きゃっ!?」
……急に、リミティアが声をあげる。
踏み出した草むらの中、魔法の蔓が足に絡み付いたようだ。
そして、気配が動く……皆の背後に。
「かかりましたね。」
「……つっ!?」
罠にかかったはずのリミティアが横に動き、手にした宝石剣で首元に現れたフェアリーを貫いていた。
何度も時を戻し、仕掛けられた罠を把握したリミティアは……わざと罠にかかり、油断を誘っていたのだった。
理解さえできれば、罠である蔦を解くのは容易い。
「リムはまだ殺されるわけにはいかないので。あなたたちも、もうお休みください。」
貫かれたフェアリーが塵へと変わるのを見ながら、呟いていた。
「……悪いな、同業者。」
「ひぅっ!」
伊美砂が振り回していたジャグリングメテオの外……小さなナイフを投擲しようとした姿のまま、身動きの取れなくなったフェアリーがいた。
拘束しているのは、伊美砂の指につながる極細のガラス糸。
「お互いに業が深いもんだと、諦めてくれ。」
片手でジャグリングメテオを回し、反対の手を握り込むと……ことりと、小さな首が落ちる。
「……じゃあな。」
「罠の場所は、解っています。」
姿を現したフェアリーのナイフが首元へと振られた時……セルマは、その身を躊躇なく前へと投げ出す。
本来の罠を巧みに避けつつ、スカートの下のデリンジャーを引き抜き、
「そして……相手が罠を警戒しているなら、そこに現れることも。」
「がっ……!」
瞬時に狙いを合わせて引き金を抜く。
銃弾は骨飾りの間を抜け、撃たれたフェアリーはそのまま原野に落ちていった。
「……かつての私なら、そうしました。」
フェアリーの一体が、草むらの中から相手を探していた時、
「俺を探しているのか?」
「くっ!?」
突然背後に現れた黒鵺へと、手にしたナイフを投げつけた。
しかし、所詮は意識の外から現れた者への咄嗟の行動……容易く、黒鵺の左手の黒いナイフで弾かれ、
「あ……ぐ。」
その時にはすでに投げられていた、柳の葉に似たナイフに腹を貫かれていた。
「先に見つけたのが俺だった、それだけだ。」
地に落ちる前に刀に斬られ……フェアリーは塵と化していた。
「悪いな。」
皆が動いた後、周囲から浴びせられていた殺気は消えていた。
「どうやら、おわったようですね。」
「ああ、そのようだ……お疲れさまであります。」
警戒を解くセルマに、伊美砂は笑みで返していた。
「……これが、古龍の骨か。」
黒鵺が塵の中から摘まみ上げたのは、牙の先を首飾りにしていたモノ。
フェアリーのサイズに合わせて作られている、小さいものだった。
「不思議な力があるようですね。」
リミティアも、自身の宝石剣に引っかかっていた肩飾りを手にしていた。
こちらは爪だろうか、歪に尖ったもので。
「……供養、してあげましょう。」
「ええ、それがいいと思います。」
そうして、猟兵達は帰路へとついたのだった。
大成功
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一郷・亞衿
狙い辛い上に範囲攻撃もし辛いし、個々の対応が必要……なら、アレかな。
『ヘイトフル・エイト』を発動。
個々の敵が向けてきた負の感情を<呪詛>に変じて、各々に<カウンター>。召喚されるデコイ含めて一掃を狙うよ。
応援や助言をするならデコイも意思を持ってそうに思えるし、オブリビオンに味方する奴らが猟兵に対して敵意抱いていないはずも無いしね。
呪詛は無防備な七孔とかから体内に侵入するから、敵が体表を骨で守ってても関係ない、と思う。
倒しきれなかったら……一発までなら[ブードゥー人形]で耐えられるし、妖精が近づいてきたら金属バットでぶん殴ろう。
純粋な物理打撃なら、骨の効果で威力減衰させられない──と、いいなあ。
ツェリスカ・ディートリッヒ
【POW】
隠密に加え、ユーベルコードの相殺とはな。
この妖精たちが考えた作戦なのかは知らぬが、なかなか上手くやるではないか。
とはいえ、気配を消されるのは厄介だ。
加えて、妖精のいる範囲を焼き払うような攻撃では倒せない。
だが、それでいい……あえて焼き払う!
我が切り札『覇界断章・煌炎葬歌』を発動。
周囲の空間全てを範囲攻撃、黄金の炎で焼き尽くす。
これで敵の位置は手に取るように分かろう。
いくら気配を消そうが、炎が打ち消される場所に敵はいる!
「エッケザックスの栞」を大剣形態に変えて空中浮遊、
ダッシュで距離を詰めて首飾りに直接当てぬよう叩き斬る。
伊達に熔熱界の主を名乗ってはいないと奴らに教えてやるとしよう!
霧島・絶奈
◆心情
面白い財宝ですね
可能な限り回収しておきましょう
◆行動
デコイ諸共殲滅します
何れかの【範囲攻撃】が有効打を与えるでしょう
【罠使い】のお技能を活かし【目立たない】様に「魔法で敵を識別するサーモバリック爆薬」を複数設置
仮に損自体は軽微でも、【衝撃波】で狂わされた五感では真面に戦う事はもう不可能です
私自身も『涅槃寂静』にて【範囲攻撃】する「死」属性の「砂嵐」を行使
防げるのは「骨に当たったユーベルコード」
故に粒子の集合体である砂嵐ならば、触れない部分の威力は軽減されない筈です
私自身も【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し追撃
負傷は各種耐性と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
「隠密に加え、ユーベルコードの相殺とはな。この妖精たちが考えた作戦なのかは知らぬが、なかなか上手くやるではないか。」
平原を見渡しながら言い放つのは、ツェリスカ・ディートリッヒ(熔熱界の主・f06873)。
響き渡る声は、姿は見えないフェアリーたちに向けての宣戦布告を意図したものだ。
「でも、狙い辛い上に範囲攻撃もし辛いし……個々の対応が必要だよ?」
どうするの? という視線を向ける、マスク女子の一郷・亞衿(奇譚綴り・f00351)。
ふと周囲を見渡せば、フェアリーらしき人影が浮かび上がっていた。
「ふふ……確かに、そう考えるのが自然でしょう。」
こちらはフードの下で含み笑いを浮かべながら呟く、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)。
「失礼、目を閉じて耳を塞いでいてください。」
「……え?」
疑問符を浮かべながらも一郷がそれに従うと、途端に爆風と閃光が巻き起こる。
仕掛けられたサーモバリック爆弾……化学反応で生み出される爆風に、辺りのフェアリーたちはまとめて吹き飛ばされていた。
「ですが、そこであえて範囲攻撃をするというのも、また一興……ユーベルコードでなければいいのですから。」
「無茶するね……。」
「ふははは! だが、その考えは嫌いではないぞ?」
普通であれば、閃光と爆風に吹き飛ばされては、まともに起き上がれない。
しかし、周囲のフェアリーたちはなおも飛び上がって取り囲もうとするのを見て、ツェリスカは不敵に笑う。
「こ奴らのせいで、倒すべき妖精たちの気配も解らん。しかも、まとめて焼き払おうとも妖精たちには炎は弱められる。」
「うん。」
「……であれば、焼き払おうではないか!」
いうが早いか、ツェリスカの足から溢れる地獄の炎、黄金の炎が周囲に放たれた。
「いや、だからそれ……。」
「まぁまて、言いたいことは解る。見ているがよい。」
一郷の疑問に、ツェリスカはパチリと指を鳴らして炎を消す。
その瞬間、手にした本の栞を黒い大剣へと変えて浮き上がり、何もない原野に浮かんでいたフェアリーへと飛ぶ。
「いくら気配を消そうが、炎が打ち消される場所に敵はいる!」
「ぐ……は!」
骨飾りの間を正確に斬り裂き、暗殺者を仕留めていた。
ツェリスカはさらなる炎を上げ、言い放つ。
「余も伊達に熔熱界の主を名乗ってはいないぞ。さぁ来るがよい! 汝らの居場所さえわかれば、剣の錆びにしてくれよう!」
「なかなかに合理的ですね。」
「うん、あのやり方も良いんじゃないかな。」
残された霧島と一郷の周りに、新たなフェアリーたちが浮かび上がってきた。
その視線から感じるのは、敵意と殺意。
「……その顰め面は、何だ?」
一郷の言葉と共に放たれるのは、向けられたマイナス感情を自身への呪いへと変える言の葉。
見る間に周囲のフェアリーが苦しみ始め、地面に落ち始める。
「お見事です。」
「呪詛なら、無防備な七孔とかから体内に侵入するからね。」
「ふふ、なるほど。骨飾りさえ避ければきちんと効くのであれば……。」
霧島が手を上げれば、巻き起こるのは砂嵐。
「死を与える細かい粒子、これなら飾りなど意味を成しません。」
「う、ぐ……。」
地に這いつくばるフェアリーたちがもがくのをやめる中……その中の一人が最後の力を振り絞り、一郷へとナイフを構えて飛び掛かった。
「えい!」
「がは……。」
……が、明らかに弱った者の動きを補足するのは容易く、一郷の手にした金属バットに叩き落とされて塵と化していた。
周囲からの殺気が消え、原野だった場所は焼き払われて、地面がむき出しになっていた。
「そちらも終わったようだな?」
「うん、大体ね。」
辺りを確認していた一郷のもとへ、戻ってきたツェリスカ。
「ふむ……これですか。」
そして、フェアリーだった塵から骨飾りを拾い上げる霧島。
化石のような骨を加工した物で、見た限りではただの飾りだった。
「ふーん……こんなので、ねぇ?」
「だが、余の炎を受けても燃えぬのは確かだ。」
「ええ、そうです。ふふ……実に興味深いですね。」
骨飾りを見ながら話す声が、原野に響いていた。
大成功
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戦場外院・晶
UCを妨げる骨……
「似たようなモノでよければ、私も出来ますとも」
少しばかり……はしたないですが、そもそも暗殺などと正面から来てくれないのが、つれないのがイケません
「……禁」
私が戦おうと思ったなら、もう、戦うしかないのですよ妖精様方……
そしてやはり、暗殺業には器用さが大切、その手元だけは骨から出していると思っておりましたとも
「……捕らえました」
【手をつなぐ】
磨き抜いた我が技量をもってすれば骨を避けた上でその小さな御手を掴むなど
「……お茶の子さいさい、という訳です」
小さかろうと人形ならば構造も大差はなく、グラップルの要領と、我が満身の握力をもって……瞬く間にバラしてあげましょう
「……ふふ、次の方」
「ユーベルコードを妨げる骨、ですか。」
微笑みを湛えて周囲を見渡すのは、戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)。
辺りには誰もいない平原を歩いていくと、ふわりと浮かび上がるフェアリーたち。
「少しばかり……はしたないですが。似たようなモノでよければ、私も出来ますとも。」
デコイであるフェアリーの影に隠れ、暗殺者は晶の首元へとナイフを、
「……禁。」
「っ!?」
流れるようにその小さな手からナイフを取り上げ、気が付けばそのまま手を繋いでいた。
感情の乏しい暗殺者でも、晶を見上げる顔には恐怖が浮かぶ。
「……捕らえました。」
暗殺者を見下ろす晶の顔は、変わらぬ微笑みを湛えている。
それがさらに、暗殺者の心に恐怖を浮かび上がらせつつも……後ろに下がる事を許さない。
「ふふ、驚きましたか? 我が技量をもってすれば、骨飾りを避けた上でその小さな御手を掴むなど。」
「ふ、ぎっ
……!?」
握る力が一気に強くなり……晶の手の中へと、暗殺者は握り込まれていく。
「……お茶の子さいさい、という訳です。」
満身の力を込めて握られた手からサラサラと零れ落ちるのは、暗殺者だった塵。
尋常ではない晶の握力により、握りつぶされたモノ。
「ふふ……次の方。」
そうして、晶は次の獲物を探す。
変わらぬ微笑みを湛えたままで……動くものがいなくなるまで。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトリア・アイニッヒ
フェアリー…私の知る娘達は、明るく溌剌とした娘が多いのですが。それとはまるで正反対ですね。
…せめてこれ以上、その心を苛む事の無いように。討ち祓わねばなりませんね。
厄介なのは、暗殺に長けた能力と喚び出される群衆。そして古竜の骨。
それらに一挙に対応する為には…。
UC【神威の光剣】を使用。
主へ祈りを捧げ喚び出した光剣を自身の周囲に待機させ、暗殺の為に迫る敵を迎撃します。
光剣の数は、実質無限。多少骨で止められたとて、その内の一本が敵を穿てば私の勝利です。
群衆に対しても、光剣で薙ぎ払う様に対応しましょう。
…無論、私にも相応の消耗はあります。
ですが、それはこの心の闇を祓う代償と思えば。耐えてみせましょう。
ガルディエ・ワールレイド
元々厄介な特性を持つ敵が、古竜の骨を装備して更に厄介になってやがるな。わりと面倒な戦場だ。
◆戦闘
武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流。
敵が小さいから、もう急所を狙うというのは難しいかもしれない。
だから、思いっきり武器を振り抜いて敵を吹き飛ばし、その衝撃をもって敵にダメージを与えるぜ。UCを介さない単純な武器攻撃だ。
勿論、急所を狙えそうな状況でなら狙うが。
敵が潜んでいる可能性が有る状況では、【竜神の裁き】を使用して、全方位を薙ぎ払う。
敵は古竜の骨を装備している……すなわち、範囲攻撃UCが阻害される場所がある筈だ。
そこへ注意を向けて敵の存在をはっきりと知覚するぜ。
「元々厄介な特性を持つ敵が、古竜の骨を装備して更に厄介になってやがるな。」
眼光鋭く、周囲を見渡して呟くのは、ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)
赤く禍々しい文様の入った、魔の武具である剣を手に槍斧を肩に掛けつつ、
「……わりと面倒な戦場だ。」
「ええ、確かに。……それに、」
隣に立つ聖女、ヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)が応えた時、周囲に浮かび上がるのはデコイであるフェアリーたち。
その目に光はなく、まるで幽霊のように濁った瞳を向けてくるのを見まわし、
「フェアリー……私の知る娘達は、明るく溌剌とした娘が多いのですが。それとはまるで正反対ですね。」
「だな……全く、この世界にも救われねえのがいるようだ。」
ため息交じりのガルディエの言葉にヴィクトリアは沈痛な面持ちで頷き、祈るように手を組む。
「……せめてこれ以上、その心を苛む事の無いように。討ち祓わねばなりませんね。」
「ああ、もちろんだ。」
主への祈りを捧げるヴィクトリアを護るようにガルディエが武器を構えた時、フェアリーたちが一気に近づいてきた。
「おっと、てめぇらには指一本触れさせやしねえよ!」
ガルディエの気迫と共に放たれる、赤い雷。
雷に刺し貫かれてデコイたちが動きを止める中、なおも動く人影が二つ。
「あれだな。」
対象の暗殺者の姿を認めた時、周囲に光の剣が無数に浮かび上がる。
主神はヴィクトリアの祈りに応じ、その力を光の剣として差し出したのだ。
「主よ、感謝します……主の威光よ、悪意を祓い給え!」
解き放たれる無数の光の剣。
それらは動きを止めたデコイをまとめて薙ぎ払い、避けた暗殺者の身体も刺し貫く。
「く……あ……!」
一人が腹を貫かれて塵と化す中、残る一人が影から飛び出した。
「やらせねえ!」
「くっ!?」
ガルディエのユーベルコードに頼らない剣技に、暗殺者は手にしたナイフを弾き飛ばされ、
「骸の海に還れ。」
槍斧にその体を貫かれていた。
武器に刻まれた赤い紋様が束の間輝き、暗殺者は塵となって消えていった。
「お疲れ様です。」
「ああ、おつかれ……おっと、」
労いの言葉にガルディエが振り向くと、ヴィクトリアは少しよろめいていた。
すぐに駆け寄り、
「大丈夫か?」
「申し訳ありません、心配させて……大丈夫です、少し力を使いすぎただけで。」
気丈に答えるヴィクトリアに、ほっと胸をなでおろす。
「主の力は、私にはまだ荷が重いようです。」
「それだけ、あいつらを救いたかったってことだろ。……大したもんだぜ。」
ガルディエの気遣いに、ヴィクトリアは微笑みで返していた。
そうして、静かになった平原から猟兵達は去っていく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
月宮・ユイ
※ヤドリガミ
経歴に思う所もあるけれど
「進む為に排除させて頂きます
◇竜騎士団
地にもUC阻害の骨がある為、空飛ぶ船を母艦に召喚。
○呪詛製呪殺弾生成、加え○念動付与し誘導弾化。
スナイパーライフル型『ステラ』
○情報収集+第六感+学習力
高い情報処理能力活かし、
母艦より敵の発見と動き見切り狙い撃つ
距離とり遠距離から射撃○捕食:生命力吸収
竜騎士も銃撃中心。
騎竜に○属性風付与、風操らせ空中戦での飛翔力向上と
風纏わせ護りとしつつ周囲に○破魔の力のせた風吹かせ、
デコイ召喚する力阻害動き妨害する。
骨でUC減衰できようと生憎と弾や風は非UC製
本体を倒せずとも発見の一助にはなるはず
「数には数で対処しましょう
平原に降り立てば、周囲に浮かぶのはデコイたち。
その濁った瞳を見返し、月宮・ユイ(月城・f02933)はふと考える。
(……暗殺者として作り変えられたという経歴に、思う所もあるけれど。)
月宮自身も、元は呪詛を操り解き放つ呪詛兵器。
言わば、人に作り上げられた殺しの道具……。
「ですが……進む為に排除させて頂きます。」
言葉と共に、月宮の内部から音が響く。
身に着けた無限の蛇を模る封珠が共鳴し、内部の保管庫へと繋がった。
「来たれ、竜騎士たちよ。」
途端に、周囲の日の光が遮られる。
月宮の言葉に応え、上空に呼び出された機動戦闘母艦から、騎竜に乗った竜騎士の霊たちが舞い降りてきた。
「数には数で対処しましょう。」
月宮からさらなる共鳴音が響き、竜騎士たちが風を纏っていく。
彼らの機敏な動きと共に、デコイたちを吹き飛ばしかねないほどの風が巻き起こった。
「撃ちなさい、彼らを骸の海へ還しましょう。」
風圧に地に縫い付けられたデコイたちを、竜騎士たちの銃が狙い撃つ。
銃声鳴り響く中、母艦のセンサーは倒すべき暗殺者の場所を、月宮へと伝えてきた。
「……そこですか。」
月宮の手に握られたのは星型の核。
暗殺者が背後に迫った時、視線も向けずに手を向け、
「終わりだ。」
「ぐっ!?」
月宮の手の中で星は瞬時に銃へと変わり、銃声が響く。
ユーベルコードの力に頼らぬ銃弾は、骨飾りの上から暗殺者の胸を貫いた。
そして、暗殺者の身体が塵となって溶けてゆき……辺りのデコイの姿も消える。
「失礼……終わり、ですね。」
共鳴音がおさまり、平原に残されたのは月宮だけだった。
大成功
🔵🔵🔵
シリン・カービン
【SPD】
平原を渡る風にかつての情景を思います。
視界の端を掠める影に注意を払いながら。
古竜の骨の護りは確かに脅威ですが、
普段から移動系のUCをよく使う身には、
気にするものでは無いのかもしれません。
「油断は禁物ですが」
精霊猟刀を両手に構え【シャドウ・ステップ】で加速。
超視力でトラップを捉え、敵が使用法を把握する前に
瞬時に回避または破壊して迫ります。
各個撃破を警戒して数体が複数のトラップを発動させたら、
マントを広げて彼らの視線を遮ります。
その隙に衣服を素早く脱ぎ捨て、
精霊護衣のみの姿で再加速し瞬時に斬り捨てます。
「逃さない。あなた達は、私の獲物」
古竜の骨…
加工すれば護りのアイテムが作れそうですね。
所々に巨獣の骨が転がる平原。
吹き抜ける風も爽やかで……かつて、巨獣の住処として最適だったことは想像に難くない。
「ですが、そこに……殺戮の嵐が吹き荒れてしまったのね。」
帝竜、ベルセルクドラゴン。
ただ一体による、ただの暴力によって……ここにいた巨獣は、殺されてしまった。
「そして今は、ただの平原へと変わってしまった。」
自然と共に生きるエルフである、シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)の口から言葉が漏れる。
この地を支配していた巨獣は骨となり……今はただ、静かな平原となっている。
しかし……草むらに潜むモノからの殺気が、シリンの肌にまとわりつく。
「……油断は禁物ですね。」
両手に精霊の力を宿した狩りで使う猟刀を持ちつつ、油断なく歩みを進める。
時折、草むらの中に潜む違和感……微かな魔力、本来存在しないはずの物、などを素早く猟刀で斬り捨てながら。
いくつかを斬り捨てた時……シリンの周囲から、一気に蜘蛛糸が放たれる。
「仕掛けて来ましたね……ですが、」
バサリと纏っていたマントを広げ、蜘蛛糸へと投げつける。
あとに残されたのは……シリンが纏っていた服だけ。
「どこへ……?」
「ここよ。」
「っ!?」
暗殺者たちのすぐ後ろに、隠すべき場所のみを隠す下着のような鎧を身に着けた姿のシリンがいた。
だが、その姿を目に留めたのは一瞬だけ。
「逃さない。」
言葉だけを残し……時の精霊の力で加速された時の中で、シリンの刃が動かない暗殺者たちを斬り捨てる。
「……あなた達は、私の獲物なの。」
「あ……ぁ……。」
斬られたことも気が付かないまま、その身体は2つに断ち切られ……そのまま塵へと変わっていった。
「これが、古竜の骨……。」
塵の中に、コロリと転がる骨飾り。
指でつまみ上げると、暗殺者たちと結び付けていた革ひもは切れてしまっていた。
「加工すれば、護りのアイテムが作れそうですね。」
かつての支配者の骨を大事に仕舞いつつ、シリンは衣服を整えてその場を去った。
そして、平原はいつもの平穏を取り戻す……。
命を狩る者は消え、ここも新たな生き物たちの住処へと変わっていくのだった。
大成功
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