9
帝竜戦役⑭〜ペロッ……これは成形肉!?

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸


●でもむっちゃ美味しかったらしい
 どうやら決戦の地とは違った、何か奥地に迷い込んでしまったのだろうか。
 そこは龍の墓場ともいえる場所だった。
 帝竜がこの大陸を支配するにあたって、大きな戦いが起こったのだろう。
 そんな死の気配が濃密に漂うはずのこの土地で、しかし私は空腹を激しく促進させる臭いに誘われていた。
 そこには鳥がいた。
 鳥が、見事な鶏肉を焼いていたのである。
 群竜大陸では、どうやら鳥も正気ではいられないらしい。
 かくいう私も、あまりにも食欲を誘う香りに耐えることが出来なかった。
 計算され尽くした食べやすさ、柔らかさ、しかし骨からは鳥とはまた違った風味がしみだしており、普段ならば争い合うはずの異なる旨味が見事な調和を果たしている。
 そうか、古竜の骨を中心とした鳥の成形肉だな、そうだろう!
 罠だとわかったのは一通り平らげてしまったの後である。
 夢中になっていた私は気が付かなかったのだ。その骨からは旨味だけではなく、私の力を奪う成分までもしみだしていたという事に。
 美食の勇者群竜記、第十四章より抜粋。

●とてもきけんなわな
「……食べたい」
 人には、それが罠だとわかっていたとしても飛び込まなければならない時がある。
 惜しむらくはこの予知を感じ取ったウルフシャ・オーゲツ(f00046)自身はその現場へと突撃出来ないという事だろう。
 もしこの予知を他の誰かが感じ取ってしまっていたのなら、おそらく今この場にウルフシャはいなかったはずである。多分この鳥の卑怯な罠にはまって地に沈んでいるはずである。
「説明するとじゃな、このエリアの敵、今回は鳥なんじゃが、それらは様々な形で古竜の骨によって武装しておるのじゃ。そして、その骨の力というのが厄介でのぅ」
 かつて帝竜と闘い、敗れ去っていったという古竜の骨。
 それに猟兵たちが触れてしまうと、その奇跡の力、つまりはユーベルコードを恐ろしく減衰させる効果があるという。そして、この鳥たち、古竜の骨をあろうことか……。
「奴らが手に持って居るチキン、あれが成形肉でな、その肉を支えておるのが古竜の骨なのじゃ」
 恐ろしい武器である。
 この鳥たち、殺人的にまでに漂う香りを蔓延させ、その上積極的に肉を進めてくるらしい。
 あまりにも美味しそうなその肉を食べてしまえばあっという間に『へのへののぷう』になってしまうのだから。
「恐ろしく辛い戦いになると思う、しかし、何とか食欲に耐えてあの鳥たちを倒してしまってほしいのじゃ」
 戦争でさえなければ食べていたかもしれないが、力が減衰してしまえば戦況に影響を及ぼしかねない。
 ウルフシャは涙をこらえ、猟兵たちを戦場へと導くのであった。


しべりあ
 もしこの骨を使った拘束具などを作られてしまえばくっころ待ったなしかもしれません。薄い本が厚くなりますね。
 どうもしょしんしゃのしべりあです。
 チキン食べたい。

 正直ネタ成分は多めです。
 肉を食べようとさえしなければ普通に倒せると思いますが、鳥はあの手この手で肉を食べさせてこようとしますし、その時の誘い文句は本当に肉を食べるとその効果を発揮してしまうほどのすごい肉です。
 胸が豊かになりますよ、だとか身長が伸びますよ、だとか、肌の艶がよくなりますよとか、そんな耳に心地の良いことをささやいてくるのです。
 そしてとても美味しいです。一週間食べても飽きない程の食べやすさでなぜか栄養バランスもばっちりの謎鶏肉です。多分これも古龍の骨の力でしょう。
 ただ、文中にも書いていた通り、この骨、触れたユーベルコードの威力を激減させてしまいます。つまりそんな骨の成分を取り込んでしまえばしばらくユーベルコードが使い物にならないかもしれないのです。
 そもそもこの鳥が持っている肉にもこの骨が使われているのでユーベルコードを肉で叩き落とされるという事も考えられます。
 ……あれ、意外と普通に戦っても厄介かもしれませんね。
 いかにこの骨を回避しながら戦うかは、皆様にかかっております。
 それでは皆様、よい鶏肉ライフを。
131




第1章 集団戦 『ケキリキターキー』

POW   :    フェニックス・リボーン
自身が戦闘で瀕死になると【別のケキリキターキー】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    パーフェクト・ディナー
【パチパチと油のはぜる音】【香辛料の胃を刺激する香り】【鮮やかな彩り】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    フライド・チキンorローストターキーアタック
【武器に超高温の油・衣、または水飴をまぶす】事で【熱々出来立てモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
伊美砂・アクアノート
【SPD オルタナティブ・ダブル】
ーーーニワトリを全滅させてから美味しいチキン(成型肉)を強奪すれば良いのでは? じゅるり、と舌なめずりをしつつ、養鶏場のニワトリを眺めるような冷たい目で暗器を構えます。いや、本気で食べる心算は無いんだが…心が負けて誘惑に負ける可能性もあるので、ユーベルコードによる分身のオレが敵正面、ワタシは後ろで構えるよ。いざとなったら後ろから撃ちますので、誘惑に負けないよう頑張りなさい、私。負けたら撃ちます。
正面のオレが暗器で相対して足止めし、本命はワタシの『スナイパー、視力』で対戦車ピストルによる狙撃。のこのこと戦場に出てきたのが悪かったな…! 飯テロは大罪である…! 



●肉の行方は誰も知らず
「美味しい~お肉は~いかが~です~♪」
 楽し気な歌と共に両手にチキンだかターキーだかを構えたケキリキターキーは今日も絶好調である。
 艶やかでかつ食欲を誘う破壊力抜群のその武器は、特に空腹のものには必殺の一撃となる程の殺傷力を秘めている。
 だが、彼らは忘れていたのだ、人々の欲望とは果てのないものなのだ、と。
 ――ニワトリを全滅させてから美味しいチキン(成型肉)を強奪すれば良いのでは?
 伊美砂・アクアノート(f00329)がその考えに至ってしまったのはケキリキターキーたちにとっては全くの予想外だった。
 しかし、考えれば考えるほどに良い考えな気がしてきた。
 原因である彼らを倒してしまえば特に拠点へと戻ってしまえばユーベルコードの阻害を気にする必要はなくなるし、もしかするとあのケキリキターキー自身も美味しくいただけるかもしれないというおまけまでついてくる。
「いや、本気で食べるつもりはないんだが……」
「なにっ、ボクのお肉が食べられないっていうのかい!?」
 目の前に現れた伊美砂へと向かい、シュバッっと手に持つチキンを構える鶏。
 しかしいま鶏の前にいるのは分身により分かたれた伊美砂の人格の内の一人である。
 もしかすると、伊美砂の人格の中にはチキンが食べたくて仕方ないという誘惑に駆られてしまう者もいたかもしれない。
 しかし、それを見越した伊美砂本人はその匂いが届くことのない遥か後方にて銃を、それも対戦車ピストルという殺意の塊のような銃を構えていたのである。
「良いのかい、このお肉はお酒との相性も抜群だよ。出来立ては至高だけど冷めても柔らかく美味しさを維持できる研究され尽くした……」
「お前の敗因はのこのこと戦場に出てきたことだ」
「な、なにぉー!?」
 これでも戦えるのだ、と手にしたチキンを伊美砂の口内へと叩き込もうとしたオブリビオンだったが、しかし、その伸ばそうとした手はいつまでたっても目的地へと届くことはない。
 しばらくたって体が動かないことにようやく気が付いた時には怒りを目に宿した伊美砂の瞳が彼を見下ろしていた。
「飯テロは大罪である……!」
 判決は下り、銃声と共に放たれた14.5x114mmというのえげつないサイズの弾丸により鶏が弾け飛ぶ。
 悪しきオブリビオンの手元を離れ、宙を舞ったチキンとターキーは、しかし地に落ちることもなく白磁の皿の上にすっと降り立つ。
 そう、これは古龍の骨を回収しただけ。別に肉を食べるつもりはないが、下手に骨に触れるわけにはいかないから仕方がない。
 力尽きた鶏が静かに横たわる姿を背にして、伊美砂は戦場を後にする。
 香ばしい香りを放つ肉の積まれた皿を手にして。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一郷・亞衿
豪勢な骨の使い方だなあ……
さておき。色々な理由で肉を食べたくなってしまうなら、それに勝るくらい死ぬほど肉が嫌いになればいい──そう、<催眠術>を使ってね!『エージェント・ウルトラ』!

あたし含めた周囲の全員を対象に催眠光を放ち、「肉なんか大嫌い!!!」という思想を一時的に植え付けるよ。油の音も香辛料の香りも鮮やかな彩りも、全てが肉への憎悪に直結することになるって寸法。
光が放たれる前に肉を翳して目元を隠したりしなければ、防御しようも無い……はず。敵全員に効かずとも構わないけどね(仲間割れ誘えるし)。

肉を捨てろ!菜食主義警察だ!
捨てなければこの金属バットで純粋な暴力を叩きこむぞ!(捨てても殴るけど)



●大惨事大戦
「豪勢な骨の使い方だなあ……」
 なにせこの骨、欠片だけだとしても相当な価値がある。
 それをあろうことか形成肉の持ち手に利用するという、好事家からすれば恐ろしい事を平気でやっているのだ。
 そのような剛毅な心を持った鶏たちと一郷・亞衿(f00351)は対峙していた。
「ふふふ、今日のお肉の出来は最高さぁ、どうだい、君に耐えることができるかな?」
 食欲を誘う香りがあたりに漂い、亞衿は少しずつ意志力が奪われていく。
 この感覚はそう、催眠にかかりかけているときに近しいもの。
 ならば、その状態を逆に利用するしかない。
「そう、それではこちらをご覧ください」
「えっ、な、なにを!?」
「せーのっ」
 鶏たちが戸惑う中、何処か記憶が改ざんされそうな激しい光が周囲を包み込む。
 とっさに視線をそらした者、間に合わず光を直視した者とその効果を受けた者は全てではない。
 だが、それもまた亞衿の狙いであった。
「お、おい、お前、なんてもの持ってるんだ!? ああっ俺もだ畜生!?」
「馬鹿野郎!? 捨てるなんてなんて野郎だ! お前こそ畜生だろうが!?」
「あんてめぇ! 鏡見てからいいやがれっ」
「き、君たち、一体どうしたっていうんだ!?」
 光の正体、それは『肉なんか大嫌い!!!』という思想を一時的に植え付ける催眠術である。
 光を直視しなかったものは無事だったが、かなりの数の鶏は既に手に持った肉を地面に叩き付けるというフードファイターが見ればマジ切れ案件の暴挙を行っていた。
 更には肉に関するすべての事が憎らしくなったことにより、大切に肉を持っている正常な鶏どもを駆逐し始めたのである。
 そして、その光の影響を受けたのはケキリキターキーだけではない。
 光を放った本人である亞衿もまた、その光により極端な思考を獲得するに至っていた。
「肉を捨てろ! 菜食主義警察だ!」
「へっ、猟兵の姉ちゃん、見どころがあるじゃねえか!」
 唐突に声を上げた亞衿に、催眠術の影響を受けていた鶏は更に勢いづき、ただでさえ少数派になりつつあった正常な鶏たちはもはや風前の灯火となっていた。
「捨てなければこの金属バットで純粋な暴力を叩きこむぞ!」
「「「おおおおおお!」」」
「「「ぎゃああああ!?」」」
 暴徒と化した菜食主義者たちは敵対者が投降の意志を見せようとも止まることなく、一つの光が巻き起こした戦いは、長く長く続くこととなるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、美味しそうな分厄介ですねぇ。
何とか頑張ってみましょうかぁ。

確かに美味しそうなお肉ですが、他にも美味しそうなお肉が有るのですよねぇ。
ええ、鳥さんご自身のお肉なのですが。
ですので、差し出されたお肉は交戦後に触れない様包んで『鞄』→『冷凍保存』の流れで回収、戦争終結後の打上げの際にグリモア猟兵さんもお誘いしていただくことにし、今は鳥さんのお肉を狙いますねぇ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行し【紘器】を使用、複製した『FRS』で落としましょうかぁ。
【UC】の効果は『複製』の時点で終了、残りは通常の[砲撃]ですから『骨』でも完全には防げないでしょうし、防げる数では有りませんので。



●飛べない鳥
 ぱちぱちと油のはぜる音と共に、辺りに漂うのは食欲をそそる肉の香り。
「美味しそうな分、厄介ですねぇ」
 正直な感想を述べながら夢ヶ枝・るこる(f10980)はそれでも何とかしてみようと考えを巡らせる。
 そして視線に留まったのは肉を持ったケキリキターキーその人であった。
 るこるからの熱い視線を受けて謎の胸の高鳴りを感じる鶏たち。
 おかしい、こちらが誘惑する側の筈。だが、この、気持ちは一体……?
 彼らは気が付いていない、それは獲物を見つめる狩人の瞳だという事に。
 鶏たちが戸惑いを浮かべている間に、相手の特性を見極めたるこるの姿は空にあった。
 空に浮かぶ砲台は、すでに鶏たちを補足し、さらには物凄い勢いで増えている。
 それはまさに奇跡の力。
「ふ、奇跡の力で増やした砲台ならば、この肉(骨)の前には無力に等しい」
 空を見据え、肉を構えるケキリキターキー。
 しかし、そこで彼らは致命的な欠陥に気が付いてしまったのである。
「はっ!?」
「俺たちは……」
「「「飛べない!?」」」
 飛ぶ相手への対抗手段が皆無だったという事に。
 貴重ではあるが、投げるしかないのか。そう悩みながらも決心がつかないうちに一羽、また一羽と力尽きていく。
 そう、いかに奇跡を弾き飛ばせる肉とはいえ、上空から降り注ぐすべての肉を処理できるわけはなかったのだ。
 それどころか、るこるの攻撃に奇跡感があまりなかったこともあって物理的に頑張って弾き飛ばしているだけになっていたのである。それは限界も早いと言うものだろう。
 しばらくの後、荒野に広がったのは無残に転がる鶏たち。
 最後の最後まで肉だけは守ると大空へと掲げられた肉と、そのケキリキターキー本体は、すべてを終えたるこるによって余すことなく回収され、スタッフによって美味しく片付けられることになるのだが、それはもう少し後の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リミティア・スカイクラッド
古竜の骨にそんな調理効果があるとは知りませんでした
普通なら敵の施しなど受けませんが、こうも勧められると気になりますね

せっかくなので頂きましょう
ただし食べるのはこちらに喚んだ【影の追跡者】です
これはリムと五感を、つまり味覚も共有しています
なのでこれが食べたチキンの味はリムも味わえるのです

UCで喚んだので途中で古竜成分にやられて消えるでしょうが
リム自身が食べたわけではないので問題はありません
「高速詠唱」で新しいのを喚んでチキンを追跡させ
食べれるだけ食べ尽くしてしまいましょう

ごちそうさまでした。次はあなたたちがチキンになる番です
肉という武器を失ったターキーを「空中戦」で追い詰め
宝石剣で「料理」します



●驚異のロストテクノロジー
「古竜の骨にそんな調理効果があるとは知りませんでした」
「ふふふ、僕らの様な過去の存在が、かつて存在した、失われた技術を持っていても不思議ではないと思わないかい」
「過去では当たり前の技術だったというのですか……?」
 果たして真実かどうかはわからないが、明かされた若干衝撃の事実にリミティア・スカイクラッド(f08099)は困惑する。
「普通なら敵の施しなど受けませんが……」
 直接危害を加えてくるまでもなく、ぐいぐいと進めてくる鶏たち。
 実際美味しそうでもある。
「せっかくなのでいただきましょう」
「おお、わかってるね!」
 笑顔で肉を出しだすターキーから、肉を受け取ったのはリミティアではなく隣に現れていた影的な存在である【影の追跡者】。
 肉を食べていくうちに、その効果もありすぐに小さくなり消えていく【影の追跡者】だったが、しかし五感を共有しているリミティアはどこか満足そうな顔している。
 それもそのはず、影の追跡者と五感を共有しているリミティアは、カロリーや敵の骨の力を気にすることなく延々と食べ続けることが出来る。そして、消えてしまった【影の追跡者】は、再び出せばいいだけなのだ。
 エンドレスに食べ続けられる状態となったリミティアは、容赦なく喰らい尽くした。
 やがて、周囲の鶏が持つ肉が全滅を迎えようとしたとき、いい仕事をしたと額の汗をぬぐう彼らに静かにこう告げたのである。
「ごちそうさまでした。では、次はあなたたちがチキンになる番です」
「ぼくたちを食べるだって、ふ、この肉さばきをみても……みても……あれ?」
 そこで彼らはようやくメインウェポンである肉を全て平らげられてしまったことに気が付いたのである。
 苦手とする空からの攻撃を丸腰で受けることとなったケキリキターキーたち。
 彼らがリミティアの振るう宝石剣により一羽残らず料理されるまで、そう時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
本気でやっているのかいないのか……まぁ、持っているものは厄介ですし、油断せずいきましょうか。

確かに食欲をそそるといえばそそるのですが、ユーベルコードとしてそこまで強力かと言われると……と言いますか、もしかして肉についている骨のせいでそちらのユーベルコードの威力も抑えられているのでは……?

食べればあれができるようになる、こんないいことがあると誘ってきますが、それを食べたところで私の望みは叶えられないのでは?

私の望みは……「目の前にいるオブリビオンを撃つこと」です。
こちらに料理を勧めるには敵も近くに寄ってきているでしょう。【クイックドロウ・四連】で防ぐ間もなく氷の弾丸を撃ち込みます。



●自らに枷を嵌めるスタンス
「本気でやっているのかいないのか……」
「へっ、ぼくらはいつだって本気さ、いいのかい、その銃でこのぼくたちを倒せるとでも思っているのかい?」
 無駄に自信たっぷりのケタリキターキーたちの言葉を受け、セルマ・エンフィールド(f06556)は改めて冷静に彼らの戦力の分析を試みる。
 確かに、その手に持った肉の放つオーラというか美味しさというかは食欲をそそるものではある。
 だが、普通に考えればその真価は既に内包されている骨の影響を受け劣化しているのではないか。
「この肉を食べればどんな途方もない願いだって叶えられるんだよ、物騒な銃を構えて戦うよりも、まずは食べてから考えてもいいんじゃないかな?」
 それでも自信たっぷりに進めてくるケキリキターキー。だが、少しだけ考えた末にセルマは首を振る。
「……いえ、やはり、私の願いはそれを食べたところで叶えられないと思います」
「へぇ、キミは一体何を望むっていうんだい?」
 興味深そうに見てくる鶏たちへの答えは既に決まっていた。
「私の望みは、今目の前にいるオブリビオンを撃つこと、です」
 肉を勧めるためにと近寄っていたケキリキターキーたちがセルマの早撃ちに気が付いたのは、仲間たちが全て撃たれた後だった。
「あ、れ……?」
 自分がいつ撃ち抜かれたのか、セルマがいつの間に銃を抜いていたのかすらもわからないまま、手に持った肉を力なく落とし、崩れる様に倒れる。
「……結局、何事もなく倒せましたね」
 やはり真の力を発揮できなかったのではないか。
 崩れ行く鶏たちの姿を見て、そう思わずにはいられないセルマであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エアリーネ・シルベンスタイン
こ、古竜の骨なんて貴重なものを成形肉の骨に……(くらぁ)
これは、倒さなきゃ……
え?骨が欲しいのではって?ソ、ソンナコトナイアルヨ?

【SPD】
つまり、古龍の骨を盗ってしまえばいいのですね

ダガーを手に攻撃は【見切り】、張り切って【盗み攻撃】します
もっと貴重な品が欲し
いえ他の猟兵さんたちの為にもできる限り盗り上げちゃいましょう

え?そんなにいい所尽くしの肉なんですか……?
「本当ですか」と、骨を取り上げたターキーに問います
やりました。これで今日どころかしばらくご飯は非実在パスタ脱却です。
味方がいるなら止めはお願いしますが、一人だったらダガーで「盗り終わった子にも肉になって」もらいます
※アドリブ連携◎です



●空腹への責務
「こ、古竜の骨なんて貴重なものを成形肉の骨に……」
 小さな欠片でも日本円換算84万円程するという恐ろしく高価な骨。
 それを惜しげもなく使用するという豪快なのか何も考えていないのかわからない集団。
 そう、それこそが彼らケキリキターキーである。
「これは、倒さなきゃ……」
「まぁ待ちなさい。どんな高価なものでも、お客様を満足させられなければ意味がないのさ、さぁ、キミも食べるといい」
 そう言って目の前に肉を差し出してくるのは紳士っぽいケキリキターキー。
 しかし、勧められた当人のアリーネ・シルベンスタイン(f26709)は若干のふらつきを覚えながらも勧誘を気にすることなく注意深く相手を観察していた。
「食べるだけで金運がよくなったり、腹持ちがいいから食費が削減出来たりといった基本的な事はもちろん、キミが望むことをなんでも叶えられるほどの力を持っているのだよ」
「え? そんなにいい所尽くしの肉なんですか……?」
 エアリーネはケキリキターキーの話に食いついたように見えたが、すでに目的のために一仕事終えた後であった。
 ケキリキターキーが肉を勧める話をしている間に周辺にある肉の中の古竜の骨をほぼほぼいただいていたのである。
「ええ、ええ、さぁ召し上がって……あれ?」
 いかに鶏頭とはいえ、このあたりで肉から支えるための骨が無くなっていることに気が付き始めていた。
「やりました、これで今日どころかしばらくご飯は非実在パスタ脱却です」
 しかしそんな様子を気にかけないように、手にダガーを構えたエアリーネはケキリキターキーたちへと迫っていく。
「ちょ、ちょっと待ってください、あれ、骨、骨どこに……?」
「先程まで勧めておいて今更待ってはないですよね……?」
「ひぃ!?」
 震えてエアリーネへと肉を構えるケキリキターキー、だが、骨のない肉などただの骨なしのチキンであり、もはやこの段階で鶏たちに明るい未来など存在しなかったのだ。
「あれだけおなかを空かせるようなことを言ってきたんです。……あなたも肉になってもらいます」
「「「いやあああああ!?」」」
 叫び声が聞こえ、しかしその声もすぐに止んでしまう。
 後に残ったのは満足げに微笑むエアリーネと、大量に積み上げられた加工済みの成形肉、そして、丸々と食べ応えがよさそうな鶏肉の山であったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・ヴェイロン
いや、鳥が鳥肉を食べさせるって、「これって共食いじゃねぇのか!?」って感じがしないでもないですが(汗)。

とりあえず、「肉を食べたい」という衝動は各種【耐性】で耐え抜いて、「火炎」属性のUCで焼き鳥にしちゃいましょう(【先制攻撃・2回攻撃・一斉発射・乱れ撃ち・制圧射撃】)。
――あ、もしかしたらあの骨以外にも古龍の骨を身につけてる可能性もあるので【誘導弾・鎧無視攻撃】も付けて、骨の隙間を狙うようにしていきますか。
で、敵が攻撃してきたらうまく攻撃を【見切り】、【零距離射撃】を狙ってみましょうか。

※アドリブ・連携歓迎

※尚、倒した後のチキンは猟兵たちがおいしくいただきました。



●スタッフのみんなでおいしくいただきました
「いや、鳥が鶏肉を食べさせるって……」
「何のおかしいこともないよ、肉食動物だって草食動物を食べるじゃない」
「あれ、そう言う問題……? え、これって共食いじゃねぇのか!?」
 シャルロッテ・ヴェイロン(f22917)の抱えた疑問を、さも当たり前のように気にしていないケキリキターキー。
 同じ哺乳類でもそういうことがある、という事を言いたかったのだろうか。
 しかし、明らかに目の前のケキリキターキーが手に持っている肉は明らかに鶏だとか七面鳥だとかの肉であり、こうして話をしているケキリキターキーは明らかにその面影を持つ者である。
「共食いとは妙な事をいうね、そもそも食べるのはぼくじゃなくてキミたちじゃないか」
 そういう問題でもない、と、もはやどこから突っ込んでいいかわからない状態ではあった。
 だが、彼らの差し出してきたその肉より放たれるおいしそうな匂い。
 そこから来る食べたいという衝動は無視するにはかなりつらいものであることも事実。
 そのような過酷すぎる環境を、しかし、ゲーマー特有の集中力と我慢強さで無理やりに抑え込み、そのような苦痛を与えてきた鶏たちを焼き鳥にするという強い意志は300を超える炎が舞い踊る嵐となって周囲に吹き荒れる。
「え、ちょ、お客様、ぼくは食用ではありま、ぎゃああああああ!?」
 その炎は、周囲で肉を勧めていた彼らを纏めてこんがりと焼き上げるには十分すぎる火力であった。
 そして、炎の中から出てきたにもかかわらずケキリキターキーの持っていた肉は炭化することもなく、それどころか焼きたてて美味しそうな輝きを維持したままという驚きの結果が待っていたのだ。
 これもまた古竜の骨の力なのかも、などと考えつつ、シャルロッテは追加で増えた焼き鳥を無駄にすることなく、まとめて回収してしまうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
成程つまり
相手の鶏料理より美味い鶏料理を自分で
作れば解決…変則的な料理勝負っすね!

そんな訳で
戦場に当然の様に登場する鶏料理屋台!

メニューはチート食材?…の古竜の骨に対抗する為に
アイテムの姫巫女とアルラウネのFミルクポーションを
ヨーグルトにしたものに漬け込んだ鶏肉を使った
フライドチキン!(UC:美味しい料理)

だがしかし、これだけでは万全とは言えないので
仕方なくあくまで仕方なく…おビール様も飲んじゃうー!

勝つ為になー、仕方ないからなー!
あ、グルメ姫はジュースな

ふっ…戦闘プレイングが何処にも見当たらないが
デザートにケーキも用意してる事だし…勝ったな。

※古竜の骨は可能なら(食材)研究用に持ち帰ります



●鶏肉料理7番勝負
 成程つまり、と秋山・軍犬(f06631)は考える。
「相手の鶏料理より美味い鶏料理を自分で作れば解決……変則的な料理勝負っすね!」
「なん!?」
「だと!?」
 まさか正面切って料理対決を挑まれるとは思っていなかったケキリキターキーたちに衝撃が走った。
 本気なのか、と疑う間もなくすでに目の前に展開されていたのは軍犬の用意した鶏料理屋台。
 ケキリキターキーにとっては仲間が捌かれてしまう恐怖の屋台である。……それに関しては今更ではあるのだが。
 鶏たちが恐怖と戸惑いにより混乱に陥る中、軍犬は真剣に食材と向き合っていた。
 相手が用意しているのは古竜の骨というチート食材。それに対抗するためには軍犬自身が様々な世界で集めてきた食材を用いるほかない。
 今回選択したのはミルク……の様な特殊ポーションをヨーグルトにしたもの。
 そこにしっかりと漬け込んだ鶏肉を使用したフライドチキンである。
 単純だからこそ万人受けする、ストレートにおいしい逸品だった。
 しかし、これだけでは足りない。
 本来ならば料理だけで挑むべきかもしれない。
 しかし、軍犬は仕方なく、悪を、オブリビオンを倒すために、本当にしかたなくおビール様を付けたのである。
「な、酒だと。卑怯だぞ!?」
「子どもたちの事を考えろ!?」
「勝つ為になー、仕方ないからなー!」
「私も早くビールの美味しさがわかる様になりたいでケキ」
「あ、グルメ姫はジュースな」
「はーいでケキ」
 苦渋の決断の末おビール様の力を借りた軍犬により、ケキリキターキーたちはしばらくの間立ち直れないほどのダメージを受けることとなる。
 しかし、やがて立ち直った彼らもまた、なりふり構わず飲み放題プランを確立してきたことで、この戦いは泥沼化必至の次なるステージへと進んでいく。
 この時の、ケーキを用意して余裕をもって優雅に構えていた軍犬は、そのような未来を知る由もなかったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

戦場外院・晶
ペロペロ…
ペロペロ…
私はついに悟ってしまったかもしれません
ペロペロ…
ペロペロ…
きなこです
きなこを舐めながら戦えば、芳しい肉の誘惑に負けることなく鳥さんたちを極楽浄土へ導けるというもの
ペロペロ…
ペロペロ…
流石はきなこの齎す叡智……尊いモノです
さて、成型肉を持っているということは彼等の手羽先は手として十分に発達しているということ
ペロペロ…
ペロペロ…
……ふふ、その手は骨で覆えますまい……私にとっては美味しい獲物です
ペロペロ…
ペロペロ…

【手をつなぐ】

ペロペロ…
ペロペロ…
そして怪力をもって体勢を崩して、関節を極めつつマウントをとって……それこそターキーにそうするように、もいでしまいましょう
ペロペロ…ふふ



●きなこ、それは神秘の言葉
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
「私はついに悟ってしまったかもしれません」
 一見徳が高そうに見える格好をしている戦場外院・晶(f09489)は、ケキリキターキーたちを前にして、何かをなめていた。
 それはありとあらゆるものを魅了してやまない魔法の粉。
 日ノ本の国の古来より伝わる黄金の粉。
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
「こ、この猟兵、舐めてやがるのか……その……きなこを?」
 そう、晶が現在進行形で舐めているそれは、きなこ。
 きなこをなめ続けることにより誘惑してくる芳しい肉に惑わされることなく、邪悪な鳥たちを極楽浄土へと導くことができる、と本当に信じているのである。
 そして真に恐ろしいことは、それを本当に実現させようとしている事であろう。
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
 ああ、それはきなこがもたらす叡智だというのだろうか。
 最早彼女の心を乱すのは肉では不十分なのだ。
「こうなれば、俺たちの肉にも、きなこを……」
「おい、冷静になれ、そんなことをすれば、おまえもきなこに飲まれて、帰ってこれなくなるぞ!?」
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
 きなこを称え、きなこに生きる、こうして彼女はきなこの神秘の力により、ケキリキターキーと手をつなぐことを実現したのである。
「ああ、これが、きなこの波動……あ、え、あ、ちょ、つよ、つよす、やめ!?」
「やはりその手は骨で覆えますまい……私にとっては美味しい獲物です」
 十分に発達していたケキリキターキーの手は、その動きを阻害しないよう、古竜の骨の守りを持たない物だった。
 ……そもそも、ほとんどが肉の骨によって賄っていたのだが。
 どの道、肉を手放し、きなこの道に踏み入れた時点で、この鶏たちの命運は、手と共に晶に握られてしまっていたのである。
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
 まるで赤子の手をひねる如く、とは正にこのことか。全く抵抗を許さない怪力により、手をつながれたケキリキターキーは体制を崩された挙句、関節を完全にキメられていた。
 恐ろしいのはその状態となっても晶がきなこをなめつづけていることだろうか。
「い、いたい、もげ、もげちゃううううう!?」
「ふふ……良いですね、では、そのようにいたしましょう」
「……え、いや、許し……ぎゃあああああああ!?」
 周囲で体を硬直させていたケキリキターキーたちは、そのあまりにも凄惨な光景に逃げることすらできずにいた。
 本能が警告する。今すぐ逃げろ、と。
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
 しかし、ああもうだめだ、すぐ後ろから、いつの間にかきなこをなめる音が聞こえるのだ。
 そうして、私もまた手をつながれる。
 ペロペロ……。
 ペロペロ……。
 その絶望の音をずっと耳元で聞きながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ツェリスカ・ディートリッヒ
ううむ、状況がさっぱり飲み込めぬが、要は肉にさえ注意すれば良いのだな。
美容に良いなどと言われればグラつく気持ちがないでもないが、精神力の見せどころだ。

UC『麗しの君臨者』を発動。
これで技能「礼儀作法」のレベルを跳ね上がらせる。
このツェリスカ・ディートリッヒ、他人にもらった肉をその場で口にするなどという気品に欠ける振る舞いはせぬ!
どうしても振る舞いたければディナーの席にでも持ってくるのだな!

肉対策はそれくらいにして、敵が骨で守れるのは正面くらいか。
ならば残像を囮にしてダッシュで背後に回り込む。
そして振り向きざまに高速詠唱・全力魔法で炎魔術を叩き込もう。
こんがりローストチキンにしてやらねばな。



●高貴さと優雅さと
「ううむ、状況がさっぱり飲み込めぬが、要は肉にさえ注意すれば良いのだな」
 鶏がチキンとターキーを持ってやってくる。
 鴨がネギをしょってやってくるどころの騒ぎではない。
 実際にツェリスカ・ディートリッヒ(f06873)がその状況を目にしても、最初はただただ困惑するだけであったのも仕方あるまい。
「これは見目売るわしいお嬢様。ぜひあなたの様に素晴らしい御方にこそ、このチキンを召し上がっていただきたい」
 そして無駄のない無駄に洗練された動きで彼らは肉を勧めてくるのである。
 鶏の癖に華麗な仕草である。
 だがそれに対するツェリスカは、彼らをはるかに上回る美しい作法をもってその肉の誘惑に断りを入れたのだ。
「このツェリスカ・ディートリッヒ、他人にもらった肉をその場で口にするなどという気品に欠ける振る舞いはせぬ!」
「な、なんと……!?」
「どうしても振る舞いたければディナーの席にでも持ってくるのだな!」
 ツェリスカからあふれるあまりのカリスマ的ともいえる礼儀作法は、そしてその威厳と存在感は、ケキリキターキーをもってしても地に伏せさせる程の格の違いを見せつけたのである。
「ならば、ぜひ今宵のディナーには献上させていただきたく……」
「いや、それでは足らぬな」
「!?」
 先程まで正面にいたはずのツェリスカの声が聞こえてきたのは、真後ろ。そして感じる灼熱の炎の迫る気配。
 地に伏せた状態ではもはや避けようもない。
「無礼者には、こんがりローストチキンにでもなってもらわなければな」
「お、おゆるしくださ、ぬわああああああああああ!?」
 こうしてオブリビオンをも精神的支配下に置くほどの圧倒的格差を見せつけたツェリスカ。
 そんな彼女に今宵追加されたディナーは、決して自作のローストチキンではなかった、と思われる。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトリア・アイニッヒ
この地域の敵とは何度か戦っていますが。
…えぇ、と。その…か、変わった敵も、いるのですね?(めっちゃ言葉に迷った感
と、ともかく。まずは場の戦いに集中です。

さて、厄介なのは古竜の骨。そしてあのお肉。
…確かに美味しそうな香りが。ですがその辺りは、心頭滅却の精神で。
この程度の誘惑に堕落しては、太陽神を奉じる神官騎士の名折れ。
主の威光を穢さぬ為にも、負ける訳にはいきません…!

攻撃はUC【神威の光剣】。
ユーベルコードに触れた物が弱体化するのなら、その対処能力を超える物量で攻めましょう。
祈りを捧げ、破魔の力を高め、無尽蔵の光剣による圧殺を狙います。
四方八方からの光剣の乱舞で、その護りを貫いてみせます!



●地に落ちたチキン
「この地域の敵とは何度か戦っていますが……」
「そのような野蛮な輩と一緒にしないでいただきたいですな」
「ええ、我々は貴方の様な素晴らしい方に特製のチキンを、そしてターキーを召し上がっていただきたいだけなのですから」
「ぼくの自慢の逸品なんだよ!」
「……えぇ、と。その……か、変わった敵も、いるのですね?」
 ヴィクトリア・アイニッヒ(f00408)は困っていた。現在進行形でむちゃくちゃ困っていた。
 周囲に漂う空腹を誘ってくる肉の香りを、聖職者特有の心頭滅却の強靭な精神により耐えてはいた。
 しかし、攻撃という攻撃をしてくるわけでもなく延々と肉を勧めてくる彼らをどうすればいいのかと判断しきれずにいたのである。
「し、しかし、この程度の誘惑に堕落しては、太陽神を奉じる神官騎士の名折れ。主の威光を穢さぬ為にも、負ける訳にはいきません……!」
 自らの信心を力へと変えやがてそれは無数の光剣となりて悪しき鶏を貫くために鶏たちへと向かっていく。
「そのような奇跡、私の肉には通用しませんぞ!」
 光の剣に合わせて振るわれたチキンが光の剣を霧散させる。
 聞いてはいたが、実際にその光景を目の当たりにするととても信じがたい何かがある。
 だが、だからと言ってそこであきらめるような不信人者ではない。
 一本でダメなのはわかっている。ならば、あとは物量をもって圧殺するのみ。
「ならば、私の信仰の力……受けてもらいます!」
 そうして展開される、ケキリキターキーの四方八方、上下左右に浮かぶ無数の光の剣。
「……え、あ、ちょっとお待ちください、この量はあまりにも大人げないのでは……」
「行きます!」
「くしざしになっちゃうううううう!?」
 叫びながらも、意外なほどに善戦したケキリキターキーの勇士たち。
 しかし、真っ当に、真っ直ぐに生きてきたヴィクトリアの信仰を受け止めきれるほどではなかったのであった。
「みご、と……」
 どさり、と最後の鶏がたおれ、その手にしたチキンも地面に突き刺さる。
 それは、さながら最後まで必死に戦い抜いた彼らの墓標のようであった……のかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガルディエ・ワールレイド
敵の売り文句に大げさに驚いて、そんなに美味いんなら”皆”にも食べさせたいと【雷霆の竜騎士団】を使用。
そんなに凄くて自信満々ならきっと振る舞ってくれるよな?

そうして、一体の(ちょっと可愛そうな)召喚竜騎士にチキンを食わせる。
彼らはユーベルコードで生まれた存在なので、その結果は……。
あとは、チンピラかヤクザのように因縁を付けてなし崩し的に戦闘に入る。
「おう、こら。うちのモンがテメェの出したものを喰って、死んじまったじゃねぇか。どう責任取ってくれるんだ? ああ?」

武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
召喚した竜騎士団は槍を主武装とする
いずれにせよ、骨の隙間を狙う刺突が主体



●怯えて竦んで震えあがって
「我らの作った至高の逸品、食べれば元気がもりもり湧いてくる!」
「ぼくらの作った究極の逸品、食べればどんな願いも思いのままさ!」
「おお、そりゃすげぇな、ぜひ皆にも食べさせてみたいもんだ」
 あまりにもオーバーな謳い文句に、大げさに驚きながら声をかける男の名はガルディエ・ワールレイド(f11085)。
 そしてその後ろをついているのは彼の奇跡によって召喚された【雷霆の竜騎士団】である。
「ええ、ええ、是非召し上がってください!」
 素直に受け取ろうとしてくれた稀有な猟兵へ、にこやかにチキンを差し出すケキリキターキー。
 そのチキンを受け取ったのはガルディエ、ではなく、その近くにいた竜騎士の一人である。
 一口、二口と食べるの問題なさそうだった、しかし、彼らはガルディエの奇跡によって呼び出された存在。
 三口目のために口を開けた時、彼は唐突に姿を消し、後には地面に転がった食べかけの、チキン。
「おう、こら」
「ヒィ!?」
「うちのモンがテメェの出したものを喰って、死んじまったじゃねぇか。どう責任取ってくれるんだ? ああ?」
「そ、そんな、誤解でございます!?」
 ただの言いがかり、に見えてその通りなのだから始末に悪かった。
 本来ならば骨の力で無力化できるはずが、敵は大量に残っていて自分はチキンを渡した後で武器もない。というかユーベルコードを封じたとしても勝てる気がしなかった。
 ガルディエは目の前で震えるケキリキターキーにはっきりと見えるようにハルバードと魔剣を構え、凶悪な笑顔を浮かべる。
「落とし前、しっかりつけてもらおうか」
「ヒイイイイイイイ!?」
 こうして、誰彼構わずお肉をお勧めしまくっていたケキリキターキーたちは怖いお兄さんたちによりお肉の仲間入りをはたしたそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
私はエナジーを糧にしてるので肉に興味はなく、誘い文句も大概は自分で出来ちゃうからやっぱり興味でないわねぇ。
なるほど、ユーベルコードは整形肉で叩き落とされる、と。ならば技能値790にまで強化した技能で相手しよう。多重詠唱の全力魔法呪詛での属性攻撃による範囲攻撃で纏めて萌擬人男の娘化するわ☆そして、念動力による盗み攻撃で整形肉を略奪し逆に食べさせましょう。後はおいしく料理して情熱ダンスとマッサージ(奉仕/誘惑)で捕食して蹂躙するだけですな。
……はっ!整形肉食べさせたせいでおかわりのケタリキターキーたんが喚ばれない……だと!?失敗したーorz
じゃ、目の前のこの子を全力で可愛がりましょ♡
私は欲望の権化



●何時から料理する側だと勘違いしていたのだろうか
 美味しいものは全てに通じる。
 それは間違いないだろう。
 しかし、それは同じものを食べているという前提が成り立ってこそだ。
 アリス・セカンドカラー(f05202)の食事は常人とは異なり、食糧とは別にエナジーそのものを糧にしている。
 つまりは肉そのものに興味なく、その奇跡の力は大抵の物事を自分で実現させてしまえるというまさにこの鶏にとっては天敵と言っても違いない存在であった。
 いや、大体のオブリビオンからして猟兵は天敵なのだが。
「まさか肉の誘惑を全く受け付けないとはね……けど、ボクの肉は奇跡を凌駕する、君の奇跡はボクの肉に負けるんだよ!」
 アリスの精神世界を肉を振るうことで切り裂く、という前代未聞の事態。これはやれるのでは、と、かつてアリスに敗れた様々なオブリビオンたちも期待の目を向けた、かもしれない。
「なるほど、確かにユーベルコードを叩き落とせるっていうのは本当のようね、だったら……」
 直接奇跡の力を叩き込むではなく、奇跡によって上乗せされた純然たる技術により対処する。
 精神世界は消えたわけではなく、ごく一部の空間、アリスの周囲に飲み押しとどめられていた。
 だが、自らを強化するにあたってはそれで充分。
「何ッ!? 進んだ技術は魔術にも近しいという……極めた魔術もまた奇跡に至るという事かい!?」
 勝手に納得しながらもならばと手にした肉をアリスへと叩き込もうと肉を振り上げるケタリキターキーたち。
 しかしその凶肉がアリスに届くより、アリスの呪詛がケタリキターキーの群れを包む方が早かった。
 おびただしいほどの呪詛に飲まれ、血肉が歪んでいく感覚に囚われ、膝をつく。
「くっ、これは、羽一枚ない肌……まさか!?」
 ケタリキターキーは思い出す。あらゆるオブリビオンを自らと同じ人間という存在へと変貌させ、暴虐の限りを尽くすという猟兵の事を。
「奇跡の力ではなくとも、そこへと至るというのかい……!?」
「別に私があなたたちを食べてしまうのに、奇跡なんて必要はないのよ☆」
 アリスと対峙するのは、見目麗しい男の娘となってしまった、元ケタリキターキーたち。
 料理姿の似合う健気で心優しく、しかし情熱を瞳に宿した少女じみた少年たち。
 彼らの手にしていた成形肉は肉体の変性の隙を突かれ、アリスの念動力によって宙に浮いていた。
「ま、まて、一体何を」
「はぁい、大きく口を開けて♪」
「「「もごぉっ!?」」」
 手にしていた成形肉により口が無理やりに開けられて、呼吸が困難になりながらも芳醇な味わいが口の中に広がるという混乱を呼ぶ状況。
 しかし猟兵によってジャックされた骨により、彼らの奇跡の力まで阻害されてしまう。絶体絶命であった。
 こうして、動きが鈍くなった彼らは、アリスにとってまな板の上に用意された食材に等しい。
「あ……お肉食べさせちゃったら、お代わりを呼んでくれないじゃない……失敗したー……」
 しかしアリスは近年まれにみる落ち込みを見せていた。
 そう、彼らが奇跡の力を使うことができれば無限に男の娘を追加できていたのだ。
「じゃ、目の前のこの子を全力で可愛がりましょ♡」
 ないものは仕方がない、そう割り切ったアリスは、より密度を増した可愛がりを見せることとなる。
 その結果、彼らがどうなったかは、誰にもわからない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月宮・ユイ
アドリブ絡み◎
※ヤドリガミ

鳥が鶏肉料理…良いのかしら?
「一狩りいきましょうか
◇竜騎士団
地にもUC阻害の骨がある為、空飛ぶ船を母艦に召喚。
肌覆う○オーラに○破魔付与、悪しき影響遮断。
スナイパーライフル型『ステラ』
○呪詛製呪殺弾生成、加え○念動付与し誘導弾化
○情報収集+第六感+学習力
高い情報処理能力活かし、母艦より敵の動き見切り狙い撃つ。
距離確保し遠距離から射撃し○捕食:生命力吸収

竜騎士も銃撃中心。
騎竜に○属性風付与、風操らせ空中戦での飛翔力向上と
共に風纏わせ護りとする。
骨に価値ある故触らず回収出来る様道具用意。
(トング風で袋もやけに清潔)
「駆逐した後に食べてみようとしているわけではありませんよ



●でも、もったいないから
「鳥が鶏肉料理……良いのかしら?」
 やはりそう疑問に思うものは多いのだろう。
 しかしケキリキターキーたちが今まで作ってきた鶏肉料理の数はもう相当数。
 今更後に引けるようなものではないのだ。
 引くつもりも毛頭ないようだが。
 しかしあのような姿をしながらも、その能力はかなり面倒であり、骨の持つ奇跡阻害の力も底知れない物がある。
 ともすれば、とる手段は空。
「チキンをいか……が……?」
 ケキリキターキーたちは呆然と空を見上げる。
 そこには空飛ぶ船が浮かんでいた。
 月宮・ユイ(f02933)はわずかに届いていたチキンの香りをオーラで避けながら、スナイパーライフルの形をとらせた『ステラ』を構え、狙いを定める。
 込めた弾丸には呪詛がつまり、いかなるものも逃さない念動力による追尾機能付きである。
 地上から遠く離れた距離も彼女の誇る情報処理能力を活用すればあってないが如く。
 引き金は引かれ、弾丸は発射される。動き回れば、避けられるかもしれないという淡い希望を抱いていたケキリキターキーはしかし、コンマ数秒ごとに修正される軌道から逃れられるわけもなく、その手にした骨で防ぐこと違わずに撃ち抜かれた。
 それでも、ただ一発の弾丸に撃ち抜かれただけならば、まだ生きていたかもしれない。
 だが、そこに込められた呪詛は並大抵のモノではなく、その身を蝕まれた鶏たちはあっという間に力尽き、地に倒れ伏す。
 それに、銃弾を放っていたのはユイだけではない。
 彼女の召喚したこの空飛ぶ船は竜騎士団の母艦であり、そこには他の竜騎士も幽霊ではあれど存在したのである。
 数多の竜騎士が騎竜へと跨り、彼らもまた銃撃を中心に地上を蹂躙していく。
 こうして、一通りの掃討が片付き、地上に落ち着きが戻った後、そこには価値があるという骨を回収するユイの姿があった。
 その回収用の袋はなぜか二つ用意されており、奇跡の力を阻害されないようにと用意した道具は清潔なトングである。
 地に落ちて土がついてしまったものを片方に、土がつくことなく、最後まで天高く掲げるようにして残されていたものをもう片方へと集める。
「……別に、後で食べてみようとしているわけではありませんよ?」
 誰に言うわけでもなくそう呟きながら、ユイは黙々と回収を続け、戦場跡を歩いていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フォーサイス
へー。その肉、気になるな。

持ち帰るため、巨大な保温ボックスを作るよ。

「美味しそうだね。猟兵みんなで食べたいから、ここに入れてもらえるこな。」

「ありがと。これでもう、防ぐ手段がないよね。」
手に持ったチキンを全部入れたところで、攻撃開始だよ。
全力魔法による火炙りでチキンの追加だ。



●千客万来在庫切れ
「滋養強壮、金運上昇、世界平和も何のその! うまいようまいよー!」
「ぼくのお肉を食べて願いをかなえてよ!」
 なんだか怪しい宗教とかそういうレベルではない謎の謳い文句が飛び交う、荒野の中にできた肉の見本市的な何かがあった。
 それぞれの話す効能は千差万別ではある中、唯一変わらぬのはとても美味しそうな匂いが漂うという事だろうか。
「へー。その肉、気になるな」
 そんな賑やかな喧騒に誘われてか、やってきた一人の少女の姿があった。
 巨大な保温ボックスを抱えた少女、アリス・フォーサイス(f01022)は元気に呼び込みを続けているケキリキターキーたちへと向かって笑顔で話しかける。
「美味しそうだね。猟兵みんなで食べたいから、ここに入れてもらえるかな?」
 きょとん、とした表情を浮かべるも、すぐに笑顔になって保温ボックスに肉を詰め始めるターキーズ。
 向こうから食べてくれるというのならば、渡さない理由もないとてんこ盛りである。
 手持ちの在庫を一通り放出する勢いで詰め込んで、後は猟兵が食べれば俺たちの勝利は確実だ、と皆が笑顔で微笑む中、アリスもまた、笑顔を彼らへ向ける。
「ありがと。これでもう、防ぐ手段がないよね?」
「「「「「……ひょっ?」」」」」
 ケタリキターキーたちは思い起こす。確かにボックスに肉は詰めた。
 しかし、この少女はそもそも肉を口にしていただろうか、と。
 結論から言えば口にしていようと居なかろうと、彼女が使うのは魔術であり、そこに有るのは奇跡の力ではなく磨き上げた技術の力であるために彼らの肉は無力である。
 隠し持っていた肉で反撃を試みようにも、奇跡を纏わぬ純然たる魔力により焼き尽くされた肉は骨の力をもってしても維持することが精いっぱいで、持ち主の保護までは叶わない。
 どうやらこの骨、肉>持ち主の守護基準のようである。
 生き残っていたケタリキターキーたちの最後の楽園はこうして炎に飲まれ、火あぶりチキンとなった彼らもまた、自らの詰め込んだチキンと共に猟兵たちの胃袋へと出荷されていく。
 その地には、わずかに残ったチキン(成形肉)やターキー(成形肉)がかつて彼らが生きていたことを微かに物語るのみとなるのであった。

●チキンフェスティバルの終わり
 こうして、戦争の真っただ中に、荒野で突然巻き起こった鶏肉の祭典は幕を閉じた。
 だが、ある者は語る。チキンなど前菜だと。
 ドラゴンこそが、本当に待ち望んでいたメインディッシュなのだ、と。
 猟兵たちはあるものは腹をほどほどに膨らませ、ある者は突然の飯テロに憤りを隠さないままに、これもすべて帝竜のせいだと怒りの矛先を向けてさらに道を切り開く。
 残る敵の領域は、あと少しである。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月15日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#戦争
🔒
#帝竜戦役
🔒
#群竜大陸


30




種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト