帝竜戦役④〜わるいオブリビオンはたおすでちゅ!
帝竜征伐に向けて群竜大陸を攻略する猟兵たち。グリモア猟兵の望月・秀(沈着冷静な仕事人間・f14780)は彼らに敵陣の説明を始めた。
「今回、君たち猟兵が赴くのは『万毒の群生地』と呼ばれる場所だ。そこは無数のキノコが生え、常時キノコの放つ毒の胞子で満ちている」
一言で「毒」と言えども、その効果は千差万別。幻覚だったり、麻痺だったり、即死だったりする。毒の胞子はエリアごとに分かれつつ戦場に蔓延しており、外気を体内に取り込む以上完全に防ぐのは難しいだろう。つまり、毒に侵された状態で敵と戦わねばならない。
しかし、毒の影響を受けるのは敵も同じである。秀は厳しい顔をする猟兵たちを鼓舞する。
「ステータス異常での戦闘となるが、敵も同じ条件下だ。君たちならば問題あるまい」
敵がいかに強力であろうとも、毒の効果を知り事前にその対策を立てておけば猟兵たちのほうが有利になるはずだ。
頷く猟兵たちに頷き返し、秀は続けて肝心の毒の説明を開始した。彼は真面目な顔で言う。
「端的に言うと、バブってオギャる」
は? と言う声が漏れた。
秀の詳細説明によると、このエリアに蔓延する毒の効果は『幼児退行』。つまり、毒を体内に取り込んだ者は例外なく『赤ちゃん』になるのだ。不定形や機械の猟兵――幼児期を持たない者は、おそらく思考能力が著しく低下するのではないだろうか?
彼は唖然とする猟兵たちを置き去りにして、推測を述べ、敵の説明へと移った。
「倒すべきオブリビオンは『ランダム・エッグ』。意思を持つ大きな卵の集団だ。卵は一部がひび割れており、そこから擬態した生物の一部を覗かせている」
卵と見て侮ってはいけない。なんせ奴らはもともと『赤ちゃん』だ。いわばプロだ。君たちは『赤ちゃん』のアマチュアだが、アマチュアにはアマチュアの戦い方がある。真顔の秀は、プロに挑むアマチュアの心構えなどを語り出した。
まだ生まれてないから『赤ちゃん』ではないのでは? と猟兵は考える。しかし、プロVSアマチュアを力説する秀の姿に、口に出すのは憚られた。
「ちなみに、この戦場には金貨44枚ほどの価値のある宝石トリュフがあると報告が上がっている。オギャっている最中の宝探しは難しいだろうが、まあ、もし覚えていられたら探しても良いかもしれない」
ついでに、といった風情でそんな情報を付け加えた秀は、猟兵たちを毒の胞子で満ちた戦場へと送り出した。
「君たちの健闘を祈る」
こふ
●マスターより
マスターのこふです。よろしくお願いします。
このシナリオは第1章で完結となる戦争シナリオです。
●プレイングボーナス
プレイングボーナスの条件は「シナリオ毎に提示された毒への対抗法を考える」です。このシナリオでの毒の効果は、オープニングの通り『幼児退行』です。グリモア猟兵は「バブってオギャる」と申しておりますが、さすがに乳幼児では身動きが取れませんので、もうちょっと年重のムーブがよろしいかと思います。
また、リアルな幼児というよりかは、そういうレベルの思考回路という感じでよろしくお願いいたします。敵もあんまり頭良くない感じで動きます。
つまり、頭良くなくてもなんとかなる感じのアレが対策となり得るんじゃないかと。
●補足
改めて言う必要はないかもしれませんが、ギャグシナリオです。
大変申し訳ありませんが、参加人数によっては内容に問題がなくとも採用見送りの可能性があります。ご了承の上でご参加いただけますようお願いいたします。
第1章 集団戦
『ランダム・エッグ』
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POW : いないヨ!ここにはいないヨ!
自身と自身の装備、【殻から出ている体の一部が触れている】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD : これでもくらエ!
【高速で飛ばされた卵の殻】が命中した対象を切断する。
WIZ : 助けテ!
自身が戦闘で瀕死になると【自身が擬態していた生物の成体】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑7
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黒玻璃・ミコ
※スライムさんでち
◆やること
ばんどくのぐんせーちはじつにすばらちいばしょでちゅ
【空中戦】のよーりょでほよよんと【念動力】ではねちゅちゅ
どくのふわふわやキノコをちょこちょこ【捕食】すると
【毒耐性】もいっぱいいっぱいぱわーあっぷでぷ
えっと、そーいえばミコしゃんはなにしにきたんでちゅか?(悩)
いっぱいいっぱいかんがえたらへんなあせがだらだらでてきまちたね
【黒竜の恩寵】でじょーたいいじょーアップさせてるので
【毒使い】てきにすごいことになりそうでちね
じぇんじぇん、わるいてきしゃんもいませんし
おなかがすいてきたのでかえるでしゅ
(殻のような何かを身体で踏み潰す音)
◆おまけ
れんけー、アドリブOK
「ばんどくのぐんせーちは、じつにすばらちいばしょでちゅ」
スライム状態の黒玻璃・ミコは、ほよよんほよよんと跳ねながらニコニコと笑った。
空中を漂うフワフワの何かとか、色鮮やかなキノコとか。彼女はあれこれ口に入れちゃったが、ペッしなさい! と言う人は居なかったので、そのままもぐもぐごっくんする。……毒? んー、わかんない。でも、いっぱいパワーアップした。
「えっと、そーいえばミコしゃんは、なにしにきたんでちゅか?」
ムムッと眉間にシワを寄せるミコから真っ黒な汗がダラダラと流れ出す。だって、いっぱいいっぱいがんばって考えたから。
汗は地面に滴り落ちて、透明な何かをジュッと焼いた。
「ギャッ! いたいヨ!」
誰かが悲鳴を上げたが、がんばってるミコには聞こえなかった。
考え過ぎて疲れた彼女は帰る事にする。ちょうどおなかも空いてきた。
「じぇんじぇん、わるいてきしゃんいませんでちた」
ぽよんと弾んだミコの身体の下から殻のような何かを踏み潰す音が響いたが、おやつに思いを馳せる彼女には届かなかった。
大成功
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鹿村・トーゴ
あう…
なんか用事があったはず
ま、いーや
後でおっかさんやねーちゃんに怒られるだけだもーん
(ヒナになってしまった相棒の鸚鵡ユキエは手ぬぐいに包んで大事に懐に。で、懐から手裏剣が出てきて)
あれ、これ、おやじどのが持ってるのと似てるー
いつもは触るとメってされるしー
ものとか浮かしてもコラって言われるけどー今おとな居ないしいーよね
(UCを行使…するがあんまり自覚無く手裏剣を【念動力】で何枚も浮かせてくるくる回しきゃっきゃしてる
無差別に【投擲】した幾つかがグシャッという音を立てて刺さるとそこを的に次々撃ち込む。加減しない羅刹幼児)
なんかここあるん?(近寄り生えたての牙でがじがじ)
うわ、ぺっ、まずー
アドリブ可
鹿村・トーゴは、気づいたらヒナになっていた相棒の鸚鵡ユキエを手ぬぐいに包んで、大事大事した。そうしたら、懐に手裏剣が入っている事に気づいた。
「あれ、これ、おやじどののとにてるー」
いつもは触っただけでメッだし、ものを浮かすとコラッだけど、今はおとないないし……いーよねー。
無数の手裏剣を宙に浮かせてくるくる回す。きゃっきゃと喜ぶトーゴは、そう言えばなんかあったような、と思い至った。
思い出せずにうんうん唸っているうちに、手裏剣があっちこっちに飛んでいく。
「ま、いーや。どうせおっかさんやねーちゃんに怒られるだけだもーん」
開き直って遊んでいるうちに、偶然手裏剣が何かにグシャッと突き刺さった。トーゴは目を輝かせる。なんかある! 加減をしない羅刹の幼児は音がした場所に、次から次へと手裏剣を撃ち込んだ。
「なんかここあるん?」
わくわくしながら音のした場所に近づき、生えたての牙でがじがじする。次の瞬間、トーゴは顔をしかめてペッてした。うわ、まずー。
吐き出された透明な何かは卵の殻へと変じた後、溶けて消えた。トーゴはそんな事気にも留めず、ベースに呼び戻されるまで楽しく遊び続けたのであった。
大成功
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茜谷・ひびき
アドリブ連携歓迎
バブってオギャる?
意味がわかんねぇ……とりあえずオブリビオンを倒してくればいいんだろ?
……
なんだこのたまご!
きもちわるいな!だってひよこじゃなくて角とか足が出てるんだぜ!
きもちわるいたまごは潰してやる!
そして目玉焼きにしてやるぜーっ
飛んでくる殻は本能的に【野生の勘】で察知
【ダッシュ】で回避し相手へ接近
俺の方がはやくてつよいぞ!
覚悟しろーっ!
接近したら【怪力】で強化した鉄塊剣を振り回す
それはもう手当たり次第ぶんぶんと
上手くぶち当たったら【鎧砕き】だ
割れろ割れろーっ!でもこの中身は食べられなさそうだなぁ……
後で正気に戻ったら、今回のテンションを恥じると共に妙な爽快感を得るだろう……
ベム・クラーク
アドリブ連携歓迎です!
「バブってオギャる…データベースにありませんね。」
あたりまえです。ウォーマシンに必要なデータはほかにもっとありますし。
「敵を発見、戦闘を開始しバブ、ブ?…ダァー。」
めのまえにころがるのがみえます。なんでしょう。
コロコロ、コロコロ
おもしろい
「ダァー」(グシャ)
さわったらつぶれてかなしい。でもまだあるし
「アーゥ(グシャ)ヤーァ(グシャ)
またこわれておもしろくない、もういや
ゴロゴロ(グシゃグシャグシャ!)
コロコロはなくなったけど、あれキラキラしてる、もっとほしい。
毒の舞う大地に、2.8mを超える赤んぼ戦闘兵器が這いまわる!
バブってオギャる? 聞き覚えのない言葉にベム・クラークと茜谷・ひびきは困惑した。
「データベースにはありませんね。……という事は、ウォーマシンには必要のないデータです」
「意味がわかんねぇ……。とりあえずオブリビオンを倒してくればいいんだろ?」
特に警戒せず、いつものように転送された二人は、毒の舞う大地に降り立って数秒で赤ちゃんになった。
「敵を発見、戦闘を開始しバブ、ブ? ……ダァー」
2.8mを超える赤ん坊戦闘兵器は目の前を転がる巨大な丸いものにフォーカスした。コロコロ、コロコロ。おもしろい。彼は勢いよく這い寄った。グシャ。
さわったらこわれてしまった。かなしい。でも、まだあるし。
「ダァー。アーゥ。ヤーァ」
必死で逃げるコロコロを追いかけ回し、次々と踏み潰していくベムの横を、剣をぶんぶん振り回しながらひびきが駆け抜けた。
「なんだこのたまご!」
卵のくせに、ひよこじゃなくて角とか足とか、なんか違うの出てる。きもちわるいな! あ、そうだ! 目玉焼き! ひびきは卵を割るために剣を振り上げた。
慌てた敵は、卵の殻を飛ばして攻撃してくる。ひびきはそれを本能的に察知すると、攻撃を避けつつ一気に加速した。
「俺の方がはやくてつよいぞ!」
かくごしろーっ! 手当たり次第、見境なく振り回される鉄塊剣は、右往左往する卵をどんどんぶち割っていく。
われろわれろーっ! 大声を上げていたひびきは、たまたま見えた卵の中身にテンションを急降下させた。彼の目玉焼き計画がガラガラと崩れ落ちる。なにこれ、すごいまずそう。
しょんぼりしたひびきを見て、敵は再び攻撃に転じる。ひびきピンチ! しかし、すぐに壊れるコロコロに飽きたベムがキラキラを発見し、突進のついで敵を踏み潰した。グシャグシャグシャ。
ひびきもまた、キラキラに気づいてテンションが急上昇した。もっとほしい。いっぱいほしい。キラキラをかき集めるベムとひびきは、敵殲滅によりベースに帰還した。
正気に戻った二人は呆然としたまま顔を見合わせる。
ベムは教訓として『バブってオギャる』をデータベースに登録し、ひびきは恥じると共に妙な爽快感を得たのだった。
大成功
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