帝竜戦役⑪~傲慢なる黄金飛翔竜・帝竜女禍~
●アックス&ウィザーズ・群竜大陸「無限氾濫瀑布」
群竜大陸の中でも、この領域ほど絶景と呼べる場所はないだろう。雨となって地上に降り注ぐ無限の瀑布が大陸の侵入者を阻む。
そしてこの領域「無限氾濫瀑布」を支配する美しき黄金の帝竜は空高く君臨する。
「何故、抗う。生命よ。偉大なるヴァルギリオスの「再孵化」によりて、我は全てを理解せり」
傲慢にして不遜。己が存在、ドラゴンこそが世界の支配者。帝竜である者こそ頂点ということを寸分も疑わない言動が響き渡る。
「我らオブリビオンこそが、この世界の真なる主。過去と死は、既に確定したものであるが故に、絶対の概念である。未来や生命のように、世界をおぞましき不確定要素で汚す事など無い」
帝竜女禍。過去より現れし、そしてヴァルギリオスの再孵化により帝竜として顕現せし、最強のドラゴンの一角。
過去は固定なる神域。人間や生命など、塵芥の欠片の価値など認めないそのドラゴンは天より堂々と宣言する。
「生命よ、消えよ! 汝に力あらば、そのおぞましき肉や意思を捨て、オブリビオンとなることもできよう」
己が持つ力に絶対の自信を持ち、女禍は勝利を疑わない。猟兵など何するものぞ、大陸の侵入者をこの瀑布の前に消し去らんと敵を待ち受ける。
「我らに勝つことなど出来ぬ。下らぬ児戯を辞め、潔く死を受け入れよ!」
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「大瀑布の所に黄金竜とは、鯉が昇ったかのー」
鯉が滝を昇り、龍となった逸話を思い出しながらグリモア猟兵たるメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は電脳ウィンドウを開きながら、映し出される氾濫する瀑布と空飛ぶ黄金竜を見つめている。
「今回は荒れ狂う瀑布の中で、この帝竜女禍が相手になるのー」
全長10kmにも及ぶ巨体を持つ、金色の金属竜であり、生命体を憎悪し、災厄を撒き散らし虐殺しようと力を振るう帝竜である。その力は災厄とっても過言ではなく、殺戮の力は油断できる相手ではない。
また女禍は空を飛びながらも機敏に動き、必ずこちらの機先を制してくる。対策はしっかりと行っておくべきだろう。
「この帝竜様は負けることを微塵も思っていないようじゃけー、しっかりと鼻柱を折ってやるといいのー」
そう言いながらメイスンは無限に氾濫する瀑布へと転移術式を発動する。絶対なる力を自信を持った黄金飛翔竜を打倒するべく、猟兵達は絶対を打ち砕く決意を胸に、戦いへと挑む。
ライラ.hack
鯉の滝登りの逸話は好きです。まさに成り上がりですね。
どうも皆様こんにちわ。ライラ.hackです。
このたびは群竜大陸を支配する帝竜が一体、黄金飛翔竜・女禍との一戦になります。
難易度は普通より高めなのでご注意ください。
そしてこのシナリオでは以下の特殊ルールがあります。
プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
氾濫瀑布の中、空飛ぶ強大な帝竜の一戦となります。厳しい戦いになりますが、皆様の健闘をお祈りします。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『帝竜女禍』
|
POW : 抗体霊波光線
【宝珠から、知性ある生命体全てを殺す光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : まことのあるじ
【八尾を備えた、物言わぬ妖狐の女性】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ : 災厄の嵐
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
秋月・信子
・SPD
オブリビオンとなる申し出は…お断りします
私は、私達は、前に、未来へ進むのですから
アサルトバニー、半重力フライトモード起動
重力制御で【空中浮遊】、並びにスーツで高めた身体能力の【ジャンプ】【ダッシュ】などを用いた高機動で巨体の攻撃を躱しつつ頭部へ跳びます
『で、あのバカでかい蛇の上に居るのが女禍っていう妖狐ね』
私の影から顕現した『姉さん』と呼ぶ二重身と共に並走していきます
私は竜を、姉さんはそちらをお願いします
『良いわ。リボルバーに【破魔】が籠められた銀の弾丸は入ってるわよね?それで遊んでくるわ』
では、私はハンドガンで竜の鱗を貫く【鎧砕き】の魔弾『ドラゴンブレイカー』で隙間を『狙撃』しますね
無限氾濫瀑布。群竜大陸の中でも唯一陸地がなく、水が支配する領域である。雨になって地上に降り注ぐ無限の瀑布が、侵入者達を圧倒する。
だが真に圧倒するべきは、そのこの瀑布の支配者であろう。氾濫する瀑布の上を、我が物として飛翔する黄金に輝く金属の鱗を纏いし帝竜。女禍と呼ばれるドラゴンは侵入者を許しはしない。
「この美しき瀑布に存在するは我のみぞ。生命あるモノは消え去り、オブリビオンとなるならば許そうぞ!」
生命など未完成に過ぎず、唾棄すべき存在。過去より甦りしオブリビオンこそ、至高なる存在と疑わない女禍にとって、それを狩る猟兵など最も忌むべき存在だろう。
「オブリビオンとなる申し出は…お断りします。私は、私達は、前に、未来へ進むのですから」
ミネルヴァ重工製強化スーツ「アサルトバニー」を装着し、半重力フライトモードを起動して空を飛ぶ秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は堂々と宣言する。
目の前の女禍は確かにすさまじい存在である。強大であるのだろう。だが過去が現在に負けるかといえば、それは全力を持って否定する。それこそ未来を勝ち取る者だと信子は信じている。
「身の程を知らぬ、塵芥よ。ならば我が力を持って、悟るがいい!」
そして女禍から八尾を備えた、物言わぬ妖狐の女性が現れる。その女性を手をかざすと、まるで妖術のように魔力が流し込まれ、女禍の力がさらに増幅されていく。そして蛇のようにうねりを上げて、信子を噛み砕かんと飛翔する。
全長10kmにも及ぶ巨大な竜が襲い掛かってくるのに対し、信子は到って冷静であった。
「巨大な竜であっても、当たらなければどうということはありません!」
そう言ってアサルトバニーの重力制御機能を生かし、空中飛翔を行う信子。その際にスーツで高めた身体能力で空中を蹴るように飛び、女禍の攻撃を華麗に躱していく。
高い機動能力と圧倒的な体格差もあって中々信子を捉えることができない女禍。そして信子は徐々に女禍の頭部へと接近していく。
『で、あのバカでかい蛇の上に居るのが女禍っていう妖狐ね』
「そうよ、姉さん」
そんな信子の影から現れたのは、もう一人の信子と呼ぶべき分身である。能力「Esの影法師(ダークサイド・シャドウ)」の性格が真逆の二重身である。顕現した二重身と共に女禍の攻撃をスレスレで回避しながら突き進む。
「おのれ! ちょこまかと動き回る蠅め!」
そう言って女禍は徐々に煩わしさを感じさせるように吠えるが、すでに信子と二重身は頭部付近へと最接近を果たしていた。
「私は竜を、姉さんはそちらをお願いします」
『良いわ。リボルバーに破魔が籠められた銀の弾丸は入ってるわよね? それで遊んでくるわ』
そう言って信子は女禍の頭部の鱗を狙ってハンドガンの引き金を引く。その装填された弾は鎧をも砕く魔弾「ドラゴンブレイカー」、それを鱗の隙間を狙うようにして撃ち込み、内部にまで到達させる。
「ぬう! この我に痛みを!」
『妖狐って妖怪よね。なら喰らいなさい』
そして二重身は妖狐の頭に魔を祓う銀の弾丸を撃ち込んでいく。リボルバーの威力が高かったのか、妖狐の頭が吹き飛び、消滅していく。すると女禍から強化された力が失われていく。
「生命あるものが、図に乗るな!」
そう言って一旦瀑布へと入り込み、その水を叩きつけるようにしながら信子と二重身から距離を取る。そしてもう一度瀑布から浮かび上がる時には、すでに距離を詰めれるものではなかった。
とはいえ先制攻撃は成功した。信子は自身の結果に満足しつつ、ハンドガンを収め、二重身は影へと戻っていく。
確かに帝竜女禍は侮れない能力を持つ。だが瀑布での戦いを理解し、恐れなければ十分に勝機があると信子は身をもって、続く猟兵達に示したのだった。
成功
🔵🔵🔴
黒影・兵庫
【蜂皇族】
死を受け入れよと言いながら骸の海から
現世に戻っているお前は何なんだよ
(「黒影。話が通じる相手じゃないわ」と頭の中の教導虫に話しかけられる)
そうですね、せんせー
じゃあやろうか!クロリア!
●防御
『念動力』で体を空中に浮かせて『第六感』で攻撃を予知し『オーラ防御』壁を展開しつつ{煌蚕巾}で光線を防ぎながら『念動力』で{蜂皇の牙}を操作して刃の部分で反射を狙う
●反撃
『念動力』で{皇糸虫}と{蠢く水}を操作し敵に絡ませた後、UC【光殺鉄道】を発動しレーザーブレードで切り刻む
播州・クロリア
【蜂皇族】
(黒影の呼びかけに頷く)
えぇあにさん
死が素晴らしいなら
骸の海へ還しましょう
●防御
『念動力』で『空中浮遊』しながら『第六感』で攻撃を予知し『オーラ防御』壁を展開しつつ{バイオウェア}の上着と『衝撃波』で発生させた水しぶきで光線を防ぐ
●反撃
肩幅ほどに足を開き、深く息を吐きながら全身の力を抜いた後{霹靂の旋律}で『ダンス』を始めながらUC【蠱の腕】を発動し鎖に変化させ敵に巻き付けた後、鎖に雷『属性攻撃』を通電させ雷撃を行いながら『怪力』で鎖を引っ張り動きを封じる
帝竜女禍は屈辱に震えていた。この無限氾濫瀑布の主であり、群竜大陸を支配するドラゴンたる帝竜の一柱である自身の身体に痛みを与えられたことだ。
オブリビオンとなった今、死に対する恐怖などない。ヴァルギリオスさえ生きていれば再孵化による復活が可能ではあるので、何の心配もいらない。
「だが! だが我が身に傷をつける不遜! 許せるはずもなかろう!」
そして女禍の手に持った宝珠が輝きを放つ。幾何学的な紋様と共に、眩い光を辺りを照らす。だがその光こそ、知性ある生命体全てを殺す光「抗体霊波光」なのだ。それを光線のように放ち、生命を狩り尽くす。女禍の生命体への殺戮方法の一つでもある。
「うるせえ! 死を受け入れよと言いながら骸の海から、現世に戻っているお前は何なんだよ!」
そう言って目の前でえらそうにしている帝竜女禍に怒りゲージMAXの黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)。突っ込み所満載にもはや突っ込まざるを得ないと言った感じか。
(黒影。話が通じる相手じゃないわ)
「そうですね、せんせー。じゃあやろうか! クロリア!」
頭の中にいる教導虫に話しかけられ我に返った兵庫。声をかけた先には相棒でもあり、妹でもある播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)がいる。
「えぇあにさん。死が素晴らしいなら、骸の海へ還しましょう」
「言ってくれるな、羽虫風情が。消えよ!」
念動力で浮遊する兵庫やクロリアに対し、女禍の抗体霊波光線が発射される。全長10kmに及ぶ女禍が握る二つの宝珠から放たれる光線。当たれば無事で済むとは思えないとは二人も直感で感じている。
「うおおおお! だけど、やっぱこれは怖え!」
宝珠から故に全方位に対応してくる抗体霊波光線。知性ある生命体全てを殺す光線というだけあって、兵庫も警戒は強い。オーラで作った防御壁を盾にしつつ、煌蚕巾を緊急回避に使って光線を遮りながらも前に出る。
そして同じくクロリアの方に光線が当たりそうになると、蜂皇族の牙から作ったナイフ「蜂皇の牙」を投擲して刃の部分で反射させる。
「なるほど、生命がないものには効果が薄いようですね」
兵庫のナイフの様子を見ていたクロリアは、同じく念動力で回避運動をしていたがオーラ防御壁だけではなく、衝撃波で水を巻き上げて光線を遮断させることで接近への大幅な時間を稼ぐ。
「ならば避けられぬ広域光線を放つのみよ!」
それならばと女禍が目の前のすべてを包み込む抗体霊波光線を放とうとするが、兵庫がその隙を逃すはずもない。皇糸虫と蠢く水を操作し、宝珠に絡ませた後、光線の発射の向きを空に向かって逸らす。
「光学兵の皆さん! サイコロステーキのようにしちゃってください!」
そして兵庫が発動するは能力「光殺鉄道」。呼び出された数百体に及ぶ鉄道虫が集結し、大規模なレーザーブレードを形成する。そしてそれを振りぬくように振るい、女禍の身体を斬り裂く。
「ぐおおおおおお! またしても我が身体に!」
「ダラキュな貴方に相応しい腕が決まりました」
兵庫の鉄道虫が派手な斬撃を振るっている隙に、クロリアは女禍の身体へと降り立つ。肩幅ほどに足を開き、深く息を吐きながら全身の力を抜いた後、霹靂の旋律を刻む。瞬く間に広がる雷光と心を怯ませる轟音を表現し、雷の力をその身に宿す。
さらにクロリアは「蠱の腕(コノウデ)」を発動させ、意思に従い千変万化する鋼より硬い錆色の腕が鎖へと変化していく。そして兵庫が弾け飛ばし剥がした竜鱗にそれを巻き付けて、拘束しダンスによって呼び出した雷の力を通電させる。
「竜鱗の一本釣りです!」
雷を流しながらも女禍の身体にダメージを与え、怪力で竜鱗を引き剥がす。強烈な激痛に女禍も咆哮を上げざるを得ない。
「おおおおおおおおおおおおおおお! おのれおのれェ!」
痛みからか、抗体霊波光線を乱射するも、すでに兵庫とクロリアは至近距離かは離脱して、間合いの外へと逃げようとしている。生命体を殺す光線がある以上、無理はしないとの判断であろう。
だが女禍には耐えがたい苦痛を与え、身体には確かなる傷が刻まれた。驕る帝竜に対し、これほどの打撃はなかったかもしれない。兵庫とクロリアの連携は、絶対の自信を砕く楔を打ち込む結果となったのだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ウィリアム・バークリー
【ボーダー】
何故そこまで生命を憎む? この帝竜は今までの帝竜と根本的に違う?
まず戦場となる領域に「空中戦」で先行して乗り込み、氷の「属性攻撃」「範囲攻撃」で、水面を凍らせカズマのための足場を用意する。
女禍の災厄の嵐は、「全力魔法」の「オーラ防御」とサバイバルマントで、カズマをかばいながら耐え抜くよ。
カズマ、帝竜への精神干渉よろしく。
嵐が収まったら反撃だ。
ぼくは空中から「高速詠唱」「全力魔法」氷の「属性攻撃」「範囲攻撃」のParmafrostを発動。戦場全域を凍結させる。
ぼくは「氷結耐性」があるから平気。
凍結した全箇所から女禍へ向けてIcicle Edgeを射出。
全方位一斉攻撃に耐えきれるか!?
瀬尾・カズマ
ボーダー
先制攻撃はウィルに庇ってもらう。いつも本当に感謝!
こんな大技、制御が難しいはずだ。自慢の大技止められて、内心冷や汗ドバドバイグアス滝なのでは〜?
とマントの陰から敵を煽って俺に注目させる
そしたら
俺の瞳を見たな?
【催眠】発動。"あなたはだんだん眠くなる"と暗示かける。龍相手だから、一瞬目眩を引き起こすので精一杯。けど制御を失わせるには十分のはず!
機動力あるみたいだが、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるってなぁ。
ニョグ!"もっと出ていいぞ"!
触手の数と太さと長さを増やして一斉に【範囲攻撃】
ウィル、ニョグごと巻き込むつもりでOKだぜ。こんな化物、氷漬けにして南極に沈めた方が、世のため人のため俺のためだ!
身体に走る激痛が帝竜女禍を不快にさせる。誇るべき金属の竜鱗は剥がされ、肉が露出する。尊きドラゴンの血が流れ出ている。許せることではない。
怒りに身を震わせながらも、帝竜女禍は黄金飛翔竜としての矜持を忘れない。圧倒的な力を滅ぼしてこそ、オブリビオンが生命体に勝るという何よりの証左になることを理解しているからだ。
「もはや、許容できぬ。荒れ狂う瀑布の中で沈め、下劣なる生命体共よ!」
そうして女禍は災厄と呼ばれる嵐を引き起こす。大地を流れ込む瀑布を意のままに操り、そのまま空へと巻き上げ、すべてを飲み込まんする大瀑布を顕現する。その恐るべき質量の水は叩きつけるものをすべて圧し潰すだろう。
「何故そこまで生命を憎む? この帝竜は今までの帝竜と根本的に違う?」
あまりの激烈なる生命への憎悪にウィリアム・バークリー(“聖願(ホーリーウィッシュ)”/氷の魔法騎士・f01788)は顔をしかめる。だが疑問を吹き飛ばすように空から落ちてくる瀑布が襲い掛かってくる。猶予はない。
飛行魔法で同行者の瀬尾・カズマ(ニョグタノオトシゴ・f25149)を空を浮かせつつ、対策を取る。水魔法を宿したサバイバルマントで魔力防壁を張りながら、瀑布を遮断するべく真っ向から立ち塞がる。
「……くっ!」
だがウィリアムの魔力量をもってしても天高く落ちてくる瀑布の嵐は相当の負荷となる。何とか防いではいるが、長くは持ちそうにない。
そんな苦しそうなウィリアムに対し、カズマは感謝しつつ自分の仕事をするべく動き出す。瀑布を防ぐ防壁のマントの後ろで、帝竜女禍を挑発するような言葉を吐く。
「こんな大技、制御が難しいはずだ。自慢の大技止められて、内心冷や汗ドバドバイグアス滝なのでは~?」
「そこまで死にたいか、小僧!」
女禍がさらに瀑布の嵐を叩きつけて、ウィリアムごとカズマを圧し潰そうとする。そして殺すような視線でその赤い一つ目はカズマを睨みつけてくる。
「……カズマ、帝竜への精神干渉よろしく!」
「俺の瞳を見たな?」
さらなる瀑布を全力の魔法で押しとどめるウィリアム。だが限界は近いのか水の防壁は崩壊寸前。その瞬間、カズマは瞳に仕込んでいた催眠幻術を女禍に発動させる。
「あなたはだんだん眠くなる」といった簡単な暗示である。だが事前に仕込んでいただけあって精巧に組み立てられた催眠は、帝竜と呼ばれる女禍にも多少なりとも精神干渉を起こす。
「な、なんだ……これは!」
もしも精神が安定した状態であれば効かなかったかもしれない。だが度重なる猟兵達の健闘、ウィリアムの抵抗やカズマの挑発もあり、一瞬目眩を引き起こす。
それが精一杯であったが、カズマにとっては十分であった。瀑布の嵐は制御を失い、ウィリアムへの叩きつけが限界を迎える前に逸れる。
「よし、反撃だ!」
ようやく瀑布の嵐から解放されたウィリアムは、短縮詠唱の氷魔法で水面を凍らせ、カズマのための足場を用意する。もちろん、荒れ狂う瀑布の前では一時的なものではあるが、それは今から発動する大魔法「ermafrost(パーマフロスト)」の前段階だ。
「――Permafrost!」
詠唱を完結させ、視界を奪う猛吹雪が吹き荒れる。ウィリアムやカズマがいるところはおろか、帝竜女禍の視界範囲内をを永久凍土が包み込む。
「我が領域を凍らせるとは。だがこの程度で瀑布は止められぬ!」
再び瀑布の嵐を起こし、永久凍土ごと吹き飛ばそうとするも、足場を確保したカズマが接近し、能力「ニョグダノオトシゴ」発動により体内の黒い不定形のUDCが蠢き始める。
「機動力あるみたいだが、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるってなぁ。ニョグ! "もっと出ていいぞ"!」
そして伸縮・変幻自在の触手がカズマの身体の外から出でて、女禍を掴まんと触手の数と太さと長さを増やして一斉に殺到する。まるで怪物が獲物を喰らうかのように、次々と巻き付き始める。
「汚らわしいものを……!」
「ウィル、ニョグごと巻き込むつもりでOKだぜ。こんな化物、氷漬けにして南極に沈めた方が、世のため人のため俺のためだ!」
そして永久凍土の環境に対応したウィリアムの魔力が呼応を始める。凍土から出でる氷の矢が一気に女禍へ向けて発射される。氷の全方位一斉攻撃が襲い掛かる。
「ぐおおおおおおおおおおお!」
「耐えきれるか、女禍!」
ニョグは氷漬けにされながらも触手を増殖させ、その肉体を喰らおうとする。ウィリアムの氷は命中し、生命と熱を奪っていく。このままではまずいと言わんばかりに女禍は天高く飛翔する。
そしてそのまま急降下し、永久凍土の氷を叩き割り、瀑布へと避難する。その際Permafrostを維持していた魔力も霧散し、瀑布が再び胎動を始める。
「逃がしたね。このままだとまた出てくるし、退くよ」
「あいよ。でもニョグ、ちゃっかり逃げてきてるんだよなァ……」
体内に再び戻り始めるニョグを見てカズマはため息を零す。永久凍土ですらも倒せない自身のUDCにもはや諦め気味だ。
そしてウィリアムは凍土を破った女禍の力に感嘆しながらも、その手ごたえもまた感じていた。生命を終わらせるといいながらも、自身の終わりは感じていない。そんな鈍感こそ、かの帝竜を滅ぼす綻びだと、確信するのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
火土金水・明
「相手は帝竜の一体。こちらも全力で迎え撃ちましょう。」
【水上歩行】の技能を使用して水上を移動します。
相手の先制攻撃に対しては、【見切り】【野生の勘】【第六感】の技能を駆使して回避を試みます。
【POW】で攻撃です。
攻撃は、【高速詠唱】で【破魔】と【継続ダメージ】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【ファイナル・フレア】で、『帝竜オアニーヴ』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【勇気】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
才堂・紅葉
気が楽だ。先の二竜と違って、気持ち良くぶちのめせる相手だ
知らず獣の笑みが浮かぶ
先制対策は、野生の勘で錬金科特製光学迷彩ガジェットを奴に先んじて起動する
対象を見失うリスクは、偵察用の観測機器で外界から情報収集し、アルダワメカニックで無害な可視光を抽出する事でカバーだ
反撃の為に真の姿の封印を解く
「コード・ハイペリア」
先に得たデータを元に、身に纏った“超重力の力場”で奴の光線を偏光させ、オーラ防御
後は一息に飛翔して肉薄し、超重力体術の攻防を挑む
こちらも飛べる以上、知性寄りの帝竜相手に殴り合いでは負けられない
【グラップル、怪力、属性攻撃、重量攻撃、部位破壊、頭突き】
後はまぁ、反動を捻じ伏せる気合いだ!
ビードット・ワイワイ
アドリブアレンジ連携歓迎
見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり
傲慢不遜な驕りし強者最早見飽きしその態度
忘却は敗北も忘れさせるか。なぜ敗れたか学ばぬか
再び過去へとなるがよい。ここが汝の破滅なり
我が装甲は堅牢なりし鋼鉄纏う
一切の生を見せぬ硬質。持ちし装甲で盾受けし
更に武装で武器受けし、纏うオーラで防御を厚く
軌道を見切りて皆を守る。我が体は壁である
生を守る壁である
これなるUCは水辺でしか使えず
ここで見せるは汝からすれば小さき亀よ
悪意は亀を強くした。
水は汝だけの味方であらず。損傷は全て消え去った
水よ来たれ。我が武装はこの瀑布全て
形作るは幾門もの砲、幾本もの誘導弾
水で作りし換装は悪意。悪意は未だ潰えぬぞ
緋神・美麗
アドリブ・絡み歓迎
足場が殆ど無い上に敵は強大でしかも飛んでるとかないわぁ。それでもやらないといけないのよね。全力全開でいくわよ。
オーラ防御を足元に展開して足場とし、フェイントを掛けながらダッシュして的を散らし時間を稼ぎ、周囲の雨を属性攻撃とオーラ防御、ライトニングセイバーの熱で蒸発させて霧状に変化させ、女媧への目晦ましと光を乱反射させる防御膜とし利用して攻撃を凌ぎ、超巨大電磁砲でカウンターを撃つ
千載一遇のチャンス、第六感・野生の勘・誘導弾で確実に当てに行き、鎧無視攻・捨て身の一撃・二回攻撃・衝撃波・属性攻撃・限界突破を乗せた正真正銘の乾坤一擲で女媧を撃ち落とす
「あんたはここで墜とす!」
大瀑布は猟兵の生み出した凍土を砕き、飲み込んでいく。無限に氾濫するという触れ込みは嘘ではなく、氷漬けにできたとしても一時的なことが証明できるほど、この瀑布の力は雄大だ。
そしてその瀑布の支配者は、水の中から勢いよく飛び出してくる。黄金飛翔竜、瀑布の絶対支配者・女禍。その瞳は以前より憎々しく、生命をある者を睨みつけている。
「やはり生命ある者は滅ぶべきと確信した。我が肉体、完全なる玉体に傷をつけたのだからな!」
そして宝珠が輝き、生命を殺し尽くす抗体霊波光線を生み出そうと光輝く。だがそんな生命にとって危機的な状況であっても、才堂・紅葉(お嬢・f08859)と火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)とって怯える要因にはなり得ない。
「気が楽だ。先の二竜と違って、気持ち良くぶちのめせる相手だ」
「相手は帝竜の一体。こちらも全力で迎え撃ちましょう」
紅葉は知らずに獣の笑みが浮かぶを浮かべている。弱者と思って相手を侮る強者を正面から打ち倒せる喜びを知るがために。明も静かに微笑む。侮りこそ敗北を導くがことを知り、それを証明するがために全力を尽くす。
そんな二人に対して抗体霊波光線が放たれる。避けきれないように細いレーザーのように無数に二人へと押し寄せてくる。
対する二人の対応はそれぞれ違った。重力の力を利用し浮遊する紅葉は錬金科特製光学迷彩ガジェットを起動し、瀑布に溶け込むように姿を消す。もちろん見えなくなっているだけなので、当たる可能性はある。その為に偵察用の観測機器で光線の軌道予測し、当たる瞬間にアルダワメカニックによる無害な可視光を抽出する事でカバーリングする。光には光、ということだ。
そして魔力を足に込めて水上歩行をする明は、優雅に歩き魔法による幻影を作り出して、狙いを拡散させる。生命に当たれば明にとっても致命傷になるが、巧妙な足捌きで本体を捉えさせない。
「それも残像ですよ?」
「おのれ、小癪な真似を!」
明の幻影を本体を纏めて撃ち落とそうと躍起になる女禍。その集中した攻撃が、姿を消した紅葉の接近を許した。反撃の為にすでに飛翔した彼女の光学迷彩は解かれ、ハイペリアの紋章が光輝く。
「コード・ハイペリア!」
真の姿が顕現し、封印が解かれ赤い髪が靡く。そして能力「ハイペリアの姫(プリンセス・オブ・ハイペリア)」が発動し、超重力の力場が身体を覆いつくす。
女禍もそれを撃ち落とさんと抗体霊波光線を放つが、先に得たデータを元に超重力の力場を操り、紅葉はその光線をうまく偏光させ、防御する。それはまさしく光を切り裂く真紅の姫君であった。
「こちらも飛べる以上、知性寄りの帝竜相手に殴り合いでは負けられないしね!」
そして繰り出すは超重力体術の猛攻。宝珠に向かって重力のかかった拳、蹴りの連続攻撃が突き刺さる。そして宝珠に亀裂が入る。
「貴様、まさか!」
「反動は気合でねじ伏せるさ。行くよ!」
そしてトドメと言わんばかりに超重力を乗せた頭突きが宝珠へと炸裂する。その瞬間、抗体霊波光線を放つ球体は木っ端微塵に砕け散り、光が拡散する。その反動に巻き込まれないように紅葉も後ろに飛ぶ。
「この攻撃にすべてを込める!」
そして宝珠を破壊され光が溢れ出したことにより、明にも余裕が生まれる。高速に編まれる詠唱の元、大魔法「ファイナル・フレア」を女禍に向けて発動する。油断していた黄金飛翔竜は避けることもできず、その明の全魔力が込めれた爆炎に巻き込まれる。
「ガアアアアアアアアア!」
金属の竜鱗を吹き飛ばすほどの爆裂の上に、肉を焼く炎がまとわりつくように炎上する。これもまた明の詠唱して組み込んだ魔法に一端であった。
「見たり見たり見たり、汝の破滅を見たり。傲慢不遜な驕りし強者最早見飽きしその態度。忘却は敗北も忘れさせるか。なぜ敗れたか学ばぬか」
破壊された片方の宝珠、炎上する黄金飛翔竜。それを見てビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)は高らかに宣言する。洋上を突き進むその姿はまさしく水上要塞の如しであった。その機械の瞳は崩壊を始めた女禍を捉える。
「再び過去へとなるがよい。ここが汝の破滅なり」
「足場が殆ど無い上に敵は強大でしかも飛んでるとかないわぁ。それでもやらないといけないのよね。全力全開でいくわよ」
いざとなれば足場をオーラで纏いを水上を行く気でいた緋神・美麗(白翼極光砲・f01866)はビードットの肩に乗っている。まさしく戦艦に乗っている気分になるだろうが、巨大な黄金飛翔竜を見て億劫にもなる。だがやらなければならないと自身に気合も入れる。
「どこまでも醜く足掻く者達……いい加減に消えよ!」
そしてもう片方の宝珠から抗体霊波光線がビードットの装甲に突き刺さる。その装甲は堅牢とも呼べる鋼鉄で出来ており、生とは無縁の硬質である。その装甲とさらに自身が生み出すオーラ防御を重ね合わせて抗体霊波光線に真っ向から対抗する。
だが女禍も馬鹿ではない。光線を一転集中させ装甲を貫くほどの高密度の抗体霊波光線で装甲を抜かんと試みている。
「我が体は壁である。生を守る壁である」
「いい覚悟だけど、私も援護するよ!」
だが守られていては女が廃ると、美麗も動く。降り注ぐ瀑布の水をライトニングセイバーの熱で蒸発させて霧状に変化させる。その狙いは女禍への目晦ましと光を乱反射させる防御膜とし利用するためだ。
この美麗の方策が効いたのか、抗体霊波光線は弱められビードットの装甲を抜くまでに至らない。そして視線が切れている今こそ、千載一遇のチャンス。美麗は能力「超巨大電磁砲(ハイパーメガレールキャノン)」を発動させる。
「邪魔なその宝珠、ここで墜とす!」
狙いを定め、絶対に外すことないように正確に計算された一撃。放たれた電磁加速して射出された巨大な鉄塊。乾坤一擲の一撃は、瀑布を抜き、空気を切り裂き、宝珠の殻を容易く貫き、突き抜ける。
貫通した宝珠は光が暴走し、やがて亀裂を引き起こし爆発するかのように砕け散る。そのあまりの一瞬のことに女禍もあっけにとられてしまう。
「ロードルーイン、それは希少種。その甲羅は上質なりし素材へと変わる。乱獲されるも一匹残る。これは逆襲。かくして彼らは滅んだ」
そして宝珠をすべて撃ち落とされ、追撃と言わんばかりにビードットが「実行仮想破滅・悪意のみ知る大亀よ(アクセス・イマジナリールーイン・アイスクリーム)」を発動する。呼び出されるは水辺でしか生きられず、されど水があれば無敵と呼べるほどの再生能力を誇る全長300mに及ぶ無敵に近い硬度を持つ亀。
絶滅という悪意がその亀を生み出した。そして女禍に比べれば小さくはあるが、水はかの亀の味方である。
「水よ来たれ。我が武装はこの瀑布全て。形作るは幾門もの砲、幾本もの誘導弾。水で作りし換装は悪意。悪意は未だ潰えぬぞ」
ビードットが指揮する亀は瀑布の水からまさしく要塞戦艦と呼べるべき攻撃拠点を作り出す。そして悪意という圧縮された水の一斉砲撃が女禍に突き刺さる。水と言えども圧縮され、硬質化すれば竜鱗ですら砕く硬度を誇る。
「お、のれえええええええええ!」
そのビードットの無数の艦砲射撃の前に黄金飛翔竜は飛ぶことができずに吹き飛ばされ、瀑布へと沈んでいく。だがビードットの瞳はその姿を見据えていた。まだ滅びには至っていないと。
だが最大の武器である生命体を殺す光を放つ宝珠は完全破壊され、一つの攻撃手段を失った女禍。過去で不変の存在を強者と信じる女禍に対して、猟兵達は滅亡の可能性を意識に植え付けたのだ。そしてそれが確定した未来になる時は、近い。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ジル・クリスティ
「やっぱり竜だもの飛ぶものくらいいるよね…」
私じゃ空を飛んで逃げるというのは、どんなに鎧装での高速飛行やっても、サイズ差あるから現実的じゃないかな…?
だったら、取れる手段はこっちだ
高速機動で的を絞らせないように飛び回りながら、
私に向かってくる攻撃は、【Shot Down Canceler】、全て打ち消し撃ち落とすっ
自然現象を操るってことは、大幕府から水が襲い掛かってくるのかな…?
ならその水を、荷電粒子砲の弾幕連射で蒸発させて打ち消してやるさっ
相殺できたならそのままロングレンジライフルを速射モードから高出力モードにして、シュート!
蜂の一刺しかもしれないけど、私の砲撃で貫いてみせるっ!
緑川・小夜
[WIZ]
随分自分の力に自身があるみたいね…ならそのプライドをへし折ってあげるわ
水面の上を歩く仙術で、この戦場でも地上と変わらずに動けるわね(【水上歩行】【環境耐性】)
敵からの攻撃は、「持禁障壁」による【オーラ防御】と、【残像】を出す程の【ダッシュ】による撹乱、【第六感】による回避で、耐え凌いでみせるわ
選択UCが発動可能になったら、即座に発動。そして仙人の姿になったら、すぐさま高速飛行で敵の口から体内に侵入
敵の体内で触れた物を溶かす麟粉を撒き散らし、おまけに【オーラ防御】を纏った体当たりも加えようかしら
痛いでしょうね。身体の内側から溶けていき、そこをいたぶられるんだから
[アドリブ連携歓迎です]
ツェリスカ・ディートリッヒ
確かに絵画や彫刻は、既に確定しているからこそ美しい。
だが不変の芸術とは、余計な口を利いたりなどしないものだ!
現れよ、『覇界断章・惑乱回廊』。
本来ならば敵を封じ込め、幻惑と反射で自滅させるUCだが……。
このたび閉じ込めるのは余でも女媧でもなく、発動した『災厄の嵐』のみ!
いかなる現象であろうと、動きのある攻撃なら内部で反射できる。
そして迷宮は『かなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない』。
反射を繰り返した嵐は、やがて出口から噴出するということだ。
そしてあらかじめ出口を敵の方向に設置すれば……。
いわば指向性を持った『災厄の奔流』、貴様が浴びてみるのだな!
余は迷宮の外部から、貴様の滅びを見守ってやろう。
緋奈森・鈴音
帝竜、流石にすごく強そうねー。
それでも制御が難しいでしょうし少しでも気を逸らしたり、予想外の攻撃受けたりしたら制御を離れて暴走して自分に降りかからせたりできないかなー?
相手がどんな現象を起こしてくるかはわからないけど
最初は高空に浮遊して位置取って相手のアクション有り次第、鉄腕を残して地面に自由落下&激突直前で空中浮遊再開!
そのまま相手の攻撃の範囲を避けるように動きつつ狐火で女禍本体を攻撃!
そっちは制御しながらどこまで避けきれるかしらー?
地面に注意が向いてる隙に、上空に残しておいた腕から手裏剣とかを全弾投射しつつ鉄腕を飛ばす!
「おねーさん、銀色の雨が降るのも綺麗と思うのー」
制御離れるかしらねー?
失われた二つの宝珠。もちろん再生することは可能ではあるが、骸の海から呼び出すということは多大なるエネルギーを消費する。つまりこの猟兵との戦いではもはや使うことはできない。
そう思いながら帝竜女禍は自身の苦戦を呪っていた。これほどまでに生命体に遅れをとるなど、自身のプライドが許せることではなかったからだ。
「ならば災厄と化そう。唾棄すべき生命体共、我を怒らせたことを悔やむがいい!」
そして災厄の嵐は巻き起こる。無限氾濫瀑布のすべてを統制下に置き、その荒れ狂う水のエネルギーが今、猟兵達を襲う嵐となって襲い掛からんとする。
「やっぱり竜だもの飛ぶものくらいいるよね…」
荒れ狂い飛翔する帝竜女禍をフェアリーの羽で飛翔しながらジル・クリスティ(宇宙駆ける白銀の閃光・f26740)は嘆息する。鎧装での高速飛行を行えるといっても、全長10kmを誇る黄金飛翔竜の前ではサイズ差は絶望的である。
それでも全く諦める気はないジル。小さくとも戦い方というのはあると強く敵を見据える。
「随分自分の力に自身があるみたいね…ならそのプライドをへし折ってあげるわ」
ジルの弱気とは逆に荒れ狂ってきた瀑布の上を、仙術によって歩く緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)。盗賊黒蝶として絶対強者から、勝利をも盗まんと帝竜女禍へと挑む。
女禍の怒りを具現化したような大瀑布がジルと小夜に降りかかるが、どうということはない。ジルは冷静に瀑布という自然現象を見極め、高速機動によって回避していく。
「だったら、取れる手段はこっちだ!」
そういって同じ機動力を駆使して水面を走る小夜を援護するように、能力「Shot Down Canceler(ショット・ダウン・キャンセラー)」を発動させるジル。ロングレンジライフルから放たれる荷電粒子砲の弾幕連射が、大瀑布であろうともその水分ごと蒸発させて道を作り出す。
「偉大なる瀑布に逆らうか、生命体よ!」
「決まっているでしょ! 全て打ち消し撃ち落とすっ!」
さらに巨大な大瀑布を放つ女禍に対しても一切引かないジル。荷電粒子砲の弾幕連射によって穴を穿ち、そこから女禍を視界に捉える。そしてそこから速射モードから高出力モードに切り替えて、発射する。
一瞬のことであったが、高エネルギーの荷電粒子砲が女禍の金属竜鱗をも砕き、身体を貫通する。それに吐血する女禍。
「蜂の一刺しかもしれないけど……」
「いや、十分よ。おかげで蛹を破り蝶は舞える」
ジルの砲撃が、小夜に能力「自己改造術『羽化登仙・改』(ウカトセン・アラタメ)」発動の隙を作り上げた。小夜は蝶の羽が生えた仙人となり、水面から透明な蝶の羽を羽ばたかせ、荷電粒子砲に貫かれ苦しむ女禍の口へと自ら入り込む。
女禍の牙や消化液などは持禁障壁の防御で守り、体内へと侵入していく。そしてその道すがら、触れた物を溶かす麟粉を撒き散らしていく。
「ぐぎゃあああああああああああああ! 我が体内で、何を!」
「痛いでしょうね。身体の内側から溶けていき、そこをいたぶられるんだから」
妖しく微笑みながらも鱗粉を散布しながら、小夜はさらに追撃と言わんばかりに体当たりもしながら女禍の体内を荒らしまわる。そしてそのまま、ジルが作った風穴から脱出する。
「おのれ、惰弱なる生命体共! 死ね死ね死ね死ねィ!」
すでに憤怒は女禍の冷静さをも喪失させる。神聖なる体内を荒らして出ていった小夜を大瀑布を操り、水の藻屑にしようとする。だがそこにツェリスカ・ディートリッヒ(熔熱界の主・f06873)が翼を羽ばたかせ、立ち塞がる。
「確かに絵画や彫刻は、既に確定しているからこそ美しい。だが不変の芸術とは、余計な口を利いたりなどしないものだ!」
そして堂々と宣言すると共に、能力「覇界断章・惑乱回廊(ヴェルトツァウバー・マールト)」を発動する。本来であれば敵を封じ込め、幻惑と反射で自滅させる迷宮を展開する能力。
だがツェリスカがその迷宮へと誘ったのは女禍ではなく、災厄の嵐によって操作した大瀑布そのものであった。
「我が氾濫瀑布を飲み込む、だと?」
「帝竜、流石にすごく強そうねー。だけど予想外の攻撃には弱そうかなー?」
そんな制御する瀑布が消え去るという驚きの現象を、空高く浮遊した緋奈森・鈴音(妖狐の化身忍者・f03767)が見下ろしている。大瀑布を操るという強大な力を確かに強力であれど、その制御は難しいはずと上空で観察していた鈴音。
ツェリスカの迷宮によって瀑布が消え去るという動揺をさらに広げ、さらに制御を乱そうと考える鈴音は、鉄腕を残し自由落下を始め、一気に急降下を始める。
「また体内にでも入る気か。させぬ!」
だがもう体内でやらせるものかと、伸縮可能な腕で鈴音を叩き落そうとする女禍。だが翻弄するように当たる瞬間に再び空中浮遊を開始して、それをギリギリ回避。その際に「フォックスファイア」の狐火を取りつかせて、竜鱗の隙間を焼いていく。
「そっちは制御しながらどこまで避けきれるかしらー?」
女禍も再び瀑布から制御して、鈴音を撃ち落とそうとするも、それを発動した瞬間からツェリスカの迷宮が飲み込む。発動できない焦燥と鈴音に注意が向く隙に、狐火が燃やしたところを、上空に残しておいた腕から手裏剣とかを全弾投射しつつ高温化した竜鱗を砕こうと投げつける。
「小癪、な!」
そして鈴音が鉄腕を飛ばしてトドメと言わんばかりに竜鱗を砕く瞬間、女禍は見た。自身が制御していたはずの瀑布が猛烈な勢いで迫ってくるのが。荒れ狂う瀑布に成すすべくもなく飲まれる女禍。
ツェリスカの「覇界断章・惑乱回廊」はいかなる現象であろうと、動きのある攻撃なら内部で反射できる。そして迷宮は『かなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない』。
「いわば指向性を持った『災厄の奔流』、貴様が浴びてみるのだな!」
ツェリスカはあらかじめ出口を敵の方向に設置し、反射を繰り返した嵐は、出口から噴出させたのだ。自身が制御する猛烈な瀑布は反射することでさらに勢いを強め、制御者である女禍すらも打ち砕く水圧となって押し寄せたというわけだ。
その滅びへと足を突っ込む様を、迷宮の外部から見下ろすツェリスカ。そして鈴音もまた悪戯っぽく笑い、その様を鑑賞する。
「おねーさん、銀色の雨が降るのも綺麗と思うのー」
「シルバー……レイン……! お、の、れええええええええええ!」
鈴音の狐火の熱で脆くなった金属の竜鱗は、ツェリスカが導いた大瀑布によってさらに崩壊の一途をたどる。自身が呼び起こした瀑布によって、飲み込まれ沈んでいく帝竜女禍。
身体を貫かれ、体内を焼かれ、竜鱗を砕かれ、自身の攻撃すら利用された。それによって多大なる肉体的にも精神的にもダメージを受けた黄金飛翔竜。
だがそれでも帝竜の一角である。女禍はすべてのプライドを捨て去ってでも敗北だけは許容できるはずもなかった。己がしんのあるじが背後へと現れる。そして手負いの竜は、猟兵という生命体を消しらさんと凄まじい眼光を放つ。帝竜女禍の最後の反撃が始まろうとしていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
一駒・丈一
【morgen】
マチルダの操船する幽霊船に乗って接敵する
確かに乗り心地は良い。
美女とのクルーズを楽しみたい所だが
まずは生還を目指そう。くたばったら幽霊船員として再雇用してくれ。
船上でガーネットの砲塔に身を投じ、人間砲弾としてぶっ放してもらい、一気に敵との距離を詰める。
勿論、空の藻屑になる気はない
空中にて敵が先制して召喚する妖狐の位置を【見切り】
視界内に納めUC【罪業罰下】で可能な限り纏めて一閃し、敵の戦闘力向上を抑止する。
そして、空中から宝珠に飛び移り刀を突き刺し傷を与えて光線の威力低下を試みる。そうすればアネットも立ち回り易いだろう
その後は瀑布に着水。
全く…誰だ、大砲を使おうと言い出したのは
マチルダ・メイルストローム
【morgen】
あれだけでかいと良く見えるねぇ。海竜でもあんなサイズのは見たことないよ。
このあたしが操るんだ、乗り心地は保証するよ?
秘宝「ゴースト・フリート」に乗って接近するよ。 グリードオーシャンの異常気象を相手にしてるんだ。この程度で沈むほどこのゴースト・フリートは柔じゃない。
属性と合成された自然現象を相手に船が沈まないよう舵を取りつつ、船員の亡霊海賊には避けきれなかった箇所の応急修理と大砲の準備をさせる。
反撃の隙ができたら【オフショア・デスペラード】を使ってアネットと丈一を大砲で送り出すよ。
奪ってくるもの? あいつの命さ! ぶっ殺して来な!
丈一とアネットは後でしっかり回収しとくよ。
アネット・レインフォール
【morgen】
▼静
幽霊船には初めて乗るが、あるとラクでいいな。
ガーネットの魚も…美味そうだ。
だがあの巨体を貫く事は一筋縄ではいかないだろう。
…しかしこの船、やけに装備が充実してるな?
特に大砲、これは――イイものだ
▼動
海上・足場は仲間の船を利用。
光攻撃には葬剣を巨大な傘か盾にして防御用に。
他の刀剣は念動力で束ねて影を作りつつ
刀身に反射させ反撃も試そう。
仲間へのフォローも忘れない。
一駒を誘い、内心ワクワクしながら
マチルダの大砲内にスタンバイ。
なるべく頭部や損傷個所を狙ってくれよ?
仲間の攻撃に乗じながら刀剣を飛ばして牽制。
霽刀と式刀を手に範囲攻撃の力を
一方向に束ね【雷刃六連舞】を放つ。
アドリブ歓迎
ガーネット・グレイローズ
これがマチルダの幽霊船か…幽霊と同乗するというのはなかなか貴重な体験だな。まずはランブルフィッシュで海上に出撃し、災厄の嵐を誘発させよう。敵の攻撃力は驚異的だが、精度には難がある。うまく魚を<操縦>し、ジグザグ遊泳や急な方向転換で<フェイント>をかけ、的を絞らせない。短時間なら、海中に潜って<水中機動>も可能だ。ズブ濡れになる覚悟はできている。敵の第一波を凌いだら、こちらからも仕掛けよう。【ガーネット商会】の船乗りに指示し、<航海術>と<高速泳法>でのアシストと、<団体行動>で応急修理に参加。人間大砲とは恐れ入った、さすがは猟兵ですね。仲間のUC攻撃に合わせ、クロスグレイブで<砲撃>
自身を制御する八尾を備えた、物言わぬ妖狐の女性を携え、黄金飛翔竜にして、無限氾濫瀑布の主・帝竜女禍はすべての力を生命の滅びへと集中し始めていた。
もはや認めざるを得ない。自身が唾棄すべきと断じた生命体は、オブリビオンという完璧を葬り去るほどの可能性と力を持った存在なのだと。自身は驕っていたということを。
「ならば、滅ぼさぬにはおれぬ! オブリビオンたる我等が支配こそ、絶対だと証明する為! 貴様等を消滅させようぞ!」
すでに万全の状態ではなく、損傷の度合いも激しいながらも女禍は天高く咆哮する。それこそまさしく帝竜たる存在の力強さを証明するものだった。
「あれだけでかいと良く見えるねぇ。海竜でもあんなサイズのは見たことないよ」
そう言いながら、マチルダ・メイルストローム(渦潮のマチルダ・f26483)は女禍の強大さに荒れ始めた瀑布の中、どんなサーペントよりも強力なのだと理解した。だが不敵に笑い、それに負けないと自信を持っていた。
自身の愛船である幽霊船「ゴースト・フリート」を率いて、瀑布の中を黄金飛翔竜目掛けて突っ切るマチルダ。渦潮の名は伊達ではなく躊躇はない。そしてその船には頼もしき仲間、一駒・丈一(金眼の・f01005)、アネット・レインフォール(剣の異邦人・f01254)、ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)も乗船している。負ける気は微塵も感じていなかった。
「確かに乗り心地は良い。美女とのクルーズを楽しみたい所だが……まずは生還を目指そう」
「幽霊船には初めて乗るが、あるとラクでいいな」
「これがマチルダの幽霊船か…幽霊と同乗するというのはなかなか貴重な体験だな」
丈一がマチルダとガーネットを見ながら、余裕の表情を見せ頼もしさを見せつければ、アネットもリラックスして敵に対しての気負いも見せない。ガーネットも幽霊船の船員を物珍しそうに見ながら、これから戦う仲間の頼もしさの再確認をしている。
「このあたしが操るんだ、乗り心地は保証するよ?」
己の船が褒められることに若干のくすぐったさを感じるものの、誇りを見せるマチルダ。そしてしんのあるじによって強化された帝竜女禍はその船を見つけると、復讐する憎き仇を見つけたかのように睨みつけてくる。
「消えよ、生命! 消えよ、我が敵よ!」
そして急速接近する帝竜女禍を見てマチルダが号令をかける。まさしく最終決戦の始まりを告げる号令だ。
「野郎共、全力で回避だ! 丈一もアネットもしっかり捕まってろよ!」
「それじゃ私も行くとしよう!」
マチルダが幽霊達に指示を取り、ゴースト・フリートの操船する。そしてマチルダは狙いを拡散するために、ガーネットは自身の愛魚であるランブルフィッシュを呼び出し飛び乗って海を駆ける。
初撃の突撃を回避したところで、再び降り注ぐ瀑布がマチルダのゴースト・フリートとガーネットのランブルフィッシュを飲み込もうとする。
「ガーネットの魚も…美味そうだ」
「……ここで食欲爆発は勘弁してくれよ」
荒れ狂う嵐の中でもアネットはガーネットの愛魚に熱い視線を送る。それを丈一はため息をつきつつ、振り落とさないように船にしがみつく。自身の出番はまだ先だとしっかりと待機を心掛ける。
「いつまでも凌ぎきれると思うなよ、生命体共よ!」
グリードオーシャンの異常気象を相手にしているだけあって、マチルダの幽霊船は頑丈であり、操船技術も卓越したものだ。だが沈まないにしても徐々に船のダメージは蓄積されていき、降り注ぐ瀑布に船体は軋む。
それをアシストするように攻撃を誘発しているのが、ガーネットだ。ランブルフィッシュをジグザグに走行させ、マチルダのゴースト・フリートのみを狙わせないように巧みに避け続ける。そして水中に潜り、高速潜航することでマチルダの船の下を潜り抜け、接近する。
「さあ、仕事だ野郎共! ガーネット商会の真価を見せる時だ!」
そして「ガーネット商会」を発動させ、優秀なグリードオーシャンの船乗りをマチルダの船へと召喚する。その船乗り達によって航海性能をさらに向上させるように作業をし、さらに船体の修復作業を手伝わせることによって、マチルダの攻撃の余裕を作り出す。
「サンキュー、ガーネット! さて、丈一! アネット! 準備はいいか?」
「ああ…しかしこの船、やけに装備が充実してるな? 特に大砲、これは――イイものだ」
マチルダの呼びかけにアネットが答えると共に、大砲への賛美をしつつ、内心ワクワクしながらマチルダの大砲内にスタンバイしている。丈一も手際の良さに驚きつつも、大砲へと入り込む。そう、荒れ狂い強化された女禍の間合いに入るにはどうすればいいか。つまりは人間砲弾というわけだ。
そして丈一がいつもの気怠そうな表情でマチルダに砲撃の合図を送る。
「くたばったら幽霊船員として再雇用してくれ」
「んなことを考えている暇があったら略奪だよ。奪ってくるもの? あいつの命さ! ぶっ殺して来な!」
その言葉と共にマチルダは能力「オフショア・デスペラード」を発動し、共感した丈一とアネットの戦闘能力を底上げする。そして号令と共に砲撃が帝竜女禍に放たれる。人間砲弾となった二人が宙に舞う。
「正気か、生命体共!」
「人間大砲とは恐れ入った、さすがは猟兵ですね」
さすがに砲弾として飛んでくる二人に女禍も驚くしかない。そしてガーネットはそんな二人を援護すべく、クロスグレイブの砲撃を女禍の背後で放つ。狙うは女禍を操っている妖狐だ。
不意を突かれて、妖狐の女性が吹き飛ばされると同時に、丈一が攻撃の間合いへと到達する。狙うは、その首ただ一つ。
「これにて終いだ。余罪は地獄にて禊がれよ」
放たれるは「罪業罰下(ザイゴウバッカ)」。音速の刀術であり、己に課せらた因果を一時的に逆転させる一閃が、妖狐の首を断つ。罪は罰によって禊がれた。
そしてアネットもまた損傷個所に砲撃され、その箇所を葬剣【逢魔ガ刻】で斬り裂く。細胞と血管が刻まれ、高貴なるドラゴンの血が噴き出す。
「き、貴様等アアアアアアアアアア!」
「終わりだ、帝竜」
「滅ぶのはお前だったな」
女禍の頭部へと、下からアネットが駆け上がり、上から丈一が落ちてくる。再びの丈一の「罪業罰下」で女禍の瞳の外殻を砕き、最後にアネットの「雷刃六連舞」が放たれる。
霽刀と式刀を手に連続で放つ切断特化の電刃居合い斬り。それを丈一がこじ開けた亀裂に一方向に斬り刻み、頭部を完全破壊する。
「バ、カ、ナ……こんな、はずは……」
「行きがけの駄賃だ!」
「こいつも持って逝きな!」
そしてトドメと言わんばかりにガーネットのクロスグレイブの砲撃と、マチルダのゴースト・フリートの一斉射撃が壊れた頭部をさらに吹き飛ばす。それこそ、帝竜女禍の最後であった。
「こんな、生命体どもに、この我が……我ガアアアアアアアアアアア!」
最後の断末魔が響き渡り、赤い瞳と金属の装甲が弾け飛ぶ。頭部を完全破壊された女禍は、その飛翔能力を失い、瀑布へと沈んでいく。大きな水飛沫と共についに絶対支配者たる黄金飛翔竜が滅んだ瞬間であった。
ガーネットはその様をランブルフィッシュで見守り、一緒に瀑布に沈んでいった丈一とアネットを探し出す。そしてマチルダはしっかりと二人を回収して、勝利を奪った仲間達と共に祝うのだった。
こうしてオブリビオンを至高を崇め、自身の力を絶対と信じて疑わなかった帝竜女禍は、不完全と見下した生命体である猟兵達の手によって瀑布の藻屑を消え去った。
生命とは完璧ではないのかもしれない。だがだからこそ成長し、完璧すら超える力を発揮することができる。それをこの一戦で証明したことは、帝竜という絶対支配者に対する対抗へとなるだろう。
群竜大陸の戦いも中盤に入ろうとしている。戦況は予断は許さないが、成長した力を見せる猟兵達は、未来を切り開くために前へと進むのみであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵