帝竜戦役⑩~ふわふわぷかぷか
「ということで、次の戦場はこちらですね」
稲荷・四乃はまた新しい戦争依頼を猟兵たちに持ってくる。
「次にみなさんに戦っていただきたい戦場は浮遊岩諸島と呼ばれる地域です。
諸島と言っても海のものではないですよ? まあ、名前でわかる方もいらっしゃると思いますが、この場所では大小さまざまな巨岩の島が浮いているようなんです。一応何故浮いているのかの研究がなされたみたいですが、その資料自体非常に古く当時の科学では解明できなかったみたいです。現在のA&Wか科学力や他の世界の科学力を駆使すれば原理が分かるかもしれませんが、その話は置いておきましょう。
それで依頼の本題ですが、この戦場の浮島の主として出現したオブリビオンを倒すことです。主と言ってもその島の動物とかを従えているわけではなく、ただ名乗ってるだけですね。はい。
それで、浮島の動物は独自の生態系をもっているようで猟兵とは基本中立ですが、餌付け等を行えばてなづけることも可能である事が分かっています。私がみなさんにお願いする島には羊のような動物が存在しており、名前は……熱羊としましょうか。熱羊は冷気を餌としており代わりとして熱を放出して風船のように大きくなるという変わった生態を持つ動物です。また、ある程度大きくなると分裂して個体を増やしたり風船のように浮く能力を持っています。浮く能力は体の大きさに比例し、繁殖方法からして雌雄の概念はないみたいですね。またこの島には時期的な問題なのか個体数は少ないのですが熱羊とは似ているけども真逆の性質を持つ種も存在するみたいです。こちらは冷羊としましょうか。こちらは餌が熱で冷気を放出する以外は熱羊と同じ生態である事が分かっています。
これで今回の説明は以上です。それではよろしくお願いします」
稲荷は説明を終え、猟兵たちに深く一礼した。
劇団劇作家
劇団劇作家です。帝竜戦役4作目になりますね。
MS業を中心とした生活でGWが進んで行く……。
それはさておき今回のプレイングボーナスと財宝はこちら。
プレイングボーナス……奇妙な生物達の支援を得る。
宝物「天空の冠」……「王」が被っている、奇怪な王冠型の宝石です。ひとつ金貨850枚(850万円)の価値がありますが、精神汚染の恐れがあり、売るべきかは分かりません。
熱羊と冷羊についてですが、その姿は事前にグリモアベースで知っており、違いもよく見るとわかる程度だと思ってください。
頂いたプレイングは即日返却を心がけますが、5月10日を過ぎると土日以外それが難しくなるのでご注意ください。
これでシナリオ補足及び連絡は以上です。それでは楽しんでいってらっしゃい。
第1章 ボス戦
『『自称土龍』モグラルド』
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POW : 土龍の逆鱗?
全身を【何故か相手の体力を吸い取るチクチクの毛皮】で覆い、自身が敵から受けた【毛並みの乱れ】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 土龍の吐息?
【おしり 】を向けた対象に、【大量の土砂をぶっかける範囲攻撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 土中潜行
【地中を掘り進み、地下からの不意打ちの 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【地形の状況や対象の油断等の要因】の協力があれば威力が倍増する。
👑8
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フランチェスカ・ヴァレンタイン
熱が餌になるのでしたら、バーニアの排熱部にしがみついていただければいくらでもお召し上がりになれますけれど…
ええ、こちらとしましても強制冷却できるのであればいくらでも無茶が利きますし
…その代わり、機動のGには何とか耐えて下さいましね?
というわけで空中戦闘機動で仕掛けると致しましょう
先制攻撃ですり抜けざまに斧槍を叩き込み、あとは毛皮の生命力吸収を活かさぬように距離を取っての砲撃と爆撃でひとつ
締めはUCの二重装填で周囲に300基を超える光焔の騎槍を展開、一斉発射での飽和攻撃と参りましょう
「この余波の熱も十分な食餌になりそうですねえ… 参ります…! ブレイズランサー、ファランクスシフト――!!」
浮遊岩諸島の一つ、熱と冷気を喰らう羊のような生き物が住まう島でオブリビオンと猟兵の戦いはすでに始まっていた。
フランチェスカは自前の空中戦闘機動で制空権を取り、上空からの砲撃でモグラルドを攻撃していた。
「強制冷却をできるまではよかったのですが、流石にそのまま振り回すのは夢を見すぎましたね……」
フランチェスカのそばには白く大きな塊が浮いていた。それの正体はフランチェスカの武器の一つヴァルフレイア・ハルバードを核とした冷羊の集まりである。フランチェスカは当初、ヴァルフレイア・ハルバードのバーニアの冷却剤として冷羊を使おうと思っていたのだが、冷羊のしがみ付く力のなさや空気抵抗そしてフランチェスカの体温すらも糧にしようとすることから、ヴァルフレイア・ハルバードを限界まで使ってから冷羊によるクールタイムで普段であれば乱発できないバーニアを使えるようにしたのだった。
気づけば冷たさを感じ、見て見れば冷羊たちが散開していた。クールタイムが終わったという事である。フランチェスカはすぐさまヴァルフレイア・ハルバードを手に取りユーベルコードを発動する。
「この余波の熱も十分な食餌になりそうですねえ……参ります……!『ブレイズランサー、イグニッション――! 十全に舞い、灼き穿ちませ
……!!』」
空を覆い尽くすがごとく300基を超える光焔の騎槍が展開され、UC【九天に舞い 灼き穿つもの】が発動、モグラルドに逃げ場などなく島一面を焼き尽くした。
大成功
🔵🔵🔵
キル・トグ
空気だ!そこにいるだけでいい!
しかも空気より蹴るのが楽で血を吐かずにすむのは楽でいい!だけどわたしもこいつも楽なのなんて望んじゃいない、われらいばらの茂みを床にやすむ黒き影!
「ビフォア・ランディング!われら大地の駆けかた忘れしけもの!」
にげろにげろ、戻りたくない地面が覆いかぶさってくるぞ、忘れるな土くれの痛みと重み、わたしとこいつの血を吸った地下の闇は重くどこまでも追いかけてくる、その脚に空行く力を。。
その爪に地裂の鋭さを、われら受けた痛みを忘れぬけもの。われら空にあれ。その牙で引きずり出せ、宙に舞う玉は空気と同じ、地に足つけぬ獣はわれらの獲物。天にあらわ地の底の闇を塵と食らい尽くせ。
「ビフォア・ランディング!われら大地の駆けかた忘れしけもの!」
その姿はまさに獣だが、その動きは獣ではなかった。
バイオモンスターであるキルはUC【空を求める地蟲の足掻き】を発動し、羊たちを足場にすることによって制空権を取りそこから攻撃を仕掛けようとしていた。
だが問題はここから先にあった。敵であるモグラルドが出てこないのである。
それもそのはず、モグラルドはオブリビオンであれどその行動の本質はモグラに近く土の中を縄張りとするもの。その縄張りを侵そうとするのであれば戦うのだが、相手がそうゆうわけでもなく、まして地上に出てきたところ攻撃されるのであればでなければいい話である。
キルはで敵もしない敵を今か今かと待ってはいたが、時間が経つにつれてユーベルコードの代償による流血で苦しくなり、戦闘を継続することが難しくなる。
結局、キルがユーベルコードを解除して撤退するまで何も起こることはなかった。
失敗
🔴🔴🔴
シーザー・ゴールドマン
・熱羊と冷羊
随分と真逆の性質を持った生物がいるのだね。
生態が気になるが、調べるとしても帝竜戦役終了後か。
熱羊には氷の魔法(属性攻撃:氷)で餌を
冷羊には炎の魔法(属性攻撃:炎)で餌を与えて手懐けておきます。
・モグライド
オーラセイバーを剛柔自在に振るって戦います。
大技は大上段からの唐竹割り。(先制攻撃×怪力×鎧砕き)
敵POWUCで毛皮がチクチクした状態の際は生命力を吸収されない様に遠距離攻撃に切り替え、魔法の槍を投擲して貫きます。
(属性攻撃:魔力×串刺し×投擲)
「生態が気になるが……調べるとしても帝竜戦役終了後か」
シーザーは熱羊と冷羊に強く興味を引かれていた。だが彼らはオブリビオンではない。倒すべき敵も他にいる。
「それであれがこの島の主か」
オーラセイバーを構えたシーザーの視線の先には敵意をむき出しにしたモグラルドが構えていた。
「攻撃は単調、だがすばしっこい。なるほど」
モグラルドはすでにUC【土龍の逆鱗?】を発動済みであり、攻撃はタックルのみと単純なもののみだが、小さいがゆえにすばしっこく地中に潜る事が出来るため敵の死角から攻撃することも可能である。
対するシーザーはあえて動かず、飛んでくるモグラルドを反撃していた。そしてこの戦いの上でオーラセイバーの特徴である形を持たぬがゆえに自在に形を変える事がモグラルドの不意打ちへの対処を可能としていた。
「さてそろそろ終わりにしましょうか。そもそも『私に勝てるかね?』」
モグラルドはシーザーの背後から突進を仕掛けるが、シーザーはそれを見切っておりUC【シドンの栄華】を発動したうえでオーラセイバーを槍状に変え放つ。
「ん、体をそらして致命傷を避けるか」
オーラセイバーが当たる直前、モグラルドはその身を宙でひねり直撃を避けた。
最後の一撃は上手く決まらなかったものの、それまでの攻防でシーザーはダメージを与えることに成功した。
成功
🔵🔵🔴
ケルスティン・フレデリクション
ふわふわういてる!すごーい!
えっと、ここのあるじさんをたおせばいいんだよね…
羊さんを見つけたら、おやつを渡して…氷の魔法を使うね。食べるかな…
ひつじさん、ひつじさん。おてつだい、おねがいしていい…?
お【祈り】しながら、お願いするね
ひつじさんにぎゅっとしてふわふわしながら、敵を探すね。
あ、いた!見つけたら、降ろしてもらって戦うね。
地面に潜るみたいだから、下を全部凍らせちゃお!
【範囲攻撃】【属性攻撃】【全力魔法】
そしたら、多分…出てくるところが解りやすくなるから、【ひかりのしらべ】を使うね
…宝物は、一応持って帰るね。
何か不思議な感じがするけど…。
ネージュ・ローラン
変わった羊のいる浮島ですね。
それぞれ真反対な性質なのも興味深いです。
冷気でしたら得意分野です。
氷の精霊の力を借りて熱羊たちに冷気を送り込んであげましょう。
膨らんだ体を少しモフモフしてみたり。
熱も少しは扱えますので冷羊さんが居たら同様に炎の精霊の力を借ります。
戦闘では、地上は危険なので【演舞 -夢想少女-】を使用して羊さんたちと共に飛翔しながら様子を伺います。
モグラ叩きの要領で土龍が地中から顔を出したら銀雪の宝杖で思い切り叩いてやりましょう。
「ふわふわういてる!すごーい!」
「変わった羊のいる浮島ですね」
たんぽぽの綿毛のように浮かぶ生き物に目を奪われるケルスティンとネージュ。
熱羊と冷羊はその姿が羊に似ているため便宜上そう呼んでいるのだけで明確には羊ではないのだが、そこのところを追及している場合ではないので置いておく。
二人はそれぞれ魔法を用いて冷気を生成し寄ってきた熱羊と触れ合う。
「もふもふ!干したてのもうふみたい!」
「そうですね。その表現は的確な感じがします」
二人は熱羊を可愛らしく感じ愛でるが、そもそもここに来た目的は他にある。
その目的、モグラルドが接近していることにネージュはいち早く気づき知らせる。
「ケルスティンさん、敵です」
「ふぇ!?」
ネージュはすぐさまその場から離れ、ケルスティンはとっさに目の前の熱羊に飛び乗った。遅れてモグラルドが勢いをつけて現れるがその進行方向には誰もおらずそのまま地に潜る。
「そういえばそうだった。あのあるじさんをたおさなきゃいけないんだ……」
「このままでは私も危ないですね。――乗れました。意外としっかりしています」
ケルスティンは目的を再確認し、ネージュも熱羊に飛び乗ってみる。体重の話をするのをあれだが、熱羊は冷気を与えたおかげで大人のネージュが乗っても問題がないほどに大きく膨らみ浮かんでいた。
ネージュとケルスティンはそのまま乗っている熱羊に冷気を与え、熱羊が分裂しない高さまで浮かび地面を見渡す。
「うわーたかい!かみさまになったみたい」
「ふむ、島全体とまではいきませんが見渡せますね」
ネージュとケルスティンは空高くから島を見下ろしてみる。
「出てきませんね?」
「あるじさんじめんのなかにもぐっちゃった?」
相手が小さいせいで見えづらいだけかもしれないが、二人が目視で確認できる限りではモグラルドが出てくる気配がない。見えるのは島のいたるところにある穴である。
「弱りましたね。モグラたたきのように叩こうかと思っていたのですが」
「でてこないとあるじさんたおせないもんね……モグラたたきするにはあながおおいからふさいだらどうかな?」
ケルスティンの子供ながら自由な発想がネージュにヒントを与えた。
「それじゃあいくよー」
まずケルスティンとネージュはそれぞれ浮島の端に向かい、端から凍らせ始める。凍らせたところに熱羊が群れ始めるが、それが二人の道となる。
お互いの姿が見え始めたとき、真ん中あたりで地面が割れ何かが飛び出した。
「『ぴかぴか、くるくる、ふわふわ』」
「逃がしません『演目開始、其は不思議の国へ迷いし少女』」
ケルスティンのUC【ひかりのしらべ】が飛び出したモグラルドを捕らえ、トドメにUC【演舞 -夢想少女-】で飛翔したネージュが銀雪の宝杖を構え思い切りたたきつける。
モグラルドは思い切り地面にたたきつけられたことにより力尽き財宝を残して消え去った。
「何とか倒しました」
「……宝物は、一応持って帰るね。何か不思議な感じがするけど……」
財宝である天空の冠はケルスティンが持ち帰えることになった。
戦争はまだ続く。
大成功
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