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帝竜戦役⑦〜聖なる六枚の翼

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #オアニーヴ #群竜大陸


●引き連れて
 広がる平野、緑色に溢れている機械的な文明がまだないこの地を紫色の仮面をつけた白い六枚の翼が羽ばたく音を響かせながら、白き“帝竜オアニーヴ”は現れた。
 そう、自然を壊しながら大地を埋め吐くほどの“魔法蒸気機械”の群れを率いて――
 苦しそうな呻き声を漏らしながら、ダンジョンに生成された不思議な光景ではなく本物の自然を目の当たりにして、ただただ支配するナニカに従うしかないのだ。

●グリモアベース
「皆さん、アックス&ウィザーズでの日々の戦いお疲れ様です。様々な“帝竜”達が現れておりますが、皆さんにはその一体である“帝竜オアニーヴ”の討伐をお願いしたいのです」
 クラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)が言うと、肩で眠っていた小さな黒いワイバーンが頭を上げて猟兵を見つめた。
「相手は“帝竜”……皆さんが束になって突撃しても、強さは“帝竜オアニーヴ”の方が勝っておりユーベルコードで先制攻撃されてしまうでしょう」
 静かに現状を伝えるクラトは、アックス&ウィザーズ世界を映し出すと白い体と翼が美しい“帝竜オアニーヴ”の姿もハッキリと見えた。
「“帝竜オアニーヴ”の先制攻撃を対処し、どうすれば倒せるのか? それは皆さんで考えて、作戦をたててから私に言ってください。準備が方から順に転送しますので、気を付けていってらっしゃい」
 そう言ってクラトは、戦地へと赴く猟兵たちの背中を見つめながら見送った。


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。

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 プレイングボーナス……『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)
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 連携する場合は、相手のIDやチーム名の記載を忘れずにほぼ同時にプレイング送信して下さい。
 ※連携人数は最大でも4~5人が限度となりますのでご留意ください。
 プレイング受付は最大10件となりますが、翌日の午前8時半以降に日付をずらして送っていただければなるべくは全て採用出来る様に努めます。
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第1章 ボス戦 『帝竜オアニーヴ』

POW   :    竜操の仮面
【頭部を覆う仮面が邪悪な光を放つ状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    賢竜オアニーヴのはばたき
【戦意を弱らせる聖なる光】【光輝く爪による引き裂き攻撃】【六翼の羽ばたきが巻き起こす浄化の風】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ダンジョンメーカー
戦場全体に、【魔導蒸気機械と金属のパイプ群】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
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ソラスティベル・グラスラン
呪いとなり、未だ生きていたとは思いませんでした…
大魔王!貴方が何度現れようと、我ら『勇者』は諦めません!
何度だって、世界を救いましょうとも!

【盾受け・オーラ防御】で全力で守りを固めます!
理性を失い攻撃は単調となるはず…ですがまともに受けるは危険!
【怪力】で受け【見切り】受け流すことに努めます!

オアニーヴさまの仮面、そこにいるのですね!大魔王!
受け流しつつも前進、【勇気】を出してその豊かな毛に飛びつきます!
ゆっくりと、しかし着実に登り頭部へ

賢竜よ、貴方を救う一撃をどうかご覧あれ
わたしの力の全て、大魔王を打ち倒した…

『勇者』として磨いた、わたしの力です

【我が名は神鳴るが如く】――――ッ!!!!



●賢竜
 帝竜オアニーヴが陽光で白い六枚の翼がキラキラと輝く姿に圧巻されつつも、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は夕日の様なオレンジ色の髪を風に靡かせながら帝竜を紺碧色の瞳に映した。
「共に戦ってくれたドラゴン、この様な形で会えるとは思いませんでした……賢竜! 貴方が操られようと、我ら『勇者』は諦めません! アナタの呪縛も、世界も救いましょうとも!
 ドラゴンの翼をバッと広げ、ソラスティベルは黒翼の盾“モナーク”を手にして構えるとオーラを身に纏う。
 帝竜オアニーヴの頭部に装着された仮面から禍々しく邪悪なオーラが発せられた瞬間――
 ゴウッ、と風が唸り声を響かせながら長い尻尾を鞭の如く横から叩きつけてくるのをモナークで受け流す、がソラスティベルの腕は予想以上の力が盾を伝ってくるのを感じる。
「……ぐっ! それでも、その恐怖にわたしは屈しません!!」
 肩で息をしながらソラスティベルが咆哮を響かせると、モナークを放り投げてゴンッと鈍い音を立てながらボロボロの黒翼の盾は地面に突き刺さった。
 翼を広げて巨大な体に飛びつくと、振り落とそうと帝竜オアニーヴは激しく体を震わせながら空をぐるぐると飛びまわる。
 しかし、ソラスティベルは空よりも高い意志、空よりも無限に広がる勇気でしがみついて抵抗に抗って背に登り詰めた。
「賢竜よ、貴方を救う一撃をどうかご覧あれ――」
 サファイアの様な青い瞳が鋭い光を放つ、痺れる腕を気合で動かし雷の神竜がその身を変えた蒼空色の大戦斧“サンダラー”が閃光と共にパァンと破裂音を響かせながら手の中に現る。
「わたしの力の全て、大魔王を打ち倒した……」
 ぐっ、と柄を握りしめた。
「嗚呼、懐かしい……そうか――思イ出セハ、サセナイィィィアアアアアッ!!」
 帝竜オアニーヴが嬉しそうな声を出した瞬間に正気を戻したが、直ぐに仮面の支配とユーベルコードによって意識は支配されてしまった。
「苦しみから解放させてあげましょう……『勇者』として磨いた、わたしの力です。【我が名は神鳴るが如く】――――ッ!!!!」
 ソラスティベルの両手に握られたサンダラーが蒼雷を纏い、轟を響かせながら蒼空色の大戦斧を力強く振り上げ――蒼き光が空を覆う。

 振り下ろされたサンダラーは帝竜オアニーヴの背に傷を残す、が――

「――ッ!!」
 脇腹に激痛と共に熱を帯び、ソラスティベルの口からは悲鳴どころか肺から抜けていく酸素と鮮血が零れた。
 理性のない帝竜オアニーヴが動きを止めたソラスティベルを無造作に放り投げ、彼女は口から吐き出される鮮血や熱帯びた傷口を塞ぐよりも翼を広げながら突風を受け止めて素早く離れる。
「(わたし一人では解放できなかった……それでも――)」
 視界から遠のく白き六枚の翼へ手を伸ばしながらソラスティベルは、薄れてゆく意識の中で想う。

 勇者である、わたしが貴方を呪縛から救いたい――

 冷たい空を掴むと、ソラスティベルの意識は闇の中へと吸い込まれた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

別府・トモエ
全身に【オーラ防御】纏って
「……素早く」
【ダッシュ】だぜ駆けるぜ先ずは光が襲ってくるってグリモア猟兵さんが教えてくれた
「……なんの!」
次いで襲ってくる爪を【カウンター】で繰り出すラケットで【武器受け】防御
「ひょわ!」
吹っ飛ばされた勢いも利用して【ジャンプ】で風を回避【空中戦】だぜテニスは飛ぶんだ

「いくぞ電光石火の極み!」
もう当たんない、一方的な試合してやんよ
秒間に数十回、空間を捉えてジグザグに全力跳躍を可能とする高速テニス
上下左右前後くまなく絶え間なく【サーブ先制攻撃】
返ってくる打球を【ショット誘導弾】で大魔王仮面を【スナイパー】
「私こそ別府・トモエ!人呼んで大魔王をテニスした女!覚えとけ!」



●場所を選ばぬ球技

 帝竜オアニーヴの力強い羽ばたきによってショートヘアと服の裾が激しく靡き、別府・トモエ(ミステニス・f16217)は手の中で“テニスラケット”を転がすと姿勢を低くした。
 完全に防げないが、ないよりマシだと思いながら全身をオーラが纏うと大きな瞳に映しだされた帝竜オアニーヴを見詰めた。
「……素早く」
 少し視界が明るくなった瞬間にトモエは、タンッと地を蹴って素早く駆け出すと帝竜オアニーヴの光輝く爪が勢いよく振り下ろされてきた――
「……なんの!」
 ぐっ、とラケットのグリップを強く握りしめると爪がガガガッとラケットに張ったガットに爪先を滑らせるが、力負けしたトモエは後方に吹き飛ばされると同時に地面にめり込む程に踏ん張ってズサササと砂煙を上げながら後退する速度を落とす。
 バッ、と顔を上げた瞬間にトモエを包み込むように浄化の風は渦を巻いており、跳躍してから気流に乗ろうとした。
「ひょわ!」
 腕に鈍い痛みを感じるとトモエは、一瞬だけ気を取られてしまったのが誤算であった。
 そして、翼をもつ帝竜オアニーヴを甘く――否、自身の経験を信じ切っていたのが誤算であった。
 風を操る主は、風向きを操りながら自身の方へと誘導されているのにトモエは気が付くと、テニスボールを取り出す。
「いくぞ電光石火の極み!」
 空間を把握したトモエは、ボールを真上に投げるとテニスラケットを振って鋭いサーブを放つ。
 テニスボールは帝竜オアニーヴの体に当たると、軽い音を立てながら柔らかな羽毛に包み込まれて地面へと落下する。
 ラケットを握る腕が熱を帯びてジンジンと痛む、ラケットで受け流しが成功したかと思ったがガットの間から差し込まれた爪で引っ掻かれて大きな傷が出来ていた。
 血で滑るラケットをタオルで縛り、トモエ自身が放ったテニスボールを帝竜オアニーヴの顔を覆う仮面に向けて撃ち返す。
「私こそ別府・トモエ! 人呼んで大魔王をテニスした女! 覚えとけ!」
 トモエのボールが仮面にめり込むと、テニスラケットを仮面に向けながら声を上げた。
「……っ!」
 ぐにゃり、と視界が歪むとトモエは、ふらつきながらも浄化の風から飛び出すと新緑が美しい地面へ静かに倒れる。

 赤黒く染まったタオルを悔しそうに握りしめ、胸元に添えながら決意の火を心に灯した。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
共闘希望

…英知の帝竜ですか
僕は盗賊ですが魔術も嗜んでいるので敬意は示しましょう
そして…それが狂っているならば…
この竜自身も望んだ状態ではありませんか

対POW
【医術・情報収集】で敵の体の状態と動きを解析
最小限のゆっくりな動きと
【属性攻撃】で光属性を全身に付与して光学迷彩を行い存在を消す
【迷彩】で更にその効果を強化

どうやらあの仮面の効果ですか

元より届けられるのは一撃程度が関の山
ならばそれに色々尽くしましょう

接近してわたぬき発動!

肉や骨を斬られようと届かせる
奪うはその仮面
そして強奪する臓腑は眼球!
【溜め攻撃・盗み攻撃・盗み】で精度強化!
ちょいとばかり作りたいものがあるので
帝竜たるお前の目玉…頂きます


ノイジー・ハムズ
本体は滅びましたが、敢えて言いましょう!
また会えましたね…大魔王さん!

貴方達との戦いで私の剣は成長しました。
大魔剣『ホープ・テンペスト』!
希望の嵐を、貴方に振るえる日が来るなんて!

速いものを無差別に攻撃するなら、今は無闇に動いてはいけませんね!

そして、真・黒風剣を敵に放ち、すぐ止まります!
敵に見えやすいように、炎を纏え!
敵が漆黒の斬撃に反応するなら、攻撃と衝突させれば、敵の攻撃力も利用できますね☆

遠距離攻撃で敵の視点を誘導!
今度は、外しませんよ!
光魔法を纏わせて真・黒風剣!

そして、被弾に合わせて接近!
零距離の真・黒風剣と、【全力魔法】と光の【属性攻撃】を込めた大魔剣の刃を同時に打ち込みます!



●強固な

「本体は滅びましたが、敢えて言いましょう! また会えましたね……大魔王さん!」
 小さなツインテールを揺らし、小さな人差し指を帝竜オアニーヴの顔面を覆う黒い仮面に向けながらノイジー・ハムズ(夢幻の英雄の導き手・f14307)は声を上げた。
「あの戦いで私の剣は成長しました」
 指していた方の手を胸元へ添えると、翡翠の様な緑色の瞳でキッと仮面を睨みつけるとグッと拳を握りしめながら呟いた。
「(……英知の帝竜ですか)」
 雄々しく空を飛ぶ帝竜オアニーヴを見据えならがカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、黒い仮面から邪悪な光を放った瞬間に体の力を抜く。
「ウォォォォォ――……ッ!!」
 咆哮が響き、六枚の翼が羽ばたき飛翔したかと思えば滑空して前足を振り下ろし、ノイジーの頬を掠めて地面に巨大なクレーターを作ると粉塵が視界を覆った。
「……動いちゃ、ダメ」
 心臓が胸から飛び出るかと思うほどに鼓動するのを両手で押さえたノイジーは、呪文の様に呟きながら静かに深呼吸をする。
 その様子を尻目にカシムは、光属性の力を操って屈折を利用して視覚では背景と同化して見え難くなった彼は、腰に携帯しているダガーを手にした。
 獲物を狙うネコ科の猛獣の様にその“時”を待つ。
「私が相手をしましょう!! 渇望の風刃よ、果実は彼方にあり。今こそ収穫の時!」
 ノイジーが手にしている“大魔剣「ホープ・テンペスト」”が白い光を纏い、力強く振り上げると帝竜オアニーヴの仮面が放つ邪悪な光が近づいてくる。
 ホープ・テンペストから無数の斬撃が放たれて仮面に当たる寸前にフェアリーの小さな羽を畳み、弾丸の様に滑空して距離を詰めた――
「真・黒風剣!」
 斬撃が仮面に小さな傷を付けると、ノイジーは魔力を全てホープ・テンペストに注ぎ太陽よりも眩しい程に光輝いた。
「ウガァァァァッ!!」
 激しい咆哮、ノイジーが全力で放つ斬撃を物ともせずに帝竜オアニーヴがホープ・テンペストを咥えると、上へ、上へ、と天高く飛び上がる。
「帝竜たるお前の目玉……くっ!」
 カシムの手が空を掴み、飛んで行った方へ視線を向けたら眼前にはホープ・テンペストを咥えた帝竜オアニーヴの顔。
 視界は一気に暗転し、熱い、冷たい、痛い、頭が混乱する程の情報が身体を襲う。

 理性は無くとも、帝竜オアニーヴの恐ろしい超耐久を少し見誤っていたのかもしれない。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ワン・シャウレン
呆れたものか感心したものか
まぁ得心いった感じじゃ
アルダワのダンジョンも全体として大魔王自ら作るものとも思えんかったしの
一応今は一角を任された身、義理を果たしてやりたい

機械や蒸気での縦横無尽な罠と攻勢、が予想されるが
自由に動かせて当然なればその巨躯で奇襲もできような
用いるは華幻流水
迷宮を結界にて思い切り侵食しつつ進み、カウンターの機会を待つ
最優先は奇襲をいなし敵に取りつくこと
迷宮内で近接戦に持ち込めばその巨躯で満足には動けまい
結界を拡げながら攻める
もし迷宮で直接仕掛けぬならそのまま踏破させて貰うし、
敵が戦闘を優先し迷宮を崩すならそれは自ら武器を捨てるようなもの
その時は崩れる迷宮には注意じゃな


郁芽・瑞莉
賢竜オアニーヴの己が命をも顧みない尊い想いを踏みにじる、
大魔王ウームー・ダブルートゥによる仮面の呪い……。
呪いを断ち切る為、希う望むのではなく。
己が力と意志を以って、可能性を掴み取りますよ!

先制攻撃の迷宮の突破には符から分かれ道で分離する光の珠を生み出して。
情報収集して出口を見切ったら。
神を降ろして致命傷を避ける様に残像や迷彩でフェイントを入れつつ、
最短距離を一気に突破。

そうして溜めた力や魔力の封印を開放しリミッターを外して、
更にドーピングで身体能力も限界突破させて。
相手の攻撃に対して仮面目掛けてカウンター。
ランスチャージで仮面を串刺しにした後、
二回攻撃で破魔の衝撃波を叩き込みますよ!


ジル・クリスティ
残念ながら私はアルダワの話は知らないから、元の竜は知らないけれど
もし操られているというのなら…解放してあげるのが慈悲だよね

近づいていくうちに気が付いたらいつの間にか迷宮に閉じ込められているけれど
慌てず騒がずアサルトビットを全力展開
ビットを先行させて迷宮の道を探索、出口を見つけ出すよ
出口を見つけたら、ビットを終結させ、荷電粒子砲一斉射で穴をあけ脱出だ

脱出したら、生き残ったビットを再度展開
手持ちのロングレンジライフルとビットのコンビネーションで全方向からのビームの雨降らせてあげる
私の身体じゃ、攻撃僅かにかすっただけ絵も致命傷だし、常に動いて的は絞らせないように
高速機動戦闘で仕留めるよ



●失墜

「呆れたものか感心したものか……まぁ得心いった感じじゃ」
 水面の様に透き通った青い瞳に帝竜オアニーヴの姿を映しながらワン・シャウレン(潰夢遺夢・f00710)は、黒い仮面へ視線を動かすと一つ息を吐きながら呟いた。
「アルダワのダンジョンも全体として大魔王自ら作るものとも思えんかったしの」
 ふわり、と絹の様に美しい髪を鉄臭さや湿りを帯びた風に靡かせるとワンは、魔導蒸気機械が金属のパイプ群を地面に突き立てて作られた迷路に閉じ込められる。
「(賢竜オアニーヴの己が命をも顧みない尊い想いを踏みにじる、大魔王ウームー・ダブルートゥによる仮面の呪い……)」
 帝竜オアニーヴの顔面を覆う黒い仮面を一瞥するとぐっ、と拳を握りしめた郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)は、“合一霊符(青・碧・緑・紫・赤・黄・茶・白・黒・灰)”を指の間に挟むと分岐に当たると2つの光の球に変わる符だ。
「己が力と意志を以って、可能性を掴み取りますよ!」
 瑞莉は迷宮内に合一霊符を放つ。
「(残念ながら私はアルダワの話は知らないから、元の竜は知らないけれど……)」
 ルビーの様な赤い瞳で帝竜オアニーヴを見詰めるジル・クリスティ(宇宙駆ける白銀の閃光・f26740)、金属のパイプ群や魔導蒸気機械たちの間から他の猟兵たちが出口を見付けるために行動する姿が見えた。
「もし操られているというのなら……解放してあげるのが慈悲だよね」
 ジルよりも大きな無数の遠隔誘導砲台ユニットを召喚させると、それを先行させてビットたちの後ろからついて行く。
「華や幻、流るる水にて示そう。華幻流水!」
 ワンが凛とした声を響かせると、大蛇の様にうねりながら精霊の力で変幻自在の水が生成されるとソレは迷宮内を水飛沫を上げながら素早く流れる。
「そのような手が……!」
 瑞莉が黒曜石のような黒い瞳を見開くと、水流の音に耳を澄ませて障害に当たらずに流るる方へ符を飛ばす。
 ジルもワンの意図を察し、水の上を滑るかのように飛んでいると情報収集に集中していた瑞莉がゆっくりと瞼を開ける。
「出口へのルートを見付けました。私の符を目印にして進んでください!」
「承知したのじゃ」
「分かりました、私が先行して出口を破壊しておきましょう!」
 ワンとジルは答えると、先に着いたジルが出口の間で無数の遠隔誘導砲台ユニットを展開して砲口に光が収束された。
「ユニット展開! オールレンジ! いっけぇえ!」
 ジルが声高らかに言うと、遠隔誘導砲台ユニットの砲口から荷電粒子砲が一斉に射出し、出口を粉砕するとワンの水流が地面に触れると水の結界を展開させた。
「これなら……っ!」
 結界の強度はジルには分からないが、攻撃されても致命傷は避けられるならば――と思いフェアリーサイズの“ロングレンジライフル”を両手で構え、周囲に飛び回る遠隔誘導砲台ユニットの砲口を帝竜オアニーヴへと向ける。
「巫覡なるこの身に神祇を宿し、禍を薙ぎ清めましょう!」
 “禍ノ生七祇(マガノイクナギ)”を手にし、瑞莉は凛とした声を響かせながらその身には神を宿すと“神霊体”へと変身する。
 ジルが小柄な体系を活かして、ビットを操りながら更に帝竜オアニーヴの周囲を飛び回る。
 ドーピングをして身体能力を極限までに高めると、地面を蹴って駆け出した瞬間に瑞莉の姿は消えたかと思えば黒い仮面を禍ノ生七祇が貫いていた。
 
 キィン、とガラスが割れた様な美しい音を響かせながら仮面は壊れ、力を奪われて使いきった帝竜オアニーヴは六枚の翼を広げながら静かに消えたのであった。

 支配から解放された帝竜オアニーヴの表情はとても優しい笑みを浮かべていた、気がした――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月20日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト