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帝竜戦役⑥〜戦乱のプリンセスを暗殺せよ!

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸


●戦乱を望むプリンセス
 群竜大陸で死んだモンスターたちが蘇り、腐汁と共に降り注ごうとしている。
 そのモンスターたちを指揮している1体のオブリビオンがいた。
「ああ……まったく、嫌な臭いですこと」
 王冠を頭に乗せた1人の女性が、天蓋のついた豪華な輿を戦場に持ち込み、優雅に寝そべっていた。
「でも、仕方がありませんわね。この蘇生モンスター軍団はメルティの大切な戦力――しっかり活用させていただきましょう」
 オブリビオンの姫君はモンスター軍団を進撃させていく。
 その顔には蕩けそうな微笑が浮かんでいる。
 見る者を虜にせずにいられない表情を見られるのは、死したモンスターたちの群れだけだったが。

●蘇生モンスター軍団の指揮官を暗殺せよ!
 群竜大陸を舞台にした猟兵たちの戦いは続いていた。
「連日の戦い、お疲れさまです。皆様に倒していただきたいオブリビオンがいます」
 白金・伶奈(プラチナの先導者・f05249)は集まった猟兵たちに向けて告げた。
「地獄の古戦場から湧き出る蘇生モンスター軍団との戦いも日々続いておりますが、その司令官であるオブリビオンの所在を予知することができました」
 もしも司令官を暗殺することができれば、蘇生モンスター軍団との戦いに少なくない貢献をすることができるだろう。
「私が予知したオブリビオンの司令官はプリンセス・メルティラブです」
 人誑しの妖精に触れてしまったことで、悪しき心に目覚めた小国の姫君が、オブリビオンとなってしまったのだ。
「皆様には蘇生モンスター軍団をすり抜けてプリンセス・メルティラブに接近し、彼女を暗殺していただきたいのです」
 言うまでもないことだが、メルティラブは数多くのモンスターの中にいる。
 だが、少しでも素早く軍団をすりぬける方法を考えてから挑めば、有利な戦いをしかけることができるはずだ。
「うまく接近できたなら、まずはオブリビオンの投げキッスに注意してください」
 彼女の投げキッスは猟兵たちの戦意と闘志を砕き、戦う力を失わせてくる。
「また、他に2種の召喚能力を持っているようです」
 第一に、メルティラブが退屈な気分になった時、触手を生やした大男を呼んで襲わせてくる。大男は退屈にさせた相手をどこまでも追ってくるのだ。
 それから第二に、質問と共に召喚円を出現させて戦士や冒険者たちを召喚する。戦士や冒険者たちはメルディラブが満足な答えを得るまで攻撃してくる。
 もっとも彼女が満足するような答えなどろくなものではないだろう。いや、そもそも、邪悪な姫はどんな答えを返しても満足しないかもしれない。
「蘇生モンスター軍団の中に飛び込んで戦う形になりますから危険です……が、猟兵の皆様なら必ずプリンセス・メルティラブを倒せると信じております」
 伶奈はそう言って、静かに頭を下げた。


青葉桂都
 おはようございます、青葉桂都(あおば・けいと)です。
 今回はアックス&ウィザーズの戦場で、サバイバルで戦う蘇生モンスター軍団の司令官のうち1体を撃破していただきます。

●シナリオについて
 当シナリオはフラグメント1つだけで完結する戦争シナリオです。
 戦場は『⑥地獄の古戦場』になります。

 このシナリオが成功で終わった場合、サバイバルの戦果にボーナスを得ます。

●プリンセス・メルティラブ
 ボス戦で戦う敵で、地獄の古戦場にひしめく蘇生モンスター軍団の司令官の1体です。
 人誑しの妖精と触れ合ってオブリビオンとなった小国のお姫様です。
 戦闘能力についてはOP本文及びフラグメントをご参照ください。

●その他
 この戦場では、『乱戦を潜り抜け、司令官に素早く接近する』方法を考えていた場合、プレイングボーナスを得ることが可能です。

 それでは、ご参加いただければ幸いです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『プリンセス・メルティラブ』

POW   :    メルティキッス、ですわ…チュッ
【愛しさと切なさと愛欲】を籠めた【投げキッス】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【戦意と闘志】のみを攻撃する。
SPD   :    退屈は嫌いですの
自身が【退屈】を感じると、レベル×1体の【身体中から触手を生やした大男】が召喚される。身体中から触手を生やした大男は退屈を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ   :    メルティの質問に答えてくださいませね?
対象への質問と共に、【無数の召喚陣を出現させ、そこ】から【騙して連れてきた戦士や冒険者達】を召喚する。満足な答えを得るまで、騙して連れてきた戦士や冒険者達は対象を【剣や槍、魔法などそれぞれが得意とする手段】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
一駒・丈一
SPD重視

先ずはモンスター軍団の対処が必要、か。
ならば、UC【贖罪の雨】を敵の軍団に対して放つ。
目的は殲滅ではなく撹乱だ。
頭上から降り注ぐ杭の雨により、敵軍を行軍を抑止する。

そして、そこに生じた隙を利用し、
撹乱した軍団の中に身を投じ【早業】にて掻い潜る。
敵の陣形から、敵将の場所は【戦闘知識】である程度の予想はできる。
強行突破に近く、雑魚からの攻撃を幾つか食らうかもしれんが、そこは攻撃と敵将への道を【見切り】つつ【継戦能力】で耐え突破に専念。

お迎えに上がりましたよお姫様っと。
敵将の元にたどり着いたならば、即座に斬撃を食らわせ、即時撤退だ。
何せ、相手は退屈を嫌う。ならば拙速でも素早く対処しよう。


ラモート・レーパー
「別にあの大群を倒してもいいんだよね?」
 UCで震度6弱以上の局地的地震と巨大隕石の落下を起こす。この震度なら人は立て無くなるしそのうえで隕石降ってきたら回避できないでしょ。
 アドリブ・連携歓迎



●揺れる大地、降り注ぐ鋭い雨
 地獄の古戦場には、腐汁を垂れ流す蘇生モンスター軍団がひしめいていた。
「『』の名において試練を与える」
 そんな一言とともに、古戦場の一角で大地が揺れた。
 言葉を発したのは、白い髪をした小さな体の女性。
「別にあの大群を倒してもいいんだよね?」
 そう呟いたのはラモート・レーパー(生きた概念・f03606)だった。
 震度6を超すほどの地震に加えて、さらに隕石がまでが降ってきて、並みの人間なら立っていることすらかなわない状態となった。
 もっとも、一度死んだとはいえ敵はオブリビオンだ。少なくない犠牲を出しつつも、気にとめることなくラモートへと残りが襲いかかる。
 プリンセス・メルティラブも地震や隕石に巻き込まれているはずだが、彼女がどの程度の傷を負ったかはわからなかった。
 迫ってくる敵を、ラモートは薄笑いを浮かべて待ち構える。
「これは禊だ。その血と共に己の罪を洗い流せ」
 第2の人物の声が戦場に響いた。
 とたんに、今度は鋭い杭の雨が蘇生モンスター軍団へと降り注いだ。
 磔用の杭は、咎人たちを容赦なく貫き、なおも揺れ続ける大地へと縫い止めていく。
「殲滅は難しそうだが、撹乱ならば十分だな」
 一駒・丈一(金眼の・f01005)は冷静に、金色の瞳を軍団の奥へと向ける。
 地震と杭の雨で乱れた戦場に飛び込んだ丈一は、己が知識を頼りにプリンセス・メルティラブの居場所を予測して素早く駆け抜ける。
「お兄さんもなかなか派手だね」
「これだけの数だ。普通のやり方では抑えられないだろうからな」
 薄笑いを浮かべるラモートを一瞥して、丈一は敵将までのルートを見切る。
 倒しきれないほどいる蘇生モンスター軍団から多少の攻撃は食らうが、それでも丈一の、そしてラモートの動きを止めるほどではない。
 混乱の中でも輿に寝そべったままの姫へと彼は一気に接近した。
「お迎えに上がりましたよお姫様っと」
 丈一が手にしているのは、偉人や罪人の介錯に使われたと言う刀。
「これはあなた方の仕業かしら? 少しは退屈が紛れそうね」
 メルティラブは言った。
 とはいえ、鷹揚な態度を取る彼女がいつ退屈だと言い出すかはわからない。
「おほめに預かり光栄だ。だから、お前が退屈するより早く引き上げさせてもらおう」
 振り下ろした刀が、本当に偉人の介錯に使われたかどうかはわからない……が、少なくともここで1人の姫の血を確かに吸う。
 さらに、ラモートが呼ぶ隕石も彼女の頭上に降ってくる。
 一撃を加えた猟兵たちは、メルティラブが配下を召喚するより早く撤退する。
 戦いは、まだ始まったばかりだ。そして、少なくない猟兵が、プリンセスの命を狙って近づいてきていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

トリテレイア・ゼロナイン
この古戦場の勝敗如何で戦役が左右されるなら…
A&Wの人々の安寧を護る為、騎士として為すべきことを為す
私の騎士道とはそういう物です

機械飛竜に●騎乗
更に飛竜に●ハッキングを行い●限界突破
センサーでの●情報収集で守りが薄い場所を●見切り加速性能を高めた●空中戦で一気に戦場を突破、竜から飛び降り姫君の元へ

無礼なお目通りはご容赦を
『今』を生きる人々の為、刃を向けさせていただきます

その技は…いえ、もはや何も言いますまい

投げキッス命中前にUC発動

(目が赤く)敵性存在の排除開始

格納銃器の●だまし討ちで体勢を崩し接近
●怪力大盾殴打で転倒させ●踏みつけ
至近距離で格納銃器発砲、残弾ゼロ時は剣と盾で只管殴打


エドゥアルト・ルーデル
男相手に【触手の大男】とかウ=ス異本にしてもニッチがすぎる…

地上を這ってたら空と地上の両方に敵が居て面倒だからな、せめて空から行く方がマシか
【航空機召喚】、召喚するのはホーカー・ハリケーンMk. IVですぞ
護衛に【UAV】を飛ばして飛行する敵と格闘戦をさせるでござる

敵の元についたら早速空襲でござるよ、翼下の対地ロケットと航空機関砲にて機銃掃射ですぞ!
この世界じゃ飛行機なんて早々あるまい…ましてや小国では見た事も無いでござろう
これぞ【退屈】させない心意気でござる、追い回される屈辱でも十分だろ?
いや大量に出てくる触手の大男に近づきたくないからだが
そんなんに捕まったら別の意味で地獄になっちまう!



●プリンセスは空から攻めろ
 混乱する蘇生モンスター軍団の上空を、2つの巨大な影が横切った。
「この古戦場の勝敗如何で戦役が左右されるなら……A&Wの人々の安寧を護る為、騎士として為すべきことを為す。私の騎士道とはそういう物です」
 1人は機械の騎士。
 口からブレスの代わりに機銃の銃口を覗かせた、機械のワイバーンにて空を舞う。
「男相手に触手の大男とかウ=ス異本にしてもニッチがすぎる……」
 もう1人は黒髭の男。
 駆るのはレトロな戦闘機。レシプロエンジンが巨大なプロペラを回して、空気をかき分ける。
 発言は割と真逆だが、空からプリンセス・メルティラブへの接近を試みているのは同じだ。
「地上を這ってたら空と地上の両方に敵が居て面倒だからな、せめて空から行く方がマシか」
 ユーベルコードにて召喚した戦闘機を駆り、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は呟いた。
 蘇生モンスター軍団のうち、遠距離攻撃能力を持つものは戦闘機と機械飛竜に攻撃を加えてくるが、エドゥアルトは自律操縦する無線航空機を飛ばしてその攻撃を防ぐ。
「こちらのセンサーで守りの薄い空域を探査しています。そこから突破しましょう」
 空中で機械飛竜を戦闘機に並べ、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は告げた。
「そりゃ助かるでござる。ドゥフフ、見たこともない兵器でたっぷりお姫様を攻めてくるでござるよ」
 胡散臭い笑みを浮かべて、トリテレイアの情報をもとにエドゥアルトは飛ぶ。
 ユーベルコードによって呼び出されたエドゥアルトの戦闘機が、まず先にメルティラブへと到達した。
「素敵なものに乗っているのね。でも、乗っているのがむさ苦しい男なのがとても残念ですわ」
「そうですな。この世界じゃ飛行機なんて早々あるまい……ましてや小国では見た事も無いでござろう」
 翼下の対地ロケットがメルティラブへと飛んでいく。ロケットを追って降下した戦闘機が航空機関砲で銃弾の雨を降らせた。
 メルティラブは輿を操らせてロケットを回避して見せたが機関砲まではかわせなかった。
 輿を穴だらけにされながらも戦場を走り回り、弾丸を少しでも避けようとする。
「これぞ退屈させない心意気でござる、追い回される屈辱でも十分だろ?」
 エドゥアルトは怪しい笑みを浮かべていたが、内心では冷や汗をかいていた。
 なにしろ、少しでも退屈させればその時点で触手を生やした大男たちに襲われるのだ。
「そんなんに捕まったら別の意味で地獄になっちまう!」
 それでも飽きっぽいプリンセスはやがて大男を召喚し、エドゥアルトは一目散に逃げることになる。
 新たに興味を引く存在が、メルティラブの前にひらりと舞い降りたからだ。
 戦闘機から少し遅れて、機械飛竜はプリンセス・メルティラブのもとへとたどり着いていた。
「無礼なお目通りはご容赦を。『今』を生きる人々の為、刃を向けさせていただきます」
「礼儀正しいのね。おかしな格好をしていますけれど、そういう男は嫌いじゃないですわ」
 投げキッスを彼女はトリテレイアへ飛ばそうとした。
「その技は……いえ、もはや何も言いますまい」
 ウォーマシンの目が赤く光る。
「ベルセルクトリガー、限定励起。……「人」ではない。だからこそ出来ることがあります」
 心ある存在ならば、彼女の投げキッスに動揺し、闘志と戦意を砕かれるのだろう。
 だが、自らの精神構造を変化させることで、トリテレイアはそのダメージを最小限とした。
 牙剥くように騎士兜が開き、そこから機銃が飛び出す。肩や腕からも銃が姿を見せた。
 奇襲からの射撃は命中こそしなかったが、メルティラブの体勢を崩す。
 巨大で重い大盾を構えて、トリテレイアは突進した。
 少女の姿をしたオブリビオンを殴り付けて転ばせ、踏みつけて動きを止める。
 至近距離からの容赦ない銃撃に、逃亡しながらエドゥアルトが放ったミサイルによる衝撃も加わってメルティラブへ痛打を与えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

播州・クロリア
({メトロノーム・コイン}でコインロールしながら敵司令官を見つめる)
戦場に不釣り合いな輿ですね
敵司令官がどういう性格か
わざわざリズムと色を見なくとも
分かる気がします
さて、この軍勢をどう抜けるか...
まずは踊りましょう
(UC【蠱の宴】を発動後、肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}でダンスを始める)
おっとダンスを楽しんでいるのは
どうやら私だけのようですね
ではこのまま敵司令官の所へ向かいましょう
(モンスターの頭を足場にして敵司令官の輿に接近する)
こんにちは
早速ですが滅びてください
(ダンスによって生まれた炎『属性攻撃』と『衝撃波』を敵司令官に叩き込む)


クライド・エント
「プリンセスねえ…どんなもんかいっちょ見てみるか!」

『フック付きワイヤー』を使ってモンスターに跳び移る様に接近。
戦闘は『バスタードソード』で周りを牽制しつつ攻撃
従来の性格もあってその美貌や投げキッスに魅了されるかもしれないが、気合いで何とかなると思ってる(美人相手だと思ってちょい油断)



●頭上を超えていけ!
 空とは言わずとも、敵の上を越えていこうとする者たちは他にもいた。
 戦場の一角で、透明感のある翅を背に備えた女性が、宙に浮いたままでコインロールを披露していた。
 もっとも、蘇生モンスター軍団はコインロールなどもちろん見てはいない。
 播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)にとって、それは対象のリズムを見極めて、同調するためのツールなのだ。
 視線の先では、プリンセス・メルティラブが輿に戻って猟兵から距離を取っている。
「戦場に不釣り合いな輿ですね。敵司令官がどういう性格か、わざわざリズムと色を見なくとも分かる気がします」
 指の間でコインを踊らせたまま、彼女は動き出す。
「さて、この軍勢をどう抜けるか……まずは踊りましょう」
 肩幅ほどに足を開いて、クロリアは手を太もものあたりへと伸ばした。
「楽しんでますか? 私は楽しいです。リアです」
 太ももを両手でなぞりながら、上体を伸ばしていく。体内から湧き上がる、燃え上がる炎のごときリズムに乗せて彼女は踊り始める。
 蘇生モンスター軍団は誰も踊りなど見てはいなかった。時折飛んでくる攻撃をリズムに合わせて回避しながら、クロリアは踊り続ける。
 誰もその踊りを楽しんではいない――いや、1人だけ後ろから声をかけてきた。
「いいリズムだな、あんた」
 話しかけてきたのは中性的な顔立ちをした青年。
 クライド・エント(人間のパラディン・f02121)はフック付きワイヤーを操って敵を飛び越えながら、クロリアへと近づいてきた。
「ありがとうございます。味方には楽しんでもらえたほうがありがたいです」
 ダンスを続けながらクロリアは応じた。
「……思ったよりでっかいな」
「そうですね。人間の基準からすると大きいかもしれません」
 バイオモンスターであるクロリアは、クライドより頭一つ分は大きかった。
 ちょっと驚いた顔をしつつも、彼はモンスターの頭を踏みつける。
「ダンスがユーベルコードなのか?」
「ええ。そろそろ効果が出てきたようです。このまま敵司令官の所へ向かいましょう」
 クロリアは頷いて、周囲を見回した。
 ダンスを楽しんでいない蘇生モンスター軍団の動きが目に見えて鈍っている。移動するにはちょうどいい。
「そうだな。プリンセスか……どんなもんかいっちょ見てみるか!」
 バスタードソードで牽制しながら、クライドはワイヤーを操って敵の頭の上から上へと飛び移って移動する。
 クロリアもダンスしながらモンスターたちを踏みつけて進んでいく。
 プリンセス・メルティラブの輿まで、邪魔されることなく2人は接近する。
「また新しい顔ですわね」
「はじめましてだな、プリンセス。長い付き合いにはならないだろうが――いくぜ!」
 刃渡りの長い剣でクライドは切りかかった。
 クライドの武器がオブリビオンを切り裂くが、彼女は艶のある視線を青年へと向ける。
 投げキッスが鼻垂れて、青年の心から戦う意志が失われていく。
「くそっ、気合で何とかなると思ってたが……!」
 心をどうにか奮い立たせて振り回した剣からメルティラブが飛びのく。
 その攻撃が敵を踊りながら移動するクロリアのほうへ追い込む形になった。
「こんにちは。早速ですが滅びてください」
 クロリアが踊る情熱のダンスはいつの間にか炎を呼び起こしていた。
 衝撃を伴う炎を叩きつける。
 炎の中でメルティラブが苦痛のうめきを漏らした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

蛭間・マリア
お姫様…ああいうタイプは苦手ね。
少し、憧れもするけれど。

さて、暗殺するためには標的に近づかないと。
必要なのは隠密性と速度…嵐王の骨刀で周囲の砂塵を巻き上げていれば、姿を隠すことはできそうね。誰かが攻撃用に起こした砂嵐だと、誤認されればよいのだけど。


お姫様のもとへたどり着いたら、嵐王の骨刀を持って相対する。
あくまで私自身が戦う風を装いながら嵐王の緋影を呼び出して、
飛んでくる投げキッスは私がそのまま受けるわ。

呼び出しさえすれば、私の戦意が砕けていようが関係ない。
アレは私の状態なんて関係なしに、力を使い切るか、敵を細切れにするまで活動を続けるのだから。


尽々丸・歩子
暗殺か。翼を持たぬ私では、上空からの奇襲も望めん。ならば皆が少しでも動きやすいよう、陽動に回ろうか。

できるだけ不意をつきたい。見たところ辺りに全く遮蔽物がない訳でもないようだ。可能な限り気付かれないよう近づいてから、ユーベルコードで一角獣を召喚し騎乗。側面より一度大群に突っ込む。
……お姫様に変に感づかれると厄介だ。一族の仇ー!とでも叫べば頭のおかしい奴が突っ込んできた、位に思って貰えるだろうかね。精々【情熱】的に役を演じてみるとしようか。

一駆けした後はさっさと離脱だ。同じこと(陽動)を考えている仲間がいればフォローしながら後退する。
これだけ時を稼げば充分だろう?後は頼んだぞ。



●派手に。しかし、静かに
 腐ったモンスターたちがひしめく戦場で、戦いは続いていた。
 猟兵から攻撃を受けながらも、モンスターたちを盾にしてプリンセス・メルティラブはいまだに生き残っている。
 他の猟兵たちも彼女へと接近を試みていた。
「暗殺か。翼を持たぬ私では、上空からの奇襲も望めん。ならば皆が少しでも動きやすいよう、陽動に回ろうか」
 顔に大きな傷を持った女性がモンスターの壁越しに敵を見ながら呟く。
 尽々丸・歩子(ラドゥガの獣・f25135)は腐汁の沼に存在する障害物をうまく利用し、少しずつメルディラブへと接近していた。
 同じようにオブリビオンへと近づいているのは蛭間・マリア(「蛭間」からやってきた医学生・f23199)だ。
「お姫様……ああいうタイプは苦手ね。少し、憧れもするけれど」
『蛭間』の医学生である彼女はお洒落にはあまり興味を持っていないつもりだけれど、それでも思うことがないわけではない。
 マリアは嵐をまとう刀を握っていた。
 骨製の刀が秘めている力で砂塵を巻き上げて、障害物に隠れる代わりに砂嵐にまぎれて移動している。
 先に動いたのは歩子だった。
「いっちょぶっ飛ばそうか」
 頃合いを見て、彼女はカラースプレーで壊れたなにかの壁に一角獣を描き出す。
 そして、魔女の弟子として、歩子が唯一使えるカラーマジックを発動させる。
 出現した一角獣へと、歩子はひらりと飛び乗った。
「一族の仇ー!」
 叫びながら彼女はプリンセス・メルティラブを囲んでいる蘇生モンスター軍団の一軍へとまっすぐに突っ込んでいく。
「なんですの? おかしな奴が近づいてきましたわね」
 退屈そうにメルティラブが言った。
 瞬間、触手を生やした大男たちが無数にオブリビオンを囲む。それらは、突撃する歩子へと素早く接近してきた。
 触手が歩子の腕や体に絡みつく。一角獣を走らせて、歩子はそこから逃れる。
「貴様! こんな奴らにまかせずに、私と勝負しろ!」
 情熱的に演じながら、歩子はメルティラブの注意を引く。
 砂嵐が近づいてくるのを、彼女はさりげなく確認していた。
「これだけ時を稼げば充分だろう? 後は頼んだぞ」
 一駆けした彼女は、そのまま大男たちを連れてオブリビオンから離れた。
「よそ見をしていていいのかしら? あなたの相手は私がしてあげる」
 嵐王の骨刀を構えたマリアの声を聞き、メルディラブが急いで振り向いた。
「油断してしまいましたわ。でも、残念ながらその剣は私に届きませんわよ」
 艶然と微笑んで、指先を唇に持っていく。
「風と共に訪れ、去りし嵐王。我が血に拠りて顕現せよ」
 刀を振り上げて前進しながら、マリアは叫んだ。
 動きはオブリビオンのほうが早い――投げキッスはマリアへと飛んでいき、彼女の心から戦う意思を奪い去る。
「ふふっ、残念でしたわね。これ以上あなたがたにやられるわけにはいきませんわ」
 勝ち誇るメルティラブ――しかし、彼女は次の瞬間、顔色を変えた。
 目の前に嵐王の影法師が出現していることに気づいたのだ。
「呼び出しさえすれば、私の戦意が砕けていようが関係ありません」
 崩れ落ちながらも、冷静な声でマリアは告げた。
「アレは私の状態なんて関係なしに、力を使い切るか、敵を細切れにするまで活動を続けるのだから」
 言葉通りに、嵐王が放つ暴風が、プリンセス・メルティラブへと襲いかかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ガルディエ・ワールレイド
俺が可愛いと思うのは、少し気弱だが健気で頑張り屋の女の子なんでな。お呼びじゃねぇんだよ(一人の親しい少女を思い浮かべながら)

◆行動
武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギア
移動時を重視し鎧は無し。耐水性のボディースーツ装備
開戦より既に何百戦と戦った戦場だ。その知識を活かして、敵に見つかりにくいルートを選ぶぜ
戦場で爆音など注意を集める要素があれば、その時は特に早く進む

手の内がわかっているなら対処は出来る
《念動力》を上乗せし強化した【竜神気】で投げキッスの動作に使う腕の動きを全力で妨害
同時に間髪入れずに《ダッシュ》で間合いを詰めて斬撃を見舞うぜ
その後も近接攻撃を交えつつ妨害続行


アテナ・アイリス
ヒットアンドウェイはわたしの得意な戦法よ。

後ろから乱戦の状態を把握しながら、効果的なタイミングを待つ。
チャンスが来たらUC『クロノグラフ・アクセス』をつかって、「メルティラブ」の近くに瞬間移動して、【2回攻撃・怪力・乱れ撃ち・鎧砕き】を使って、二剣で連撃技を使って攻撃する。
ダメージを与えた後は、【武器受け・見切り・オーラ防御・残像】と「フィンブルの首飾り」、「アキレウスの鎧」、「ブーツ・オヴ・エルヴンカインド」の力を使って、戦場から最小限のダメージで足場に関係なく高速移動で撤退する。

あ、もちろん途中で財宝を見つけたら、回収してくわよ。お店の運用資金にしないとね。

アドリブ・連携大好物です。



●一気に接近せよ
 仕掛ける隙をうかがっていたのは、1人だけではなかった。
「俺が可愛いと思うのは、少し気弱だが健気で頑張り屋の女の子なんでな。お呼びじゃねぇんだよ」
 ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)が思い浮かべていたのは1人の少女の姿だった。彼女に比べれば、悪しき心にとりつかれた王女など眼中にはない。
 腐汁をはじく耐水性のボディスーツに身を包み、彼は戦場を移動していた。
 突撃をしかけた女性にメルティラブが気を取られた隙にガルディエは走る。
 司令官クラスがいる深い場所まで進んだ回数はともかく、この戦場には開戦時から毎日のように戦いに来ている。
 慣れた足場を踏みしめて、ガルディエは両の手に得物を構えていた。
 片手にあるのは複数の呪物を組み合わせた魔槍斧ジレイザ。もう片手には赤い魔力のフィールドをまとった魔剣レギア。
 先に接近した猟兵の攻撃からプリンセス・メルティラブが逃れた先に、ガルディエは立ちはだかった。
「ここは行き止まりだ。お前を片付けておけば、後が楽になるんでね」
「残念ですけれど、私も負けるつもりはありませんわ」
 投げキッスを飛ばそうと、メルティラブが口元に指先を持っていく。
「悪ぃな。そこも俺の間合いだ。手の内がわかっているなら対処は出来る」
 体の内に秘めた異端の神の力を発現させて、ガルディエはその手の動きを止めた。
 オブリビオンのそばに人影が出現したのはその瞬間だった。
「時空神よ、我が敵を討つ門を開けよ!」
 叫んだのは金髪のエルフ。
 ガルディエと同じく両手に武器を構えている。
 アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)が手にしているのは、水のように透き通った魔剣アーパスブレードと、光の剣クラウ・ソラス。
「ヒットアンドウェイはわたしの得意な戦法よ」
 2振りの剣がメルティラブへと激しい勢いで襲いかかる。
 メルティラブはその剣を受け流そうとした――が、アテナの攻撃とほとんど同時に突進してきたガルディエの一撃がオブリビオンの細腕を弾く。
 怪力に任せてしかけられるガルディエの攻撃、防具の隙間を狙って乱れ撃つアテナの攻撃、4本の刃がメルティラブの体を確実に切り裂いていく。
「なかなかやるじゃねえか、エルフの姉さん」
「あなたの剣も、見事なものよ」
 言葉をかわしながらガルディエとアテナはメルティラブへと攻撃を続けた。
「私を無視して話すのはやめていただきたいですわね……退屈ですわ」
 攻撃を受けながらも、メルティラブが触手をはやした無数の大男を召喚する。
 だが、アテナを狙おうとした大男たちをガルディエの力が妨害する。
 もっとも、妨害の必要はなかったかもしれない。
「忘れたの? ヒットアンドアウェイは得意なのよ」
 アテナの首飾りが冷気を放って大男たちの動きを鈍らせたかと思うと、機敏な動きを可能にする柔らかいブーツが地を蹴って一気に離脱する。
「お店の運用資金に、財宝が見つかるといいのだけれど」
 再び仕掛けるタイミングをうかがいながら、アテナは呟いた。
 ガルディエの、アテナの……そして他の猟兵たちの攻撃は確実にプリンセス・メルティラブを追い詰めていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リリスフィア・スターライト
アドリブや他の猟兵たちとの連携可

優しくお淑やかで魔法が得意な人格のフィアで挑みますね。
悪落ちしたプリンセスと言うのもある意味王道なのでしょうか?

無色変換で姿を消してプリンセスに近づきます。
本人は当然の事、彼女や召喚した大男や冒険者達にも
気づかれないように姿だけでなく物音も消して慎重に古戦場を進みます。
プリンセスに接近する事ができましたら、
隙を伺い機会がきたら魔力を込めた剣で突き刺します。
プリンセスが苦しまないよう一撃で終わらせたいですね。
質問されましたら、満足するかはわかりませんが
どのような内容でも素直に答えます。
接近中に気付かれてしまいましたら、
逆に注意を引きつける事で他の人を援護しますね。


フィランサ・ロセウス
モンスター達の腐臭を染み込ませた外套を纏い正体を隠す
自分達と同じ臭いがすれば蘇生モンスター達も見分けるのは難しく、[目立たない]ように動けるはず
あのお姫様も鼻が曲がっててきっと気が付けないわ

より強力なモンスターや触手の大男、冒険者がいればその辺りにお姫様はいる筈ね
ギリギリまでモンスターのフリをして近づいてクロックアップ・スピードを発動、[だまし討ち]で[暗殺]してあげる♪

ああ、ああ、お姫様!キッスも問いかけもいらないわ!
だって私ははじめから貴女が“好き”だもの!
綺麗なお姫様には私のナイフで真っ赤に染まったドレスもきっと似合うわ!
さあさあ激しく踊りましょ!退屈なんて感じる間もない程に!



●最後は苦しまぬように
 司令官が苦戦しているのをよそに、地獄の古戦場には腐汁を垂れ流す蘇生モンスター軍団がひしめいていた。
 モンスターたちの中で流れに逆らって移動する小柄な人影があった。
 外套からわずかにピンクの髪を覗かせているのは、フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)だ。
 フィランサの動きを気に止める者はいないようだった。
(「思った通りです。蘇生モンスターたちと同じ臭いがしていれば、目立たずに移動できますね」)
 行く手にいるあのお姫様も、鼻が曲がってフィランサの接近には気づかないだろう。
 モンスターのふりをしたままフィランサはプリンセス・メルティラブへ接近していた。
 オブリビオンが猟兵たちから逃れて、飛び出した。
 その瞬間、フィランサは指を鳴らした。
 高速で一気に接近した彼女は、プリンセスの柔らかな脇腹にハンティングナイフを深々と突き刺していた。
「あなたは……まだ猟兵がいましたのね……」
 傷口を押さえるメルティラブの姿に、フィランサは歓喜の表情を見せる。
「ああ、ああ、お姫様! キッスも問いかけもいらないわ! だって私ははじめから貴女が“好き”だもの!」
 それはフィランサにとって、偽りのない本心だった。
 瞳にはまるでハートマークが浮かんでいるようだ。
「綺麗なお姫様には私のナイフで真っ赤に染まったドレスもきっと似合うわ! さあさあ激しく踊りましょ! 退屈なんて感じる間もない程に!」
 けれど、彼女にとって愛情の発露とは、すなわち相手を壊すことに他ならない。
 高速で移動しながら、容赦なくフィランサはメルティラブの体をえぐる。
 残った力を振り絞って、オブリビオンはフィランサの体を突き飛ばす。
 弱った彼女のそばにはいつの間にか1人の女性がいた。
「悪落ちしたプリンセスと言うのもある意味王道なのでしょうか?」
 静かに呟いたリリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)が浮かべているのは、憐憫の表情だった。
 目に見えている者だけがすべてとは限らない。
 自分自身と装備を透明にするユーベルコードを使い、彼女は慎重にメルティラブのそばまで接近してきていた。
 透明でいる間疲労し続けるその技のせいで、移動するだけでずいぶんと消耗してしまっている。
 けれど一撃を加えるだけの余力は残っている。
 ある意味で、それで十分かもしれない。
「プリンセスが苦しまないよう一撃で終わらせたいですね」
 心優しき人格である『フィア』は言った。
 本来は『フィア』ではなく『リリス』が愛用している魔法剣に魔力を込める。
 緋色に輝く刃が、フィランサの……そして他の猟兵たちの攻撃で重傷を負ったメルティラブの体に、吸い込まれるように深々と突き刺さる。
「……私は……あの妖精に、誑かされていたの?」
 倒れたメルティラブがリリスフィアへと問いかける。
 その周囲に召喚された冒険者たちが出現する。
「私にはわかりません。けれど、おそらくそうなのでしょう」
 できる限りの優しさを込めて答えると、冒険者たちが消える。
 メルティラブがその答えに満足したのか、ただ力尽きたために召喚が解除されたのか、それはわからない。
 司令官の1人を失った蘇生モンスター軍団たちはなおもうごめいている。
 それらを残し、司令官を討った戦果を手に猟兵たちは帰還していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月09日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はミリリア・ミレニアムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト