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帝竜戦役⑥〜サイレント・デス

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #群竜大陸


●激戦
 かくして幕を開けた『帝竜戦役』と呼ばれることとなる大戦。
 その中でも、特に激しい戦いが繰り広げられる一角があった。
 群竜大陸、南東。名を『地獄の古戦場』。
 地面の至る所に、毒々しい紫の腐汁が溢れ、次から次へとオブリビオンが湧き出る、その名の通りの地獄絵図。
 腐汁諸共に群竜大陸から溢れださんとするオブリビオンの大群を押し留めるべく、数多の猟兵が日夜乗り込み、激闘を繰り広げる大戦場。
 死せども死せども立ち上がる、虚ろなオブリビオンの大部隊。
 率いるは、その身を血と腐汁で彩り、闇色の鱗を纏った――。

●闇に潜みて死を穿つ
「頭を潰せば戦は終わる……と、単純にはいかない話ではありますが」
 それでも、統率を崩して痛手を与えることは可能でしょう。
 グリモアベースにて、シャルロット・クリスティア(彷徨える弾の行方・f00330)は集まった猟兵達に向けてそう告げる。
 その背後に投影された景色は、多くの猟兵にとって記憶に新しい景色であろう。
 『地獄の古戦場』。
 今回の帝竜戦役にあたり、サバイバル戦の舞台として定められた場所。
 倒されたオブリビオンがここから蘇り、戦場に溜まった腐汁と共に地上へと降り注ごうとしているのだと言う。
 それを防ぐため、日夜ここへと乗り込み、多くのオブリビオンを屠っている猟兵も数多くいる事だろう。
 しかし、この度集められたのは、また別の一件。
 今もなお続いている激戦の影に潜んでの、また別の戦いとなる。
「相手も『軍勢』。ただ無尽蔵に溢れ出ているわけではなく、その有象無象を統率する『指揮官』と呼ぶべきオブリビオンも多数確認されています。
 私から皆さんに頼むのは、その内の一体。アンデッドを使役する邪竜『ネクロポリス』の討伐です」
 投影された古戦場の一角が拡大される。
 映し出されたのは、猟兵と多数のゾンビがぶつかり合うその奥で、紅い目を光らせる大柄なドラゴンの姿があった。
 『ネクロポリス』。生者を惑わし、死者を貶める悪辣なる竜。
 成程、ある意味では地獄に住まうにふさわしい存在と言えるかもしれない。
「今回、雑魚は極力無視していただいて構いません。この激戦です、いちいち相手をしていたら少なくない消耗を強いられることになるでしょう」
 あくまでも今回の攻撃目標は指揮官であるネクロポリスである。
 交戦の前に、撃破も叶わぬほどに体力を消耗させられては本末転倒だ。
「なので、皆さんは極力交戦を避け、他の猟兵のサバイバル戦に紛れて、乱戦を潜り抜けてネクロポリスに接近、これを撃破していただきます」
 指揮官は奴一体ではない。これを倒したところで、サバイバル戦が勝利で終わることは無いだろう。
 それでも、撃破が成れば少なからず敵軍に痛手を与えることは間違いない。
「敵の統率を多少なりとも崩すことが出来れば、他の猟兵の負担もかなり減らせるでしょう。
 皆さん、よろしくお願いしますね」
 シャルはそう締めくくり、戦場へのグリモアを開ける――。


ふねこ
 戦場と言えばアンデッド(偏見)。
 どうも、ふねこです。戦争二回目いきやす。
 そういやネクロポリス扱うの二度目ですね。
 今回も戦争シナリオということで、書ける時にささっと書く感じになります。
 全員描写は難しいかもしれないのでご了承くださいませ。
 以下、補足情報となります。

 戦場は、所々に毒々しい紫の腐汁が溜まった湿地帯となります。地面:沼が7:3くらい。
 深いところで足首くらいの水位で、少なくともこのシナリオ中浸かってるくらいなら特に悪影響は受けなさそうです(あまりにも長時間浸かっている場合は保証しませんが)。

 また、サバイバルの舞台でもあるのでそこかしこで猟兵とオブリビオンの戦闘が繰り広げられており、白兵戦のみならず魔法や矢弾も飛び交う激戦区となっております。
 乱戦を潜り抜け、余計な消耗を避けながら素早くネクロポリスに辿り着く工夫があると優位な状況で戦えそうです(プレイングボーナス対象です)。

 それでは、皆様のご参加お待ちしております!
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第1章 ボス戦 『ネクロポリス』

POW   :    デス・ストマック
戦闘中に食べた【死体と死霊】の量と質に応じて【力を取り戻し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    生者への煽り
質問と共に【翼で煽ることによる腐臭を纏う風】を放ち、命中した対象が真実を言えば解除、それ以外はダメージ。簡単な質問ほど威力上昇。
WIZ   :    ジェ・ルージュ
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【赤い目のゾンビ】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
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勇者甲冑・エスセブン
ふむ、足場の悪い湿地帯で敵の攻撃を潜り抜けながら先へと進む、か。
私に飛行能力があればよかったのだが――無い物ねだりをしても始まるまい!

ベータ、アルファ、君たちの力を借りよう!ベータは空を、アルファは私の剣との合体だ!
飛行メカ、ワイズマン・ベータによる空中からの索敵支援で、敵の密度が少ないルートを割り出して進もう。
そして、湿地帯に足を取られることがあれば、ファイター・アルファとの合体によりスクリューを備えた剣によって泥濘を吹き飛ばす!

さあ、たどりついたぞ悪竜よ!死者の魂を弄んだ罪――許しはしない!
力を増した相手にもアルファと融合した剣ならば力負けはしまい。
後は、己の力を信じて剣を振るうのみだ!


ブレイブ・ブレイド
※アドリブ歓迎、共闘可

SPD判定

・行動
ビークルモード(『ブレイブカー』)で『大地王』と併走しながら
片方が引き付けてその間にもう片方が
反対側を走り抜けるといったコンビネーションで一気にボスまでたどり着く
(ダッシュ、運転、地形の利用)

そのままUC発動して半人半馬のケンタウロス型に合体変形
ブレイブランスを構えて突撃して戦う
(勇気、ダッシュ、ランスチャージ)

・セリフ
緑をはぐくむ大地を汚し、死者の眠りを妨げる
そのような行いは決して認められません!

この勇者ブレイバーが止めて見せます!
おおーッ大地王!合体です(二神合体のバンクが入る)
地の勇者、ランドブレイバーッ!!

受けてみよ、ブレイブチャージ!!(突撃)


トリテレイア・ゼロナイン
この古戦場を制さなければ帝竜を打ち倒そうと勝利は無し
戦況を後押しする一手として将を討ち取りたい所です

●防具改造でUCの予備発振器を大量に装備
機械馬に●騎乗、行く先に発振器を射出
戦場に防御を重視したUC展開
混戦からの流れ弾を避ける『壁』兼ネクロポリスへの『道』を構築、地形をセンサーで●情報収集し、沼に脚を取られない様地形を●見切り大地を●踏みつけ沼を飛び越えながら突撃

接敵後発振器を周囲に射出し、周囲の横槍や上空への逃走防止の為の決闘場構築

他の猟兵を●かばう為●武器受けや●盾受けで攻撃を受け流しで防御を
死霊の捕食の為口を開けた瞬間、格納銃器での●スナイパー●だまし討ちなどで援護を重視し動きます



 帝竜『ヴァルギリオス』の討滅。
 この大戦の最終的な作戦目標はそこにある。
 しかし、かの竜やその配下の帝竜を打ち倒したところで、この大群を打ち倒し、地上への汚染を防ぐことが出来なければ『人』の勝利とはなり得ない。
 どちらの陣営も一歩も引かぬ激戦地。
 その勝利への後押し、その一手を成し遂げるため、三機の機人なる騎士が征く。
 一騎は純白の機械馬を駆り、
 別の一騎は漆黒の機獣を引き連れ、
 もう一騎は、機械竜を空に放つ。
 血の通わぬ鋼鉄の身体を持つ三騎/機であれど、その志は決してアックス&ウィザーズの戦場に相応しからぬものでなし。
 即ち。騎士として、或いは勇者として。邪を討つべしと、ひた駆ける。
「よーし……良いぞ、ベータ。1時方向、猟兵が押している」
「ならば、そちらを通らせて頂くとしましょう。先導します」
 解き放った機竜を見上げる蒼いウォーマシン、勇者甲冑・エスセブン(+チック・f20435)が告げれば、機械馬に跨った白い機械騎士、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)が前を行く。
「『道』は私が。内側に入り込んだ敵も出てくるでしょうが……」
「ならばそちらは私が牽制しましょう!」
 トリテレイアの両肩単装砲から放たれる杭上の特殊弾。
 地面に打ち込めば即座に電磁波を放ち始め、二列平行に目の前に配置すれば、それは文字通りの横槍を防ぐ『壁』となる。
 猟兵が攻勢に出ている区画、敵の数は少ないとはいえど、乱戦の中。流石にすべての敵の接近を阻むと言うのは虫の良い話で、紅い目のゾンビが数体、機人たちの前に立ち塞がるが、トリテレイアの両脇から、黒い一角の機械馬を伴った、車両状の一回り小柄な機影が躍り出る。
 ブレイブ・ブレイド(異世界勇者ブレイバー・f26959)。彼もまた、二騎と同様に熱い心を持つ勇者に他ならない。
 ゾンビの合えて至近距離、仕掛けるか否かのギリギリの隙間を狙い、駆け抜ける。
 反射的に防御の構えを取るゾンビだが、それを置き去りにブレイドが、トリテレイアが、エスセブンが振り切っていく。
 狙うは敵将ただ一つ。
 蘇った雑兵も、常人では足を取られるようなぬかるんだ大地も、力強き鋼の巨体を阻むには至らない。
 穢れた地面に、蹄鉄の、轍の、或いは己の足の跡を残し、泥が跳ね、愚直なまでに一直線に。
 さぁ、その闇色の竜が、討つべき邪悪が見えてきた。
「援護します。邪魔などさせませんよ」
「恩に着る。行くぞ、ブレイド!!」
「応ッ!!」
 トリテレイアから再び放たれる、ありったけの杭。
 構築される電磁フィールドは、さながら決闘場。強大な竜を前にどれほど持たせられるかはわからぬが、彼らの一撃を与えるまでは意地でも持たせてくれよう。
 そして勇者は、仲間の後押しを受けて奮い立たぬはずがない。
「大地王!大地合体です!」
「アルファ、君の力も借りるぞ!」
 ブレイブと共に駆けた機械馬が、エスセブンの傍らを泳ぐ機械鮫が嘶きで応え、その姿形を変えていく。
 ブレイブの脚が、エスセブンの剣が、頼れる相棒と融合し、その真の力を引き出してくれるのだ。
「さあ、たどりついたぞ悪竜よ!死者の魂を弄んだ罪……」
「緑をはぐくむ大地を汚し、死者の眠りを妨げる……」
「勇者エスセブンが……」
「勇者ブレイドが……」
「「許しはしないッ!!」」
 大気を震わせるほどの強烈な竜の咆哮。
 しかしそれは、勇者の高らかな宣誓を掻き消すには至らない。
 構えられる剣と槍。
 そうはさせぬと振り下ろされる歪な邪竜の巨大な爪。
 先に閃くのは爪の側。だがしかし、勇者たちは恐れなどしない。
「――『させない』と申しました」
 轟音と共に粉々に砕け飛ぶ、白銀の金属片。
 しかしその奥に聞こえたのは、涼やかな勝利宣言。
 あまりにも強烈な一撃に耐えきれなかった――されど確かに役目を全うしてみせた――大盾の亡骸の向こう側で、トリテレイアのセンサーアイが真っ直ぐにネクロポリスを射抜く。
 そして、その後ろに控えるのは。
「あとは己の力を信じて剣を振るうのみ!!」
「受けてみよ、ブレイブチャージ!!」
 二騎の鋼鉄の勇者の、全身全霊を込めた一撃。
 逃がしはしない、阻ませもしない。
 騎士と勇者の志が、確かに邪竜に深い傷を刻み込む――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アノルルイ・ブラエニオン
この帝竜戦役において英雄となる猟兵の戦いを、ぜひ身近で見たいものだ……
吟遊詩人として、歌の題材とする為にな

乱戦を避けるのか
では空から行く!

語ろう……
其れは英雄の騎馬にして翼持つ馬
勇敢かつ思慮深く勝利を齎すもの!
誉れ高き天馬ペガサス! 来たれ!

UCでペガサスを実体化し、騎乗、空から敵へと接近
敵の攻撃は飛行して回避、質問には吟遊詩人の知識をもってお答えしよう
弓の射程まで来たら奴を騎乗から射撃する
味方がいれば【援護射撃】

アドリブ・連携歓迎


アメリア・イアハッター
うへぇ
紫のぐじゅぐじゅは、気持ち悪いなぁ
お気にのブーツを汚したくないし、ここは一つ空からいきましょう!

UC発動
宇宙バイクで空を飛び、普段より風の魔力を気持ち強くして流れ弾やばっちい汁を防ぎながら進む
大きな竜であるなら空から見れば目立つだろうし、またアンデッドを使役するのであれば、敵、特に目の赤い奴が多い方向へ進めば、発見できるだろうか
道中味方がいればバイクへの同乗を勧めたり助け合ったり、道を聞いたりして進む

竜を発見すれば背後や直上から風を纏ったバイクで突撃し、頭部をタイヤや蹴りで攻撃
頭を潰せば、ってシャルちゃん言ってたもんね!
味方がいればゾンビの相手を引き受け、その隙に竜へ攻撃して貰う



 地獄の古戦場。
 一口に括ったエリアであれど、その実、眼下の光景は広く、右を見ても左を見ても、炎と光が奔り、怒号と剣戟音が響き渡る。
 どこを向いても激戦に次ぐ激戦。それはまさに地獄と呼ぶにふさわしい光景であろう。
 その血と汚泥と戦火に塗れた不浄の大地で、猟兵は今日も戦い続ける。
 この群竜大陸に蔓延る、過去より来たる災厄(オブリビオン)を打ち倒し、世界に光をもたらすために。
 そしてその戦いは、いずれ『英雄』の戦いとして語り継がれることとなるのだろう。
「私もその語り部たちに列席したいものだね」
 ぽろろん。
 戦場を見下ろす空で、アノルルイ・ブラエニオン(変なエルフの吟遊詩人・f05107)が爪弾いたリュートの音色が、風に乗って溶けて行った。
 今は自身がまさに伝承の英雄のように、天馬に跨り空を駆けているわけだが、やはり根っこは吟遊詩人。
 見て、聞いて、そして語る方が性には合っている。
 とはいえ。
「こんな場所じゃあ、落ち着いて見てもいられないもんね!」
「そう言う事だね」
 風を纏い飛翔能力を得た宇宙バイクに乗って並走するアメリア・イアハッター(想空流・f01896)に同意を返し。
 地上の戦線も多少なり落ち着かなければ、英雄たちの戦いも身近で見るにはいささか危険が過ぎる。
 身近で身をもって感じると言う意味ではそれはそれで有りなのだろうが、こちらがやられたら意味も無い。
 ……もっとも、アメリアにとってすればそれ以上に『気色悪い』という年頃の女性としては至極もっともな生理的嫌悪感も含みはするが。
 故に、幾分安全な空のルートを二人は選択していた。
 流れ弾こそありはする。こちらに気付いている敵も少なくは無いだろう。
 ただ、すぐにでも攻撃してくるわけではない遠方の二人に気を取られようものなら、地上で戦いを繰り広げる猟兵の絶好の的だ。相手側だって、そこまで余裕があるわけでもない。
 風に不吉な香りが混じる。
 浮遊大陸を流れる薄い雲の奥で、紅く揺らめく眼光が見えた。
「赤い瞳……!そろそろ縄張りってわけね!」
「ならば、今回は僕らが竜狩りの英雄と洒落込もうか」
 返事の代わりに、アメリアが愛機のアクセルを一気に回す。
 エンジン音の代わりに、渦巻く風が一気に勢いを増し、その身を前へと送り出す。
 赤い瞳の虚ろな翼竜達が行く手を阻む。だが、空に舞う燕を捉えるには、あまりにも遅い。
 脇を抜けたアメリアを追おうと首を返した翼竜の横面を、一本の矢が射貫く。
 アノルルイだ。
「死は英雄の行く手を阻むことは出来ないものだよ」
 再び地に落ちて行く翼竜の死骸を眺めながら、アノルルイは呟く。
 頬を撫でる風に、死臭が絡んでいるのは気のせいではないのだろう。
 どこか嫌悪感をもたらす、嫌な臭いだ。
 これは『死』という概念なのだ。生きとし生けるものに降り注がれるべき災厄の香りなのだと、言外に語る。
「確かに『死』は避けられぬもの。時には悲劇をもたらすものなのだろうね」
 それでもと、詩人は語る。
「だがそれは、明日へと続く道となる。積もった死を踏みしめて、人は歩き続けるんだ」
 だから、道を開けてもらう。
 放たれた矢は、奥に佇む邪竜へは、煽る翼が生む風に阻まれ、届きはしない。
 だが、その風は矢を阻むものでこそあっても、『彼女』を止めることは出来なかった。
 行く手を阻むゾンビもいない。味方の竜への攻撃こそ防がれても、代わりにこちらは飛び込めた。
 アメリアのブーツが、愛機の横面を蹴る。
 直上、獲った!
「おぉぉりゃぁぁぁぁっ!!」
 十二分に重力加速を上乗せし、渦巻く風を足先に集めに集め。
 渾身のキック一発。邪竜の頬を強かに。
「へへーん、頭を潰せば、ってシャルちゃん言ってたもんね!」
「んー、語るのも中々に難しいものだね!」
 カーブを描いたバイクに再び飛び乗って離脱するアメリアに、語りを生業とするものは思わず苦笑を零したところで。
 ここでの語りは一度オチをつけまして、別の英雄譚につなげることといたしましょう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユーイ・コスモナッツ
矢弾飛び交う戦場を潜り抜け、
速やかに敵将のもとへ辿り着くべし
ただし足場は最悪の湿地帯

なるほど、
この作戦なら、私の特技を存分に活かせそうです
矢弾を飛び越え白刃をくぐり、
一番槍を果たしてみせましょう!
お任せください、【流星の運動方程式】でひとっ飛びです!

……とは言ったものの
猟兵仲間が戦っている横をただ駆け抜けるのは、
やはりこう、心情的に……
助太刀に入りたくなってしまいますが、
そこは使命のためにと心を鬼にして。
自分で自分の頬を張って、再加速ですっ

嫌な風……これが【生者への煽り】?
質問?
私に関することならなんでも答えますよ
嘘をつくのは大嫌いですっ
あ、でも、謎かけみたいな「質問」だったらどうしよう……


オリヴィア・ローゼンタール
将を討つは戦さの常道ですね

セーラー服の姿に変身
属性魔法を失った代わりに、刀による斬撃と運動能力に特化

転移と同時に全力疾走(ダッシュ)
【地形耐性】【足場習熟】で適切な足場を瞬時に選択、【ジャンプ】も併用して駆け抜ける
襲い来る屍者の爪牙、飛び交う矢弾を【見切り】、進路を塞ぐ者のみを斬り捨てる
邪魔を――するなァ!

邪竜を刀圏に収めれば、【閃光無窮の太刀】で周囲の屍者ごと斬り刻む
残骸を食べることが叶わないほど細切れにして強化を防ぐ
得意の屍肉喰らいはどうしました?
負け犬のように這い蹲り、泥ごと啜ればいかがです?

煽る者ほど煽られる耐性がないのはよくあること
逆上して襲い掛かってきたのを【カウンター】で叩き斬る



 駆け抜ける風、二陣。
 刃が跳ね、炎が奔り、あらゆるものが激震する戦場において、『風』というものは珍しくも無い。
 だが、その風は誰かを守るでもなく、誰かを打ち倒すでもなく、ただ、駆け抜けていた。
 奥へ、ただひたすら奥へ。
 総てを置き去りにするかのように、ただ目指す先へと愚直なまでに。
「猟兵仲間が戦っている横をただ駆け抜けるのは、心情的に辛いものはありますが……っ!」
 とは言え、その風も若干の後ろめたさはあるらしく。
 置き去りにしていった戦友たちを思うと、助太刀に入るのが騎士として正しい在り方なのではと、ユーイ・コスモナッツ(宇宙騎士・f06690)としては思わなくもないわけで。
 一人であれば揺らぎもしただろうが、だが今の彼女には、共に駆けるもう一つの風があった。
「今はみなさんを信じましょう。将を討つは戦の常道、かの竜を討つことこそが、彼らの助けになります……!」
「……そうですね、オリヴィアさん。一番槍こそ譲りましたが、見事竜の首、討ち取ってみせましょう!」
 パチンと頬に喝を入れ、風は再びその勢いを増す。
 目指す先は、竜の首元ただ一つ。
 進路を邪魔する敵があれば一太刀の下に切り捨てて、槍を捌き矢を潜り、魔弾を打ち払ってひた走る。
 まさに全力疾走。魔力リソースを運動能力に注ぎ込んだオリヴィアに、反重力シールドを限界まで稼働させたユーイが、一気に敵の勢力圏を抜ける。
 ぎろりと、奥にそびえる竜の目が二人を睨む。
 威圧感は、確かにある。だがそれ以上に、どこか嫌悪感を催すのは、その身にまとう独特の風のせいか。
「嫌な風です……」
 思わずユーイの眉間に皺が寄る。その風は、逃れようもない『死』へと挑む覚悟を問うかのように思えた。
「……恐怖はあります」
 死とは恐ろしいものだ。そこに嘘は無い。それでも、歩みを止めることはしない。
「ですが、他者の死を思うように弄ぶこと、決して認めるわけにはいきません!」
 その覚悟を嘲笑うかのように、竜が吼える。
 ゆらりゆらりと、虚ろな瞳に紅をともした屍兵が立ち上がり、それぞれの得物を振りかぶる。
 だが、そこまでだ。その凶刃がユーイに下されることは無い。
 鍔鳴りの音、ひとつ。
 それと同時に、屍の身体に無数の太刀筋が入り、鮮血と共に細かな肉片と成り果てて地に落ちる。
「失礼。……ですが、こうすれば喰らわれることも無いでしょう。どうか安らかに」
 死体を傷つけると言う行為は、決して褒められたものではないだろう。
 それでも、オリヴィアは実行に移した。
 仲間の道を開くため……それ以上に、死者を冒涜する竜に、これ以上汚されることのないように。
 せめて戦場の土へと還り、眠りにつけるように。
 それでも尚かの竜が彼らを喰らわんとするならば、その時は――。
「――負け犬のように這い蹲り、泥ごと啜る事になるでしょうね」
 死の上に君臨する竜が、喰らうべき死者と同じ場所にまで堕ちる事と同義。
 侮辱と受け取ったか、竜の首がオリヴィアを向いた。
 だが、否定することは叶わない。
 渾身のユーイの一刺し。騎兵槍の一撃が、竜鱗を穿ち、その巨体を確かに崩し、その身をほんの一時とは言え泥に沈めてみせたのだから。
 それは、その未来を確かに示す証拠としては、十分すぎたことであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

イージー・ブロークンハート
これは…シャルの言う通り無理ですね…本当に無理です…戦うことを拒否したいレベルで無理ですわ…この状況…これを?賢く切り抜けて?本丸を?叩く?マジで?…パリン…(心くじけて膝から崩れ落ちる)(剣をしまう)
(深呼吸)
チクショーーーー!!こんな状況でお前ら全員となんてやってられるかバカーーーーーー!!!(心折れた“ブロークンハート”したまま走り出す)(見切り避けるか残像を残して回避)バカーーーー!!(攻撃食らっても反撃せずに逃げる)(いたい
どこだネクロポリス!
いたか?いたならそこでコード解除ッ!
お前こんな!こんな奥に居ないで最初からもっと手前に!!居てくれ!!バカ!
(アドリブ共闘他歓迎です)


アリア・フォールフォース
…うわぁ。
あの、これ悪落ちお嬢様でもさすがにNGなんですけど…むしろこういうのは転落令嬢とかそういったタイプのお嬢様の担当区分では…えーい、やったろーじゃないですのこんにゃろー!!
スカートの裾をつまんでささっとGOですわぁ!
【目立たない】で木陰に隠れたりスライディングで木の股などをくぐったり…多少の泥は我慢して、渡らなければならない沼地や、足場の悪い所では蛇腹剣をロープの様に遠くの気やら死体やらに引っ掛けてターザンジャンプですわぁ!!…泥いやぁ。

この怒りはネクロポリスとやらに…!
喰らえこっそり近づいてからの【暗殺】の一撃!
コード発動【ドーピング】【属性攻撃】全部乗せ超重力攻撃ですわー!!



「「うわぁ……」」
 絶句。
 思わず漏れた言葉にならない溜息が二つ、ずいぶんとまぁネガティヴなハーモニーを奏でた。
 だってほら、見るも不快な毒々しい色の湿地帯にアンデッドがこれでもかというほどたむろしているんだもの。
 それだけならまだしも、あちらこちらで猟兵達と激しい戦闘を繰り広げ、怒号やうめき声、戦闘音が絶えず鳴り響いてくる。
 今はまだ転送したばかりでそれなりに安全圏にいる筈であるにも拘らず、である。
 思わずUターンしたくなるのも無理はない、筈である。誰かそうだと言って。
「こういうのは転落令嬢とかそういったタイプのお嬢様の担当区分では……」
 自身を『悪堕ちお嬢様』と自称するアリア・フォールフォース(血の色ドレスの悪落ち令嬢・f26991)ではあるが、自身がアンデッドを使役して支配するとかならまだしも、放り込まれる側になるのは、なんかこう、美学にそぐわない気がする。
 しかししかし、たとえそうだとしても、猟兵として依頼を請けてしまった以上は、ほっぽりだしていくわけにもいくまい。
 ……なんでこんなの受けてしまったんだろう、という根本的な疑問は置いといて。
 とまぁいつまでも悔やんでいても始まらないので、実際問題どうするか。
 ネガティヴハーモニーを奏でたもう一方、イージー・ブロークンハート(硝子剣士・f24563)が改めて戦場を、そして目指す先の邪竜を見やる。
 巨体故に、視認はさほど難しくは無い。目指す先は遠いが、おぼろげに身じろぎしているのは見て取れる。
 問題はその手前だ。
 物量が、乱戦してる。端的に言って激戦である。
 ――無理では?
 イージーの心に亀裂が入った。
 いやいやどこか抜け道なんかがある筈だともう一度見やってみても、結果は亀裂を大きくするだけだった。
「これを?賢く切り抜けて?本丸を?叩く?マジで?」
 マジで。
 思い返しても、そう言われた記憶しかない。
 ――やっぱ無理では?
 今度こそ、イージーの心の何かが音を立てて砕け散った。
 こう、なんというか、パリンって。
「……イージーさん?」
「…………」
 膝から崩れ落ちたイージー。アリアが思わず声をかけたが、返ってくる声は無く。
 いや、ちょっと違った。大きく息を吸う音が聞こえた。
 吐いた。
 もっかい吸った。
「チクショーーーー!!こんな状況でお前ら全員となんてやってられるかバカーーーーーー!!!」
 そして猛然と走り出した。
 真っ直ぐに。
 一目散に。
 意外なことにネクロポリスの側に向かって。
「あー!?待ってくださいましー!?」
 旅は道連れ世は情け……というわけではないが。
 一緒にUターンしてくれるんならそれはそれでよかったのに、一人突撃されては帰るにも帰りづらい。
 悪堕ち令嬢的にもなんだかそれは格好悪い。
「……えーと」
 結果。
「……やったろーじゃないですのこんにゃろー!!」
 アリアもスカートの裾を持ち上げて、文字通り泥沼の戦場に突っ込んでいった。
 雑兵?乱戦?そんなの無視だ無視。
 グリモア猟兵も言っていた。いちいち相手していたらきりがないと。
 そりゃもう全力で無視する。
 流れ弾が飛んできても、なんなら当たっても全力で無視してただひたすらに走る。
 木の根を飛び越え、木陰をかき分け、時には泥が跳ねるのも当然構わずに、とことん走る。
 そう、こんなことをさせられるのは全部ネクロポリスが悪い。
 あの竜があんな奥地に居座っているのが悪い。
 もっと前線に出ていれば、こんな苦労をすることは無かったんだ。
「全部乗せの超重力攻撃、その身でしっかと味わいくださいましー!!!」
「お前こんな!こんな奥に居ないで最初からもっと手前に!!居てくれ!!バカ!!!」
 唐突に猛スピードでやってきて思いっきりぶん殴って(ともに得物は剣なのだがあえてこのように記させて頂く)そのまま走り去っていく二人を、ネクロポリスはどこか理不尽な表情で見送っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒影・兵庫
【蜂皇族】
(『オーラ防御』壁で体を覆いながらクロリアに話しかける)
大丈夫だって!絶対上手くいくから!せんせーだっていけるはずって言ってるし!
(「まぁ危険ではあるけど現状これが一番被害が少なくて速攻できそうかな」と頭の中の教導虫がフォローする)
じゃあ、クロリアの投石器で飛ばされた後の話ですが
UC【光殺鉄道】を発動し光学兵の皆さんのレーザーブレードで敵を切り刻んだ後
トドメに『衝撃波』を叩きこんで『念動力』で空気のクッションを作り着地
いいですね?では作戦開始!


播州・クロリア
【蜂皇族】
あにさん...やっぱり危険すぎませんか?
もっと他の方法は...
わかりました。オフクロさんまで了承済みとあらば...
(UC【蠱の腕】で大型の投石器(カタパルト)を作り石を乗せる部分に黒影を乗せて敵司令官へ向けて発射する)
では私は...
(タップダンスのように小刻みに足を動かしながら{烈風の旋律}で『ダンス』を始めると足の空気の渦が作られる)
少しでもあにさんたちの危険を減らすためにも軍勢の気を引き付けておきましょう
(空気の渦を掬うように足に纏わせると敵の軍勢に向けて蹴り飛ばし竜巻『属性攻撃』を行う)



 幾人もの猟兵が、激しい乱戦を潜り抜けてネクロポリスに肉薄している、ちょうどそのころ。
「あにさん...やっぱり危険すぎませんか?」
「大丈夫だって!絶対上手くいくから!」
 戦場を俯瞰できる少し離れた場所で、一人の人間と一人のバイオモンスターが言い争い……とまではいかないものの、何やら言い合っていた。
 黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)と播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)。
 登録上の種族こそ違うものの、共に『蟲』の要素を身に持つ二人。いわゆる同胞だと言うのは、傍目からして一目でわかる。
「せんせーだっていけるはずって言ってるし!」
『(まぁ危険ではあるけど現状これが一番被害が少なくて速攻できそうかな)』
「…わかりました。オフクロさんまで了承済みとあらば...…」
 兵庫がとんとんと己の側頭部を叩いたその内側から響く『蟲』の声がクロリアにも聞こえたかは定かではない――口ぶりからして、恐らく聞こえたのであろうが――が。
 意志は固いと見て取ると、はぁとクロリアはため息一つ。
 他ならぬ『あにさん』の意志がここまで固いとなれば、妹としては止めることは出来まい。
「それじゃ、あにさん。乗ってください」
 クロリアの腕が変化を始める。
 錆色の異形の腕は、見る見るうちにその姿を変え、そこに現れたのは……てこの原理で物質を射出する、いわゆる『投石器』であった。
 もうお分かりだろう。
 この投石機で、他ならぬ兵庫をかの竜の下まで射出しようと言うのだ。
「では、いきます」
「作戦開始!」
 がこん。
 鋼の剛腕が唸りを上げ、青年としてはやや小柄な兵庫の身体が空中に解き放たれる。
 方向良し。角度良し。
 計算通りの放物線を描いていく兵庫を安堵の顔で見やるクロリアだが、まだやるべきことは残されている。
 タン、タタン。
 クロリアの足が、リズミカルに地面を叩く。
 だんだん速く、だんだん強く。
 それはまるで渦を巻く風のように。否、事実風を呼び起こす烈風の旋律を奏で。
「ダラキュな貴方達の相手は……」
 ――私ですよ。
 巻き上がる風を爪先で掬い、身体を捻る。
 一撃。
 回し蹴りと共に放たれた渦が、アンデッドの軍勢に襲い掛かる――。

 ――一方。
 激しい戦火を眼下に収めながら、兵庫は風を切って空を飛んでいた。
 綺麗な放物線を描き高速で飛翔する物体。それが人であると判別するのは、地上それも戦闘の真っただ中では非常に難しかったことだろう。
 何かが飛んでいるということに気付いたところで、砲弾か魔法弾かそのあたりだと思っただろうし、そうであれば自身に被害が及ばないであろう物体には存外無頓着になるものだ。
 邪魔らしい邪魔が入ることも無く、見る見るうちにネクロポリスの巨体が迫る。
 これまでにも空を飛んで接近を試みた猟兵はいたが、兵庫のその速度はそれまでの猟兵とは一線を画す。
 飛行と言っても、本来はある程度の制御のために速度はそれなりに加減するものだ。
 だが、彼の場合、制御は完全に捨てている。最初の軌道計算の通りに全力で射出されれば、後はそれに身を任せるだけ。
 奴に対応される前に、攻撃圏内に飛び込む――!
「光学兵の皆さん!」
 指示ひとつ。
 放たれるのは『鉄道虫』と呼ばれる無数の虫たち。
 たかが虫と侮るなかれ、光刃を放つ彼らは、オブリビオンをも喰らい得る、強力無比な兵士に相違ない。
 次々と放たれるレーザー・ブレード。
 虫である以上、巨大な竜の翼に煽られれば弾き飛ばされるのは自明ではあれど、光の刃は次々と竜の鱗に傷を走らせる。
 吹き荒れる風を自身のオーラの壁で強引に撃ち破りながら、兵庫もまたダメ押しに一撃。
 文字通りの砲弾じみた加速を乗せた衝撃波は、確かに竜の巨体をぐらつかせてみせた。
「さっすがせんせーのお墨付きです!完璧な作戦でしたぁ!」
 減速に展開した空気の壁を数枚ほどぶち破り、土煙を上げながら兵庫が着地する。
 その背後、視界の外から、竜の巨体がたたらを踏む振動が確かに伝わってきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイシス・リデル
わぁ……下水とも毒沼とも全然違う、ね
これでこの世界を汚したりなんて、させないから

見つからないようにすればいいんだよ、ね
大丈夫、こっそりするのは慣れてる、から
ちっちゃな【追跡体】のわたしたちに分裂して進んでく、ね
わたしたちなら、元々見つかりにくいし
わたしの臭いだって、ここならそんなに気にならない、と思うから
それに腐汁に隠れてけば、もっと見つかりにくくなる、よね
汚いのには慣れてるし、【毒耐性】もあるから大丈夫、だよ

知ってるけど、知らないオブリビオン
あの時、飛び立とうとしたあなたとは違うんだよ、ね
わたしのやる事は変わらない、けど
見つからないように、元のわたしに合体して
バラックスクラップで攻撃する、よ


ガルディエ・ワールレイド
こいつとは前にも依頼で戦ったことも有ったな。
とは言え、今回の方がシビアな状況か……だからと言って退くわけにはいかねぇが。

武装は《怪力/2回攻撃》を活かす魔槍斧ジレイザと魔剣レギアの二刀流
移動時を重視して全身鎧は無し。

先ずは【黒竜の騎士】使用。
開戦から数日で何百戦もしてる戦場だ。その時に把握している知識を用い見つかりにくい箇所を選んで進む。
戦場に爆音などが響いて周囲の注意がそちらに行く時は《ダッシュ》で特に早く進むぜ。

敵の攻撃は《見切り/ダッシュ》で回避
敵の捕食行動は攻撃や《念動力》で適時妨害するぜ。
最後は精神論だ。
徐々に力を取り戻していく敵だが、こっちだって《限界の一つや二つ突破》してやるよ。


朝霞・蓮
うぇ…今回の敵はあんなに遠くにいるのか…
あんな大群相手にしてたら体力がもたないだろうし、僕は他の人が到達する支援をして、少し接近の速度を落とそうかな…それなりの距離までもしも接近出来たら、上空から狙撃するよ。
まずはUC【龍紋〈騎竜招来〉】を発動して騎竜を呼び出すよ。それに乗って空中機動力を持つ。
次は上空から錬金術で作り出した煙幕札を撒いて、猟兵の接近を補助する。煙幕を撒くのは召喚した騎竜の他にも竜形態のままで竜槍6本には手伝ってもらって、可能な限り広範囲に撒こう。
上空の敵は…振り切れなきゃ撃ち抜くよ。
白竜と黒竜の背を上空で器用に移動しながら、上手くやるさ。
それじゃあ一緒に行こう、ノワ、ブラン!


シリン・カービン
【WIZ】

戦場をよく観察しネクロポリスまでのコースを策定。
雑兵で消耗することなく辿り着く方法として、
乱戦が続く戦場の突破を選びます。

敵が多くても姿を見咎められなければ問題ありません。
【スプライト・ハイド】で姿を消し、
敵味方入り乱れる戦場を駆け抜けます。
この混乱の中なら隠密より早掛けを優先しても、
多少の気配は気づかれないでしょう。

疲労が蓄積する前に速攻で乱戦エリアを突破。
気配を消してネクロポリスの死角から接近します。
「奴が死と闇を司るのなら」
光の精霊を宿した精霊弾を装填し目を狙撃。
躱されても至近距離で光の精霊が閃光を放ち、
目を眩ませます。間髪入れず速射で追撃。
「あなたは私の獲物。ネクロポリス」


ヴィクティム・ウィンターミュート
オーケー、シャル
Arseneこののビズを承ったからには、勝利を持ち帰らなくっちゃな

今回は俺も走るが…同時に舵取りもやらせてもらおう
なーに、要はタイミングを指定するってだけさ
行動を隠したい時はミスディレクションを用いるのが一般的だ
この激戦区には、それはそれ眼を引く事象が頻発している
闘ってる最中に、戦闘以外のことに目を向ける余裕は誰にもない
強制的に意識を割かされてる時に一息で走って抜け出してしまえばいい

そして勢いそのままに、アサシネイトって寸法さ
妙な風を起こす翼から潰してやろうぜ?
根本から断ち切るくらいのつもりでぶった切れ

最後には必ず、凍える冬のように静かになる
お前もまた、凍り付いて動かなくなるさ



 振動。爆音。閃光。
 何に依るものかは様々であれど、あまりにも激しい戦闘は、この場にそれらを絶えず与える。
 今この瞬間にも、どこかで地面が爆ぜ、オブリビオンが――ともすれば猟兵も混ざっているのかもしれないが――吹き飛んでいく様が遠くに見えた。
 そしてその戦場の最奥に……傷つきながらも咆哮を上げ、不死の軍勢を奮い立たせる邪竜の姿があった。
「遠いな……」
 その様を、黒竜の背に跨り、傍らに白竜を伴った朝霞・蓮(運命に敗れた竜・f18369)は歯噛みする。
 今のところ奇襲はそれなりに上手くいっているようだが、戦闘は一向に落ちつく様子が無い――どころか、ネクロポリスの損傷に呼応するように激しさを増しているようにすら思える。
 全滅などもってのほか。ただ通り抜けようとするのも簡単なことではない。
 大群をいちいち相手にしていればキリがないのは勿論、余波に巻き込まれただけでも少なからず消耗を強いられることになるだろう。
 それぞれが各個に竜を目指していては効率も悪かろう。ならば……。
「みんな、他の人の支援をするんだ」
 黒、銀、紅、蒼、翠、橙。
 己が乗る竜よりも幾分小さな六匹の竜。それぞれが足に挟むのは、色とりどりの札。
「ノワ、ブランも。……よし、行こう、みんな!」
 散開。
 上空に散って行く、計八匹の竜の群れ。
 それらは戦場のあちこちに札をばら撒いて、その秘めた力を解放した『錬金札』は辺り一面に色とりどりの煙を撒き散らしていく――。

「煙幕?……敵の攻撃じゃねぇな。あの竜、猟兵側か」
「ククッ、良いねぇ。いい感じに荒れてやがる」
 一方、地上。
 上空より降り注いだ煙が立ち込める戦場の中、ガルディエ・ワールレイド(黒竜の騎士・f11085)が怪訝そうに空を見上げ、ヴィクティム・ウィンターミュート(End of Winter・f01172)が対照的に笑みを深くする。
 元々混乱の渦中にある激戦区。だが、その中で更に掻き回してくれている奴がいるらしい。
 ありがたいことだ、その分こっちはやりやすい。
「シビアな状況だ。地形はあらかた憶えてるから問題なく走れるとは思うが……どうする?煙の中に逃げ込むか?」
「いーや、ルートチェンジは無しだ。このまま戦場の真中を突っ切る、任せろ」
 応えるヴィクティムの声には、不安の色は欠片も無い。
 絶対の自信。大丈夫だ、根拠ならばいくらでも見つけられる。
 この激戦区には、眼を引く事象が頻発している。
 他の猟兵による攻撃があちこちで発生し、今まさに視界不良というアクシデントが降って湧いた。
 戦闘中に、目の前の危険を放り出して戦闘以外の『別の何か』に注力するのは難しい。
 特に煙幕と言う、ともすれば中からの奇襲すらあり得る『危険』、注意を割かないわけがない。
 そんなところに飛び込むよりも、敢えて姿を隠さないまま『即座の危険ではない存在』として通り抜ける方がよほど容易い。
 幸い、今は特に注意が他に逸れている。絶好のタイミングだ。
「お宅も。良いかい?」
「問題ありません。この混乱の中なら隠密より早掛けを優先しても、多少の気配は気づかれないでしょう」
 二人が顔を向けた先には、何もいない。
 それでも、確かにあった返事と、時折跳ねる泥の欠片が、確かにそこに人の存在を教えてくれていた。
 シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)。今はその身体も、背負った銃も透明化しているが、彼女もまた間違いなくここにいて、そして竜を目指している。
「なら……ランだ」
 駆ける。
 足音も、靴跡も、確かにそこに残しながらも、混乱の渦中に溶け込ませて。

 ――そして、ちょうどそのころ。
 沼の毒々しい紫の水面が、ゆれる。
「だいじょうぶ?」
「だいじょうぶ」
 囁き合う声は、戦場の爆音に飲み込まれ、誰の耳にも届かない。
 煙が立ち込め、爆風に煽られる戦場を、アイシス・リデル(下水の国の・f00300)の小さな落とし子たちが行く。
 密やかに、こっそりと。
 知っているけど、だけど知らない、あの竜の下へ。

 風が吹く。
 死を呼ぶ不吉な風だ。
 だが、それはネクロポリスが起こしたものではない。
 猟兵と言う存在が、オブリビオンを骸の海へと沈めるために巻き起こした嵐――否。
「吹雪が来るぜ」
 怪盗(アルセーヌ)が嗤う。
 邪竜の御命を頂戴し、勝利という名の宝を持ち帰る。
 ビズの完遂まであと一歩。計画には寸分も狂い無し。
 吹き荒れ、幾度となく叩きつけられる攻撃は、確かに邪竜ネクロポリスの体力を奪い取り、そしてそれ以上に、焦りを齎し冷静さも奪い取っていたに違いない。
 戦場である以上――それの殆どは同胞のものであったろうが――『死』は、そこかしこに転がっている。
 多少食事を邪魔されたところで、喰らうものには事欠かない。
 だが、躍起になって力を蓄えようとしていることこそが、かの竜から余裕が失われている証左であった。
 だからこそ、巻き起こった煙に次の襲来を予見こそしても、それを縫って肉薄する彼らには気づけない。
 光が爆ぜる。
 目も眩むような閃光が、ネクロポリスの目を灼く。
「あなたが死と闇を司るのなら」
 いったい何が起こったのかと、首を擡げ咆哮するネクロポリス。その轟音の中で、冷ややかな声と銃声が紛れ込む。
「あなたは私の獲物。ネクロポリス」
 風が吹く。
 煙が流れていくその先で、シリンの銀の髪が揺れた。
 獲物を真っ直ぐに射抜く彼女の瞳に映るのは、両眼から黒く濁った血を噴水のように吹き出す竜の巨体。
「お前とは、前に戦ったことも有ったな」
 感慨深げに漏らすガルディエの声もその姿も、ネクロポリスに届いていたかは定かではない。
 届いていたところで、その記憶はこの竜には存在しえないだろう。
 ――まぁ、そんなことはどうだっていい。
「……どうにせよ、退くわけにはいかねぇ」
 今回も。
 何度でも。
 赤雷を纏った魔剣が、竜の片翼を根元から断ち斬る。
 ――ガァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!
 風が吹く。
 竜の咆哮と、倒れ伏す地響きを、戦場全体へと運んでいく。
「……まだ息がある……!?」
 真っ先にシリンがそれに気付いたのは、精霊と共に生きる森のエルフであったゆえか。
 空気が淀み、震えている。死の気配が湧きたつのを感じる。
 まだ喰らって、そして振りまこうと言う邪竜の執念が、そこにあった。
「……いや。詰みだ」
 だが、同時にヴィクティムには見えていた。
 あと一人、最後の一手がそこに立っているのが。

「あの時、飛び立とうとしたあなたとは違うんだよ、ね」
 邪竜の耳元、そう語りかけるアイシスの声を聴く耳など、竜は持たないだろう。
 喰いたい。喰らいたい。奴らを。喰らわなければ。
「……もしかしたら、今のあなたも、そうなのかも、だけど」
 だけど、それは世界を汚すことだから。
 だからもう、おわり。

 風が吹く。
 吹雪が去っていく。
 頭蓋を砕かれた邪竜は、もう動かない。
 あとに残されたのは、雪深い冬を思わせるような静寂だけ。
 たとえそれが、ほんのひと時のものだとしても、確かにかの竜に齎された、静寂。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月08日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルト・カントリックです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト