帝竜戦役②〜蛮勇な飛竜たち
●変化
彼女たちは吠えた。
彼女たちは翼を背負った。
「あ、あぁ……っ!」
犬歯を剥き出ししながら低く呻きながら額から二本の角が生え、体を震わせた瞬間に全身は鱗に覆われた。
風が唸り声を上げると、ドラゴン化した彼女たちは翼を広げ、砂煙を上げながら鉛色の空へ舞う。
「ウォォォォォ――ン……」
荒野にドラゴン化した“サヴェージ・ギャルズ”たちの咆哮が響いた。
●グリモアベース
「アックス&ウィザーズが大変な事に……すまない。来てくれてありがとう、実は――荒野の風によって“オブリビオンをドラゴン化”してしまったのだ」
神山・楼炎(蒼銀の堕人狼・f01748)が少し複雑そうな表情で猟兵たちに言う。
「そう、昔に野蛮で勇猛な女戦士のオブリビオンが、だ。個々の強さは脅威ではないだろうが、翼が生えてしまったからには地を走るよりも空を好むだろう。だが……」
楼炎が一瞬言葉を飲むと、革袋から複数の宝石と鱗をテーブルの上に取り出した。
「これは、先に戦ってグリモアベースへ持ち帰った戦利品だ。傷がない鱗……これに覆われているとなれば簡単には傷付ける事が出来ない。だが、必ず弱点はある」
キラキラと光る鱗を指先で撫でると楼炎は、猟兵たちへ血の様に赤い瞳を向ける。
「逆鱗、というヤツだろうな。そこを攻撃すれば簡単に倒せ、そしてこの宝石を得る事が可能だ。あちらでは金貨40枚、UDCアースで換算すれば40万だ……どうするかは各々に任せる。お前たちに武運を――」
龍真 神
オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
龍真 神(タツマ シン)と申します。
よろしくお願いします。
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プレイングボーナス……空中からの攻撃に対処し、硬いうろこに覆われた「急所」を攻撃する。
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連携する場合は、相手のIDやチーム名の記載を忘れずにほぼ同時にプレイング送信して下さい。
※連携人数は最大でも4~5人が限度となりますのでご留意ください。
プレイング受付は最大10件となりますが、午前8時半以降に日付をずらして送っていただければなるべくは全て採用出来る様に努めます。
第1章 集団戦
『サヴェージ・ギャルズ』
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POW : アマゾネス・スマッシュ
単純で重い【武器または素手、素足】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : バーサーカー・ドライブ
【トランス状態になる】事で【狂戦士モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : フィアー・ビースト
【口】から【野獣のような咆哮】を放ち、【恐怖を与えて萎縮させること】により対象の動きを一時的に封じる。
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リステル・クローズエデン
力自慢なのでしょうか?
いえ、スピードも高まっているようですね。
油断なきよう、いきましょう。
さて、空中戦ならば。
鎧変換・斬翼断空と空中浮遊を組み合わせ。
さらに迷彩+目立たないで姿を隠し。
飛翔し近づき。
視力で確認して。
魔装の腕輪による誘導弾とスナイパー併用の射撃や、
呪剣による斬撃で暗殺。
弱点を狙えるなら鎧砕き込みで狙い。
無理なら、目潰しや武器落とし。
衝撃波で相手の体制を崩す。
相手の攻撃は、回避中心で。
もしもの時は盾受けとオーラ防御で受けますが。
それは、避けたいですね。
場合によっては、
援護射撃、乱れ撃ち、クイックドロウ、呪詛を組み合わせて
魔装の腕輪から精神攻撃をばらまき、
恐怖を与えます。
ソラスティベル・グラスラン
竜化した人々、しかしドラゴニアンではない歪な存在
……少々気に入りませんが、その勇猛さは認めましょう!
『勇者』として、存分にお相手仕ります!
空を飛ぶ敵にはこちらも翼を広げ【空中戦】
【盾受け・オーラ防御】で身の守りを固め突撃
敵の動きを【見切り】、包囲されないよう注意
敵の一撃を【怪力】のままに盾で受け止め、【見切り】空中で受け流し
単純で大振りならば隙も大きいはず、振り切った隙を狙い素早く【ダッシュ】!
急所に【鎧砕き】の大斧を!
敵がどれほどの軍勢でも我が【勇気】に一点の曇り無し
これがわたしの【勇者理論】!!(防御重視)
竜に成りたてでは戦い方も知らぬでしょう
ふふふ、宝石は授業料として貰っていきますね?
●鉛色の戦場
「鎧装変換……」
少し湿った風で青色がふわり、と浮いた瞬間――リステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)の声はかき消されると鉛色の空を舞う“彼女たち”の瞳に映る前に姿は景色に溶け込んた。
「斬刃の翼、断空の鎧」
鎧が身を包み、跳躍すると背中の翼を広げて力強く羽ばたかせる。
「(力自慢なのでしょうか? いえ、スピードも高まっているようですね)」
“スピネルアイ”にドラゴン化している“サヴェージ・ギャルズ”達を映すと、視覚で分かる範囲の彼女たちの身体能力の情報内容に視線を滑るように読みながら思う。
ゴウッ、と凄まじく風が唸ったと思えば、オレンジ色の何かがサヴェージ・ギャルズの群れとぶつかった。
蒼空色の大戦斧“サンダラー”と鉄の大斧が激しくぶつかる音が響き、ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)はヘリオライトの様な美しい髪と翼は風を受けながら鉛色の空に浮いている。
「……少々気に入りませんが、その勇猛さは認めましょう! 『勇者』として、存分にお相手仕ります!」
そう言うとソラスティベルはにっ、と笑みを浮かべると、サヴェージ・ギャルズの群れが突進してくるが黒翼の盾“モナーク”で受け流す。
「(意識はあちらに向けているなら……)」
リステルは“魔装の腕輪”から誘導弾を放ち、サヴェージ・ギャルズの群れを横から撃ち抜くと予想外の方角からの攻撃に驚いて視線を向けた瞬間。
“呪剣・黒”の黒い刃がドラゴンの翼を切り裂き、飛ぶ能力を失った翼を羽ばたかせながら落下する。
「ガウッ!?」
驚きの声を上げながらサヴェージ・ギャルズは後ろへ顔を向けたら視界が暗転した――リステルが素早く呪剣・黒を突き出して目をつぶしたのだ。
「竜に成りたてでは戦い方も知らぬでしょう?」
ソラスティベルが戸惑うサヴェージ・ギャルズの群れを見据えながら言うと、リステルは魔装の腕輪から放たれる誘導弾に呪詛を込めて乱れ撃つ。
「空は思っていたより、自由ではなく恐ろしいでしょう」
リステルが声にして放ったモノは――恐怖、彼女たちの心を恐怖で支配させると狂った様に咆哮を上げる。
「勇気で攻め! 気合で守り! 根性で進む! 一部の隙も無い、完璧な作戦ではないですか!」
ユーベルコード『勇者理論(ブレイブルール)』を発動させて防御を強化させたソラスティベルは、サンダラーを握りしめてると滑空しながら落ちてゆくサヴェージ・ギャルズへ振り下ろした。
体から頭部が離れると美しい宝石が零れ落ちると、ソラスティベルは腕を伸ばして素早く宝石を掴んだ。
「ふふふ、宝石は授業料として貰っていきますね?」
嬉しそうにソラスティベルは宝石を掲げながら、地面に吸い込まれるように落ちて消えゆくサヴェージ・ギャルズに向かって言った。
「僕が得た分も差し上げます」
リステルがサヴェージ・ギャルズの弱点である喉を呪剣・黒で切り裂きながら、宝石が入っている革袋を放り投げた。
「いいですよ。わたしは自分でもっと取りますから」
「そう、ですか」
ソラスティベルが視線をサヴェージ・ギャルズの群れへ向けながら答えると、リステルは投げ返された革袋を受け取りながら姿を風景に溶けるかのように消した。
「生徒は沢山いるから授業料は幾らになるのでしょうか?」
まだまだいる獲物へ視線を向けると、ソラスティベルは翼を力強く羽ばたかせながら鉛色の戦場へ舞った。
大成功
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ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
アドリブ・連携OK
んー、シンプルな戦士に竜の翼と鱗か。
確かに強くはなってるだろうけど、弱点もあるしまあやりようはあるかな。
さて、空から襲ってくるとはいえ結局は近接攻撃なんだし、
【超獣祇我】で全身に電撃を纏って、近寄ってきたらカウンターでマヒさせるよ。
マヒで動きが止まったらその隙に逆鱗を見つけて、
強化された筋力で逆鱗に斧を叩き付けるよ。
お金はまあ大していらないんだけど、今はちょっと忙しいからねえ。
さくさく片付けていこうか。
●地面で響く雷撃、十字架の炎
翼を裂かれて落ちてくる個体、荒野に佇む猟兵を見付けて滑空してくる個体をペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)が待ち構えていた。
「ちょっとばかり、気合を入れるよ!」
猛禽類のような足を広げてガッと地面に爪を立て衝撃に備えながらペトニアロトゥシカは、体に纏った電撃がバチバチと音を立てながら激しく明滅する。
滑空してきたサヴェージ・ギャルズを肥大化した筋力によってゴリラの様な両腕で受け止め、咆哮を荒野に響かせると閃光が走った。
「ギャッ!!」
「少し、油断し過ぎじゃないっ!」
帯電した体を震わせながらサヴェージ・ギャルズが悲鳴を上げると、ペトニアロトゥシカは武骨な巨大斧“蛮族の戦斧”で逆鱗がある喉元に向かって振り下ろす。
屍が消えた後にコロン、と地面に転がる美しい宝石へ視線を向ける暇もなく新たなサヴェージ・ギャルズが群れを成して空から降りてくる。
「(お金はまあ大していらないんだけど、今はちょっと忙しいからねえ)」
肌にうっとおしい位に張り付く砂を払いながらペトニアロトゥシカは、キッと睨みながら体を覆う雷撃を放出させて近づくサヴェージ・ギャルズの群れを痺れさせていく。
「さくさく片付けていこうか」
蛮族の戦斧をしっかりと握りしめ直すと、ペトニアロトゥシカはマヒして動けなくなったサヴェージ・ギャルズに向かって振り下ろした。
大成功
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ルキ・マーシトロン
【ルキ・スレイ・小夜で同行】
なるほど。相手は竜化した女性戦士というわけだね。
飛んで逃げられると面倒だ、小夜と協力して動きを封じてしまおう。
僕は襲いかかってきた相手にユーベルコードを発動して麻痺毒を吹き付けるよ。
鳥類は気嚢という器官を使って効率的な呼吸を行なっているけれど、そのせいで有毒ガスの影響を受けやすい。同様の器官は恐竜にも存在したという説があることだし、ドラゴンにもあるいは気嚢があるかもしれないね。もしそうなら、毒ガスは効果的なはずさ。
そして弱っている所をスレイの術で一網打尽だね。
まだ息があるようなら、トドメはハイパー医療キットから手術用のメスを取り出して急所をグサリさ。
緑川・小夜
【ルキ・スレイ・小夜で同行】
[WIZ]
さて、竜になったアマゾネスですか…
まあ問題はありませんね。竜になっても人の形をしているようですから
選択UCを発動。分身16体を生み出し、それぞれ敵集団へ突撃させて破壊し、辺りに幻覚作用のある粉を撒き散らします
ルキ様の毒ガスと合わせて、敵の動きを止めさせていただきますわ
あとはスレイ様の術にお任せいたしましょう
もしスレイ様の術でも生きている敵がいたら、再び生み出した分身達と共に後始末をさせていただきますわ
ウロコに覆われていない明確な弱点…目を剣鉈で【串刺し】にしてね
[アドリブ歓迎です]
精霊王・スレイ
【ルキ・スレイ・小夜で同行】
ここでも竜化か。竜の力は驚異的だが、本物の神龍でもない限り対処のしようはいくらでもある
空を飛ぶのは逆に不利に成り得るという事を知るといい。
エレメンタルファンタジアで風の精霊による嵐を起こします。
引き裂かれるか地上に叩きつけられるか。どちらにせよ戦闘不能に陥るには十分だろう。
ましてやルキと小夜によって弱体化してるなら猶更だ。
それでもまだ立てるようなら、二人に任せよう
「三人寄ればなんとやら。あるいは三本の矢だったかな」
●狂う空
「なるほど。相手は竜化した女性戦士というわけだね」
鉛色の空を見上げながら金色の瞳にサヴェージ・ギャルズの群れを映しながらルキ・マーシトロン(🧟♂️・f24589)は、緩む口元を余った白衣の袖で押さえながら言う。
「さて、竜になったアマゾネスですか……まあ問題はありませんね。竜になっても人の形をしているようですから」
サヴェージの隣で濡れ鴉の様な黒い髪を湿った風に靡かせながら緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)は、小さく息を吐きながら自信に満ちた笑みを浮かべた男を見上げる。
「三人寄ればなんとやら。あるいは三本の矢だったかな」
煙草を離した精霊王・スレイ(神に至った精霊使い・f24882)は、ルキと小夜を一瞥したら鉛色に染まっている空へ白い煙を吐き出す。
「壊しても壊しても、終わりはありませんよ」
ユーベルコード『阿羅漢(アルハット)』を発動させると小夜は、スカートの裾を摘まんで軽くお辞儀をすると周囲の無機物は16体の幻覚作用を持つ粉末で作られた分身へと変わる。
「はい、大きく息を吸ってー」
ユーベルコード『無色無臭の死を運ぶ風(ガシング・ストーム)』を発動するとルキは、鉛色の空へ向かってぶんぶんと白衣の袖を振り回す。
小夜が分身を操り、ルキが放つ毒ガスを湿った風に乗せてサヴェージ・ギャルズの群れを覆うように分身たちは誘う。
「さて、と……私の出番だね」
風の精霊が姿を現して“エレメンタルロッド”へと変わり、スレイはそれを手に取とって緑色の光を帯びはじめると風が渦を巻き始める。
小さな渦は徐々に勢いと大きさが激しくなってゆく、耳元で五月蠅い位に風の唸り声が響く。
「ガハッ!!」
毒によって体は蝕まれゆき、サヴェージ・ギャルズは歪む視界と苦しさのあまりに首を両手で掴みながら苦悶の表情になる。
幻覚作用によって仲間同士で争い、小夜の分身を倒しても、倒しても復活するのを更に倒す――終わらない争いが続く中に群れを囲うのはスレイが操る嵐だ。
「逃がさないよ!」
ルキは手早く“ハイパー医療キット”からメスを取り出すと、嵐の包囲から抜け出そうとしているサヴェージ・ギャルズの喉元に向けて投げた。
「グッ、アッ
……!!」
メスで喉を貫かれたサヴェージ・ギャルズは、翼を動かすのを辞めて空気が漏れ出る喉の穴を手で塞ぎながら地面に落ちる。
「しぶとい個体……いえ、蛮族だからこそしぶといのかもしれませんわね」
目の前に落ちてきたサヴェージ・ギャルズを見つめながら呟くと、小夜は“特注の剣鉈”を取り出して両手で握り締めると喉元を貫いた。
「だから、空を飛ぶのは逆に不利に成り得るという事だ。いや、今言ってももう理解出来ないだろうな」
おもちゃ箱をひっくり返して、その中から力なく取り出される“おもちゃ”の様だ、と思いながらスレイは、空から落ちてゆくサヴェージ・ギャルズの群れをルビーの様な瞳に映しながら新しい煙草を咥えると火を点けた。
ドラゴン化した多くいるオブリビオンの一握りがこの数なのか、と思いながら――
大成功
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