帝竜戦役②〜荒ぶるスライムテイマー
●アックス&ウィザーズ
皆殺しの平野に吹く風は、オブリビオンをドラゴン化させる不思議な力を秘めていた。
どうして、そんな力を持っているのか分からないが、ただひとつ言える事は、その風を浴びたオブリビオンが、必ずドラゴン化するという事のみ。
ドラゴン化したオブリビオンは、ドラゴンの翼・うろこ・角を生やし、侵入者を狙って空から襲い掛かってくるらしく、普段は上空から様子を窺っているようだ。
「いいか、お前ら! この地に足を踏み入れた者は、すべて敵ッ! 倒すべき敵だ! 例え、誰であろうと容赦をするな! この地に足を踏み入れた時点で、そいつらは死を覚悟してすると思え!」
スライムテイマーのリーダーが、ドラゴンの翼をバタつかせ、殺気立った様子で叫び声を響かせた。
他のスライムテイマーも、同じようにドラゴンの翼をバタつかせ、リーダーの言葉に賛同するようにして雄叫びを上げるのだった。
●ガジルからの依頼
「みんなに頼みたい事があるんだよ!」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明し始めた。
今回の目的はドラゴン化したスライムテイマーの撃破。
スライムテイマーは、特殊なスライムと共生する秘伝の技術を持ったアマゾネスの部族で、普段はスライムをボディスーツとして身に纏い、必要に応じて敵に嗾けてくるようだ。
しかも、ドラゴン化した事によって、ボディスーツの下は硬いうろこに覆われており、傷つける事さえ困難なようである。
ただし、硬いうろこの何処かに弱点が存在しているらしく、その場所を攻撃する事さえ出来れば、スライムテイマー達を倒す事も難しくないようだ。
その弱点が何処にあるのか分かっていないものの、スライムテイマーによって異なっているため、猟兵としての経験を活かし、攻撃していくと良いだろう。
またドラゴン化した敵の体内から1匹につき1個『竜胆石(りんどうせき)』と呼ばれる美しい宝石を手に入れる事が出来、金貨40枚(40万円)の価値があるらしい。
そう言った事も踏まえた上で、ドラゴン化したスライムテイマーの撃破するのが、今回の目的である。
ゆうきつかさ
この依頼は戦争依頼です。
基本的には、キャラクターらしさを重視しますので、世界観や設定に問題が無ければ採用していこうと思います。
第1章 集団戦
『スライムテイマー』
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POW : スライムコンビネーション
【スライムをけしかけての拘束】が命中した対象に対し、高威力高命中の【バトルアックスやボディアタックによる一撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : カウンターフォーメーション
【スライムが防御形態】に変形し、自身の【攻撃速度】を代償に、自身の【防御力と、カウンターの威力・射程】を強化する。
WIZ : スライムウェーブ
自身が操縦する【スライム】の【体積】と【拘束能力】を増強する。
👑7
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創新・幸隣
ドラゴン化とはまた不思議な現象だけど、なんかなあ
こう、ドラゴンってさ、強いとかカッコいいとか、高値って感じのイメージがあるから
何でもかんでもドラゴンになるって、そんな大安売りみたいなのはちょっと嫌だなあ……
いや、自分の種族を誇りに~とかじゃ全くないんだけどね
とりあえず私みたいなモヤシが正面からぶつかるのは無理
まずは逃げに徹しつつ、左眼で過去を探ろう
ドラゴン化したことで弱点が生まれたなら、そこまで遡ればきっといけるでしょ
見つけたら、装備のスピーカー介した全力の大声で攻撃
倒せたら、竜胆石はしっかり回収しとこ
綺麗らしいから一個くらいは手元に置いときたいけど、装備が金食い虫だからなあ……
ロート・カニーンヒェン
「全てもーやすんだ~♪(鼻歌)」(POW)
スライムってよくゲームとかで炎に弱かったりするので、ここは景気よくスライムテイマーごとユベコのプロミネンス・ノヴァでガンガン焼こうぜ!薄い本に引っ張りだこのスライムだけど、とりあえずは真っ正面から小細工なしのガチンコ勝負を挑むよ!
(アドリブ歓迎です)
緑川・小夜
[WIZ]
美しい宝石…いいわね、全部寄越しなさい、オブリビヲン共
選択UCを発動。身体中から、一吸いで幸せな悪夢へとご招待する甘い香りを放出しながら、敵の集団と戦闘していくわ
敵の攻撃は【見切り】と【残像】と【ダッシュ】で避けていき、当たりそうな攻撃は「持禁障壁」による【オーラ防御】で防いでいく
スライムやウロコで身体を覆おうと、呼吸をしなければいけないのだから、わたくしの香りが鼻からも口からも入っていくわよ
そして、悪夢に堕ちて動かなくなった敵を、【第六感】を頼りに弱点を探し、「特注の鉈」で【串刺し】にしていくわ
ウフフ…安心なさい、貴女達の宝石はわたくしが愛でてあげるから
[アドリブ連携歓迎です]
亜儀流野・珠
スライム? を使う奴? が竜化してるのか?
何か良く分からんが倒せばいいんだな!
スライム相手なら打撃より斬撃か?
脇差「夕桜」を使うとしよう。
近付けるかは分からんが、近付けたならこれで斬る!
まあ飛ばれたら刀では届かんからな。
その場合は「フォックスファイア」……狐火だ!
炎で包んでスライムごと焼いてやる!
液状の奴は炎に弱いだろう!
操れる炎の数は充分にある。
弱点が分からずともとにかく焼いていく。
が、弱点っぽいとこが見付けられたら狐火を束ねて
そこに叩き込んでやろう!
あちらからスライムでの攻撃が来た場合は
斬ったり燃やしたり逃げたりでしのごう。
あんなのに呑まれてはたまらん!
ソラスティベル・グラスラン
ドラゴン化とは実に厄介ですね…!
というかドラゴニアンにそんな硬さは無いと言うのに、少々ズルいですっ
しかしそんな不利を覆すのも『勇者』の役目、お相手仕りましょう!
こちらも翼を広げ【空中戦】、更に常に彼女たちの上を取るように位置取り
スライムさんにも翼があるか不明ですが、飛べないなら上にいるのが吉ですよねっ
全体の動きを【見切り】、包囲されないように【ダッシュ】で動き回ります
万が一にけしかけられたら『竜の見えざる巨腕』でキャッチ、
スライムさんを投げ返し、その隙に【ダッシュ】し急所に【怪力・鎧砕き】の大斧を!
まだまだ序盤も序盤ですからね!
この程度軽く対処できなくば帝竜には立ち向かえませんとも!
シン・ドレッドノート
ドラゴンから獲れると言う宝石・竜胆石を頂戴に参上。
趣味と実益のため、討伐させていただきます!
「ターゲット・ロック。目標を狙い撃つ!」
飛行している間は長射程の銃身を装着した真紅銃で狙撃。
翼を狙い撃てば、飛行能力も失われるでしょう。
「狙いは此処です!」
竜化しているとは言え、元が人であれば急所も何となく分かりますね。
可動部の鱗は薄いはずです。
敵の攻撃をソードビットを中継して拡大した閃光の魔盾のビーム障壁で防ぎつつ、カウンターで零距離からの【天国へのカウントダウン】で腹部を下から体の中心線を通るように射撃、心臓を撃ち抜きましょう。
退治した後は竜胆石を回収。さて、今回はいくつ入手できたかな?
●皆殺しの平野
「まさかスライムを使う奴が竜化しているのか?」
亜儀流野・珠(狐の恩返し・f01686)は仲間達と共に、皆殺しの平野に足を踏み入れ、スライムテイマーの一団に遭遇した。
スライムテイマー達はボディスーツの如くスライムを身に纏い、ドラゴンの翼をバタつかせ、上空から猟兵達を見下ろしていた。
しかも、その数は徐々に増えており、今にも空を埋め尽くしそうな勢いであった。
「でも、なんか嫌だなあ。だって、ほら……強いとかカッコいいとか、高値って感じのイメージがあるから、何でもかんでもドラゴンになるって、大安売りしているみたいだしさ」
創新・幸隣(現在完了形・f00124)が、ゲンナリとした表情を浮かべた。
上空を舞うスライムテイマー達は、劣化版ドラゴンと言う印象が強く、翼や鱗、角など最低限のモノを寄せ集め、ドラゴンっぽく見せているような感じであった。
「……というかドラゴニアンに、そんな硬さは無いと言うのに、少々ズルいですっ」
ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が、不満げな表情を浮かべた。
だが、そんな不利な状況を覆すのも、『勇者』の役目!
むしろ、勇者が果たすべき使命と呼べるモノだった。
それ故に、ここで退くつもりもないのだが、色々な意味でズルさ爆発なので、イライラモード全開と言った感じであった。
「それにしても、随分と人が集まったようですね。……ですが、ドラゴンから獲れると言う宝石・竜胆石は、私が戴きます」
そんな中、シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)が颯爽と現れ、まわりにいた猟兵達に宣言した。
スライムテイマーから獲れる竜胆石は、価値にして金貨40枚(40万円)。
何体か倒せば、遊んで暮らせるだけの金貨を稼ぐ事が出来るほどの価値があった。
「竜胆石を独り占め出来ると思ったら大間違いよ。わたくしが全部いただくわ」
緑川・小夜(蝶であり蜘蛛であり・f23337)がシンに対して宣言しながら、上空を舞うスライムテイマー達を睨みつけた。
その視線に気づいたスライムテイマー達が、手に持ったバトルアックスを振り上げ、猟兵達を狙うようにして、一斉に急降下してきた。
「全て、もーやすんだ~♪」
それを迎え撃つようにして、ロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)が鼻歌を歌いながら間合いを取った。
「行くよ、お前ら!」
リーダーと思しきスライムテイマーが仲間達に声を掛け、身に纏っていたスライムを嗾けた。
その指示に従って、スライムテイマー達が何の恥じらいもなく、身に纏っていたスライム達を嗾けた。
それに合わせて、スライム達が形を変え、まるで捕獲用ネットの如く広がった。
「薄い本に引っ張りだこのスライムだけど、そう簡単には捕まらないよ!」
即座にロートが飛び退き、スライムを避けた。
しかし、スライムは薄い本の展開に持ち込む勢いで、ウネウネと形を変え、小太りのオッサン風になった。
この時点で嫌な予感しかしなかったものの、小太りのオッサン感を重視しているせいか、移動スピードが遅く、歩くたびに腹が揺れた。
それが集団となってロートに襲い掛かってきたため、背筋がゾッとして鳥肌が立った。
「どんな姿になったとしても、怖くなんて無いですよ!」
すぐさま、ソラスティベルがスライムテイマーの攻撃を見切り、【竜の剛勇なる魂(ドラゴニックレゾン)】を発動させ、小太りのオッサンと化したスライムを見えない竜の巨腕で投げ返した。
「ちょ! うぼあっ!」
その途端、黒髪のスライムテイマーが、小太りのオッサンと化したスライムを顔面から受け止め、そのまま錐もみ状態になって地上に落下した。
だが、小太りのオッサンと化したスライムの勢いは止まらない。
猟兵達にハグして、己の欲望を満たすべき、メタボな腹を揺らして迫ってきた。
「ここは景気よくガンガン焼くぜ!」
その間にロートが【プロミネンス・ノヴァ】を発動させ、サイキックエナジーを変換した炎で、小太りのオッサンと化したスライムを消し炭と化した。
「まだまだ序盤も序盤ですからね! この程度、軽く対処できなくば帝竜には立ち向かえませんし! ガンガン行きますよ!」
それに合わせて、ソラスティベルがダッシュで距離を縮め、小太りのオッサンと化したスライムを投げつつ、落下したスライムテイマーに大斧を振り下ろした。
そのたび、スライムテイマーが悲鳴を上げたものの、ソラスティベルに迷いはなかった。
「畜生ッ! ふざけた真似をしやがって!」
それを目の当たりにしたリーダーと思しきスライムテイマーが、苛立った様子でスライムの体積と拘束能力を増強させ、再び猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
「よく分からんが倒せばいいんだよな? スライム相手なら打撃より斬撃か? とにかく、斬る! 叩き斬る!」
即座に珠が脇差「夕桜」を引き抜き、襲い掛かってきたスライム達を斬って、斬って、斬りまくった!
しかし、スライム達はいくら傷ついても、別の個体と融合し、再び猟兵達に襲い掛かってきた。
「ターゲット・ロック。目標を狙い撃つ!」
その間にシンが長射程の銃身を装着した真紅銃で、スライムテイマーの翼を狙撃し、次々と地上に落下させた。
「うくっ! しまった!」
リーダーと思しきスライムテイマーも、シンによって翼を撃ち抜かれ、成す術もなく地面に手をついた。
「うふふ、貴方の心を溶かしてさしあげますわ。例え、スライムやウロコで身体を覆おうと、呼吸をしなければいけないのだから、わたくしの香りが鼻からも口からも入っていくわよ」
その隙をつくようにして、小夜が【涅槃(ニルヴァーナ)】を発動させ、身体から夢の世界へ誘う甘い香りを放ち、リーダーと思しきスライムテイマーの動きを封じ込めた。
「……!」
それと同時に、リーダーと思しきスライムテイマーを守るようにして、まわりにいたスライム達がワラワラと集まってきた。
「いくら束になったところで、スライムはスライム! 全部まとめて燃やしてやろう!」
珠が【フォックスファイア】を発動させ、狐火の炎を次々と出現させ、スライムの身体を炎に包んだ。
そのため、スライム達はリーダーと思しきスライムテイマーを守る事が出来ず、真っ黒な塊になって動かなくなった。
「これまでを、視せろ」
幸隣がスピーカーを介した全力の大声で攻撃しつつ、【過去を映す暗左瞳(カコヲウツスヒダリメ)】を発動させ、左の瞳から放つ過去視で今に至るまでの因果を切断した。
「な、何をしたァ!」
その途端、リーダーと思しきスライムテイマーがゾワッと鳥肌を立たせ、身の危険を感じて叫び声を響かせた。
「ウフフ……、安心なさい。貴女達の宝石は、わたくしが愛でてあげるから」
それと同時に、小夜が第六感で弱点を見つめ、特注の鉈でリーダーと思しきスライムテイマーを串刺しにして、竜胆石を抉り取った。
「ぐわあああああああああああああああ!」
その一撃を喰らったリーダーと思しきスライムテイマーが断末魔を響かせ、白目を剥いて崩れ落ちた。
「うぐぐ! ひ、退くぞ!」
それを目の当たりにした赤髪のスライムテイマーが、危機感を覚えて逃げ出した。
「いえ、ここで終わりにしましょう。さぁ、自身の罪を数えなさい!」
その行く手を阻むようにして、シンが【天国へのカウントダウン(カウントダウン・トゥ・ヘブン)】を発動させ、赤髪のスライムテイマーに銃口を向け、破魔の力を込めた弾丸を撃ち抜いた。
他のスライムテイマーも、猟兵達によって倒され、竜胆石が回収された。
「これだけ竜胆石があれば、みんなで山分けしても余りそうだね」
そう言って幸隣がスライムテイマーから竜胆石を回収し、ホッとした様子で溜息を漏らすのだった。
大成功
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