●異様な雰囲気の無人島
そこに一つの無人島があった。
海の中に、ただ一つぽつんと。
異様な雰囲気で海賊たちも怪訝な顔で素通りするその島に、存在の気配はなく。
空は常に大半が植物に塞がれ、まるで常に夜のように暗く。
まさに『無人島』に相応しい場所であった。
――嗚呼、だが。
もしメガリスがあると知ったら――どうだろうか?
幽けき光のその先に、宝(メガリス)があるとしたら――?
この島はいわばまだ秘境。
他者に取られる前に取りに行ってしまうのもまた、必要だろう。
●無人島の調査依頼
「というわけで、調査してきてほしいんだ」
水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)が広げたのは世界地図。
「この前資料読んでたら直感的にビビッと予知が浮かんだんだけど、その場所がここ」
そのうちの、島がない部分の一区画に丸印をつけて語る。
「恐らくA&W世界から落ちてきたものだと思うけど……何やら妙な光があるみたい」
妙な光。恐らくメガリスだろう。
「メガリスならコンキスタドールに奪われるのはまずいし……こっそりと回収してきて」
グリードオーシャンはグリモア猟兵のワープがしにくい環境だ。
現場の島までは鉄甲船で行けるが、島に上陸してからどうなるかはわからない。
「戦争でもないし、危険なことはないと思うけど……一応気を乱さないでね」
もしかしたら島から出られなくなるかもしれない。
もしかしたら途中でオブリビオンに襲われて閉じ込められるかもしれない。
もしかしたら――。
他に島に関する情報といえば。
「噂ではこの辺りはなぜか幽霊がよく寄り付くらしいんだ……。
まるで、何かの光に釣られているみたいに……」
そのためこの島は付近の海賊たちからは『幽世島』と呼ばれているらしい。
「メガリスは何やら洞窟みたいな場所で光に包まれてるのまでは見えたけど……」
何やら問題がありそう、という顔。それに続けるように。
「この洞窟、なんか砦みたいな場所の隠し通路の先にあるみたいなんだ」
元々脱出路に使ってたが、今はどう動かすのかわからない。
さらに言えばわかってるのは砦の場所だけ。
どこに脱出路があるかもわからない。
ごめん、と謝る可奈。まずは洞窟から探す必要がありそうだ。
「それじゃあ、気をつけてね? 付近には海月もいるみたいだし」
なんか最後に不穏な言葉が聞こえた気がしたが、ともあれ猟兵たちは向かうのだった。
光を求めて、導かれるように、その島に。
結衣謙太郎
またお会いしましたね、結衣謙太郎です。無人島に行ってみたい。
短めのオープニングで失礼します。
今回はグリードオーシャンのある無人島の探検です。
●メイン目標
どこかにあるメガリスの回収。
●章構成
1章:『日常』
ロケーションは砦です。
アックス&ウィザーズ世界風の砦となっています。
どこかにある脱出路を探し、そしてそこから洞窟に突入してください。
2章『冒険』
ロケーションは洞窟です。
洞窟内は迷路ですが、妙な光があります。
そこを目指して進んでください。ダンジョンアタック。
3章:『ボス戦』
状況は今はまだ秘密です。
幕間で追記します。
ただ、オープニングを最後まで読むとヒントが……?
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしています!
第1章 日常
『異世界の痕跡』
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POW : 無理やり機構をいじってみる
SPD : 修復できないか試してみる
WIZ : この機構がどんな役割を持っていたのか推測する
👑5
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楊・宵雪
「わかっているのは砦の場所だけ? なら砦についてもある程度調べたほうがいいのかしら
件の洞窟は脱出路だったようだが今回の展開では洞窟から砦へ脱出してくることになるかも
マッピングしながら探索
下に脱出路があると仮定しとりあえず上から下へ
「幽霊というのは生前の想いが大きく関わるものだわ。ここにかつてはどんな人たちがいたのかしら
さまざまな痕跡を探しかつての有り様を想像する
なんのための砦か、守るためか攻めるためか
ここにいた指揮官の人物像、兵士たちの士気など
失せ物探し技能を使って何かヒントになるものを探す
何かに触れるときは呪詛耐性使用
六代目・松座衛門
「問題が発生する前にメガリスを回収したいな。」
コンキスタドールとの争奪戦や、回収目標のメガリスによる新生コンキスタドールとの戦闘にならないようにと、足早に砦の内部に侵入する。
「水島さんの情報だと、脱出路に使われていた洞窟にメガリスがあるらしいな。よし、セオリー通りに探してみよう。」
UC「即席人形劇」で、無数の人形を四方八方へ散開させ、砦内の壁や床の不自然な凹凸や、空気の流れがある隙間を探そう。
怪しい場所が見つかったら、自身の【メカニック】【鍵開け】の技能、知識を駆使して脱出路への仕掛けを解いてみよう。
もし、解除がダメならば、人形「暁闇」のUC「角砕き」で強引に突破だ!
アドリブ、連携歓迎
ルク・フッシー
クーさん(f14438)と一緒です
ゆ、幽霊がいっぱいいる島ですかぁ……?うう……(びくびく)
(でも、怯えてばかりじゃいられない…メガリスを回収しないと、危険なオブリビオンが生まれるかもしれません…)
(それに、隣にはクーさんがいる…大丈夫…大丈夫…!)
(クーさんと手をつなぐ)
…すぅ…はぁ…い、行きましょう、クーさん…!
隠し通路探索のため、絵の具を撒いてみます…もしも隠し通路につながる隙間があれば、その部分は塗られないはずです
…うう、クーさぁん…(手を強く握る)
クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク・フッシー(f14346)と共闘
幽霊かぁ。一応死霊術をかじってるから、本当にいたら情報収集に役立ちそうだけど、どうなのかな?
って、ルク君もしかしてお化けだめ?
大丈夫だよルク君。ほら、手を繋ごう?
【優しさ】で話しかけて落ち着かせよう。
落ち着いた? 良し、それじゃあいこう!
ルク君が道を見つけ出してくれる。
なら私はその障害を退けるだけ!
【サイコキネシス】を使って、瓦礫なんかを運搬して退けよう。
大丈夫ルク君。私がいるよ。
●調査開始
「わかっているのは砦の場所だけ?
なら砦についてもある程度調べたほうがいいのかしら」
楊・宵雪(狐狸精(フーリーチン)・f05725)は耳を立て呟く。
「件の洞窟は脱出路だったようね。
なら、今回の展開では洞窟から砦へ脱出してくることになるかもね」
薄暗い砦を探索する楊。とりあえず上から下へ降りる道を探す方針。
「こういうのって下から脱出するものが多いものね」
マッピングで道を忘れないようにしながら進んでいく。
すると、楊はいきなり口元を押さえた。というのも――
「っ……これは、血痕? ずいぶん昔のものみたいだけど……」
そっとその結婚に触れる楊。
「もしかしたらここの幽霊と関係するのかしら。
幽霊というのは生前の想いが大きく関わるものだわ……あら?」
と、何やら紙の感触を感じる。血痕で貼りついていたようだ。
「『配属されてどれだけの時が経ったか……待てども対象が来る気配はない。
獲物もいないこの不毛の大地では耐久することなんてできない……
指揮官の私も気を張り続けて限界寸前だ』……
ここは何かの獲物を待ち構える、前線拠点だったみたいね」
そっと紙をもとに戻すと再び先に進む。
一方、時間差で侵入したのは六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)。
「問題が発生する前にメガリスを回収したいな。
水島さんの情報だと、脱出路に使われていた洞窟にメガリスがあるらしいな」
と、情報を振り返ると無数の人形を展開させ、散開させる。
自分は動かない。人形遣いだからこそ、使役使いだからこそできること。
「よし、まずはセオリー通りに探してみよう。
壁や床の不自然な凸凹、空気の流れ……普通の人形使役なら難しい、けど」
このコードを使えば、五感を共有できる。故にそれを感じやすい。
壁や床の徹底的な探索を始めた六代目だった。精神への負担は大きいが。
なんせ66体もいるから。
一方こちらは楊。
(先に進むほど古い血の匂いが強くなるわね……)
鼻を時折押さえながらも進んでいくと、何かカサッという感触を足に感じ。
拾い上げてみればそれは何かの紙片で。
『あの日に起きた地震……あれのせいで脱出路は塞がれてしまった。
あの瓦礫をどかす力は今や俺らにはない……もう何か月も食べれてないんだ。
……いや、まだ方法はある。俺らは見合わせ、武器を手に持った』
「……何が起きたというの?」
裏面を見ればその続きが書いてある……血文字で。
「『俺らは、お互い人肉を求めて殺し合った。
それで力を満たせばあの瓦礫をどかして脱出できると信じて。
もはや任務なんてどうでもよかった。脱出できるかが全てだった。
でも……たとえ腹を満たしてもすぐ次の殺しあい……
結局腹を満たして瓦礫に向き合うことはできなかった』……」
……絶句と共に辺りを見渡す楊。その視線の傍らに瓦礫の山。
近寄ってみれば幽かに風を感じ。
「……この先、みたいね」
と、近くに人形のようなものを発見し。
「人形……? きゃっ!」
さらにどこからか飛んできた塗料が楊と人形にかかる。
「もう、何なのよ? ……いやあっ!?」
時間は少し遡る。
「ゆ、幽霊がいっぱいいる島ですかぁ……? うう……」
砦を前に怯えるルク・フッシー(ドラゴニアンのゴッドペインター・f14346)。
「幽霊かぁ。一応死霊術をかじってるから、本当にいたら情報収集に役立ちそう」
こちらはサブジョブの影響かそこまで怖がってないクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)。
(でも、怯えてばかりじゃいられない…メガリスを回収しないと、危険なオブリビオンが生まれるかもしれません……)
「ルク君もしかしてお化けだめ?」
「ひゃう!?」
「大丈夫だよルク君。ほら、手を繋ごう?」
その呼びかけに思わずぎゅっとクーの手を握るルク。
「落ち着いた? 良し、それじゃあいこう!」
「……すぅ……はぁ……い、行きましょう、クーさん……!」
(隣にはクーさんがいる……大丈夫……大丈夫……!)
ルクがそう必死に自分に言い聞かせながら砦に入ると、物陰に人影が。
「ひゃうっ!? あそこに、誰か……」
「ん?」
クーがその声に覗いてみれば、六代目が人形に集中している姿だった。
「大丈夫、なんか使役に集中しているんだろうから、害はないよ」
「ほんと……?」
「ほんとだと思うよ、たぶん。行こ」
クーは怯えるルクを引きずるように先へ進むと、少し歩いたところで立ち止まり。
「さ、ルク君、頼めるかな?」
「うう、やってみます……」
クーの言葉でルクが絵の具をばらまく。
殺風景な砦が一転、カラフルに染まった。
(もしも隠し通路につながる隙間があれば、その部分は塗られないはずです……あ)
そう、塗料が塗られてない場所は――
「あそこです!」
――楊のいる場所だ。
「おーけー、なら私はその障害を退けるだけ!」
クーが道を塞ぐ瓦礫をサイコキネシスで持ち上げ、そして――
「でりゃあ!」
――ガラガラ、と大きな音を立てて崩れさせた。大きな土煙が上がる……
そしてそれが晴れると、脱出路のような洞窟が見えた。
「よーし。決まったね!」
「……うう、何よう……」
「ぐうっおおおお!!」
「ひっ!? 女の声!? それに遠くから男の声も!」
どかした瓦礫から聞こえた女(楊)の声と遠くから聞こえる声にビビるルク。
「……うう、クーさぁん……」
つい手を強く握ってしまうルク。クーがそれを感じながら瓦礫の方に向かう。
「大丈夫ルク君。私がいるよ」
「ほんとですかぁ……」
「ほんとだって。それ、と!」
クーがサイコキネシスで瓦礫をバラバラにすると中から傷を負った楊が出てくる。
「あいたたた、助かったわ……なんかいきなり瓦礫が動いて……」
「ごめん、それ私のせい!」
人がいたとはわからなかったクーが平謝り。
だが――巻き込まれたのは彼女だけじゃない。
「いつつつ……人形と感覚共有っていうのもいいもんじゃないな」
六代目がどこか痛そうに現れる。そう、もう一つの被害者は六代目の人形だ。
「人形でどうにかしようとしたらなんか塗りたくられるし瓦礫にやられるし……
散々だ……」
「あはは、まあ――いいじゃん、結果オーライで」
クーのその言葉通り、目の前には――大きな洞窟への道が開いていた。
成功
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第2章 冒険
『蒼海の蛍』
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POW : 己の直感を信じて進め!
SPD : 現地住民からの情報で向かう!
WIZ : 地図を書き起こし目的地へ!
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●幽かな光求め
開かれた洞窟に足を踏み入れてみれば、風を感じた。
それはどこか幽霊の声にも似ており、この洞窟の在り方を髣髴とさせる。
だが、そんな洞窟の中に猟兵たちは幽かな光を感じた。
それはどこか寂しく、そしてどこか暖かなもので。
今にも消えてしまいそうで、でもずっと輝いていそうで。
近くにありそうで、そして遠くにあるように感じた。
何かが確かにある――そうは感じられた。
幽霊が巣くってそうなこのどこか寒い洞窟の中に。
それがどこなのか――そこまでは、わからないが。
楊・宵雪
「砦であったことは洞窟がふさがっていたから起きたことよね。だからここは関係ないはずだけど…なにかあるかしら?
砦の人たちが『対象』を待っていて飢餓に見舞われたこと
この洞窟からしか脱出できなかったらしいことは頭の片隅に置いておく
マッピングしながら進む
入口に糸を結わえ、張りながら進むことで、たどれば戻れるようにしておく
懐中電灯を持ち込むが、危険が迫ったときすぐ消して闇の中に隠れることができるようにする
基本的に光を目指すが、リスクに備えるために最短ルートは採らず横道に逸れて何かが潜んでいないか確認しながら進む
緊急時、護身用攻撃手段
兼
広い範囲の状況を把握するための光源としてフォックスファイアを使用
●探索開始
「砦であったことは洞窟がふさがっていたから起きたことよね。
だからここは関係ないはずだけど…なにかあるかしら?」
楊が先ほどから気になっているのは砦の人たちが任務で何かを待っていたこと。
その果てに飢餓に見舞われ、殺し愛になったこと。
そして、この洞窟からしか脱出できなかったらしいこと。
しかしそれは砦の人間の話だ。
もしかしたらまたどこかで語る機会もあるかもしれない。
今はこの洞窟の探索だ。
「あ、これやっておきましょう」
楊は自分の服から一本の糸を出し、入口の岩にくくりつける
「これでよし、と。服がほつれちゃうけど、戻り道がわかるわね」
そう、この糸はアリアドネの糸。
迷宮でよくある戻り道のロストの防止になるもの。
「そしたら、と」
狐火で辺りを明るくしながら楊は進む。
懐中電灯は一応あるしつけているが、何かあった時すぐ消せるようにしている。
調査では何があるかわかったもんじゃない。対策は何重にしてもおかしくない。
楊は幽かに感じた光の方向に向かっていく。
時折、横道にそれて何か潜んでないか確認しては糸をたどり戻っていく。
(誰にも会わないし、何にも遭遇しないわね。
少し……念入りすぎた、のかしらね……きゃっ!?)
背筋に何か冷たいものを感じ、楊が振り返るが、そこには誰もいない。
「……気のせい、かしら……」
もしかしたら幽霊……? と思いつつも楊は順調に先へと進んでいく。
成功
🔵🔵🔴
ルク・フッシー
不思議な光…メガリス…?それとも幽霊…?
も、もしかして…オブリビオン!?
ど、どうしましょう、クーさぁん(f14438)…?
……うう…行くしかない、ですよね…
うーん、探索…予知の情報もほとんどないですし……
洞窟の絵を描くことで集中し視力を高め、魔力などの痕跡を追う事にしましょう
もちろん、無事に帰るためのマッピングと並行して行います
早描きなら、自信は…あ、あります、から……
…手を、離さないでくださいね…
ぼ、ボクも…離さない、ですから……
クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク・フッシー(f14346)と共闘
不思議な光……でもどことなく寂しいような?
あぁ大丈夫だよルク君、私がいるよ!
ルク君の邪魔にならない距離にいつつ、繋げるときは手を繋ぐ。
さて、私には何ができるかな。
私は戦闘特化だから、探索は苦手なんだよね。
やっぱりやれることは、周囲を警戒しつつ、障害物はサイコキネシスで排除くらいかなぁ?
大丈夫だよルク君、絶対に離したりしないからね。
●早描き(マッピング)
「不思議な光……メガリス……? それとも幽霊……?
も、もしかして……オブリビオン!?
ど、どうしましょう、クーさぁん……?」
「うん、確かに不思議な光……でもどことなく寂しいような?
……ん、あぁ大丈夫だよルク君、私がいるよ!」
どことなく違和感を感じるクーに対しビクビクし続けるルク。
ルクは洞窟の絵を描いてごまかしている中、手を握り続けるクー。
「……手を、離さないでくださいね……ぼ、ボクも……離さない、ですから……」
「大丈夫だよルク君、絶対に離したりしないからね」
――洞窟の絵を描いていたのは何も誤魔化しのためだけではない。
彼にとってはこれが集中の一つ。
何かに没頭しているときは集中してしまい気にならなくなるのはよくあること。
もちろんそれをしながら何かできるマルチタスクもあるわけだが。
彼はそのマルチタスカーの一人だった。
絵を描きながら集中した視力で痕跡を探す。
そしてそれをしながら絵に痕跡を付け加えていく。それはまさに――
「おー、地図じゃん。頼りになる! やるじゃん、ルク君!」
「早描きなら、自信は……あ、あります、から……」
ルクの顔に微笑が生まれた。
「んー……しかしまだこの辺とか怪しいよね……痕跡もあるのに……」
「見えないですから……」
描かれた地図を見ながら会話する2人。と、クーが膝を叩いて。
「よし、行こう!」
ルクを引っ張りだした。
「え? ちょ、ちょっと……!」
「先へ行かないと何も始まらないでしょ? ほら、行くよ」
「え、ちょっと――」
――そして二人がついたのは行き止まりのように見える場所。
「ほ、ほら、何も見えないって」
「しっ。地図でも描いてて」
「はっ、はいぃ……」
ルクがまた早描きを始める間にクーがじっと目の前を見る。
そして一つの岩に触れた時、うん、と頷いた。次の瞬間。
「それ!」
サイコキネシスが働いたかと思うと目の前の岩が崩れ去り、新しい道が!
「……!」
「やっぱり、岩が崩れて塞がってたんだ」
真剣な目で先を見据えるクー。
「あ、ありがとうございます……」
「いいよ、私は私にできることをしただけだし――っ! 屈んで!」
「!?」
キー、キーと奥から何かが来る。幽霊か!?
「……幽霊、じゃないね。ただの蝙蝠か」
蝙蝠たちがそのままクーたちを素通りしていく。
気のせいか握る手が強くなってる感じがした。
「……大丈夫。何かあったら私がいるから」
「信じてますからね……あ、できました」
そして新しくできた地図を見つつ、探索は続いていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
六代目・松座衛門
「ふぅ、気を取り直して行こう!」
洞窟に入り、幽かな光へ向かって注意深く進んでいこう。
UC「錬成カミヤドリ」を発動し、本体器物である十字の操作板の複製を召喚。
行く先のトラップ確認や、複数を組み上げて簡易的な足場をつくったりすることで障害を乗り越えよう。
もし、敵意がある幽霊と遭遇したならば、【破魔】の力を纏った人形「暁闇」で相手してやる!
また、周囲の地形や人工部より、この先にあるメガリスについて推理してみよう。
アドリブ、連携歓迎
●探索も最終段階
「ふぅ、気を取り直して行こう!」
先ほど人形越しに受けた傷をごまかしながら先へ進む六代目。
あちこちにある地図のような絵や幽かな光をもとに先へ進んでいく。
「おっと、これを出しておこうか」
六代目が出したのは本体器物である十字の操作盤の複製。
これをどう使うかというと。
「よっ、と」
操作盤をくみ上げるとその上に乗って脆い足場を乗り越える六代目。
さらに上の方から先の罠の確認もできる優れものだ。
「それにしても、自然が色濃く残っている洞窟だな……となると」
この先にあるメガリスは。もしかして――
「――【自然にできたもの】かあるいは……【自然が色濃く残る物】……
例えば……結晶とか?」
と、思考を巡らせていると。
『オォォオオォォオ……ニク……クワセロ……』
「ん?」
振り向けば幽かな幽霊がいるではないか。
危険度は低いだろうが発言は危険だ。
「『暁闇』、行けっ!」
六代目の戦闘用人形の一つが幽霊に向かう。
普通ならそんな攻撃、すり抜けたりして終わりだろう。
だが、この人形は違う。
『オォオオォオオ……』
なんと幽霊の姿がたちまち消えていくではないか!
「破魔の力を組み込んでおいてよかった……」
霊的成仏をした(?)幽霊に合掌しつつ六代目が先へ進む。
そして痕跡や地図の絵、幽かな光――
――否。
「光が……強くなってきてる……」
岩の隙間から強い光を感じ、腕が目の前に行く。
「暁闇!」
先の戦闘用人形が岩の隙間をこじ開けるように採掘をすれば、岩が音を立てて崩れ去り。
そして、そこにあったのは――
「なんという……大きさだ……」
洞窟の天井まで行きそうな巨大な結晶だった。
そしてそれに守られるように質の違う岩がある――つまり。
「これがこの島のメガリスか……!」
成功
🔵🔵🔴
●最後の砦
『オォォオオォォオ……』
『コレダケハ……トラセヌ……』
『ワレラノ……トウダイ……』
猟兵たちが光に満ちた結晶の部屋にたどり着くと同時に、大量の幽霊があふれ出る。
それを見て猟兵たちが気づいた。
――嗚呼、そうか。
この島の光に導かれていたのは……いわば幽霊が灯に魅かれるように。
灯台となり、幽霊たちを集めていたのだ。
だから洞窟にも幽霊が少なかったんだろう。
数多感じる幽霊の気配。
追い払ってもいいしどうするかは自由だ。
あるいは――『後続』に任せてしまってもいいだろう。
ココマル・イチバーニャ
ガガッ、ピー……すっかり出遅れてしまいマシタ。
ガションガションと機械特有の歩行音を鳴らして、幽かな光を探しマス。ロボットの性能を信じて、進行開始デス。
前方に巨大なエネルギーを確認、移動モード解除、停止しマス。ガガガ、ピー。
あれが幽霊と呼ばれる存在なのデスネ。恐怖心はありマセンガ、負のエネルギーを感知しマス。
「ガガッ、ピー……ワレワレはそのメガリスを要求しマス。今すぐ渡してクダサイ」
「サモナクバ、ただちに破壊しマス」
と戦闘兵器たる交渉を吹っ掛け、怪力を使用。近くの巨岩を頭上に持ち上げ、彼等の反応やヒントを窺いマショウ。
トコロデ、幽霊に脅しは通用するのデショウカ?ガガガ、ガッ……。
ーーー
POW
●幽霊を脅迫?
「ガガッ、ピー……すっかり出遅れてしまいマシタ」
ガションガションと機械特有の歩行音を鳴らして現れた、ココマル・イチバーニャ(主人の帰りを待つ・f27277)。
「前方に巨大なエネルギーを確認、移動モード解除、停止しマス。
ガガガ、ピー。あれが幽霊と呼ばれる存在なのデスネ。
恐怖心はありマセンガ、負のエネルギーを感知しマス」
生体とも何とも言えない反応に幽霊たちがココマルの方を向く。
「ガガッ、ピー……ワレワレはそのメガリスを要求しマス。今すぐ渡してクダサイ。
サモナクバ、ただちに破壊しマス」
ココマルは近くの巨岩を頭上に持ち上げ――って何してんの!?
回収目標のメガリスを破壊する気か!?
これには幽霊たちも大騒ぎ!
『ヤメロ……ヤメロ……』
『ヒカリ……ナクナル……』
『コワイ……コワイ……』
(トコロデ、幽霊なのに脅し通用スルンデスネ……)
いやあんたも不安だったのかよ! まあ、この幽霊たち、この結晶に魅かれているからね。壊されたら困るんだろう……色々と。え? じゃあ持ちだしたらどうなるかって? ……ははは。
(ドノミチ、同じデスヨネ。持ち出しテモ壊しテモ幽霊の反応ハ。
なくなるという事実ハ同じなのデスカラ)
ならば、とココマルは巨岩を投げる。――幽霊の方に。
「立ち去りナサイ、立ち去りナサイ……
破壊カ、盗難カ、好きな方ヲ選びなサイ……」
幽霊たちはしばしおどおどした後――一斉に立ち去っていった。
(フウ、ヨカッタデス)
ほんとよかったよ。メガリス破壊するのか心配だったよ。
でもこれで後で幽霊に追いかけられる心配もなくなった……のかな?
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『水晶海月』
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POW : イタリエカ
【半径1km内の有機物を変換した海水の雨】を降らせる事で、戦場全体が【水晶海月の生息域である深海】と同じ環境に変化する。[水晶海月の生息域である深海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
SPD : ヘカミス
自身からレベルm半径内の無機物を【瞬く間に数十万トンの海水】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : ヘトモノマカナ
非戦闘行為に没頭している間、自身の【触手に触れたモノ】が【生物は水晶海月に、非生物は海水に変化し】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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●緊急事態!
幽霊も追い払い、さあメガリスを回収しよう、と猟兵たちが手に取った――次の瞬間だった。
突如として洞窟を揺れが遅い、光を放っていた結晶が崩れ出す!
振動に足をすくませながら猟兵たちが見たものは、きらびやかな結晶が海に落ちる様、それらを触手で掴み、そして猟兵の前に立ちふさがる――結晶を頭の中に入れた大きな海月だった。
期せずして帰還(海)への道は開いたが、この海月を放置するわけにもいかない。
にじり寄って、メガリスを奪おうと触手を蠢かせる海月に、猟兵たちはどう対処する――
楊・宵雪
「幽霊たちが戻ってきてしまわないうちに早く片付けたいわね
ボス討伐後メガリス回収という手順を踏むつもり
他に先にメガリス回収をしようとする人がいたらボスを足止めする
「念のため水着を着てきてよかったみたいね
イタリエカには深海適応、ヘカミスには水泳で対応
ヘトモノカナは上記の対応で十全でない場合はクラゲになったほうが動きやすそうなので避けるかどうかは臨機応変に判断
挑発、誘惑で敵を引き付け
衝撃波で水流を発生させ
メガリスが破壊されたりしないようにうまく敵の位置や動きを誘導する
UCを敵の動きを止めても流れていったり深海に沈んでいったりしない位置で発動
頭を口からこじ開け結晶を回収または味方の行動につなげる
●そして落ちる
水晶海月の触手が地面を抉る、とそれらが海水になって猟兵たちを落としていくではないか!
「き、きゃああああ!!!」
楊もまたそれに巻き込まれ落ちていく。もうメガリスがどうとか言っている場合じゃない。
「念のため水着を着てきてよかったみたいね……はぁ」
相手がメガリスを破壊したりしないよう誘導をしたいが、肝心のメガリスの場所もまたわからないと来た。ならば。
「こっちよ」
水の衝撃波を起こして水晶海月のヘイトを取る。気づいたようで水晶海月の触手の向く先が楊に変わる。と同時に、楊は泳ぎ始める。
(敵の動きを止めても流れていったり深海に沈んでいったりしない位置……あそこね)
落ちた場所からそこまで離れていないある浅いポイントに陣取り、反転して護符をかまえると。
「ええい!」
『!?』
水晶海月の口――上の写真で言うと金色の触手の根元、青と金色の境目――な場所に、護符を突っ込んだ。口がそのままこじ開けられ、動きが少し止まる。
(メガリスが飲み込まれてなければいいけど……!)
そう思いながらまさぐった――が、特にそれらしいものは見当たらず。
(くっ、手遅れ? それとも――まだ?)
今となっては恋しい地上を願いながらも、他の猟兵のためにその口をこじ開け続ける――が、限界はある。
「きゃあ!」
水晶海月もまた生存競争を生きてきたもの、楊を振り払うとそのまま他の猟兵の方へ向かう……
「……少しはサポートになれればよかったのだけど――いえ、まだ遅くはないわね」
楊はそのまま水晶海月を追跡し始めた。メガリスが、もしかしたらこの後落ちてくるかもしれない、というのも信じて……!
成功
🔵🔵🔴
ココマル・イチバーニャ
オヤ!ナント巨大な海月デショウ!可奈サマの話ハ、この事だったのデスネ。
残念ながら、ワタシは水中及び類似環境には適しマセン。ヨッテ今回ハ、短時間の足止め役に徹しマス!
深海は未知の負荷を感じマスガ、動く事は止めマセン。
まずは目標の触手を掴み、海底ないし岩壁へ向かっテ引っ張りマス。続けてフォークを構え、柄までめりこませる程の怪力デ、触手ごと岩石を一突きデス!
抵抗されても千切れにくいヨウニ、触手の先端ではなく根元を狙いマショウ。
「ガガッ、ガガッ、ピー……処理速度低下」
「ホームポイントを設定、自動帰還モードを起動しマス」
アア、そろそろタイムリミットのヨウデス。猟兵の皆サマ、後は任せマシタ!
ーーー
POW
●
水晶海月が有機物を沈めながら徐々にメガリスに近づいてくる。
その様子を眺めるココマル。
「オヤ! ナント巨大な海月デショウ! 可奈サマの話ハ、この事だったのデスネ」
メガリスを渡さないとでも言うように奪って、水晶海月をじっくり見つめるココマルだが、水晶海月の攻撃で深海に落ちてしまう。
「ゴボボ……ガガッ……」
未知の負荷を感じるココマルだが、それでも動くことはやめない。自分を落とした触手を掴み、海底へひっぱりこみ、そのままフォークで串刺しにして海底に貼りつける!
これには水晶海月も驚き。動きたくても動けない。いくつかの触手が地上へと延びる中、ココマルは異変を感じた。
「ガガッ、ガガッ、ピー……処理速度低下……ホームポイントを設定、自動帰還モードを起動しマス……
アア、そろそろタイムリミットのヨウデス。猟兵の皆サマ、後は任せマシタ!」
まあ、ロボだからね。深海に弱くても多少は仕方ないよね、うん。
一応サポートとしての責務は果たせた――のかな?
大成功
🔵🔵🔵
ルク・フッシー
クーさん(f14438)と一緒に
がば、ごぼごぼ…
(ま、周りが全部海に…!?これじゃ、息が…)
(息が…できる?スカーフが口に巻きついて…)
…もしかして、この紅いスカーフのおかげ…?これなら戦えます…!
クーさんほど自由には動けなくても、サポートくらいなら…!
オブリビオンの逃げる方に【ドラゴニアン・チェイン】のトリガーであるオーラ弾を放ちます
当たれば鎖で拘束、当たらなくても相手の動きを制限する事でクーさんを援護します
だ、大丈夫…ボクは1人じゃないですから…
が、がんばりますっ
クトゥルティア・ドラグノフ
※ルク・フッシー(f14346)と共闘
クラゲ…私もクリオネの遺伝子持ってるから、なんだか妙な親近感を持つなぁ
だけどそれはそれ、メガリスは貰うよ!
全部水?
そもそも水棲キマイラの私に、深海環境はむしろ動きやすいんだよ。【深海適応】した種族だからね!
ってルク君はそうじゃないや!
大丈夫ルク君!?
……なんでかはわからないけど呼吸はできるみたいだから、無理に前に出ず援護をお願いね!
とにもかくにも、私に水を与えたのは間違いだったね!
【高速泳法】によって、高速かつ安定した【水中機動】で翻弄しつつ、【戦闘知識】で【見切り】した隙に【月腕滅崩撃】!
捕まえて愛剣で【串刺し】にして抉ってやる!
●水を得たキマイラ
「全部水?
そもそも水棲キマイラの私に、深海環境はむしろ動きやすいんだよ。深海適応した種族だからね!」
クーがむしろ水を得た魚のように生き生きとして水晶海月に向かうが、相方は――
「がば、ごぼごぼ……(ま、周りが全部海に……!? これじゃ、息が……)」
「ってそうだ、ルク君はそうじゃないや!
大丈夫ルク君!?」
慌ててルクの方を向くクー。まさか死んでたりはしないだろうか――?
だがそれは杞憂に終わる。
(息が……できる?スカーフが口に巻きついて……もしかして、この紅いスカーフのおかげ……?)
ルクのスカーフがなぜかルクに息ができるようにしていたのだ。それを見て、クーは一つ息をつく。
「……なんでかはわからないけど呼吸はできるみたいだから、無理に前に出ず援護をお願いね!」
クーが泳ぎ去るのを見て、自分もできることをしようと決意。そのためまず――
「メガリス……!」
もう機能停止しそうなロボの手からメガリスを回収すると、刺さってる水晶海月の方を見て、オーラの弾を放つ。逃げられる由もなく命中し、追撃の鎖が水晶海月を覆うように動きを止めに行く。
「だ、大丈夫……ボクは1人じゃないですから……」
「うん、よくやってくれたよルク君!」
気づけば水晶海月のすぐそばにクーが。安定した水中機動で気づかれずに迫ったのだ。そしてコードが発動し大腕ができ、そこに握られるは月明かりに咲く華の剣――
「散れぇぇぇ!!」
それを思いっきり水晶海月にぶっ刺す!! 触手が身もだえする水晶海月だが、やがてピタリとその動きを止めた。迎撃に成功したのだ、猟兵たちは。
「私もクリオネの遺伝子持ってるから、なんだか妙な親近感を持ってたけどね、クラゲには。まぁ、私に水を与えたのは間違いだったけど」
クーがさぁ、メガリスを――と探すが、水晶海月はもちろん持っていないし落ちた形跡もない。
「え……? メガリスは!?」
「クーさぁん……!」
ルクがメガリスを片手に声を出す――が、その勢いでマフラーが外れ。
「がば、ごぼごぼ……」
「ああ、今行く! そのまま頑張って持ってて!」
ルクが溺れ死ぬ前にクーがメガリスごとルクを掴むと、一気に地上に向かって泳いでいく。
●
――こうして幽世島のメガリスは回収できた。
このような秘境のメガリスが後いくつあるかは定かではない。
だが、集めていけば何かしらわかるかもしれない。
――ふと思いだすのはあの幽霊。
あの幽霊たちにも、新しい光を見つけてほしい。
そんなことを思い浮かべながら、猟兵たちは帰路につくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵