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神か悪魔か!? 未来な世紀末に降り立った猟兵!

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●ヒャッハー、あのリゾートを襲えーっ!
 時は近未来、一つの世紀の終わりでもなんでもないのに、この場所だけは様子が違った……ッ!

 至る所が荒廃、むき出しの地面はひび割れ植物も育たぬ乾いた不毛の大地が広がり。
 家屋も何らかの爆発に巻き込まれたのか窓は割れ、壁は砕け、鉄筋がむき出しになったりと酷い有様。
 一体全体、どうしてこうなってしまったんだ!?
 などと疑問を呈すれば、答えは向こうからやってきた。
 荒れ果てた大地を進む親子連れ、胸元に小さな袋を持って歩を進めれば、後ろから迫りくる、バギーを駆る怪人軍団(何故か頭頂部のみ髪を残したカツラ着用)
「ヒャッハー、その隔してるコメをよこせぇー!」
「ひい、くるなぁ!」
「パパ、違うでしょ! ここは、この種籾だけはー、っていうところだよ!」
 あっ、なるほど、そういうことね。
 ここはつまりは世紀末体験型リゾートということらしく、怪人軍団が暴れまわっている世界、不自由な世界を体験できる、非日常体験施設ということらしい。
 だがしかし、怪人たちがタダで楽しみを提供するとは限らない。
 このリゾートで唯一、そしてとても貴重な水源周辺を綺麗に整備、ボスの存在する宮殿風に改造し、そこで圧倒的な支配者として君臨。
 入り込んだキマイラたちは最初、楽しんでいれるが渇きを覚えればそこに向かうしかなく、そこでは下らぬギャグを言うくせにカッコイイボスが支配してるし、戦闘員がいるわで支配されてしまうのだ!

 なんという卑劣極まりない、最初に非日常の刺激で呼び込み、必要な水を武器に支配するあくどい連中。
 このままでは、世紀末ワールドが広められ、人々の心もすさんでしまう。
 この世界に救いはないのだろうか!?
 楽しむ親子の未来は、たった今、猟兵達に託されたのだ……!

●予告編、いきますよ
「水辺を征し、渇きに苦しむ人々を虐げる怪人軍団。荒廃した大地にて、苦しむ人々の怨嗟の声が木霊する。
 一口、たった一口、その一口すら飲むこと出来ず、乾き苦しむ人々の流す涙を見て笑う悪党ども、テメーらの血は何色だ!
 虐げられた人々を救うヒーロー、そんな存在は夢物語なのか!?
 いや、人々には彼らがいる、悪を挫き正義を貫く、猟兵という存在が。
 覚悟しろ悪党ども、乾いた大地を濡らすのは人々の涙ではない、貴様らから流れ出る、腐りきった血液だ!
 次回、キマイラフューチャー世紀末猟兵伝説、悪党どもに未来はねぇ!
 奴らの命は、今日ここまで……」
「いや、突然何いいだすんですか」
 滅茶苦茶熱く、後半にいけばいくほど語りのテンション上げてたクアドに対してとある猟兵の的確なツッコミ、というかそれしか言えない。
「いえ、今回の戦場について分かりやすく解説しようと思いまして」
「いや、わかんねーよ」
 本人的にはよくわかる、しかし他人からしたらある程度はわかるがやっぱり詳細はわからないと言いたくなる状況。
 それを伝えられたので、ならば何時も通りと説明が再開された。
「……では。今回はキマイラフューチャーで起こる怪人による事件です。
 怪人はあえて便利な世界とは間逆、不便で苦しい世界を体験できる、アトラクションとして世紀末な世界を再現したリゾートをつくり、そこからファンを増やしていこうとしています。
 こんな世界が全体に広まると不便この上ないですし、怪人軍団が信者を増やすのも大問題なので、此れを阻止するのが目的となります」
 なんだ、普通にできるじゃないか、なら最初のアレはなんなんだ、というツッコミがでるも、右手を上げて静止するクアド。
「先ほどのは一つの例です。普通に相手を逆にヒャッハーする、バギーのテクニックで勝つ、知性の差を見せるといった、此方がより世紀末の支配者としてふさわしいと見せ付ける以外の手段ですね。
 つまりは、予告編です。予告編だけ、は面白そう、という映画が多々あるように、猟兵の皆さんが演出する世紀末世界、此方の方が面白そうだ、とアピールしてしまう、という手段の一つです」
 なるほど、予告で煽ればただ単に暴れてるだけの怪人とは違い、とても面白そうに見えるに違いない。
 突然、とち狂ったように見えたのも、この予告の見本をしたからか。
 合点がいったが次に続いた言葉で、やっぱとち狂ってるんじゃないか、と一行は再び思い知る事になるのだが。
「まあ、簡単言えば世紀末な動きでアピール、予告辺でアピール、あとは世紀末という事で相手を蝋人形にしてやるようなビジュアル系ロックを見せ付ける、ということですね」
「いやまて最後」
「見た目のインパクト、年齢設定がウン十万何歳という部分だけでなく、すばらしい美声を披露して魅了したり、パフォーマンスと称してギターで打撃を加えたりと中々にやれることはあるはずですよ」
 途中のツッコミもなんのその、色々と語りつくしたクアド。
 何か別の世紀末なんじゃということがあったが、そんなことは聞かなかったことにしてごり押ししていくスタイルであった。
「説明としては以上です。やれることの範囲がとても広いですが注意点としては。
 最初に興味を引いたあと、怪人の配下である頭頂部を主張した感じの怪人や、ボス相手でも世紀末っぽい演出をしなければ、世紀末を楽しんでる観客が逆に相手側の応援に回りかねない、ということですね。
 そうなると厄介ですので、最初から最後まで世紀末に駆け抜けていただければ、ということです。
 内容はお分かりいただけましたか? それでは準備が出来次第、皆様を現地へとお送りしますね」
 無理矢理説明を打ち切って、出発の準備を始めるクアド。
 微妙に釈然としないものを抱きつつ、猟兵達は怪人軍団に世紀末を見せ付ける、そして人々を救い怪人を倒す、という目的の為に送り出されるのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。

 今回はネタシナリオ、となっておりますので、気楽にヒャッハーしていただければ、と思います。
 オープニングにあるとおり、今回は最初から最後まで世紀末な立ち回りが要求される戦いとなっております。
 説明どおりの力ずくで相手を逆に配下にしたり、ドライビングテクニックで勝利したり、知略で勝利する以外にも。
 これから猟兵がどれだけ面白い世紀末ワールドをみせるのか、という語りで魅了してしまったり、虐げられる人々の見本を見せて種籾を奪われる前に抵抗してやられてみたりとこれがやられるムーブだと見せ付けたり。
 年齢10何万○○才、美声を披露してみたり派手なパフォーマンスをしたりして同音異義語な世紀末を見せ付けるのもいいと思います。
 その辺りは皆様次第、お好きに世紀末を楽しんでいただければ、と思います。

 注意点としては、敵との戦いで世紀末っぽさがなくなると一般人的なキマイラ達が逆に敵側を応援してしまったり相手を庇ったりしかねないので、最初から最後まで世紀末なオーラを出し続ける必要がある点です。
 ヒャッハー以外にも救世主的なムーブだったりそれらを彩った漢たちのムーブ、歌唱や派手なパフォーマンスついでに倒す、でもOK。
 つまり世紀末らしさがあればそれ以外ではなんでもあり、好き勝手駆け抜けていただければ、ということです。

 説明の補足としては以上です。
 ここまで、長文をご覧頂きありがとうございました。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『世紀末リゾートの冒険!』

POW   :    ヒャッハーしてくるキマイラ達にヒャッハーし返して配下にする

SPD   :    バギーで競走を申し込んでくるキマイラ達に勝利して配下にする

WIZ   :    算数テストとかでキマイラ達に頭の良さを見せつけて配下にする

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐之上・権左衛門
【POW 】なんというヒャッハーなバーバリアン向けの仕事なんだ。いいねぇ、実にヒャッハーしがいがある。バギーは手持ち武器で物理的に破壊し、【威嚇咆哮】で威嚇・挑発した後に群がるヒャッハー相手に対して指に仕込んであるフィンガーニードルに【マヒ攻撃】を加えつつ「身体の自由と命を奪うツボをついた(勿論ハッタリ)」と脅す。「さぁ死にたくなかったらボスの所まで案内しろ。何?バギーはアンタが壊したたろ?なにいってるんだ。お前たちが俺を担いで案内すればいいだけだろう?」とツボの解除という脅しと引き換えにボスの所まで案内してもらう。んむ、実にヒャッハーである。


イサナ・ノーマンズランド
POWを使用。

襲い掛かってくるヒャッハーの攻撃を【見切り】あるいは【敵を盾にする】事でしのぎつつ、【2回攻撃】で【傷口をえぐる】驚異の【早業】によってヒャッハーたちに【恐怖を与え】て【恫喝】し、世紀末のカリスマになる。

『クハハハハハ!! 何本目で死ぬかなァー!!』
「やめて、わたしの身体であんまりひどいことしないで! ちゃんと寸止めしてよね!」
『そぉーれ、ひとつふたつみっつよっつ…… 最後に15発目、さそり座の心臓の位置に指を突き立てることによってオレの拷問は完成する!』
「……北斗七星じゃないんだ!?」

その他もろもろアドリブ大歓迎です。


神羅・アマミ
僅かな水と食料を求め、荒廃した世界を闊歩する怪人軍団!
だが、彼らの画期的に低いIQでは決して気づくことができない真実があった。
核戦争によって引き起こされた生態系の破壊は微生物の突然変異をも促し、人々を生ける屍へと変貌させていたのだ…!
命をも奪われた哀れな犠牲者たちが悪人を囲み、今復讐の牙を剥き出さん!
暴虐の限りを尽くした怪人どもに憐れみの言葉はいらない。
群れるゾンビどもにとっては単なる格好の血液袋と化した奴らの眼前には、最早絶望の未来しかない!

…てな感じでどうじゃろ。
ゾンビアポカリプスも手垢のつきまくったジャンル?うるせー!
怪人たちに「えっ俺らの方が犠牲者なの!?」と動揺と戦意喪失を誘えたら。


四季乃・瑠璃
「瑠璃、世紀末だよ!楽しそう!」
「ノリノリだね、緋瑪」

【ダブル】で分身。
(主に緋瑪が)ノリノリでヒヤッハーして大暴れ。
接触式ジェノサイドボム(以下ボム)を破壊力極小、ほぼ音と爆風のみの仕様でばら撒きまくって、ヒャッハーしに来たキマイラ達を逆に吹き飛ばしまくる有り様。命が惜しければ種籾よこせどころか、吹き飛ばさせろ!命もよこせ!な状態(威力極小なだけ加減が見える)無茶振り要求言い放題。逆らうとボムや銃弾が飛んできます

緋瑪「あはは、た~のし~♪ヒャッハー、汚物は爆破だ~♪」
瑠璃「イキイキしてるね、緋瑪」
緋瑪「ホントに遠慮なく爆破できるともっと良いんだけどなー」
瑠璃「それはちょっと…」

※アドリブ歓迎


エウトティア・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

兄様(f00051)の引き立て役を務めようかのう

マニトゥよ、モヒカンを持ってくるのじゃ
モヒカンを狼に襲わせて拉致、誠意ある説得(狼)で世紀末ムーブに協力して貰うのじゃ

(狼が拉致してきたモヒカンを使ってヒロインムーブ)
そこのお主、わしを両手で持ち上げるのじゃ
そうそう、しっかり腕を伸ばして右手は腰に左手は頭に添えるのじゃよ
これ!しっかり支えぬか!腕がプルプル震えておるぞ!

準備が出来たら世紀末ムーブ開始じゃ
兄様ー!来ちゃだめー!(棒)

(モヒカンが倒された後)
ちょっと待つのじゃ、モヒカンの上に種籾をまくのじゃ
これ意味があるのかのう?


ライヴァルト・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

(スピレイルから聞いた話では、とかくはっちゃけた世界であると言うことだが)
そもそも世紀末は時代の節目というだけじゃ無いのだろうか
(それはさておき救世主のようなムーヴを心がけて、モヒカンに立ち向かう正義漢)
こんな荒廃した世界の中でも、花は咲くものだ。それを摘み取る権利など、断じて貴様らにありはしない
我が妹を返してもらうぞ
(拳で相手。2回攻撃、呪詛の能力で高速で突きを見舞った相手がバタバタと倒れていく)
蒼華霊仙拳・絶技『蒼華刺刻殺』
俺の拳は祖霊の宿る拳。我等の祖先に叩き直されてくるんだな
(ティアに声をかけて)
大丈夫か?
ならばゆくぞ
いや、種は芽吹くさ。下にモヒカンが眠っているからな


スピレイル・ナトゥア
【獣人同盟】で参加します

「世紀末を楽しみにして来たひとたちも、世紀末を支配しているひとたちもいったいなにをしているのですか……まったく、悪質なごっこ遊びですね」
お兄様とお姉様が向かったと聞いたので付き合って来ましたが、そうでなかったらきっと参加しようとは思わなかったはずです
私にはあまりにも似合わない雰囲気に、手で目を覆ってしまいたいところですがそうもいきません
スペースシップワールドから鹵獲してきた未来技術のバトルドロイドさんに抱えてもらいながら、悪党さんの機械との技術力の差を見せつけることでキマイラさんたちに頭の良さを見せつけるとしましょう
「ひゃっはー。ナトゥア帝国の技術力は世界イチィィッ!」


ウーゴ・ソルデビラ
【SPD】ヒャッハー!バギーで俺に勝とうなんざ100万光年早えぜ!!何ィ、それは距離だぁ?!そんだけ走っても追い抜けねえって事だよ!!

オラオラ!!悪運とダンスっちまいな、
にわかヒャッハー共が!!!
っつー訳で、ヤンキーらしく制限速度もへったくれもなくバギーをブッ飛ばすぞ。ちょうど特攻服もきてるしな。相手のバギーに体当たりもするし、尖った障害物だってばら撒く。運転手だって平気でウレタン棒で殴る。ま、『おい、世紀末しろよ』って事だから、正々堂々やってちゃだめだよな。強者のみが生き残るっつー感じでやらないと嘘っぱちになるぜ。



 赤茶け荒廃しきった不毛の大地。
 さまよう親子に迫る悪意の影! あぁ無常、助けは来ないのか!?
 世紀末なるこの世界、救いは……。
「僅かな水と食料を求め、荒廃した世界を闊歩する怪人軍団!
 だが、彼らの画期的に低いIQでは決して気づくことができない真実があった。
 核戦争によって引き起こされた生態系の破壊は微生物の突然変異をも促し、人々を生ける屍へと変貌させていたのだ……!」
 えっ、ちょっとまって、ナレーションに割り込みが……!?
「命をも奪われた哀れな犠牲者たちが悪人を囲み、今復讐の牙を剥き出さん!
 暴虐の限りを尽くした怪人どもに憐れみの言葉はいらない。
 群れるゾンビどもにとっては単なる格好の血液袋と化した奴らの眼前には、最早絶望の未来しかない!」
 とりあえず流れてたナレーションに割り込み参入、これぞ荒廃しきった世界から更なる絶望、ゾンビアポカリプスだと灰髪揺らし荒野に降り立つ神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)
 大げさに、右側のみに着物の袖残す戦鎧の袖揺らし手にした和傘を広げれば荒野を進む親子の、そしてモヒカン装備の怪人たちの目を引くには効果は十分。
「ねぇねぇ、パパー。わたしたちが逆にやっつける側になるのー?」
「そうだなぁ、話によると逆襲できるみたいだなぁ、あっちの方がいいのかい」
「うん、やっぱりやられっぱなしじゃつまんないもーん」
「そうかそうか、じゃああっちにいってみるか」
 ただ単に虐げられる役割ではなく、立場逆転、やっつける側のほうが面白いというのは子供にとって十分すぎる理由になる。
 一瞬で遊ぶ側を猟兵側に切り替えた親子だが、だまっちゃいないのが怪人だ!
「ヒャッハー、ちょっとまてやこらぁ、勝手に客をもってくんじゃねぜぇ!」
「ゾンビアポカリプスなんて手垢つきまくってるんだ、ここはにがさねぇぜぇ!」
 うんうん、そうだね、ゾンビアポカリプスって創作でいっぱいあるし、手垢塗れのジャンルにな……。
「うるせー! 手垢つきまくりと言うんじゃないわい! 観客を楽しませられず、自分たちが暴れるだけのリゾートなんぞ人気が出ると思っとるのか、大ばか者じゃな、お主らは!」
 すいません、すいません、手垢つきまくりとか言ってディスってすいません!
 私も、怪人も勢いに気圧されて身を竦め直立不動、一喝されて盛り上げるために協力せい、みたいに唆されて怪人、脳裏に浮かぶ「俺たち犠牲者なの?」という疑問であるが、目の前のアマミが疑念を抱くのを許さぬこわーい笑顔。
 哀れ怪人、親子を追いかけたがゆえにゾンビの犠牲者(仮)決定です!

「ひえぇええー、おたすけぇえええー」
 一方その頃、ちょっと離れた場所のモヒカン怪人、2人……いや、内部の人格を合わせれば4人になるか、多重人格者であるイサナ・ノーマンズランド(海亡き世界の小さな鯨・f01589)と四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)に襲われていた。
 というか、多重人格者に襲われてるって書いたらどっちが悪役かわからないし、2人、っていうか4人がやってることが世紀末的に悪役的なもんだから、一般人キマイラを追いかけてた怪人が可愛く見えるレベルである。
 それは、先の怪人、その悲鳴が聞こえるほんの少し前。
「なんだおめぇら、オレたちのジャマしようってのかぁ、ヒャッハー」
 オラついて鉄パイプなんか振り回して威嚇する怪人、しかしながら世紀末世界を楽しみにきた2人ってか4人はそんなもんじゃ恐れはしない。
「瑠璃、世紀末だよ!楽しそう!」
「ノリノリだね、緋瑪」
 ニコッと笑い瑠璃の姿が一瞬ぶれれば、瞬時に生じた彼女とまったく同じ姿の分身が。
 これで人格の上では4人編成、肉体は3人編成。
 2人の瑠璃はポニーテールを揺らしてそれぞれ逆方向に跳ねれば、両者の動きはまったく別物。
 それは緋瑪と瑠璃の連携ともいうべきコンビネーション、のはずだったが。
 ちゅどーん、どかーん、と轟音爆音のセットアタック。
 威力を極限まで減らしてばらまきまくってる緋瑪さんと、ちょっと離れてカバーしきれない範囲にこっそり設置、爆風重ねて派手にしていく瑠璃。
「あはは、た~のし~♪ ヒャッハー、汚物は爆破だ~♪」
「イキイキしてるね、緋瑪」
 アカン、この2人ただの爆弾魔や……!
 いくら威力を減らして手加減してるとはいえ爆破は危ないですよお姉さん!
「汚物がー! 命がほしけりゃさっき奪った種籾よこせ!」
「ついでだから命もよこせー! 命乞いはきかないよ」
 要求が酷い、奪ったものを更に奪って挙句命を奪おうとするなんてっ!
 やっぱりこの2人の方が悪人じゃないか!
「ば、ばく、ばくはぁああああ!」
 断末魔っぽい叫びの中に怪人が消える。でも殺傷力は最低限に落としているんで大丈夫の安心設計!
 モヒカン部分だけがチリヂリ、頭頂部にだけアフロが咲く素敵な髪型になるだけだよ、よかったね!
 なんてされたもんだから怪人の標的はイサナに変更。
「ヒヒヒヒ、弱そうな相手から狙うのが標的だぜぇ」
 こっちなら勝てそう、小さい子供だし眼帯してるから怪我してるっぽいしいけるだろ、なんて安直な考えで突っ込むヒャッハー怪人だったがそもそも、こんな所に攻めてきた時点で普通ではないことに気付かないのがヒャッハーがヒャッハーたる所以。
「そんな、ノロい攻撃ではわたしには当てれませんよ」
 振り下ろされた鉄パイプなんて半身を反らしてわざとギリギリ回避できるぐらいに見切っちゃうのも余裕余裕。
 そのまま至近距離で演出用に傷のボディペイントをしている怪人に肉薄、傷口(ペイントだけど)に武器を突き立て連続でえぐっていけば、元から負傷してない場所を攻め立てられて怪人は慌てふためき一歩後退。
「い、いでぇえ、いでぇー」
 なんて叫んでいる所で目つきが変わったイサナが飛び掛るようにジャンプ、そして相手が迎撃で蹴りのポーズなんてできてないのに横をすり抜ける形で一方的にキック!
 直後、両者の周辺で大爆発! ってか蹴りでなんで爆発するんだ!?
 周辺の怪人が慌てて周りを見れば、そこには瑠璃と緋瑪の2人組み。
「やー、決め技の時には爆破っしょ」
「そうそう、それに人相手に遠慮なく爆破されちゃうとちょっとこまるから、これで、ね?」
 手加減無用で爆破できなくてちょーっと不満げな緋瑪を諌める瑠璃、というかそんな2人の暴れっぷりも怪人にとっては迷惑千番、っていうより恐怖でしかないのだが。
「クハハハハハ!! 何本目で死ぬかなァー!!」
 あっ、そんな爆破魔の方に気をとられてたらイサナが完全に悪役になっている!
 一緒に飛んでキックしあって、すれ違ってから倒れた相手にやる拷問だけど、一方的に飛び掛ってやってるけど世紀末だからそれでいいよね。
 倒れちゃってる怪人の上にのって指を動かし、恐怖を煽っていく途中で人格チェンジ。
「やめて、わたしの身体であんまりひどいことしないで! ちゃんと寸止めしてよね!」
 サディスティック人格、レイゲンがやり過ぎないように念押しするけどどうなることやら。
 もっとも、既に怪人をぶったおしてる段階であんまりどころかかなり酷いことしてると思うんですけどね!
「そぉーれ、ひとつふたつみっつよっつ……。最後に15発目、さそり座の心臓の位置に指を突き立てることによってオレの拷問は完成する!」
 えっ、ここって胸に7……げふんげふん、一桁数の傷を持つ男、にしちゃう所ですよね、ちょっと数多すぎないですか?
「……北斗七星じゃないんだ!?」
 あ、やっぱり、イサナさんもそう思いますよね?
 原作再現する気ないんですよね、あなたのもう一つの人格さん。
 そんなこんなで僅か数分の間に爆破やら拷問で怪人にとってはより強い世紀末の武人、ってか危ない人々が君臨してしまっていたのだ。
 無論、そんな派手な演出に圧倒的力量を見せられたリゾート参加者の興味が猟兵側に向いたのは当然であろう。

「マニトゥよ、モヒカンを持ってくるのじゃ」
 派手に暴れまわっちゃってる面々に隠れつつ、コッソリ仕込みを始めていたのはエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)
 召喚した巨狼にモヒカンを回収させようとしていたのだが、ちょっと派手にやりすぎちゃってて大丈夫そうなモヒカンが居ない。
 困ってどうしようかな、なんてキョロキョロしてるマニトゥ、それを察してか多重人格コンビ、爆破されていい具合に吹っ飛んで、転がったんで砂埃塗れなモヒカンをチョイス。
 荒れ果てた荒野を長期に渡って駆けてきたんで砂埃塗れ、っぽくも見えるモヒカンをゲットしたマニトゥ、散々爆破されちゃって更に狼にまで襲われて踏んだり蹴ったりのモヒカン怪人は正座。
 懇切丁寧、誠意ある狼のガンつけとエウトティアさんの協力要請に快く、何度も何度も頷いているようだ。
「お主、わしを両手で持ち上げるのじゃ。そうそう、しっかり腕を伸ばして右手は腰に左手は頭に添えるのじゃよ」
 兄であるライヴァルト・ナトゥア(巫女の護人・f00051)が世紀末世界の救世主、みたいなムーブをするのでその引き立て役になる予定のエウトティア。
「これ! しっかり支えぬか! 腕がプルプル震えておるぞ!」
 無茶をおっしゃる。そのモヒカン、既に爆破されて狼に襲われてボロボロなんですよ?
 そんな頑張る人、いや怪人か。無茶振りなんて酷すぎません? っていうかお兄さん、早く準備準備!
(「スピレイルから聞いた話では、とかくはっちゃけた世界であると言うことだが……。
  そもそも世紀末は時代の節目というだけじゃ無いのだろうか」)
 あ、準備終わってますけど考え事の最中ですか。
 あと世紀末は時代の節目以外にも百年単位でくるし、なんなら勝手に年号を作って世紀末って言ってもいいんです。
 毎日、今日が閉店店じまい、とかいって格安セールとかで貴金属とか時計のフェイクを売りさばいてる店みたいなもんですよ、多分ネ。
 まあ準備が終わってるようだし、ここは一つナレーションで展開を盛り上げていk。
「荒廃した大地でも潰えぬ絆! 断ち切ろうとする悪党どもの魔手が迫るのじゃ!」
 ちょ、それ私の台詞、ってかアマミさんなんでナレーション奪ってるんですか。
「最初にやって暇だったのでの。やはり盛り上げは必要じゃろうて」
「じゃあわたしもー。極悪非道、妹を人質に卑劣な要求♪」
「兄のおもいは、悪の前にくっしてしまうのか!?」
なんか増えたぞ、爆破してた緋瑪に拷問してたイサナまできたし。
「いいや、二人の絆はそんな物に負ける事はないんだよ! 悪党どもよ、覚悟はいいかな?」
「クハハハハ、そうだ、今だやっちまえ、悪党なんざ皆殺しだ!」
 うわぁ、瑠璃まできたしイサナさんの別人格、レイゲンさんまででちゃったし収集つかねぇよ。
 カオス激しい前フリの中、満を持してライヴァルトがエウトティアを抱えるモヒカンの前に歩み出れば、真打登場と場仮にギャラリーなキマイラたちのテンションは最高潮。
 フゥ、と深く息をつき、一歩進めば小石がジャリッと靴との摩擦で音をだし、モヒカンとの距離つめればエウトティアの悲痛な叫び。
「兄様ー! 来ちゃだめー!(棒読み)」
 めっちゃ棒読みだった。もう一度いう、めっちゃ棒読みだった。
 そのくせ、モヒカンには小声でしっかりと悪人っぽく、叫んだときに引き寄せて、それ以上喋れなくするようなアクションは出来んのか、と演技指導までしちゃってた。
「こんな荒廃した世界の中でも、花は咲くものだ。それを摘み取る権利など、断じて貴様らにありはしない。
 我が妹を返してもらうぞ」
 パン、と掌に拳打ち付け音を立ててライヴァルトが気合を入れれば、元から無理矢理仕事を押し付けられてたモヒカン怪人、もう既に戦意喪失。
 しかし、今投げ出せば後ろにはエウトティアが呼び出した狼、マニトゥが控えている。
 前門の虎(ライヴァルト)、後門の狼とはまさにこのこと。
 覚悟を決めて、人質もってるし多分大丈夫だろうと突っ込んでいくモヒカン。
「ヒャ、ヒャッハー! い、妹がどうなってもいいのかぁ!」
 やけくそだ、そして多分その台詞はフラグだ。
「貴様、妹を攫っただけでなく傷つけようとするとは、最早許さん!」
 突出してきた怪人に対しライヴァルトがそれより速く距離をつめ、両手を掲げ構えを取れば放つ技は彼の奥義、蒼華霊仙拳・絶技『蒼華刺刻殺』
 モヒカンには見えただろう、彼が背負う蒼狼の幻影を。
 右手に伸びた鎌の鋭さを、左手に携えた狼の爪、その力強さを。
 妹を避け瞬時に放たれた鎌の、爪の一撃はモヒカンの両肩を寸分の違いなく打ち貫き、その衝撃でモヒカン怪人はエウトティアを取り落とせばがら空きとなった胸部へ更なる突きが。
 結果、両肩と胸部に合計4箇所の突きを貰ったモヒカンは哀れ、仰向けに倒れ意識を失っていた。
「俺の拳は祖霊の宿る拳。我等の祖先に叩き直されてくるんだな」
 勝負は決した、狼の外装を解き倒れたモヒカンを見下ろしライヴァルトが呟く。
「ティア、大丈夫か? ならばゆくぞ」
 全ては終わった、これ以上ここに留まることはないと妹、エウトティアに促すライヴァルト。
「ちょっと待つのじゃ、モヒカンの上に種籾をまくのじゃ。これ意味があるのかのう?」
 何か、これをやらねばならぬと謎の衝動に突き動かされたエウトティア。
 都合よくどこかから出てきた種籾をパラパラと倒れたモヒカンの上へまいていくが、ちょっとまって、意味あるかどうかって普通に今質問してましたよね!?
「いや、種は芽吹くさ。下にモヒカンが眠っているからな」
 ちょっとまって、さも綺麗な風にまとめましたけどライヴァルトさん。
 まるで、桜の下には死体が埋まってるから綺麗な花が咲く、みたいなノリで言ってませんか? 言ってますよね? そも、モヒカンまだ埋まってないし芽吹くとしたらモヒカンの周りからなんですけど!
「世紀末を楽しみにして来たひとたちも、世紀末を支配しているひとたちもいったいなにをしているのですか。
 ……まったく、悪質なごっこ遊びですね」
 あっ、やったぁ、至極まっとうなツッコミを入れてくれる人がいた!
 ごっこ遊びが過ぎてるって状況を理解しているとは、流石出来る妹だ、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)さん。
 兄と姉がすごくノリノリではっちゃけてたんで、付き合いに来たとは彼女の弁。
 あまりにもあまりな、自分に似合わなさすぎる世界観に環境に、思わず両手で目を覆いたくなるような惨状。
 しかし彼女は毅然とこの状況に立ち向かう、とても強い子だ!
 さあ、一体何をして力の差を見せ付けてくれるのか。
「帝国のゴーレムさん。起動!」
 鹵獲したバトルドロイドを召喚、世紀末世界では失われたはずの超技術、それを見せ付けバギーが精一杯な技術力との差を歴然とする作戦だ!
 雷の精霊は一旦控えてもらってスピレイル、ゴーレムに抱えてもらいながら先の爆発で転げ回ってたモヒカンを見下ろしふふん、と胸を張る。
「ひゃっはー。ナトゥア帝国の技術力は世界イチィィッ!」
 あっ、いっちまたぁ!
 雑誌は一緒だけど漫画は違う、とっても人気のアレからもってきちまったぁぁああ!
 こいつはやべぇぇえ! とんでもない科学力を駆使したが、名誉の戦死を遂げたのが一番の謎って言われる軍人の匂いがぷんぷんするぜぇええ!
「雷の矢、照射ァアアッ!」
 雷の精霊も参入、ゴーレムの頭部に陣取って顔面付近から矢を放ってまだ突っ立ってたモヒカン怪人に対して遠距離攻撃。
 これはすごい、超技術だ!
 世紀末だけど時代設定はロボットとかがない時代の世紀末じゃないし、世紀末としか言ってないからメッチャ未来、たとえば5199年とかでも世紀末になるから超技術を持ってるナトゥア帝国があっても不思議じゃない、といことか!
 悪党どものバギーとは格が違うのだ、格がと言わんばかりに暴れまわるゴーレムとナトゥア帝国。
 世紀末世界に新たな帝王が誕生するのもそう遅くはない、ということかもしれないね。

 ……これはひどい、大惨事になっている。
 なんということだ、先発していたヒャッハー軍団が壊滅とは!
 これはいけない、顧客まで奪われてしまってはリゾートに閑古鳥が鳴いてしまうと慌てて新しいヒャッハー怪人がバギーに乗って出撃、今から巻き返すぜとやってくるがその前に立ちはだかる一台のバギー。
「ヒャッハー、なんだてめぇは!」
「ヒャッハー、てめぇらに名乗る名などねぇぜぇ!」
 立ちふさがったバギーの上には腕を組み、特攻服に袖通し、風になびかせウーゴ・ソルデビラ(吸血鬼マイラ・f09730)が自信満々に相手を見下ろす。
 だがその光景は頭語にヒャッハーをお互いつけるヒャッハー対決。
「ヒャッハー、ジャマするのかぁ」
「ヒャッハー、バギーの扱いがなってないぜぇ!」
「なんだとヒャッハー! だったらこの廃墟郡でのレースだヒャッハー!」
「ヒャッハー! バギーで俺に勝とうなんざ100万光年早えぜ!!」
「光年は距離だぜヒャッハー!」
「何ィ、それは距離だぁ?! そんだけ走っても追い抜けねえって事だよ!!」
 ヒャッハーがヒャッハーを呼びヒャッハーとなる。
 いかん、ヒャッハー言い過ぎてヒャッハーがゲシュタルト崩壊してきた、私はヒャッハー、ではない、ヒャッハーではない。
「オラオラ!! 悪運とダンスっちまいな、にわかヒャッハー共が!!!」
 あっ、錯乱してたら既にレースが始まってた。
 ロケットスタートを決めたウーゴがアクセル全快、いけません、ここはリゾート、安全の為に制限速度50の看板あるでしょ、ルールを守って!
 それに対してリゾートだから、仕事だからと制限が掛かってるヒャッハー、バギーに速度リミッターが掛かっているのかアクセルベタ踏みでも50キロ止まりと既にこの時点で勝負は決しているんですが容赦をしないのが世紀末!
 ガシャーン、と音がすれば、それはウーゴがバギーで容赦のない体当たりを仕掛けた合図。
 思いっきりハンドル取られてわき道逸れるバギーを逃がさず、更に幅寄せしちゃって取り出したるはウレタン棒。
「オラオラ、どうしたどうした、世紀末なんだろう、なんとか抵抗してみろやぁ」
「ヒャッハー! 対抗できる武器なんてつんでねぇぜヒャッハー」
 あぁ世知辛い、演出担当の悲しみか。
 抵抗できぬまま、車体は大きく逸れていく。
 ついでにコースにウーゴが釘なんてばら撒いちゃう、悪逆非道な世紀末ムーブ。
 そんなものをコース撒かれた日には、ヒャッハー側が追い上げることなんてどう足掻いてももう無理無理。
 そのままリタイヤ、圧倒的勝利でウーゴがゴールに駆け込めば、レースを観戦していたキマイラたちから歓声が上がっていた。
「正々堂々やってちゃだめだ、強者のみが生き残る!」
 制限のかかっている、ごっこでは決して見れない嘘っぱちではない本気の勝負。
 そんなものを魅せられて興奮しない観客などいないだろう。

「あぁ、もしもーし。やられたところ悪いんですけどちょーっと失礼しますよっと」
 泣きっ面に蜂とはこのことか。
 クラッシュしたバギーの側に別のバギーが走り寄り、どうしたものかと顔を見合わせる所に姿を見せたのは佐之上・権左衛門(主食はアンパンと牛乳・f00239)
 タバコをふかしつつゆらゆらり、紫煙を曇らせバギーに近づけば、無造作に、とても自然な動きで手にしたグレートアクスを振りかぶり、まだ無事なバギー目掛けフルスイング。
 これはひどい、通り魔バーバリアン。
 ガシャーンガシャーン、といい音響かせバギーがボロボロになっていくのでようやく正気に戻った怪人がこれはいかんと反撃に。
「ヒャッハー、なにしやが……いぐぁなっ!?」
 大斧相手に鉄パイプなんかで立ち向かう辺り、周りが見えていないがそんなこと関係ないと指に仕込んだ隠し武器、フィンファーニードルを権左衛門は発射。
 何か痺れる属性攻撃もセットで放てば、モヒカン怪人の動きは鈍り自由を半ば奪っていた。
「身体の自由と命を奪うツボをついた」
 コキコキと指を動かし、三本指を立ててモヒカンに宣言を。
「さぁ死にたくなかったらボスの所まで案内しろ。三つ数えるうちに返事をするんだ。ひとーぉつ、ふたぁーつ……」
 既に動きが鈍っている、そして命も奪うぞと脅していく権左衛門。勿論命を奪うなんてハッタリですが、既に体の自由を奪われつつある怪人にとっては本当に死にそうで恐怖だろう、めっちゃ震えてるし。
「い、いき、いき、いきぃ!? い、いいます、案内しますから命ばかりはぁ!」
 あ、過呼吸おこしてる、誰か、紙袋をっ!
 でも誰もそんな都合よくアイテムなんてもってないんで、緊張しきった怪人が案内しようとバギーの前に立つが既に先のレースや今の打撃でスクラップ。
 残骸指差し、どうしようと見るモヒカンに対し権左衛門はタバコの煙をふきかけつつ呆れたように言葉を紡ぐ。
「何? バギーはアンタが壊したたろ? なにいってるんだ。お前たちが俺を担いで案内すればいいだけだろう?」
 ザ・責任転嫁。自分がぶち壊したのに怪人が壊したことにしている。
 あと三つ数えるうちにっていっていたが、既に3秒以上すぎているが勿論怪人が爆発して死ぬようなこともない。
 まあ、3秒以内に、はい、かYESか、で答えろというような質問なだけであり、死ぬとは彼はいっていない。
「ツボの解除をしてほしいんだろぅ? さあ、担いでもらうぞ、あと他の面子も一緒だ」
 まさに外道。移動手段を潰した上で人力で運べと脅し、更に仲間まで一緒に案内しろとは実にヒャッハーしてる連中、いやそれ以上にヒャッハーだ。
 
 そんな中、急に聞こえるバシュン! という効果音、そして画面左から右へ走る、稲妻のような謎のエフェクト。
 ダラダラ移動するのなんて華麗にカット、一瞬で画面切り替えなアイキャッチなんか入れちゃって、ここは荒野に唯一湧いた命を癒す、潤いもたらす水辺の町(って設定の施設)
 無理矢理案内させられて満身創痍のヒャッハー達から猟兵たちは飛び降りれば、この泉を中心に、半ば要塞化しつつある拠点でヒャッハーいってる怪人達との戦いに望むのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『働き蜂戦闘員』

POW   :    御槍奉公
【槍】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    飛行モード
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    数で圧す
自身が戦闘で瀕死になると【さらなる増援】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 荒野を行くモヒカン怪人達を蹴散らした猟兵達は、オアシスたる水辺へとたどり着く。
 だがそこは、悪党どもが虐げた人々が生ける屍へと変貌するというデマに怯え、今まさに悪党どもが自らを守るため、人々を殺めようとしていたのだ!
 走れ、猟兵! 自分勝手な考えで水だけでなく、命まで奪おうとする悪党どもへ怒りの鉄槌を落とすのだ!
 キマイラフューチャー世紀末猟兵伝説、第二章、惨劇のオアシス!
 悪党どもよ、地獄で仲間が、待ってるぞ。
神羅・アマミ
水を独占し砦を築くモヒカン怪人たち!
しかし五以上の数は「いっぱい」としか数えられない奴らの残念なオツムでは、生態系に深刻な影響が及んでいるこの世界の恐るべき実態にやはり気づけずにいた!
仄暗い水の底からやってくる怪物とは…そう!鮫・鮫・鮫!
生ける屍に囲まれ恐慌に陥る奴らは、なんと背後から鮫に襲われるという大失態を犯してしまったのだ!
前門のゾンビ、後門のシャーク!
粘土細工のように四肢を容易くもがれ、噴水のように飛び散る血飛沫は阿鼻叫喚の地獄絵図!
果たして猟兵たちに取り分は残されるのだろうか!?

予告ムーブって二章以降もやってええんじゃろか…明らかに悪目立ちしとるじゃろ妾。
でも、皆好きじゃろ?鮫映画。


ウーゴ・ソルデビラ
ズタズタになったバギーや怪人共を見て一言。「ついカッとなってヒャッハーした。今でも反省してない」本物のリゾートじゃなくて怪人の罠だしな。やり過ぎたかと思ったが、そんな事はなかったぜ。

ゾンビが出るなんていつの間にそんなデマが出回ってんだよ。マジで人を殺すってんなら、悪党どもを止めに行かねえとな。善は急げって事で【ダッシュ】で【先制攻撃】。攻撃回数重視の【寝苦露腐悪慈威・有獲奔】で【2回攻撃】すんぜ。いくつか【フェイント】も入れときゃ避けられねえだろ。敵からの攻撃は【野生の勘】と【見切り】で避ける。キマイラ達が巻き込まれそうな場合は【かばう】。こっちが勝っても死人や怪我人が居たら意味ねえからな。


佐之上・権左衛門
【POW】あーすみませんね。 水を頂けますかね?  お代はアンタら悪党の命で。だってこういう所では水は人の命より貴重なんだぜ。そんな水を独占しようとするアンタらに飲ます水はない、ということだ。
戦闘員が数で来るならこっちは「怪力・なぎ払い・範囲攻撃」で蹴散らす感じで。
もしくはUC【全身全霊のちゃぶ台返し】でまとめてふっとばしてみよう。

そういや悪人に人権はないって昔どっかで聞いたけど怪人も化け物も俺等から見たら似たり寄ったりだわ。


四季乃・瑠璃
「要塞かー…壊し甲斐がありそうだね、瑠璃!」(目をキラキラ)
「そうだね、緋瑪…あ、さっき運ぶ時に変なとこ触ろうとしたヒャッハーは黒焦げにしといたよ」(ゲシッと足蹴)

【ダブル】使用。
さぁ、水寄越せー命寄越せーと接触式ジェノサイドボムで容赦なく爆破。
数?まとめて吹き飛ばしてあげるよ!へっ、汚ぇ花火だ~(某王子っぽく)

空に逃げる敵は拳銃で的当てして近寄らせない様にした上で、敵の着地地点に感知式ボムをポイポイ。空中滞空チャレンジ!いつまで飛べるでしょうか♪失敗したらボムでドカンだよー。いつか絶対吹き飛ぶけどねー♪(鬼)

貴方達に水は勿体無い。代わりにコレを飲むと良いよ、と瑠璃のマイデスソースを強引に…。


スピレイル・ナトゥア
なんかもう色々と吹っ切れました!
「せっかく帝国を名乗ったんですから、ここは帝国のひとっぽく攻撃してみるとしましょう。確か、帝国のひとは高いところから攻撃するんでしたよね!」
と言ってもピラミッドはありませんし、ここはバトルドロイドさんに頑張ってもらうとしましょう
「なんとー!」
バトルドロイドさんには質量をもった残像が発生するぐらい頑張ってもらうとしましょう
そして、そのまま私の身体を空高くまで放り投げてもらいます
ユーベルコードがSPDであれば飛行モードの敵を頭上から狙えるのでしょうが、WIZなので地上の敵目がけてフライングボディプレスで攻撃します
「友情パワー全開! これが私たちのツープラトンです!」


エウトティア・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

ヒャッハーに乗ったまま参戦(結構気に入った)
ほれほれ、走るのじゃ、もう少しで目的地じゃぞ

(到着後見回して)
お、スピレイルがようやくやる気になったようじゃのう
さすがわしらの兄妹の中で一番のキレ者(危険な意味で)、吹っ飛んでおるのう(物理的に)
じゃが、あの高さはちと危ないの、強化してやるかの

それにヒャッハーが一緒でな、後方で歌うだけの無害アピールで(ヒャッハーの)安全を確保するのじゃ
無抵抗はヒャッハーを守る武器なのじゃ、グフフ…なんとわしの頭のいいことよ(ドヤァ)

あ、だからと言って「うぬらの笑いで守ってみよ!!」とかドヤ顔で近づいてくると狼の餌食じゃよ?


ライヴァルト・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

(世紀末世界で鎌は無粋。ここは素手で戦うしかないな)
鎌は放り投げるもの!!
(高速回転しながら鎌は敵集団に突っ込んでゆく。怪人達は真っ二つになった!?)
さぁ、お前の罪を数えろ、、!
(何か違う気もするがそれっぽければなんでも良いのだというスタンス)
アタタタタター!
(群がる敵を2回攻撃の手数で殴り倒してゆく。秘孔を突きたいがそんな知識はないのでたまたま当たればひでぶとなる可能性はなきにしもあらず)
む?
(第六感でスピレイルに気づく)
流石は我が妹、考えたな
(戦闘員の足を掴み砲丸投げの要領で振り回し、スピに、投げる!)
これで威力はさらに倍ッ!
ツープラトンならぬスリープラトンアタックよ!!



 何故か整備された城壁、というか砦。
 疲弊しきって痛みを訴えるモヒカン怪人たち。
 そりゃそうだ、だってボロボロにされてバギーまで壊された挙句、7人の猟兵たちを分散しているとはいえ担いでここまで来たんだから。
「く、くそぉおお、こいつらが本当にゾンビになるのか、どうにかできないのかっ!」
 既に内部で混乱が起こってる、ってかキマイラの観光客たちがゾンビになって逆襲だー、とかノリノリで言ってるもんだから、情報が来てなかった働き蜂戦闘員にとってはなにがなんだか分かってません。
 だったら仕方ない、襲われる前にやるしかねぇ、なんて誰が言ったか突如、レジャーなのに武器を構える奴まで現れる始末、なんだこの状況。
「ゾンビが出るなんていつの間にそんなデマが出回ってんだよ。マジで人を殺すのか?」
 大混乱の様相を示している砦を見てウーゴが一言、なんでこうなってるんだと頭をかいた。
 いや、本当にどうしてこうなってしま……
「水を独占し砦を築くモヒカン怪人たち!
 しかし五以上の数は「いっぱい」としか数えられない奴らの残念なオツムでは、生態系に深刻な影響が及んでいるこの世界の恐るべき実態にやはり気づけずにいた!
 仄暗い水の底からやってくる怪物とは……そう! 鮫・鮫・鮫!
 生ける屍に囲まれ恐慌に陥る奴らは、なんと背後から鮫に襲われるという大失態を犯してしまったのだ!」
 ターラッター、なんてテンション上げる様なBGM、それと同時に突如発生するナレーション!
 思わず怪人も戦闘員も、騒いでるキマイラたちも動きを止めて視線を向ければ、そこには和傘の柄をマイクに見立て、すごくノリノリなアマミさん。
「前門のゾンビ、後門のシャーク!
 粘土細工のように四肢を容易くもがれ、噴水のように飛び散る血飛沫は阿鼻叫喚の地獄絵図!
 果たして猟兵たちに取り分は残されるのだろうか!?」
 あぁ、こいつの仕業かぁ……。そうですよね、一章でなんかゾンビアポカリプスなんていってましたもんね。
 あっ、ウーゴも納得いったような顔してますよ、そういやナレーションでそんな事いってたなぁ、って思い出してます。
 あ、それに本編始まってナレーション入れる前に割り込みですか、そりゃ当然ですよね! 一章でもやりましたものね。
 っていうか鮫ってなんですか、ここはオアシスですよ、どうしてそんな場所に鮫なんて出てくるんですか!
「む? でも、皆好きじゃろ? 鮫映画」
 そうですね、ジョー○゛とかすごく有名どころの映画ですし、パロディで床○゛ョーズ、なんてえっちぃものまで作られてるようですし。
「何を言っておるのじゃ、今話題の鮫映画といえば鮫が空を飛び襲い来るアレじゃろ?
 こんな場所に鮫が生息、生態系に影響でるってことは飛ぶぐらいしとるじゃろ!」
 そっちですかぁ! まあこんな場所にいる鮫なんて一度飛んできたとかじゃなきゃ説明つきませんけど、ああ、そうか、飛んできてオアシスに潜んだのか、それなら先の有名どころと後者の有名どころを併せ持つ世紀末なサメっすね!
 あと堂々とナレーション奪ってますよね、第二章でも予告とかナレーションして大丈夫かって?
 イエス、オフコース。
 二章は第二話みたいなものだし、盛大にやって煽ればいいんじゃないっすかね。
「ヒ、ヒィッ。ここにサメがいるってのかぁ!?」
 おっと、働き蜂戦闘員、この場にキマイラな観光客を止めねば為らないためにあえて水辺にサメがいる方向で乗ってきたぁ、しかし大丈夫か、それは相手の土俵に乗ることになるしヒーロームーブを決める面子に襲われるいい理由だゾ。
「悪党どもが、なにしやがる!」
 とりあえずヒーロームーブ、ウーゴが走ったぁ!
 爪とか触手とかメッチャでてる、こっちのほうが悪人ってかクリーチャーじゃないか、でも人助けだから大丈夫。
 異形になっても人々を守る、悲劇を背負ったヒーローだし、問題ないね。
「使えるモンは何でも使うぜ! 寝苦露腐悪慈威・有獲奔」
 右に伸びた触手を警戒、戦闘員が槍を翳して身を守ろうとするがそれはフェイント、沢山手数があるならば目くらましに使う手もある。
 そのまま左側から伸びた爪が戦闘員の右腕部掴めば、力任せにキマイラたちから引き剥がす方向へ……ぶん投げる!
 まさにちぎっては投げ、ちぎっては投げの大盤振る舞い、投げるたびにキマイラたちから歓声が上がり、戦闘員がボロボロになっていくが容赦はしない。
「ついカッとなってヒャッハーした。今でも反省してない」
 あらかた投げて安全確保、キリッとした表情でウーゴさんの宣言。
 いや、反省してくださいよ、ちょっと暴れすぎ、なんて戦闘員が言いたげだが、そりゃ反省してくれるわけないでしょ、ただのレジャー施設で暴れたわけじゃなくあんたらが罠を仕掛けてキマイラたちを洗脳しようとしてたんだから!
「あーお取り込み中すみませんね。水を頂けますかね?  お代はアンタら悪党の命で」
 盛大に投げ飛ばされてく戦闘員、そこに空気を読まず権左衛門。
 水を要求しているがちょっとまてや、水を貰ってついでに代金で悪党の命ってどういうことだ、水も命も奪うのかっ!?
「だってこういう所では水は人の命より貴重なんだぜ。そんな水を独占しようとするアンタらに飲ます水はない、ということだ」
 ふーっと紫煙を口から吹かしつつ、理路整然と理由を述べる。
 なるほど、確かに貴重な水を独占するのは悪人だ。
 しかしまってほしい。悪党を否定しているが命より水が大事って、アンタも大概酷いこと言ってません? いや言ってるよな!
 水は要求する、相手の命も要求する、そのうえ命より水が大事、と悪人的要素が3拍子も揃ってますよおにいさん!?
「ヒャッハー、そんな要求なんざのめねぇぜ、イーッ」
 あっ、戦闘員がきれた。
 折角作った世紀末ランドをナレーションで上書きされて、仲間が投げ飛ばされて、挙句理不尽な要求されてたからきれるのも仕方ないね。
「お前の方が悪人だ!」
「命を何だとおもってる!」
「水を独占しようとしてるのはお前の方だろ!」
 至極まっとうな反論だぁ! 戦闘員の正論に対し、悪人ムーブな権左衛門、どうする、どうやって反論する!?
「やってられっか。こんちきしょおぉーーーーっ」
 あっ、キレた、逆ギレじゃないか!
 唐突に出現したちゃぶ台、上には湯飲みとかお盆に乗った煎餅とかあるのにまったく躊躇い無くちゃぶ台返しをぶちまけたぁ!
 ガシャーン、とかバリーン、とか派手な音をたてながら乗ってる物品は吹っ飛ぶわ、ちゃぶ台がぶつかるわで大惨事、戦闘員くん、吹っ飛ばされたぁー!
「てめぇら悪人には人権なんざねぇんだよ。昔どっかで聞いたから間違いない」
 ドヤ顔で決めた権左衛門、これは決まりました。
 だが彼は、こうも思った。
 悪人に人権など無い、だが自分たちから見れば怪人も化け物も似たり寄ったりだ、と。

「ちょっとー、いい具合で締めっぽい台詞だけどまだ要塞爆破してないよ」
 ひぃっ、なんて物騒な。
 折角綺麗に終わったように見えたんで無事だった戦闘員が安心してたのに容赦のない緋瑪さんだ。
「壊し甲斐がありそうだしね、瑠璃!」
「そうだね、緋瑪……あ、さっき運ぶ時に変なとこ触ろうとしたヒャッハーは黒焦げにしといたよ」
 えっ、ちょっとまって、知らない間に運搬係やらされてた可哀想なヒャッハー怪人が爆破されて足蹴にされてるんですけど。
 いやいや、彼はセクハラなんかしようとしたわけじゃないですよ、運ぶときに偶々、ちょっとダメな場所に手が伸びかけ……。
 いや、やっぱりやめておこう、弁護したら私まで黒焦げにされそうだし。
「さぁ、水寄越せー命寄越せー!」
 分身状態で暴れまわる緋瑪さん、やっぱ一章から変わってないけどあなた悪人ですわね。
 アトラクション担当に近かったモヒカンとは違って、実際に殺傷力持ってる戦闘員相手だからと容赦はなし。
 あっちでドーン、こっちでドーン、ドンドンドドンと爆破に次ぐ爆破、勿論要塞の壁なんてあってない様なもの、っていうか二人とも、壁ごと爆破で遊んでます。
「ギィイイ、に、逃げろっ」
 あ、ついに耐えられなくなって戦闘員が空中に逃げていく。
 だがそれすらも二人にとってはシューティングゲームみたいなものだった。
「空中滞空チャレンジ! いつまで飛べるでしょうか♪ 失敗したらボムでドカンだよー」
 緋瑪さん、ひどい。
 飛べる時間に限界があるからって着地予定地点にドンドン爆弾投げ込んでますやん。
 瑠璃さんも一緒になってまとめて吹き飛ばすって、あんたらは鬼か!
「も、もう無理っ! アーッ!」
 あっ、ついに限界を迎えた戦闘員から着地と同時に爆発してる。
 綺麗にふきとんでるなぁ、なんて思ったら『汚ぇ花火だ~』なんて二人してハモって言ってるしやっぱり鬼だよ。
 え? 鬼じゃない? どこかの王子様? いやいや、ご冗談を。
 いつか絶対着地するのが分かってるから、追い掛け回して着地地点に爆弾を設置とか鬼畜にも程が……。
「貴方達に水は勿体無い。代わりにコレを飲むと良いよ」
 あっ、倒れた相手にも優しさを見せてくれるんですね、鬼畜なんて言ってごめんなさい。
 そっと戦闘員の口元に、どこからか取り出した瓶の口を当てて中身をゴクゴクと飲ませる瑠璃さん、やさし……。
「ごぶふぁぁ! ぐ、いー……」
 あっ、戦闘員が口から何か赤い液体を吹き出して本当に動きを止めたっ!?
 うおっ、なんかすっごく目が痛くなるような匂いするし、これは一体なんなんだ!?
 別の戦闘員が訝しがったら、あっけらかんと答えてくれた緋瑪。
「ん? これは瑠璃のマイデスソースだよ♪」
 アカン、そんなもの瀕死の状態で飲まされたらトドメになるやないか、介錯したようなものやん。
 やっぱり悪人だ、いろいろと世紀末、もとい末期やないか。
 恐怖に残る戦闘員が思わず逃げ出そうとするが、そんなものが許されるはずがない。
「腐れ外道どもが、人々の命を奪おうとするとはその罪、許すまじ!」
 あーあ、ついに見つかってしまったか。
 ちょっと遅れてたライヴァルトさん、戦闘員ってか悪人に対して容赦の無い救世主ムーブ。
 そんなやる気になったのを遠巻きに眺めてるのはエウトティア、ほかの面々が乗り捨てたヒャッハー怪人に何故かまだ乗っかってるあたり、どうやら移動手段として気に入っちゃった模様。
「ほれ、しっかりせんか。気合を入れて走らねば、別のヒャッハーに乗り換えるぞ?」
 乗り捨てられたあと、ボロキレみたいにされたり爆破された仲間を見ていたヒャッハー、全力で頷いてエウトティアさんの要求にこたえてる。
 酷い、酷すぎる、なんて人だ、ヒャッハーに人権なんて……なかったな。
「鎌は鎌は放り投げるもの!!」
 あ、そんなこと言ってたらライヴァルトさんが鎌を投げ飛ばしてた。
 うん、世紀末世界では拳で殴りあうものね、でもどうしたのかな?
 めっちゃ、鎌の起動が空を飛んでる戦闘員に向けて伸びてるのは。
「アビャーッ!」
 あっ、当たった、羽に当たって落下してるのが何人かいる。
「さぁ、お前の罪を数えろ……!」
 うん、それは通りすがりの人がいう台詞じゃないかなぁ。
 なんて思ったら、突如すごい勢いで、素手で突きまくっていくぅ!
 アタタタタ、なんて雄叫びと共に手数を重視した連続突きだぁ!
 何か怪しいツボをついて一撃必殺、とかにはならないけれど、そんな勢いで何度も殴られてたら一撃必殺の弱点を突かなくても普通に死んでしまうと思うのは気のせいでしょうか?
「もういろいろと吹っ切れました!」
 ん? あっ、あそこにいるのは!
 あまりに酷い世紀末ムーブ、というか末期的ムーブ。
 みながノリノリでやりたい放題やってる中での良心枠(だった気がした)スピレイルさんがついに振り切れてしまったぁ!
「あまりに酷き世紀末、その惨状に、ついに彼女の心も荒野の如く荒れ果てたのじゃ!」
 ちょ、アマミさん、ナレーションで煽りを入れるのは!?
「ナトゥア帝国、その秘密が今明かされる♪」
「その正体に、戦闘員たちは戦慄するよ!」
 ああ、緋瑪さんに瑠璃さんまで煽ってるよ、こりゃダメだな。
「せっかく帝国を名乗ったんですから、ここは帝国のひとっぽく攻撃してみるとしましょう。確か、帝国のひとは高いところから攻撃するんでしたよね!」
 すごい気合をいれてスピレイルさん、バトルドロイドを招集。
 そのまま質量を伴った残像……いや、それは熱が酷くて色んなものが剥離してそう見えるだけの副産物であって、あくまで欠陥な気がするオプションついてるロボットの如く思いっきり酷使して走らせてるよ。
「なんとー!」
 ドロイドの加速、そこから抱えたスピレイルを上空目掛けて放り投げる、そこには加速の勢いと投擲の勢いを加えた、強烈な足し算が加わっていく。
「お、スピレイルがようやくやる気になったようじゃのう
 さすがわしらの兄妹の中で一番のキレ者、吹っ飛んでおるのう」
 そんな様子を離れた場所から、いつの間にか用意した手綱をモヒカンにくくり付けて眺めていたエウトティア。
 そうですね、あなたの言うとおり、危険な意味でキレ者、物理的に吹っ飛んでますね、今現在。
「じゃが、あの高さはちと危ないの、強化してやるかの。風よ、勝利の歌を!」
 あっ、これは優しいですね、落下の衝撃に備えて強化してあげるとは流石お姉さん。
 引き連れてる、というかライドオンしてるヒャッハーを守る、無害な存在が後方にいるだけ、ってアピールも兼ねているとは!
「無抵抗はヒャッハーを守る武器なのじゃ、グフフ……なんとわしの頭のいいことよ」
 前言撤回、この人やっぱただの腹黒ですやん。
 しかもよく見たら狼がいつの間にか側にいるし、下手に近づいていったら逆に酷い目にあわせてきますやん、なんて人だ。
「む? 流石は我が妹、考えたな」
 そんな腹黒いお姉さんの援護の最中、同時にスピレイルさんの異変、もとい吹っ切れに虫の知らせ、もとい敵の働き蜂戦闘員が立ったまま意識を失った辺りで蜂の知らせっぽい異変に気付いたライヴァルト。
 空を見遣れば視線の先には、空中高く放り上げられたスピレイルの姿が見えた。
「流石は我が妹、考えたな」
 妹、スピレイルの意図を察したライヴァルト。
 立ったまま気絶していた戦闘員の脚を掴んでジャイアントスイング、周囲の戦闘員をその勢いで吹き飛ばし、上空のスピレイル目掛けて放り投げれば激励の一言を。
「これで威力はさらに倍ッ! ツープラトンならぬスリープラトンアタックよ!!」
 この武器を使え、と言わんばかりに投げ飛ばしたライヴァルト。
 いや、確かに戦闘員は質量になるんで威力は上がると思いますけど武器じゃないし投げてどうにかするようなものでは……いや、考えるのはよそう。
 そんな中、空中高く飛び上がり最高点で一時停止、ようやく落下が始まるであろうスピレイルの元へ飛んできた戦闘員。
 がっしりその首根っこを掴み、自分の下へと移動させまるでサーフボードに乗るかのように姿勢を直せばあとはそのまま、質量と重力加速が合わさった一撃が。
「お兄様、お姉様、二人の思い、受け止めました! 友情パワー全開!
 これが私たちのツープラトンに、お二人の思いが加わった……フォープラトン、といったところでしょうか!」
 徐々に勢いを増していくその攻撃、落下地点にはウーゴが投げ捨てた戦闘員や爆破されてボロボロになってた戦闘員。
 それらを介抱しようと集まってた他の戦闘員が多数存在する一番ヤバイ場所であり……異変に気付いた戦闘員が空をみたが既に後の祭り。
 バコーン、と派手な衝突、スピレイルの戦闘員を伴ったフライングボディプレスが炸裂し凄まじい衝撃が。
 ドサクサ紛れに緋瑪と瑠璃が爆破までしたもんだから落下の衝撃に併せて爆破炎上、多数の戦闘員が黒焦げになって吹っ飛んでいけば地面にできるクレーター。
 もうもうと上がる爆煙の中、一人佇むスピレイルの姿はあれだ、もうラスボスみたいなものであろう。
 そんなトドメの一撃なんか受けた日にゃ、戦闘員なんてひとたまりも無い。
 生き残ってた戦闘員も、水辺にはサメがいるなんて戯言を信じちゃって逃げるしかなく、蜘蛛の子を散らすかのように動ける連中は逃げ出していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『海神ポセ男』

POW   :    ヒッポカムポスわっしょい
自身の身長の2倍の【金色のたてがみをもつ海馬の引く馬車 】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    クロノス激おこ
【触手の先】を向けた対象に、【麻痺状態にする電撃】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    アムピトリテさまさま
【毒を持つ蟹足】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はレド・ダークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ついに姿を現した、オアシスの支配者ポゼ男!
 人々がゾンビと化し、数多のサメすら生息する恐るべき水域を統べるその実力は如何ほどなのか!?
 逃げ出した戦闘員など歯牙にもかけず、猟兵たちを見下ろす強敵を前に、猟兵たちは己が奥儀を持って立ち向かう!
 さあ、語ろう。世紀末を駆け抜けた英雄たちの物語を。
 キマイラフューチャー世紀末猟兵伝説、第三章、死闘の果てに!
 悪党よ、地獄に導く星は見えたか?
神羅・アマミ
悪の栄えた試しなし、ついに残るは怪人一体!
だが如何に地上を掌握しようとも、所詮は重力の井戸の底に囚われた蛙。
宇宙という大海に住まう知的生命体の存在を目の当たりにすることで、今まさに真の恐怖を知ることとなる!
水ならシャーク、陸ならゾンビ、ならば空にはエイリアン!?
遥か上空より突如飛来する未確認巨大怪物体!
目映いばかりに青白い光を放ち、人々を、ゾンビを、鮫を、ボス怪人を次々とアブダクションしていく!
「ついに現れやがったか、真のラスボス!今日を新たな独立記念日(インデペンデンス・デイ)にしてやるぜ!俺たちの本当の戦いはこれからだ!」
ご愛読ありがとうございました!
猟兵たちの新たな活躍にご期待ください!


四季乃・瑠璃
瑠璃「これは…!」
緋瑪「まさか、こんな事が…!」
二人「「蛸足!蟹足と爪!フカヒレ!ヒャッハー!海産物食べ放題だ~!」」
翡翠「あ、顔はキモいから潰そうね」

【ダブル】使用。更に切り札、
シスターズ起動。
ご紹介します。第三人格の翡翠ちゃん(in人形)です。
これで火力は3倍ボム3倍!

とりあえず、爆弾で漁するみたいに水の中にボム大量に放り込んで炙り出しつつ、陸揚げしたら三人で燃焼(ナパーム)使用にボムを切り替え。投げつけてこんがりさせつつ、ダガーで解体を…。
し世紀末の世界だと、この怪人、ご馳走だよねー。
やら瑪「世紀末は弱肉強食…弱い者は食べられるんだよ…」(意味違)


ウーゴ・ソルデビラ
ヒャッハーに、ゾンビに、サメと来たか。なんだか闇鍋みたくなって来たな。次はホッケーマスクの殺人鬼か、光学迷彩の宇宙人辺りが増えんのか?どの道あのイカゲソ(ポゼ男)をぶっ殺せば終わるみてえだけどな。

好き勝手暴れたけど、親玉をぶっ倒してヒャッハーのすくつ(リゾート)を潰すのは忘れてないぜ。先手必勝って事で【先制攻撃】。【ダッシュ】で間合いを詰めて、【命中重視】の【寝苦露腐悪慈威・有獲奔】で【2回攻撃】。その内一回は【フェイント】。相手の攻撃は【見切り】と【野生の勘】で躱す。戦いが無事に終わったら、怪我したり体調を崩したキマイラを救護してから帰る。


スピレイル・ナトゥア
「ちょ……私、そんなに重くないんですけど!?」
それにしても、「なんとかのつっぱりは~」って言ったり牛丼を食べたりしておくべきだったでしょうか
あと、お兄様たち!
プロレスだとフォープラトンは(たぶん)反則ですからね!

「モンスターじゃないですか!」
こういう場合のボスって、普通は人間じゃないんですか!?

どこかの王国の勇者のような、炎の剣を中心にした3種の神器で汚物を消毒します
「みんなの、平和のために――!」
よくよく考えたら世紀末っぽいことをしていなかったので、お姉様の真似をしてポセ男の首を土に埋めるとしましょう
「その木の下で告白したカップルが幸せになれるような、ポセ男の木がきっといつか芽吹くはずです」


エウトティア・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

兄様の救世主ムーブをお助けするのじゃ。
無○転生的なムーブに合わせて、【蜃気楼】を発生させ兄様の分身を作るかのう。
後は適当にそれっぽい解説をつけて盛り上げるのじゃ。

(無○転生に驚愕した様子を見せて)
兄様、やめるのじゃ!固有名詞を出すのは世の理(著作権法)に反する行いじゃ!
兄様だけでなく、世界に影響を及ぼすのじゃ!
くっ、仕方ないのう。どうにか世界への影響を抑えるてみるかのう。

(膝を突いて手を組み目を閉じて祈る)
…地の文の精霊よ…何か上手い具合にアレして著作権に引っかからないようにするのじゃ…(と丸投げする)


ライヴァルト・ナトゥア
【獣人同盟】で参加

おぞましき者よ。我が青の拳を受け、蒼天へと登るがいい、、、!
(特に意味はないが攻撃を受けた際に夢想●生的なムーヴで避ける。そして背後から声をかける)
うぬを待つ未来はもうありはしない。何故ならば、貴様のその胸には既に破滅の星が見えているからだ
(蒼いオーラを纏って左の狼の手を振りかぶる)
苦しまぬよう一瞬で送ってやる。我が拳にて天に滅せよ!!
(ティアの心配に)
心配するな。これはパ◯リではない。リスペクトだ
俺は何も悪いことはしていない。俺が正義だ!
(今こそ常識を投げ捨てる時!!全てを投げ打って最後の戦いに挑む)
撃って来るがいい。その時が、うぬが地に伏せ、最後を迎える時だ、、、!



「ちょ……私、そんなに重くないんですけど!?」
 えっ、開口一番、クレームですかスピレイルさん?
 そりゃあ、フライングボディプレスなんて質量第一な大技使うんだったら重たく……いえ、ナンデモナイデス、怒らないで。
「気にするな、スピレイル。協力の結果だ」
「そうじゃ、スピレイル。我らの力を示せたと思えば安いもんじゃろ」
 微妙に不味い空気を誤魔化そうと、兄と姉、ライヴァルトとエウトティアが言葉をかけるがそもそも、お二方のサポートが原因じゃないっすかねぇ?
「何言ってるんですか、お兄様たち!
 あとプロレスだとフォープラトンは(たぶん)反則ですからね!」
 やっぱり、スピレイルさんも分かってましたね、最後の一撃の協力技が反則っぽかったことを。
 なんとかのつっぱりが~、とか言い出して牛丼を食べてる時間もないままに、世紀末じゃなくて王位を争奪しあうような何でもアリなプロレスになってたものね、仕方ないね。
「それにしても……相手はモンスターじゃないですか!」
 えっ、こういう場合のボスは普通は人間だって?
 うぐっ、そ、そんなこといったって、こやつがフラグメントボスで出て来ちゃったんだもん、仕方ないじゃないか!
 メタいって? 地の文だからな、色々と許されるのですよ、多分。
「しっかし、ヒャッハーに、ゾンビに、サメと来たか。なんだか闇鍋みたくなって来たな。
 次はホッケーマスクの殺人鬼か、光学迷彩の宇宙人辺りが増えんのか?」
 コキコキと首を鳴らしてこのカオスな状況を省みたウーゴ、まあ開幕から途中のナレーションで色々とカオスになってきたし、殺人鬼とか宇宙人がナレーションで語られても不思議ではないですね。
 あ、私はホッケーマスクより包丁を逆手で持って、無言で迫りくる奴が好みです。
 そんな中、ウーゴの宇宙人、なんて発言で一瞬動きが止まった人がいた。
 それはこのカオスな世界を加速させてきた張本人、第一章からずーっとナレーションを奪い取ってるアマミさんです。
 あっ、宇宙人なナレーションが入るんだ、って思ったウーゴ。
 何故宇宙人を言うと分かった、みたいな空気なアマミ。
 微妙な沈黙、しかし押し切って悪目立ちしてナンボだ、ナレーションが始まりますよ!
「悪の栄えた試しなし、ついに残るは怪人一体!
 だが如何に地上を掌握しようとも、所詮は重力の井戸の底に囚われた蛙。宇宙という大海に住まう知的生命体の存在を目の当たりにすることで、今まさに真の恐怖を知ることとなる!
 水ならシャーク、陸ならゾンビ、ならば空にはエイリアン!?
 遥か上空より突如飛来する未確認巨大怪物体!
 目映いばかりに青白い光を放ち、人々を、ゾンビを、鮫を、ボス怪人を次々とアブダクションしていく!」
 なんということ、陸海を支配する恐怖の存在を語るだけではなく、さらには空、単なる空の怪物ではなく、宇宙からの侵略者がやってくるというのか!
 って待て待て待て待て!
 一般人はわかる、ゾンビも巻き込まれてるからまあわかる、鮫(!?)は資源調査なら何とかわかる、ボス怪人までなんでアブダクションするねん、話が終わってしまうやないか!!
「ついに現れやがったか、真のラスボス! 今日を新たな独立記念日(インデペンデンス・デイ)にしてやるぜ!」
 和傘を畳んで、先端を地面に突き刺し空を見上げてアマミさん。
 やってくる(であろう設定)のエイリアンに対して強烈な宣戦布告、これより反攻作戦の開始だと鼓舞すれば、なんやかんやで砦回りで観戦していたキマイラたちから、いいぞいいぞの大歓声。
 これはすごい、ボス怪人のポゼ男はほったらかしだけど仕方ない、世紀末の支配者がなんかモンスター、とかよりも宇宙からの脅威の方がスケールが大きいものね。
 だがしかし、綺麗なナレーションで盛り上げるだけがアマミさんだったか?
 何かこう、いやな予感が……する、ような?
「俺たちの本当の戦いはこれからだ!」
 ちょっとまって、なんで話が変わってるんですか!?
「ご愛読ありがとうございました!
 猟兵たちの新たな活躍にご期待ください!」
 高らかな宣言、そして見開きページ、つまり2ページ分の大きい原稿使っての大判イラストが掲載されそうなその文言って……。
 打ち切りエンドになった漫画じゃないですか、ヤダー!
 主人公が謎の坂を駆け上がっていく、まだまだこれからだって言うくせに連載が終わっちゃったりする、それでいてさっきの設定山盛りの語りって。
 打ち切り決定した漫画が最後の連載で、コマ割り滅茶苦茶細かくして本当は回収するはずだった設定を延々とねじ込んで無理矢理終わらせる。
 悲劇的ってか喜劇にされてる剣をマスターしてるすごく巨大な戦艦の名前と同じ名前な主人公な漫画っぽいラストじゃないですか!
「よし、終わりじゃな。皆、お疲れ様じゃ。打ち上げには何が良いかの?」
 いやいやいやいや、エンディングにしないで!?
 まだまだポゼ男の出番とかあるし、これで終わりとか本気で打ち切り作品みたいだからやめて!?
「あのー、自分、そろそろいいっすか?」
 あーもう、ほらー。今まで突っ立ってるだけだったポゼ男が空気だったせいで、ボスなのにまったく風格のない、とっても下手から質問してきちゃったじゃないですかー。
 ちょっと、誰か、打ち切りエンドじゃないって証明して!
「これは……!」
「まさか、こんな事が……!」
 お、やった! 瑠璃さん、緋瑪さん、分身してた二人がやっとポゼ男に対抗するムーブ。
 いいよいいよ、これぞ強敵に立ち向かう、そんな盛り上がる空気ですよね!
「「蛸足! 蟹足と爪! フカヒレ! ヒャッハー! 海産物食べ放題だ~!」」
 二人して何言ってるんですか、折角の空気がぶち壊しじゃないですか!!
「あ、顔はキモいから潰そうね」
 ちょ、いきなり出てきたお人、あなた誰ですか!?
 え? なんですって、実はまだいる、第三の人格の翡翠ちゃんですか。
 ほうほう、人間と判別がつかない程に精巧で、人格を宿すことで自立行動可能な人形さんなんですね。ご丁寧にどうも。
「これで火力は3倍ボム3倍!」
 あかん、よく考えたら増えた分だけ爆破するやん。
 今までも盛大に爆破してたのに、これ以上爆破要員が増えたら跡形もなく世紀末リゾートが破壊されてしまうっ!
「いや、潰して問題ねーだろ。親玉をぶっ倒してヒャッハーのすくつを潰すまでがお仕事、だろ」
 そうでした、そうだった。
 ウーゴさん、ありがとう。皆が好き勝手ハジけてるから、本質を見逃すところだったよ。
「つーわけで、先手必勝! 寝苦露腐悪慈威・有獲奔!」
 酷い、ナレーションとかでどうしようか困惑してただけで、まだ何もやってないポゼ男さんなのに!
 情け容赦のない、ウーゴの触手がポゼ男に絡みつき、同時に伸ばした爪が触腕を貫き引き裂く!
「ぎやぁあああ!? まってまって摩天楼、いきなり攻撃卑怯です!」
 あぁ、無視された挙句に奇襲されたら、そりゃあねぇ……。最後、微妙に敬語になるのも仕方ないよねぇ。
 触手をフェイントに使ったのに、それも普通に当たってしまってちょっと困惑しつつ、ウーゴの攻撃は続くので仕切り直しとポゼ男、ちょっと大きめの池へとダイブ。
「水に逃げたな、これは爆破漁だー♪」
 ノリノリの多重人格者チーム、緋瑪を筆頭に瑠璃、翡翠が続いて池の中へと容赦のない爆弾投擲。
 ボンボンボンと轟音響かせ水柱が幾つも上がれば、水中はもう阿鼻叫喚の地獄絵図。
 爆破の衝撃で変な水流ができたり、池の湖底がえぐられ巻き上がったりで綺麗な水が一気に濁れば、たまらず飛び出すポゼ男。
 打ち上げられてビチビチ跳ねるその姿は、釣り上げられた魚のよう。
 こいつは酷い、だが腐ってもなんとやら。
 タコ足生かして姿勢を正し、ボスの威厳とやらで猟兵を打ち倒さんと本気を出した怪人が迫り来る……!
「クロノス激おこ! 不意打ち厳禁、全員倒してやりますわっしょい!」
 叫びながらに触手を向ければ、先端部より放たれる電撃。
 攻撃を予想していた多重人格爆破シスターズ()とウーゴは飛び退き回避、しかしポゼ男の狙いは二人だけでなく、後方に立っていたライヴァルトも狙っていたのか別の触手からの電撃が。
 だがしかし、その電撃が命中した、そのはずなのに。
 先ほどまでライヴァルトが立っていた場所には誰もいず、電撃受けて焼け焦げた地面がそこに残るだけ。
 どういうことだ、と訝しがるポゼ男、ゆっくりと周囲を警戒して進もうとするが背後より迫る、強烈な殺気にようやく気付いた。
「おぞましき者よ。我が青の拳を受け、蒼天へと登るがいい……!」
 エウトティアが生み出した蜃気楼、それに紛れて歩み寄るはライヴァルト。
 滑るように歩を進めれば、まるで幾人にも分身したかのような錯覚を見る者へ与えていく。
「うぬを待つ未来はもうありはしない。何故ならば、貴様のその胸には既に破滅の星が見えているからだ」
 えっ、ちょっとまって、この動き、そしてその台詞、色々とやばいですよおにいさん!
「苦しまぬよう一瞬で送ってやる。我が拳にて天に滅せよ!!」
 蒼き狼、そのオーラを身に纏って徐々に、蜃気楼の残像と共に包囲を狭めるライヴァルト。
 うん、やはりその動きは……。
「兄様、やめるのじゃ!固有名詞を出すのは世の理に反する行いじゃ!
 兄様だけでなく、世界に影響を及ぼすのじゃ!」
 おっとぉ、ここでヤバさに気付いたエウトティア、理っていうか著作権法という怖い制限に関してお兄様を止めに入った!
「心配するな。これはパクリではない。リスペクトだ。俺は何も悪いことはしていない。俺が正義だ!」
 うっわぁ、言い切っちゃったよお兄さん。
 確かにまんまじゃないしそれを再現というか、似たような別物にするスキルですけど正義までいくといいすぎじゃないかな!?
「くっ、仕方ないのう。どうにか世界への影響を抑えるてみるかのう」
 おっと、お兄様が止まらないからとエウトティアさん、一気に押さえ込みにかかるのか。
 地面に膝つき、両手を組んで瞳を閉じれば、祈りの声が聞こえてくる。
「……地の文の精霊よ……何か上手い具合にアレして著作権に引っかからないようにするのじゃ……」
 ちょっとまて、丸投げですか!?
 今まで盛大にやってきたお兄さんと姉妹なのにここにきてさらに丸投げとかこっちを何だと思ってるんです!
 まるでそんなユーベルコードがあるみたいに、祈りの言葉と効果を期待するなんて……!
 ええい、ままよっ! ならばやってやる、やってやるぞぉ!
 でもさぁ、これってさぁ。『謎を喰らう触手の群れ 』ってコードを改造してさぁ。
【著作権法に触れるかも、という恐怖】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【地の文章を司る、マスターと呼ばれる精霊】から、高命中力の【修正され物質化した言葉】を飛ばす。
 ってユーベルコードじゃないっすかねぇ?
 妹さんの、スピレイルさんが『土の精霊は断つ』ってコードを持ってるから『地の文精は書す』って感じのコードになってませんかね?
「みんなの、平和のために――!」
 あっ、そんなこと言ってたら知らぬ間にポゼ男がスピレイルの炎の剣に切り刻まれてる!
「落としたハサミも使わせてもらうぜ!」
 ついでにウーゴさんも、切り落とされたハサミを自分の触手で掴んで突き出し、ポゼ男に突き刺してるし。
「ナパームボムだー、丸焼きだー」
 多重人格姉妹、今度は燃焼性の爆弾で燃やしてる。
「今が、うぬが地に伏せ、最後を迎える時だ……!」
 ちょっと出遅れたライヴァルトさん、狼のオーラを纏った拳を突き出し腹部を貫き致命の一撃。
「ごぶぅ、まだ何もしてな……」
 あまりに酷い、見せ場なんてなかったポゼ男が呟けば、それを遮る和傘のフルスイングが。
「番組はここで打ち切りじゃ! 次の番組に、乞うご期待!」
 アマミさん、番組終了のナレーション。
 斜め四十五度にて吹っ飛んだポゼ男、哀れ殆ど抵抗できずに倒れ付し、この世紀末ワールドの支配者は打ち倒されたのだ……!

「世紀末は弱肉強食……弱い者は食べられるんだよ……」
 緋瑪さん、ダガーを持って倒れてこんがり焼け切ったポゼ男を解体中。
 どういう意味で食べられるか、ちょっと意味深にいってましたけど普通に解体して食べられる、ってことですよね、きっとそうでしょう? そうにきまってる。
 それはさておき、先ほど、顔以外は食べるって3人、もとい3人格で言ってましたけど流石にスプラッターじゃないですか?
 ちょ、顔がキモイからって切り飛ばして踏むのはやめなさい!
 そんな踏まれて蹴られて哀れなポゼ男の首級、情けを見せたかスピレイルがそっと抱えて歩を進め、離れた場所へと埋めていく。
 ああ、なんとお優しい、敵に対しても情けをかけてくれるのですね、色々といいましたけどやっぱりいい子で……。
「その木の下で告白したカップルが幸せになれるような、ポセ男の木がきっといつか芽吹くはずです」
 前言撤回、この娘も世紀末ムーブを最後にやってきやがった。
 お姉さまが種籾をモヒカンヒャッハーに蒔いていったんで、自分も真似をするようにやってますけど同じだからね、酷さは!?
 芽吹くさ、きっと……とか言わないからね!?

 そんなこんなで荒れ果てた砦で食事をする多重人格者チーム、色々な技を披露して観客を盛り上げてた獣人同盟の兄姉妹。
 そして煽りに煽ったナレーションで期待を高めて面白さをアピールしていたアマミさん。
 あまりに酷い、盛り上がりすぎて爆発やらなにやらの影響で、ちょっとはしゃいで興奮しきったキマイラたちを落ち着かせつつ。
 しっかりと仕事をこなしていたウーゴは、どうやって収拾するんだ、この盛り上がりとカオスな展開は……と思ったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月01日
宿敵 『海神ポセ男』 を撃破!


挿絵イラスト