取引場所はショッピングモールで
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アポカリプスヘルのとあるショッピングモール。その外で、何やら不穏なやり取りが繰り広げられていた。
「あなたはクライアントなのだから、わざわざここまで来ていただかなくても良かったのよ?」
申し訳なさそうに話すのは、四つ這いにさせた自我のないゾンビの背に座る一人の女性。彼女もまたゾンビではあったが、しかし彼女には自我があるようだった。
彼女の職業はズバリ奴隷商人だ。今回ここに来たのも、とある依頼で新たな奴隷を捕まえるためだった。
そしてその依頼主こそ、奴隷商人の前に立つ白衣の女性だった。
ドクター・ドミレイオン。そう称された彼女は、紛れもないマッドサイエンティストだった。
「私は、自分の目で見た物しか信用しない質でね。邪魔にならないよう外で待っているからさ」
だからこの通り、と手を合わせ頭を下げるドミレイオン。それを見て奴隷商人ははぁと小さく溜息を吐いた。
「クライアントに頭を下げられてはこちらの面目がないわ。頭を上げて頂戴」
「ふふ、ありがとっ」
頭を上げたドミレイオンは、奴隷商人に軽やかな笑いを返した。どうやら二人にとって、このやり取りは茶番らしかった。
この世界らしくない穏やかな空気。そんな中奴隷商人は「それじゃあ」と奴隷から腰を上げた。
「私は仕事に行ってくるわ。貴女に何かあっては困るから、一応護衛を付けておくわね」
とはいえ売れ残りの粗悪品だけど、と付け加える奴隷商人。奴隷を引き連れてショッピングモールに向かう彼女に、ドミレイオンは「気を付けてねー」と大きく手を振って見送った。
(依頼人に見送られて仕事に行くなんて、不思議な感覚ね)
でも悪くない。口元に小さく笑みを浮かべ、彼女はそう思うのだった。
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「アポカリプスヘルの拠点(ベース)が今危ない状況にある」
集まった猟兵たちに告げるクラム・ドグマ(黒い読書家・f03711)。手元の本を読みつつ、猟兵たちに予知の内容を伝えていく。
「近々、アポカリプスヘルの拠点(ベース)になっているショッピングモールが襲われるらしいんだ」
何でも、奴隷商人であるオブリビオンがショッピングモールにいる人々を奴隷として拘束し、連れ帰るのだとか。中にはゾンビにされてから売られる者もいるという。想像するとゾッとしない話だ。
「そのオブリビオンは、自分の奴隷を使って襲ってくる。みんなには、ショッピングモールの人たちをそいつから守ってほしいんだ」
とはいえ、彼らは仮にもアポカリプスヘルの住人だ。猟兵が戦っていれば、一緒に戦うことは出来なくとも、オブリビオンから逃げるくらいのことは出来るはずだ。
「だから安心してオブリビオンとの戦闘に挑んでほしい。みんなは拠点内の、奴隷商人のすぐ近くに転移するはずだ。転移したらすぐに戦闘だと思ってね」
そしてどうやらショッピングモールの外には、奴隷商人に依頼をした別のオブリビオンもいるらしい。拠点内での戦闘が終わったら、そちらの始末もしなくてはならない。
「拠点内には至る所にオブリビオンの奴隷がいるはずだ。くれぐれも油断しないようにね」
猟兵たちに告げ、クラムは赤く浮かぶグリモアをそっと手のひらに乗せる。ゆっくりと回り始めたグリモアは、猟兵たちを包み込んだ。
くらげ屋
初めまして。或いはお久しぶりです。くらげ屋です。
今回は初のアポカリプスヘル。全編戦闘のシナリオです。
第一章ではゾンビの奴隷商人との戦闘です。OPにも述べた通り他のお客さんのことは気にしないで良いので、頑張ってオブリビオンを倒してくださいね!
(注)
くらげ屋はプレイングに記載が無くともアドリブや他のキャラクターとの絡みを行います。
文字数が限られていますので、それらがOKだという方はその事を記載しなくても構いません。
もしNGだという方はプレイングの最初に「×」と記載していただければそのようにリプレイを書きますので、お願いします(どちらかのみがNGだという方については「ア×」もしくは「か×」のようにお願いします)。
長くなりましたが、以上になります。
皆さんのご活躍を期待しています。
第1章 ボス戦
『🌗屍商人』
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POW : 【屍商の調教】貴様は私の商品よ
【皮膚を抉り、ゾンビ化薬を注入する特殊弾丸】【戦意を削り折る、鞭による鋭い高速殴打】【心を犯し、自身への隷属と服従を強いる首輪】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD : 【屍商の遊戯】あぁ、なんて心地よいのでしょう
戦闘力のない【ゾンビ化爆弾を体内に仕込まれた奴隷たち】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【自動で爆弾が起爆し、奴隷たちの悲鳴と絶望】によって武器や防具がパワーアップする。
WIZ : 【屍商の命令】ご主人様の言うことには絶対服従よ
【商品の中】から【敵のレベル体の奴隷と戦闘用大型ゾンビたち】を放ち、【調教による狂気染みた忠誠からくる攻撃】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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拠点内。買い物をする者は大勢だ。
奴隷商人は見定めるように辺りの客を見渡す。
「さて、誰を連れて帰りましょうか……あら?」
奴隷商人が感じた違和感。かすかな気配の方に視線を向ければ、そこには血の気が多そうな猟兵たちの姿があった。
「あらあら、仕事の邪魔をするのね? それじゃあまずは、あなたたちからにしましょうか」
彼女は不敵に笑った。
ニティタ・キホーテ
うー、初めての実戦だべ緊張すっぺなぁ……いや、私は騎士。騎士になるんだ……ユクゾー!
「そこまでだ悪党! この正義の騎士ニティタ・キホーテの名の下に成敗してくれる!」
名乗りと共に巨大化! 踏み込んで、両手剣を振り下ろす! この大きさ、重さ、それ自体が私の最大の武器だ。私は実践未経験の素人、面倒な事は考えない! 力一杯両手剣を振り回して暴れ回すのが一番だ!
「止められる物なら止めて見るのだな」
ゾンビだ? 奴隷だ? そんな小さい物を恐れる必要がどこにあろうか。物語の騎士はどんな逆境であっても恐れずに進んでいた。その憧れは誰にも止められないぞ!
「うー、初めての実戦だべ緊張すっぺなぁ……」
顔を強張らせ、小さくつぶやくニティタ・キホーテ(夢見る巨大な乙女騎士・f26934)。彼女にとってはこれが初陣。敵を前にした恐怖は、あって当然だ。
でも、とニティタは首を振る。そうだ。私は騎士だ。騎士になるんだ。その強い決心が、彼女の小さく震える足を一歩前に進めた。
小さく息を吐き、屍商人にすっと視線を向けた。
「そこまでだ悪党! この正義の騎士ニティタ・キホーテの名の下に成敗してくれる!」
言うと同時、ニティタの体は一気に巨大化する。彼女の額には燃え盛る一本の角。まさしく巨人そのものだった。
巨大化したニティタを見上げ、屍商人ははぁと一つ息を吐いた。
「私も私のお客様も、巨人を扱ったことはないのではないかしら。……決めた。貴女は私の商品よ!」
薄く笑みを浮かべた屍商人は、ニティタ目掛け首輪を投げつける。ニティタの首に一直線に飛んでいく首輪を、彼女は。
「やぁあ!」
強く踏み込み、巨大な両手剣を振るった。たちまち裂けて消えた首輪を他所に続けざまに剣を振るい続けるニティタ。
「止められる物なら止めて見るのだな!」
暴れまわるようなニティタの攻撃は止まることを知らない。彼女にとってはゾンビも奴隷も小さなもの。彼女があこがれるのは、どんな逆境にも恐れぬ騎士だ。こんな小さな物を倒せずして騎士になれるなどと、ニティタは考えていなかった。
「鬱陶しい……でも貴女、隙だらけじゃないかしら?」
にやりと笑う屍商人。いつの間にか彼女の右手には、長く思い鞭が握られていた。
屍商人は乾いた音と共に鞭をニティタの足に叩きつける。間髪入れず何度も鞭を振るう屍商人の攻撃に、さすがのニティタも攻撃の手を止め、顔をしかめた。
だがそこで止まってしまっては騎士として失格だ。ニティタは自身の両手剣を、無我夢中で振り回した。
「うおぉー!」
「かはっ……」
力任せの攻撃は、偶然にも屍商人の体を吹き飛ばした。思い切り壁に打ち付けられ、そのまま動かなくなった彼女に背を向けようとしたニティタは、不意に何かを感じ取った。
反射的に剣を振るったニティタ。その切っ先が切り裂いていたのは、怪しげな液体が溢れる弾丸だった。
「ああ、今のはとても痛かったわ……!」
ゆっくりと立ち上がる屍商人。その顔には、とても楽し気な笑顔があった。
成功
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ドイル・グラップラー
フン。
こんな世界だ、ゾンビ なんざ野良犬みてーなもんだが、いちいち増やされても面倒だ、狩っておくとするか。
商品扱いすんのは払うもん払ってからにしろ!代金はテメーの命だ!
まぁもっとも、受け取れなくなりゃ渡せねえがなぁ。
敵のユーベルコードは野生の勘で察知してその辺のゾンビ を掴んで殴り返し、そのまま投げ付けてやる。
油断してんじゃねーぜ!
投げ付けたゾンビ の後を追うように飛び込んで、そのまま屍商人を掴んでびったんびったんと周りのゾンビを殴り付ける鈍器にしてやる。
佐藤・和鏡子
牽引のユーベルコードを使って救急車で引きずり回します。
弾丸や鞭や首輪は救急車の車体で防いだり、運転技術でかわします。
加速しながら突っ込み、すれ違い様にフック付き牽引ロープを投げて引っかけます。
首尾よく引っかかったら、楽しいドライブの始まりです。
いつもなら引きずるついでに壁などに叩きつけるのですが、今回は趣向を変えて、スピードに緩急を付けてじっくり時間をかけながら引きずり回します。
『良かったですね。いつもより長生きできますよ。』
「さあ、もっと遊びましょう! そのあとで貴方たちを商品にしてあげるわ!」
大層楽しそうに笑う屍商人。彼女の声に反応するように、一体のゾンビが猟兵に襲い掛かる。
明らかな不意打ち。死角からの攻撃に反応し得ないかと思われたが。
「フン」
機敏に振り向き、迫るゾンビの顔面を鷲掴みにしたドイル・グラップラー(殴る人・f24734)。ガントレットを付けた硬質な右腕でギチギチと頭を締め付けながら、ドイルは誰にともなく呟いた。
「こんな世界だ、ゾンビ なんざ野良犬みてーなもんだが、いちいち増やされても面倒だ。狩っておくとするか」
「いいですね。では私は、これで彼女を引きずり回すとしましょう」
ドイルの独り言に答えたのは救急車の窓から顔を出す佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)だった。彼女の言葉に、ドイルは首肯で返した。
「後で俺もぶん殴ってやるから、それまではやりすぎるんじゃねえぞ」
「分かりました。ゾンビの方は頼みましたよ、ゴリラみたいなお兄さん!」
「誰がゴリラだブン殴るぞコラ!」
怒鳴るドイルの声は、アクセル全開で発進した和鏡子の耳には届いていなかった。砂埃を巻き上げて突進していく救急車。屍商人も対抗しようとゾンビ化薬の詰まった弾丸を放つが、和鏡子は細かくハンドルを切って華麗に避けた。
「そんな攻撃当たらないですよ!」
「あらそう。じゃあ次は鞭でどうかしら?」
床を鞭で強く打てば、乾いた音が響き渡る。それを和鏡子に向けた屍商人に。
「おらよ、これでも打っとけ!」
ドイルがゾンビを放り投げた。自身の元に向かっていくゾンビを防ぐため、屍商人は鞭を振るう。無事にゾンビを壁に打ち付けた屍商人。
その隙を見て、和鏡子は救急車の窓からロープを投げつける。ロープの先に付いたフックは屍商人の右手に絡みついた。しめたとばかりに和鏡子は微笑む。
「それではこれから、救急車で引っ張りますね」
まるで病院で患者に話しかけるような穏やかな声で告げた和鏡子は、ハンドルを思い切り回した。自然屍商人の体は勢いのまま地面に打ち付けられ、そのまま引きずられる。
急にブレーキを踏んだかと思えば急にアクセルを踏み、その度に屍商人の体には傷が増えていく。
「良かったですね。いつもより長生きできますよ」
笑顔でそんなことを言う和鏡子。それを横目に見つつ、ドイルは向かってくるゾンビたちを掴んでは床に壁に投げつけるということをしていた。
周囲に屯するゾンビの数はなかなかに多い。それだけに疲れる作業のはずだが、ドイルは少しも息を切らせてはいなかった。
「おい嬢ちゃん! そろそろ俺も行くから、その辺に放り投げといてくれ!」
「分かりました!」
救急車を急停止し、流れるようにフックを外す和鏡子。何の抵抗も出来ず地面に落ちる傷だらけの屍商人に、ドイルはゾンビを投げつけ、後を追うように走って行った。
未だ倒れこむ屍商人の足を掴み、ドイルはそれを振り回す。されるがままに床にぶつかる屍商人にドイルは豪快に笑った。
「ははは! どうだ、楽しいだろう! そうら!」
最後の一押しとばかりに壁に向かって放り投げるドイル。うつ伏せになり動かない以下羽商人を見て、和鏡子はドイルに尋ねる。
「終わった……のでしょうか?」
「さてな。これで終わってくれたら楽なんだが」
ドイルの言葉を現実とするように、倒れこんだ屍商人はゆっくりと立ち上がった。見れば、彼女の右腕はどこかに行ってしまったようだった。
「私、ゾンビだから。腕がなくなったところで血は出ないのよね」
「そうか。だが多少なりダメージは負っただろう?」
「ええ、そうね。とても痛かった。だからこそ、とても楽しいわ!」
ボロボロの屍商人は、心底楽し気に笑って見せた。
大成功
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祓月・清十郎
ううむ流石はゾンビ
幾ら万能ネギで殴っても効いているのか判らないし、どんどん数増えてくでござる
うん? 何でござるさっちゃん? 『我がブレスで爆弾もゾンビも狂気も悉く浄化&成仏させる』?
しかしさっちゃんが本気を出すとそれに比例して拙者の生活費が…
『あれが商人なら懐から金目の物を分捕れば良い』?
成程何と言う聖属性的発言。拙者乗ったでござる。
さっちゃんが超ご機嫌で暴れている間、拙者はどなべを盾に釣竿振るい屍商人から金目の物をフィッシング!
悪く思わないでほしいでござる。拙者とて一月パンの耳生活は一寸辛いんでござる。そんな訳で成仏めされよー!
※『』は清十郎の翻訳。吠えたり唸ったりするがさっちゃんは喋らない
「ていや! ていや! それ!」
自らに迫りくるゾンビたちに抵抗する祓月・清十郎(異邦ねこ・f16538)。片手に持った万能ネギで殴り続けるはいいものの、全く効いている様子は無い。流石に困った様子の清十郎。
「うむむ。流石はゾンビでござる……む? 何でござる、さっちゃん?」
清十郎の様子を見かねたのだろう。頭上を飛んでいた小さな飛竜が彼に向かって吠えた。傍から見れば何だか分からない光景だったが、清十郎には飛竜の言いたいことが伝わったらしい。清十郎は小さく眉を顰めた。
「『我がブレスで爆弾もゾンビも狂気も悉く浄化&成仏させる』? しかしさっちゃんが本気を出すとそれに比例して拙者の生活費が……」
躊躇する清十郎に、飛竜は自分の鼻先を屍商人に向け、更に吠えた。
「『あれが商人なら懐から金目の物を分捕れば良い』? 成程何と言う聖属性的発言。拙者乗ったでござる」
ぐっと親指を立てて見せれば、それに応じるように飛竜も一つ大きく吠えた。
空高く飛び、辺りのゾンビに向かって盛大に火を噴く飛竜。次々にゾンビが焼けていくその後ろで、清十郎はどなべと釣り竿を取り出した。
「いつの間にやら屍商人がボロボロになっているけど……まあ良いでござる。拙者の仕事を始めるでござるよ」
床に胡坐をかいて竿を振るう清十郎。屍商人を掠ったかと思えば、すぐにそれを引いた。
釣り上げたのはまさに袋に入った金だった。中身を見れば、しばらくは生活に困らないだけの量が入っていた。
「おお! これは僥倖でござる!」
「それで満足したかしら? ではこちらも釣りでもしましょうか」
喜ぶ清十郎に、屍商人は釣りでもするかのように鞭を振るった。迫る脅威に、清十郎は慌ててどなべの裏に隠れる。
軽快な金属音を響かせて跳ね返された鞭の先を見て、清十郎はほっと一息ついた。
「ふう、危なかったでござる。おや、さっちゃん。もうゾンビ退治は終わったでござるか?」
自分の元に飛竜が帰ってきたのに気づき辺りを見渡せば、焼けたゾンビや何かの炭が散らばっているのが確認出来た。
ふむと首肯した清十郎は、屍商人に指先を向けた。
「それじゃあさっちゃん、あいつもやって仕舞うでござるよ!」
清十郎の言葉を合図に、飛竜は息を吸い込む。口から炎が溢れる飛竜に向け、屍商人は最後の抵抗とばかりに弾丸を放ったが。
「成仏めされよー!」
清十郎の言葉と共に発射された炎は弾丸を飲み込み、屍商人を包み込んだ。
(ああ、お客様には申し訳ないことをしたわね……でもまあ、彼女の身だけはあの子たちが守ってくれるでしょう)
徐々に灰となり落ちていく自分の体を見ながら、屍商人は自分の未練を悔い、外にいる女性を思うのだった。
大成功
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第2章 集団戦
『各実験用消耗品』
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POW : 未完成な兵器
【生身の体を壊しながら、搭載された兵器で】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 慈悲を乞う者たち
【救いを求める掴みかかり】が命中した対象に対し、高威力高命中の【のし掛かりや無意識的な近接武器での攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ : お前も俺になれ
【攻撃】が命中した対象を爆破し、更に互いを【自らの情報を送受信する配線】で繋ぐ。
👑11
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拠点で響く轟音を外から聞いたドミレイオンは、屍商人が仕事に失敗したことを直感した。
「あーあ、あの人ならいい実験体を連れ帰ってくれると思ってたのにな。とはいえ、ここで帰るのも違う気がするな……」
新たな実験体が欲しいという執念で遠路はるばるやってきたドミレイオン。何も持たずこのまま帰るのは、彼女のプライドが許さなかった。
ふむと考え込むドミレイオン。ふと、屍商人が置いて行った護衛に目をやり、「そうだ」と手を打った。
「君たち、代わりに捕まえてよ。そうしたらお礼に、その動きづらそうな体をイジってあげるからさ」
彼女の言葉を理解したのかどうなのか。護衛にされた不格好な人形たちは、拠点から出てくる猟兵たちをじっと見つめていた。
ニティタ・キホーテ
「うわ、なにコレ気持ち悪いべさ……」
うう、初仕事はもっとゴブリンとかオークとかにした方が良かったか……いや、私は正義の騎士! どんな相手も臆さず叩き潰すのみだ!
「私の自慢の鎧はお前たちの攻撃なんか全然効かないぞ!」
高かったからな! ただでさえ巨人サイズは高い。その上デザイナーズブランドの一品物……旅立ちの為の貯金も、両親がくれた資金も、その大半がこの鎧に消えた! 強くなくちゃ困る!
「おりゃぁぁぁああ!」
攻撃は鎧で弾き、両手剣で力一杯ぶん殴る! この、鉄塊に持ち手付けただけみたいな奴……安かったけど、使い手が居なかったってだけの理由だ。扱いにくくても弱くはない!
「うわ、なにコレ気持ち悪いべさ……」
体に兵器を埋め込まれた改造人間たちを目にし、ニティタ・キホーテ(夢見る巨大な乙女騎士・f26934)は思わず本音を漏らす。初仕事はゴブリンやオークの方が良かったか。そんな思考を吹き飛ばすように、ニティタは頭を振った。
「……いや、私は正義の騎士! どんな相手も臆さず叩き潰すのみだ!」
自分に言い聞かせるように大声を上げ、ニティタは地面を強く蹴り上げた。両手で剣を握り向かう彼女に、実験体の一人が反応する。右腕であったのだろう箇所に付いた銃から放たれた弾丸は、しかし突如ニティタの前に現れた強固な鎧によって防がれた。
「はははっ! 私の自慢の鎧はお前たちの攻撃なんか全然効かないぞ!」
何せ高かったからな。心なしか遠い目のニティタはそう付け加える。ただでさえ巨人サイズは高いのだ。その上胸元が大きく開いた可愛らしい鎧はデザイナーズブランドの一点物。旅立ちの為の資金も、両親がくれた資金すら消し飛ばしたそれは、強くなければ困るくらいだった。
走る速度を緩めず実験体に向かっていくニティタ。相手もそれを阻む為何度も弾丸を放つが、彼女には効かない。対して改造人間の方は撃つ度反動で体が崩れ、しかしなお攻撃の手を止めない。何かに取りつかれたかのように、誰かに強制されているかのように。自身の身を気にも留めず、ただひたすらに撃っていく。
そんな彼にニティタは、ぐっと握りしめた剣を振り上げる。鉄塊に打ち手を付けただけのような剣は、扱いにくいだけで弱いわけではない。それを示すように、彼女はぐっと力を込めた。
「おりゃぁぁぁああ!」
実験体目掛け勢いよく剣を振り下ろす。肩から反対の腹部まで刃が通ったその体は、静かに崩れていった。
「ふう、こんなものかな」
ピクリともしないそれから目を離し、ニティタは剣を肩に担ぎ直した。
大成功
🔵🔵🔵
佐藤・和鏡子
どうやら、あの屍商人に改造された犠牲者のようですね。
人間に戻すことは残念なからできませんし、このまま放置もできませんから、せめて苦痛を感じないように倒すつもりです。
昏睡のユーベルコードで催眠ガスを散布して敵を眠らせてから正確に急所を狙える救急箱レーザーモジュールのレーザーで止めを刺します。
生身の部分があれば催眠ガスも効くはずですし、頭部や首など、重要な部分を一瞬で破壊すれば眠らせたまま即死させることができるはずですから。
「どうやら、あの屍商人に改造された犠牲者のようですね」
佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)は眼前の不格好な敵に目を向ける。彼女と目が合った数体の実験体は、各々に埋め込まれた武器を向け、同時に口を開いた。
「お前も俺になれ」「お前も俺になれ」「お前も――」
「……っ!」
和鏡子の手に思わず力が入る。彼らも望んであのような体になった訳ではないのだろう。彼らの言葉は、仲間が欲しいというよりも、救いが欲しいかのように聞こえた。
「……人間に戻すことは残念なからできませんし、このまま放置もできませんから」
せめて苦痛を感じないように倒しましょう。そう告げる彼女の瞳には、哀れみの色と、屍商人への静かな怒りが浮かんでいた。
チェーンソーの腕や機械の足をした実験体たちが一斉に和鏡子に襲い掛かる。当たれば重症だろうという攻撃を前に、しかし彼女は武器を構えるでも無く、静かに手を掲げた。
「おやすみなさい」
慈悲を孕んだ声と共に、和鏡子から麻酔ガスが放たれた。改造されたとてその体には生身の部分も残っている。麻酔を吸った実験体たちは音も無く眠りについた。
地面に横たわる彼らに、和鏡子は救急箱レーザーモジュールを向ける。彼らが苦しむ事無く逝けるようしっかり照準を急所に合わせ、レーザーを放っていく和鏡子。頭部や首を焼き切られた彼らは、静かに死んでいった。
「……おやすみなさい」
和鏡子はもう一度、優しい声色でそう告げた。
大成功
🔵🔵🔵
春夏秋冬・ちよ(サポート)
良き景色を探して絵にする為に旅するお節介な老猫
優しいお婆ちゃん猫で猟兵としての経験は浅いですが、アルダワの学生としてはとても長い間戦い続けた歴戦の戦士です
その為、謎の強キャラ感あり
しゃべり方は優しいお婆ちゃんをイメージ
動物と会話して道や情報等を得られます
UCは竜を疑似再現、その力を借りる物
何竜の力かは状況、やりたい事によって指定を
(例:火竜・刃竜・筋肉竜等々 真面目からネタまで可)
戦闘は素早い身のこなしで回避重視、杖か閉じた傘(又はUC)による鋭い攻撃
所謂蝶舞蜂刺です
必殺技はUCで騎乗か飛行してのランスチャージ
一人称追加・おばあちゃん
禁止事項
真の姿の解放(覚醒)
UC『凶夢の魔竜騎士』二種の併用
「自らの意思も無視して改造されたのね……かわいそうに」
春夏秋冬・ちよ(旅する老猫・f19400)は眼前の敵たちを確認し、小さく目を伏せる。せめて彼らに救いを。そう考え、ちよは術式を準備した。
「術式展開、再現するは竜の像」
赤く淡い光から出現したのは一体の巨大な竜だった。
口から炎を漏らし、鋭い眼光を実験体たちに向ける竜。その背にひょいと騎乗したちよは、再現した竜に優しく、だがしっかりとした口調で命令した。
「あなたの炎で彼らを眠らせてちょうだい」
ちよの言葉に頷いた竜は一気に上昇する。その姿を実験体たちは見逃さなかった。
飛翔する竜に自身の銃口を向ける実験体。大きく息を吸う竜の背後から地上を見ていたちよがそれに気づくと、慌てて竜に伝えた。
「いけない、避けて!」
声に合わせて竜は体を右にずらす。そのすぐ脇を銃弾が通って行ったのを確認し、ちよはほっと胸を撫で下ろした。
「さあ、今度こそお願いね」
再度息を吸う竜。大きく体を反らせ、その炎を実験体たちに纏めて浴びせた。
苦痛を感じる暇さえ無くその身を灰と成したブレス。それが終わると、ちよは地上に降り立った。
「安らかにお眠り」
風に乗った灰に、ちよは小さく告げた。
成功
🔵🔵🔴
ドイル・グラップラー
んー、実験体か。
まぁ気の毒だとは思うが、もう死んでんだ、諦めてくれ。
生きてる物ともう死んでいる物との線引きはできている。動いていようが死人は死人だからな。
だが腹が立たねえ訳じゃねーぜ?なるべく苦しまねーようにもう一回殺してやるから死にてー奴は順番に並べ!
そうじゃねー奴もいいから並べ!
頭を狙って、これ以上の苦しみからは楽にしてやろう。
襲って来る奴には普通に対処するが、まあ慈悲はくれてやる、なるべくトドメはきちんと刺していく。
敵の攻撃は基本的に避けるかその辺の物や敵を盾にして躱し、空中の敵をUCのオーラで掴んで他の敵に叩き付けよう。
「んー、実験体か」
自分の前に集まる実験体たちを見て、ドイル・グラップラー(殴る人・f24734)は小さく呟き、ボサボサの頭を掻いた。
「まぁ気の毒だとは思うが、もう死んでんだ、諦めてくれ」
彼とて生者と死者の線引きは出来ている。動いていようが死人は死人。そこに揺るぎは無かった。
「だが腹が立たねえ訳じゃねーぜ? なるべく苦しまねーようにもう一回殺してやるから死にてー奴は順番に並べ! そうじゃねー奴もいいから並べ!」
無論素直に従う実験体たちでは無い。チェーンソーや銃、剣など各々の武器をドイルに向け突っ込んでくる。
その場から動かないドイルは、カッと目を見開いた。
「はぁー!」
声と同時にドイルが大きく腕を振るう。そこから広がった深紅のオーラが実験体に纏わりつくと、轟音と共に一気に爆ぜた。
出来るだけ頭を中心にオーラをぶつけるドイル。痛覚諸共爆破された彼らが痛みを感じる事は無い。それは、自己の意思と反対に改造され十分に苦しんだであろう彼らへの、せめてもの慈悲だった。
爆発音が響き渡る戦場。血の匂いが充満するその場所で、やがて轟音は止んだ。ドイルが辺りを見渡せば、そこにはもう実験体の姿は無い。その全てを倒す事が出来たのだった。
ドイルは視線を奥に移す。残る敵は、その先にいる白衣の女だけだった。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『殺戮繊維科学者『ドクター・ドミレイオン』』
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POW : ポリエスティア・スプラッシュ
【30メートル四方に広がる特殊繊維の生地】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を高濃度の薬物で汚染し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD : ナイロニック・ショウタイム
【特殊繊維で編まれた、着た者を洗脳し操る服】を披露した指定の全対象に【「今見た服を着たい」という】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ : 人造絹糸の妖しき光
自身に【膂力を最大限強化する特殊繊維の白衣】をまとい、高速移動と【相手の服飾品を汚染し有害物質に変える薬品】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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「あらら、護衛全部倒されちゃった」
軽い口調でそう呟き、ドミレイオンは猟兵の元に歩いてきた。自身の護衛を務めていた彼らの亡骸に視線を落とし、溜息を吐く。
「奴隷も連れ帰れず、護衛の仕事も務まらず……依頼する人を間違えたかなぁ」
まあいいや。その言葉を、目の前の猟兵に向ける。白衣に手を突っ込んだドミレイオンは、口を不気味に歪ませた。
「じゃあここで実験をするとしようか! 実験体は君たちだよ!」
ドイル・グラップラー
アドリブ他諸々OK
そいつぁ奇遇だ、俺もお前で実験してみてー事があるんだよ。何発殴れば死ぬのか、ってなぁ!
ああいう胸糞悪い物をこれ以上増やされても寝覚めが悪くなる、テメーはここで死んどけよ!
見た目が女だとかは関係ねえから普通に顔面だろうと構わずブン殴る、走って行ってブン殴るぜ!
敵のUCで周囲を薬品で汚染されたら、その辺の壁や柱を引っこ抜いて、殴り付けると見せ掛けて足場を作ってその上を走って行ってブン殴る。
最期の言葉が何かあるようなら聞くだけは聞いて……やらねー。
そんな隙は与えてやらねーよ、ってな。俺の言葉で何か喋ろうとした所をレイジでぶった斬ってやる。
「実験ね。そいつぁ奇遇だ、俺もお前で実験してみてー事があるんだよ」
ドミレイオンの言葉にドイル・グラップラー(殴る人・f24734)は両の指を鳴らす。いらつく表情を隠しもせず、彼は叫んだ。
「何発殴れば死ぬのか、ってなぁ!」
同時、地面を強く蹴り上げたドイル。彼の目にあるのは怒りのみ。振り上げる拳は、強く握られていた。
迫る彼を前にドミレイオンはヘラヘラと首を傾げる。
「あれ、何か怒らせるようなことしちゃったかな?」
悪びれる様子の無いドミレイオンに、ドイルは一つ舌打ちをした。
「ああいう胸糞悪い物をこれ以上増やされても寝覚めが悪くなる、テメーはここで死んどけよ!」
「心意気は素晴らしいね。けど、これを避けられるのかな?」
不敵な笑みを浮かべたドミレイオンがドイルに向かって投げたのは、巨大な生地のようなもの。一見すればただの布地だったが、それに不穏な雰囲気を感じ取ったドイルは、すぐさま後方へ跳び退いた。
ドイルの寸前で落ちた生地。どうやらそれは何かしらの薬物が混じっているようで、異臭を放っていた。
汚染された地面に立ち、数回飛び跳ねるドミレイオン。彼女の体は、先程より幾分か軽くなっているようだった。
明らかに汚染された地面を前に、ドイルは周囲を見渡す。ちょうど近くにあった大きな柱を、彼は軽々と引き抜いた。
「おりゃあ!」
肩に担いだ柱を遠く先のドミレイオンに振り下ろす。だがドミレイオンは、少し体を横にずらしただけでそれをかわしてしまった。
「そこからじゃ当たるものも当たらないでしょう」
「まあ、端から当てるつもりなんて無かったからな」
言うと、ドイルは再び掛け出す。今度は汚染された地面では無く、そこ先程置いた柱の上を。
驚く様子のドミレイオンに素早く走って行くドイル。いつの間にか彼の右腕は鋭利な刃が付いた巨大な翼となっていた。
「どうだ。最期の言葉だけは聞いて……」
その言葉にドミレイオンは口を開きかける。だがそれを発するより前にドイルは彼女に向かって跳躍していた。
「……やらねー」
右の拳を顔面にぶつける。その勢いのまま翼がドミレイオンの胸を切り裂いていた。
よろけるドミレイオンを蹴り上げ、ドイルは汚染された地面の外に着地した。
「あんまり……俺を怒らせるんじゃねえよ」
その一言には、未だ怒りが籠っていた。
大成功
🔵🔵🔵
佐藤・和鏡子
轢殺のユーベルコードを使用して敵めがけて全速力で突っ込みます。
救急車なら周囲が汚染されても車から降りなければ無事ですから。(窓を閉めてエアコンを内気循環に切り替えます)
敵の攻撃は運転技術を駆使してかわします。
車をジャンプさせ、空中から突っ込んで敵ごと周囲をクレーター状に吹き飛ばすなどして轢殺の効果の地形破壊で汚染を無効化できないか試してみます。
『奇遇ですね。実は私も試したいこと(轢殺を使って地形に細工するユーベルコードを無効化できるか?)がちょうどありまして。良い機会ですから、あなたの体で試させてください』
「いったたた……いやあ、これは予想出来なかったな」
頬に痕を残し、裂かれた白衣から血が滲むドミレイオン。彼女の前に、一台の救急車が停まっていた。
彼女を治療する為のそれか。否。救急車の窓から顔を出したのは佐藤・和鏡子(リトルナース・f12005)だった。
「先程、ここで実験をすると言っていましたっけ。奇遇なことに、私も試したいことがちょうどありまして」
和鏡子の言葉に、ドミレイオンは大層愉快そうに笑った。
「良いね、実験好きな人がたくさんいて! 私は嬉しいよ!」
歓迎する様子のドミレイオンに、しかし和鏡子は微笑みすら見せない。ただ「そうですか」とだけ呟き、アクセルに足を置いた。
「では良い機会ですから、あなたの体で試させてください」
窓を閉め、エアコンを内気循環に切り替えた和鏡子は、強くアクセルを踏んだ。
砂埃を巻き上げて発進する救急車。ドミレイオンもそれを攻撃しようと生地を投げるが、和鏡子の巧みな運転技術で当たることは無い。
地面の傾斜を確認した和鏡子は、僅かに上り坂になっている場所目掛けアクセルを全開にする。速度を上げた救急車は坂を上り、そのままジャンプした。
「嘘!?」
自身に向かって落下しているのを確認し、ドミレイオンは慌てて避ける。かろうじて直撃は免れたが、落下によって地面は粉々に破壊された。その衝撃に、彼女自身も吹き飛ばされてしまう。
ドミレイオンが地面に転がったのを確認し、和鏡子は外に出る。汚染された地面は吹き飛び、彼女の足元は歪ながら綺麗になっていた。
大成功
🔵🔵🔵
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『つい気合い入れて掃除しちゃいました。元ボランティア同好会の血が騒いでしまいましたね』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』
故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師
昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん
戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ
アドリブ・絡み・可
アメリア・イアハッター(サポート)
【サポート】
他の猟兵の行動が成功するようにサポートに徹し、下記のような行動をとります。
・機動力が必要であれば宇宙バイク「エアハート」に仲間を乗せる。
・仲間の攻撃が当たるように、敵の行動をUC「風の友」で読んだり、氷系のUCを使って敵の機動力を封じる。
・仲間の攻撃を強化するために支援系UCを使ったり、鼓舞をする。
・敵の注意を逸らすため、宇宙バイク騎乗や空中にて囮となる。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ルエリラ・ルエラ(サポート)
じゃーん。アーチャーでシーフで芋煮な私だよ。
ソロでも負ける気はないけど、戦闘で得意なのは皆の援護。
なんでも貫く【アインス】や集団に有効な【フィーア】とか役に立てると思うよ。
探索系でもトラップ解除とかハッキングとかもできるのでちょっとは役に立てるはずだよ。
日常系は芋煮売るよ。売らなくても配るよ。芋煮はいいものだからね。
美味しい芋煮で皆が笑顔。いいよね
コミカルな感じなら【芋煮ビット】なんかで芋煮ぶっかけに言ったりするよ。
そんな感じで、基本マイペースの私だったよ。
後はお任せするね。
失敗とかは気にしないので色々させてもらえたらなって思うよ。
ただ、エッチなのは遠慮しているよ。水着ぐらいのお色気は大丈夫。
「おかしいな。汚染したはずの地面が綺麗に無くなっちゃった」
綺麗に、というのか。地面がめくれ上がり、デコボコになった光景を見て、ドミレイオンは呟いた。それは彼女の想定から大きくかけ離れていて、彼女の頭を悩ませていた。
ふむと小さく考えたドミレイオンは、そうだと手を打った。
「どうだろう、君たち。この白衣、格好いいとは思わないかい?」
そう言って猟兵たちに見せた白衣。特殊な繊維で編まれ、見た者が魅力的に感じるというそれだが。
「ふんだ! そんなの見ないもんね!」
アメリア・イアハッター(想空流・f01896)はそっぽを向いて叫ぶ。見れば魅力を感じる白衣だろうが、見なければこちらのものだった。
同じように目を瞑って見ないようにするルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)。だが皆が同じ考えを持った訳では無いようで。
鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)は動きが遅れ、ただ一人ドミレイオンの白衣に目を奪われていた。
「やっば……僕あれ着てみたいかも……」
呆然とドミレイオンを見つめる成美。ルエリラは慌てて彼の肩を揺さぶった。
「しっかりして。あれは良くないものよ。私たちは今からあれを倒すの!」
「……はっ! あぶないあぶない……」
ぶんぶんと首を振り目を瞬かせる成美。ドミレイオンから目を反らした彼は、二人に尋ねた。
「どうやらあれは見るだけで駄目らしいけど、どうしようか?」
「私に任せて」
ルエリラはそう告げ、空に手を掲げる。そこから発射された魔力の球は空中で静止したかと思うと、音を立てて破裂した。
破裂した球から飛ばされた幾本もの魔力の矢がドミレイオンに襲い掛かる。
「甘いね!」
にやりと笑ったドミレイオンは横に逸れる。彼女の身は無事だったが、ルエリラの目的は初めからそれでは無かった。
魔力の矢は次々にドミレイオンの白衣に突き刺さっていく。ドミレイオンが気づく頃には、白衣は最早形を成していなかった。
「ちぃっ……」
舌を打ったドミレイオンは、どこからかもう一着白衣を取り出す。だが彼女はそれを着るでは無く、手に持ったまま駆け出した。
不可解な行動に立ち尽くす三人。ドミレイオンはルエリラに向かって白衣を投げつけた。
「えっ……」
「危ない!」
風を読みルエリラより一足速く気づいたアメリアは、ルエリラの前に立った。宙を飛ぶ白衣はアメリアの体に纏わりついた。
「う……あぁあ!」
「アメリアさん!?」
慌ててアメリアに駆けよる成美。急いで白衣を剥ぎ取るが、既に洗脳は始まっていたようで、アメリアは虚ろな瞳をしていた。
「アメリアは大丈夫……?」
心配そうに見つめるルエリラ。成美はアメリアの首筋に手を当て返答する。
「これくらいなら僕の治療で何とかなるはずだ。その間にルエリラさんは奴を!」
静かに首肯したルエリラは、鋭い眼差しでドミレイオンを睨みつけた。
「絶対に許さない……食らいなさい!」
先ほどより一回り大きな魔法の球を放つルエリラ。放出した無数の矢は、逃げるドミレイオンを突き刺したのだった。
動かなくなったドミレイオンを見つめ、アメリアは苦笑いを浮かべた。
「ごめんね。足を引っ張っちゃったみたい」
「ううん。私を助けてくれたんでしょう? ありがとう」
ルエリラは笑って返す。微笑ましい雰囲気の中、成美は声をかけた。
「さあ、帰ろうか!」
成功
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