雌伏の時より立った者、その至福を守りに
●希望を踏み躙る者
――かつて、悪辣なオブリビオンに支配され虐げられ続けた村があった。
誰が呼んだか闇の救済者<ダークセイヴァー>達の活躍により一時の平穏を取り戻し――そして、いつしか虐げられ続けた村は。
人々の集う希望、人類の反撃の拠点、【人類砦】と呼ばれる場所となっていった。
しかし。
「こんな! こんな結末が、皆で頑張った結果というのかッ!」
大きな樹とならんとした芽生えた筈の希望は、突如として終わりを迎えてしまった。
数多の黒い騎兵が返り血を浴び、数多に横たわる民の死体と、それを憎悪を剥き出しにしながら踏み躙る亡霊の姿を睨み付けながら、一人の男は叫んだ。
闇の救済者と呼ばれ立ち上がり、この村を救い希望を育んでいた未来が、それに目を付けた別のオブリビオンの襲撃に呆気なく崩れ去る。
倒壊した建物と横たわった命の中を男は駆け、せめて一矢を報いんと、亡霊を率いる女らしき存在に向かうも。
「畜生! 畜生! ち、く、しょぉぉぉお!!」
――憤怒に満ちた女が力強く突き立てた剣に、容易く救済者の命を奪い去る。
亡霊を率いる女の紅き瞳は、血涙を流し悲痛に叫ぶ男を暗く冷たく見据えていた。
●静かな怒り
「……以上が、私の予知を放置して、この村が迎えてしまう結末だ」
グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートはグリモアを輝かせながら、予知の光景を映し出していた。
唇を震わせながら彼女は集まった猟兵達を見回すと、静かに頷いた。
「漸く差し込んだ光を守るために、我こそはと思う者は手を貸して欲しい」
――銀灰色の瞳は、今日もまた鋭い怒りに満ち溢れ輝いていた。
「さぁ語ろうか! 舞台は暗闇より立ち上がった希望煌めき始めたダークセイヴァー、君達には人類砦の希望を守り抜いて貰いたい」
人類砦――ダークセイヴァーの地に於いて、ヴァンパイアの支配が及ばない人類の安息の地。
闇の救済者達の活動が実を結び、細々とではあるが人類の反撃の拠点が生み出されていったのは良いが、それを快く思わないオブリビオンも当然いる。
今回の襲撃も、そうしたオブリビオンの手に依るもので、このままでは折角の人類砦が崩壊してしまうのだと語った。
「まずは尖兵として彼らがやってくる」
グリモアの輝きが映し出したのは、【シャドウライダー】と呼ばれる真っ黒な騎兵。
一体一体の力は弱いが、只管に数が厄介であるので、一度に倒せる工夫があれば戦いを優位に運びやすいと語る。
「その次に群れを率いるオブリビオンがやってくる。退けて貰いたい」
そう言ってスフィーエが示したのは、大剣を手に持つ女。
予知の光景で救済者を無慈悲に惨殺した存在であり、何かに怒り狂っているような姿をしているのだという。
常に他者への怒りと暴虐を振り撒くこの存在は、非常に強力なオブリビオンだ。
その攻撃の一つ一つが苛烈で高い攻撃力を持つので、油断なく当たって欲しいと語る。
「その後は……そうだね、人類砦に住まう彼らと、穏やかな時間を過ごして欲しい」
村人や闇の救済者と一時の交流を図るも良し。
仕事を手伝ったり、料理や芸を振舞ったりするも良し。
とにかく、人類砦に住まう者達が明日の希望を見出せるようにして欲しいと語る。
「まだまだ厳しい戦いは続く。そんな中で立ち上がった彼らの、希望の一助を頼むよ」
そういってスフィーエは穏やかに微笑むと、周りの猟兵達を見回してゆっくりと頷いた。
「さて、私からは以上だ。君達の力を以て、育ってきた希望というものを守り抜いてくれたまえ」
一通りのことを語り終えたスフィーエは、一呼吸を置くと改めてグリモアの転送結界を広げ、最後に集まった猟兵達を見回して言った。
「では、準備が出来た者から声を掛けてくれたまえ。ここが戦いの入り口だ……ってね」
裏山薬草
どうも、裏山薬草です。
当シナリオの「人類砦」は過去作「私腹を肥やす者、破るは雌伏の時より立つ者」で救った村が元になっております。
良ければ適当に参考にしてください。
さて今回はですね、平和を取り戻した村から作られた「人類砦」を侵略しにやってきたオブリビオンを迎撃して頂きます。
第一章と二章はそれぞれ集団戦、ボス戦となっております。
ほぼ純戦です。
村に常駐している闇の救済者は特に指示がなければ、民間人の保護に回っております。
第三章は日常。
無事侵略者を退けた村で、平和な一時を過ごすパートとなっております。
あまりフラグメントの内容に捕らわれず、自由に村人や闇の救済者と語らうなり何なりしてください。
この章のみ、お声がかかればスフィーエは適当にお邪魔します。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 集団戦
『シャドウライダー』
|
POW : 戦力補充
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【シャドウライダー】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
SPD : 人馬一体
自身に【世界に蔓延する絶望】をまとい、高速移動と【その移動により発生する衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : 代弁者
【鞭を振るい、死した人々】の霊を召喚する。これは【怨嗟】や【現世への未練】が転じた【呪い】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:ソファ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フレミア・レイブラッド
貴方達、誰に断りを入れてこの村を襲っているのかしら…?(底冷えする程の怒りを湛えながら)
この地はおまえ達如きが踏み入って良い場所ではないわ。そこに土足で踏み入るというのであれば…全力で排除する!
【ブラッディ・フォール】で「群竜大陸護る柱、それを護るは伝説の魔物達」の「アークデーモン」の力を使用(体が灰色になり、悪魔の角と翼、尻尾が生えた姿)。
【念動力】の障壁で進撃を阻みつつ、【攻性魔法・多重発動】【属性攻撃】で敵を呪縛したり、大量の多属性攻撃魔法で撃滅しつつ【妖星招来】を発動。
巨大隕石を敵群の中心に激突させて殲滅するわ
以前来た時もこの力を使ったわね…あの時にクリスタルを渡した子達は無事かしら…
●怒りの魔神
育まれんとする希望を踏み躙らんとしていたのは、影の如き姿の騎士団だった。
寒村を元に作られた人類砦を、その圧倒的な軍勢を以て蹂躙せんとしたそれは不可視の障壁によって阻まれる。
「貴方達、誰に断りを入れてこの村を襲っているのかしら……?」
突き出した掌を輝かせ、影の軍勢を阻んだ障壁を作り出しながら、緩やかに歩んでいく姿が其処に在った。
歩む者フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)が思い返すは、かつて虐げられたこの村を守った記憶。
尊き志と共に戦った記憶、故にそれを汚さんとする軍勢に、彼女は怒りを滾らせながら胸に手を宛てると、過去の記憶より異形の力を引き出す。
「骸の海で眠るその異形! その能力! 我が肉体に顕現せよ!!」
フレミアが纏った過去の力は、幻想と竜の世界に住まう大悪魔の力――灰色に染まる肌、巨大な蝙蝠の如き翼に竜が如き尾。古の魔神と呼ばれし悪魔の力を身に纏う。
フレミアが目を見開けば、莫大な魔力にモノを言わせた呪縛と破壊の閃光が走り、瞬き一つの時間にしてそれに見合わぬ数多の影騎士達の動きを封じ。
「この地はおまえ達如きが踏み入って良い場所ではないわ。そこに土足で踏み入るというのであれば……全力で排除する!」
そして封じ込められた騎士達の、その密集する場所へ降り注がすは全霊を注いだ巨大な隕石。
神々の裁きもかくやの、猛烈な破壊の余波が騎士達を塵と還しながら、破壊の余波は彼女自身の力をも高めていく。
(そういえば)
以前来たときにもこの力を使ったような気がする――あの時に贈り物を与えた救済者の少女達も元気なのだろうか。
そのようなことを考えつつも、潰された騎士と入れ替わるように蹄打ち鳴らし飛び掛かってきた騎士を、隕石一つ振らせて潰し。
「でもまずは、ね」
この襲撃を払ってから――フレミアの周囲に広げられた光の方陣より無数の術法が飛び、亡霊達を蹂躙していくのだった。
成功
🔵🔵🔴
シーザー・ゴールドマン
せっかく芽生えた希望の揺籃だ。
もう少し面倒を見てあげようじゃないか。
人類砦の空中から攻め寄せるシャドウライダーを観察。
その密集地に『ソドムの終焉』を放って消滅させます。
※どこを崩せば敵が混乱するかを見切って
※混戦状態でも気にせずに敵のみを
(空中浮遊×念動力×空中戦→ソドムの終焉)
敵POWUC対策
『ソドムの終焉』の無数の閃光、その一条一条を彼等にとって破滅の光として死体を塵芥に変えて操る対象を無くす。(破魔×属性攻撃:灼熱)
アドリブ歓迎
●神の都の裁きが如く
俯瞰。高き所より見下ろすこと――転じて物事を広く客観視する。
その体現のように自らを思念の力で浮かし、腕を組みながら混迷する戦場を見極めていた偉丈夫が居た。
駆け付けた猟兵の奮戦、砦の内部で必死に民を守る救済者の奔走――生きることを諦めず、希望の声を叫ぶ民の姿にシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は唇の端を軽く釣り上げた。
「せっかく芽生えた希望の揺籃だ。もう少し面倒を見てあげようじゃないか」
只管に夜闇の世に溶け込むような体色は、本当に尽きること無く現れ押し寄せてくる。
傍観者でいるつもりはない。戦場を見極めていたシーザーは、押し寄せる軍勢の一点――善く密集していながら、今にも突撃の一歩を繰り出さんとした騎士達の文字通りの揚げ足を取るように。
「このようにね」
指の弾かれた音色がどこか静寂を呼びながらも、次の瞬間に轟音と共に解き放たれた閃光が影を掻き消すように、影の騎士団を貫いていく。
突撃の一歩を盛大に崩された騎士団が、それこそ文字通りに浮足を立たせ隊列を乱しても。
「邪魔だな」
混乱極まる戦場に更なる混乱を齎すとも、シーザーは鼻を鳴らし無数の閃光を注がせて。
歪めた唇と涼やかな顔つきは一切変わらず、まるで塵芥を取っ払うかのように注がせる光は、孕む熱とは裏腹に狙いは冷たく影の騎士達を貫き滅していく。
戦場にて死が生まれれば生まれるほどに、新たに軍勢を生み出す力でさえも。
「操りたくても操れない。違うかね?」
白き閃光の中に仕込んだ熱、位相の最高位の灼熱が操るべきものを残らずに滅した以上、新たな影の騎士として操られることもなく。
してやられたと騎馬が怒りに鼻を震わせても、赤公爵は意にも解さぬように整った鼻筋に息を通し、空中で脚を組むと。
「消えたまえ」
ただ緩やかに掌を突き出し、灼熱を孕む閃光の雨が降り注ぎ。
大罪の都を焼き尽くした威光の如く、影色の軍勢を焼き払っていく。
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ
アドリブOK
救済者と人々が築いた希望を救う為にも…
守護者として人類砦を護り、処刑人として敵を屠ろう…
[呪詛耐性、オーラ防御]を纏い
【シュバルツァ・リッター】で亡霊馬に[騎乗]しよう
敵群目掛け[ダッシュで切り込み]ながら戦場を駆けまわり
[挑発、おびき寄せ]て砦から引き離して[拠点防御]をしよう
妖刀を抜いて[早業、破魔、2回攻撃]で騎手のみを斬り捨てたり
鉄塊剣を振るい[なぎ払い、鎧無視・範囲攻撃]で馬ごと
騎手を真っ二つにして敵群を潰してゆこう…!
絶望を身に纏いながらそのまま死ぬがいい…!
彼らの希望を貴様らに摘ませてなるものか!
逃がすまいぞ…ワタシは処刑人だ!!!
ハルア・ガーラント
女の人の怒りの理由は分からないけれど。
でも、どんな理由であっても……人々の希望を奪う事を看過するわけにはいかない。
【WIZ】
[ホワイトグリフィン]を召喚。
お願いです、この状況を打開するのに力を貸してください!
ぐり(名前)が[衝撃波]で[なぎ払い]、わたしが[銀曜銃]を光の[属性攻撃][誘導弾]で撃ち追撃。光の精霊に頼み、撃ったら弾けるような散弾の効果も籠めましょう。ぐりに当たっても聖なる属性は吸収して更なる力になるだけ。敵の攻撃は空中へ回避か[咎人の鎖]で防ぎます。
敵が霊を召喚したらUC発動し、歌に[慰め][祈り]を込めます。
もう、辛く苦しい思いはしなくていいんです。ゆっくり休んで、いいの。
●モノクロの安楽
人類砦を襲う影の騎士団、今は未だ到着していないようだが、それを率い予知で村を無残に滅ぼした指揮官。
憤怒の表情を浮かべていたそれを思い返し、天使は胸の前で拳を握った。
(あの女の人の怒りの理由は分からないけれど)
天使ハルア・ガーラント(オラトリオのバロックメイカー・f23517)は今尚、自分達のその背後で、人類砦の中を守り奮闘する救済者と民を守るように、重厚な翼を広げた。
「でも、どんな理由であっても……人々の希望を奪う事を看過するわけには」
決意の言葉を口にした天使に、黒き鎧を纏った処刑人の女は軽く目を向けると、厳かに言葉を発しつつ頷く。
「その通りだ。救済者と人々が築いた希望を救う為にも」
「はいっ!」
――守護者として人類砦を護り、処刑人として敵を屠ろう。
仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)の静かな闘志と決意に、改めてハルアは元気よく答えれば、互いに目を合わせ頷き合う。
そして先陣を切ったのはアンナ――迫りくる黒い騎馬隊に勇猛果敢に立ち向かうのは、
「死から逃れることは出来ない……!」
影よりも尚暗く深き闇の色、漆黒の体表を持った亡霊馬――影色の騎馬を上回る体躯を備え、全てを飲み込む闇の如く。
それは夜闇の世を妖しく照らす蒼白い火炎を障壁のように纏い、勇壮な嘶きを伴いながら処刑人を乗せて駆けて往く。
「お願いです! あの人を助けてあげてください!」
その背後を支えるように煌めきを纏いながら出でたるは、ハルアが呼び出した幻獣。
対照的な鮮烈な白の体毛を備えたそれが嘶けば、迸る不可視の圧が敵の騎馬隊の足をまず一歩制するように衝撃を与え。
「……来い」
揺らいだ騎士の一体を擦れ違い様に斬り伏せたアンナが、片手で指を何度か曲げて招く。
より深く濃い闇の中に引きずり込むように、煽るように蒼白き火炎散らして影色の騎馬隊を誘う――全ては、人類砦より離し民を守るために。
そうして誘き寄せた騎士の背後を、また純白の幻獣が衝撃波を放ち浮かび上がらせれば、影の騎士が力を高めるよりも早く。
「絶望を身に纏いながらそのまま死ぬがいい……! 彼らの希望を貴様らに摘ませてなるものか!」
閃く妖刀の刃が騎手のみを裂き、落馬の衝撃でその命を絶ち、振るわれる鉄塊の刀身は丈夫な騎馬諸共に一刀両断とする。
一方的な蹂躙、戦いとすら呼べぬ圧倒的な処刑の様相。
纏う絶望を噴き上げ足早に砦に向かわんとしても、亡霊馬で駆ける処刑人(アンナ)はそれより尚疾く。
「逃がすまいぞ……ワタシは処刑人だ!!」
強く強く薙ぎ払われた鉄塊の如き剣が巻き起こす衝撃の旋風が、よろめいた騎馬隊を盛大に薙ぎ払い。
ある者はその衝撃自体で馬諸共、またある者は落馬の衝撃で――死に至らずとも純白の幻獣が解き放つ衝撃と、ハルアが適度に放つ白銀の弾が静かに命を絶つ。
だが死は影の騎士団にしてみれば時に武器ともなり得るモノ、ある影の騎士が一つ鞭を振るえば、死した騎士の怨霊が靄のように沸き立ち、その怨嗟が生み出す膨大な力の奔流が猟兵達に向かわんとするが。
「――……、――!」
其処に響くは人の領域を外れ、それでいて不快を与えぬ安らぎの音色。
天使言語の歌――機を伺っていたハルアの響かせる祈りの詩が、湧き上がる怨念を清浄な空気の中に霧散させていく。
「もう、辛く苦しい思いはしなくていいんです。ゆっくり休んで、いいの」
――絶望の中に処刑されし影の騎士団は、終ぞその恨み辛みを更に吐き出し呪われた環を紡ぐこともなく。
子守歌の如き天使の声が招くは、死への怨嗟を払い安らかに楽に死なすという道筋であり。
「逃がすまい、と言った筈だ……!」
「もちろん、あなたも」
死の怨嗟を武器と為さんとした者は、冷徹な処刑の刃に処され――その怨嗟もまた天使の歌声の中、柔らかく立ち消えていく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
セツナ・クラルス
…ふむ
抑え込もうとすればする程、抵抗は増すものだと思っているよ
もう少しうまくやればよかったねえ
そうすれば我々に見咎められることもなかったかもしれないのに
挑発の言葉と共に灯火を出現させ攻撃
これだけの敵の数だ
出鱈目に撃っても当たるだろうが
出来る限り敵にひとつところに集中するように誘導しようか
ある程度の誘導が叶ったら、
牽制用に手元に控えさせた灯火以外を全て纏めて敵にぶつけ、一気に殲滅
纏めた灯火はすぐに散開させ
同じようにして敵の数を減らしていこう
光は闇に屈しない
これだけが私の唯一にして絶対の考えだよ
反論があるなら聞こう
私は自分の行動で以てこの主張を訴え続けよう
●リ・バウンド
人の心はゴムの塊のようだ――押さえつければ押さえつけるほどに、解き放たれれば盛大に跳ね上がるり、押されている間でも、その抵抗はより確かに届く。
今まさに、その【ゴムの塊】を押し潰さんとする影の軍勢の前に、黒衣を身に纏った男は唇の端を吊り上げながら躍り出た。
「もう少し上手くやれば良かったねえ。そうすれば、我々に見咎められることもなかったかもしれないのに」
男の、セツナ・クラルス(つみとるもの・f07060)の姿を虚空に生み出された灯火が身に纏う黒を映えさすように照らし。
解き放たれた灯火は影の騎士を貫き、清浄な火炎がその身を塵と還していく。
出鱈目なようでいて、それでいて騎士達を追いやるかのように舞い踊る灯火は、無粋な影を払い退ける結界のように、影の軍勢を一纏めに追いやって行き。
そうして一塊となした、黒い影の騎士達のその中心部に吸い込まれるように入り込むと――影の一塊より光が爆ぜるように。
集約した灯火が一塊となった騎士達を焼き尽くし、間髪を入れずに別たれた灯火が、また別の騎士達を追いやっていく。
灯した火を紡ぎあげながら、セツナは薄曇りの中に涼やかな声を一つ通した。
「この村が希望の光なら、あなた達はそれを呑む闇といったところかな」
灯った僅かな光、そしてそれを消さんとする黒と、それを守らんとする黒――同じ黒を纏いながら対照的な聖者の。
散開させた灯火がまた騎士達を一纏めに追い遣り、吸い込まれていく炎が束ねられ、上がる火柱が夜闇を鮮やかに照らし、騎士の身を骸の海に還していく。
「しかしね。闇は光に屈しない。これだけが私の唯一にして絶対の考えだよ。反論があるなら聞こう」
この影の騎士達が反論を発することはない。
だが例え如何な反論を為されようと、セツナは示し続ける――祝福の生誕の元、灯された火を以て影の騎士を焼くことによって。
それがこの世に光を以て生まれてきた、聖者なのだから。
成功
🔵🔵🔴
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「しばらく離れていた間に…こんな拠点が」
【携帯食料】を食みつつ思案する
出た答えは一つ
「小さな炎が出たのならそれが大きくなるまで護ろうか」
馬に乗り数を頼りに攻めてくるなら馬防柵があれば最適だが急ごしらえは無理だろう
ならば敵を馬防柵に仕立て上げるか
【共鳴】で身体能力を上げて丸太を掴み薙ぎ払う
連帯でくるなら先陣が転べば後も転ぶだろう
転ばなくても衝突を避けようとして勢いは止まるはず
止まらないなら…丸太を投げればよい
「久しぶりに目立つとしますかね」
勢いが止まったら【目立たない】ようにしていた気配を解放して前線に赴く
強い敵には自分が当たれば砦の人達でも対処できるか
「さて反撃開始かな」
ジード・フラミア
メリア『フムフム、住民を守ってクダサル方々がいるナラ、戦いに集中できそうデスネ。ジード!敵におっきいの打っちゃってクダサイ!』
ジード「う、うん!砦は壊させないよ!」
【スクラップのなだれ】を使用
敵の群の中心部に向かってバラックスクラップを投げます。敵に当たろうが当たるまいが、バックアップスクラップ中心に多数のスクラップを放つので、そのなだれで敵を一掃できる……はず!
アドリブ・他キャラとの絡みは歓迎です。
●疾風怒濤
動乱の渦中に於いて響くは、戸惑いと悲痛の叫び、それを叱咤激励し民を守る者の必死に足掻く声。
芽生えた希望を無にすることを許すまいと、抗う姿と身を寄せ合う姿を茶色の瞳が観察していた。
「しばらく離れていた間に……こんな拠点が」
「人類砦、というそうですね。人類の反撃の拠点だとか」
「成程」
茶色瞳の青年、仁科・恭介(観察する人・f14065)の微かな驚きに対し、白銀の髪の少年、ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)が、そうした場所の一つであることを説明すれば、恭介は干し肉を齧りつつ思案し。
「では……小さな炎が出たのなら、それが大きくなるまで護ろうか」
「ええ」
駆け回る闇の救済者の姿と、生きることを諦めない民の熱意に細胞が沸き立つ――導き出した恭介の結論に、ジードが簡潔な言葉を一つ、されど強き同意を示してみれば。
ジードのその傍ら、精巧な少女の姿をした人形が口を開閉させ言葉を発する――多重人格者であるジードのもう一つの魂、メリアと呼ばれる人格による腹話術だが。
『フムフム、住民を守ってクダサル方々がいるナラ、戦いに集中できそうデスネ』
「そのようだ。そして……馬に乗り、数で攻めるなら馬防柵が有効と見た」
其の言葉を改めて確認すれば、自分達は唯、この押し寄せてくる影色の騎士団を倒せば良い。
導き出した結論を元に、転がっていた丸太を手に取ると恭介は高まった力を以て隊を率い、襲い来る影の騎士団の、その騎馬の足を打ち据える。
先頭が強烈なその一撃に盛大に転倒し、その小さな火種はやがて原を煤く業火となるように、率いられていた騎士達をドミノ倒しのように転倒させていく。
転倒する巨躯そのものが、進軍を留める馬防柵となるように――追い撃つように蹴り出された恭介の丸太が転がり、また騎士の群れを巻き込み転倒させていけば。
『デスね! ジード! 敵におっきいの打っちゃってクダサイ!』
「う、うん! 砦は壊させないよ!」
恭介の初手にメリアがはしゃぐように声を張り上げれば、ジードが取り出すのはガラクタを組み合わせて作られた奇怪な得物。
転倒により動きを止め始めたそれを完全に押し流さんと、我楽多遣い<スクラップビルダー>の力を解き放つように、敵の群れの中央へそれを投げつける。
勢いよく投げ放たれたそれに騎士の一体が無残に潰されたのを皮切りに、スクラップの大量の――正しく雪崩、怒涛と呼ぶに相応しき勢いが、その質量を以て数の優位を更なる量の勢いで押し流していく。
『いいデスよ! どんどん崩れていきマス!』
「逃がさない……!」
メリアが拳を握り、押し流されていく敵群と、新たに進軍せんと歩を進めたそれが生み出された雪崩にまた流されていく。
絶対にこのオブリビオンに人類砦を害させまいと、得物を回収し狙いを定めたジードを観やり、残った干し肉を食い千切り。
「久しぶりに目立つとしますかね」
十二分に敵の勢いは留まった、そして今、背で奮戦する人類砦の民の足掻きも、そして側で共に戦う仲間の熱気も最高潮。
中てられた恭介の細胞の沸き立ちも又更に湧く――混迷を極める戦場の中、湧き上がる細胞の熱気を解き放つように、不意に現れた恭介の圧倒的な存在感に影の騎士達が目を一斉に向けて。
『援護は任せてくだサイ!』
「頼もしい」
影の騎士達の一瞬の硬直、極々僅かな隙を目掛けてジードがバラックスクラップをまた投げつける――影の騎士の首を刎ね飛ばす音を始りを告げる鐘の如く。
雪崩の如く押し寄せる数多のガラクタ、それに潜みながら、恭介は群れの中でも一際に大きく、強そうに見える騎士を目掛け駆け出し。
「さて、反撃開始かな」
それに気づいた騎士が振るった鞭を手で掴むや否や、掴んだそれを増強した膂力を以て強引に引き剥がし。
立て続けに振るわれた東洋刀が一つ閃き、騎馬を諸共にその首を刎ね飛ばしていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
みんなが頑張って繋いだ「明日」、それがあるから「今日」がある
だから、ボクたちでそれを守り抜く!
行くよ、ウィーリィくん!
まず二人で手分けして敵をそこに集める
ボクは【ゴッドスピードライド】で宇宙バイクを駆って追いかけっこを演じながら敵を一か所に集め、指定ポイントへとおびき寄せる
ウィーリィくんが敵を引き連れてきたらそのままウィーリィくんの手を掴んでバイクに乗せて【操縦】の腕前で敵の群れを飛び越える形でバイクをジャンプさせ、予め【罠使い】で仕掛けた罠(落石やロープトラップなど)を作動させて退路を断つ
そのまま空中から【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】で地上の敵に熱線の雨を降らせて一網打尽だよ!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
この砦はこの世界に住む人達の『勇気』が集まる場所。
そして『希望』の象徴。
落とさせる訳にはいかないよな!
【地形の利用】で敵を一か所に纏められそうな場所(谷間や岩場の間など)を探し、シャーリーと協力して敵をそこに誘導して一気に叩く。
敵と立ち回りを演じながら、戦力補充をさせないためにも敢えてこちらからは攻撃を仕掛けず鉄鍋の【盾受け】で受け流しながら【カウンター】の【シールドバッシュ】で転倒させるなどで可能な限り敵を倒さない様にし、撤退するフリをしながら打ち合わせた場所に誘い込む。
そしてシャーリーと合流し、一か所に集まった敵を【飢龍炎牙】でまとめて焼き払う。
この炎は、みんなの希望の篝火だ!
●かがやき
絶望に支配されしダークセイヴァーの地、其処に立つは希望の集う人類砦。
戦場と化していくこの人類砦の前身は、悪辣非道なオブリビオンに支配されていた小さな村であった。
「思い出すよね」
「ああ」
少女シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)と、一つ手を繋ぎ合わせてはすぐ離し、少年ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は言葉を交わす。
僅かな言葉、されど思い出すはこの村を解放する為に戦った日々、困難に立ち向かう闇の救済者達の奮い立つ想い。
背後に嘗て共に戦った救済者の声と奔走を耳に入れながら、ウィーリィは気高く迫りくる影の軍勢を見据えると、大包丁の柄を握り決意を口にする。
「あの時の【勇気】は、終わらせたりしない。……落とさせる訳には行かないよな!」
「あそこでみんなが頑張って繋いだ【明日】、それがあるから【今日】がある」
牙を剥き出しにする鮫の如き様相のバイクに跨り、エンジンの音を噴き上げて。
シャーリーはウィーリィの言葉に続けると、胸の内に湧き上がっていた闘志と決意を顕にした。
「絶対にボクたちでそれを守り抜くッ! 行くよ、ウィーリィくん!」
「応ッ!!」
神がかった速度を得たバイクが土煙をマフラーのように靡かせ敵陣へ飛び込めば。
「ハァァァアッ!!」
ウィーリィもまた大包丁を手に、敵陣へ文字通り斬り込んでいく――だがその攻撃を当てる気は毛頭なく。
「くっ……!」
影の騎兵が振るう鞭を大包丁で逸らしつつ、馬の前脚による踏みつけに近い蹴りを大鍋で受け止めて。
個々の力は弱く、その心算であるならば楽に倒せるが。
戦力を補充されるのは避けたい、劣勢に追い込まれる風を装いながらも、ウィーリィは影の騎士達を引き付けていた。
(誘き寄せるとしたら……あそこか)
やるならば一網打尽に。
離れたシャーリーにアイコンタクトを一つ、近くの岩場を示せば、脚を振り上げた騎馬を鉄鍋で横殴りにとし転ばせて。
背を向け駆け出すウィーリィを騎士達は追う――それが罠であることも知らずに。
「こっちだよ、こっち!」
その一方でアイコンタクトを受け取ったシャーリーは、バイクを駆りながら騎士達と渡り合っていた。
怨念を身に纏い得た騎馬の脚すらも、鮫の駆動は容易く抜けて――時にドリフトも織り交ぜながら、ライトが獲物に狙い定めた眼光のように輝き、影の騎士達を追い立てる。
指示は受け取った、神の速度を以て影騎士達を煽り追い遣りながら駆け抜けていくと、撤退を装い合流地点までやってきたウィーリィの姿を見て。
「ウィーリィくんっ!」
「ああ!」
スロットルを全開に、車輪の摩擦が硬い地面を削りながら駆け抜けると、シャーリーは騎乗しながらウィーリィの手を掴み。
流れるように地を蹴ったウィーリィを後部座席に導くと、シャーリーは僅かな足掛かりからバイクを文字通り跳ばし、群れの上位を取る。
そして――戦場を駆け巡りながらも密かに仕掛けた罠、悟られずに仕掛けた縄が騎士達の馬の脚を引っ掛け横転させ、追い撃つように注ぐ落石が影の軍勢をその場に縫い付ける。
準備は全て整った――轟音と土煙の中、二人は空よりそれぞれの得物を。
「「この(炎/光)は」」
ウィーリィの掲げた大包丁の周囲、そこに揺らめく多頭竜の如き火炎。
シャーリーの構えたマスケット銃の銃口、そこに収束する白き光の奔流。
「「みんなの希望の篝火(だ/だよ)!!」」
重なった言葉と共に、シャーリーの指が弾かれるように忙しなく動けば銃口より迸る熱線が、落石に埋もれた騎士達の身体を岩ごと貫き、熱き光線の豪雨が降り注ぎ。
ウィーリィが大包丁を大気揺らめかす勢いで振るえば、全てを喰らい尽す龍の形を成した猛火が、影の騎士達を文字通り飲み込み。
迸る熱線と業火の輝きが鮮やかに、希望の花火を挙げるかのように爆ぜた後には、希望を汚さんとした影の騎士達は塵一つ残らずに消えゆくのみであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リーヴァルディ・カーライル
…ん。此処は今を生きる人達が必死になって築いてきた希望の地
お前達、過去の存在が立ち入って良い場ではないと知れ
左眼の聖痕に自身の魂(生命力)を吸収する激痛を、
激痛耐性と気合いで耐えて魔力を溜めUCを発動
…我が魂を喰らい来たれ、黒き刃達…!
今までの戦闘知識から残像が生じる早業で空中戦を行う黒刃を操り、
第六感が捉えた殺気に感応して敵群を乱れ撃つカウンター主体で迎撃
…数を揃えても私を抑える事はできない。残念だったわね?
自身は存在感を消して気配を絶ち闇に紛れて敵陣に切り込み、
呪詛を纏う大鎌を怪力任せになぎ払い仕留めて回る
…ここから先は誰一人として通しはしない
この地がお前達の運命が潰える地よ、影の騎兵
●そして闇を駆ける
「……ん」
蹄が荒れたダークセイヴァーの地面を慣らすような、けたたましい響きの中に少女は左眼の奥より生ずる痛みを堪えながら、迫りくる軍勢を見据えた。
「此処は今を生きる人達が必死になって築いてきた希望の地。お前達、過去の存在が立ち入って良い場ではないと知れ」
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の中より生じていく痛みが鈍きから鋭きに、鋭きは心の平静すらも乱す程に強く激しく。
だが文字通りに命を削るこの痛みすらも、希望の地を守る為ならば――!
「……我が魂を喰らい来たれ、黒き刃達……!」
左眼の聖痕に与えた命、魂の奥底を引き千切る痛みをそのまま与えるように。
次の瞬間には、敵の一陣の、その遥か後方に現れた濃い黒き刃と、その後に尾を引く薄黒の残影。
影の軍勢が剥き出しにした殺気がリーヴァルディへ向けらえるよりも早く、解き放たれた刃は既に影の軍勢の身体を次々と別ち続け。
死に臥せった影騎士がまた新たに襲い来る影騎士の傀儡となり、新たに襲い掛かろうとも、空を走る三対六刃が過ぎ去って残した影の中、影色の騎士達はその存在を終えさせられていく。
「残念だったわね?」
例え数を揃えようと、個々の力に於いて騎士のそれは彼女の足元にも及ばず。
薄曇りの空の下、影色に覆われた騎士団に紛れるが如き刃に次々とその命刈り取られ、軍勢を突き崩されていく中に。
一体の騎士がその背に嫌なざわめきが走った不快を覚えれば、其処には――深き闇に紛れ乍ら、呪詛による黒靄を纏った大鎌を振り上げた死神<リーヴァルディ>が其処に居た。
「この地がお前達の運命が潰える地よ、影の騎兵」
――その汚れた足の一歩であろうと、通すことは許さない。
黒き靄が弧を描き大気を歪めながら、陽炎のようにその場に揺らめき消えた影の後には。
影の騎兵自身と、それに跨られた馬の生首が一つ、また一つと天高く舞い上がっていった。
成功
🔵🔵🔴
フォルク・リア
「どこからか人類砦の事を嗅ぎ付けてきたのか。
ただ偶然で現れたのかは分らないけど
オブリビオンが現れたのなら
捨て置く訳には行かないさ。」
シャドウライダーの一群を見据えて配置を確認し
砦に近づく前衛を優先して蒼霊焔視を放って進行を妨害。
シャドウライダーが人々の霊を召喚したら
そのタイミングを【見切り】、
【高速詠唱】で蒼霊焔視を発動。
「死人に鞭打つようで悪いが。せめて苦しまずに成仏してくれ。」
間に合わず呪いを放たれたら
呪いの力が込められた冥理影玉を使い。
【呪詛】の【カウンター】を用いて
呪詛返しを狙い。シャドウライダーに呪いを打ち込む。
「人々の怨嗟を受けるべきがどちらかその身をもって
味わってもらおうか。」
●巡ル因果
フードを目深に被り、ダンピールの青年は一人進軍を続ける軍勢を目で捉えながら、その隊列を記憶に置き。
フォルク・リア(黄泉への導・f05375)はふと生じた疑問を呟いた。
「どこからか人類砦の事を嗅ぎ付けてきたのか」
この影の軍勢と、それを率いるであろうオブリビオンが何処から来たのかは分からない、しかし。
「ただ偶然で現れたのかは分らないけど、オブリビオンが現れたのなら、捨て置く訳には行かないさ」
猟兵としての本分を果たさんと、隠れた瞳の鋭きは一瞬で影の軍勢に微かな緊張を齎すと。
「その魂を焼く青藍の炎。怨霊の如く追い縋れ」
走った緊張に抗うように迫る軍勢の速度よりも、フォルクの眼が走らせた視線が影騎士の軍勢を捉える方がより早く。
視線という巡らされた導火線を伝い、突如として巻き起こる蒼き炎が渦を巻き、軍勢のその最先を焼き払っていく。
騎士の燃え上がる身体そのものを結界とするように、前線で盛る業火が後続の進軍を阻むも。
なればと影騎士達は手段を改めることとしたか、鞭を振るうと死人の怨霊を呼び起こしに――
「死人に鞭打つようで悪いが。せめて苦しまずに成仏してくれ」
されど呪いがフォルクに放たれるよりも尚早く、忙しなく動かされた唇の紡ぐ韻律が視線の導火線を辿り。
鞭を振るった騎士の身体を火種とし、その歪んだ魂すらも焼き払う業火が踊り、呼び起こされた怨霊諸共焼き払う。
それは影の騎士という亡霊をも清め焼き払う、送り火の如く――そしてその中に。
また新たに現れた――これで最後になるだろうか。騎士の一体が、自らの身体に文字通り鞭打ちながら、足掻くように呪詛を放たんとするも。
「人々の怨嗟を受けるべきが、どちらか……その身をもって、味わってもらおうか」
投げ放たれた宝珠は足掻きの呪詛を、より深く濃き呪詛を以て返し。
後に響くは、死した者の霊を弄びし最後の騎士が、巡る因果の応報の中で苦悶の叫びを挙げる音であった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『憤怒のドッペルゲンガー』
|
POW : 憤慨黒焔斬
【怒りに任せた岩石をも砕く一撃】が命中した対象を燃やす。放たれた【禍々しく燃える憤怒の黒】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 煉獄憤焔波動
【黒焔の翼から憤怒の炎】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 偽・黒焔纏
全身を【憤怒】に応じて大きく燃え上がる【憤怒の炎】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】と【怒り】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:サカモトミツキ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「龍ヶ崎・紅音」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●怒りの刃
「――気に入らん」
押し寄せてきた影の軍勢を退けた猟兵達の前に現れたのは、大剣を手に黒き靄のような翼を広げた――どこか竜人<ドラゴニアン>めいた姿の少女だった。
重々しく振るわれた大剣が硬い地面を砕き、彼女の纏う熱気が炎の形となって迸り、場に集う猟兵達を圧する。
恐らくは彼女がこの軍勢を率いていた指揮官なのだろうか。
「何が希望だ、何が人類の反撃だ……」
現れた女は、この世の全てを憎む――ある種、オブリビオンにとって原始的な行動原理か。
闇を抱いたような濁った紅き瞳には、目に映る者全てへの憎悪と怒りが宿り、彼女は猟兵と、猟兵が背にする砦の――その先に住まう民を思い浮かべたか、よりその眼を吊り上げた。
「その眼が気に入らんッ! この世界で貴様ら人間に許されたのはッ! そんな眼ではないだろうッ!!」
――人類砦に育まれつつある希望に、やり場のない怒りを覚えたのだろうが。
しかしそんなものは、行ってしまえば只の八つ当たりでしかなく、いい迷惑と言う他無いだろう。
癇癪を起した子供のように矢鱈滅多に大剣を振るい、業火を噴き上げるオブリビオンに猟兵達が一斉に戦意を向ければ。
「貴様ら無力な人間共が、しつこく抗う心算なら……潰してやる! 何度でも、何度でも、な、ん、ど、で、も……貴様らに許されたのは、絶望のみと知れ!!」
その戦意に呼応するように、少女が体中に業火を更に更に迸らせる。
芽生えた希望、育まれ大樹にならんとするそれを焼き尽くされない為に――戦いが始まった。
シーザー・ゴールドマン
癇癪を起した子供の様だね。
君の濁った瞳を見れば、希望に輝く瞳に嫉妬するのも分かるが……
まあ、心穏やかに過ごせる様に骸の海に還してあげようじゃないか。
オド(オーラ防御×火炎耐性)を活性化。
オーラセイバーを剛柔自在な剣術で振るって戦います。
(先制攻撃×怪力×鎧砕き)
(フェイント×2回攻撃×鎧無視攻撃)等
敵POWUCの発動を直感で見切って残像を残して回避。大振りの一撃で体勢が崩れた瞬間に『カーリーの鏖殺』を放ちます。
(第六感×見切り×カウンター)
黒炎は指を鳴らして凍らせて鎮火。
(属性攻撃:冷気×範囲攻撃)
セツナ・クラルス
…へえ
希望を抱くのに許可がいるのか
それは初耳だねえ
だったら、私だってあなたに言いたいことがあるよ
…ねえ?誰の許しを得てここを攻め立てるんだい
私はそれを認めていないのだがね
ああ、とても
「『不愉快だ』」
紡がれる声は二つ
ひとつは私
もうひとつは珍しく意見の合った死神殿の声
感情ひとつで世界を動かせるとでも?
それは余りにいとけない
私の器殿だって、そこまで無邪気ではない…(間)…と、信じているよ
憐むような慈しむようなため息と共に風を発生
炎の軌道を逸らすこと+酸素不足による炎そのものの威力を弱めることが目的
攻撃を往なすことが叶ったら神経毒をたっぷり含ませた鎌で切りつけよう
良い子は休む時間だよ
もう眠りなさい
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「気に入らん…か」
【携帯食料】を食みUC対象を憤怒に設定
怒りに任せて攻めるのはそれだけ攻撃に自信があるのだと【学習力】で判断
ならば十分に力が出せないようにすれば良いか
頭に血が上れば攻撃のチャンスも増えるだろう
流れ込んでくる怒りを心で抑えつつ【ダッシュ】と【残像】で上半身を攻撃し意識を向ける
大技の黒焔に合わせて【目立たない】よう気配を消し狙うのは脚
後続に任せると【覚悟】し、確実にやれるまでは悟らせない
目が合ったならいつもの笑みと共に見つめてあげよう
仲間を信じるそんな目で
更に苛立つなら隙も大きくなるだろう
「人はね。明日を夢見るのだよ」
「だからね。折れない限り前に進むのだよ」
●怒り、ただ流し、そして託す
濁り切った紅の瞳、その虹彩は不変にあるにも関わらず、どこか炎揺らめくように揺らいでいるようにも見えた。
黒鉄の重き大剣を引きずりながら――己が内に湧き上がる、ありとあらゆる者への怒りを踏みしめるように、硬い地面に足跡を盛大に着けながら歩く姿を、干し魚を齧りながら恭介は見ていた。
「気に入らん……か」
「まるで癇癪を起した子供のようだね。あの濁った瞳を見れば、希望に輝く瞳に嫉妬するのも分かるが……」
肩を竦め、呆れ返ったように形の良い鼻筋に息を通すシーザーの言葉に、恭介は彼に言われた通りに瞳を見やる。
濁った火炎の如き揺らぎ、次々と湧き上がる様々な意味を持つ熱――揺らめく火炎に宛てられ熱を孕むかのように、恭介の細胞もまた。
そんな恭介の観察と滾りに気付くこともなく、現れた憤怒は大剣を地に打ち付けた。
「嫉妬じゃあないッ! 許せんのだッ……貴様ら人間の希望がッ……憎い、憎い、憎いッ……!!」
黒鉄の剣より噴き上がる火炎、岩をも容易く溶かす業火が踊り、硬い地面を溶岩と化しつつ舞い踊るも。
鼻でそれを嗤うかのようにシーザーが掌一つ突き出せば、踊る炎は一瞬で蒼白の氷と変わり、糸も容易く砕け散る。
呆気にとられる憤怒の前に、砕け散った氷の中、何処か充てられたように冷たく微笑むセツナが一歩を踏み出した。
「……へえ。希望を抱くのに許可がいるのか。それは初耳だねえ」
釣り上がった唇と裏腹に、その――闇より尚深き黒の瞳に生易しき感情を見せず。
歯噛みしながら睨み、火炎を噴き上げる憤怒へセツナは冷たく言い放つ。
「だったら私も言いたいことがあるよ。……ねえ、【誰の許しを得てここを攻め立てるんだ】い?」
――そして、重なり合う声は二つ。
「『不愉快だ』」
「そっくり返してくれる! 貴様ら自体が不愉快だッ……猟兵共、がッ?!」
つみとるもの――大鎌を振り上げた死神が如き姿と化した、セツナの魂が持つ姿の声に憤怒もまた大剣を振り上げ、大岩すらも打ち砕く一撃を見舞わんとするが。
「随分と自信があるようだ」
呼応する細胞、伝わる怒りに心捕らわれることなく其れを制し。
踊り込んだ恭介の刀による横薙ぎが、憤怒の一撃を制する――分かりやすい、と言わんばかりに。
「ッ……!」
激情に駆られ、反撃の大剣を袈裟懸けに打ち下ろさんとしても、優雅に躍り出たシーザーの光剣が其れを受け止めて。
貴人の振舞うが如き腕の一振りが大剣を横に流すと、聞き分けのない子を躾けるようにシーザーの光剣が強く打ち降ろされ、強かな一撃が憤怒の身体を大きく退かせ。
「鬱陶しい、鬱陶しい、鬱陶しいぃぃッ! 燃えろ、燃えろ、燃えろぉぉぉッ!」
それでも尚、憤怒は大剣で地面を割ると、割った地面に走らせるように業火を解き放つ。
地割が溶岩化し、湧く衝動が今にも猟兵達三人を飲み灰と為さんとするも――
「やれやれ、感情一つで世界を変えられるとでも? それは余りにいけない。私の器殿だって……器殿だって……うん。そこまで無邪気ではないと思っているよ」
言葉に詰まる理由は果てさて。
されど彼の言葉に籠められた言葉は憐み、或いは慈しみ――まるで怒りに狂い駄々をこねる子供の怒りを、大人の分別を以て自然と受け流すように。
そよぐ風の流れは、憤怒が嗾ける熱を逸らし、火炎を猟兵達へ届くことを敵わなくさせていく。
己が怒りの牙を、こうも涼やかに流されることに、憤怒は金切り声を上げて湧き上がる激情を示す。
「ふざけんな! この世界でッ! 貴様ら脆弱な人間がッ!」
「人はね。明日を夢見るのだよ」
希望を抱くなという憤怒の声を、割って入るように輝かしき微笑みを浮かべた恭介が割り込んだ。
響き渡る声と、彼の穏やかな微笑みに憤怒は更に煽られるか、実に分かりやすく大剣を振り上げるも実に隙だらけ――打ち下ろされた大剣を柔らかく横へと躱すと。
滑る刀の一閃が、憤怒の足首に鮮血の噴き上がりを、憤怒の口より靴の叫びを挙げさせた。
「だからね。折れない限り前に進むのだよ。――……」
故に後は任せた。
例え己が折れたとしても、明日を夢見る希望、諦めぬ志が受け継がれていく限り前に進める――その自分とて折れる心算はない。
だからこそ、この希望を託すようにそれに満ちた笑みを浮かべながら、更に返す刀で恭介は足首を更に斬り付けた。
その笑みをシーザーと“つみとるもの”は受け止め頷くと、シーザーが盛大に煽るように、脚を斬り付けられ苦痛に喘ぐ憤怒の大剣を叩き落す。
「だが君は折れたまえ。まあ、せめて心穏やかに過ごせる様に骸の海に還してあげよう」
「ほざけッ! 貴様らこそ骸の海に……か、え、あっ……?」
憤怒も反撃にと、湧き上がる業火を嗾けんとしたが炎が湧き上がることはなく、ただ虚しく空に消えて火花だけが散るのみ。
それこそは“つみとるもの”が仕掛けていた布石、激情を受け流しつつも激情の原動力<酸素>を周囲から減じさせる布石。
激怒に狂いて幾ら掌突き出そうと、彼女の怒りは空しく、薄れた酸素の中には燃え上がることも許されず。
「そう、良い子は眠る時間だよ。おやすみなさい」
打ち震える憤怒の濁った紅瞳に映ったものは、其処には憤怒の感情の一切見られぬもの、穏やかな眠りへと導くものの微笑み。
対極の顔色をした死神が振るった大鎌は、足から崩れた憤怒の身体を静かに斬り裂き――刃に仕込んだ毒は憤怒の顔色を更なる怒りに染める。
されどその怒り、攻撃に移すことも能わずに――
「覚悟は良いかね?」
尻餅をついた憤怒が見た者は。
悠然とした笑みを浮かべた貴公子の掌に灯る、託された希望の光が。
憤怒の腹部を貫き、その身体を天高く舞い上げ、そして――訳も分からぬままに、その身体を強く荒れた大地の硬い中に、背中から打ち付けられていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フォルク・リア
「何度でも。だと。それを言うのは此方の方だ。
お前の様な無法者を何度でも討つのは俺の役目だからな。」
と【挑発】。
敵攻撃を【見切り】、【残像】で攪乱。
隙を見てデモニックロッドの闇の魔弾を使って攻撃。
また、攻撃を受けても余裕の態度を崩さずに敵の殺意を煽る様に。
「口の割に大した『絶望』だな。
その程度の炎なら、この希望に届く前に燃え尽きる。」
と此方に殺意を抱き、その言葉が何度も頭の中で繰り返す様に
【催眠術】をかけ。
敵の感情が大きく揺さぶられた瞬間を見極めて
誘いの魔眼を放ち呪いでダメージを与える。
「己の身勝手で人々の希望を壊そうとした報い。
この呪いで以て受けてもらう。」
ジード・フラミア
「八つ当たり!? ……そんな理由で生きてる人々を殺すなんて……させない!メリア!お願い!」
『ハイハイ!行きマスヨ!
……まァ正直、怒るのも分かりマスヨ。自分の思い通りになラズ、反撃までさレル…さぞ、苛立つでショウネェ……壊したいナラ壊せばイイ!でも、ワタシたちも大切な物までは壊させマセンヨ!!』
【人形のおもちゃ箱】を使用
第一章で【スクラップのなだれ】でばらまいたスクラップを人形に変化させます。
その人形を動かして、人類砦や他の猟兵を庇わせます。
人形が壊れたらまた新しい人形を作り出して庇わせマスヨ。
アドリブや他キャラとの絡みは歓迎です。
●呪いの饗宴
穿たれた腹部を抑え、鮮血に塗れた掌を忌々し気に見――憤怒は、流れ出る血液を蒸発させる勢いの炎を全身から噴き上げた。
「上等だ……貴様らが邪魔をするなら、その都度叩きのめしてやる! 何度でもな!!」
負傷の後をも焼き尽くすように、黒い火炎を纏いながら進軍する憤怒の声に、フォルクがフードの下の眉を潜めた。
「何度でも……だと?」
魔杖を手に一歩を踏み出し、誘うように指を一つ折り曲げて。
憤怒の怒る対象を向けさせるように、誘うように彼は静かに決意を口に出した。
「それを言うのは此方の方だ。お前の様な無法者を何度でも討つのは俺の役目だからな」
「馬鹿にしやがって……その声が不愉快だッ!!」
火花が一つ散るように――弾かれるように動き出した憤怒が大剣を勢いよく振り下ろせば、それをフォルクは自然と躱し。
砕け散り飛び交う隙間を狙い、魔力弾を放つも憤怒はそれを大剣で受け流す。
激しい戦いの様相を見ながら、ジードは歯噛みしつつ、人形の口を忙しなく動かし内に在るもう一つの魂に語り掛ける。
「八つ当たり……! そんな理由で生きてる人々を殺すなんて……させない! メリア! お願い!」
『ハイハイ! 行きマスヨ! ……サァ! 新しい人形達よ! ワタシ達と遊びマショウ!!』
もう一つの魂メリアが力強く宣言すれば、先の戦いで捲いた種子<ガラクタ>が芽吹くように、それを元とした人形が生み出され。
魔力弾を打ち払った憤怒が、その顎門を開き、フォルクを焼き払わんと炎を放てば、人形達はその間に割って入る。
ガラクタを元に作られた人形達の壁は防火壁――絶望と理不尽という業火を防ぐ決意の壁。
「口の割に大した『絶望』だな。その程度の炎なら、この希望に届く前に燃え尽きる」
人形の壁に庇われ焦げ目一つすら与えられることのなかったフォルクは唇を吊り上げながら、憤怒の脳髄に残響を齎すかのように声を通した。
幾度となくリフレインするフォルクの声に愕然とする憤怒へ、また黒き魔力の弾を放てば、憤怒は後方へ吹き飛ぶ。
それでも尽き果てぬという点では同じか。尻餅を着きながらも起き上がりながらの苛立ちを籠った眼が向けられれば、僅かにメリアが身震いするも。
『……まァ正直、怒るのも分かりマスヨ。自分の思い通りになラズ、反撃までさレル。さぞ、苛立つでショウネェ……』
「だから壊す! 貴様らが齎すとかいう、希望って奴をなぁっ!!」
駆け出した憤怒の、業火を纏った黒鉄の大剣が人形の壁を打ち壊すともメリアの紡ぐ人形は次々と憤怒に纏わりつき、果敢に挑む。
先のフォルクが残した響に思考を冒され、狂気めいた剣を振い刃に掛けんとジードとメリアに襲い掛かろうと、メリアは毅然と言い放つ。
『ええ、壊したいナラ壊せばイイ! でも、ワタシたちも大切な物までは壊させマセンヨ!!』
「がぁっ……糞ッ! 離せ、離せぇぇぇッ!!」
ばら撒かれた瓦礫の最後の、残った全てのガラクタを人形に変えて。
憤怒の纏う業火に幾度となく焼き払われようと、尽き果てぬ希望の意志の如く、人形達は憤怒の身体を押さえ付ける。
「今です!」
メリアの為した拘束に、ジードがフォルクへ好機だと促せば、フォルクは静かに頷き。
「常世を彷徨う数多の怨霊よ。禍々しき力を宿すものよ、その呪詛を解き放ち。混沌の眼に写る魂を混沌の底へと誘い連れ去れ」
殺意も、焦燥も十二分に煽りに煽り立てたならば、後は整った引鉄を引くのみ。
ダークセイヴァーの暗き空間の中、爛々と輝く――天網恢恢疎にして漏らさずか、無数に現れた紅の瞳は悍ましく、人形達に拘束された憤怒の身体を視線という名の棘で突き刺し。
「己の身勝手で人々の希望を壊そうとした報い。この呪いで以て受けてもらう」
――響き渡るは、憤怒の変わらぬ、そして枯れることなき耳障りな叫び。
されどその中にあるモノは……肉体と魂を千々に引き裂く呪詛が齎した、果て無き苦痛が確かに混ざっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブOK
ぎゃあぎゃあ喚くなよ…五月蠅いだろうが…
その喧しい咽喉を…ついでに貴様も叩き潰してやろう…!
真の姿の[封印を解こう]
敵を[挑発しおびき寄せ]て攻撃を引き付けよう
鉄塊剣を振るい[怪力、重量攻撃、武器受け]で敵の一撃を正面から受け止め
同行者を[かばい]、[オーラ防御、火炎・呪詛耐性]を纏い憤怒の黒炎を耐えよう
[力溜め、属性攻撃、衝撃波]を用いた【火車八つ裂きの刑】を
振り放ち地獄の炎で敵共々憤怒の黒炎を[吹き飛ばし焼却]してやろう…!
貴様の怒りが静まるまで何度も何度も
鉄塊剣と地獄の炎で叩き潰し燃やし尽くしてやる…!
貴様が絶命するまで、何度も!何度でも!!
フレミア・レイブラッド
貴女達はいつも同じ…そうやって人間を蔑み、侮り、そして倒される…。
良いわ、貴女達がそう言うのであれば、逆に宣言してあげる。希望は消えない。
わたし達は何度でもおまえ達を倒して未来を掴むわ。
【ブラッディ・フォール】で「蘇る黒き焔の魔竜」の「黒焔魔竜・ヴェログルス」の力を使用(フレミアに角や翼、尻尾等が付いた姿に変化)。
【生ヲ貪リ喰ラウ黒キ焔蛇】を放ち攻撃しつつ、敵の炎を敢えて受ける事で【憤怒スル黒竜ノ纏焔】を発動。怒りと敵の炎と傷を逆に利用して増強し、極限強化した【禍ツ黒焔ノ息吹】と黒焔を纏った【神槍グングニル】で消し飛ばすわ
本物の黒焔竜を見せてあげる。偽物が本物に勝てる道理が無いと知りなさい
●裁きの業火
この怒りは何処から来、何処に向かうのか。憤怒の憎悪が籠った眼差しの向かう先、人類砦を後目にフレミアは淡々と言い放った。
「貴女達はいつも同じ……そうやって人間を蔑み、侮り、そして倒される……」
「まぐれ当たりがいつまでも続くと思うな……! 脆弱な人間風情が生意気な……!!」
脆弱な人間とやらの奮起を認められないのだろうか。
オブリビオンとしての憤怒と傲慢のままに、希望の集う砦へ炎を向けんとした刹那、それを制するかのように吐き捨てる声があった。
「ぎゃあぎゃあ喚くなよ……五月蠅いだろうが……」
漆黒の髪を揺らめく炎の如き紅に変え、処刑の装束に身を包んだアンナが憤怒よりも尚怒れる業火を纏い、未だ肌寒きダークセイヴァーの大気を熱く揺らめかせ。
打ち下ろされた憤怒の大剣を真っ向から、鉄塊の如き巨大剣を以て受け止めるとそのまま返す刀身、大剣の腹で以て憤怒を横殴りにし。
「が、ぁぁっ……!」
「その喧しい咽喉を……ついでに貴様も叩き潰してやろう……!」
後方にてフレミアが集中を始める気配を感じれば、アンナは横殴りにされ吹き飛ぶ憤怒が苦し紛れに放った炎を、自らが纏う火炎を以て“それを焼き尽くす”かのように耐えて庇う。
「骸の海で眠るその異形、その能力……我が肉体にて顕現せよ!」
その隙にフレミアが纏う過去の異形は迷宮の世界に住まう魔竜の力――赤黒い鱗を備えた竜の翼を広げ、尾がうねり。
憤怒と何処か似た黒き靄のような火炎を纏う――その姿に憤怒は更に苛立つか、怒りに任せた炎を嗾け、フレミアを早速に焼き尽くさんとするも。
その前にアンナが鉄塊剣を盾のようにし、嗾けられた火炎を受け止めながら――尽き果てぬ地獄の火炎は、又も憤怒の業火より鮮やかに盛り、それを吹き飛ばし。
入れ替わるように前へ出でたフレミアが掌を突き出せば、五指より次々と現れ大気をも焼き払う黒き炎の蛇嗾けられ。
うねる炎の蛇が憤怒に絡みつき、その身体を蝕み、憤怒が纏う業火を弱めながら。
憤怒が業火を纏った大剣を振り下ろし反撃を見舞えば、アンナの鉄塊剣がそれを打ち上げて逸らし、迸る炎は敢てフレミアが受ける――されど其れもまた布石。
怒れる炎を取り込み、己が怒りで上書きするように、フレミア自身が纏う黒き火炎はより盛り、憤怒を圧倒していった。
「本物が偽者に勝てる道理は無いと知りなさい」
纏う熱の気と裏腹に、その声は何処までも冷たく――されどその声が憤怒の闘志を鎮火するかと言えばそうでもなく。
「潰す! 潰してやる!! こんな……何が希望だ……脆弱な身で、烏滸がましいッ……!」
「そこまで怒(いか)るというなら……貴様の怒りが静まるまで何度も何度も、叩き潰し燃やし尽くしてやる……!」
何処までも向けられる者にしてみれば理に尽きぬ怒りに、憤怒は尚も盛る――その声諸共断ち切るように、処刑人が一つ鉄塊剣を憤怒の剣に打ち付け、その体勢を強く崩せば。
処刑人と吸血姫は、脚を崩した憤怒へと静かに距離を詰めていく。
「貴様が絶命するまで、何度も! 何度でも!! 例え蘇ってまた怒ろうと」
「ええ。逆に宣言してあげる。希望は消えない。わたし達の未来を掴むために」
戦場に盛りに盛り続けた三種の業火――内一つのみが、志を違えた悪辣な現在の命を蝕む業火。
そして残る二つは、現在の暖かき灯火を守るために盛った地獄と黒焔――処刑人が鉄塊剣を振り回しながら炎を巻き込み、重厚な刀身に盛る火炎を纏い。
吸血姫が静かに真紅の槍へ、神をも殺す力と業火を迸らせながら、憤怒へとその切っ先を向け。
「「何度でも(おまえ/貴様)を倒して(あげる/やる)!!」」
解き放たれたは“焼く”だけに留まることのなき、過去の亡霊を斬り刻み貫く二つの炎。
憤怒に任せ独りよがりに揺らめき盛る炎を、容易く飲み込み消し飛ばす程に――地獄の業火と神殺しの槍が憤怒の身体を切り裂き、貫き、血飛沫すらも蒸発させ過ぎてゆく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
キミが何度でもボクたちを潰すつもりなら、ボクたちはたった一度だけで終わらせてあげる
だってめんどくさいし
キミの駄々なんかでここの人たちの『希望』を奪わせなんかしないよ!
宇宙バイクで敵の周りを走り回り攻撃をかわしながらUCの炎で周りを包み敵自らの視界が遮られたところで【エクストリームミッション】でバイクを変形させて上空に飛行し、注意をボクの方に逸らしてウィーリィくんが攻撃するチャンスを作り、それに続けてボクも【クイックドロウ】+【スナイパー】で熱線をピンポイントでお見舞いする
フィニッシュは空中から一直線に急降下しながらウィーリィくんとタイミングを合わせてフォースカトラスの【2回攻撃】!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
彼らは抗う事を選び、そして自由を勝ち取った。
ただ喚いているだけのお前にとやかく言われる筋合いはない。
だからもう一度、彼らの『勇気』に加勢させてもらうぜ!
敢えて奴の憤怒を煽って(煽るまでもない気もするけど)怒りに任せた一撃を誘い、【地形の利用】で地面や岩などに空振りさせたり鉄鍋の【盾受け】で受け止めるなどして周囲に奴の黒炎を広げ、【物を隠す】でそれに紛れて奴の死角に回り、炎の【属性攻撃】を付与した大包丁での【捨て身の一撃】を喰らわせてから【神火の竈】の紅蓮の炎で奴を包む。
そして怒りで我を見失わせる事でシャーリーの攻撃の隙を作り、トドメは二人同時に【二回攻撃】の連撃を叩き込む!
●スタートライン
全身から世界そのものを憎む業火を噴き出し、憤怒は大剣を更に地面に打ち付けた。
「クソ、がっ……弱い人間風情が、目障りだっ……!」
「弱い人間風情?」
響き揺らぐ地面を僅かに跳躍し、地面の揺らぎによる影響を無としながら、大包丁片手にウィーリィは憤怒へと立ち向かう。
憤怒の持つ全てを憎み怒り、破壊衝動を向ける眼に露骨な嫌悪を示しながら、ウィーリィは――紛れもなき彼の本心を言の葉と為した。
「彼らは抗う事を選び、そして自由を勝ち取った。ただ喚いているだけのお前にとやかく言われる筋合いはない」
偽りなき言葉故に響くか。
憤怒は形容しがたき雄叫びを挙げると、黒光る大剣を大きく振りかぶり真っ向からウィーリィを真っ二つにせんと打ち下ろす。
「ふざけろ! だったら潰してやる! 何度でも、何度でも!」
「キミが何度でも来るつもりでも、ボクたちはたった一度で終わらせるよ。だってめんどくさいし」
地面に大きな裂け目を作り出すこの一撃すらも、ウィーリィとシャーリーを引き裂くに至らず。
ただ虚しく刃の衝撃と走る熱は、二手に分かれた彼らの間を通り過ぎる――そして単車の駆動音が通り過ぎると同時、シャーリーの言葉が更に憤怒へと突き刺されば。
憤怒は文字通りの憤怒を滾らせ、矢鱈滅多に大剣を豪快に地面に叩き付け、爆ぜ散る岩の礫と業火が舞い踊っていく。
「クソがぁぁぁっ!!」
暴れ狂い大剣を振るい破壊を撒き散らす様はちっぽけな希望を焼き払う絶望の体現。
憤怒は滅茶苦茶に剣を振り回しつつ、近くのウィーリィに標的を定めて怒りの暴力を振るう。
真っ向から喰らえば叩き潰されるであろう攻撃を彼は巧みに躱し、時に大鍋で横に殴りつけ逸らし――周囲には憤怒の攻撃で湧き上がった炎がドームのように彼らを覆う。
だがこれは全て作戦通り――立ち込めた黒き炎は終には憤怒自体の視界すらも覆ってしまう。
「史上最大の凶暴すぎる竜巻ッ! 吹き飛ぶ覚悟もさせてあげないッ!」
今こそ好機と、シャーリーが単車を変形させ勇気を糧に鮫の如き鎧装を纏い――天高くその身を躍らせれば、憤怒はその眼を彼女へと向ける。
「ぐがあああぁっ!!」
されどそれこそ愚策、一瞬の硬直を突き捨て身の勢いで飛び込んだウィーリィの渾身の力を込めた大包丁――憤怒に勝れども劣らぬ火炎を纏う――の一撃が憤怒を大きく斬り裂き。
「我こそは料理人なりィィイイイーーーッッ!」
大包丁を躍らせ、最初に火を手にした人類の紡ぐ火炎が舞い踊り、憤怒の身体を激しく焼いていく。
「無力な人間、そう言ったな!」
「言ったな! 脆弱な人間風情、絶望と恐怖の中に居ればいいッ……希望など、抱く資格はないッ!」
「それはキミが決めることじゃないよ」
ウィーリィの言葉を嘲笑うかのように、憤怒が言葉を紡げば、その言葉を強制的に黙らせるように。
天より銃口を突き付けたシャーリーは注がせる――憤怒の業火を鎮火する大雨、されど水に非ず、熱線という名の雨を。
指を幾度となく弾き、引鉄が躍れば正確に研ぎ澄まされた狙いに放たれた熱線は、憤怒の纏う火炎をも容易く貫き、憤怒に怒りの声の代わりに苦悶の叫びを挙げさせた。
「そうだ。それに彼らは弱くなんかない! 『勇気』ある人間達だ!」
「キミの駄々なんかで、ここの人たちの『希望』を奪わせなんかしないよ!」
だから。
この勇気に加勢する。
その為にこの一撃で終わらせる。
光刃を一気に急降下にてシャーリーが振り下ろし、咄嗟に剣で受けた憤怒を大きく後退させ。
間髪入れずに追い縋ったウィーリィの大包丁が、退かされた憤怒の腹を深く、深く抉り貫き。
そして憤怒が呻き反撃の手に移るその前に。
バーニアを噴き上げ憤怒の眼前に迫り、光刃を振り上げたシャーリーと、大包丁を引き抜き血に濡れた切っ先を突き出すウィーリィの。
裁きの十字架を描くように、同時に交錯した光と鋼の強力無比な斬撃が、憤怒を終には地へと沈めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ハルア・ガーラント
何度でも潰しに来るというのなら、何度だって抵抗するだけ。
【WIZ】
烈火の如き怒りに怯みつつも、手をぐっと握り込み彼女を見据え[覚悟]を決めます。
わたしがやらなきゃ。
[咎人の鎖]にオーラを行き渡らせ[念動力]で操作、彼女の攻撃には鎖を芯に強化した[オーラ防御]を展開。一撃でも喰らったら敗北に傾きそう、防御と空中への回避を主体に戦闘。
[空中戦]を交えつつ攻撃後の隙を狙い[銀曜銃]で[誘導弾]を。地道に削っていきましょう。
彼女が燃え上がった瞬間こちらもUC発動。
ペンギンさん達、彼女の強化効果をまるごと解除です!
彼らに紛れて飛翔、別角度から鎖を高速で飛ばし[捕縛]、[魔力溜め]した魔弾を撃ち込みます!
リーヴァルディ・カーライル
…ん。私はその絶望を終わらせるために此処にいる
何度でもこう言おう。人間はお前達、過去の存在に負けたりしない…と
【生と死を分かつもの】を維持しつつUCを発動
全身を圧縮魔力のオーラで防御して限界突破
今までの戦闘知識から空中戦を行う黒刃と連携して切り込み
敵の気合いや殺気の残像を見切り
黒刃による早業の乱れ撃ちのカウンターで敵の行動を封じ
生命力を吸収する呪詛を纏う大鎌による2回攻撃を行う
…無駄よ。怒りに任せた攻撃が通じると思うな
第六感が好機を捉えたら黒刃を大鎌と合体して武器改造した大剣を怪力任せになぎ払い
時間を断つオーラで防御を無視する斬撃を放つ時間属性攻撃を行う
…この一撃で、骸の海へ還るがいい…!
●解放の時
「糞が……弱い人間は、絶望しか許されないだろうがっ……暗く塞いでいればいいだろうがっ……」
それは蝋燭の消える間際の、最後の揺らめきの如く――憤怒は闇よりも深き黒の火炎を全身から噴き上げた。
人類砦に住まう希望と立ちはだかる猟兵の奮戦を認められぬか、足掻くように叫ぶ姿へ、リーヴァルディは淡々と答えた。
「……ん。私達はその絶望を終わらせるために此処にいる」
「ならその貴様らを潰してやる! 何度でも……な、ん、ど、で、も!」
――その言葉に打ち合わせたわけでもなく、その志同じくハルアとリーヴァルディは続ける。
「何度でも潰しに来るというのなら、何度だって抵抗するだけ」
「故に何度でもこう言おう。人間はお前達、過去の存在に負けたりしない……と」
その決意と覚悟を以て、限界を超えた力、圧縮された魔力の奔流が迸りリーヴァルディは人外に真っ向より抗う力を得。
「行きましょう」
柔らかく煌びやかに、純白の翼をはためかせハルアは空に舞う――手段は違えど立ち向かう志同じの彼女達へ、憤怒が激情に任せ大気を揺るがす一撃を見舞おうと。
ハルアの踊らせた鎖が大剣を弾き、リーヴァルディが先より広げていた三対六刃の黒い斬撃が幾度となく憤怒の大剣を打ち付けて。
圧倒的な黒い刃に圧される憤怒へハルアが散弾の銃撃一つ撃ちこめば、それを真っ向から受け止めてしまった憤怒の大剣にヒビが入り。
愕然とする憤怒の身体を、滑り込むように呪詛を纏った大鎌で斬り付けたリーヴァルディが大剣の刃を根本から折り、憤怒の身体を構成する生命力を奪い去る。
「……無駄よ。怒りに任せた攻撃が通じると思うな」
「通じさせてやる……! 吠え面かかせてやる……!」
何処までも暗く、濁り切った怒りに歯を食いしばりながら憤怒が身に纏う炎を更に盛らせ、己が力を高めても。
突然、その纏う炎は一瞬の内に掻き消され、呆気に取られた瞬間、憤怒の身体は飛来した光弾に撃たれ足を崩した。
「……なっ!?」
「あなたのその力、この仔達が解除しました!」
驚愕する憤怒に凛とした声を響かすはハルア――その周囲に、天獄より出でたペンギンを浮かばせていて。
一瞬の内に通り過ぎた不可視の翼が、清浄な風の中に濁り切った火炎を吹き飛ばすように憤怒の纏う業火を強制的に消し去り。
続け様に放たれた聖なる弾丸が憤怒の足を穿ち――翼より踊る金の鎖が、間髪を入れずに憤怒の身体に巻き付いた。
「後はお願いします!」
「……ん」
超感覚を使うまでもない、誰がどう見ても好機――ハルアの言葉にリーヴァルディは頷くと大鎌を掲げた。
生死を別つ三対の黒刃が、まるで時計の針の如く彼女の周囲を穏やかに回り。
「ぐがあぁっ……離せ! 離せぇぇぇっ!」
「離しません、絶対に」
金属の打ち合う音、何処までも激しく――枯れた喉の限界を超えて出された叫び、それに伴う憤怒の足掻きすらも。
天使は確かに鎖で閉じ込め、ただ終焉の時まで時間を稼ぐ。
ハルアが為した拘束の中、託されたリーヴァルディはただ、周囲を舞う黒剣を一つ一つ、大鎌と一つと為していく。
「おかしいだろ! 絶望して、怯えて、縮こまってるのが人間だろう!? 何でだ……何で貴様らはッ……」
「貴方が思うほど、弱くない」
やがては抵抗の音すらも虚しく、鎖の揺るぐ様も見られなくなる中に。
天使の毅然とした言葉に終には言葉を失い、濁り切った紅瞳に映ったモノは、時空をも斬り裂く力を得た刃を振り上げたリーヴァルディの、
「……この一撃で、骸の海へ還るがいい……!」
蘇りし過去を断ち、現在を害し未来を潰すという時の因果すらも断ち斬る刃が、ただ真っ直ぐに打ち下ろされて。
ダークセイヴァーの虚ろな暗雲の中、何も生み出さず壊し虚無のみを齎さんとした憤怒は消え去っていく姿をただ冷たく見据え。
「……ぁ」
乾いた音を立て、硬い地面に落ちた剣と共に、力の代償として意識を失ったリーヴァルディを、ハルアが柔らかく抱き止めるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『暖かな日』
|
POW : 村人や周囲の手伝いをする。冒険談を話す
SPD : 料理や芸などを見せ、振る舞い、周りを楽しませる
WIZ : 人との交流を楽しむ
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●穏やかな時間を共に
――今此処に、育ち始めた希望を焼き尽くさんとした憤怒は倒された。
漸くに出来た人類砦が予知の光景となる未来は断たれ、繋がったのは……。
「ありがとうございます。貴方がたにはまたもや助けられてしまいました」
「本当に面目の次第もない……本来なら私達がもっとしっかりしなければならなかった筈だったが」
猟兵達の前に現れ、深々と頭を下げた村の纏め役の姿と、かつてこの村を猟兵と共に救った闇の救済者の長である男が後頭部を掻きながらバツの悪そうに現れた姿だった。
悲惨な未来となることは防がれ、身を寄せ合いながら襲撃に耐え凌いでいた民と、猟兵の奮戦の影でそれを守っていた救済者が、漸く解放されたかのように思い思いに元の生活へ戻らんとしていた。
彼らが予知の悲惨な光景になることを防げたことを、心より喜びながら、猟兵達もまた彼らの下へ行く。
人類が何者にも押さえつけられることなき人類砦。
守り抜いた希望の中で――民と共に一時語らうか、もしくは料理や芸を振舞い共に楽しむか……或いは元の生活に戻ろうとする者を手伝うか。
一時の安らぎを、思うままに味わうのも一興かもしれない。
フレミア・レイブラッド
先ずは真っ先に以前来た時に交流し、クリスタルを渡した救済者の少女達や村の子供達の無事を確認。
彼女達の村での暮らしを聞いたりと再び交流しつつ、村の近況を聞いたり、一緒に見て回ったりして村の不足しているモノを確認。
【魔城スカーレット】から不足物資を中心に、今回みたいな時の為の武器や電気を使わない足踏みミシンといった便利品、薬品や布材等のこの世界では手に入り難く長期的に不足する様な物資を提供するわ。
後は…少女達の為に女性用の下着とか化粧品とか女性に要り様な(且つこの世界では手に入り難い)物を彼女達に個人的に提供しようかしらね♪
他にもっと生活環境の改善とか、手助けする時間があれば良いのだけど…。
●再開
戦いを終え、賑わいを取り戻していく人類砦の中――かつて訪れたことのあるフレミアには、気にかかっていた者がいた。
村の中を歩き見回しながら、フレミアはかつての戦友を求め、視線を巡らせていると。
(あの子達は……あら♪)
見かけた二人の救済者の少女、この人類砦の前身を共に守り抜いた勇者達に、フレミアは微笑みながら声を掛ける。
「お久しぶり。元気にしてたかしら?」
「あっ……」
救済者の少女達もフレミアの存在に気付き、またその時の記憶も鮮やかに色褪せぬか、僅かに頬を染めて手を振るフレミアに手を振り返す。
それから――嘗ての時と同じように、居城より様々な生活物資を配りながら、
「あれからどう?」
薬剤や電気を使わない家具等を運びつつ、村での暮らしを問えば、救済者達は概ね善く過ごしているとの快い返答を聞き、フレミアは僅かに眼を細めた。
「お陰様で。こうして人類砦が出来ましたし、それに……」
(まあ……)
頬を染めながら持ち出した紅い結晶――かつてフレミアが与えた守りを大事そうに持つ姿に、微笑ましくも妖艶に唇を軽く釣り上げて。
「そんな頑張ってる貴女達にプレゼントよ」
「えっ、それは……」
そう言ってフレミアが魔城より出したものは、女性用の下着や化粧品類――この世界に於いては支配階級以外に手に入りにくい品々。
機能性も備えながら、かつて被支配階級であった者達では決して味わうことの叶わなかったであろう、華美な装いを楽しめるもの。
急を要するものでなくも、間違いなく暮らしに潤いを与えるであろうそれに恐れ半分喜び半分に受け取る救済者達に、フレミアは躊躇いなくそれを渡していく。
(本当はもっと手助けできればいいけど……)
より良い生活環境の改善も含め、それを為すには時間は足りない。
されどせめて、この中での暮らしがより豊かに、そしてその暮らしが「普通」となるように。
尊き施しは、今日もまた紡がれていく――
大成功
🔵🔵🔵
仁科・恭介
※アドリブ、連携歓迎
「防御のため仕方ないとは言え…流石に丸太を投げすぎたかな」
戦闘が終わった砦周辺を眺めて言葉をもらす
こっそり消えるつもりだったが、仕方ない片付けてから消えるか
【携帯食料】を食んで筋力を強化し丸太を運ぼう
砦の壁を補修するなら積むより打ち込む方がよいか
その辺りは砦内の意見を聞いて動こう
農作業なら自信はあるが、補修とかは流石に専門外だし
しばらく外に出ていたし、最近の状況がわからない
作業の合間に情報も仕入れておこうかな
ちょっとした会話でいろいろ意見が交換できるかもしれない
そして、一通り作業が終わったらそっと消えようか
次の仕事もあるからね
●補完
必要であったといえばそうなのかもしれないが、自分が為した惨状を見て男は後頭部を掻いた。
「防御のため仕方ないとは言え……流石に丸太を投げすぎたかな」
さりとてやらなければ、より酷い光景となっていたことも否定はできず。
干し肉を齧り、高めた膂力を以て幾許かの丸太を担ぎ上げながら、恭介は手近に居た村人の青年に声を掛けた。
「ここなのだが……積むより打ち込んだ方が良いかな?」
「あ、はい。打ち込んで頂けるなら」
修繕に乗り出した一人のようであった青年の頷きに頷きを返せば、恭介も不慣れであれど周囲の行為を真似て丸太を打ち込んでいく。
より砦の防壁を強固なモノと為すように――小気味よい丸太を打ち込む音の中、恭介は隣で作業を行う青年に問いかけた。
「そういえば」
「はい?」
「随分と活気があるね。一体どうしたんだい?」
干し肉を差し出してみれば、問われた青年は顔を輝かせてダークセイヴァーに芽生えた“希望”の話を嬉々として語り出した。
「成程、暫く見ない間に……」
彼から聞いた話曰く――この陰鬱な世界に於いても自ら立ち上がり、人々を守らんとする闇の救済者<ダークセイヴァー>の台頭。
その闇の救済者の活動が成り、今ここに自分と仲間達が守り抜いた人類砦のような、人類の反撃の拠点が生まれ始めている。
嬉々として語る青年の話を一つ一つ噛み締めるように、頭に打ち込んでいくようにまた一つと杭を打ち込んでいく音が響く。
そして――恭介に諸々を語り、作業に戻った青年がふと辺りを見回してみれば、いつの間にやら恭介の姿は其処に無く。
戸惑うように辺りに視線を動かす彼の姿を後目に、恭介は静かに村を後にする。
(次の仕事もあるからね。実に有意義なものだったが)
一通りの仕事は済ませた。戸惑わせてしまった村人の青年には悪いが、次の仕事もあるのならば――
齧りついた干し肉で高めた力を、また新たな救いの為に、彼はまた新たな戦場へと赴いていく。
大成功
🔵🔵🔵
ハルア・ガーラント
そ、そんな。頭を上げてください!
【SPD】
んー、そうですね……皆さん身体も勿論ですが、心も疲れていそう。
[白い腰かばん]から食材を取り出し簡単なスープを[料理]しましょう。コンソメ、ベーコン、玉ねぎ、あとはキノコ。適当な大きさに切り、ぽいぽいと鍋に入れことこと軽く煮込んだら、最後に塩と黒胡椒で味付け。
少しお腹と心が満たされたら……教会や集会所は無事かな? そこに子供や老人をはじめ顔に色濃く疲労が見える方を優先的に集め、持ち寄らせた毛布にくるまらせたところへ子守歌を[歌唱]。[優しさ]が詰まった安らげるものを。
今だけはゆっくり安心して眠ってください。起きたらきっと、前より元気になっていますよ。
●ララバイ
「んー……そうですね」
あれから頭を下げた村長や救済者に、必死にて頭を上げるように請うたのも先ほどなれど。
疲労の色が見えた村の男手や救済者などに何を振舞うか――思案の末にハルアは腰の鞄より取り出すは。
ベーコンや玉ねぎ、キノコをシンプルにコンソメと塩胡椒で煮込んだ温かなスープ。
簡単でありながらも肉と野菜の旨味が柔らかく溶け出し、物理的な温もりと含まれる滋養は民の顔に険しさを消し、代わりに陽だまりの中にいるような温もりを与えていく。
上等な食事に歓喜の声を上げる民や救済者に天使は皿に注ぎながら、こう続けた。
「良かったです。お代わりはありますから、遠慮なく召し上がってくださいね」
――温かなスープと共に与えられた優しい天使の微笑みもまた。
襲撃という争乱に心荒んだ彼らを、柔らかく包んでいく。
与えられたスープに喜び、笑顔を響かせていく民を後目にハルアは気になっていた場所へと赴いていた。
それは民の中でも殊更に力無き、幼子や老人が集っていた教会――神に祈らずにいられない、とは正にこのことか。
訪れた天使の姿に身を寄せ合い、緊張故か僅かな怯えの姿を見せた彼らに、ハルアは微笑むと疲労や緊張の色濃き民を優先して毛布に包ませて。
「……――、……」
ハルアが響かせた歌声は優しく、柔らかく――襲撃に怯え緊張の色濃く、未だ解けずにいた子供や老人を包む。
彼らに与えた毛布よりも温かく、そして甘美に――響き渡る温もりと癒しの音色は、緊張を自覚させたか民に涙を流させて。
それから流される涙の後には、甘美な歌声の合間に寝息という合いの手が挟まれていく。
(今だけはゆっくり安心して眠ってください。起きたらきっと、前より元気になっていますよ)
育まれし希望達よ、もう二度と絶望の中に沈むこと無きように。
流された悲しみの涙はこれで最後に。
穏やかな眠りの中に就いた幼子の涙を指先で拭い、天使は穏やかな祈りを捧げるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
セツナ・クラルス
(村外れで蹲ってる)
通りかかったフィエさん(通り掛からなかったら村人に)に力なく笑みを浮かべ話しかける
…やあ、不躾で恐縮だが何か飲むものを持っていないかな
どうやら体力のげんか、い…
…、
暫し気を失っていたが直ぐに目を覚まして
すまないね
死神殿…私の別人格に村の外で人格交代されてしまってね
彼を呼び出して暫くは動くのもままならない程消耗してしまうのだよね
それを知ってる筈なのに、死神殿も本当に意地悪だよねえ
(殺されかけたのにも関わらずにこにこしている)
私と死神殿は互いを利用し合う間柄
この程度のことは稀によくあることなのさ
…まあ、でも周囲に迷惑をかけないようにしないとね
今回は助かったよ
あなたは命の恩人だ
●情けは人の為ならず
村の外れにて黒衣の男と紅衣の女、そして素朴な外見の少女が並んで腰かけていた。
「いや、助かったよ」
「礼なら彼女に言ってくれたまえ。わざわざ汲んできてくれたのだから」
「そうだね。あなたは命の恩人だ」
正に生き返る、と言わんばかりにくすんだグラスに注がれた水をセツナは一気に飲み干した。
飄々と肩を竦めながら、村人の少女を掌で指したスフィーエにセツナはそうだね、と答えるように水を持ってきた少女に微笑みかけた。
――事は数分前に遡る。
「……何をしているんだ君は」
「やあ。不躾で恐縮だが何か飲むものを持っていないかな。どうやら体力のげんか、い……」
戦いが終わり、村を訪れていたスフィーエは堂々と村の中で倒れていたセツナに苦笑しながら問うと。
余程戦いがきつかったのだろうか、急速に力を抜き倒れ伏すセツナの扱いにやや困ったようにしながらも。
それを見ていた少女が、気を利かせてくれたのかコップ一杯の水を持ってきてくれたわけで……。
――そして時は戻り。
落ち着いた様子を見せ始めたセツナは、これまでの消耗が嘘のように饒舌に語り出した。
「死神殿のせいでね。暫く動けなくなるほど消耗してしまうのだよ」
意地が悪い人格殿だ、と笑うセツナに隣で腰かけたスフィーエは曖昧に微笑み、ただ軽く頷いて続きを促した。
セツナ曰く、利用し合う関係、稀によくある……多重人格者故の逃れられぬサガか。
否定もしないスフィーエの視線と、何を言っているのか分からないと首を傾げた少女の視線に気付くと、ややバツが悪そうに。
「……まあ、でも周囲に迷惑をかけないようにしないとね。本当にありがとう」
改めて、と頭を下げるセツナに、少女が守ってくれたのはあなたの方だと慌てたように両手を振れば。
聖者はとても――そう、とても自然な語り口でこう返した。
「その私を助けてくれたのはあなただよ」
――人の為ならずの情は、こうして巡っていくのだろう。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブOK
戦いは終わった…が…
だけど…希望を育む為の戦いはまだ終わらない…
村人や救済者のお手伝いをしよう
[怪力]で力仕事をしたり、救済者に[戦闘知識]を教えたりしようかな…
この闇に覆われた世界で…
彼らが築いた希望の灯火が闇祓う光明と成るように
[祈り]を捧げよう…
●守る為に
闇の救済者を初めとし、彼らと同じように戦場に身を置くことを決意した村の若者達の励む声が響く。
威勢の良き様相を見守りながら、彼らに指導を施していたアンナは此度の戦いを無事に終えたことを安堵しながら思う。
(戦いは終わった……が……)
希望を消そうとした絶望を払えた。
だがその希望を守る為の戦いは終わることはない――本当の意味で晴れ空を取り戻す日まで。
ただ敵を払うよりも大変な戦いは続くのだろう――それでも。
「アンナさん、こんな感じで?」
「ああ……それで良い……」
出来ることはしよう。
せめて彼らが、この先また絶望が襲い掛かろうと屈することなく戦い抜けるようにと。
己が持つ戦いの知識――処刑人として培ってきた、より効率の良い攻め方を初めとする、力無き者でもより上手く戦えるようにと。
実践を交えながらアンナは彼らに戦いの指導を施していた。
不安げに問う若者に、こくりと頷き肯定の意を示し、アンナは静かにその様相を見守る。
「……」
ぎこちなくも訓練に乗り出していく救済者、それに留まらぬ民が教えを反復している中、アンナは密かに眼を軽く伏せる。
(どうか、彼らが築いた希望の灯火が――)
育まれたといえど、未だ世界全てを照らすには至らぬ小さな灯火。
猟兵の介入無くば掻き消されることもあり得るものの――されど、世界に住まう者自らが立ち上がり灯した希望の光。
やがて本当に闇祓う光明と成るようにと、祈らずに居られず――
「アンナさん?」
「ん……?」
不意に遠慮がちに掛けられた声に、僅かに首を傾げて見れば、村人の一人が指さす先をその眼に映した。
「あの、あっちで手伝って欲しいことがあると」
「分かった。すぐに行く……」
見れば防壁の補強らしき作業をしている最中、どうやらまだ手伝えることがあるらしい。
訓練に励む者達へ一つ激励を贈りながら、忌まわしき絶望を処した女は新たな希望を育む為の“戦い”に乗り出していくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
……ん。何とか、無事に倒す事ができたみたい
…敵の死を確認する前に倒れる未熟は、後で反省するとして…
まずは、この家の人にお礼を言わないとね…
戦闘の反動で気絶した後、村人の家で休ませてもらい
動けるようになったら休ませてもらったお礼をするわ
…せめて何か仕事のお手伝いを……む
確かに逆の立場なら、今まで寝ていた者に仕事は任せられないけど…
そうね、それなら、こういうのはどうかしら?
UCから“大量の保存食”の一部を取り出して村人に見せ、
村の食料保管倉庫に案内してもらい
倉庫内に“大量の保存食”を置いておくわ
…この時期ならまだ倉庫に空きがあるはず
多少、余裕が出てきたとはいえ糧食は大いに越した事が無いでしょう?
●投資
(ん、何とか倒せたようね)
ベッドの中で意識を取り戻したリーヴァルディの眼に映ったのは、ランプの照らす薄暗い家屋。
煤けた天井と、彼女を看病していたであろう、やや痩せ細った中年女性の心配そうにリーヴァルディを見つめる姿。
「有難う。助かったわ。お礼と言っては何だけど、せめて何か手伝いたい……」
「そんな!」
女性から受け取った水をゆっくりと流し込んでいきながら、微笑みと礼の言葉を述べ、手伝いを申し出るも、明らかに慌てふためいた様相の婦人に両肩に縋りつくように手を置かれれば。
「む」
考えてみれば自然なことか――人類砦の為に戦い、今の今まで倒れていた者に、いきなり仕事を手伝わせるなど。
婦人の手を優しくどかしながら、リーヴァルディは少々考えると、何かを想い付いたようにベッドから降りると。
「そうね、それなら、こういうのはどうかしら?」
――開け、常夜の門。
妖しく輝く方陣より繋いだ常夜の世界――その古城に財宝の如く蓄えられたもの。
否、ある意味、財宝よりも代え難きモノ。それは乾物や燻製を初めとする、年の単位で保存を可能とした大量の保存食。
現れたそれらを前に戸惑いと興奮を綯交ぜにする婦人に、これならどうかとリーヴァルディが軽く唇を吊り上げれば。
「まだ沢山あるの。宿代ということで」
其処まで言われてしまえば、婦人も苦笑しつつそういうことであれば、と快くリーヴァルディを食糧庫へと連れていき。
方陣にて古城への門を開きながら、婦人と倉庫番に向けて彼女は言った。
「多少、余裕が出てきたとはいえ糧食は大いに越した事が無いでしょう?」
――それに、もう法外な税という形で盗られることはない。
願わくば、この食料が全て費やされるその前に、暗雲の晴れる日が……そう在るようにと。
常夜の世より取り出した食料を、山と貯蔵庫に積む――この人類砦に住まう彼らの幸福を願い、幸福を積み重ねていくようであったという。
大成功
🔵🔵🔵
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
(SPD)
ウィーリィくんと一緒に炊き出しを手伝いながら村の人たちや救済者の人たちを【鼓舞】する
「すごいよね、あの村がこんなに立派な砦になるなんて」
前にこの村の復興を手伝った時の事を思い出しながらみんなの労を労う
「大変だったでしょ、ここまで大きくするのって」
ダークセイヴァーにはボクの生まれた世界みたいな大型重機なんてないからこれも全部人の力で築き上げたんだよね
「あの日からみんなががんばってきたから「今日」がある。この砦はその証だよ」
「だから、「今日」を「明日」に繋げられる様にがんばろうね」
ここは、みんなの『希望』だから
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
(SPD)
シャーリーと一緒に炊き出しを手伝う。
【料理】の腕をフルに活かして持参してきた食材と砦の備蓄(どこまで使っていいか責任者と相談の上)でスープを作り、みんなに振る舞う。
そして救済者達にここの砦が出来るまでの話を聞く。
「そういやいつの間にかすごい砦が出来てたけど、どうしたんだ?」
救済者だけじゃなく、もっと多くの人の力が集まったこそだろう。
「人類砦とはよく言ったもんだな」
備蓄をチェックしたついでにここにある食材で作れそうな料理のレシピを残し、ここの人達が色々な料理を楽しめる様にする。
明日のご飯の献立を楽しみにしながら眠りにつけるような、そんな当たり前の日が来る事を願いながら。
●明日へのキセキ
思えばあの日もそうだった――戦いを終え、疲弊した村に同じようにスープを振舞った記憶がウィーリィにはある。
あの時も、こうして村の纏め役や倉庫番も交えて、食料の備蓄と相談しながら作った記憶もあったが。
「成程な。丁度良かったってことか」
唇を釣り上げるウィーリィの前にあったのは、人類砦の活動や猟兵の提供もあり潤った倉庫、その賑わいを示す豊富な食料。
とはいえ妄りに使い込むのも良くないが、料理は魔法、元気も、笑顔も、作り出すもの。
今後の生活に大きな影響を与えずに、されどダークセイヴァーの基準からすれば豪華絢爛に。
「お鍋持ってきたよ!」
「応!」
寸胴を抱えやってきたシャーリーの助力も得ながら、ウィーリィは作り出していく――自然と人類砦に集う者を引き付ける魅惑の香りを。
豊富な食材を元に作り出された、例え神すらも塀を飛び越えやってきそうな滋味に満ち溢れたスープが程なくして作り出され。
料理人<魔法使い>の本領発揮か、質と量を兼ね備えた大量のスープに砦に住まう者達は殺到し――そして始まるのは、スープを囲み笑い合う懐かしき姿だった。
「そういやいつの間にかすごい砦が出来てたけど、どうしたんだ?」
宴と言って良い賑わいの渦中、皿にスープを注ぎながら、救済者の一人にそれを差し出しつつウィーリィは問うた。
それを受け取りながら救済者――奇しくもこの人類砦の前身を救う為、道程を助けた際に行き会った救済者――は受け取った皿より伝わる温もりに緊張を解しながら思いを馳せた。
「そうですね……皆さんと一緒にこの村を助けた後の話ですが」
救済者曰く――各地でこうした闇の救済者の活動が活発になるにつれ、解放された村々が出でたのを機に、少しずつであるが本格的に村人も希望を持つようになり。
こうして人々が集い、村を元に砦と呼ばれるように塀を作り出し、他の救済者の一団とも合流し――
「すごいよね、あの村がこんなに立派な砦になるなんて」
「人類砦とはよく言ったもんだな」
感嘆の息を漏らすシャーリーに、感慨深げに頷くウィーリィ。
照れ臭そうに後頭部を掻く救済者に、シャーリーは更に言葉を続け、その労をねぎらった。
「大変だったでしょ、ここまで大きくするのって」
この世界にはシャーリーの生まれ故郷(スペースシップワールド)のような機械の力はまず無い。
魔術的な力もまず一般人で使えるはずもなく――解放を為して半年近く、寒村を元に小さいとはいえ【砦】を名乗れるほどの設備を作れたのは、尊敬せざるを得ない。
「ええ、まあ……ですが、あなた方の力が無ければ」
「そんなことないよ」
謙遜するように委縮する救済者の声を制するように、シャーリーは真っ直ぐに彼を見つめる。
「あの日からみんなががんばってきたから『今日』がある。この砦はその証だよ」
――文字通り村を飛び回って、疲弊した村の修繕を行ったあの日。
悪辣な支配の下、寂れてしまった村の光景は今や希望が身を寄せ合い、温かな光とならんとする光景となっている。
「だから、『今日』を『明日』に繋げられる様にがんばろうね」
「……ええ!」
シャーリーの激励に救済者達が威勢よく答えれば、彼らはまた守られた平和の中、一時の至福に身を置いていく――。
「なあシャーリー」
「何、ウィーリィくん」
民の賑わいを後目に、貯蔵庫の中にある食材でも作れるレシピを書き記しながら、ウィーリィはふと声を発した。
「今はまだこれが『特別』かもしれない。でも、いつの日か『普通』になって欲しい」
スープ一つで宴会騒ぎに等しく賑わい、そして明日の献立は何かと語り合う。
未だ人類に厳しい世界では特権階級にのみ許された贅沢、されど他の世界に於いては珍しくも無き光景。
「なるよ、必ず」
――その返答に疑う余地もなく、少年は少女に力強く頷きを返し。
料理人はそっと書き記した【希望】を貯蔵庫の目立つ箇所に張り付けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フォルク・リア
「確かに今、此処を守った者は敵を打ち払った者なのかもしれない。
だが、それはこれまで此処が守られてきたからこそ。」
「つまり剣持つ持たない者も立派に戦っていたという事さ。」
などと闇の救済者や村人と話しつつ。
「じゃあ、村の人達が戦う為の手伝いでもするとしようか。」
死霊縋纏を使用し、霊を駆使して村に被害が出ていないか
確認して回る。
特にドッペルゲンガーの炎の残り火や
シャドウライダーの怨嗟、霊の残滓には注意。
火はその場で消火したり人に知らせ
シャドウライダーの霊は破魔の術を用いて
浄化、成仏させる。
「村の人達が安心して過ごせるように戦いは
しっかりと終わらせておかないとね。」
●アフターフォロー
「確かに今、此処を守った者は敵を打ち払った者なのかもしれない」
護り抜いた人類砦の中、宴もたけなわに甲斐甲斐しく猟兵達に礼を述べる村長や闇の救済者を諭すようにフォルクは声を響かせた。
「だが、それはこれまで此処が守られてきたからこそ……つまり剣持つ者も持たない者も立派に戦っていたという事さ」
自分達は確かに襲撃してきた敵を打ち倒し払った。
しかし絶望色濃き世に於いて、細やかであれど人の寄り添い、希望の名の下に反撃の拠点と為したのは。
最初に猟兵の助けこそあれど、見事に盛り立て保ち続けたのはこの世界の民に他ならず――何ら猟兵に劣らない立派な事を為したと彼は語る。
フォルクの言葉に気恥ずかしそうに、それでいて自信が芽生えたかのように己を誇っていく姿にフード越しの眼を満足そうに細めると。
「じゃあ、村の人達が戦う為の手伝いでもするとしようか」
何処に行くのかという村人に軽い見回りをと一言残しフォルクは行く。
勝って兜の緒を締めよとはよく言ったもので、フォルクが呼び出すのは過去と罪深き刃を見る霊であった。
それを伴い、フォルクは人類砦の中を見て回る――この平和な一時にあるからこそ、気を払わねばならない。
ここを襲撃した亡霊が残した禍根というものを――特に最初に襲撃してきた影の騎兵隊は、死した霊を元手にする力すら持ち合わせている。
単純に残った火はその場で消し――時に不安げに伺う村人に声を掛け消火もさせながら。
そして本命の、影の騎兵が遺した霊魂の残滓、力は持たねど放置すれば少々厄介なことになるそれと相まみえれば。
「村の人達が安心して過ごせるように戦いは、しっかりと終わらせておかないとね」
翳した掌より死人の霊魂を浄化し、天に導く光を浴びせることにてそれを祓う。
残すべきは飽く迄希望と安らぎ、これ以上彼らに襲う禍根が無きように――フォルクは確りと、災いの残り火を消して往くのだった。
●雌伏の時より立った者、守られた至福の時
かつて悪辣な支配者に苦しめられた寒村があった。
日々の暮らしを苦痛の中に過ごさねばならなかった風前の灯火は、自ら立ち上がり他を助ける道を選んだ者達と、それを助ける猟兵の力を以て人の寄り添う温かな灯火となっていた。
そして今も――その温かな灯火を呑み込み、人の営みを焼き払わんとした業火も、猟兵の戦いの下に消し去られた。
ふと見ればかつて苦役の中に人間らしい感情を奪われ続けた民は、守られた人類砦の中で至福の表情を浮かべ、希望の一端を担っている。
もしかすれば、また彼らの希望を消さんとする者が現れるかもしれない。
だが雌伏の時より立った者の希望、温かな希望の中で至福に在る者を消さぬ為、そして増やし続けていく為に。
これからも闇の救済者<ダークセイヴァー>達の活動は続いていくのだろう。
大成功
🔵🔵🔵