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メイド島の戦い!

#グリードオーシャン


●グリードオーシャン
 メイド島と呼ばれる島がある。
 この島に住んでいるのは、すべて……メイド!
 しかも、普通のメイドだけでなく、ヴィクトリアメイド、ゴシックメイド、ゴスロリメイド、ロリータメイド、ミニスカメイド、チャイナメイド、和風メイド、水着メイド、サイバーメイド、サンバメイド、コサックメイド、ゲイシャレイド、ニンジャメイドなど様々。
 だが、そこには裏があった。
 ……この島に住む者は老若男女誰であれ、メイドでなければならない。
 その上、御主人様の命令は、絶対ッ!
 例え、それが間違った事であっても、従わなければ、その場で……処刑!
「メイドの分際で、俺様に逆らう気か!」
 あの扱いは、まさに奴隷!
 しかし、この島では、それが当たり前!
 それが、この島を支配しているコンキスタドール『侯爵夫人』と『島喰らい』が島民に課した掟。
 そのため、逆らう者は、その場で処刑。
 例え、どんな理由があっても、命はない。
 それ故に、この島に住むメイド達は、見えない首輪と手枷足枷を嵌められているような状態になっていた。

●ガジルからの依頼
「メイドさんが、ピンチなんだよ!」
 ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が真剣な表情を浮かべ、今回の依頼を説明した。
 今回の目的は、コンキスタドール『侯爵夫人』と『島喰らい』の撃破。
 『侯爵夫人』と『島喰らい』は島の中心にある屋敷に住んでおり、メイド服姿の島民達に料理を運ばせているらしい。
 しかも、コンキスタドール『侯爵夫人』と『島喰らい』が食べる料理の量はハンパなく、島民達が休む間もなく料理を作り続けなければならないレベル。
 そのため、島民達は身も心も、ヘトヘト。
 だからと言って休むような事をすれば、メイド姿の『リストリクトソルジャー』に襲われ、命を奪われてしまうようである。
 それを防ぐためにも、猟兵達の協力が不可欠のようだ。
 島に上陸するためには、メイド服姿になる必要があるものの、あえて別の恰好をして、リストリクトソルジャーの注意を引き、島民達が逃げるまでの時間を稼いでもいいだろう。
 その事を踏まえた上で、コンキスタドールを撃破する事が、今回の目的だった。


ゆうきつかさ
 OPに書かれていない事や、分からない事があった場合は、都合よく解釈してかまいません。
 方針的には、みんなで物語を作っていく物だと考えているため、世界観や設定に問題がない限り、採用していこうと思っています。
 そのため、何をしていいのか分からない場合は、キャラクターらしい行動を心がけておきましょう。
 基本的に失敗しづらい仕様になっていますので、ある程度の無理をしても問題はありません。

 第1章は【冒険】です。
 『悪の掟』によってメイド服姿を強制されている島民達を助けだします。
 メイド服姿であれば、島に上陸する事も容易なので、島民達の安全を確保しつつ、メイド服姿のリストリクトソルジャー達を倒していきましょう。
 幸いリストリクトソルジャーの数は、それほど多くないため、島民達の安全を確保する事さえ出来れば、倒す事は難しくありません。
 また島民達はメイド服姿でコンキスタドール達が食べる料理を作って運んでいます。

 第2章は【集団戦】です。
 島民達の協力を得て、コンキスタドールの拠点に攻め込みます。
 コンキスタドールの拠点は、島の中心にあり、メイド服姿のリストリクトソルジャー達が守りを固めています。

 第3章は【ボス戦】です。
 島を支配者するコンキスタドールと戦って撃破し、「悪の掟」から島を解放します。
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第1章 冒険 『対決メイド島』

POW   :    肉体労働で住民にご奉仕

SPD   :    技を生かしご奉仕

WIZ   :    頭を使ってご奉仕

👑11
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雷田・龍子
●SPD
「これは忌々しき問題ですね」
これは戦メイド隊長だった龍子にとって見過ごせない案件である。
普段着より着こなしているメイド服姿で潜入を試みる。
潜入後はリストリクトソルジャー達をユーベルコード「忍殺」で倒しつつ島民達の解放を試みる。



●メイド島
「……これは忌々しき問題ですね」
 メイド島に上陸した雷田・龍子(人派ドラゴニアンの全力お姉さん・f14251)が目の当たりにしたのは、変わり果てた(メイド)姿になった島民達であった。
 島民達はメイド姿の『リストリクトソルジャー』に鞭を打たれ、朝から晩まで寝る間も惜しんで食事を作り続けており、身も心もボロボロになっていた。
 だが、ここで許可なく休む事は、自らの死に繋がってしまう。
 その事が分かっているため、誰も途中で休む事なく、虚ろな表情を浮かべながら、朦朧とする意識の中で、必死に身体を動かしていた。
 それがどんなに辛い事なのか、見ているだけでも理解する事が出来た。
 故に、戦メイド隊長だった龍子にとっては、見過ごせない案件であった。
 そもそも、メイドは奴隷ではない。
 御主人様の言う事を聞くだけの人形でもない。
 しかし、この島を支配しているコンキスタドール達は、メイドをモノのように扱っていた。
「そこのメイド! 何をサボっている!」
 メイド姿のリストリクトソルジャーが、殺気立った様子で龍子に鞭を振り下ろした。
 だが、そこに龍子の姿はない。
 先程までいたはずの龍子が、その場から忽然と姿を消していた。
 それはリストリクトソルジャーにとって、信じられない出来事であった。
 しかし、それは紛れもない事実。
 ……揺るぎない現実であった。
「ハイクを詠め」
 次の瞬間、背後から声が聞こえた。
「だ、誰だ、そこに……いるのは……」
 その声の主が誰なのか、理解する余裕すらなく、リストリクトソルジャーの意識が、この世から消失した。
 だが、島民達を救うためには、まだまだリストリクトソルジャー達を倒していかなければならない。
 その決意を胸に秘めながら、龍子がゆっくりと歩き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

華上・ユーディ
メイドさんの為に一肌脱ぎます。

「メイドの強要は許せません」
島に上陸する際は地味なメイド服着用で上陸します。

「肉体労働で住民にご奉仕(POW)」に挑戦。

メイドの振りをしながら島民の方を救う機会を狙います。

体力とグラップルの体裁きを使い雑用をささっと終わらせるのです。


 夜、海賊が眠った隙をつきUC「魂の拳」を使い当て身で寝てもらいます。

ついでに悪い心も砕きいいこになってもらいますよ(ぇ)


リコリス・ガレシア
普段は天然なゆるふわ少女。
戦闘時は天叢雲剣に宿るクールな鬼の少女。

メイド服の少女は敵方のメイドに抗議。
「これ以上、みんなを虐めるのは止めるのです!」
相手が襲ってきたら【明鏡止水】を使用。鞭を素早くかわすと同時に【カウンター】で【怪力】の左拳を放ち吹っ飛ばします。
それと同時に少女の人格が変わります。
夜のような黒髪、血のような赤眼、彼岸花模様の和風メイド服。
カチューシャの代わりに、般若の面を斜めに被ります。
「この子は毎度、猪突猛進しすぎるな。嫌いじゃないが」
依代の少女について呟きつつ、左腕と一体化する天叢雲剣を右手で抜刀し、敵を見据えて隻腕にて構えます。
「妙な格好だが仕方ない。すぐ片を付けてやる」


ジード・フラミア
ジード「メ、メリア、ほ、本当に、この格好で上陸するの……?少し、は、恥ずかしいのだけど……別の格好で注意を引きつけるのもありって言われてたよね……」
メリア『何言ってるんデスカ!島民を安全なところに避難させるのが先、と言ってたのはジード自身デショウ。下手に注目を上げると出会った島民さんを危険に晒しマスヨ!』

ジードと人形メリアは安全性とメリアの趣味を考慮してメイドの格好で上陸します。


UCは【衣食住にメイド付き】を使用
島民を見つけ次第、『安全な場所への避難』・『怪我をしていた場合の治療』と言う非戦闘行為に集中します。

今回、戦闘は他の猟兵に任せ、ジードやメイド人形達で島民を安全な場所まで避難させます。


フィロメーラ・アステール
「メイドは戦闘職じゃないのか……!?」
どうやらこの世界では違うらしいな!
本場のメイドの恐ろしさを知らしめなくては!

まあ、あたしはメイドではないんだけど!
でも【七星纏身】を使えばあら不思議!
しゃららーん、妖精メイドに変身だー!

この変身と【演技】を武器に潜入!
精神力の厳しい人を【鼓舞】して【勇気】を与えたり、体力の厳しい人の仕事を【念動力】で代わってあげたりして、島の内情とか敵の配置とかを【情報収集】していくぜ!

この変身魔法陣は敵に【投擲】する使い方もできる!
敵をメイドじゃない姿に変身させれば、混乱させたり同士討ちを狙ったりできるかもしれない!
これで味方の行動や島民の避難を支援できたらするぞ!


番場・レイチェル
※アドリブ・連携歓迎

うう、生活費の為にはマークを隠すと広告費が入らなくなってピンチ……でも、メイド服を着ないと目立つ……いや、なら目立った方が広告費的にもウマウマなのでは……?

謎の仕組みで専用コスチュームに集まった視線の量、時間に応じて広告費を貰えるヒーローなアタシは、このままの格好で上陸するよ!
かなり危険だけど、この方が見返りが大きいんだから必死に頑張るよ! 陽動になればいいケドナ!

持ち込んだハンバーガーを食べつつ、島を全力ダッシュ! こんな格好してるんだから目立つ筈! こんな格好を見られるのは嫌だけど、それが役に立つのなら……!
(後の戦闘に備えてカロリー摂取しつつの行動)


アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください


アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、気にいったら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです

日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●逆らえば、死……あるのみ!
 一方、その頃。
「もう無理! なんでアタシ達が、こんな目に!」
 調理場ではギャル風のメイドが、不満げな様子で座り込み、何やら文句を言っていた。
 それも、そのはず。
 朝から晩まで、料理、料理、料理。
 目を閉じても、料理が作れてしまう程、身体がレシピを覚えていた。
 だからと言って、自分の意志で料理を作っている訳では無い。
 半ば強制的に料理を作らされているため、身も心もヘトヘトだった。
「お前達に拒否権はない。嫌なら死ね。働かざる者、食うべからず。動かぬ者には……死を!」
 メイド姿のリストリクトソルジャーが、死の宣告にも似た言葉を吐き捨て、キャルメイドめがけて鞭を振り下ろそうとした。
「メイドの強要は許せません」
 次の瞬間、メイド服姿の華上・ユーディ(は隠居生活中・f02310)が颯爽と現れ、リストリクトソルジャーの前に陣取った。
「なんだ、お前は! 邪魔をするのであれば、お前も同罪だ!」
 その途端、リストリクトソルジャーが、イラついた様子で殺気立った。
 しかし、ユーディはリストリクトソルジャーを前にしても、全く臆しておらず、その瞳に迷いはなかった。
「マジで、もう無理! だから助けて! もう動けない!」
 それとは対照的にギャルメイドは、ユーディにしがみつき、瞳を潤ませ、泣き言を言っていた。
「本音を言えば、もう少し後に正体を現すつもりでしたが、目の前で苦しんでいる人がいるのに、放っておく事など出来ませんからね。それに、この場所にいるのは、あなただけ。少なくとも、倒すべき敵は、あなただけです」
 ユーディが笑顔を浮かべたまま、リストリクトソルジャーに【魂の拳(タマシイノコブシ)】を繰り出した。
 その攻撃は肉体を傷つける事なく、悪心と邪念のみを消失させる魂の一撃。
「これは一体……!? わ、私は今まで何を……!」
 それと同時に、リストリクトソルジャーが罪悪感に襲われ、罪の意識から手に持っていた鞭を放り投げた。
 既にリストリクトソルジャーに悪心も邪念もない。
 その影響で、自分の行いを悔いるようにして、その場にヘナヘナと崩れ落ちた。
「えっ? えっ? どういう事!?」
 その反応に違和感を覚えたギャルメイドが、頭の上に沢山のハテナマークを浮かべた。
 そんな中、リストリクトソルジャーが穢れのないキラキラと瞳(?)を輝かせ、ギャルメイドを見つめるのであった。

●生きるか死ぬか
(うう、生活費の為にはマークを隠すと広告費が入らなくなってピンチ……。でも、メイド服を着ないと目立つ。……いや、なら目立った方が広告費的にもウマウマなのでは……?)
 そんな中、番場・レイチェル(ミートコンバーター/食べたくない・f27452)は小舟に乗ったまま、悩みに悩みまくっていた。
 メイド服姿のリストリクトソルジャーと戦わず、島民達を助け出すためには、メイドの恰好をしておくべき。
 それが唯一の方法ではあるのだが、その代償は大きく、放っておけるレベルではない。
 そもそも、生活費を犠牲にしてまで、自らの安全を確保する事に意味があるのか疑問が残った。
 それ以前に、レイチェルは謎の仕組みで、専用コスチュームに集まった視線の量、時間に応じて広告費を貰えるヒーローである。
 その事を否定して、メイド服姿になる事は、自己の否定にもなりかねない。
「よし、決めた! アタシは、このままの恰好で上陸するよ。……というか、上陸すべき!」
 半ば強引に自分自身を納得させ、島に上陸したまでは良かったものの、気がつけばリストリクトソルジャー達に囲まれ、絶体絶命の大ピンチ!
「……あれ?」
 それは予想をしていた事ではあったが、あまりにもリストリクトソルジャー達の到着が早かった。
 まるで何か目印があったため、メイド服姿のリストリクトソルジャー達の集まりが早かったのではないかと疑ってしまう程に……。
「……あ!」
 そして、レイチェルは気づいた。
 おそらく原因は、このコスチューム。
 だが、リストリクトソルジャー達の視線が、レイチェルに集中しているおかげで、広告費がボーナスタイム状態。
 『こんなにもらえて大丈夫?』と思ってしまう程、広告費を貰っているため、嬉しさ半分、ヤバさ半分と言った感じだった。
(何となく自分の命を削って、広告費を貰っているような気もするけど……。死ぬような事はないよね)
 そう自分自身に言い聞かせ、持ち込んだハンバーガーを頬張ったものの、沢山の死亡フラグに熱烈歓迎を受けているような錯覚を覚えた。
 それでも、全力ダッシュでリストリクトソルジャー達を引きつけるようにして、走って、走って、走りまくるのであった。

●不安な気持ち
「メ、メリア、ほ、本当に、この格好で上陸するの……?」
 ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)はメリアとお揃いのメイド服姿で、恥ずかしそうにしながらメイド島に上陸した。
『何言ってるんデスカ! 島民を安全なところに避難させるのが先、と言ってたのはジード自身デショウ。下手に注目を上げると出会った島民さんを危険に晒しマスヨ!』
 その途端、メリアがズバッと、ツッコミを入れた。
 元々、メイド服を着る事になったのは、安全性とメリアの趣味を考慮したため。
 そのため、ジードは恥ずかしい気持ちで、いっぱいになっているのだが、いまさら着替えている余裕もなかった。
「た、確かにそうなんだけど……。別の恰好で注意を引きつけるのもアリだよね……?」
 ジードがモジモジとしながら、耳まで顔を真っ赤にした。
『そんな事をしたら、真っ先に襲われて、酷い目に遭うだけデスヨ? そんな事をしても、得する事なんてありマセン!』
 メリアが躊躇う事なく、キッパリと断言をした。
 実際に、左を見ても、右を見ても、メイド服姿の島民しかいないのだから、別の恰好をした時点で、目立ってしまう事は確実だった。
 そこまでの危険を冒してまで、別の恰好になる事は、自分だけでなく、島民達にも危険を及ぼす可能性があった。
「おい、こら! 何をサボッていやがる! 働け! 働け! 働けええええええええええええ!」
 その途端、メイド服姿のリストリクトソルジャーが、殺気立った様子でジードに鞭を振り下ろした。
 それはジードが怪しかったからという訳ではなく、作業もせずにノンビリしていたから、という理由であった。
 最初は威嚇程度に振り下ろされていた鞭も、次第に距離を縮められ、今にもメイド服を引き裂きそうなほどの勢いで、威力が増しつつあった。
「これ以上、みんなを虐めるのは止めるのです!」
 次の瞬間、リコリス・ガレシア(多重人格者の神器遣い・f28348)が、【明鏡止水(メイキョウシスイ)】を発動させ、振り下ろされた鞭を見切ると、怪力でカウンターを繰り出し、リストリクトソルジャーを殴り飛ばした。
「んな!?」
 それは一瞬の出来事。
 リコリスの一撃を喰らったリストリクトソルジャーでさえ、何が起こったのか理解する事が出来ない程、素早く強烈な一撃であった。
 それと同時にリコリスの人格が変わり、夜のような黒髪、血のような赤眼で、彼岸花模様の和風メイド服姿になると、カチューシャの代わりに、般若の面を斜めに被った。
「……!?」
 これには、まわりにいたメイド服姿の島民達も驚き、目をパチクリとさせていた。
「怪我はないようだな? それにしても、みんな弱そうだな。メイドは戦闘職ではないのか? それとも、この世界では違うのか?」
 そんな中、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が、島民達のまわりを飛び回った。
 何処からどう見ても、戦闘向きではない姿。
 むしろ、戦う事とは無縁の者達ばかりのような印象を受けた。
「あ、あの……ぼくはメイドじゃないです。メイドの恰好をしてますが、メイドではなく、その……」
 ジードが、しどろもどろになりながら、自分がメイドではなく、猟兵である事を伝えようとした。
 だが、焦ってしまったせいか、上手く説明をする事が出来なかった。
 そのため、まるで言葉の迷宮に迷い込んでしまったかのように、適切な言葉が浮かばなかった。
『まあ、要するに……メイドデスネ』
 そんな空気を察したメリアが、ジードの言葉をぶった切った。
「えっ? いや、その……えーっと、メイドでいいです」
 ジードも観念した様子で、ションボリと肩を落とした。
「やはり、この世界のメイドは戦闘職ではない事か。だとしたら、なおさら本場のメイドの恐ろしさを思い知らせてやらなくては……! まあ、あたしはメイドじゃないんだけど……!」
 フィロメーラが、小さくコホンと咳をした。
 それは島民達がズッコけるには、十分な一言だった。
「なんだ! 一体、何をやっている!」
 その騒ぎを聞きつけたメイド服姿のリストリクトソルジャー達が、フィロメーラ達のまわりに集まってきた。
 だが、数は少なめ。
 誰かがリストリクトソルジャー達を引きつけているのか、騒ぎの割には集まってきた数が少なめだった。
「ひ、ひぃ!」
 その途端、島民達が怯えた様子で、猟兵達の後ろに隠れた。
「……って、何だか面倒な事になっているなー。だったら、予定変更! しゃららーんと、妖精メイドに変身だー!」
 すぐさま、フィロメーラが【七星纏身(アステリズム・チェンジャー)】を発動させ、変身の魔法陣を召喚すると、妖精メイドに変身した。
 それはリストリクトソルジャー達だけでなく、島民達も驚く出来事。
 みんな一斉に心の中で『メイドにもなれるじゃん!』と、ツッコミを入れた。
「それじゃ、いまのうちに……」
 その間に、ジードが【衣食住にメイド付き(ゼッタイヨウサイ)】を発動させ、非戦闘行為に没頭する事で、メイド人形達を動かし、島民達を安全な場所まで誘導した。
 最初は戸惑っていた島民達も、フィロメーラの鼓舞によって、危険と自由を天秤にかけ、わずかに芽生えた勇気を支えに、その場から避難し始めた。
「逃がすかあああああああああああ!」
 その行く手を阻むようにして、リストリクトソルジャー達が、島民達に襲い掛かろうとした。
「妙な格好だが仕方ない。すぐ片を付けてやる」
 次の瞬間、リコリスが左腕と一体化する天叢雲剣を右手で抜刀し、リストリクトソルジャー達を見据えて隻腕を構え、一瞬にして肉塊に変えた。
 それに合わせて、フィロメーラが再び【七星纏身(アステリズム・チェンジャー)】を発動させ、召喚した変身の魔方陣をリストリクトソルジャーに放り投げ、別の姿に変身させた。
「なんだ、その恰好は!」
 その影響でリストリクトソルジャー達は同士討ちを始め、次々と悲鳴を上げて倒れていった。

●運命の分かれ道
「どうやら、ここのようですね」
 アト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)は猟兵達が助けた島民達の情報を頼りに、この島を支配しているコンキスタドールの屋敷にやってきた。
 その場所は、まるで宮殿の如く、煌びやか。
 この島の財をすべて集めたような贅沢感満載の建物だった。
 そのため、豪華と言う言葉よりも先に、悪趣味という言葉が脳裏に浮かんだ。
「それにしても、随分と騒がしいわね? 私達があちこちで暴れ回ったせいかしら?」
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が、不思議そうに首を傾げた。
 この島の主であるコンキスタドール達が苛立っているのか、屋敷の外まで怒号が響き渡るほどだった。
 それが原因で、メイド服姿のリストリクトソルジャーが、あたふたとしており、黒コゲになった塊を屋敷の中に運び込み、窓を突き破って宙を舞っていた。
 それでも、他に選択肢が存在していなかったのか、他のリストリクトソルジャー達も、同じように黒コゲの料理を運び、同じように宙を舞っていた。
「どうやら、料理が届かず、腹を立てているようですね」
 アトが何やら察した様子で、口を開いた。
 だが、リストリクトソルジャー達が、運んでいるのは黒コゲになった塊。
 どう見ても、料理とは呼べないシロモノであった。
 おそらく、リストリクトソルジャー達は、料理を作る事が出来ないのだろう。
 それでも、コンキスタドール達から、料理を要求されているため、仕方なく作って入るような感じであった。
「つまり、潜入するなら、今のうちって事ね」
 アレクサンドラが仲間達から貰った見取り図を広げ、今後の作戦を練り始めた。
 正面はリストリクトソルジャー達がいるため、戦闘は避けられない。
 一方、裏口は正面と比べて警備が手薄であるものの、そのぶん通路内にトラップが仕掛けられている可能性が高かった。
 残念ながら猟兵達に協力してくれた島民達が利用しているのは、正面ルートのみ。
 それ以外の通路に出入りする事が許されていなかったため、詳しい事は分からなかった。
 その状況で裏口から屋敷内に潜入する事は、ある意味で賭けだった。
 そう言った意味で、無難な選択肢を選ぶのであれば、正面突破。
 リストリクトソルジャー達が、パニックに陥っている分、突破する事はそれほど難しい事ではないように思えてきた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『リストリクトソルジャー』

POW   :    もっと虐めて!もっと蔑んで見て!もっと罵って!
全身を【虐められる他の子への嫉妬強化オーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷、視線、言葉を被虐的に解釈した回数】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
SPD   :    自由なんていけない、そうでしょ?服従しましょう?
対象への質問と共に、【対象の着ている衣服のすぐ上】から【自身の纏うのと同じリストリクトスーツ】を召喚する。満足な答えを得るまで、自身の纏うのと同じリストリクトスーツは対象を【包み込み被虐束縛嗜好に体と心を染める洗脳】で攻撃する。
WIZ   :    新たな同志の召喚&洗脳(即興)
召喚したレベル×1体の【一般人を全身スーツとベルトで包みこんだ上】に【一般人を自身と同じ思考に洗脳するアンテナ】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
👑11
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雷田・龍子
●SPD
「多勢に無勢ですね」
ユーベルコード「夢幻龍合氣」を発動。敵の攻撃は【見切り】、【早業】からの【カウンター】攻撃を試みる。
また、【催眠術】によって敵の同士討ちを狙う。

●敵のユーベルコードを受けた場合
真面目でストイックな龍子は洗脳に屈しないという信念はあるが、それはマゾの裏返しであることに気づいていない。
ということで【いい感じ】にしてください。


ジード・フラミア
一般人の避難・安全確認を済ませてから屋敷の戦闘に参加します。

「……やっぱりまだ戦闘中だよね。メリア、僕たちも行こう。」

『エエ、ただでさえ、嫌がる人にメイド服を無理やり着させるとイウ悪行!更には洗脳までさせるナンテ!絶対に許せないデスヨ!そういうのは、創作の中か人形を使って遊んでクダサイ!!』

UCは【人形のおもちゃ箱】を使用。
屋敷の調度品を人形に変化させます。変化させた人形たちを使い、リストリクトソルジャーの攻撃(特にSPD・WIZのスーツ)から、可能な限り他の猟兵たちを庇います。



エ?ジードにメイド服を着せるノハ悪行じゃないカって?……ホラ、二心同体の同一人物デスカラ。問題はナイデス。


リコリス・ガレシア
鬼の少女は【明鏡止水】を使用。敵が質問が攻撃の動作だと見切り【残像】を伴う高速移動で接敵し、発音する前に敵を切り伏せる。
「嫌な予感がしたものでな」
そして、神剣に霊気を【魔力貯め】し【天候操作】を使用。上空に暗雲が立ち込める。
「いちいち切り伏せるのも面倒だ」
神剣を上空へ向けると、質問によりスーツが少女を捕縛しようとしたときに暗雲から雷撃が少女とその周囲の敵に降り注ぎます。
「纏めて薙ぎ払う」
少女にまとわりつくスーツは帯電した雷によって瞬時に蒸発します。その後も体に雷を纏い続け、スーツから防御します。
彼女自身は【電撃耐性】を持っており、自分の雷でダメージは受けません。
「これでやりやすくなったな」



●リストリクトソルジャー
「……多勢に無勢ですね」
 雷田・龍子(人派ドラゴニアンの全力お姉さん・f14251)は島の中心にある屋敷に辿り着くまで、闇に紛れ、闇の一部と化し、影から影に移動するようにして、リストリクトソルジャーを葬ってきた。
 だが、リストリクトソルジャー達にとって、それは受け入れがたい現実であり、認めてはならない事実であった。
 その事に加えて、猟兵達の活躍によって、奴隷のような扱いを受けていた島民達が自由の身となり、届くべきはずの料理が屋敷には届かない。
 そのため、リストリクトソルジャー達は、窮地に陥っていた。
 故に、ここで退く訳にはいかない。
 その気持ちを示すようにして、リストリクトソルジャー達が、屋敷の前に壁の如く陣取り、猟兵達を待っていた。
 しかし、龍子に迷いはなかった。
 リストリクトソルジャー達は、すべて……狩る!
 それが島民達のためであり、この島のためでもあった。
「……やっぱり、戦闘中だよね? タイミングが悪かったかな? それとも、こういう時は、ビシィッと決め台詞を言うべき?」
 そんな中、ジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)が、パニックに陥った様子であたふたとし始めた。
 普通に考えれば、颯爽とリストリクトソルジャー達の前に立ち、容赦なく蹴散らしていくべきだが、そうもいかないのが現実であった。
 最悪の場合は、手も足も出ず、返り討ち。
 何も出来ずフルボッコにされる可能性も捨てきれなかった。
『……と言うカ、考えるのは後! 今は戦ウ!』
 そんな空気を察した人形のメリアが、ジードを嗾けるようにして大声を上げた。
「そ、そうだよね! ここで見て見ぬフリなんて出来ないし……!」
 ジードが納得した様子で、自分自身に気合を入れた。
 難しい事を考えるのは、後回し。
 今は戦う事だけに専念すればいい。
 その気持ちがジードを前に進めていた。
「……どうやら無事のようだな」
 次の瞬間、リコリス・ガレシア(多重人格者の神器遣い・f28348)が【明鏡止水(メイキョウシスイ)】を発動させ、残像と共に高速移動をすると、目の前にいたリストリクトソルジャーを斬り伏せた。
 それは一瞬の出来事。
 まるで風の如く素早い一撃を喰らったリストリクトソルジャーでさえ、認識する事が出来ない程の速さ。
 まわりにいたリストリクトソルジャー達も訳が分からず、動揺しているようだった。
「……やるべき事は決まっています」
 そんな中、龍子が覚悟を決めた様子で、【夢幻龍合氣(ムゲンリュウ・アイキ)】を発動させた。
「あらあら、残念。このまま尻尾を巻いて逃げ出せば、苦しまずに殺してあげたのに……」
 リストリクトソルジャーのひとりが、自らの動揺を隠すようにして強がりながら、全身スーツとベルトで包み込んだ島民達を、洗脳アンテナで操った。
 操られた島民達はユラユラと頭を揺らしながら、ジリジリと距離を縮めてきた。
『……と言うカ、このまま放っておく事なんて出来マセン! ただでさえ、嫌がる人にメイド服を無理やり着させるとイウ悪行! 更には洗脳までさせるナンテ! 絶対に許せないデスヨ!そういうのは、創作の中か人形を使って遊んでクダサイ!!』
 それを迎え撃つようにして、メリアがジードに対して合図を送り、【人形のおもちゃ箱(ドール・トイ・ボックス)】を発動させた。
 それと同時に、まわりにあるものが次々と人形に形を変えていき、スーツ姿の島民達にしがみついた。
 それでも、島民達は自分の意志に反して、猟兵達に襲い掛かっていこうとしたが、大量の人形達に乗っかられて身動きが取れなくなっていた。
「本当に鬱陶しい人達ね。自由なんていけない。……そうでしょ? だから……服従しましょう?」
 リストリクトソルジャーのひとりが、リストリクトスーツを召喚し、それを猟兵達に着せて洗脳しようとした。
「ふ、服従なんて……」
 その途端、龍子が洗脳から抵抗するようにして、グッと唇を噛み締めた。
 まるで自分の身体が、自分のモノではないような感覚。
 例えるなら、見えない糸で絡め取られ、操られそうになっているような感覚であった。
「強がりを言っても無駄よ。だって、ほら……今にも屈しそうじゃない。さあ、早く……早く素直になっちゃいなさい!」
 リストリクトソルジャーが勝ち誇った様子で、不気味な笑い声を響かせた。
「……くだらん。それに、いちいち切り伏せるのも面倒だ」
 すぐさま、リコリスが神剣に霊気を貯め、天に向かった高々と掲げた。
 洗脳されている影響で、利き腕が鉛の如く重かったものの、鋼の精神で抵抗し、天候を操作した。
 その影響で上空に暗雲が立ち込め、雨の如く勢いで雷撃が降り注いだ。
 それと同時に、雷撃が龍子達に命中し、着ているスーツだけを、瞬時にして蒸発させた。
「な、なんだと……!?」
 それを目の当たりにしたリストリクトソルジャーが、腰を抜かすほどの勢いで驚いた。
「これでやりやすくなったな」
 その隙をつくようにして、リコリスがリストリクトソルジャーを次々と斬り捨てた。
「……今度はこちらの番です」
 それに合わせて、龍子が朦朧とする意識の中で、リストリクトソルジャーに催眠術をかけた。
 それは一種の賭けであったが、龍子に迷いはなかった。
「ば、馬鹿なっ!」
 その影響でリストリクトソルジャーが催眠術に掛かり、まるで操り人形の如く同士討ちを始めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

番場・レイチェル
※アドリブ・連携歓迎

「(ハンバーガーを頬張りながら)やっぱりコレ危なすぎなんですケド! メイド服着とけばよかったー!!」
後悔しても仕方ないケド、流石に反省。食べながら逃げるの本当に危ない。特に食べ物が喉に詰まりそうになったし。

と、いう訳でそろそろ反撃。片手にハンバーガーを常に持って頬張りながら、もう片方の手で何か重くて大きなものを拾って、振り回す(怪力)。大きな得物なら【吹き飛ばせ】るっしょ。

取り敢えず、この集団は取り巻きな訳だし、黒幕の相手する為にまだまだ肉は蓄えなきゃ。……これ以上太るのかあ……(諦め・定期)


フィロメーラ・アステール
(演出上メイド変身継続中)

(メイド気分も継続中)

「なんだその技は、それでもメイドか!」
メイドなら自分の欲望に溺れるような事があってはならない!
その我欲にまみれた根性を修正してやる!

【軌道舞踏・天英断】を発動!
【破魔】の力を込めた【気合い】のビンタぱしーん!
【空中浮遊】【ダッシュ】で一気に距離を詰めていくぞ!
後ろ向きっていうかヨコシマっていうか……ひん曲がった根性を邪気ごと叩き直してやるぞ!

これは【精神攻撃】であると同時に【優しさ】でもある……!
正しきメイドの道へと導くための愛のムチよ!(?)

敵がそれを妬むというならいくらでも叩いてまわってやろう!
叩いて手が痛くなったら【踏みつけ】でもいいや。



●絶体絶命!
「やっぱりコレ危なすぎなんですケド! メイド服、着とけばよかったー!!」
 一方、番場・レイチェル(ミートコンバーター/食べたくない・f27452)は、ハンバーガーを頬張りながら、全力ダッシュでリストリクトソルジャー達から逃げていた。
 だが、リストリクトソルジャー達の数は次第に増えていき、まるでレイチェルが軍勢を率いているような感じになっていた。
「とうとう現れたな、お前がコイツらの親玉か!」
 その行く手を阻むようにして現れたのは、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)であった。
 完全にフィロメーラの勘違いであったが、そう思えてしまう程、レイチェルには親玉の風格があった。
「えっ? アタシ? いや、違うから! そう見えたんだったら、ちょっと冷静になって考えてみて! 親玉だったら、メイド服を着ているはずでしょ!?」
 その途端、レイチェルがハッとした表情を浮かべ、自分の無実を訴えるようにして、フィロメーラに問いかけた。
「そこまでよ!」
 その言葉を遮るようにして、カラフルなメイド服を身に纏ったリストリクトソルジャー達が現れた。
「わたくしは全てを洗い流してお掃除する、水のメイド!」
「それがしは全てを吹き飛ばしお掃除する、風のメイド!」
「オレ様は全てを焼き尽くしてお掃除する、炎のメイド!」
「……土いじりだいすき、地のメイド……!」
 しかも、リストリクトソルジャー達が次々と名乗りを上げ、『次はあなたの番ですよ!』と言わんばかりに、レイチェルを一斉にガン見した。
「そして、アタシは……って違うから! 何しれって、親玉にしようとしているワケ!? ほら、あの子もヤル気満々になっているじゃない!」
 釣られてレイチェルも名乗りを上げようとしたものの、それがリストリクトソルジャー達の仕組んだ罠だと悟り、慌てた様子でツッコミを入れた。
 だが、リストリクトソルジャー達は、『いまさら、誤魔化しても無駄ですよ?』と言わんばかりに、ションボリ顔。
 その表情がマスク越しでも分かるほど、クッキリ、ハッキリであった。
「それでも、メイドの親玉か! メイドとしての誇りを捨て、自らの欲望に溺れ、ハンバーガーを頬張っているとは……。その我欲にまみれた根性を修正してやる!」
 すぐさま、フィロメーラが気合と破魔の力を込めて【軌道舞踏・天英断(ライジングブリンガー)】を発動させ、前向きな気持ちや、とにかくノリと勢いを籠めた凄く光り輝く超すんごいヤベーパワーによるビンタを、レイチェルに放とうとした。
「それなら、我等、四天王の最強最悪の……ぐはっ!」
 それを迎え撃つようにして、地水火風のリストリクトソルジャー達が、意味ありげにポーズを決めたものの、フィロメーラのビンタを喰らって次々と宙を舞った。
「うう、このままでは、アタシも巻き添えを喰らって……。でも、今なら!」
 その事に危機感を覚えたレイチェルが、【不止の食欲からの肉変換(エンドレスミートコンバート)】を発動させ、身体能力を増大させた。
 絶体絶命の大ピンチであった事もあり、そのパワーも規格外。
 自らの無実を訴えるようにして、怪力を使って近くの木をへし折ると、ハンバーガーを頬張りながら、リストリクトソルジャー達を次々と殴り飛ばした。
「……あれ? ひょっとして、敵じゃないの?」
 そんな中、フィロメーラが何やら察した様子で、レイチェルをマジマジと見つめるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『侯爵夫人』と『島喰らい』』

POW   :    島を喰らう牙
【『島喰らい』の牙 】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    ホエールシャーク・アンサンブル
【『島喰らい』の 】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【『侯爵夫人』】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ   :    コラプシング・ノクターン
装備中のアイテム「【堕落の音色を奏でるハープ 】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
👑11
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ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
オブリビオンに滅ぼされた都市で自分だけが生き残った過去を悔い、人々を守ることを重視して行動します。

●戦闘において
「及ばずながら、手助けさせて貰おう」
「貴様の相手は、この私だ!」
「なんと強力なユーベルコードだ……! (解説) 直撃すれば一たまりも無いぞ!」

・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。

メイン武器は「黒剣」です。

他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。


鯉澄・ふじ江(サポート)
怪奇ゾンビメイド、16歳女子
誰かのために働くのが生きがいの働き者な少女
コイバナ好き

自身が怪物寄りの存在なので
例えどんな相手でも対話を重んじ問答無用で退治はしない主義

のんびりした喋り方をするが
これはワンテンポ間をおいて冷静な判断をする為で
そうやって自身の怪物としての凶暴な衝動を抑えている
機嫌が悪くなると短文でボソボソ喋るようになる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
自身の怪我は厭わず他者に積極的に協力します
また、例え依頼の成功のためでも
自身の矜持に反する行動はしません
 
何でもやります、サポート採用よろしくおねがいします!

(流血、損壊系のグロ描写やお色気系描写もOKです)


政木・朱鞠(サポート)
ふーん、やっと、ボスのお出ましか…。
もし、貴方が恨みを晴らすためでなく悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ。

SPDで戦闘
代償のリスクは有るけど『降魔化身法』を使用してちょっと強化状態で攻撃を受けて、自分の一手の足掛かりにしようかな。
ボス側の弐の太刀までの隙が生まれればラッキーだけど…それに頼らずにこちらも全力で削り切るつもりで相対する覚悟で行かないとね。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎


アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、気にいったら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです

日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ジード・フラミア
「あの、コンキスタドールたちのコンビネーションすごいね……よし、僕達もコンビネーションで………メリア聞いてる?」
『………メイドとかけた攻撃を考えてマシタガ、思い浮かびマセン……もうメイドはイイヤ!ジード!あの二体のコンビネーションを崩しマスヨ!個別撃破デス!』


【変化する人形】を使用
『侯爵夫人』と『島喰らい』の間に入り、メリアを中心に壁と砲台を取り付けて、2体を分断させます。メリアが砲台で援護しつつ、ジードがバラックスクラップを使い前線で戦います。


フィロメーラ・アステール
「メイドとは単純な従者ではないのさ」
太陽を廻る星のように、月を掲げる夜空のように。
ときに光となって、ときに闇となって。

寄り添いゆくことこそ誉れ。
その愛は一方通行であってはならない。
主もまた同じく、互いが鏡の如く通じ、律し合う。
それがあるべき主従の道。

【謳い謳われし満天星】を発動だ!
ハープ『甘き旋律』で【楽器演奏】するぞ!
【郷愁を誘う】音色にてメイドの日々の頑張り、メイドの想い、メイドのご奉仕について滔々と歌おう。

これは断罪の歌ではない。
堕落してしまったご主人様に【優しさ】を取り戻してほしい、自らを省みる【勇気】を与えたいという【鼓舞】の歌だ。
メイドと出会った頃のワクワクを思い出すんだ!


リコリス・ガレシア
「でかい上に、速いな……流石にあれを倒すのは骨が折れそうだ」
鬼の少女は斜めに被った般若の面を顔の正面へ被り直し
「初めから全力で行かせてもらうぞ」
仮面により昂る闘争本能【第六感】と【明鏡止水】を使用し、敵の突進を見切り【残像】を生み出す高速移動で回避しつつ、天叢雲剣で攻撃します。
「単純に斬るだけじゃ有効打は与えられないか」
侯爵夫人を狙うか、視野に入れるが
「面倒だ。まとめて墜とす」
神剣の霊気を【魔力ため】【天候操作】で暴風雨を生み出し雷による攻撃を行う。
「喰らえ」
敵が弱ったら、攻撃を敢えて回避せず真っ正面から【怪力】【カウンター】で叩き斬ります。
「この島はお前たちのものじゃない」
「返してもらうぞ」


雷田・龍子
●POW
『島喰らい』の姿を見てピンときた龍子
「あなた達の弱点は見えました」

敵の攻撃は【残像】や【見切り】で避けつつ、ユーベルコード「雷田式爆NEW固め」を発動。

「どっせい!」
『島喰らい』の背後に瞬間移動し、スープレックスを試みる。

「メイドは奴隷ではなく職業です」


番場・レイチェル
※アドリブ・連携歓迎

危うくフレンドリファイアされる所だったケド、ヨシ!
さて、残るは黒幕……これは、全力全開で行くっきゃないヨネ!

「ミートコンバート!(宣伝都合の掛け声)」
(真の姿解放/実はスタイルが良い)

これが本当のアタシ(に筋力をつけ足したもの)! 相手がなんだろうと関係ない、利用できるものはなんでも利用して筋力でゴリ押し! まあ、私の力って基本、贅肉を戦闘能力に変換するだけだしネ。どうしてこんな力を……ああ、考えてる暇があったらコイツを叩いて叩いて叩き潰す!!!

(戦闘後)
このまま食べなければこのスタイルを……(腹の虫)……いや、死ぬ……食べる……。
(あっという間にぽっちゃり体型に戻る)



●屋敷の前
「はあはあ、危うくフレンドリファイアされる所だったケド……。何とか目的の場所に着いた……はず」
 番場・レイチェル(ミートコンバーター/食べたくない・f27452)は荒々しく息を吐きながら、島の中心にある屋敷の前にやってきた。
 先程まで、死亡フラグと肩を組み、記念撮影をするくらい危険な状態に陥っていた事もあり、生きた心地がしなかったようである。
「お前がメシかあああああああああああああああああああああああ!」
 次の瞬間、屋敷の壁を突き破り、島喰らいがレイチェルの前に現れた。
 島喰らいは、ずっと御預けを喰らっていたせいで、血に飢えたケモノ。
 そのため、相手が誰であろうと、丸呑みにしそうな勢いだった。
 そう言った意味で、レイチェルは御馳走。
 そこに追い打ちをかけるようにして、死亡フラグが『おい、なに恥ずかしがってんだよ。行っちゃえよ。火の中に飛び込むつもりで、アイツの胸に飛び込んじまえ!』と恋愛の達人風のノリで、レイチェルを前に突き出した。
「ほらほら、ウチの旦那が待ってるよ! 分かっているなら、早く喰われちまいな!」
 そんな空気を察した侯爵夫人が、レイチェルを見つめて、不気味な笑みを浮かべた。
「ふーん、やっと、ボスのお出ましか……。もし、貴方が恨みを晴らすためでなく、悦に入るために人達を手にかけているのなら、不安を撒き散らした貴方の咎はキッチリと清算してから骸の海に帰って貰うよ」
 その行く手を阻むようにして、政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)が仲間達を引き連れ、島喰らいの前に陣取った。
「恨み……悦……? そんな事は、どうでもイイ! 早く喰わせろ! いますぐ喰わせろ!」
 だが、島喰らいは極限まで飢えており、食べる事しか頭にないようだった。
「それじゃ、コイツら、纏めて喰っちまうかい!」
 侯爵夫人が不気味な笑みを浮かべ、優雅にハープを奏でた。
 その途端、周囲を堕落させる音色が、辺りに響いた。
「ああ、喰う! すぐに……喰う!」
 その気持ちに応えるようにして、島喰らいが猟兵達に襲い掛かった。
 しかも、ふたりの息をピッタリ。
 まるで声を掛け合っているかの如く、上手く連携が取れていた。
「あの、コンキスタドールたちのコンビネーションすごいね……よし、僕達もコンビネーションで………メリア聞いてる?」
 その事に危機感を覚えたジード・フラミア(人形遣いで人間遣いなスクラップビルダー・f09933)が、人形のメリアに声を掛けた。
『………メイドとかけた攻撃を考えてマシタガ、思い浮かびマセン……うーン、もう少しだけ待ってクダサイ。何か名案が浮かぶ……ハズ」
 そんな中、人形のメリアが、グルグルと考えを巡らせた。
 だが、何も浮かばない。
 頭の中は、真っ白。
 何か浮かびそうだが……浮かばない。
「そんな事より……喰わせろおおおおおおおおおおおおおお!」
 その隙をつくようにして、島喰らいが地面を削りながら、猟兵達に迫ってきた。
「でかい上に、速いな……流石にあれを倒すのは骨が折れそうだ」
 すぐさま、リコリス・ガレシア(多重人格者の神器遣い・f28348)が島喰らいの攻撃を避け、斜めに被った般若の面を、顔の正面に被り直した。
「何故、逃げる! 何故、逆らう! お前達は奴隷! メイドは奴隷だあああああああああああ」
 その間も、島喰らいはアングリと口を開け、ガリガリと地面を削りながら、一気に距離を縮めてきた。
「分かったら、素直に喰われな! 喰われちまいな!」
 侯爵夫人が殺気立った様子で、再びハープを奏でた。
「……何も分かっていないようだな! メイドとは単純な従者ではない。それを今から分からせてやるよ!」
 すぐさま、フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)が飛び上がり、島喰らいの注意を引いた。
 まるで太陽を廻る星のように、月を掲げる夜空のように……。
 星の如く煌めき、光となって島喰らいに攻撃となり、時には闇となって物陰に隠れた。
「何も分かっていないのは、そっちだよ! 素直に喰われちまいな! まあ、アンタじゃ、腹の足しにもならないだろうけどね!」
 侯爵夫人が完全に見下した様子で、フィロメーラに皮肉を言った。
「よろしい、ならば次こそは本物のヴィクトリアンメイドがお相手しましょう! すなわち勝利(ヴィクトリー)のメイドを!」
 フィロメーラが侯爵夫人を挑発するようにして、そのまわりを飛び回った。
「ええいっ! 鬱陶しい!」
 そのため、侯爵夫人はハープを掻き鳴らす事が出来ず、イラついているようだった。
「寄り添いゆくことこそ誉れ。その愛は一方通行であってはならない。主もまた同じく、互いが鏡の如く通じ、律し合う。それがあるべき主従の道」
 その間に、フィロメーラが【謳い謳われし満天星(ロマンティック・サーガスターン)】を発動させ、ハープ『甘き旋律』で楽器を演奏しり、音楽と共に魔力を降らせた。
 それと同時に、戦場全体が楽曲のイメージや歌詞の内容に描かれる場面と同じ環境に変化した。
 そして、フィロメーラが歌い出した。
 メイド達の頑張り、メイド達の想い、メイド達の奉仕を、歌の中に込めて……。
 それは自らを省みる勇気を与えたいという鼓舞の歌。
 堕落してしまった御主人様の優しさを取り戻すため、フィロメーラが島喰らいの心に訴えかけるようにして歌を歌った。
「騙されちゃ駄目! そんなモノ、美味くないだろ! 良いか、悪いかじゃない! 美味いか、美味くないか、だ!」
 その事に危機感を覚えた侯爵夫人が、島喰らいの耳元で囁いた。
「そうだな。美味いか、どうか……それが大事だああああああああああああああ!」
 次の瞬間、島喰らいが涎を垂れ流し、猟兵達に突っ込んできた。
「この島はお前たちのものじゃない。だから返してもらうぞ。初めから全力で行かせてもらう」
 それを迎え撃つようにして、リコリスが第六感と【明鏡止水(メイキョウシスイ)】を駆使して、島喰らいの突進を見切ると、残像を生み出して高速で回避し、天叢雲剣を振り下ろした。
「ア、アンタァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 それと同時に、侯爵夫人が怒りと悲しみと殺気に満ちた表情を浮かべ、島喰らいと連携を取るようにして、猟兵達に攻撃を仕掛けてきた。
『もうメイドはイイヤ! 何も浮かばないシ! デスから、ジード! あの二体のコンビネーションを崩しマスヨ! 個別撃破デス!』
 人形のメリアがジードに声を掛け、侯爵夫人と島喰らいの間に入った。
 その間に、ジードが【変化する人形(メリア・アタッチメント)】を発動させ、メリアのボディに取り付けられる壁と砲台を召喚した。
 それに合わせて、朱鞠が【降魔化身法】を発動させ、妖怪、悪鬼、幽鬼を宿し、自らを強化した。
 その途端、全身から大量の血が溢れ出し、あっと言う間に真っ赤に染めた。
「その血ィ! 美味そうだな! 喰わせろ! 喰わせろおおおおおおおおお!」
 それを目の当たりにした島喰らいが、興奮した様子で朱鞠に襲い掛かってきた。
「メリア、いくよ!」
『オーケー、イキマスヨ』
 その事に気づいたジードがメリアと連携を取りつつ、バラックスクラップで島喰らいを斬りつけ、人形のメリアが砲台を使って、侯爵夫人を牽制した。
「面倒だ。まとめて墜とす。……喰らえ!」
 続いて、リコリスが天叢雲剣の霊気に溜まった魔力で天候を操り、暴風雨を生み出して島喰らい達に雷を落とした。
「うぐぐ……、よくも、よくも、よくも!」
 侯爵夫人が傷ついた身体を庇いながら、ギチギチと歯を鳴らした。
「私達を狙ったんだから、覚悟は出来ているよね」
 朱鞠が含みのある笑みを浮かべ、【咎力封じ】を仕掛け、荊野鎖で島喰らいの身体を貫き、傷口をえぐるようにして生命力を吸収した。
「ぐわああああああ、やめろ! やめてくれ!」
 それと同時に、島喰らいが悲鳴を響かせ、その苦しみから逃れるようにして、近くにあった噴水を破壊し、その傍にあった花壇を荒らし回った。
「ア、アンタァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 侯爵夫人がパニックに陥った様子で、島喰らいに駆け寄ろうとした。
「喰らえ」
 その隙をつくようにして、リコリスが真正面から怪力で、侯爵夫人を叩き斬った。
「ア……ン……タ……」
 次の瞬間、侯爵夫人が信じられない様子で口をパクパクさせ、崩れ落ちるようにして血溜まりの中に沈んでいった。
「よくも、俺様のオンナを……! 餌の分際で、ふざけるなァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
 その事に腹を立てた島喰らいが牙を剥き出し、捨て身の覚悟で猟兵達に襲い掛かってきた。
「え、餌? わ、わたし、餌じゃないですよぉ。だからと言って、メイドでもありませんけど……」
 鯉澄・ふじ江(縁の下の力任せ・f22461)が、慌てた様子で島喰らいの突進を避けた。
「うるさい、黙れ! お前達は餌だ!」
 島喰らいがダラダラと涎を垂らしながら、再び猟兵達に襲い掛かってきた。
「どうやら、話し合っている場合じゃないようね」
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が半ば諦めた様子で、島喰らいの突進を回避した。
「やっぱり、お前が一番、美味そうだあああああああああああああああ!」
 だが、島喰らいは諦めていなかった。
 血に飢えたケモノの如く勢いで、迷わずレイチェルに襲い掛かった。
「……って、アタシ!? やっぱり、アタシが狙われているの! このままじゃ、マズイ事になるじゃない! 嫌よ、食べられるのなんて! だから、戦う。戦わなきゃ! それじゃ、いくわよ。ミートコンバート!
 レイチェルがパニックに陥りつつ、宣伝都合の掛け声を掛け、真の姿を解放した。
 それは驚くほど、ナイスバディ。
「んあ……」
 そのため、島喰らいが狙いを外し、レイチェルを食べそこなった。
「及ばずながら、手助けさせて貰おう。貴様の相手は、この私だ!」
 その間に、ギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)が、島喰らいの前に陣取った。
「ならば、喰わせろ! いますぐ、喰わせろおおおおおおおおおおお!」
 次の瞬間、島喰らいが吠えるようにして、ギャレットを丸呑みしようとした。
「……甘いな」
 すぐさま、ギャレットが【無敵城塞】を発動させ、全身を超防御モードに変化させた。
「……んっ? なんだ、これは……美味くもなければ、不味くもない。お前達も同じか?」
 島喰らいがギャレットを口の中に入れたまま、コロコロ、コロコロと転がした。
 しかし、何の味もしない。
 食べ物と言うより、何かの塊。
 そのため、満福にもならず、空腹だった。
「だから、美味しくないから……」
 その視線に気づいたアレクサンドラが、反射的に目を逸らした。
「だったら、喰う! 試しに喰う! それから、美味いか、不味いか、判断する!」
 島喰らいが無敵中のギャレットをペッと吐き出し、再び猟兵達に襲い掛かった。
「だから、もう少し話を……って、聞いてくださ~い」
 その事に危機感を覚えた、ふじ江が困った様子で、【ぐるんぐるん~どっかーん!(グルングルンドッカーン)】を仕掛け、島喰らいの身体を掴んで勢いよく地面に叩きつけた。
 それに合わせて、レイチェルが【びったんびったん】を仕掛け、島喰らいを尻尾を掴んで、容赦なく地面に叩きつけた。
 ……それは自らの命を守るため。
 ここで、やらなければ、確実に……喰われる!
 そんな死亡フラグが脳裏でラインダンスを踊っているせいか、迷っている暇など微塵もなかった。
「あなたの弱点は見えました」
 そんな中、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの全力お姉さん・f14251)が、島喰らいの前に陣取った。
「オレ様の弱点だと!? そんなモノはナイ!」
 島喰らいがイラついた様子で、龍子に喰らいつこうとした。
 だが、それは残像。
 龍子が島喰らいの攻撃を見切り、自らの身代わりとして、作り出したモノだった。
「どっせい!」
 その間に、龍子が【雷田式爆NEW固め(サンダースープレックス)】を発動させ、島喰らいの背後に瞬間移動すると、自らの胸に乗せ、スープレックスを仕掛けると、そのまま地面に叩きつけた。
「ぐえっ!」
 その一撃を喰らった島喰らいが血反吐を吐き、白目を剥いて動かなくなった。
「メイドは奴隷ではなく職業です」
 そう言って龍子が島喰らいだったモノを、冷たく見下ろした。
 しかし、島喰らいは、何も答えない。
 既に息絶えているため、完全に抜け殻と化していた。
「み、皆さん、本当にありがとうございます」
 そんな中、物陰に隠れていた島民達が、ホッとした様子で猟兵達に駆け寄ってきた。
 みんな自由になったのが嬉しかったのか、感謝の印として猟兵達に料理を運んできた。
 それは本来、島喰らいに出すはずだった料理。
 今まで何処かに隠していたのか、食べきれない程の量が、猟兵達の前に運ばれてきた。
「このまま食べなければ、このスタイルを……。……いや、死ぬ……食べる……」
 それを目の当たりにしたレイチェルが、グゥッと腹を鳴らしながら、食と死を天秤にかけた。
 その上で、食べる事を選択すると、何かに取り憑かれた様子で、目の前の料理を食べるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年07月27日


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🔒
#グリードオーシャン


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠銀山・昭平です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト