●グリモアベース
「あんた達、コンキスタドールって知ってるか?」
綿貫・武蔵(羅刹の剣豪・f13777)は猟兵達にそう問うた。
「オブリビオンのことをグリードオーシャンではそういう風に言うらしくてな……そこの島での予知を見たんだ」
武蔵は手製の黒板にコツコツと今回の予知で見た内容を随分とデフォルメされたイラストで描き始めた。
黒板の中央に描かれたのは一つの島、そして中央に咲く大きな桜の木があった。島には『ブルム島』と書かれていた。
「どうやらサクラミラージュの世界から落ちてきた島らしいんだが、どうやらここで祭りをやっているみたいなんだ」
武蔵の話すところによると、島は2時間ほどで1周回ることができるほどの小さな島。そして島の中央部を埋め尽くさんばかりに大きな桜の木があるのだという。
島民はその桜の木を神聖視しており、予知した日は丁度桜の木の周囲で祭りが行われているのだそうだ。
「そこに現れたのが、こいつらコンキスタドールだ」
武蔵が黒板の端に新たに描いたのは機械のような躯体のイラストがいくつか、そして胡散臭そうな顔をした一人の男性だった。
「このおっさんが黒幕なんだが、どうにも危ない奴でな……こいつは『賭け事で命を掛けられる』やつなんだ」
武蔵は理解できない、と言ったように首を振った。
「自由と命を賭けて、島民全員負けて、さようなら。予知で見たのはそういう感じだったんだ。きっとこの島以外にも色々なところに行って事件を起こしていたのだろう」
いつの間にかその男性のイラストの上にはイカサマ野郎の文字が付け加えられていた。
「こっちが1回イカサマをする間に、向こうは既に10回イカサマをしている、そんなやつだ……くれぐれも正攻法だの真剣勝負だのの言葉は信用するなよ」
島民がその馬鹿げた賭け事に参加させられる前にコンキスタドールを倒してほしい、と武蔵は頭を下げた。
「島民と交流したり島を探索するのは問題ないが、今回の戦いはできるだけ島民達には知られないようにな」
島民に不安な思いをさせるもんじゃあ無いからな、と武蔵はへにゃりとした表情で微笑んだ。
●???
「ふむ……なんだ、こんなものですか。面白くない」
男の周りは惨状だった。機械が銃殺し、爆殺し、刺殺した島民達の姿がそこにはあった。
「もう少し面白いゲームを期待していたのですが……拍子抜けです」
一度自分の髪を撫で付け、機械達に指令を出す。
「次はどこの島で遊びましょうか?」
男の口角がにやりと上がる。視線の先は海の向こう。
その表情は心の底から楽しさと、スリルを求める賭博狂だった。
荒木るんど
こんにちは。荒木るんどです。
今回はグリードオーシャンでのお話です。
イカサマで勝ち続けるコンキスタドールから島民達を助けてあげてください。
なるべく、隠密に、そして迅速に!
●第1章 日常『忘れられた遺跡』
遺跡にもぐって何やかんやしてみましょう。
何かがわかるかも……?
●第2章 集団戦『メカニカルパイレーツ』
ボスの配下との戦いです。攻撃がうるさそうですね。
●第3章 ボス戦『狡猾なるベルガン』
勝負師や賭け事が得意な方々はぜひ戦ってみてはいかがでしょうか。
何かを失う覚悟がある人だけ、ですが。
今回のお話はこんな感じです。
プレイング受付は4/2~です。
詳しいスケジュールに関してはマスターページをご確認ください。
それではお待ちしております。
第1章 日常
『忘れられた遺跡』
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POW : この先はなにがあるんだ? 好奇心のままに探検だ。
SPD : そういえば、こんな所に。仕掛けや、隠し通路を見つけてみる。
WIZ : 読める、読めるぞ! 知識で失われた文明を紐解いていく。
👑5
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片桐・公明
【SPD】
壁に手を当てながら慎重に進んでいく。
「不用意に進んで変な罠起動しても嫌だもんね。」
壁や足元に十分に警戒して、さぐりながら進んでいく。
「そういえばサクラミラージュはちゃんと行ったことはなかったわね。知っている人に任せた方がよかったかしら?」
遺跡内に転がっている情報は手帳に寸分たがわず記録していく。
持ち出せそうな遺物は拾って持って帰ってみる。
(絡み、アドリブ歓迎です。)
島の中央部にある桜の木から少し離れた場所。
そこには地下への階段があった。そして誰の手も入らないように、桜の大樹の幹のように太い根で隠されているかのような入り口があった。
公明の知っている洞窟と異なる点とすれば、洞窟の内外問わずに桜の花びらが散っていることだろうか。
「不用意に進んで、変な罠を起動しても嫌だもんね……」
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)はその中へと進んでいく。壁に手を当て微弱な振動を感じながら、何かおかしなことがあればすぐに対応できるように、自身が愛用している武器に手を添えてゆっくりと足を運んでいた。
「そういえば、サクラミラージュはちゃんと行った事は無かったわね……知っている人に任せた方が良かったかしら?」
独りで探索していたことを少しだけ後悔しながら進んでいると、公明はあるものを見つけた。
それは『誰の手も入らないような洞窟』にあった『人工物』だ。
「……ん?」
辺りを警戒しつつ、まずは遠くから『それ』を見つめる。
白い立方体。
そしてそれには点がいくつか書いてあるようだった。
異音や変な気配がないことを確認して、公明はそれを手に取る。
「これって……サイコロ!?」
よくよく見ればあたりにはサイコロだけでなく、コインのような金色や銀色の円盤、何処かの貨幣のような紙など、色々なものが地面に落ちていた。
「しかもこれ……イカサマダイスじゃないの……」
サイコロをよくよく見れば、数字は普通であるものの、重心が1の面に近づいていて6が出やすい作りになっていた。
「……絶対に今回の件と関わりがあるわね」
公明は荷物から手帳を取り出し、落ちているものをしっかりと記録に残す。
「ここに隠れでもしているの……?」
公明は奥へと続く道に視線をやり、目を細めた。
大成功
🔵🔵🔵
シン・バントライン
【男子会】3名
祭の賑わいにこれ幸いと紛れ遺跡調査。
UCの黒龍を島に飛ばしておく。
怪しまれない様に島民に合わせた服装で軽い調子で聞き込み。
探索内容
・祭の詳しい内容及び遺跡調査
・最近賭け事を持ちかけてくる者が居ないか
・賭場があるようなら場所を聞き皆で潜入調査
・失踪者の情報
「この島って賭場とかあんの?賭け事強い奴とかおる?でもあったらあったで破産して夜逃げとかあったら怖いわぁ」
なるべくぼかして聞き出す。
もし出店などあるようなら花見を兼ねて飲み食いしながら調査報告会。
「賭場ってカイムさんピッタリやん。薬師神さんもそう思うやろ。あ、でも一文無しになんのはやめてや?カイムさんの彼女に俺らまで怒られそうや」
カイム・クローバー
【男子会】
ギャンブルは好きだぜ。命を懸けたギャンブルってのは少しばかり、刺激が過ぎるけどな。
情報収集に関しちゃ二人に任せるぜ。俺は遺跡ってのに直接当たってみるか。
UCを使って行動。【忍び足】で動きつつ、元盗賊としての【第六感】を活用して万一の罠に備える。
必要なら【見切り】で見抜いて、【鍵開け】で罠を解錠。探索して二人への土産話でも持ち帰るぜ。
探索後は調査報告会へ。
花見を兼ねて飲み食いしながら情報の交換をしておく。
「賭場があんの!?マジ!?行こうぜ!」と半ば無理矢理二人を誘いつつ…しかし、自分の財布の中身はスカッスカで。
……なぁ、依頼の報酬って前払いとかで貰っちゃ駄目か?(二人に尋ねつつ)
薬師神・悟郎
【男子会】
島民に合わせた姿に変装をし、視力、聞き耳で情報収集
この島以外の人も来ているはず
ならば、遺跡や賭け事の事件について噂話もあるかもしれない
それらしい話を聞けばコミュ力で彼等から詳しい情報収集+UCで言いくるめ
「帰った時の土産話にしたいんだが、珍しいことや変わったことはないか?」
出店で二人の土産も買い報告会へ
「カイムが賭け事が好きなのは知っている。大丈夫だ、シン。前に無茶な賭け方はしないと約束した」
と、話したすぐ傍から財布が空とはどういうことだ
「断る。この金を貯めて彼女の為の白無垢を用意するんだ」
但し着てもらうと約束はしていない
だが、もしも俺への言いくるめが成功すれば前払いを貸しても良い
男子会、と称した三人組が進むのは島の端。中心部よりも桜の花びらは少ないが、桜の大樹の全景を見ることができるスポットでもある。
その桜の大樹を眺めるように、中心部よりかはささやかであるが、花見や祭りが行なわれていた。
男子会メンツは三手に分かれ、それぞれ情報収集を行っていた。
「いや~、えろう絶景やね!」
『そうだろそうだろ? あんちゃんはこれを見るのは初めてかい?』
「こないに遠くから見るのは初めてや。これはどんどん酒が進みそうやわ」
渡された飲み物を手にシン・バントライン(逆光の愛・f04752)は、同じく一杯やっていた島民と桜を眺めて杯をあおった。
シンの手元にあるのは透明なジュースだったこともあり、唇に付けるだけでそれを口に含みはしない。
「いやぁ、こないな桜見ながら賭け事とかやったらえろう楽しそうやな!」
『なんだ、あんちゃんもカケゴトとやらをやりに来たのかい?』
「え! この辺りに賭場とかあんの?」
『ああ。といってもこの間やってきた……あれは海賊さんなのかね? が、そこの遺跡を使ってやってたよ』
「へえ~! その海賊さんとやらは賭け事強いん?」
『いやぁ強かったよ! オイもこの間初めてそのカケゴトとやらをやったんだけどよ、だーれもその海賊さんには勝てないわけよ! オイは一回やって辞めちまったけど、他の奴らはずっと海賊さんとカケゴトやってたよ』
それを聞いて、シンの瞳がほんの少しだけ細くなる。
「……それでなんか事件があったりしてんか? 破産したとか、人がいなくなったとか……」
『ハサン? 人がいなくなったとかは聞かないなぁ』
「そうなんや、なら良かったで! その遺跡でもまだ賭け事やってるやろか?」
『いや、確か島の中心の方に行くとかなんとか……、ただ遺跡の中でまだカケゴトをやってる連中はいるかもしれないな』
「そうなんや! じゃあちょいと行ってみるわ! おおきに!」
シンは笑顔で島民に手を振ると、人の集まった場所から海側へ少し離れる。
島民がいなさそうな場所を探し、手のひらサイズの黒龍を召喚した。
ユーベルコード『萬徑人蹤滅』。
「たぶんカイムさんが行ってるところやけど、一応頼むわ」
黒龍は一度肯定を意味するかのように鳴くと、ふわりと空へと羽ばたいていった。
◆◇◆◇◆
『そこのあんちゃん、どうだい? このあたりで採れた魚と草花の和え物はどうだい?』
「ああ、良さそうだな。頂こう」
『あんちゃん、この果物は甘いよ!』
「それも旨そうだ。頂いても良いか?」
『もちろんよ!』
シンのいた場所から少し離れた出店。規模は小さいながらも魚や菜花、果物などが売っている出店の一角は大いに賑わっていた。薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)は出店で食料を調達していた。このあと合流するであろう二人のためのものだ。
「旨そうだな。ありがとう」
『毎度あり!』
「ところで、仲間と会った時の土産話に聞きたいんだが」
『なんだい?』
果物を打っていた島民の女性はハッハッハ、と軽快に笑い、他の客の相手をしながら器用に悟郎の話を聞く。
「最近、このあたりで珍しいことや変わったことはないか?」
『やっぱりあのカケゴトのあんちゃんだね! 結構渋い顔だけど、あたし達みたいなババアはかなり好みなんだよ!』
うちの旦那よりもさ! と冗談気に爆笑しながら女性は客の一人であろう青年の背中を思い切り叩いた。青年は痛そうに背中を抑えているが、女性は恥ずかしさを隠すように何度も叩いていた。
『でも最近見ないね、あの渋いの』
『なんか中央の方に行っちゃったらしいですよ?』
『そうなのかい!?』
「中央、というと?」
悟郎は青年と女性の会話に入り込む。
『桜の根元に用があるんだって言って、つい数日前に行っちまったんだよ。なんか遺跡がどうとか言ってたっけな』
『そうなの~!? あたしも中央に行ってみようかね、この祭が終わったら!』
「なるほど……、ありがとう、良い土産話になりそうだ」
悟郎は笑顔で女性へと微笑む。それを見るや否や女性はぽっと顔を赤らめたかと思えば悟郎の背中を大きく叩いた。
『よ、良かったら、これも持っていきな! ハッハッハ!』
「あ、ありが、痛い!」
悟郎の両手にはそこで売られていた食べ物全種類が乗せられていた。
◆◇◆◇◆
そっと、息をする。
カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)の足音は砂利の上を歩いているはずなのに、微かにもしない。ユーベルコード『盗賊の極意』。元盗賊の能力がそれによって底上げされていた。
かつての面影のまま放置されていたはずであったそこには明らかに人工的な痕跡が残されていた。
遺跡の中をただただ探っていく。
「これは……」
カイムの目に入ったのは賭け事の跡――ではない。
それよりもかなり物騒で、そして人間のものではない。
「――機械、か?」
このグリードオーシャンでの島、ブルム島ではたしかにいわゆる『ヒト』以外の人間も数多生活している。しかし、足跡の深さが人間のそれではないのだ。
「相手に機械の躯体がいあるとは聞いていたが……結構でかそうだな……」
足跡は洞窟の奥へと向かって進んでいた。カイムは一度大きく息を吸うと、最大限に足元に気を使って足跡を追っていく。足跡はいくつもあったが、一つに的を絞って進めば遺跡の最奥へとたどり着いた。
そこにいたのは決して岩と土で作られた建物にはそぐわない、機械製の巨躯だった。
「っ!?」
物陰で息を呑む。しかしその巨躯は脱力し数分見張っていたところで動く気配がない。カイムが足元の壁の破片を投げて当ててみたところでそれは動く気配もない。
「……壊れてるのか、それとも罠か……?」
そっと、突然動き出したとしても対応できるように剣のグリップに手をやりながらカイムは巨躯へと近づく。
人よりも一回り大きな身体は武骨で生体部分が一切ない、完全なる機械。
そしてその姿は予知されて描かれたイラストと同じであった。
「まじか……これがたくさんいるってことだよな?」
カイムは呆れ気味に口角をあげて乾いた笑いを漏らす。
「これは随分な土産話になりそうだ……」
そう言い、その場を後にした。
◆◇◆◇◆
「なるほどつまり、もぐもぐ、あの樹の中央部、ごくん、の遺跡に機械がいそうなんか」
「らしいな……せめて飲み込んでから話せ、シン」
「マジ!? ここらへん賭場あるのか!? この仕事終わったら行こうぜ!」
三人は祭のために用意された椅子に腰掛けて、それぞれの土産と土産話を分け終えた。
「せやせや、賭場ってカイムさんピッタリやん、薬師神さんもそう思うやろ?」
「カイムが賭け事が好きなのは知っている」
「あ、でも一文無しになんのはやめてな? カイムさんの彼女に俺らまで怒られそうや」
「大丈夫だ、シン。前に無茶な賭け方はしないと約束した……んだが」
ニッコニコの笑顔で賭場について話すカイムをシンと悟郎は楽しさ半分、呆れ半分で見遣った。しかしその表情はカイムの財布の中身を覗き込んだところで全てが呆れへと変わった。そこにはたくさんの――空気が入っていた。
「無いやん、お金」
「話したすぐ傍から財布が空とはどういうことだ……はぁ」
「……なぁ。依頼の報酬って前払いとか……」
「無理やな」
「無理だろうな」
「だよなあ!」
あー! と頭をくしゃくしゃと掻きながらカイムは天を仰いだ。しかし金は落ちてこず、落ちてくるのは桜の花びらのみ。
「この花びら、お金代わりになったりとかは」
「いや、せえへんやろ」
「大人しく依頼を終えるしかないな」
「ええ、やっぱりか!」
そんな話をして数分後、桜の中央部へと向かう三人の姿があった。
うち、一人の眼には金と書かれていたと、のちにシンが語っているとかいないとか。
「お願い、貸して!」
「断る。この金を貯めて彼女の為の白無垢を用意するんだ」
大成功
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第2章 集団戦
『メカニカルパイレーツ』
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POW : 目標確認、銃殺で処理
【ビームマスケット】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 目標確認、近接を敢行
あらゆる行動に成功する。ただし、自身の【耐久力及びエネルギーと他の仲間】を困難さに応じた量だけ代償にできなければ失敗する。
WIZ : 耐久力低下、至近距離自爆を遂行
自身に【エネルギーシールドと高熱】をまとい、高速移動と【自爆による爆発エネルギー】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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集まった猟兵達は合流し、桜の大樹の根元にある遺跡へと向かった。
神聖な領域とされているそこに島民の姿はない。しかしそこには機械の巨躯、そして一人の紳士が、今まさに遺跡を出ようとしていた所だった。
「おや……私の邪魔ですか?」
紳士が不敵な表情を浮かべる。同時に数体の機械製の巨躯--メカニカルパイレーツが紳士の前に立ちはだかった。
「あまりこういう品のない賭け事は好みでは無いのですが……まぁ、この子達で負けたらそこまでの運だった、ということで」
頑張ってくださいね、と紳士はその手でサイコロを弄びながら口角を上げた。
クリスタル・ファイアヘッズ(サポート)
『憑依の守り手』
サイボーグのブラスターガンナー×鎧装騎兵、31歳の女です。
基本的な口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
探索時は自身の目を使い慎重に情報を集めて探索するのを好みます。
戦闘時はパワードスーツを着用した上で光学迷彩装置を起動、敵に存在を気取られないように倒します。もし、正面からの戦いになりそうであればユーベル・コードの機械仕掛けのヴァイキングを発動し、集団に紛れて闇討ちを行います。
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『つい気合い入れて掃除しちゃいました。元ボランティア同好会の血が騒いでしまいましたね』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』
故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師
昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん
戦い方は直接殴るより術をとばす方が好みです
範囲攻撃とかロマンですよね
例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ
アドリブ・絡み・可
片桐・公明
【POW】
二挺拳銃とUCで接近格闘戦を仕掛ける。
相手の攻撃は踊るようなステップで回避し、確実に一撃ずつ加えていく。
「随分とろくさい攻撃ね。部下が弱いとボスの箔が落ちるわよ。」
攻撃より回避を優先し、相手を煽るように戦う。
「その4本の腕は飾りかしら?」
攻撃は手や関節を狙って武器をおとすことを狙う。
「メカにするなら武器も一体化すればよかったのに。そしたらこうやって落とされることもなかった。」
相手が大きな隙を見せたら、鳩尾に向かって右ストレートを放つ。
「弱すぎるわね、出直して来なさい。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)
『さぁ、行きましょう。私の同族よ……!』
数体の機械の巨躯――メカニカルパイレーツを前にクリスタル・ファイアヘッズ(ディープレッド・f18277)は機械の騎馬、そしてそれに跨る騎士を召喚する。
ユーベルコード『機械仕掛けの騎士団』。
しかしそこにクリスタルの姿は見えない。その姿は光学迷彩で消されていた。
「同族たちよ、お願いしますね……」
騎馬と騎士はメカニカルパイレーツへとのしかかる。
『舞え、氷の竜よ。アイストルネード! ……なんちゃって』
騎馬達の攻撃と共に辺りに吹きすさぶのは辺りに舞い散る花弁とは程遠い、細かい氷の粒。
猟兵達のいる一帯の気温が数℃下がる。
鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)は霊符を指に挟みメカニカルパイレーツ達を睨み付けた。
「やっぱり大掃除は気合を入れないといけないね」
頭に巻いたタオルが凍てついた粒子と共になびいていた。
「んーでも、メカメカしいの嫌いじゃないんだけど」
そんな呑気な成美とは正反対に、対峙したメカニカルパイレーツは四本のうち二本の手に持った銃――ビームマスケットを猟兵達へと向けた。
温情、なんていうものは機械には存在しない。メカニカルパイレーツは照準を定めるや否や、その引き金を軽くひいた。
マスケットから放たれたビームは猟兵達へと降り注ぐ。片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)をもその光線は貫こうとしたが、公明はそれをひらりと踊るようにかわす。
何本ものビームが公明の身体を狙い、その全てが遺跡内にある岩や紋章の入れられた石を破壊、粉砕する。
「随分とろくさい攻撃ね。部下が弱いとボスの箔が落ちるわよ」
それほど広くはない遺跡の中の空間を巧みに使い、公明は平面だけでなく上下にも移動してその攻撃を回避し続ける。
機械であるはずのメカニカルパイレーツが歯ぎしりをしそうなくらい、その命中率は無残なものだった。
「あまりあなたのボスは、それの使い方を教えていなかったのね。それとも使いこなせていないだけなの?」
公明は片側の口角だけを少し誇張して上げる。それは傍からみれば、馬鹿にしたような笑み、と言われるようなものだ。
「となると……その4本の腕も、首の上のそれも、飾りかしら?」
公明はまるでメカニカルパイレーツに教えるように、自身も両手に拳銃を持つ。Mathem842、そして臥龍炎と名がつけられたその銃を身体の前で構えた。
「拳銃はね、こうやって使うものなのよ……ま、もうあなたは使えないんだけど」
タタン、と小気味良い音が遺跡の中に響く。あれだけ大量のビームを放っていたメカニカルパイレーツとは対照的に、公明はたった数弾のみしか放っていない。しかしそのほとんどがメカニカルパイレーツの巨躯、特に手首の関節部へと見事に着弾したのだ。
関節はその構造上他の場所と比べて外部が影響しやすい。
綺麗にヒットした銃弾はマスケットを持った敵の手首の関節を抉り、次弾でその接合部を完全に破壊してしまった。
「……メカにするなら武器も一体化すればよかったのに。そしたらこうやって落とされることもなかった」
二本のマスケットは地面へと落ちてしまう。メカニカルパイレーツが持とうとしたところで、関節が動かない以上、それを再び持つことは叶わなかった。
機械は一旦イレギュラーなことが起きると思考回路を変更するために、一瞬だけ計算のために動きが止まる。今回は拾えないマスケットをどうするか、だ。
その隙をクリスタルは見逃さなかった。
召喚した騎馬と挟み込むように、クリスタルは敵の背後へと既に回り込んでいた。見つからなかったのは光学迷彩装置のおかげだ。
二本のビームナイフを両手に持ち、クリスタルは物音立てず、言葉も発さずにその二本をメカニカルパイレーツの巨躯へと無理矢理に突き刺す。
ガリガリ、と不協和音が辺りに反響する。敵は逃げようとするが、騎馬と騎士が敵の動きを妨げていて思うように身体を動かすことができない。
やがて刃は巨躯の中枢へと辿り着き、中身をぶった切る。
「あなた達は機械にしては……少しだけ、弱かったですね」
クリスタルは、エラー音を吐き出しながら身悶える敵に囁くように、ナイフで巨躯を抉り続ける。
「ああ、メカメカしい敵が……まあ、どうでもいいか」
そこへとどめを刺すように成美の持つ符が誘導弾を何発も飛ばし続ける。
ナイフで弱くなった金属製の装甲部分へと誘導弾は飛来し、その傷口を広げて、やがて中へと侵入していく。
「オブリビオン……えっと、ここではコンキスタドールって言うんですっけ? ま、どっちでもいいや。倒すだけですよ」
成美の視線は敵を刺す。しかしその視線は先程まであった「興味」がとうに薄れてしまっていた。
敵の動きが完全に停止し、沈黙を訴え始める。しかし倒すことができたのはまだ一体。まだまだメカニカルパイレーツは主人を取り囲むように猟兵達へと武器を向けている。
一般人から見れば脅威的な場面で、恐怖を抱いても何らおかしくないのだが、猟兵達は違った。
既に公明の標的は別の個体へと移っていた。
別の個体が公明達へと反応する前にその鳩尾に腰のひねりをよく効かせたストレートを一発お見舞いする。
「弱すぎるわね、出直して来なさい」
姿勢を崩したメカニカルパイレーツに対し、公明はため息交じりに言い放った。
メカニカルパイレーツ達が、歯ぎしりをした――ような気がした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
シン・バントライン
【男子会】
「圧勝でしょうね。…賭けにもなっていません。この後に待ち受ける大勝負の前哨戦、早々に片を付けるとしましょう」
覆面を着け戦装束に身を包むと敬語に。
UCを展開し宝珠を花弁に変え範囲攻撃。花弁は集めて盾の様に使ったり臨機応変に。
同時に己は剣を抜き交戦。
カイムさんと違う方向の敵を相手に取る。
第六感で敵の居る方角や数を出来るだけ正確に予測し剣を振るう。
範囲攻撃、2回攻撃でなるべく多くの敵を巻き込み確実に仕留めていく。
もし討ち漏らした敵が居れば薬師神さんに任せる。
3人で連動して殲滅戦。
安心して背を任せられる仲間が居るというのは心強いものだと感慨深く。
さて、食えない紳士に勝負と参りましょう。
カイム・クローバー
【男子会】
品の無い賭け事?このガラクタ連中との喧嘩が賭け事だってんなら、結果は俺達の圧勝さ。
賽子もコインもカードも必要ねぇとは──少々遊び心に欠けるギャンブルだってのは否めねぇな。
シンと共に左右に大きく分かれてガラクタの数を削っていく。
愛用の二丁銃で【二回攻撃】と銃弾に紫雷の【属性攻撃】を纏わせ、【クイックドロウ】。【範囲攻撃】を交えてUC。
撃ち漏らしは悟郎に任せ、広範囲を殲滅する流れ。
飛んできたビームマスケットの銃弾は【見切り】と【残像】で躱す。ガラクタ連中に俺達の言葉が通じるとは思えないが一応【挑発】で煽っておくか。
何処狙ってんだ?動いてる的を当てるのは苦手かい?(手を大きく広げて)
薬師神・悟郎
【男子会】
やる前から結果が分かっている勝負というのも珍しい
仕掛けも小細工も必要ない
力ずくで押し通すぞ
混戦して敵の隊列が乱れているところを狙おう
初手、先制攻撃からの範囲攻撃+咎力封じで一気に複数の敵の攻撃力低下もしくは技を封じることを試みる
その後は左右に分かれて敵の掃討を行う二人の援護
弓を使い、彼等の後方から同じ敵を狙い攻撃
第六感、野生の感でシンとカイムの死角から狙うような敵がいれば(且つ彼等が気付かなければ)そちらを優先して討伐、スナイパー、視力、暗殺
あとは二人の討ち漏らした敵を討伐していくだけの簡単なお仕事だ
いつもこうなら楽できて良いんだが
「賭け……というには圧勝でしょうね。もはや賭けにもなっていません」
「品の無い賭け事? これが賭け事だってんなら結果は俺達の圧勝さ!」
「やる前から結果が分かっている勝負というのも珍しいな……仕掛けも小細工も必要ないしな」
情報を集めていた先程とは異なり、戦用の装束に改めたシン・バントライン(逆光の愛・f04752)、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)、薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)ら三人は、遺跡の一角でメカニカルパイレーツと対面していた。
その向こうにはボスであろう男性が不敵な笑みを浮かべていた。
「この後に待ち受ける大勝負の前哨戦、早々に片を付けるとしましょう」
覆面を身につけたシンは楽天的な口調から一変して、冷静な口調で他の二人とコミュニケーションを取る。
「おう。……それにしても、賽子もコインもカードも必要ねぇとは。少々遊び心に欠けるんじゃねぇか?」
眉をハの字にして少しだけ不満を呟くカイムだったが、一つ息をしたのを合図に、敵の集団の右方へと走り出した。
同時にシンは左方へと走り出し、二方向からカイムとシンが敵を挟み撃ちするような図となる。
「こんなガラクタ連中との喧嘩を賭け事にしてもらっちゃあな!」
カイムの両手にある双魔銃が火を噴く。反響音を辺り一帯に振りまきながら、銃弾は紫電を帯びてメカニカルパイレーツの体躯へと着弾した。
紫電は着弾した場所から敵の表面を伝うように広がり、一瞬の隙を作りだしていく。
『東風不爲吹愁去、春日偏能惹恨長……我が心を春嵐と成す』
もう片方ではシンが宝珠を手に持ち、呪いを呟く。ユーベルコード『春思』。
宝珠はその艶めいた形を崩し、一輪の牡丹へと変化していく。その赤の牡丹は無数の花弁を遺跡の中へ散らす。
それはまるでシンが操っているかのように敵へと舞い、傷をつけていく。
強くしなやか、美しくも残酷な二種類の攻撃に敵はじりじりと遺跡の奥へとその足を後退させていく。
敵の集団は左と右から押されれば、中心へと自ずと後退していく。
「なんだ、賭け事には頭は必要なかったのか?」
敵の密度が多くなったそこへ、様々なものが飛来した。手枷。猿轡。そして拘束ロープ。全てが何かしらの動きを制限するものであった。
「まあ、たしかに。力ずくで何とでもなるからな」
ユーベルコード『咎力封じ』。
悟郎の放ったそれらは全てが命中とまではいかないものの、いくつかの拘束具は敵の腕や身体へと巻き付き、動きを妨げ始める。
しかしメカニカルパイレーツもやられっぱなしではなかった。
「ぐっ……」
稲妻が走るかのような速度でシンに振り下ろされたのは二本の腕で持つ剣。
シンの頭の先からの股下まで真っ二つに割らんとしたその一撃は、しかしながら、第六感によって取り出したシンの黒剣がなんとか防ぐ。
「さほど……っ、重くもないですね!」
競り勝ったのはシンの黒剣で、シンは腰を下げ重心を下げ、体中の力全てを使い敵の剣をはじき返す。それにだけに留まらず、黒剣と牡丹の花弁の両方を操ることで周囲をも巻き込みカウンターをし返した。
もう一方でカイムの肩を貫いたのはビームマスケットから放たれた銃弾。
「くっ!?」
肩を抑えてその場に座り込む。それを好機とメカニカルパイレーツ達は一斉にマスケットで狙いを定める。一瞬でビームが視界を染める。
「うぁあああああっ……なんてな」
蜂の巣になったかと思われたそこには何も無い。いたはずのカイムの姿は人二人分ほど離れた場所に立っていた。
「残像も見抜けないなんて、随分とチャチなセンサーじゃねぇの?」
手を大きく広げてわざと的を大きくするようにカイムは敵の側をゆっくりと歩き回る。マスケットはその都度カイムを狙うが、その度に蜂の巣になるのは遺跡の壁なのであった。
「何処狙ってんだ? 動いてる的を当てるのは苦手かい」
にやりとした笑みはどこか不敵で不遜だ。
「おい、調子に乗ってないで周りを見ろ」
後方からカイムの頬を矢が掠める。矢の行く先は、カイムがふらふらと歩いていた背後、メカニカルパイレーツの一体が他の猟兵達との戦いから逃げて、隠れていた場所だ。
「いや~、助かるぜ!」
「阿呆。次が命中する保証はないぞ」
悟郎は次の矢を取り出し弓につがえる。狙うのはシンに斬られて地面に転がっているものの、起き上がろうとしている個体。
「あまり動かないでくれ。外れると俺の仕事が増える」
小気味よく発射された矢は、まるで散らばった”ガラクタ”を地面に縫い付けるように突き刺さっていく。
「やはり、背を預ける仲間がいるというのは心強いものですね」
「できればそっちで完全に仕留めてくれると楽なんだが」
地道に、一つ一つ悟郎は闇に潜むかのように物陰から、倒されてもなお立とうとしている敵や、不意打ちを狙おうとする敵に淡々と矢を射続けていた。
いつの間にか辺りを見回せば、既に敵の数は片手で数えられる程度となっていた。
「やはり、この賭けは私達の勝ちでしたね」
「当たり前だ。ここで負けても困る」
「さあさ、最後は俺の出番だ!」
悟郎がシンに視線をやり、シンがカイムへと視線をやる。
カイムは一つ頷き、両手の銃を残りの敵へと向けた。銃を中心に周囲をバリバリと紫の雷が駆け抜ける。
『銃も当てられねえ雑魚は退場の時間だ』
ユーベルコード『紫雷の銃弾』。カイムが引き金を引くと、雷を纏った何発もの銀の銃弾がメカニカルパイレーツめがけてばら撒かれた。
空気を走る雷の威力は凄まじい。
何発もの雷が残ったメカニカルパイレーツの身体を何度も穿ち、何度も刺す。敵の体表からは煙が立ち、ガタガタと震え、上手く制動が効いていない。
「とっとと舞台裏にでも引っ込みな」
ラスト一発、カイムは既に機械の塊同然の敵に言い放つと同時に引き金を引く。つんざくような音と共に放たれた雷は、敵の回路を完全に焼き切った。
ガシャン、と音を鳴らし、焦げ臭い煙を立たせながら、メカニカルパイレーツは地面へと倒れていく。
猟兵達の前に残ったのは、不遜な笑みを浮かべる紳士一人のみ。
機械は全て地に伏した。
「……さて、食えない紳士に勝負と参りましょう」
シンは自身の剣を持ち上げ、剣先をその男に向ける。
男は目を見開いて猟兵達を見つめる。心の底から楽しそうに、まるで壊れた玩具のように、笑い声を上げた。
大成功
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第3章 ボス戦
『狡猾なるベルガン』
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POW : ブラインドベット
【カードシャッフル】を披露した指定の全対象に【賭けで決着をつけるべきという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD : ノットフォールド
【博徒としての歴戦の勝負勘で】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : ゲームスタート
【メガリス『ドットダイス』】を降らせる事で、戦場全体が【賭博場】と同じ環境に変化する。[賭博場]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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「なに、ここまで来れないのなら大した者たちだと思っていましたが……少しは、やるようですね」
不敵な笑みを浮かべる紳士--『狡猾なるベルガン』は近くにあった出っ張った岩にかけていた腰を上げた。周りに散らばった機械の残骸を踏みながら足の下にあるそれを見もしない。
「賭けをする以上、誠心誠意、品行方正、正々堂々と、命を懸けるのは当たり前でしょう」
既に興味は目の前にいる、猟兵達。
ベルガンの右手には賽子、左手にはカード。
「あなた達、この賭けに乗らない手はないでしょう? 無論、今度は私がしっかりとお相手いたしましょう」
不敵な笑みを崩さない。
しかし目つきはは鋭く、獰猛で、今にも噛みつきそうな獣のようであった。
「それでは……」
猟兵達の返答も聞かず、ベルガンは賽子を辺りへと投げた。
「ゲーム、スタートだ!」
シャルロット・アルバート
賭け……賭けね。思い付いたことがあるからいいかな?
僕の誘導兵器には『武器を搭載しないこともできる。だから君からそれを選んで撃つ』と賭けを持ち出す。
けど実のところ誘導兵器はパワードスーツと連動させてるから、
どっちを選んでもベルガンが僕を撃つことはできないってイカサマだよ。
『それって賭けになってないだろ』と突っ込まれたら、
『その程度のイカサマを見抜けないならギャンブラー失格』と返すよ。
ニニニナ・ロイガー(サポート)
ど〜も~
要請を受けて参りました、UDC職員のニニニナとドビーちゃんっす。
よろしくっすよ〜
そんなわけで、どんな触手がご入用っすか?
長い触手に太い触手、幅広触手に細触手。
鋸歯つきのゴリゴリ削れる触手にヒトデみたいな手裏剣触手、
ドリル触手に粘着触手に電撃触手その他色々行けるっすよ。
あるいは溶解液を吐く触手とかご所望っすかね?
麻痺触手に毒触手に石化触手になんなら自白用の催眠触手とか…
後は耐熱耐冷耐衝撃触手に再生触手なんかもOKっす。
マニアックな所だと按摩触手に美肌ローション触手、電脳アクセス触手とかも便利っすね。
あ、触手本体は見えないようになってるので、
一般人が狂気にとか気にしないで大丈夫っすよ~。
狡猾なるベルガンのダイスは遺跡にいる猟兵達の足元へと落ちる。
ベルガンの持つメガリス『ドットダイス』により、辺りは賭博場に似た雰囲気へと変化していった。
「それでは、三本勝負でよろしいでしょうか?」
「別に良いけど、こっちがゲームを指定しても良いよね?」
「おや……? ……もちろん構いませんよ」
ベルガンとの戦いに真っ先に手をあげたのはシャルロット・アルバート(閃光の戦乙女(ライトニング・ヴァルキュリア)・f16836)。
「アタシもそれにちょっと便乗するっすよ~」
そしてニニニナ・ロイガー(一般UDC職員・f17135)も他の猟兵達の一歩前へと歩み出た。ベルガンは一瞬だけ驚いた表情を浮かべるも、手に持ってシャッフルをしていたカードを脇に置いた。
「どんなゲームでしょうか?」
「簡単だよ。僕がこの誘導兵器の中のどれかに武器を搭載するから、そのどれかを選んで、互いに向けて撃つ……いわゆるロシアンルーレットみたいなものだね」
「それはまた……スリルがあるゲームっすね……」
「ふむ……なるほど」
ベルガンはじっと、シャルロットの装備を上から下まで眺めていたが、やがて一度頷いた。
「なるほどなるほど、わかりました」
「それじゃあ、アタシから選んでも良いっすか?」
「うん、良いよ」
ニニニナもベルガンと同じようにシャルロットのパワードスーツの肩についている誘導兵器をじっと見つめる。
「んじゃあ、これにするっす!」
「それでは、私はこちらで」
ニニニナに次いでベルガンも誘導兵器を手に取る。ポーカーフェイスをそのままに、アルカイックスマイルで元いた場所まで下がった。
最後にシャルロットが誘導兵器を選び他の誘導兵器を仕舞う。その実、誘導兵器には全て弾が搭載されているのだが、パワードスーツから指令を出して撃たないことも可能なのだった。
つまりベルガンがどれを選ぼうと、何も弾は出ないのだ。
「準備は良いっすよ~」
「こちらも問題ないですよ」
シャルロットとニニニナは同じ場所に立ち狙いはベルガンへ、ベルガンは同じ場所に立つ二人へと照準を合わせた。
「ところでこれって勝算はあるっすかよね?」
「もちろん、こっちには策があるからね」
良かったっす~、と安心した表情を浮かべるニニニナは思わず触手をパタパタと跳ねさせる。
「ところで別にこれって賭けにわざわざ乗らなくても肉弾戦にしちゃえば良かったんじゃないっすか?」
「……それじゃあ、カウントするよ」
「えっ、スルーっすか!」
シャルロットは恥ずかしさにほんのり頬を赤く染めながら、10からカウントを始める。9、8と続いていき、シャルロットの0の声と同時に閃光が遺跡の中を照らした。
「ふむ……」
怪訝な表情を浮かべるベルガンの後方の壁には二つの大きな穴が開いていた。対してシャルロットとニニニナの後方には何も起こっていない。
「なるほど、これは一本取られましたね」
「僕たちの勝ち、かな?」
はっはっは、と笑うベルガンであったが、猟兵達は誘導兵器から放たれた弾を間一髪で避ける姿を見ていた。
「これって……本当に良いんっすかね?」
「この程度のイカサマを見抜けないならギャンブラー失格だからね」
「ん~、イカサマというか賭けとして成り立ってないような気がするっす……」
そんな内緒話を知ってか知らずか、ベルガンは二人を微笑ましそうに見遣った。
「ギャンブルのディーラーはまずお客様に良い思いをさせてからが本番ですから……」
そんなことを呟きながら、誰にもわからないほど微かに口角を上げた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
華上・ユーディ(サポート)
『お疲れ様でした♪』
キマイラのマジックナイト×ブレイズキャリバー、20歳の女です。
普段の口調は「たまに語尾にもっちぃ。(わたしぃ、あなた、~さん、や、やろ、やろか?)」、覚醒時は「赤の冥土長(我、~君、~嬢、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
加茂野・顕如
他の猟兵に遅れて一人の男がその場に現れた
着流しを着たひょろりと背の高い男だ
「まいど、ギャンブラーが相手と聞いてな、ただ、遺跡やらロボットをどうにかするのは管轄外やで、みんなの後からゆっくり来させてもうたで」
ギャンブル
それも麻雀を専門にオブリビオンと戦う猟兵の加茂野顕如である
「命かけたギャンブルやろ、ええやん、一つ勝負しよや」
顕如がばさりと扇子を開く、そこにはオブリビオンの絵が描かれている
「あんたが負けたら魂は扇子の柄になる、それでええか?」
勝負は麻雀に乗らんかったら、コップに酒を入れてコインを入れていき溢れさせた方が負けのゲーム
イカサマ道具の脱脂綿をもって、酒を増やしたり、吸って減らしたりする
「まいど、ギャンブラーが相手と聞いてな」
場にはそぐわない着流しを来た加茂野・顕如(流れの雀士・f00967)が、さも居酒屋の暖簾をくぐるかのように、ふらりと遺跡に現れた。
ベルガンはそんな珍妙な客にも表情を変えない。
「あらぁ、随分と遅めの参加、社長さんやろか?」
「遺跡やらロボットやらは管轄外やで、後からゆっくり来させてもうたで」
華上・ユーディ(紅き冥土送り・f02310)の言葉に、へっへと笑いながら顕如は足早にベルガンの元へと近づく。
「賭けっちゅうのは麻雀でもええんやろか?」
「ええ、もちろん。ですが、人数が足りませんね」
ベルガンの手元にはいつの間にか、どこから出したかわからない雀卓と牌が置かれていた。
「そこの姉ちゃんでええやろ。麻雀はわかるやろか?」
「え、ええ、わたしぃ!? まぁ触ったことなら……」
「なら大丈夫やろ。ほらこっちきいや」
いつの間にか現れた椅子になんの疑問もなく座る顕如と戸惑うユーディをよそに、ベルガンはさっさと雀卓の上に牌を置き、用意する。
次の賭けは三人麻雀。
「そういえば……説明はお聞きになりましたか?」
「命かけたギャンブルってことやろ? さっきそこで聞いてたわ」
「そちらの方も……?」
「聞いてたけどなぁ」
「ええやん、ええやん。御託並べずにとっとと一つ勝負しよや」
「さようですか。かしこまりました」
ベルガンと顕如は滑らかに牌を取り始め、ユーディは顕如に教えてもらいながら牌を自分の元へと並べていく。
「あんたが負けたら魂は扇子の柄になる、それでええか?」
「あなたが負けたら、命は私のものですね、それでも?」
雀卓を挟み、凄まじいまでの気迫が辺りを駆け巡った。ギャンブラーとギャンブラーの火花散る戦いが始まった。
そしてそれは――凄まじいまでのイカサマ合戦だった。
「はい、地和です」
「――んな」
顕如が絶句するほどの悪びれないイカサマ。
一つ目の手に取った牌であがったのは1と9、そして字牌が並んだ国士無双。
初っ端で役満を持ってくるなど天文学的な確率。しかしベルガンはポーカーフェイスのままそれを残り二人へと見せた。
「……は、はっは、は」
「これって、私でも知ってる役……」
ユーディは目を見張ってその並びを眺める。
顕如の手元にもイカサマダイスはあった。しかし様子を見ようと思って出し惜しみしたのが間違いであった。
まさか初っ端に地和を持ってくる『イカサマ野郎』がいるとは顕如は思っていなかった。ユーディは言わずもがな、である。
「いやぁ、お前さん、おもろいやつや」
「え、結局これってどうなるんやろか」
「いやなに。まだまだ勝負は始まったばかり、ですよね?」
ポーカーフェイスを浮かべたベルガンを顕如は笑みを浮かべてにらみつける。そのこめかみはひくひくと震えていた。
「わいもさて、そろそろ本気を出すわ。ほな次の親は俺や」
「わ、わたしも、がんばるんや!」
次の瞬間、ユーディを置いていき顕如がアガリを宣言する。
勝負師達――いや、イカサマ師達は次々とアガリを宣言していき、互いの点数をごっそりと持っていき、持っていかれる。
イカサマが横行しすぎて収拾がつかなくなり、ノー試合となるのは、たった数分後の話である。
そしてユーディが頭上に?を浮かべながらその様子を見ているのだが、それはまた別の話。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
片桐・公明
【SPD】
トランプで戦う前にシャッフルしている相手の山札の一番上を言い当てる。
「私、これでも目はいい方なの。あまり下手なことはしない方がいいわよ。」
仮に見抜けるようなイカサマを見つけたらカードごと相手の手を拳銃で撃ち抜く
ブラックジャックで戦うも劣勢が続く。
不幸中の幸いは最低BETで被害を抑えている事か。
「う~ん。うまくいかないわね。」
最終戦、それでもBET勝負を下りない公明
相手に何を言われても取り合わない。
オープンカード。公明の役は
「2枚で21。ブラックジャックよ。自分の使ったカードくらい覚えておきなさいよ。」
(本当は隙をついてカードをすり替えたんだけどね。)
(絡み、アドリブ歓迎です。)
「……こほん、さて気を取り直して次の方は……」
凄まじい争いが起きていた雀卓はいつの間にか消え、目の前には正方形の机が新たに置かれていた。
「次は私。ブラックジャックでお願いするわ」
「かしこまりました」
片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は一人でベルガンに対峙する。
ベルガンはテンポよくカードをシャッフルし、一枚を表に、もう一枚を裏にして互いの手元へと置いた。残りのカードは二人の真ん中に置かれた。
「ねえ、その山札の一番上って、J?」
「さあ、どうでしょうか?」
ベルガンは表情を崩さない。しかしその手の動きは止まった。なぜなら公明の持つ銃の銃口が手の甲に触れているからだ。
「私、これでも目はいい方なの。あまり下手なことはしない方がいいわよ」
「おやおや、恐ろしいですねぇ。それではあなたがシャッフルいたしますか?」
「そうさせてもらうわ」
公明はふん、と鼻で息をつくとその場にあった山札をシャッフルする。
その際に一番上にあったスペードのJを手元に忍び込ませた。これで細工は終了だ。
「じゃあ少しだけ肩慣らしさせて頂戴」
「ええ、良いですよ」
公明はそのJは出さず、適当に何戦か対戦を行う。しかしその全てにおいて負けが続いていた。
「う~ん。うまくいかないわね」
独り言のようなそれだが、しかし、公明の元にはスペードのAが既に新たに忍び込まれていた。
「それじゃあ、次を本番にしましょうか」
「かしこまりました」
ベルガンがほんの少しだけほくそ笑む。カードを普通に配れば、その笑みは一瞬、深くなった。
「いかがでしょうか」
「良いわよ」
「本当に?」
「ええ、もちろん」
「これで勝ち負けが決まって、そちらの方々の結果に響きますが」
「構わないわ」
「それでは……オープン」
ベルガンが出したのは、ハートのJとA。21のブラックジャックだ。
「2枚で21。ブラックジャックよ」
しかし公明が次いで出したのは、既に持っていたカードとすり替えたため、スペードのJとA。どちらともブラックジャックだが、役としては公明の方が強い。
「んなっ!」
ベルガンは驚いたような声を一瞬あげた。
それもそのはず、そのカードはベルガンがイカサマするために盗もうともできなかったカードだからだ。
「あら、スペードはまだ出ていなかったはずだけど、自分の使ったカードくらい覚えておきなさいよ」
公明は微かに悔しそうにするベルガンを一瞥し、その場から立ち上がると他の猟兵達の元まで下がった。
ちなみにその手には6のクローバーと8のハートが隠されていたが、それを知るのは公明しかいない。
大成功
🔵🔵🔵
シン・バントライン
【男子会】
猟兵になった時からその賭けには乗っているようなものですが、命を頂く前に財布の中身も頂きましょう。
私、この勝負が終わったら恋人と海に泳ぎに行きます。
UCでカードを作りカイムさんに渡し、ベルガンのカードの一枚と摺り替えてもらう。
相手がイカサマで勝ちに来ようとすると、作ったカードを即座に変化させ負けさせる。
攻撃は剣で。
相手がこちらの攻撃を読もうとするならば第六感で更にその先を読むよう努める。
相手が上手で追い詰められたなら、先ほどのカードを刃物で出来たジョーカーに変化させ至近距離からベルガンの急所を狙う。
そのカードよく切れますでしょう?
ジョーカーとは切り札だそうですがその通りとなりました。
カイム・クローバー
【男子会】
俺もギャンブルは好きでね。賭けて財布の中身が空ってのは良くある話さ。
だが、『命を賭ける』ぐらい刺激的なのは初挑戦だ。
この勝負に勝ったら…恋人に勝利のキスの一つでも貰いに行くか
賭けに乗るぜ。シャッフルされたカードを使ってポーカーで勝負。
ベルガンのイカサマ対応は悟郎に任せ。俺はシンの作成したイカサマカードをベルガンのカードの一枚と【フェイント】【早業】で入れ替える。
命を賭けてShowdown!ロイヤルストレートフラッシュ狙い。悪いな、ギャンブルの女神は俺達の味方らしい。
魔剣を使い、UCでベルガンのカードの効果を斬り捨てて。銃口向けてcheckmate。ラストは三人で決めようぜ。
薬師神・悟郎
【男子会】
勝負は始まる前に終わっているとは誰の言葉だったか
二人の戦略が上手く嵌まれば、逸る気持ちを抑えきれず「やったか!?」と声を上げてしまうだろう
例え不吉なフラグを立ててしまったとしても
…この勝負に勝ったら、俺は恋人に水着を着て欲しいと頼むんだ
存在感を消して目立たないよう行動
闇に紛れ込ませた鋼糸を敵の周囲に張り巡らせる
第六感、野生の勘、見切りで情報収集+UC発動
敵に不審な動きが見られれば、糸で然り気無く動きを妨害
また、傷口をえぐり麻痺毒による継続ダメージでじわじわ削る
貴様が行うゲームの代償に利き手の部位破壊ぐらいはさせてもらうぞ
最後は二人の攻撃に合わせて臨機応変に動こう
さぁ、潔く負けを認めろ
「次は俺だぜ! ポーカーで勝負だ!」
前に出たのはカイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)。カイムはベルガンの向かいの椅子に座り、足を組んでベルガンの表情を覗き込んだ。
「俺もギャンブル好きでね。賭けて財布の中身が空ってのは良くある話なんだが、命を『賭ける』ぐらい刺激的なのは初挑戦だ」
「おや、本当ですか? スリルが味わえて良いものですよ」
「カイムさん……ついでに財布の中身も頂いたらどうでしょうか?」
飄々と、ベルガンは頑なに表情を崩さない。まるで今日の朝食のメニューを話すように、命を賭けるスリルをギャンブラー同士で共有し始める。
カイムの横にはシン・バントライン(逆光の愛・f04752)が、ベルガンの後方には薬師神・悟郎(夜に囁く蝙蝠・f19225)が腕を組んで立っている。
ギャンブラー同士の会話には一切の共感も同情も持っていない二人だが、しっかりとすべきことを行っていた。
シンの手元には既に真っ白のカードが出来上がっていた。ユーベルコード『空蝉』。あとは数字を入れるだけで立派なイカサマトランプの出来上がりである。
そして悟郎はカイムが椅子に座ったと同時にベルガンの周囲に鋼糸を張り巡らせて、ベルガンの一挙手一投足を既に監視し始めていた。
「俺、この勝負に勝ったら……恋人に勝利のキスの一つでも貰いに行くか」
「おや、それでは私は奥さんの元に帰って手料理でもいただきましょうかね」
「え、あんた、結婚してんの!?」
「いえ、嘘です」
「嘘かよ!」
緊張感のきの字もない会話にシンと悟郎は思わずため息をつく。
「それはフラグ、というものではないのでしょうか? ……では私も便乗して、この勝負が終わったら恋人と海に泳ぎに行きます」
「え、おい、嘘だろシン! え、じゃあ……この勝負に勝ったら、俺は恋人に水着を着て欲しいと頼むんだ」
ベルガンはシンと悟郎の言葉に微小の笑みを浮かべ、カードをシャッフルし始めた。一枚、一枚と互いの場にカードを配り――。
「それでは、始めていきましょ、う……か」
「おい、もう一度シャッフルからやり直せ」
悟郎の言葉と共にベルガンの動きが止まった。その手に巻き付いているのは鋼糸。ユーベルコード『幻術【弐】』。鋼糸からの不審な動きをすぐに察知できるように、悟郎は軽口を叩きながら、糸の感触に集中していた。
そしてその糸には毒が塗られていた。
「おやおや、すみません。つい」
「つい、にしては随分と鮮やかな手口だな」
ベルガンはその場にカードを捨てて新たなカードを取り出し再びシャッフルを始める。悟郎の監視下では、ベルガンが可能なのは『普通』のシャッフルとカード配りだけなのだ。
オアシスポーカーでは五枚のカードをプレイヤーの元に置き、手元のカードで役を競う。手元のカードは一度だけ好きな枚数交換できる。
「さて、命を賭けてShowdown!」
三枚交換したカイムの手元にあるのは、10、J、Q、Kのダイヤとカイムの後方から旅に来たJoker。つまるところ、ロイヤルストレートフラッシュだ。
そしてカイムの手元にはもう一枚カードがある。
「頼みましたよ」
「ああ、わかってるぜ」
カイムは悟郎へと目配せをする。悟郎は一つ頷く。
それは、先程ベルガンへと植え付けた麻痺毒が上手くいっていることのサインだった。実際、悟郎の監視する鋼糸は先ほどからベルガンの動きが遅くなったのを感知していた。
「どう、しますか? 続けますか、降りますか?」
「もちろん続けるぜ!」
「本当に?」
「ああ!」
ベルガンは一つ息をついて場にカードを出す。対が無いノーペア。一瞬目を見張るベルガン。それもその筈、その場に本当にあったのはフラッシュのはずだった。しかしいつの間にか揃ったハート以外に黒が混じっているのだ。
「やったか!?」
悟郎が拳を握りしめて声を上げる。それを見たカイムはにやりと口角をあげた。
「悪いな、ギャンブルの女神は俺達の味方らしい……ってあれ?」
カイムの出したロイヤルストレートフラッシュ――否、ストレートとは月と鼈の差である。
カイムは自分が出した手札を二度見する。何度見てもストレートだ。
その実、ダイヤとハートを見間違えて、Jだけが実はハートだったというドジをしでかしていたのだった。
「……おい」
「いや~! あ、ははは」
悟郎も置かれたカードを二度見し、そしてカイムを見る。その瞳は明らかに動揺している、フラグを建てたものだけの特権だ。
しかし、どちらにせよ勝ちであることには変わりない。
「そのカード、よく切れますでしょう? Jokerだけに、切り札だそうですね」
そんなカイムの失態をよそに、その場から立って逃げようとするベルガンの首にシンはカードを添える。つー、と皮膚が切れ、そこに赤が滲む。持っていたのはカイムの置いたカードのなかのJoker。そのカードの端を刃物の鋭さへと変化させていた。
これ以上動けば、ベルガンの首の血管を切り裂くような位置にカードがあった。
「さぁ、潔く負けを認めろ」
さらに悟郎の鋼糸もピンと伸び糸が傷を作り、塗られた毒がそこに忍び込む。
既にベルガンに勝ちのルートは残っていなかった。
「さてと、訳の分からない暗示は切らせてもらうぜ!」
カイムはベルガンを魔剣で一薙ぎする。それはベルガンは斬らず、ベルガンの展開していた暗示だけを斬り、無効化する。ユーベルコード『必滅の刃』。
賭けで勝たなければいけない、という暗示が、その場から消えた。
「さあ、checkmateだ!」
「なるほど……参った……」
カイムは、眼鏡を置いたベルガンの額に銃口を向ける。シンは剣を抜き、悟郎は既にまきつけていた鋼糸をぴんと伸ばす。
「「「俺達の勝ちだ!」」」
それぞれの一撃が、全ての元凶を撃ちぬいた。
◆◇◆◇◆
やがて、桜の花弁の下、祭りが無事始まった、と猟兵達に連絡が入った。
各々は、祭りに参加したり、食べ物を楽しく食べたり、遺跡に入り浸って賭けの続きをしたり、し始めた。
それは、やがて日が落ちて、花弁の表面がキラキラと橙を反射させるまで、続いていたようだ。
大成功
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