「あたら~しい世界、だにゃー!」
珍妙なまでに高いテンションではしゃいでるユキノ・サーメッティア。
鉄工船で進んだ先には、新しく見つかった世界があったとあっては、そのテンションも仕方ないのかもしれない。
「とと、ごめんですにゃよー」
周りからのなんだか、仕方ないなぁみたいな暖かそうな視線に気づいてちょっと恥ずかしそう。頬をうっすらと赤く染めつつも話題を変えるかのように話だした。
「……えっと、これからこのグリードオーシャン、この世界を自分達の手で発見していくことになるんだけど…、とりあえず、進む先には島が一つあるみたですにゃ~」
まずはそこの島を探索してみることにしようということらしい。
「んとね、今、分かってることはね、この島には人は居ない無人島みたいですにゃ。それと、多分、アックス&ウィザーズからなのかな? 遺跡があるみたい」
ユキノが言うには、アックス&ウィザーズの世界から落ちて来たようであるという。
「そんな世界の遺跡って、なにかしら罠の一つもありそうだけれど、落ちた衝撃でまずそれらは全部壊れてるちゃってるかも?」
かもしれない、なので多少の警戒は必要かもしれないが、そこまで過剰にすることもないだろう。とはいえ、無人島故に人の往来がないので、安全かどうか、なにがあるか調べてみる他ないだろう。
「まぁ、これから行く島のことは『眠る遺跡島』とでも呼ぼうかにゃ~。さぁさぁ! 張り切って行ってくるですにゃ~!」
さて、真っ白な冒険の記録を自分達の足で紡いでいこう。
にゃんさん。
新しい世界、始まりました。
大航海?のよーですよ。冒険の舞台は基本、陸だけれども!
それはともかく、今回は無人島にある遺跡を調べてみるシナリオです。
OPで遺跡の罠は壊れてる、かも? とか言ってますけど、全部壊れてると思っていーーですので、あまり気にしなくてもいいのですよ。とにかくも、どこかの世界の名残を見てみるのがいいかもしれませんね。……、けど、罠ではない何かがありますけどね?(それは2章以降で)
第1章 日常
『忘れられた遺跡』
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POW : この先はなにがあるんだ? 好奇心のままに探検だ。
SPD : そういえば、こんな所に。仕掛けや、隠し通路を見つけてみる。
WIZ : 読める、読めるぞ! 知識で失われた文明を紐解いていく。
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神元・眞白
【SPD/割と自由に】
新しい世界。新しい島。この世界はいつも発見があって楽しいところ。
…そう、次の島は遺跡の島。元はアックス&ウィザーズということ。
何が待っているかは現地で見るとして、準備は最低限していかないと。
遺跡って言うなら探索に時間がかかるし補給と装備を。
飛威、長い棒とお弁当を。争いごとはないと思うけど用意は忘れずに。
古い遺跡なら足元が崩れる可能性もあるし先導はお願いね。
用意した棒なら先を調べられるし、見慣れないものでも直接触れなくて済むから。
何もないのが一番だけれど、あった時はその場でまずは様子見。
安全を確認してから近づいてみよう。大丈夫、時間なら一杯ある。
島に残る、別の世界の名残を見せる遺跡の入り口だが、苔むしていたりツタが入り口に暖簾のように垂れさがってる様は、長く人の手が入ってない事を教えてくる。
この度、新しく見つかった大海原の世界では、手探りで探していくという、いつも発見があるというのが楽しいところと、神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)は、いまだ知らない世界の一端を見るためにやってきたようである。
そんな探究心を持ってやってきた眞白は、メイド服を着た従者を連れ立って、開いた遺跡の口の中へと入って行った。
「飛威、用意はいい?」
先の情報では、遺跡の罠をもはや機能してはいないらしいと聞いてはいても、それでも遺跡探索では何があるかは分からないということで準備は怠ってはいない。
連れの従者である飛威が持っている、お弁当を入れたバスケットだけならばさほどではないが、背丈を超える長い棒がなにか異様さを見せるが、この遺跡の場でならおかしことではないだろう。
遺跡は落ちて来た衝撃で所々に負担がかかったらしく、通路が狭まってるような部分もあったりするようである。……狭くなってるとはいえ、塞がってるわけでもないので先に進むことには問題はないけれでも。
「それじゃ、先導はお願いね」
長い棒を持った従者を先にして、眞白は慎重に遺跡の奥へと進んでいく。
古い遺跡だ、罠の類はもう無いとしても、その古さで通路が崩壊する可能性もあるかもしれない故の慎重さだ。
それを調べるための長い棒でもある。
慎重に慎重を重ねて進む足取りは、決して速いと言えるものではないが、何、時間は一杯ある。制限があるわけでもないのだから。
ゆっくりと進んでいく中で、なんとなく、先へ先へと進むたびに辺りが冷えていってるような気がする…。
ふと、何処からか流れ込んでいるのか、足元に小さな水の流れが見つかった。
その水の流れは靴底が濡れるぐらいで、その程度では先に進む障害にはなりえないだろう。そして、その水の流れは通路の奥の方から流れてきているようである。
水があるから冷えているのかも? とは思いつつも、飛威に水の底を棒でつつかせたりして調べながらも進んでいくと、やがてその水の上に見慣れぬ…いや、見慣れたものが流れて来るのを見つけた。
「あれって…氷、かしら?」
流れて来たそれは、どう見ても氷のようにしか見えない。
氷があるのならば、冷えているのは気のせいとはいえないだろう。とにかくも、その氷は一旦、様子を見ながら棒で突いたりして調べてみれば、薄かったのだろう、あっさりと砕けた。
氷が流れてくる水の流れ、その水の流れは、この通路に沿って流れている。
この通路はまだ先へと続いている。
大成功
🔵🔵🔵
安里・真優
【心境】
今日の冒険はこの島だー。
いやっほーい。
【行動】
判定:WIZ
う~ん。この世界様式は初めて見ますねー。
『世界知識』と『宝探し』の技術で色々調査しますよー。
わたしこーいうロマンあふれる宝探しには目がないんですよねー。
おうっと、こんなところにも本がありますね。なにかこの遺跡や無人島についての手がかりがあるといいですねー。(取り出したメモ用紙に書き書き書き)
…問題はこの遺跡ちょっと小さすぎて奥に行けないことですね。
無理に入ろうとすると…詰まっちゃいました…誰か引っ張ってください(しくしくしく)
【その他】
アドリブと連携ご自由に
四王天・燦
SPD
罠が衝撃で壊れたってことは…落ちる前は罠が生きていた、つまり手付かずの遺跡かも!
お宝求めて楽しく探索だ
狐火かランタンなり灯して遺跡探索。
鞘ごとの神鳴で壁を叩いて罠が生きてないか、反響から隠し扉がないか探っていく。
隠し通路のギミックも壊れているかもしれねーから、いざとなったら猟兵キックで壁破壊さ。
「合言葉はデストローイ!」
(スマートじゃないけど壊れてちゃあね)
お宝はリュックに詰めて回収。
「あっちの世界からすりゃ、まさに失われた財宝だー♪」
可愛いクラウンなんて被ったりしたいものだね。
なるほど夢が眠っている島だぜ
罠もない、敵もいない。
慢心さえしながら奥へ進む
「…氷?」
あれ…嫌な予感がしてきた…
見つかった島の遺跡の調査に乗り出したのは他にも居る。一体、その島の遺跡には何があるのだろう?
「罠が衝撃で壊れたってことは…落ちる前は罠が生きていた、つまり手付かずの遺跡かも!」
それなら、お宝が残されているかもしれない、お宝求めて楽しく探索だー!
意気揚々として遺跡の中へと入っていく四王天・燦(月夜の翼・f04448)だった。……調査よりかは、宝探しの方がメインみたい。
燦にやや遅れて島の遺跡を見つめる安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)の姿があった。
今日の冒険はこの島だーと内心でいやっほーいな感じにわくわくしている真優の目には、朽ちたとしか思えない遺跡はどう映ってるのだろうか?
「う~ん。この世界様式は初めて見ますねー」
遺跡の様式が、真優の知っている記憶のどれにも当てはまらない以上、ここはまだ知らない世界の一部を見せてくれるのかもしれない。
「わたしこーいうロマンあふれる宝探しには目がないんですよねー」
真優の言う宝とは知識の類かそれとも物の類のどちらなのだろう? とにかくも、いつか自分のやりたいことを見つけるためにも、色々と経験したほうがいいよねと遺跡に真優は入っていく。
ただ、ちょっと困ったことに、遺跡の天井の高さは真優の身長よりかは幾分か低くかったせいで、少し前かがみにならないと進めなかったけれど。この体勢のままが続けば腰を痛めてしまいそう。
ランタンの灯りを点けて遺跡の宝探しをしてる燦。
神鳴の刀で鞘に納めたままこつこつ叩いていた。壁の向こうに空間があるか? それかもしまだ生きてる罠がないかと調べているようである。
見つかった所で、もはやその仕掛けが動くかどうかも怪しいと思うことすらもないかもしれないけども。
「合言葉はデストローイ!」
罠があったらぶち壊せ! というわけでもないが、もう壊れてるんならスマートに仕掛けを解除なんて出来るはずもなく、いっそ完全に壊そうな意味でそんな合言葉を声に出していた。
壁を叩いていた燦だが、何かを見つけたからか不意にそれが止まった。
「これって…隠し扉、だった?」
隠し部屋の類を見つけたようだが、燦の頭上には疑問符が浮かんでいる。なぜなら、壁と同化してたであろう扉が完全に倒れていて、隠し部屋になっていなかったから。
「隠し扉すらも壊れてんだな…」
まさか人目を避けるようにして作られた隠し扉すらも壊れてるとは予想してなかったが、それだけ落ちた時の衝撃が強かったということなのだろう。
「いや、壁を壊す必要がなくなったと思えばいいか」
当時のことに思いを馳せるよりも今だろう、隠し部屋ならばその中にはお宝が眠ってるかもしれないと燦はその部屋の中に入って中を灯りで照らしてみれば、中には武器や防具の名残のような物が転がっていた。
長すぎる年月が、そこにあった物を朽ちさせたのだろう。とても使えるような代物ではない。
「ここって、武器庫かなにかだったのか? この遺跡って何に使ってたんだ?」
この遺跡は一体、何に使われてのかと疑問に思いつつも、他に何かお宝になりそうな物は無いかと部屋の中を探してみれば、朽ちた武具の下敷きになるようにして転がっている金色の破片と小粒の青い宝石のような物が見つかった。
金色の破片を調べてみれば、それはどうやら腕輪か何かの欠片らしい。とすれば、一緒に見つかった小粒の宝石は装飾の類だろう。なぜ、そんな物が隠し部屋の武器庫の中に転がっていたのかは分からないが。
他の武具が朽ちてるのにもかかわらず、色褪せない金の色は純金なのだろうか? ともかく、壊れてしまってはいるが価値のありそうなので、燦はそれらをリュックの中に放り込んだ。
「可愛いクラウンは無かったけど、他にはあったな。あっちの世界からすりゃ、まさに失われた財宝だー♪ なるほど夢が眠ってる島だぜ」
ここにはもう他になさそうだが、他の部屋にも何かあるかもと、探索を再開する燦だった。
所変わって、真優は広々とした部屋に居た。前かがみにならざるえなかった通路とは違い、背伸びをしても問題なさそうに広い部屋だ。
部屋の中には、どうも生活感が垣間見えるような気がする。というのも、石を切り出して作ったのだろう、テーブルや椅子と思える物が残っていたからだ。ただ、その大部分は壊れていて、無事な物を探すのは無理そうであるが。
「ここって、居住区、とかってやつなのですかねー」
ざっとその大部屋を見回してみると、壊れた石のテーブルや椅子。壁を掘って作られた棚のようなものと、人々が生活してたような名残がうかがえる。
「……何かないですかね? って、うん? おうっと、こんなところにも本がありますね。なにかこの遺跡や無人島についての手かがりがあるといいですねー」
辺りを見ていた真優は、壁の棚の一つに幾つか残されていたボロボロの本を見つけて、そこに何か手がかりかないかと手を伸ばしたが、触れた途端に形を崩してしまう物が多く、読むのには一苦労しそうであった。
それでも、崩さないようにと注意しながら、なんとか開けた本の中身を読んでみれば、どうやら誰かの日記のようである。
中身は破けていたり虫食いや、文字がかすれていたりと、読み辛い物ではあったが、なんとか読んでみれば、どうやら、この遺跡は、砦か要塞としての機能を持たせて作られてようである。だから罠が作られたのかもしれない。
それ以外にも、なにか上の立場の者が何かを落とした騒いでたとかあったりもしたが…この日記に書かれているのは、この島が落ちてくる前、元の世界に会ったときにかかれた代物ようである。
「う~ん、遺跡のことは分ったけど、なんで無人島になったとかはないんですかね~」
ここで得られそうな情報は、それ以上のことはなさそうだ。奥に行けば他に何か分かるかもと、真優はその部屋を後にして、通路の奥に行く。
多少なりの価値のある代物を得て隠し部屋から出た燦だったが、そこにしくしくしく…と女性の泣き声が聞こえてきた。
「な、なんだ!?」
何もないはずの遺跡にいきなり女性の泣き声が響いたりしたら、驚くのは無理はない気がする。亡霊か何かだと思っちゃうだろうし。
燦は泣き声が聞こえる方を振り向けば、そこに居たのは真優である。亡霊とかそーいった類ではなかった。
「詰まっちゃいました…すみませんが、誰か引っ張ってください~」
崩れて狭まった通路を通ろうとして、引っ掛かってしまったのだ。
「あ、あぁ…ちょっと待ってろ!」
なんで引っ掛かってるの? とか頭を過ったが、助けを求めてることで我に返って、真優を引っ張り出す燦なのだった。
「助かりましたよー」
無事に? 通り抜ける事が出来て一息ついた真優と燦は、互いに何を得た情報を交換すれば、燦はあの隠し部屋の用途とそこに落ちていた破片が落としたと騒いでた物だろう当たりを付ける。
「さて、休めたことだし、先に進もうか」
「はい、では行きましょうかー」
一休止を終えて、遺跡の奥に進む燦と真優。奥に進むほどに、いつの間にか真優は前かがみになる必要もなくなるほどには広がっていた。
空間が広がって行くほどに、閉塞感もなくなってきたのか、燦は辺りへの警戒もなく、慢心さえしながら奥に進んでいく。
そして水が流れる場所に着いて感じはじめる冷たい空気…。
「な、なんだか寒くなってきましたねー…」
「そうだ…うん? なんだあれ? …氷?」
寒くなったことに同意しかけて、その時に水の上で流されてきた氷を見つけた燦。何の変哲もない氷だが、それになんだか嫌な予感を感じた。
嫌な予感を感じながらも、後戻りもせずに奥に行けば、そこには、床のみならず、壁や天井も凍り付いた道がその姿を見せたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 冒険
『凍てついた道』
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POW : 滑らない工夫をして着実に進む
SPD : あえて滑ることで高速で進む
WIZ : 魔法で宙に浮かびながら進む
👑11
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凍てつく道があるのならば、道理で寒いはずである。
先に進むもうにも進める道はここしかないようで、奥に行くためにはどうにかして足を滑らせずに渡っていくしかないようだ。
四王天・燦
(冷凍の魔法装置が奥にあるのかな? 持ち帰ったら金になりそ♪)
嫌な予感を物欲で殺して前進
四王稲荷符から炎の属性攻撃な嵐を噴出させて溶かしてみる。
あっと言う間に元通りならズルは諦めよう
「九ノ型――煉縛鞭!」
フォックスファイア・玖式で生成した鞭を手に滑走。
スピードはほどほどに視覚・暗視で周囲を確認しながら進む。
扉などがあれば、炎の鞭をロープワーク技能で周囲のオブジェクトに絡めて減速し探索に興じるぜ。
遺跡の手掛りや金目の物がお目当てさ
(さぶっ…ちょっと眠い。寝たら死ぬやつか…)
奥へ進むほどに、寒さで感覚・思考が鈍り始める。
ユキノの言葉『眠る遺跡島』が脳裏を過る。
唇が紫になり、肌に張る氷にも気づけない
遺跡の探索を続けて中程の辺りまでに辿り着けば、その先には凍てつき、氷に閉ざされたかのような道だ。
自然に出来たとは思えないその道に、四王天・燦(月夜の翼・f04448)はなにやら不穏な…嫌な予感を感じていた。
(冷凍の魔法装置が奥にあるのかな? 持ち帰ったら金になりそう♪)
そんな嫌な予感を感じ取ったりはしたが、そこで引き返したりはせずにその先に何か得る物があるかもしれないと、物欲で押し殺して前に進むことしたようであるが。
進むにしても凍り付いてしまった道では足を滑らせる可能性もあり、まずは氷をどうにか出来はしないかと懐から手製の霊符を取り出せば、そこに炎の力を宿らせて氷の道へと解き放った。
炎の嵐が氷の道を縦横に荒れ狂い、そこに宿る熱に蹂躙された氷は溶けだして氷の下にあった本来の地面が露わになる。
(これなら安全に進めそうか…な?)
氷が溶けたのなら、足を滑らせる心配もないかと思ったが、その矢先に溶けたはずの氷がまた張り出してしまった。
「流石に、ズルは出来ないってことか」
氷が無くなったのなら問題もなく通過できるとは思ったが、そうそう甘くはなかったようである。
氷を溶かしながら進むのは消耗の面からいっても現実的ではなく、ならば氷をどうにかすることもなく進むしかない。
「九ノ型――煉縛鞭!」
燦は自分の手の中に狐火で作られた鞭を顕現させると、その鞭を道の先へと伸ばして固定させ、それを支えに氷の上を滑走していく。それはまさにいっそのこと氷を利用して進んでしまえと言わんばかり。
ただ滑りながら前に進んでるだけではない。
何かしらの無いかと辺りに目をやりながら周囲を確認していくことも忘れてない。
(なんだろう? なんだか…変だな?)
辺りに目をやっていたのは途中に部屋なりがないかであるが、この氷の道にはそれらしきものがないようである。それゆえか、この凍てついた道からはどうにも遺跡らしさが無いようにも思える。なんというか…遺跡と洞窟を無理矢理に繋げたよう見えるようだ。
脇道が無いみたいである以上、この氷の道には手掛かりや金目の物への期待は薄そう。……氷を張らせるぐらいだし、途中には無くてもこの先に何かがあるのかもしれないけれども。
ちょっと残念そうにしながらも氷の道を滑走していく燦。ただ、滑走しているのならば相応にスピードは出る。
(さぶっ…ちょっと眠い。寝たら死ぬやつか…)
氷が張っているような道だ、十分に寒い。そんな道をそれなりに速めに移動すれば体感する寒さはかなりのものだろう。その寒さは燦から感覚や思考を鈍らせていく。
落ちていきそうな思考の中、ここへと送り出したグリモア猟兵が言っていた『眠る遺跡島』の言葉が脳裏を過ぎるが…。
既に燦の唇は寒さによって紫色になっており、肌にも氷が張っていることにすら気づかない。いや、気づけない。
………。
……。
…。
「……はっ! 意識飛んでた!?」
いつの間にやら意識が飛んでいたらしい。手の中にある狐火で作られた鞭の熱で閉じかけた意識を取り戻せたようである。
危うく、『眠り遺跡島』の名の通りにその一部になってしまいそうになった燦だった。
幸いといっていいのか、炎系のUCを使い、それで暖をとってそんなヤバイ状態からは脱したが。
とにかくも、燦は狐火で身体を温めながら氷の道を進んでいくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
なんだか冷えると思ったらこんな所に氷が。
奥から来るとなるとこの奥はもう少し寒くなるのでしょうか?
……疲れますが足元が危ないならしょうがありませんね。
移動は蛇竜を呼んで引っ張ってもらいましょう。飛威、乗って先導を。
浮いているなら足元は関係ないでしょうし、引っ張ってもらえれば余り気にせずに。
少し維持が大変ですが引っ張ってもらう分そこは差し引き0で考えましょう。
少ししたら大分時間も経ちますし落ち着けるところでお弁当にしましょう。
飛威が食べない分は蛇竜にでも食べさせましょうか。死んでる?…そう。
それなら何か迷い込んだ動物でもいたら食べさせてあげましょう
安里・真優
【心境】
「寒ッ…っていうか冷ッ!!」
もっと温かい恰好で来ればよかった…。特に足。
【行動】
判定:SPD
うーん。炎系魔法で溶かして進んでも、この寒さだとアイスバーンが怖いかなぁ。
だったら、滑って行こうか。
愛用のサーフボード“蒼天の剣号”に乗って相棒の“ダゴタン”に引っ張ってもらいます。
大蛸のダコタンなら吸盤で氷に張り付いて前に進めます。
え?冷たい…気合いで頑張って。
蒼天の剣号の上で『サーフィン』の要領でバランスを取りますねー。
頑張れーダコタン♪
【その他】
アドリブ、他猟兵との連携OK
冷えこんだ空気、その冷たさは氷が張ってしまうほどには寒い。
「寒ッ…っていうか冷ッ!!」
「なんだか冷えるなと思ったらこんな所に氷が」
こんなに冷えるようなことになるんだったらもっと暖かい恰好で来ればよかったと、実は結構薄着な安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)はこの冷たさに特に足が冷えちゃうのはな~と困ったような表情を浮かべ、それとは対象的に、神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)はこれより奥に進めばまた寒くなるのでしょうか? あまり変わらない表情のまま頬に手を当てていた。
なんというか、こちらはこちらで表情に温度差がありそうな2人である。
寒いとはいえ、調査のためにもこの先に進まなければいけない。
「うーん。炎系の魔法で溶かして進んでも、この寒さだとアイスバーンが怖いかなぁ」
凍てついた道に張っている氷を見ていた真優は、氷を溶かせばとは思いつつも溶かした後にまた凍り付くことで変に滑りやすくなるかも? そうなれば逆に危ないかとそれは断念した。
氷を溶かしていくのは現実的でもない以上、だったら滑っていけばいいよね! と、真優は愛用のサーフボードである“蒼天の剣号”を取りだした。ただ、そのサーフボードだけでは氷の上を滑って行くのは不安。なら引っ張って行って貰おうと、真優のペットで相棒のある大蛸…? っぽい、なんだが見てると不安になる色合いのダコタンも呼び出した。
タコなのだから吸盤をひっつかせていけば滑らずに安全に進めるだろうとの魂胆である。けどこの寒さはタコ的にいいのかな…?
何かを力を借りるのは眞白の方も同じようである。
呼ぶのはいいのだが、その場合疲れてしまうのもあるが、そも自身は動けなくなってしまうのだが、足元が危ないのならしょうがないと死霊である蛇竜を呼び出した。
「飛威、乗って先導を」
呼んだ後のことはメイドの従者に任せて眞白は動けない自分の身体を掴まらせて、蛇竜は氷の道の上を飛んで行く。
空中を行けばそもそも足元が滑って危ないもなにも無いということである。とはいえ、蛇竜はUCで召喚した存在であるためかその維持は中々大変のようである。……足を滑らせる危険を避けて別の苦労を負ったといったところだろうか。
引っ張られるサーフボードの上で落ちないようにバランスと取る真優と、その真優の乗せたサーフボードを引っ張る相棒のダコタンは、氷に足の吸盤を取りつけながらも先にへと進んでいっていた。
この寒さと氷の冷たさでブルブルと震えてるっぽく、それでなにかしら言いたそうにもしてるようだ。
「え? 冷たい? …気合いで頑張って」
それに気づいた真優は、根性論なのか応援なのかよくわからない声援をダコタンに送る。真優もこの寒さはどうにもできないし。炎系の魔法で暖を取る手段もあるにはあるが、ダコタンも炙ってしまいそうだし。
「頑張れーダコタン♪」
そんな真優の声に応えるのか、ダコタンもこんな所で冬眠してたまるかと言わんばかりに真優を乗せたサーフボードを引っ張っていく。
死霊の蛇竜が氷の道の宙を駆け、それを追うようにして大蛸が道いっぱいに足を伸ばしてはその巨体を前に進ませている。こうして書かれるとよくわからない光景のようだが、なんのことはない、氷の道を安全? に進むために模索した結果である。
ややして、ある程度まで氷の道を進んだら、眞白を掴んで引っ張っていた蛇竜が失速。そして眞白を降ろして止まってしまう。
「大分時間も経ちましたし、この辺りでお弁当にしましょう」
このまま進んでしまうよりも、一度小休止いれようということのようだ。
持参してきたお弁当を拡げ、咀嚼する眞白。眞白に連れ立っている飛威はまだお弁当を食べなくてもいいのか、それともそういった機能を有していないのか、食べる様子を見せない。
飛威が食べないのならば残すのはもったいないなと、蛇竜に食べさせようとするが、それでお弁当を差し出されても困るのは蛇竜である、だって死霊だし、死んでる身だし。
「死んでる? …そう」
それを飛威に指摘されて、じゃあどうしようか。迷い込んだ動物にでも食べさせましょうかと周囲を見ても、こんな寒い場所に迷い込むような動物もいなかった。
ジーッ…。
迷い込んだ野生の動物は居なかったが、迷い込んだわけでもない大蛸は居た。
ダコタンは何でもいいからエネルギーを欲している! どうもここの寒さに体力を酷く消耗させられたらしい。
「……食べます?」
眞白がダコタンにお弁当を差し出せば、ダコタンは身体で礼を現しながらそれを受け取ってもぐもぐ。
「わ、ありがとう!」
「残すのももったいないし、構わない」
お弁当をダコタンに分けてくれて、礼を言う真優と、なんでもないことだと振る舞う眞白。
小休止も終えて、速くこの氷の道を踏破してしまおうと眞白と真優はここまで来たように、蛇竜と大蛸によって凍てついた道を進んでいくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マルコ・ガブリエル(サポート)
『初めまして、わたくしはマルコと申します』
『皆様を苦しめるのであれば、わたくしも情けは捨てましょう!』
『まあ、なんて美味しそう……! 宜しければ、一緒にいかがですか?』
笑顔が魅力的で朗らかな女の子です。実は故郷を滅ぼされて天涯孤独の身ですが、そうした悲壮感を仲間に感じさせることはなく、いつも明るく振る舞っています。
誰に対しても優しく、敵にさえ「できれば戦わず、穏便に事件を解決したい」と考えるような優しい性格ですが、無辜の人々を苦しめる悪い奴には心を鬼にして全力で攻撃をお見舞いします。
美味しいもの、特に焼肉をみんなで食べるのが大好きで、無事に事件解決した後はよく他の猟兵をご飯に誘おうとします。
「寒いですわねー…」
いつもは朗らかな笑顔を浮かべているマルコ・ガブリエル(焼肉天使・f09505)だが、この何処を見ても凍り付いてしまうほどの寒さには、さすがにその笑顔も困ったような表情が差しこんでいた。
「はやくここから抜け出して焼肉でも食べたいですわねー!」
この寒さに耐えきれるようにと、この後のことを夢想するマルコ。
このような氷以外見ることが出来ない殺風景とも言えるような風景では、なにか物寂しく感じるかもしれないが、食べる』という行為を思うのはその感傷を忘れるには丁度いいのかもしれない。実際、『食べる』ことは行ることに結ぶことでもあるし。
そんなマルコは、寒さに耐えながらも空を飛べば氷で足を滑らせることもないだろうと、自前の羽でふわふわと宙に浮かびながらその身を先にと進めていっていた。その速度は決して速くはないが、速ければ速いで、刺すような寒さが身に染みていたことだろう。
「無事に済んだら、皆さんで焼肉パーティーでもしましょうか」
そう、願ったことを口にするが、その為にもこの島に何があるのかを調べなければいけないだろう。
そうして進んでいけば、何の前触れもなく、不意に寒さが…そして凍り付いた道が途切れて、目の前には洞窟の入り江のような開けた場所に出たのだった。
後ろを向けば氷の道、前を見れば不自然な所は何もない自然の入り江、不可思議な景色に首を傾げていると、唐突に水面が盛り上がり、そこから巨体の海竜がその姿を現したのだった。
この海竜が、この島に人の気配を感じさせなくなった元凶かは分からないが、一つ分かることは敵意を向けているということである。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『シーサーペント』
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POW : 海神の咆哮
自身の【霊力】を代償に、【邪悪の咆哮】を籠めた一撃を放つ。自分にとって霊力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : 大渦大回転
【体を高速回転させ、強力な水竜巻】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 深海の王者
【海竜の血】を降らせる事で、戦場全体が【グリードオーシャンの深海】と同じ環境に変化する。[グリードオーシャンの深海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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洞窟のような風景に、広い入り江のような場所。奥には外に通じるのか外が見えて、天井には小さな穴が幾つかあるためか、そこから陽の光が差しこんでおり、灯りの必要は感じられないくらいには明るい。
もしかしたら、天然の船のドッグとして使えるかも?
そんな場所だが、そこに海竜―シーサーペントが水面から姿を現した。
きっとこの海竜は、この島の周囲を縄張りにし、そしてこの入り江を寝床にしていたのだろう。
縄張りを荒らされ、寝床にまで侵入されたことに怒っているのか、それとも自分以外の生命があることに怒っているのかは分からないことだが、それでも分かることは海竜は猟兵達を自分の寝床から排除しようとしてるということだ。
それを黙って受け入れるような者はいないだろう。逆にこの海竜を倒してこの島と島の周囲一体の安全を確保してやろう!
安里・真優
【心境】
「おー、なんか秘密基地に向いていそうな入江…う~ん。船が購入出来たらこんな入り江のドックに置きたいね。」
でもサーペントはいらないや。
【行動】
判定:WIZ
「よーし。じゃあ邪魔者を排除しようか♪」
タゴタンに触手で『捕獲』してもらうよ。
サーペントvs巨大蛸…う~ん三流映画みたいだ。
そのまま抑えていて…ユーベルコード『召喚“深紅の翼号”』
スターライトによる『属性攻撃』炎の『砲撃』だよ。
深紅の翼号との合体砲撃…あ、タゴタンは…よく頑張った偉い(なでなで)
対ユーベルコードですが、深海の環境ですか…巨人族のバイタルティを舐めないでください『深海適応』でむしろ私の間合いだー。
【その他】
アドリブ連携OK
「おー、なんか秘密基地に向いていそうな入り江…う~ん。船が購入できたらこんな入り江にドッグに置きたいね」
大きな船でも悠々と入れそなくらいには広々とした入り江に、安里・真優(巨人の冒険商人・f26177)はいつか自分の船を持った時は、こんな場所に船を置いてみるのもいいかもと思う、が。
真優が見る先には、威嚇なのか怒りなのか、シャー! と鳴きながら尻尾をバシャバシャと水面に叩き付けるシーサーペントの姿。
「でもさーペントはいらないや」
船を置くと言っても、ここにシーサーペントが陣取っていなければの話なのだ。
そんな夢の一端を叶えられるようにするためにもまずはシーサーペントを排除しなければいけない。
「よーし。じゃあ邪魔者を排除しようか♪ ダコタン!」
真優に呼ばれた蛸? のダコタンが任せろ! とばかりに飛び出して、複数の触手で締めあげる。
巨人族である真優を乗せられるほどには大きな蛸と、元々大きなシーサーペントが戦う絵図は、なんとなく怪獣映画のようにも見えそうだ。
図らずもそんな構図を作ることになった真優はというと。
「シーサーペントVS巨大蛸…う~ん、三流映画みたいだ」
なかなかに辛辣評価なコメントだった。
真優の評価はともかくとして、ダコタンの触手に絡み取られてるシーサーペントはやられっぱなしでは行かないようで、締めあげられながらも一声鳴けば、入り江が赤い雨によって赤く染まる。
赤く染まった入り江になったが、ダコタンはそれがどうしたというのだろうと締めあげているのは変わらず、むしろ変化がでたのは真優の方である。……とはいってもその変化は微妙なものに留まった。
「ん…ちょっと苦しい? これって深海?」
なんとなく息のし辛さを感じるが、それがすぐにこの環境が海に近くなったことだと看破する。そしてその原因が何であるのかが分れば対処はすぐできる。
そもそも真優はグリードオーシャンで生まれ育ったのだ、海の環境というものにもある程度は慣れている。
「巨人族のバイタリティーを舐めないでください! ここが私の間合いだー!」
ダコタンは元から海の生物でもあるので、深海の環境になっても問題は無いが、真優も問題にしてなく、今度は此方からとシーサーペントに向けて攻撃の号令をかけた。
『これが私の夢の船団です! 召喚“深紅の翼号”!』
真優の掛け声で、空を泳ぐようにして現れたガレオン船の一行。そのガレオン船の全てが大砲の砲口をシーサーペントへと向ける。そして先ほどの真優の号令に従うようにして砲口が火を噴いた! ダコタンはえ? って顔した。
「……やっぱなしッ! こんな物騒な船団は夢で結構です。あーあー、見えない聞こえない知りません」
自分で召喚しておきながら、ちょっと過剰じゃないか? ってくらいに攻撃を仕掛ける武装船団に耳も口も閉ざして知らないふりをする真優だが、それで攻撃が止まるわけもなく、しばらくの間は砲撃の音が止まなかった。
シーサーペントは砲撃で身が焼かれるを嫌ったか、それとも味方ごと攻撃するような行動に驚いたのか、とにかく堪らずに砲撃の範囲から逃れればそれ以上は撃つのは無駄になると砲撃の音が止まり、知らないふりをしていた真優の所にダコタンがその触手を伸ばしてくる。なんか、というか当然でボロボロだけど。
「あ、ダコタン…よく頑張った偉い」
現実逃避していた真優だが、よくよく思い返せば、ダコタンは相手を締め上げていたのである。そこへ砲撃の雨を降り注げはダコタンもその砲撃の雨に晒されるのは当たり前だ。
自分でやらかしたようなものだが、それでも真優はある意味自分を犠牲にした(されたとも言う)ダコタンを撫でながら労うのだった。
成功
🔵🔵🔴
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
……大きな蛇。綺麗な場所だから先客ってこと。
休んでいたところを邪魔しちゃったならごめんなさい。
先に場所取りしてもらって悪いけれどここに居つくとまずいかも。
適度にお相手してこの付近から移動してもらうぐらいに。
簡単には倒せないと思うし相手の気が済むまでお相手を。
相手の動きは大きい分分かりやすいし、回避と受け流しを主に。
ユーベルコードを使ってくるぐらいでこちらも仕掛けを。
攻撃に合わせてマカブルで吸収。飛威、射出は少し待っておいて。
私が倒された演技をして相手の気が抜けたタイミングで射出を。
何回か吸う事になるかもしれないからできるだけ貯めこんでからになる、かも
天井から光が差しこみ、その光が水面に反射して、その反射した光が壁を照らしだす。それは自然が作り出した綺麗な光景、と表現できることだろう。
そんな光景だが、つい先ほどの砲撃の雨によって身を焼き焦がして怒るシーサーペントの姿はそれを台無しにしてしまいそうだ。
「大きな蛇。休んでいたところを邪魔しちゃったならごめんなさい」
寝床へ入り込んだことでお休みの邪魔をしたことへの謝罪をするメイド姿の従者を引き連れた神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)だが、それがシーサーペントに届くかと言えば、届かないだろう。
それでシーサーペントが攻撃の意志を止めるわけがないのは眞白も分かってることだ。
「気が済むまでお相手してあげる」
向こうが引くこがないのならばこちらもその相手してあげると、眞白は身構えた。
とはいっても、シーサーペントの巨体に比べれるべくもなく、こちらは小さな存在である。そんな簡単にいくようなことではないであろうことは確かである。
シーサーペントがとぐろをまくようにしてその体を激しく回転していくと、それに合わせるようにして水面に大渦の水流が出来、その大渦の水流はシーサーペント身体に纏わりつく様にして昇って行く。そして、大渦を纏って轢き潰してやろうと先に眞白に迫っていくシーサーペント。
真正面から受け止めるのは得策ではないのならば、避ければ…それが無理なら受け流せばいい。それはそれで難しいかもしれないけれど。だが、先ほども述べたが相手は巨体だ。その大きな体から繰り出される一撃は相当な重さであろうが、その大きさゆえに逆に攻撃の予兆や動きも読みやすいのだ。
眞白はシーサーペントの突撃をいなしていくが、僅か数秒の間に繰り出される攻撃はいなしきれずに眞白の身体に突き刺さる。
「…んっく」
完全にいなしきれずに、少なからず被弾した眞白を嘲笑うかのように、シーサーペントはもう一度の突撃を仕掛けてきた。
それを、先ほどの行動を写したかのように動く眞白。そすてまた少しだけ眞白の身体にシーサーペントの攻撃が刺さる。
繰り返しのように幾らか同じことが続いき、シーサーペントは一気に形勢を決められないことに苛立ち始めたようである。その苛立ちをぶつけるよつにしてトドメとだと言わんばかりにシーサーペントは眞白に迫っていく。
(飛威、射出は少し待っておいて)
ピンチのはずの眞白だが、従者に助けを求めるわけでもなく、小声での伝えた指示は待機だった。
――もし、シーサーペントが苛立ちもせず、驕らずによく観察するような者であったのならば、少なくても眞白に付けたはずの攻撃の痕跡を見つけたことだろう。
地面に転がったことで砂などが服に付いたくらいで眞白の身体は傷の一つも付いていないのだ。
そのことにシーサーペントは気づかずに、正面に捉えた眞白の身体を跳ね飛ばした。
―矮小な存在はそうやって地に倒れているのが似合いよ。
跳ね飛ばして地面に横たわる眞白を見下ろすシーサーペント、もし言葉を操れるのならばそう言っていたかもしれない。
シーサーペントの巨体を正面から受けたというのに、ただ横になっただけということに疑問を抱かずに。
その余裕を見せた代償はすぐに払うこととなる。
(飛威、今よ)
途端、白と黒が踊り、銀色の煌めきが走った。そして一瞬おくれて入り江に反響するシーサーペントの絶叫。
「なかなか大変だったわ」
その叫びを聞いて、何事も無かったかのように立ち上がる眞白。攻撃を喰らっているように見せかけながら、その実そのエネルギーを吸収していたために、眞白の身に傷の一つの付いていないのだ。
だが、本来ならからくりの人形からその受けたエネルギーが放出されるはずなのだが、眞白はその為の人形を持ち歩いては居ない。いや、正しくは持っていないのでなく、連れて歩いているのだ。
眞白が受け止め、溜め続けたエネルギーはいつも連れ歩いている従者の飛威に畜先されていて、十分に溜まった所に隙をみせたシーサーペントに叩きこんだのである。
一歩でも間違えれば大惨事であったが、その危険への見返りは相当なもの。
シーサーペントにとっては、自分のエネルギーを自分に返されたようなもので、その傷は胴体に深い裂傷として刻んだのであった。
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
氷漬けかと嫌な予感がしたが。
「駄竜の眠る遺跡か。お前でラスなら楽勝!」
神鳴を抜いて突撃。
水撃などは武器受けで弾け飛ばす。
策が完成するまでの水竜巻は足場に神鳴付き立てて怪力で耐えるぜ
逆手の袖からデストラップを落とし真威解放。
神鳴で適当に斬り合う姿こそフェイント、本命は複製した鋼糸を戦場に張り巡らせて罠使いの本領を発揮だ
「大回転はやめとけ」
糸を張ったら注意してあげやう。
中断不能の回転が始まったら鋼糸を絞る。
勝手に絡んで引き裂く絡繰りさ
肉に鋼糸が喰い込まば電撃属性攻撃の居合抜き。
「電刃・居合い斬り!」「芯まで痺れたろ?」
竜の牙など回収して、あの通路は怖いが冷凍ギミックの核を盗りに行くぞい♪
儲けなきゃ
危うく凍てついた道で氷漬けになりかけた四王天・燦(月夜の翼・f04448)であったが、そうはならずに無事に切り抜けていた。
「駄竜の眠る遺跡か。お前でラスなら楽勝!」
そこの入り江に潜んでいたシーサーペントに駄竜と言ってのけるが、こことは別の場所で戦った経験がある燦だから言えることなのだろう。
その時の軍配が猟兵と海竜、どちらに上がったかなどとは、ここに燦が立っている以上問いかける必要はないことだ。
自分よりも小さい存在が、自分を前にしてなお余裕を見せてくることにシーサーペントはそのプライドを刺激されたのか、燦に向けて明確な殺意を滾らるが、それで我を忘れた結果、深手を負ったのもまた事実。
それがあるからか、シーサーペントは怒りの感情のままに明に向かってくる様子は無く、小さく身を回転してその動きにあった小さな水竜巻を作り上げ、自分の代わりに明へと飛ばしていった。
小さいとは言っても、シーサーペントのその図体では生みだされた水竜巻は人一人くらいはありそうで、燦は抜きはなった神鳴を盾のように刃を地面に突きたてて、襲いかかってくる水竜巻を耐えていく。
「ふぅ…今度はこっちからだ!」
水竜巻を耐えてやり過ごし、そして燦は相手がこないのならばこちらから向かってやると、放たれた矢の如くに飛び出していった。
向かってくる燦に対して、今のシーサーペントは近づかれることを嫌うようで、水面を弾いて水を弾丸のように飛ばして牽制するが、燦はそれを意に介さないように神鳴で弾き返す。
燦の接近を許してしまったシーサーペントだが、身を裂くであろう刃は受けなければいいと振るわれる神鳴を警戒して、そちらに注意をむけているようである。――だからこそ、気づけない。 神鳴に注意を向けているために、逆の袖から零れ落ちた物に
下準備は整った、後は仕掛けを気づかれないようにするだけ。
致命的な傷を負うことを避け続けていたシーサーペントだが、まるでその空間に固定されたかのように唐突にその動きが止まった。
燦が相手しながら、気づかれないように張り巡らされていた鋼糸で雁字搦めに絡めとったのだ。
シーサーペントはようやくと自分を縛りつける糸の存在に気づいたようで、こんなか細い糸なぞ引き千切ってやると口に銜え、身を捩り回転する体勢をとった。
「大回転はやめとけ」
その体勢を見て燦は忠告をするが、シーサーペントにはそれに聞く耳を持つ様子が無い。それとも言葉が分からないのかもしれないが。
そしてシーサーペントが身体を回転させ、燦は鋼糸を引き絞る。その結果は…簡単に千切れるような代物ではデストラップになりえない。シーサーペントに鋼糸が食い込み、その全身を裂いたのだった。
「だから言ったのにな」
絡まった時には傷を付けない程度には食い込んでいたが、大回転を強行したことで一層鋼糸が食い込んで満身創痍と言っていい状態で身動きが取れないシーサーペントに、燦は神鳴を鞘に納めて腰だめに構える。
「電刃・居合い斬り!」
刃を鞘に走らせ、抜き放たれた光速の一閃。横に稲妻が走ったかのようでもあった。
「芯まで痺れたろ?」
シーサーペントはその一閃を避けることも許されずに打たれ、その一閃の後からは焼けるような匂いが立ち上る。
傷をつけられると同時にその傷を焼かれる激痛に暴れたいが、鋼糸に絡めとられたシーサーペントはそれも出来ないだろう。その以外にも、神鳴に纏わさせていた電流が身体を痺れさせたようだ。そしてその影響はシーサーペントの身体の一部にも起きた。
口の中の牙と、額から生える角からピシリッと小さな音が鳴れば、ポロリと燦の所に落ちてくる。
「この後で冷凍ギミックの通路の核を取りに行きたいからな♪ はやく倒れてくれよ?」
シーサーペントの牙と角というな中々に珍しそうな物を手に入れた燦は、決着はついたと言わんばかりに次のやりたいことを言うが、どちらの状態を見比べるまでもなく一目瞭然であろう。
満身創痍となったシーサーペントだが、まだまだ折れてないみたいではあるが。
大成功
🔵🔵🔵
火土金水・明
「この島の平穏を取り戻す為に、あなたを倒させてもらいます。」
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】し【破魔】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【螺旋強襲】で『シーサーペント』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。
クレア・フォースフェンサー
これはまた、見事な海竜じゃの。
おぬしには何の恨みもないが、オブリビオンと化している以上、いずれ世界に破壊をもたらすことになるのであろう。
すまぬが、今の内に倒させてもらうぞ。
108個の光珠を展開して敵の動きを見切り、又は、瞬間的に加速して攻撃を躱しつつ、光弓で射貫いてゆく。矢を躱されたなら、敵の背後に回した光珠で矢を反射させ、視界外から攻撃する。
敵の動きが鈍ったならば、光剣へと持ち替え、【能力破壊】の力を乗せた最大出力で核を破壊する。
元々この世界におったのか、はたまた、この島と一緒にこの世界に墜ちてきたのか。
どちらなのかは分からぬが、もし後者であるのなら、魂が元いた世界に還ることを祈るぞ。
一部の身体を失うほどに、満身創痍と言ってほどに深い傷を負ったシーサーペント。しかし、この島における絶対的な主としての維持なのか、逃げだす様子も見せず、そしてオブリビオンとして生命の敵であるためか、衰えぬ戦意を持って猟兵達と対峙していた。
「これはまた、見事な海竜じゃの」
深手を負いながらも挫かれずに戦う意志を見せるシーサーペントのその姿勢に、クレア・フォースフェンサー(UDC執行騎士・f09175)は称賛の声を上げていた。……ただ単にその巨体に対して言っただけかもしれないが。
そんな評価をされたシーサーペントだが、この島の平穏を脅かしている存在である以上は倒すべき相手であろう。
「この島の平穏を取り戻す為に、あなたを倒させてもらいます」
そのためにこの島へとやって来た火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は、シーサーペントにその宣言を突きつけたのだった。
「そうじゃの。おぬしには何の恨みもないが、今のうちに倒させてもらうぞ」
いま対峙しているシーサーペントは、もはやその存在自体が世界の仇になるオブリビオンだ。いずれ世界のに破壊をもらたすことになる以上はここで倒すことにはクレアも同じである。
魔法の箒に跨り空を飛び回る明と、地の上から光を矢にして放つクレア。唯でさえ、地と空に意識の分散を強いられているシーサーペントだが、それだけでなく、戦いが始まると同時にクレアが周囲に展開させた光の珠が視界を遮らせ、気を散らされていた。
クレアから放たれる矢だが、ただの棒っきれに何が出来るとと高を括っているしーさぺんとだが、それでも身体に刺さりそうなのは嫌なのか、その矢を避けるが、その矢が飛んで行く先に漂わせていた光の珠に矢が当たれば、まるでその光の珠が射手のように矢が放たれ、シーサーペントの身体に傷をつける。
身体に傷を付けたとはいえ、隙をついたとはいえずに、致命的な一撃にはなっておらず、むしろ苛立ちを募らせているようだが。
あまりに鬱陶しいと感じたのか、シーサーペントは尾の一振りで振り払おうような動きを見せた。
「こっちですよ!」
その瞬間を見計らって声を掛けた明に、気を取られてそちらに顔を向けたシーサーペントだが、顔を向けたその先には明の姿はなかった。代わりにあったのは光の珠である。
その光の珠から放たれた矢は、シーサーペントの右の目に深々と刺さり、視界の半分を奪う。
身体の急所の一つともいえる目に攻撃を受けて、その激痛にシーサーペントはのた打ち回る。
牙を失い、角を折られ、胴には深い裂傷。そして今、片目を奪われることになったシーサーペントは、その怒りを激しくさせたようで、後のことなど知らないとばかりに傷口から赤い液体が噴き出ることすらも厭わずに身を捩じり、そして大きく身体を回転させて水竜巻を発生させた。
その水竜巻の螺旋を纏いながら、シーサーペントを自分を追い詰めた猟兵達を粉砕してやろうと迫っていく。
「あなたがそう来るなら、私も螺旋で対抗してあげましょうか」
箒に跨ったままの明は、シーサーペントに対抗するかのように、箒の先にドリルを取りつけてそれを回転させ、螺旋を描いて迫ってくるシーサーペントに迎え撃つように突撃していった。
それはただの突撃ではなく、強い魔力の膜で覆われていることで強い光を放ち、まるで流星のようでもある。その流星が僅かにぶれると、それは分れて行った。
2つに増えた事でシーサーペントは一瞬ほど戸惑ったようだが、それがどうした、まるごと打ち砕いてやる! と言わんばかりに突撃していく。
ただ、この戦いは2対1だ、どちらか一方に意識を向けるのは悪手と言わざるをえないだろう。
「そちらにばかり気を取られるはいかんぞ?」
シーサーペントの一瞬の戸惑いを見逃さず、クレアはシーサーペントの背後に回していた光の珠から矢を放ち、その意識を逸らさせる。
気を逸らされたことでその螺旋の速度が落ち、そこへ明のドリルが撃ち抜こうと激しくぶつかった。
そのぶつかり合いは明が打ち勝てたが、同時に明の勢いも削がれており、シーサーペントその物を打ち砕くには至らない。
突進えを止められた形になったシーサーペントは、体勢が崩れたままになりふり構わなずに己の存在その物をかけて力を溜めて行く。
シーサーペントは自分の全てを乗せた力を、全てを呪う力に変えて周囲を撒き散らそうとするが、そこにただ弓から剣に持ち替えたクレアが見据えていた。
「自らの全てをかけたようだが…その力、砕かせてもらおうかのう」
見据えたままに、光の剣で空を薙ぐクレア。そしてそれに遅れて、シーサーペントの喉が裂かれて、そこに溜められた力の行き場が失われていった。
そこへ、体勢を立て直した明がシーサーペントに完全なトドメを差すために、再度、螺旋を描いていく。
「これで完全に終わりですよ!」
それは胴の深い傷を抉り、頭へと抜きつ抜けて行って、二又にさせたかのように身を引き裂いて行くのだった。
全霊をかけた力を爆ぜさせられ、その身体も半分ほど割かれた以上は力が抜けて行くのは当然だ。
糸が切れたかのようにシーサーペントが倒れて行くと、水面に叩き付けられて激しい水柱が立ち、そしてシーサーペントから流れる液体が入り江を赤色に染めていく。
やがて、水面に横たわったシーサーペントの身体は、やがて霞のように消えて行った。きっと、躯の海へと還ったのだろろう。
入り江に入り込む波は、赤い色を大海原へと散らしていき、いつしか激しい戦闘があったことなどなかったかのように穏やかな姿を見せていた。
これにて、島は解放されたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴