妖精達の島「パラフェイノ島」
見渡す限りが色とりどりの花々で覆われた肥沃な大地。
島一面が花畑のようなファンタジックな風景に飛び回るのは、可愛らしい妖精達……なのだが、
妖精達はみな笑顔を忘れたかのように苦痛の面持ちを浮かべ、小さな体躯に見合わぬ重そうな荷物を運ばされていた。
「そらそら、サボるな! このワシが敷いた掟を忘れたのではないだろうなあ!」
奴隷監督官めいて檄を飛ばすのは……おお、まさに略奪者コンキスタドールだ!
「貴様らは全員、このワシに奉仕せねばならぬ! さもなくば全員処刑だ、ガハハハハ!」
ここ『パラフェイノ島』、本来であれば明るく悪戯好きな妖精達が楽しく暮らす自由の島。
だがいまは、悪辣なコンキスタドールが搾取を続ける無法地帯と化していたのである……!
●グリモアベース
「……というのが、ワガハイの唯一得られたグリモアの予知である」
少年めいた賢者、ムルヘルベル・アーキロギアは猟兵達に向けて語り終えた。
「すでに知っている者もいようが、グリードオーシャンでは予知やテレポートが他の世界ほど万全に機能せぬ。
ゆえに発見した島の一つ一つを巡り、コンキスタドール……つまりオブリビオンであるな……を排除して、この世界の版図を広げていかねばならぬのだ」
現地への移動は、先のサムライエンパイア外洋踏破を達成した鉄甲船『スリッド号』で向かうことになる。
しかもこの島は現在、コンキスタドールの支配下にあり、本来の住人である妖精達が奴隷労働に酷使されているのだ。
「オヌシらにはまず、処刑されそうになっている妖精達の救助に向かってもらいたい。
処刑場には下級のコンキスタドールどもがいるようだが、大した敵ではないだろう」
しかし救うべき命のすべてを取り戻せるかどうかは、いかに迅速に動けるか次第だ。
「無事に救助に成功すれば、あとは順次コンキスタドールを撃破していくことになる。
敵の戦力は不明だが、処刑さえ妨害すれば島の妖精達に被害が出ることはない」
もしかすると、妖精達が戦いに役立つ情報を与えてくれるかもしれない。
いずれにせよ、最初の電撃作戦が成功するかどうか。戦いの成否はそこにかかっている。
「……ところで、グリードオーシャンのこうした『島』は他の世界から流れ着いたものらしいのだが、
ワガハイの予測ではこのパラフェイノ島はおそらく、アックスアンドウィザーズかアリスラビリンスから落ちてきたものであろう。
気楽な妖精達の暮らしを、悪逆な掟とやらでねじ曲げさせるわけにはいかぬな」
そう言って、ムルヘルベルは持っていた本を閉じた。
「何事も最初の一歩が肝心だ。オヌシらの健闘を祈る」
それが、転移の合図となった。
唐揚げ
草人です。ついにやってきましたグリードオーシャン!
念のため、島の概要と第一章の補足を下記にまとめておきます。
●島の概要
名前は『パラフェイノ島』。気ままな妖精達が暮らす肥沃な自然多き島である。
妖精達はA &Wのフェアリー、ないしアリスラビリンスの『愉快な仲間達』の末裔である可能性が高い。
●第一章の補足
皆さんはスリッド号から島の中に密かに侵入したところからスタートします。
もちろん希望があれば、派手に島に乗り込むことで敵の注意を引き付けることもできます。
いかにも海賊らしい姿をした下級のコンキスタドールがいますが、戦闘力は大したことがありません。
フェアリー達は柱に縛り付けられてシミターなどでばっさりやられたり、
爆薬入りの樽で木っ端微塵に吹っ飛ばされたりしそうになっているようです。
●プレイング受付期間
『2020年 3月23日 13:59前後まで』とします。
なるべく全員採用できるように頑張りますが、
今回は再送は基本なしでやっていくつもりですので、
頂く数によってはお返しすることになる方もいらっしゃるかもしれません。
では、前置きはこのあたりにして。
皆さん、悪党どもをぶっとばしにいきましょう!
第1章 冒険
『処刑台からの脱出』
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POW : 処刑の場に割って入り、力ずくで執行を止める
SPD : 執行を待つ受刑者を手引きし、密かに脱出させる
WIZ : 演説や煽動で島の人々を率い、処刑への一斉反対を行う
👑11
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「もうやだよぉ……」
「疲れた〜……」
「こんなの持てないよぅ」
ついに根を上げた妖精達……だがそこに下級コンキスタドールどもが!
「つまり掟に従うつもりがねえんだな? ならてめえらは全員処刑だ!」
「「「ええっ、やだやだぁ
!!」」」
逃げ出す妖精達だが、海賊でもない彼らでは身体能力差はいかんともしがたく、
虫めいて投網の中に放り込まれ、連れて行かれてしまう……!
「今回はどうやって始末すっかねえ?」
「ダーツのマトにするのはどうだ! ギャハハ!」
「めんどくせえし爆薬で吹っ飛ばしちまおうぜ!」
下卑た笑みを浮かべ、残虐な処刑法を弄ぶ外道ども。
罪なき妖精達は震え上がり、ただ絶望に暮れるしかない……!
月舘・夜彦
【花簪】
処刑は遊びでは無いのですが
下卑てはいますが、笑う彼等をオオカミ殿が勘違いしてしまっているのでしょうか
目立たないように行動します
視力と聞き耳にて周囲を確認し、敵の位置を確認
そう……かくれんぼですよ、オオカミ殿
此処の住人に見つかったら負けですからね
私が先に動き、安全を確保してオオカミ殿へ手招きして合図
妖精達は虫のように網で捕まえられてしまっていますね
身動きが出来ず苦しいのは仕方なし
さあ、オオカミ殿
今度は彼等を助けるという別の遊びをしましょうか
私はこの位置から早業の抜刀術『神風』にて先制攻撃
妖精に近い敵を優先して狙い、2回攻撃を併せより多くの敵を攻撃
私達には隠れるよりも此方が向いておりますね
ジョン・フラワー
【花簪】
この辺りではショケイって遊びが流行ってるって聞いたんだけど
僕にも楽しめるといいな!
まずはかくれんぼしながら簪のアリスについていく遊びだよ
物音は立てちゃうけど、みんな遊びに忙しそうだからばれないはず!
しかし、うーん。なんだか思ってたのと違うぞ!
小さいアリスたちは楽しくなさそうだよ!
アリスたちを助ける遊び?
なるほどね!
よく聞くんだ悪者たち! 今からこのおおかみがアリスを助けるぞ!
大声を出せば気を引くことができるよね。気分も盛り上がっちゃう!
やることは力任せに突破することだけだけどね!
どいてどいて! オオカミと木槌は急に止まらないよ! 危ないよ!
もし立ち塞がったりしたらこうだぞ! どーん!
わっさりと生い茂る花畑の中を、身を深く沈めた男達が歩く。
180cmを超える長身でも、少し工夫すればこの花々には容易に潜伏可能だ。
なにより……海賊めいた格好のコンキスタドールどもは、
自分達が気づかない間に侵入者がいるなどと、夢にも思っていない。
「ねえアリス、これはかくれんぼなのかな?」
月舘・夜彦のあとを行くジョン・フラワーは、おどけた様子で聞いた。
どんな時でもファンシーでメルヒェンな思考をする彼にとって、
そもそも今回の作戦内容は、すべて「あそび」ということになっている。
「……ええ、そうですよオオカミ殿。あの方々に見つかったら負けなのです」
「そうか……でも、それだけじゃないんだろう?」
声を潜めて語りつつ、ジョンはにやりと不敵に笑った。
お前の秘密は知っているのだぞ、とうそぶく悪ガキのように。
「この島では、"ショケイ"って遊びが流行っているって聞いたんだ。
きっとかくれんぼのあとには、"ショケイ"で遊べるんだろう。ね?」
「ああ……まあ、そうですね。そういうことにしておきましょう」
夜彦は慣れた様子で彼の勘違いをそのままにし、曖昧に頷いた。
「それで? "ショケイ"というのはどういう遊びなのかな」
「――彼らですよ、オオカミ殿」
夜彦が指で示した先、そこには投網に囚われた妖精達の姿。
ジョンはそれを見て、はてな、と不思議そうに首を傾げた。
「うん……? あの小さいアリス達は楽しくなさそうだけれど?」
「まだ遊びは始まっていませんからね。"ショケイ"はこれからなのです」
「なんだ、そうだったのか。それで、それで?」
夜彦ははたして、どのようにして彼をやる気にすべきかと思案した。
あくまで目的はコンキスタドールの撃退ではなく、妖精達の救出である。
ならば……それ自体を、"ショケイ"の目的にしてしまえばいいのではないか?
「……あそこにいる彼らを救い出す。それが"ショケイ"の遊び方です」
「ほうほう」
「助け出せれば私達の勝ち。あちらの方々にやられてしまえば、負けです」
「なるほど。それならわかりやすい!」
ジョンはうんうんと楽しそうに頷き、そのままがばっと立ち上がった!
「よく聴くんだ悪者達! いまからこのおおかみが、アリスを助けるぞ!」
「「「な、なんだてめえ
!?」」」
予期せぬ場所からいきなり顔を出した上、救出宣言……ジョンにとっては単なる「遊ぼうぜ」程度のものなのだが……をされたコンキスタドールどもは、
何もかもが突拍子のない男の出現に、目を白黒させてうろたえた。
――そして、その一瞬の隙があれば、夜彦には十分なのである。
「オオカミ殿を囮にするようで心苦しいですが……まあ、いいでしょう」
夜彦はすらりと剣を抜き放ち、風よりも疾く、否、風をも斬り裂いた。
まさに神風。神速の太刀は大気の層を切り裂き、真空の刃を生み出す。
見えない斬撃の誕生である。足並み乱れたコンキスタドールどもが両断!
「ひゃあああ! 何、何!?」
「悪いやつらがやっつけられた!」
「誰かがいるよ? 誰がいるの?」
捕らえられた妖精達も、突然のことに理解が追いついていない。
「ふふふ、オオカミとアリスの登場だよ! さあさあどいてどいて!
オオカミと木槌は急に止まらないよ、危ないよ! だからどいたほうがいい!」
ジョンはその隙を突き、妖精達めがけて一気に駆け出した。
生き残ったコンキスタドールが行く手を塞ぐ……が!
「おっと、立ちふさがるのかい? だったらこうだぞ――どーん!!」
「「「ぎゃああああっ
!!」」」
SMAAASH!!
怪力を乗せた一撃が、地面の一部もろとも雑魚どもを吹き飛ばした!
得意げに鼻頭をこすり、ジョンは勝ち誇った笑みを浮かべる。
「おや? 悪者がみんな倒れちゃったぞ? アリス、こういうときはどうなるのかな?」
「……私達の勝ち、ということになるでしょうね」
「そうか! やったー!」
夜彦は"オオカミ"のはしゃぎっぷりに苦笑しつつ、妖精達を開放した。
いたずら好きの妖精達も、その屈託の無さには目を丸くしていたという。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月凪・ハルマ
これまた非常に分かりやすい、ステレオタイプの
悪党共だな
こんなのに捕まるとは、フェアリーさん達も災難な
◆SPD
隠密行動は忍びの本領
今回はフェアリー達の安全も考慮して、常に【目立たない】事を
心がけて行動しよう
【迷彩】で姿を隠し、コンキスタドールに気付かれない様に
【忍び足】で囚われているフェアリー達の居場所まで移動
できれば暫らく物陰に潜んで【情報収集】したいとこだけど、
すぐに処刑されそうなフェアリーがいた場合は【瞬身】発動
手裏剣の【投擲】で妨害した後、【早業】で敵を【暗殺】
周囲の敵を排除したら、フェアリー達を解放して
【見切り】【武器受け】【第六感】で守りつつ、
共に安全圏まで移動
※アドリブ・連携歓迎
夷洞・みさき
アドリブアレンジ絡みお任せ
島にはそれぞれ法も色もある、それを他に押し付けてるのは褒められた物じゃないね。
他所の島で悪さをするなら、僕等の流儀を押し付けてもいいよね。
僕等は帰ってきたぞ。
この世界が忘却した咎人殺しが帰ってきたぞ。
【POW】
処刑場に乗込み、フェアリー達を保護。
鉄甲船から降りる前に作っておいた、故郷の紋章を描いた大旗を立てる。
衆目を集めた後、UCを発動し、故郷の人々が乗った船を呼びよせる。
数年前までは生きて活動していた咎人殺しの島。その集団。
覚えている者には【恐怖を与える】
知らない者には力ずくで【恐怖を与える】
多少は帰還を喜ぶ人がいたら嬉しいかな。
僕等は怖がられていたけどね。
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
ここが新しい世界。なんだか侍の世界と同じ雰囲気も?
新しい発見もありそう。助けるのと併せて島の様子も観察。
やる事は早めに。…とは言っても私が動くより今回は少しお任せ。
妖精さん達を助けるのに飛威と魅医に先行してもらおう。
大丈夫。ちゃんと海賊っぽい衣装は用意するから変装しても安心。
私だと猟兵ってばれちゃうからお願いね。戦いよりは救出を主に。
処刑の為の移動って説明して、妖精さんを周りから遠ざける様に。
演技の兼ね合いで怖がらせちゃうかも。敵を欺くなら味方からって言うし…
海賊さん数人はついてきてもその時はその時。アンブッシュは1回まで。
ガッシボカッ。きゃあ。妖精さん解放。うん、完璧。
「おいそこの奴ら! ……お前ら、見ない顔だな?」
下級コンキスタドールに誰何され、女海賊めいた姿のふたりがぎくりと身を竦ませた。
何を隠そう……というか隠れてもいないのだが、このふたり、もちろんコンキスタドールではない。
主の神元・眞白から無茶振り、もとい変装作戦の密命を受けて潜入した従者である。
彼女らは妖精達を処刑のための移動と称し、救出しようとしていたのだ。
「お頭が新しい連中を呼び込んだのかあ? いやそれにしちゃあ……」
「おいおい、まさか格好だけ真似て忍び込んだやつがいるってのかよ?」
「そいつはお笑い草だな! バレたら処刑されちまうんだぜ!」
周りに居たコンキスタドールどもが、ゲラゲラと一笑に付した。
もちろんこの数だ。敵のど真ん中で変装がバレればとんでもないことになる。
そんなだいそれたことをしてる輩が、まさか目の前にいるはずはない!
(……ま、後ろにはいるんだがな、っと)
ちょうどその時、物陰には猟兵の月凪・ハルマが隠れていた。
彼は変装ではなく隠密行動でコンキスタドールどもの目を盗み、
蜂起する瞬間を見計らうため、さらに少しでも情報を集めるため、
こうして息を潜めて機会を伺っていたのである。
(しかし事情が変わってきたな。こりゃそろそろ潮時か……?)
他の猟兵の作戦に合わせ動き出すのが、おそらくもっとも安全だろう。
それにハルマは、海賊どもの会話から気になる情報をいくつかスポイル済みだ。
いましがたも口の端に出た通り、奴らには"お頭"がいるらしい。
こうして部下に好き勝手させているあたり、本人はどこかに隠れているのだろう。
(できれば頭を闇討ちしたいところだけど、それはさすがに厳しそうだな)
ハルマは手裏剣を掌の中に準備し、静かに殺意を研ぎ澄ます――。
「おい、やっぱこいつら、よその連中じゃねえか?」
「まさか海賊だってのかよ! チッ、仕方ねえ調べてみるか」
「おいお前ら、おとなしくこっちに――ぐほあっ!?」
その時。眞白の従者……飛威と魅医に掴みかかろうとしたコンキスタドールが、
突如として横合いから転がってきた大車輪に轢殺された!
然り、車輪である。禍々しい呪詛を纏った恐ろしげな大車輪だ!
それが咎人殺しの処刑道具であろうとは、一体誰が初見でわかろうか!?
「見た目も中身もわかりやすい咎人ばかりで嬉しいよ。仕事が実に楽だ。
……君達はよその島の流儀を踏みにじった。なら、僕らもそうしようじゃないか」
大車輪は、ぎしぎしと軋みながら、使い手の夷洞・みさきのもとへと戻る。
敵の耳目は、勇猛果敢にして大胆不敵な人魚ひとりに注がれた!
「な、なんだぁてめえ!? 何者だ!」
「……いや、待てよ。車輪使いの咎人殺しだと……ま、まさかっ!」
コンキスタドールのひとりが、顔面蒼白で叫んだ。
みさきは、にたりと怖気の立つ不気味な笑顔を浮かべる。
「そうとも――帰ってきたぞ。君達が、この世界が忘却した咎人殺しが」
直後――ざばぁ!! と海原をかき分け現れたのは、巨大な幽霊船……!
「て、敵襲だ! 敵しゅ……かッ」
慌てて応援を呼ぼうとしたコンキスタドールは、目を見開いて絶命した。
喉元には手裏剣が突き刺さっている……ハルマの投げたものだ。
「注意はそれたけど、あれ派手すぎないか? まあ、助かるからいいけど」
みさきが引き起こした騒ぎに乗じ、ハルマは密かに行動を開始した。
逃げ惑うコンキスタドールを殺し、囚われた妖精達を救い出す。
姿を表そうと、極限までスピードを高めた彼は誰の眼にも捕らえられない。
「そういやさっきのふたりは……」
「飛威、魅医、ふたりともお疲れ様」
そんな折、ちょうど同じように騒ぎに乗じて逃げ出したふたりを、
主人である眞白は出迎え、そしてハルマの視線に気付いた。
「「「やったー、助かったー!」」」
解放され呑気に喜ぶ妖精達。敵としてはたまったものではないだろう。
「そっちも無事で何より。あっちは……まあ、助けはいらなさそうかな」
「うん、完全に一方的だし、必要ないと思う」
眞白とハルマが見やったのは、言わずもがなみさき"ら"のいる方角だ。
島に上陸した幽霊船から降り立ったのは、無数の咎人殺しの幽霊達。
それらはかつてこの世界に存在し、やがて他世界へ漂流した者どもの成れの果てである。
その慈悲なき処刑を知る者は恐怖に染まったまま轢き潰され、
知らぬ者は、忘却の代償を骨身に沁みさせられ、やはり同様に命で贖った。
「ははは。やはり生まれ故郷はいい……なんて、ね」
恐怖とともに罪人を処するその姿を、応援する妖精もいれば怯える者もいた。
どちらであれ、みさきのやることは変わらない。どの世界であろうと。
――悪しき咎人の罪を禊ぐ。ただ、それだけだ。
突き立てられた大きな旗は、その決意と意志の表明でもあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
桜雨・カイ
まずは見つからないように慎重に……え?何をやってるんですか!そんな事をしたらフェアリー達が!
思わず海賊とフェアリーの間に割り込みます。
大丈夫ですよ、あなた達に手出しはさせませんから。
少し騒がしいですが、じっとしてて下さいねとフェアリーに声かけ
【念糸】で海賊達を拘束、これであなたたちも一緒に爆発しますよ
これで諦めてくれるならそれでいい、もし引いてくれないなら…
分かりました!なら一緒に吹っ飛びましょう!
爆破される前に【想撚糸】で自分とフェアリーを守る結界を編む
爆破後気絶してない海賊がいたら【気絶攻撃】で倒します
あなた達(フェアリー)はどこか避難出来る所はありますか?
なければ一緒に行きましょう
「よおし、準備完了だ! いつでもいいぜぇ!」
「酒ぇ持ってきたぞ! 肴にして飲もうや、ゲハハハハ!」
悪党どもは酒瓶を片手に、外道そのものの笑い声で妖精達を嘲った。
怯え泣きじゃくる彼らは、大樽の表面に縄できつく縛り付けられている。
もちろんその樽の中には、ありったけの爆薬が満載されているのだ!
奴らはそれをつまみ代わりに鑑賞しながら酒盛りをするつもりなのである。
なんたる悪辣! 桜雨・カイはたまらず飛び出した!
「なんてことを……そうはさせません!」
「あぁ!? なんだぁてめえは!」
「あなた達のような方々に、名乗るつもりもありませんよ」
カイは敵の誰何を一蹴し、念で撚り合わせた糸を縦横無尽に放った。
それは蛮刀を抜く敵を締め上げ、同時に妖精達を縛る縄を切断したのだ。
鋼の如き切れ味と、鉄よりも強靭な硬度を同時に、別々に発揮する。
カイのような凄腕の糸使いでもなければ、こんなことは不可能だろう!
「わ、わ! やった、助かった……!」
「おにいさん、ありがとー!」
「うう、体が痛いよぅ……」
フェアリー達は喜び、あるいは涙ながらに苦痛と恐怖を訴えた。
「ええ、もう大丈夫ですよ。さあ、今のうちに!」
「逃すか! こんな糸ぐらいなあ……げえっ!?」
無理矢理拘束を逃れようとしたコンキスタドールは、目を剥いた。
処刑のために用意した爆薬入りの大樽が、こちらに飛んできたからだ!
「その口ぶり、悪行を改めるつもりはないようですね。では残念ですが――」
糸で縛り上げられた大樽が、コンキスタドールどもの真横に落ちてくる。
爆薬が満載された大樽が、そんなに勢いよく落下したら、それは……!
「「「や、やめろぉおおお
!!」」」
「――どうぞ、一緒に吹っ飛んでください!」
KRA-TOOOOOOOOOOOOOOM!!
……そして爆音に眼を瞑っていた妖精達は、恐る恐るまぶたを開いた。
爆炎は彼らを襲うことはなかった。糸の結界が、それを阻んだのだ。
「失礼ですが、あなた達にどこか避難できるところはありますか?」
結界を解いたカイは、もうもうと立ち込める煙を背にしてにこりと微笑む。
「う、ううん。住んでたところはあいつらに乗っ取られて……」
「では、とこに行きましょう。守りますからご安心ください」
青年は妖精達に手を伸ばし、穏やかに言った。
その手並みの鮮やかは、いたずら好きの妖精達をして舌を巻くほどだったのである。
成功
🔵🔵🔴
露木・鬼燈
何の意味もない、苦しめるだけの労働。
そして処刑、ね。
気に入らないね!
ならお望み通り全員処刑するっぽい!
ただし、死ぬのは海賊だけどね。
隠忍の仕事を見せてやるです。
忍体術で姿を隠し、気配消しながら移動。
一体ずつ処理していくですよ。
背後より忍び寄り、<忍殺>を実行。
口を塞ぎ、刃と化した手で喉を掻き切る。
音もなく処理をしたら…死体は吊るしておこう。
石とかを投擲して次の敵を誘導。
死体で注意が逸れたところを<忍殺>
こうやって処理していくですよ。
一人ずつの誘導が無理な時は敵の中央に飛び込む。
そして連結刃で一気に首を刎ねるっぽい!
妖精たちの救出は他の猟兵に任せた。
隠忍の仕事は妖精たちには刺激的過ぎるからね。
「おい、なんだか騒ぎが起きてるらしいぞ」
「まさか、海賊共がここに乗り込んできたのか?」
「いや、それがどうやら別の……猟兵どもらしい」
島の一角が騒がしくなり、コンキスタドールどもはざわついていた。
この世界では、コンキスタドールと海賊の小競り合いは珍しくない。
しかし完全にコンキスタドールの支配下にあるこの島を、
あえて襲撃しようという海賊は、この周辺の海域にはいないはずだ。
ならばさらなる遠方から流れ着いたはぐれものか?
……実際のところはそれに近い。ただし別世界からの来訪者、だが。
「まあなんにしても、お頭に早いとこ報告――がッ!?」
踵を返そうとしたコンキスタドールは、その言葉を最後に絶命した。
のこるふたりは、姿なき襲撃者を探し背中合わせで警戒する。
「ど、どこから襲ってきやがった!? 何も見えなかったぞ!」
「いや待てまさかう、えッ」
どさり。……真後ろに居た同胞が死んだことに、男は恐怖した。
手口はやはり喉元を一閃。どこだ、敵は何処にいる!?
しかしそのコンキスタドールも、結局は同じように喉を裂かれて死んだ。
まるで最初からそこにいたかのように、露木・鬼燈がひっそりと立っている。
「お望み通り全員処刑してやるですよ? まあ、死ぬのはあんたらだけど」
鬼燈は感情を悟らせぬ声音で言い、きゅ、と鋼糸を引いた。
するとコンキスタドールどもの死体は、皮を剥がれた動物肉めいて吊るし上げられる。
この様を見た敵は恐慌し、隙を晒すことだろう。
処刑とは見せしめにしてこそ意味がある。奴らにその代価を支払わせるときだ。
「罪もない妖精を意味のない労働で苦しめたんだから、このくらい当然なのです。
さってと、それじゃあ次はどこから攻めるかな~、迷うっぽい!」
そう言って、鬼燈が再び闇に溶け込み、姿を消した。
恐れ慄き、悲鳴すらもあげずに斃れるコンキスタドールは、後をたたない。
妖精達は誰も、その残虐で無慈悲な処刑を知るよしもないのだ。
それは、鬼燈なりの無邪気な彼らへの優しさでもあった。
大成功
🔵🔵🔵
セゲル・スヴェアボルグ
なるほど、最初から妖精を弄ぶのが目的だったわけか。
そりゃあ、労働力としては腕っぷしは足りねえわけだから、こうなるってのは必然だ。
みみっちい。やってることがあまりにもみみっちいな。
まぁ、メガリスに呑まれた海族崩れにはお似合いかもしれんがな。
さて、こんなことを宣っている俺が目の前に仁王立ちしてるわけだが……
どうした?来ないのか?
まさか、ビビってるわけじゃねぇよな?
海の男が高々一人の竜人風情を恐れてるようじゃ、名折れもいいとこだ。
海賊なら海賊らしいプライドってもんも見せてみろ。
まぁ、俺は海賊じゃねぇから、そんなもんは知らんわけだが……
似たようなもんか。
とりあえず、処刑台はぶっ壊させてもらうぞ(素手)
セレン・アキシマ
連携・アドリブ歓迎だよ。
ちょーっと待ったぁ!
不意打ちで装備している銛を【範囲攻撃】で思いっきり叩きつける
妖精さんたちに影響が出ないように努力はするよ
お前たちのような外道、海が許してもあたしがゆるさーん!
そして【眠れる力を呼び起こせ!】を(無意識的に)発動させるよ!
さあ、反撃の時間だよ!
これなら縄をぶっちぎるなり樽から出るくらいなら出来るよね。
逃げてほしいけど、憂さ晴らしにかかっていく妖精さんがいるなら止めはしないけどね、気持ちは分かるし!
あたし自身はこの場に残ってコンキスタドールを叩きのめしたり、戦ってる妖精さんのフォローをするよ。
神酒坂・恭二郎
「良い海だねぇ。青い空白い雲、そして気持ち良くぶちのめして良い悪党共とくらぁ」
サーファー姿で処刑場を見やり快活に笑むと
空と同じ色の風桜子を玉にし、花火のように打ち上げ、青い桜の花弁を散らして消える【覇気、衝撃波、パフォーマンス】
その一瞬の呼吸があれば大丈夫
相棒を召喚し、一足飛びでシャーク【サーフィン】で飛び出し
一閃
囚われた妖精達を【早業】で救出し、そのまま離脱しよう
「驚かせたね、お嬢さん方。この海じゃあ新参なんで、色々教えてもらえると助かるね」
【優しさ】で安心させ、後は妖精達が望む場所まで運び去ろう
【アドリブ連携歓迎】
フェルト・フィルファーデン
……心躍る冒険の旅を、なんて、ちょっと期待したのだけれどね……
ええ、いいわ。これ以上無辜の民を傷つけ、酷使し、恐怖に侵すというのなら、その報い、その身で受けてもらう……!
槍盾の騎士人形よ、力を貸して。全ての人々を護り、全ての敵を討ち倒す!
UCの力で駆けつけ【盾受け】で庇い【カウンター】で一撃で葬るわ。
助けた妖精達は優しく語りかけ落ち着かせて、スリッド号かどこか安全な場所に逃げてもらうわ。大丈夫、わたしはあなたの味方よ!
後はそれを繰り返す。誰一人として死なせはしない。
……たとえどんな世界であろうと、救ってみせるわ。
シノギ・リンダリンダリンダ
悪いいいい!!下っ端コンキスタドール達がいるって言うのはあああ!!こちらですかああああ!?
スリッド号とは別に、【幽玄な溟海の蝗害】で召喚した自前の海賊船で大声を張り上げながら島に乗り込む
大砲を祝砲のごとく打ち上げ、召喚した死霊が大声で歌い、海賊の襲来を告知する
グリードオーシャン!!このような素敵な世界、テンションを上げるなという方が無理です!
今回はそのテンションをとにかく爆発させて良いと聞きました
でしたら潜入する他の仲間のためにもここはドデカく囮になってやりましょう!!
島にたどり着いたら死霊たちを引き連れ、全力で「挑発」しながら執行を止めます
さぁさぁ、蹂躙です略奪です!!
大海賊のお通りですよ!
鉄甲船『スリッド号』の旅に同行したフェルト・フィルファーデンは、
最初に辿り着いたこの島の光景と有様に、少なからぬ落胆を憶えた。
(心躍る冒険の旅を、なんて、ちょっと期待したのだけれどね……)
蓋を開けてみればこの通り、この世界にもまた悪逆が蔓延っている。
罪なき人々をオブリビオンが虐げ、そして悪辣を謳う反吐の出る光景。
世界が違おうと、結局のところ相対するのはそういうものばかりなのだ。
冒険の熱は無慈悲に引いていき、フェルトはため息混じりに人形達を従えた。
いいだろう。ならば己もまた、これまでと同じように悪を討つのみ。
人々を守り、助け出し、どんな手段を使ってでも希望を護る。
浮ついた気分を、少女なりに諌めて立ち上がろうとした――まさに、その時!
「ちょーっと待ったぁああああっ!!!」
「「「!?」」」
飛び出そうとしたフェルトは、そしてコンキスタドールどもも瞠目した。
直後……KRAAAAAASH!! 地面を爆ぜさせたのは、擲たれた巨大な銛だ!
そして銛を足場に着地したのは、海原めいた青髪をなびかせる少女である!
「お前達のような外道、海が許してもこのあたしがゆるさーん!!
まったくもうっ、コンキスタドールどもはいっつもいっつもこうだもんね!」
むくれっ面で怒りを露わにする少女の名は、セレン・アキシマ。
何を隠そう、彼女はこのグリードオーシャンで今日まで戦ってきた猟兵。
すなわち、海を護るために海原をゆくオーシャンハンターなのだ!
「けっ、あの髪色にでけえ銛……最近他の団を狩って回ってるって小娘か」
「ちょうどいいや! あのガキを引き裂いて、内臓を今日のごちそうにしようぜ!」
「そりゃあ楽しみだ、ヒヒヒッ!」
下級コンキスタドールは、セレンを取り囲み、シミターを抜いた。
少女は銛から飛び降りると、地面に突き刺さったままのそれを引き抜く。
悪党どもを相手に、この世界を守らんとする少女は一歩も退かない!
――そして、この世界で生まれ育った勇敢なる少女の姿に、呼応する者達!
「悪いいいい!! 下っ端コンキスタドール達がいるって言うのはあああ!!
こちらですかああああ!? こちらですねぇええええええ
!!!???」
「「「グワーッ
!?」」」
KA-DOOOOOOM!! 天に轟く大音声と、すさまじい砲声の嵐!
荒くれ者揃いのコンキスタドールどもですら、耳を抑えてうずくまる!
そして姿を現したのは、巨大なる蒸気海賊船……シャニムニー号だ!
「えっ、なにあの船? 見たことないよ!?」
セレンは、見慣れぬ巨大な蒸気海賊船に目を白黒させた。
「そりゃあそうでしょうとも! なにせ今しがた来たばかりです! ので!!」
その船首に仁王立ちし、意気揚々と腕組するのはシノギ・リンダリンダリンダ!
彼女はテンションMAXだった。なにせあのグリードオーシャンなのだ!
死霊船員どもも高らかに戦歌を口ずさみ、刃と刃を打ち鳴らす!
「そこにちょうどよくはびこる悪党ども! うーん最高ですねぇ!!
さあさあ、蹂躙です略奪です!! この世界の海賊に負けないようにいきますよ!
はるかサムライエンパイアより、大海賊のシノギちゃん様参戦! です!!」
「――なら、俺もそこに一口乗らせてもらおうかい」
ざっぱぁ! と大波から飛び出したのは……サーファー!?
否、見よ! くせっ毛を潮風になびかせる、伊達男めいたあの爽やかな笑み!
軽やかに波を友とするのは、"スペース剣豪"神酒坂・恭二郎だ!
「さあ相棒――ここはお前さんの独壇場だ。盛大に暴れてくれよッ!」
恭二郎の掌から青い桜の花弁めいた風桜子(フォース)の玉が打ち上げ破裂。
その中から現れたのは……おお、巨大なスペースシャークである!
恭二郎はサーフィンボードから跳躍し相棒たる"星白鮫"に改めて飛び乗ると、
空中を泳ぐ鮫を華麗に乗りこなし、浮足立つ悪党どもに食らいつくのだ!
「おうおう、どいつもこいつも派手でいいことだ! 冒険はこうでなくては!
……それに比べてお前さん達はずいぶんみみっちいなあ。んん?」
動転し逃げ出そうとしたコンキスタドールの背後には、巨漢の龍が屹立していた。
セゲル・スヴェアボルグは、どよめく悪党どもをじろりと睨みつける。
「労働力としては期待できない妖精どもを酷使して、適当な理由で処刑とは。
挙げ句、ちょっとばかし脅かされたら逃げ出すと? まったく根性のない!」
「な、なんだと、てめえ……」
「どうした? 来ないのか? まさかビビってるわけじゃねえよな?」
セゲルはことさら皮肉めかして、にやりと笑った。
「ふ、ふざけやがって!! うおおおお――ぐほぇっ!?」
「はっ! そんな腰抜けなんぞに、武器を使うのは勿体ねぇな!」
襲いかかったコンキスタドールを、セゲルは素手で鉄拳制裁、一蹴する!
「く、くそっ! 野郎ども、このデカブツを」
「おっと、忘れてないか? お前さん達、誰を襲おうとしてたんだか」
「「「はっ!」」」
「隙ありぃーっ!!」
油断なく銛を構えたセレンが、隙だらけのコンキスタドールどもを薙ぎ払う!
さらにシャニムニー号からなだれ込んでくる、死霊海賊とシノギらの大群!
まさに前門の虎、後門の狼……否、この場合は前門の鮫、後門の死霊か!
おまけに右にはオーシャンハンター、左にはドラゴニアンである。四面楚歌とはまさにこのこと!
「逃げ回る悪党ども、大火力で蹂躙制裁! これでこそ大海賊の花道ですよ!!
それでは張り切って号令をかけましょう――野郎ども!! いきますよッ!!」
「おおー! こっちだって負けてないよ! さあみんな、反撃の時間だー!!」
シノギとセレンは競うように鬨の声を上げ、死霊どもがそれに応えた。
その力強き声は、まさに"眠れる力を呼び覚ます"のである!
「……ふ、ふふっ。あはははっ!」
きょとんと彼らの乱痴気騒ぎを見ていたフェルトは、やがて笑い出した。
もはや、諦観と怒りに塗れた少女の暗い表情は、どこにもない。
どこまでも晴れやかに。強がりではなく、心の底からフェルトは笑う!
「なんだかわかんないけど、助かった!?」
「一体あのニンゲンさん達は、誰なんだろう……?」
「――大丈夫、わたし達はあなた達の味方よ!」
そして同じフェアリーとして、フェルトは人形達を伴い高らかに言ったのだ。
「驚かせたね、お嬢さんがた。この海じゃあ新参なんで、色々教えてもらえると助かるね」
「おうおう、ここにこの世界の海賊も居るんだ! 景気よくいこうじゃねえか!」
恭二郎とセゲルは妖精達と大立ち回りをするセレンとをそれぞれを見、笑った。
戦いは一方的。まさに蹂躙。いい気になっていた悪党どもは震え上がるばかり!
そうとも、震え上がるがいい。この世界にも彼らはやってきたのだ!
「ねえ、それじゃあもしかしてあなた達が!?」
「――その通り。世界を渡る大海賊……」
「……でもあるけれど、そう! 猟兵よ!」
シノギの言葉にうまいこと乗っかったフェルトは、セレンに笑いかけた。
騎士人形達も槍と盾を掲げ、狂乱の戦場へとなだれこむ。
戦士達よ、各々の武器を掲げウォークライを叫ぶがいい。
ここはグリードオーシャン、強大な者こそが勝利を掴む強欲の海!
下卑た悪党どもは、潮風のように爽やかに叩き潰すのみである!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
セレシェイラ・フロレセール
可愛いフェアリーさん達になんてことするのー!
酷いコンキスタドール達には怒りを覚えるけれど、最優先事項はフェアリーさん達の救出だよね
あの酷いコンキスタドール達は後でぶっ飛ばそう、そうしよう
コンキスタドール達に向けて夢の魔法を綴ろう
さあおねむの時間だ
面倒だからコンキスタドール一斉に眠らせてあげる
あいつらには別に良い夢を見れるよう願わなくてもいいや
だからさっさと眠ってちょうだいな
コンキスタドール達を眠りに落としてフェアリーさん達を助けだそう
もう大丈夫だよ
怪我してる子はいないかな?
フェアリーさんを怖がらせないように自己紹介と握手でもしておこうかな
「なんだ!? あっちこっちで騒ぎになってやがるぞ!」
「何処から現れやがったんだ、あんな大群……!」
「なんでもいい、とにかくすぐにお頭のもと、へ……」
浮足立つコンキスタドールどもは、そのままばたりと前のめりに倒れてしまった。
かと思えば野郎どもは、顔に似つかわしくない寝息を立てて眠りこける。
一体何が? ……答えは、花畑に舞い踊る桜吹雪が知っている。
「わあ、きれい!」
「みんな眠っちゃった……」
「あ! ねえねえ、きれいな女の子!」
囚われのフェアリー達は、桜吹雪を伴い歩いてくる少女の美しさに見とれた。
その少女……セレシェイラ・フロレセールはふんわりと暖かく微笑み、
桜色の髪を潮風になびかせながら、フェアリー達の戒めを解いてやる。
「助けに来てくれたの……?」
「ええ、そうよ。わたしだけじゃないわ、たぁくさんの人がきたのよ」
セレシェイラの言葉を肯定するように、山の向こうから鬨の声と砲声。
びくりと驚く妖精達、だがそれが味方なのを理解すると、わっと喜んだ。
「ねえねえ、こいつらはどうしたの? 死んじゃったの?」
「寝ているだけよ。本当はぶっとばしてやりたいけど……」
セレシェイラはうんざりした様子で、いびきをかく悪党どもを見下ろした。
しかし優先すべきは、何の罪もないのに苦しめられた妖精達の救出だ。
「私達を心配してくれたんだね、ありがとう!」
「こいつらひどいもんなー、えいっ! えいっ!」
妖精達はセレシェイラの優しさに感謝をみせ、あと悪党どもを踏んづけた。
ヒゲを引っ張ったり、奴らの使ってる羽根ペンであれこれ落書きしたりと、
さっそく妖精らしい手段で報復をしているようである。
「その様子だと、怪我してる子はいなさそうね。ふふ」
殺されかけたにしては可愛げのある妖精達の"仕返し"に笑いつつ、
セレシェイラは妖精達に目線を合わせ、小指を差し出した。
「でも、これでもう大丈夫。悪い奴らはぜぇんぶ、わたし達がやっつけるからね」
「うんっ! ボク達も力を貸すよ。一緒に戦おう!」
妖精達はセレシェイラを仲間と認め、指を掴んで握手の代わりとしてくれた。
そう、ここからが反撃の時間だ。島を悪党どもから取り戻すための。
「あいつらには、思い知らせてやらないとね」
立ち上がったセレシェイラは、桜の花びらのなかで、きっと眦を決した!
成功
🔵🔵🔴
ケンタッキー・マクドナルド
あーーーアーアーアー糞どもがよォ俺ァテメェらみてーのが一番虫唾が走るんだよ糞ったれが。
背中が疼くったらねェ。この不快さァテメェらタコ殴りにしねェと済まねェなァ!!
妖精が何をナマ言ってるって思うか?そォかよ。だがなァ――俺様の人形ァ強ェぞ。
"神の御手"を御覧じろよ。
戦天使型の人形を十機速製、"天獣"の糸で繋いで一機につき一指で【操縦】。
【空中浮遊】【団体行動】と"天獣"を【武器改造】して持たせたエモノで戦わせる。
どォした糞共、たかがチビに随分手こずるなァオイ?
十機のうち二機は妖精救助に回しとく。
――おう、さっさと逃げろ御同族。いけすかねェ糞共ァ俺が代わりに千倍返しで殴っといてやらァ。
燃え上がる剣を手に、天の御遣いが空を覆う。
およそ十体の戦天使達……太陽の輝きを主の後光めいて背負うさまは、
異世界のコンキスタドールどもをすら、恐怖と畏敬で震えさせた!
「な、なんだあいつらは!?」
「くそっ、大砲もってこい! 撃ち落せぇ!」
「テメェらのクソみたいな豆鉄砲なんざ、効くわけねーだろうが!!」
恫喝し返したのは、天使達を率いるフェアリーであった。
野卑な若者めいた獰猛な面で、ぎろりと悪党どもを睨み見下ろす。
彼の名はケンタッキー・マクドナルド。この世界の妖精ではない。
されど同じ種族の末裔として、彼は大変に憤っていた。
「テメェらみてーな糞どもがよォ一番虫唾が走るんだよ糞ったれがァ!!」
「「「ぎゃあああああっ
!!」」」
ざんっ、と戦天使達……正しくはそれをもした人形達……の燃える剣が、
地面もろともコンキスタドールを薙ぎ払い、焔の中に飲み込む。
たかが下級の群れでは、神の業が生み出した御使いを倒すことは出来ない!
たとえそれが、本物の主のしもべたる天使でなかったとしても。
否、ともすればそれ以上のものを、ケンタッキーの指先は作り出せる。
まさしく彼の造形力こそ、"神の御手"にふさわしい唯一無二のものなのだから!
「た、たかがチビの分際でェ!!」
「そのチビの、しかも人形に手こずっておいてよく言うぜェ、なァオイ」
「妖精ごときが調子乗ってんじゃねえぞぉ!!」
蹂躙されるコンキスタドールどもの捨て台詞を、ケンタッキーは鼻で笑った。
「そォかよ。だがなァ――俺様の人形はァ強ェぞ? テメェらよりも、な」
無礼の報いを贖わせるため、十体の人形が裁きを下す――!
そしてあっという間に悪党どもは刈り取られ、静寂が訪れた。
戒めを解かれた妖精達は、ケンタッキーをじっと見ている。
「おう、さっさと逃げろご同族。いけすかねェ糞どもァ……ア? なんだ」
じっと見つめる妖精達の視線に、訝しげに振り返るケンタッキー。
「「「すっごーーーーーーい
!!」」」
「あァ!?」
「「「かっこいーーーー!! ねえねえそれどうやったのー
!?」」」
「んだァ!? いいから逃げろっつってンだy」
「「「ねえねえ教えてー
!!」」」
「あァ糞ッ……テメェら捕まってたんだよなァ!? 緊張感なさすぎんだろォ!?」
同族の勇猛さに眼をキラキラさせた妖精達に、しばしもみくちゃにされるケンタッキーであった。
成功
🔵🔵🔴
三咲・織愛
シオンくん(f09324)と
弱いものいじめはいけませんね!!
目には目を、歯には歯をと言いますし、
妖精たちに働こうとした悪事を
そっくりそのままお返ししてあげましょう!
ええっ! 爆発させたらだめなんですか!?
仕方ありませんね……それでは顔面ストレートパンチくらいで許してあげます
コンキスタドールを見つけたら端から順にパンチしていきますね
時間が勿体ないですから、問答無用パンチです!
見た目でわかりますもん
あなたたち、悪者ですね!
陥没しても元に戻りますから大丈夫ですよ! えいえいっ!
シオンくんとばっちり連携していきますね
私が叩いてシオンくんが助ける。完璧です!
さあ、がんがん行きましょー!
シオン・ミウル
織愛(f01585)と
弱い者いじめって域を出てると思うけどねー。ま、見てて気分良くはないよね。
やられた事をやり返すってのは大賛成。こういうやつらは同じ目に遭わせてやらないとね。
でも爆薬はちょっとぐろい事になりそうだし、巻き込まれたら面倒だからやめておこう。ね?
織愛のパンチもぐろい事になりかねないとこはあるんだけど……ま、いっか。
大暴れしてくれてたら妖精達も助けやすくなるかな。
柱に縛られてる子がいたら縄なり切って助けておこう。
織愛がやられる事はないだろうし、さくさく助けて回っちゃおう。
やり返そうとしてるやつがいたら俺も切り刻んであげるよ。
小さい子に手を出す下衆に遠慮するつもりないんだよねえ。
SMAAAASH!!
「グワーッ!?」
SMAAAASH!!
「アバーッ!?」
SMAAAASH!!
「ヒデブッ!!」
「……あのさ織愛、もしかしてマジでそれでやってくつもり?」
「えっ? そうですよ!!」
島に上陸するなり三咲・織愛が始めたのは、文字通りの「鉄拳制裁」だった。
コンキスタドールに会うてはコンキスタドールをぶっ飛ばし、
コンキスタドールをぶっとばしてはコンキスタドールを殴り飛ばすのだ。
顔面狙いの火の玉ストレート。織愛はいつだってまっすぐな女の子だった。
……いやうーん、女の子のやることとしてはだいぶ、どうなのかな……!?
シオン・ミウルはだいぶ頭が痛くなったが、深く考えるのはやめた。
彼女の奇行……もとい、天然ムーブにはだいぶ慣れてきていたので。
「ま、やられたことをやり返すには大賛成だけどねー」
「でもグーパンはダメですかねえ、それならやっぱり爆薬……」
「いやいや、だからそれはグロいことになりそうだからNGだって」
パンチでもだいぶ地上波に流せないことになってないだろうか?
まあそういう節もなくはない。だが爆破どっかんよりははるかにマシだ。
ともあれシオンは、織愛が大立ち回りしているうちに妖精達を開放してやる。
「わー、助けてくれてありがとー!」
「どういたしまして。礼ならあっちの……」
「(ゴガッ)ニラレバッ!?」
「??? あっちがどうかしたのー?(シオンの肩越しに覗き見ようとする)」
「いやなんでもない。見ないほうがいいなあれは」
好奇心旺盛な妖精に、あのブラッディバイオレンスはちょっとヤバい。
シオンはとっさにそう考え、織愛の凶行……もとい鉄拳制裁はカバーした。
背後から断末魔が聞こえてくる? うーんまあそういう幻聴もある。
「てめぇーっ!! 何してくれやがんだゴラァーッ!!」
「あっ! 危ないよ、コンキスタドールが!」
と、その時! 妖精達を解放していたシオンに襲いかかる不逞な輩!
シミターを振り上げ、シオンめがけて飛びかかる――が!
「甘いなぁ。まさか俺が、非戦闘要員だとでも思った?」
「ぎゃあああああっ!?」
スパパパパッ! と風の刃が、シミターごとコンキスタドールを斬り裂いた!
血の海に沈む外道を見下ろし、シオンは獰猛に笑う。
「小さい子に手を出すゲスに遠慮するつもりないんだよねえ。
あれ? まだ生きてる? よーし、じゃあ寸刻みにしよっか!」
「ひ、ひいいいい……アバーッ!?」
「「「ひゃああああ! こわいいいいい
!?」」」
こっちのほうがよっぽど残虐ファイトの使い手であった!
「シオンくん、そっちは……あ、片付いたみたいですね」
数十体目のコンキスタドールを放り投げ、織愛は振り返りほっと一息。
花畑で微笑む可憐な少女。返り血を浴びていることを除けば絵になる。
「うん。なぜだか震え上がっちゃってるけど、全員助けたよ」
「まあ! それだけ怯えさせられたということですね、許せませんコンキスタドール!」
「……いやなんか違う気がするけど、まあいいか」
シオンは、織愛の奮起にあえて水を差すことはしなかった。
冷静になって考えると、自分もやりすぎた気がしないでもないからだ。
そんなふたりを前に、助けられたはずの妖精達は抱き合い震えるのみであったという。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シズル・ゴッズフォート
……潜入工作を企てた方々には申し訳ありませんが。あのような暴虐、見過ごすわけには参りませぬ
騎士……いいえ。ヒトとしても、止めさせて頂く
交戦は最低限に。妖精達の救出を最優先
応戦はシールドバッシュのみ
他にも居るであろう救出者が動きやすくなるよう、バイクで突撃し敢えて注意を引いて海賊達を誘引
可能であれば合間に救出も行いつつ、誘引と撹乱を繰り返す
無敵城塞は妖精達の防護のため積極的に使用
……自らの行いが、どれ程に悪虐かを認識しているかは分かりませぬが。
か弱き妖精に故もない力を振るうその暴挙、我が名にかけて止めに参りました。
ドルン、ドルルルルン……!
高らかに響き渡るバイクのエンジン音。コンキスタドールはざわついた!
「襲撃者か!? わざわざ存在を知らせてくれるたぁありがてえ!」
「野郎ども、数を集めろ! 囲んで引き裂いちまえばこっちのもんだ!」
ドルルルン――ギャルルルルルッ!!
そして颯爽と大地を削りながら現れたのは、まさに巨大な宇宙バイク!
モンスターマシンを憤怒の形相で駆るのは、シズル・ゴッズフォートだ!
「げえっ!? なんだありゃあ、見たこともねえぞあんなマシン
……!!」
「数を揃えれば私がどうにか出来ると思いましたか? 甘すぎますねッ!
あなた達の悪行……見過ごすわけには参りません! 覚悟ッ!!」
ゴアアアアッ!! と咆哮めいたエグゾーストとともに、マシンは突っ込んだ。
コンキスタドールどもはマスケット銃やシミターなどで武装していたが、
怒りとともに飛来する質量の前には、いわばボウリングのピンめいている。
悲鳴をあげて吹き飛ばされ、食らいつくものもシールドの餌食となった。
シズルの強襲戦術は、敵を一網打尽にするまさに最適の戦術だったのだ!
「て、てめえっ! 何者だ! 海賊かッ!?」
「いいえ。私は騎士――そしてひとりのヒトとして暴虐を止めに来たもの」
処刑寸前だった妖精達の間に割り込み、シズルは言った。
ぎらりと刃じみた双眸に睨みつけられ、コンキスタドールは震え上がる。
「ヒトとして、だとぉ? 楽しいところにしゃしゃり出てきやがって!」
「……なるほど、"楽しい"ですか。こんな行為が、本当に楽しいと?
であればその精神、もはや完全に救いがたいものだと認識いたしました」
コンキスタドール――オブリビオンは、世界が違えどそういうものなのだ。
本質的に邪悪であり、いかなり外道行為をも嬉々として行う……!
「か弱き妖精を護るため、我が名にかけてその暴挙を止めさせてもらうッ!」
再びマシンが吠える! コンキスタドールは木っ端めいて吹き飛んだ!
弾丸も刃も、シズルとマシンを害することはない。
その信念が鎧のように彼女を守り、突き進ませるからだ。
「すごーい! お伽噺の騎士様みたいだー!」
若き妖精達は、勇ましきその背中を目をキラキラさせて見守る。
勇ましき姿、まさしく寓話の騎士のごとく。
期せずしてマシンを駆るさまは、未来的騎士道とでもいうべき勇敢さであった――。
大成功
🔵🔵🔵
鳴宮・匡
光の向こうの世界、か
眺めていても、自分がこうしている理由なんてものはわからないけど
今はそれでいいと思う
……それは、俺がこれから探さなきゃいけないものだろうから
物思いに耽るにも、まずは目の前の仕事を片付けてからだ
ひとまず【無貌の輩】を周囲へ散らして
救出対象の位置、周囲の敵の配置と人数を調べ味方へも逐次伝達
全体の作戦行動を円滑にするにこしたことはない
必要に応じて実働時も手を貸すよ
特に助けの必要な猟兵がいなければ単独で
姿を晒したほうがこちらへ注意が向くかな
シンプルに正面から敵を排除していく
フェアリーの処理を優先しようとしても、それに先んじて倒す自信はある
……まあ、なるべく怖がらせないようにはするけど
アコニィ・リード
WIZ
こっそり中に入ってフェアリーさん達を救出するよ
地形を利用して水の中を泳いで静かに潜入
クロークに酸素もあるし、多少は耐えられるわ
入ったらネイビーの迷彩で姿を隠して……罠に注意!
音を立てない様浮かんで静かに進むよ
仲間と連携して処刑場の人気が少ない所に入り込んで
皆が動き始めたらそれに乗じて捕まってる子を助ける
きっと弱ってるだろうからお話して元気づけて
一緒にここを逃げ出そうって励ますの!
大丈夫、仲間は沢山いるから皆絶対に助け出すってね!
邪魔するコンキス……名前長い、のは銃で威嚇
PDW型に組んでおけば邪魔にならないし
アポヘル製の逸品よ、濡れた位じゃ壊れないわ
退路を制圧してそのまま一気に逃げ出そう!
ヴィクティム・ウィンターミュート
さて、しょっぱなの仕事は何時でもシンプルな方がいい
気に入らねえ上位者気取りをぶっ殺せばいいのは、シンプルさの最たる例だ
別に妖精を助ける義理も正義感もありゃしないが…どうせなら目論見は全て潰す方が、気持ちいいだろ?
新しい手札のお披露目といこう
『Extra』……有能な演者の登場だ
殺すな、敵はできるだけ捕縛しろ
妖精の救助は、どっかの優しい英雄様に任せるさ
ところで、さっきダートの的にするだとか…爆薬で吹っ飛ばそうとか言ってたっけ?
ンッンー、いいね!それ採用!
磔にしてクロスボウの練習にしてやろう!飽きたら爆破で処分だ
遊びで誰かを害する奴は、同じような遊びに付き合わせるのが一番だ
実に、楽しかっただろ?
玉ノ井・狐狛
WIZ
その曲刀やら何やらを振り下ろされちゃァ困るんでな、まずは夢の世界にご案内だ。
◈UC▻時間稼ぎ
見せる幻覚は「処刑したはずの妖精が実は生きていて、あとで報復してくる」ってトコか。
▻恐怖を与える
ごろつきどもがそれなりの数なら、一部は怯える連中もでてくるだろう。
そいつらの夢にそっと囁く。
〈なァ、べつに無理やり処刑する必要もないんじゃねぇか? そもそもせっかくの奴隷を殺しちまうなんざ、なんとももったいない話だと思うぜ〉
▻言いくるめ
何人かでも騙されてくれりゃ、それは不和の種にならァ。
ただの奴隷より、身内だと思ってたヤツの反抗のほうがよほど気になるハズだ。
これで内輪揉めの一丁あがり、っと。
▻挑発
「おい、あっちもこっちも襲撃者騒ぎでてんてこまいだぞ!? どうなってる!」
「それがよ……どうも海賊じゃなく、猟兵が現れやがったらしいぜ」
「猟兵だと!? 奴らがどうして!? ええい、なんだって構いやしねえ!」
「そうだそうだ! とにかく全員ぶっ殺しちまえ!」
「妖精どもはさっさと処刑しちまおうぜ、こいつらは足手まといだ!」
コンキスタドールどもは殺気立ち、さらなる襲撃者を警戒していた。
そして奴らが選んだのは、まず最初に捕らえた妖精達を"処分"すること。
処刑ですらない――なにせ襲撃者のせいでお楽しみが減ったのだから。
しかし、生かしておいてやる義理もない。どのみちこいつらは終わりなのだ。
躊躇なくそんな選択肢を選ぶコンキスタドールは、紛れもなく外道だった。
(あっきれた……サイッテーの悪党どもね!)
そして物陰に身を隠したアコニィ・リードは、盗み聞きした会話の内容に顔を顰める。
彼女は一足早く船を離れ、水中から内陸部へと忍び込んだのである。
あちこちのポイントからの、多数の猟兵による同時攻撃のおかげで、
敵の指揮系統は大いに乱れ、連携は崩されていた。
おそらくここが最後の処刑地点……だからこそ警備は厳重だ。
動き出すためには、他の誰かの陽動を待つのが最適だろう。
アコニィは怒りと嫌悪感に身を固くしつつ、機をうかがう……。
……すると。
「なっ!? なんだぁ!?」
コンキスタドールのひとりが、なにやら怯えた声をあげた。
見よ。地面がぼこぼこと隆起し、妖精らしき肉の塊が這い出てくるではないか。
そいつらは獣とも虫ともつかぬ不気味な呻き声をあげ、這い寄ってくる。
まるでゾンビ……! まさか、死した妖精が怨みの力で蘇ったとでも!?
「くそっ、襲撃者の次は幽霊かよ!? くたばりやがれこの虫ども!!」
「おいどうした、何が見えてやがる!?」
「こ、こっちも出てきたぞ! ひいいっ!」
かつてコンキスタドールどもに殺された妖精達の成れの果ては、
あちこちの地面からぼこぼこと現れ、ある者は合体して巨大となった。
腐り落ちた肉と骨と羽根が混ざり合い、酸鼻なる異形へと変じる……。
謎の襲撃者=猟兵の脅威にさらされたコンキスタドールどもは、
当初の偉そうな威勢をすっかり失い、怯えきってそいつらを見ていた。
……そんなことが、現実にそうそう起こり得るはずはないのだと考えもせずに。
(なァ、べつに無理矢理処刑する必要もなかったんじゃねぇか?)
「ひ、ひいっ!?」
コンキスタドールどもの耳元に、誰かの声が響いてくる。
(そもそもせっかくの奴隷を殺しちまうなんざ、もったいない話だと思うぜ……。
その結果が、これだ。奴さんらずいぶんお怒りだなあ。自業自得ってやつかね?)
「ち、畜生! 誰だ、うるせえぞ! てめえか、怖気づいてやがるのはっ!?」
「て、てめえこそ! いまさら懺悔して許されようってのかよぉ!!」
謎めいた声を仲間の弱音だと勘違いし、ごろつきどもは互いに刃を向け合う。
それが、密かに入り込んだ玉ノ井・狐狛の見せる幻覚であるとは知らずに。
(内輪もめの一丁上がり、っと。さて、ツケの回収ァ任せようかねぇ?)
姿を見せぬまま、妖しい狐はにたりと笑った――直後!
「FREEEZE!! クソ野郎ども、動くなよ! 動いたら脳味噌がBLAMN! だぜ!」
「「「!?」」」
突如として皮肉げな声が響き、そしてシャシャッといくつもの影が走った。
まさか、襲撃者か? しかもその数は……ざっと100は超えている!
あまりに動きが早いため、コンキスタドールどもは影の正体がつかめない。
しかも仲間同士信用できない状況では、連携もままならなかった。
悪党どもは一瞬で大量の……そう、アンドロイドに取り囲まれた!
「な、なんだこいつらは……人形!?」
「おいおい、"演者"と呼んでくれよ。ついでにいうと、それだけじゃないぜ?」
マジシャンめいて気取った仕草で現れたのは、ヴィクティム・ウィンターミュート。
その隣には、油断なくアサルトライフルを構えた鳴宮・匡が立っている。
彼の周囲……そしてアンドロイドに付き従うように浮かぶのは、
人形大の影、とでも言うべき、靄めいて揺れる不定形の黒い何かだった。
「悪いけど、とっくに包囲済だぜ。下手な真似はしないほうがいい」
匡の声音には感情が乗っておらず、それゆえに警告がウソでないことを知らしめた。
もしもコンキスタドールどもが少しでも反抗的な動きをすれば、
ヴィクティムの生み出した"演者(エキストラ)"たちが動くより先に、
その銃弾はコンキスタドールを貫き、一撃で絶命せしめるだろう。
「おっと、できるだけ殺すなよ匡。こいつらから情報が引き出せるかもしれねえ」
「わかってるよ。……ま、生かしたままにするつもりはないけどな」
そりゃ当然、とヴィクティムはニューロンのチャネルでやりとりをした。
チームとして幾度も連携してきた匡となら、思考速度で秘密会話が可能だ。
「それに伏兵がいるかどうかも気にかかる。お前の"目"はどう見えてる?」
「――近くに何体か逃げ出した連中がいるな。妖精も連れてる」
「だろうと思った。ま、そっちは別のやつに任せておけばいいだろ……」
ヴィクティムは脳内速度で匡と声なくして対話しつつ、悪党どもを見下ろした。
「それじゃあ楽しいインタビューの時間といこうじゃねえか、なあ?」
悪党どもは、ハッカーの目が笑っていないことに気づき、震え上がった。
……一方、処刑ポイントからやや離れた花畑にて!
「くそっ、おかしらに知らせねえと……!」
目ざとく一足先に逃げ出したコンキスタドールが、脂汗をかいて逃げていた。
敵の頭目に事態を報せ、応援をよこしてもらう腹づもりだ。
……しかし当然、ヴィクティムも匡も、こういう余計なネズミの存在を見越している。
匡の生み出した"影"は、卓越した彼と同じ鋭敏感覚を持ち、
それゆえに、戦場から逃れようとする不逞な輩も看破出来るのである。
どこにいて、どう逃げ出そうとしていて、どの程度の戦力なのか。
"影"同士は伝達も可能であり――その一体が、アコニィに付き添っていた。
「いた……! ちょっとそこの、止まりなさいっ!」
「げえっ!? ど、どうして俺が見つかったんだ……!? くそっ!!」
コンキスタドールはマスケット銃を引き抜こうとする――BLAMN!!
「がっ!!」
「ったく、さっぱり注意を聞きゃしないのね」
一瞬疾く、アコニィの"シャークシューターX8"が、敵の肩を撃ち抜いた。
匡の"影"がもたらした危険予兆がなければ、危なかったかもしれない。
「よいしょっと……よし、これで大丈夫。怪我はない?」
コンキスタドールの抱えていた網を切り裂くと、中にはたくさんの妖精が。
おそらく万が一の人質に使うために、やつが連れ去ったのだろう。
「よかったぁ、助かったよ~」
「おねーさん、だれ?」
「助けてくれてありがとう!」
泣きじゃくる子もいる。アコニィはほっと一息ついた。
「うんうん、心配しないでね。他の子たちも、みんな救出中だから。
……というわけで、こっちは大丈夫! 力を貸してくれてありがとね」
アコニィが"影"に言うと、人形大の塊は頷くような仕草をして消えた。
では、その頃肝心の匡たちがどうしているのかというと……。
「ひいいいっ! た、助けてくれぇ!」
「後生だ! 必要なことは喋っただろうが!!」
「こんなの人間のやることじゃねえ!」
鼻水を垂らしながら泣き叫ぶ外道どもを、三人は冷たく見下ろす。
すなわちヴィクティム、匡、そして狐狛である。
「あんだけ好き放題しといてよく言うねぇ。因果応報ってやつだぜェ?」
「……逃げ出したコンキスタドールは仕留めたみたいだ。こいつらで最後だな」
「オーケイ。んじゃ、ひとつ見せしめに派手にやってやるか」
命乞いに呆れる狐狛、一方匡は一顧だにせず淡々と"影"からの連絡を報告した。
ヴィクティムはわざとらしく凶暴な笑みを浮かべ、クロスボウを弄ぶ。
「なんだっけか? "ダートの的にする"とかなんとか、テメェら言ってたよなぁ?」
「「「ひいい
!!」」」
「ンッンー、いいね! それ、採用! ――ただし、テメェらでだがな」
カシュッ! クロスボウのボルトが、縛り上げられた外道どもの頬すれすれを掠める!
「や、やめてくれぇ! 俺達が悪かったぁ!!」
「反省するかい? 二度とこんなこたしねーと誓うか?」
「も、もちろんだ! これからは誰も苦しめたりしねぇ……!」
「……だ、そうだけど? アンタ、代わりにドタマでもふっ飛ばしてやるかい?」
狐狛に問われると、匡は興味なさげにそいつらを一瞥し、頭を振った。
「そういう趣味はないよ。それに、沙汰ならもうヴィクティムが下してる」
狐狛はその言葉に片眉を吊り上げ――ボルトの飛んでいったほうを見て、したりと頷いた。
「おやまァ。こりゃたしかに"派手"になりそうだね」
「元はと言えばテメェらが言い出した遊びだぜ? 後片付けはキチンとしな」
悪党どもは、がちがちと歯を鳴らしながら振り返った。
……クロスボウのボルトは、積み上げられた樽に突き刺さっている。
そしてボルトの尻部分には、よく見ればジジジジ……と導火線が。
待て、まさか。あの樽の中身は!!
「「「ひ、ひいいいいいっ
!!」」」
「楽しめよ! 笑顔だぜ、笑顔――それじゃ、サヨナラだ」
KA-BOOOOOOOOOOOOM!!
……爆炎があがるところへ、妖精達を連れたアコニィが戻ってきた。
「うわっ、何、この爆発!? まさか処刑が……」
「いや、救助は済んでる。これはまあ――"遊び"だろ、あいつら風に言えば」
匡はこともなげに言って、装備を整えると彼方を見た。
コンキスタドールの情報では、敵の首魁は島の中央に陣取っている。
かつてのフェアリー達の住処。そこが、今の奴らの根城なのだ。
「向こうさんも気付いただろうねぇ、こんな派手な狼煙があがりゃ」
「望むところだよ。しょっぱなの仕事はシンプルなほうがいい、だろ?」
「……お前、時々悪趣味だよな」
匡の呆れた表情に、ヴィクティムは悪びれもせずに肩をすくめた。
そして猟兵たちは妖精達を救い出し、島の中央部へと攻め込む。
悪逆なるコンキスタドールを、その手で狩り尽くすために……!
成功
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第2章 集団戦
『呪われた船首像』
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POW : まとわりつく触腕
【下半身の触腕】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 掻き毟る爪
【水かきのついた指先の爪】による素早い一撃を放つ。また、【自らの肉を削ぎ落す】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 呪われた舟唄
【恨みのこもった悲し気な歌声】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
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「あいつら、ボクらの住処を奪い取ったんだ!」
「島の真ん中に砦を立てて、王様気分で暮らしてるんだよ」
「わたちたちのおうち、壊されちゃったよぉ……」
救出された妖精たちは憤慨しながら、あるいは涙混じりにそう語った。
コンキスタドールの根城は島の中央部、かつての妖精たちの住まいである。
電撃的奇襲により、囚われていた妖精たちはみな無事に救い出されたのだ。
戦う力のない彼らは、代わりにコンキスタドールが知らない抜け道を教えてくれた。
おかげで猟兵たちは、襲撃に備えた敵の罠をかいくぐることが出来た……が!
……同時刻、コンキスタドール拠点!
仮設された砦のひときわ豪勢な部屋で、海賊船長めいたコンキスタドールが机を殴りつけた。
「クソが! ワシの部下どもをよくも……! 全員縊り殺してやる!!
なあに、こっちには『女ども』がおるんだ、怖くもなんともないわい……!」
落ち窪んだ双眸には狂気が混じり、口元には邪悪な笑み。
そして仮設砦の周囲には、串刺し公の犠牲者めいて打ち捨てられた無数の船の残骸。
それらは悪しき思念を浴びて、異形の女体に変貌しくすくすと笑うのだ。
海難に呑まれた船首の成れの果て、『呪われた船首像』である!
「女どもよ、行け! ワシの敵を全員殺せぇ!!」
首魁の号令に応じ、異形の魔物は迫りくる猟兵へと打って出た。
敵の拠点を叩くには、大量の魔物を倒し突破せねばならない……!
●プレイング受付期間
『2020年03/29(日)13:59前後』までとします。
ジョン・フラワー
【花簪】
おや、また新しいお友達がいるね!
キミ達も遊んでくれるのかい? 今日はいい日だな!
おあつらえむきな触腕がたくさんあるし、これは楽しく振り回して……
た、たいへんだ! ぬめりで上手く掴めないかも!
どうしようアリス! お塩で洗えばいいんだっけ!
パスパス! あれは簪のアリスにお任せだ!
パワーが通じない相手って難しい!
せめて彼女たちと一緒に歌ってアリスを応援しよう。がんばれアリスー!
そういえば握手は滑らないよね?
爪攻撃はチャンスじゃないか!
嬉しいなお嬢さん。キミみたいな可愛い子と手を繋げるなんて
両手を掴めたらいざ! 楽しく振り回すアタックだ!
なぎ払いだぞ! なぎ払っちゃうぞー!
月舘・夜彦
【花簪】
海賊の配下は倒したものの、まだまだ敵が居るようですね
船長の前に……まずは奴等を倒しましょう
タコやイカであれば塩でぬめりを……ですが、残念ながら塩はありません
打撃よりも斬撃の方が有効そうですのでオオカミ殿の分も頑張らねば
攻撃は早業の抜刀術『陣風』
2回攻撃併せなぎ払いによって周囲に居る多くの敵を巻き込む
オオカミ殿とも狙いを合わせて数を減らすことを優先
触腕による攻撃はその場で防御
オオカミ殿が近くに居るのであれば援護
視力・見切りから触腕の動きを読み、どの攻撃を重視しているか確認
攻撃・命中重視であれば衝撃波にて弾いてカウンター
攻撃回数重視であれば、なぎ払いと武器落としにて触腕を斬り落とす
女どもの下半身は、クラーケンめいた無数の触腕を備えていた。
それらは一本一本が脳を持つかのように、複雑に蠕動し獲物に襲いかかる。
不気味な粘体でぬめる触手は、掴み取るのも一苦労だ。
「わあ、新しいお友達がたくさんだ! キミたちも遊んでくれるのかい?
今日はいい日だな! それじゃあ、たっくさんダンスしようじゃないか!」
ジョン・フラワーは触腕を掴み、握力で"ぬめり"をねじ伏せた。
そして弓なりに船首像の体を持ち上げ……叩きつける! KRAAAASH!!
地面があまりの衝撃に爆発し、異形の女もまたバラバラに四散した。
血と臓物と肉と骨がミキサーにかけられたかのように混ざり合い、ぶちまけられる。
ジョンは不思議と汚れていない。ちぎれた触手の残骸を投げ捨てる。
「むむう、手がぬめぬめする。どうしようアリス! お塩で洗えばいいんだっけ!?」
「……それはタコやイカの話です。そもそもここに塩はありませんが」
月舘・夜彦は呆れたような苦笑するような表情で言い、姿勢を低くした。
そして、じゃっ、と足音ひとつ――地面を軽く蹴って平行に駆け出した。
五体ほどの敵が近づくより先に間合いに飛び込み、刀を振るう。
抜刀術『陣風』。踏み込みの速度を乗せた、質より数を重視した斬撃である。
一瞬のうちに数十の斬撃が半径50メートル以上を吹き荒れ、敵を惨殺した。
バラバラに断ち切られた船首像どもの血と残骸が、そよ風に転がる。
酸鼻なる風景、されど凄絶な剣技は死臭を欠片も遺さない……。
その隣でジョンは文字通りに敵をちぎっては投げ、ちぎっては投げていたが、
手のぬめりはひどくなり、敵もジョンのシンプルな攻撃に対応しつつあった。
「あっ! こら、掴んじゃダメだぞ! 投げるのはこっちの仕事なんだから!」
ジョンは腕に絡みついた触腕を引きちぎり、子供を叱るように言った。
しかし船首像どもは、熱病に浮かされた娼婦めいてくすくすと嗤い、
ジョンを取り囲んで触腕を伸ばす。囚われれば四肢がバラバラになるだろう!
「オオカミ殿!」
夜彦の斬撃が間一髪間に合った。ざあっ、と吹き荒れた陣風が触腕を切り飛ばす。
「やあアリス、ありがとう! ここはキミに任せたほうがいいかな?
応援なら任せてくれ! おっきな声で盛大に応援してあげるぞう!」
「……任せると申してくださるならば胸を張って戦いますが……。
オオカミ殿、遊びを始めたのはあなたですよ? あなたも働いてください」
「ふーむ、しかしどうしたものかなあ。あの触腕は――待てよ!
よしアリス、あのお嬢さんたちの触腕を斬り飛ばしてくれないか!」
ジョンは笑顔で言う。夜彦はやれやれと頭を振りつつ、うなずいた。
「その程度であれば、一息のうちに」
ざんっ!! 無数の剣戟が地を這うほどに低く吹きすさび、触腕を斬り飛ばす。
船首像どもはくすくすと不気味に笑いながら、即座に再生を開始した。
しかし……ジョンはその間に間合いを詰め、水かきつきの手をがっちりと握る!
「やあお嬢さん、嬉しいな! キミみたいな可愛い子と手を繋げるなんて。
さあ、それじゃあダンスを始めよう! 大丈夫、僕がリードするよ!」
ぐおんっ、と、ジョンは腕を掴んだ船首像をハンマーめいて振り回した。
いわばミートハンマー……速度を乗せた"踊り"は敵を巻き込む嵐のようだ。
掴んだ"ダンスパートナー"がダメになってしまえば、ジョンは次の腕を掴む。
逃れようとすれば、そこを狙って夜彦の斬撃が迸るという二段構えだ。
「私たちの目的はこの先です。しかし、通せと言っても通じないでしょう。
ゆえに、すべて斬り捨てるのみ――さあ、続きといきましょうオオカミ殿」
「うん! この遊びは楽しいなあ、次から次に遊び相手が出てきてくれる!
この先にもまだ遊び相手がいるんだろう? いやあ、楽しみで仕方ない!」
そこらじゅうを血と肉で穢しながら、剣士とオオカミは砦を目指す。
あとに残るのは、バラバラに斬られ潰された敵の亡骸のみだ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
セレン・アキシマ
連携アドリブ歓迎。
うわっ、気持ち悪っ!と咄嗟に声が出ちゃうかな。
とはいえ、もう一度ちゃんと眠らせてあげないとね。
基本は銛をぶん回して【範囲攻撃】をして一気に敵を吹っ飛ばすよ。
ぶっ刺すごとに【海神殺し】で針に変化させて敵の身体を抉り【継続ダメージ】を狙っていくよ。
後ろを取られそうなら、靴の中やら服の下に予め隠しておいたクリーピングコインを使って後方を【範囲攻撃】させるよ!
隠し球は取っておくものだよ、ってね。
戦闘をしつつも、グリードオーシャンの外から来た猟兵たちの戦闘を興味津々に観察するよ。
勿論目の前の敵との戦いに支障が出ない程度にねー。
神酒坂・恭二郎
「さぁて。力ずくってのもちょいと野暮かねぇ」
呪いの船唄を耳にし、ふっと息を吐く
元は航海の無事を祈るための船首像だ。余り無体はしたくない
彼女達の陣形の隙間を【見切り】、一瞬の【早業】でその小集団の中央に【残像】を残して移動
「痛くはしないさ」
刀を地面に突き立てる
円周上に風桜子を噴き上げさせ、まとめて彼女を浮き上がらせよう【範囲攻撃、衝撃波】
目的は【破魔の覇気】の風桜子で彼女等に宿る悪念を【吹き飛ばし】、後は刀を横振りし、【サイコキネシス】で海へと飛ばし沈んでもらおう
それが、船首像へのせめてもの【優しさと礼儀作法】だ
「さて、次は誰かね。恨みが消えぬなら相手になるぜ」
【アドリブ連携歓迎】
アルトリウス・セレスタイト
遅参だが働くか
全て潰せば良いのだな
天楼で捕獲
対象は戦域のオブリビオン及びその全行動
原理を編み「迷宮に囚われた」概念で縛る論理の牢獄に閉じ込める
対象外へは影響皆無故、遠慮は不要
『天光』で戦域を逃さず把握し最大規模で
高速詠唱を『刻真』で無限加速
『解放』を通じて全力の魔力を注ぎ、更に展開する瞬間を『再帰』で無限循環
無数に重複させ自壊速度と強度を最大化した迷宮を、瞬く間もなく展開する
出口は自身に設定
辿り着かせる気もないが、至る個体があれば打撃で対処
全行程で必要な魔力は『超克』により“外”から汲み上げる
※アドリブ歓迎
月凪・ハルマ
さっさと親玉の顔を拝みに行きたいとこだけど
……そう簡単には辿り着けないか
◆SPD
ま、ここはいつも通りに【迷彩】で姿を隠しながらいこう
正面から派手に戦う猟兵もいるだろうし、手裏剣の【投擲】や
【武器改造】で刀剣状に変形させた旋棍による死角からの
【暗殺】、【潜刃・禍ッ牙】でのUC封じ等でそんな人達を
サポートしつつ敵拠点を目指そう
【忍び足】を駆使。さらに周囲の遮蔽物や敵・味方の攻撃に紛れて
常に【目立たない】様に立ち回る
敵に見付からない様には心掛けるけど、攻撃を受けた場合は
【見切り】【武器受け】【第六感】で回避
元は船とはいえ、壊れた後まで働かされるとはね
これまた随分とブラックな組織だ
※アドリブ・連携歓迎
ラ・ラ・ラ――響き渡るのは、胸の裡をひっかくような悲痛なメロディ。
それは朽ちた者の嘆きであり怨み。生きとし生けるものを羨む歌声。
海原を行こうとする旅人を水底へ沈め、仲間に引きずり込もうとする誘惑だ。
神話に名高き海の怪物・セイレーンを思わせる呪いの歌。
女めいた異形の姿をした船首像たちは、口を揃えて同じ旋律を唱和した。
耳朶から染み込み脳髄と精神を侵す歌声は、互いの傷を癒やす。
心弱き者であれば、よからぬ影響を受けることもあるだろう……。
「さぁて、力ずくってのもちょい野暮かねぇ」
神酒坂・恭二郎は強い精神力で呪歌の影響を抑え、頭を振った。
いかに異形と堕したとて、もとは航海の無事を祈るための船首像だ。
あまり無碍にはしたくない――宇宙の旅人としての慈悲が疼いた。
しかし敵は、そんな恭二郎の優しさを仇で返すような連中ばかりである。
彼が出方を伺っている間に、不気味な速度で間合いを詰めて攻撃しようとする!
しかし両者の間に立ちはだかったのは、不可視の魔力障壁であった。
アルトリウス・セレスタイトが展開した、迷宮『天楼』による障壁だ。
「首魁はこの先か。スルーしようにも数が多いな」
アルトリウスは青い瞳で砦を……そこから溢れる敵を一瞥し、戦況を理解した。
おそらくコンキスタドールが破壊してきたであろう船の残骸は、
まさしく串刺し公の誇った異教徒の死体めいて、無数に連なっている。
さらに砦の中からも、青ざめた肌をした異形の女は次々に現れる。
いまや戦場一体に呪いの歌声が響き渡り、頭蓋の中でがんがんと響く。
アルトリウスは視認した敵を不可視の迷宮内に取り込みながら、思案した。
――汲み上げた魔力は、青白く輝き燐光の魔弾となって、敵に降り注ぐ。
「数が多すぎてそう簡単には辿り着けないか……っと!」
魔弾の輝きと攻勢を味方につけ、密かに月凪・ハルマが戦場を駆ける。
敵の虚を突き死角に回り込み、手裏剣を放って触腕を磔にする。
敵が水かきつきの爪で反撃しようとすれば、それより疾く旋棍が喉を叩いた。
一時たりとて同じ場所に足を止めることなく、影から影へと素早く伝う。
まさしく忍びの技……この乱戦状況はハルマにとって都合がいい。
敵の視界を盗むには、騒がしければ騒がしいほど好都合だからだ。
「しかし、元が船とは言え壊れたあとまで働かされるとはね……」
これまたずいぶんとブラックな連中だ、と冗談めかしつつ、手裏剣を放った。
回転する鉄の星が、くすくすと不気味に笑う船首像の頭蓋を貫いた。
「……すごい。これが猟兵の戦い方なんだ」
そんな男たちの戦いを、セレン・アキシマは興味深げに観察している。
もちろん棒立ちなわけではなく、自慢の銛で敵を薙ぎ払いながらだ。
グリードオーシャンで生まれ育った彼女にとって、
サムライエンパイアからやってきた猟兵は同胞でありよそ者でもあった。
このグリードオーシャンには多くの世界から島々が落ちてくるとはいえ、
彼女はまだ14歳。海のすべてを見てきたわけではないし、
話には聞いたことがあっても見たことのない種族、武器、術式が無数にある。
だからこそ彼らの使う技と力は、好奇心旺盛な彼女の興味を惹いたのだ。
青い魔弾。姿を捉えきれぬ影の技。そして――DOOOOM!!
「うひゃっ!?」
「どうかじっとしててくれよ。痛くはしないさ」
セレンを驚かせた轟音の正体は、恭二郎の起こしたものだった。
彼は風桜子――つまりスペースシップワールドで言う"フォース"を収束させ、
周囲を取り囲む船首像の群れを、円周状に頭上へと吹き飛ばしたのだ。
地面から吹き出す間欠泉めいて炸裂した風桜子は見えない鎖となり、
浮かび上がった船首像どもの異形を拘束。恭二郎はさらに思念を籠める。
破魔の霊力を宿した風桜子は、船首像どもを穢す呪いの邪念を束の間祓う。
くすくすと不気味な笑いはすとんと抜け落ち、女たちの瞳が正気づいた。
――セレンは、敵であるはずのそれらが、救いを求めているように感じた。
「さよならだ。せめて安らかに、な」
ぐるり、と月輪めいて煌めいた風桜子の刃。直後、船首像どもは両断。
どろりと飛び散る血肉は桜めいて解け、そよ風に流されていく。
それもまたおそらく、彼の持つ清廉なサイキックエナジーの賜物か。
最期はせめて安らかに――武士としての情けである。
「あんなことも出来るんだ、面白い!」
セレンは目をきらきらと輝かせ、撃ち漏らした敵を銛で突き刺さす。
先端部が無数の針に変じたそれは、一度食い込めば二度と獲物を離さない。
串刺しにされた船首像は悶え苦しみ、銛から解き放たれようと足掻いた。
「残念だけど、そうはいかない……ってね!」
セレンは両足をどっしりと地面に押し付け、重心を落とした。
そして、力いっぱいに銛を振るう――先端部に船首像を突き刺したまま。
ぶおんっ、と振り回された異形はハンマーめいて周囲の同族を薙ぎ払う!
「ずいぶんと派手な真似をする。処理はこちらが請け負おう」
怯んだ敵の頭上から降り注ぐのは、アルトリウスの魔弾の雨。
それすらも逃れた敵は、ハルマが影から滲み出し一刀両断で仕留める。
あっという間に、周囲の敵は一掃され、砦への活路が拓けた。
「このへんの敵はこんなもんかな。じゃ、俺はこれで」
「えっ、あの……もういない!?」
「素早いねぇ。俺らも先を急ぐとしようかい」
音もなく姿を消したハルマを見送り、恭二郎はじろりと砦を睨んだ。
「せっかくの海の女神を恨みがましい化け物に捻じ曲げちまうような奴には、灸をすえてやらなきゃねえ」
男の義侠心が、あそこに君臨する外道を討てと燃えていた。
「妖精たちを苦しめるようなコンキスタドールだもんね……!」
セレンもまた、海を護るものとして義憤を抱いていた。
目指すべき首魁への道のりは、着々と近づいている!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
露木・鬼燈
下っ端海賊の次は怪物ですか。
これもまた、この島には似つかわしくないね。
彼女たちによる直接的な被害とか出てないと思うけど…
まぁ、敵の親玉を討つには排除する必要があるから。
それに平和に暮らせる島の住人になるわけじゃないしね。
<瞬身焔舞>を発動し、呪炎を纏って突貫!
呪炎の噴射とステップを組み合わせ、残像を発生させる高速移動。
空中すら足場にする立体機動で翻弄。
呪炎で再現した高速徹甲弾で敵陣を抉じ開けて突入!
呪炎を纏った連結刃で陣形を切り崩しながら突破して離脱。
斬った敵の呪いを喰らって力に変えるのを忘れずにね。
削った命は呪いを力に変えて補うのです。
こんな感じで突入と離脱を繰り返すっぽい!
イケルイケル!
夷洞・みさき
咎人を殺すにはあの囲いを越えないといけないんだね。
君達、船の恨みがどんな物か分からないけれど、沈め忘れ去られた恨みなら、僕は兎も角、同胞達はわかってくれるんじゃないかな。
【WIZ】
彼女等に向けて振るう拷問具に慈悲は無い。
七人は一つの生き物の如く、首魁に向けて突き進む。
無残に殺された恨みなら共感可能。
二つの車輪が群れを分ける破壊槌【おびき寄せ】【踏みつけ】
双刀と七尾鞭が傷を広げる【傷口をえぐる】
工具と釘が縫い留める【目潰し】【敵を盾にする】
鉈が隙間に混乱を【暗殺】
ただただ、咎人に【呪詛】と【恐怖を与える】
ところで、僕等の船、船首像壊れているんだけど…、再就職望む者はいるかい?
絡みアレンジ歓迎
桜雨・カイ
妖精さんたちは大変でしたね…。必ず元の暮らしを取り戻しますから、もう少し待ってくださいね。
船首像に対して【援の腕】で呪いに対抗します。
”あなたたちの場所はもっと広くて自由な所では?”
像に触れて「彼女」達がどんな度をしてきたのか見せて貰いながら浄化していきます。
船首像とは船を守る為につける物なんですね。
それをこんな風に呪いを掛けられてしまうなんて…
自分の身を削ろうとするなら【念糸】で像の手を封じます。痛みはないかもしれませんが、自分を傷つけるのは闘う相手でもあまり見たくありません
ここから解放されていいんですよ、あなた達はもう自由です。
呪いの船首像たちは、くすくすと不気味に笑いながら手を伸ばす。
上半身だけ見れば、見目麗しい乙女の姿をしたコンキスタドールである。
腕を伸ばすさまは蠱惑的でもあるが……爪先に籠められたのは呪いの念。
鋼をも切り裂くほどの爪が、すさまじい速度で振るわれればどうなるか。
絡め取られれば、ずたずたにされて全身を引き裂かれてしまうのだ!
「なんて無惨な……あなたたちの真実の姿は、そんなものではないはずです!」
桜雨・カイは彼女らのありさまに悲しげな表情を浮かべ、手を伸ばした。
両手から念の糸が放たれ、襲いかかる船首像どもを縛り上げた。
しかし本命は、糸そのものではなく同時に放たれた浄化の光である。
それは、自らに襲いかかる存在すら慈しみ癒やす優しげな輝きであった。
「あなたたちの場所は、もっと広くて自由なところでは……?
さあ、あなたたちの船首像として経てきた旅を、私に見せてください」
呪われた船首像……その名のとおり、彼女たちはもともと船の一部だった。
しかし朽ち果てメガリスの呪いを浴びた結果、いまの有様になったのだ。
カイは問いかけによって彼女たちの記憶を想起し、呪いを払拭しようとする。
……しかし、コンキスタドールの呪詛による汚染は予想以上に重い……!
浄化の光を拒むように、船首像どもは自らの身体を切り裂こうとする。
カイは眉間に皺寄せ、それだけは防ごうとさらなる糸で身体を縛り上げた。
「自分を傷つけて戦う姿なんて、敵であろうと見たくありません……!」
「――それならば、やはり終わらせてあげるのが慈悲というものだろうね」
という言葉とともに、夷洞・みさきの放った処刑具が終わりをもたらした。
双車輪が破城槌めいて獲物を轢殺し、双刀と七尾鞭が死にかけの敵を仕留める。
糸の結界をかいくぐり襲いかかる敵は、工具と釘が地面に縫い止めた。
そして足止めされた敵の喉元を、鋭利な鉈がばっさりと両断するのだ。
まさに無慈悲な処刑。しかし、呪われた生に終わりをもたらすという意味では、
みさきと彼女の同胞"たち"――ユーベルコードの力で今一度現世に招来された六人の咎人殺し――の暴力は、船首像たちの恨みを汲んでいるかのようだった。
「……呪いを浄化し、元通りにしてあげようというのは、過ぎた願いなのでしょうか」
「僕は咎人殺しだからなんともいえないな。ただ、間違ってないとは思うよ」
そう言って、みさきはカイに船首像どもの姿を見るよう指し示した。
……倒れ伏す船首像の顔は、みなどれも安らぐようであった。
みさきと同胞たちの攻撃は、咎人にその罪にふさわしい恐怖と呪詛を与える。
浄化の輝きで呪いを払拭された彼女らには、終わりは一瞬で訪れたのだ。
オブリビオンである以上、それをくつがえすことはもはや出来ない……。
しかし少なくとも、コンキスタドールとしての死は、救済なのかもしれなかった。
「本来であれば、僕らは滅多なことでは咎人の恨みには共感できないんだけどね。
僕も同胞たちも、彼女らからは無惨に殺された被害者の恨みを感じたよ」
ゆえに、咎人殺しの刃は慈悲はなくとも憎悪もなく、淡々と処刑する。
……だからといって、カイの無念が消えるわけではないが……。
「これが首魁のコンキスタドールの仕業なのだとしたら、許せません……!」
「そういうことだね。すぐに事態を終わらせたいなら、頭を叩くのが一番さ」
みさきの言葉に頷き、カイもまた新たな念糸を紡ぎ、敵陣突破を目指す!
しかし敵の数は多く、ふたりの進撃はそう簡単には進まなかった。
そんなふたりを助けたのは、背後から吹いた一陣の疾風と、その主だ。
「恨みがあるわけじゃないけど、平和に暮らせる島の住人になるわけでもなし。
邪魔をするなら、せめて苦しまないように仕留めさせてもらうっぽい!」
露木・鬼燈は呪いの炎を噴射し、ジェット機めいた速度で敵陣に飛び込む。
そして空中を多段ジャンプするような鋭角的立体機動で敵を翻弄すると、
全方位に呪炎を纏った徹甲弾を放射、そして連結刃で敵の首を刎ね飛ばす!
「さあさあ、前に進むっぽい! まだまだ先は長いのですよ!」
鬼燈は後ろに続くカイとみさきに言い、自らはさらに前へ突撃した。
ともすれば、待ち構える船首像どもに袋叩きにされかねない危険な奇襲攻撃だ。
だが鬼燈は残像すら生み出すほどにスピードを高め、敵を翻弄する。
危険の只中に自らの命を預け、一瞬の舞踏のなかでチップを取り戻す……。
己の命を賭けることを厭わぬ忍びだからこそ出来る、リスクの高い戦術であった。
「こいつら、よっぽど呪いの力が強いっぽい……恨みが遺ってるのかな?
それともコンキスタドールの親玉がそういう風に作り変えたのか……」
鬼燈は、連結刃を通じて流れ込む船首像の呪詛の力に顔を顰めた。
呪いを食らう刃は、敵が呪詛を孕んでいればいるほど力を増す。
それは、船首像どもがそれだけ現世を、生者を呪っているということ。
もともと船の一部でしかなかった彼女たちを、それほどに汚染するとは……。
メガリスの力を警戒すべきか、統率するコンキスタドールを警戒すべきか。
どちらにせよ、彼女らをしもべとする首魁の仕業であることは明白!
呪いの炎を纏って戦う忍びだからこそ、鬼燈にはその悪逆非道が理解出来るのだ。
「島一帯を支配するような敵です、簡単に勝てるでしょうか……?」
「イケルイケル! この調子なら僕らが敗けるはずはないっぽい!」
「同胞たちも楽しみにしているよ。首領の禊の瞬間をね」
そして三人は敵陣の中央を突破し、コンキスタドール仮設砦を目指す。
この島の平和を取り戻すには、首魁を倒す以外に道はない……!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ケンタッキー・マクドナルド
うぇっぷ人様の事さんざ揉みくちゃにしてくれたなアイツら……なんて緊張感のねェ奴らだ糞。
にしても、へェ。船首像……要はヒトガタ、"人形"かよ。
俺に人形で勝負挑もうたァ笑えるな。
――――。
つゥかテメェら何テメェでテメェらの身体削ろうとしてやがる。
それでも船の象徴たる像かよ。
あ り え ね ェ。
カチンときた。寧ろ閃いた。
"天獣"、出番だ。
("インスピレーション"に従う。天獣で「繰り糸」を創出。既に倒れた船首像なりに接続し、俺自らそれを「人形」として操る。(操縦+武器改造+パフォーマンス))
繰り糸の余りと船首像の脚とで連中の動きを封じる。
人形が傷つくのも自傷って奴も気分が悪ィんだよ。
◆アドリブ連携歓迎
玉ノ井・狐狛
おたくの手下どもと違って、だれかをいたぶり殺す趣味はないんだけどなァ。だからそんなにカッカするなよ。
つっても聞いてないか。
仕方ねぇな、とりあえずはお片付けだ。
◈狐火。シンプルに火で攻める。
どこぞの英雄サマが、魔獣の首を焼いて再生できなくした……っつー話があるだろ?
それにあやかろうってワケさ。
▻焼却▻傷口をえぐる▻継続ダメージ
歌とやらを使うなら、それはそれでいい。
姿を見るに、ずいぶんと“いきもの”に寄ってるみたいじゃねぇか。
だったら煙(▻毒使い)や、体内を焼かれるダメージは大きいだろう。
ただの像なら、もうちょっと保ったろうけどな。
とどのつまり、再生能力なんてのは、ジリ貧になりやすいってこったぜ。
シノギ・リンダリンダリンダ
あぁ、可哀想な船
船の残骸の死霊たち。お前達の無念は私が晴らします
えぇ晴らしてあげますので。とりあえず今はぶちのめされてくださいね?
ゴーストキャプテンとして語り掛けつつ、【飽和埋葬】で召喚した死霊を侍らせて突撃
各々が持つカトラスで短銃で斧で剣で槍で「呪詛」を込めて「傷口をえぐり」、「恐怖を与えて」「蹂躙」する
他の猟兵の方々が付けた傷口を執拗に狙い、「援護射撃」などをしつつ
相手が物量で攻めるのでしたらこちらも相応の物量で挑みます
舟歌には共感できてしまう
無念でしょうね。こんな場所で打ち捨てられ、コンキスタドール程度に使役され
海を駆けたいでしょう。自由に駆け巡りたいでしょう
その想い、私が背負いましょう
シズル・ゴッズフォート
―――悲しいものです
本来、船首像とは航海の安全を祈願するための「信仰」とも言える物でしたのに……。
オブリビオンと成り果てれば、こうも禍々しくなる。実に嘆かわしい。
初撃はバイクでの加速を乗せた大質量●シールドバッシュで機先を制する
以降はバイクから素早く降車し、自身に敵集団の注目をある程度集めた上で斬り込んでいく
触腕や爪の攻撃は、●怪力を乗せた大楯でを叩きつけることでの攻防一体の打撃で対処
可能であれば最短の動きで騎士剣を振るい、UCで船首像の首を刈り取っていく
……せめて次は、最後まで船を護る船首像で在れるよう祈っております
『船の残骸の死霊たちよ……聞こえますか……?』
くすくすと不気味に笑っていた呪いの船首像たちは、
突如として頭の中に響く謎めいた声に、笑みをなくし周囲を見渡した。
この声は、死霊に声を届かせるゴーストキャプテンのものだろうか……?
『船首像としての役目を奪われ、コンキスタドールに使役される可哀想な者たち……。
お前たちの無念は私が晴らしてあげましょう。もう悲しむ必要はありません……』
どうやら声の主は、海賊として船の残骸たちに思うところあるようだ。
『――ええ、晴らしてあげますので、とりあえず今はぶちのめされてくださいね?』
「っていきなりバイオレンスすぎんだろうがァ!?」
その声を聞いていたケンタッキー・マクドナルドは思わずツッコミを入れた。
声の主……シノギ・リンダリンダリンダも、てへぺろ顔で頭を叩く。
「いやあ、最後に本音出ちゃいましたねこれ。失敗失敗☆」
「失敗失敗☆じゃねェよ!? 説得ならもっと穏やかにやれや!!」
「――ま、もともと連中は聞いちゃくれねえみたいだけどなァ?」
漫才を繰り広げるふたりに、玉ノ井・狐狛は言った。
ぎらりと双眸を不気味に輝かせ、触腕をのたうち爪を研ぐ女どもの眼光!
「悲しいものです……しかし、立ちはだかるならば、斬るのみッ!」
ゴアアアオオンッ!! と怪物じみた咆哮とともに、バイクが頭上を通過。
シズル・ゴッズフォートの駆るマシンが、敵陣にチャージを叩きつけた。
それが、一同の戦いの火蓋を切る合図となったのだ!
「まあ仕方ありません、そもそも説得など海賊らしくありませんからね!!」
「じゃアなんで最初にそれチャレンジしたんだよワケわかんねェな!?
あァ、糞ッ! あの平和ボケした同族(フェアリー)どもといい調子狂うぜ!」
シノギに呆れつつ、ケンタッキーもまた無数の糸を手繰り寄せた。
見た目はフェアリーであろうと、彼は超一流の人形遣いであり造形師。
彼自身の生み出した"天獣"の破片を与えれば、敵をも操れてしまうのだ!
「"天獣"、出番だッ! テメェの身体を削るような糞を乗っ取っちまえ!!」
人形という概念に思い入れのあるケンタッキーにとって、
敵を殺すためなら自分の身さえ削る船首像どもの振る舞いはカチンと来たらしい。
いくら呪いで汚染されていようと、船の象徴が己を削るなどあってはならない。
ならば、ふさわしい振る舞いをさせればいいのだ……自ら操ることで!
「よく見とけ糞ボケコンキスタドール! こォれが人形の使い方だァ!」
別の生き物のような速度で動く船首像が、哀れな同族を引き裂き、砕く!
ケンタッキーの操る船首像を先頭として、狐狛とシノギも攻め込んだ!
「さァて、あの不気味な歌声で回復されちまうとこっちがジリ貧だァ。
――てなワケで、シンプルに火で攻めさせてもらうぜ? 来な、狐火!」
「ここが船の上なら火気はご法度ですが、地上なのでヨシ! 総員抜刀ですよ!!」
狐狛の生み出した狐火が、邪悪な呪歌の唱和で回復しようとする異形を燃やし、
さらにシノギの召喚した死霊海賊たちが、カトラスを振り上げ攻め込む。
敵の足並みを乱すのは、バイクで突っ込んだシズルの猛剣戟である!
「命が惜しいならば道を開けなさい! でなくばすべて叩き伏せるのみ!
――……騎士として、せめて最期はこの剣のもと慈悲を与えましょう」
シズルは爪撃や触腕による絡みつきを大盾でガードし、騎士剣で薙ぎ払う。
獣の膂力をものとした彼女の猛撃は、一撃ごとに複数体の敵を吹き飛ばすのだ。
斃れた船首像には無数の狐火が降り注ぎ、呪歌による回復を許さない。
それはまるで、朽ちてなお使役される船の残骸への弔いのようでもあった。
船首像どもは、セイレーンめいた悲しみの歌声で呪歌を謳う。
朽ちゆく仲間を悼むように、あるいは生者すべてを呪うように。
狂乱の戦いのさなか、シノギは無念そうに頭を振った。
「こんな場所で打ち捨てられ、コンキスタドール程度に使役され……。
海を駆けたいのでしょう、自由に駆け巡りたいのでしょうに……嘆かわしい」
「とはいえ、同族に成り下がっちまってンなら滅ぼしてやらねえよなァ?」
「……わかっていますよ。大海賊として、彼女らの無念は私が背負います」
「ハッ、"大"海賊を名乗るだけあって豪気じゃねえかい。悪くないぜ」
シノギの言葉に、狐狛は愉快げに片眉を吊り上げた。
船首像たちとて、こんな異形に成り果ててまで陸に取り残されたくはあるまい。
串刺し公の贄めいて林立する船の残骸は、明らかに首魁の趣味だろう。
かつては彼女らも、名だたる海賊や冒険商人を乗せこの海を旅していたのだ……。
「それが、いまではこうも禍々しく成り果てるとは……!
もしかすると、あの妖精たちもこんな風になっていたのかもしれません」
「ンなこたさせねェよ、平和ボケしていようが同族は同族だからなァ!
"人形"を操る者の資格と格の違いってヤツを見せつけてやろうじゃねェか!」
ケンタッキーはさらなる船首像を新たな操り人形として手繰り、
顔を顰めていたシズルもまた、気を取り直して快進撃を続けた。
獣騎士の女が切り開いた道を、短銃やカトラスで武装した死霊海賊が続く。
まさにそれは、悪逆なるコンキスタドールを討つ十字軍の遠征めいていた。
技も種族も、生業も立場も信念も異なるが、目指す先と意志は同じ。
それこそが猟兵の強み。この強欲なる海に漕ぎ出した新星たちの力なのだ!
「さあ進みましょう! ここは陸の上なれど、吹きすさぶは戦の大海原!
噛み砕いて言うと海賊的にこの状況が気に食わないので敵はぶちのめします!!」
「だからもうちっとクールな表現とかねェのかよ!?」
「ハハハッ! いいじゃねェかい、やるこた変わんねえんだしよぅ!」
シノギの言葉に呆れるケンタッキー、愉快そうに呵々大笑する狐狛。
「そういうことです――海賊/猟兵の流儀を教えてやりましょう!」
そして大海賊の号令のもと、猟兵たちは一個の船めいて敵陣を切り裂き進む。
目指す先はひとつ。邪悪なるコンキスタドールの玉座!
呪われた船首像たちの無念を晴らし、妖精たちの平和を取り戻すため、
騎士と人形師と博徒と海賊は、並み居る敵を滅ぼし快進撃するのだ!
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
シオン・ミウル
織愛(f01585)と
前哨戦ってとこかな。肩慣らしにはちょうど良さそうだよ。
船首像って安全祈願とかそんなのなんだっけ。まあ沈んじゃってる訳だし祈願もむなしかったね。
俺、笑われるの好きじゃないからさー。黙らせてやっちゃおう。
と言ってもあんまり熱血するのもガラじゃないんだよね。
軽く飛んで船首像の動きを観察しながら織愛のサポートをしようかな。
織愛の死角に敵が入らないよう全力魔法で風の刃を送ろう。
こっちに向かってくるならそれはそれ、上空にいる分攻撃軌道も読み易いだろ。……背中向けちゃっていいのかなあ。後ろに怖いお姉さんがいるよ?
自身の周囲には風の幕を張って、回避はせずにカウンターを狙っていこう。
三咲・織愛
シオンくん(f09324)と
王様気分で島を占拠しているなんて……!
お顔をぼこぼこ島にしてあげましょう!!
先ずは肩慣らしですね
コンキスタドールはぼこぼこにするつもりですけど、
今回はノクティスと共に戦いましょう
私もくすくす笑われるのは好きではありません
今一度、今度は地に沈めてあげましょう!
見切りと武器受けで攻撃をいなしながら、
急所を狙って串刺しをしていきます
人の身体と似通っているのなら、首か心臓付近でしょうか
動きが止まらなければ、力を溜めて串刺した後に地面に叩きつけましょう
シオンくんには向かわせません
殺気を籠めて槍を投擲、回収後も同じ要領で動きましょう
首魁を引きずり出すまで、止まりませんよ!
くすくす……くすくす……。
朽ち果てた船の残骸は、美女とタコをくっつけたような異形の怪物に変じ、
薄気味悪い不気味な笑みを浮かべ、やってくる猟兵を迎え撃つ。
すでに相当の数が倒されているが、行く手を阻む敵はまだ多かった。
「呪いで変じた怪物を従えて、王様気分で島を占拠しているだなんて……!
これがこの世界のオブリビオン、コンキスタドールの仕業なんですね」
三咲・織愛は相棒の竜槍ノクティスを強く握りしめ、嫌悪に顔を顰めた。
どんな世界でも、オブリビオンのやることは変わらない。
無辜の民を苦しめ、自らの悪意の赴くままに世界を蹂躙するのである。
グリードオーシャンは海流や天候の影響で島々の文化が途絶しているため、
ほかの世界以上にこうした蹂躙を止められる者が少ないのだ……。
「ま、本番に向けた前哨戦ってとこかな。肩慣らしにはちょうどよさそうじゃない?
安全祈願だかなんだかの船首像が呪いの怪物に変わるなんてね、怖い怖い」
などと言いつつ、シオン・ミウルの表情も険しいものに変わっていた。
恐怖? いや、違う。彼は、あの不気味な笑いが気に食わないのだ。
こちらの内心を見透かして嘲笑っているような、あの笑い声が。
「といってもあんまり熱血するのもガラじゃないし、織愛、任せるよ。
いつものとおりサポートはするから、いつもみたいに切り拓いちゃって」
「もちろんです! 背中は預けますよ、シオンくん! 前は任せてくださいっ!」
織愛はシオンの言葉にふんすと鼻息荒く頷いて、さっそく地を駆けた。
船首像の群れは不気味な呪歌を唱和し……なぜか、突然自分たちの身を切り裂く!
そして呪われた血をどろどろと流しながら、触腕と両手の爪で襲いかかるのだ。
「あいつら……自分を傷つけてスピードアップしてるのか? 気持ち悪いなあ」
シオンはその自虐的な攻撃手段に顔を顰めつつ、風の刃を生み出した。
牽制の風刃が織愛の頭上すれすれを飛び越え、敵の第一陣に到達すると、
まず伸びてきた触腕がスパスパと切り裂かれて、あちこちに転がる。
ボトボトと地面に転がった触腕の欠片は、地面の上で不気味にのたうっていた。
「ここは通してもらいますよ、邪魔しないでくださいっ!!」
織愛は裂帛の気合で敵の雰囲気を吹き飛ばし、そして竜槍を横薙ぎに振るう。
大地を削る威力がごおうっ!! と衝撃波を起こし、迫りくる爪を防いだ。
四方八方から襲いかかる攻撃の前には、足を止めてしまったら劣勢あるのみ。
織愛の仕事は、敵陣を切り拓き後衛のシオンを護ることなのだから。
「織愛、横!」
「はいっ!」
背後のシオンからの声に従い、織愛は槍を支えにサイドキックを繰り出した。
死角に回り込もうとしていた船首像が、脇腹に痛烈な蹴撃を食らう。
敵が背後の三体を巻き添えに吹っ飛んだことで、包囲網に抜け目が生まれた!
「……あなたたちも、望んでそうなったわけではないのでしょう。
ならばせめて、一撃で終わらせてあげます……痛みは、ありませんよ」
織愛は心臓を狙い、槍を突き出した――ゴムの塊を貫くような感触。
青白い肉を裂いて胸部を貫いた穂先から、大量の血が吹き出す。
織愛は貫いた敵の身体を投げ飛ばすことで、さらに向かってくる敵を押し込む。
そして頭上でぐるぐると槍を回転させ、思いきり地面に突き立てた!
ごんっ!! と大地が揺れ、放射状に裂けた地面から大量の砂が溢れ出す。
煙幕代わりに敵の視界が遮られ、シオンが支援攻撃を放つための隙が生まれた。
「んー、狙いは首かな……この状況だと一発ってわけにはいかないなあ」
面倒そうに呟き、シオンはいくつかの風刃を生み出して砂煙の中に解き放った。
砂塵を切り裂く風刃が、ギロチンめいた鋭利さで敵の群れを斬首する。
心臓や頭部を失った呪いの怪物は、急速にミイラ化しながらどさりと斃れた。
あとに転がるのは、バラバラに砕け散った船の残骸の成れの果てある。
彼女らはすべて、コンキスタドールとメガリスの魔力で怪物に変じたもの。
航海の武器を祈り、船員を護るために作られたモニュメントの無惨な姿に、
織愛はつかの間センチメンタルな感傷を憶え……そして、振り払った。
「ここで足は止めていられませんっ! ……ノクティスっ!!」
織愛は大地を踏みしめ、あらん限りの力を籠めて槍を投擲する。
どぉうっ!! と大気を吹き飛ばし、レーザーのようにまっすぐ突き抜ける竜槍!
敵の群れのど真ん中を吹き飛ばし、ふたりが進むための道を拓く!
「いまのうちです、シオンくん!」
「はいはいっと。まだまだ敵はいそうだけどね」
「すべて蹴散らしますよ。私たちは、止まりませんっ!」
シオンと織愛はその隙に戦線を駆け抜け、戻ってきたノクティスをキャッチ。
風の障壁で敵の反撃を防御しながら、砦目指して進軍を続ける――。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アコニィ・リード
な、何アレ……何だか聞こえるけど……
悲し気な歌声。一体何があったんだろう?
でも――ごめんね
わたし達も、それで引く訳にはいかないの
先ずは迎え撃たないと
X8をアサルトライフル形態に組み替えて
襲ってくる怪物に撃ち方用意!
武想界砲――[地形の利用][制圧射撃][継戦能力]
セット完了、攻撃開始!
前に出て来られない様にひたすら弾幕を張るよ
そうすればあの歌声も通り難くなる筈だから
聞こえなければ治療は始まらない
そこを一気に攻め立てる!
海中に足を取られない様に空を飛んで空中戦の要領で攻撃するね
万が一海中に引き摺られたら
無酸素高速詠唱の全力魔法――風の属性攻撃で大元を狙って
海中に出来た空間から敵を狙撃してやるわ!
セゲル・スヴェアボルグ
船っつーのはそういう使い方をするもんじゃないぞ。
船なら船らしく、水面に漂うってのが筋ってもんだ。
無論、潮流に逆らって進むなんざ、風でもなきゃ面倒だ。
だったら、流れに身を任せた方が楽だとは思わねぇか?
身軽になるってことは流されやすくもなるってことだ。
随分御大層な爪だが、早くなったところで届かなければ意味はない。
俺の槍よろしく、投げられるってわけでもないしな。
まぁ、一度海に還ったなら、大人しく海の中に沈んどけ。
主のいない船なんざ、海の上では露ほどの価値もねぇだろう?
フェルト・フィルファーデン
これだけ散々やられたのに、懲りないわね……ええ、アナタ達がそういう態度なら、こちらも力づくでいきましょう。妖精達の大切な居場所、返してもらうわよ?
数には数よ。UCで70の兵士人形を呼び出し、陣形を整え敵を蹴散らしながら突き進むわ。30の兵は前に出て盾を持ち、20の兵はその後ろで槍を構え、更にその後ろで残り20の兵は弓矢を構えなさい。
弓矢で【援護射撃】をしながら進軍よ。爪の一撃を【盾で受け】防ぎ、その隙に槍で貫き仕留めるわ。
……ええ、わたしだって本当は冒険とか観光とか楽しみたいもの。自然もいっぱいだし同族の方もいっぱいいるしお話もしたいし……そういうわけでこの諸々の怒り、ぶつけさせてもらうわよ!
ヴィクティム・ウィンターミュート
よーし、順調順調
敵の拠点も割れてることだし、楽な仕事さ
つってもどうせ、『衛兵』を用意してんだろうな
涙ぐましい努力、お疲れさん──電撃作戦のお時間だ
なーに、すぐに悲鳴も無いまま…凍り付くさ
人員は多ければ多いほど良い、音頭は俺が取る
まずは簡単なミスディレクション
音で、物で、意識を一瞬でも向けさせる
派手にやる奴が居るならそいつに注目してる間でも良い
各々が最も得意な『殺し技』で、一斉に首を獲る
再隠密が不得手ならそのまま暴れな!
出来る奴はもう一度意識の外へ
そして再び、凍り付くような死を振りまいてやるのさ
理論上、先制攻撃で仕留め続ければ絶対に負けない
不可能だと思うか?
いいや、出来るさ──脚本は揺るがない
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
この海の果てに、一体何が…?それを手に入れた人はきっと海賊王に?
凄いワクワクする。だって、見た事もない、景色がきっと待ってるから。
飛威、ちょっとオープニング……遅い?そう、それはとても残念。
これだけの数がいるって事はそれだけ船が壊れたって事。
そうなると積み荷も集められているって事。……成程、この先に。
それなら道を開けてもらわないと。あなた達に罪は無いけどごめんなさい。
散って動かれると狙いも絞りにくいし、皆集める様に動いてみて。
そうそう、いつかやった羊さんの群れを追い込むみたいに。
集まってくれてればやる事もやりやすいし、でも相手の話は聞いてから、ね。
鳴宮・匡
結局、何のために自分がここにいるのか
こうしている今だって、よくはわからない
……今考えることじゃ、ないんだろうけど
数がいるだろうし、囲まれないように立ち回るよ
必要に応じて他の猟兵とも連携する
まずは、数を減らすことから考えるか
【死神の咢】で重心を支えている触腕を狙撃
破壊できれば最良だけど、少なからずバランスを崩させられればいい
追撃で頭を撃ち抜くよ
それでもまだ動くようなら胸、腹と続けて破壊する
……これだけの惨状だ
かなりの略奪を繰り返したんだろうな
それでも、多分
この両手が奪った命の数よりはまだ、少ないだろう
…………結局、奪わなきゃ生きられないのは同じで
なのに自分は、この先にどんな意味を求めてるんだろう
……フェルト・フィルファーデンは、とにかく怒っていた。
島の住民を苦しめ、我が物顔で君臨するコンキスタドールへの怒り。
猟兵の道を阻まんとする、呪われた船首像たちへの怒り。
この世界にはびこるオブリビオンへの怒り……さまざまな怒りが燃えている。
いくら彼女が勇敢に敵に挑む王女だとして、フェルトはまだ13歳の少女だ。
初めてやってきた異世界で、気楽に冒険してみたいという憧れがあった。
同じフェアリー……といってもこの島の妖精たちは祖を異なる可能性もあるが……と、いろんなことを語らってみたいという欲求もある。
そんな楽観的希望は、コンキスタドールどもが奪い去ってしまった。
オブリビオンとは、そういうものだ。いつもいつも不幸と哀しみを引き起こす。
「妖精たちの大切な居場所、返してもらうわよ! 兵たちよ、弓を構えなさい!」
フェルトの号令に応じ、まず最前線に妖精騎士の人形たちが立つ。
その背後には70体の兵士人形が召喚され、弓と槍と盾を構え、進軍した。
シュパパパパ……と放たれた鏃が、不気味に笑う船首像の群れに降り注ぐ!
「よーし、いいぞ。その調子でどんどん波状攻撃を仕掛けていくんだ。
数は多けりゃ多いほどいい。奴らに戦列を整える隙を与えるんじゃねえぞ!」
フェルトの総攻撃に乗じ、ヴィクティム・ウィンターミュートが檄を飛ばした。
こうした乱戦、大人数と大人数のぶつかり合いは端役を標榜する彼の真骨頂。
敵と味方の戦力を分析し、より効率に動かすことにかけて、
ヴィクティムほど卓越した猟兵は片手の指で足りるかどうか、だろう。
彼はそれほどに多くの戦場を駆け抜け、そして指揮し、勝利に導いてきた。
居場所が割れた敵を攻め落とすなど、赤子の手をひねるより容易いのだ。
「なら、俺がひとつ大波を起こしてやろう。陸の上だろうが変わりゃあせんとも。
船っつーのがどういう使い方をするものなのか、思い出させてやろうじゃないか!」
青き竜人セゲル・スヴェアボルグはふんと鼻を鳴らし、大槍を地面に突き刺した。
すると突き立てられた鋒からごぼりと海水が溢れ、大波が生じる!
ざばああ、と溢れた大量の海水は、文字通り敵の群れを洗い流してしまう。
島の上だろうと、海から遠き宇宙の世界であろうと、
セゲルが立つ場所こそが大海原であり、彼の独壇場なのである。
吹き出す波濤は、船首像どもの呪詛をも洗い流すほどに荒々しかった!
「これだけの数がいるってことは、それだけ船が壊れたってこと……。
……ということは、それだけの積み荷がこの先に集められてる……?」
いっぽう神元・眞白は、なんだか別の方向に別な理解をしていた。
うん、と頷いてユーベルコードを発動したあたり、やる気はアップしたらしい。
……まあコンキスタドールは略奪者だ、たしかに物資は備蓄されているだろう。
おそらく、その大半はこの島の妖精たちから巻き上げたものだろうが……。
ともあれ彼女の召喚した大量の戦術器……からくり人形の軍勢が、
フェルトの妖精騎士たちと並んで敵を包囲し、セゲルの波濤に飲み込ませた。
敵を上回るほどの大規模攻撃が、船首像の群れの第一陣を薙ぎ払う!
「……な、何アレ? なんだか聞こえてくるけど……」
敵の第一波が駆逐された直後、アコニィ・リードは何かを聞きつけた。
くすくすという不気味な笑い声ではない……同じ不気味ではあるが、
それはどこか悲しげな、呪われた船首像どもの唱和であった。
判別しがたい異言は、おそらく恨みと嘆きの詩を旋律に載せているのだろう。
すると……見よ。第二、第三の船首像どもの群れが、力を増していく!
あの歌声は、敵の傷を癒やし力を増幅させる呪詛の力を持っているのだ!
「囲まれると厄介だな。まあ、ヴィクティムが攻撃の号令をかけてくれるだろ」
鳴宮・匡はアコニィと違って、その呪歌に心を乱されることはなかった。
船首像たちの、歪められたありさまに思うところがないわけではない。
彼女らはもともと、船員と航海の無事を祈るためのモニュメントだったのだ。
それがいまでは、邪悪なるコンキスタドールの手下にされている。
もしも彼女らにヤドリガミめいた意志があるなら、さぞ無念なことだろう。
……しかし、そんな人間的感傷は、人でなしを標榜する彼にはそぐわない。
そんなセンチメントな感情を抱くことが己には出来ないと匡は思っているし、
事実、襲いかかる敵の群れを迎撃する彼の指先は、羽根のように軽かった。
BLAMN!! ハンドガンは正確に敵の眼窩を捉え、弾丸が呪われた頭蓋を突き抜ける。
形のいい美女めいた頭部の半分が吹き飛んでも、匡は顔色を変えない。
アコニィはそこではっと我に返り、自らもアサルトライフルの引き金を引いた。
攻撃のチャンスを得るまで、自分たちが斃れるわけにはいかないのだ……!
「そ、そうだ。まずは迎え撃たなきゃ……わたしたちも、退けないんだよ!」
BRATATATATATA! アサルトライフルの弾丸が、襲い来る触腕を迎撃した。
ちぎれとんだ残骸は不気味な青ざめた血にまみれ、地面をのたうつ。
その生物的な不気味さに、アコニィは何か名状しがたい恐怖を憶えた。
船首像が怪物めいた姿に変じる行程を想像しかけ、彼女は思索を振り払う。
戦場で余計な思考に囚われれば、待っているのは死あるのみ……。
無表情で頭部を、それでダメならば敵の胸や腹をバーストし殺す匡の姿は、
まだ経験浅き猟兵であるアコニィに、その鉄則を叩き込むかのようだった。
カーテンのような水の壁を突き破り、鋼をも切り裂く爪が突き出される。
セゲルはフェルトの人形たちと並んで、大槍で爪の攻撃を迎え撃った。
「いかんせん数が多いな! こいつを抜ければ突破出来るだろうが……」
「ええ、それだけ護りも厚いということね。けれど負けていられないわ!
騎士たちよ、さらに前へ! 第一部隊は支援射撃、第二部隊は同時に突撃なさい!」
フェルトの号令のもと、兵士人形たちはファランクス陣形を組む。
そして猟兵たちの武器を絡め取ろうとする触腕を、騎士の大盾が阻んだ。
その隙に弓矢が放たれ、入れ替わりに槍を構えた部隊が突撃するのである。
眞白の呼び出した人形たちが敵の両翼を囲み、挟撃を防いではいるが、
いかんせん一体ごとの戦力差が大きい。戦線は硬直状態にあった。
だが。
「ハッ、涙ぐましい努力だぜ。こっちに気を取られてる時点で術中さ。
てめぇらは所詮雑兵、指揮官は砦の奥に籠もって高みのご見物だ」
ヴィクティムは不敵に笑い、周囲に投影したARウィンドウを走査する。
優秀な指揮官があちらについて陣頭指揮を取っているならばまだしも、
数と戦力に任せた雑魚が布陣された程度ならば、やりようはいくらでもある。
そして……ヴィクティムの望んでいた一瞬がやってきた!
『匡、いまだ。スロット・アンド・ランだぜ!』
『了解。横から攻める』
思考速度のニューロン対話の直後、匡とアコニィが電撃的奇襲を仕掛けた。
数はふたり。ともに、大規模に範囲攻撃の出来る装備ではない。
しかし――四人に意識を割かれた敵の群れは、ふたりの奇襲に対応できない!
「撃ち方用意――セット完了! さあ、反撃させてもらうよっ!」
BRATATATATATA!! アコニィのアサルトライフルが焼け付くほどに吠える!
弾丸と同時に放たれた魔力波動が、敵の呪歌を乱し、連携を崩す。
そして地面すれすれを迸るのは、匡が触腕を狙い放ったバースト射撃だ。
一発一発の弾丸が吸い込まれるように触腕を貫き、文字通り足並みを乱した!
大量の敵を掃討することが出来ずとも、機動力を削げば動きは鈍る。
ようは、敵の陣形を崩壊させればいい――すると、こうなるのだ。
「……進軍の時間よ! わたしの絡繰の騎士たちよ、最前線を駆け抜けなさいっ!」
まずフェルトの高らかな声が響き、次いで妖精騎士たちが槍を構えた。
一個の破城槌のようになった人形の軍勢が敵を正面から打ち崩す。
敵は奇襲攻撃に見事に意識をそらされ、大軍への防御を怠ってしまったのだ。
矢が動きを止めた船首像の頭部を貫き、槍の穂先が胴体を串刺しにする!
「みんな、続いて。羊を追い込むみたいに、水も漏らさず包囲するの」
今や、敵を取り囲むのはコンキスタドールではなく猟兵のほうになっていた。
横に広く布陣していた眞白の人形たちが横列をなし、敵を圧迫する。
触腕を破壊された船首像どもは、これを跳ね返したり撤退することが出来ない。
そこへダメ押しのように襲いかかる、セゲルの生み出した大波!
ざばあ――!! と大地を洗い流す海水が、呪われた怪物を飲み込んだ!
「ハァハハハ! まあもともと船の残骸なんだ、そのまま海の中に沈んどけ!
主のいない船なんざ、海の上では露ほどの価値もねぇだろうからなあ!」
「うわ、すごい……! こっちも頭上から攻め込むよ!」
空中機動で上空を制圧したアコニィが、波間の敵を狙撃する。
大波をかろうじて踏みとどまっても、こうして怪物は除外されていく。
まさしく二段構えの奇襲攻撃……これが、ヴィクティムの策だったのだ。
「……まさか、ここまでうまる嵌るなんて」
「理論上、先制攻撃で仕留め続ければ絶対に負けないのさ。
俺の脚本に不可能はねえよ。どんな戦況だって覆すのが、一流の仕事だぜ」
眞白の言葉に、ヴィクティムは得意のニヒルな笑みを浮かべた。
「潜伏してた敵は片付けたよ。もうここにいる連中で最後だろう」
「おう、ご苦労さん、匡。……あ? どうした?」
報告にやってきた匡の顔を見て、ヴィクティムは訝しんだ。
匡は頭をかいて「なんでもない」というが、戦友である彼にはわかる。
あれは、「どうして自分がここにいるのか」って考えてる顔だ。
「……行こうぜ。まだ仕事は終わっちゃいない」
「おう。ま、そこに関しちゃお前は信頼してるよ」
男たちはそう言って、仮設砦を見上げた。
強欲の海にはびこる邪悪の一角が、おそらくあの先にふんぞり返っている……!
成功
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第3章 ボス戦
『略奪船長』
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POW : 海賊船長の長口上
自身の【敵を見下して悦に入り虚栄心を満たす欲求】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD : 海賊流戦闘術
いま戦っている対象に有効な【取り回しの良い片手武器】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : 彷徨える海賊船
【ボロボロのカトラス】で武装した【ガリガリに痩せた奴隷戦闘員】の幽霊をレベル×5体乗せた【朽ち果てた海賊船】を召喚する。
👑11
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「ワシの下僕どもが全滅しただとォ!?」
パラフェイノ島中央部、仮設砦の執務室。
部下からの報告を受け、コンキスタドールの首魁は舌打ちし、机を殴りつけた。
その姿は、まさに絵に描いたような邪悪な海賊の船長そのもの。
室内には、様々な船から略奪した宝物や、妖精たちから徴収した物資が転がる。
「ええい、この島も潮時か……。仕方あるまい。錨をあげろォ!!」
「「「アイアイサー
!!」」」
下級コンキスタドールどもが、ボロボロのカトラスを振り上げる……すると!
ズゴゴゴゴゴ……という不穏な地響きが、島一帯を襲った。
「な、なに? もしかしてあのひとたち、やられちゃったのかな?」
「そんなことないよ! わたしたちのこと、助けてくれたもん!」
「ねえ、あれ見て! ……あいつらの砦が!」
妖精たちは指差す方角……島の中枢を見上げて、息を呑んだ。
コンキスタドールの築き上げた砦が地響きとともに地上にせり上がると、
それは巨大な……しかしあちこちが朽ち果てた海賊船としての巨体を現し、
大地の穴から迸る海流に乗って、海原めがけて滑り出したのだ!
「わー! 島がめちゃくちゃだあ!」
「……でも、これはこれでたのしいかも」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!? 逃げろーっ!」
あちこちから間欠泉のように海水が溢れ出し、島は水浸しとなってしまう。
妖精たちが悲鳴を上げて逃げ惑うなか、巨大海賊船は海原へと逃走しようとしていた。
略奪を働いては島を捨て石に次の航海へ漕ぎ出す……それがこの島のコンキスタドールの手口だったのだ!
「ハァハハハハ! 怯えろ逃げろ! ワシの船は恐ろしいだろうがァ!!」
略奪船長は勝ち誇ったように笑い……そして、顔面蒼白で振り返る。
「な、何っ!? 奴ら、追ってくるだと……!? バカな!」
そう……猟兵たちの、決して逃すまいという戦意を感じ、青ざめたのだ。
ここが正念場。島を護るため、巨大海賊船と邪悪なコンキスタドールを抹殺せよ!
●プレイング受付期間
2020年 04/04(土)13:59前後まで。
月舘・夜彦
【花簪】
随分大きな船ですね
この世界で航海をする為には相応の船が必要なのでしょう
船に気を取られてしまいましたが、彼が船長のようです
オオカミ殿、先程の敵と同じく彼を懲らしめましょう
彼等を海へ出さない為には、移動手段である船の破壊
帆柱を狙います
敵から攻撃は視力にて動きを読み、残像・見切りより回避
回避が困難なものは武器受けにて防御
見下されている気がしますがあまり興味は無いです
配下も居るようですし、一人ずつ相手にするのは時間が掛かりますね
ならば……帆柱ごと敵を吹き飛ばしてしまいましょう
オオカミ殿はご注意を
二刀流剣舞『襲嵐』より、衝撃波と鎧砕きを併せた帆柱へ一撃
それを起点に斬撃の嵐を作り、敵を巻き込みます
ジョン・フラワー
【花簪】
待ってよ待って!
まだショケイの攻防を交代してないだろう!
今度は僕が襲う側をするからね。ちゃんと撃退してよ!
ほーら、おおかみだぞ! 襲っちゃうぞ!
床を叩いて衝撃波をどーん! 海に落としちゃえ!
お船が揺れると楽しいよ! もっと揺らせば一回転するかな!
えっ、やめないと穴が開く?
どうしよう壊しちゃったかも! ごめんよ修理を手伝うからね!
船長さんが何か言ってるよ。なんだろうねアリス
よくわかんないけど最後まで聞くのがお行儀のいいおおかみかな
アリスの言ってることはよくわかるよ!
吹き飛ばないように掴まっていればいいんだね
けどあれも楽しそう。僕も棒倒し遊びやりたいなあ
ねえアリス! 僕も参加させておくれ!
「わあ、大きな船だなあ! ねえアリス、あれは楽しそうだぞ!」
「……そうですね。この世界で航海するにはあれだけの物が必要なのでしょう」
ジョン・フラワーのややズレたはしゃぎように、月舘・夜彦は穏やかに頷いた。
しかして剣士の思考は、どうやってあの船を止めるか、に注がれている。
いくら己の剣技が風をも断ち切るからといって、
あれほどの巨大な幽霊船を真っ二つにすることは不可能と言っていい。
尋常のものであればともかく、あれはおそらくユーベルコードの産物だ。
……ジョンが力持ちだとしても、正面から抑えきるのはやはり無理だろう……。
「オオカミ殿、遊びはここからが本番ですよ」
「うん! だってまだ、"ショケイ"の攻守交代をしていないからな!」
夜彦はそのとおりです、と言い、視線を上へ向けた。
「私は帆柱(あちら)を狙います。オオカミ殿は下を壊してもらえますか?」
「任せて、アリス! そういう遊びなら大得意さ!」
にこやかに力こぶを作るジョン。そして剣士は風のように飛び出した。
巨大な幽霊船をたったふたりで止めるという、あまりにも難しい戦いの始まりだ。
「野郎どもぉ! 撃て撃て撃てぃ!!」
ドウ! ドウドウドウ……!
幽霊船に備え付けられた大砲が火を噴き、近づく猟兵を撃ち落とそうとする。
さらに骸骨めいた死霊のコンキスタドールどもが雪崩を打って飛び降り、
群れなしてカトラスを振り回し、砲撃と白兵戦で猟兵を阻もうとするのだ。
「この船はワシの船だ! どんな海賊よりも、商人の船も沈めてきた船なのだ!
いまさらこんな陸の上で、猟兵ごときに沈められてたまるものかってんだよ!
ワシの邪魔をするな、愚か者どもめ! 全員皮を剥いで殺してやるぞぉ!!」
BLAM!! BLAMBLAM!! 略奪船長もまた、マスケット銃を振り回し応戦する!
乱舞する弾丸と刃のなかを、夜彦は涼し気な顔で走り、攻撃を躱す。
彼の目をもってすれば、この程度の弾幕は避けるに容易い。
後方から続くジョンの行く手を阻む敵は、斬撃によって斬り伏せていくのだ。
「チィ! 色男が、いい気になりよってぇ
……!!」
「……はて。筋違いな嫉妬を向けられている気がしますが、興味はありませんね」
「こ、この!!」
BLAMBLAMBLAM!! 夜彦の端正な顔面を狙い、略奪船長は怒りの狙撃!
ガギ、キキンッ! と弾丸を切り払いながら、夜彦は高く高く跳躍した。
もちろんそれは、地面を走るジョンから敵の目を惹くためでもある。
「甲板に乗ってくるぞ! 撃ち落せ! 殺せぇ!!」
「――させませんよ。その船、これ以上進ませはしません」
ひらりと、甲板に舞い降りた剣士は即座に迅風と化した。
右と左の両手に二刀を握りしめ、嵐のような回転剣舞を解き放つ。
立ちふさがる敵を斬って斬って斬りまくり、帆柱目指して駆けるのだ!
「な、なんて速さだ!」
「この野郎、調子に乗りやがって!」
「かまうこたあねえ、相手はひとりだ! 囲んじまえ!」
「おやおやアリス、僕のことを忘れていたのかい? それは寂しいな!」
「「「!?」」」
そしてまんまと、コンキスタドールどもは夜彦に注意を惹いてしまった。
その間にジョンはゆうゆうと甲板に乗り込み……KRAAAAAAASH!!
「こ、こいつっ!? 素手で甲板をぶち抜こうとしてるだとぉ!?」
おもいきり床をぶん殴り、すさまじい衝撃で敵の足並みを乱したのだ!
「ほーら、おおかみだぞ! 襲っちゃうぞ! どーん、どーん!」
「や、やめろ馬鹿野郎! 船に穴が開いちまう!!」
「ええっ? だったら僕らと遊んでおくれよ、一緒に"ショケイ"をしよう!
"ショケイ"するのが僕たちで、されるほうが君たちだ! さあ、始めるよ!」
SMAAAAASH!! 近づくコンキスタドールが殴打で吹き飛ばされる!
そして拳と剣の双嵐は……ついに、帆柱へと到達した!
「僕も棒倒しやりたいなあ。ねえアリス! 僕も参加させておくれ!」
「いいでしょう。ならば、いざ――!」
「や、やめ……うおおおおおおおッ!?」
ガン――ッ!! メキメキメキメキ……!!
強烈な双撃を受け、幽霊船の帆柱が軋む。しなり、亀裂が走る!
もはや略奪船長は、見下す暇もありはしなかった。
この猟兵ども……強い。そして、あまりにも話が通じない……!!
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
月凪・ハルマ
……あれだけ好き勝手しておいて、今更逃げようって?
させる訳ないだろ。これでも大分怒ってるんだ、俺
◆SPD
仕掛ける前にちょいと仕込み
予め【錬成カミヤドリ】で宝珠を複製して、それらを
【迷彩】技能で周囲の景色に溶け込ませておく
準備が出来たら戦闘開始
敵からの攻撃を【見切り】【残像】【第六感】で躱しつつ、
【武器改造】で爆破機能を付与した手裏剣を【投擲】して牽制
ついでに【範囲攻撃】で部下や海賊船もまとめて巻き込んでやろう
隙あらば【忍び足】で接近
【早業】で魔導蒸気式旋棍の打撃、更に続けて
景色に溶け込ませていた宝珠を一斉に撃ち込む
油断するつもりは無いけど、UCで召喚してくる武器は要警戒かな
※アドリブ・連携歓迎
アルトリウス・セレスタイト
まず止まれ。次いで退場だ
始源を展開
目標は船と召喚物含むオブリビオン
万象を砕く破壊の原理、一切を縫い止める静止の原理を宿す魔弾として行使
着弾衝撃と合わせ目標を停止させ、そのまま討滅
高速詠唱を『刻真』で無限加速
多重詠唱を『再帰』で無限循環
瞬く間もなく生成する星の数も超える魔弾に『天冥』で更に因果改変
過程を飛ばし「目標に着弾した状態で」射出する
目立つことをする以上此方の排除を企図するだろうが構わん
一瞬たりとも間を開けず撃ち続け物量で圧殺すれば良い
万一届くなら『明鏡』で攻撃者を害するものとして返撃
攻撃分含め必要魔力は『超克』で“外”から汲み上げ供給する
※アドリブ歓迎
セレン・アキシマ
共闘アドリブ歓迎。
【POW】で判定するよ。
ここまで島を荒らしておいて、逃げるとか許されると思ってるのかな!
【伝説の人魚姫】を起動。
向こうが海流に乗って海に出る気なら、こっちもその海流を利用させてもらうよ!
海流を泳いで肉薄し、一気に船に乗り移るよ。
UCの効果で体調が4m半ちょいもあるから、1人か2人くらいなら引っ張っていくよ。
ちょっと派手に海流に揉まれるだろうけど、まぁ大丈夫だと信じておく!
船に到達後は着地のついでに銛で一撃加えておこうかな!
その後は流石に船の上じゃUCを解除、銛で切り結ぶよ!
銛のリーチを生かしてヒット&アウェイで行き、少しずつでも【継続ダメージ】で削っていくよ。
神酒坂・恭二郎
「待ちなよ。まだ支払いが済んじゃいない」
ハンドポケットにスーツ姿で靴底に風桜子を張って【水上歩行】。その塩梅に【衝撃波】を練って押し出せば、水上【サーフィン】に早変わりだ
方針はハンドポケットのまま間合いを詰め、船長の攻勢に合せてコートを放り上げる
船長の攻勢を【覚悟】で引き付け、【見切り】の体捌きでいなしたい
「どうした? 丸腰相手にその様じゃ、御大層な得物も泣いてるぜ」
丸腰では対処の難しい得物相手でも怯みは無い
不利をこちらで引き受ける限り、あの船長がその本領を発揮する事は無いからだ
相手に隙を見出し、【早業】で【覇気】の乗った右ストレートで【吹き飛ばす】
「釣りは要らないぜ」
落下するコートを受けよう
氷雫森・レイン
来るのが随分遅くなってしまったけれど
「よくも私の同族たちに無体を働いてくれたわね」
高くつくわよ
私達フェアリーは冒険者の、人の導き手
信じて大事にしてくれたならその身に眠る魔力を以て如何な船の道行きでも支えた子が居たでしょうに
…いいわ、侮るだけに飽き足らず暴虐で蹂躙しようとしたアンタ達は私が『地獄に』導いてあげる
「その程度の召喚術でこのフェアリーをどうにか出来ると思って?」
躊躇わず身の裡の回路の魔力を引き出していく
暴走し易いユーベルコードであるならば、制御しなければいいのよ
怒りに任せた魔力で喚(よ)び起こすは轟雷の大津波
幽霊船ごと木っ端微塵にして深海まで沈めてやるわ
その汚い顔を二度と出さないで頂戴
「……見苦しいわね」
フェアリーの少女、氷雫森・レインはコンキスタドールを睨み、呟いた。
彼女はやや遅れて参着した立場だが、それでも状況は見て察するに余りある。
酷使され多くの同胞を処刑され、ついには島をめちゃくちゃにされた妖精たち。
ともすれば祖が異なるやもしれぬ者たちとて、同じ"妖精"である。
……ならば、同胞としてその痛み、その哀しみを憤るに理由は十分だろう。
「よくも私の同族(なかま)たちに無体を働いてくれたわね……高く付くわよ」
レインは呟き、ひらりと羽根を羽ばたかせて一足先に海側へと回った。
彼女を怒らせたことの愚かさを、コンキスタドールはすぐに思い知るのだ……。
一方、幽霊船の甲板上!
「うおおおおおっ!? な、なんだこの魔弾の雨はぁ!?」
ズガガガガガガッ!! と無数に降り注ぐ青き魔弾に、敵は慄いた。
驚くべきことに、この広域殲滅攻撃をもたらしているのはたったひとりの猟兵。
すなわち、原理の力を汲み上げ行使する、アルトリウス・セレスタイトだった。
因果の過程をすっ飛ばし、"目標に着弾した"という結果のみをもたらす魔弾は、
いくら大砲をふっ飛ばそうがマスケット銃を撃とうが、
カトラスを振り回そうがコンキスタドールが盾になろうが意味はない。
それがアルトリウスの滅びの魔弾であり、星のような輝きの正体なのだ。
魔力撃は多数の雑魚コンキスタドールを消し飛ばし、船体にもダメージを与える。
ユーベルコードで生み出されたものならば、ユーベルコードで壊せぬはずはない。
アルトリウス自身もまた、魔力を纏った打撃で甲板上を駆け抜けていた。
「あれだけ好き放題をしておいて、いまさら尻尾を巻いて逃げ出すか。
所詮三流のチンピラは、やることも考えることもチャチなものだな」
「んだとぉ? ワシを嘗めるなよ!! 野郎ども、かかれぇ!!」
略奪船長の号令のもと、船室からさらなる新手の雑魚が飛び出した。
ガリガリにやせ細った、みずぼらしい奴隷戦闘員の成れの果てである。
餓えか疲労か、酷使された末に死んだ者たちの魂は、囚われたままなのだ。
「……妖精たちも、あのままであればこいつらの仲間入りをしていたか」
アルトリウスはあり得た悲劇の可能性を脳裏によぎらせ、双眸の光を強めた。
もはやその未来は防がれた。あとは、この邪悪な敵を叩き潰してやるのみ。
世界の外側から汲み上げられる魔力は高まり、無数の敵を吹き飛ばす。
そのたびに船体は大きく軋み、傾ぎ、さまよえる海賊船は悲鳴をあげた!
「く、くそっ! 帆を張れ! 奴隷ども、もっと必死でオールを漕がんかぁ!!
速度を上げろ!! 追撃してくる猟兵どもを振り払って海に出るのだーっ!!」
「……そうはさせないよ! 逃げるなんて許されると思ってるのかな!」
「な、何ぃ!? あれは
……!?」
略奪船長は、船の外から聞こえてきた女の声に、身を乗り出した。
そして目を剥いた。加速する海賊船と並走する、巨大な人魚の姿に!
それは、4メートルを超える巨大な人魚であった。
あどけないオーシャンハンターの少女、セレン・アキシマの変身した姿だ。
これこそメガリスの力。この世界に由来する大いなるユーベルコード。
どんな海原をも泳ぎ抜く、"伝説の人魚姫(ザ・リトル・マーメイド)"の力!
「もう少しスピードアップして、このまま船に取り付くよ!
海流が激しくなるかもだけど、大丈夫? ……大丈夫だよね!」
「なあに、心配ないさ。サーフィンなら心得があるんでね」
「今の時点で、だいぶ激しい気がすんだけど
……!?」
神酒坂・恭二郎と月凪・ハルマ、ふたりの猟兵はそれぞれに答えた。
彼らは海賊船に追いつくため、巨大なセレンの力を借りここまで来たのだ。
しかし接近さえしてしまえば、ふたりの身体能力ならば接舷は可能。
ばしゃばしゃと迸る海水を浴びつつ、男たちはぎらりと敵を睨めつけた!
「あいつ、絶対に逃さないんだから! せぇー、のっ!!」
そして海流がひときわ強くなった瞬間、セレンは尾びれで海面を叩いた。
ばしゃあっ!! と派手な水しぶきがあがり、人魚の巨体が空を舞う。
その瞬間、恭二郎とハルマは左右それぞれに彼女の背を蹴り飛び出した。
恭二郎は足裏に風桜子(フォース)の力を張り、衝撃を練ることで滑空。
ハルマは忍びとしての身体能力を発揮し、水面を蹴って船体に取り付く!
「ちょ、ちょこざいな……!! おい、さっさとあいつらを振り払えッ!!」
「そんな攻撃、当たるわけがないだろ。これでもだいぶ怒ってるんだ、俺」
ハルマは冷徹な声音で言い、飛来する弾丸と砲弾を手裏剣で迎撃、貫いた。
飛来した手裏剣は、甲板に到達した瞬間……KA-BOOOOM!!
「「「うわああああっ
!?」」」
「特製の爆破手裏剣だ。さんざっぱら処刑で楽しんだんだろ? 因果応報だな」
奴隷戦闘員を巻き込み派手に爆発。船縁付近の敵を吹き飛ばした!
そして空いた空白に、空中を滑り上がった恭二郎がひらりと着地する。
「こ、こなくそがァ!!」
「おっと。派手な歓迎だな」
怒りの略奪船長がカトラスで斬りかかる! だが恭二郎はやすやすと回避!
ばさりと肩にかけていたコートを放り上げ、ハンドポケットで相対するのだ。
まさに余裕綽々。これには敵も顔を真っ赤にして怒りを漲らせた。
「ワシの船を土足で汚す侵入者どもめ! 海の藻屑にしてくれるわ!」
「ご挨拶だね。支払いが済んじゃいないのはそちらのほうだろう?」
「支払いだとぉ? ふん、くだらんな! ワシは強者であり"奪う側"だ!
あの平和ボケした妖精どもから何もかもを奪い去るのは、いわばたしなみよ。
それの何が悪い。貴様らはあいつらの家族でも仲間でもなかろうに!」
「あなたたちっていっつもそう! そうやって勝手な理屈をこねくり回す!!
少しは奪われる側の、もてあそばれる側の気持ちを……知りなよっ!!」
略奪船長は空を見上げた。水しぶきを纏いくるくると螺旋を描くセレンの影!
回転し速度を増したセレンは、巨体から少女の姿へと戻りながら、
自慢の銛を突き出し垂直落下の鋭利な刺突を叩きつけたのである!
略奪船長はカトラスを振るい、その危険な攻撃を迎撃しようとする……が!
「――足元がお留守だよ。周り、見えてなさすぎじゃないか?」
「!!」
いつの間にそこにいたのか。ハルマが脇腹に旋棍の一撃!
そしてさらに、風景に溶け込んでいた無数の宝珠がふわりと浮かび上がり、
念動力によって加速され、略奪船長の全身に叩きつけられたのだ!
「もらった!!」
「がはッ
!!??」
四方八方からのトリッキーな攻撃を受けては、もはや防御もままならぬ。
垂直落下した銛は、略奪船長の胸板をばっさりと袈裟懸けに斬り裂いた!
「おやおや。ご自慢の長口上も出ないと見える。もう降参かい? 旦那」
「な、嘗めるなよぉ……!! 貴様から血祭りにあげてくれるわぁっ!!」
略奪船長はハルマとセレンの武器攻撃を乱暴にカトラスを振り回して弾き、
丸腰のまま挑発する恭二郎へと挑みかかった。だが、それが間違いだった。
武器持ちに対して丸腰……それはまったき"不利"にほかならない。
これでは、奴のユーベルコードによる自己強化が作用しないのである。
ましてや胸板を切り裂かれ、全身を撃たれるという重傷を受けていては、
一流のスペース剣豪に一矢報いることなど出来るはずもなし!
恭二郎はまるで未来予知していたかのように、ひらりと斬撃を躱す!
「俺の拳は、ちっとばかし痛いぜ? ――釣りは要らないさ」
「ほぐぇえっ!?」
SMASH!! ポケットから放たれた抜き打ちの右ストレートが顔面を痛打!
「あ、あのパンチは! まるでシャコみたい
……!?」
オーシャンハンターであるセレンは、恭二郎の拳の疾さに目を見開いた。
水槽のガラスをも叩き割るというシャコめいた、強烈な拳打である。
略奪船長は弾丸めいて吹き飛び、甲板をごろごろと転がった!
そして恭二郎は、ふわりと舞い落ちてきたコートをキャッチする。
「丸腰の弱者相手に地を舐めされる。なるほど、大した"強者"だねぇ」
「……三下の嘯く強さなんてのは、所詮あんなもんさ」
おどけた恭二郎の言葉に、ハルマはいかめしい面のまま頷いてみせる。
略奪船長はよろよろと膝を笑わせたまま立ち上がり、体勢を取ろうとした。
「な、嘗めおってぇ……!! おい、奴隷ども! こいつらを――」
「……多勢に無勢で敵を嬲ろうだなんて、とことん見下げ果ててるわね」
「ハッ!?」
その時、底冷えするような冷たい女の声が、背後からした。
本能的な恐怖を覚えた略奪船長は、冷や汗をにじませながら振り返る。
そこには、船の行く手に立ち上がった巨大な大津波。
そして大津波を背負いじろりと略奪船長をねめつける、青い髪のフェアリー……!
怒りのままに魔力を呼び起こし、大いなる海の裁きを生み出したレインが、
地獄の閻魔のごとき双眸でもって、愚者を見下ろしていたのだ。
「いいわ。いくらでも、ご自慢の奴隷どもを喚び出してみせなさいな。
その程度の召喚術で、この私(フェアリー)をどうにか出来ると思って?」
「や、やめろ! ワシの船を沈める気か、貴様ァ!?」
「沈める? ――いいえ、違うわ」
轟雷のごとき波濤音をあげ、船よりも高く立ち上がった大津波が迫る。
「私たちフェアリーは冒険者の……人の導き手。だから私もアンタを導く。
海の底だなんて生ぬるい、骸の海の底に、船ごと木っ端微塵することでね……!」
ともすれば暴走しかねぬユーベルコードの制御を、彼女はあえて放棄していた。
大津波は迫る。海賊船を飲み込むにはあまりにも規模が足りすぎた破滅の顎が。
猟兵たちはその威力を察し、それぞれ甲板を蹴って船から離脱した。
略奪船長もまた逃れようとする……どこに? この船が己のすべてなのだ。
海の怒りを前にして、ちっぽけな悪党に出来ることなど……!
「や、やめろぉおおおおお!!」
「――その汚い顔を、二度と出さないで頂戴」
レインは氷のように冷たく言って、そのまま姿を消した。
そして、瀑布のごとき大津波が――海賊船を飲み込み、荒れ狂う……!!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シオン・ミウル
織愛(f01585)と
事の良し悪しはさておき、愉しそうにしてるなあ。ワルイことして愉しんでるヤツにはおしおきしないとだよね。
じゃ、とりあえず追い付こうか。
織愛を抱えて飛んで行こう。空からの方が近付き易そうだし。
真上まで近付けたら手を離すよ。爆撃投下ってね。下手な爆弾なんかより怖いんじゃない?
あとはいつも通り、怪我させないようにサポートしよっか。愉しそうな顔も引き裂いてやりたいしね。
全力魔法で風刃を作り出して援護する。足元を集中的に、体勢を崩させて織愛の攻撃が通りやすくなるように。
【奏風】で首を締め上げてやろう。苦痛に歪んだ顔を見せてよ。
三咲・織愛
シオンくん(f09324)と
このまま逃す訳にはいきません
島をめちゃくちゃにしたんですもん
こっちだってめちゃくちゃにしてあげましょう!
わあ、運んでくれるんですね!
お言葉に甘えて空から行きましょうっ
もし攻撃が飛んで来たらノクティスで打ち払いますね
落っこちないように注意はします!
それでは、行ってきますね!
手を離してもらったら、そのまま脳天めがけてキックします
ふふふ。腕が鳴ります(ぱきぽきぃ)
【想駆星穿】、最大の力を籠めて殴り飛ばしてあげましょう!
攻撃は<見切り>と<武器受け>で回避を
身一つで受け切ってあげましょう
武器などなくとも折れません!
隙を見付けたら<怪力>籠めた拳を叩き込みます!
「……あれは、終わったかな?」
巨大海賊船が大波に飲まれた瞬間、シオン・ミウルが言った。
彼と抱えられた三咲・織愛は、空から敵陣に攻め込もうとしていたのである。
他の猟兵が召喚した大津波によって、コンキスタドールは全滅かに見えたが……。
「……いえ、まだです!!」
織愛の言葉の通り、津波で荒れ狂う海原に現れたのは、船首!
あちこちがボロボロになりながらも、巨大海賊船は健在だった!
「うわ、しぶといなー。こりゃやっぱり織愛の力を使うしかなさそうだね」
「もちろんですよ。島をめちゃくちゃにしたんですからね!」
シオンに抱えられたまま、ぶんぶんとパンチの素振りをする織愛。やる気だ。
シオンはそのまま海流に乗る海賊船の上空を目指し、飛翔した。
ドウ、ドウドウ! さっそく敵から巨大砲弾の弾幕が飛んでくる!
「おっとっと。ここに来るまでの海戦で慣れといた甲斐があるかな、っと」
サムライエンパイアからの航海は、シオンに砲撃への対策をもたらしたようだ。
織愛がノクティスによって打ち払うのはもちろん、彼もまた風の障壁を展開。
弾幕を切り裂くように滑空しながら、ぐんぐんと海上へと近づいていく。
「じゃ、行くよ! 爆弾よりも怖い最終兵器、投下っと!」
「はい、行ってきますね! 覚悟してください、コンキスタドール……っ!」
シオンがぱっと手を離すと、織愛は自ら体の角度を変えて落下速度を増し、
巨大海賊船の甲板上目指して猛スピードで落下していく。
ドウ、ドウドウ! 弾幕が空を焦がすが、織愛を撃ち落とすには至らない!
「そ、空から堕ちてきただとぉ!? なんて無茶苦茶しやがる!」
「めちゃくちゃしたのはあなた達のほうですよ! はぁあああああっ!!」
ヒュルルルルルルル……SMAAAAAAAAAAASH!!
ほぼ垂直の鋭角的飛び蹴りが甲板に炸裂し、放射状の衝撃が敵を吹き飛ばした!
生半可な海賊よりも恐ろしいエントリーに、敵は震え上がる……!
しかし、大津波を生き延びたコンキスタドールは、完全にキレていた。
悪党にありがちな「なぜ俺達がこんな目に合わなければ」という逆恨みで、
猟兵に対する敵意を増し、下級戦闘員もみな目を血走らせていたのだ。
「ワシらを嘗めおってぇ! 野郎ども、殺せぇ!!」
奴隷戦闘員と、生き残りの下級コンキスタドールが咆哮をあげた。
カトラス、あるいはマスケット銃といった海賊らしい武器を振り回し、
織愛という少女ひとりを滅多打ちにしようと、全方向から飛びかかったのだ。
「多勢に無勢なんて、男らしくないよね? それ。相手は織愛だけどさ!」
シオンは上空からいくつもの風の刃を放ち、敵の包囲網を文字通りに切り裂く。
織愛は支援のもと、全身を白熱光めいたオーラで覆い、まっすぐ船長へ突貫!
並み居る敵をちぎっては投げながら、猛スピードで甲板を走る!
「ハ、ハァハハハハハ! これだけの数を相手にたったふたりで何が出来る!?
女ひとりで乗り込んできたことを後悔させてやろう! ワシらは無敵の――」
「そんなくだらない長口上、聞きたくもありませんっ!!」
「ぐほぉっ!?」
SMAAASH!! 悦に浸る略奪船長の頬っ面に、鉄拳が突き刺さった!
ぐるぐるとツイストして吹き飛ぶ略奪船長に、さらなるストレートパンチ!
「妖精さんたちを苦しめて!!(ゴガッ)」
「ぐへぇ!!」
「島をめちゃくちゃにして!!(バギャスッ)」
「がはぁあっ!!」
「勝ち誇ったようなつもりで愉しんで、悔い改めてくださいっ!!(ドガッ)」
「ごぶぇええっ!!」
は、話が通じない。そもそもなんだ、この巨漢を上回るパワーは!?
略奪船長は、暴力の嵐の中で混乱し、恐るべき猟兵の力に慄いた。
その怯え竦んだ表情を見て、空から風を降り注がせるシオンはにんまり笑う。
「うん。やっぱ悪党って――ああいうビビった面が、一番楽しいよねぇ」
いい気になった面よりも、恐怖に震えた表情のほうがよほど胸がすく。
悪童はくすくすと小悪魔めいて忍び笑いし、邪魔な木っ端を風の輪で縛り上げた。
好き勝手する時間は終わり。いまこそ、奴らの行いの代償を支払うときだ。
蹂躙するは猟兵の番――つまり、彼らのやり放題の時間である!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
露木・鬼燈
略奪を終えたらすぐ逃げる。
海賊としては正統派なのだろうけど…
部下が全滅したのに逃げようとは、ね。
気に入らないね。
逃げることは疎か、楽に逝けると思わないことだね。
呪法<蠱毒>
忍殺した海賊の断末魔の呪い。
船首像から奪い取った呪い。
これらを大百足に捧げて百足型呪詛として再構築。
海賊船に呪詛が降り注ぎ、船ごと海賊を喰らっていく。
人を呪わば穴二つ。
置いていくなと部下が縋りついている。
呪詛と海に底はなし、ってね。
どこまでも沈んでいくがいい。
呪詛が降り注ぐ中、ダメ押しをね。
姿を隠し、呪詛に同調。
硬化させた四肢で暗殺を実行。
小さな傷でも十分。
そこから呪詛は潜り込み、喰い荒らすのです。
呪詛に喰われて…死ねっ!
アコニィ・リード
あの船……逃げるつもりだろうけど、そうは行かない!
泳いで水中機動で一気に距離を詰めつつ――召喚!
この世界で目覚めたの、わたしの内なる力に!
武装したイルカさんチームが56体、朽ちた海賊船を潰していくよ!
特殊なパワードスーツで白兵戦だって出来る!
※イルカは何か適当に喋る事が出来ます
船に上がったら深海科学の凄い光線銃で攻撃するんだ!
戦闘知識で各個撃破の指示を出して
イルカさんが隙を作っている間にわたしは敵の本体へ
チャンスは一度――水中で無酸素高速詠唱をしつつ
浮上と共に空中から雷属性の全力魔法で
巨大海賊船の動きを止めるよ!
あの海の悪神に比べたら、お前なんか怖くない!
犯した罪の報い、ここで償ってもらうわ!
シズル・ゴッズフォート
島さえ朽ちさせる戦力を擁し、海どころか地さえも駆ける大質量……
成程。確かに恐ろしい
「ですが、猟兵の根気を甘く見ないで頂きたい。
助けを呼ぶ声がある限り、盾となり剣となる。それが猟兵なのですから」
バイクで島を駆け抜け、海賊船に並走
島の地形を利用してバイクでジャンプ、甲板への着地を狙う
着地後は船尾を目的地に、撹乱しながら降車。UCで召喚した大楯を甲板に突き刺し、食い込ませて壁のように横に並べる事で簡易前線基地を構築
その場で防戦を展開し、自身へ注意を向けさせ他の猟兵を間接的に支援
(拠点防御、武器/盾受け、怪力、野生の勘
大楯は幾つかは海賊船の胴部や後部に突き刺し、他の猟兵が足場に使えるように
桜雨・カイ
奪うだけではなくその地まで荒らして逃げるなんて…
逃げられてはまた次の島が荒らされてしまいます、ここで止めないと
他の人が船長に向かえるように、戦闘員を倒して道をつくります
先へ行ってください!
敵とはいえ、ガリガリに痩せている姿からすると戦闘員は行動を強いられている感じですね
苦しまないように一気に勝負をつけましょう
お願いします、力を貸して下さい!
風と火の精霊にお願いし、風で力を底上げした炎で戦闘員を倒していきます
【なぎ払い】
あとは船長退治のサポートにまわります
終わったら水と地の精霊に頼んで、水(海水)や地面を落ち着かせてもらいます。取り上げられた物資も妖精さん達に返さないとですね。
神元・眞白
【SPD/割と自由に】
すごい。船が島に隠れていただなんて。発想が凄い人。
妖精さん達は……まだ大丈夫そう。逃がしてしまうと次の島も危ないし
ここでなんとかしないと。でも色々調べたいこともあるし……大変。
妖精さんたちから取っていったものを返してもらわないと。
海賊さんから場所を聞いて、船が沈む前に持ち出さないと。
数もありそうなら人手もいりそうだし……その時は必要なものだけ。
荷物を集めたらあとはやる事をやらないと。飛威、先導はお願いね。
どうやって船を隠せるのかは何かに活かせるし……教えてくれそう?
簡単に出てきたなら簡単に島が作れそう。そういう力は覚えないと。
――強い。
猟兵は、コンキスタドールどもが想像していたよりはるかに強い。
略奪船長もまた、いまさらながらに自分達の劣勢を理解したのである。
「奴隷ども、オールを漕げ! とにかくさっさと海に出るんだよッ!!
海にさえ出ちまえば、奴らなんざいくらでも撒けるんだ、急げ急げ
……!!」
負け犬と言わば言え。結局は生きて終わった側の勝ちなのだ。
そうすれば、あとはどうとでもなる……次の略奪はいくらでも行える。
だからこそコンキスタドールどもは、全力で逃げ出そうとしていた。
真正面の戦闘では、もはや勝ち目がないことを確信していたのである。
「略奪を終えたら尻尾を巻いてすぐ逃げる……部下が全滅したってのに?
海賊としては正統派なのだろうけど、それは気に入らないっぽい!」
露木・鬼燈は、巨大なムカデ型の呪詛を再構築し、大地を駆け抜けた。
海流に乗った海賊船にすら追いつくそれは、敵からすればまさに悪夢だろう。
「ひ、ひいいいいっ!? なんだあの化け物はっ!?」
「これはお前達が苦しめた船首像と、お前達の仲間の呪いから編んだものです。
因果応報、って言葉知ってるかな? 人を呪わば穴二つ……って、ね!」
ズガガガガ……! と脅威的速度で迫る大百足の幻影に、敵は恐れ慄いた。
しかし連中が警戒すべきは、鬼燈の生み出した呪詛だけではなかったのだ。
「せ、船長! まだ追ってきやがる影がありますぜぇ!」
「な、何ぃ!? 何処からだ!?」
「それが……海と、陸! 両方からでさぁ!」
「!?」
あの大百足のことか? 否、違う。略奪船長は目を見開いた。
まず地上……鬼燈と並走する形で大地を走る、巨大な宇宙バイク。
猛然たるスピードで風を切るのは、シズル・ゴッズフォートの愛機だ。
「猟兵の根気、執念を甘く見ないでいただきたい。いまさら逃がしはしません!
助けを呼ぶ声がある限り、盾となり剣となる――それが猟兵なのですから」
プラチナの髪を風になびかせ、颯爽たる獣騎士はぎらりと双眸を煌めかせた。
遠く船の上、怯え竦む略奪船長の顔を、心を、その意志で射すくめたのだ。
ひときわ大きな丘をジャンプ台代わりに、シズルは高く高く跳躍した!
目指している落下地点がどこなのか、そんなのは割り出すまでもないだろう。
――船である。ヤツはマシンごと船に乗り込むつもりだ!
「そ、速度を……ッ!?」
「そうはさせないよ! イルカさんチーム、突撃っ!!」
「「「キュキューッ!」」」
そして海! 指示を出そうとした略奪船長は、突如の船の揺れにぐらついた!
海中から顔を出したのは、アコニィ・リード……と、無数のイルカ!?
50体以上のイルカが、奇妙なパワードスーツを装着し船に突撃しているのだ。
これこそ、彼女がこのグリードオーシャンに到達して目覚めた新たな力。
"戴竜虹娘(ナイトメア・オーシャン)"……恐るべき海の生き物に、
高い知恵と戦う力を与える、まさしく奇跡のユーベルコードであった。
「イ、イルカが攻めてきたぞーっ!?」
「そんなのありえるわけ……うおおおおっ!!」
「くそっ、こいつら船に乗り込んできやがる! 蹴り落とせ!」
「「「ゴーゴーゴー! ムーブムーブムーブ
!!」」」
さながらアメリカ海兵隊じみた野太い声をあげ、知性イルカの群れが甲板に突入。
あっという間に奴隷戦闘員たちはイルカの軍勢の対処に追われてしまう。
これでは、船をスピードアップしようにも人手が足りないではないか!
その間にシズルと、さらに分裂した呪詛百足の群れと鬼燈が船に到達!
「敵の攻撃は私の盾で阻みます! 皆さんは前進を!」
「了解っぽい!」
ガガガガガッ!! と甲板に突き刺さったシズルの大盾が敵の砲撃を防ぎ、
乱戦状態の甲板に、鬼燈は沁み込むように姿を消した。
得物の首を刎ね飛ばす、恐るべき忍びが影から狙いを定める……!
(でも、まだ船はスピードを増してる……動きを止めなきゃ!)
一方、海中。水中機動で並走するアコニィは、きっと表情をこわばらせた。
チャンスは一度きり。全力の雷撃でもって、海賊船の動きを止めるしかない。
イルカ部隊と猟兵の陽動が効いているいまなら、敵の反撃を気にすることなく、
全力の一撃を叩き込める――だが、こちらを狙われたらおしまいだ。
(犯した罪の報い……ここで償ってもらうわよっ!!)
アコニィは魔力を練り上げ、人魚のごとく高らかに海原から飛び出した!
「来たれ我が楯、我が証――これなるは我が護りの異なるカタチなりっ!」
その攻撃に合わせ、シズルはユーベルコードによりさらなる大盾を召喚。
スパイクつきの大盾は船のあちこちに突き刺さり、足場めいて食い込んだ。
船がさらに揺らぐ。略奪船長とアコニィの鋭い視線が交錯し――ZZZZZZTTTTT!!
「せ、船長! 船が、船が耐えきれやせんぜぇ!」
「ワシだって解っとる! くそったれがぁあ
……!!」
アコニィの雷撃が巨大海賊船に炸裂し、その動きを……ついに、止めた!
「! 船の速度が落ちた……いまならっ!」
先頭集団からやや遅れて海賊船を追っていた桜雨・カイは、
海賊船が大きくスピードを落とした瞬間、一気に速度を上げて船に肉薄。
乱戦状態の甲板上に飛び込むと、すぐさま風と火の精霊に交信を試みた。
「これ以上、この島も次の島も、あんな奴らに略奪させたりはしません!
精霊たちよ、どうか力を貸してください……逆巻く炎を、ここにっ!!」
カイの祈祷が世界を通じて諸精霊に届き、ごうごうと大気が荒れ狂う。
さながら台風の中に飛び込んだかのような、身を裂くような疾風が吹き荒んだ。
それはカイを中心に渦を巻いて収束し――そして、炎となって解き放たれる!
「「「ぐわぁああっ
!!」」」
奴隷戦闘員、そして下級コンキスタドールの生き残りが吹き飛ばされた!
風の力で熱量と速度を増した炎は、いわば燃え盛る衝撃波のようなもの。
脆弱なコンキスタドールを、触れた瞬間に灼き尽くす精霊の怒りなのだ!
「き、貴様ぁ! ワシの部下どもを!?」
「……部下ですか? 死してなお奴隷として繋ぎ止めた下僕に過ぎないくせに。
生者から略奪し、死者を苦しめ貶める。あなたには、慈悲もありません……!」
錯乱する略奪船長を睨みつけ、カイは荒れ狂う炎の風を苦労して御した。
大蛇めいてのたうつ燃える颶風が、殺到する戦闘員を次々に吹き飛ばす!
「妖精さんたちから取り上げた物資、すべて返してもらいますよ!」
「――うん、荷物を回収しなきゃ。飛威、符雨。お願いね」
焔の風によって生まれた空白を、メイド姿の人形たちと無数の召喚符が埋めた。
神元・眞白の従える戦術器と、彼女が生み出した白金の召喚符である。
メイド姿の戦術器たちは、弾丸と刃の雨をばらまきながら海賊船の内部に突入。
そして荒れ狂う風に乗って散った符が、次々に眞白と同じ姿に変わったのだ。
「な、なんだ!? 分身しただと!?」
略奪船長は降り注ぐ呪詛百足をカトラスで切り払いながら驚愕した。
召喚符によって生み出された眞白の分身は、略奪船長のみを狙い襲いかかる。
「ねえ、どうやってこんな大きさの船を作り上げたの? 物資はどこ?」
「聞かれて教える悪党がいるかっ!! ええい、消えろ、消えろぉ!!」
略奪船長はカトラスを振り回す。だが分身体は次から次に召喚される!
眞白が満足な答えを……つまり奴らの懺悔を聞くまで、分身体は止まらない。
いくら敵が腕自慢のコンキスタドールであろうと、これでは多勢に無勢だ!
「や、野郎ども! 来い! 来やがれ! さっさとワシの援護をせんかぁ!!
くそっ、どいつもこいつも役立たずな……! ワシがこの船の長なのだぞ!!」
吐き捨てながら、略奪船長は迫りくる様々な敵の群れを斬っては捨てる。
だがふと……甲板に散らばる呪詛百足の群れが、形を変えていることに気づいた。
「こ、これは
……!?」
『お頭ぁあ……置いていかねえでくれよぅ……』
『どうして俺らのことを捨て石にするんですかぁ……?』
『暗ぇ、ここは暗ぇよぉ……!』
呪詛は死んだはずの部下たちの形を変え、足元に縋り付いていたのだ。
略奪船長は……奪い、蹂躙するはずの悪党は、死者の幻影に恐れおののいた。
「な、なんだこれは!? くそっ、消えろぉ!」
「……哀れですね。追い詰められてなお、己の業を理解できないとは」
シズルは、死者を振り払おうとする略奪船長の姿を見て、嘆息した。
「好き放題したぶん、恐怖して苦しみなさい。お前なんか怖くないわ!」
「ツケを支払う時間ですよ――ほら、あなたの背後に、死神が居ます」
アコニィは強気に言い、カイはつっと略奪船長の背後を指差した。
ぞくりとした悪寒。振り返ったその視界を埋めるのは、鬼燈の怒りの双眸――!
「呪詛に喰われて……死ねっ!!」
死神の鎌じみた一撃が、略奪船長の胸から腹をざっくりと斬り裂いた。
裂け目じみた傷口に、沁み込むように呪詛はすがり、入り込む。
「う、うおおおお……!! やぁめろぉおおお!!」
己を裡から喰われる恐怖に、略奪船長は断末魔めいて叫んだ!
奪う側から奪われる側へ落ちたことを、ヤツはようやく理解したのだ……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
玉ノ井・狐狛
►紗を蹴るなりして船に乗り込む。▻足場習熟
アンタが船長だな? いかにもボロ船に似つかわしい、悪党じみたツラだからすぐわかったぜ。
►カードの▻投擲を軸に、“普通の手段で”攻める。
船首像戦で火を使っちゃいるが、船の上だとそうもいかないだろ? ……ってな建前を見せれば、相手も馬鹿じゃない、なにかあると思うハズさ。
適当に戦ったら、►八卦の起爆でマストを倒し、船長に当てる――という仕掛けを披露。▻破壊工作
コレは妨害される前提の見せ札だ。勝ち誇ったアイツに、得意げにさえずってもらうための、な。▻パフォーマンス▻おびき寄せ
御高説を聞いたら、◈UC使用。
おっと、バフを持ってるのがアンタだけだとでも思ったかい?
ケンタッキー・マクドナルド
今更逃げようったてそォは行くかよ――
全力で仕留めてやる。
【SPD】
ハ、俺があいつらの同属だからって随分とちっぽけなエモノだして来やがったなァオイ。
舐めんなよ人間風情がよ。
人形師の本気見せてやらァ!!
工房『旅行記』開帳、射出機構作動――発射。
搭載部開放・搭乗完了。
"天獣"変形。
ケーブル
"繰糸"接続完了。
システムオールグリーン――
見晒せよ糞食らえ共。
コレが俺の決戦用最高傑作だ――最ッッッッ高にシビれるデザインだろォ!!!!
さァ行くぞ『GULLIVER』!!
ロケットランチャー・レーザーファンネル・レールガン――各種武装全力稼働ォ!!
たかがフェアリーと侮った事、後悔して海の藻屑になりなァ!!
フェルト・フィルファーデン
もう、なぜ逃げるだけでわざわざ皆を巻き込むのよ!?それも反省する気もなくものすごく偉そうに……いいわ、その傲慢な態度、へし折ってあげる!
他所の島に渡ったりちょこまかと逃げられては大変ね。ならば、その足を止めるわ。
まずはスレッド号で敵の進路へ先回りしましょう。向こうの船は巨大だもの。パワーはあっても速度ならきっとこっちが上よ!
そして海の中含め辺りの安全を確認してから、UCで冷気を編み上げ糸にして、海を凍らせて船が進めないように足止めしつつその船体を貫くの!
海よ、氷の柱となって悪党の船を突き破りなさい!これで、多少はパワーが落ちるはず!
さあ、もう逃さないわよ?これまでの諸々の報い、受けてもらうわ!
ヴィクティム・ウィンターミュート
ハッ──生温いぜ
奪い方がなってねぇよ、テメェ
もっとスマートに、もっと狡猾に──もっと、もっとだ
そんな程度で満足してんじゃねえぜ
俺が本物って奴を、たっぷりと教えてやる
そいつがご自慢の海賊船かい?
なるほど、確かに立派な戦力だ
"じゃあ、貰っていくぜ"
『Robbery』
あらゆる物を奪い取り、俺の物にする力
海賊船も、それに乗った連中の支配権も、全て俺の物だ!
異論なんて挟ませねえ。懇願されても止めるものか
収奪、略奪、強奪、簒奪!
さぁ!今度は奴の命の自尊心を奪い尽くしてやれ!
今日からお前らは俺の物だ!あそこに居る馬鹿の首が欲しい奴ぁ剣を掲げろ!!
マストに吊るして一生晒し者にしてやろうじゃねえか!
行くぞォ!!
シノギ・リンダリンダリンダ
【越流せし滄溟の飛蝗】で海賊船と死霊海賊を召喚
己の鍛え上げた「航海術」で素早く船を追う
魔力を込めればスピードなど、普通の海賊船に負けるはずがない
接近したら操縦を死霊海賊に任せ、残りの死霊を連れて乗り込む
なぜ逃げているのですか?
気持ちは分かります。この大海賊"強欲"のシノギの前ですからね
安心してください。お前の尊厳も、お宝も、全て蹂躙し、略奪してやります
雑魚共は死霊海賊の「集団戦術」にて「蹂躙」
海賊なんです。「船上戦」はお手の物
自分は【強欲の右腕】に換装
「呪殺弾」で「制圧射撃」しつつ近づき、黄金の右腕で【力いっぱい殴るだけ】
妖精の物資は返却しましょう
お宝は根こそぎ、略奪させていただきますね?
鳴宮・匡
何もかもを踏み躙ってでも生きたいって気持ちは
まあ、わからなくもないさ
俺だって、そうして生きてきたんだから
……まあ、それと、
お前を見逃すかどうかとは別の話だけどな
【真の姿】を開放
高台に位置を取って、海賊船を“視る”
両眼で視て、耳で聴いて、肌で感じ
全知覚を駆使して
海賊船の――それを形作る力の流れとその要、存在の起点を見抜く
砦が海賊船へ変じる瞬間も視ていた、足しにはなるだろ
【黒蝕の影】で射抜くのはその起点
逃げる足を奪ってやれば、他の猟兵が仕留めるだろ
もちろん、援護はするけどな
奴隷たちの霊が残ってれば介錯くらいはしよう
使い潰された存在に同情なんてできないけど
別に、そいつらがこれ以上苦しむ必要だってない
猟兵たちの猛攻を受け、ついに巨大海賊船は海の藻屑と消えた。
海原に出ることさえ叶わず、コンキスタドールどもは滅したのである……。
「……なんて、バカ正直に終わるわけがないよな」
高台から戦いの様子を観察していた鳴宮・匡は、静かに呟いた。
凪いだ海のように深い蒼に染まった彼の双眸には、すでに視えていたのだ。
海中に没した略奪船長が、ユーベルコードを発動する姿が……!
ざばぁあっ!! と海を割り、その恐るべき幽霊船は姿を現した。
あちこちがボロボロとなり、フジツボで覆われた不気味な巨体。
まさしく海を彷徨う海賊船というべき、おぞましい巨大船舶である。
「いいですねぇいいですねぇ! クライマックスはやはりこうでなくては!!」
常人であれば恐怖で動けなくなりそうな威風を前にして、
シノギ・リンダリンダリンダは童女のように目を輝かせて言った。
「なおも生き足掻く愚かな悪党、それを叩き潰すのはさらに強大な海賊でこそ!
海にへばりつく死霊……まさに大海賊が掃除するに相応しいゴミですとも!」
"強欲"なる大海賊は、自分らしい展開に狂喜乱舞していた。
苦しめられた妖精たちの裁き。あるいは、略奪された人々の因果応報。
なるほど、そういった義憤も実に"らしい"。支払うべきツケである。
しかし――海賊というものは、義理人情で動いたりはしない。
少なくとも、シノギの考える海賊とはそうではない。
ましてや"大海賊"ならば。いつのときも、相手が誰であれ、やることはひとつ。
「それでは最後のシノギの時間です。――さぁ、略奪を行いましょう!!」
巨大海賊蒸気幽霊船『シャニムニー号』が、勇ましく汽笛を鳴らし速度を上げた。
向かう先には不気味な海賊船! 真っ向からぶつかり合う海戦の始まりだ!
島の上などと狭苦しいことは言うまい。海賊の決着は海で着けてこそ――!
「頭ぁ、野郎どもまっすぐこっちに近づいてきやすぜぇ!!」
「ナメやがってぇ……ワシが、そう簡単にくたばると思っとるのか
……!?」
苛立つ略奪船長の見た目は、もはや生者らしい見る影もなかった。
あちこちの肌はひび割れ、膨れ上がった肉が爆ぜて骨と臓物が覗いている。
滅びかかった肉体を、略奪してきたメガリスの力で現世に留めているのだ。
海水にまみれ、憎悪と不気味な海洋生命体で朽ちた体を繋ぐさまは、
まさしく寓話や映画に出てくるような、幽霊船の長というべき様相である。
それは、船に繋ぎ止められた、奴隷戦闘員たちもまた同じであった。
足らぬ。もっと略奪し、もっと蹂躙し、もっと殺さねば、足りぬのだ。
血が! 足りぬ!! こんなところで斃れてやる義理などない!!
「お頭、もう一隻船が現れやしたぜ!」
「――チッ。野郎ども、砲撃用意! どちらも沈めてやれぇ!!」
ドウ、ドドウ……! 幽霊船の大砲が火を噴き、無数の砲弾が降り注ぐ。
シャニムニー号と並走する形で行く手を遮るのは、鉄甲船スリッド号!
嵐渦巻く砲撃の雨をせき止めるのは、勇ましき妖精騎士の人形たちの盾だった!
「あれだけ叩きのめされても、まだ醜く存在を続けるだなんて……。
反省する気もない態度、いい加減腹に据えかねたわ。へし折ってあげなきゃ!」
「同感だ。ああいう糞ったれな人間風情は、徹底的に叩き潰さなきゃなァ?」
妖精騎士の人形達を率いるフェルト・フィルファーデンの言葉に、
同じくフェアリーであり人形使いたるケンタッキー・マクドナルドが頷いた。
彼らは憤っていた。同じ姿をした妖精たちを蹂躙した、悪党どもの諸行に。
思い知らせてやらねば気がすまぬ。怯え逃げ惑うのは、あちらのほうなのだ!
「あの糞みてェな船ごと、骸の海に沈めてやんぜオラァ!!」
「威勢がいいのは結構だがサ、まずは船に乗り付けないとじゃねェかい?」
いきり立つケンタッキーに、横から玉ノ井・狐狛が口を挟んだ。
彼女たちはスリッド号に乗り込み、どうにかして海賊船を止めようとしている。
どうやらフェルトに策があるようなのだが……砲撃がその邪魔をしていた。
「あァ? ンなこた気にする必要ねェよ。なにせココは"強欲の海"だろうが」
「――ああ。たしかに」
並走するシャニムニー号をちらりと見やり、狐狛はなるほどと頷いた。
「あんなドサンピンよか"強欲"な輩ってのァ、猟兵の中にゃごまんといるもんだ」
そう――たとえば、海賊船そのものを制圧し、奪い取ってしまうような。
その言葉を肯定するように……空から、無数のガラス片が降り注いだ!
まったく突然に、誰もが予期せぬタイミングの奇襲だった。
巨大海賊船の上空には、ステルス迷彩で溶け込んだ猟兵が居たのである。
ガラス片を降り注がせたのは――ヴィクティム・ウィンターミュートだった。
「なんだ、何が起きてやがる!?」
「わ、わからねえよお頭ぁ! そ、操舵が……効かねぇ!!」
「ハッ! 威張り散らしてたくせに、もう震え上がっちまったのかい?」
「「「!!?」」」
甲板上に降り立ったヴィクティムの姿が、虚空から滲み出るように現れた。
実際のところ、それはステルス機構が解除されただけの話なのだが。
降り注いだガラス片は甲板上に、そして奴隷戦闘員の群れを貫いていた。
生き残りが引き抜こうと悪戦苦闘しているが、びくともしない!
「てめぇ、何をしやがった!?」
「"戴いた"のさ」
ヴィクティムは無数の銃口を向けられても恐れることなく、おどけて言った。
「そもそも奪い方がなってねぇよ、テメェらは。強奪はスマートに、狡猾に、だ。
そんな程度で満足してんじゃねえぜ。だから"本物"に掠め取られちまうのさ」
突き刺さったガラス片は、すなわち対象の存在をハックする電脳魔術の証。
海賊船の制御は、多数の奴隷たちの支配権も、いまやヴィクティムの手の中。
「さぁ奴隷ども! 今日からお前らは俺のものだ! そして聞け!!
あそこに居る莫迦の首が欲しいやつぁ、剣を掲げて意志を示してみせろ!!」
ガラス片に貫かれた奴隷たちが――高く、高く錆びたカトラスを掲げる!
「て、てめぇら!? まさか、ワシを――」
「そうさ。マストに吊るして一章晒し者にしてやろうじゃねえか! 行くぞォ!!」
支配された奴隷どもが、野太い雄叫びをあげて、かつての主に襲いかかる!
まさに奴隷の反乱! 略奪船長は泡を食って、生き残りの戦闘員をかき集めた!
「ば、莫迦どもがッ!! ええい、野郎ども! あいつらを止め……何ぃ!?」
だが。略奪船長が新たに召喚した奴隷戦闘員の頭部が、出し抜けに爆ぜた。
ひとつ、またひとつ。まるで見えない死神に刈り取られるかのように。
どこからだ。あの巨大な蒸気海賊船からか? 否!
では、徐々に近づいてくる鉄甲船からか? それも否!
略奪船長は気づかない――いや、そもそも想像すら出来ないだろう。
それが、パラフェイノ島の高台から飛んできていることなど……!
「そいつは、"無し"だな」
双眸を深い蒼に輝かせ、匡は淡々とスナイパーライフルを再装填した。
そして、トリガを引く。死してなお船に縛られた奴隷たちの魂を介錯する。
特段、使い潰された存在に対する同情だの、憐憫などは存在しない。しかし。
「何もかもを踏みにじって、他者から奪って、しがみついてでも生きる。
……その気持ちは、わからなくもないさ。けれど――お前は、やりすぎた」
淡々とトリガーを引く。魂を解き放ち、またひとつ死をもたらす。
姿見えぬ死神のように。黒き影が、徐々に恐怖という食指を伸ばす。
見えざる影の指先が、コンキスタドールどもの心に忍び寄り、蝕むのだ。
「見逃さないよ。お前のことは」
スコープ越し――どこまでも凪いだ、慈悲も容赦もない視線を船長は感じた。
そして震えた。見えざる死神、どこかから己らを狙い撃つ恐るべき射手を!
「動きが止まった……! 今ね!」
スリッド号甲板上。フェルトは、海賊船の異変に気づいた。
即座に魔力を練り上げ、すべてを凍らせる冷気の糸を編み、そして解き放つ。
「海を凍らせて、もうこれ以上船が進めないように足止めするわ!」
「了ォ解だ。コッチはコッチで、目にもの見せてやろうじゃねェか!」
獣じみて獰猛に笑うケンタッキーの周囲に、亜空間の穴が開いた。
そして電子の糸が放たれた瞬間、異空間から無数のパーツが射出される。
「工房『旅行記』開帳、射出機構作動――発射ァ! 搭載部開放だァ!」
見よ! あれはまさしく、巨人の如き威容を誇る特大の機械人形!
ケンタッキーはその胸部に乗り込み、自在片"天獣"を糸状に変形させる!
「"繰糸(ケーブル)"接続完了――システムオールグリーン、万事順調だぜ!
コレが俺の決戦用最高傑作だ――最ッッッッ高にシビれるデザインだろォ!!!」
ただでさえ巨大な機械人形『GULLIVER』の全身に、無数の火器が出現!
凍りついた海が衝角のごとく幽霊船を貫き、物理的に縫い止める中……。
「さあ、もう逃さないわよ? これまでの諸々の報い、受けてもらうわ!」
「たかが妖精(フェアリー)と侮ったこと、後悔して海の藻屑になりなァ!!」
BRATATATATATATATA……ZAAAAAP!! KRA-TOOOOOOOOM!!
ロケットランチャー、レーザーファンネル、はてはレールガン!
各種武装火器が一気に炸裂し、空から幽霊船と敵の群れを蹂躙する!
「う、うおおおおおっ!? 船ごとワシらを沈めるつもりか
……!?」
「おやまぁ、総大将が浮足立っちまってまァ。見苦しいったらねぇな」
「なんだ、テメェは!?」
海賊船長は、挑発的な狐狛の声に、ぎろりと振り返った。
女博徒は恐れもせずに肩をすくめ、ちょいちょいと手招きしてみせる。
「気に入らねぇかい? だったらかかっておいでな。アタシはひとりだぜ?」
「テメェ……ワシをナメるとどうなるか、思い知らせてやる!!」
略奪船長はその手に巨大な斧を召喚し、狐狛に襲いかかる!
狐狛は素早くカードをマストめがけて投擲――だが斧がこれを斬り裂いた!
「!」
「ハッ! テメェの手なんぞ見え透いとるわ! ワシを挑発しておいて、
その隙にマストを爆発してへし折ろうという魂胆であろうが!?
見え透いた手口よ! いいか、ワシをナメるということはつまり――」
「――つまり? そうやって大口叩いて、足元掬われるってことかい」
略奪船長は、思いもよらぬ光景に、「は?」と間抜けな声を漏らした。
勝ち誇っていたはずの自分の目の前に、狐狛は立っている。
なぜだ? あまりにも疾い――理解するより先に、掌底が下顎を叩いた。
威力に載せて、体が捻れ……吹き飛ぶ!
「ぐはぁっ!?」
「自分を強化出来るのがアンタだけだと思ったかい? いよいよ間抜けだねェ。
どうだい? 自分のフィールドで、出し抜かれて一撃もらった気分ってのは!」
どたんっ! と甲板を転がり、略奪船長は呻いた。すべて計算づくだと?
なぜだ。どうして自分は、己の船の上でこうも蹂躙されている!?
船は動かず――氷の柱と、打ち込まれた影の弾丸が船を沈めかけている――力量と知恵で出し抜かれ、自慢の奴隷どもも略奪されてしまった。
そして降り注ぐ火砲。いやそれだけではない、見よ。蒸気海賊船が近づく!
「さあ蹂躙の限りを尽くしましょう! お前たちの前にいるのは厄災たる大海賊!
今日まで奪ってきたぶん、この私が、私たちが! 根こそぎ戴いていきますよ!」
シノギが、そしてシノギの率いる略奪船員たちが船に迫る。
シャニムニー号の衝角が、海賊船に突き刺さる――KRAAAAAASH!!
「う、うおおおおおおおっ!?」
「――海賊としての格が違うのですよ、お前と私では」
略奪船長が最後に見たのは、己めがけて振ってくる巨大な黄金の右腕。
そして鮫のように獰猛に笑う、シノギの勝利の笑みだった。
KRAAAAAASH……!!
破城槌じみた一撃が、略奪船長を船ごと叩き潰し、海へと落とす。
大海賊の一撃が、悪党に裁きの最期をもたらしたのだ……!!
大成功
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