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殺戮の竜を生む荒野

#アックス&ウィザーズ #群竜大陸 #皆殺しの荒野



 アックス&ウィザーズの天空に浮かぶ「群竜大陸」。
 ここは「帝竜ヴァルギリオス」と千の竜が支配する呪われた場所であり、自然現象や野生生物さえもが牙を剥く過酷な大地だ。
 大陸へと足を踏み入れた猟兵達は生物の魂を食料とする「魂喰らいの森」を越え、次なる地「皆殺しの荒野」へと向かうことになる。
「この魂喰らいの森の踏破を頼みたいの」
 グリモアベースでは、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が状況説明を行っている。
 彼女の説明によれば、この荒野には呪われた風が吹き付けており、無差別な殺戮衝動と戦闘能力を与える「ドラゴン化能力」を植え付けているのだという。
 なお、猟兵が呪われた風の影響を受けることはないので、風に対する対策は不要だ。
「この地にも、多数のオブリビオンが生息しているのだけれど……」
 この風の影響もあり、オブリビオン全てが「殺戮のドラゴン」と化してしまい、血みどろの殺し合いを繰り広げている状況だ。
 ちなみに、ドラゴン化したオブリビオンは体内にその強さに比例した美しさの「竜胆石」と呼ばれる美しい宝石を精製することが分かっている。
「持ち帰ることで、ドラゴン化集団の中の敵1匹分の竜胆石でも、金貨40枚くらいの価値があるわ」
 UDCアース換算なら、40万円くらいだろうか。ともあれ、高価な品ではあるのでトレジャーハントついでに向かうのもいいだろう。
 出来れば、この荒野に橋頭保を。
 その気概で現状多くの猟兵達がこの荒野へと挑んでいる。
「極めて困難な状況だけれど、成し遂げなければ先には進まないものね」
 基本的には集団に襲われることとなる。油断せぬよう進んでほしいと願い、セレインは説明を締めくくったのだった。


 群竜大陸、皆殺しの荒野。
 呪われた風が吹きすさぶこの地では、あちらこちらでドラゴン化したオブリビオンの集団の抗争が繰り広げられている。
 主だった変化としては、竜の翼が生えているモノ、竜の角と鱗が生えているモノ。そして、その両方の特徴を持つモノがいた。
 元々、起きている争いには首を突っ込まぬように進む猟兵達。
 互いで争って戦力を減らすのであれば、オブリビオンの存在自体を是とはできぬ猟兵としては好都合。
 竜胆石狙いで訪れている猟兵もいるだろうが、そういうメンバーほど少ない労力で多数の儲けをと考えるのが普通だろう。

 さて、荒野を進む猟兵一行だが、そんなメンバー達を狙うべくやってくる敵勢力が現れる。
「キュウ、キュウ……」
「キュルル……」
 それらは、元々空中を飛ぶ鳥のような魚のようなオブリビオン「エアティック・フィッシュ」だ。
 集団で行動する空魚とでもいうべきこの敵は自分達のテリトリーに入った者に対して、好戦的に襲い掛かってくる性質がある。
 この荒野でドラゴン化し、竜の翼を生やした空魚達は誰彼構わず襲い掛かる凶暴性をむき出しにしている。
 先に進む為には、このオブリビオンの集団の討伐は避けられない。
 空から襲い来る相手なので、その点をついてうまく対処する方法があれば、効率的に討伐することができるだろう。
「キュウ!」
「キュゥーン」
 ある個体は体を膨らませ、ある個体は尻尾から竜巻を放ってくる。
「キュルルー!!」
 また別の個体は紫の瞳を黒く変色させ、強い敵意を持って素早く襲い掛かってくる。
 それらを……エアティック・フィッシュの群れを殲滅するべく、猟兵達もまた戦闘態勢を取るのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

 こちらのシナリオでは、
 第1章:ドラゴンの翼を生やした『エアティック・フィッシュ』との集団戦。
 《プレイングボーナス》空から襲い来る敵の有効な対処法。
 第2章:ドラゴンの鱗と角を生やした『血の一族』との集団戦。
 《プレイングボーナス》何処か一ヵ所ある急所を突くこと。
 第3章:ドラゴンの翼と、鱗と角の両方を生やした『ランナーズイーター』との集団戦。
 《プレイングボーナス》空からの強襲と、急所を突くこと両方に対処できる方法。

 まずは、呪われた風が吹き付ける「皆殺しの荒野」を進む途中襲い来る『エアティック・フィッシュ』の集団の殲滅を願います。
 前述のとおり、空から襲ってくる敵にうまい対処法があればプレイングボーナスが付与されます。

 第1章は17日朝からの執筆を予定しています。17日朝8時半までにプレイングを頂けますと幸いです。その後はできる範囲で採用させていただきます。
 章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章に断章執筆の予定はありません。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 集団戦 『エアティック・フィッシュ』

POW   :    キュウ!
【憎悪】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    キュルルー!!
【瞳を黒くする】事で【緊急撃退モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    キュゥーン
【尻尾】から【竜巻】を放ち、【風圧】により対象の動きを一時的に封じる。
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四王天・燦
「ここまで来たね」
『その女性達は怪しく、信心深く、凛々しく』にて宿したクレリックに囁くのさ。
世界に娘たちを蘇らせてくれた感謝を胸に帝竜に会いに進もう

(後で共倒れした奴から石を取らなきゃ)
感傷もそこそこに打算脳を働かせながら進むよ

フィッシュの強襲は慣性制御しているかを見て対処。
神鳴で特攻してくる奴をカウンターで斬る。
ここまで苦戦を想定

藪の中に爆薬を落とすぜ。
大立ち回りを演じ、敵をおびき寄せる。
見切りや残像で凌いで数が集まってきたタイミングで真威解放・カウントダウンで起爆!一網打尽って寸法さ。
体勢立て直さる前に刻んでトドメを刺すぜ

(爆薬はまだあるな…荒稼ぎしますか)
強欲に竜胆石狩りを愉しむとするよ


エリザベート・フリーレン
アドリブ歓迎
【白銀同盟】

ドラゴンハントよナインチェ
羽の生えたトカゲを踏みつぶし、華麗に任務を終わらせましょう?
そうね、仕事が終われば貴女と服でも身に行くのも良いわね
常に優雅に笑みを浮かべ、仲良くなった友人…そう、友人よ!
友人のナインチェと一緒にセレインさんに転移して貰うわ

転移先は荒野…聞いた通りだけど埃っぽいわね
しかもトカゲ風情が私を見下ろすなんて傲慢極まるわ
さ、行くわよナインチェ

まずは私から
親指を噛み血を流すわ
その血で魔法陣を描けばもう終わり
高速で飛来する猟犬の矢からは逃れられない…もし矢に対応すればナインチェへ隙を晒すだけ
逃げ場?あるわけないじゃない
さぁ、ハンティングショーの始まりよ


ナインチェ・アンサング
アドリブ歓迎
【白銀同盟】

殺戮にも、宝石には興味はありません。が
行く手を阻むのであれば、対処せざるを得ません。ね
…なにやら、エリザベートもやる気を出していますし
友人と共に窮地に立ち向かう。
それもヒトとしてのアリ方として好ましく…
え、ええ。友人。そうですが…?

…ともあれ。セレインさんに転移させて頂いた先
成程、竜の群れ…見ようによっては、かわいらしくもありますが
…エリザベートもやる気のようです。ので

親指を噛み流れる血液を黒槍へ
ドグンッと脈打ち、天を覆う群竜に鎌首を擡げるように変形する禍々しい穂先
昂ぶり涎を垂らすアギトの如きそれを空に向け
猟犬の援護を背に槍高飛びの要領で跳躍しましょう

では、蹂躙。です


七篠・コガネ
凶悪な風に凶悪な魚
見た目だけなら神秘的だというのにですね

でも上から襲って来る、なんていうのは
僕のいる宇宙世界では珍しい事でも何でもないのですから!
まずは攻撃が当たる前に前方へ【ダッシュ】です
荒野なら何の障害物もないでしょう

頭上に敵がいない場所まで駆けたら上空へ【ジャンプ】
そのまま【空中戦】を展開です
『code-Nobody』で【一斉発射】して応戦
舞台が空なら僕は強いんだからッ!
水を得た魚、もとい翼を得た鳥です

図体のデッカイ個体がいたらそいつ目掛けて急降下
脚の鉤爪で掴み、UCで【踏みつけ】て蹴り落としてやるです
大体、鳥人型ウォーマシンの僕を差し置いて魚が空飛ぶなんて生意気です


露木・鬼燈
竜をいっぱい殺せると聞いてっ!
…んん?なんか違うのです。
まぁ、力は反応するので竜とゆー事で…竜は殺すっ!
<竜喰>を展開し、すべての竜殺しの力を活性化。
さぁ、竜狩りの時間が始まるっぽい!
オルトリンデを手に竜狩りの基本戦術を披露するです。
まずは翼を破壊して空を奪い地面を這いずりしかできないように。
空にいるなら連結刃を操り翼を斬り飛ばす。
もしくは擦れ違いざまに大剣で。
次に武器となる爪牙を、爪牙を?
まぁ、元は魚だからここはカットで。
最後は逆鱗を貫き、頭部を破壊する。
本物の竜は素材となるから頭部を切り落とすんだけど…
まぁ、紛い物だし戦槌で頭部を潰せばいいよね。
竜胆石は腕を突っ込んで抉り出すのですよ。


ノイジー・ハムズ
【魔煉】
ノイジーちゃんの生まれた世界!
やはりやはり、心地良いものですね☆
先の戦争から暫く休んだので、魔力も元通りです☆

いいでしょういいでしょう!
お魚の死骸が残った暁には、弱肉強食タイムです☆

空中戦は、かえって好都合です☆
地を狙うより、簡単ですから☆

まずは雷属性の全力魔法を添えて!
私が動けなくても、空に向けて放てばいいんです☆
電撃は水に向かう…つまり、魚さん達です☆

ジューシーに灼けた所に!
食べ物にフォークを突き立てるのは、些か下品ではありますが!
かわいいノイジーちゃんがやることですので☆
「トライデント・フォーク」!

はい、魚さん達は335本のフォークに釘付けです!
叢雲さん、仕上げのお時間ですよ☆


叢雲・源次
【魔煉】
この地には久しぶりに来るが、その相手がエアティックフィッシュというのも因果を感じるな。ノイジー、お前の地元であるならば知っているかもしれんが、あの魚はな……『食うと美味い』

インターセプター・アナライザーを起動。空中を舞うエアティックフィッシュを捕捉
>interceper analyzer...active…LOC ON

炎獄機関、稼働率上昇。右義眼へバイパス
>inferno cylinder...drive.

収束眼光 連射モード
>RDY GUN....fire.

右義眼が瞬き、瞬間、蒼い熱線が幾条も空へ向け走りエアティックフィッシュを撃ち落とさんとする


アテナ・アイリス
最近、ドラゴンと戦うことが多くなってきたわね。
いよいよ決戦が近いのかしら。でも、まずは、目の前の敵ね。

スピードにはスピードで対応するのが一番よさそうね。

UC『ディバイン・フェザー』をつかって、相手の動きを「見切り」ながら光速で飛んで攻撃していく。

こんなドラゴンもどきでは、私の敵じゃないわね。素早く終わらせましょう。

連携・アドリブ大好物です。


雛菊・璃奈
オブリビオンを無差別に竜化させて殺し合いを誘発するなんて…魂喰らいの森もだったけど、明らかに異常だね…。

黒桜の呪力解放【呪詛、衝撃波、なぎ払い、早業】で広範囲に呪力を放出しつつ、【unlimited】の一斉斉射で敵を迎撃…。
敵の竜巻はアンサラーで反射【呪詛、カウンター、武器受け、オーラ防御】して逆に敵の動きを封じるのに使わせて貰って、狙い撃ちさせて貰うよ…。
接近戦を仕掛けて来る敵は【呪詛、衝撃波】を纏った竜殺しの力を持つ【力溜め】バルムンクで両断して仕留めさせて貰うよ…。

折角だし、倒した敵から竜胆石は回収しておこうかな…。
素材とかにも使えそうだし、お土産に持ち帰っても良いし…。




 アックス&ウィザーズの空高くにある群竜大陸。
 その攻略を進める猟兵達は薄暗い森を抜けて開けた場所、呪われた風が吹き荒ぶ「皆殺しの荒野」までやってきていた。
 なんでもこの風は、荒野に生息するオブリビオン全てに無差別な殺戮衝動と戦闘能力を与える「ドラゴン化能力」を植え付けるのだという。
「ここまで来たね」
 灰色の毛並みの耳と尻尾を持つ、四王天・燦(月夜の翼・f04448)は自身の内に宿す女性へと囁く。
 それは以前、この世界において撃破した竜帝を信じ崇めるクレリックだ。
 オブリビオンとしてこの娘を蘇らせてくれたことに燦は感謝しつつも、帝竜を倒す為に先へと進む。
 少しばかり感傷に浸る彼女だが、ちゃっかりとドラゴン化したオブリビオン同士が共倒れになったら、竜胆石も頂こうというちゃっかりした考えを抱いてこの依頼に臨む。
 一方で、オブリビオン同士の交戦を誘発する荒野に、魔剣を携える妖狐女性、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)は異様な空気を感じていた。
「……魂喰らいの森もだったけど、明らかに異常だね……」
 幸い、猟兵がこの風によってドラゴン化することはないが、理性を失って暴れるオブリビオン達の姿はまさに狂気という他ない。
「最近、ドラゴンと戦うことが多くなってきたわね」
 金髪を安打ポニーとしたエルフのお姉さん、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)はこの世界における決戦が近いのだろうかと推察していた。
「でも、まずは、目の前の敵ね」
 ふわりふわりと浮かぶ敵が頭上からこちらを狙っていることに気づき、アテナは身構える。
「竜をいっぱい殺せると聞いてっ!」
 赤髪で額に一本の黒い角を生やした羅刹の青年、露木・鬼燈(竜喰・f01316)は竜を倒す為に各地を渡り歩いており、この地の存在を知って早速足を運ぶことにしていた……のだが。
「キュウ、キュウ……」
「キュルル……」
 頭上に現れたのは、青く長い体躯を持つ魚「エアティック・フィッシュ」。それらが「ドラゴン化」し、ドラゴンの翼を持っているという存在だ。
「……んん? なんか違うのです」
 話を聞いてやってきたものの、思った姿形とは違うと感じた鬼燈は首を傾げる。
「凶悪な風に凶悪な魚……見た目だけなら神秘的だというのにですね」
 この地で身長が3m近くあればかなり目立つが、そんなウォーマシンの七篠・コガネ(ひとりぼっちのコガネムシ・f01385)が金の双眸で倒すべき敵を見据えていた。

 さらに、この荒野の攻略には、2組のペアが当たっていて。
「ノイジーちゃんの生まれた世界! やはりやはり、心地良いものですね☆」
 チーム【魔煉】として参加、ピンクの髪のマイペースフェアリー、ノイジー・ハムズ(夢の続きは羽虫に乗せて・f14307)は自分の世界の空気を吸い込み、羽根を伸ばす。
 アルダワでの戦争から休んでいたノイジーは魔力が元通りとなり、気力体力も充実した状態のようだ。
「この地には久しぶりに来るが、その相手がエアティック・フィッシュというのも因果を感じるな」
 その【魔煉】の相方、フォーマルスーツに身を包むサイボーグ、叢雲・源次(DEAD SET・f14403)は以前の依頼でドラゴン化していないこの空魚の群れと対したことがあるらしい。
「ノイジー、お前の地元であるならば知っているかもしれんが」
 しかも、その依頼で源次は実際に食べたことがあるようで。
「あの魚はな……『食うと美味い』」
「いいでしょういいでしょう!」
 源次の話に、ノイジーが楽しげに笑う。
「お魚の死骸が残った暁には、弱肉強食タイムです☆」
 群がる空魚達は、徐々にこちらへと降下してくる。

 そして、【白銀同盟】を組む女性2人組。
 2人は今回案内を受けたグリモア猟兵の力を借りて転移し、この皆殺しの荒野へと降り立つ。
「荒野……聞いた通りだけど、埃っぽいわね」
 紫銀の髪をサイドテールとした半魔の少女、エリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)は乾いた空気に思わず咳払いする。
 周囲を見回していた小柄なヤドリガミの少女、ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)は頭上を仰ぐ。
 転移してきたばかりの彼女達からは、まだその空魚の集団はかなりの距離がある。
「成程、竜の群れ……見ようによっては、かわいらしくもありますが」
 だが、こちらを見下ろしてくる空魚達は猟兵を襲うべき敵だと認識したようで。
「キュウ!」
「キュルルー!!」
 身体を膨らませ、あるいは加速して空から降りてくるオブリビオンの群れ。
 その視線がエリザベートには気に食わないようで。
「トカゲ風情が私を見下ろすなんて傲慢極まるわ。さ、行くわよナインチェ」
「ええ、行きましょう」
 やる気になっているエリザベートに促され、ナインチェも小柄な身長に不釣り合いな黒槍『ヴェルサス』を担ぎ、後に続くのである。


「キュルルー」
「キュウ、キュウ!」
 ドラゴンの翼を羽ばたかせ、「エアティック・フィッシュ」が地面に向かって滑空してくる。
 その集団の中には、湧き上がる殺戮衝動によって憎悪の感情を爆発させた空魚達が力を高めて襲い来る。
 その群れは人によっては恐怖を覚える光景ではあるが、コガネはまるで動揺する素振りすら見せずに、前方へと【ダッシュ】する。
「上から襲って来る、なんていうのは、僕のいる宇宙世界では珍しい事でも何でもないのですよ!」
 オブリビオン同士の抗争こそ起きてはいるが、地形的には何もない荒野だ。障害物を気にすることなく移動できると、コガネは頭上にいる空魚の影がなくなるまでまで駆けて行く。
 敵陣から逃れたコガネは上空へと『羽型ジェット』で【飛び上がり】、空魚達と【空中戦】を展開する。
 肥大したエアティック・フィッシュ達はその体躯を活かし、食らいつきや尻尾の叩きつけ等で襲い来る。
「舞台が空なら、僕は強いんだからッ!」
 コガネはそれらオブリビオン達から一定の距離を取り、翼のように広がる形態に変化させた『code-Nobody』で応戦する。
 空中であれば、コガネも空魚などには負けないと自負している。
 弾幕を張り巡らせ、片っ端から空魚を撃ち抜くコガネこそ水の得た魚、いや、翼を得た鳥と言うべきだろう。
「スピードにはスピードで対応するのが一番よさそうね」
 アテナは瞳を黒くした個体が加速して猟兵へと襲ってくるのを目にし、青白い聖光でその身を覆っていた。
 そして、アテナは頭上から舞い降りてきた敵が地面に到達するのを待たずに光速で飛翔し、相手の攻撃を瞬時に【見切って】躱し、水のように透き通った刀身の『アーパスブレード』で空魚の体を切り裂いていった。
 
 地上に残るメンバー達は空魚の強襲を迎え撃つ態勢をとる。
 燦は地面へと加速して降下してくる敵の動きを注視して。
「やっぱり、慣性制御はしているようだね」
 加速して地面に突っ込めば、激突は必至。
 だが、エアティック・フィッシュは地面近くになると、Uの字を描いてまた空中へと舞い上がる。
 その前に、地上へと降りてきた敵を、燦は【カウンター】技能も活かして刀身が帯電した『神鳴』で空魚の体を真っ二つにし、あるいは輪切りにしていく。
 ただ、相手もオブリビオンとしての力を持つ空魚だ。
 制御できる範囲内で加速する敵は空中で身を翻し、その長い体を叩きつけてきていた。
 状況的には不利と感じる燦だが、彼女は苦戦しながらも何かを狙っていたようである。
 こちら、鬼燈は竜の翼で降りてくる敵の姿、そして、それらに竜の存在を感じ取って。
「まぁ、力は反応するので竜とゆー事で……竜は殺すっ!」
 【化身鎧装<竜喰>】を発動させ、鬼燈は全ての竜殺しの力を活性化させる。
「さぁ、竜狩りの時間が始まるっぽい!」
 愛用の『魔剣オルトリンデ』を手に、鬼燈は竜狩りの基本戦術をこの場の猟兵達に、そして敵であるエアティック・フィッシュの集団へと披露する。
 敵は頭上から斜めに降りてくる形だが、鬼燈はドラゴンの翼を連結刃となった魔剣で切り飛ばし、地面へと落としていく。
 元々、ヒレを使って空中を泳ぐことができる空魚ではあるが、いきなり翼を失えばすぐには飛び立つことができない。
 また、鬼燈は地面近くまで降り立ってきた空魚を大剣形態とし、すれ違いざまにやはり翼を断ち切ってしまう。
「次に武器となる爪牙を……、爪牙を?」
 元が魚である為、そこは竜殺しの戦術には当てはまらないと彼は判断して。
「まぁ、元は魚だからここはカットで」
 工程はカットしても、空魚の体は躊躇なくカットしていく鬼燈である。

 また、エアティック・フィッシュ達は直接攻撃だけでなく、尻尾から竜巻を放って来ることもあり、猟兵達を苦しめる……と思いきや。
 薙刀状の『呪槍・黒桜』の【呪詛】を解放した璃奈が【早業】で刃を【広範囲】に振るい、空魚達を【なぎ払って】いく。
 そうして、呪力を放出する璃奈は詠唱して。
「呪われし剣達……わたしに、力を……『unlimited curse blades』……!!」
 璃奈は350本もの魔力製の魔剣、妖刀の現身で空魚達の体を捌いていく。
 竜巻を飛ばす一団は【魔煉】の2人の方にも近づいていた。
 敵の群れを見据えた源次は『インターセプター』、『アナライザー』を起動し、空中を舞うエアティック・フィッシュを捕捉して。
「interceper analyzer……active……LOCK ON」
 ――炎獄機関が稼働率上昇していき、源次の右義眼へとバイパスが繋がる。
「inferno cylinder……drive」
 源次が技の準備を行う中、敵の放つ竜巻がノイジーへと浴びせかけられて。
「空中戦は、かえって好都合です☆ 地を狙うより、簡単ですから☆」
 風圧によって動けなくなっていたノイジーだが、彼女は『さっきまでウィザードロッドだったもの』を空へと突きつけ、【雷属性】の【全力魔法】を放出する。
「私が動けなくても、空に向けて放てばいいんです☆」
 空中へと放電していく電撃は素早く、宙を舞う空魚達を焼き払っていく。
 その間に、源次の右義眼へと高エネルギーが集まっていた。

 戦場へと介入してきた【白銀同盟】の2人に対しても、多数のエアティック・フィッシュが群がっていく。
「ドラゴンハントよ、ナインチェ」
 羽の生えたトカゲを踏みつぶし、華麗に任務を終わらせましょうとエリザベートがナインチェへと呼び掛ける。
 そんなやる気のエリザベートに対し、ナインチェは。
「殺戮にも、宝石には興味はありません。が」
 この空魚達が行く手を阻むのであれば。ナインチェは黒槍を構えて。
「対処せざるを得ません。ね」
 友人と共に窮地に立ち向かう。それも、ヒトとしてのアリ方として好ましく……。
 そんなナインチェの言葉を聞いていたエリザベートは、交戦前のこの僅かなタイミングで人の在り方について想像を巡らせて。
「そうね、仕事が終われば、貴女と服でも身に行くのも良いわね」
 常に優雅に笑みを浮かべ、仲良くなった友人……。
「……そう、友人よ!」
「え、ええ。友人。そうですが……?」
 エリザベートが突然叫んだのに目を丸くするナインチェだったが、近づいてきた敵が竜巻を発してきたことで気を引き締め直すのである。


 他の猟兵達からは少し遅れて、【白銀同盟】の2人もエアティック・フィッシュと交戦を開始する。
 エリザベートは親指を噛んで血を流し、その地で魔法陣を描く。
「高速で飛来する猟犬の矢からは逃れられない……」
 そうして発動させた【猟矢エデッセコルヌ】によって、エリザベートは猟犬の性質を持つ血の矢を30本余り用意して撃ち出す。
 同時に、ナインチェもまた親指を噛み、流れる血液を黒槍へと吸わせて。
 ドクン……ドクン……。
 脈打つ黒槍は徐々に天を覆う群竜に鎌首をもたげるように変形し、禍々しい穂先となる。
 昂ぶり涎を垂らすアギトの如き槍は空へと向けられて。
 ナインチェは棒高跳びの要領で跳躍し、その槍に空魚を喰らいつかせていく。
 危機を察した空魚はその槍から逃れようとするが……。
「逃げ場? あるわけないじゃない」
 そいつへとエリザベートの猟矢が襲い掛かる。
「では、蹂躙。です」
「さぁ、ハンティングショーの始まりよ」
 小柄な2人は言葉を合わせ、空魚達へと言い放つ。
 向かい来る空魚を彼女達は1体たりとも逃がさず、喰らい、貫き、地面へと落としていく。
 ほぼ同じタイミング、【魔煉】の2人も。
 自身の雷によって、こんがり灼けた敵からジューシーないい匂いを感じたノイジーはユーベルコードを使って。
「食べ物にフォークを突き立てるのは、些か下品ではありますが!」
 そこはかわいいノイジーちゃんがやることだと自画自賛しながらも、300本以上のフォークを展開する。
「叢雲さん、仕上げのお時間ですよ☆」
「RDY GUN……fire」
 呼びかけに応じた源次の右義眼が輝くと青い熱線が幾条も空に走り、空中を飛来するエアティック・フィッシュを次々に撃ち落としていった。

 周囲でも、猟兵達の空魚討伐が加速する。
 不利を演出していた燦は敵を誘き寄せつつ、その攻撃を【見切り】、【残像】で凌ぐ。
 数が集まったところで、彼女はユーベルコードを発動させて。
「もう逃げたところで間に合わないぜ。秒読み開始――さん、に、いち……ゼロ!」
 用意していた箱型時限爆弾『カウントダウン』を巨大化させ、燦は近寄ってきた空魚達を一網打尽にして一気に爆破してしまう。
 木っ端微塵になったならよし。息が残っていたなら、燦は短剣『アークウィンド』を握って頭部を寸断してとどめを刺していく。
(「爆薬はまだあるな……荒稼ぎしますか」)
 彼女は強欲に、竜胆石狩りを愉しんでいたようだ。
「こんなドラゴンもどきでは、私の敵じゃないわね」
 光を纏って飛ぶアテナはというと、思った以上に素早く喰らいかかってくるエアティック・フィッシュに驚いていた。
 それでも、アテナは素早く終わらせようと手にする刃「アーパスブレード」で敵の体へと切りかかり、次々に地面へと落としていく。
 戦場を飛び交う空魚達はなおも竜巻を発してくる。
「風圧は面倒だけど、逆に利用すれば……」
 璃奈は接近してきた竜巻を【呪詛】を籠めた【『魔剣アンサラー』で受け】、【カウンター】として竜巻をそのまま反射する。
 そうして、しばし動けなくなった空魚目がけて、璃奈は『魔剣バルムンク』で両断し、仕留めていく。
 倒した敵からぽろりと零れ落ちる竜胆石を、璃奈は拾い上げて。
「折角だから、回収しておこうかな……」
 璃奈はその石が強化素材に使えそうと感じるだけでなく、お土産としても持ち帰ってもいいかなと考えていた。
 多少大き目の個体を発見したコガネは、そいつの頭上目がけて急降下する。
 足の鉤爪で掴んだ敵を、コガネは鋭い鉤爪の足蹴りで蹴り落とす。
「大体、鳥人型ウォーマシンの僕を差し置いて、魚が空飛ぶなんて生意気です」
 空中から落ちていく空魚達へと、コガネは冷めた口調で言い放つ。
 空魚、エアティック・フィッシュの数もかなり減ってきていて。
 鬼燈は地面をのたうつ敵の逆鱗を貫き、頭部の破壊を目指すが。
「本物の竜は素材となるから、頭部を切り落とすんだけど……」
 鬼燈は戦槌形態となった魔剣で竜の紛い物の頭部を叩き潰し、その後で敵の体内へと腕を突っ込み、竜胆石を抉り出していた。

 その後も猟兵達の勢いは止まることはなく。
 メンバー達は纏めて、群がるエアティック・フィッシュを始末していったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『血の一族』

POW   :    聖魔伏滅拳
【破魔の力を込めた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    聖魔伏滅斬
【破魔の力を封じた剣や斧】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    血の福印
【自らの血】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
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 群竜大陸、第二の関門ともいえる「皆殺しの荒野」。
 この荒野に吹き荒れている呪いの風は、全てのオブリビオンに無差別な殺戮衝動と戦闘能力を与える「ドラゴン化能力」を植え付けてしまう。
 この地へと足を踏み入れた猟兵達はまず、ドラゴンの翼を生やした空魚「エアティック・フィッシュ」の群れを討伐した。
 それらの死骸から金貨40枚相当の価値がある竜胆石を回収しつつ、猟兵達は荒野を進む。

 次に行く手を阻むのは、またしてもオブリビオンの集団。今度は人型のようである。
 局部を除けば大きく露出させた肌は日に焼けており、顔や身体には紋様の如き入れ墨を入れた人々だ。
 彼らは生前、群竜大陸の脅威を消し去ろうと活動していたといわれる「血の一族」の集団である。
 結果、滅びの道をたどったこの一族はオブリビオン化してしまったのだが、あろうことか群竜大陸上に出現してしまったのは皮肉と言わざるを得ない。
「群竜大陸……」
「世界に害なすこの地は消し去らねばならない……」
 もはや、生前の意思はなく、自らの悲願だけをうわ言のように繰り返すだけの存在だ。

 血の一族の集団にもやはりドラゴン化の影響が見られ、頭には鋭い角、体のあちこちに硬い鱗が生えてしまっており、装甲と攻撃力がアップしている。
 彼らは敵対する者に対して、至近から破魔の力を籠めた拳を振るってきたり、破魔の力を封じた剣や斧を叩きつけたりしてくる。
 また、自らの血を使って仲間に癒しを与えてくる為、一気に倒さねば態勢を立て直される可能性もある面倒な相手だ。
 ただ、いくらドラゴン化したとはいえ、彼らは本物のドラゴンではない。
 体の全面、胸部の間は鱗で覆われてはいない。そこは彼らにとっての急所でもある。
 攻撃の際、その部分をつくことで、血の一族を効率よく倒すことができるはずだ。
「脅威の除去の為に、手段は選んではおれぬ……」
「我らの悲願を邪魔するものは全て倒さねば……」
 オブリビオンとなった上で、ドラゴン化までしてしまった哀れな人々。
 強い殺戮衝動に襲われている彼らをせめて休ませてやろうと、猟兵達は武器を手に取るのだった。

(※ドラゴン化した血の一族は本物のドラゴンではない為、胸部中央に急所が存在します。そこをうまく突くことで、プレイングボーナスが付与されます)
(※今回は、3月22日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
四王天・燦
「帝竜を殺るのは俺たちだ、てか?」
呆れと哀れみ半々。
成仏させてやるから…アタシの邪魔をするな!

「わざわざ守っている箇所が弱点だ!」
神鳴の峰打ちで切上げ攻撃。部位破壊:局部!
「硬っ!?」

冗談はさておきフォックスファイア・参式を大地に叩きつけて戦場を火の海にしてやる。
高速治療上等…一撃で葬れば問題ない。
獲物をアークウィンドに持ち替え、物陰や陽炎の中を忍び足で移動。
敵に迫ればダッシュで飛び出して胸の中央をブッ刺し、刃を捩じって傷口を抉る。
背後が取れれば口を押えて、刃を突き立てて暗殺さ。
(南無三。宗派は知らんが火葬で我慢してくれ)

流石に解体して竜胆石を採取は心が痛む。
石だけ残るなら頂戴するけどね


露木・鬼燈
竜を狩るものが竜になるとは…
哀れなものなのです。
殺してやるのが慈悲とゆーもの。
情け容赦なく処理していくですよ。
弱点はすでに判明しているしね。
まぁ、上手くやるよ。
魔剣を連結刃形態へ。
射程距離ってのは一つの強さだよね。
敵の間合いの外から手足にダメージを与え削っていく。
刃に呪詛と毒を纏わせておくとより効果的だね
で、動きが鈍ってきたら棒手裏剣を投擲。
眼球を狙い、敵が反射的に防いだところで急速接近。
胸部中央に<血霧腕>を叩き込むっぽい!
忍体術で硬化させた腕を突き込み中身を引き摺り出す。
苦しめる必要はない。
即死しなかったら魔剣を戦槌形態に変えて頭部を粉砕。
次の敵へ。
君らの悲願は僕がついでに叶えてあげるよ。


ノイジー・ハムズ
【魔煉】
人型のオブリビオン!
彼らが繰り返す言の葉は、いつかの願い!
しかし今は…。何たる皮肉! ワクワクしますね☆

ですが、いいでしょういいでしょう!
群竜大陸はいずれ、私が代わりに破壊しましょう!
もっとも、始めからそのつもりでしたが☆

さてさて、狙うのは胸の部分!
せめて人間でありたい…そういう意志の表れでしょうか☆
ならばそれに応えるのが可愛いノイジーちゃんというもの!

近いと狙いにく部分もありますので、今回は少し距離をおいて攻撃です!
敵一人を中心に炎熱属性を加えた斬撃を放ち、狙った相手は確実に倒すことを意識し、連携できないように周囲の一族たちも巻き込んでいきましょう☆
叢雲さんは避けてくださいね☆


叢雲・源次
【魔煉】

本懐を遂げる事が出来ず果て、滅ぼすべき地にオブリビオンとして顕現されるというのも皮肉なものだ…
だが、立ち塞がるというのならばこちらとて容赦は出来ん

研鑽された人の身に竜の特製を宿すか
確かに、凄まじい腕力と防御力を持ち合わせている…しかし、一部のみ人であった部分を晒したのは彼らなりの最後の抵抗かもしれん。
いいだろう…その意図、俺達が汲み取ってやる

三十式特殊戦靴、起動
ノイジーが放つ炎熱斬撃の余波を掻い潜り抜けるように神速の踏み込みで相手の懐に飛び込む
こちらも研鑽を積んだ一刀の元、人の身である胸部を狙い斬り伏せんとする

「お前達の無念は俺達が晴らす…さらばだ、気高き血の一族達よ。」


ナインチェ・アンサング
【白銀同盟】
アドリブ歓迎

完全に竜化は成っていない様子
まだ時が来ていないだけなのか、彼らの最後の矜持なのか
…後者であることを、想います
願いは。願望器たる私が叶えるモノ
今は不可能ですが、その願いだけは引き継ぎましょう
群竜の脅威、その一端となる彼らを消し去ります

黒槍を片手に、聖剣抜刀
エリザベートの流麗な動きに合わせ、背を任せ合い踊るように
槍で攻撃を払い受け流し接近…極小の隙。それで十分です

結晶剣は直接的な弱点を突く事は叶いません
ただ、殺戮衝動を
強靭な肉体はそのまま、それのみを切り払います

彼らを突き動かす原動力がそれとはいえ、風がある限りはいずれ
しかし、安息に誘う一撃を与える時を与える程度であれば――


エリザベート・フリーレン
アドリブ歓迎
【白銀同盟】

今度もトカゲモドキなのね
それにしても哀れな存在…滅びた後も囚われて
ま、私達にかかれば何度問題も無く片付けれるわ
行くわよナインチェ

それにしても殺戮衝動に駆られ過ぎ、隙を探すまでもないわ
さぁ、円舞曲のお相手は誰かしら?
フェルマータをくるくる回し、踊る様にステップを
相手の攻撃は受け流しと打ち払いで常に優雅にね

お互いの武器の射程は分かってるもの、ナインチェとのペアダンスで翻弄するわ
あぁ…そうやって大ぶりだと…ほら、隙《胸》が丸見えよ?
鎌を変形させながらシャッセで踏み込み、二人の連携を見せるわ

これでお別れね、Gute Nacht
動けない的なんて簡単に貫けるもの、打ち抜いてあげる!


雛菊・璃奈
貴方達も元は群竜大陸をどうにかしようとした戦士だったんだね…。その想い、わたし達が引き継ぐよ…。

ん…破魔の力はわたしと少し相性が悪いかな…それで負ける気はないけど…。
力を宿せるのは武器や拳だけ…決して呪いに耐性があるわけじゃない…。

【呪詛】で強化した【unlimitedΩ】を展開…。
敵に【unlimitedΩ】による終焉の魔剣の一斉斉射を放ち、終焉の呪力で敵を侵食…。
魔剣の斉射を続けながら敵の攻撃を【見切り、第六感】で回避しつつ、凶太刀による高速化で接近…。
神太刀による不死・再生無効化で回復力を封じ、高速で敵の急所を斬り裂いて一体ずつ仕留めていくよ…。

どうか、安らかな眠りを…。


アテナ・アイリス
どうやら、相手の攻撃を受けてしまうと大変なことになりそうだわね。
なら、すべて躱してしまうまでよ。

UC『守護女神の煌めき』と【見切り・第六感】をつかって、
血の一族の攻撃をぎりぎりで躱して、【カウンター・早業・怪力】で胸部を攻撃して一撃で倒すようにする。

これなら、回復も意味ないでしょ。こんなところでぐずぐずしていられないの。ドラゴン退治は私たちが引き受けたから、ゆっくり休みなさい。

アドリブ・連携、大好物です。




 群竜大陸、皆殺しの荒野を進む猟兵達。
 相変わらず吹き荒れる呪いの風に誘われるようにやってきたのは、人型の集団だった。
「群竜大陸……」
「世界に害なすこの地は消し去らねばならない……」
 うわ言のように呟きながら歩いてくるのは「血の一族」と呼ばれ、生前、群竜大陸の脅威を消し去ろうと活動していた人々。
「人型のオブリビオン! 彼らが繰り返す言の葉は、いつかの願い! しかし、今は……。何たる皮肉!」
 【魔煉】としてペアでこの地の攻略に臨む、ピンク髪のフェアリー、ノイジー・ハムズ(夢の続きは羽虫に乗せて・f14307)はワクワクしながら飛び回る。
「本懐を遂げる事が出来ず果て、滅ぼすべき地にオブリビオンとして顕現されるというのも皮肉なものだ……」
 そのノイジーの【魔煉】としての相方、刀を差したフォーマルスーツ姿の叢雲・源次(DEAD SET・f14403)が言うように、オブリビオンとなり果てたあげくドラゴンの角と鱗を生やしたその姿は滑稽ですらある。
「竜を狩るものが竜になるとは……哀れなものなのです」
 そんなオブリビオン化した人々を前にしても、竜狩りの青年、露木・鬼燈(竜喰・f01316)はいつも通りにのほほんとした態度である。
「貴方達も元は、群竜大陸をどうにかしようとした戦士だったんだね……」
 一方で、血の一族の在り方を知った妖狐の妖剣士、雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)は無表情ながらも、しんみりとしていた様子。
 【白銀同盟】ペア、小柄で紫銀の髪をサイドテールとしたエリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)は、遭遇直後はまたトカゲモドキなのねと口に出していたのだが。
「哀れな存在……滅びた後も囚われて」
「完全に竜化は成っていない様子」
 相方である白い髪のヤドリガミ、ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)はその姿を見回し、ドラゴン化がまだ途中だと確信したらしく。
「まだ時が来ていないだけなのか、彼らの最後の矜持なのか。……後者であることを、想います」
 彼らの願いは。願望器……聖餐の器であり血塗られた盃として造られた聖杯である自身が叶えるモノだと、ナインチェは告げる。
 ただ、その力は現状彼女にはなく、その願いだけを引き継ぐことを誓う。
「そうだね。その想い、わたし達が引き継ぐよ……」
 璃奈にもナインチェの言葉が聞こえていたようで、同意しながらも【呪詛】の力を高める。
 並々ならぬ猟兵の力を感じた血の一族達は、表情を歪めて。
「我らの邪魔をするか……」
「悲願達成を妨害する者は全て排除せねば……」
 彼らの戦闘スタイルは格闘と刃の付いた武器を使ったものとに分けられるが、いずれも破魔の力を宿して攻撃してくるようだ。
「帝竜を殺るのは俺たちだ、てか?」
 血の一族の主張に、一見すればグラマラスなスタイルにも見える妖狐女性、四王天・燦(月夜の翼・f04448)は呆れと哀れみ半々といった様子で。
「成仏させてやるから……アタシの邪魔をするな!」
「情け容赦なく処理していくですよ」
 鬼燈もまた殺してあげるのが慈悲だと考え、間合いを維持して仕掛けていく。
 【魔煉】の2人もまた、他のメンバーに合わせて動き出す。
「立ち塞がるというのならば、こちらとて容赦は出来んな」
「いいでしょういいでしょう! 群竜大陸はいずれ、私が代わりに破壊しましょう!」
 源次は足並みを揃えて行く手を阻む血の一族へと戦意を向け、魔法剣を手にするノイジーは元々そのつもりだったと本音を隠すことなく晒す。
「群竜の脅威、その一端となる彼らを消し去ります」
 血の一族にそう言い放ったナインチェに、エリザベートも応じて。
「ま、私達にかかれば、何度問題も無く片付けられるわ。行くわよ、ナインチェ」
 【白銀同盟】の2人はそれぞれ刃を手にして、ドラゴン化した血の一族の集団へと攻め込むである。


「行くぞ、同胞達よ!」
「「おお!!」」
 全身を竜の鱗で覆い、頭に竜の角を生やす血の一族。
 オブリビオンとなった上でドラゴン化した彼らに元の理性など存在はしておらず、ただ目の前の相手を倒すだけの獣にも等しい存在だ。
 そんな相手に、次世代エルフを自称するアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)は、直接敵陣へと向かって。
「どうやら、相手の攻撃を受けてしまうと大変なことになりそうだわね」
 血の一族が持つユーベルコード【聖魔伏滅斬】は、刃が触れるだけで切断してしまうという。
「なら、すべて躱してしまうまでよ。……守護女神の力よ。わたしを守って」
 アテナはその対策としてユーベルコード【守護女神の煌めき】を使い、女神の啓示に導かれるように血の一族の斬撃をぎりぎりで躱す。
 そして、狙うは鱗に包まれていない胸部中心。
 敵の攻撃を躱したアテナは【カウンター】として、【怪力】を込めて『アーパスブレード』を【早業】で突き刺す。
「これなら、回復も意味ないでしょ」
 一撃で仕留めたアテナは次なる剣、斧持ちの攻撃を避けつつ、攻撃の機を窺っていた。

 ただ、相手も自分の弱点は熟知しており、普通の立ち回りではなかなかに隙を見せず、腕や武器でガードするように構えを取っている。
「わざわざ守っている箇所が弱点だ!」
 燦は局部を狙い、『神鳴』を峰打ちして切り上げた。
 しかし……。
「硬っ!?」
 その一撃は鱗に弾かれ、敵の攻撃の隙となってしまう。
 幸い通常の斬撃だった為、燦は体を裂かれずには済んだが、冗談の割には手痛い手傷を負ってしまっていた。
 近場には璃奈の姿があり、どうしたものかと立ち回る。
「ん……、破魔の力はわたしと少し相性が悪いかな……」
 魔剣、妖刀の類を使う璃奈だ。それらを打ち消されてはたまらない。
 それで負ける相手ではないと璃奈は考えるが、下手な戦い方では相手は互いに血を分け与えて高速治療を行って回復してしまい、苦戦は必至だ。
 その為、璃奈はしばらく立ち回り、相手の戦い方を見る。
 力を振るい続ける際、纏わせる破魔の力は長く持たないらしく、素の拳や武器を直に叩き込んでくることもあったようだ。
 また、璃奈は別の部分にも着目していた。
「力を宿せるのは武器や拳だけ……決して呪いに耐性があるわけじゃない……」
 そこで、彼女はユーベルコード【Unlimited curse blades Ω】を展開していく。
「全ての呪われし剣達……わたしに、力を……立ち塞がる全ての敵に終焉を齎せ……!」
 璃奈の周囲に現れたのは、350本もの終焉の魔剣、妖刀の現身。
 彼女はそれらの魔剣群を一斉に斉射して敵の身体へと突き刺していき、終焉の呪力で敵を侵食していく。

「せい、せい、せいっ!!」
 血の一族は鍛え上げた体で、猟兵達へと攻撃を行う。
 鬼燈は破魔の拳を突き出してくる敵複数を相手にしていて。
「弱点はすでに判明しているしね」
 彼は相手の拳が至近距離でないと破魔の力が発動しないことを察しており、上手く立ち回っていた。
「射程距離ってのは、一つの強さだよね」
 愛用の『魔剣オルトリンデ』を連結刃形態とした鬼燈は、敵の間合いの外から手足を優先的に傷つけ、ダメージを与える。
 その際、鬼燈は刃に【呪詛】と【毒】を纏わせて切りかかることで、徐々に敵を弱らせていたようだ。
 仲間の交戦を傍で見ていた【魔煉】の源次は、研鑽された人の身に竜の特製を宿す血の一族の姿に唸る。
「確かに、凄まじい腕力と防御力を持ち合わせている」
 しかし、体の一部……胸部中心に人であった部分をさらしているのは、彼らなりの最後の抵抗かもしれないと源次は推察して。
「いいだろう……その意図、俺達が汲み取ってやる」
「さてさて、狙うのは胸の部分ですね!」
 ノイジーもまた、せめて人間でありたいという意思の表れなのだろうかと察して。
「ならば、それに応えるのが可愛いノイジーちゃんというもの!」
 近いと相手の猛攻撃もあって狙いづらいと判断したノイジーは、敵から少し距離を置いて攻撃を行う。
「渇望の風刃よ、果実は彼方にあり。今こそ収穫の時!」
 ノイジーが放つは、【炎熱属性】を纏わせた漆黒の遠距離斬撃。
 1体を中心にして狙うことで、彼女は確実に撃破できるよう意識して攻撃する。
 さらにノイジーは敵の連携を阻止すべく周囲の一族をも巻き込むのだが、その攻撃の余波は味方にも及んでしまうようで。
「叢雲さんは避けてくださいね☆」
 そこで、源次は『三十式特殊戦靴』を起動させて、神速の踏み込みでノイジーの炎熱斬撃の余波をかいくぐる。
 神速の踏み込みで飛び込んだ源次が対神打刀『灰ノ災厄』に手をかけ、捕捉した敵へと言い放つ。
「お前達の無念は俺達が晴らす……さらばだ、気高き血の一族達よ」
 研鑽を積んだ一刀の元、源次は人として残る胸部を切り伏せていた。

 炎熱といえば、多少の手傷を負った燦も本気モードになっていて。
「炎よ、灼熱と陽炎の領域を展開せよ!」
 燦は60弱の狐火を大火球とし、荒野の地面へと叩きつけていく。
 目論み通り、戦場を火の海にしたことで、彼女は獲物を風属性の短剣『アークウィンド』に持ち替えて。
「高速治療上等……一撃で葬れば問題ない」
 ほとんど物のない荒野とあって、燦は影朧の中を忍び足で移動し、血の一族の命を狙っていく。
 そして、【白銀同盟】の2人は、多数の血の一族を相手に立ち回る。
「殺戮衝動に駆られ過ぎ、隙を探すまでもないわ」
 エリザベートは目の前の相手を拳で叩き伏せることしか考えていない血の一族へ、呼び掛ける。
「さぁ、円舞曲のお相手は誰かしら?」
 『氷鎌フェルマータ』をくるくる回し、踊るようにステップを踏むエリザベートが相手へと言い放つ。
「おおおおおおおお!!」
 血の一族の1人が叫びながら近づいてくると、エリザベートは優雅な所作で受け流し、相手の力を軽くいなしてみせた。
 そのエリザベートの背には、彼女の流麗な動きに合わせてナインチェが舞い踊る。
 黒槍『ヴェルサス』を片手に、聖剣『フェガロフォト』を抜刀していたナインチェは両手で刃を操り、敵の攻撃を槍で切り払っていく。
 刃を振るいながらのペアダンス。
 互いの武器の射程を十分に把握しているからこそ、可能な芸当と言える。
 その美しい舞いは、殺戮衝動で満たされた血の一族をも翻弄していた。
 攻めあぐねる敵だが、思い切って2人へと踏み込むことにしたようで。
「せえええええい!!」
 その殴打を、ナインチェが片手で持つ黒槍で払い受けてから肉薄する。
「……極小の隙。それで十分です」
 ナインチェはもう片方の手で握る結晶剣で相手を攻めるが、直接的な弱点を突くことは叶わない。
「強靭な肉体はそのまま、私の狙いは……」
 血の一族を突き動かす原動力である殺戮衝動のみを、青い燐光が籠った彼女の剣は切り払っていく。
「風がある限りはいずれ……。しかし、安息に誘う一撃を与える時を与える程度であれば――」
 さらに、ナインチェは向かってきた相手の殺戮衝動を切り裂く。
 そんな大切な友達の、エリザベートが思わず「あぁ」と声を上げて。
「……そうやって大ぶりだと……ほら、隙《胸》が丸見えよ?」
 直後、呆けたように膝を崩す敵。
 そちらにもエリザベートは注意を払っており、大鎌をパイルバンカー形態へと変形させながらシャッセ……すり足のステップで踏み込む。
「これでお別れね、Gute Nacht」
 動けずにいる血の一族の1人、エリザベートはその胸部へとバンカーを打ち込んで完全に意識を奪ってしまったのだった。


 【白銀同盟】の2人が息の合った連携で血の一族を1体ずつ討伐する傍らには、【魔煉】の2人もまた息の合った掛け合いをしていて。
 ノイジーの炎熱斬撃が敵を牽制する中、源次は次なる敵へと瞬時に肉薄して刃を煌めかせて1体を倒していた。
 
 個々で戦うメンバー達も討伐を加速させていて。
 周囲を炎の海とし、揺らめく炎と陽炎の中を移動する燦は【ダッシュ】で飛び出し、胸部を刺した刃をねじって【傷口を抉る】。
 次の相手は背後を取って口を抑え、刃を胸部へと回して突き立てる。
(「南無三。宗派は知らんが火葬で我慢してくれ」)
 さすがに解体してまで竜胆石採取は心が痛むと、燦はその場から消え去った相手のみ残した石を頂戴していたようだ。
「こんなところでぐずぐずしていられないの」
 相手の斬撃を【見切った】アテナは【直感】を活かしてなおも敵の攻撃を躱し、素早いカウンターで刃を突き出して一撃で屠る。
「ドラゴン退治は私たちが引き受けたから、ゆっくり休みなさい」
 そう告げ、アテナは刃を引き抜き、次なる敵を相手取っていく。
 鬼燈はじりじりと毒と呪詛で弱らせていた相手がある程度動きが鈍ったところで、そいつの目を狙って棒手裏剣を投げつける。
 それを敵が反射的に防いだところで、急速接近した鬼灯は胸部中央目がけて素手で硬化させた腕を突き出し、強引に竜胆石を引きずり出す。
「君らの悲願は僕がついでに叶えてあげるよ」
 苦しめることなく鬼燈は一撃で仕留めにかかり、息が残っていたのであれば、戦槌形態とした魔剣で頭部を粉砕してしまう。
 そして、璃奈は終焉の魔剣の斉射を続け、仲間と共に立ち回りながらも破魔を纏わせた敵の拳や刃を【見切り】、【自らの直感】で避けながらも『妖刀・九尾乃凶太刀』の力をもって高速で接近して。
 実際に攻撃を行うのは、『妖刀・九尾乃神太刀』。
 その不死、再生無効化で回復力を封じ、高速で急所である胸部を切り裂き、仕留めていく。
「どうか、安らかな眠りを……」
 彼女は1人1人に小さく祈りを捧げ、その刃を引き抜いたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『ランナーズイーター』

POW   :    スニークイーター
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【牙】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
SPD   :    ハングリーランナー
全身を【硬質な鱗】で覆い、自身の【食欲】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
WIZ   :    ハンティングタイム
【別集団のランナーズイーター】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
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 群竜大陸、皆殺しの荒野にて、「エアティック・フィッシュ」、「血の一族」と2つのドラゴン化した集団との戦いを潜り抜けた猟兵達。
 他種族が構想を繰り広げて殺伐とした荒野をなおも進むメンバー達は竜胆石を手にほくほく気分になっていたり、血の一族の末路に些か傷心を抱いたりと、個人個人でテンションは異なっていたようだ。
 そんな猟兵一行の前に、荒野に吹き荒れる呪いの風が新たなドラゴン化したオブリビオンの集団を運んでくる。
「「ギャオオオオオオォォ!!」」
 それは体長3~5mと個体差はあったが、いずれも恐竜を思わせるドラゴン「ランナーズイーター」の群れだ。
 元々、雑食性であるこのドラゴンは群れて獲物を追い立てながら狩りを行い、主に速く動く生物を獲物とするのだという。
 そんなランナーズイーター達だが、呪いの風を浴びたことで進化したのか背中にドラゴンの翼を生やし、空から奇襲してくる。
 また、元々身体を覆っていた鱗はより強固なものとなり、さらに竜の角を頭に生やす敵は、これまで遭遇したドラゴン化した2集団の特徴を兼ね備えていた。
 つまり、空から襲ってくるランナーズイーターの群れに対し、硬い鱗の対策も合わせて行いたい状況だ。
 こちらも胸部中央が弱点となるようなので、積極的に狙っていきたい。
「「ギャアアオオオオォォ!!」」
 空を飛び、襲い来るランナーズイーターは集団で襲い来る習性をそのままに、呪われた風の影響によって戦闘力を高めて襲い来る。

 そろそろ日暮れも近いことに加え、連戦続きの猟兵もいる状況だ。
 メンバー達はこの一戦を区切りとしてひとまずグリモアベースへ帰還し、態勢を立て直すことも視野に入れながら、全力でこの強化されたドラゴンの群れの討伐へと当たっていくのだった。

(※今回は竜の翼、角&鱗を兼ね備えたドラゴンの集団が相手です。空から襲ってくる敵の対処法と、胸部中央に急所を突く両方の対抗手段を手掛けることでプレイングボーナスが付与されます)
(※今回は、3月27日8時30分までの予定で受付を行っております。その後の受付分は間に合う分のみ対応致します)
エドゥアルト・ルーデル(サポート)
『ヒャッハー!頭ねじ切ってオモチャにしてやるでござる!!』

口調:拙者、名字+氏、~でござる、~ですぞ
属性:混沌・悪

弱きを困惑させ強きを嫌がらせの果に弄り倒す正義なんてどこ吹く風なゴーイング・マイ・ヒャッハー系

シリアスな空気だと破壊するか自分が爆発する
可愛い女の子を見れば興奮する変態
エンジョイ&エキサイティングをモットーに好きなように生きて好きなように死ぬギャグキャラ
オタクらしく戦闘中でも状況に有ったセリフやパロ技を適当にぶっ込みながら戦う様はイカレポンチすぎて敵味方問わず困惑と驚愕させることに定評がある
公言しないが空軍のパイロット


レーナ・ムーンレス(サポート)
『今日も元気に萌え萌え弩キューン』
 バーチャルキャラクターのバトルゲーマー×サウンドソルジャー、永遠の17歳(32歳)の女です。
 普段の口調は「バ美肉ソプラノ(私、あなた、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、時々「イケボ(私、~君、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 皆殺しの荒野を進む猟兵一行。
 2度のオブリビオンの集団を退けた彼らの前に、さらなるオブリビオンの集団が襲い来る。
 それは本来、地上を駆けるドラゴンの群れ『ランナーズイーター』だ。
「「ギャオオオオオオォォ!!」」
 呪いの風によって殺戮衝動を高めたドラゴン達には頭に角を生やし、元々生やしていた鱗が強固なものとなっており、胸部中央以外は中途半端な攻撃など弾いてしまいそうだ。
 さらにそいつらは翼を羽ばたかせ、やってきた獲物を空から品定めしている。どこを喰らおうかと考えているのかもしれない。

 メインメンバー達がそれらと直面する少し前、先駆けてサポートの2人が翼を生やしたランナーズイーターの群れと対していて。
「ほう、空を占拠するドラゴン……これは見過ごせないでござるな!」
 空が好きな戦場傭兵の男性、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)がヒャッハーと叫びながらも、戦闘態勢を取る。
 呪いの力を得て空をも我が物にしようとしている地上を駆ける竜の存在は、エドゥアルトにとってかなり癪に障ったのだろう。
「今日も元気に萌え萌え弩キューン!」
 そしてもう1人、スタイル抜群でハイテンションな藍色の髪の女性、レーナ・ムーンレス(電子の美少女アイドル・f09403)が可愛らしく決めポーズしてみせる。
「「ギャアアオオオオォォ!!」」
 よだれを垂らして威嚇してくるランナーズイーター達に対し、2人の猟兵はテンション高く叫ぶ。
「さあ、デストロイですぞーー!!」
「ええ、全力でデストロイですわよ!」
 2人はテンション高く、ドラゴンの群れと交戦する。
「ギャアアアアオオオォォォォ!!」
「「ギャオオオオオオオオォォォォーー!!」」
 叫ぶランナーズイーターは、別集団のランナーズイーターを呼び出してくる。
 そして、空から牙を剥き、食らいつこうとしてくる。
 さすがに数が多くなれば、視認が難しい敵も出てきてしまう。
 エドゥアルト、レーナの2人はそれらの攻撃を受けながらも応戦する。
「こうなれば、塹壕戦ですぞー!」
 エドゥアルトは傷つきながらも、ユーベルコードで作った掩体で周囲を防御陣地へと変えていく。これでしばらくは持ちこたえられそうだ。
「私の歌を聴いて癒されなさい!」
 さらに、レーナが聖歌を響かせてこの場の仲間達を鼓舞する。
「「ギャアアアアオオオォォォォ!!」」
「泥沼の消耗戦、いいよね……」
 そうは言うものの、エドゥアルトの防御陣地は鉄壁であり、ほぼ無敵状態となっているのは非常に心強い。
 しばらく応援し続けていたレーナだったが、そこで傍と彼女は気づく。
「ところで、誰が攻撃するんですの?」
 2人は確かに頭上からの強襲を防ぎ、攻撃してくるランナーズイーター達の疲弊は誘っていたものの。
「……………………」
「他の猟兵の到着を待つですの…………」
 ハイテンションだったはずの2人は大人しくなってしまい、しばらく攻撃を行うことなく掩体へと身を潜めていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四王天・燦
収穫を確認してドラゴンを見る。
高価な竜胆石に期待

真威解放・神鳴で飛翔開始。
一気に来ないよう速度はじわじわ上げ一体ずつ仕留めるぜ

「お食べ」
残像と一緒に残ったカウントダウンを食べさせてあげよう。
お腹の中から急所諸共爆ぜな。
「きたねー花火」

爆薬が尽きたらグラップルでしがみつく。
他所のドラゴンに対し攻撃誤爆も誘発できるし敵を盾にするには丁度いい。
おててを武器受けで防ぎ、クライミングで急所に達すればサクッと屠畜さ

「ほら、もっと竜胆石を呼べよ」
敵が減ったら挑発。
己の限界が近づくまで故意に呼ばせるぜ。
(これで金貨…枚くらいか。鱗も剥いだら売れるか?)

金で救えるモノもある。
そんな気持ちが最近芽吹いているのさ


叢雲・源次
【魔煉】

(ランナーズイーターの群れを前にして)
なるほど、群竜大陸とは言ったものだ…ここに至るまで『竜化』した者と遭遇してきたがここまでくると竜のバーゲンセールだな…

……冗談だ。聞き流せ。

どうやら奴らは空中戦を得てとするらしい…ノイジー、俺は迎撃と対空戦闘に当たる。空の領域はお前に任せるとする。

(空中から襲い掛かってくる竜を対神太刀でいなしながら、冷静に生態を分析する)…やはり、先程の一族と同じか…ならば

>inferno_cylinder ignition…
>RDY OVER_DRIVE

「その弱点ごと、焼き尽くす。」
【神殺絶刀】

太刀を突き出すと同時に極大の光条と化した蒼炎を放ち空を薙ぎ払う。


ナインチェ・アンサング
アドリブ歓迎
【白銀同盟】

あの巨体に空を飛ぶ竜化の翼…厄介な相手、です
鱗の鎧も纏っているのであれば無策に戦うは愚の骨頂
…ここは連携を強め、当たるべきです。エリザベート

魚竜の時のように、血液を黒槍へ
先ほどは喰い足りなかったとでもいう様に
喉を鳴らす如く凶悪な音と共に穂先に牙の如きものが備わります
…無謀に空へと飛びかかっても、先ほどのようにはいきません
黒槍を宥めます。…空を飛ぶモノは撃ち堕とされるが定め故に

エリザベートの弾丸が翼を射て地へと…そう。今、です
一気に接敵。落下予測地点から、無防備な弱点目掛け牙を穿ち、喰い抉ります
…弾丸を避け、近づくのならばそれこそ動きも読みやすい
友人に手出しは、させません


エリザベート・フリーレン
アドリブ歓迎
【白銀同盟】

まさにトカゲね
知性の欠片も感じられないわ
相変わらず優雅に毒を吐きつつ愛鎌をくるくる手遊びに回す

空を飛ぶならまずは地に伏せさせないと、ナインチェ行くわよ?
ゆっくりと視線を敵に、さぁ…翼を穿ってあげる!
狙うは翼、爪に口、邪魔な尻尾も凍らせてあげるわ!
地に伏せれば終わり、ナインチェと連携してトドメよ

あら、抵抗するトカゲもいるのね
でも無駄…私の視界に居る限り回避する事を許さないの
ナインチェや周囲の人を攻撃する敵がいれば氷の弾丸で妨害するわ

最適・最高のタイミングで――展開
氷の弾丸を壁に変化させればトカゲの攻撃なんて通りはしないわ!
友人を護るのは当たり前、よね?


ノイジー・ハムズ
【魔煉】

この手のドラゴンが空を飛ぶ姿はなかなかシュールですね☆
いいでしょういいでしょう! そのおしゃれ勝負、ノイジーちゃんが受けて立ちましょう!
血で血を洗うバーゲンセールです☆

わかりました、空中戦はノイジーちゃんの得意なものの一つ!
飛んだばかりのひな鳥には、空の領域はまだ早いです☆

雷鳥樹、召喚!
雷鳥樹さん、帯電している蔦を張り巡らせて下さい☆

小さな体の私はいざ知らず、ドラゴンさんは飛び回りづらいでしょう☆
感電している所悪いですが、蔦で絡め取らせてもらいます!

叢雲さん! 一番美味しいところをあげちゃいます!
雷鳥樹さんの心配はいりません! ノイジーちゃんが、後で魔力をたっぷりあげておきますから☆


露木・鬼燈
…トカゲじゃない?
竜を翼の生えたトカゲってゆーこともあるけどさ。
そのまま翼の生えたトカゲだよね。
絶対に飛ぶより走った方が強い!
まぁ、いいや。
お仕事だし、こいつも狩っちゃうですよ。
<蠱毒>で呪詛を降らすですよ。
百足型呪詛が翼や柔らかい部位、そして内部を喰い荒らす。
翼を破壊され、苦痛から地に落ちたところを狩るっぽい!
頭部を戦槌で殴って動きを止め、土遁<山嵐>ってね。
土中の珪素を集めた槍で胸部中央を貫く。
念動手でのブーストがないから威力は落ちるけどね。
集中させれば弱点を貫くくらいはイケルイケル!
まぁ、仰向けに墜落したヤツの方が楽に殺れるんだけどね。
踏みつけてから弱点を大剣で貫けば簡単っぽい!


アテナ・アイリス
あら、数を増えていく厄介な敵の様ね、ならUC『ニヴルヘイム・ストーム』をつかって一網打尽にするのがよさそうね。

最初は、後ろから後方支援しつつ、ランナーズイーターの行動パターンを見極める。

最大限に効果が発揮される範囲を【見切り・第六感】で見極めたうえでの氷の嵐の魔法を放つ。
氷属性のダメージを与えつつ、氷結で飛んでいる動きを止めて仲間が攻撃しやすいようにする。

魔法を放った後は、殲滅戦に加勢するために最前列に行き、弱点を攻撃していく。

連携、アドリブ、大好物です。




 皆殺しの荒野にも日暮れが近づく。
 そんな中、猟兵達は空に群がるドラゴン……ランナーズイーターの群れに気付いて。
「……トカゲじゃない?」
 その姿に、のほほん赤髪羅刹の露木・鬼燈(竜喰・f01316)は首を傾げる。
 確かに竜を翼の生えたトカゲと称することはあるが、飛来してくるそれらはそのまんま翼の生えたトカゲでしかないと鬼燈は考えて。
「絶対に飛ぶより走った方が強い!」
 そんな鬼燈の意見に、同意する意見は多い。
「この手のドラゴンが空を飛ぶ姿はなかなかシュールですね☆」
 好奇心旺盛なフェアリー、ノイジー・ハムズ(夢の続きは羽虫に乗せて・f14307)は地を駆けるドラゴンが羽ばたく姿に奇抜さを感じていた。
「なるほど、群竜大陸とは言ったものだ……」
 ノイジーと共に【魔煉】として参加していた黒のスーツを着用した改造人間の青年、叢雲・源次(DEAD SET・f14403)は得心して。
「ここに至るまで『竜化』した者と遭遇してきたが、ここまでくると竜のバーゲンセールだな……」
 ………………。
 一瞬、場が沈黙したのを察した源次は一つ咳払いする。
「……冗談だ。聞き流せ」
 そこで、ピンクの瞳で翼を生やすドラゴンを見詰めていた巨大な大鎌使い、エリザベート・フリーレン(冷徹ハーベスター・f24684)が一笑に付していたのは、源次の言葉によるものではなく。
「まさにトカゲね。知性の欠片も感じられないわ」
 エリザベートはいつものように優雅な所作で毒を吐きつつ、手遊びにと愛鎌をくるくると回していた。
「あの巨体に空を飛ぶ竜化の翼……厄介な相手、です」
 そのエリザベートと【白銀同盟】でペアを組む巨大な黒槍使い、ナインチェ・アンサング(瀉と献のカリス・f24188)は相手の強さに警戒心を抱く。
 高まった力もさることながら、ナインチェは非常に硬くなった鱗の鎧に着目しており、無策に戦うのは愚の骨頂だと主張する。
「……ここは連携を強め、当たるべきです。エリザベート」
 ナインチェの提案に「そうね」とそっけなく返す相方だが、エリザベートの信頼は決して薄くない。
 空を飛ぶランナーズイーターはその間にも、別集団のランナーズイーターを呼び出し、数を増やしている。
 その数に、八重歯を覗かせた妖狐女性、四王天・燦(月夜の翼・f04448)が笑い、竜胆石がいくつ収穫できるかと期待するが、基本的には数が増えれば面倒と思うのが普通だろう。
「あら、数を増えていく厄介な敵の様ね」
 金髪碧眼のエルフのお姉さん、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)が状況から最善策をすぐ考え出していたようだが、その前に。
「あれは何かしら?」
 アテナは前方へと、ランナーズイーターの群れが降りてきていたことに気付く。
 そこではすでに、サポーターの2人……既に陣地を作ってくれているエドゥアルトに、応援してくれるレーナが交戦、防戦に回っていたのだ。
「いいでしょういいでしょう! そのおしゃれ勝負、ノイジーちゃんが受けて立ちましょう!」
 敵を倒すのにこれ以上の舞台はないと、ノイジーはテンションを高めて。
「血で血を洗うバーゲンセールです☆」
 そんな相方に、源次が頭を抱えていたのはさておき。
 サポーターの2人が整えてくれた防御陣地にて、駆けつけてきた猟兵達は襲い来るドラゴンの群れと対するのである。


 徐々に暮れなずむ荒野、猟兵達はすぐさま数で押し寄せるドラゴン達と対する。
 予め展開されていた防御陣地のおかげで、迎撃しながら対策を打ち出すこともさほど苦にはならないし、響く声援がこれから戦うメンバーの力を高めてくれる。
「【ニヴルヘイム・ストーム】を使って、一網打尽にしたいところだけれど……」
 アテナは増えすぎた敵の対処を考えながらも、ランナーズイーターの行動パターンを見極めるべく、しばらくは交戦する仲間の状況を確認することにしていた。
 こちらは【魔煉】ペア。
「どうやら、奴らは空中戦を得手とするらしい……」
 源次が空から襲い来る敵を対神太刀『黒ノ混沌』でいなしつつ、敵の生態を冷静に分析していた。
 その弱点となるのは胸部であり、先程交戦した血の一族と同じだと源次は判断して。
「ノイジー、俺は迎撃と対空戦闘に当たる。空の領域はお前に任せるとする」
「わかりました。空中戦はノイジーちゃんの得意なものの一つ!」
 ノイジーは源次の呼びかけに応じ、頭上を見上げる。
 小さな体のフェアリーであればいざ知らず、まだ飛び方もままならない巨体のドラゴンが体をぶつけ合っている姿は彼女にとって滑稽でしかない。
「飛んだばかりのひな鳥には、空の領域はまだ早いです☆」
 生来より翼のあるフェアリーにとっては、いくら巨体のドラゴンであっても満足に飛べなければ赤子同然ということだろう。
「雷鳥樹、召喚! 雷鳥樹さん、帯電している蔦を張り巡らせて下さい☆」
 ノイジーが召喚した魔法植物、雷鳥樹は彼女の呼びかけに応じ、空中の広範囲へと帯電している蔦を展開し、多数のドラゴンを絡めとっていた。
「御狐・燦が願い奉る。今ここに雷神の力を顕さん。神鳴――真威解放!」
 戦巫女の装束に変身した燦は、空中へと少しずつ浮かび上がる。
 彼女は仲間の展開した蔦から逃れた敵を1体ずつおびき寄せるように、陣地の端へと移動していた。
「お食べ」
 誘い出されてきた敵へと、燦は【残像】に持たせた箱型時限爆弾『カウントダウン』を喰らわせると、直後にそのランナーズイーターの腹が一気に爆ぜ飛んだ。
 さすがに鱗が強化されていても、体内はどうしようもなかったらしい。
「きたねー花火」
 感慨も何も抱くことなく、燦はさらに残像を展開してさらにカウントダウンをご馳走していく。
 【白銀同盟】の2人も、仲間達の攻撃から漏れた敵に狙いを定めていて。
「空を飛ぶならまずは地に伏せさせないと、ナインチェ行くわよ?」
 エリザベートの言葉に頷くナインチェは、1戦目のドラゴン化した空魚「エアティック・フィッシュ」との交戦時と同様に自らの身体を傷つけ、血を流す。
 その血を滴らせることで、ナインチェは黒槍『ヴェルサス』の封印を解くと、まだ獲物を食い足りないとでもいうように黒槍は喉を鳴らすが如く凶悪な音を鳴らす。
 そして、穂先に牙のようなものが備わっている。
 同時に、エリザベートがまだ自由に空を飛ぶドラゴン達に視線を向け、愛用の大鎌を銃形態へと変形させて。
「さぁ……、翼を穿ってあげる!」
 空飛ぶ竜の群れに銃口を向けたエリザベートが狙うは、鱗がほとんどついていない翼、爪、口、それに……。
「邪魔な尻尾も凍らせてあげるわ!」
 放たれるエリザベートの弾丸が次々にドラゴンの翼を穿っていく。
「……無謀に空へと飛びかかっても、先ほどのようにはいきません」
 ……空を飛ぶモノは撃ち堕とされるが定め故に。
 黒槍を宥めるナインチェは、空から墜ちてくる敵を見据えて。
「……そう。今、です」
 落下予測地点まで素早く迫ったナインチェは、無防備となる胸部目がけて牙を穿ち、その体を一気に黒槍で食い抉ってトドメを刺していくのである。
 そこで、アテナは燦や【白銀同盟】に被害が及ばず、かつ最大限に効果が発揮される範囲を【直感】で見極める。
 幸い、防御陣地のすぐ上にまで敵は集まり、かつ、帯電した蔦に絡めとられており、アテナとしては纏めて敵を狙いやすい状況にある。
「攻撃、少し待ってね」
 仲間達へと合図を出したアテナは詠唱を始めて。
「エーリヴァーガルの流れよ! 我が敵の動きを止め、ギンヌンガガプへと押し流せ!」
 敵陣の中心近い場所で展開される氷の嵐。
 物理攻撃には耐性のある鱗だが、さすがに氷結魔法となれば話は別。
「「グオオオオアアアアァァァ!!」」
 凍てつく嵐に苦しむランナーズイーター達。
 直接寒さを感じるのもそうだが、凍り付いた鱗は幾分か衝撃に弱くなる。
 これなら、他のメンバー達もかなり攻めやすくなるはずだ。
「それじゃ、こっちもお仕事始めるのですよ」
 それまで待っていた鬼燈も、大百足の力を借りるべく詠唱を始めて。
「盟約に従い汝が力を示せ。我等が敵に呪いあれっ!」
 鬼燈の術式によって戦場にぽつぽつと降ってきたのは、百足型【呪詛】の雨だ。
 徐々に戦場は蠱毒に浸食され、空中で動きを封じられたランナーズイーター達の翼、胸、そして体内を、百足型の呪詛が食い荒らしていく。
 呪詛の影響で少しずつボロボロになっていくドラゴン達を、ノイジーは展開する蔦でしっかりと絡めとっていく。
「叢雲さん! 一番美味しいところをあげちゃいます!」
 宙に展開したままの雷鳥樹は心配いらないと彼女は叫ぶ。
「ノイジーちゃんが、後で魔力をたっぷりあげておきますから☆」
 そんなノイジーの呼びかけもあり、源次は詠唱を始めて。
 ―― inferno_cylinder ignition…….
 ―― RDY OVER_DRIVE.
 心臓より溢れる地獄の蒼炎によって高まった膨大なエネルギーを、源次は対神太刀へと集めて。
「その弱点ごと、焼き尽くす」
 彼が頭上へと太刀を突き出すと同時に、極大の光条と化した蒼炎で空を薙ぎ払う。
 すると、空中で絶命するドラゴンが出始め、ぽとりぽとりと地面に竜胆石が落ち始める。
 丁度、燦は爆薬が尽きたこともあり、グラップルでドラゴンへとしがみつく。
 そして、彼女目がけて食らいつこうとする敵をうまく盾にし、爪や牙を【短剣『アークウィンド』で受けつつ】、【クライミング】で達した胸部へと短剣を突き刺す。
「ほら、もっと竜胆石を呼べよ」
「グ……グアアオオオオォォォ……!!」
 しかしながら、いくら声を荒げても、これ以上新手の集団は来ないらしく、燦はそのドラゴンを屠畜してしまった。
 なお、地面に墜ちながらも、しぶとく生き残るランナーズイーターもいたようで。
「あら、抵抗するトカゲもいるのね」
 生き残る敵を事も無げに見ていたエリザベートだったが。
「でも、無駄……私の視界に居る限り、回避する事を許さないの」
 彼女はなおも、氷結晶の弾を展開して仲間に襲い来る敵の動きを妨害していく。
 エリザベートはそれらの弾丸を壁のように変化させ、トカゲ達の食らいつきを防ぐ。
「友人を護るのは当たり前、よね?」
 それでも、壁を回り込もうとしてくる敵の動きは実に読みやすい。
「友人に手出しは、させません」
 敵の接近をしっかり捕捉していていたナインチェは、その敵目がけて黒槍を突き付け、その肉を捕食させていくのだった。

 鬼燈もまた地面に墜ちて苦痛に呻く敵へと接近し、戦槌形態とした『魔剣オルトリンデ』で頭部を殴って動きを止めて。
「土遁<山嵐>ってね」
 『データ化された魔法術式』を元に、鬼燈は土中のケイ素を集めた槍で地面に落ちた敵の胸部中央を貫いていく。
「念動手でのブーストがないから、威力は落ちるけどね」
 それでも、集中させれば、弱点を突くぐらいはイケルイケルと、鬼燈は軽いノリでランナーズイーターへとトドメを刺していく。
 仰向けならば簡単に倒せるが、うつ伏せに落ちた敵は直接踏みつけてから弱点を大剣形態に変化させた魔剣で貫いていく。
「後は大丈夫みたいね」
 アテナは加勢をと考えていたが、さすが手練れの猟兵が集まれば殲滅も早い。
 後は確実に仕留めるべく、アテナも倒れる敵の胸部へと『アーパスブレード』を突き刺していく。
 燦も敵が減ったら挑発をと考えていたが、気づけば動ける敵がほとんどいなくなっていた。
(「これで金貨……枚くらいか。鱗も剥いだら売れるか?」)
 ――金で救えるモノもある。
 そんな気持ちが最近芽吹いていた燦は、がめつくこの場の竜胆石を集めていくのだった。

 呪いの風を浴びたランナーズイーターを討伐した猟兵達。
 その殲滅が終わる頃には日は沈んでおり、暗い中進むのは危険と判断したメンバー達は皆殺しの荒野の行軍を切り上げ、グリモアベースへと戻ることにしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月28日


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#アックス&ウィザーズ
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#群竜大陸
🔒
#皆殺しの荒野


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト