「汝ら、船に乗らぬか」
グリモア猟兵、ロア・メギドレクス(f00398)はグリモアベースにて唐突に切り出した。
「うむ。最近話題のあれだ。サムライエンパイア外洋の先に、織田信長が求めたグリードオーシャンへの航路が存在する可能性がある……というやつであるな」
曰く。
ヒーローズアースの戦乱の後にいかなる術を使ってかサムライエンパイアに現れたオブリビオン、レディ・オーシャン。
その怪しげな企てを阻止すべく猟兵たちが幾度も戦いを挑んだのだが、その何度目かの戦いの後に奇妙な現象が発生したのだという。
「サムライエンパイアの戦乱の際、『鉄甲船』を接収したのは覚えておるか。うむ。あの“大悪災”日野・富子めが仕切っておったあれだ」
その鉄甲船から、不思議な紫色の光が放たれ外洋への路を指したのだ。
「というわけで、汝らにはこの光を頼りに外洋の先を目指してもらう。……あの『第三無敵無敵極悪丸』あらため、『絶対無敵雷神丸』でな」
ロアはモニターに画像を映し出し、グリモア猟兵権限で命名した船を猟兵たちに見せた。
「だが、容易にはいかぬぞ。外洋にはいくつもの脅威が待ち受けているのだ。この絶対無敵雷神丸の航路でも避けては通れぬ。特にこの『殺人海域』は恐ろしい場所だ。他の海域では類を見ない殺人巨大イカや獰猛な殺人マグロなどの災害級生物が次々と船を襲ってくる。汝らはここを突破してその先を目指すのだ」
更にそこを抜けた先ではオブリビオンの襲撃が予期されている。戦闘の準備もしっかり整えておくように、とロアは言い添えた。
「まあ、ここまで長々言ったがやることは単純だ。海域を抜け、オブリビオンをぶちのめして紫の光の先を目指せ。以上だ」
では、健闘を祈る。
ロアは最後にそう言うと、手にしたグリモアを輝かせた。
無限宇宙人 カノー星人
ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
この度も引き続き侵略活動を進めさせていただきます。
よろしくお願いします。
第1章 冒険
『脅威の海洋災害』
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POW : 肉体の力で体力任せに海洋災害に立ち向かいます
SPD : 素早い行動力や、操船技術で海洋災害に立ち向かいます
WIZ : 広範な知識や、素晴らしいアイデアなどで海洋災害に立ち向かいます
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「仁!ここままじゃまずいぞ!」
「わかってる!けど振り切れねえ!」
「ギュボボボボ!!」
鉄甲船の船体が揺れる!水面からトビウオめいて飛び出した殺人マグロが船の側面に激突しているのだ。その速度と質量は戦艦の砲撃にも匹敵する!
外洋に向けて進む絶対無敵雷神丸は既に殺人海域の洗礼を受けていたのである!状況は既にクライマックスだ!
「クオオオーン!!」
「あの触手……どう見てもイカだ!」
「くそ、殺人巨大イカまで出て来やがったか……!」
「嵐で転覆するのとどっちがましだったと思う?」
「どっちも嫌だよ!ああ、もう。迷惑な連中なんだから!」
操舵室で悲鳴があがる。嵐や氷山といった危険を避けるルートを、とこの殺人海域を針路に選定した絶対無敵雷神丸であったが、その行く手に襲い来る災害級殺人生物の攻撃はいかに鉄甲船であるといえど撃沈されかねない激しさであった。殺人巨大イカや殺人マグロ、殺人シャコといった凶悪な生物や毒々しいおばけクラゲなどが群れをなして絶対無敵雷神丸に攻め寄せる!
「へへ、悪いな猟兵さん。快適な旅とはいかなくなっちまった。……ここを乗り切るために、力を貸してくれ!」
絶対無敵雷神丸の船長が船室へ声を届ける。
さあ、猟兵たちよ。この海域を突破し、光の先を目指すのだ!
アメリア・イアハッター
海を越えてまだ見ぬ世界へ、って、とってもワクワクするね!
皆で障害を乗り越えて、一緒に新しい世界を見に行きましょ!
殺人なんちゃらっていうけれど、結局は海でしか生きられない生物よね
ならばこの場所を、一時的に消してあげましょう!
UCを発動し、船の周りを空にする
ふふ、マグロさんたちは果たして空を泳げるかな?
あ、サメとかいたら飛べるかも……
ともかく、空でバタバタしているであろう殺人魚介類を、皆で狙い撃ちだ!
この船大砲とかあるかな? あるならどんどん撃っちゃおう!
私も空の魚介類を踏みつけ回って、叩き落していきましょ
ある程度攻撃したらUCを解除し、空を海に戻して船を華麗に着水させて
さあどんどん進もう!
ミスト・ペルメオス
【SPD】
奇怪な生命体が相手だろうと、フネを守るのが鎧装騎兵の役目ですッ。
愛機たる機械鎧(人型機動兵器)を駆って参戦。
マシンヘルムやデバイス等を介して念動力を活用、機体をフルコントロール。
スラスターを駆使し、常に鉄甲船の周囲を飛び回りながら任務に当たる。
脅威に対処するべく【サモン・オプションアームズ】。
対潜兵器を搭載したウェポンユニットを転送し、主兵装の可変速ビームキャノンと換装。
念動力も利用した索敵を行いつつ、敵対生物を確認し次第攻撃。
水上に出た敵にはビームアサルトライフルとマシンキャノンで、
水中から迫る敵にはウェポンユニットからの対潜ミサイルを投射し排除する。
※他の方との共闘等、歓迎です
メルノ・ネッケル
殺人イカ、殺人マグロ、殺人シャコ……殺人生物の見本市やなぁ。
それでも!この船の名は"絶対無敵雷神丸"!
皆で力を合わせれば、うちらは正に絶対無敵。海産物にゃあ負けへんで!
デカブツ相手にゃ火力が肝要、ここはアイツの出番やな。「カミカクシアタッシュ」から「TTバレル」を引っ張り出し、マグロに一発ぶち込んだる!
相手は海の生き物、水中では体勢を崩しにくい。
けれど、そこを飛び出すなら好都合……地の利を捨てたノーガード攻撃、カウンターのチャンスや!
まあ、こっちも危ないんやけど……そこは鍛えた【見切り】の腕と、ビビらず照準を向ける【勇気】でカバー!
『虎の威を借る狐』……艶々光るその体、でっかい風穴開けたるで!
「ギュバババババ!!」
激突!衝撃!船体が揺らめき波が爆ぜる!いかに強靭な躯体をもつ鉄甲船・絶対無敵雷神丸もこのままでは半日ともたず沈められてしまうだろう。
「海を越えてまだ見ぬ世界へ……、って、とってもワクワクするね」
しかし、アメリア・イアハッター(f01896)は恐れることなく甲板に立った。
「せやね。この海の先でどんな空が見られるか……うちも楽しみや」
メルノ・ネッケル(f09332)は船上の一角に陣取り、長大な銃器を設置。対戦車ライフル・タイガーテイル。15ミリを超える大口径狙撃銃である。
「そこに辿り着くにも、まずはここを突破しなくてはいけませんね」
ミスト・ペルメオス(f05377)は鎧装を纏う。黒き躯体はブラックバード。全高9メートルにも達する機動兵器だ。
「ええ、皆で障害を乗り越えて、一緒に新しい世界を見に行きましょ!」
「それじゃ、反撃開始といこか!この船の名は"絶対無敵雷神丸"!皆で力を合わせれば、うちらは正に絶対無敵。海産物にゃあ負けへんで!」
がこんッ。駆動音。メルノはタイガーテイルに弾頭を装填し、その両腕に力を込めた。
ブラックバード背面のブースターユニットに火が入る。漆黒と機体が空と海の狭間を駆けながら索敵――否。探すまでもない。
「クオオオーン!」
「あれは……間違いなくイカですね」
絶対無敵雷神丸の針路を塞ぐように水面から半身を浮かべる氷山めいた巨影!殺人巨大イカだ!ミストはブラックバードの内部でコンソールを叩く。FCS・リンケージ。【サモン・オプションアームズ】。ウエポンユニット転送。虚空に開いた小規模転移ゲートからビームアサルトライフルを引き出し照準。トリガー!閃光!
「クオオオオオ――!」
たちまち爆散!ミストは機体を反転させながら次のターゲットの捕捉にかかる。
しかし、その時である!
「クオオオーン!」
「しまった!真下に!」
飛沫をあげ、殺人巨大イカが水面へと現れる!その触腕がブラックバードの足首へと絡み付く!
「デカブツ相手にゃ火力が肝要……っとォ!」
だがその瞬間であった。猛き虎の咆哮が戦場に轟く!【虎の威を借る狐/タイガー・ウィズ・フォックス】!対戦車ライフル・タイガーテイルの砲撃である。メルノの援護射撃だ!
「ケェーッ!」
15ミリ大口径弾頭に脳天を粉砕された殺人巨大イカはそのまま海中へと沈む。ブラックバードの機体越しにミストはメルトとサムズアップを交わした。
「……なるほど。かなり獰猛だし、だいぶ危ない生き物みたいね」
ここまでの戦況を俯瞰して、アメリアは策を練る。襲い来る殺人生物の群れに対し、自分の持つ札でもっとも有効なものは。
「わかった!」
アメリアはひらめいた。そして甲板から空を仰ぐ。無限に広がる色は無敵の青。空へと憧れるその胸が、ユーベルコードを通して願いと想いをかたちにする。
「……!?」
「なんだぁ!?」
操舵室の乗組員たちは一斉に素っ頓狂な声を上げた。窓から見える外の光景に、水平線はない。ただただどこまでも広がる空の景色があるばかり!
「ギュボボボボ!!」
「ギギギギギ!」
だが、戸惑うのは船員ばかりではない。船を襲っていた殺人生物たちもまた混乱していたのだ。いかな怪物といえど、彼らはみな鰓呼吸の水棲生物。突如空中に投げ出され、海中を遊泳するために進化し続けてきたその身体は空中を飛ぶこともできず、ただじたばたと虚空を暴れ回るばかりだ!
「殺人なんちゃらっていうけれど、結局は海でしか生きられない生物よね」
そして、アメリアは悠然と甲板に立つ。そこから見渡す光景は360度どこまでも続く空の青。【想空流】の発露である!
「よし、それじゃあやっつけちゃおう!大砲とかあるかな?」
「備え付けのがあっちにあるみたいやで。砲撃手もいるはずやな」
「それじゃメルノ、そっちお願い。私ちょっと行ってくるから、船のみんなと一緒によろしくね。どんどん撃っちゃって!」
「りょーかいしたで。それじゃ、アメリアさんの方もよろしくお願いしまーす!」
アメリアは甲板を蹴り、自ら作り出した空へと飛び込んだ。くるりと空中で姿勢制御。落下の勢いを乗せて、空中にばたつく殺人マグロめがけて流星めいた蹴り足を突っ込む!
「ギュボボボボ!」
断末魔めいた鳴き声とともに爆発する殺人マグロ!アメリアは衝突の反動で再び宙を舞い、次の殺人生物を狙う。更に踏みつけ、殺人モンハナシャコを叩き落とす!続けて次のターゲット!
「ふふ、マグロさんたちじゃ空は飛べないでしょ……おっと!?」
だが、そこでアメリアめがけて高速で飛来する巨大な生物の姿!殺人巨大シロワニだ!!なお、ここでいうワニとは鰐鮫という呼び名もあるように鮫の一種を指す。古語において鰐とは鮫のことを指す言葉なのだ。サムライエンパイアのある地方に伝わる影鰐という妖怪もサメの怪物である。話を戻そう。巨大な威圧感に戸惑うアメリア!
「た、たしかにサメは飛ぶかもだけど……!」
「ガオオォォォン」
そして空中を機動しアメリアへと追い縋る殺人巨大シロワニ!
「そこまでですッ!」
だが、それを遮る閃光!ブラックバードが空を駆ける。プラズマスラスターから推進剤めいて燐光を散らしながら羽撃く鋼鉄の黒鳥が、ビームアサルトライフルの照準を向け殺人巨大シロワニへと射撃!光弾が体表で爆ぜる!
「ガオオォォォン」
爆発!殺人巨大シロワニはたちまち耐え切れずに爆散。同時にメルノが最後の殺人マグロを仕留めたところだ。かくして周囲一帯の殺人生物群はほぼ駆逐される。
――ばしゃん、っ!
激しい水音と共に飛沫があがる。アメリアがユーベルコードを解いたことで、絶対無敵雷神丸が海上へと戻ったのだ。
「……とりあえず、周りにはもういないみたいですね」
ブラックバードを降りたミストは索敵の結果を皆に伝える。とりあえずは、小休止が取れそうだ。
「いやー、殺人イカ、殺人マグロ、殺人シャコ……サメまでおったな。まるで殺人生物の見本市やなぁ……」
こんなに生き物が凶暴な海域はサムライエンパイアではほかに類を見ないだろう。
「大丈夫大丈夫。第一波はなんとかなったしね。さあ、このままどんどん行こう!」
アメリアはまだまだ元気な様子で拳を掲げ、舳先から伸びる紫の光の先へと視線を向ける。
まっすぐに伸びたその光は、僅かも曇ることなく輝き続けている。
だが、この殺人海域にはまだまだ多くの脅威が潜み絶対無敵雷神丸を狙っているのだ。猟兵たちの船旅は続く。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
舞塚・バサラ
【SPD】
烏賊に鮪に蝦蛄…
ふむ、この先何があるか分からぬ以上、旨い物を食して備えよと
では一丁、頑張るで御座るか
UCで鋭利な鮪包丁を形成
相手が水産物である以上、動きがある時は水面が揺れる筈なのでその予兆と殺人種ならば放っている筈の殺気を見逃さぬで御座る(見切り、殺気、第六感)
殺人マグロはその突貫の勢いを逆利用し、刃を沿わせて解体のち活き〆(武器受け、暗殺)
烏賊は触手を伸ばして来た所を狙い、伸びきった所を切断
シャコは捕脚による一撃を避けるよう心がけつつ、殻を破壊して中身を取り出す
襲撃が終わり次第、対処した海産物を刺身なり炙りにして(属性攻撃)食して今後に備えるで御座る
そら、皆様もどうで御座るよ?
ウィーリィ・チゥシャン
殺して喰っていいのは殺されて喰われる覚悟のある奴だけ。
なぁ、お前ら。美味いのか?
小舟を一艘借りて足場にし、殺人生物どもを片っ端から【料理】する。
突っ込んでくるマグロは軌道を【見切り】、【カウンター】の【料理の鉄刃】の【二回攻撃】で三枚に下ろす。
シャコは鉄鍋の【盾受け】で攻撃を凌いでから【シールドバッシュ】でバランスを崩し、外殻の隙間を【鎧無視攻撃】で突いて仕留める。
イカやクラゲは【フェイント】で襲い掛かる脚を掻い潜りながら【部位破壊】で次々斬り落とし、胴体によじ登り【料理】知識を動員して弱点を探し、そこを【料理の鉄人】の一撃で仕留める。
残る問題は、こいつらが喰えるかどうかだな。
アリルティリア・アリルアノン
ひぇーっ、これなら嵐や氷山の方がいくらかマシだったのでは!?
まあ、こうなったら嘆いていてもしかたありません
かつては沈めざるを得なかったラブリーアリル号……いや、今は元気爆発頑張丸でしたね!ともかく今度はこのアリルが守ってみせます!
え、名前が違う?細けぇこたぁいいんですよ!
まずはサポートユニットの「アレリ」を飛ばして【情報収集】、
周辺の殺人生物の位置と数を出来る限り把握します
情報を元に攻撃が来る方向の予測を立てたら、飛び出してきた瞬間を狙ってフォトジェニック・ステイシス!
いかに災害級と言えどこれでまな板のコイ…ならぬ海産物、身動き出来なくなった所を炎の【属性攻撃】でこんがり焼いてやりますよ!
エダ・サルファー
絶対無敵雷神丸……良い名前だね!
どことなく新しい世界へ飛び出すスリルを教えてくれそうな感じがするよ!
今まさにスリリングな状況だけどな!
襲い来る巨大生物は基本的に魚介だよね。
ならば弱点はほぼ共通してるよ!
つまり、「目と目の間を攻撃すれば締められる」ってことさ!
ふっふっふ、釣りが趣味なことが役立ってしまったな!
……大体の生物は目と目の間を攻撃されたら致命傷だけどね。
そんなわけで、近接してきた奴は直接殴って、遠くのは遠当てで眉間を狙って締めてくよ!
……巨大クラゲは目が見当たらないから、触手に触らないように殴る、くらいしか思いつかないなぁ。
ともあれ、せっかく締めても食べる機会が無さそうなのが残念だね!
「ひぇーっ、これなら嵐や氷山の方がいくらかマシだったのでは!?」
「ギュボボボボ!!」
殺人マグロや殺人カツオが次々に絶対無敵雷神丸を襲う!第二波の襲撃である!
アリルティリア・アリルアノン(f00639)は眼前に広がる海を埋め尽くすがごとくやってくる殺人生物の群れに悲鳴をあげた。
「烏賊に鮪に蝦蛄……」
一方、舞塚・バサラ(f00034)は甲板から海を見下ろして短く息を吐く。
「……ふむ、この先何があるか分からぬ以上、旨い物を食して備えよと」
「えっ。食べるんですかあれ」
「殺して喰っていいのは殺されて喰われる覚悟のある奴だけ……たしかに道理だな」
料理の道に生きる者として、ウィーリィ・チゥシャン(f04298)は頷いた。
「左様で御座る。さあさあ、しゅっと締めて料理してやるで御座るよ」
「なら、私も協力しようじゃないか」
エダ・サルファー(f05398)は身体を伸ばして準備運動。殺人生物たちとの交錯に備える。
「襲い来る殺人生物は基本的に魚介……ならば弱点はほぼ共通してるよ!つまり『目と目の間を攻撃すれば締められる』ってことさ!」
「ああ。きっちり締めて鮮度が落ちないようにしなきゃな」
「ええー ここの人たちみんな食べる気満々なんですけど!?」
「では始めるで御座るよ。さあさあアリル殿も準備して」
かくして、猟兵たちはそれぞれの得物を構える。
「まあ、こうなったら嘆いていてもしかたありません……かつては沈めざるを得なかったラブリーアリル号……いや、今は元気爆発頑張丸でしたね!ともかく今度はこのアリルが守ってみせます!」
ラブリーアリル号、もとい日野富子旗下の水軍として運用されていた際に第三無敵無敵極悪丸の名で運用されていたこの船を沈めた猟兵たちのうち1人がアリルちゃんだ。以前は沈めたこの船を今度は守るために戦うことになるとは。運命とは数奇なものである。
「……そんな名前だったで御座るか?」
「細けぇこたぁいいんですよ!」
アリルちゃんはサポートドローン・アレリを起動し、空に飛ばした。クリオネに似た外装は海洋生物の群れの中にしゅっと溶け込み、敵の殺人生物たちの攻撃対象にならずに済む。アレリ搭載の各種センサー機器が周囲の状況をチェックし索敵。敵の大まかな数と方向を探知し、把握した。アリルちゃんはデータリンクして情報を受け取り、敵の反応を探りつつ戦闘態勢に入る。
「それはともかく、割と包囲されてますね……特に正面と、あと右側が多いですよ。右はあっちの2人にまかせて、アリルちゃんたちは前にいきましょう」
「承知した。では一丁、頑張るで御座るか」
【いんじゅつ:はじゅん】。バサラはユーベルコードから一本の包丁を作り出す。鮪包丁。剣めいた刀身。魚を捌くためのその刃はある意味では魚介に対する特効武器だ。構えて仮面の奥で瞳を細めた。2人は舳先を目指して走り、殺人生物群に対峙する。
「ギュボボボボ!」
「きてますよ!」
「うむ、そのようで御座るな!」
殺人マグロの襲撃!水面に飛沫があがり、砲撃めいた加速度で襲い掛かる!
「――は、ッ!」
瞬間。鮪包丁が閃いた。バサラは殺人マグロにすれ違うように交錯し、その刃先を殺人マグロの体に沿って流す。カウンター気味に叩き込む居合めいた一刀だ!相対速度がそのまま威力となり、丸々と太った殺人マグロのその身体を下ろす!
「ギュボボボボ!」
断末魔!空中でばらばらに解体された殺人マグロはその身を船上にぶちまけた!
「次!きてますよ!」
「承知!」
続けざまに側面からバサラを襲撃する殺人カツオ!再び閃く鮪包丁が魚体を裂いた。だが、殺人生物たちの攻撃は未だ底が見えない。バサラの死角を突くように背後から更に襲撃!
「はいそこー!」
フラッシュ!アリルちゃんの構えたカメラ機材が激しく発光し、殺人マグロの姿を照らし出した。停止!【フォトジェニック・ステイシス】である。空間固定。バサラに激突する直前で殺人マグロは停止する。
「これでまな板のコイ……ならぬマグロ!」
更にアリルちゃんは展開した電脳空間内にマジカルサーキットを構築。電脳術式を組み上げて炎を放った!丸焼き!たちまち炙りマグロと化す!
「助けられたで御座るな!」
「いいってことよ☆」
アリルちゃんは続けて水面へ視線を向け、更に迎撃態勢を整える。バサラもまた鮪包丁を構え直した。その眼前では絶対無敵雷神丸の針路を塞ぐように殺人巨大イカが現れる!
「なぁ、お前ら。美味いのか?!」
その一方である!唸る三昧真火刀!船の側面では、水面に小舟を浮かべたウィーリィが殺人生物を迎撃し、今まさに殺人マグロを3枚に下ろしたところであった。続けて襲い来る殺人モンハナシャコの殺人的パンチを鉄鍋でブロッキング。ガオンッ!!凄まじい衝撃に小舟が揺れる!
海棲生物において、シャコはもっとも危険性の高い甲殻類の一種としても知られている。シャコは前肢部分を素早く放つことで強烈な打撃攻撃を行うのだ。特にこの殺人モンハナシャコは獰猛で狂暴でしかも通常のシャコの数倍のサイズなのである。ここにいるのが猟兵としての戦闘経験が豊富なウィーリィでなければ一撃で昏倒させられていただろう。
「いくらでもかかってきな。全部料理してやるぜ!」
ウィーリィは殺人モンハナシャコをシールドバッシュめいて押し返し、怯んだところへ大包丁の一撃を浴びせる。【料理の鉄刃/ブレイドワーク・オブ・アイアンシェフ】!甲殻の隙間を縫うように放つ刃が殺人モンハナシャコを瞬く間に解体した!
「でぇいッ!」
船上では突撃する殺人マグロの群れをエダが迎え撃つ。迎撃のカウンター聖拳突き!眉間を砕き一撃で締める!
「ふっふっふ、釣りが趣味なことが役立ってしまったな!」
更にエダは短く息を吸い、吐き出す。調息の構え。丹田で氣を練り上げる。高まったドワーフちからをその腕に伝えると、眼下の水面に浮かぶ殺人生物たちを見下ろした。
「ぶぶぶぶぶ」
「なんて毒々しいおばけクラゲ……あれは触ったらまずそうだね」
その拳に載せたドワーフ力を、エダは放つ。【ドワーフ式遠当て】!空間を無視した打撃が殺人クラゲを爆散させる!
「エダ、そっちはどうだ!」
小舟から船を見上げるウィーリィが、殺人巨大イカをぶつ切りにしながら声をあげる。
「問題ないよ!船も乗組員も無事さ!」
「なら大丈夫そうだな……このまま、蹴散らすぞ!」
再び閃く大包丁が殺人巨大イカをそのまま活け造りに変える。その前方で遠当ての拳が殺人カツオを粉砕していた。
趨勢は間違いなく猟兵たちの方に傾いている。いかに殺人生物の群れが狂暴であろうとも、ユーベルコードを用いるオブリビオンや猟兵ではないのだ。猟兵たちが力を振るえば、撃退することも決して難しくはなかった。
そうして――およそ1時間ほどの攻防を経て、ほとんど全滅状態に追い込まれた殺人生物の群れは退いてゆく。
「終わったようでござるな」
「ひえー……魚の血でべとべとです。アリルちゃんあとで着替えないと」
「ああ、そっちもお疲れ様」
静けさを取り戻した絶対無敵雷神丸の甲板上で、猟兵たちは合流し、それぞれの状況を確認した。
「ともかくこれで切り抜けた感じだね……船もまた進みだしたし。いい風も吹いてきたじゃないか。新しい世界へ飛び出すスリルを教えてくれそうな感じがするよ!」
「全員無事みたいだな。そしたら……」
ここでウィーリィとバサラが顔を見合わせて頷く。
「うむ。では」
「調理開始といこうか」
2人は腕をまくりながら包丁を構え、締めた殺人マグロや殺人シャコの身を集めた。
船旅は長い。英気を養うのに、食事は必要不可欠な問題だ。食糧不足は何よりも士気低下と健康状態に直結するのだ。2人はそれをよく理解しており、食材が向こうからやってきた今は絶好の機会だと捉えていた。
「本当に食べるんですかあ!?」
「どんなものでも美味しく仕上げるのが料理人の仕事さ。それに、美味い料理はくじけそうなときにも戦う勇気を支えてくれるんだぜ!」
「うーん……まあ、物は試しじゃないかな!私も手伝うよ!」
エダもまた腕まくりをして調理の手伝いに回る。アリルちゃんはさきほどまで襲ってきていた狂暴な生物を食べる発想に若干の難色を示したが、とりあえず魚の血まみれではカワイイではないので一旦着替えのために船内へと戻る。彼女が再び甲板に姿を見せる頃には、バサラとウィーリィによって調理された海鮮コースが並んでいることだろう。
かくして、殺人海域と呼ばれ恐れられる海を、絶対無敵雷神丸は突破する。
だが、紫の光が示す先にはそれを阻む者たちが潜んでもいるのだ。ひとつの困難を乗り越えたとはいえ、旅はまだ続くのである。
尚、調理された殺人マグロなどの魚介類については、「思ってたより美味かったよ」と後にエダが語る。
成功
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第2章 集団戦
『切支丹女武者』
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POW : 鉄砲三段
【鉄砲の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : 部位狙撃
【鉄砲】から【トリモチ弾】を放ち、【手や足を狙う事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : 聖母の慈悲
【聖母に捧げる祈り】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
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波間に光が差す。
狂暴な殺人生物がひしめく殺人海域を抜け、絶対無敵雷神丸は外海を目指して更に進んでいた。
しかし、ここでひとつの事実が明らかになったのだ。
――殺人海域で猟兵たちを襲撃した殺人生物の群れの中の何尾かから、奇怪なからくりの仕掛けが発見されていたのである。
殺人海域は何者かによって人為的に作り出されていた、人々の外海進出を阻む罠だったのではないか。幾人かの猟兵たちと船の乗組員たちはそのように結論付けた。
「やはり来てしまったのですね……エンパイアの民、そして猟兵たち」
その時である。
銃声が船の甲板に轟いた。――オブリビオンの襲撃だ!針路を照らし出す紫の光の中から、甲冑をまとった女武者たちが飛び出してきたのである!
「あなた達を南蛮に行かせるわけにはまいりません。我々の誓いと祈りにかけて、必ずここで止めてみせます!」
敵意!女武者たちは絶対無敵雷神丸の船上を走り、内部への侵入を企てる。鉄甲船の機関部などを破壊し、内部から絶対無敵雷神丸を沈めるつもりなのだ!
アメリア・イアハッター
今度は白兵戦ってことね
なんだか海賊っぽくなってきた!
上等、かかってきなさい!
甲板にて敵が潜入しようとするのを防ぐように立ち回る
潜入した敵は味方に任せよう
UCを発動し、甲板上に氷を展開
予め猟兵と船員さんには、滑るから気を付けてねって伝えるのを忘れずに
敵が来れば、移動を誘うように甲板上の物資(樽とか)やマスト等の上を飛び回る
なるべく高いところを動き回り、敵の注意が足元から逸れるように
敵が転べば、味方に攻撃してもらったり、近づいて蹴り飛ばし、そのまま海まで滑って行ってもらいましょう!
殺人魚介たち、残っててこいつらを食べてくれたりしないかなー
敵が来たって事はこの先に何かあるって証拠よね
ワクワクするね!
メルノ・ネッケル
イカやら何やらに埋め込まれとったカラクリ、直接乗り込んで来たアンタら。
疑っとった訳やないけど、やっぱり光の先には何かがあるんやな?
……同じ銃士、相手にとって不足無し。どうしても止めるってんなら、力づくで押し通る!
文明の利器同士、鉄砲VS熱線銃といくで!
『クイックドロウ』、妙な手を打たれる前に【先制攻撃】で叩く!
早撃ちで身体に一発ぶち込むのは簡単やけど、しぶとく耐えて治療する奴には通じにくい。
その上奴らの狙いは船の沈没、遠距離火力を持たせとくのは危険や。
ならば狙うはその鉄砲、武器を壊して戦闘力を奪う!
撃つのは熱線、当たり所が悪けりゃ暴発もありうるで?
汽笛無しの先制射、捌けるもんなら捌いてみぃ!
ウィーリィ・チゥシャン
この光の先に何があるかわからないけど、わざわざオブリビオンが邪魔しに出てきたって事は俺達猟兵が向かったら都合が悪いって事だよな。
だとしたら素直に引き下がる訳にはいかないぜ!
甲板を駆け巡りながら【フェイント】を駆使して敵の狙いが定まらない様にし、銃撃を鉄鍋の【盾受け】で凌ぎながら敵群に突っ込む。
流石に何発もの銃撃には耐えられないだろうけど、一発保てば充分!
同士討ちを恐れて銃を使えない状況に持ち込み、そのまま【武器落とし】で敵の銃を次々と叩き落して敵の攻撃手段を奪い、仲間が仕掛けるチャンスを作る。
後は【料理の鉄刃】で周りの敵をどんどん切り伏せていく。
「猟兵の方々……お覚悟!」
「主よ、我らを護り導き給え!」
だ、ッ!甲板に降り立った女武者たちが火縄銃を携えて攻め入る!
「今度は白兵戦ってことね!」
アメリア・イアハッター(f01896)は戦場へと次々に現れるオブリビオンの群れを視界に捉えながら、迎撃の準備を整える。
「船の上での立ち回りだなんて、なんだか海賊っぽくて楽しそうかも……」
「なら、今晩のメニューは海賊風のコースで決まりだな」
ウィーリィ・チゥシャン(f04298)は鉄鍋と大包丁を手にしながら歩き出す。
「ええね。しばらく和食ばっかりやったし、今日はパエリアなんかどうや?」
メルノ・ネッケル(f09332)もまた銃を抜く。甲板上の通路へと飛び出しながら、照星の先に敵の姿を捉えた。
「いいね、私もなにか作ろうかな。揚げ物も好きなんだけど……ま、ともかくお夕飯を楽しみに乗り切りましょうか!」
アメリアは手の中に魔法力を収束させた。2人に続けて彼女も甲板の通路へと飛ぶ。
「出ましたね、猟兵!」
「あなた方を南蛮へ行かせるわけにはいきません!」
銃を構える女武者たちが銃を構えて突貫する!隊列を組むオブリビオンたちが船内への進入路を目指した!
「わざわざこうして邪魔しに出てきたって事は……俺達が向かったら都合が悪いって事だよな!」
「疑っとった訳やないけど、やっぱり光の先には何かがあるんやな?」
「たしかに。敵が来たって事はこの先に何かあるって証拠……ワクワクするね!」
殺人海域を作り上げていた謎のからくり。船を沈めるべく乗り込んできたオブリビオンたち……間違いなく、この航路の先には何かがある。猟兵たちは迎撃の陣形を整えながら、確信とともにユーベルコードの火をその手に灯す。
「そんな風に期待をされても、お答えはできません……が!この船はここで沈めます!」
「上等!やれるものならかかってきなさい!……二人とも!足元気を付けてね!」
アメリアは床を踏み切って跳躍。甲板の資材を足場にして再び跳んだ。更に空中で身体を捻り、収束した魔力塊を掌から放つ。軽業めいた体捌き。進攻するオブリビオンたちの足元めがけて冷気塊が飛んだ。【氷上妖精/フィギュアスケート】!凍結する地面は摩擦係数を大幅に落とし、迂闊に踏み込めば転倒を免れ得ぬ邪悪なトラップフロアと化す!
「ンアーッ転倒!」
凍結した船の床に滑り、女武者が転倒!
「とどめよろしく!」
「任せろ!」
バトンタッチするように前進し、そして閃く白刃!ウィーリィだ!大包丁が転倒した女武者を断つ。ウィーリィは更に素早く身を翻し、巧みに転倒を避けながら凍結した床から跳ね飛び甲板上の資材の上へ。更にそこから欄干の上へと渡り、疾駆する!
「おのれ、よくも!」
「まずはあの猟兵から!」
女武者達は一斉に火縄を掲げウィーリィを狙う。一斉射!唸る銃声が雨音のように響き渡った!
「そうはいくかよ!」
だがウィーリィは鉄鍋を構えそれを防ぐ。三弾撃ちの構えは更に第二波・三波と来よう。しかしウィーリィは素早く身を翻してそれを躱す!パルクールめいた身のこなしで欄干から甲板の積載貨へと飛び移り、照準から逃れたのだ。そこからまたも跳躍を繰り返し、敵群との間合いを縮めにかかる!
「小賢しや……!」
「悔しがってる場合とちゃうで!」
「なに
……!?」
そこで更に投げかけられる声と銃声!アメリアとウィーリィへ注目していたが故に注意を払っていなかった側面。そこから攻め込むのはメルノのR&B!赤黒の銃身から熱線が迸る!
「ンアーッ奇襲!!」
「アーッ火縄!!」
奔る火線は女武者達の手元を寸分たがわず射貫いた。次々に火縄を取り落とし、オブリビオンたちは戸惑う!メルノはここで武器落としを優先していた。火薬を用いた遠距離武装を用いるということは、船内での戦いにおいての危険度が高いということでもある。不慮の火災や船内事故のリスクを避けるべく、そちらの処理を優先したのだ。
「くっ……猟兵たちめ……!」
「ンアーッ転倒!」
反撃に転じるべく陣形を整えようとする女武者たちであったが、その足元はアメリアの術によって凍結したきわめてすべりやすい床となっており、容易には身動きがとれぬのだ。取り落とした火縄を拾い上げることすらままならない!
「もう一丁!」
そして再び奔る大包丁の切っ先!【料理の鉄刃/ブレイドワーク・オブ・アイアンシェフ】が敵を捉える。斬閃がオブリビオンを叩き切り、また一体を骸の海へと還した。
「そんな……!」
「余所見してたらあかんよ!!」
更に射撃!迸る熱線がまたしても女武者たちの火縄を撃つ!【クイックドロウ】!まごつくオブリビオンたちとは対照的に、メルノの銃捌きは淀みなく敵を追い詰める。銃口より光が奔るその度に女武者が悲鳴をあげた!
「アーッ暴発!!」
当たり所が悪い!!丁度火薬の詰まった薬室を射抜いた熱線が女武者の火縄銃を爆発させた。
「捌けるもんなら捌いてみぃ!」
更にメルノはトリガーを引き、熱線と銃弾を叩きつける。捌ききれぬ女武者がまた悲鳴をあげながら骸の海に還った。
「お、おのれ猟兵ども……これほどとは!」
「私たちをあまく見たのが悪いのよ!」
「アアーッ!」
残るわずかな女武者たちの元へとアメリアが降下しながら蹴り足を叩きこむ!衝突!悲鳴とともに蹴り飛ばされたオブリビオンは凍結した床を滑り、欄干にぶつかる。そのまま体勢が崩れて海へと落下!
「アーッ!」
「あ、落ちた」
ばしゃ、と大きな水音をたててオブリビオンは海面へと飲み込まれる――
「ンンンーーーーーッ!!」
そして聞こえるくぐもった悲鳴。
「……あー、まだいたのね。あの生き物たち」
――殺人海域の殺人生物がまだ周囲に残っていたのだろう。自分たちの弄した策に自らが喰い殺される。因果応報の結末でもあった。
「……これで一旦落ち着いたみたいやね」
そして、船上は静けさを取り戻した。
「けど、なにか作って食べてるような時間まではなさそうだな」
かくして第一波は猟兵たちが凌ぎ切る。だが、海上に伸びた紫の光は再び明滅を始めた。第二波の襲撃がくるまで、さほど時間は要しないだろう。
外洋への路を阻むオブリビオンとの戦いは、未だ始まったばかりなのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
舞塚・バサラ
【SPD】
あの装いは…切支丹に御座るか
にしても、此方を殺しにかかるで無く船の破壊を狙うで御座るか………
戦力差の都合か別の理由か…訳知りなのも含めて問わねばで御座るな
機関部に繋がる通路に潜伏。同時に罠を張り足止めを図る次第(存在感、目立たない、罠使い、地形の利用)
突破を図った者はそのまま背後より強襲。最低限動けなくするで御座る(暗殺、先制攻撃、だまし討ち)
相手のUCに対しては、銃口が此方に合わせきれないように足を止めずに移動して撹乱しつつ、UCと合わせて此方の問いを投げかけるのみ
即ち「其方は何故此方を止めようとする?」答えればそれで良し、答えぬならば…
次は其方に問うで御座る。その是非や如何に
アリルティリア・アリルアノン
あなたたちですか、あの殺人海産物をけしかけたのは!
誰彼構わず襲ってくるなんてペットのしつけがなってないですよ!
まあ味は悪くなかったですごちそうさま!
…行かせないと言われると、なおさら行ってみたくなりますよね!
だから熱血最強丸、押し通ります!
どうやら敵の狙いは船内への侵入のようですね
それならアリルの【アート】センスと【罠使い】技能で船の各所に精巧なダミーの出入口を投影、
さらにそこを呼び出したエレクトロレギオンの一部に守らせる事で重要区画だと思わせ、【おびき寄せ】ます
完全に騙せなかったとしても、いくらか侵攻を遅らせ【時間稼ぎ】にはなるハズ!
その間に他の皆さんとも連携して返り討ちにしていきますよ
「これ以上進ませるわけにはまいりません!」
「南蛮への路は断たねばいけないのです!」
明滅する紫の光。その中から新たに現れ、船上に乗り込む女武者たち!再び掲げられる火縄の銃口が唸りをあげて鉛玉を吐き出す。
「あの装いは……切支丹に御座るか」
舞塚・バサラ(f00034)は進攻するオブリビオンたちを遠目に見つつ、迎撃の策を練る。
「どうやら敵の狙いは船内への侵入のようですね」
アリルティリア・アリルアノン(f00639)もまた迎え撃つ準備を整えつつあった。
「うむ、此方を殺しにかかるで無く船の破壊を狙う……。戦力差の都合か別の理由か…訳知りなのも含めて問わねばで御座るな」
「あれじゃーないです?船さえ沈めればアリルちゃんたちをやっつけなくても先に進めなくなる、的な?」
「それも含めて問いただすとするで御座るよ。……では、始めるとしよう」
2人は頷きあい、それぞれに動き出す。
「機関部はどちらですか!」
「必ず沈めます……!」
そして、女武者たちが船上を走る。――オブリビオンと猟兵は同じユーベルコードを繰る生命だとしても、その戦力は――特にこの女武者たちのように徒党を組むタイプであれば、猟兵たちの方が優勢なのである。彼女たちはそれを理解したうえで、猟兵たちを倒すのではなく船を沈めるという方法でもってその目的を果たすべく行動していた。
「そう簡単にはいきませんよ!」
一方アリルちゃんはその道を遮るように甲板の通路に降り立ち行く手を阻む!
「出ましたね。猟兵……!」
「あなたたちですね、あのわけのわからない殺人海産物をけしかけたのは!」
アリルちゃんは油断なく手の中に燃ゆる魔法力を収束させながらオブリビオンたちへ立ち向かう。
「いかにもその通りです……!ここまでたどり着かせないためにあれを撒いていたというのに!」
「誰彼構わず襲ってくるなんてペットのしつけがなってないですよ!まあ味は悪くなかったですごちそうさま!」
「えっ」
その瞬間、女武者たちの顔が固まった。いわゆる『ちょっとヒいている』顔である。
「本当に食べてしまったんですか?」
「…………食べましたけど!!」
半ばやけっぱちになりながらアリルちゃんは電脳術式を駆動!0と1が織りなし構築する炎が女武者たちを襲った!
「ンアーッ火達磨!!」
「と、ともかく!」
「あなた方をこれ以上南蛮に近づけはしませんよ!」
「行かせないと言われると、なおさら行ってみたくなりますよね!だから熱血最強丸、押し通ります!」
「なに
……!?」
「この船はそんな名前だったのですか!?」
「細けぇこたあいいんですよ!!」
そして炸裂する電脳魔法。船上で炎が爆ぜた。
「あちらにかまわず、我々は機関部を!」
「きっとこちらですよ!」
その一方、別動隊めいて動くオブリビオンたちが内部への侵入経路を探る。見つけた、扉だ!女武者たちはその扉を開いて内部へと侵入を試み――
「ンアーッ激突!!」
バァンッ!先頭の女武者がしたたかに顔面をぶつけて昏倒!扉の先にあったのはただ壁だけだったのである。これはアリルちゃんが仕掛けていたダミーの入り口だ。惑わされた女武者達は次々に顔面から壁にぶつかり、幾人かは行動不能にまで陥る。
「おのれ、小癪な真似を……」
「きっとあちらです!警備用のからくりがあんなにたくさん!」
その中で一部の女武者達はドローンの群れに守られる扉を発見。そこへ殺到し――更に激突する!これもまたアリルちゃんの仕込みだったのだ。おびき寄せられたオブリビオンたちを追って、アリルちゃんが再び船上を走った。
ここで再び視点は変わり、また別のオブリビオンたちへと移る。数名の女武者達が、アリルちゃんの仕込んだ罠ではない本来の侵入経路を発見し、そこへたどり着いたのだ。そうそう広くはない船内の通路を、女武者達が駆ける。
「このまま一気に突破して、機関部を……」
「――そうはいかぬで御座るな?」
だが、その背を縫い止めるように影の刃が伸びる。ざ、ッ。貫通する刃がオブリビオンの動きを封じた。不意打ちめいた影の無形刃が女武者たちを次々に襲い、行動不能に陥らせてゆく!
「な、なに
……!?」
「船を沈めるつもりなら、必ずここを通るはずで御座るからな。網を張って待っていた――というわけで御座るよ」
ゆらりと船内通路の天井から垂れ下がるように影が降りる。敵の潜入を予期し、罠を張っていたバサラである!
「嵌められたというわけですね……!」
「うむ。掛かったからにはあきらめて観念せよ。――こちらの質問に、答えてもらうで御座るよ
【陰術:真ヲ求ムハ数多ノ手足/シャドウアーツ・シーキングレブナント】。バサラのユーベルコードが、影の中からゆらめく姿を立ち上がらせる。バサラの手足となる影の忍たちだ。
「其方は何故、此方を止めようとする?」
「……知れたことです。あなた方猟兵は、私たちにとって危険な存在……。ありがたき切支丹の教えをもたらしてくれたかの外つ国へあなた方が至れば、いかなる悲劇が訪れるか……」
「ははぁ……やはりそういうことで御座ったか」
信長が求め、海を越えた先にあると言われる外の世界――。オブリビオンたちは、そこへ猟兵たちが至ることを恐れているのだ。
「そういうことなら、何が何でも行かねばならぬで御座るな」
「お、のれ……」
影が閃く。影の忍たちもまた、黒刃を薙いだ。血煙のように爆ぜて、オブリビオンたちが骸の海へと還る。
「舞塚で御座る。こちらは片付いたで御座るよ」
静まり返った通路の中で、バサラは通信へと声を通す。
「りょうかーい!こっちも順調ですよ。もうちょっとでおしまいです!」
アリルちゃんが通信機越しにバサラへと声を返した。甲板での戦いも、間もなく収束するだろう。かくして襲撃の第二波もまた猟兵たちが優勢のままに防ぎ切る。
敵の戦力も間もなく底をつくであろう。女武者達との戦いは終わりに近づいていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
エダ・サルファー
南蛮伝来の信仰を持つ者が、南蛮伝来の武器を手に南蛮への道を阻む……
じゃあこっちとしては、何が何でも南蛮へ行かなきゃならんわな!
先へ進ませてもらうよ!
さて、とりあえず内部への侵入を許したくないんだよね。
んで幸いなことに、鉄甲船は普通の船と違って外側が鉄板、つまり無機物。
というわけでドワーフ式岩盤返しで鉄板を壁に変換!
出入り口とかの侵入できそうなところを塞ぐように隆起させるよ!
こうしてしまえば後顧の憂い無く敵を倒すことに集中できるってもんさ!
ついでに敵も私を狙わざるを得なくなるから、囮にもなれるって寸法よ!
あとは惹きつけた敵をみんなに倒してもらったり、自分で殴ったり蹴ったり投げ捨てたりしていくよ!
「何があっても、この船を……!」
「そうはいかないよッ!」
外海へと向けて進む絶対無敵雷神丸へ、女武者たちがまたも乗り込んでくる!しかし即応!戦場を駆け、オブリビオンたちへと飛び込んだのはエダ・サルファー(f05398)である。
「南蛮伝来の信仰を持つ者が、南蛮伝来の武器を手に南蛮への道を阻む……ってことは、そっちの連中は私たちに来られちゃ困るってことだよね」
「おのれ……!」
「じゃあこっちとしては、何が何でも南蛮へ行かなきゃならんわな!先へ進ませてもらうよ!」
エダは拳を構えて対峙する。女武者たちもまた戦意を高めながらエダに向き合った。
「構え、撃て!」
「隙をつくるのです!我々では猟兵には勝てませんが、この船さえ沈めれば!」
「おっと……!」
銃撃!火縄が吼える三段撃ち。鉛玉の群れが唸りを上げて船上を行き交う。エダは素早く資材に身を隠し被弾を避けた。
「今です!」
「一気に中へ!」
それを隙と見た女武者たちは船内への侵入を目論む!辿り着いた。入り口だ!
「入らせないよッ!」
だが、そこでエダは裂帛の気合を叫ぶ。そして拳を甲板の床面に叩きつけた。身の内で練り上げたドワーフちからが衝撃とともに伝播する。【ドワーフ式岩盤返し】!大地との親和性の高いドワーフという種族のもつドワーフちからを地形に作用させる術である。ドワーフは土や岩のみならず、それより出でる鉄と鋼ともまた縁が深い。その力は船を構成する鋼へと伝わり、エダの意に沿ってかたちを変えた。すなわち、壁である。
「なに……ッ!」
「こうしてしまえば後顧の憂い無く集中できるってもんさ!」
精製された壁は船内へと通じる扉を塞ぎ、オブリビオンたちの行く手を阻む!戸惑う女武者たちのもとへエダは一気に距離を詰めると、必殺の一撃を叩き込んだ!
「聖拳ッ!」
「ンアーッ肋骨!!」
インパクト!拳をぶつけられた女武者が風に吹かれた木の葉のように吹き飛び、欄干を飛び出して海へと落ちる。エダはすぐさま身を翻し床を蹴った。残る敵はもはや僅かだ。更に素早く飛び出して、拳と蹴り足を振るう。必殺の聖拳突きが炸裂ッ!かくして、女武者たちは瞬く間に残る戦力をカッ飛ばされて全滅する。
「……これで終わりかな?」
新たな女武者たちが現れる気配は既に失せていた。エダは再びドワーフちからを伝播させて壁を崩し、船員たちへと戦いを終えたことを伝える。
目的の場所まで、あと僅かだ。外洋の新たな世界を目指し、絶対無敵雷神丸は進む!
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『最強無敵究極天魔城』
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POW : 最強無敵究極天魔拳
単純で重い【拳】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 最強無敵究極天魔忍者隊
【城内から忍者軍団】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 最強無敵究極天魔砲
【両肩の砲身】を向けた対象に、【最強無敵究極天魔砲】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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辿り着いた先に、猟兵たちは巨大な光球を見た。
船の舳先から続いていた光が伸び続けたその終着点が、この海域である。その海上に、紫の光球が浮かんでいるのだ。
「よくもここまでたどり着きおったな……!」
だが、そこで突然に威圧的な声が響き渡る。
紫の光球の中に、黒く影がさした。影は光の中から実態を伴って現れる。巨大な腕や足が、殻を破る鳥のように光の中から出現する!
♩最強無敵究極天魔城のテーマ(作詞 無限宇宙人 カノー星人)
江戸前 浮かぶ朝日を浴びて
胸で輝く無敵の二文字
不屈の拳を振り上げて
いざ今向かわん天下取り
身長 弐伍〇尺 体重 伍萬伍千貫
おお最強 最強 最強無敵 究極天魔城
「グハハハハハハ……!だが貴様らの旅路はここで終わりだ!このわし、最強無敵究極天魔城の威力の前に海の藻屑と化すがいいわ!」
おお、見よ!ここに現れし巨大なる偉容こそ機動からくりオブリビオン、最強無敵究極天魔城である!
最強無敵究極天魔城は腰ほどまでを海に漬かりながら、絶対無敵雷神丸の前に立ちはだかる!
「そして行けい!改造超重殺人生物兵器軍団よ!」
「ギュボボボボ!!」
更にその身体の一部が開き、そこから魚雷めいて飛び出したのは殺人海域で船を襲った殺人生物の群れだ!無論、これら殺人生物の群れも最強無敵究極天魔城と同時に船を沈めんと攻め寄せる!君たちはオブリビオンと戦いながらもこれに対処しなくてはならない!
かくして、外海へと通じる航路を阻む最強無敵究極天魔城は襲い来る!
アメリア・イアハッター
ひゃー、おっきーいー
でも邪魔するっていうのなら、乗り越えていくわよ!
えーっと、最強無敵きゅー…ながい!
ながいから、さっちゃんね!
いくわよ、さっちゃん!
とはいえ、あんな大きいやつに有効的な攻撃はそんなになく
ここは殺人魚類達の相手をして、本体へ攻撃を行う味方のサポートをしよう
UCを発動しながら、海へと飛び降りる
自身の立つ足場を凍らせつつ、魚類を凍らせていく
氷の足場で舞う様に敵の攻撃を避けながら、UCの発動を維持し続ければどんどん冷凍魚類ができていくでしょう
海上に足場が欲しそうな味方がいれば、足場を作って使ってもらおう
でも制御できなくて寒いから、なるべく早く離れてね
ところでさっきの歌どこで買えるの?
ウィーリィ・チゥシャン
いよいよ親玉のお出ましか。
こっちも準備は万端だぜ!
小舟の上に酢飯の入ったタライと醤油の桶をいくつも並べ、殺人海鮮達から船を守るために【シーブズ・ギャンビット】の早業で奴らを次々と捌いて【料理】し、江戸前の握り寿司へと変えて仲間達に振る舞う。
そして敵の目の前で美味しそうに寿司を食べる事で城内から現れた忍者軍団を挑発し統率を乱して城の守りを薄くしたり、【地形の利用】で殺人海鮮の進路上に誘導する事で同士討ちを誘ったりする事で仲間達の攻撃のチャンスを作る。
握るのに飽きたらちらし寿司にシフト。
このがっつり感も握り寿司とは違った味わいがあるんだよな。
メルノ・ネッケル
城やーーー!!!!
よりによって超巨大城が出てきおった、しかも殺人生物引き連れて!!
やけど怯んじゃおれん……これは"最強無敵"と"絶対無敵"、無敵同士のぶつかり合い。
真っ向勝負で打ち破り、うちらの無敵を示すんや!
まずは殺人生物を抑えんとな……数で攻めて来るなら、こっちも手数で勝負。
出番やで、「ラピッドアンタレス」あーんど「R&B」!
細かく狙っとる暇はない、【乱れ撃ち】や!とにかく弾と熱線をばら撒いて侵攻を食い止める!
そしたら、お次は城の番や。
「TTバレル」にはもっぺん働いて貰うで……そのデカい拳をぶっ壊す、『虎の威を借る狐』!
パンチの予備動作を【見切り】、拳が飛んでくる前に大口径弾をぶち込む!
「城やーーー
!!!!」
「ひゃー、おっきーいー」
「いよいよ敵の親玉のお出ましか!」
メルノ・ネッケル(f09332)とアメリア・イアハッター(f01896)。そしてウィーリィ・チゥシャン(f04298)は揃って歓声とも悲鳴ともつかぬ声をあげる。その眼前には波間に仁王立ちする最強無敵究極天魔城!
「ギュボボボボボ!」
そして水面を跳ねて襲い来る殺人マグロ!揺れる絶対無敵雷神丸!
「グハハハハ!どうだ、我が威力に恐れおののきそして沈むがいい!」
暴力的なまでの圧力!最強無敵究極天魔城は轟音とともに拳を振り上げた!
「恐れたりなんかせんで!たしかにあんたは大きいけど、こっちだって怯んじゃおれん……何せこれはこれは“最強無敵"と“絶対無敵"、無敵同士のぶつかり合い!」
「ああ、こっちだって絶対無敵!負けるわけにはいかないな!」
ウィーリィは敵の展開を見るや否や、絶対無敵雷神丸から小舟とともに水面へと降りる!ばしゃんと音をたてて波間に漕ぎ出す!
「フン……!そんな小舟でわしの拵えた改造超重殺人生物軍団をどうしようというのだ!ゆけい殺人マグロよ!」
「ギュボボボボボ!」
「ああ、くると思ってたさ!だけど、こっちも準備は万端だぜ!」
ウィーリィは包丁を抜き放ちながら、殺人魚類たちを捌く構えに入る!
「小癪な……!だが、このわしのパワーに勝てるはずがない!貴様らの路をここで阻んでくれるわ!」
対し、腕を掲げる最強無敵究極天魔城!
「どんなにおっきくたって、邪魔するっていうのなら乗り越えていくわよ!」
たん、っ!甲板の床面を蹴立てたアメリアもまたウィーリィに続いて水面へと跳んだ。その手の中に魔力塊。【フリージングデス】だ!海面にたたきつけられた冷気塊は瞬く間に広がり、水面を凍り付かせる。それはすなわち足場の形成だ!
「勝負よ!えーっと……最強無敵きゅー
…………」
「……」
「……ながい!」
「なんだと!!」
アメリアはとにかく長くて呼びづらい最強無敵究極天魔城のクソみたいなネーミングセンスに文句をつけた!
「ながいから、さっちゃんね!」
「さっちゃんだと!?」
「いくわよ、さっちゃん!」
有無を言わせず戦闘機動!アメリアは凍り付いた水面を走りながら、敵の側面を目指した。そこから更にフリージングミストの冷気塊を投げ放ち、最強無敵究極天魔城の一部を凍りつかせる。殺人マグロ排出口がいくらか凍結し、殺人生物の出現量を抑え込んだかたちだ。
「ヌウウーッ!おのれ、小癪な!」
「ギュボボ……!」
だが、それでも殺人魚類たちはいなくなったわけではない。波間に現れる殺人マグロたちはアメリアや絶対無敵雷神丸に襲い掛かる。しかしてその威力は大いに削がれていた!アメリアによって広がった冷気がその動きを大きく鈍らせているのだ。改造生物とはいえ、生き物が低温に弱いのは当然である。迂闊にもアメリアに体当たりを仕掛けにいった殺人マグロはたちまち冷凍!
「ならば行けぃ!我が最強無敵究極天魔忍者軍団よ!」
「「「拝累(はいる
)!!」」」
殺人生物の展開のみでは決め手が足りぬと判断し、最強無敵究極天魔城は次なる策を講じる。【最強無敵究極天魔忍者隊】の出動だ!
素早いアクション!城の窓が開き、そこにずらと並ぶ人影が見えた。黒い姿は一斉に片腕をまっすぐに高く掲げる敬礼めいたポーズで最強無敵究極天魔城のうたを唱和すると、一斉に窓から前転宙返りで飛び出した!
「出たな、忍者軍団!」
ウィーリィはその姿を目の当たりにしながら包丁を掲げる。最強無敵究極天魔忍者軍団を前にしながら、彼の中には勝算があった!
「ゆくぞ猟兵どもめ!」
「我らの力を見るがいい!」
「いいぜ、かかってきな……だがその前に!」
「ギュボボボボ!」
ウィーリィの手の中で刃先が閃く!同時、絶対無敵雷神丸を沈めるべく船に向かっていた殺人マグロが瞬く間に解体された!目にもとまらぬ早業は【シーブズ・ギャンビット】!捌かれた魚はたちまちサクへと姿を変える!
「なに……!」
「俺の技を見せてやるぜ!」
ざ、ッ!ウィーリィが示すのは小舟に乗せられた桶だ!そこには板前道具一式に加え炊かれた白米が――否、酢飯が艶やかに光る。当然のようにしょうゆも備え付けだ。ウィーリィは手早くマグロのサクを一口大の大きさに切り分けると、寿司を握った!
「スシだと
……!?」
「貴様、なぜスシを握っている!」
突然のスシに戸惑う忍者軍団!統率されていた動きに動揺が生じ乱れ始める!
「まァ黙ってみてろよ。……ほォら、握りたての寿司だぜ。旨そうだろ……」
「ヌウウ……!」
ごくりと忍者たちが喉を鳴らした。一瞬の迷い――だがそれは戦場において致命的な隙だ!よもやオブリビオンの福利厚生に寿司の提供は入ってはおるまい。ウィーリィは料理によって敵の動揺を誘ったのである。
「――今だ!」
「よっしゃ!任しとき!」
ダダダダダダッ!激しいマズルフラッシュ。吼える銃口は機関銃ラピッドアンタレス!船上から弾丸をばら撒くのはメルノだ。精度より連射性を優先した仕様だ。制圧射!降り注ぐ弾丸の雨に忍者軍団が悲鳴を上げる!
「お、おのれぇ!」
だが、散らされた弾丸では致命傷に至らない。その足こそ止められるが、決め手には欠けていた。
「――余所見してたらダメだよっ!」
ゆえに、ここで再び凍り付いた水面を走ってアメリアが極北の風を吹かす。寿司と弾幕によって気を削がれていた忍者軍団は抵抗する間もなく魔力塊を浴び、たちまち冷凍忍者と化した!
「よくもわしの忍者軍団を!」
氷塊と化して海に消える忍者軍団に憤りを隠せない!腕を振り上げた最強無敵究極天魔城が激昂の雄たけびをあげた。ガオンッ!駆動音!ダイナミックなアクションでからくり仕掛けに力がこもる!【最強無敵究極天魔拳】の構えだ!
「来るよ、メルノ!さっきのでっかいやつでよろしくね!」
「海鮮はこっちに任せてくれ!」
海上のアメリアとウィーリィは船上のメルノを仰ぎ、火力を託した。2人は引き続き絶対無敵雷神丸を襲い続ける殺人魚類を相手取る!
「合点承知や!うちらの無敵を示したろやないか!」
がこん、ッ!戦場に引きずり出された大筒が音をたてる。タイガーテイル・バレル!大口径対戦車ライフルの登場だ。その威力は折り紙付きの保証済み!メルノは全身で銃身を支え、その瞳の先に巨大な敵の姿を捉える!
「こけおどしよォ!」
「いいや――そんなことあらへんッ!」
【虎の威を借る狐/タイガー・ウィズ・フォックス】!重い引き金を引き絞り、メルノは15ミリ大口径弾頭を射出する!砲声が虎の咆哮めいて戦場を満たした!
「な、に、ィィィッ!?」
果たして、その弾丸は最強無敵究極天魔城の拳へと真っ向からぶつかり炸裂!弾着の衝撃に手首までを吹き飛ばす!
「ば、馬鹿な……!」
「もう観念しいや!」
がこん、ッ。排莢。威力相応に巨大な薬莢をタイガーテイルの銃身から排出し、メルノは再び最強無敵究極天魔城に対峙する。
「ああ、これ以上邪魔すんならただじゃおかないぜ!」
ウィーリィは既に20尾以上の殺人マグロを捌き切っていた。船員全員にいきわたるほどの量の寿司を握り、握りに飽いた彼は既にちらし寿司まで作り始めている始末!ちらしも握り寿司とは違った味わいがあってよいのだ。
「あと、さっきの歌どこで買えるの?」
アメリアは存外に気に入った最強無敵究極天魔城のうたの音源の所在をたしかめる。なお、非売品ですが楽譜は最強無敵究極天魔城の内部に保管されておりますのでシナリオ完結後にお好みで回収したことにしていただいて結構です。
三者三様!猟兵たちは引き続き抗戦の構えを示す。手痛い反撃に動揺する最強無敵究極天魔城は唸りながら一旦後退した。態勢を整えて再び絶対無敵雷神丸へと襲い掛かる算段だ!だが、そうはいかない。猟兵たちを乗せた鉄甲船は、更に敵を追い詰めるべく最強無敵究極天魔城へと挑む!
大成功
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火土金水・明
「少しでも早く目的地を目指すために、あなたを倒します。」「鉄甲船を破壊されないように気を付けた方がよさそうですね。」
魔法の箒に跨って【空中戦】の技能を使用します。
【WIZ】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】し【破魔】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『最強無敵究極天魔城』全体を巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。
舞塚・バサラ
【SPD】
ほう、これがかの天魔城
大した威容に御座る、が
某を前にその姿を晒したのは失策で御座ったな
その巨影、貰い受ける
来れや、影なる大蝦蟇、陰術:月影牙!
相手の影を利用しUCを発動。最大のサイズで召喚して海上にて搭乗。いざ、決戦
忍者隊及び、殺人生物は此方の出せる最速にて予兆ごと叩くで御座る(先制攻撃、残像、早業、戦闘知識、第六感、見切り)
また、射出機構が存在する都合、発射箇所は内側に空洞があるという事なので、その場所及び機械の関節部は複雑になる都合脆い!それらの部位を狙って破壊するで御座る(鎧砕き、学習力、破壊工作、部位破壊、怪力)
此方を止めるには力不足で御座ったな
海の藻屑と化すで御座る
アリルティリア・アリルアノン
何かデカくてつよそうな名前ならビビると思いましたか?
なんてったってこっちは絶対無敵ですからね!負ける要素はないですよ!(震え声)
…えーい、こっちだって一人じゃないんです!力を合わせれば完全勝利間違いなし!
とりま、なんかやべーキャノン(仮)が雷神丸に当たったら大変なので、直撃しそうな弾は【全力魔法】【オーラ防御】で展開した極限カワイイバリアーで阻止します
最悪弾道を逸らせればオッケー!
上手くしのげたらお返しのホログラフィックペタルで、殺人海産物ごと光に還してやりますよ!
エダ・サルファー
なるほど、どうしてもここから先へ進ませたくないみたいだな。
そこまでして阻みたいというこの先の世界、どうしても行きたくなってきたよ!
見せてやろう!無敵なのはオブリビオンの力じゃなくて、夢見る力だってな!
ところでこいつ……前に小田原で戦ったような?
確か、木造と漆喰の部分が割と脆いとかそんなんだったような……
となればやるべきことはシンプルだ!
迫りくる殺人生物はひとまず他の人に任せて、巨人式を発動!
胴体部分をぶっ壊して中に入って、内側からめっちゃくちゃにしてやるぜ!
殺人生物を送り出す部分をぶっ壊せば、追加は出てこれまい!
あとは腰から下、特に脚部に穴開けて浸水させたりすれば動きも鈍るってもんよ!
ミスト・ペルメオス
【POW】
…これはまた、奇怪な。
ともかく、ここが正念場…ッ!
愛機を駆って戦闘を継続。
鉄甲船を襲った集団には対処出来なかった分、明確な脅威となる…
巨大な城? のような人型兵器? と殺人生物の群れに挑む。
念動力を最大限に。マシンヘルム等を介しての機体のフルコントロールも抜かりなく。
スラスターを駆使しての立体的な戦闘機動を実施。
常に飛び回りながらの【オープンファイア】、攻撃をしながらも陽動を行おうと意図しつつ。
ビームアサルトライフルやマシンキャノンは殺人生物の群れを狙い、弾幕を張るようにばら撒き。
可変速ビームキャノンは敵大型兵器を狙って威力重視の砲撃を撃ち込んでいく。
※他の方との共闘等、歓迎です
砕ける波。吠える風。空気を震わし、水面が揺らぐ。
最強無敵究極天魔城は片手を失いながらも尚猟兵たちに対峙し、その航路を阻み続ける!
「ほう、これがかの天魔城」
舞塚・バサラ(f00034)は揺れる船上よりその威容を見据える。
「……これはまた、奇怪な」
ミスト・ペルメオス(f05377)は鉄甲船の甲板から、鎧装ブラックバードのエンジンに火を入れる。コンソールを叩き、戦闘モードをアクティヴ。黒い機体が床面を蹴って飛び出した。
「グゴゴゴゴゴ……!恐れるがいい猟兵ども……!この最強無敵究極天魔城の前に滅び去るのだ!」
「ふ、ふーん!何かデカくてつよそうな名前ならビビると思いましたか?」
アリルティリア・アリルアノン(f00639)は胸を張り、戦う気持ちを奮い立たせる。敵はとんでもなく巨大ではあるが、恐れていては戦えないのだ。
「向こうは最強無敵らしいですが、なんてったってこっちも絶対無敵ですからね!負ける要素はないですよ!」
ほんのちょっとビビりの入った震え声でアリルちゃんは虚勢をはる。めげないまけない弱音を吐かない。アリルちゃんは立ち向かう!
「すごい気迫だね……。なるほど、どうしてもここから先へ進ませたくないみたいだな」
その隣に立つエダ・サルファー(f05398)が拳を固めて前に出る。
「そこまでして阻みたいというこの先の世界、どうしても行きたくなってきたよ!」
「小癪な猟兵どもめが!」
咆哮とともに最強無敵究極天魔城が両肩の最強無敵究極天魔砲の筒先を絶対無敵雷神丸へと向ける!
「この一撃で吹き飛ばしてくれるわ!」
「わあ!なんかやべーキャノン向けてきましたよ!?」
「そっちは任せた!」
「うむ、アリル殿。よろしく頼むで御座るよ」
「ええーっ!?」
バサラとエダは船の甲板を蹴立て、跳んだ。眼下には小舟が二艘!2人はそれぞれ最強無敵究極天魔城へと直接攻撃をかける算段なのだ。甲板上に残されたアリルちゃんは素っ頓狂な声をあげながら慌ただしく術式を構築する。
「こちらで援護をします!」
2人が甲板を飛び出したのとほぼ同時、その頭上をブラックバードの機影がよぎった。FCSリンケージ。火器管制システム起動。ミストは機体の操作盤を叩きながらモニターへ最強無敵究極天魔城の姿を捉えた。的が大きな分、狙いをつけるのは容易だ。トリガーを握り、射撃。可変速ビームキャノンが究極天魔城の頭部で爆ぜる!
「ヌウウーッ!」
怒声!揺らぐ最強無敵究極天魔城はその矛先をブラックバードへと向けた。轟音!砲撃!巨大な砲弾がうなりをあげて飛ぶ!
「く、ッ……!」
ミストは機体を回転させるように機動し、砲撃を躱す。命中すればブラックバードの装甲でも無事では済むまい。ミストは回避運動を取りつつ再びターゲッティング。ブラックバードが再び火を噴いた。
「小賢しいッ!うるさい蠅めが……!」
「クオオオーン!」
最強無敵究極天魔城はその腕を払いながら、更に身体の一部を開いて改造超重殺人生物の群れを射出した。ミサイルめいて空中に飛び出した殺人巨大イカが触腕を振り回しながらブラックバードに迫る!
「やられるわけには!」
「グハハハハ!回避機動に専念しているうちはこちらには手を出せまい!さあ、あらためて船を沈めてくれるわ!」
再び最強無敵究極天魔城の砲身が絶対無敵雷神丸へと向けられる!轟音とともに撃ち出される砲弾が船を襲った!
「そうはさせませんよ!!」
「なに
……!?」
爆轟!弾着の衝撃か、砲弾が絶対無敵雷神丸を包み込むように爆ぜる――しかし、その船壁に傷はない。
「ふ、ふーん!こ、この程度の攻撃、アリルちゃんのカワイイバリアーにはぜんぜんきいていませんよ!」
船を包み込むように展開していたアリルちゃんのカワイイバリアーだ!ほとんどすべてのリソースを使って必死に構築した最大出力の防御衝撃である。震えと怯えを押し隠しながら、ほんのすこしひきつった笑みで胸を張ってアリルちゃんは勝ち誇る!
「なんだと……!?わしの最強無敵究極天魔砲を!?」
「む!ひるみましたね!今がチャンスですよ。バサラさん!」
「心得て御座る」
「恩に着るよ!」
先に船上から最強無敵究極天魔城へと攻め込む算段を整えていたバサラとエダは小舟を漕いで最強無敵究極天魔城を目指す!
「このわしを舐めるでないわ!行けい!我が最強無敵究極天魔忍者軍団よ!」
「「「拝累(はいる
)!!」」」
だが、それを迎え撃つように再び最強無敵究極天魔城の窓から忍者軍団が現れた!右腕をまっすぐに掲げる敬礼のポーズで最強無敵究極天魔城のうたを唱和し、忍者の群れは迎撃態勢を取る!
「あれは……那智衆(なちしゅう)の忍者!」
那智衆とは、サムライエンパイアに蔓延っていたオブリビオンの一派である。エダは何度か交戦した経験がある。
「小田原でやりあったときもそうだったけど、まだ残ってたんだね……」
「那智衆で御座るか」
その悪逆非道はバサラも聞き及ぶところである。そうした者どもに連なる存在であるというのならば、やはりこの城は滅ぼさねばならない――だが。
「ギュボボボボボ!」
「クオオオーン!」
「「「拝累!」」」
海を埋め尽くさんばかりに咆哮し襲い来る殺人生物の群れと忍者軍団が2人の道を阻んだ!
「突破するには、ちょっと手間だね……!」
「――手をお貸ししましょう」
しかし、ここで新たな猟兵が戦場へと舞い降りる!それは火土金水・明(f01561)である。箒に跨る魔術師然とした姿で、明は空を翔けながらその手の中に魔術式を構築した。体内に内包する霊力、すなわちプラーナを開放しながらそのユーベルコード出力を上昇。魔法力を冷気へと変換し、明は術式を放つ!【コキュートス・ブリザード】!
「ギュボボボボ!」
「クオオオーン!」
「グアーッ冷凍!!」
凄まじい冷気を纏う魔法の矢が雨のように降り注ぎ、殺人生物や忍者軍団へと突き刺さった!突き立つその箇所からたちまち凍り付き冷凍マグロや冷凍イカ、そして冷凍忍者と化す!
「アリルちゃんも援護しますからね!こっちだって一人じゃないんですよ!」
更に、戦場に花が舞う。船上で電脳空間を展開し、術式を練り上げていたアリルちゃんのバーチャル魔法だ!光の花が咲き乱れ、花弁が水面に広がった。かがやく正義の花が舞う!【ホログラフィックペタル】!氷雪と花が輝く暴風となって吹き荒れ、オブリビオンの群れを包み込み粉砕!
「ば、馬鹿な……!」
「今ですよ!」
「はい、周りの生き物は私たちに任せて、皆さんは敵の本体を」
明とアリルちゃんは更にユーベルコード出力を上昇し、展開する殺人生物や忍者軍団を叩く!
「こちらブラックバード、了解」
「うむ、攻め上がるとするで御座る」
「よし、決着をつけてやろうじゃないか!」
それを好機として、3人が海の上を駆け抜けた。ミストはブラックバードの機体を繰り、急加速と急激なターンを繰り返しながら幻惑するように三次元的な軌道を描いて最強無敵究極天魔城の目を惑わしながら携行武器での射撃で牽制。その目を引き付ける。
「――では。いざ決戦と参ろうか」
バサラは小舟から水面へと飛び移った。――そこには、最強無敵究極天魔城の巨体から生まれる影がある。その上に、バサラは立った。
「やあ、間近で見ればたしかにこれは大した威容に御座る、が――某を前にその姿を晒したのは失策で御座ったな」
しゅ、と音を立て踊るように指先が印を結ぶ。編み上げられる陰術は、影の中より巨大な式を生み出した。
「その巨影、貰い受ける」
「な……なんだ、貴様。それは……!」
「なに、ただの蛙で御座るよ――来れや、影なる大蝦蟇、陰術:月影牙!」
【陰術:月影牙】!影を編むバサラの術が、巨大な蝦蟇蛙の姿を形作る!バサラはそれを乗騎とし、真っ向より最強無敵究極天魔城へと対峙した!
「さあ、海の藻屑と化すで御座る」
「小癪な!」
激突!大蝦蟇は水面を飛び、最強無敵究極天魔城に匹敵するその巨躯で身体ごとぶつかる!衝撃に揺らぐ最強無敵究極天魔城!
「――今だ!」
最強無敵究極天魔城の意識がバサラへと集中したその瞬間!そこに隙を見出したエダは小舟を蹴立てて最強無敵究極天魔城の身体へと取りついた!
「……たしか、前に小田原で戦ったときには!」
エダは以前に別件でこれと酷似した同様の最強無敵究極天魔城との交戦経験があるのだ。そのときの記録に拠れば――この城を構成している木造と漆喰造りの部分は、脆い!丹田で練った氣を拳に乗せて裂帛とともに一撃!叩きつけた拳が最強無敵究極天魔城の壁面を粉砕する!
「よし、空いた!……あとは任せろー!内側からめちゃくちゃにしてやるぜ!」
そして開いた穴からエダは城内への侵入を果たす!一寸法師が腹の中から鬼を打倒した逸話が如く、エダは巨大な最強無敵究極天魔城を内部から崩し破壊する算段だ!
「ヌ、ヌウウーッ!貴様……やめろ!やめんか!グアーッ内部駆動系!!グアーッ生物兵器改造工場!!」
轟音!派手にぶち壊す粉砕の音が響き渡る!最強無敵究極天魔城の内部で大暴れするエダが城の内部機構をしっちゃかめっちゃかにぶち壊し、その機能を停止させようとしているのだ!
「おお……動きが鈍ってるようですよ!みなさん、とどめ行きましょう!とどめ!」
グッと拳を握ったアリルちゃんが号令めいて声をあげる!それを合図とするように、猟兵たちは最後の仕上げへとかかった!
「では、これで終わりにしましょう……私たちの目的地へと至るために、あなたを倒します」
明の手の中で、再び絶大な冷気が収束する。放つのは先と同様のコキュートス・ブリザード。内包するプラーナ値を開放し、ダメージロールに上乗せする算段だ。膨大な量の氷の矢が、最強無敵究極天魔城を襲う!
「グオオオオーーッ!馬鹿な……馬鹿な!このわしが!貴様らのような小物どもに……!」
ハリネズミめいて全身に氷矢を受けた最強無敵究極天魔城は関節から全体までを凍結させられ、その動きを封じられる!
「――続けてどうぞ!」
「了解――いくぞ、ブラックバード!」
交代するように前に出るブラックバード!コクピットでコンソールを叩き、ミストはジェネレータの出力を上昇。再び構えたビームキャノンにエネルギーを充填し、最大出力の一撃を放つ!
「グアーッ大破!!」
直撃ッ!!光の奔流に削り取られるように、最強無敵究極天魔城の躯体が崩れゆく!更にバサラが蝦蟇の上で印を結んだ。続けて畳みかける!
「その巨大さと出力が売りだったので御座ろうが――此方を止めるには力不足で御座ったな」
「げこ」
大蝦蟇が、再び跳んだ。
「海の藻屑と化すで御座る」
「グアアアアアアーーーーーッ!!は、拝累!!」
そして、激突。かくして、限界を超えたダメージを叩き込まれた最強無敵究極天魔城は、猟兵たちの力に耐えきれずその全身が崩壊を始める!そして――爆発!海上に、花火めいた巨大な火球が花咲くように生まれ、そしてオブリビオンの存在とともに消滅し無へと還ったのであった。
「――っとぉ!」
最強無敵究極天魔城の城内で内部機関を破壊していたエダは、爆発の勢いを利用して宙を舞い、絶対無敵雷神丸の甲板へと着地する。
「……やっぱり勝つのは夢見る力だね!」
「はい!力を合わせて完全勝利でしたよ!」
静けさを取り戻した海を仰ぎながら、エダとアリルちゃんはハイタッチして勝利を祝う。
「終わりましたか。これで……この船も目的地まで到着できますね」
一拍遅れて明が絶対無敵雷神丸の甲板へと降り立つ。そして、海上に浮かぶ光の玉を見上げた。
「ここまで大変な船旅でしたが……これで、目的は達成ですね」
甲板上に降り立った鎧装ブラックバードから、コクピットハッチを開いてミストは息を吐き出す。――その視線の先には、浮かぶ光の中に新たな世界の姿が見えていた。即ち、果て無き青の世界、グリードオーシャンである。
「うむ。……しかして、これもまた新たな旅の始まりなので御座るなぁ」
蝦蟇を影の中へと戻し、甲板に戻ったバサラもまたそこから新世界への扉を見つめる。
――かくして猟兵たちの旅はここでひとつの区切りを迎えた。だが、それは新たな戦いの始まりでもあるのだ。
鉄甲船・絶対無敵雷神丸は、これより新世界への航路へと入る。
成功
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