●UDCアース
……現代の地球。
『UDC(アンディファインド・クリーチャー)』と呼ばれる、太古から蘇った邪神とその眷属達。それに立ち向かうため、狂気にさらされながらも邪神を取り込み、力とする人類防衛組織『UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)』が戦っていた。
●現代の朧車
そのバスが現れるのは、決まって最終バスが行った後。
何の事情も知らない一般人達が乗り込み、そのまま姿を消しているようだ。
しかも、バスは行き先不明……。
そのため、バスに乗った者達が、何処に行ったのか、誰も知らない。
……分からない。
●ガジルからの依頼
「みんな忙しい中、集まってくれてありがとうね」
ガジル・コリアンダー(キマイラのスカイダンサー・f00907)が、猟兵達を前にして今回の依頼を説明した。
とあるバスに乗った一般人達が行方不明になっているため、彼らが何処に行ったのか、調査をして欲しいと言う事だった。
調査方法は、実に簡単。
ただバスに乗るだけ……。
ただし、そのバスが何処に行くのか、現時点では分かっておらず、危険を伴う恐れがあるらしい。
最悪の場合、途中で一般人がパニックに陥ったり、それ以外の『何か』が起こる可能性もあるため、色々な意味で油断は禁物。
もちろん、一番優先しなければならないのは、バスの目的地を知る事なので、万が一騒ぎが起こった場合でも、対応できるように対策を練っておいた方がいいかも知れない。
また行方不明になった一般人達から連絡が無い為、電波が届かない場所、もしくは何らかの妨害電波が出ている場所である可能性が高そうだ。
ゆうきつかさ
今回のシナリオは展開を予想しつつ、プレイングを書いてください。
その行動が結果になって、話を作っていく感じになります。
逆に言えば、格好いい行動をすればするほど、活躍する事が出来ます。
判定によっては失敗する場合もありますが、なるべく採用していくつもりです。
第1章 冒険
『真夜中の空車(むなぐるま)』
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POW : 実行あるのみ、実際にバスを探し出し乗り込む。
SPD : バスのあとを何らかの手段でつけてみよう。
WIZ : 目撃情報などを調査、バスの行先をわりだす。
👑11
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フェム・ポー
(一見して普通な修道服を着込んだ姿で現れて)
最後のバスに乗ったみんなが、行方不明になっちゃうのぉ?
居なくなっちゃった人たちぃ、無事だといいんだけどぉ。
生きてるならぁ、ちゃぁんとぉ、助けてあげなくちゃぁ。
姿を隠せるフェムの分身にぃ、実際にバスに乗ってみてもらおうかしらぁ。見たり、聞いたり、臭いを嗅いだり、痛いのも全部感じられるのよぉ。とっても素敵でしょぉ?
それとぉ、できる事ならぁ、最後のバスに乗る子達はぁ、バスに乗らない様にぃ、説得してみようかしらぁ。タクシーとかのぉ、お金ならぁ、出してあげるわぁ。(技能:誘惑。無自覚な退廃の色香により人を惑わし、従わせる)
灯璃・ファルシュピーゲル
【POW:実際にバスを探し出し乗り込む】
●事前
UDC機関に協力願い小型酸素ボンベと
呼吸器用意して貰い武装と一緒にリュックに収納
大きい黒のコートと帽子を着用
●潜入
まずは地域住民の目がなそうな停留所を割り出し張り込み
目標バスを確認したら乗り込み
不自然にならない程度に人数・運転手の様子・設備の作りを観察
しつつ最後部席端でコートに潜って寝込んだように装い監視
騒ぎが起きても一般人に命の危険が無さそうな場合は静観
危険がある場合はユーベルコード発動し影の狼に応戦させつつ
一般人を後部非常口から脱出するよう誘導
車内制圧にガス等が使用された場合は
空気呼吸器を隠して使用し気絶したふりして様子を伺い
行先を突き止めます
尾守・夜野
これは運転手以外に協力者がいるか、薬だろうなって思ってるぜ
最前列か、最後尾が埋まってんだろうな
…別人格の俺
普段抜けてるように見せてて腹黒な奴だが、そっちのがこういうのはわかるだろ
そっちにバスに乗って貰う。
…ヘッドフォンでゴキゲンな音楽を爆音で鳴らし囮になりつつな
そして、俺はバス停後方の茂みに隠れてタイミングを計り、
誰も見てねぇ時に
滑り止め付きの手袋&靴を履いてバスの屋根に乗る
そっちが【騙し討ち】する気ならこっちも容赦はしねぇ!
ってなるぜ
あー…さみぃ
ホットココアがうめぇ
あ?ラインだ
くそっ何が[こっちは暖房でぬくぬく快適だよ!俺!]
だよ!
[それと何か在るかもしれない]
ほほぅ?
POW?SPDどっちだ
小夜時雨・優治
「このバス、どこまで行きます?」
バスに乗る前に、明るく運転手に声をかける。
きちんとした行先を答えてくれたなら「あ、そっちじゃダメだ。すみません、ありがとうございます」、無視されたりハッキリしない回答が来たら「困ったなぁ」と返すして、どちらにせよ乗るのを止める。
で、自分は乗らない代わりに運転手を指定してシャドウチェイサーをバスに乗せる。
運転手越しでも広い窓からバスがどう走ってるかは大体見えるだろうから、行先が割り出せるんじゃないかな。
「こんなまどろっこしい事しなくても、乗ってた皆が何とかしちゃいそうな気もするなー」
流石に徒歩じゃ追いつけないから、バスが遠く離れたらUDCの人に車出してもらいたいな
●噂のバス停
「まさか、最後のバスに乗ったみんなが、行方不明になっちゃうなんてねぇ。みんな、無事だといいんだけどぉ。生きてるならぁ、ちゃぁんとぉ、助けてあげなくちゃねぇ」
フェム・ポー(聖者の残骸・f12138)は、一見すると普通の修道服を着込んだ状態で、噂の発端となったバス亭に並んでいた。
既に最終バスは行った後。
普通に考えれば、次のバスは……ない。
それでも、何を勘違いしたのか、酔っ払いがバス停に立っていた。
「もう最後のバスは行った後だからぁ、代わりにタクシーを呼んであげるねぇ」
すぐさま、フェムが酔っ払いに駆け寄り、タクシーを呼ぼうとした。
「……ん? だったら、一緒に飲まねーか?」
酔っ払いがニンマリとした笑みを浮かべ、馴れ馴れしくフェムの肩を抱き寄せた。
「う~ん、今日はちょっと無理かなぁ。でも、きちんとタクシーに乗って家に帰ってくれたらぁ、考えるかもぉ」
フェムが無自覚な退廃の色香を漂わせ、酔っ払いを虜にした。
「おっ、マジか!? だったら、オジさん帰っちゃう。真っ直ぐ家に帰りまぁ~す!」
酔っ払いが何故か敬礼をしつつ、タクシー乗り場まで歩いていく。
タクシーが来るのはしばらく後だが、早く帰りたくて仕方がないらしく、鼻歌混じりでスキップをしていた。
そのせいで、怪しげなバスが横を通り過ぎても、まったく気にしておらず、ただひたすらタクシーを待っているようだった。
その間にフェムが【身隠しの魔法に特化した自身の分身】を召喚すると、自分の身代わりとして、バスに乗せるのだった。
●怪しげなバス
「このバス、どこまで行きます?」
一方、小夜時雨・優治(雄黄・f02250)はバスに乗らず、明るく運転手に話しかけた。
しかし、運転手は何も答えない。
まるで人形の如く、まっすぐ前を見つめたまま、何も答えようとしなかった。
室内が薄暗いせいでハッキリとした事は言えないが、ヒトの形をした何かのように見えた。
「困ったなぁ……」
優治が大袈裟に頭を抱えて、深い溜息を漏らした。
「……終点まで……」
運転手がまっすぐ前を見たまま、録音された言葉を喋るようにして、ボソリと呟いた。
だが、行く先を示す方向幕を見ても、まったく何も表示されていない。
『回送』でも『臨時』でもなく、何も表示されておらず、真っ白だった。
「あ、そっちじゃダメだ。すみません、ありがとうございます」
そう言いつつ、優治が【影の追跡者(シャドウチェイサー)】を召喚すると、運転手に気づかれないようにしてバスに乗せた。
これでバスが何処に行くのか、分かるはず。
その間にバスが乗客達を乗せて走り出す。
漆黒の闇の中に飲み込まれるようにして、明かりの少ない暗く、細い道を選びつつ……。
(「こんなまどろっこしい事しなくても、乗ってた皆が、何とかしちゃいそうな気もするなー」)
すぐさま、優治がUDCの協力者が運転する車に乗ると、一定の距離を保ちながらバスの追跡を開始するのであった。
●バスの屋根
「さて……、これからどうするか」
一方、尾守・夜野(群れる死鬼・f05352)は滑り止め付きの手袋と靴を装備した上で、バス停後方の茂みに隠れてタイミングを計り、誰も見ていない瞬間を狙って、バスの屋根に飛び乗った。
念のため、バスの中には別人格の自分を乗せており、ヘッドフォンから音が漏れる勢いで、ゴキゲンな音楽を爆音で鳴らしていた。
その間、屋根の上は……暇。
しかも、寒い。肌寒い。
だが、準備は万端。ホットココアを購入済み。
そのおかげで、身体はヌクヌク。
ホッと一息していると、道路際に置かれた自販機の明かりが視界に入った。
その自販機で売られていたのは、御汁粉、おでん、コーンスープ、アニキの濃厚汁等々。
……ん?
ちょっと待て!
『アニキの濃厚汁』って、何ッ!
しかも、ホット。何故、ホット!?
そもそも、どんな飲み物なのか、まったく想像がつかない。
だが、夜野には見える。
ワンマン社長のドヤ顔が!
これは間違いなく、ノリと勢いで作った……失敗作ッ!
だからこそ、飲ませたい。
掛け替えのない仲間達に……!
だからと言って、この状況でバスから飛び降りる訳にも行かない。
そうしている間に、バスは長い長いトンネルの中に入っていった。
●バスの中
(「何とかバスに乗ったはいいが……」)
灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は大きな黒のコート姿で帽子を被り、最後部席の端に座っていた。
バスの中には、別の停留所から乗った一般人達もおり、まったく怪しむ事無く手元のスマホを眺めていた。
念のため、UDC機関に協力願い、小型酸素ボンベと、呼吸器を用意して貰い、武装と一緒にリュックに収納しているのだが、今のところ使う必要がないほど……平和。
のんびりバスに揺られて、景色を眺めるだけの余裕がある。
(「それにしても、静かだ……」)
ファルシュピーゲルが、ゆっくりと辺りを眺める。
時間が時間のためか、寝ている乗客もチラホラ。
その間も運転手は何も喋らない。
途中でバスが停車する事も……ない。
そもそも、この位置からでは運転手の顔が見えないため、人間であるかさえ分からなかった。
それでも、まわりの乗客がまったく反応していないのだから、人の形をしているのは間違いないだろう。
そして、バスはトンネルの中に入っていき、室内に大量のガスが噴射された。
それと同時に乗客達がパタパタと倒れていき、海よりも深い眠りについた。
そんな中、ファルシュピーゲルは隠れて空気呼吸器を使用しながら、気絶したフリをするのであった。
大成功
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第2章 冒険
『邪神生体兵器化計画』
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POW : 正面突破で研究所を強襲し破壊活動を行う
SPD : 手薄な所を探し忍び込み情報を集めたり、人質解放に動く
WIZ : 設備をハッキングして乗っ取る等して研究所内を混乱させる
👑11
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●邪神生体兵器研究所
バスが到着したのは、山奥にある研究所だった。
おそらく、電波は通じない。
そして、バスの乗客達は、白衣を着た邪教徒達に運ばれ、研究所の中に入っていった。
尾守・夜野
もう一人の俺の維持は継続し
信者を追いかける
消したらばれるだろうし
Nagelの弾用の火薬と空き缶と紐とで簡易爆弾作成
信者を追いかける途中で適当な場所に仕掛け
他にもあちこちに似た陽動用の時限式の罠作っておく
…消失事象じゃ匂い消せねぇし
早く手放してぇんだよ
人目、監視カメラの付近では消失事象を使用
内密に動くぜ
捕まった奴がどこかに纏められたらその周辺を基点に探索
重要そうなのはちょろまかしデータは改変
耐性あるしその内俺もおきるだろ
一般人への説明、纏め等はそっちに任せる
どっかで紙を入手してさっきの自販機までの地図を書いて姿を隠し俺に渡す
一段落着いたら俺以外のワンダレイの人員分買う
絶対にだ
【武器改造・毒耐性】
灯璃・ファルシュピーゲル
【SPD:忍び込み情報収集・人質解放に動く】
武装を手早くコート下に隠し
大人しく運ばれつつ周囲を監視
寝相が悪いフリして少し暴れて自分を運ぶ敵が
他の邪教徒よりかなり遅れる様仕向け
周囲の目が無くなった瞬間にユーベルコード発動し
触手で敵の口・手足を塞ぎ静穏制圧し
近くの無人の部屋等探し連れ込み尋問
大体の敵人数・監禁部屋・警備室の位置を
多少手荒にでも聞き出すようにします
尋問後は静かに止めを刺して隠し
白衣と鍵があれば入手し邪教徒のフリをし警備室に潜入
当直と警備システムを抹殺し他猟兵の行動を支援
無理な場合は監禁場所周辺の物陰・部屋に潜み、様子を伺い
人気が無くなり次第、他猟兵の動きに連携し人質を外に連れ出します
小夜時雨・優治
車で送ってくれたUDC職員さんには危なくないように山の麓でまっててもらう。
運転手にくっつけてた【影の追跡者(シャドウチェイサー)】はまだいるのかな? ただ、あの運転手の雰囲気、バスから降りなさそうな感じだから、内部を探索するのは難しそう。まあ、何か情報が手に入ればラッキーってことで。
で、周囲の確認と【影の追跡者】を使っての見聞きを一通りしたら、施設の窓とか壊せそうなところに石を投げる。
「乗車組は殆ど施設の中かな? なら、後から来たオレにできることは、外での陽動ってことで」
本格的な戦闘はなるべく避けつつ、不良のいたずらか本腰入れた襲撃者か分からないように、人間とはなるべく顔を合わせず嫌がらせだ!
●山奥の研究所
(「まさか、こんな山奥に研究所があったとはな」)
尾守・夜野(群れる死鬼・f05352)は物陰に隠れつつ、Nagelの弾用の火薬と空き缶と紐で簡易爆弾を作っていた。
その後も研究所の前に何台かバスが停車し、眠りについた乗客達が、白衣を着た邪教徒達によって、研究所の中に運ばれていた。
研究所の入り口には、警備の人間達が立っており、あちこちに監視カメラが設置されていた。
監視カメラに関しては消失事象を使えば何とかなるものの、警備の人間の目を誤魔化す事は難しい。
そのため、陽動用に仕掛けた時限式の罠を作動させ、警備をしている人間達の注意を逸らす事にした。
「……ん? 何か物音がしなかったか?」
それに気づいた警備の人間達が、警戒した様子で、物音がした方向に懐中電灯を照らす。
そのタイミングで、ふたつめの罠を作動ッ!
警備の人間達が険しい表情を浮かべて、物音がした方向に急ぐ。
その間に消失事象を使い、監視カメラを回避しつつ、何とか室内に入る事が出来た。
しかし、室内はまるで迷宮。
見取り図などが無いため、周囲を警戒しつつ、研究所の奥へと進んでいく。
その間も脳裏に過ぎるのは、『アニキの濃厚汁』のコト。
まるでアニキがポージングを繰り出し、自分を誘っているような錯覚に襲われながら、夜野はさらに奥へと進んでいった。
●研究所の外
「さて……、ここまで来たのはいいけど……」
一方、小夜時雨・優治(雄黄・f02250)は、車で送ってくれたUDC職員に山の麓で待ってもらい、単独で研究所の傍までやってきた。
研究所では何やら不審者が現れたらしく、警備の人間が鬼のような形相を浮かべ、辺りを走り回っていた。
(「そう言えば、運転手にくっつけてた【影の追跡者(シャドウチェイサー)】は、まだいるのかな? ただ、あの運転手の雰囲気からして、バスから降りなさそうだけど……」)
そんな事を考えながら、優治が影の追跡者に意識を飛ばす。
バスの運転手は再び獲物を捜すため、再び同じルートを回っている途中だった。
しかも、バスの中には乗客達が乗り込んでおり、まったく怪しむ事無く、スマホの画面を眺めていた。
(「とにかく、今はこっちに集中するしかないか」)
優治が気持ちを切り替え、警備の人間に見つからないようにしながら、壁伝いに移動していき、窓に向かって石を投げて、ガシャンと割った。
「……誰だッ!」
それに気づいた警備の人間達が殺気立った様子で駆けつけてきたものの、そこに優治の姿は既にない。
(「乗車組は施設の中かな? なら、後から来たオレにできることは、外での陽動ってことで」)
そんな事を考えながら物陰を移動しつつ、警備の人間の注意を入口から逸らすのだった。
●研究所内
(「……まるで物だな」)
灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)は他の乗客と一緒に、白衣を着た邪教徒達に運ばれていた。
その間、寝相が悪いフリをして少し暴れたせいで、逆切れした邪教徒に腹を殴られたものの、それでも諦める事なく、わざと寝返りを打って、何度もしつこく邪魔をした。
「……たくっ! なんだ、コイツは! とりあえず、大人しくさせるから、お前達は先に行ってくれ」
邪教徒がファルシュピーゲルを床に下ろし、倉庫から縄を取ってこようとした。
「それじゃ、大人しくなってもらおうか」
次の瞬間、ファルシュピーゲルが謎を喰らう触手の群れを使い、邪教徒の口や手足を塞ぎ、文字通り大人しくさせた。
その上で、倉庫の中に連れていき、口を塞いだ状態のままで尋問を開始した。
「先に言っておくけど、妙な真似はしない事。大声を上げたら殺すし、逃げようとしても殺すからね。後、嘘をついても殺す。誤魔化しても殺す。……分かった?」
ファルシュピーゲルが、わざと脅すような言葉を選び、邪教徒の顔色を窺った。
邪教徒も死にたくないのか、ボロボロと涙を流しながら、力強く頷いた。
「知りたいのは、大体の敵人数と、乗客達の監禁部屋、あと警備室の位置……。少しだけ喋らせてあげるから、教えてくれるかな?」
ファルシュピーゲルが触手に指示を出し、邪教徒の口から首元に移動させた。
実際に絞め殺すつもりはないものの、効果はテキメン。
『嘘をついたら、絞殺される!?』とばかりの勢いで、知っている事をペラペラと話し始めた。
それに満足したファルシュピーゲルが邪教徒に当て身を放ち、白衣を奪って倉庫から出ていった。
大成功
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フェム・ポー
こんな山奥に研究所があったのねぇ?
一体何の研究をしているのかしらぁ?
攫われた人たちもぉ、どこにいるのかぁ、探さなくちゃねぇ?
こっそりとぉ、罠とかにぃ、気をつけながらぁ、中に入って見てぇ、お話しできそうな人を探してみるわぁ。
お話しできそうな人がいたらぁ、声をかけてぇ、UBCを使ってぇ、色々協力したりぃ、お話を聞かせてくれるようにぃ、お願いしてみるわねぇ?(技能:誘惑、催眠)
上手く行ったらぁ、そうやってぇ、少しずつぅ、『お願い』できる人を増やしていってぇ、攫われた人の居場所を探してぇ、助け出すのを手伝ってもらいましょぉ?
●研究所
「それにしても、こんな山奥に研究所があったのねぇ? 一体、何の研究をしているのかしらぁ?」
フェム・ポー(聖者の残骸・f12138)は少し遅れて、山奥にある研究所にやってきた。
この場所に向かおうとした途端、酔っ払いが絡んできたせいで、だいぶ着くのが遅くなってしまったせいか、既に研究所は大騒ぎッ!
何やら白衣姿の邪教徒達が『侵入者だー!』、『被検体が脱走したぞ~』と叫びながら、あちらこちらで走り回っていた。
おそらく、先に潜入していた猟兵達が研究所の中で騒ぎを起こしているのだろう。
青ざめた表情を浮かべた乗客達が、次々と研究所の中から飛び出してきた。
「さすがにぃ~、この人達と話をするのは難しそうねぇ~」
そんな中、フェムは思った。
此処から逃げたとして、無事に山の麓まで辿り着く事が出来るのだろうか、と……。
ただでさえ、電波が通じない場所なので、最悪遭難。
しかも、真夜中なので、迷ったら最後。
……無事に帰れる保証はない。
ただし、山の麓にUDC職員が待機しているため、万が一の場合はなんやかんやして保護してくれるはず。
こればっかりは祈るしかないので、なるべく迷子にならないように祈りを込め、何となく御見送り。
そうしているうちに、今度は白衣を着た邪教徒達が腰を抜かす勢いで、研究所の中から這うようにして逃げ出してきた。
「一体、中で何があったのぉ?」
フェムが頭の上に大きなハテナマークを浮かべながら、研究所の中から逃げ出してきた邪教徒に話を聞いた。
「じ、実験体が……実験体が暴走したんだッ!? いいから早く、お前も逃げろ!」
そう言って邪教徒が後ろを振り返る事無く、脱兎の如く逃げ出した。
大成功
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第3章 ボス戦
『残響の女神』
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POW : 信者の供物
自身の装備武器に【生贄になった者の身体部位の一部 】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD : 叫ぶ
【絶叫 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ : 凝視
小さな【狂気 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【トラウマに応じてダメージを与える空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
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●残響の女神
「怨、怨、怨、怨、怨……」
残響の女神がユラユラと頭を揺らし、ゆっくりと廊下を歩いていく。
視界に入るモノは、すべて敵!
敵、敵、敵ッ!
自分をこんな体にした邪教徒は、既に壁のシミになっている。
それでも、怒りは収まらず、むしろ膨らみ、爆発寸前ッ!
その怒りを発散する場所を求めて、残響の女神が研究所の外に向かうのだった。
ネラ・イッルジオーネ
あれが女神……ただの邪神な気がします。
他の猟兵がいましたら合わせますが、今回は普通の人がしない方法をしてみます。ただ……何処まで自分自身が耐えれるかですね。
まずユーベルコード『ラ・リヴォルツィオーネ・デェラ・グローリア』で相手の手足に槍を放ち。様々な状態異常(火傷、凍結、鈍足など)を与えて動きをある程度制限させます。
敵の攻撃に関しては私は過去の記憶は殆ど無いのと、トラウマは無いので意味が無いですが『オーラ防御』で邪気を触れさせないようにします。
尾守・夜野
…あれは!?
取り込まれたパーツにあのドリンクのパッケージを見つけてしまうぜ
…アニキは神話生物だった?
これが幻覚なのか、現実なのかわからねぇが…回収が楽になったことは喜ぶべきだな!(発狂)
ブラッド・ガイストで丁寧にそれはもう丁寧に、パーツを分割していく作業をしていく
間違っても、食わねぇようにしとく
ばらして散らしたパーツの中に、さっきの爆弾の残りも混ぜ混んで、牽制もするぜ
狂人ゆえの動きで恐怖を与え、動きが鈍ったところで近より生命力吸収と吸血もおみまいだ!
虚偽・うつろぎ
おぉ、中々狂気的な感じに仕上がっているね
残念だけどここで我輩の糧になってもらうよ
まずは近接戦を挑む
耐性や防御系の技能を全て駆使して敵の攻撃に耐えてみせる
攻撃を受けることはむしろご褒美である
刻印を変化させた7本の腕でぺちぺち牽制しつつ
僕の体の ぎ の部分を伸ばし敵に命中させる
ウツロギ発動
ルールは【怒るな】
ユーベルコードがヒットした後は敵から離れて
より怒り狂うよう挑発をしていくよ
あはは、素敵な体だね
似合ってる似合ってる
可哀想ではあるけど諦めなよ
ユーはもう元には戻れないのである
ねぇどんな気持ち?どんな気持ち?
そんな姿になってどんな気持ち?
と近づかずウロチョロしながら挑発する
基本的に食物として見てます
小夜時雨・優治
……噂になってる時点で犠牲者はいる、か。(残念そうに残響の女神を眺める)
オレも実験体だったわけだけど……こっちは諦めの境地で、明日も食事ができると良いな、とか思ってたからね。
ま、黙ってれば普通のフリができるオレとじゃ、悲しみの度合いも違うか。
「でも、八つ当たりは良くないよ、お嬢さん!」(明るく、強く、声を上げる)
【空気岩】(振り下ろそうとした手や進行方向の『空が切れなくなる』ため、動きを一時的に封じる。密度が薄いので窒息させるのは無理)を使用、仲間が攻撃するため、または襲われた人間が逃れる隙を作る。
【凝視】には抵抗してトラウマ空間送りは勘弁してもらう。
「耐えられる自信がないんだ。ごめんね」
灯璃・ファルシュピーゲル
「犠牲を使って犠牲を増やし・・・研究者の鑑ですね。腐った意味でですが
(一言呟きその後は兵士として躊躇なく発砲」
他猟兵とはタイミング合わせ連携重視し戦闘
まずは味方が攻撃しやすいよう牽制射撃で注意を引き
敵の注意が散漫になるよう狙い常に動き
また味方の方へ意識が逸れてるなら
「スナイパー・戦闘知識」を活かして脚・頭部狙いで集中射撃
狙える場合はユーベルコードで狼召喚し四肢の抑え込みを狙って
襲い掛からせ。他猟兵が確実に大きい一撃を入れられるように支援
確実にダメージを積み上げて制圧するよう戦う
制圧後は残党捜索・研究資料の処分等手伝い
犠牲者へ黙祷しUDC機関に引き継ぐ
「area clear・・ツケは払わせます」
●彷徨う狂気
「あれが女神……ただの邪神な気がしますね」
ネラ・イッルジオーネ(サンツィオーネ・ディ・アニマ・f06949)は嫌悪感をあらわにしながら、残響の女神の前に陣取った。
「怨、怨、怨、怨、怨……」
残響の女神は恨めしそうな表情を浮かべ、ユラユラと頭を揺らして少しずつ距離を縮めてきた。
「犠牲を使って犠牲を増やし……。まったく、研究者の鑑ですね。ただし、腐った意味でですが……」
灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)が、躊躇う事なく残響の女神に発砲した。
……そこに迷いはない。
ただ事務的に……残響の女神を撃ち抜き、反撃を警戒して物陰に隠れた。
「怨、怨、怨、怨……」
その途端、残響の女神が爆発的に殺意を膨らませ、生贄になった乗客の腕を振り回し、ファルシュピーゲルに襲い掛かってきた。
「まあ……、噂になってる時点で犠牲者はいる、か。オレも実験体だったわけだけど……こっちは諦めの境地で、『明日も食事ができると良いな』とか思ってたからね」
それに気づいた小夜時雨・優治(雄黄・f02250)が後ろに跳び、残念そうに残響の女神に視線を送る。
基本ベースは女性のようだが、何人も……少なくとも数人の乗客達を繋ぎ合わせて作られた存在。
そうする事で、新たな生命体を生み出そうとしたのかも知れないが、こうなってしまった以上は倒すしかない。
「八つ当たりは良くないよ、お嬢さん!」
それ故に、躊躇っている訳には行かない。
此処で倒さなければ、彼女の苦しみが永遠に続き、決して救われる事などないのだから……。
もしかすると、それは救いとは程遠い行為かも知れない。
それでも、明るく、強く、真っ直ぐ『彼女』を見て、戦う事を……決意した。
「……残念だけど、ここで我輩の糧になってもらうよ」
虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)も刻印を変化させた7本の腕で牽制しつつ、残響の女神に攻撃を仕掛けていく。
「怨、怨、怨、怨ッ!」
だが、残響の女神はいくら傷ついても、攻撃を止める事無く、うつろぎに何度も攻撃を仕掛けてきた。
しかし、うつろぎにとって、それは御褒美ッ!
傷つくたびに強くなるスポコンドラマの主人公ポジションで、うつろぎはヘブン状態に突入しつつ、残響の女神と戦っていた。
「あ、あれは……!? アニキィ!」
そんな中、尾守・夜野(群れる死鬼・f05352)が、残響の女神を凝視したまま固まった。
残響の女神に取り込まれたパーツの中に……アニキがいた。
いや、正確にはドリングのパッケージが、パーツとして取り込まれているように錯覚を受けた。
「こ、この状況で、何を言っているんですか!?」
ネラが妙な温度差を感じつつ、夜野をジロリと睨みつけた。
しかも、夜野の背後に浮かぶのは、サムズアップで微笑むアニキ。
おそらく、幻覚の類だとは思うのだが、そのアニキが『ウチの弟分が御世話になってます!』とばかりに、爽やかオーラを漂わせ、色々な意味で怖かった。
「……ん? これは幻覚なのか? 俺にはハッキリと見えるんだが? まあ、いいか。バラしてみれば分かる事だッ!」
夜野がサクッと気持ちを切り替え、素早く間合いを取った。
その間も夜野のサポートをするようにして、アニキの幻影が見えているような気もするが、みんなあえてその事には触れようとしなかった。
少なくとも、そう思っておかなければ、アニキがチラつき、鬱陶しい!
(「……どうやら、空気が変わったようだね」)
すぐさま、優治が【空気岩】を使い、残響の女神の攻撃を一時的に封じ込めた。
それがイイ事なのか、悪い事なのか分からないが、おそらく残響の女神にとっては悪い事。
気のせいか、残響の女神の表情が、困り顔をしたワンコのように見えた。
だからと言って、残響の女神の力が弱まった訳ではない。
むしろ、逆。
激しい怒りで攻撃力が増しており、油断すれば怪我だけで済みそうにない。
それ故に、優治のやる事は変わらない。
……変える必要もない。
ただ前だけを見て、攻撃を仕掛けるのみ……!
「憎むなら憎んでください。それで気持ちが晴れるのであれば……」
続いて、ネラも間合いを取りつつ、残響の女神に【ラ・リヴォルツィオーネ・デェラ・グローリア】を放っていく。
まるで刃物のように鋭い殺意を残響の女神から向けられてはいるものの、だからと言って考えが変わる事はない。
「怨、怨、怨、怨ッ!」
だが、残響の女神は火傷を負い、凍傷になって、動きが鈍くなっても、諦める事なく攻撃を仕掛けてきた。
それがまるで自らの役目であるかのように……。
どんなに自分の状況が不利になっても、臆する事無く向かってきた。
「ウツロギ……それに続く空前絶後の絶世無比な言葉は……【怒るな】」
それを迎え撃つようにして、うつろぎも【身体の『ぎ』の部分】を、残響の女神にぶち当てた。
その影響で【怒るな】と言うルールが発動し、残響の女神がダメージを受けて、身体のあちこちから血が流れた。
「ねぇ、どんな気持ち? どんな気持ち? そんな姿になって、どんな気持ち?」
それでも、うつろぎは全く気にせず、わざとまわりをウロチョロしながら、残響の女神を煽って煽って煽りまくった。
「怨、怨、怨、怨!」
案の定、残響の女神がブチ切れ、体中からドクドクと、大量の血を垂れ流した。
(「どうやら、どんなに傷ついても、怒るのだけは止めないようですね。そこまでして、怒る理由はないと思うんですが……」)
ファルシュピーゲルが諦めにも似た感情を抱きつつ、残響の女神の脚を撃ち抜いた。
「怨、怨、怨、怨……」
残響の女神が膝をつき、全身血まみれになりながら、再び唸り声を響かせた。
そこに既にヒトの心はない。
残っているのは、恨みと怒りと言った負の感情。
「それじゃ、バラしてみるか」
差の間に、夜野が自らの血液を代償にして、装備武器の封印を解き、【殺戮捕食態】にして、丁寧に残響の女神の身体をバラしていく。
そこにアニキの姿はなかったが、夜野の心の中に、間違いなくアニキがいた。
「……そろそろ終わりにしましょう……」
次の瞬間、ファルシュピーゲルが残響の女神に狙いを定め、いびつに歪んだ頭を容赦なく撃ち抜いた。
頭を失った残響の女神は、そのまま床に崩れ落ち、血溜まりの中に沈んでいった。
後は残党の捜索と、研究資料の処分のみ。
……それで、すべてが終わる。
何もかも……。
「これで救われ……いや、解放されたようだね、魂が……」
そう言って優治が複雑な気持ちになりつつ、しばらく天を仰ぐのであった。
大成功
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