●夢の最果て
『よく、ここまで来ましたね』
遺跡の奥深くにて。悪魔めいた金の獣頭を持つ“それ”が、一人の冒険者を穏やかな口調で迎えていた。
『ここまで辿りつけた貴方に、私からの祝福を』
“それ”がそっと冒険者の頭に金の冠を被せる。すると。
「あ、あ、うあああああぁぁぁぁぁ!!!」
絶叫とともに頭を抑えて、苦しみ出す冒険者。その身体を闇がじわりと包み込んでいく。叫びは少しずつ小さくなっていきーー再び彼が立ち上がった時には、既に人の形は失われていた。
●闇に染まるその前に
「俺に見えたのは、ここまで」
狼耳をぱたりと一度動かし、グリモア猟兵の影守・吾聞(f00374)が仲間たちへと向き直る。
少年が予知したのは、アックス&ウィザーズ世界のとある遺跡での光景。オブリビオンが冒険者を魔物へと変えていく様が見えたという。
その目的までは読み取れぬものの、オブリビオンを放置すれば人に悪影響が及ぶことは疑いようがない。討伐に向かわねばならないだろう。
「遺跡を攻略して、オブリビオンを見つけて討伐。ここまでが今回のミッションだよ」
オブリビオンの潜む遺跡は、かつて栄華を誇った古代帝国人によって築かれたものであるという。内部は迷宮となっており、数々のトラップがそのままになっているのだとか。各々の得意な能力を活かして攻略していくとよいだろう。
「……あのオブリビオンと同じ姿の、呪獣? 最近遭遇したばかりだけど、何か関係あるのかなぁ?」
一人呟いていた少年は首を振り、改めて真っ直ぐに仲間たちを見据え。
「遺跡攻略も戦闘も大変だと思うけれど、人々に被害を出さないために。どうかよろしくお願いするね」
微笑みかけて、ぺこりと頭を下げた。
藤影有
お世話になっております。藤影有です。
オブリビオンから人々を守るべく、猟兵の皆様の力をお貸しいただけますと幸いです。
第1章・第2章は【冒険パート】、第3章は【ボス戦】となります。
●第1章補足
遺跡は地下に向けて広がっています。
どんどん階層を降りていくイメージでお楽しみください。
●余談
拙作『輝石に願いを』での事件を思わせる表現をほんのり取り入れています(該当リプレイは読まずとも、全く問題ありません)
それでは、皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
第1章 冒険
『古代帝国の迷宮』
|
POW : 手当たり次第に力づくで攻略する。どんな障害だろうと、力任せに攻略してしまえば問題ない。
SPD : 罠やモンスターに警戒して進む。危険を早期発見、罠を解除したりモンスターを速やかに排除せよ。
WIZ : 迷宮を注意深く観察して進む。人の手による罠なら、予測できるはずだ。知識はどんな場面も有効活用できる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
|
●迂闊なる導
その遺跡は、砂岩をくり抜いて作られた岩窟神殿である。
入口を挟むように、両側には何者かの座像が彫刻されている。古代の王か、はたまた遺跡の守護者たる者だろうか。
内部に足を踏み入れると、そこはまっすぐ柱が立ち並ぶ大広間。
奥へ進む間にも、柱に刻まれた古代文字や壁画が立ち入った者の目を楽しませる。
最奥部に辿り着くと、地下迷宮へと続く階段が口を開けている。
いざ探索開始と猟兵たちが進もうとするとーー階段のど真ん中に、赤いスカーフが落ちている。
スカーフには埃一つ付いていない。落とされてからそう時間が経っていないのだ。つまり、ごく最近ここに足を踏み入れた者がいるということになる。
グリモア猟兵の予知によると、この遺跡の奥にて人が魔物に変えられていたというーー果たして、間に合うだろうか。
オイフェ・アルスター
迷宮にいる怪しい輩に宝を貰うなんて罠でしかございませんことよ。
まあ、そうならないようにするために私がいるのですけども……
迷宮は暗いですの。
1人で入るのは面倒ですから、入り口で適当な猟兵に声をかけましょう。
一緒にいけば楽ですわ。
こういう迷宮は足元と壁に仕掛けがあるものですの。
杖で床をつつきながら進めば、回避も簡単ですわ。
基本はランタン。
広い場所に出たら、生まれながらの光を放ち周囲を照らす。
同行者が怪我をしたら生まれながらの光で回復する。
迷宮で大技を使うわけにはいきませんから、ヒーラーに徹しますわ。
ただ、私に触れようとするケダモノにはロッドで叩きますの。
花咲・桜華
「いいねいいね! ダンジョンにお宝! 心躍るよ♪」
ワクワク気分で迷宮へ向かう。
一応ヘッドライトをつけて、いざ探検……冒険者を助ける調査へ!
他にも猟兵がいるなら一緒に行くよ。目的は同じなんだしー
「君も討伐に来たの? ボクと一緒に行こうよ! 」
罠やモンスターに警戒して進んでいくよ。
【暗視】で暗闇もへっちゃらだけど、罠解除以外ではヘッドライト
【追跡】【忍び足】で隠密をして、安全を確保
罠も安全を確認してから発動させるか解除しちゃえば、後が楽だよね
【見切り】敵と遭遇したら、相手の攻撃を避けつつダガーで攻撃していくよ。
暗闇に慣れてる敵は光に弱いかな?
奇跡の破壊者で動きを止めつつ、ダガーで刻むよ!
●地下2階
「迷宮にいる怪しい輩に宝を貰うなんて……罠でしかございませんことよ」
オイフェ・アルスター(f12262)はグリモア猟兵より齎された予知の内容を思い返し、少し呆れた調子で呟いた。
もっとも、オブリビオンの好きにさせるつもりなど毛頭ない。さっさと迷宮を抜けて、元凶に神罰を与えてやらないと。
(そのためにも仲間と協力し合って、楽に進みたいところですわね)
こつりこつりと杖で通路の床を突く手は止めず、オイフェは青灰の髪を掻き上げつつ隣を見やる。
「いいねいいね! ダンジョンにお宝! 心躍るよ♪」
そこには女性と見まごう程に端正な顔立ちの青年ーー花咲・桜華(f04874)の姿があった。
高ぶる心は隠すこと無く。それでいて足音をしっかりと忍ばせ、警戒態勢は崩さずに。
古代遺跡での探検もとい人命救助のための調査を存分に楽しんでいる様子だ。
迷宮入り口にて合流した彼と彼女は、罠を順調に解除しつつ歩を進めるーー大きな異変が起きたのは、地下2階に降りてすぐのこと。
「……止まって」
桜華が歩みを止めつつ、オイフェを庇うように前へ出た。表情を引き締め毛を逆立てる青年の様子に、娘もただならぬものを感じ取る。
「敵、かしら?」
「そうかも」
ロッドを握りしめ進行方向を睨みつけるオイフェ、耳を澄ませて通路の先に待ち受ける何かの情報を握まんとする桜華。視線を交わして頷き、二人はそろそろと進んでいく。
10歩、12歩、14歩……数歩先から、広間に出るようだ。
16歩、18歩、20歩……ストップ。
せーのと合図して、身構えつつ灯りを掲げると。
『ギャァ!!』
何者かが、顔を背けて苦しんでいるーーそれは、見上げる程に巨大な蛇。
敵の目を一瞬でも眩ませられたのは僥倖だった。桜華は高く跳躍し、ダガーを閃かせて勝負を決めにかかる。
『……グ、オォォ!』
首筋を切り裂かれてなお、蛇は胴をくねらせて暴れ回る。鱗に覆われた巨体がオイフェに迫る、その前に。
「ボクの本気を見せてあげるよ!!」
蛇の身体を足場に身を捩り、桜花は再び跳び上がる。閃光、鎖、雷と順々に放ち、蛇の身体を穿って止めて。成す術のなくなった蛇の頭を落として、終わり。
「……助かりましたわ、あなたに声をかけて正解でした」
ユーベルコードを放つため無理に身を捩った時にできた桜華の傷を、オイフェの生まれながらの光が癒す。照れくさそうに笑う青年。その瞳が見開かれる。蛇の亡骸が煙のように消えていく様を捉えたからだ。
治療を終えて広間を探索するオイフェと桜華だが、特別なものは広間奥の階段のみである。
危険が無いことが分かっただけでも何よりと頷き合い、二人は先へ進むのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ファン・ティンタン
……、呪獣の正体、ね…
吾聞の独り言を耳にして、以前の出来事を思い起こしながら遺跡へ向かう
【WIZ】知は力なり
人造の遺跡なら、その傾向は人に向けてのトラップになるかな
悪霊対策とか、スピリチュアルな何かがあったらどうしようかと思うけれど…
事前に当該遺跡付近で聞き込みをする
盗掘者や歴史家等から、周辺の類似遺跡の構造等を知らないか【コミュ力】を駆使して【情報収集】しておく
有益な情報だったら、今回の遺跡についても教えてあげるよ
遺跡内は効率と安全性を考え【二身一鏡】で手数を増やしておく
イミナ、ここのトコ活躍続きじゃない?
基本的には分身を先行させ、聞き込み情報と併せて罠を【見切る】
…まぁ、死ぬことはないかな
アステル・サダルスウド
『』:技能
【】:ユベコ
※WIZ
神秘的な場所だね
この奥で何が待ち受けているのか…
何にせよ油断は禁物だね!
ランプを片手に、いざ行こうか
『世界知識』でこの世界に存在しそうな罠を予想、『学習力』と『情報収集』で法則を見出すよ
異変を感じたら立ち止まって周囲を調べ
音の反響、壁や床の色の変化・亀裂にも気を払う
襲い掛かるタイプの罠なら『見切り』で避ける
やれやれ、古代の方もオブリビオンなんかに利用されたくはないだろうに
敵が現れたら『見切り』で避け
『フェイント』『スナイパー』『鎧無視攻撃』を駆使して【姫桐草の詩】を発動
協力できる方がいれば『援護射撃』も活用するよ
真実は未だ遠く
けれどこの程度で諦める僕ではないのさ!
●地下4階
(……呪獣の正体、ね)
遺跡攻略を進める間にも、ファン・ティンタン(f07547)の心にはグリモア猟兵の一言が引っかかっていた。
予知で見えたオブリビオンは、ファンが関わった事件で遭遇したものと同じ姿をしていたという。件の敵と何らかの関係があるのか否か、果たして。
「神秘的な場所だね。この奥で、何が待ち受けているのか……」
ランプで行く先を照らしつつ、アステル・サダルスウド(f04598)は翠の瞳をきょろきょろと動かし辺りを見回す。
それは彼の持ち前の好奇心ゆえだけでなく、警戒の意図も含めてのことである。
「……分身、戻ってきた。すぐ先に、また何か仕掛けがあるみたいね」
「やれやれ、今度は何だろう」
ファンが召喚、先行させていた分身が示すは、床のある一点。アステルがそっと灯で照らし目を凝らすと、そこだけごく僅かに色が変わっているのがわかった。
「この位置を通過した者を目掛けて、上から何かを落とすタイプの罠だね。踏まないよう、横に避けて進もうか」
「ええ……イミナ、ここのトコ活躍続きじゃない?」
娘の持つ手鏡が、少年のランプの光を受けて束の間きらりと輝く。その様は何処か誇らしげにも見える。
事前に現地の専門家より周辺の類似遺跡の情報収集を試みていたファンと、持ちうるこの世界の知識を総動員し罠の法則を見出す手筈を整えていたアステル。二人の連携により探索はさくさくと進み、ただいま地下4階。そろそろ次の階段に到達する頃合いかという時に、再びファンの分身が戻ってくる。
「ん……この先に、何かいる?」
「敵かな。不意を付かれないよう、気をつけていこう」
警戒の色を強めつつ進み、二人は通路からそっと広間へ覗き込むーー広間の奥に階段が設置されている構造は、どの階層も共通であるらしい。
『……カエレ』
低い声が降る。身構えつつ頭上に視線を送る二人を、ぎょろりと縦長の瞳孔が見据える。
巨大な蛇だ。恐ろしげな姿と裏腹に、その瞳には理性が宿っているのがわかる。
『カエレ』
今いちど、蛇は静かに告げる。襲ってくる様子は見られない。
「帰れと言われても、ね」
「僕らには僕らの目的がある。諦めるわけにはいかないね」
ファンとアステル、二人の進む意志が堅いと見るや、蛇は少し哀しげな顔をしーーすっと身を捩らせて、広間奥への道を開けた。
顔を見合わせるファンとアステル。蛇にそれ以上を問うても、何も答えることはない。
この蛇についての謎も、奥へ進めば解けるだろうか。謎は一先ず謎のままに、猟兵たちは先へ進むことにした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルチル・ガーフィールド
「入るのが遅れてしまいました・・・急ぎませんと~~…とはいえ、急がば回れですね…」迷宮の分岐点を越えるごとに、なるべく先行者の痕跡を追い、人のあまりに通っていないと思われるルートは避け(敵の死体の痕跡のないところで戦闘になった場合は間違った道と判断)、その場合は後戻りをして(罠や戦闘が発動発生すれば最低限の変化が壁や床に現れると考え【お掃除】)別の道を選ぶ。
帰るように警告を受けたら、「なぜ…ですか?」と問うてみる<答えがなければそのまま進む
胡・翠蘭
「古代遺跡なんて、ロマンがある響きですこと。……多くがそうだけれど、冒険者の探求心と好奇心を弄ぶようなオブリビオンにはお仕置きしなきゃねぇ」
とはいえ……一足先に行ってしまった方、まだ無事だといいのだけれど。
【POW】
さて、と。
第六感や野生の感、罠使いの技能を駆使しつつ視認・感知できる罠や仕掛けに注意しつつ宇宙バイクに騎乗して駆け抜けちゃいましょうか
強引?
結構じゃない、偶には力づくで進むのも楽しいわ
目の前に攻撃的なトラップや障害物があったら『ガジェットショータイム』で破壊・防御しつつ進んで突破しましょう
同じようなこと考えてる仲間がいれば同行しようかしら
●地下7階までぶっ飛ばして
「急ぎませんとー……」
ルチル・ガーフィールド(f03867)は早足で迷宮を行く。
しかし、急がば回れの精神を忘れずに。先に迷宮へ入った猟兵グループの痕跡をしっかりと辿り、堅実に2階、3階と突破していく。おっとりとした外見と裏腹な、なかなか強かな戦略だ。
「ええ……猟兵より先に迷宮に入ってしまった方、まだ無事だといいのだけれど」
共に進む胡・翠蘭(f00676)も古代遺跡の浪漫に心躍らせつつも、ルチルの言葉に頷いた。
冒険者の探究心と好奇心を弄ぶオブリビオンへの“お仕置き”の必要性を思いながら。
地下4階に鎮座する蛇は、ただただ『カエレ』と繰り返すのみ。それ以上の答えは得られぬものの、進む意志を示せば他グループの時と同様に、ルチルと翠蘭をあっさりと通してくれる。
そして地下5階までは順調に進んだ二人だが。
「あら? ここはさっきも通ったような……」
うっすらと白い霧が立ち込める通路。引き続きルチルの方針を基準に先行者の痕跡を探して進んできたはずだったが、どうやら同じ所をぐるぐる回っているだけな気がして。
「この階までに仕掛けてあった類の罠は無いようだけれど……どうも勘が冴えない気がするわ。この霧のせいかしら」
熟達した罠の知と感覚を駆使して危険感知に回っていた翠蘭は、溜息ひとつ。そして。
「まどろっこしいわね。ちょっと強引に駆け抜けちゃいましょうか」
「……へ?」
きょとんとするルチルをそのままに、宇宙バイクを招来したのだった。
「さ、後ろ乗って乗って」
「……え、え? いいんですか?」
「結構じゃない、偶には力づくで進むのも楽しいわ」
ひょいと後部座席に小柄なミレナリィドールを乗せて、翠蘭自身もバイクに跨がりーーレディー、ゴー!
立ち込める霧はぶっ飛ばして、不審な壁も突き飛ばして、警備兵的トラップはガジェット・ショータイムで捻じ伏せて。
あれよあれよという間に辿り着いた階段をバイクに乗ったまま駆け下りてーー。
「わ、ちょっと、何!?」
危うくぶつかるところだった人影を飛び越えてーー広間の真ん中で停止。楽しい遺跡ツーリング、これにて終了。
バイクから降りて興味深げに辺りを見回す翠蘭の瞳に、先程飛び越えた人影が映るーー14か15程度の少年だ。その身なりから、冒険者に身を窶しているであろうことがわかる。
「一先ず、間に合ったみたいね」
安堵する翠蘭がバイクへ視線を戻すと……後部座席では未だルチルが目を回していた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 冒険
『地下にて呼ぶものあり』
|
POW : 手当たり次第に入り口を掘り当てる
SPD : 仕掛けや目印を探す
WIZ : 文献や言い伝えなどを調べる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
●最奥の向こう側へ
続々と猟兵たちが合流したその広間は、遺跡入り口のそれと全く同じ作りであった。
まっすぐ立ち並ぶ柱には、古代文字や壁画が刻まれている。
違いといえば、入り口部分が上の階へ戻る階段になっていること。
そして、奥に緻密な装飾が施された扉が据え付けてあることだ。
広間にて見つかった少年は、程なく赤いスカーフの持ち主と判明した。猟兵たちと邂逅できたタイミングから考えても、彼が予知の光景で魔物へと変えられていた被害者とみていいだろう。
少し話を聴くと、遺跡の最奥に辿り着けば強大な力が手に入るとの噂に踊らされ、ここまで命からがら辿り着いたのだと教えてくれる。
さて、元凶が潜むであろう最奥に辿り着くには、扉を開く必要性がありそうだ。
何か手がかりはないだろうか、広間をくまなく調べてみよう。
ファン・ティンタン
【WIZ】強くてニューゲーム(赤スカーフの人的に)
グリモア予知では、この人が最奥で呪獣にされていた
つまり、最奥に辿り着く手段を知ってる?
とりあえず、色々と聞くべき事がありそうだね
赤スカーフの人、ここまで来たってことは、この先にどんな仕掛けがあるかも、ある程度は知っているってことでいいのかな?
もしそうなら、教えてよ
教えてくれたら、この先、遺跡の真実を教えてあげるから
それと…例の噂は、誰から聞いたの?
赤スカーフの人が迷宮情報を持っていたなら、参考にして進行
ここから無理に返して死なれるのもばつが悪いので、事情を説明して【緑の夢】に収納
一般人に踏破出来る罠なら、私達で何とかなるでしょ
アドリブ・共闘歓迎
花咲・桜華
文献を調べている人が怪我しないように罠がないか警戒しつつ、何か仕掛けがないか探すよ。
トレジャーハンターみたいで面白いね。
何かを動かしたり、何かをはめたり、どんなことをしたらいいんだろう。
隙間があったら空気の流れでわかるかも?
何か見つけたら皆に共有するよ。
少年には帰って欲しいけど、帰り道も安全とは言えないのかな。
扉が開いても飛び出していかないように注意しておくよ。
オイフェ・アルスター
古代文字は得意ではありませんが
同じように調べる人がいるなら、一緒に考察しながら進めていきますわ。
壁画にヒントが隠されていそうですからそちらを中心に見てみますの。
扉の装飾も確認していきますわ。
罠とかなければいいのですが……
少年も力を欲したが故に過ちを犯してしまう……私が導いて差し上げねばなりません。
強大な力があったとしても、使えないものでしょう。
諦めろとはいいませんが、力は努力してこそ意味があるのです。
強い力を手に入れてもいいことなんてありませんわ。
怪我をしている人がいるなら、『生まれながらの光』で回復して差し上げますの。
流石に疲れてきましたので、休憩も忘れずに取りますわ。
●
(予知では、この少年が最奥で呪獣にされていた。つまり、最奥に辿り着く手段を知ってる?)
猟兵から受け取った赤いスカーフを首に巻いていた少年は、自身をじっと見つめるファンの視線に気づく。
「……オレの顔に何か付いてる?」
「赤スカーフの人。ここまで来たってことは、この先にどんな仕掛けがあるかも、ある程度は知っているってことでいいのかな?」
革鎧にククリナイフ、背負い袋。少年はごく軽装。しかもいずれの装備品も状態は決して良くはない。一人でここまで辿り着くのすら、やや無理がありそうにも見える。
「ここまでの道については知ってたけど……あんなものがあるなんて聴いてない」
少年は、視線で“あんなもの”ーー最奥の扉を示す。
「何か仕掛けがないか調べてみようか」
「扉の装飾も確認しましょう」
桜華とオイフェは少年を気に掛けつつも、一先ずは扉の調査へ。
二人の後を追おうとした少年を、ファンが再び呼び止める。もう一つだけ、確認せねばならないから。
「トレジャーハンターみたいで面白いね」
瞳を輝かせつつ、扉をあれこれ調べる桜華。罠が無いか細心の注意を払いつつ、軽く押したり引いたり。何かを嵌める場所を探したり。
「んー? 空気の流れもわからないみたい?」
「もしかしたら、何か魔術的な装置なのかも。壁画の方も少し調べてみましょうか」
扉の調査を切り上げて二人が振り向くと、ファンと少年は未だ元の位置で相対していた。
「遺跡の奥で力が手に入る噂のこと。誰から聴いたか、どうしても教えてはくれない?」
ファンの問いかけに、少年は固く口を閉ざしたまま。
「君には帰って欲しいんだけどな……それ、間違いなくデマだよ」
困ったように髪を掻き上げつつ桜華が呟くと、少年は目を丸くして食い掛かる。
「デマって、何で言い切れるのさ」
「無理に帰そうとしても、帰らないよね。いいよ、遺跡の真実を教えてあげる」
遺跡の最奥に潜む、人を魔物に変える存在のこと。自分たちがそいつを討伐しに来たこと。
「人が魔物に……」
ファンの説明に、少年は愕然とする。それは何を信じればよいか分からなくなったゆえか。それとも己の苦労が水の泡と化したと悟ったゆえか。
「力を諦めろとはいいません」
再び口を閉ざしてしまった少年に、言葉を掛けたのはオイフェだった。
「けれど、力は努力して得てこそ意味があるのです。いきなり強大な力を手に入れたとしても、扱いきれないでしょう」
オイフェの琥珀の瞳に魅入られたように、少年は耳を傾ける。
「力に振り回されてしまうだけ。あなたはそれでいいのですか?」
目を伏せ、拳を強く握った少年は……静かに首を横に振った。
「壁画の周りにも罠や仕掛けが無いか警戒しとくね」
ギミック調査は桜華に任せ、オイフェとファンは壁画の解読を試みる。
壁画には最奥の扉が開かれた図と、その奥から伸びる何者かの手。そして、手を取る人間が描かれている。周りには文字も刻まれているが。
「古代文字は得意ではありませんのよね……」
溜息をつくオイフェの傍で、ファンは考えこむ。今も広間の中央で拳を握ったままでいる少年が遂に吐き出した、噂の出処のことを。
(“山賊”……真っ当なルートの情報じゃないわけか)
「壁画の周りだけじゃなくて、部屋全体にも罠やギミックの類は無いみたい。幸いにもというか、不幸にもというか」
広間をぐるりと探索し終えた桜華もやってきて壁画を覗き込み呟く。
「何というかさ。人が扉を開いてるっていうよりも、扉の方が開いて人を引きずり込んでるみたいだね」
「もしかして」
ファンが手持ち無沙汰に掌で転がしていた、小さな翡翠輝石を見つめる。それには、抵抗しない対象を吸い込む力があるのだが。
「この扉も、抵抗しない対象に……扉が求める条件を満たす対象に開くんじゃない?」
つまりは、この扉の奥にいるオブリビオンが求める者に対して扉が開かれるのではなかろうか。
そして、その条件を満たす者は……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ルチル・ガーフィールド
「ぅぅ…まだ、少し世界が揺れていますぅ…」バイク酔を回復させながら、皆の後をついていく
少年の言葉を聞き「でもこんな危険なところに潜ってまでして、強い力を得たいなんて…よほどの理由があったのですね…?」と、同情を寄せる【優しさ】「将来に努力を重ねてではなく、今すぐ…なにか力による解決が必要なことがあるのですか? 私達にできることなら、お力添えいたしますけれど?」
「ふむん…では、遺跡の主が求める者のみがこの奥に導かれるということでしょうか
・・・?」扉を前にして皆で並び(説得がきくなら少年には外してもらう)「遺跡の主よ、我らは力を欲するもの也、願わくば貴方のもとへ我らを導き給え!!」と声をかけてみる
●
「ぅぅ……まだ、少し世界が揺れていますぅ……」
バイク酔いからの回復に努めていたルチルもやってきた。向かうは猟兵たちの輪――ではなく、ひとり俯く少年のところ。
「こんな危険なところに潜ってまでして、強い力を得たいなんて……よほどの理由があったのですか?」
優しく掛けられた言葉に、少年はこくりと頷く。
「将来に努力を重ねてではなく、今すぐ……何か力による解決が必要なことがあるのですか? 私達にできることなら、お力添えいたしますけれど?」
「……」
彼はその問いには答えない。それでも真摯な言葉は届いたようで、強く握っていた拳は解かれている。
その様子に青い瞳を和らげ、ルチルは少年にここから動かぬよう釘を刺して謎解きを進める仲間の下へ向かう。
扉――遺跡の主が求める者のみがこの奥に導かれる。
猟兵が赴かなければ、少年がこの扉を開いていたはず。しかし彼を危険に晒すわけにはいかぬと、猟兵たちは少年を庇うように扉の前に並び立ち。
「遺跡の主よ」
まずはルチルが扉へと呼び掛けてみる。
「我らは力を欲するもの也、願わくば貴方のもとへ我らを導き給え!!」
束の間の静寂、のち。
『おやおや、招かれざるお客様がいらっしゃるようですね』
何者かの声が響く。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『呪飾獣カツィカ』
|
POW : 呪獣の一撃
単純で重い【呪詛を纏った爪 】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 呪飾解放
自身に【金山羊の呪詛 】をまとい、高速移動と【呪いの咆哮】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : カツィカ・カタラ
【両掌 】から【呪詛】を放ち、【呪縛】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
●外道への誘い手
ぎぃ、と扉が開かれたかと思うと、辺りの空間がぐにゃりと歪み――広間の内装は一瞬で別のものと化した。
一面が黄金で悪趣味に塗り固められ、扉があったはずの最奥にはごてごてと宝石で飾られた玉座があり。そこには悪魔めいた頭を持つ何者かがふてぶてしく腰掛けている。
『まったく、猟兵など招待した覚えはないのですがねえ?』
悪意が形を成したかのような獣が玉座から立ち上がり、こちらを見下すような態度のままに言葉を吐く。
『私が用があるのは……そこの可愛らしい男の子だけ。彼には私が求める素質がある』
獣に指刺された少年は、顔を青くして後退り。猟兵たちの掛けた言葉で、既に少年は気づいている。この化け物の手を取ってはいけないと。
『だから、猟兵さん方……その子をここに置いていってくれたら、見逃してあげますよ?』
オイフェ・アルスター
【高速詠唱】と【流星の如き聖なる螺旋光】で獣に先制攻撃ですの。
「私達が猟兵であるならば、貴方は狩られる存在ですの。交渉なんておバカさんですわ」
不敵な笑みを投げつけますわ。
カツィカ・カタラを放たれたら、捕まるように見せて【呪詛耐性】で弾きますの。
「あらあら、お粗末な呪詛ですわね。私の光は貴方の闇に包まれませんの」
ひたすら煽り、冷静さを欠いた単純な獣は動きが単純になることでしょう。
【属性攻撃】と【呪詛耐性】で攻撃をはじきつつ【流星の如き聖なる螺旋光】を遠慮なく叩き込みますわ。
獣を倒したなら
「ハンティング終了ですわ。宝は私が有効に活用しますわ」
といって、高価そうな宝石や装飾品を【怪力】で運んでいく。
花咲・桜華
SPD
呪飾解放は【見切り】と【野生の勘】で行動を予測して対応する
【奇跡の破壊者】で絡めとってダガーで斬りこむ。
フックワイヤーで空間内を飛び回って、相手が見失ったら、背後から【暗殺】ダガーでダメージを与える。
そんな仮面をつけた獣がボク達に勝てるわけないよ!
可能なら仮面を割りにいく。
【奇跡の破壊者】とあわせて、ダガーで仮面を狙う。
呪詛に対して対抗策がないから、攻撃を喰らわないように走ったり飛んだりは迅速かつ正確に。
アステル・サダルスウド
『』:技能
【】:ユベコ
招かれずともやってくるのが猟兵、というかこの僕さ!
そして人を守るのが猟兵であり僕以下略!
初めまして、悪魔の獣よ
一応自己紹介をしておくね、僕はアステル
単刀直入に言おう…あの少年の代わりに僕で我慢してくれないかな?
ほら、僕も結構可愛い方だと思うよ!
自分で言うのもアレだけどねっ!
素質の有無は不明だけれど、少なくとも退屈はさせないよ
歌も楽器の演奏も得意だし、踊りも出来るんだ
こんな風に――ね!
敵の攻撃は『見切り』で避け、
『フェイント』『スナイパー』『鎧無視攻撃』を活用して【綺羅星の舞】を発動
どうかな?気に入って頂けたかな?
ここまでやってきて「君を見逃してあげる」訳にはいかないんだよ
●
獣の巫山戯た提案に、迷う者はただの一人もいない。
「跪きなさい。請いなさい。罪を認めなさい――聖なる光に包まれて浄化されなさい!!」
オイフェの紡いだ言霊に応じ、流星の如き光が獣へと落ちる。螺旋に渦巻く聖なる力がオブリビオンを締め上げる間に、桜華が少年の手を取って後方へと駆け出す。これで彼が外道に落ちることも、戦いに巻き込まれることもないだろう。
『なるほど、なるほど……交渉の余地などない、と』
両の掌に闇色の呪詛を集め、光の螺旋を力ずくで抜け出した獣が云う。
「私達が猟兵であるならば、貴方は狩られる存在ですの。交渉なんておバカさんですわ」
琥珀色の瞳をきらりと光らせ、オイフェは不敵に笑ってみせる。
「交渉ねぇ……それじゃ、あの少年の代わりに、僕で我慢してくれないかな? ほら、僕も結構可愛い方だと思うよ!」
並び立つアステルは肩を竦めて“交渉”の姿勢を見せてみるが。
『お話になりませんね。いいですか、あなた方は招かれざる客でしかないのですよ?』
それを一蹴する獣。話合う気など端から無い様子――もっとも、猟兵たちもそれを分かりきった上で相手をしているのだが。
「招かれずともやってくるのが猟兵。というか、この僕。アステルさ! あーあ、交渉決裂か。残念だなぁ」
『ええ、残念ですね……大人しくあの子を差し出していれば』
金の獣頭の影、口元がにやりと歪み。
『命だけは助けてあげてもよかったのですがね!!』
投げつけられた呪詛の塊を、オイフェが身を呈して受け止める。呪縛に捕われ、膝を折るように見せて。
「あらあら、お粗末な呪詛ですわね」
獣を煽るように笑うと、彼女を取り巻いていた呪詛が煙のように消えていく。
『……バカな』
「私の光は貴方の闇に包まれませんの……ところで、余所見していていいのかしら。おバカさん?」
ざくり、と獣の背中に刃が食い込んだ。
「ボクの本気を……ああ、背後を取られてたら見えないか」
桜華がその時どんな表情をしていたか。獣が知ることはない。
少年を退避させた後、桜華は仲間が気を引いている隙にオブリビオンの背後へと回り込み、攻勢に転じる隙を伺っていたのである。
ぐりぐりとダガーを深く差し込んで、人狼の青年はユーベルコード――奇跡の破壊者を発動する。
『が、あああああ!!!』
閃光に、鎖に、雷に。成すすべ無く縛り上げられた呪われし獣は、反撃すらもままならない。
「そんな仮面で素顔を隠した獣が、ボク達に勝てるわけないよ」
刃が引き抜かれた獣の背からは、赤い液体でなく闇が滴り落つる。膝を付いた化物に齎されるは。
「人を守るのが猟兵。というか、僕らさ!」
アステルの怒涛の蹴撃。至近距離より放たれた超高速の連撃に吹き飛ばされ、獣の身体が無様に転がっていく。
傲岸不遜なこのオブリビオンと違い、見逃してやろうなどと考える猟兵はただの一人もいない。
虫の息ながら立ち上がった金の獣頭に、ぴしりと音を立て亀裂が走った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ファン・ティンタン
さて、と…あなたは貴重な情報源だからね
簡単には“死なせてあげないよ?”
敵の呪詛系攻撃には【千呪鏡『イミナ』】由来の【呪詛】系【オーラ防御】で【呪詛耐性】を上げて対応
物理的な攻撃は【天華】での受け流しも織り交ぜ【見切り】つつ、接近戦へ
【天華】の斬撃で早いうちに呪獣の両手にダメージを与えて抵抗力を削ぐ
そう言えば…仮面の下ってどんな顔なの?見せてご覧
刀の柄頭で仮面越しに頭を強打
間髪入れず蹴り上げての【2回攻撃】で気絶を狙う
件に漏れずしぶといけど、そろそろ終いだよ
呪獣を気絶させられるなら【転生尽期】で口を割らせる
汝、潰える前に、為すべきを成せ
呪獣の成り立ちについて、あなたが知り得ていることを教えて頂戴
●
「さて、と……そう言えば、仮面の下ってどんな顔なの? 見せてご覧」
妖刀・天華が、獣頭を目掛け突き出される。仮面を割るより先に、その刃を歪な掌が握って止める。
刀を通し呪詛を流し込まれても、ファンは表情ひとつ変えない。彼女の懐の千呪鏡が楽しげに輝いていたことを、獣が知る機会はないだろう。
「しぶといね、でも」
強引に胸を蹴って退き、間髪入れずに獣の片腕を切り飛ばした娘は。
「あなたは貴重な情報源だからね……簡単には“死なせてあげないよ?”」
返す刀で、残ったもう片方の腕を切り落とす。
『……っ』
天を仰いだ化物の瞳から、光が失われていく――その存在が、完全に消えるその前に。
「汝、潰える前に、為すべきを成せ」
ファンが発動した術が、かろうじて獣をこの世に留め置く。
「呪獣の成り立ちについて、あなたが知り得ていることを教えて頂戴」
白き娘の支配下に置かれた獣が口を開く。
『私は、骸の海より出づる者……成すべきことは、ひと、つ』
傲慢さも饒舌さも失った化物はそれでも、主の最初で最後の命に従う。
ぴしり、とまた金の獣頭の亀裂が広がる。
『過去で世界を埋め尽くす、ため。私は……私と、同じ』
ぴしり、ぴしり。亀裂は仮面に留まらず、獣の全身にまで行き渡って。
『望み強き者を……選定して、いた、だけ』
ぱりんと砕け散り、全て跡形も無く霧散した。
オブリビオンがこの世を去ると同時に、金色に塗りつぶされていた広間は元の姿を取り戻す。
奇怪な扉も壁画も消え、最奥に朽ちた玉座のみが残されている――ところどころに埋め込まれた宝石は、ここまで来た猟兵の好きにしても構わぬだろう。
少年も傷ひとつ無く、化物の魔の手より救われた。
彼が力の代償に外道へ落ちる未来は、今後も決して来ることはない。
成功
🔵🔵🔴