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森の祝福、宴の虹

#アックス&ウィザーズ

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●精霊のたまごと『レーゲンボーゲン』
 ――此処は、精霊が生まれる街『レーベン』。
 この街にもたらされるという精霊のたまごは、街の傍の迷いの森でしか孵化しない。
 精霊のたまごから生まれる精霊は、あたためたその人の『心』から象られる。
 それは人型から動物型、纏ういろや属性も、親であるその者次第。
 けれど……謎の巨大雲が、生まれたての精霊達と孵した親を攫ってしまう――。
 最近、そんな噂が街で囁かれているのだという。

 そんなレーベンの街で、毎日一番の活気を見せている酒場が『レーゲンボーゲン』。
 孵す人の心を象ると言われている精霊のたまご謂れに倣った、この酒場の名物。
 それは――イメージカクテル。
 訪れる客本人は勿論。
 客が想い描く誰かをイメージした飲物を作ってくれたり、自分で作ったりできる。
 勿論、カクテルとは言っても、ノンアルコールのものもある。
 店は昼から深夜まで開いているので、酒場とはいえ未成年でも安心だ。
 誰かのイメージだけでなく、海を思わせるもの、炎の如き色、穏やかな森の風景など。
 虹の様な様々な色彩の中から、貴方の望むいろでグラスを満たしてくれるはず。
 そして、カクテルのお供の美味しい食べ物も多彩。
 おつまみに良い、定番のチーズやナッツ、スナックにプレッツェル、乾き物等は勿論。
 チョップドサラダやマリネ、生ハムやささみハムやソーセージ、肉の串焼きなど。
 おなか具合に合わせた食べ物も揃っている。
 また、精霊のたまごに便乗した、色鮮やかなカクテルの如き鉱石細工やアクセサリーなども土産にと販売しているという、商売根性も逞しい。

 そして――この『レーゲンボーゲン』は、ただの酒場ではない。
 此処は所謂、冒険者たちの依頼酒場。
 壁に貼られている掲示は、今請け負える依頼が沢山。
 店主や看板娘に声を掛ければ、金になる依頼を紹介してくれる。
 その中でも……表には決して出ていない、幻の依頼があるといわれている。
 それは――『迷いの森で精霊のたまごを孵す』依頼。

●精霊の生まれる街『レーベン』
「皆はどのようないろをグラスに注ぐ? 俺のイメージカクテルは、赤に青のグラデーションのものに桜を添えて貰う感じだろうか」
 筧・清史郎(ヤドリガミの剣豪・f00502)はそう楽し気に思考を巡らせつつも。集まってくれた皆に礼を言い、そして視えた予知を語り始める。
「アックス&ウィザーズの世界で、強力なモンスター……オブリビオンの姿を視たが。具体的にいつどこに現れるといった情報は得られなかった」
 だが、と清史郎は皆を見回し、続ける。
「精霊の生まれる街『レーベン』の傍に在る『迷いの森』という広大な森で遭遇するらしいことは分かった。しかしこの『迷いの森』は、街の役所の許可なければ足を踏み入ることは許されていない地であるという。それはこの森が『精霊が生まれる森』であるから、だと言われている」
 なので、その『迷いの森』に入る許可がおりる方法。
 それは――。
「街の『レーゲンボーゲン』という酒場の店の者から、『迷いの森で精霊のたまごを孵す』依頼を請け負えば可能だ」
 レーベンの街で一番大きく、毎日沢山の人で賑わうこの酒場は、冒険者達に様々な依頼を斡旋しているのだというが。
 そんな中、幻の依頼と言われているのが、この街にもたらされるという精霊のたまごを、迷いの森の特定の場所で孵化させるというものなのだという。
 だがこれは、精霊のたまごが街にもたらされた時にしか受けられないレアな依頼。
 滅多に出逢えない珍しい幻の依頼と言われているが。
「予知によれば、今、ちょうど街に精霊のたまごがもたらされているようなので。店主にそっと告げれば、依頼を請け負うことができるだろう」
 なのでまずは、客として酒場を訪れて欲しいと清史郎は言う。
「そしてこの店だが、『イメージカクテル』なる飲物が名物らしい。自分や誰か、または風景や好きな彩りなど、伝えたイメージのカクテルを作ってくれるのだという。自分で作ってみても可能なようだし、カクテルに添える果物やモチーフなども指定できるようだな。ノンアルコールのものもあるので、老若男女楽しめるようだ」
 店で客として飲物や食べ物を楽しみつつ、精霊のたまごの依頼を紹介して貰って。
 迷いの森へと赴き、予知に視えたオブリビオンを見つけ出して討伐して欲しいと。
 今回はそういう依頼のようだ。
「迷いの森はその名の通り、森に満ちる魔力の影響か、ただ闇雲に入ると迷ってしまうようだが。精霊のたまごを持っていれば、それが行くべき場所へと導いてくれるのだという」
 そして――たまごから孵化する精霊は、あたためた者の『心』を象るという。
「形も人型から動物さん型、彩りや属性も、孵化させた者によって様々だという。どのような精霊が生まれるか……それも楽しみだな」
 精霊はそのまま森へと解き放っても、連れ帰っても構わないようだ。
 だが、生まれた精霊と孵した者が、妖しい巨大な雲に飲み込まれ攫われる……そういう噂も街で囁かれているという。そしてきっと、それは――。
「どのようなオブリビオンかまでは分からなかったが、油断せず討伐をよろしく頼む」
 清史郎はそうもう一度、頭を下げてから。
 掌に満開桜のグリモアを咲かせ、猟兵の皆を、精霊の生まれる街へと送り届ける。


志稲愛海
 志稲愛海です。
 よろしくお願いします!

 ※ご連絡※ 第1章のプレイングは、2/28(金)朝8:31より受付開始します。
 それ以前に送信のものは流れる可能性があります。

 今回のシナリオの内容は以下となっております。

 第1章:冒険者集う依頼酒場(冒険)
 第2章:迷いの森(冒険)
 第3章:??(ボス戦)

 第1章は、イメージカクテルがウリの依頼酒場を楽しむ。
 第2章は、迷いの森で精霊のたまごを孵す。
 第3章は、ボスとの戦闘です。
 POW/SPD/WIZは参考程度に遊んでいただいてOKです!

 第1章では、酒場『レーゲンボーゲン』へと客として訪れていただきます。
 酒場では、イメージカクテルが頼めます。所謂、キャラカクテルの様なものです。
 ご自身や同行者や大切な人等は勿論、作って欲しいもののイメージが指定可能。
 色や味、添え物の果物やモチーフをご指定いただければ。
 ノンアルコールのものもあるので、未成年や酒が苦手な方も大丈夫です!
 その他に美味しい食べ物や、鉱石細工やアクセの土産などもあります。
 食べ物も、酒場にありそうなお好きなものであれば自由にご指定いただけます。
 依頼は猟兵一括で請け負いますので、依頼する行動は特になくても大丈夫です。
 酒場でのひとときを楽しんでいただければ!

 第2章では、迷いの森の探索です。
 精霊のたまごが導く場所で、精霊のたまごを孵していただきます。
 生まれる精霊は皆様ごとに形や色や属性が異なりますので、ご指定できます。
 生まれた精霊は森へ解き放っても、連れ帰っても可能です。

 第3章は、ボスとの戦闘です。

 公序良俗に反する事、他の人への迷惑行為、未成年の飲酒は厳禁です。
 第2章第3章の詳細は、前章の結果を受け、追加OPを記載します。
 締切等はMS個別ページやTwitterでお知らせします。

●お願い
 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称可)と、fからはじまるID】又は【グループ名】のご記入お願いします。
 ご記入ない場合、相手と離れてしまうかもしれませんのでお忘れなく。

 グループ参加の人数制限はありません、お一人様~何人ででもどうぞ!
 ですが複数人の場合は失効日の関係上、同行者と送信タイミングが離れすぎていたり、ご指定の同行者が参加していない場合は返金となる可能性もあります。

 可能な限り皆様書かせていただきたく思っています。
 どうぞお気軽にご参加ください!
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第1章 冒険 『冒険者集う依頼酒場』

POW   :    店主に話を聞いてみる

SPD   :    客に話を聞いてみる

WIZ   :    周囲の様子を観察してみる

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ラフィ・シザー
アナンシ(f17900)と
俺さ精霊を卵から孵すのが今から楽しみなんだ!どんな子が生まれるんだろう。
ふふっ、お仕事なのは分かってるけど楽しみにするのは悪く無いだろう?
無事に生まれたらちゃんと守ってあげないと。

ここが酒場かぁ…大人が沢山いるな。
イメージカクテル?へぇ、楽しそうだな!俺も作ってもらおう。
俺はみせーねんだからノンアルコールで。
アナンシが俺のイメージで作ってもらうなら俺はアナンシのイメージがいいな♪
アナンシは背がこの通り!高くて紳士的でカッコイイんだ♪
俺的にはビオラの花が似合うと思うんだけどマスターはどう思う?

…これがアナンシのイメージカクテル…うん♪ぴったりだ


アナンシ・メイスフィールド
ラフィ君f19461と

産まれた精霊は暖めた者の心を映す、だったかね?
ラフィ君の精霊はどの様な子が生まれるのだろうねえ
ふふ、私も楽しみなのだよ

酒場の扉を潜れば案内された場所へ腰を降ろすよ
カクテルを作ってくれるのだったかね?
ならば私は目の前の愛らしい家の子をイメージしたものを作って貰えるかね?と頼んでみよう
ふふ、本当に可愛いだろう?
可愛いだけでなく優しく頼りになる良い子なのだよ
後紅茶を入れてくれるのが美味いのだけれども…と
ああ、ラフィ君の事になると長くなってしまうのは悪い癖だねえ、うん

イメージカクテルが運ばれてくればグラスを摘み眺めよう
何方がラフィ君か解らないねえ、と
ふふ、冗談、冗談だよ



 猟兵達が降り立ったのは、剣と魔法と竜の世界。
 そんな世界にある『レーベン』は聞いた通り、人々の声でとても賑やかな街で。
 喧騒の中、びょこり――サラサラの黒髪と長い兎耳をご機嫌に揺らしながら、ラフィ・シザー(【鋏ウサギ】・f19461)は煌めく銀の瞳を楽し気に細め笑む。
「俺さ精霊を卵から孵すのが今から楽しみなんだ! どんな子が生まれるんだろう」
「産まれた精霊は暖めた者の心を映す、だったかね?」
 ――ラフィ君の精霊はどの様な子が生まれるのだろうねえ。
 アナンシ・メイスフィールド(記憶喪失のーーー・f17900)は、そう自分の姿を映す銀の瞳に微笑みを返しながらも。
 跳ねる様に並び歩くその姿を見つめ、緩く波打つ黒髪を揺らし微かに首を傾ける。
 この街にもたらされるという精霊のたまごの話。
 そのたまごから生まれるのは、アナンシの言う通り、あたためた人の心を象った精霊なのだという。
 どんな精霊が生まれるのか……それは、孵してみないと分からないけれど。
「ふふっ、お仕事なのは分かってるけど楽しみにするのは悪く無いだろう?」
 ……無事に生まれたらちゃんと守ってあげないと。
 勿論、お仕事もちゃんとするけれど。心躍らせたって、きっと問題はないから。
 ラフィはまるで宝箱を開ける前のようなわくわく感に、もう一度笑み零して。
「ふふ、私も楽しみなのだよ」
 アナンシも思わず釣られるかの様にアイスブルーの双璧を柔く細める。
 この愛らしい子から生まれる精霊は、きっと――なんて思いながら。
 そんな精霊のたまごの話題に花咲かせながらも。
 ふたりが辿り着いたのは、賑やかな街の中でも一等、人の姿が多い場所。
「ここが酒場かぁ……大人が沢山いるな」
 虹色をした『レーゲンボーゲン』の看板が導くまま、そっと遠慮気味に酒場の扉を開けたラフィは、その先の景色にきょろり視線を巡らせて。
 此方へどうぞ! と威勢の良い看板娘に促され、ラフィと共に案内されたカウンター席へと並んで腰を降ろすアナンシ。
 そして、眼前のマスターらしき男に訊ねてみる。
「カクテルを作ってくれるのだったかね?」
「ええ、望みの色を何なりと。イメージカクテルを作らせて貰いますよ」
「イメージカクテル? へぇ、楽しそうだな! 俺も作ってもらおう」
 俺はみせーねんだからノンアルコールで、と。
 そう口にするラフィをふと見つめて。
「ならば私は目の前の愛らしい家の子をイメージしたものを作って貰えるかね?」
 アナンシのオーダーは、青の瞳に映す愛しいそのいろ。
「お連れ様のイメージですね」
「ふふ、本当に可愛いだろう? 可愛いだけでなく優しく頼りになる良い子なのだよ。後紅茶を入れてくれるのが美味いのだけれども……」
 そうマスターへと語っていたアナンシは、ふと言葉を切って。
「ああ、ラフィ君の事になると長くなってしまうのは悪い癖だねえ、うん」
 つい饒舌になってしまったことに首を微か傾けるけれど……可愛いのだから、仕方ない。
「アナンシが俺のイメージで作ってもらうなら俺はアナンシのイメージがいいな♪」
 自分のイメージのカクテルをアナンシが頼むのならば、やはりラフィが頼むのは彼のいろ。
「アナンシは背がこの通り!高くて紳士的でカッコイイんだ♪ 俺的にはビオラの花が似合うと思うんだけどマスターはどう思う?」
「確かに、蝶の様な優雅な花が、そちらの紳士にはよくお似合いだ」
 マスターもすぐにこくりと頷いて返してから。早速、ふたりのカクテル作りを。
 ――そして。
「……これがアナンシのイメージカクテル……」
 ラフィの目の前に置かれたのは、アナンシの瞳と同じアイスブルーのいろ。
 すらり長身な彼を思わせる背の高いグラスに注がれたのは、ノンアルコールのブルーキュラソーシロップとグレープフルーツジュースを使った爽やかなドリンク。そしてシルクハットのついたマドラーに、新緑色のスカーフがグラスをくるりと飾って。スカーフの結び目には、ビオラの花が一論。
「ビオラの花は紫にしてみました。紫のビオラの花言葉――『思慮深さ』が、そちらの紳士にはお似合いかと思って」
 ラフィは目の前の瞳の青とグラスのいろを交互に見つめ……うん♪ ぴったりだ、と頷いて。
 アナンシは己のいろだというカクテルから、今度は自分の前に置かれたグラスへと視線を移し、摘み眺めてみる。
 ラフィのイメージだというカクテルは、黒ビールとスパークリングワインで作ったブラック・ベルベット。
 紅茶色をした底から視線上げれば、彼の髪や耳を思わせる黒へとその彩りを変え、一番上にはキラキラ輝く瞳を思わせる銀の泡が。
 けれど、悪戯っぽく笑ってアナンシは口にする。
「何方がラフィ君か解らないねえ」
 ふふ、冗談、冗談だよ――なんて笑みながら。
 でもそんな言葉に、ああ忘れていましたねと、笑み返したマスターが最後に付けたのは。
「あっ、俺の耳……!」
 ぴょこりと立った、兎耳の飾り。
 それを再び眺め、確かにこれでラフィ君だね、とようやくアナンシも頷いてから。
 互いのカクテルを手に笑み合いながら、かちりとふたつのいろを重ねて、乾杯を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「…イメージカクテル?」首傾げ
「それでは、貴方の想う『精霊の森』を」

光輝く夜の帝都
シャンデリア輝き音楽が流れ紳士淑女がさざめく魅惑のミルクホール
あの空間自体が唯一無二であるけれど
他に好きなものと聞かれると
途端に困ってしまうのだ
嫌いなものもないが
不得手なものと見ることすら怖気を感じる影朧は居る
これはどちらかと言えば樹木精である性分によるものだ
そうして自分の好きと嫌いが
自分でも良く分からないから
イメージカクテルを頼みがたくて
マスターのイメージを頼むことにした

「…まあ」
「神秘的な色合い、ですね」
「深い味わいでした。貴方の持つ精霊の森のイメージが良く伝わって」
「森へ行くのが、とても楽しみになりました」



 いつもは桜咲く世界で接客や給仕をする方の立場だけれど。
 今日の御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、虹の名が付いた酒場を訪れた客のひとり。
 この酒場の名物は、客の望むいろをグラスに注いでくれるイメージカクテルであると聞いたが。
「……イメージカクテル?」
 カフェにはない馴染み薄い飲み物に、桜色の髪をそっと揺らしながら首を傾げる桜花。
 どうやら好きなものをイメージしたドリンクを注文すれば良いらしいが。
 けれど、桜花は途端に困ってしまうのだ。
 ――光輝く夜の帝都に在る光景。
 キラキラと豪華にシャンデリアが輝き、耳に心地よい音楽が流れ、紳士淑女がさざめく……魅惑のミルクホール。
 あの唯一無二の空間の他に、好きなものと聞かれると。
 かといって、嫌いなものもないが……不得手なものと考えれば、見ることすら怖気を感じる影朧は居る。
 そう思いはしたものの、すぐに微かに首を横に振る。
(「これはどちらかと言えば樹木精である性分によるものだ」)
 でもそれは多分、また違ったものであるのだろうことは、何となくわかるのだけれど。
 やっぱり……そうして自分の好きと嫌いが、自分でも良く分からないから。
「それでは、貴方の想う『精霊の森』を」
 イメージカクテルを、桜花はどうしても頼みがたくて――マスターのイメージを頼むことに。
 けれどそれも、自分ではそのいろがよく分からなくても。
 心に浮かんだイメージには、違いないから。
「『精霊の森』、ですね」
 愛想良く笑み返したマスターは、桜花の望むそのいろを作り上げ、グラスへと注いでいく。
 その様を見つめ、すっと眼前に差し出されれば。
「……まあ。神秘的な色合い、ですね」
 零れるのは、感嘆に似たそんな言の葉。
 黄色に黄緑、青へと綺麗に変化する不思議ないろの、ウォッカベースのカクテル。
 そんな神秘の森の彩りに添えられているのは、可愛らしい赤い飴の実が生ったローズマリーの枝。
 そして、その精霊棲まう森のいろをひとくち、口にしてみれば。
 森の奥を思わせる様に濃い、けれども風の様に爽やかな後味が、ふわり口の中に広がって。
「深い味わいでした。貴方の持つ精霊の森のイメージが良く伝わって」
 桜花はマスターにそう柔く笑みながら、のんびり酒場のひと時を楽しみつつ、続けるのだった。
 イメージカクテルの様な、不思議ないろを今度は自分で探しに。
 ――森へ行くのが、とても楽しみになりました、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三上・チモシー
わぁー、酒場ってこんなかんじの所なんだー
(酒場どころかアックス&ウィザーズに来たのが初めてなので、興味深そうにキョロキョロウロウロ)

おみやげ売ってるのも気になるけど、せっかくだからイメージカクテルっていうの作ってもらおうかなー
もちろんノンアルコールのやつ
未成年だからね

自分をイメージしたカクテル作ってもらえるって聞いたんで、それお願いしまーす
んーとねぇ、甘いのがいいなぁ
後はよくわかんないからおまかせで!
どんなカクテルになるのかなぁ。楽しみー♪
あっあと、メイプルナッツみたいなのとかあれば、くださいな



 降り立った世界に広がっているのは、これまで見たことがないような雰囲気の風景。
 そして興味深そうにキョロキョロ、ウロウロと『レーベン』の街を歩きながら。
「わぁー、酒場ってこんなかんじの所なんだー」
 三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)は、見つけた目的地――『レーゲンボーゲン』という、虹を意味する名が付いた店の扉をそろりと潜って。
 瞳を瞬かせつつも、ぐるりと珍し気に視線を巡らせる。
 けれど、それも無理はない。
 何と言っても、チモシーにとって初めての酒場……いやそれどころか、初めてのアックス&ウィザーズの世界であるから。
 色々なものに興味を惹かれながらも、チモシーはとりあえず、看板娘に案内された席に座ってみて。
「おみやげ売ってるのも気になるけど、せっかくだからイメージカクテルっていうの作ってもらおうかなー」
 ……もちろんノンアルコールのやつ、未成年だからね、と念のため。
 そして、眼前にやって来た店のマスターに、こうお願いする。
「自分をイメージしたカクテル作ってもらえるって聞いたんで、それお願いしまーす」
「成程、お客様のイメージ。ちなみに、どんな味が好きですか?」
「んーとねぇ、甘いのがいいなぁ」
 ――後はよくわかんないからおまかせで!
 そう笑むチモシーに、にこにこ微笑みを返しながら。
 マスターはシャカシャカ、いくつものドリンクをグラスに順に注いでいって。
 その様子をわくわくと眺めながら、完成を待つチモシーだけど。
「どんなカクテルになるのかなぁ。楽しみー♪」
 くう、と小さくおなかも丁度鳴ったから。
「あっあと、メイプルナッツみたいなのとかあれば、くださいな」
 カクテルと一緒に楽しむ、美味しいおつまみの注文も。
 そして目の前に差し出されたのは、チモシーをイメージしたカクテル。
 何となく鉄瓶に似た楕円型のグラスの下に沈むいろは、ノンアルコールのカシスシロップの濃い橙色。
 そのいろが、次々と注がれる甘めのオレンジジュースやレモンシロップと混ざり合って、綺麗なグラデーションを作り出している。まるでそれは、チモシーの髪を思わせる色合い。そのカクテルに最後に添えられたのは、お団子の様にピックに刺さったピンク色をした複数のベリー。
 どうぞ、とマスターがそれを差し出せば――わぁっと目の前のベリーの様なピンクの瞳が輝いて。
 いただきますと一口飲めば……ほわりと口の中に広がるのは、今まで飲んだことはないけれど、とっても優しい甘さ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
あや君(f01194)と

酒が飲めるのは良き!
ふふ、そじゃね、ほどほどに…
ほどほどにの!(ご機嫌)

わしもカクテルはあんまり飲まんからなぁ
確かに色はきれーよな
こんこんの!
それはええな、そうしよ
あや君はヒメのイメージか。そう、共に行った迷宮で出会った子らじゃからね

こんこんは白い毛並みに赤い呪いを守りとして纏う
そしてふわふわもふもふの尻尾もチャームポイントじゃ

わ、わたあめがのっとる…!
なるほどもふもふふわふわ…
これを溶かす…こんこんは溶けぬ…!(よっぱらい)

……あまい
はっ、なるほどこれはこんこんのデレみ…!
飲んでみるかの?

ではひとくち!(と返したところで前から消え)
いけず!あや君は親ばかじゃの!


浮世・綾華
嵐吾さん(f05366)と

仕事なのに酒味わえるとかさいこー
ふふ、でもほどほどにネ

俺、カクテル自体あんまり詳しくないんですケド
なんか色んな色しててきれーですよねえ
イメージ…嵐吾さんと言えばきつね…
あ、こんこんイメージのカクテル作って貰うとかどーデス?
そしたら俺はヒメのにしますし
あの子らは一緒に行った仕事で助けて来た子たちだし、ネ?

ヒメはふわふわ真白で、橙の目ぇした可愛い猫
乳白色と透明のグラデーションに橙が煌く
あ、なんか優しー味

ふわふわかわいーですねえ
あはは、こんこん溶けたー(よっぱらい

はぁい、頂きます
ほんとだ、甘くてうまぁ
ね、うちのヒメも飲んでみて下さいよ
――いや、やっぱりうちの子はやれない…!



 桜の導きを辿りやって来た、剣と魔法と竜の世界で。
 ゆうらりゆらり、ご機嫌に揺れるそのふわもこのいろは灰青。
「酒が飲めるのは良き!」
「仕事なのに酒味わえるとかさいこー」
 るんるん気分を隠せない尻尾にくすりと笑みながらも、浮世・綾華(千日紅・f01194)は、眼前の終夜・嵐吾(灰青・f05366)に一応言っておく。
「ふふ、でもほどほどにネ」
 これは友から託された依頼。
 確り成さねばという事は、勿論分かっていますけれど。
「ふふ、そじゃね、ほどほどに……ほどほどにの!」
 ふにゃりと宿すその笑みは、めっちゃご機嫌。
 いや、賑やかな街の酒場を訪れたのも、仕事のためなのです。
 そしてふと綾華が紅の視線をぐるり、周囲に巡らせてみれば。
「俺、カクテル自体あんまり詳しくないんですケド。なんか色んな色しててきれーですよねえ」
 紅の彩を微かに変えていくのは、魔法の様にグラスに次々注がれていく沢山のいろ。
「わしもカクテルはあんまり飲まんからなぁ。確かに色はきれーよな」
 そんなふたりにも、どんなイメージで作りましょうか? とリクエストを求めるマスター。
 その言葉にふたりは、ぱちくり互いに視線を合わせあって。
 そういえば全く考えてなかったの、ソウデスネ、なんて。
 うーんと暫し、首を互いに捻った後。
 ゆらゆら揺れる嵐吾の尻尾へと視線をやった綾華が、こう口を開く。
「イメージ……嵐吾さんと言えばきつね……あ、こんこんイメージのカクテル作って貰うとかどーデス?」
「こんこんの! それはええな、そうしよ」
「そしたら俺はヒメのにしますし」
 ――あの子らは一緒に行った仕事で助けて来た子たちだし、ネ?
 そう片目をぱちりと瞑る綾華に、耳を一瞬ぴんと立てて頷く嵐吾。
「あや君はヒメのイメージか。そう、共に行った迷宮で出会った子らじゃからね」
 そしてマスターにそれぞれのイメージを伝える。
「ヒメはふわふわ真白で、橙の目ぇした、チョット人見知りの可愛い猫」
「こんこんは白い毛並みに赤い呪いを守りとして纏うやんちゃな仔狐のおのこじゃな。そしてふわふわもふもふの尻尾もチャームポイントじゃ」
 綾華の前に置かれたのは、リボンがついた可愛い丸型のグラス。ミルクにラム酒ベースのココナッツリキュールが注がれれば、グラスに満ちるのは、乳白色から透明へと変わるいろ。それに浮かぶふたつ煌めきは橙色の果実氷。そんなヒメカクテルを一口飲めば、可愛いらしい甘さがふわり。
「あ、なんか優しー味」
 そして嵐吾のこんこんカクテルは、リキュールベースの白の底に敷かれた甘酸っぱい苺の赤。
 さらに、その上には――。
「わ、わたあめがのっとる……! なるほどもふもふふわふわ……」
 ふわもふを思わせる、わたあめが。
 そのしゅわしゅわふわもふを、赤の組紐が結ばれたマドラーでつんつんしながら、じーっと見つめて。
 飲んでみれば、じわり溶けていくふわもこ。
 嵐吾はその様に、琥珀の瞳を大きく見開いてふるり首と尻尾を振る。 
「これを溶かす……こんこんは溶けぬ……!」
 ええ……もうすっかり、よっぱらい!
 そして、もうひとり。
「ふわふわかわいーですねえ。あはは、こんこん溶けたー」
 甘いからと、ついぐいっといった綾華も、完全なるよっぱらい。
 そんなけらりと笑う綾華に、こんこんは溶けぬといったら溶けぬ……! と言いつつも耳をぺしょりとさせた後。
 ふわふわがすっかり溶けてしまったこんこんカクテルを、もう一度飲んでみれば。
「……あまい。はっ、なるほどこれはこんこんのデレみ……!」
 ぷいっとしたり、ぱんちやきっくしてきたりするこんこんがたまにみせる、デレみが表現されている……!?
 そんなこんこんのデレみ溢れたカクテルを、飲んでみるかの? とへらり、笑みと共に嵐吾から差し出だされて。
「はぁい、頂きます……ほんとだ、甘くてうまぁ」
 あはは、と何だか笑い上戸気味ににこにこ返した綾華も、可愛くて美味しいヒメカクテルを嵐吾へと――。
「ね、うちのヒメも飲んでみて下さいよ」
「ではひとくち!」
「――いや、やっぱりうちの子はやれない……!」
 ……あげられません!
 そんな突然消えたお裾分けに、むうっと尻尾でふりふり抗議しながらも。
 嵐吾はすかさずこんこんカクテルを取り返しつつ。
 ――いけず! あや君は親ばかじゃの!
 いいもん、わしにはこんこんカクテルがあるからの、と……ごくごく、やけ酒です?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と

イメージカクテルですか、良いですね
僕はザッフィーロイメージのカクテルをお願いしましょうか

真っ青ななかにきらきらと輝く星々のような白い光
生命の息吹を感じさせる若々しいミントのような
テイストは甘すぎず落ち着いて上品な中にも飲みやすいさわやかさが同居する感じでしょうか

ザッフィーロ、きみはノンアルコールのほうが良いと思いますよと声をかけて
おつまみのチーズやナッツも併せてお願いしましょう
作ってもらったお酒を見れば目を細め
ひと口飲んだならばかれの言葉にどうぞと差し出し
おや、僕の口付けもご所望ですかと軽口を
ええ、いまのきみはすっかり素直に言ってくれて、嬉しいですねと笑いましょう


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

イメージカクテルか…と
宵は俺のイメージを頼むのか?
ならば俺はお前のイメージで頼んでみるとしよう
宵は俺にとって休息を促す優しい宵の刻の空に輝く北極星の様な存在だからな
甘く優しい物になるのではないか…と!?
か、顔が赤いのは呼び捨てが未だ慣れぬだけ故、酒でも大丈夫だと…!
酒が運ばれてくれば美しいそれに感嘆の息を漏らし口を寄せよう
何だ、お前に口付けている様でその、照れるな
後、宵が口に運ぶそれを見れば一口くれんか?と顔を寄せてみる
お前が思う俺の味という物なのだろう?ついぞ気になってな…と
…以前は強請る際に僅かながら遠慮が有ったのだが…ああ、きっとそれだけ共に居るという事なのだろう、な



 酒場を訪れた者たちのグラスを満たしていくのは、様々なオーダーに応えたとりどりのいろ。
「イメージカクテルですか、良いですね」
 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は様々煌めきを映す満天の如き深宵の瞳で周囲を見回した後。
 酒場のマスターへと、所望するカクテルを迷うことなくさらりと伝える。
「僕はザッフィーロイメージのカクテルをお願いしましょうか」
「イメージカクテルか……と、宵は俺のイメージを頼むのか?」
 そんな宵の声に、ダイヤの如き銀の瞳を瞬かせるザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)であったが。
「ならば俺はお前のイメージで頼んでみるとしよう」
 互いをイメージしたカクテルを、それぞれオーダーすれば。
 運ばれてきたのは、煌めく青。
 けれど、その色合いも味も、それぞれ違っていて。
 宵の前に差し出されたのは、藍色のスターサファイアの如き爽やかなブルーモヒートのカクテル。
 真っ青なサファイア色の空に、ダイヤの如くキラキラと輝く星を思わせる氷。そして生命の息吹を感じさせる若々しいフレッシュミント。
 その愛しき色に口づけするかの様に、サファイアの空にそっと唇重ねれば。
「甘すぎず落ち着いて、上品な中にも飲みやすいさわやかさが同居する感じですね」
 こくりと頷きつつも目を細め、さっぱりとした味わいを楽しむ宵。
 そしてふと眼前の彼を見れば、くすりと宿す笑み。
「ザッフィーロ、きみはノンアルコールのほうが良いと思いますよ」
 そう声をかけつつ、おつまみのチーズやナッツも併せて注文を済ませれば。
「か、顔が赤いのは呼び捨てが未だ慣れぬだけ故、酒でも大丈夫だと……!」
 まだ飲んでいないのに仄かに顔が染まっているのは、慣れぬ呼ばれ方が何だか擽ったいから。
 そんなザッフィーロへと差し出されたいろは、カラーチェンジサファイアの様な宵色。
 スミレリキュール、パルフェタムールを使ったバイオレットフィズは、ふわり漂う香りも甘くて。
 その宵色満たされたグラスの縁に煌めくのは、星型の果実。
「宵は俺にとって休息を促す優しい宵の刻の空に輝く北極星の様な存在だからな」
 そうイメージ通りの美しいいろをしたそれに、感嘆の息を漏らした後。
 口を寄せてみれば――ザッフィーロの予想通り、それはとても甘くて優しい。
「何だ、お前に口付けている様でその、照れるな」
 何だかカアッと顔が火照る感覚を覚えるのはきっと、美しい宵色の酒に落とした口づけに酔ってしまったから。
 そしてふと顔を上げ、ザッフィーロは宵へと顔を寄せる……一口くれんか? と。
 そのお強請りに、どうぞと宵は差し出す。
「おや、僕の口付けもご所望ですか」
 サファイア色のカクテルと、そんな軽口を。
 ザッフィーロは宵の言葉にふと、銀の瞳を細めながらも。
「お前が思う俺の味という物なのだろう? ついぞ気になってな……」
 宵が唇落としたグラスに満ちる深い青にも、口を寄せてみる。
 それからこう紡ぐのだった。
「……以前は強請る際に僅かながら遠慮が有ったのだが……ああ、きっとそれだけ共に居るという事なのだろう、な」
 そんな声に、今度は宵がその瞳を細める番。
 ――ええ、いまのきみはすっかり素直に言ってくれて、嬉しいですね、って。そう、笑って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

葉月・零
縁さん(f06518)と
アドリブ歓迎

へー、精霊って卵から孵る子もいるんだねぇ
あの子たちもそうだったのかなぁと精霊たちのことを思い出しながら

貴重な瞬間に立ち会ってみたいと言う好奇心は隠せずにわくわくしながら

酒場ってどこの場所でも賑やかで良いねー

縁さん、どーする?
まぁ止めてもダメそうだし好きなもの頼むといいよ。俺の分、そこからちょこっと分けてもらえたら良いし

押しつけられたものは文句言わずに黙々と食べ……
流石に多いからここまで!

折角ならおすすめのイメージカクテルを
お酒じゃなくてノンアルコールで

いっぱい食べてしあわせそうな相棒のイメージで

えー、縁さんの俺のイメージそれなの?強く反論はできないんだけどさ


野宮・縁
れい(f01192)と!
アドリブ歓迎

たまご、かぁ
生まれるせいれはみてみたいが、わしは育てられぬなぁきっと
(どこか諦めの含む笑みで)

んー、なにたのもうか
ちょっぷどさらだ?はじめてきくのう
にくやすなっくもいっぱいたのむぞ!
ちょこっとと言わずたーんとお食べ!
れいの口にもおしつけながら
もりもり食べるぞー!

いめーじかくてる、おもしろそうじゃの
わしのいめーじだとどんなかんじじゃ?
こーんなあいらしくて元気で蒼い炎もだせるすごーいきつねじゃぞ!
(大げさな動作で身振り手振り、小さな狐火出したり自己主張)
れいのいめーじのも作っておくれ!
れいはのう…あお?こん?夜空色!きれいでやさしくてふわっとしててもやし!



 人の雑踏で賑やかな『レーベン』の街は、こう人々に呼ばれているのだという――精霊の生まれる街、と。
 それは此処が、精霊のたまごがもたらされるという特別な地だから。
「へー、精霊って卵から孵る子もいるんだねぇ」
 そんな耳にした精霊のたまごの話に、興味を示すのは葉月・零(Rien・f01192)。
(「あの子たちもそうだったのかなぁ」)
 ふと思い出すのは、のんびりとした性格の氷の精霊や、魔導書に宿るおっとりマイペースな物語の精霊のこと。
 それに、この街にもたらされるたまごから孵ると言われている精霊は、あたためた者の心を象るのだという。
 ――貴重な瞬間に立ち会ってみたい。
 そう思えば、わくわく胸を擽る好奇心は、到底隠せそうもない。
 そして夢膨らませるようにそっと笑む零を、ちらりと見ながらも。
「たまご、かぁ。生まれるせいれいはみてみたいが、わしは育てられぬなぁきっと」
 どこか諦め含む笑みを宿すのは、野宮・縁(永久に七つと数えよう・f06518)。
 零はそんな縁と共に、虹の名を冠する酒場『レーゲンボーゲン』の扉を潜ってから。
「酒場ってどこの場所でも賑やかで良いねー」
 案内された席へと座ると、人の声で溢れる店内をぐるりと見回してみた後。
「縁さん、どーする?」
「んー、なにたのもうか」
 メニューを広げ、白の髪を揺らしながら首を傾けた縁へと差し出してみれば。
 途端にキラキラと輝く青の瞳。
「ちょっぷどさらだ? はじめてきくのう。にくやすなっくもいっぱいたのむぞ!」
 でももう、そんな様子には慣れっこだから。
 零は予想通りの展開に、縁へとこう声を掛ける。
「まぁ止めてもダメそうだし好きなもの頼むといいよ」
 ……俺の分、そこからちょこっと分けてもらえたら良いし、って。
 けれど、縁はその言葉にぶんぶん首を振って。
「ちょこっとと言わずたーんとお食べ!」
 オーダーし次々運ばれてくる食べ物を、零の口にも、ぐいぐいっ。
 そんな強引に押しつけられたものも、文句言わずに黙々と食べていた零であるが。
「もりもり食べるぞー!」
「流石に多いからここまで!」
 お腹的にも、もうこれ以上は厳しいです……!
 そして、おいしい、と。宣言通りもりもり食べている縁からちょこちょこ色々貰って食べながらも。
 ふと零の目に映るのは、他の客が飲んでいる様々ないろ。
 それから眼前にいる店のマスターに、こうオーダーしてみる。
「折角ならおすすめのイメージカクテルを。お酒じゃなくてノンアルコールで」
 お願いしたのは、この酒場の名物だというイメージカクテル。
 はむりと肉を口に運びながらも、縁は小さく首を傾ける。
「いめーじかくてる、おもしろそうじゃの。わしのいめーじだとどんなかんじじゃ?」
 縁のイメージといえば、やはり!
「じゃあ、いっぱい食べてしあわせそうな相棒のイメージで」
「こーんなあいらしくて元気で蒼い炎もだせるすごーいきつねじゃぞ!」
 零の自分のイメージに、そこ!? と縁瞳を瞬かせながらも。
 大げさな動作で身振り手振り、小さな狐火を出したりと自己主張!
 それから縁もマスターへと同じ様にお願いしてみる。
「れいのいめーじのも作っておくれ!」
 そして少しだけ、ふむ、と考え込んで。ぽんっと手を叩き、こくり頷きながら口にする。
「れいはのう……あお? こん? 夜空色! きれいでやさしくてふわっとしててもやし!」
「えー、縁さんの俺のイメージそれなの?」
 ……強く反論はできないんだけどさ、と。
 そう苦笑する零であったが。
 運ばれてきたのは、いっぱい食べてしあわせそうな眼前の縁をイメージしたカクテル。
 ノンアルコールのブルーキュラソーシロップの蒼は、彼女が操る炎の様で。
 それに注がれたミルクは、白の髪を思わせて。グラスに付けられた狐耳と尻尾の飾りがまた、とても彼女らしい。
 何よりも、ピックにやたら沢山刺さった果物が、まさにいっぱい食べる姿を連想させる。
 そして縁の前に差し出された零のイメージカクテルは、縁のものと同じブルーキュラソーシロップをソーダで割った、深い青を湛える爽やかな甘さのカクテル。
 それと――。
「おお、れいのいめーじにぴったりじゃな!」
「いや、そこは再現しなくても……」
 そっと添えられてきたのは……サービスの、もやしのおつまみ!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【恋華荘】

精霊の生まれる街の幻の依頼。しかも噂つき。
これはちょーっと興味あるぞ。
セナさん拉致してデートにいかなくちゃ!

お店についたら、まずは注文。
食べ物は、チーズがいいかな。

メインのカクテルは、セナさんをイメージ。

名前は『レッドスピア』
色のイメージは紅と銀。
もうひとつのイメージの黒は、ブラックオリーブでお願いしたいな。
やさしくて可愛い彼女にぴったりなカクテルをお願いします。
あ、年齢的にアルコールは抜きね。
と、書いたメモを渡して注文するよ。

カクテルがきたら、セナさんに贈るね。
「レッドスピア、飲んでみてー♪」

セナさんへのプレゼントに、
紅と黒が入ったアクセがあったら、こっそりげっとしておきたいな。


セナ・レッドスピア
【恋華荘】
まぼろしといわれる精霊の卵…
理緒さんと一緒ならきっと見つけられるはずっ
と、理緒さんに連れられながらも
一緒にいられる事でやる気もアップしちゃってます

まずは酒場で腹ごしらえ
生ハムがあれば、頼んでみようかな?

そして理緒さんをイメージしたカクテル…
蒼と黒のツートン&グラデーションの中にも
キラキラした雰囲気もあるノンアルコールカクテルを頼んじゃいますっ
電脳の海…というより星の海っぽくなっちゃったかもですけど

カクテルができたら、理緒さんに渡して
逆に理緒さんから渡されたカクテルと飲み比べたり…

ダイビングリオ…どうぞですっ

また、理緒さんをイメージした、蒼と黒が入ったアクセがあれば
贈ってあげたいです



 実世界よりも好きな、本や電脳の世界でも、その存在は沢山見てきたから。
(「精霊の生まれる街の幻の依頼。しかも噂つき。これはちょーっと興味あるぞ」)
 そう密かに、ファンタジックな精霊のたまごという存在に、わくわく心躍らせながらも。
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はこくりと、大きくひとつ頷く。
 ――セナさん拉致してデートにいかなくちゃ! って。
 そして理緒に早速誘われたセナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)も、抱く気持ちは同じ。
(「まぼろしといわれる精霊の卵……理緒さんと一緒ならきっと見つけられるはずっ」)
 理緒に連れられながら、やる気もアップしちゃっています!
 だって、一緒にいられるのだから。
 そんなふたりがやって来たのは、降り立った『レーベン』の街で一番大きな酒場『レーゲンボーゲン』。
 難なく目的の店に辿り着き、賑やかな店内の中、案内された席に座りつつも。
「食べ物は、チーズがいいかな」
「生ハムがあれば、頼んでみようかな?」
 それぞれ気になった食べ物を選んで頼んで、仕事前の腹ごしらえを。
 それから理緒が自分の分だけ、七味唐辛子とわさびパウダーを運ばれてきたチーズへとかけている中。
 勿論、この店自慢のイメージカクテルも忘れず頼みます!
(「カクテルは、セナさんをイメージ」)
 店のマスターから少し離れた席ゆえに、理緒は渡された注文票にカクテルのリクエストを書き書き。
 紅と銀の彩りのカクテル――名前は『レッドスピア』。
 もうひとつの彼女のイメージ色である黒は、可愛い黒猫さんピックに刺さったブラックオリーブで。
 勿論、年齢的にアルコールは抜きで。
 そして――やさしくて可愛い彼女にぴったりなカクテルをお願いします、って。
(「理緒さんをイメージしたカクテル……」)
 セナも暫し考えた後、同じ様にメモを。
 グラスに注いで欲しいそのいろは、蒼と黒のツートン。
 そんな綺麗なグラデーションを湛えたいろに、まるで電脳の海の如くキラキラした雰囲気もあるような。
(「電脳の海……というより星の海っぽくなっちゃったかもですけど」)
 お願いしたいのは、そんな理緒を思わせる、ノンアルコールカクテル。
 そして運ばれてきたのは、互いのいろを交換こしたような、眼前の相手をイメージして作られたカクテル。
 それから同時に、相手へと贈るべく完成したカクテルを差し出すふたり。
「レッドスピア、飲んでみてー♪」
「ダイビングリオ……どうぞですっ」
 渡されたいろを受け取り、互いの味を一緒に飲み比べ、美味しく楽しんで。
 おなかもちょっといっぱいになれば、ふと目についたのは、酒場の土産コーナー。
 セナは、カクテルと同じような、まるで理緒みたいないろをした蒼と黒のブレスレットを手に取ってみる。
 ……理緒さんに贈ってあげたいです、って。
 そして、実は理緒も――紅と黒のいろをした同じブレスレットをこっそり、セナへのプレゼントにとゲット済。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シン・クレスケンス
イメージカクテルとは素敵な趣向ですね。せっかくなので、僕もたまにはお客の側で楽しませていただきます。
(普段は、UDCアースでウェイターをしています)

カクテルは、そうですね…。
夕焼けから夜に移り変わる空のグラデーションのような、そんな色はどうでしょう?(オレンジから薄い藍色)
陽が暮れかける、そんなわずかな時間しか見られない空の色が好きなんです。
おつまみは定番のナッツで。

僕の傍に控えている闇色の狼(使い魔みたいに従わせているUDC)がナッツの匂いを嗅いでいますね。
「犬はナッツを食べられないですよ」と言うと、「俺は犬でも狼でもない。知ってるだろ?」と返ってきました。
やれやれ。躾とは難しいものですね。



 普段は店の中では、もてなす側として在るのだけれど。
「イメージカクテルとは素敵な趣向ですね」
 ――せっかくなので、僕もたまにはお客の側で楽しませていただきます。
 そう眼鏡の奥に湛える青の瞳を細めるのは、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)。
 UDCアースでウェイターをしているシンだが、今日は店を訪れるひとりの客。
 世界や店の雰囲気は違っても、飲物や食べ物を楽しむ人々の顔はどの世界でも同じだと。
 巡らせた青の視線の先に咲く沢山の笑顔に、落ち着いた表情ながらも微かにシンは笑み宿す。
 そして愛想良いマスターに訊ねられたのは、イメージカクテルのリクエスト。
「カクテルは、そうですね……」
 濃いブラウンの髪をそっと揺らしながら、暫し首を傾け思案すれば。
「夕焼けから夜に移り変わる空のグラデーションのような、そんな色はどうでしょう?」
 オーダーしたのは――1日のうちでもほんの短い時間しか目にすることができない、そんな空のいろ。
「陽が暮れかける、そんなわずかな時間しか見られない空の色が好きなんです」
 一緒に頼んだ定番のナッツのおつまみをいただきながら、シンはカクテルの完成をゆるりと待つ。
 けれど――くんくんと、すぐ傍でナッツの匂いを嗅いでいる存在が。
 それは、シンの傍に控えている闇色の狼……正確に言えば、使い魔の如く従わせているUDCである。
「犬はナッツを食べられないですよ」
 シンはそう眼鏡の奥の瞳を向け、言うけれど。
 ――俺は犬でも狼でもない。知ってるだろ?
 まだお鼻をくんくん、ナッツの匂いを嗅ぎながらも、そう返ってくる言葉。
 同時に、目の前に差し出されるのは……完成したイメージカクテル。
 ブラッドオレンジの橙からパイナップルジュースの黄、そしてブルーキュラソーの薄い藍へと移り変わる、夕焼けと夜の狭間のそらいろ。
 それに添えられているのは、黒くて可愛いわんこが先についたマドラー。
 そんな美しいグラスのいろを見つめ、ひとくち口に運んでみるシンの傍で。
 闇色のUDCはじっとマドラーの黒犬を見つめ、もう一度呟く――俺は犬でも狼でもない、と。ナッツをくんくんしながら。
 そんな闇色の狼の如き従者に、シンは大きく肩を竦める。
 ――やれやれ。躾とは難しいものですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ絡みOK

折角のイメージカクテルが売りの店っていうからには…とはいうものの、あんまりというか、そもそもカクテル自体詳しくないんだよね、普段ウィスキーとか好むせいかね。
初対面だけど俺自身のイメージで頼めるなら頼んでみたいが、大丈夫だろうか?できれば甘くない方がいいなぁ。(判定判断完全お任せ)
無理なら適当に…いや甘くない系統の酒とつまみを頼む。
この後精霊の卵の事もあるからほどほどにしとおう。

店の人が手隙なようなら精霊の卵にについて聞いてみよう。
何度かこの世界に足を運んでいるが、勇者を軸とした所はあるけど、いろんな話があるもんだな。楽しみだ。



 賑やかな『レーベン』の街の中でも、一等活気に溢れている場所。
 それは虹色で描かれた看板が導く、冒険酒場『レーゲンボーゲン』。
 ただの酒場ではなく冒険者へ依頼の斡旋もしているという店の中は、客層も様々。
 勿論、純粋に飲み食いを楽しんでいる街の人々の姿もみられるから。
 周囲の人々を観察してみるだけでも、色々な人がいて面白いかもしれない。
 黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)はそんな人の声で溢れる店へと足を踏み入れ、案内された席に座りながら。
(「折角のイメージカクテルが売りの店っていうからには……とはいうものの、あんまりというか、そもそもカクテル自体詳しくないんだよね」)
 そう首をふと傾けるけれども。
 多くの人がオーダーしている、この店の名物をオーダーしてみようかと店主らしき男性へと声を掛けてみる。
「初対面だけど俺自身のイメージで頼めるなら頼んでみたいが、大丈夫だろうか? 無理なら適当に……いや甘くない系統の酒とつまみを頼む」
「お客様のイメージカクテルですね。好きな酒の種類とかあります?」
「普段はウィスキーとか好んで飲んでるな。できれば甘くない方がいいなぁ」
 そんな瑞樹の言葉に、成程、と店主は頷いてから。注文された、瑞樹をイメージしたカクテルを作り始める。
 そしてマスターがカクテルを作っている間、燻製チーズとナッツのつまみを運んできた看板娘にふと瑞樹は訊ねてみる。
「この街は、精霊が生まれる街って言われてるみたいだけど」
「ええ、精霊のたまごがもたらされる街だから。この街にもたらされた精霊のたまごは、街の傍にある『迷いの森』で孵すんです。でも……最近、良くない噂もあって。森には今、許可なく入れないんです」
「良くない噂?」
「私もよく知らないんですけど……竜が周囲に舞う巨大な雲が、生まれた精霊や孵した人を飲み込むって言われていて」
 看板娘がそう言った、その時――お待たせしました、と差し出されるカクテル。
 それは、しゅわり甘くない瑞樹の髪の様な銀色ソーダの上に、ウィスキーがフロートされたもの。
 ソーダとウィスキーといえばハイボールを思い浮かべるが、ウィスキーフロートのその味わい方はまた異なる。
「最初は上澄みのウイスキーを、そして徐々にソーダが混ざっていく味が楽しめます」
「ウイスキーのカクテルもあるんだな」
 そうグラスの中で弾ける己の髪と同じそのいろを見つめ、ひとくち飲んでみながらも。
 瑞樹は先程聞いた話を思い返しながら、呟きを落とす。
「竜が周囲に舞う巨大な雲、か……それにしても何度かこの世界に足を運んでいるが、勇者を軸とした所はあるけど、いろんな話があるもんだな」
 ――楽しみだ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレシェイラ・フロレセール
イメージカクテルなんて素敵ね!
候補が色々あって迷っちゃうわね
迷っちゃうけど、春っぽいノンアルカクテルをお願いしてみようかしら
春の空みたいな水色に桜の花を添えた『桜空』のイメージで
ほのかな炭酸でしゅわしゅわしていたらきっともっと楽しいわね
桜空のノンアルカクテルに合うおつまみもオーダーしなくちゃ
甘味でも全然オッケーよ
お酒は飲めるお年頃だけど、見た目でびっくりさせちゃうからノンアルにしておくわ

ん、好きな味ね
見た目で楽しんで、味を楽しんで、更におつまみまでも美味しいなんて最高だわ
ごちそうさまでした

お土産に桜空のイメージカクテルみたいなアクセサリーを選んでいきます
このひと時を心から楽しんだ証にしましょう



 いつも桜咲く世界を歩くのと同じ様に、ふわふわ軽やかな足取りでその髪を靡かせながら。
 降り立った剣と魔法と竜の世界にも仄かな淡桜のいろを咲かせるのは、セレシェイラ・フロレセール(桜結・f25838)。
 そして桜色を綻ばせる瞳が見つけたのは、虹色の看板。
 その虹の案内板に導かれるようにセレシェイラが足を踏み入れたのは、冒険喫茶『レーゲンボーゲン』。
 酒場とはいえ、冒険の斡旋も行なっているこの酒場を訪れている人は様々で。
 何か良い報酬の依頼はないかと、店の名物を注文しながら吟味している姿が見られる。
 そんな、訪れた客の多くがオーダーするもの、それは――。
「イメージカクテルなんて素敵ね!」
 ご注文は? と訊ねてきた酒場の店主にセレシェイラが口にした、イメージカクテル。
 自分でも誰かでも、風景や好きな色でも……イメージを伝えれば、それに相応しいカクテルを作ってくれるのだという。
 けれど、淡桜色の髪をそっと揺らし首を傾けるセレシェイラ。
「候補が色々あって迷っちゃうわね」
 あのいろもいいし、このいろも捨てがたい……そう暫し、うーんと思案するも。
「迷っちゃうけど、春っぽいノンアルカクテルをお願いしてみようかしら」
 ――春の空みたいな水色に桜の花を添えた『桜空』のイメージで、と。
 そう、まさにセレシェイラ自身を思わせるような、春の香り漂う桜の彩りをリクエスト。
 そして一見すると十ほどの少女である彼女が頼んだのは、勿論ノンアルコールのカクテル……なのだけれど。
 この姿は実は、まさにあくまで一見したもの。
(「お酒は飲めるお年頃だけど、見た目でびっくりさせちゃうからノンアルにしておくわ」)
 お酒もいいけれど。本当はお釣りがくるほど年齢は足りているとはいえ、きっとアルコールを頼んだら、驚かれちゃうだろうから。
 そして『桜空』のカクテルを待つ間、どの様なものが出来上がるのかと思うだけで、胸も躍ってしまう。
「ほのかな炭酸でしゅわしゅわしていたらきっともっと楽しいわね。桜空のノンアルカクテルに合うおつまみもオーダーしなくちゃ」
 甘味でも全然オッケーよ、と笑む様は、どこからどう見てもスイーツ大好きな少女のもの。
 それから程なくして……眼前に運ばれてきたグラスを彩るのは、爽やかな春に咲く桜いろ。 
 ブルーキュラソーシロップをしゅわしゅわソーダで割って、ふわり浮いているのは桜味のアイスクリーム。
 添えられた透明なマドラーはまるで硝子ペンを思わせるようで。おつまみにどうぞとサービスされたのは、白と薄紅の桜型チョコレート。
 そんな甘い春の空へと口を寄せてみれば、広がるのはふわり優しい甘さ。
「ん、好きな味ね」
 セレシェイラはそう満足気にひとつ頷いて。
「見た目で楽しんで、味を楽しんで、更におつまみまでも美味しいなんて最高だわ」
 ――ごちそうさまでした。
 そう笑顔の花を咲かせ、店主へと礼を告げてから。
 ふと見つけ手に取ったのは……さっきグラスを満たしていたものと同じいろの、桜空のアクセサリー。
 そしてそのいろを一緒に連れて帰ることに決めるのだった。
 ――このひと時を心から楽しんだ証にしましょう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
賑わう酒場に一人
成人に満たない年齢も然してお咎めは無いようで
そのまま座りぐるり見回す

見知った顔も何人か
気になったのはやはり精霊のたまご?
それとも趣向を凝らし出されるイメージカクテル、というものか
自身は前者だった

強くなりたいと思う過程で依頼をこなせばこなす程
足りないと思う部分が増えてくる
純粋な力だけなら鍛錬でなんとでもなるだろう
…けれど魔法となればそうはいかない

俺が使えるのは少しの氷の魔法のみ
もっと違う力をつける為
一度他の精霊に会ってみたかった

と、考え更けていれば店の男に声かけられて
注文は無いかと聞かれたから

じゃあ、酒じゃない飲み物を
「桜」を題に一つ貰えますか?

どのようなものが出るかを、楽しみに



 人の多いところはあまり得意ではないけれど。
 食べたり飲んだりしながら楽しそうに笑む人たちを見るのは、好きかもしれない。
 華折・黒羽(掬折・f10471)は一人、賑わう酒場へと足を運んで。
 案内された席にすとんと座ると、周囲に視線を巡らせてみる。
 酒場と言えど、此処は冒険酒場。それ故に、訪れている者たちの年齢も幅広い。
 なので成人に満たない年齢の黒羽でも、然して入店にお咎めは無いようだ。
 賑やかな店内には、見知った顔もいくつか。
 そんな彼ら彼女らも自分と同じ様に、予知を聞いて訪れた猟兵であるのだけれど。
 ――気になったのはやはり精霊のたまご?
 ――それとも趣向を凝らし出されるイメージカクテル、というものか。
 少なからず予知を聞き、何らか気になることがあったから、この世界に赴いているのだろうけれど。
 黒羽が惹かれたのは、前者。
 ……強くなりたい、そう思い、これまで依頼をこなしてきたけれども。
 だからこそ、こなせばこなす程、足りないと思う部分が増えてくるのだ。
 同じ猟兵でも、得意とすることや足りないものや生まれ持った資質は、人それぞれ異なって当然。
 そして、黒羽が己に足りないと思うもの。
(「純粋な力だけなら鍛錬でなんとでもなるだろう……けれど魔法となればそうはいかない」)
 使えるのは、少しの氷の魔法のみ。
 もっと違う力をつければ――もう一歩、いや、もっと求める強さに近づけるかもしれないから。
(「一度他の精霊に会ってみたかった」)
 精霊のたまごの話は、その絶好の機会ではないかと。
 そう考え、この世界へと黒羽は導かれやって来たのだ。
 ――そんな時。
「何かご注文は」
 ふと考え耽ってした思考が、現実の雑踏へと引き戻されて。
 愛想の良い店主が、そう訊ねてくる。
 その言の葉に、暫し考えを巡らせて。
「じゃあ、酒じゃない飲み物を。「桜」を題に一つ貰えますか?」
 オーダーしたのは、最近よく目にする優しいいろ。そしてこの世界への導きにと咲き誇り、辿ったいろ。
 そして、どのようなものが出るかと、密かに楽しみに待っていれば。
 お待たせしました、と降る声に顔を上げた刹那、青い瞳に満開桜のいろが咲く。
 桜花弁の絨毯のように桜シロップが敷かれ、その上に注がれたのは優しいミルクの白のいろ。
 緑のミントが浮かぶグラスには、黒猫がちょこんとついたマドラーが添えられていて。
 いただきますと、そっと口に運んでみれば……ふわり広がるのは、柔く優しい桜の花の様な甘さ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんを肩に乗せて。

風花さん、お酒です。イメージカクテルだそうです。
自分でも作れるそうですが・・・。
ここは折角ですし専門の方に頼んでみましょう。
私と風花さんのイメージカクテルをお願いします。
私用とフェアリー用で1杯ずつ作ってくださいな。
私は好奇心から故郷の森の掟に背いて飛び出した旅のエルフです。
・・・自分で言うとちょっとはしたないですわね。ふふふ。

あらあら、これが私の味ですか。なるほどなーですわね。
風花さんの方もいただきましょう。
ふふ、こうして誰かをイメージした飲み物と言うのは面白いですわね。

食べ物はカクテルに合うものをお任せで。
少量で結構です。あ、お肉は遠慮してくださいな。


七霞・風花
ティーシャ(f02332)と

お酒。
最近お酒を飲める機会が増えて幸せなのですが……ティーシャさん、私の事、お酒大好きフェアリーみたいに思ってません?
嗜む程度、嗜む程度なんですよ、ええ、はい、美味しくいただきますけれど!

イメージカクテルですか。
私のイメージ、そうですね。
お金とお酒が大好きなフェアリーですけどまともなものが出てきます……?
ろくでもない子みたいに聞こえる……

んっ……上手ですね。すごく美味しいです。
ティーシャさんのものとは、やはり違う味わい。
どちらもとても美味美酒で良きかと思います。


あっ、私はお肉味濃いめでお願いします。
お野菜はティーシャさん、少し分けてくださいな。
ふふ、しあわせのあじ。



 沢山の人々の声で賑やかな、活気溢れる『レーベン』の街を歩きながら。
 ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)がふと紫の瞳を向けるのは、己の肩に乗せた七霞・風花(小さきモノ・f13801)。
「風花さん、お酒です。イメージカクテルだそうです」
 そんなティーシャの声に、――お酒、と。
 どこか嬉し気な響きを纏う呟きを落とした風花だが。
「最近お酒を飲める機会が増えて幸せなのですが……ティーシャさん、私の事、お酒大好きフェアリーみたいに思ってません?」
 ちらり、青の視線を返しつつも続ける。
「嗜む程度、嗜む程度なんですよ、ええ、はい、美味しくいただきますけれど!」
 そうです、嗜む程度なのですが……でもお酒はやはり、楽しく美味しくいただかないと!
 そしてふたりがやって来たのは、街で一番大きく客の入りも盛況な酒場『レーゲンボーゲン』。
 今宵も店は沢山の人で大繁盛、そこかしこから食べ物や飲み物、会話を楽しむ人々でいっぱい。
 そんな中、案内された席にふたり落ち着いてから。
「イメージカクテルは自分でも作れるそうですが……ここは折角ですし専門の方に頼んでみましょう」
 ティーシャはそうきょろりと周囲を見回してから。
 酒場のマスターらしき男性へと、こう声を掛ける。
「私と風花さんのイメージカクテルをお願いします。私用とフェアリー用で1杯ずつ作ってくださいな」
「お客様方のイメージカクテルですね。御二方のことを少し教えていただけませんか?」
 そんなマスターの言葉に、ふたりは少し考えて口を開く。
「私は好奇心から故郷の森の掟に背いて飛び出した旅のエルフです」
 ……自分で言うとちょっとはしたないですわね。ふふふ。
 そうお淑やかに笑む大人びた雰囲気とは裏腹に、実は旺盛な好奇心のまま動く性質だというティーシャ。
 そして白の髪を微かに揺らし首を傾けつつ、続いて自分のことをマスターへと語る風花。
「イメージカクテルですか。私のイメージ、そうですね。お金とお酒が大好きなフェアリーですけどまともなものが出てきます……?」
 お金とお酒が大好きなフェアリー。
 いや、その通りだし、自分で言っておきながらだけど。
 ――ろくでもない子みたいに聞こえる……。
 少し遠い目になりつつも、まともなカクテルがでてくることを今は願うしかない。
 そして、そんなそれぞれのイメージを聞いて、成程、と人懐っこく笑むマスターに、一緒に食べ物の注文も済ませておく。
「食べ物はカクテルに合うものをお任せで。少量で結構です。あ、お肉は遠慮してくださいな」
「あっ、私はお肉味濃いめでお願いします。お野菜はティーシャさん、少し分けてくださいな」
「野菜系と味濃いめの肉ですね。そちらから先に」
 カクテルができる間に運ばれてきたのは、アルコールにもぴったりな、ヨーグルトディップでいただく野菜スティックと濃厚なタレがかかったローストビーフ。
 さっぱり野菜をふたりで食べつつ、会話を楽しみながら、イメージカクテルの完成を待っていたふたりであるが。
 お待たせしました、と運ばれてきたのは、ふたつの全く異なるいろが注がれたグラス。
 ひとつは、ティーシャをイメージした爽やかな味わいの紫のカクテル・パープルモヒート。ラムベースに、ブルーベリーやライムやアップルジュースを用いたさっぱりした味わいは旅人のような気ままな風をイメージ、そして森を思わせる緑のミントが紫色のグラスの中にさり気なくふわり揺れている。
 そして風花のイメージのカクテルは、豪華な金色をした、少しアルコール強めのマティーニ風カクテル。白の羽がついたグラスに注がれているのは、ジンとベルモットにオレンジジュースを加えたもの。
 普通用とフェアリー用の小さいもの、それぞれが各々の前へと差し出されて。
 まずは自分のイメージカクテルを手に――カチリと、乾杯を。
 そしてそれを、そっと口へと運んでみれば。
「あらあら、これが私の味ですか。なるほどなーですわね」
「んっ……上手ですね。すごく美味しいです」
 ふたり同時に、こくりと頷き合う。
 それから今度は、相手をイメージしたいろや味も。
「風花さんの方もいただきましょう」
「ティーシャさんのものとは、やはり違う味わい。どちらもとても美味美酒で良きかと思います」
 全く違う味や色をしているけれど。でも、どちらも自分たちらしくて美味しくて。
「ふふ、こうして誰かをイメージした飲み物と言うのは面白いですわね」
 そう微笑むティーシャに頷きながら、風花は濃厚タレのローストビーフもぱくり。
 ふたりで楽しくお喋りしつつ、それぞれのカクテルや美味しい食べ物を堪能すれば、つい自然と笑みも零れる。
 ――ふふ、しあわせのあじ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「どうせまたアルコールは却下されるのよね」
実年齢信じてもらうのは諦めたわ。
ノンアルコールでいいから青ベースに紫をくわえた二色のカクテルを用意してもらうわね。

依頼を請け負うことを伝えたら周囲のお客からお話聞こうかしら。
迷いの森とはどのようなところか、とか
何か最近変わったことはないか、とか。
なけなしのコミュ力6が働いてくれることを祈るわ。



 どの世界でも、酒の席はとても賑やかで。
 それを美味しそうに口にする人々も、楽しそう。
 そして、どの世界においても同じだと。
 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)には分かっているのだ。
「どうせまたアルコールは却下されるのよね」
 これまで数度、チャレンジしてみては、全く相手にされなかった。
 本当は余っているほど超えている年月を過ごしてきたヴィオレッタなのだけれども。
 ――実年齢信じてもらうのは諦めたわ。
 この少女な見た目のせいで、どうせ却下されることは分かっているから、無駄な抵抗は止めておく。
 ということで、オーダーするのは、ノンアルコールのカクテル。
 青ベースに紫のいろが重なる、二色のカクテルをと。
 そしてカクテルができるのを待つ間、通りかかった看板娘に声を掛けて。
 精霊のたまごの依頼を請け負うことを伝えてみる。
 最初はヴィオレッタが口にしたレアな依頼の紹介のお願いに、驚いた様子だった鞄娘だったけれど。
 詳しくはマスターから聞いてちょうだい、とそっと耳打ちを。
 それから続けて、迷いの森のことや、何か最近変わったことはないかと訊ねてみれば。
「迷いの森は良くない噂があって、今許可がないと入れないの。でも、精霊のたまごを孵す目的の人は問題なく入れてもらえるわ。けれど……竜が周囲に飛び交う巨大雲が、生まれた精霊や孵した冒険者たちを飲み込んじゃう、って噂を聞いたわ」
 だから依頼を請けるのなら気をつけて、と看板娘が告げたと同時に。
 ヴィオレッタの前に差し出されたのは、ノンアルコールのブルーキュラソーとスミレのシロップの二層が美しい、ソーダのカクテル。
 そしてそのいろにそっと添えられているのは、マドラーの上にちょこんと座った、可愛らしい猫さん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【灯夜】
精霊のたまごとは興味深いですね
酒場で食事やカクテルを頂きましょう

酒場はお酒を飲んだり食事をする所です
お酒を飲むと楽しくなるのでお喋りになるのです
それ以外にも美味しいものもありますし今日は私も居るのですから
一緒に楽しみましょうね

灯里と一緒にお酒が無いものにします
……私はどうやらお酒が弱いようなので入っていないものが良いでしょう
二人で冒険に出るのは初めてなのですから失態は出来ませんからね

そういえば私と灯里以外、目の色が別ですね
どの色も美しく綺麗ですが全部混ざり過ぎては淀んでしまいます
では灯里はその二色で

私は青い紅茶のカクテルを
そして、この分けたレモンのジュースを入れると紫に
不思議でしょう?


月舘・灯里
【灯夜】
とうさまといっしょに
ぼうけんさかばにいくなのです

とうさま、さかばはおとながたのしむばしょなのでしょう?
かあさまがそういってたですよ?

でもきょうは
とうさまといっしょだから
あかりもいいのですって!
ふふ、うれしいのです!

カクテルはおさけではないのをもらうです
とうさまも、おさけはだめなのですよ?

あかりは、とうさまとあかりのめのいろのみどり
みちにいさまのひだりめのきんいろとみぎめのあかいろ
かあさまのめの、きれいなこはくいろ
かぞくみんなのめのいろがいいです
あ!ばらにーにいさまのあおいろも!

よくばりすぎ、なのです?
えとえと、なら、みどりとこはくにするです!

ふしぎなのです
どうして、いろがかわるのです?



 降り立った『レーベン』の街はとても賑やかで、人もとても多いから。
 月舘・灯里(つきあかり・f24054)は逸れないように確りと、とうさま――月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)の大きな手をきゅっと握って。
 ウサギさんリュックサックを背中に揺らしながらも、きょろり。
 その父と同じ緑色の円らな瞳が探しているのは、今回の目的地。
(「とうさまといっしょに、ぼうけんさかばにいくなのです」)
 そう……向かうは、街で一番大きな酒場『レーゲンボーゲン』。
 其処は街の人たちの憩いの店であると同時に、冒険者たちに様々な依頼を斡旋しているという冒険様場でもあるのだという。
 そんな冒険酒場で請け負えるという、レアな依頼。
(「精霊のたまごとは興味深いですね」)
 それは夜彦も予知で耳にした、精霊のたまごを孵すというもの。
 なのでまずは、その依頼を紹介して貰うために、冒険酒場へと向かう必要があるというわけである。
 それに仕事の前に、酒場で食事や名物だというカクテルを頂こうと。
 ふたりは、見つけた『レーゲンボーゲン』の店の扉を潜り、共に中へ。
 まだ遅い時間でもない冒険酒場の店内には、老若男女、様々な年齢の人々の姿がみられるけれど。
「とうさま、さかばはおとながたのしむばしょなのでしょう? かあさまがそういってたですよ?」
 やはり酒場という名が付いているからか、大人が多いのは事実。
 楽しそうに食べ物や飲み物を楽しんでいる人々の様子をそろりと見回す灯里に、夜彦は柔く笑んで頷いて。
 確りと、教えてあげる。
「酒場はお酒を飲んだり食事をする所です。お酒を飲むと楽しくなるのでお喋りになるのです」
 お酒は大人の飲み物。
 だから大人が多いのだと、そう納得したようにこくりとひとつ頷いてから。
 灯里はふと瞳をキラキラ輝かせ、ぱっと笑む。
「でもきょうはとうさまといっしょだから、あかりもいいのですって!」
 ……ふふ、うれしいのです! って。
 何だかちょっぴりドキドキするけれど、でも好奇心と嬉しさの方が沢山だから。
 そしてそんな灯里を微笑まし気に見つめながら、夜彦は続ける。
「それ以外にも美味しいものもありますし今日は私も居るのですから、一緒に楽しみましょうね」
 美味しい料理と、この店の名物であるというイメージカクテル。
 勿論、アルコールがないものも作れるから。
「カクテルはおさけではないのをもらうです」
 灯里はそう言った後、夜彦へと視線を向ける。
「とうさまも、おさけはだめなのですよ?」
 そんな、かあさまに何か事前に言われていたのか、灯里に釘を刺されてしまった夜彦は、微かに苦笑しつつも思う。
(「……私はどうやらお酒が弱いようなので入っていないものが良いでしょう」)
 つい飲みすぎて、いつもの様にすやぁと寝てしまったりしても、今日は介抱してくれる相手がいないし。
 それに、何よりも。
(「二人で冒険に出るのは初めてなのですから失態は出来ませんからね」)
 保護者として、確りとしなければいけないから。
「どのようなカクテルにしますか、お嬢さん」
 酒場のマスターにそう訊ねられ一生懸命考えつつも、灯里は大好きないろを口にする。
「あかりは、とうさまとあかりのめのいろのみどり、みちにいさまのひだりめのきんいろとみぎめのあかいろ。かあさまのめの、きれいなこはくいろ
、かぞくみんなのめのいろがいいです。あ! ばらにーにいさまのあおいろも!」
「そういえば私と灯里以外、目の色が別ですね」
 灯里の言葉にそうふと夜彦は気付くけれど。
「どの色も美しく綺麗ですが全部混ざり過ぎては淀んでしまいます」
「よくばりすぎ、なのです? えとえと、なら、みどりとこはくにするです!」
「では灯里はその二色で。私は青い紅茶のカクテルを」
 そうオーダーを終え、暫し待てば……運ばれてきたのは、望んだ通りのいろ。
 灯里の前に置かれたグラスには、底に甘く爽やかなミントシロップの緑、上の層は甘いシロップたっぷりの琥珀色のアイスティーが。そして一緒に、サービスだと出てきたのは、金色と赤と青のいろをしたキャンディーが。
 そして夜彦が、自分の目の前に置かれた青い紅茶のカクテルへと、別添えのグラスに入ったレモンジュースを垂らしてみれば。
「ふしぎなのです。どうして、いろがかわるのです?」
「不思議でしょう?」
 青から紫へと、そのいろを変えたカクテル。
 それを、緑色の瞳をぱちくりさせつつ見つめる灯里に微笑みながらも。
 今度は娘と共に眺めるその二藍のいろを、夜彦も子と同じ色を湛えるその瞳に映すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月尾・白雪
精霊を孵す一助となれるとは希なること、逃す手はありません
それにお酒といえば御神酒しか知らぬ身ゆえ
異郷のお酒も心惹かれる

己の印象、と言うは易く行うは難し
悩ましくも楽しく、眼裏の己をしげしげと眺め

単純なれど真白が基になるかしら
底に一滴の緑を置いて
上に昇るごとに真白へと移りゆく

細めの円柱状グラスは触れられぬ程の冷たさで
やはり細めの黒のストローを挿し
常よりは細やかに砕いた氷をたっぷりと

他に何かあれば作り手にお任せしてみたい

飲み口は甘く
喉を通れば熱く
余韻は嫋々と酒の香が

などと、味わいの想像をしながら待つ醍醐味
浮き立つ心のままに
いざ、実食

見目や味が、想像通りか予想外か
いずれにせよ、きっと望外に素敵な味わい



 降り立った賑やかな街は、こう人々に呼ばれているのだという。
 ――精霊の生まれる街、だと。
(「精霊を孵す一助となれるとは希なること、逃す手はありません」)
 耳にした話は、月尾・白雪(風花・f06080)の興味を擽るには十分で。
 さらに、噂の精霊のたまごだけではなく。
(「お酒といえば御神酒しか知らぬ身ゆえ、異郷のお酒も心惹かれる」)
 そう、精霊を孵すべくまずは訪れる冒険酒場で頂けるのだという、イメージカクテルなるお酒。
 きっとそれは、御神酒とは異なるものなのだろう。
 そう思えば、出向かずにはいられないのも、当然の流れ。
 そして足を踏み入れた酒場で、イメージカクテルとはどういうものかを一通り聞き、どういうものかは大まかには把握できたのだけれど。
 ――己の印象、と言うは易く行うは難し。
 漆黒の髪を微かに揺らしながら首を傾け、真剣に思案する白雪。
 けれどそれもまた、悩ましくも楽しく。
 銀の瞳を伏せ思い描こうと……眼裏の己をしげしげと眺めてみる。
 そしてやはり、思い至った己のいろ。
「単純なれど真白が基になるかしら」
 そうそっと、まず底に一滴置くのは緑の彩り。
 円柱に満ちるいろは上に昇るごとに、次第に真白へと移ろって。
 己のいろが注がれたグラスに触れれば、思わず身が縮む様な、雪の如き冷たさ。
 その白き世界に、黒のいろをした細めの黒のストローを挿して。
 たっぷりと投入するのは、常よりは細やかに砕いた氷の煌めき。
 けれど……他に何かあれば作り手にお任せしてみたい、と。
 そう顔をあげれば、視線がぱちりと合った酒場のマスターが、最後にもうひとつ。
「こういうのはいかがですか?」
 ぷかりと白に浮かべたのは、刀の如く弧を描くレモンピールの月。
 そしてグラスに注がれていくいろを暫し眺めながら。
 ――飲み口は甘く、喉を通れば熱く、余韻は嫋々と酒の香が……。
 そう、味わいの想像をしながら待つ醍醐味もちゃんと味わった後。
 浮き立つ心のままに――いざ、実食。
 そして白雪は、銀の瞳を数度瞬かせる。
 口にふわりと広がった味は、思った通り甘くて。
 けれど絶妙に配分された様々な味わいは、予想外な初めての味を作り出している。
 白雪はもうひとくちそれを味わいながらも、自然と微笑み零す。
 初めて体験する味だけど――でも、いずれにせよそれは、望外に素敵な味わいには違いないから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宵馨・稀由
🐈黄昏
アドリブ歓迎

失意と絶望にずっと引きこもっていた彼女が
外で笑っている―それだけでこんなにも嬉しいものなのか
あまりはしゃぎすぎて転ぶなよ、ロゼ
笑む君が嬉しくて、俺もつられて笑ってしまう
やはり薔薇は満開が美しい

ロゼ、俺達のカクテルも作ってもらおう
ロゼはアルコールなしな
俺は有のにする
握られた手の温もりに全身が熱くなり
照れを隠すのに必死だ

頭を悩ませるロゼの可愛いこと
薔薇の天使の姿に顔がにやける
檸檬、か
いいな
(例えれば初恋の味のよう

俺はロゼのだな
やっぱり薔薇だろう
桃色の薔薇のシロップに、微炭酸
花弁のような琥珀糖を散らして
満開に咲く君のような一輪の薔薇のカクテルを

乾杯
君がずっと笑顔でいられますように


アンジェローゼ・エイアロジエ
🌹黄昏
アドリブ歓迎

綺麗な森ですね、きゆ
……久しぶりに出た外で清い空気の中で深呼吸
なんだか心まで癒されそうです!なんて
私を見守る彼に微笑み

カクテルが飲めるのです?…今の私は無理なのですが…(少し唇を尖らせ)
そうです!きゆのイメージなものを私が選びます
だから、きゆは私のを選んでください
ひび割れた陶器の手を握れば、慌てるような稀由に笑み
貴方は柔らかな陽だまりの金にしましょう
ほかほかで暖かな…猫ちゃんがお昼寝できるひだまりです!
味は仄かに甘酸っぱい檸檬、オレンジを添えて―どうでしょう?

私のは…綺麗
勿体ないくらい綺麗です
薔薇のカクテル
一輪の薔薇の花束のような
嬉しくて笑顔が咲く
喜んで頂きます!

乾杯、ね?



 黄昏の薔薇はその蕾を再び、そっと目覚める様に開いて。
 鳥籠の外の春に、七彩の花咲かせた金蜜の髪と青い鳥の翼のいろを躍らせる。
「綺麗な森ですね、きゆ」
 朝露に濡れた双眸の常磐がそう、映す森の緑と溶け合えば。
 ……久しぶりに出た外、清く澄んだ空気。
 アンジェローゼ・エイアロジエ(黄昏エトランジェ・f25810)は胸いっぱい、大きく深呼吸をして。
「なんだか心まで癒されそうです! なんて」
 黄昏の薔薇をその瞳に咲かせている紫水晶のいろに、微笑みを向けた。
「あまりはしゃぎすぎて転ぶなよ、ロゼ」
 宵馨・稀由(散華メランコリア・f22941)はそう声を掛けながらも、思わず彼女の笑顔咲いた紫の瞳を細める。
 笑むその姿が嬉しくて。つられて、笑ってしまう。
 ……失意と絶望にずっと引きこもっていた彼女が、外で笑っている――それだけでこんなにも嬉しいものなのかと。
 そして改めて心に思い綴る――やはり薔薇は満開が美しい、と。
 そんなふたりは、虹の名を記す看板に導かれるまま、賑やかな空間へと誘うその扉を潜る。
 冒険酒場『レーゲンボーゲン』は虹という名の通り、様々ないろに満ちていて。
 案内された席に落ち着いた稀由は、好奇心で彩られた常磐をきょろり巡らせているアンジェローゼを見つめながら口を開く。
「ロゼ、俺達のカクテルも作ってもらおう」 
「カクテルが飲めるのです? ……今の私は無理なのですが……」
「ロゼはアルコールなしな。俺は有りのにする」
 むぅ、と少し唇を尖らせる彼女の様に、稀由は再び微笑むけれど。
「そうです! きゆのイメージなものを私が選びます。だから、きゆは私のを選んでください」
 刹那、一瞬見開かれる紫水晶の煌めき。
 ふわり触れた細くしなやかな指が、包まれた柔らかな温もりが、ひび割れた陶器の手にも熱を伝えて。
 それが全身を火照らせるのを隠すのに、密かに必死になってしまう。
 でも、そんな慌てるように照れを隠さんとする稀由に笑み咲かせ、じっと見つめた後。
「貴方は柔らかな陽だまりの金にしましょう」
 ――ほかほかで暖かな……猫ちゃんがお昼寝できるひだまりです!
 そうこくこくと頷いて、アンジェローゼは稀由のイメージをうたう。
 降り注ぐ陽だまりに華猫も喜びそうな、そんな柔らかで、ほかほかないろを。
 そして自分のいろを一生懸命考えている姿に、稀由の顔は思わずにやけてしまう。
 だって……頭を悩ませる眼前の薔薇の天使の、可愛いこと。
「味は仄かに甘酸っぱい檸檬、オレンジを添えて―どうでしょう?」
「檸檬、か。いいな」
 そんなアンジェローゼのそんな提案に、すぐに頷く稀由。
 仄かに甘くて酸っぱい……そう、それは例えれば、初恋の味のよう。
 そんな、初心な戀をうたう様な色と味を考えてくれたのだから。
「俺はロゼのだな。やっぱり薔薇だろう」
 今度は、稀由がグラスに咲く薔薇のいろを考える番。
 そして甘く煌めく、その花の味を紡ぐ。
「桃色の薔薇のシロップに、微炭酸。花弁のような琥珀糖を散らして」
 ――満開に咲く君のような一輪の薔薇のカクテルを、って。
 それから望んだ通りのいろがそれぞれのグラスを満たし、眼前に運ばれてくれば。
「私のは……綺麗。勿体ないくらい綺麗です」
 それはまるで、可憐で甘い、一輪の薔薇の花束。
 そしてもう一輪、嬉しさのいろに咲く笑顔の花。
「喜んで頂きます!」
 稀由をイメージした陽だまりいろのカクテルには、猫のマドラーが。
 ふたりはそれから、それぞれ彩られたグラスを掲げて。
 ――乾杯。
 ――乾杯、ね?
 カチリと互いの彩りを重ね合わせ、手にしたそのいろに唇を落とす。
 そして再び咲いた薔薇の微笑みを見守りながら、稀由はその心に思う。
 ……君がずっと笑顔でいられますように、って。
 今みたいに、満開に笑って、咲いていて欲しいから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

新堂・ゆき
きゃらかくてる?日本酒位しか見た事がなかったので。
珍しいですし、何より周囲でお願いした方々のカクテルはキラキラしてとても綺麗ですね。
私はやはり月照丸のカクテルをお願いします。
この子は能をモチーフにして全て作成してある人形で。
紫色でしょうか。葡萄。
高貴な、あるいは誰でも真似の出来ない。
カクテルのお供は、そうですね、スイーツと言いたいところですが、酒場ですし、何かおすすめのチーズをお願いしたいです。
この素敵なカクテルに誓って、精霊のたまごを孵す依頼、必ずやり遂げてみせます。



 酒場という場所は、故郷である世界においても、この剣と魔法と竜の世界においても。
 同じ様に沢山の人々で賑わっているものだということは、眼前の景色をみれば一目瞭然。
 予知に聞いた冒険酒場『レーゲンボーゲン』を訪れた新堂・ゆき(月雪花・f06077)は、雰囲気こそ違えど、どの世界でも同じ様に楽しそうに酒を楽しむ人達の様子をぐるりと眺めながら。
 ふと、その首を傾けてみる。
(「きゃらかくてる? 日本酒位しか見た事がなかったので」)
 酒といえば、故郷の世界で馴染み深いものは日本酒くらい。
 この店の名物、キャラカクテルというものがどういうものなのか、ゆきにとっては未知であるのだけれども。
(「珍しいですし、何より周囲でお願いした方々のカクテルはキラキラしてとても綺麗ですね」)
 まさにこの店の名の通り、虹のような……日本酒にはない、とりどりのいろ。
 物珍しそうに周囲の人たちがオーダーしているイメージカクテルに、ゆきも興味をそそられて。
 どのようなカクテルにしましょうか? と声を掛けてきた店主へと、こうお願いしてみる。
「私はやはり月照丸のカクテルをお願いします。この子は能をモチーフにして全て作成してある人形で」
 ――紫色でしょうか。葡萄。高貴な、あるいは誰でも真似の出来ない。
 そう共に在る月照丸を、お願いしたいろと同じ紫の瞳で見つめつつもゆきが告げれば。
「成程、ではそのように。カクテルのお供は?」
 早速いくつかの瓶を選びながらも訊ねてくる店主に、ゆきはもう一度小さく首を傾げて。
「カクテルのお供は、そうですね、スイーツと言いたいところですが、酒場ですし、何かおすすめのチーズをお願いしたいです」
 甘い物、と言いたいところだけれど、ここは酒場の雰囲気に合わせたオーダーを。
 それから、色々なチーズが少しずつ楽しめる盛り合わせをいただいていれば。
 お待たせしましたと眼前に差し出されたのは、月の照る紫のいろ。
 底に仄かに薄く沈むのは桜色のリキュール、その上に層を成した紫のいろは高貴なイメージそのもの。
 そして紫のいろに浮かぶレモンピールは、月の様な牙の様な、あるいは刃の様な三日月の弧を描いている。
 それはまさに、誰でも真似できない唯一無二のいろ。
 ゆきはそんな月照丸のいろを口に運び味わいながら、改めて心に思う。
(「精霊のたまごを孵す依頼、必ずやり遂げてみせます」)
 ――この素敵なカクテルに誓って、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セレスタイト・ヴェニット
カディ(f01636)と今度こそ大人のひとときを!
勢い込んでカディを誘って来たけど
やっぱりおいしそうな匂いに負けそうで…
拳握って耐えてボク!

想い人のカクテルなら飲めるかなって
カディの色
白に赤
赤はイチゴ
白は何かな?
アルコールは…少なめで
こそりとお願い
カディの頼んだカクテルに
酔ってないのに頬が紅く

2人のカクテルは宝石みたいでとても綺麗で
カディみたい
飲むのがもったいないですね
カクテルになるとボクの色も綺麗に見えて面映い
カディに合わせグラスを傾け
一口
おいしくて目が輝く

目の前に出されたお菓子とおつまみ
我慢してるのバレました…?
カディが楽しげに笑ってて
恥ずかしさと嬉しさで真っ赤に
……まだ!酔ってないです!


カーディナル・レッド
セレスタ(f01381)と一緒にカクテルを楽しみに
背伸びした誘いが可愛らしいなと

僕と同じ名のワインベースのカクテルもあるのだが…
君の口には合わないかもね、と思わず笑みが
以前ワインが苦手そうだったなと思い出して

では僕はセレスタのイメージにしようか
髪と同じブルーキュラソーをメインに甘口のカクテルを頼もう
瞳と同じピンクの花を添えて
ほら、綺麗で可愛い君にぴったりだと思わないかい?
笑顔でグラスを傾けて乾杯を

彼女の飲むカクテルも美味しいようで一安心
これでまた一緒に飲めるからね
と、忘れずに菓子とおつまみを
だって君の目がずっと食べ物に行ってたから
ふふ、もう酔いが回った?なんてからかって
楽しい時をありがとう、ね



 足を踏み入れた冒険酒場はとても賑やかで、そしてやはり、ちょっぴり大人な雰囲気。
 ――カディと今度こそ大人のひとときを!
 そう勢い勇んで、カーディナル・レッド(優しい嘘・f01636)を誘ったのは、セレスタイト・ヴェニット(優翼・f01381)。
 けれど、大人しか楽しめない、様々ないろをした綺麗なお酒にも勿論興味はあるのだけれど。
(「やっぱりおいしそうな匂いに負けそうで……」)
 それよりもどうしても目が向いてしまうのは、美味しそうな食べ物のメニュー。
 鼻を擽る良い香りが食欲をそそって、またおなかが鳴ってしまいそうになるけれど。
 セレスタイトはぐっと拳を握って、ふるり小さく首を横に振る……耐えてボク! と。
 そんな彼女の誘いに乗り、セレスタイトと一緒ににカクテルを楽しもうとやって来たカーディナルだが。
 眼前で頑張って食べ物の誘惑に抗おうとしている彼女のその姿に、くすりと小さく笑んでしまう。
 ――背伸びした誘いが可愛らしいな、と。
 そしてふたり案内された席に落ち着き、どんなカクテルを頼もうかと暫し考えてみれば。
 先にそのいろを紡いだのは、セレスタイト。
「想い人のカクテルなら飲めるかなって……カディの色」
 ちらり彼へと視線を向ければ、優しく自分を見守っている赤のいろ。
 カーディナルはそんな彼女の声に、ふと微かに首を傾けて。
「僕と同じ名のワインベースのカクテルもあるのだが……君の口には合わないかもね」
 そう思わず笑み零しながらも思い出す。
 以前ワインを飲んだ瞬間の、しゅんと項垂れた耳羽。その様子から、ワインは苦手そうだったなと。
 そんなワインの味もいつかはきっと、もうちょっと大人になってから、楽しめるようになることを願って。
 セレスタイトは店主に、こうオーダーしてみる。
「白に赤、赤はイチゴ。白は何かな?」
 それからこそりと、こんなお願いを付け加える。アルコールは……少なめで、って。
 カーディナルはそんな最後の囁きには、聞こえていない素振りをしながらも。
「では僕はセレスタのイメージにしようか。彼女の髪と同じ、ブルーキュラソーをメインにした甘口のカクテルを。瞳と同じピンクの花を添えて」
 オーダーしたのは勿論、眼前のセレスタイトのいろ。
 それから暫し待てば……ふたりの目の前には、それぞれお互いのいろが。
 カーディナルの瞳の様な赤はイチゴリキュール、煌めく氷もたっぷり入れて。ミルクにパインジュースをミックスした白のいろに、ココナッツリキュールで甘さもプラスもした、アルコールも少なめの甘いカクテル。それに添えられたマドラーの先に咲くのは、赤い薔薇の花。
「カディみたい。飲むのがもったいないですね」
 そうじっとグラスの中に満ちるいろを眺めていたセレスタイトは、ふと視線を今度は、彼の前に置かれたグラスへと向ける。
「ほら、綺麗で可愛い君にぴったりだと思わないかい?」
 そんな彼の前にある、翼の飾りが付いたグラスを満たしているのは……甘くて真っ青ないろ。
 ブルーキュラソーに揃いのココナッツリキュール、トニックウォーターをステアしたものに、ご所望通りピンクの花を咲かせて。マドラーに咲いた、色違いでお揃いの、青い薔薇の花。
 そのいろを薄紅の瞳に映せば……酔っていないのに、頬がカァッと紅くなる感覚を覚えるセレスタイト。
 ふたりのカクテルは宝石みたいでとても綺麗……カクテルになるとボクの色も綺麗に見えて面映い、って。
 それからふたり、笑顔でグラスを傾けて。ふたつのいろをカチリと重ね合わせ――乾杯。
 セレスタイトはそーっとカディの色へと一口、唇を落としてみれば。
 おいしい――そうキラキラと輝く瞳。
 カーディナルも彼女のいろを口にしながらも、その様子に一安心。
 そして、これでまた一緒に飲めるからね、と笑んだ後。
 お待たせしましたと運ばれてきたのは、いつの間にか彼が頼んでいた美味しそうなお菓子とおつまみ。
「我慢してるのバレました……?」
 そう、そろっと上目で自分を見つめる彼女に、カーディナルは再び楽しそうに笑う。
「だって君の目がずっと食べ物に行ってたから」
 そんな言葉に、恥ずかしさと嬉しさで、思わずまた真っ赤になるセレスタイト。
 そして、染まったその顔を見つめながら。
「ふふ、もう酔いが回った?」
「……まだ! 酔ってないです!」
 ちょっぴりからかえばぶんぶんと首を横に振る彼女に、カーディナルは愛し気に微笑みを向け、紡ぐ。
 ――楽しい時をありがとう、ね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ケルスティン・フレデリクション
おさけだけど、おさけじゃないんだって。ふしぎ。
ノンアルコール…?
いろんないろがあるね。
わたしは、ゆうやけのいろのカクテルがいいなぁ。
あまいの!
たべものも、あまくてたべやすいのがいいなぁ、おみせのひとに、おまかせするね。
ふへへ、おいし…
全部食べたら依頼のお話ね!
精霊の卵ってどんなのなんだろう…大きいのかな…

アドリブok



 んしょ、と大きな扉を開けて。
 虹の名前が付いた酒場へと足を踏み入れたのは、まだ幼い見目の少女。
 けれども、そんなケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)を咎める店の者はいない。
 此処はただの酒場ではなく、冒険者たちが依頼を請け負う冒険酒場だから。
 それに、沢山読んだ本の冒険譚には酒場のことも出てきたから、知識としては知っている。
 酒場は、大人がお酒を楽しく飲むお店だと。
 ……けれども。
(「おさけだけど、おさけじゃないんだって。ふしぎ」)
 くるり、オレンジの視線に好奇心を宿しながら巡らせ、ふと首を傾けるケルスティン。
 周囲の皆が頼み飲んでいるのは、それぞれ違ったいろをした飲み物。
 それはお酒である場合もだけれど、お酒ではないものもあるのだという。
「ノンアルコールもできますよ、ご注文は?」
 そう声を掛けてきた店主に、ケルスティンは再び首をこてんと傾げる。
「ノンアルコール……? いろんないろがあるね」
 でも、色鮮やかな飲み物は、旺盛な好奇心を十分に擽るから。
 気を取り直し、作って欲しいカクテルのいろをマスターに伝える。
「わたしは、ゆうやけのいろのカクテルがいいなぁ。あまいの! たべものも、あまくてたべやすいのがいいなぁ、おまかせするね」
 お願いしたのは、まるで円らなその双眸のような、黄昏時の空のいろ。
 出てきたおつまみは、食べやすいよう一口大に切られた、雲の様にふわふわクリームが乗ったパウンドケーキ。
 それから、お待たせしました、の声にふと顔を上げてみれば。
 瞳に映るいろは、ハイビスカスシロップに甘めのフレッシュオレンジジュース、しゅわりソーダが小さく弾けた、まるで移り変わる空のように層を成す夕焼け空。
 それにそっと口をつけ、ひとくち飲んでみれば。
「ふへへ、おいし……」
 思わず零れるのは、満足気な声と笑み。
 そして、甘いケーキを食べ終え、夕焼け色の空のいろを美味しく飲み干しても。
 勿論、本来の目的も忘れてはいません。
 全部食べたら、次の彼女の好奇心の対象は、依頼のお話。
 この街の傍にある迷いの森で、精霊を孵すというお仕事。
 そのことを思い出しながら、ケルスティンは再び首を傾けつつも思う。
 ――精霊の卵ってどんなのなんだろう……大きいのかな……って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
あ、あの、精霊のたまごを孵すなら任せろとアヒルさんが言っています。

ほら、やっぱり変な目で見られているじゃないですか。
アヒルの卵でもアヒルさんが孵すのは無理ですよ。
アヒルさんはガジェットさんなんですから、どちらかといったら外敵からたまごさんを守る方が向いているんですよ。
多くの敵さんを倒してきているんですから。



 賑やかな『レーベン』の街にある、人の活気に満ち溢れた大きな酒場。
 でもその客層は酒場にしては、老若男女、年齢の幅が広い。
 それもそのはず。この酒場『レーゲンボーゲン』は、ただの酒場ではない。
 冒険者たちに依頼を斡旋する、冒険酒場なのだから。
 なので、本来ならば酒場で見かけることのない年頃のフリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)がいても、何の御咎めも、疑問すらも幸い持たれないのだ。
 そしてこの酒場で、レアだと言われている幻の依頼。
 それは――精霊のたまごを、迷いの森で孵すこと。
 極度の人見知りでおどおどビクビクしつつも。
 まずは、自分を席へと案内してくれた看板娘へと、フリルは意を決して話しかけてみる。
「あ、あの、精霊のたまごを孵すなら任せろとアヒルさんが言っています」
「……そのアヒルさん、が?」
 看板娘は、フリルとアヒルさんを思わず交互に見比べて。
「ほら、やっぱり変な目で見られているじゃないですか。アヒルの卵でもアヒルさんが孵すのは無理ですよ」
 案の定、自分たちを奇異な目で見ていた看板娘の反応にひとつ息をつきながらも、席にすとんと座った後。
 フリルはアヒルさんに、現実を教えてあげる。
「アヒルさんはガジェットさんなんですから、どちらかといったら外敵からたまごさんを守る方が向いているんですよ」
 ……多くの敵さんを倒してきているんですから、と。
 精霊のたまごがどういうものなのか、これから話を聞いてみないと分からないのだけれど。
 でも……魔導蒸気機械であるアヒルさんでは、頑張って蒸気を出してみても。
 ちょっとやっぱり、たまごをあたためるのは難しそう……?
 とりあえず何か注文しつつ、謎に自信満々なアヒルさんでも大丈夫なのかと。
 フリルは頑張って、店主に訊いてみることに。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と共に
・アドリブ歓迎

イメージカクテル……わたくしとヴォルフをイメージしたものも作ってくださるのかしら?
是非お願いしたいわ
わたくしはまだ未成年ですから、お酒はまだ飲めないけれど

イメージするのはヴォルフのこと
深い深い蒼の毛並みを持つ狼。怜悧な瞳の奥には情熱の炎を宿して
強く逞しく、それでいて心優しい……
カクテルには詳しくないのですけど、こんな感じでよろしいかしら?

運ばれてきたカクテルにはストローが2本
これは「二人で一緒に飲め」ということなのかしら……?

孵す者の心を映す精霊さんのことも気になりますわ
どんな可愛らしい子が生まれてくるのかしら
どうか、素敵な出会いになりますように


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と同行
・アドリブ歓迎

イメージカクテルか……是非俺とヘルガをイメージしたものも作ってくれないか
まだ酒の飲めないヘルガに合わせて、俺の分もアルコールは抜きで頼む

ヘルガのイメージ……深々と降り積もる白く柔らかな粉雪
その下で春の訪れを待つ青い花
冬の寒さに耐え、その心根は暖かい
……俺には少し甘い味かもしれんが、その方が彼女のイメージには相応しい

これは……「二人で同時に飲め」ということなのか……
少々照れくさいが、ヘルガが迷惑でなければ……

精霊の話を嬉しそうに語るヘルガ
女の子というものは、やはり幼いものを守りたいと願うものか
無論、予知されたオブリビオンの襲撃からもしっかり守らねばな



 『レーゲンボーゲン』というその名の通り、店に足を踏み入れ見れば、溢れんばかりの数多の彩り。
 それはこの酒場の名物だという、イメージカクテルの虹のいろ。
 グラスに注がれるそのいろは、まさに千紫万紅。
 客の望む通りの色で、味で……美しいカクテルを作ってくれるのだという。
 そんな賑やかな酒場の中、品の良い所作で案内された席へと座ったヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は、オーダーを訊ねる店主へとこう告げる。
「イメージカクテル……わたくしとヴォルフをイメージしたものも作ってくださるのかしら? わたくしはまだ未成年ですから、お酒はまだ飲めないけれど」
 ……是非お願いしたいわ、と。
 そう微笑む彼女に続き、ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)も口を開く。
「イメージカクテルか……是非俺とヘルガをイメージしたものも作ってくれないか。まだ酒の飲めないヘルガに合わせて、俺の分もアルコールは抜きで頼む」
「おふたりのイメージカクテルですね。よければ、お二方のことを聞かせていただけますか?」
 店主に訊ねられたヘルガの青い瞳に、ふとヴォルフガングの姿だけが映る。
 ヘルガがイメージするのは、勿論ヴォルフのこと。
「深い深い蒼の毛並みを持つ狼。怜悧な瞳の奥には情熱の炎を宿して。強く逞しく、それでいて心優しい……」
 それが、夫であり蒼の聖騎士である、眼前の大切なひとのいろ。
 ……カクテルには詳しくないのですけど、こんな感じでよろしいかしら?
 そう笑む彼女に、店主が頷いたのを見れば。
「ヘルガのイメージ……深々と降り積もる白く柔らかな粉雪。その下で春の訪れを待つ青い花。冬の寒さに耐え、その心根は暖かい」
 ヴォルフガングも、妻であり光である献身の聖歌姫である、愛しいひとのいろを伝える。
 それは自分には、少し甘い味かもしれないけれど。
(「……その方が彼女のイメージには相応しい」)
 楽しそうに周囲に視線を巡らせている姿を見守りつつ、そっとそう思う。
 そして程なくして、目の前に並べられるのは、完成したふたりのイメージカクテル。
 ヴォルフガングをイメージしたカクテル――ノンアルコールのブルーキュラソーシロップにザクロシロップの赤を少し垂らせば、鮮やかな青がより深いいろに変わって。それを口当たり優しい微炭酸のソーダで割って。炎の様な真っ赤な果実が、その青の中に。
 ヘルガのカクテルは、甘くて優しい癒しのいろ。ブルーキュラソーの澄んだ青を底に沈めて。甘く真白な白桃ジュースに添えられたマドラーには、蒼いミスミソウの花が。
 ――そして。
(「これは「二人で一緒に飲め」ということなのかしら……?」)
(「これは……「二人で同時に飲め」ということなのか……」)
 2本ずつ刺さっているストローに、ふたりは同時に瞳をぱちくりとさせるけれど。
 視線があった彼女に、ヴォルフガングは少し遠慮がちに紡ぐ。
「少々照れくさいが、ヘルガが迷惑でなければ……」
 そんな彼に、ヘルガが返すのは勿論、柔らかな微笑み。
 そして美しい互いのカクテルをお供に、彼と交わすのは楽しい会話。
「孵す者の心を映す精霊さんのことも気になりますわ。どんな可愛らしい子が生まれてくるのかしら」
 ――どうか、素敵な出会いになりますように。
 そう精霊の話を、嬉しそうに歌うように紡ぐヘルガをヴォルフガングは見つめながらも思う。
(「女の子というものは、やはり幼いものを守りたいと願うものか」)
 そしてヘルガが生まれたばかりの小さな精霊を守りたいと、そう心に思うのならば。
 だとしたら、聖騎士として在る自分は無論――予知されたオブリビオンの襲撃からもしっかり彼女を守らねばな、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

パウル・ブラフマン
【邪蛸】
さんせ~い☆
ジャスパーをイメージした
カクテルをオーダーしちゃうぞ♪
今回はノンアルで!
完成したカクテルを、未成年者の彼と飲みあいっこしたいので☆

【コミュ力】を活かして
バーテンダーさんと全力推しトーク。
彼は『悪魔』ではなく『天使』なんですよ!
敢えて言い換えるならば『堕ちた天使』でしょうか。
…堕としたのはオレだとは、言わないけれど。

色合いは『赤』。
林檎蜜のサイダー割に沈む、蜂蜜を塗して固めた姫林檎。
角モチーフの飾切りやチェーンのアクセントもイイカンジ♪

あ…見て、ジャスパー。
オレ達のカクテルを並べて透かしてみると
ジャスパーの眸の色になるよ♪

モチロン…待ってる。
一番最初におめでとうも言わせてね?


ジャスパー・ドゥルジー
【邪蛸】
互いのイメージでカクテル頼むってのはどうだ?
俺未成年だからノンアルだけどさ

パウルの全力推しトークにこっぱずかしくなりつつ
『自称怪物』の天使だっているもんなァと茶々を入れる
――そ、八本脚のさ

彼のイメージで、なんて漠然とした注文に出てきたのは
ブルーのシロップをジュースと炭酸で割ったスッキリ甘いやつ
鮮やかな水色と弾ける泡が愛しい触手を思わせる
グラスの縁には飾り切りの流れ星
…まんまパウルじゃん?

色を重ねたり味わったり堪能しつつふと
オトナっていいなぁとぼやく
こんなに仲が縮まってもパウルと共有できねえもんがあるとかさ?切ねえじゃん?
あと1年半弱待っててよ
最初の酒はパウルとって決めてんだ



 訪れたその酒場の名は『レーゲンボーゲン』。
 虹の意を冠する店には、その名の通り沢山のいろで溢れているけれど。
 ふたりにとって、いつも心を満たして止まないのは、一番すぐ目の前にあるいろ。
 ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は不思議な色合い混ざる瞳に、眼前のそのいろを映しながら。
 パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)へと、こんな提案を。
「互いのイメージでカクテル頼むってのはどうだ?」
 ……俺未成年だからノンアルだけどさ、と付け加えて。
 そんなジャスパーの言葉に勿論、即頷くパウル。
「さんせ~い☆ ジャスパーをイメージしたカクテルをオーダーしちゃうぞ♪」
 そして迷うことなくこう続ける――今回はノンアルで! って。
 それから、ピンクと紫混じる瞳をぱちくりさせるジャスパーに、いつも通り笑んで返す。
「完成したカクテルを、未成年者の彼と飲みあいっこしたいので☆」
 ということで、店のマスターへと、互いのイメージカクテルをお願いすることを告げたはいいが。
 ふたりのことを教えて貰えませんかと聞かれれば……はじまるのは、パウルの全力推しトーク!
「彼は『悪魔』ではなく『天使』なんですよ!」
 どこまでも甘やかしたい天使。もう本当に天使すぎる、と力説しながらも。
 ふと、ふるりと首を振るパウル。
「いや『天使』なんですけど、でも敢えて言い換えるならば『堕ちた天使』でしょうか」
 ……堕としたのはオレだとは、言わないけれど――なんて密かに思いつつも。
 悪魔ではなく天使すぎるんだけど、でもただ天使という一言だけでは言い表せないという、推しへの妥協しない拘り。
 そして、推しへの愛を全力で迸らせる。
「うん、ジャスパーはオレが幸せにします!」
 実際に甘やかされまくっているジャスパーは、そんな全力推しトークにこっぱずかしくなりつつも。
「『自称怪物』の天使だっているもんなァ」
 そう茶々を入れつつ、笑み宿しながら続ける。
 ――そ、八本脚のさ、って。
 実際問題、怪物だろうが悪魔だろうが天使だろうが、きっと関係ないのだ。
 互いが何であれ、愛してくれるし、愛するだけだから。
 まだまだ推しトークは尽きないけれど、とりあえずマスターには十分イメージが伝わっただろうので……多分。
 互いのイメージカクテルを、楽しくお喋りしじゃれ合いながら待つふたり。
 そして程なくして目の前に並べられたいろは――まさに、相手のいろ。
 パウルの青い瞳に映るその色合いは『赤』。
 林檎蜜のサイダー割りにしゅわりと沈むのは、甘い蜂蜜を塗して固めた真っ赤な姫林檎。
「角モチーフの飾切りやチェーンのアクセントもイイカンジ♪」
「……まんまパウルじゃん?」
 ジャスパーも眼前の青を、改めてじっと見つめてみる。
 彼のイメージで、なんて漠然とした注文であったのに。
 推しトークが効いたのか、それは完全にパウルそのもの。
 グラスを染めるブルーのシロップをジュースと炭酸で割った味は、スッキリ甘いやつ。
 愛しい触手を思わせる、鮮やかな水色と弾ける泡。
 そしてグラスの縁には、青の世界を颯爽と駆け抜けるような、飾り切りの流れ星が。
 そんな眼前のブルーを眺めていたジャスパーに、パウルはふと声を掛ける。
「あ……見て、ジャスパー」
 ――オレ達のカクテルを並べて透かしてみると、ジャスパーの眸の色になるよ♪ って。
 その声にふと顔を上げれば、赤と青が合わさった様な紫の瞳が、優しく笑う彼の姿だけを映す。
 それに、彼が教えてくれた大発見が嬉しくて。
 ふたりで色を重ねたり味わったり、色々たくさん堪能していたのだけれど。
 ジャスパーからふと零れ落ちたのは、こんな言の葉。
 ――オトナっていいなぁ、と。
「こんなに仲が縮まってもパウルと共有できねえもんがあるとかさ? 切ねえじゃん?」
 どうしても今、一緒にできないこと。
 それを思えば、切なくなってしょんぼりしてしまうけれど。
 でも――あと1年半弱。
「あと1年半弱待っててよ」
 そうすれば、今日みたいにノンアルコールで合わせて貰わなくたってよくなるし。
 またひとつ、一緒にできることが増えるから。
 ――最初の酒はパウルとって決めてんだ。
 そう告げたジャスパーに、やっぱりパウルはいつものように優しく微笑んで頷く。
「モチロン……待ってる」
 ……一番最初におめでとうも言わせてね? って。
 だって、眼前の愛おしい色は、何よりも一番大切で。全力で甘やかしたい、推しのいろなのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】
彩り豊かな酒場とはたまりませんねぇ
(早速にこにこと肉も野菜もたんまり頼み)

ええ、勿論名物も堪能しますとも
ぶらっくほぉる?
いやだなぁ、それを言うなら伊織こそ――このちょこれぇとドリンクを元にこう――この素焼きの何かっぽいクッキーとか添えてみると良いんじゃないですかね?
ほら、君の心はもうこれ一色みたいなものでしょう?

あ、澪さんは流石の可愛いさですねぇ
良かったですね、福さん
(次の瞬間には伊織放置し笑顔で向き直り)
あぁ、動物なら――この世界の彩をお借りして
下層は煌めく水
上層は幻想の雲に見立て
マシュマロ等でタマちゃんとテルテルさんを添えて欲張り仕立に

いやぁ賑やかで良いですねぇ(早速頂きますして)


呉羽・伊織
【花守】
人も食も色も、何から何まで賑やかな空間だなー
(酒場をぐるりと見渡し――た隙に早速何か色々と頼み始めた連れに肩竦め)

食事も良いケド、折角だし名物も忘れんなよ
あ、菊里はブラックホールっぽいのとかで良いかもな?
ってオイこら勝手に何をっ
染まってない!
そんな色に呑まれた覚えは!ない!

あっ福カワイ…イヤまって違うからぴよこ
オレだって今ぴよこカクテルを頼むつもりでっっ
(懐から抗議されつつ、改めてまるいグラスにエッグノッグやらふわふわあわやらでそれっぽく仕立てたのを作り)
ウン、オレの心はこの一色だからホント!マジで!

おお欲張りはそー来たかー(まじまじと見つめ)
ってまたコレ並ぶと中々飲み辛い光景――あっ


鳳来・澪
【花守】
ほんまどこ見ても目映いし、色々目移りしてまうね!
(菊ちゃんの横でばっちり取皿用意し)

主役選びは勿論、一等気合い入れて!
(ノンアル材料を福とわくわく覗き込んでたら、早速隣が騒がしくなって振向き)
――待って何してるん、気合いの入れ方おかしゅうない?
ある意味力作(?)やけど!

(気を取り直して、福に似た色の柑橘系ベースに、自分の色でもある紅いストローと白花飾って、猫耳&縞模様付アイスも添えて――福と一緒にどや~と笑い)
ふふ、おおきに!
謂れに倣うならやっぱこうかなって

ぴよこちゃんも何とか形になって何よりよ(生暖かく見守り)
あ、菊ちゃんのも何それ可愛い!
頂くんが勿体ないねぇ(でも頂きます!幸せ!)



 いつもこの世界に降り立った時は、やたら真っ白な修学旅行状態であったが。
 今日は一応、本当に一応……と言ったら、貴重な紅から抗議されてしまうかもだけど。
 とりあえず、哀しい真っ白だけは免れた。
 ……免れたのだけれども。
「人も食も色も、何から何まで賑やかな空間だなー」
 そう酒場の扉を潜り、案内された席に落ち着いた呉羽・伊織(翳・f03578)が、ぐるりと周囲を見渡した隙に。
「彩り豊かな酒場とはたまりませんねぇ」
「ほんまどこ見ても目映いし、色々目移りしてまうね!」
 早速にこにこと、肉も野菜もたんまり頼む千家・菊里(隠逸花・f02716)と。その隣で、ばっちり取皿を用意している鳳来・澪(鳳蝶・f10175)。
 そんな速攻で何か色々と頼み始めた、何に置いても食が第一な連れに、思わず肩を竦める伊織。
 そして、次から次へ運ばれてくる食べ物から目を逸らしつつ。
「食事も良いケド、折角だし名物も忘れんなよ」
 伊織はそう一応言っておく。
 この酒場の名物……それは、イメージカクテル。
 自分や相手、その他風景でも好きな色でも何でも良い、カクテルにして欲しいいろを注いで提供してくれるのだと。
 じゃあ、と伊織は眼前で幸せそうににこにこ食を楽しむ腐れ縁の狐に視線を向けて。
「あ、菊里はブラックホールっぽいのとかで良いかもな?」
 先手を打ってそう切り込んでみるけれど。
 ええ、勿論名物も堪能しますとも、とさらりと言った後、菊里は大袈裟に首を傾けて。
「ぶらっくほぉる? いやだなぁ、それを言うなら伊織こそ――このちょこれぇとドリンクを元にこう――この素焼きの何かっぽいクッキーとか添えてみると良いんじゃないですかね?」
 ――ほら、君の心はもうこれ一色みたいなものでしょう?
 茶色なちょこれぇとドリンクと、土色な例の何かあれ的なクッキーを伊織へお勧め!
「ってオイこら勝手に何をっ」
 そのやたら土的な色味に、ぶんぶん首を振ってから。
「染まってない! そんな色に呑まれた覚えは! ウン……ない!」
 寝室という名の謎の祭祀場が一瞬頭をちらつくも、気のせいと思うことにして否定してみる伊織。
 そして。
「主役選びは勿論、一等気合い入れて!」
 澪は福とわくわく、ノンアルコールのカクテルを作るべく材料を覗き込んでいたけれど。
 早速、隣が騒がしくなって、何事かと振向けば。
「――待って何してるん、気合いの入れ方おかしゅうない?」
 ある意味力作(?)やけど! と福と共に瞳をぱちくり。
 そんな腹黒的なものや土色フレンズたちのことはさておき。
 気を取り直してイメージカクテルを作ってみる澪。
 ベースは、福に似た色の柑橘系。そんな福のいろに、自分の色でもある紅いストローと白花飾って。猫耳と縞模様付アイスをちょこんと添えれば……真の力作の完成!
 その満足な出来に、福と一緒に、どや~と笑めば。
「あ、澪さんは流石の可愛いさですねぇ」
「ふふ、おおきに! 謂れに倣うならやっぱこうかなって」
 菊里の言葉に、さらに福とえっへん。
 伊織も澪のキュートな福カクテルに、思わず赤の瞳を細めるけれど。
「あっ福カワイ……イヤまって違うからぴよこ」
 ジト目上目遣いで懐から自分を見ているぴよこに気が付いて、慌てて首を振る。
「オレだって今ぴよこカクテルを頼むつもりでっっ」
「良かったですね、福さん」
 そんな浮気疑惑をかけられている伊織をさくっと放置し、笑顔で向き直る菊里。
 そしてツンツン抗議されながらも、伊織はぴよこみたいなまんまるいグラスに、エッグノッグやらふわふわあわやらをそれっぽく飾って仕立てて。
「ウン、オレの心はこの一色だからホント! マジで!」
 オレにはぴよこしかいない的な必死のアピールを。
「ぴよこちゃんも何とか形になって何よりよ」
 澪は一応その様子を生暖かく見守って。
 菊里はそんな修羅場を後目に、ふと首を傾けた後。
「あぁ、動物なら――この世界の彩をお借りして」
 見立てた二層のいろは、煌めく水と雲。
 それにマシュマロなタマちゃんとテルテルさんを添えれば、可愛く美味しい欲張り仕立てに!
「あ、菊ちゃんのも何それ可愛い! 頂くんが勿体ないねぇ」
「おお欲張りはそー来たかー」
 ぱあっと瞳輝かせる澪の隣で、まじまじと伊織はマシュマロな可愛い生き物たちを見つめて。
「ってまたコレ並ぶと中々飲み辛い光景――あっ」
「いやぁ賑やかで良いですねぇ」
「でも頂きます!」
 早速頂きますしたふたりが躊躇なく、ぱくりっ。
 そして口に広がる甘さに、澪は思わず微笑む――幸せ! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

陽向・理玖
【蒼銀】

俺、アックス&ウィザーズ初めてだ…
物珍しそうにきょろきょろしつつ
つーか、未成年でも飲めるカクテルってあんだな
二人は成人してっから…普段は飲むのか?

ディアナ姉さんも楽しそうだな
内心わくわくしつつ

俺はディアナ姉さんに夜空のイメージあるな
きらきら輝いて深くて優しい空の色だ
尊兄さんは雪降った後の晴れ渡った空、かな
キンと引き締まっててどこか儚い
なんてな

なるほど
夕方に草原かぁ
えっ?それって爽やかなのか暑苦しいのか…
まぁいいや
じゃそんな感じで
(詳細おまかせ
炭酸好き)

二人を交互に見て
どんなになるかお楽しみ、だな

さっすがプロだわ
…美味ぇな
いいなぁ2人は
いつでも酒飲めてさ
飲めるのがいいんだって
チーズかじり


ディアナ・ロドクルーン
【蒼銀】
精霊の卵も気になるけど
此処の名物のイメージカクテルの方が気になるわ

凄く人が来ているわね
ねえ、此処のテーブルが座れるわ
尊さん、理玖君、こっちこっち。(手招きして

二人共どんなカクテルにするかイメージはある?

勝手に考えてみたのだけど
尊さんは澄み渡る夜空をイメージした青
理玖君は夕方のイメージがあるので黄色からオレンジ色のグラデーション
二人に抱くイメージはそんな感じ

私…?夕方から夜にかけてと夜空ね。ありがとう二人とも。嬉しいわ

月と星が瞬き始める、夜の色
そうイメージを伝えてカクテルを作ってもらう
(詳細はお任せ

綺麗な、小さな世界を内包するグラスをまじまじと眺め
飲むのが勿体ないと二人と会話を楽しみます


橘・尊
【蒼銀】

依頼の前に飲むのもいいな
二人とも楽しそうだし何より
手招きされ、席につく

ん、ふたりのイメージか…ふむ
ディアナは夕方から夜にかけての柔らかいグラデーション
理玖は草原の自由な感じ、一色っぽいかな

二人の俺に対するイメージを聞き
なんか新鮮な感じだ

とりあえず、そんな感じで
まるっとお任せしてみようか
あ、銀色を少し混ぜてもらおう
大好きで大切な色なんだ

酒か?
俺はあまり飲まないよ
でもたまに皆とならこうやって飲むけどな

カクテルって不思議だな
綺麗で美味しそうだ

(アレンジ、アドリブ大歓迎です)



 降り立った先の風景は、陽向・理玖(夏疾風・f22773)にとって、初めて見る世界のもの。
「俺、アックス&ウィザーズ初めてだ……」
 自分が知っているものと、また全く違った景色。
 そんな剣と魔法と竜の世界へと青の視線を巡らせ、物珍しそうにきょろきょろしつつも。
 ……あそこか? そう見つけたのは、虹の看板が目を惹く酒場。
 遠目から見ただけでも、沢山の人が出入りしているのが分かる酒場。
 けれど酒場は酒場でも、この『レーゲンボーゲン』は、誰でも歓迎している冒険酒場であるから。
「つーか、未成年でも飲めるカクテルってあんだな」
 店の名物であるというイメージカクテルも、未成年でも大丈夫なノンアルコールのものも用意されているのだという。
 まだ成人していない理玖にとっては、アルコールなししか選択できないのだが。
「二人は成人してっから……普段は飲むのか?」
 並んで歩くふたりに、ふとそう訊ねてみれば。
「依頼の前に飲むのもいいな」
「精霊の卵も気になるけど、此処の名物のイメージカクテルの方が気になるわ」
 返ってきた言葉から容易に察することができる。お酒を飲むことが決して嫌いではないことが。
「凄く人が来ているわね」
 やって来た冒険酒場の扉を潜り、店の中の様子に一通り紫の視線をぐるりと向けてから。
「ねえ、此処のテーブルが座れるわ」
 ――尊さん、理玖君、こっちこっち。
 そうディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)は、ふたりを手招きして。
 橘・尊(浮雲・f13751)はそんなディアナに礼を言いつつ笑む。いい席取れてよかった、と。
 ……ディアナ姉さんも楽しそうだな。
 自分を手招きする彼女の姿に、理玖もつられたように内心わくわくしつつも。
 席に落ち着いて、改めて店の中を見回してみる。
 客の多くが手に持っているのは……虹の様な、様々ないろをしたカクテル。
「二人共どんなカクテルにするかイメージはある?」
 ディアナはそれから、交互にふたりを見つめて。
「勝手に考えてみたのだけど、尊さんは澄み渡る夜空をイメージした青。理玖君は夕方のイメージがあるので黄色からオレンジ色のグラデーション」
 ――二人に抱くイメージはそんな感じ。
 そうふたりから連想するいろを口にすれば。
「ん、ふたりのイメージか……ふむ」
 ほぼ白に近い灰色の髪をそっと揺らしながらも首を傾け、少しの間考えてみる尊。
「ディアナは夕方から夜にかけての柔らかいグラデーション。理玖は草原の自由な感じ、一色っぽいかな」
 そんな尊の言葉に、理玖も頷いて続ける。
「俺もディアナ姉さんに夜空のイメージあるな。きらきら輝いて深くて優しい空の色だ。尊兄さんは雪降った後の晴れ渡った空、かな。キンと引き締まっててどこか儚い」
 ……なんてな、って。
 そうちょっと照れ隠しみたいに呟きを落とす。
 ディアナは、多少は違っても、ふたりどちらもから夜のイメージがあると告げられて。
「私……? 夕方から夜にかけてと夜空ね。ありがとう二人とも。嬉しいわ」
 尊も、二人の自分に対するイメージを聞いて、瞳を瞬かせつつも笑み返す。
「なんか新鮮な感じだ」
「なるほど。夕方に草原かぁ」
 そして理玖も、聞いた自分のイメージを復唱するけれど。
 はっと、ある事に気付いたかのように両の目をぱちくり。
「えっ? それって爽やかなのか暑苦しいのか……」
 うーんとますます悩まし気に首を傾げる理玖であったが。
 オーダーを聞きに来た店主に、こうお願いする。
「まぁいいや。夕方とか草原とか、じゃそんな感じで。炭酸入ってたら嬉しいかな」
「私は……月と星が瞬き始める、夜の色で」
「俺は、澄み渡る夜空をイメージした青とか、雪降った後の晴れ渡った空で……まるっとお任せしてみようか」
 理玖に続きオーダーしたディアナの後、尊もそう頼んでから。
 もうひとつだけ伝える、とっておきのいろ。
「あ、銀色を少し混ぜてくれたら。大好きで大切な色なんだ」
 そして店主が3人のいろを作り始めたのを見た後。
「どんなになるかお楽しみ、だな」
 二人を交互に見て、密かにそわそわ、わくわくする理玖。
 それから他愛のない楽しい会話を交わしていたら――運ばれてきたのは、それぞれお願いしたいろ。
 理玖のグラスに注がれているいろは、夕焼け空。
 ノンアルコールのラズベリーシロップとオレンジジュースで、絶妙な夕焼けのグラデーションを生みだして。ぷかりと浮かぶのは、草原を思わせる緑一色のミント。勿論、ソーダで割ってしゅわっと刺激的に。
「さっすがプロだわ……美味ぇな」
 そうまじまじと目の前のイメージカクテルを見つめてから。
 理玖は今度はふたりを交互に見て、ふっとひとつ息をつく。
「いいなぁ2人は。いつでも酒飲めてさ」
「酒か? 俺はあまり飲まないよ。でもたまに皆とならこうやって飲むけどな」
「飲めるのがいいんだって」
 尊の言葉にそう理玖は羨まし気に返しつつ、一緒に頼んでいたチーズをひとかじり。
 そんな理玖に、あと数年後のお楽しみにしとこうか、と宥めてから。
「カクテルって不思議だな。綺麗で美味しそうだ」
 自分のカクテルへと、改めて尊は視線を向けてみる。
 まさに鮮やかなブルーキュラソーの青のグラデーションが映えた、ブルーマルガリータ。そんな青の世界が注がれたグラスの縁には、大切な銀の彩りが。銀雪を表現した塩が煌めき、銀のピックに刺さっているのはお星さま型のパイナップル。
 そしてディアナのグラスの中の世界は、夕焼けと夜の狭間の空。
 オレンジとレモンのシロップを底に沈めて。甘く魅惑的な香りのパルフェタムールの宵紫に満ちた細かい氷が煌めく星のよう。そしてその夜空に浮かぶレモンピールの三日月と、添えられたマドラーの先で輝くお星さま。
 ディアナはそんな綺麗な、小さな世界を内包するグラスをまじまじと眺めながら。
 それぞれが望んだいろを交互に見つめつつも、ふたりと会話を楽しむ。
 飲むのが勿体ない――って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

君影・菫
【nyx】
いめーじかくてる
皆の彩り楽しみやわあ

桂花陳酒にパルフェタムール
グレナデンシロップにピーチジュースの薄紫の杯に
ミントの翠を添えたえろう甘い桃の味
うちのね、記憶の色なんよ

皆の色を見回せばまるで宝石箱
素敵な彩りたちに心躍って
ニーナの帽子に見立てたオレンジに、ほうと魅入って
ライラの空色を覗き込み、精霊さんにも興味は隠さずに
ちぃは桜で刻は椿
浮かんだ花に視線が攫われてまう心地

皆の色が揃ったとこにお揃いの鍵
五つの世界をひとつに繋いでくれるの嬉しいなあ
幼子みたいに無邪気に喜んでまいそ
刻ありがとお

…! 写真、ええ案やね
ちぃ、うちにも後で分けてなあ

揃いの鍵、皆の色
紡ぐ会話
どれにも弾む心はきっと隠せへんの


飛白・刻
【nyx】
一人酒ばかりは少し寂しいからな
此度の機会、皆を誘って酒場へと
雰囲気に酔うも悪くないだろう?

ブルーキュラソーを底に沈めたウォッカ
グラスの水面に浮かべるは白椿とひとひらの赤椿
いつか。沈む季節と向き合えるようにと秘めやかに

帽子で着飾るは鮮やかさを引き立て
空見やれば精霊が心地良さそうに泳ぎ
宵の桜と月の逢瀬はどこか懐かしく
其の名色の姿は柔らかな馨しさと共に

カクテルが揃うを見計らい届くは
予め店員に告げていた
nyxをイメージした鍵モチーフのマドラー
折角皆で来たのだからと各々のカクテルへ
五つの世界を繋ぐ鍵として

写真には褪せぬ想いごと綴じて
小さく揺れた五音の鍵音と共に
また。こんな酔い方をしたいものだと


ニーナ・アーベントロート
【nyx】
初めて訪れるバーに、そわそわおとな気分

レモンスカッシュとパインジュースを
ブラッドオレンジジュースに合わせて
甘ーいけど、色合いと炭酸でちょっと刺激的に
細めのサワーグラスに注ぎ、帽子代わりの輪切りオレンジを

千鶴くんのグラスの中、夜桜が咲いて春が来てる!
ライラさんの精霊さんは、青空みたいに綺麗なんだろうなぁ
菫さんのは優雅な色と甘い香りで「らしさ」満載だし
紅白の椿がブルーを引き立てる刻さんのも……
ってもしかして、そのマドラー!
素敵なサプライズすぎるよ……ありがとう

並んだ5つの鍵と、5つの世界
違うけど、お揃い
きらきらした思い出を写真に閉じ込めて
また皆で行きたいねって、未来の約束したいな


宵鍔・千鶴
【nyx】アドリブ歓迎

イメージを形に、って新鮮で
皆のいろ、楽しみ

ピンクグレープフルーツと
エルダーフラワーシロップで春に染め
オリーブと桜を浮かべれば
いつかの桜月夜を想い出す

浮かんだ花弁をつつきながら
ニーナの帽子見立てたオレンジに感嘆する
空映すグラスがあんまり綺麗で見惚れ
ライラの精霊、俺も会ってみたいな
皆のグラス眺めては情景に胸が躍る
届いた驚き、揃いの鍵は5人の世界を
繋いで自由に遊びに行けるみたいだ
刻の粋な計らいずるい、…有難うな
少しでも此の世界を長く残したいから
カメラ片手に想い出の一頁を綴じて
勿論、菫にも、皆にもお裾分けさせてくれると嬉しい
また一つ増えた宝物に
幸せそうに鍵が揺れた気がした


ライラ・ユグドラシル
【nyx】

林檎ジュースに、青いシロップ
炭酸水を合わせたら、大好きな空の色
飾りには羽を象った、白い琥珀糖
契約している精霊のアステル様イメージだよ

ニーナのは鮮やかな色彩に、オレンジの帽子がぴったりで可愛いな
千鶴は優しい春の色。ふわりと漂う桜を見ていると、不思議と心が安らぐ
菫と同じ名前の花を思わせる、柔らかな色が綺麗。瞳の色とも一緒だね
刻のカクテルは静謐な雰囲気の中、浮かぶ椿の白と赤が印象的だ

美しく彩られたみんなのグラスを眺めながら、心ときめかせ
お揃いの鍵に顔を綻ばせる
みんなの世界を繋ぐ、素敵な贈り物をありがとう、刻

……ふふ。写真、楽しみ
空に沈めた鍵にそっと触れて
穏やかに流れる時間
幸せ、だな



 気侭な一人酒も良いのだけれど、だがそればかりだと少し寂しいからなと。
 飛白・刻(if・f06028)の誘いの声に導かれ、皆でやって来たのは、剣と魔法と竜の世界の酒場。
 いや、普段ならば、酒を酌み交わすにはまだ早い皆とは足を運ばない場所なのだけれど。
 ――雰囲気に酔うも悪くないだろう?
 此処は依頼斡旋も兼ねた、老若男女年齢に関係なく楽しめる冒険酒場。
 刻以外の未成年の皆は勿論酒こそ飲めずとも、共に楽しいひとときが過ごせるというわけである。
 そんなこの店の名物と言われているのが、イメージ通りのいろでグラスを満たしてくれるというカクテル。
 『レーゲンボーゲン』という虹の名を持つ酒場に相応しい飲物を提供してくれるのだという。
「いめーじかくてる、皆の彩り楽しみやわあ」
 ……いめーじかくてるって実際どんなやろ、と。
 君影・菫(マリオネテス・f14101)は、上品な菫簪挿した翡翠の髪と艶やかな着物の袖を揺らしながら、ふと首を傾けつつ。それぞれどんな彩りを皆が選ぶのか、それを思えば心も踊って。
「イメージを形に、って新鮮。試したこと無いし、ちょっとわくわくする」
 ――皆のいろ、楽しみ。
 そう瞳細める宵鍔・千鶴(nyx・f00683)に、ライラ・ユグドラシル(星詠・f01350)も頷く。
 イメージカクテルも気になるし。何より、みんなとお出掛けしたかったから。
 そして活気溢れた街を並んで歩き、見つけた虹色の看板の店の扉潜れば……そこは一等賑やかで、虹のいろに満ちた空間。
 客たちが乾杯するグラスには、その人それぞれのいろ。
 イメージカクテル……カクテル、ときょろり黄昏色の視線を巡らせて。
 ニーナ・アーベントロート(埋火・f03448)も、初めて訪れるバーに、そわそわおとな気分。
 それから案内された席に座って、オーダーを聞きに来た店主へと、それぞれのいろや味を伝えて。
 楽しく雑談を交わしていれば……魔法の様にあっという間にテーブルへと並べられるのは、グラスの中に彩られた5つの世界。
 菫は眼前の素敵な彩りたちに心躍ってしまう――だって、見回せばそれはまるで、煌めく宝石箱のようだから。
 そして自分の目の前にあるいろを見れば、それは。
「うちのね、記憶の色なんよ」
 桂花陳酒に、名前と同じ花の香漂うパルフェタムール。グレナデンシロップにピーチジュースを加えたその薄紫の杯に、ミントの翠を添えて。
 口付けすればきっと一等甘い、桃の味。
 そんな菫いろの世界はその彩りだけでなく、柔らかな馨しさを刻も感じて。
「菫と同じ名前の花を思わせる、柔らかな色が綺麗。瞳の色とも一緒だね」
「菫さんのは優雅な色と甘い香りで「らしさ」満載だよねー」
 ライラとニーナも、彼女らしいいろに大きく頷いて納得。
 千鶴も、菫や皆のグラス眺めては、そのグラスに満たされた情景に胸が躍る。
 そしてニーナのカクテルへと視線を移せば、まず目がいくのは、細めのサワーグラスがかぶっている輪切りオレンジの帽子。
 レモンスカッシュとパインジュースをブラッドオレンジジュースに合わせて。甘ーいけれど、でも色合いと炭酸でちょっとしゅわり刺激的に。
「ニーナのは鮮やかな色彩に、オレンジの帽子がぴったりで可愛いな」
 ライラの言葉に、着飾る帽子が鮮やかな彩を引き立てていると刻も同意して。
 菫と千鶴もそのアイディアに、ほうと感嘆し魅入ってしまう。
 そんなニーナの鮮やかな橙の色合いとは、また全く雰囲気が違う空のいろ。
「契約している精霊のアステル様イメージだよ」
 ライラのグラスに満ちるのは、思わず見惚れてしまう程に澄み渡った空のいろ。
 林檎ジュースに青いシロップ、煌めく泡が弾ける炭酸水を合わせたら――ライラが大好きな、空の色。
 そんな空で満ちたグラスを飾り羽ばたくのは、羽を象った白い琥珀糖。
「ライラさんの精霊さんは、青空みたいに綺麗なんだろうなぁ」
「ライラの精霊、俺も会ってみたいな」
 ニーナや千鶴と共に、菫もその空色を覗き込んで。精霊さんもやはり気になる存在。
 刻も、精霊が心地良さそうに泳ぐ空を見遣り、藍色の瞳を細める。
 それから、はらりひらり。刻のグラスに満ちる透明な世界に浮かぶは、白椿と赤椿のひとひら。その底には静かなる蒼が沈む。
 ――いつか。沈む季節と向き合えるようにと秘めやかに。
 そして千鶴も、眼前の己の世界を見ては想い出す。いつかの桜月夜を。
 ピンクグレープフルーツとエルダーフラワーシロップが春を告げ、そのいろに浮かぶのはオリーブと桜。
 浮かんだ花弁をつんつん突く千鶴のグラスへと視線映した刻がどこか感じるのは、懐かしさ。それは、宵の桜と月の逢瀬のいろ。
「ちぃは桜で、刻は椿」
 ……浮かんだ花に視線が攫われてまう心地。
 菫は、ふたつの彩りを飾るそれぞれの華を見遣って。
「刻のカクテルは静謐な雰囲気の中、浮かぶ椿の白と赤が印象的だ。千鶴は優しい春の色。ふわりと漂う桜を見ていると、不思議と心が安らぐ」
 同じ花揺蕩う世界でも、ふたつの景色はまた印象が違うと。ライラも視線を巡らせればそれぞれのいろに魅入ってしまう。
「千鶴くんのグラスの中、夜桜が咲いて春が来てる!」
 ニーナも思わず声を上げてしまうほど美しい、千鶴のグラスに揺れる春の宵のいろ。
 そして、今度はその黄昏が紅白の椿を映した――その時だった。
「紅白の椿がブルーを引き立てる刻さんのも……ってもしかして、そのマドラー!」
 スッと店主が刻に告げられた通り、それぞれのグラスに最後に添えたのは――5つの世界の扉を開き繋ぐ鍵。
 そう、nyxをイメージした鍵モチーフのマドラー。
「折角皆で来たのだからな」
「素敵なサプライズすぎるよ……ありがとう」
「みんなの世界を繋ぐ、素敵な贈り物をありがとう、刻」
 美しく彩られた皆のグラスに、お揃いの鍵。
 心ときめかないわけがないと、顔を綻ばせるニーナとライラ。
「五つの世界をひとつに繋いでくれるの嬉しいなあ」
 刻ありがとお、と。
 まるで幼子みたいに、菫が無邪気に喜んでしまうのも当然だろう。
「繋いで自由に遊びに行けるみたいだ」
 ――刻の粋な計らいずるい。
 そう千鶴は言った後、続ける……有難うな、って。
 それから、少しでも此の世界を長く残したいから……そうふと手にしたカメラを、5つの繋がった世界へと向ければ。
「……! 写真、ええ案やね。ちぃ、うちにも後で分けてなあ」
「勿論、菫にも、皆にもお裾分けさせてくれると嬉しい」
 ぱしゃりとシャッターが切られれば、綴じられる想い出の一頁。
 それはまたひとつ増えた、虹色の宝物。
 揃いの鍵、皆の色、そして紡ぐ会話。菫はそんなひとときを楽しみながら、その心に思う。
 ――そのどれにも、綴られた写真にだって……弾む心はきっと隠せへんの、って。
「……ふふ。写真、楽しみ」
 空に沈めた鍵にライラがそっと触れれば、ゆうらり揺らめく、優しいいろ。
 そして穏やかに流れる時間に、思わず自然と零れ落ちる……幸せ、だな、って。
 並んだ5つの鍵と、5つの世界……それは違うけれど、お揃い。
 ニーナも、きらきらした思い出を写真に閉じ込めるのを見守りつつも、未来の約束を。
 ……また皆で行きたいね、って。
 瞬間、千鶴には、幸せそうに鍵が揺れた気がして。刻も小さく揺れた五音の鍵音と共に、褪せぬ想いごと写真に綴じながらその心に思うのだった。
 ――また。こんな酔い方をしたいものだと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸迎櫻館
アドリブ歓迎

カクテルってきらきらして宝石のようで好きなのよ!
あたし、お酒だーいすき!
どんなのにしようかしら……リ、リル
何よその……
ノンアルコールにするわ!
そんな白雪と千織まで、疑わないでっ
でもちょっとくらいいいわよね?(なんて、ロキの方をちらり
痛い!ヨル!

あたしはそうねぇ
櫻宵だから、桜と――蒼空のカクテルかしら?
夜ではなくて、昼間なのよ
私は宵に誘う桜なの
あたしもあまーいのがいい!甘くて蕩けるあいのようなカクテルを頂戴な

あら本当!皆のも綺麗だわ!
海に森に空に―世界がここにあるみたい
並べてお写真撮りましょう
折角だもの
良く似合うわと微笑んで
新しい発見もあって楽しいの

乾杯と一緒に
ほら、笑って


リル・ルリ
🐟迎櫻館
アドリブ歓迎

わぁ!これが、かくてるというの
僕は初めて見たよ
お酒は……櫻!!絶対飲んだらダメなんだからな!だ、ダメだよロキ、櫻に飲ませたら!
ヨル、しっかり櫻宵を見張ってるんだ
飲もうとしたら頭突きだ。

でもお酒は美味しそうで、まだ飲めぬこの身が少しもどかしい
僕もお酒のかくてるで千織や終夜達とも乾杯をしたかったな

僕はね
モチーフ、と考える
なんだろう…そうだ――湖底の水槽にしよう
薄暗い青と黒の世界
水葬の街を切り取って注いでもらう
静謐の棺の様な其れに、揺蕩う泡にきっと歌が重なるよ
味は――甘くも辛くもないすうと透き通る炭酸だ

皆のもどんな物語があるのか聞きたいくらい
写真にはヨルを抱っこして笑顔で映るよ


鶴澤・白雪
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

カクテルって色んなものを混ぜたお酒よね?
ノンアルコールなら未成年も飲めるのね
だったら楽しめそうだわ

ちょっと、櫻宵に呑ませるなら責任取って介護しなさいよ

リルの意見には同意よ
千織や終夜達とお酒が飲めたらもっと楽しいだろうから

作って欲しいカクテルのイメージを伝えたらいいのね

そうね……海ってできるかしら?
暗い深海、エメラルドの浅瀬、色んな表情がある水の世界
海蛍が輝いて青い星が浮かんでいたらもっと素敵だと思うわ

朝焼けの森に青空、夜、月夜に湖……
青系のカクテルが沢山並びそうね

どんな完成になるのかしら
みんなのカクテルもどう仕上がってくるのか気になるわね

あら、写真撮るの?
はいはい、乾杯


橙樹・千織
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

カクテルは色も香りも味も様々で不思議ですよねぇ
ふわりと微笑み、尻尾はゆるりゆらり

ノンアルコールもあると皆さんで楽しめるのが嬉しいですねぇ
私は折角ですし、お酒でお願いしましょう
尻尾が機嫌良くひょこひょこ
ふふふ、お酒美味しいですからねぇ
私で良ければ喜んでご一緒しましょう

櫻宵さん…
まぁ、もしもの時は私達もいますからねぇ
櫻宵さんとリルさんを見て苦笑しつつ

モチーフはそうですねぇ
朝焼けの桜の森でしょうか
朝露が華と一緒に輝いてとても綺麗なのですよ

ヴォルフガングさんの苺のも美味しそうですねぇ…

どれも素敵なカクテルになりましたねぇ
見ているだけで楽しくなります

写真はそっと微笑んで


空・終夜
・迎櫻館
アドリブ可

カクテルは、甘い飲み物…か?
お酒は慣れていないが挑戦…
眠い目を擦りながらもカクテルに興味津々

ん…目開いてるぞ、ロキ…ほら
…あ…少し、零れ…た
櫻宵と千織はお酒が好き、か…?沢山楽しまないと損だ…
リルと白雪とは青が一緒だ。水…海のモチーフか…?
悠里の月と蝶も綺麗だ…な

カクテルは…
俺は昼寝好き
ぽかぽかな青空
白く射しこむ陽の中で昼寝をする
空の青と
陽ざしや雲の白があると…俺らしいか?
空に昼寝してるような感じがいい
味は、うんと甘くしてくれ

…乾杯
同じカクテルを手に持ってる事だし
ほら…グラスを高く持って乾杯しよう
そうして写真も撮れたら…きっと素敵だ
ん…ヴォルフガングも一緒に映るぞ
仄かに微笑む


ロキ・バロックヒート
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

へぇ、これは皆のカクテル見るのが楽しみだねぇ!
櫻宵ちゃんもアルコール入れない?
本当は飲みたいくせにー我慢しなくていいよぉ?
介護?勿論してあげるけど
ヨルちゃんに怒られたね、あはは

終夜くん起きてるー?カクテル零しちゃうよ、ふふ
あ、俺様も零しそうだったあぶなーい
千織ちゃんもお酒好きそうだね、今度飲む?

モチーフは夜
くらい空に仄かに輝く月がひとつ落ちる
たまーにある星が見えない夜空、静かで結構好きだよ
味はぴりっと辛口にしようかなぁ
甘味の子が多いみたいだからあえてこっち

たしかに悠里くんのと似てるねぇ
白雪ちゃんのとか綺麗ー
ヴォルフのは趣味合っててけっこー好きかも
写真撮るならぴーすしちゃう


ヴォルフガング・ディーツェ
【迎櫻館】
皆でカクテル、楽しみだね
身分証提示→偽造疑いのコンボの心配も要らないのも助かる…

俺はね、そだね
熟し過ぎた位の苺を擂り潰して、そこにスパークリングワインとストロベリーリキュールで
噎せ返りそうな甘さが本懐、朽ち掛けてからこそ生の意味が問われるモノだ。…嗚呼、勿論カクテルの話だよ?

ホント、白雪が言う様に皆のグラスに個性が出るね!
悠里のモチーフは綺麗だね

櫻宵が酒好きなのは知ってたけど、意外と千織もイケる口だね?
大丈夫リル、潰れたら俺が彼の酒抜くから。方法は秘密!(良い笑顔)

嗚呼ほらほら、終夜もロキも集中しないと折角のカクテル零れるよ?
でも写真は良いね、俺も混ぜてー!乾杯に倣って、満面の笑みで


水標・悠里
【迎櫻館】アドリブ歓迎
かくてる、とは初めてですね。甘いのですか?
飲み物だと伺いましたが、どのようなものか今から楽しみです
お酒はほどほどになさってくださいね

私はノンアルコールで
完成していくカクテルをみて、美しさと色とりどりの鮮やかさを楽しみ
それぞれの人柄を想起させるような色彩を目に焼き付けていく

注文は蝶と月、そして青
ずっと共に居るこの蝶は好き
静かな月夜と、恐らく青い色も
好きなものを詰め込んで閉じ込めて、グラスの中に閉じ込められれば
甘さは控えめ、静かな見た目で炭酸の弾ける刺激とぴりっと辛口だと面白いと思いまして

ロキさんと似ている、でしょうか
終夜さんの空も白雪さんの海も違った青でとても綺麗ですね



 満開桜の導きを辿って降り立った世界は、剣と魔法と竜の世界。
 そして賑やかな街を皆でわいわい並んで歩き、訪れた酒場の扉を開けば。
 店内に満ち溢れているのは、たくさんのいろや人々の笑顔。
 まさに『レーゲンボーゲン』その名の通り、虹の様な楽しくて鮮やかな彩り。
 そんな虹色の酒場が、名物として謳うもの。それは――。
「わぁ! これが、かくてるというの。僕は初めて見たよ」
 リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)がぐるり巡らせる薄花桜のいろに、キラキラと映る煌めき。
 それは、思い描くいろが魔法の様にグラスへと注がれてゆく、イメージカクテル。
 その味は一体、どんなものなのか。
「かくてる、とは初めてですね。甘いのですか?」
 水標・悠里(魂喰らいの鬼・f18274)はそっと首を傾げながらも、リルの視線を追って。
 飲み物だと伺いましたが、どのようなものか今から楽しみです……そう未知のいろや味に、密かに興味深々。
 そんな悠里の声を耳にして、同じ様にこてんと首を傾けるのは、空・終夜(Torturer・f22048)。
「カクテルは、甘い飲み物……か?」
 ――お酒は慣れていないが挑戦……。
 とろんとした眠い目を擦りながらも、グラスを彩り煌めくカクテルに、やはり終夜も同じく興味津々。
 そんなカクテルを珍しそうに見つめる皆に、ふわり微笑みながら。
「カクテルは色も香りも味も様々で不思議ですよねぇ」
 ゆるりゆらりとふわふわ尻尾を揺らすのは、橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)。
 鶴澤・白雪(棘晶インフェルノ・f09233)も、周囲の人たちが手にしているグラスのいろをレッドスピネルの輝きに重ねながら。
「カクテルって色んなものを混ぜたお酒よね? ノンアルコールなら未成年も飲めるのね」
 ……だったら楽しめそうだわ、と。
 年齢関係なく皆で満喫できるカクテル作りに、紅の瞳を細める。
「皆でカクテル、楽しみだね」
 ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)も白雪の言葉に頷いてから。
 周囲を見回し、老若男女誰もがカクテルを楽しんでいる様子に、そっとホッと呟きを零す。
「身分証提示からの偽造疑いのコンボの心配も要らないのも助かる……」
「いやぁほら、ヴォルフはその見た目で実は……って、誰でもびっくりするでしょー」
 ヴォルフガングの実年齢と見目のギャップの大きさに、ロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)はそう笑ってから。
 細めた蜂蜜色の瞳に映すのは、酒場を楽しんでいる客たちのグラスに注がれたとりどりのいろ。
「へぇ、これは皆のカクテル見るのが楽しみだねぇ!」
「カクテルってきらきらして宝石のようで好きなのよ!」
 ――あたし、お酒だーいすき!
 虹の彩りに負けない、一等キラキラな笑みを宿すのは誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)。
 どんなのにしようかしら……と、そわそわウキウキ、桜霞の視線を巡らせるけれど。
「お酒は……櫻!! 絶対飲んだらダメなんだからな!」
「……リ、リル。何よその……」
「櫻! お酒はダメだぞ。ちゃんと近くでみてるんだから!」
 びしっとリルに念を押されて、うっと言葉に詰まった後。
「ノンアルコールにするわ!」
 そう、こくりと決意する様に宣言する櫻宵。
 けれど、そんな櫻宵に囁かれるのは、ロキの甘い誘惑の言の葉。
「櫻宵ちゃんもアルコール入れない?」
 ――本当は飲みたいくせにー我慢しなくていいよぉ?
 そうにこにこ笑まれ誘われれば、心なしか櫻宵の瞳が泳ぐけれど。
「櫻宵さん……まぁ、もしもの時は私達もいますからねぇ」
「ちょっと、櫻宵に呑ませるなら責任取って介護しなさいよ」
 櫻宵とリルを交互に見て苦笑する千織の隣で、ロキへと視線を移す白雪。
「介護? 勿論してあげるけど」
「そんな白雪と千織まで、疑わないでっ」
 ノンアルコールにするって言ってるじゃない……とふるり、櫻宵は首を横に振るも。
 ……でもちょっとくらいいいわよね? なんて。
 さり気なく、ロキの方をちらり。
 でも、リルがそんな様子を見逃すわけはなく。
「だ、ダメだよロキ、櫻に飲ませたら!」
 ……酒癖が、だめなんだから!
 一口も飲ませるわけにはいかない、と頑として立ちはだかって。
「ヨルも、しっかり櫻宵を見張ってるんだ。飲もうとしたら頭突きだ」
 リルの声にこくり、ヨルが頷いた瞬間。
「痛い! ヨル!」
「ヨルちゃんに怒られたね、あはは」
 えいっと早速ヨルに頭突きされて涙目になる櫻宵と、その様を見て楽し気に笑うロキ。
「お酒はほどほどになさってくださいね」
 悠里は皆の様子をほんわか眺めつつ、櫻宵にそう声を掛けて。
「大丈夫リル、潰れたら俺が彼の酒抜くから」
 むぅ、とまだ警戒した眼差しを櫻宵へと向けているリルへと、ヴォルフガングはびしいっと良い笑顔でサムズアップ!
 ……方法? それは秘密です!
 そんな櫻宵が宣言通り、お酒の誘惑に打ち勝てるかどうかはともかく。
「ノンアルコールもあると皆さんで楽しめるのが嬉しいですねぇ。私は折角ですし、お酒でお願いしましょう」
 嬉しそうな笑みと同時に、機嫌良く尻尾がひょこひょこ。
 そんな千織の反応に、ヴォルフガングやロキ、終夜は目を向けて。
「櫻宵が酒好きなのは知ってたけど、意外と千織もイケる口だね?」
「千織ちゃんもお酒好きそうだね、今度飲む?」
「櫻宵と千織はお酒が好き、か……? 沢山楽しまないと損だ……」
「ふふふ、お酒美味しいですからねぇ。私で良ければ喜んでご一緒しましょう」
 交わされるのは、楽しいお酒のお誘いと約束。
 櫻宵も、あたしも! と言いかけるけれど。
 じーっと見つめるリルとヨルの視線に、今はお口を閉じておくことに。
 そんな櫻宵を見張りつつも、リルはぽつりと呟きを零す。
「僕もお酒のかくてるで千織や終夜達とも乾杯をしたかったな」
 櫻宵には飲ませるわけにはいかないけれど、でもお酒は美味しそうで。
 まだ飲めぬこの身が少しもどかしい……そうちょっぴりしょぼんとしちゃうけれど。
「リルの意見には同意よ。千織や終夜達とお酒が飲めたらもっと楽しいだろうから」
 白雪はリルの声に頷いた後、小さく笑む。
 でもお酒でなくても一緒に楽しめるわ、って。
 そしてオーダーを聞いてきた店主へと、それぞれのイメージを伝える。
「あたしはそうねぇ。櫻宵だから、桜と――蒼空のカクテルかしら? 夜ではなくて、昼間なのよ」
 ――私は宵に誘う桜なの。
 そうふふっと櫻宵が桜霞の瞳を細めれば。
 終夜が告げる空はまた、違ったいろ。
「カクテルは……空の青と陽ざしや雲の白があると……俺らしいか? 空に昼寝してるような感じがいい」
 ぽかぽかな青空の下、白く射しこむ陽の中で昼寝をする――昼寝が好きな彼らしい空のいろ。
 そしてそんなふたつの空の味は。
「味は、うんと甘くしてくれ」
「あたしもあまーいのがいい! 甘くて蕩けるあいのようなカクテルを頂戴な」
 うーんと蕩ける様に、一等甘いものをと。
 そして甘い空もあれば、ぴりっと辛口な味の空も。
「たまーにある星が見えない夜空、静かで結構好きだよ。味はぴりっと辛口にしようかなぁ」
 ――甘味の子が多いみたいだからあえてこっち、と。
 ロキが選んだモチーフは、夜。
 くらい空に仄かに輝く月がひとつ落ちる……静かに冴えわたる昏い夜を。
 悠里も、好きなものを詰め込んで閉じ込めたような……そんなひとつの空を望む。
「注文は蝶と月、そして青。甘さは控えめ、静かな見た目で炭酸の弾ける刺激とぴりっと辛口だと面白いと思いまして」
 ――ずっと共に居るこの蝶は好き。静かな月夜と、恐らく青い色も。
 だからそれを全部一緒に、グラスの中に閉じ込められればと。
 沢山の空、そして様々ないろに揺れる水面。
 モチーフ、とリルは少し考えてから。
「僕はね、なんだろう……そうだ――湖底の水槽にしよう。薄暗い青と黒の世界。味は――甘くも辛くもないすうと透き通る炭酸だ」
 ――静謐の棺の様な其れに、揺蕩う泡にきっと歌が重なるよ。
 リルが切り取って注いでもらいたいと望むそのいろは、水葬の街のもの。
「作って欲しいカクテルのイメージを伝えたらいいのね。そうね……海ってできるかしら?」
 暗い深海、エメラルドの浅瀬……色んな表情がある水の世界。
 白雪は、そんな様々ないろを湛える海を所望して。
「海蛍が輝いて青い星が浮かんでいたらもっと素敵だと思うわ」
 満天の如き煌めきも、そのいろに加えて貰う。
「俺はね、そだね……熟し過ぎた位の苺を擂り潰して、そこにスパークリングワインとストロベリーリキュールで」
 ヴォルフガングは皆の空や海のいろを聞いた後、また全く違った、深い赤の世界を紡いで。
 ――噎せ返りそうな甘さが本懐、朽ち掛けてからこそ生の意味が問われるモノだ。
 そう、紡ぐ世界と同じいろをした瞳を、そっと細めるけれど。
「……嗚呼、勿論カクテルの話だよ?」
 すぐに、くすりと笑んでみせる。
「ヴォルフガングさんの苺のも美味しそうですねぇ……」
 千織はヴォルフガングのオーダーを聞いて言った後。
 己のカクテルのモチーフにと、また皆とは違った景色を選ぶ。
「朝焼けの桜の森でしょうか。朝露が華と一緒に輝いてとても綺麗なのですよ」
 グラスの中に皆が描き出す、それぞれのいろ。
 リルはそんな皆のいろにどんな物語があるのかと、心躍る様に耳を傾けて。
「朝焼けの森に青空、夜、月夜に湖……青系のカクテルが沢山並びそうね」
 ――どんな完成になるのかしら、と。
 みんなのカクテルの仕上がり気になる白雪。
「ホント、白雪が言う様に皆のグラスに個性が出るね!」
 ヴォルフガングも白雪の言葉に頷きつつも。
「悠里のモチーフは綺麗だね」
 それぞれの人柄を想起させるような色彩を目に焼き付けるかのように。
 マスターが注いでいくその美しさと色とりどりの鮮やかさを見て楽しんでいる悠里に笑む。
 そして――ずらり眼前に並べられるのは、グラスの中に創られた、様々ないろの世界。
「どれも素敵なカクテルになりましたねぇ。見ているだけで楽しくなります」
「あら本当! 皆のも綺麗だわ! 海に森に空に――世界がここにあるみたい」
 それぞれがイメージした、好きないろ。
 そんないろを互いに見つめ眺めるだけでも、とても楽しい。
「たしかに俺様のと悠里くんの似てるねぇ。白雪ちゃんのとか綺麗ー。ヴォルフのは趣味合っててけっこー好きかも」
「ロキさんと似ている、でしょうか。終夜さんの空も白雪さんの海も違った青でとても綺麗ですね」
「リルと白雪とは青が一緒だ。水……海のモチーフか……? 悠里の月と蝶も綺麗だ……な」
 そう微睡んだ様に言った終夜に、ロキは笑みながらも蜂蜜色の視線を向けて。
「終夜くん起きてるー? カクテル零しちゃうよ、ふふ」
「ん……目開いてるぞ、ロキ……ほら」
 ……あ……少し、零れ……た。
 ぽかぽかな青空がゆうらり揺れて、ちょっぴりだけぱしゃんと零れ落ちる。
 そんな様子に笑ったロキの、ただレモンピールの月だけが浮かぶ空も同じく、くらり。
「あ、俺様も零しそうだったあぶなーい」
「嗚呼ほらほら、終夜もロキも集中しないと折角のカクテル零れるよ?」
 ヴォルフガングも手元の赤を滴らせぬよう尻尾をそろりと揺らしつつも、年長者らしく笑んでから。
「並べてお写真撮りましょう。折角だもの、良く似合うわ」
 ――新しい発見もあって楽しいの。
 そう微笑む櫻宵に、皆も賛成!
 同じ写真に映るその姿も、皆それぞれ。
 ほら、笑って、と一等美しく桜咲かせる櫻宵の隣で、リルも抱っこしたヨルと一緒にふわり笑顔を。
「あら、写真撮るの?」
 はいはい、乾杯……そう小さく笑みグラスを掲げる白雪の隣で、千織もそっと微笑んで。
「同じカクテルを手に持ってる事だし、ほら……グラスを高く持って乾杯しよう」
 ……乾杯、と。終夜もグラスを高く上げながら思う。
 そうして写真も撮れたら……きっと素敵だ、と。
 そしてちらりとヴォルフガングへと眠そうな瞳を向けて。
「ん……ヴォルフガングも一緒に映るぞ」
「写真は良いね、俺も混ぜてー!」
 乾杯に倣って満面の笑みを宿すその隣で、ロキもぴーす!
 そして改めて、皆で一緒に……せーので、乾杯!
 そんなひと声と一緒に――全員のいろを今度は、1枚の写真の中にぱしゃり、閉じ込める。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アテナ・アイリス
【KOR】名前の呼び方は「名前」呼び捨て。

精霊のたまごと聞いたら、行くしかないでしょ!
どんな精霊に会えるか楽しみだわね。

あら、感じのいいお店ね。マスター、わたしの好きなイメージのカクテルとおつまみをお願いね。そうね、ピンク色の蝶が夜空に羽ばたいている感じのカクテルがいいわね。
自分でも作ってみたいから、作るところをじっと見ているわよ。

その後、カクテルを手にみんなと歓談しながら、自分が持っている精霊について得意げに説明を始める。
「家の手伝いはブラウニーがしてくれるし、わたしは様々な種類の精霊王を呼び出すことだってできるのよ。だから新しい精霊が見れるのがとっても楽しみなの。うふふっ。」


薄荷・千夜子
【KOR】
名前の呼び方は「名前+さん」

酒場のカクテルってなんだか大人な雰囲気…!
まだアルコールはダメなのでアルコールなしのを選ばないとですね
お酒は詳しくないので皆さんの話も聞きながら
私は緑色のカクテルがいいですね
チョコとかミント絡みのものがあればばっちりですが…
へぇ、ミントとカカオを混ぜたものがあるんですか!?とグラスホッパーの話を聞いて目を輝かせて

皆さんのも色のイメージもぴったりですね!
出来上がったカクテルを興味深げに眺めて、交換している方々も楽しそうで微笑ましく
せっかくですので皆で乾杯して飲みませんか?

乾杯と声を合わせてカクテルを一口飲めば甘さに顔を綻ばせて
色も味も素敵ですね!


木常野・都月
【KOR】

精霊のたまごがあると聞いた。
精霊術師の端くれとしては、精霊が生まれる瞬間を見てみたいと思う。

まずは、かくてる、だな。
賢い電話シシリーさんに聞いて調べたら、飲み物を混ぜて飲む飲み物、らしい。

俺は狐としては成体だけど…
妖狐だとまだ未成年らしい。
アルコールは無しで。

俺のイメージ?
黒狐だから黒?黒ジュース?
黒い果実なんて俺知らないぞ…

え、花屋敷さん、コーラとメロンソーダを混ぜると黒になるんですか!?
そんな手があるんですね!

そしたら、そんな感じの黒い飲み物?を頼みたい。
ダブルシュワシュワ?の飲み物だし、楽しそうだ。

そしたら皆で、かんぱーい!

旅団の皆の話を興味津々で聴きながら、料理も楽しみたい。


花屋敷・幽兵
【KOR】
酒場か。会議というより心が躍るな。
俺は黒ビールにコーラを混ぜて…「トロイの木馬」だ。カッコいいだろう。
これに茹でたブルストを合わせていけばまさに最強のふたり。どうだいオクさん。
都月は良く分からないか?ハッハ、そこにあるメロンソーダとコイツを
混ぜると黒っぽくなるぞ(悪い笑み)黒緑だがな。
アヤネと冬青は何時も通りだな。アヤネカクテルってなんだ。アテナは精霊に自信ネキか。知らない世界だからよく聞いとこう。
ちょこはグラスホッパーが気に入ったのか、バッタとは関係ないからな?
サクラコはピンクをアテナに取られたが、違う色にするか、被せていくか?
この後もあるから酔わない様にしないと…俺にな(?)


城島・冬青
【KOR】

アドリブ◎

オリジナルカクテル!
ときめきますね
でも私は未成年なんでノンアルで

自分のカクテルを頼むんで飲むのもいいけど
誰かと交換して飲んでみるのもいいかも?
あの、アヤネさん
カクテルを交換して飲んでみませんか?
えへへ!アヤネさんのカクテル楽しみです

みんなのカクテルがとても綺麗
よければ写真を撮ってもいいですか?(許可が貰えたらスマホで撮影)
私とアヤネさんのカクテルも二つ並べてパシャリ
幽兵さん、尊いってなんです…?
乾杯して一口ごくり
甘くて美味しい
大人になったらアルコールが入ったちゃんとしたカクテルを飲みに来ましょうね!

・冬青カクテル
白い花の形をしたラムネが浮かんだ柑橘系のカクテル
甘酸っぱい


日隠・オク
【KOR】
幻の依頼、お受けします
精霊のたまごも見てみたいです
まずは酒場、で(きょろきょろしつつ
イメージカクテル、頼んでみたいです
はい、大人な雰囲気です
私のイメージの、カクテル?をいただけるんですね
外見で髪が藍で耳が白いので、藍に白色が入った感じのものとか、頼めるんでしょうか

すごい、色んな色、色んな模様?のものが作れるんですね
本当にみんなのイメージになってるのが不思議です

精霊呼び出せるんですか、すごいです

その、なんだかこう、悪という感じでかっこいい気もします幽兵さん!

写真もどうぞです!記念ですね

みんなで乾杯、です


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
精霊って卵生なのネ
生態が気になるから
ぜひ見たい

イメージカクテルか
僕のイメージってどんな感じだろうネ?ソヨゴ

アテナとユーヘイ以外は僕を含めて未成年だネ
ノンアルで頼むよ

交換?もちろん喜んで!
まずは自分のと並べて撮影
くっかわいい
ソヨゴっぽい

みんなで乾杯しようか

ではいただいちゃうネ
うん
酸味が感じられて爽やかな感じだネ!

ユーヘイの生暖かい視線は無視無視

そうだネ
5年後くらいに二人で行こう

精霊の生態についてアテナやツヅキの話を聞くよ

・アヤネカクテル
緑色と青が混じり合わずに二層になったカクテル
添え物などはおまかせ
シロップのように甘い


鏡彌・サクラコ
【KOR】
精霊のたまご!
あたためれば孵るのですかねい?
鳥の卵じゃなくてカエルっぽかったりするのかも?
想像が捗るでいす

まずはお客としてお店を訪れるといたしましょう

サクラコは桜イメージのカクテルを頼むでいす

アテナさまはさすが本場のエルフさん
経験値の差を感じますねい

都月さまは精霊術士!
こちらもプロでした

千夜子さまとかんぱーい!
なんか大人気分ですねい

アヤネさまと冬青さまの様子はそっと見守り

幽兵さまはあまり飲みすぎないようにしてくださいませ

オクちゃんと並んで座って楽しみます

店主さんに精霊のたまごについて伺います
噂を聞きつけて参りましたが
本当ならぜひその依頼お受けしましょう!



 賑やかな『レーベン』の街を歩きながら、話題に上るのはやはりこの事。
「精霊のたまごがあると聞いた。精霊術師の端くれとしては、精霊が生まれる瞬間を見てみたいと思う」
「精霊のたまごと聞いたら、行くしかないでしょ! どんな精霊に会えるか楽しみだわね」
 そう、この街が『精霊が生まれる街』と呼ばれている所以――精霊のたまごの噂。
 精霊という存在に普段から馴染みの深いアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)や木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が興味を惹かれるのは勿論のこと。
「精霊のたまご、見てみたいです」
「精霊のたまご! あたためれば孵るのですかねい?」
 わくわくした様子の日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)に、ふと鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)が首を傾げれば。
「精霊って卵生なのネ。生態が気になるから、ぜひ見たい」
 生態学的な好奇心を擽られているのは、アヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)。
 ただでさえ幻想的な生物が誕生する瞬間を目にすることができる機会は、とても貴重かもしれない。
 そもそも、精霊のたまごとは一体どういうものなのか。 
「鳥の卵じゃなくてカエルっぽかったりするのかも?」
 想像が捗るでいす、とサクラコもオクと顔見合わせ、一緒にわくわく。
 けれどまず向かうのは、精霊が孵るという『迷いの森』ではなく――街で一番大きな酒場『レーゲンボーゲン』。
 この店はただの酒場ではない。冒険者に依頼を斡旋する、冒険酒場でもあるのだ。
 予知によれば、まずはこの店で、精霊のたまごに関する依頼を請ける必要があるという。
「まずはお客としてお店を訪れるといたしましょう」
 サクラコは虹色の看板が目を惹く酒場を見つけ、あの店でいす、と皆を促して。
 扉を開き潜れば――人々の声で賑やかな、色とりどりの店内。
「あら、感じのいいお店ね」
「酒場か。会議というより心が躍るな」
 案内された大きなテーブルに皆で座りながら、アテナの言葉に花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)もこくりと頷いて。
 都月は店の客たちの多くが頼んでいるカラフルなグラスを見ながら、ふと手にするのは、賢い電話シシリーさん。
「まずは、かくてる、だな」
 この店の名物は、イメージカクテルという飲み物らしいが。
 何とか使いこなすべく懸命にしゅっしゅと、賢い電話にその詳細を聞いて調べてみれば。
「飲み物を混ぜて飲む飲み物、らしい」
 カクテルがどういうものなのか、無事に教えて貰えました。
「酒場のカクテルってなんだか大人な雰囲気……!」
 ちょっぴりドキドキ、でもそれ以上にわくわくしたように周囲を見回すのは、薄荷・千夜子(羽花灯翠・f17474)。
 酒場といえば、文字通り、お酒を飲む店。なので本来は、訪れる機会なんてないのだけれど。
 冒険酒場も兼ねているノンアルコールのものも扱っている酒場だから、今回は特別。
「はい、大人な雰囲気です。イメージカクテル、頼んでみたいです」
 オクも慣れぬ雰囲気にきょろきょろ緑色の視線を巡らせつつ、千夜子の言葉にこくこく。
「オリジナルカクテル! ときめきますね」
 城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も、琥珀色の瞳をキラキラ輝かせるけれど。
「でも私は未成年なんでノンアルで」
 注文するのは勿論、ノンアルコールのもの。
「アテナとユーヘイ以外は僕を含めて未成年だネ」
 アヤネもそんな隣の冬青の言葉にこくりと頷いて。
「イメージカクテルか。僕のイメージってどんな感じだろうネ? ソヨゴ」
 ふと、そう首を傾けて考えてみる。
 そんな皆へと声を掛けてきたのは、愛想の良いこの店のマスター。
「皆さん、どのようなカクテルを作るかお決まりですか?」
「マスター、わたしの好きなイメージのカクテルとおつまみをお願いね」
 まず、お姉さんらしくさらりとそうオーダーしたのは、アテナ。
 それからそっと金のアンダーポニーテールを揺らし首を微かに傾けながら、続ける。
「そうね、ピンク色の蝶が夜空に羽ばたいている感じのカクテルがいいわね」
 自分でも作ってみたいから、マスターが作るところもじっと見ていたいところ。
「私のイメージの、カクテル? をいただけるんですね」
 オクも、隣に並んで座るサクラコと顔を見合わせながらも。
「サクラコはピンクをアテナに取られたが、違う色にするか、被せていくか?」
 何気にそう気になる様子の幽兵に見守られつつも、それぞれ希望するいろをマスターへ。
「外見で髪が藍で耳が白いので、藍に白色が入った感じのものとか、頼めるんでしょうか」
「サクラコは桜イメージのカクテルでお願いしますでいす」
 お酒やカクテルについて詳しくない千夜子はそんな皆のオーダーを聞きながら、自分の分もお願いしてみる。
「私は緑色のカクテルがいいですね。チョコとかミント絡みのものがあればばっちりですが……」
「それでしたら、グラスホッパーという、カカオとミントと生クリームで作る、デザート感覚で飲めるカクテルがありますね。ノンアルコールでご提供できますよ」
「へぇ、ミントとカカオを混ぜたものがあるんですか!?」
 大好きなチョコミント風のカクテルがあると聞いて、緑色の瞳を一層輝かせる千夜子を見て、うんうんと頷く幽兵。
「ちょこはグラスホッパーが気に入ったのか、バッタとは関係ないからな?」
 一応名前の由来はそこからきているようですが、チョコミント風のカクテルです!
「俺は狐としては成体だけど……妖狐だとまだ未成年らしい」
 都月もアルコール無しのものを頼むべく、自分のイメージを考えてみるけれど。
「俺のイメージ? 黒狐だから黒? 黒ジュース?」
 黒い果実なんて俺知らないぞ……と困り顔。
 けれど、そんな時は幽兵にお任せ……!?
「都月は良く分からないか? ハッハ、メロンソーダとコーラを混ぜると黒っぽくなるぞ」
 黒緑だがな、と悪い笑みなのは、気になりますけれど。
 だが都月は、そんな悪い笑みも何のその。
「え、花屋敷さん、コーラとメロンソーダを混ぜると黒になるんですか!?」
 ……そんな手があるんですね! と。
 目から鱗かのように、黒狐のお耳をピンと立てて。
「そしたら、そんな感じの黒い飲み物? を頼みたい」
 ……ダブルシュワシュワ? の飲み物だし、楽しそうだ、と。
 尻尾も素直に、わくわくゆうらり。
 そんな幽兵は、では何を頼むのかというと。
「俺は黒ビールにコーラを混ぜて……『トロイの木馬』だ。カッコいいだろう。これに茹でたブルストを合わせていけばまさに最強のふたり」
 ――どうだいオクさん。
 そう、どやぁっとキメ顔をすれば。
「その、なんだかこう、悪という感じでかっこいい気もします幽兵さん!」
 ……何だかよく分からないけれど、悪っぽい感じかも!
 オクは瞳をぱちくりさせながらも、ぐっと拳を握って頷いてあげる。
 それから一緒にカクテルをお願いするのは、冬青とアヤネ。
「えっと、じゃあ……私は、甘酸っぱい柑橘系のノンアルカクテルで。白い花が浮いていたら嬉しいかな」
「僕は、緑色と青が混じり合わずに二層になった、シロップのように甘いアヤネカクテルを。添え物などはおまかせするネ」
 そうそれぞれのいろを伝えるけれど。
 冬青はふと、隣のアヤネを見つめ思いつく。
(「自分のカクテルを頼むんで飲むのもいいけど、誰かと交換して飲んでみるのもいいかも?」)
「あの、アヤネさん。カクテルを交換して飲んでみませんか?」
 そんな冬青の提案に勿論、ぱっと嬉しそうな様子で、秒で頷くアヤネ。
「交換? もちろん喜んで!」
「えへへ! アヤネさんのカクテル楽しみです」
 ちょっぴり照れたように嬉しそうに笑む冬青に、アヤネも楽しみだネと瞳を細めてから。
「アヤネと冬青は何時も通りだな。アヤネカクテルってなんだ」
 向けられる幽兵の生暖かい視線はスルーです。
 そして皆でわいわい、他愛のない楽しい会話を楽しんでいれば。
 テーブルにずらり並べられるのは、たくさんのいろ。
「すごい、色んな色、色んな模様?のものが作れるんですね」
 本当にみんなのイメージになってるのが不思議です、と。
 オクはグラスに満ちたみんなの色を見比べては、瞳をぱちくり。
 冬青はそんなそれぞれ違ういろに、スマートフォンを向けて。
「みんなのカクテルがとても綺麗。よければ写真を撮ってもいいですか?」
「写真もどうぞです! 記念ですね」
 許可が下りれば、まずはみんな一緒にぱちり!
 それから次は、アヤネのと二つ並べて、パシャリ。
「くっかわいい。ソヨゴっぽい」
 橙いろに浮かんで咲くのは、小さなお花のラムネ。
 そしてさり気なく添えてあるのは、アヤネいろのものには琥珀色の、冬青いろのものには緑色の、お揃いの花が咲いたマドラーが。
 そんなふたりをそっと微笑まし気に見守るサクラコや千夜子、尊いと呟く幽兵。
「幽兵さん、尊いってなんです……?」
 ふとそう、冬青は首を傾げるけれど。
「皆さんのも色のイメージもぴったりですね!」
 千夜子が手にするのは、まさにチョコミント色のカクテル。
 チョコミントのカクテルの上には甘い生クリーム。そしてグラスの縁にも、チョコソースとたっぷりのカシューナッツが。
 それからぐるりと皆を見回して。
「せっかくですので皆で乾杯して飲みませんか?」
 それぞれのカクテルを手に――皆で乾杯!
 桜シロップと白のミルクが二層になったノンカクテルで満ちたグラスに添えられたマドラーには、赤い大きなリボン。
 サクラコはそんな桜カクテルを手に、千夜子とかんぱーい!
「なんか大人気分ですねい」
「みんなで乾杯、です」
 サクラコや皆とカチンと、ロップイヤーの飾りがついたグラス合わせたオクのカクテルは、藍から白へと移り変わるいろ。
 ノンアルコールのブルーキュラソーシロップの藍に、グレープフルーツの白が爽やかで。
「そしたら皆で、かんぱーい!」
 都月のしゅわしゅわカクテルも、マスターの巧みな配分でどす黒い緑は回避。黒狐耳が飾られたグラスの中身は、普通に美味しそうな黒のメロンコーラです!
「みんなで乾杯しようか」
 アヤネも順に皆とグラスを合わせ、最後に冬青とカチンとそれぞれ交換こしたいろのグラスを重ねてから。
 ではいただいちゃうネ、って、ひとくち飲んでみれば。
「うん、酸味が感じられて爽やかな感じだネ!」
「甘くて美味しい」
 口に広がる味も、それぞれ違った美味しさ。
 冬青は交換こしたグラスの中のいろと同じ、隣のアヤネへと視線を向けて笑んで。
「大人になったらアルコールが入ったちゃんとしたカクテルを飲みに来ましょうね!」
「そうだネ。5年後くらいに二人で行こう」
 また増えたのは、楽しみなふたりの未来の約束。
「色も味も素敵ですね!」
 見た目通り、甘くて美味しいその味に千夜子も顔を綻ばせて。
 アテナは、グラスの縁で羽ばたくピンク色の蝶も惹かれるような、ふわり花香るヴァイオレットフィズの夜空に唇をつけた後。
 語り始めるのは、自分が持っている精霊について。
「家の手伝いはブラウニーがしてくれるし、わたしは様々な種類の精霊王を呼び出すことだってできるのよ。だから新しい精霊が見れるのがとっても楽しみなの。うふふっ」
 得意げにそうえっへんと説明し笑む彼女の頬は、花のお酒で仄かに染まっていて。
「精霊呼び出せるんですか、すごいです」
「アテナさまはさすが本場のエルフさん。経験値の差を感じますねい」
「アテナは精霊に自信ネキか。知らない世界だからよく聞いとこう」
「俺も精霊術師の端くれ、精霊様にご助力いただいたりしている」
「都月さまは精霊術士! こちらもプロでした」
「精霊の生態について、アテナやツヅキに色々聞いておきたいネ」
 精霊のたまごの噂も相まって、皆、興味津々。
 カクテルと一緒に注文した料理に舌鼓を打ちながら、ふたりの話に耳を傾ける。
 そう、この世界にやってきた目的も、忘れてはいけない。
 悪っぽいカクテルをワイルドに飲みながら、幽兵はキリッと言い放つ。
「この後もあるから酔わない様にしないと……俺にな」
「幽兵さまはあまり飲みすぎないようにしてくださいませ」
 サクラコはそうすかさず言い放った後。
 気を取り直して、マスターへとこう告げるのだった。
「精霊のたまごの噂を聞きつけて参りましたが、本当ならぜひその依頼、サクラコたちがお受けしましょう!」
「……精霊のたまごの依頼、ですか」
 マスターはそう少し驚いた表情をしたけれど。
 すぐにこくりと頷き、そっと皆に告げる。
「滅多に入らない幻の依頼なのですが……実は今、請け負ってくださる方を丁度探していて。では……お仲間を集めて、改めてまた店にいらしてください。その時に、色々とご説明しますね」
 そんなマスターの言葉に、全員がこくりと頷く。
 ――幻の依頼、お受けします、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『迷いの森』

POW   :    直感を信じて進む など

SPD   :    法則性を導き出して進む など

WIZ   :    森の秘術に直接干渉する など

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
 第2章プレイング送信の受付は、【3/7(土)朝8:31】より開始いたします。
 それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
 追加情報を記載したOPを3/6中に掲載いたします。
 送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
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●妖精のたまごと迷いの森
 夜通し賑やかであった酒場が閉店の時間を迎えた朝。
 再び冒険喫茶『レーゲンボーゲン』へと集った猟兵たちに、酒場のマスターは改めて依頼する。
「『妖精のたまごを迷いの森で孵す』依頼を、お願い致します」
 そして看板娘や店員たちが運んできたのは――精霊のたまご。
「精霊のたまご、とは呼ばれていますが、普通の卵の様に殻があったり落としたら割れるというようなものではないのですが……運ぶ際、神経質になる必要はないのですが、大切に扱っていただけたらと」
 それは普通の卵のような殻付きのものではなく、仄かに光る球体と言うのが近い。
 精霊の生まれ方も様々であるだろうが、『迷いの森』で生まれる精霊はこのたまごから孵るという。
 そしてそれが纏う光は、触れた人によって微かにそのいろを変えている。
「『迷いの森』へと入る許可は取ってありますので、そのまま気にせず入っていただいて大丈夫です。森の中には古い魔法が残っていて、正確にマッピングしたりしてもいつの間にか別の地点にワープしていたりするという、まさに『迷いの森』ではありますが。この精霊のたまごを持っていれば、たまごが行くべき方向に導いてくれるので迷う心配は不要かと。精霊は、森の最奥の『慈母たる大樹』と呼ばれる巨大な樹がある場所で孵ると言われています。そこまでたまごを大切に運んでいただければ、大樹まで導いてくれた者の心を象った精霊が生まれるといわれています」
 生まれた精霊はそのまま森へ解き放っても、連れて帰っても構わないのだという。
 極稀に街にもたらされる精霊のたまごを孵化させられず持て余してしまいさえしなければ、街としては構わないという考えだ。
 そして生まれる精霊は、酒場で飲んだカクテルの様に、多種多彩で千紫万紅。
 それは人型から動物型、纏ういろや属性も、親であるその者次第だという。
 人型のものから、ねこや犬などの動物型や鳥型などの見目をしていたり、それらに羽や角など生えていることもあるという。
 色や、その精霊が宿す属性も、孵した者の資質や願いなどが反映されるようだ。

 看板娘たちや店員からそれぞれ『精霊のたまご』を1人1つずつ受け取る猟兵達。
 そんな様子を見ながら、マスターはこうも続ける。
「ただ、ここ最近、気になる噂があるんです。孵ったばかりの精霊や孵した冒険者たちが、巨大な雲に飲み込まれて攫われてしまう……と」
 その巨大な雲の周辺には竜が飛んでいる、ということくらいしか分かっていないようだが。
 予知されたオブリビオンである可能性が高いように思える。
 なので、たまごを孵し、現れたその存在を撃破する……それが猟兵達の真の目的といえるだろう。

「依頼内容は、精霊を孵すことですが。『迷いの森』は古い魔法の影響で、その景色も普通の森とは少し違った、変わった森です。迷いさえしなければ巨大雲以外の脅威はないかと思うので。大樹までの道のり、珍しい森の景色や恵みを楽しみつつ冒険するのも良いかと」
 森の中は様々ないろをした不思議な光が差し込んでいる、幻想的な風景。
 森の木の実や湧き水などは、口にしても問題ないという。
 むしろ、木になる実はキャンディーのように、そのいろによってまた味わいが違う。甘いものばかりではないので、好みそうないろのものを選んで食べてみても良いし。泉を満たす七彩の水は、その彩ごとに味が違うらしい。甘いもの、さっぱりしたもの、紅茶のような味わい、果実ジュースのようなものや勿論普通の美味しい水まで。それぞれ好みのいろをしている水を掬って飲んでみるのも良いだろう。
 また、魔法で大きくなったキノコや育ちすぎた植物や木々が生息する森、巨大なハスの葉の舟で渡る湖、仲良くなれば背中に乗せてくれるかもしれない動物型や鳥型の精霊さんとの出会いなど、ちょっとしたアスレチック感覚やファンタジックな雰囲気を堪能できるような、たのしい冒険もできるかもしれない。
 勿論、ただひたすらに大樹を目指して精霊を孵し、孵した精霊と暫し交流を深めたりするのも良いだろう。
 森や他者を傷付けたり汚したりする行為なのでなければ、精霊のたまごを孵すことを成せばあとは自由に森を楽しんで欲しい。

 それからマスターは猟兵達に、人懐っこい笑みを宿して。
「巨大雲の噂は気になりますが……どんな精霊が生まれたのか、また酒場に飲みにがてらお話してくだされば嬉しいです。その時はサービスいたしますよ」
 ちゃっかりと、酒場の宣伝活動にも余念がないのだった。


<マスターより補足>
 第2章のメインは『精霊のたまごを孵す』ことです。
 その他森を楽しむ部分は特に行動かけてもかけなくても、お好みで構いません。
 行きも帰りも、迷子対策などは特には不要です。
 謎の巨大雲が現れるのは、第3章の内容となります。
 第2章は精霊を孵すまでの内容です。

 そして、どのような精霊が生まれるのかをご指定下さい。
 精霊の姿(人型、犬、兎、鳥、ワニ、ペンギン、ユニコーン、羽のついたねこ、背中に花が咲いているカピバラ、空を泳ぐ小型ジンベエザメ……等々、ご自由に!)
 色、属性、性格などもお好きな精霊をご指定できます。
 皆様の心を象った精霊ですので!
 同行されている方と双子や兄弟や色違いなどでも構いません。
 とはいえ、生まれたての精霊なので。
 全属性を司る超最強魔力を持つ精霊! などは生まれないかと。
 精霊のご指定が無い場合は、1章ご参加の方は作ったカクテルを元に。
 2章からご参加の方はその方のイメージっぽい、無難な姿の精霊となるかと。
 精霊は、森の最奥の大樹までたまごを運べば孵化します。
 それまで大切に話しかけてみたり等色々してみても構いませんが。
 乱暴に扱うのはやめてあげていただければと。
 生まれた精霊は森へ解き放っても、連れ帰る事も可能です。

 確実に受付している期間は【3/7(土)8:31~3/10(火)23:59迄】です。
 以降も送信可能な限り受付しますが、いつ締まるか分からないのでなるべく期間内に送信いただければです。
黒鵺・瑞樹
アドリブ絡みOK

じゃ早速、大樹まで行こうか。
スカーフに隠れてたバディペットの伽羅と一緒に大樹の元へ。道中多少の寄り道もいいだろうけど、目的地に着くのが優先で。
さて。アリスラビリンスの水鏡の卵からは、硝子の刃のウサギが生まれたけれど、この世界では、どんな姿になるんだろう。あれから時間もたったし楽しみだ。伽羅も楽しみだよな?生まれた子は連れ帰ってもいいそうだ、伽羅の弟か妹になるかも。
綺麗な湧き水とかいい風が吹く木陰で休憩しながら道中進んで。

生まれる精霊は、額に青い宝石が付いた白銀の毛並みの仔虎。瞳は金色。
宝石と目は伽羅にそっくりだな。よく見るとほんのりと風を纏ってるんだ…。
この子も大きくなるかな?



 無事に冒険酒場から依頼を請け負った猟兵達。
 それは、非常にレアだと言われている――精霊のたまごを迷いの森で孵す依頼。
 ひとりひとつずつ、仄かに光輝く『精霊のたまご』を受け取って。
「じゃ早速、大樹まで行こうか」
 言った黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)の声に、ふわり巻いているスカーフからひょこり顔を出すのは伽羅。
 そんな竜神の系譜を継ぐクールな性格の相棒と、いざ足を踏み入れるのは――迷いの森。
 その森はただ闇雲に入れば、その名の通り、たちどころに迷ってしまう魔法が掛けられているという。
 でも、精霊のたまごが、行くべき場所……森の最奥にある、慈母たる大樹へと導いてくれるから。
 不思議ないろに満ちる森を、瑞樹は迷うことなく伽羅と共に進む。
 歩む森には、物珍しいものやいろが沢山あって。そんな道中、多少の寄り道もいいだろうけど。
 瑞樹が優先させたのは、目的地に着くこと。
「さて。アリスラビリンスの水鏡の卵からは、硝子の刃のウサギが生まれたけれど、この世界では、どんな姿になるんだろう」
 たまごはたまごでも、世界が違えばまた、違ったものが誕生するだろう。
 ……あれから時間もたったし楽しみだ。
 そう瑞樹は青い瞳を細めてから。
「伽羅も楽しみだよな? 生まれた子は連れ帰ってもいいそうだ、伽羅の弟か妹になるかも」
 視線を相棒竜へと向けてみれば、こくこくと同意する様に頷く伽羅。
 たまごを孵すために目指すは、森の最奥。
 途中、綺麗な湧き水で喉を潤し、優しく頬を擽るいい風吹く木陰で休憩を取りながらも。
 辿り着いたのは、見上げるほどの大きな樹。
 刹那――貰った『精霊のたまご』が、光輝いたかと思った次の瞬間。
「……!」
 生まれたのは、仔虎の姿をした精霊。
 額に青い宝石が付いた、金色の瞳を持つ白銀の毛並みの子。
 そんな仔虎の姿を見つめ、瑞樹は口を開く。
「宝石と目は伽羅にそっくりだな」
 伽羅は自分のとよく似た青の宝石を額に持つきょうだいの誕生に、嬉しそうにくるり空を泳いで。
 甘えるように足をてしてしする仔虎を、ひょいっと抱きかかえた瑞樹はふと紡ぐ。
「よく見るとほんのりと風を纏ってるんだ……」
 この森に吹いているような、いい風を纏った精霊。
 瑞樹は伽羅と仔虎を見比べ、そして生まれたばかりのその姿に、青の瞳を柔く細める。
 ――この子も大きくなるかな? って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ケルスティン・フレデリクション
たまご!
どんな子が生まれてくるかな?わくわく。
たまごの光は白色。
森へ入って楽しむことはいっぱい、楽しむね。
卵はずっと両手に持ってる
持てないときは持ってきたポシェットに優しくいれて、割れないようにするね
「たのしいね!」
って、色んなことをたまごに伝えるよ。
 きのみもおいしいんだって!食べてみよ!
 泉を見つければ綺麗な色をした水をすくって飲んでみるね。
あまーいものだといいな。

大樹の前までくれば、孵化するかな?
生まれてくる精霊はシマエナガに似た小さな白い鳥。
頭の上に乗って髪に生えた花を啄んだり、肩に乗って頬にすりすりしたり。
「わ、びっくり…」
 悪戯好きの氷属性の小鳥。
「…あなた、いっしょにかえる?」



 そーっとそっと、小さな両手で、確りと大事に持って。
 ケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)は、橙の瞳にその輝きを映し出す。
 仄かな白を帯びた『精霊のたまご』の光を。
(「たまご! どんな子が生まれてくるかな? わくわく」)
 冒険酒場で請け負ったのは、たまごから精霊を孵す依頼。
 生まれる精霊は、孵した者の心を象ると言われている。
 波打つ紫の髪を吹き抜ける森の風に靡かせながら、慎重に。
 そして。
「たのしいね!」
 色んなことを伝えんと、たまごに話かけながら森をゆくケルスティン。
「きのみもおいしいんだって! 食べてみよ!」
 割れないようにと、うんしょっと持ってきたポシェットに一旦優しくたまごを入れて。
 うんっと手を伸ばし、美味しそうな実を採ってひとくち食べてみれば……ふわり口の中に広がる、あまーい味。
 そして見つけた泉でそっと綺麗な色の水を掬って飲めば、これまたあまーい苺味。
「あまくておいしい! あとでいっしょに食べようね!」
 ケルスティンが再びポシェットから取り出し、たまごにそう語り掛ければ。
 その声に応えるかのように、ふわり仄かに白の輝きが増す。
 そしてたまごと一緒に、不思議な森の冒険を楽しんで。
 やって来たのは、森の最奥――大きな大きな樹がある場所。
「大樹の前までくれば、孵化するかな? ……あ!」
 ケルスティンがてくてくと大樹の下まで歩み寄った、瞬間。
『……チィ』
 生まれたのは、まんまるもふもふ、シマエナガに似た小さな白い鳥。
 そんな鳥さんの精霊は、ぴょんっとおもむろにケルスティンの頭の上に乗って。
「わ、びっくり……」
 ゆらり波の様に揺れる紫の髪に咲いた花を、つんつん啄まれてから。
 ぴょんっと肩に移動して乗ったかと思えば、もふもふの身体で甘える様に、頬にすりすり。
 そんな小さな白い鳥さんは、悪戯好きの氷属性な子。
 ケルスティンはもふもふなその感触に、擽ったそうに橙いろの瞳を細めてから。
「……あなた、いっしょにかえる?」
 そう白い鳥さんに訊ねてみれば――すぐにピィッと、嬉しそうなお返事が。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
UC「ノームの召喚」使用
飲み物やおやつを準備
ノーム達と一緒に歌いながら森を歩いていく
合間に森がどんなに美しいか皆がどんなに愛しく待ち望んでいるか卵に語りかける
卵を胸の前で抱えるように持ちノーム達にも何度も撫でさせる

「行き先はこの子が知っていますもの。のんびり楽しんで参りましょう」
「この子は私達の妹分か弟分になるのですもの。人間は生まれる前のお腹や生まれたばかりの子供の頭をたくさんの人に撫でさせて、新しい命を寿ぐそうです。私達もこの美しい世界がこの子を愛し待ち望んでいると、伝えながら歩いていきましょう」
「此処は深く煌めく碧の森、早く一緒にお散歩しましょう」

※生まれる精霊については完全にお任せで



 眼前に広がる風景は、まさに、作って貰ったカクテルと同じいろをしていて。
 ――おいでおいで、と。
 そう不思議ないろをした森に喚び出したのは、沢山の陽気なノーム達。
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は、まるで賑やかなパレヱドのように、ノームたちと森をゆく。
 精霊のたまごにも聞こえるように、一緒に楽しく歌を歌いながら。
「行き先はこの子が知っていますもの。のんびり楽しんで参りましょう」
 此処は、迷いの森。
 足を踏み入れれば、本来は森に満ちる魔法で、方向感覚を狂わされてしまうというけれど。
 ……でも、大丈夫。
 大切に慈しむように桜花が抱えている光纏うたまごが、道をちゃんと教えてくれるから。
「降り注ぐ木漏れ日が虹のように煌めいていて、とても綺麗です」
 桜花は楽し歌の合間に、森がどんなに美しいかを。
 そして、皆がどんなに愛しく待ち望んでいるかを――そっと優しく、語りかけながら。
 胸の前で抱えるように持っているたまごを、ノーム達にも何度も撫でさせる。
「この子は私達の妹分か弟分になるのですもの。人間は生まれる前のお腹や生まれたばかりの子供の頭をたくさんの人に撫でさせて、新しい命を寿ぐそうです」
 ――私達もこの美しい世界がこの子を愛し待ち望んでいると、伝えながら歩いていきましょう、って。
 そんな賑やかで楽しい歌を聞かせながら、沢山語りかけ、いっぱい撫でてあげて。
 ノームの皆と辿り着いた、森の最奥……慈母なる大樹の下で、桜花は緑色の瞳を細める。
 そして桜色の瞳で、大きな樹を見上げて。
「此処は深く煌めく碧の森、早く一緒にお散歩しましょう」
 こう、たまごへと言葉を紡げば……刹那、仄かな薄紅の光が、弾けて。
「まあ……可愛い子ですね」
 桜花のたまごから生まれたのは――桜咲く角を持つのんびり屋さんな、ピンク色したふわふわヒツジさんの精霊。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リシェア・リン
アドリブ、絡み歓迎

この中に精霊さんが…!
大切に大切に、愛情込めて運んであげなくちゃね

子守唄…替わりになるか分からないけどシンフォニックキュア
卵の中にいる妖精さんに聴こえるように、届くように
運びながら、生まれる妖精さんの姿に思いを馳せて

私が生まれた国では、四大属性より五行説の方が馴染み深いの
やっぱり、きらきら煌くような…金
それにちょっぴり、海のような水(青)、かなぁ
生まれたばかりなんだもの、甘えん坊な子が安心
人型の…女の子。名前は…、…あれ?

や、やだ私ったら!自分が生んだ子じゃないんだから…(恥ずかしさで尻尾ぷるぷる)
でも、負けないくらい愛情を込めたわ

生まれてきてくれてありがとうって、伝えたいの



 不思議な輝き満ちる森の中を、リシェア・リン(薫衣草・f00073)が迷わず進めるのは。確りと大事に抱えた、あたたかく仄かな光の導きのおかげ。
「この中に精霊さんが……! 大切に大切に、愛情込めて運んであげなくちゃね」
 リシェアの手の中にあるのは、精霊のたまご。
 このたまごは、迷いの森の最奥にある、慈母の大樹の下でしか孵らないという。
 だからそこまで、たまごを守ってあげて。
 精霊を孵してあげること――それが、森へとやって来た目的。
 そして、まるで子守唄のような、シンフォニックキュアの歌声を聞かせてあげれば。
 歌声に応えるかのように、纏う光をそっと輝かせるたまご。
 たまごの中にいる妖精さんに、聴こえるように、届くようにと。
 生まれる精霊の姿に思いを馳せながら歌い、森の奥へと歩み進めるリシェア。
 そして辿り着いた森の最奥で、大きな大きな、母なる樹を見上げる。
(「私が生まれた国では、四大属性より五行説の方が馴染み深いの」)
 刹那、仄かであったたまごの光が、キラキラと眩い輝きを放って。
 纏ういろは――煌くような、金。
 そんな黄金の光に微かに混ざるのは、寄せては返すような、母なる海の如き青のいろ。
 生まれた精霊は、人型の女の子。
 そして金と青纏う精霊は、リシェアへと甘える様にすりすり。
 その様子に、微笑みを零して。
「生まれたばかりなんだもの、甘えん坊な子が安心」
 愛おし気に見つめながら考える。
「甘えん坊な、人型の……女の子。名前は……、……あれ?」
 けれどふと、ハッと澄んだ紫水晶を見開いて。
「や、やだ私ったら!自分が生んだ子じゃないんだから……」
 恥ずかしさで、狐の尻尾がぷるぷる。
 染まった頬を、思わず両手で押さえてしまうけれど。
 そっとキスをしてくれているかのように、赤くなった頬に顔を寄せてくる子へと、改めて微笑みを向ける。
「でも、負けないくらい愛情を込めたわ」
 リシェアはよく知っているから。
 愛でられ大切に育てられることの、そのあたたかさを。
 生きるということが、生まれるということが、どんなに尊くて愛しいのかを。
 だからこう、この子に伝えたいって、リシェアは強く思う。
 ――生まれてきてくれてありがとう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラフィ・シザー
アナンシ(f17900)と
いよいよ精霊のたまご孵す時が来たな♪
俺やアナンシが孵すたまごはどんなこがうまれるかな〜。
たまご…乱暴に扱わない様にしないと。

(懸命に森の奥を目指して)

…!生まれた!
(白い翼の生えた黒兎風の精霊)
なぁ、アナンシ俺がたまごを孵したんだから俺の家族みたいなもんだよな?
ふふっ、俺の新しい家族だ!よろしくな。
アナンシが孵したその子もアナンシの家族だから。大事にしてあげてくれよ。

あと…行きはたまごを孵すことで頭がいっぱいだったけど実はこの森の水や木の実にも興味があったんだ…良かったらこの子達と一緒に味見してみないか?


アナンシ・メイスフィールド
ラフィ君f19461と

心が反映されるというならば
失われた記憶も反映されるのだろうかと思考を巡らせながらも
懸命に足を進める愛し子が転ばぬ様隣を歩いて行こうか
ラフィ君、足元に気を付けるのだよ

最奥に付き孵った卵は鴉の上半身に兎の足を持つグリフォンの様な精霊で
ふふ、過去が反映されたかは解らないけれども…この足は家のかわいい子を思う物が反映されたのかもしれないねえと
丸い尻尾が付いた精霊へと笑みを

ああ私が孵した子もラフィ君が孵した子も
大事な私達の家族だからね。確りと護ってみせるのだよ…と
だからラフィ君も君達も。木の実の毒見は任せ給えよ…!
ああ、君も勝手に食べるでないね!?お腹を壊したらどうするのだね…!



 見渡せば、虹の様な七彩の光が差し込める不思議な森。
 その鮮やかないろは、まるで童話に出てきそうな美しいもの。
 だけど、気を付けて……此処は、迷いの森。
 精霊のたまごが導くまま、その輝きをどうかお辿りなさい。
 そうすればきっと、慈母の祝福がもらたされるから。
「いよいよ精霊のたまご孵す時が来たな♪」
 ぴょんっと、やたら大きく育っているキノコのカサから飛び降りつつも。
 慎重にそっとその手に抱く光を見つめ、ラフィ・シザー(【鋏ウサギ】・f19461)はわくわくしたように銀の瞳を細める。
「俺やアナンシが孵すたまごはどんなこがうまれるかな〜」
 ――たまご……乱暴に扱わない様にしないと。
 ラフィは楽しそうながらも、精霊のたまごをぎゅっと大事そうに抱きしめ、森の奥へと歩むその足を止めない。
 精霊のたまごが還ると言われている場所……慈母たる大樹を懸命に目指して。
「ラフィ君、足元に気を付けるのだよ」
 アナンシ・メイスフィールド(記憶喪失のーーー・f17900)は、そんな一生懸命歩みを進める愛し子が転ばぬ様にと。
 声を掛けつつも、美しい装飾とMasefieldの文字が施された仕込み杖でそっと、足を取られそうな大きめの石を退かしてから。
 ラフィの隣を歩きながらふと、思考を巡らせる。
(「心が反映されるというならば、失われた記憶も反映されるのだろうか」)
 己の手の中にある光のいろは、艶のある美しい黒。
 もしかしたら、己の記憶の深層にある何かが象られるかもしれない、と。
 精霊のたまごの輝きが導くまま、ラフィと共に、森の最奥へ。
 そして――どれだけ歩いただろうか。
「あっ、あれかな?」
 眼前に現れたのは、大きな大きな樹。
 それからふと精霊のたまごを見れば、より一層輝きが増していて。
 その樹――『慈母たる大樹』の下へと辿り着けば。
「……! 生まれた!」
 精霊のたまごの光が満ち溢れ、精霊の姿が象られる。
 そしてラフィの目の前で、真白な翼をばさりとはばたかせるのは――黒兎みたいな精霊。
 背中の白翼を一生懸命ぱたぱたさせながら、ラフィの周囲を甘える様にくるり。
 同時に、アナンシのたまごから孵ったのは。
「ふふ、過去が反映されたかは解らないけれども……この足は家のかわいい子を思う物が反映されたのかもしれないねえ」
 ぴょこんと森を飛び跳ねる兎の足に、鴉の上半身を持つグリフォンの様な精霊。
 一生懸命跳ねるたびにふわり揺れるまん丸い尻尾は、笑み零れるほど愛らしい。
 そして、精霊同士じゃれ合って遊ぶその姿を見守りながら。
「なぁ、アナンシ俺がたまごを孵したんだから俺の家族みたいなもんだよな?」
 ラフィは嬉しそうにそう、再び自分の元へとぱたぱた飛んで戻ってきた黒兎の精霊を、ぎゅっと抱きしめて笑む。
「ふふっ、俺の新しい家族だ! よろしくな」
 それから銀の瞳で、アナンシとグリフォンの様な精霊を交互に見て続ける。
「アナンシが孵したその子もアナンシの家族だから。大事にしてあげてくれよ」
「ああ私が孵した子もラフィ君が孵した子も、大事な私達の家族だからね」
 ……確りと護ってみせるのだよ、と。
 アナンシも、すっかり仲良くなっているラフィと彼の精霊へと、柔く笑んだ後。
 ぱちくり、先程作って貰ったカクテルと同じ色をしたアイスブルーの瞳を瞬かせる。
 そんな瞳に映るのは、楽し気に木になる実を採ろうとするラフィと精霊たち。
「実はこの森の水や木の実にも興味があったんだ……良かったらこの子達と一緒に味見してみないか?」
「だからラフィ君も君達も。木の実の毒見は任せ給えよ……!」
 アナンシはそう、声を掛けるけれど。
「これは何の味だろう。美味しそうな匂いがするな♪」
 ラフィの言葉に、まだ幼い印象の鳴き声をあげて応える精霊たちも、美味しそうな実に興味津々。
 そして無邪気に、あーんと口を開けようとすれば。
「ああ、君も勝手に食べるでないね!?」
 ――お腹を壊したらどうするのだね……!
 そう我が子の事を心配する親の様に、慌てるアナンシ。
 いや、間違いなく……この子たちも、新しい自分たちの『家族』なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

三上・チモシー
アドリブ歓迎

精霊:ピンク色の目の黄色いウーパールーパー。外エラが燃えている
属性:火

のんびり森を進もうかな
木の実を見つけたら、とりあえずパクリ
甘い木の実だったらいくつか摘んでいこう
甘くてカラフルで、お菓子みたーい♪

大樹に着いたら、木の実をつまみながら卵が孵るのを待つ
どんな子かなぁ。木の実食べるかな?
自分の資質が反映されるなら、甘いものが好きかもね

えぇと、これってウーパールーパー?
……かわいいー! このまま連れて帰っちゃおうかなぁ
あっ、目の色が自分と一緒だ!
木の実食べる?
きみは何の精霊なのかな
燃えてるから火?
体は湿ってるから水?
……それとも、お湯の精霊とか?



 やって来た迷いの森は、不思議でいっぱい。
 キラキラ輝く七色の木漏れ日に、カラフルな木の実や泉のいろ。
 そんな幻想的な森の中をのんびりとマイペースに進むのは、三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)。
 チモシーはふと、その手をうんと伸ばしてみて。
 手にした木の実をぱくりと一口、食べてみれば。
「甘くてカラフルで、お菓子みたーい♪」
 口いっぱいに広がるのは、甘くて美味しい、スイーツみたいな幸せの味。
 そんなキャンディーみたいな木の実をいくつか摘んでおいて。
 森を進む道中、そっとチモシーは『精霊のたまご』へと、ピンクの瞳を向けてみる。
「どんな子かなぁ。木の実食べるかな? 自分の資質が反映されるなら、甘いものが好きかもね」
 たまごから孵る精霊は、孵した者の心を象ると聞いたから。
 甘いものや可愛いものが好きな子かもしれない。
 もしそうだったら、きっと摘んでおいた実も好きに違いない。
 そんなことを思いながら歩みを勧めれば――眼前に聳えるのは、大きな大きな樹。
 森の最奥の、慈母なる大樹と呼ばれる樹であろうその下へと、歩みを進めれば。
 精霊のたまごが光り輝き、そして生まれたのは――。
「えぇと、これってウーパールーパー?」
 珍しくて愛らしい、黄色いウーパールーパーの姿をした精霊さん!
 くりっとした瞳で見つめられれば、やっぱりこう思っちゃいます。
「……かわいいー! このまま連れて帰っちゃおうかなぁ」
 そして、改めてじーっと見つめ合えば。
「あっ、目の色が自分と一緒だ!」
 見つめ返してくるその瞳は、自分とお揃いのいろ。
 木の実食べる? と差し出せば、ウキウキ喜んではむはむ。
 やはり、甘いもの好きみたい?
 そんな生まれたての精霊を、改めてチモシーは観察してみて。
「きみは何の精霊なのかな」
 そうふと首を傾け、考える。
 ――外エラが燃えてるから火? 体は湿ってるから水?
 いや……自分が、南部鉄瓶に猫の魂が宿って肉体を得たヤドリガミだから。
 もしかしたら――。
「……それとも、お湯の精霊とか?」
 チモシーはそう呟き、じっと無垢な精霊を見つめながら首を傾けるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
【SPD】を活かして法則性を導き出しましょう。
急に転移するとしても何かルールがあるはず。
要所となる場所に錬成カミヤドリの分身宝石を仕掛けて目印に。
ルールを見定めるわね。

大樹にたどり着いたら卵を置いて精霊が孵化するのを待ちましょう。
どんな形の精霊さんが出てくるか楽しみね。

(もふもふ白猫さん来ないかなーまだかなー)←心の声です。



 冒険酒場のマスターから請け負った依頼。
 それは、迷いの森で精霊のたまごを孵すこと。
 たまごが孵るのは、森の中どこでも良いというわけではない。
 最奥にあるという、慈母たる大樹と呼ばれている樹がある場所でないといけないらしい。
 さらに、迷いの森と呼ばれているだけあって。
 ただ足を踏み入れ進んだだけでは、迷子になってしまうのだという。
 森の中に残っている古い魔法が、いくら正確にマッピングしたりしていたとしても、いつの間にか侵入者を別の地点にワープさせたりするのだという。
「急に転移するとしても何かルールがあるはず」
 ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)がそう展開したのは、錬成カミヤドリ。
 要所となる場所に、複製した分身宝石を仕掛け、目印にしつつ。
 何かワープさせられるようなルールがないかを見定めながら、精霊のたまごの導く方向へと進んでいく。
 そんな、工夫の甲斐もあって。
 迷うこともほぼなく辿り着いた場所で、うんと首を伸ばしヴィオレッタが見上げるのは――大きな大きな樹。
 周囲とは比べ物にならない大きさの樹を見れば、きっとこれがお目当ての、慈母たる大樹と呼ばれるものにきっと違いない。
「どんな形の精霊さんが出てくるか楽しみね」
 ヴィオレッタはそうそっと、いろの異なるふたつの宝珠を細め、たまごが孵るのを待つ。
 ――もふもふ白猫さん来ないかなーまだかなー。
 わくわくそわそわ、そんな声を心の内に響かせながら。
 そして精霊のたまごは、孵す人の心を象るから。
「……!」
 ヴィオレッタは瞬間、ぱあっとその藍と紫の瞳をキラキラ輝かせる。
 ふにゃあっと可愛い鳴き声を上げて生まれた――待望の、もっふもふな羽が生えた、ふわもこ白猫精霊さんの姿に。

大成功 🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と

かれと迷いの森へ向かいましょう
片手で卵を抱え
もう片手はザッフィーロの手に指を絡めて迷子防止に
きみとなら迷いの森も怖くありませんが、今回はこの卵が救いの道標になってくれるようですね、ふふ

僕の卵は夜のような濃藍色に青紫色を帯びていますが……
仄かに揺らぐ色に蒼と銀色が見えるのは、きみの力も注がれているのかもしれませんねと笑って

湧き水なども水筒に掬って飲みつつ歩みを進めましょう
生まれた精霊は小さめの大型犬のような夜闇色の毛並みと蒼色の目をもつ精霊
ふふ、ザッフィーロの精霊と感じるエネルギーが似ていますね
ええ、もちろんです
この子たちを新しい家族に迎えましょう


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

精霊の卵を手に宵と共に迷いの森へ
逸れてしまっては大変だからな。確りと宵の手を握りつつ森を進もう

俺の卵は蒼と銀の色を纏っているが…僅かに宵の瞳の様な紫と赤味を帯びたそれが混じるのは手を繋いでいるからだろうか?
宵の卵はどうだと、そう俺の懐の卵と宵の卵を交互に見遣りつつ生っている実を口に運び幻想的な森を楽しみつつ奥へ

産まれる精霊は熊の様な犬の様な…丸い耳にフカフカとした蒼と銀の毛並みを持つ宵色の瞳をした精霊で
胸の銀といい小熊か…?と首を傾がせながら
宵の精霊と気配が似ているが、双子だろうかと。そう嬉しそうに笑みを浮かべつつ喉を撫でてみよう
…宵、その…なんだ。連れて帰っても良いだろう…?



 降る木漏れ日のいろは、虹の様な輝きを帯びた七彩。
 その幻想的な風景は思わず見入ってしまうほど美しい。
 でもこの森は、足を踏み入れた者達を惑わせる魔法が掛かった――迷いの森。
 ……けれど、大丈夫。
「逸れてしまっては大変だからな」
「きみとなら迷いの森も怖くありませんが、今回はこの卵が救いの道標になってくれるようですね、ふふ」
 きゅっと確り自分の手を握りしめるザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)の温もりに応える様に。
 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)も、繋いだ手を握り返せば……反対の手で抱えるたまごが、仄かな光を放つ。
 片手には、行くべき場所へと導いてくれる精霊のたまごを抱えて。
 もう片方の手は、迷子にならないように……離れぬ様にと、互いに指を絡め手を繋いでいるから。
 そしてふたり、森の最奥へと進みながらも。
「俺の卵は蒼と銀の色を纏っているが……僅かに宵の瞳の様な紫と赤味を帯びたそれが混じるのは、手を繋いでいるからだろうか?」
 ザッフィーロはダイヤの如き銀の瞳に、蒼と銀、そして紫と赤味を帯びた深宵混ざる輝きを映した後。
 宵の卵はどうだと、彼の手の中のいろへと視線を移してみれば。
「僕の卵は夜のような濃藍色に青紫色を帯びていますが……仄かに揺らぐ色に蒼と銀色が見えるのは、きみの力も注がれているのかもしれませんね」
 指絡め合い繋がった手から伝わるのは、温もりだけではなく、彼のいろもかもしれないと。
 そう、宵はすぐ傍にいる彼を微かに見上げ、笑って。
 ザッフィーロも、己の懐のたまごと彼のたまごを交互に見遣りつつ、ふいに手を伸ばせば。
 キャンディーの様に甘く美味しそうな実をひとつ手にし、ぱくり。
 宵も、星がはじけるような澄んだ湧き水を水筒に掬って飲んだりしながら、ふたり共に幻想的な森を楽しみ、歩み進めれば。
 どれだけ歩いたか、ようやく辿り着いたのは、森の最奥――慈母たる大樹の下。
 ――その時だった。
「……! 宵、たまごが」
 そう瞳見開いたザッフィーロの目の前で産まれたのは。
「胸の銀といい小熊か……?」
 熊の様な犬の様な……まん丸お耳に蒼と銀のふかふか毛並みを持つ、宵色の瞳をした精霊。
 そして同時に、宵のたまごから誕生したのも――夜闇色の毛並みと蒼色の目をした、小さめな大型犬のような精霊。
「ふふ、ザッフィーロの精霊と感じるエネルギーが似ていますね」
「宵の精霊と気配が似ているが、双子だろうか」
 早速無邪気に仲良くじゃれ合う双子らしき精霊達の姿を、微笑ましく見守って。
 ザッフィーロがそっと、その喉をこしょこしょ撫でてみれば。
 きゅー、と気持ち良さそうに鳴いて、宵色の瞳を細め喜ぶ精霊さん。
 そんな姿に、思わず大きく瞳を見開いてから。
 ザッフィーロはちらり、もふりと己の精霊を撫でている彼を見つめ紡ぐ。
「……宵、その……なんだ。連れて帰っても良いだろう……?」
 そんなダイヤの様な光纏う銀の瞳に、ふっと細めた星纏う満天の宵空のいろを返して。
 墨を流したような夜色の髪を揺らし、宵はこくりと頷く。
「ええ、もちろんです」
 ――この子たちを新しい家族に迎えましょう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月尾・白雪
割れたりせぬと言われても
この柔らかな淡さとなれば
吹き消さぬよう丁寧に慎重な運びになってしまう

大樹へは、まろい光の導くままに
ならば道行きは、まろき光が見せたい光景なのやも

そう思えば、目の前の幾瀑もの滝が流れ込む湖も
焦らずに荘厳な絶景を堪能すれば良いのだろう
痺れるような冷たさの清水
喉を潤せば、まさに甘露の如く
染み渡る清浄に疲れも消え失せる心地

緑深き道を抜けた先、大樹の偉容には威儀を正して
孵る精霊さんは……淡く緑がかった白孔雀、のような

ふわりと広げた飾り羽根は雪降る様か、けぶる若葉か
もしや冠羽には花が咲いているのかしら
掌サイズは稚くも、気配は先の湖の清浄

精霊さん
良ければ私と一緒に旅してみませんか



 手の中にある輝きは繊細で淡く、そして強さも感じる光。
 普通のたまごの様に、簡単に割れたりはしないと言われていても。
 その柔らかな淡さを吹き消さぬよう……と。
 月尾・白雪(風花・f06080)の所作はどうしても丁寧な、慎重な運びになってしまう。
 いや、精霊のたまごはデリケートだから、慎重であるに越した事はない。
 そして歩みゆくこの場所は――迷いの森。
 けれど、進むべき道を迷うことはない。
 手の中のまろい光の導くままにゆけば、目指す『慈母たる大樹』に辿り着けるだろうから。
 白雪は光指し示す通りに歩みながらも、ふと銀の視線を周囲に巡らせ思う。
(「この道行きは、まろき光が見せたい光景なのやも」)
 古い魔法満ちるこの森は、普通の森とはまた違った表情をしていて。
 もしかすれば慣れぬ景色に戸惑っていたかもしれないけれどでも、そう思えば。
(「焦らずに荘厳な絶景を堪能すれば良いのだろう」)
 眼前に現れた幾瀑もの滝が流れ込む湖も、楽しむ心の余裕が生まれて。
 痺れるような冷たさの清水をそっと掬って喉を潤せば――それはまさに、甘露の如く。
 広がる優しい甘さと喉に染み渡る清浄に、疲れも消え失せる心地を覚える。
 そして緑深き道を抜けた先……森の最奥、大樹の元へと辿り着けば。
 その慈愛溢れる母なる偉容に、威儀を正して。
 大事に運んできたたまごへと視線を向け――まろい光が、眩きものと変わった瞬間。
「! この精霊さんは……孔雀?」
 白雪の眼前に顕現したその姿はまるで、淡く緑がかった白孔雀のよう。
 刹那ふわりと広げた飾り羽根のいろは、雪降る様か、けぶる若葉か。穢れ無き真白と柔い黄緑。そして冠羽に開き咲くは、美しき花。
 そんな掌ほどの大きさの存在は稚くも、その気配はつい先ほど目にしたものと同じ――先の湖の清浄。
 白雪は、自分にすりすり甘えてくる様に身を寄せるその子へと。
 仄かな青を帯びたその銀の瞳を細め、こう提案を。
 ――精霊さん、良ければ私と一緒に旅してみませんか、って。
 そしてそれに応えるかのように、ばさり美しきその羽を広げ、愛らしく一鳴きしてから。
 生まれし精霊は、じゃれる様に白雪の後を、喜んでついてくるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

新堂・ゆき
お話を聞く限り、森の中にスイーツが溢れているような素敵な場所のような気がしてきました。
貴方はどんな精霊さんになるのでしょうね。時々たまごを優しく撫でながら森の中を進みます。
まあ、このピンク色の木の実は桃のキャンディーみたいです。
こっちの黄色の水はレモン?
森に住む精霊さんは木の実を分けてあげたりして仲良くなれたら嬉しいですね。
精霊さんは一緒に来ますか?と笑顔で。
名前はそうですね、たろうで!
精霊の姿
黄色のもふもふもこもこなちみっこいヒヨコ
つぶらなまるっこいうるうるな目がチャームポイントで激可愛い



 降り注ぐ七彩の木漏れ日や湧き出る泉の水、木に生る美味しそうな実。
 此処は、迷いの森と言われている魔法の森なのだけれど。
 それよりも、新堂・ゆき(月雪花・f06077)にとっては。
(「お話を聞く限り、森の中にスイーツが溢れているような素敵な場所のような気がしてきました」)
 甘くて美味しいものが沢山の、魅惑的なスイーツの森……!?
 いや勿論、此処を訪れた目的は忘れてなどいない。
「貴方はどんな精霊さんになるのでしょうね」
 そう紫の瞳を落とすのは、手の中にある仄かな輝き。
 街で受け取った精霊のたまごを、大切にそっと掌で包みつつ。
 時々優しく撫でながら、月照丸と共に森の中を進み行くゆき。
 目的の地は、精霊が孵る場所だと言われている、森の最奥『慈母たる大樹』。
 そしてその道中は、物珍しく心惹かれるものが沢山。
「まあ、このピンク色の木の実は桃のキャンディーみたいです。こっちの黄色の水はレモン?」
 そうふとキャンディーの如き実に手を伸ばせば……ひらり遊ぶ様に舞う、森に棲む精霊さんたち。
 そんな精霊さんたちにも木の実を分けてあげて仲良くなれば。
 こっちこっち、と大樹への近道をこっそり教えてくれる。
 そして、たまごの導きと森に棲む精霊さんのおかげで迷うこともなく。
 辿り着いた、大きな大きな樹の下へと歩み進めれば。
「……!」
 瞬間、たまごが纏う光が、眩いほどの輝きを放って。
『……ぴぃっ』
 生まれたのは――黄色くてもふもふもこもこした、ちみっこいヒヨコさんの精霊。
 その激可愛い、つぶらなまるっこいうるうるな目で見つめられれば。
「一緒に来ますか?」
 笑顔でそう紡ぐ以外、選択肢はありません。
 そして、ピヨ! とお返事したひよこさんと見つめ合いながら。
 ゆきはもう一度微笑み、生まれたばかりのその子へ最初の贈り物を。
 ――名前はそうですね、たろうで! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
あや君(f01194)と

たまごをぬくぬくせんといかんねぇ
酒飲んどるから体もあったかいじゃろ、丁度良い
わしはこんな感じじゃ~
あや君、どんな子うまれるじゃろね~
まぁ、ええこじゃろうけど!

けど、つれて帰るんはあれよなぁ…
わしんとこはこんこんが、断りなく連れてくるのは言語道断、というように仁王立ちで咎められそうじゃ…
などと言っておると、お? 孵りそう?

現れたのは橙色の炎纏う精霊
炎の翅に、炎のフードをかぶった掌に乗る程の小さな
金色にきらきら輝く炎の子

ん…? 同じ姿じゃね…
これは一緒に生まれたし双子かの?
仲良さそうに遊んで…そしてぴたりとくっついてくる
どうするあや君……これは…じゃよね!
おいていけぬ…!


浮世・綾華
嵐吾さん(f05366)と

よしよし、案内よろしくな

あ、やっぱ温めたりする必要ある感じですかネ?
たまごって違いあるのかなぁ…
嵐吾さんの方もみせてみせて。俺の子も、はい
ふふ。待って、既に親ばかなの

言語同断。はは。こんこん厳し
まぁ、うちもヒナヒメいますしネ
どうかな…

孵った小人風な炎の精霊
まさかの双子…あ、俺も預かったりしたから?
目元までフードで隠れているから表情は分からないけれど
楽し気な彼らに心奪われるように目で追う

此方にくっついてきたのは翅先が赤いグラデになった子
――ふ。じゃれんなこら

嵐吾さんと精霊を交互にみて、考え込んだ後
――この子あったかいし、多分うちの子らは喜ぶ…
連れて、帰りましょう(こくり



 煌めく七彩が降る不思議な森は、足を踏み入れた者を惑わせる迷いの森。
 けれど、もうすぐ生まれる光の導きを辿れば大丈夫。
 精霊のたまごが、行くべき道をちゃんと教えてくれるから。
「よしよし、案内よろしくな」
 浮世・綾華(千日紅・f01194)は、手の中にある仄かな紅のいろへと視線を向け声を掛ければ。
 それに応えるかの様に、微かにその彩りを変える輝き。
 綾華はそんなたまごに瞳細めた後、ふと視線を、共に征く終夜・嵐吾(灰青・f05366)へと移す。
「たまごをぬくぬくせんといかんねぇ。酒飲んどるから体もあったかいじゃろ、丁度良い」
 まるで親鳥が雛を孵すかの様に、己の体温でぬくぬくたまごをあたためている嵐吾は、どうやらまだ酔っ払い。
 でも夕焼けの様な色を宿すたまごを見れば、酔ってぽかぽかした懐の居心地は悪くはなさそう……?
「あ、やっぱ温めたりする必要ある感じですかネ?」
 頑張ってそっとたまごをあたためている嵐吾の様子を見て、綾華はふと首を傾けつつも。
「たまごって違いあるのかなぁ……嵐吾さんの方もみせてみせて」
「わしはこんな感じじゃ~」
「俺の子も、はい」
 ふたり、お互いのたまごを見せ合いっこ。
「あや君、どんな子うまれるじゃろね~」
 ……まぁ、ええこじゃろうけど!
 そうそわりと、灰青の尻尾をゆらゆら揺らしながらも。
 ふにゃり笑む嵐吾に、綾華も思わず笑ってしまう。
「ふふ。待って、既に親ばかなの」
 既に母性というか父性が目覚めているようです!
 でも、たまごを引き続きぬくぬくとあたためつつも。
 おもむろに耳をぺしょりとさせ、そっと口を開く嵐吾。
「けど、つれて帰るんはあれよなぁ……」
 たまごから孵った精霊をどうするかは、ちょっぴり悩みどころ。
「わしんとこはこんこんが、断りなく連れてくるのは言語道断、というように仁王立ちで咎められそうじゃ……」
 容易く予想できるその光景はまるで、いきなり犬や猫を家に連れ帰ってきた子供と、それを目にした時の母親のよう。
「言語同断。はは。こんこん厳し。まぁ、うちもヒナヒメいますしネ」
 でも綾華も、似た様な現状だから。
 どうかな……ともう一度、光纏うたまごを見遣るけれど。
 そうこう話しているうちに、森の最奥――大きな大きな樹の下まで辿り着けば。
「お? 孵りそう?」
 ふたつのたまごが同時に、纏うその輝きを格段に強めて。
 眩い光が弾け、熱を帯びたあたたかな風がふわりと頬を撫でた、瞬間。
「お、あや君、生まれた! ん……? 同じ姿じゃね……」
 ……これは一緒に生まれたし双子かの?
 そうぱちくりと琥珀の瞳瞬かせる嵐吾と一緒に、綾華も眼前の子たちをじっと見つめる。
「まさかの双子……あ、俺も預かったりしたから?」
 現れた精霊は、炎纏う小人風な2体の精霊。
 炎の翅に、炎のフードをかぶった、掌に乗る程の小さな炎の子たち。
 嵐吾の灰青の尻尾にふわふわじゃれている方の子は、橙色の炎を纏っていて。金色にきらきらと輝いている。
 綾華の周囲をくるくる翔んでいるのは、移り変わる赤のいろを纏う翅先の子。
 それぞれ孵してくれたふたりに甘えたり、2体仲良くキャッキャと遊んだり。
 その表情は、目元までかぶったフードで隠れているから分からないけれど。
 心惹かれるまま、楽し気に飛び回る子たちをつい目で追ってしまう。
 しかも。
「――ふ。じゃれんなこら」
 ぴたりと後をくっついて離れようとしない様子を見れば、大きく心揺れてしまう。
「どうするあや君……」
 これは……と呟きを零しながら、ちらっちらっと、自分と精霊達を見ている嵐吾の姿を瞳に映してから。
 綾華は今度は、炎の子たちへと視線を向けて。そして、考え込む。
 ――この子あったかいし、多分うちの子らは喜ぶ……って。
 だから、こくりと頷き返す言葉は、もう決まっている。
「連れて、帰りましょう」
「……じゃよね! おいていけぬ……!」
 そして、わしらと一緒においで、と嬉しそうに尻尾を揺らす嵐吾に続いて。
 綾華も柔く紅の瞳を細め、炎の子たちへと紡ぐ――改めてよろしくな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

橘・尊
手元にある精霊のたまごを大事に布にくるみ肩からかけ、胸の中央にくるようにして、迷いの森最奥にある大樹を目指す

どんなコが孵るのか、すごく楽しみだ

俺の友達である精霊達もこの森が居心地がいいのか、楽しそうに飛び回っている

お前も孵ればあいつらと楽しそうに遊ぶんだろうな
俺とも仲良くしてくれよ?

話しかけながら、ふと考える
俺の想いが強く出てしまったら…きっと相棒そっくりになる気がする…漆黒の髪に銀色の瞳、強くて優しい人型の精霊に

気がつけば目の前に大樹が現れた
側まで進み
布からそっと出して祈る

怖くないからな
俺も仲間達もいる
さあ、出ておいで

無事孵りますように

(アレンジ大歓迎です)



 精霊のたまごが孵る森が纏うのは、虹の如き七彩の輝き。
 そんな不思議ないろが溢れる美しい風景の中。
「どんなコが孵るのか、すごく楽しみだ」
 橘・尊(浮雲・f13751)は、手元にある精霊のたまごを大事に布に包んで。肩から掛け、胸の真ん中の位置にくる様にする。
 落とさないように優しく運ぶ目的は勿論だけれど。
 ここならば、たまごに自分の体温も伝わって、心臓の音も聞こえるかもしれない。
 何せ、精霊のたまごから生まれるのは、孵す者の心が象られた精霊のようだから。
 尊は迷いの森の最奥にあるという大樹を目指し、歩みを進めながらも。
 虹の如き木漏れ日の中、楽しそうに飛び回っている友達の精霊達を微笑まし気に見つめる。
 きっとこの森が居心地がいいのだろう、なんて思いつつ。
 そして視線をふと、ほぼ白のいろに仄か耀くたまごへと向け、柔く瞳を細める。
「お前も孵ればあいつらと楽しそうに遊ぶんだろうな」
 ――俺とも仲良くしてくれよ? って。
 そう尊はたまごに話かけながら、ふとこう思い描く。
(「俺の想いが強く出てしまったら……きっと相棒そっくりになる気がする」)
 このたまごから生まれる精霊、それは多分――。
 刹那ふと顔をあげれば、気がつけば目の前に現れたのは……大きな大きな樹。
 その見上げるほど大きな樹『慈母たる大樹』の下まで歩みを進めて。
 布からそっと、仄かに輝くたまごを取り出して、尊は祈る。
「怖くないからな。俺も仲間達もいる」
 ――さあ、出ておいで、って。
 無事孵りますように……そう母なる大樹へと、心に紡げば。
「……!」
 ほぼ白に近い光を纏っていたたまごの輝きが、そのいろを変えてゆく。
 そして溢れんばかりの光が弾け――尊の目の前に現れた精霊は。
「ああ、やっぱり……」
 思わずそう落とした声。
 だって、尊に懐く様に寄り添っている、その小さな人型の精霊は。
 予想通り――強くて優しい、漆黒の髪と銀色の瞳を持っていたのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
【恋華荘】

これが『妖精のたまご』……ほんとに光の球なんだね。
わたしの分身が生まれるのは、ちょっと楽しみで、ちょっと怖いね。

たまごはセナさんと2人で大事に運んでいくよ。

森ではたまごの導きに従って移動しながら、
いろいろ食べてみたりしてみよう。

美味しそうな実をみつけたら、
「セーナさんっ?」
って。セナさんを振り向かせて、
振り向いたところを、強制的にあーんしてもらっちゃおう♪

あとは、いっしょにハスの葉の舟に乗れたら嬉しいな。
用意してくれた容器の1つに、2人でストローを差して、
ボートの上でカップル飲み、しちゃうよー!

●精霊
セナさんに作ってもらったカクテルをモチーフに、
セナさんの精霊との双子でお願いします。


セナ・レッドスピア
【恋華荘】
これが精霊のたまご…
仄かにあったかい光…確かにこれは大切に扱わないとですね…
と、理緒さんと2人で大事に運んでいきます

たまごに導かれて進んでいく最中
理緒さんから声をかけられて…
そちらに振り向いた瞬間に木の実が差し出されちゃいます
少しわたわたしちゃいますが、そのまま、あーん…と頬張り
その甘さにほわほわしちゃいます

その後、蓮の葉の船の上で
先のお返しも兼ねて
泉の水を、酒場の人が用意してくれた容器とストローで
理緒さんと一緒に飲んでいきます
味見した所おいしさは問題なしのはずですので
理緒さんが気に入っていただけたらっ

精霊は
理緒さんに送ったカクテルのイメージで
理緒さんの方の精霊との双子になります



 足を踏み入れた人を迷わせる、古い魔法が掛かっている森。
 けれど、手の中にある光が、行くべき方向を教えてくれるから。
 ――これが精霊のたまご……と。
 仲良く同時に呟くのは、菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)とセナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)。
「精霊のたまご……ほんとに光の球なんだね」
「仄かにあったかい光……確かにこれは大切に扱わないとですね……」
「わたしの分身が生まれるのは、ちょっと楽しみで、ちょっと怖いね」
 会話を交わしながら森の最奥を目指し、貰った精霊のたまごを大事に運ぶふたり。
 どんな精霊が生まれるのか、わくわくするけれど、どきどきもする。
 だから生まれるまで、自分たちが大切に守れるようにと……慎重に扱いつつも。
 きょろり、不思議な風景を作り出す森へと視線を巡らせる。
 たまごの導きには、勿論ちゃんと従って。不思議な森を、楽しく行きながら。
「セーナさんっ?」
 理緒にふいに声を掛けられ、セナが振り向いた――瞬間。
 差し出されたのは、あまーい木の実。
 そう、強制的にあーん!
 そんな不意打ちに、セナは少しわたわたしちゃうけれど。
 でも……あーんと口を開けて、はむり。
「理緒さん、とても甘いです」
 広がるその甘さと美味しさに、思わずほわほわしてしまう。
 それから暫く歩けば、眼前には七色に湧く虹の泉が。
 ふたりは、見つけた大きなハスの葉の舟に一緒に乗り込んで。
 セナはそっと、先に泉の水を味見してみてから。
「理緒さんが気に入っていただけたらっ」
 今度は彼女が、さっきのお返しを。
 取り出したのは、酒場のマスターが用意してくれた容器とストロー。
 泉の水を容器に汲んで、2人でストローを差せば――ボートの上でカップル飲み!
 ハスの葉の舟の上で仲良く一緒に、あまーいひとときを。
 それから、森の最奥……大きな『慈母の大樹』の元へとやってくれば。
 大事に運んできたたまごが刹那、一層眩く輝いて。
「あ、たまごが……!」
「……双子、です?」
 ふたりの前に現れた精霊は、翼の生えた小さな黒兎さんの精霊。
 けれど、理緒のたまごから生まれた子の翼は、蒼と黒のツートンとグラデーション。瞳の色は、星の海を思わせる琥珀色。
 セナのたまごから生まれた子の翼は、紅と銀。そしてその瞳は、艶やかなブラックオリーブのいろ。
 仲良くパタパタ翼をはばたかせながら遊ぶ可愛い精霊たちの姿に、ふたりは瞳を輝かせて。
 甘えてきたそれぞれの子を、ぎゅうっと優しく抱きしめる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんを肩に乗せて。

これが精霊の卵ですか。
どんな精霊様が生まれるか、楽しみですわね。
とは言うものの、私は自分で何となく解っておりますが。

風花さんの精霊様が気になります。
根っこの部分と申しますか。
風花さん、まだミステリアスなところがありますので、ふふ。

ああ、でもやはり森歩きは落ち着きます。
草花の声も香りも、穏やかで良いところです。
最近、少しばたばたとしておりましたので、心が穏やかになりますわね。

ここがその大樹でしょうか?
さて、では卵を孵しましょうか。
・・・ふふ、やはり私の精霊様はわにの形をしていますね。
仄かに紫色に輝くわにです。
きっと束縛を嫌います。森で自由にしてあげましょう。


七霞・風花
ティーシャ(f02332)と

よいしょ、と卵を抱え
森をゆっくりと進み、精霊に思いを馳せてみたりする
ティーシャさんの精霊は、ええ、私もある程度予測がつきますけれどね?
私自身、私の精霊というものはイメージがつきません

「うー、ん。私の心。私の、精霊……」

隣からの興味と好奇の視線を感じながら、思案する
考えながら、甘い木の実を口に運び
くすり、とつい笑みがこぼれた

「生まれてからのお楽しみとしますか。さ、奥へ向かいましょう?」

そうして、大樹へ
孵る卵は、何となるのだろう

「――ああ。たしかに、貴方は」

人に寄り添い
人と生きる
私と同じ色と瞳の、犬の精霊がそこに

「私がなりたかった、私……なのかな」

そう、ぽつりと零れた



 数多のいろが降る木漏れ日を浴びながら、興味深々な視線で。
 ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)が見つめるのは、手の中にある仄かな光。
「これが精霊の卵ですか。どんな精霊様が生まれるか、楽しみですわね」
 淡い輝きを纏うそれは、精霊が生まれるたまごなのだという。
 そして生まれる精霊は孵した者の心を象ると言われている。
 ティーシャはそんな精霊のたまごに、好奇心を擽られながらも。
「とは言うものの、私は自分で何となく解っておりますが」
 どんな精霊が生まれるのか、大方予想がついていた。
 いや、ティーシャ自身だけではない。
「ティーシャさんの精霊は、ええ、私もある程度予測がつきますけれどね?」
 よいしょ、と両手をいっぱいに広げ、小さな身体には少し大きめなたまごを懸命に抱えながら。
 森をゆっくりと進む七霞・風花(小さきモノ・f13801)にも、隣を行く彼女のたまごから生まれる精霊は大体予想がついていたけれど。
「うー、ん。私の心。私の、精霊……」
 逆に……風花自身、自分の精霊というもののイメージがつかないでいた。
 そんな風花のたまごから生まれる精霊が気になりつつも。
「根っこの部分と申しますか。風花さん、まだミステリアスなところがありますので、ふふ」
 ティーシャはそう、風花の姿を映した瞳をそっと細める。
 風花はそんな隣から向けられる興味と好奇の視線を感じながらも、ふと首を傾けて。
 はむりと口に運んだのは、森の樹に生っているキャンディーの様に甘い実。
 そして思案してたその顔をふいに上げて、くすり、つい零れるのは笑み。
 ティーシャの様に何となく分かっていても、自分の様に想像がつかないにしても。
「生まれてからのお楽しみとしますか。さ、奥へ向かいましょう?」
 どちらにしても、楽しみには違いないから。
 そんな風花の言葉に、金の髪をそっと揺らし頷いた後。
「ああ、でもやはり森歩きは落ち着きます」
 ティーシャは、風にさわりと揺れる自然の息吹を全身で感じながら、大きくすうっと息を吸って。
「草花の声も香りも、穏やかで良いところです。最近、少しばたばたとしておりましたので、心が穏やかになりますわね」
 やはり、森の空気感は落ち着くと、そう思うのだった。
 そしてたまごの導きを辿り、迷うことなくやってきたのは――森の最奥にある『慈母たる大樹』の下。
「ここがその大樹でしょうか?」
 大きな大きな樹を見上げ、手の中にあるたまごが孵るのを待つふたり。
 ――孵る卵は、何となるのだろう。
 風花はじっと、輝きを増したたまごの孵化が孵化する瞬間を見守って。
 ティーシャは刹那、眩い光に包まれたたまごから現れた精霊を見つめ、笑む。
「……ふふ、やはり私の精霊様はわにの形をしていますね」
 眼前に在るその姿は、仄かに紫色に輝くわに。
 生まれたのは、わにが好きな彼女にぴったりな、予想通りの子。
 けれどきっとこの子は束縛を嫌うと思ったから。
「森で自由にしてあげましょう」
 ティーシャは生まれた精霊を森へと解き放ってあげることにする。
 そして同じように、風花のたまごが輝きを放ち、孵れば。
「――ああ。たしかに、貴方は」
 生まれた精霊を見つめ、その姿に、風花は思わず納得してしまう。
 ――人に寄り添い、そして人と生きる。
 見つめ返してくるのは、風花の瞳と同じ青の双眸。
 そこに在るのは、ちょこんとお座りしている犬の精霊であった。
 そして、生まれたばかりの子と見つめ合いながらも。
「私がなりたかった、私……なのかな」
 風花はそう、ぽつりと零すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふえぇ、アヒルさん、意地にならなくてもいいと思います。
精霊のたまごさんも卵の形をしていないのですから、普通に抱いて持っていけばいいと思います。
それに(ここが一番重要なことですけど)私の帽子を巣にするのはやめてほしいです。

あ、精霊のたまごさんがだんだん暗い色に、そうですよねケンカはよくないですよね。
ごめんなさい、アヒルさんも帽子から出なくていいですよ。
それに、この方が二人で温めている気がしますからね。

あ、たまごさんが孵りそうですよ。
帽子を被ったひよこさんみたいですね。



 七彩の光で満ち溢れたこの場所は、古い魔法が掛けられているという迷いの森。
 きょろりと赤い瞳を巡らせ、そんな森の中をそろり歩みながらも。
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)は、ふるふると首を横に振る。
 街で託された精霊のたまごを、この迷いの森で孵すこと……確かにそれが、今回の目的だけれど。
「ふえぇ、アヒルさん、意地にならなくてもいいと思います」
 共に森を征くアヒルちゃん型のガジェットの『アヒルさん』に、そう告げるフリル。
 そんなアヒルさんは一生懸命、たまごをぬくぬく温めているのであるが。
「精霊のたまごさんも卵の形をしていないのですから、普通に抱いて持っていけばいいと思います」
 たまごとはいっても、それは光の球のようなもの。
 いや、ぬくぬく愛情を注げば、生まれてくる子にも良いだろうと、そうは思うのだけど。
 でも一番の問題は、そこではなくて。
「それに、私の帽子を巣にするのはやめてほしいです」
 これが一番重要なことなのです!
 そんなフリルの抗議にも、頑として動かないアヒルさん。
 けれど、いつものように大きな帽子をかぶらないと、そわそわ落ち着かない。
 だからもう一回フリルが、帽子を返して欲しいと、そうアヒルさんに言おうとした……その時。
「あ、精霊のたまごさんがだんだん暗い色に、そうですよねケンカはよくないですよね」
 何だかしょんぼりしているかのように、纏う光を暗くする精霊のたまご。
 そんなたまごの様子に、フリルはハッと気が付いて。
「ごめんなさい、アヒルさんも帽子から出なくていいですよ」
 ――それに、この方が二人で温めている気がしますからね、って。
 今回は、精霊のたまごさんのためにも、大きな帽子を貸してあげることに。
 そして、たまごの道案内で迷うことなく森の最奥『慈母たる大樹』へと辿り着けば。
「あ、たまごさんが孵りそうですよ」
 ぬくぬく温めた甲斐があってかどうか……眩い輝きと共に生まれる精霊。
 精霊のたまごから生まれる精霊は、孵した人の心が象られる――そう言われているけれど。
 ――ぴよっ。
 そう聞こえた、可愛い声。
 頑張ってあたためていたアヒルさんとフリルの貸した大きな帽子が影響したのか。
「帽子を被ったひよこさんみたいですね」
 生まれたのは――ぴよぴよ可愛い、ちょこんと帽子をかぶったひよこさん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

葉月・零
縁さん(f06518)と
アドリブ歓迎

ここから精霊がうまれるんだねぇ
そう思うと落とさないように慎重に
っと、手に力が入りそうだからそこも気をつけとかなきゃ

どんな子に出会えるんだろうねぇ

まぁ、のんびりこの森を楽しみながら目的のとこまでいこーか
縁さーん、きのみ食べられるらしいよ?お水もいろんな味がするらしいよ……って、言う前に動いてるよねぇ、やっぱり

大事なたまごだから落とさないように気をつけるんだよー

卵の中から見つめる瞳と目があったような気がする……
孵ったのは
鷹のような鳥の姿の精霊さん

おや、こんにちは
キミと出会えて嬉しいよ

あ、そーだ。縁さんの卵はどーなった?

って、なんだかすっかり仲良しだねー


野宮・縁
れい(f01192)と
アドリブ歓迎

そーっとたまごをはこぶが木の実をみつけかけよる
れいー!これおいしそーじゃぞ!
つんでれいのとこにもどっていっしょにたべる
いろんなあじがあるが、わしはあまいのがすきじゃなー
なんこかうまれてくるこにもわけてやろう

うまれた子の目とわしの空色の目があう
なでるとすりよってくる子に
里にいた幼子たちのすがたを思い出す
なつかしさと、全てうしなってひとりぼっちになったさびしさと
思い出して森にかえそうとするが
はなれずついてくる子に
しょうがないなとかかえ
まずは名をつけねばなと苦笑する

れいの子は鳥か
きれいじゃの
うちの子となかよくしてやっておくれ

精霊の姿小さな動物系
細かい事等全てお任せで



 足を踏み入れたその森には、人を迷わせる古い魔法満ちているというけれど。
 でも、手の中にある光が行くべき方向を教えてくれるから、大丈夫。
「ここから精霊がうまれるんだねぇ」
 ……そう思うと落とさないように慎重に。
 葉月・零(Rien・f01192)は、まるで道案内してくれているかの様に、仄かに光るそれ――精霊のたまごを見つめ呟きを落とす。
 精霊のたまごを、森の最奥にある大樹の下で孵す。それが今回の目的だから。
「っと、手に力が入りそうだからそこも気をつけとかなきゃ」
 慎重にそっと大切に扱いながらも、たまごを見つめる紫の瞳を細める。
 ー―どんな子に出会えるんだろうねぇ、って。
 そんな、たまごから生まれる精霊のことが気になるのは勿論だけど。
「まぁ、のんびりこの森を楽しみながら目的のとこまでいこーか」
 ぐるり、たまごに向けていた瞳で周囲を見回せば……見つけるのは、たくさんのいろ。
 零はふと、先程まですぐ隣でそーっとたまごを運んでいた野宮・縁(永久に七つと数えよう・f06518)へと目を向けるけれども。
「れいー! これおいしそーじゃぞ!」
「縁さーん、きのみ食べられるらしいよ? お水もいろんな味がするらしいよ……って、言う前に動いてるよねぇ、やっぱり」
 零が言うよりも早く木の実を見つけた縁の手には、すでに摘まれた美味しそうな木の実が。
 そしてそれを一緒に食べるべく、零にもお裾分けしてから。はむりと、いくつか口にしてみれば。
「いろんなあじがあるが、わしはあまいのがすきじゃなー」
 お気に入りは、一等甘い赤い実。
 けれど、摘んだ美味しい実を全部食べず、取っておく縁。
 ……なんこかうまれてくるこにもわけてやろう、って。
 それから色々な味がするという美味しそうな湧き水にも興味深々な縁に、零は声を掛けておく。
「大事なたまごだから落とさないように気をつけるんだよー」
 そして七色の光降る不思議で美味しい森の冒険も、目一杯楽しみながら進めば。
 辿り着いた森の最奥に在ったのは、大きな大きな樹。
 そんな『慈母たる大樹』の下まで歩みを進めれば。
「卵の中から見つめる瞳と目があったような気がする……」
 そう、零が呟いたと同時に――輝きを増した手の中たまごが、精霊となる。
「おや、こんにちは。キミと出会えて嬉しいよ」
 まだ慣れぬように、一生懸命ばさりと翼を広げて。
 甘える様に零の周りをくるりと飛ぶのは、鷹のような鳥の姿の精霊さん。
 それから、ちょこんと己の肩に精霊さんがとまったのに瞳細めた後。
「あ、そーだ。縁さんの卵はどーなった?」
 縁の方へと紫の視線を巡らせれば……じーっと、生まれた子と見つめ合っている縁の姿が。
 ぱちりと合うその瞳のいろは、どちらも澄んだ空のいろ。
 白いもふもふした毛並みの、猫の様なその子を、そうっとなでなでしてあげれば。
 すりすりと身体を寄せて来る、甘えん坊さん。
 そんな姿をみれば……思い出すのは、里にいた幼子たちの姿。
 そして――なつかしさと、全てうしなってひとりぼっちになったさびしさ。
 だから縁は、生まれた精霊を森へと返そうとするけれど。
 言って聞かせても離れず、ひょこひょこ無邪気についてくるその子を、ひょいと抱える。
「まずは名をつけねばな」
 しょうがないなと、そう苦笑しながら。
 そしてそんな様子を微笑ましく見つめ、零が声を掛ければ。
「って、なんだかすっかり仲良しだねー」
「れいの子は鳥か、きれいじゃの」
 零と彼の肩にとまっている鷹の精霊さんに、縁はこう続ける。
 ――うちの子となかよくしてやっておくれ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シン・クレスケンス
映画の中の世界のような美しい森を進む中、ひと時の休憩。
巨大な雲。雲の中には、何が…?
精霊のたまごを撫でながら思考に沈む僕の横でツキはこっそり木の実をつまみ食い。

生まれた精霊は月と夜の精霊。
一見すると普通のフクロウのようですが、翼を広げるとその内側は夜空に繋がっているような深い藍と星の煌めきのような光。
…ツキ、一体何ですか?吹き出したりして。
え?「夜更かしして書庫に篭って、魔術について研究している僕に似ている」ですか?
「フクロウは夜行性で知恵の象徴にされてるんだろう?」って。
おや、精霊さんがツキの頭に。UDCを怖がったりしないんですね。
一緒に来ますか?と指先で優しく頭を撫でると「ホゥ」と一鳴き。



 森の木々の隙間から零れ落ちる輝きは、虹のいろを宿していて。
 ぐるりと見回す森の風景は、まるで映画の中の世界のような美しさだと。
 託された精霊のたまごの導きに従って森を進んでいたシン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)は、色とりどりの木の実がたわわになる樹の下で、ひと時の休憩を。
 そして手の中にある精霊のたまごを撫でながら、ふと物思いに耽る。
(「巨大な雲。雲の中には、何が……?」)
 予知や街の人が言っていた、怪しい巨大な雲。
 それがどういうものなのかは分からないけれど……きっと、良いものではなさそうだ。
 そう、真剣な表情で思考に沈むシンの隣で。
 酒場ではナッツをくんくんしていた犬、いや狼……いいえ、UDCのツキは、今度は木の実をくんくん。
 そしてこっそり、ぱくりとつまみ食い。刹那、美味しさに満足した様に、尻尾をふるり。
 そんなツキと共にシンが目指すのは――森の最奥『慈母たる大樹』の元。
 この場所でしか、託された精霊のたまごは孵らないのだという。
 そこまでの道のりは、たまごが纏う光が教えてくれて。
 大樹の下へと辿り着けば……纏う輝きを増す、精霊のたまご。
 そして、シンのたまごから生まれた精霊は――月と夜の精霊。
 一見すると、その姿は普通のフクロウのようだけれど。
 ばさりとその翼をはばたかせれば、内側に広がるのは夜空の煌めき。夜空に繋がっているかのような、深い藍と星の煌めきのような光を纏っている。
 そんな、シンのたまごから生まれた精霊の姿を見たツキは、思わず笑ってしまう。
「……ツキ、一体何ですか? 吹き出したりして」
 その様子に首を傾け、眼鏡の奥の瞳で相棒をシンが見れば。
「え? 夜更かしして書庫に篭って、魔術について研究している僕に似ているですか?」
 ――フクロウは夜行性で知恵の象徴にされてるんだろう?
 そうさらに訊ねては笑うツキを隣に見ながら、シンが改めてもう一度生まれた精霊へと視線を向けると。
「UDCを怖がったりしないんですね」
 夜空の如き翼をばさりと羽ばたかせ、ちょこんとツキの頭の上にとまるフクロウさん。
 そんな精霊に、シンはこう提案する。
「一緒に来ますか?」
 そして指先で優しく頭を撫でれば――ホゥと、お返事の一鳴きが。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
【邪蛸】
後部座席に乗っけて貰って目的地へ
パウルに手を回し掴まって身体を委ねる

俺の心を汲んで産まれるのは鮮やかなスカイブルーのメンダコ
ふよふよ宙を泳いでて
つっつくとぷるぷるする

正直すんげえ連れて帰りたいけど
……ダメなんだよなぁ
俺、多分最後まで一緒にいてやれねえから
こんな時に自分の「仮初の命」が恨めしくなる
けど

あっ、パウルが孵したやつとめっちゃ仲良くなってるじゃん?
ぷにぷにきゃっきゃしててめっちゃかわいい
はは、良かったなぁ
これで寂しくねえな

やっぱパウルを誘ってよかった
俺達なら乗り越えられるよな
何だって
――命の違いだって

手の温もりを感じつつ
パパ達だなんてパウルだいたーん、と照れ隠しにおどけて笑う


パウル・ブラフマン
【邪蛸】
オレの天使を
Glanzの後部座席に乗せて迷路を疾走♪
辿り着いた大樹の下で
卵に呼びかけて孵化を促すよ。出ておいで~☆

オレの卵から孵ったのは
中性的でアバンギャルドな戦化粧を施したな人型の妖精。
紅い竜の尻尾や翼が超カッケェ!
まんざらでもなさそうな様子の妖精の頬を撫でながら
ジャスパーに似てるかもって想ったり。

あっホントだ!
くっついてすりすりぷにぷにしてる~仲良しさんだね♪
森へ解き放つ意向にこくりと頷いて。
うん…そだね。一緒なら寂しくない。

骨ばった掌を、その十字架ごと包み込んで。
またこの森に来よう?
何度でも、ふたり一緒に。このコ達と逢うタメに♪

だからこそ…悪いヤツはパパ達がやっつけとかないとね?



 七色の煌めき降る森の中に響くのは、何処にいたって聞き分けられる愛しい音。
 何時だって迎えに来てくれるその音を、ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は今、気持ち良い程の大音量で聞いている。
 艶やかな蒼き光線を纏う白銀――Glanzの後部座席から。
 そしてパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)が、自分の身体に腕を絡め身を委ねてくる、自分だけの天使の熱を背中から感じれば。
 すぐに己の体温と混ざり合い、ひとつになって、全身を満たしてゆく。
 そんなふたりを乗せたGlanzが走るのは、古い魔法が掛かっているという迷いの森。
 けれど、白銀の輝きは迷うことなどなく七彩の森を疾走する。
 互いが大切に持っている精霊のたまごが、行くべき方向へと導いてくれるから。
 そして辿り着いた森の最奥――『慈母たる大樹』の下で、パウルは手の中の光に呼びかける。
「大樹に到着したよ♪ 出ておいで~☆」
 そんな優しい響きに反応する様に、光輝いたパウルのたまごから孵ったのは――中性的でアバンギャルドな戦化粧を施したな人型の精霊。
「紅い竜の尻尾や翼が超カッケェ!」
 そう声をあげれば、えっへんと満更でもなさそうな様子の精霊さん。
 その可愛い仕草に心擽られ、頬っぺたを撫でてあげながらも、パウルはふと想う。
 ――ジャスパーに似てるかも、って。
 精霊のたまごは、孵すその者の心を象ると言われているから。
 そんなアバンギャルドな精霊さんと自分を交互に見つめるパウルの視線にも気付かずに。
 ジャスパーのピンクと紫が混ざる瞳がじーっと映すのは、鮮やかなスカイブルーのいろ。
 ジャスパーの心を象った、ふよふよ宙を泳ぐメンダコの精霊さんを。
 そして、つんつんとつっついてみれば、スカイブルーのからだがぷるぷる。
 その様子を楽し気に見つめながらも、ジャスパーはふと呟きを零す。
「正直すんげえ連れて帰りたいけど……ダメなんだよなぁ」
 ――俺、多分最後まで一緒にいてやれねえから、って。
 クワガタやカブトムシならば、最後まで面倒をみてやれるけれど。
 ……こんな時に自分の「仮初の命」が恨めしくなる。
 でも、そうは思うけれど。おもむろにその顔を上げれば。
「あっ、パウルが孵したやつとめっちゃ仲良くなってるじゃん?」
「あっホントだ! くっついてすりすりぷにぷにしてる~仲良しさんだね♪」
「ぷにぷにきゃっきゃしててめっちゃかわいい」
 すっかり仲良しさんな精霊たちの姿に、宿る笑み。
 ジャスパーが精霊を森へと解き放つのならば、パウルが生まれた子をどうするかはもう決まっている。
「はは、良かったなぁ。これで寂しくねえな」
 そう精霊たちを見つめ、どこか寂しそうだけど、でもそれ以上にホッとしている様な……その横顔を見つめながら。
 パウルは、こくりと頷く。
「うん……そだね。一緒なら寂しくない」
 そして精霊たちを見ていた不思議で綺麗ないろの瞳が、今度はパウルの姿を映す。
「やっぱパウルを誘ってよかった。俺達なら乗り越えられるよな」
 何だって――命の違いだって。
 そう紡がれた声に、いつも通りの柔い笑みを向けて。
「またこの森に来よう? 何度でも、ふたり一緒に。このコ達と逢うタメに♪」
 パウルはそっと優しく、骨ばった掌を刻まれた聖痕ごと包み込む。まるで、その十字架に誓う様に。
 そして、ぱちりとウインクしてもう一度笑む。
「だからこそ……悪いヤツはパパ達がやっつけとかないとね?」
 そんなパウルの言葉に、ジャスパーはおどけて笑う。
「パパ達だなんてパウルだいたーん」
 与えられ混ざり合う――あったかい手の温もりの、照れ隠しに。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と共に
・アドリブ歓迎

託された精霊のたまご、壊さないように懐の中で
そっと、そっと、大切に温めて

光溢れる花園で一休みすれば、幼い頃聞いた子守唄を自然と口ずさむ
こうしていると何だか母鳥になった気分
ねえヴォルフ、将来わたくしたち夫婦に「本当の子供」が出来たら、やっぱりこんな気持ちになるのかしら?

生まれてきた精霊さんは、小人のような妖精のような、可愛らしい女の子
白い翼にお花のようなドレス、淡い光を纏い、ふよふよと宙に浮かんでいる
隣の青い男の子精霊さんをまるで兄のように慕う姿が、とても微笑ましいわ

無理強いはしないけれど、もしあなたたちさえ良ければ、わたくしたちと一緒に来てくれる?


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と
・アドリブ歓迎

雲の件は気になるが、今は考えても仕方あるまい
今はこの卵を守ることに集中しよう

傍らでヘルガが歌えば、小鳥たちが声を合わせ囀る
神秘に守られた森の、なんと平和で美しいことか

あ、ああ…そうだな
いつかは俺たちも子供を、家族を……

俺の精霊は…ヘルガの精霊と同じ背丈の男児、炎の妖精か
夜のように深い蒼、その心臓の辺りに宿る小さな赤い光
無表情だが、意志の強そうな目をしている
ヘルガの精霊との仲睦まじい様子は、見ているだけで幸せが伝わってくる

お前たちはどうしたい?
この森で二人平和に暮らすか
それとも俺たちと共に行くか
無理強いはしたくない。どうか、お互いにとって幸せな選択を



 降り注ぐ数多のいろは、美しい森をさらに幻想的に彩って。
 足を踏み入れた者を惑わせ、その魔法で迷わせる。
 でも、迷いの森の魔法に、決して惑わされぬようにと。
 仄かに光輝き、行くべき方向へと導いてくれるのは――精霊のたまご。
 ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は託された精霊のたまごを壊さないようにと。
 懐の中で、そっと、そっと、大切に温めながら。森の最奥にあるという大樹目指し、歩みを進めて。
(「雲の件は気になるが、今は考えても仕方あるまい」)
 ……今はこの卵を守ることに集中しよう、と。
 ヘルガの歩調に合わせ守護する様に、共に森を征きながら。
 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)は、すぐ隣でたまごを懸命に温める彼女を見守る。
 魔法の掛かった森の風景は不思議で美しく。
 ふたりが一休みするのは、光溢れる花園。
 そしてヘルガが、幼い頃聞いた子守唄を自然と口ずさめば。
 七彩の空を飛ぶ小鳥たちが声を合わせ、共に歌うように囀る。
 ――神秘に守られた森の、なんと平和で美しいことか。
 そう魅入る様に、ヴォルフガングは神秘の森で小鳥たちと歌う、傍らの白の歌姫を見つめて。
「こうしていると何だか母鳥になった気分」
 小鳥たちと、そして懐のたまごを慈しむ様に笑んだヘルガの青い瞳が、ふと自分を映したかと思えば。
「ねえヴォルフ、将来わたくしたち夫婦に「本当の子供」が出来たら、やっぱりこんな気持ちになるのかしら?」
 そう白雪の髪に咲かせた蒼いミスミソウの花をそっと揺らし言った彼女に、思わず瞳瞬かせてしまったけれど。
「あ、ああ……そうだな。いつかは俺たちも子供を、家族を……」
 ヴォルフガングは愛しき妻へと、そう返すのだった。
 そして、精霊のたまごに導かれ辿り着いた――森の最奥。
 『慈母たる大樹』と呼ばれし大きな樹の下へと、ふたり揃って歩みを進めれば。
「……!」
 ふたりの手の中の精霊のたまごが、眩い光を解き放って。
 七彩の祝福を受け、新しい生命が生まれる。
 精霊のたまごから生まれる精霊は、孵す者の心を象る。
 ふたりのたまごから生まれた精霊は――。
「見てヴォルフ、小人のような妖精のような、可愛らしい女の子」
「俺の精霊は……炎の妖精か。無表情だが、意志の強そうな目をしている」
 淡い光を纏い、白い翼にお花のようなドレスをふわり。ふよふよと宙に浮かんでいる女の子は、ヘルガのたまごから生まれた精霊。
 そして、夜のように深い蒼、その心臓の辺りに宿る小さな赤い光。妖精の様な女の子が、まるで兄の様に慕っている男の子の精霊は、ヴォルフガングのたまごから生まれた子。
 ふたりのたまごから生まれた精霊は、見ているだけで幸せが伝わってくるほど仲睦まじくて。
 だからこそ、ヴォルフガングは思う。
「お前たちはどうしたい? この森で二人平和に暮らすか。それとも俺たちと共に行くか」
 ……無理強いはしたくない、と。
 どうか、お互いにとって幸せな選択を―ーそう、精霊たちに決断を託せば。
「無理強いはしないけれど、もしあなたたちさえ良ければ、わたくしたちと一緒に来てくれる?」
 ヘルガも彼と同じく、無理にとは言わないけれど。でも、もし良ければ……そう、愛し子たちへと紡ぐ。
 そして、精霊たちが出したこたえは。
「……共に行くか」
「嬉しい、よろしくね」
 それぞれ孵してくれたふたりに甘える様に、身を寄せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
触れた卵が成した色は勿忘草色
明るい青は触れるとほのかにあたたかく
宿る命を手の平から伝い知る

落とさぬ様に両手で抱え
道中は黒帝に隣を歩いてもらう
語り掛けるよう言葉零しながら大樹へと

俺は、この身の裡に在る精霊の怨讐のせいか
精霊にはあまり好かれていないみたいなんだ
度々悪戯の標的にもされるしな

…お前には嫌われないと、いいんだけど

辿り着いた大樹の下
暫し眺めていれば卵がぱきり割れる

生まれ出でたのは
鰭耳に揺蕩いの羽衣を纏った水の精霊
手の平に降り立った
勿忘草色の小さな女の子の姿

─初めまして
安堵に笑み紡いだ言葉に返されたのは
左頬の影の上に落とされたくちづけの挨拶

慈しみ癒す様に
やさしいやさしい
はじめましてが触れた



 そっと手を伸ばして触れた先。
 じわり染みる様に光移ろうそのいろは、勿忘草色。
 華折・黒羽(掬折・f10471)は、その様を見つめる縁取られた青の双眸をふと細める。
 触れたその柔く明るい青は、ほのかにあたたかくて。
 手の平から伝い知るのは、宿る命の温もり。
 託された精霊のたまごを、黒羽は落とさぬ様にと慎重に両手で抱えて。
 七彩降る迷いの森を征く道中、守護するように隣を歩いてもらうのは、喚んだ黒帝。
 そして目指すは、迷いの森の最奥――精霊が孵るという大樹の下。
 そこまでは、手の中にある勿忘草のいろが、ちゃんと導いてくれるから。
 黒羽はそのいろを辿る様に歩みながら語り掛けるよう言葉零す。
 それは……心に少しだけ抱いている不安。
「俺は、この身の裡に在る精霊の怨讐のせいか、精霊にはあまり好かれていないみたいなんだ」
 ……度々悪戯の標的にもされるしな、と。
 先日も、知人たちと共に愉快な悪戯をされたばかりであることを思い出しながら、黒羽はひとつ息をついて。
 仄かな輝きを見遣り、呟きを落とす。
「……お前には嫌われないと、いいんだけど」
 そんな黒羽の声に応えるかの様に、ふわりと一瞬、その青のいろを燈すたまご。
 そしてその導きのまま、迷うことなく大きな大きな樹の下へと辿り着けば。
「……!」
 仄かであった光が、眩いものへと変わって。
 ぱきりとたまごの殻が割れるかのように、光溢れた瞬間――生まれ出でたのは、勿忘草色の小さな女の子。
 ひらりと掌に降り立ったその姿は、鰭耳に揺蕩いの羽衣を纏った水の精霊。
 黒羽は水纏いし彼女を、落とした青の瞳に映して。
 ――初めまして。
 安堵に笑み、そっとはじめての言の葉を、生まれてきてくれた彼女へと贈る。
 そんな黒羽の声に、ゆらり水の如き羽衣が揺れれば。
 刹那返されたのは……左頬の影の上に落とされた、くちづけの挨拶。
 それは、慈しみ癒す様に触れた――やさしいやさしい、はじめまして。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイシャ・ラブラドライト
わぁ…精霊さんの卵って初めて見ました
不思議な光…。会えるのが楽しみです
私の心を象った精霊ってどんな子なんだろう
しっかりと大切に抱えて飛んで、まっすぐ森の奥を目指します
道中、卵に話しかけたり、子守唄を歌います
明るく優しい世界の歌を
聞こえているのかはわからないけれど…
安心して生まれて来られるように
大丈夫、私がついていますよ

大樹に辿り着いたら
私よりも更に小さい、少女の姿をした風の精霊さんが生まれてきて
私が道中に歌っていた歌を歌ってくれたから
私も一緒に歌って、途中手を取り合ったりして、笑い合って…
すごく心が通った気がして、嬉しかった
あなたのことを大切にすると約束するから
私と一緒に来てくれませんか?



 足を踏み入れた森は、人を迷わせる魔法がかかっているというけれど。
「わぁ……精霊さんの卵って初めて見ました」
 アイシャ・ラブラドライト(煌めく風・f19187)の手の中にある精霊のたまごが、進む道を教えてくれるから。
 この森の最奥に在る大樹の下でしか孵らないという、精霊のたまご。
 そのたまごから生まれるのは、孵す人の心を象った精霊だと聞いたけれど。
 ――私の心を象った精霊ってどんな子なんだろう。
 アイシャはそっと緑色の髪を揺らし首を傾けながらも、髪と同じいろをした瞳を細める。
「不思議な光……。会えるのが楽しみです」
 小さな身体には、少しだけそのたまごは大きいけれど。
 しっかりと大切に抱えて飛んで、たまごが教えてくれる方向へとまっすぐ進み、森の奥を目指して。
 その道中、たまごに話しかけたり、子守唄を歌ってあげるアイシャ。
(「聞こえているのかはわからないけれど……安心して生まれて来られるように」)
 それは、明るく優しい世界の歌。
 ――大丈夫、私がついていますよ、って。
 そう、この子に伝わる様に。
 そして辿り着いた大樹の下で刹那、たまごが眩い光を放てば。
「……!」
 生まれてきたのは――小さなアイシャよりも更に小さい、少女の姿をした風纏う精霊さん。
 そして小さな小さな精霊さんが歌うのは、道中でアイシャが歌ってあげた歌。
 だからアイシャも一緒にまた歌って、手を取り合って、笑い合って……。
 ……すごく心が通った気がして、嬉しかったから。
 アイシャは、生まれてきてくれた少女の精霊へと紡ぐ。
 ――あなたのことを大切にすると約束するから……私と一緒に来てくれませんか? って。
 そして小さな小さな精霊さんのお返事は、そっと頬に触れた……よろしくお願いしますのキス。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディアナ・ロドクルーン
POW
アドリブ・絡みOK

これが…精霊の卵…。とても綺麗
この卵を森の最奥まで運べばいいのね

マスターの話に出ていた巨大な雲は気になるけど今はこちらを優先に
どんな子が孵るのか楽しみだわ
尊さんも行くと言っていたし…後で合流した時に見せてもらいましょう

迷うかもしれないという不安はどこにもなく
導かれるように森の中を進みます

精霊
森の哲学者、大きな白い翼を持つ梟の精霊
空を舞う、その翼が私の目を惹きつけてやまない

おいで、おいで、空を舞う子
よく産まれ出てくれたわね

名前を付けてもいいのなら、『ヒンメル』と名を贈りましょう。
空の意を持つ言葉、あなたにピッタリよ
気に入ってくれるといいのだけど

(性格、属性はお任せ)



 古い魔法が掛かったままの森の風景も、虹の様な木漏れ日に彩られ美しいのだけど。
「これが……精霊の卵……。とても綺麗」
 ディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)の手の中にあるたまごの輝きは、まるで……先程グラスを満たしていたいろのような。月と星が瞬き始める夜のもの。
「この卵を森の最奥まで運べばいいのね」
 ディアナはふと依頼を請け負った、冒険酒場のマスターの話を思い出す。
 生まれた精霊達や孵した者を飲み込む、大きな雲。
 そんな、話に出ていた巨大な雲のことは、確かに気になるけれど。
 ……今はこちらを優先に。
 そう大切に、たまごを優しく抱えながらも。
「どんな子が孵るのか楽しみだわ」
 生まれてくる精霊が、どんな姿をしているのか――そう考えてみれば、わくわくしてしまう。
 精霊のたまごから孵るのは、孵す人の心を象った精霊だと。
 そう聞いたから……自分のたまごから孵る子は、勿論のこと。
「尊さんも行くと言っていたし……後で合流した時に見せてもらいましょう」
 自分だけでなく、皆のたまごからはどんな子が生まれたのか。
 とても楽しみ……そうディアナは笑み咲かせ、精霊が生まれる場所『慈母たる大樹』の元へと歩みを進める。
 この森は、古い魔法が残っているという迷いの森。
 けれどディアナには、迷うかもしれないという不安はどこにもない。
 手の中の仄かな生命の光が行くべき場所へとちゃんと導いてくれると、信じているから。
 そして導きのまま進んだ先――眼前に現れたのは、大きな大きな樹。
 ディアナはその樹……『慈母たる大樹』の下へと歩みを進めれば。
「……!」
 手の中にある夜のいろが、眩い輝きを帯びた瞬間。
「おいで、おいで、空を舞う子」
 ――よく産まれ出てくれたわね。
 眼前に現れた森の哲学者……大きな白い翼を持つ梟の精霊の姿を、紫色の視線で追う。
 ばさりと七色の空を舞うその翼が、ディアナの目を惹きつけてやまないから。
 そして甘えるように周囲を飛ぶ梟の精霊に、気に入ってくれるといいのだけど、と。
「空の意を持つ言葉、あなたにピッタリよ」
 ディアナは生まれた子に、最初の贈り物をあげる――空の意を持つ『ヒンメル』という名を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・夜彦
【灯夜】
たまごとは言われておりましたが本当にそのままの形なのですね
しかし中からこの世界で言う魔力……と思われるものを感じます

えぇ、私は青と紫の中間のたまごにしました
灯里にも好いて頂けるのは嬉しいですね
私もその色が好きです
彼の瞳の色でもあり貴女の髪の色
朝焼けの色でもあり、夕日の色でもある……私はそう感じております

元気な子でも、大人しい子でも
きっと灯里とお友達になれますよ
そしてこの子は灯里と同じく生まれたばかり
不安にならないように、今度は貴女が寄り添ってあげる番です

見えた精霊の美しさに目を細め、気付けば自分のも孵る
青と紫の色を宿した魚
透き通った体の中に花々が咲き、まるで水槽の様
……この子が私の、心


月舘・灯里
【灯夜】
あかりのほんたいのほおずきもころころですけれど
このこはもっところころできらきらなのです

そんなことを
とうさまとおはなししながら
たいじゅをめざすです

とうさまはやっぱりあおかったりむらさきだったりするのですね
(とうさまのたまごをみながらにこにこ)

あかりはとうさまのおいろ、すきです
あかりのは
きのうのんだカクテルとおなじ、オレンジなのです
あたたかくてやさしいこだとよいなぁとおもうです

とうさま、あかり……このこと
おともだちになれるでしょうか?

うまれたこは
きれいなきれいなオレンジいろのおはながさいたりゅうです
せいれいさん、あかりといっしょにきませんか?

とうさまのせいれいさんもひらひらできれいなのです



 不思議な魔法が掛けられた森で、迷子にならないようにと。
 月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は、隣を歩く月舘・灯里(つきあかり・f24054)と歩調を合わせ、並んで。
 小さなその手を優しく握って、一緒に、森の最奥を目指す。
「たまごとは言われておりましたが本当にそのままの形なのですね」
 灯里と繋いでいるのと逆の手には、仄かに輝く光のたまごが。
 それは、この迷いの森でしか孵らないという、精霊のたまご。
 夜彦は幻想的な輝き纏うその光を見つめて。
「しかし中からこの世界で言う魔力……と思われるものを感じます」
 精霊が宿るだけあり、仄かな輝きから強い魔力を感じる。
 灯里も大事にそっと、光る精霊のたまごを握りしめて。
「あかりのほんたいのほおずきもころころですけれど、このこはもっところころできらきらなのです」
 会話を交わしながら隣を歩く父と同じ緑色の瞳に、神秘的なその煌めきを宿す。
 それから、自分のたまごから夜彦のものへと、ふと視線を移して。
「とうさまはやっぱりあおかったりむらさきだったりするのですね」
 夜彦にぴったりなそのいろを見つめ、にこにこ笑む灯里はこう続ける。
 ――あかりはとうさまのおいろ、すきです、って。
 その言葉に、柔く微笑んで。
「えぇ、私は青と紫の中間のたまごにしました。灯里にも好いて頂けるのは嬉しいですね」
 今度は、小さな手で灯里が頑張って運んでいるたまごへと、夜彦は視線を向ける。
 そんな父の瞳に気付き、灯里はそっと自分のたまごを掲げて見せて。
「あかりのは、きのうのんだカクテルとおなじ、オレンジなのです。あたたかくてやさしいこだとよいなぁとおもうです」
 そう首を小さく傾ける灯里だけど。
 夜彦は、よく知っているから。
「私もその色が好きです」
 それは、彼の瞳の色でもあり、目の前の娘の髪の色でもあって。
 朝焼けの色でもあり、夕日の色でもあって……そして。
 そのいろは――とても、あたたかくて優しい。
 灯里はそれから、父のことを見上げてから。
「とうさま、あかり……このこと、おともだちになれるでしょうか?」
 橙のいろを湛えたたまごを、円らな瞳でじっと見つめる。
 そんな灯里に、夜彦はこくりとすぐに頷いて。
「元気な子でも、大人しい子でも、きっと灯里とお友達になれますよ」
 会話を交わしているうちに、辿り着いた――『慈母たる大樹』をそっと見上げる。
 それからふたり一緒に、大樹の下まで歩みを進めれば。
「わ、とうさま……!」
 仄かだったたまごの輝きが眩いものへと変わり、光が弾けて。
 灯里の目の前に現れた精霊は――綺麗なきれいな、オレンジいろのお花が咲いた龍。
 そして夜彦は灯里の目線に屈んで、そっと言って聞かせるように紡ぐ。
「この子は灯里と同じく生まれたばかり。不安にならないように、今度は貴女が寄り添ってあげる番です」
 そんな父の言葉に、灯里はこくんとひとつ、頷いて。
「せいれいさん、あかりといっしょにきませんか?」
 そう、一生懸命訊ねてみれば。
 橙色の花龍は、ぎゃうっと可愛い声で一鳴きして。
 嬉しそうにくるりくるりと、灯里の周囲の空を泳ぐ。
 そして見えた精霊の美しさに目を細め、その様子を微笑ましく見守っていた夜彦だけれど。
 気が付けば己の手の中にも、眩い光が溢れて。
 咲いたいろに一瞬、緑色の瞳を見開いてしまう。
 夜彦のたまごから生まれたのは――青と紫の色を宿した魚。
 透き通った体の中に花々が咲き誇るその姿は、まるで水槽のようで。
「とうさまのせいれいさんもひらひらできれいなのです」
 照らす灯火のようないろの花龍をぎゅっと抱っこしつつ言った灯里に、もう一度微笑みを向けてから。
「……この子が私の、心」
 七色の空を泳ぎ咲くその二藍を見つめるその瞳を、そっと愛し気に細めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シルヴィエート・ラーヴル
精霊のたまご……!!
氷のような身体になってしまってから動物と触れ合う等と中々できず、精霊ならもしかしてと参りましたが……今思えば私がたまごを持っていても大丈夫なのでしょうか
凍えてしまったりはしませんか?
念のためにと何重にも布で大事にたまごを包んで抱えながら大樹を目指します
迷いの森も色々と気になるのですけれども少しでも早く大樹に辿り着きたいと足早に

無事に大樹のそばまで辿り着けば包んだ布を外して孵化の時を待ちますわ
生まれる精霊は氷の力を宿した白銀の狼
貴方は私と同じ力を持っていらっしゃるのかしら?
恐る恐る手を伸ばせば擦り寄ってくる同じ冷たさに嬉しさを
私とお友達になってくださいませんか?



 七色の木漏れ日が降る森へとやって来たのは、ひとりのお姫様。
 そして、その手でキラキラと輝いているのは――。
「精霊のたまご……!!」
 けれど、シルヴィエート・ラーヴル(お姫様Lv1・f25627)の表情は、何だかちょっぴり不安げ。
 氷のような身体になってしまってから動物と触れ合うということが、なかなかできなくなてしまったというシルヴィエート。
 けれど、精霊ならもしかしてと……そうこの地を訪れたものの。
「……今思えば私がたまごを持っていても大丈夫なのでしょうか」
 ――凍えてしまったりはしませんか?
 そうそっと、精霊のたまごへと青い瞳の瞳を向けるけれど。
 雪の様な白の光を放つその様子をみれば、大丈夫みたい。
 でもやはり、心配だから。
 念のためにと、何重にも布で大事にたまごを包んでしっかり抱えながら。
 シルヴィエートは、精霊のたまごが孵る場所だという、『慈母たる大樹』の下を目指し歩みを進める。
 七色に輝く美しい風景や、木々になる色とりどりの美味しい実、湧きだす様々な味をした泉――そんな迷いの森のことも、気にはなるのだけれど。
 でもそれよりも、少しでも早く大樹に辿り着きたいと。
 雪のドレスという名を冠した真白の軍服の上に纏うロングコヲトの裾を躍らせながら、逸る様に足早に森を行くシルヴィエート。
 そして辿り着いた大樹の下で、そっと優しく包んでいた布を外して。
 孵化の時を待てば刹那、たまごが光り輝いて。
 生まれた精霊は――氷の力を宿した白銀の狼。
 そんな白銀の子に、恐る恐るシルヴィエートが手を伸ばせば。
 すりすりと甘えるように擦り寄り触れた狼の感触は、自分と同じような冷たさで。
 それが、とても嬉しくて……シルヴィエートは微笑み、そして白銀の子に紡ぐ。
 ――私とお友達になってくださいませんか? って。
 そしてそんなお姫様の申し出に、返ってきたのは。
 尻尾をぶんぶんと降りながら掌へと落とされた、ひやりと冷たい、承諾の口づけ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

千家・菊里
【花守】
卵をちゃんと孵す為にも、心身の栄養補給は大事ですよ
ね、皆さん(卵や精霊達にも笑いかけつつ、木の実食べ比べに励み)
いやぁ、和気藹々としてきましたね

(壮大なおやつ巡…冒険の末、大樹に)
道中でも様々な精霊を見ましたけど、本当に色とりどりで見事なものでしたねぇ
俺は自分でもどうなるか謎なのですけれど――伊織はあれですよね、土色の
(なんてにこにこ見守っていれば、生まれたのはふわふわほわほわ掴み所のない――何でしょう、管狐の様な謎けだま?)
ははは、これはまた面白い
(そしていきなり食欲旺盛もとい伊織を齧…じゃれに行った!)

どの様に成長するか、楽しみですねぇ
(はてさて、心とは本当に不思議で興味深く――)


呉羽・伊織
【花守】
先に言っとくケドおやつ休憩は3回までだぞ!
(言った傍からぴよこにもおねだりされ、木の実を取って振り返れば)
えっぴよこ一瞬で育ち過ぎ…って精霊か(不思議な鳥と遊んでた!)
あっハイ仲良く食べてネ
…お茶会始まっちゃった!

この卵のコも、さっきのコみたいに立派に育つと良いケド――まずは俺次第か
いやそんな訳!
(撫でた卵から孵ったのは、想像通りの闇色烏――と思いきや、広げた翼の内には仄かな光彩纏い)
コレは…光物に目がないとバレたか!
なんて――いや(感慨深げに見据え)
其々良いコが生まれて良かったな
癖も強いケド!(謎けだま)

よし
ぴよこも懐いてるし一緒に帰るか
(今は幼いこの光、どこまで育ててやれるか――)


鳳来・澪
【花守】
うんうん、卵の為にも心の余裕は大事よね
(福や精霊達と木の実をわけっこしつつ、卵を撫で)
この卵の子とも、後でまたのんびりお茶会出来るとええね!

(色々楽しみつつ大樹の下に)
ここまでに会った子も個性的で可愛かったけど、皆の精霊も楽しみやね
…伊織ちゃんは真白なアレというか、日頃の行い(純心と書いて下心と読む面)もちょっと心配やけど!
(冗談もそこそこに、福とわくわく卵を見つめ――孵った精霊は福に似た、背に蝶の様な焔羽生えた無邪気な猫)
わ、可愛い…!
ふふ、二人も“らしい”ね
菊ちゃんの子は食べたいんか戯れたいんかほんまよう分からへんけど!

――うん、一緒に歩んでこっか
その焔と笑顔が絶えん日々を、きっと



 迷いの森と言われている、古の魔法が残った地。
 目指すはその最奥――『慈母たる大樹』の元へ。
 そんな、これから始まる大冒険にかかせない、必要なものといえば。
「先に言っとくケドおやつ休憩は3回までだぞ!」
 これまでのことを思えば容易に予想できるあれな展開……それを阻止するべく、呉羽・伊織(翳・f03578)は先に釘を刺しておくけれど。
「卵をちゃんと孵す為にも、心身の栄養補給は大事ですよ」
 そうしれっと言った千家・菊里(隠逸花・f02716)は、にこにこと笑んで。
 ――ね、皆さん。
 手の中にあるたまごや周囲に遊ぶ森の精霊さん達に笑いかけて。
 早速、色々な味をした木の実を採っては、励む食べ比べ!
「うんうん、卵の為にも心の余裕は大事よね」
 鳳来・澪(鳳蝶・f10175)も、福や精霊達と木の実をわけっこしつつ、大事に抱えたたまごを撫でてあげる。
 そして言った傍から、つんつんと。
 ぴよこにも木の実をおねだりされれば、伊織も喜んでおやつ休憩に!
 ぴよこのために一等美味しそうな実を選んで採って。そしてふと、振り返れば――。
「えっぴよこ一瞬で育ち過ぎ……って精霊か」
 不思議な鳥とキャッキャ遊んでいました!
 それから、早く頂戴と催促するぴよこと不思議な鳥さんへと。
「あっハイ仲良く食べてネ」
 採った実をほいほい差し出す伊織。
 そして眼前の、結局いつも通りな状況を見遣り、呟きを零す。
「……お茶会始まっちゃった!」
 魔法の森の冒険と共に、美味し楽しいお茶会も始まりました!
「いやぁ、和気藹々としてきましたね」
 色によって味が違うという美味しい木の実を全種類、存分に堪能しつつ。
 そう満足気に笑む菊里に、澪も笑み咲かせる。
「この卵の子とも、後でまたのんびりお茶会出来るとええね!」
 そんな、壮大なおやつ巡り……もとい、色々愉快で楽しい冒険の末。
 おなかも満足になってきた頃、辿り着いたのは、森の最奥『慈母たる大樹』の下。
「道中でも様々な精霊を見ましたけど、本当に色とりどりで見事なものでしたねぇ」
「ここまでに会った子も個性的で可愛かったけど、皆の精霊も楽しみやね」
 精霊のたまごから孵るのは、孵す人の心を象った精霊だという。
 だからきっと、道中出会ったあの精霊たちも皆、誰かの心が現れた子たちであるだろう。
「この卵のコも、さっきのコみたいに立派に育つと良いケド――まずは俺次第か」
 そう赤の視線を己の手の中の輝きへと落とす伊織に、菊里と澪は同時に口を開く。
「俺は自分でもどうなるか謎なのですけれど――伊織はあれですよね、土色の」
「……伊織ちゃんは真白なアレというか、日頃の行いもちょっと心配やけど!」
 ……純心と書いて下心と読む面。
 そうふたりに視線を向けられ、大きく首を横に振る伊織。
「いやそんな訳!」
 いくらある意味純粋なくらいの真白だからって、土色のアレな精霊は勘弁……!
 そんな伊織を後目に、冗談もそこそこにと。
 福と共にわくわく、澪がたまごを見つめていれば――刹那、紅纏った輝きが解き放たれて。
「わ、可愛い……!」
 孵った精霊は福に似た、背に蝶の様な焔の羽が生えた、無邪気な猫の姿。
 澪は、甘えてきたその子を、ぎゅっと愛し気に抱きしめながら。
「ふふ、二人も“らしい”ね」
 同じ様にたまごから生まれた、伊織と菊里の精霊を見て思わず微笑む。
 土色のアレ、なんてにこにこ見守っていれば。
 菊里のたまごから生まれたのは、ふわふわほわほわ掴み所のない――。
「何でしょう、管狐の様な謎けだま?」
 謎けだまな精霊……!?
 そして伊織のたまごから孵ったのは、想像通りの闇色烏――と思いきや。
 ばさりと広げたその翼の内に纏うは、仄かな光彩。
「コレは……光物に目がないとバレたか!」
 そうおどけたように、伊織は口を開くけれど。
「なんて――いや、其々良いコが生まれて良かったな」
 ――癖も強いケド!
 そう、いつもの遠い目に。
 孵した菊里の心を象った管狐の様な謎けだまな精霊が、いきなり食欲旺盛もとい伊織を齧……じゃれに行きました!
 そんなガジガジ齧られ……いえ、キャッキャ遊ばれている伊織へと視線を向けて。
「ははは、これはまた面白い」
「菊ちゃんの子は食べたいんか戯れたいんかほんまよう分からへんけど!」
 微笑まし気にそっとしておくふたり。
 そして伊織は、ぴよこと遊ぶ光彩の翼を持つ闇色烏を見遣って。
「よし、ぴよこも懐いてるし一緒に帰るか」
 そう瞳を細めつつも、そっとその心に思う。
 今は幼いこの光、どこまで育ててやれるか――と。
「どの様に成長するか、楽しみですねぇ」
 菊里はそう笑みながらも、それぞれ全く違う姿をした精霊達を眺める。
 人の心を象る精霊の姿は、まさに千差万別。
 出会った精霊の数だけ、孵した人の心が象られているのだろうから。
(「……はてさて、心とは本当に不思議で興味深く――」)
 そっと赤の瞳を細め、心に思う菊里の隣で。
「――うん、一緒に歩んでこっか」
 澪はぎゅっと、焔の蝶羽が生えた無邪気な猫の精霊を抱きしめて。
 その燃え盛る鮮やかないろを見つめながら、続ける。
 ――その焔と笑顔が絶えん日々を、きっと……って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アテナ・アイリス
【KOR】
これが精霊の卵なのね。さあ、どんな精霊が出てくるのか楽しみだわ。

卵をしっかりと抱えながら、『慈母たる大樹』に向かって出発する。
この森の感じは、故郷の森に似ているわね。そこでも、いろんな精霊を見てきたけど、できれば今まで見たことない精霊が生まれてくれると嬉しいなあ。

UC『サモン・ユニコーン』をつかってトウィンクルを呼び出して、騎乗してみんなとおしゃべりしながら進んでいく。

慈母たる大樹に到着したら、頭上に卵をかかげ、祈りをささげる。

輝きながら孵化したのは、火の精霊 フェニックス!わたしとは属性的に反対だけど、一緒に行きましょうよ。


薄荷・千夜子
【KOR】
精霊の卵を孵化させるというのも貴重な体験ですね
大事に抱えてちょっと卵も撫でてみたり
冬青さんの優しさが精霊さんに伝わってるはずですよ!
どんな子が生まれるか楽しみですね
普段は動物の子たちと一緒なので精霊さんも動物の姿だったら仲良くなれるかなとか思いながら

アテナさんは炎の鳥ですか
奉じる神と似た姿を見て微笑み
自身の持つ卵から生まれた子を見れば陽光の狐
狐といえば都月さん!
彼の方を見ればあちらも狐の精霊さんで、抱えた子をお友達ですね!と顔を見せながら
あなたが一緒に来てくれたら嬉しいのですがと精霊さんに声をかけて
同意を得られたらぎゅっと抱きしめます

★精霊は暖かな陽光の色をした羽耳の狐


木常野・都月
【KOR】

これが精霊の卵か…

生まれる精霊様は、卵の持ち主に似るらしいから、やっぱり狐?
空飛ぶ小狐みたいな?

色は俺と同じ黒かな…
それとも真逆に、白っぽい感じ?
薄荷さんも狐系なんですね!
その子と比べると、俺の精霊様は青白い月色ですね。

チィって鳴くのか!可愛いな…
言ってる事が理解できるのは、俺が精霊術師だからか?

孵化したのはいいけれど…
この子どうしようかな。

(本音は、一緒にいたい。
でも、精霊術師の俺が願ったら、この子は俺の「指示」を聞いてしまう。
それは絶対嫌だ。)

君の未来は、君が決めるんだ。
俺は君の意志を尊重したい。

仲間と一緒でも、旅に出るのも、俺に付いてくるのも…
君の自由だ。
それが自然なんだから。


花屋敷・幽兵
【KOR】
精霊の卵を孵す…か
この卵〜何の卵〜気になる卵〜♫
得体が知れない男の卵なら得体の知れない精霊が孵るでしょう。
因みにつれては帰らない。責任は今は背負えないからな。アヤネと冬青はいつも通りだな。
サクラコはオサレだな。アテナは
なんかカッコいいな。ちょこはキラキラしてるなぁ。尊い。オクも都月もキャラ立ってるなあ。狐だったら鳥だったり。俺はこういう所でキャラが弱いんだよなぁ。まあ、強く生きろよ。俺と同じように。マスクマンの精霊とかになったらキャラ立つのかなあ…どうかなオクさん。今度都月に精霊のこと聞いてみよう。どれだけ理解出来るか分からないが


城島・冬青
【KOR】

卵を服の中に入れ大事そうに抱え体温で温める
大事にしてれば卵は孵る?
うわぁ恥ずかしー

そうですよね
暖かいのは精霊もきっと好きですよね!
アヤネさんは恥ずかしいこと言わないで下さい

みんなの精霊はどんなのかな
幽兵さんの精霊が一番想像できないや


?!
卵が!
次々精霊が生まれる不思議な光景
狐の精霊達は可愛いし
鳥の精霊は神秘的…
凄い凄い

アヤネさんの精霊がまんま私の姿だったらどう反応しようかと思ってたけどウミウシだったのでホッとする
ぷにぷにしてますね

で、私のは何これ
蜥蜴?
いや飛んでるし鳥?
泣き声は子猫みたい
おいで
えっこれもウミウシ?

精霊は母へのお土産にします

・精霊
猫程の大きさのアオミノウミウシ
飛ぶ
人懐こい


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
ソヨゴ
その格好は…
ひょっとして僕の子供?
と真顔で冗談を言ってみたり

どんな精霊が生まれるのか
ソヨゴのはかわいいっぽい?
ソヨゴに影響を受けてイメージを変える
もっと柔らかくて…

ユーヘイの精霊は黒いネ
間違いない

狐や鳥っぽいのが神秘的でかわいいネ
みんな生みの親にどこかイメージがある感じ

ソヨゴのそれは何?
話していたのより厳ついような
一応僕のと同属だろうか?

ああ、そして僕のは
ウデフリツノザヤウミウシ
ソヨゴの髪のようなオレンジ色の
ピカチュ○
しかも飛んでる
リスくらいで
肩にちょうど乗るくらいのサイズ
鳴いたらネズミっぽい声を出しそうな

くっ、思ったよりかわいい
そのまま放すつもりだったけど持って帰ろうかな…


鏡彌・サクラコ
【KOR】
ふむふむ迷宮を卵が導いてくださるのでいすね
かざすとぼんやり光ったりするでしょうか
ではみなさま
足下注意でいす!
慈母たる大樹へレッツゴー!

アテナさまのユニコーンすてきですねい
サクラコも乗せてくださいませ

オクちゃんと一緒に木の実を味見
飴ですね!
きれいな色を楽しみつつ
いろいろな味を試します

冬青さま
あたためなくても孵るでいす!

都月さまの小狐ちょっと似ててかわいい

千代子さまの子は対になってる?
あたたかい色ですねい

アヤネさまの子は
ちょっと軟体動物っぽい
不思議な色ですねい
冬青さまの子も不思議な形でいす

妖精
桜の葉に乗ったおかっぱの子
サクラコに雰囲気が似てます
この子は森に返します
いつかまた会えるといいな


日隠・オク
【KOR】
不思議な卵です、精霊さん、孵りますように(大事に持ち

木の実をなめたら甘く
この幸せな甘さ、卵の中のあなたにも伝わるでしょうか

湖や食べれそうなものがあったらつまみ食い(?)しながら進みたいです

いろんな精霊さんもいるんですね

みんなの精霊もいろいろで、心を象って、るんでしょうか
かっこよかったり、かわいかったり、いろいろ……
でもみんなかわいいです

生まれた精霊は空を羽ばたくもの、鳥型で…… 私より飛ぶのがうまそうです 自由に飛んで、自由に生きてください



 ひとりひとつずつ配られた時は、どのたまごも似た様ないろをしていたのに。
 今、それぞれの手の中にある光は、それぞれ全く違う彩りを放っている。
 まるで足を踏み入れた、この迷いの森に煌めき降る七彩の輝きの様に。
「ふむふむ迷宮を卵が導いてくださるのでいすね」
 ……かざすとぼんやり光ったりするでしょうか、と。
 鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)は、仄かに桜色咲かせるたまごを試しに、虹色の空へとそっと掲げてみれば。
 こっちこっち、と言わんばかりに、ふんわり微かに色を変えるたまご。
「これが精霊の卵か……」
「これが精霊の卵なのね。さあ、どんな精霊が出てくるのか楽しみだわ」
 普段から精霊に縁深い木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)やアテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)も、手元の精霊のたまごへと興味深々な視線を向ける。精霊と行動を共にしても、生まれる瞬間に立ち会うことは珍しいかもしれない。
 落としても割れたりはしないようだし、普段見慣れているたまごとはちょっぴり違うけれども。
「不思議な卵です、精霊さん、孵りますように」
 でもやっぱりそうっと、日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)は、両手で大事にたまごを持って。
「精霊の卵を孵す……か」
 ……この卵〜何の卵〜気になる卵〜得体が知れない男の卵なら得体の知れない~精霊が孵るでしょう。
 そう聞いたことあるようなないような、いやきっとオリジナルソングだろう歌を口遊む花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)を後目に。
「ではみなさま、足下注意でいす!」
 ――慈母たる大樹へレッツゴー!
 サクラコはそう、もう一度たまごをそっと掲げて。
 いざ、精霊のたまごの導きのままに、森の最奥――『慈母たる大樹』の元へ!
 ルーベンの街にもたらされる精霊のたまごは、この大樹の下でしか孵らないと言われているから。
 そしてやはり、たまごを孵すといえば。
「大事にしてれば卵は孵る?」
 皆と共に迷いの森を歩きながらも、城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)は仄かに光るたまごを、そろっと服の中に入れて。
 大事そうに抱え、体温で温めてみる。
 そんな冬青の様子を見て、ふと声を掛けるのはアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)。
「ソヨゴ、その格好は……ひょっとして僕の子供?」
 真顔で言い放たれたその言葉に、瞳をぱちくりさせる冬青。
 そしてサクラコもこう続ける。
「冬青さま、あたためなくても孵るでいす!」
 親鳥の様にぬくぬく懐であたためなくても、このたまごはちゃんと孵ります!
 そう言われ、うわぁ恥ずかしーっと思わず顔を赤くする冬青だけれど。
 薄荷・千夜子(羽花灯翠・f17474)は、そんな冬青を映した緑色の瞳を細め、太陽の様に咲かせた笑顔を向ける。
「冬青さんの優しさが精霊さんに伝わってるはずですよ!」
「そうですよね、暖かいのは精霊もきっと好きですよね!」
 冬青もそう、千夜子の言葉にこくこくと橙の髪を揺らし、頷いてから。
「アヤネさんは恥ずかしいこと言わないで下さい」
 まだちょっぴり赤い頬を掌で押さえつつ、自分を微笑まし気に見つめているアヤネへと琥珀色の視線を移した。
 そんな様子に微笑みつつ、千夜子は自分の手の中のたまごへと瞳を落として。
「精霊の卵を孵化させるというのも貴重な体験ですね」
 チョコミントみたいな二色のいろを湛えるたまごを大事そうに抱えつつ、そっとなでなでしてみれば。
 混ざり合う光がその温もりに応えるかのように、くるりマーブル模様を描き出す。
 その輝きを見つめ、わくわくと心躍らせる千夜子。
「どんな子が生まれるか楽しみですね」
 長年の相棒である鷹の彗をはじめ、冒険を重ねるにつれ、相棒も増えていって。
 今では沢山の動物の子たちと一緒だから。
(「精霊さんも動物の姿だったら仲良くなれるかな」)
 孵した者の心を象るといわれている精霊のたまごから、どんな子が孵るのか。
 宝箱を開ける前みたいなドキドキ感に、瞳を煌めかせる。
 そんな千夜子の言葉に、都月もふと己の精霊のたまごへと目を向けて。
「生まれる精霊様は、卵の持ち主に似るらしいから、やっぱり狐?」
 ……空飛ぶ小狐みたいな?
 そう、そわりと尻尾を揺らしながら、首をそっと傾ける。
「色は俺と同じ黒かな……それとも真逆に、白っぽい感じ?」
「みんなの精霊はどんなのかな」
「どんな精霊が生まれるのか。ソヨゴのはかわいいっぽい?」
 それぞれ違ういろの光を宿す皆のたまごを見つめ呟いた冬青を、アヤネはもう一度瞳に映してから。
 今度は、自分の手の中にあるたまごへと目を向ける。
 もっと柔らかくて……って、そう冬青に影響を受けてイメージを変えるように。
 その心を感じ取ったかように、アヤネのたまごに、淡い輝きがほわりと宿る。
 そんな仄かな光を見つめながらも、冬青はおもむろに首を傾ける。
「幽兵さんの精霊が一番想像できないや」
 ちらり移した視線の先には、ある意味いつも通りな黒きダークヒーローのマスクマン。
 そんな彼の心を象った精霊は、一体どんな姿なのか。
 うーんと考えを巡らせてみる冬青に、アヤネはすぐに断言する。
「ユーヘイの精霊は黒いネ」
 ――間違いない、って。 
 そんな、皆でわいわい一緒に。たまごから生まれる精霊のことを考えるのもまた、とても楽しい時間で。
 そして精霊は精霊でも、七色の森を飛び交う、色々な姿をした精霊たち。
 きっとそれは大樹の元で孵り森へと解き放たれた、誰かの心を象った子たち。
 アテナはしっかりとその手に自分のたまごを抱えながら、腰まである金のアンダーポニーテールを躍らせて。
 青の視線を、数多の光降る森の風景へと巡らせる。
「この森の感じは、故郷の森に似ているわね」
 精霊たちを生み、そして育む魔法の森。
 そんな空気感はアテナにとってどこか懐かしいもので。
 同時に、見たことのない精霊との出会いがあれば嬉しいと、期待に胸膨らませる。
 オクも物珍しそうに、きょろりと周囲を見回して。
「いろんな精霊さんもいるんですね」
 寄って来た蝶の様な精霊さんにぺこりご挨拶しながらも、ふと木に生る鮮やかな実へと手を伸ばす。
 そして、そうっと木の実をなめてみれば……とっても美味しくて、甘い味。
 それを、サクラコさんも、と仲良くお裾分けして。
 顔を見合わせ頷き合い、同じ赤い実を口に入れれば。
「飴ですね! オクちゃん、いろいろな味を試してみるでいす」
「湖の水も、甘くておいしそうです」
 綺麗ないろをした、甘いお菓子の様な実や水も、折角なので存分に楽しみます!
 ――この幸せな甘さ、卵の中のあなたにも伝わるでしょうか。
 そう、手の中のたまごへと微笑みながら。
 けれど、広い森の最奥はまだもう少し先みたいだから。
 ――トゥインクル。おいで。
 アテナの声と共に七色の森に召喚されたのは、ユニコーンのトウィンクル。
「アテナさまのユニコーンすてきですねい。サクラコも乗せてくださいませ」
「ええ、もちろん。みんなもよかったら乗ってね」
 サクラコの言葉に、アテナはすぐに頷いて。
 皆と楽しくおしゃべりしながら、たまごの光を辿っていけば――眼前に現れたのは、大きな大きな樹。
 それは、精霊のたまごが孵るといわれている『慈母たる大樹』。
 辿り着いた森の最奥で、母なる樹の下へと歩みを進めて。
 アテナは頭上に己の精霊のたまごをかかげ、そして祈りを捧げる。
 その心を受け、刹那――光輝きはじめる精霊のたまご。
 そして纏う光が弾け、アテナのたまごが孵化すれば。
「火の精霊、フェニックス!」
 鮮やかな炎纏い、アテナの周囲をくるり飛び回るフェニックスの子。
「アテナの子は、なんかカッコいいな」
「アテナさんは炎の鳥ですか」
 幽兵の言葉に頷きつつ、そんな奉じる神と似た姿を見て、千夜子が微笑んだ瞬間。
「あ! 私のたまごも……!」
 視線を落とせば、輝きを増した光の中から現れたのは……羽耳をパタパタさせた狐の子。
 千夜子のたまごから生まれた精霊は、太陽の様な彼女と重なる陽光の狐。
 千夜子はそんな狐の子へとそっと手を伸ばし、抱きかかえながら。
「狐といえば都月さん!」
 そう、彼の方を見れば――。
「薄荷さんも狐系なんですね!」
 都月の腕の中にいるのも、千夜子と同じ狐さん。
 でも陽光のいろをした千夜子の子と違うのは、都月の狐は青白い月色。
「お友達ですね!」
 千夜子がそう、抱えた自分の子の顔を見せながら言えば。
 月色の子の口から、初々しい鳴き声が。
「チィって鳴くのか! 可愛いな……そうだな、友達ができてよかったな」
 そうチィチィ鳴く月色の狐の子へと都月は笑んでから。
 ふと、自分の腕の中の子を改めて見つめつつも呟く。
「……言ってる事が理解できるのは、俺が精霊術師だからか?」
 そんな、まず生まれた、神秘的な火の鳥や色が違った狐さんたちの精霊を交互に見て。
「都月さまの小狐ちょっと似ててかわいい。千代子さまの子は対になってる? あたたかい色ですねい」
「ちょこはキラキラしてるなぁ。尊い。都月もキャラ立ってるなあ。狐か」
「狐の精霊達は可愛いし、鳥の精霊は神秘的……凄い凄い」
「狐や鳥っぽいのが神秘的でかわいいネ。みんな生みの親にどこかイメージがある感じ」
 眼前で繰り広げられる、次々と精霊が生まれる不思議な光景に、皆で目を瞠る。
 ……そして。
「!? 卵が!」
 声を上げた冬青は、同時に輝きだした自分とアヤネのたまごを見つめて。
(「アヤネさんの精霊がまんま私の姿だったらどう反応しようかと思ってたけど」)
 生まれたアヤネの精霊へと目をやると、ホッと胸を撫で下ろす。
「ぷにぷにしてますね」
「ああ、僕のは……ウデフリツノザヤウミウシだネ」
 アヤネのたまごから生まれたのは、冬青の髪の様なオレンジ色をした、ぷにぷにしているウミウシの精霊。
 ふわふわ飛んでいるその姿はリスくらいの大きさで、ちょこんとアヤネの肩にぴったり乗って。鳴いたら何となく、ネズミっぽい声を出しそうな風貌?
 そんなアヤネのウデフリツノザヤウミウシの精霊から、冬青は自分の周辺をふよふよ飛ぶそれへと目を向けて。
「で、私のは何これ」
 ……蜥蜴? いや飛んでるし鳥??
 けれど鳴き声は子猫みたいな、謎の精霊。
 そんな自分のたまごから生まれた子に、おいで、と声を掛ければ。
 何だか嬉しそうに、ふよりと身を寄せて来る。
「ソヨゴのそれは何? 話していたのより厳ついような」
 アヤネはちょっぴり予想外な冬青の精霊をじっと見つめて。
「一応僕のと同属だろうか? アオミノウミウシ……?」
「えっこれもウミウシ?」
 思いのほか人懐っこい、猫程の大きさの子をまじまじと見つめる。 
「アヤネと冬青はいつも通りだな」
「アヤネさまの子は、ちょっと軟体動物っぽい。不思議な色ですねい。冬青さまの子も不思議な形でいす」
 幽兵とサクラコも、ぷにぷにふわふわしているふたりの精霊に目を向ける。
 母なる樹の下で孵化した精霊のたまご。
 そして生まれた精霊をどうするか――それは、孵した人と精霊自身が決めること。
 生まれた精霊と共に……それも勿論、ひとつの選択。
「わたしとは属性的に反対だけど、一緒に行きましょうよ」
「あなたが一緒に来てくれたら嬉しいのですが」
 アテナと千夜子が、そう自分のたまごから生まれた子たちへと紡げば。
「決まりね。これから、どうぞよろしくね」
 自分の声に応えるように鳴き、ついてくる火の鳥にアテナは微笑んで。
 チィッと声を上げ、すりすり甘えてきた陽光の狐さんを、千夜子は笑顔でぎゅっと抱きしめる。
 そして、アヤネも。
「くっ、思ったよりかわいい。そのまま放すつもりだったけど持って帰ろうかな……」
 自分の肩ですっかり寛いでいるぷにぷにの精霊を見つめ、心揺らぐ。
 そして冬青も、連れて帰るつもりだけど。
「精霊は母へのお土産にします」
 ウミウシさんを母親へのお土産に……!?
 そんな皆を見回した後、都月は自分の腕にいる月色の子へと見つめて。
「孵化したのはいいけれど……この子どうしようかな」
 そう、思い悩む。
 いや……本音は、一緒にいたいのだけれど。
(「でも、精霊術師の俺が願ったら、この子は俺の「指示」を聞いてしまう。それは絶対嫌だ」)
 だから、抱えたその子の目を真っ直ぐに見つめて。
 都月は、この子自身に選ばせることにする。
「君の未来は、君が決めるんだ。俺は君の意志を尊重したい。仲間と一緒でも、旅に出るのも、俺に付いてくるのも……君の自由だ」
 ――それが自然なんだから、って。
 そんな都月の言葉をじっと聞いていた月色の狐は、もそもそと都月の腕の中で動きだして。
 チィッとひと鳴きして尻尾をふりふり、主として選んだ彼の顔をぺろりと舐めたのだった。
「みんなの精霊もいろいろで、心を象って、るんでしょうか。かっこよかったり、かわいかったり、いろいろ……でもみんなかわいいです」
 オクはそう皆の精霊を見た後、自分のたまごと、隣に並ぶサクラコのたまごを見つめる。
 そして……ふたりのたまごも、眩い輝きを放って。
「サクラコに雰囲気が似てますねい」
「私より飛ぶのがうまそうです」
 サクラコのたまごから生まれたのは、桜の葉に乗ったおかっぱの子。
 オクのたまごからは、星空の様な藍色の翼を持つ、鳥型の精霊が。
 そんなふたりのたまごから生まれた精霊たちは、仲良く七色の森で鬼ごっこ。
「サクラコはオサレだな。オクのは鳥か、やっぱりキャラが立ってるな」
 幽兵はふたりの精霊を見て、そう言った瞬間。
 最後に光を帯び始めた自分のたまごへと視線を向ける。
「マスクマンの精霊とかになったらキャラ立つのかなあ……どうかなオクさん」
「その、それはそれで、キャラが立っている気がします、幽兵さん!」
 そして生まれた幽兵の精霊は――ダークヒーローのフィギュアの様な大きさの、人型の黒い精霊さん。
 そんな精霊を見つめ、俺はこういう所でキャラが弱いんだよなぁ、と呟いた後。
 幽兵は生まれた小さなダークヒーローを連れて帰らない選択をする。
「責任は今は背負えないからな」
 ――まあ、強く生きろよ。俺と同じように。
 そう、見つめながら。
 それからふと思うのだった。
(「今度都月に精霊のこと聞いてみよう」)
 どれだけ理解出来るかは、分からないけれど。
 そしてオクとサクラコも、幽兵と同じ選択をする。
「自由に飛んで、自由に生きてください」
「この子は森に返します」
 ふたりの精霊はこんなに仲良しだから……いや、森には沢山の精霊たちがいるから。
 きっとこの子たちも、寂しくない。
 それからサクラコは、ふいに寄ってきたおかっぱの子を、そっと撫でてあげるのだった。
 ――いつかまた会えるといいな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

誘名・櫻宵
🌸迎櫻館
アドリブ歓迎

綺麗な森ね
深呼吸すれば心地よく
気持ちが晴れやかになる

やわこくて可愛いたまごだわ
触れた途端弾け飛んだりしない?
怖々と大事そうにたまごを抱え
とてもゆっくり歩む
ちょ、ちょっと今あたしに触ったらダメよ
落とすから

…リル
赤ちゃんはね
コウノトリが運んでくるのよ
たまごを運ぶ今のあたし達みたいに

ピクニック神秘的で素敵だわ
甘やかな木の実をひとつ食んで
噫でも足りないと嘯く
ふたつみつと甘い雫を飲み干して
精霊宿すたまごをみやる
…おいしいのかしら
冗談よ

大きな樹、気を取られて派手に転ぶ
たまごは?!
あーー!!割れた…
飛び出てきたのは暁色の小さな朱雀…
噫、暁の……
可愛いわ

中庭が賑やかで楽しくなっちゃうわね


空・終夜
・迎櫻館
アドリブ可

卵…
どんな奴が出るだろう?

落とさないように大切に両腕に抱え
ぽー…と森を眺めて
すん、と匂いを嗅ぐ
お菓子の家みたいと言う白雪の言葉に頷き
甘い匂いがいっぱいだ…

皆の後ろについて歩きながら
とても甘い香りがする木の実をつまむ
…うまい
頬が落ちそうとはこの事か
蕩けるような甘さに顔が綻ぶ

大きな樹についた時
櫻宵が転ぶ姿が視界に入る
卵も孵っていて
賑やかな様子にひっそり笑う

あ、俺の卵も…?
腕の中に、ミルク色で何だか羊みたいなのに、針鼠も思わせる姿があった
こいつの気分で変わるのか
毛がもこもこしたりチクチクしたりする
(属性等は、お任せする…)

中庭が精霊セラピーになりそうだ…
俺も…一緒に、連れて帰ろう…


ロキ・バロックヒート
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

俺様あんまし丁寧に扱うってわかんないんだよね
両手で抱えてればいーの?
皆似たような持ち方して笑っちゃった
白雪ちゃんが言うように卵の時から聞いてるかもしんないしね
楽しんで行っちゃおうか

道中、好奇心で木の実をつまんで食べたり
色んな味するね、幾つか持って帰ろうかなぁ
大体甘いのばかりだし、お菓子の森ってほんとだね
面白いや

え?赤ちゃんはどこからくるかって?
それはね―と説明しようとして櫻宵ちゃんがしてた
ふふ、そうだねコウノトリだね

おぉっと産まれた
ヘビっぽい子だ
翼も生えてる
(他カクテルイメージでお任せ)
皆の子も色々で可愛いね
終夜くんの子もあいの子っぽくて面白い
俺様も館に連れて帰っちゃおう


リル・ルリ
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

わぁ、これが精霊のたまごなの?
おっかなびっくり抱えながら優しく撫でたりつついたり
割れてしまわないか心配だ

……ねぇ、赤ちゃんはどうやったらうまれるの?
へぇ、鳥が
じゃあこの子達のこのとり、は僕らだね

精霊のあかちゃん
ふふ、どんな子だろう
僕は一緒に泳げる子だといいな
ヨルとも仲良しになってほしい
皆はどんな子がいいのかな

泳ぎ疲れたら甘いきゃんでーの雫を飲んで
おいしい木の実はわけっ子しよう
ぴくにく、いいね!

大きな樹に感激
わぁ!うまれた!!
可愛い、桜色のベタだよ!
ふふ、連れて帰ろう
館の中庭で桜の海を一緒に泳ぐんだから!

櫻!大丈夫?
慌てて駆け寄り助けるよ
次々にうまれる精霊に笑顔も満開だね!


橙樹・千織
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

これが精霊の卵ですか…不思議ですねぇ
そうっと卵を手に取ってじぃっと
みなさんの精霊はどんな子になるでしょうか?

森の大樹まで行けば孵るそうですから
のんびりお散歩しましょうか
ふふ、みなさん足元には気をつけてくださいねぇ

この森でピクニックしたら楽しそうですねぇ
森全体がほんの少し甘くて良い香りがする気もします

木の実をひとつ食べてみようかしら?
きょろきょろと色とりどりの木の実を見比べ

……本当に大きな樹ですねぇ
あら、卵が…??
ふふふ、皆さん色んな姿の精霊が孵ったようですねぇ
館の中庭が賑やかになりそうで楽しみです
(風を司る精霊でその他はお任せ)


ヴォルフガング・ディーツェ
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

へええ、精霊の卵!それはとってもレアだね!
卵生なのか、それとも卵という概念が影響して…なんて無粋な検索はしないさ
卵は赤子を抱えるかの様に両手で支えよう
懐かしいな、あの子達もこんな風に抱いたっけな…ふふ、みんな大変そうだね、微笑ましいな
そして白雪、ナイスフォロー…!(親指ぐ)
ああ、そんな風にも確かに云うよね。胎教はこの子達にも当てはまるかも

皆とのピクニックものんびり楽しんで
櫻宵も終夜も美味しそうな木の実見つけるの上手!

さあて、オレの精霊はどんな子かな…(卵の隙間、ちんまい羽の生えたジンベイザメと目が合った)…あれ、何か見覚えがある!?
ジベザベス四世…いや、それは流石にアレか


鶴澤・白雪
【迎櫻館】
アドリブ歓迎

へー。本当に卵なのね
これが孵って精霊が生まれるなんて不思議ね

とりあえず大樹目指して皆でお散歩すればいいのね
此処の森ってまるでお菓子の家みたいね

キャンディがなる木があるならグミがなる木とかないかしら?
それに紅茶みたいな水も気になるわ

ついつい寄り道して先に進むのが遅くなってしまいそうね
珍しいものばかりだからちょっとワクワクするわ

折角だし皆が見たいものや遊びたいものを見ながら
ゆっくり進むでもいいかもしれないわね

運び主が楽しい方が卵たちも楽しいかもしれないし

慈母たる大樹ってあれかしら?
この卵からどんな子が孵るのか想像できないから何だか楽しみだわ
(精霊はお任せ)
貴方、一緒に来る?



 降り注ぐ七彩の木漏れ日が、ふわり咲いて舞う薄紅に煌めきを添えて。
 吹く風に、さわりと揺れる枝垂桜。
 ――綺麗な森ね。
 そう言の葉を零し、すうっと深呼吸すれば。
 誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)の心に咲くのは、心地良く晴れやかな気持ち。
 けれど、すぐに櫻宵は己の手の中にあるそれを、そうっと眺めてみる。
「やわこくて可愛いたまごだわ。触れた途端弾け飛んだりしない?」
 怖々と大事そうに櫻宵が抱えているのは、精霊のたまご。
 仄かな紅彩を湛えるまるっこい光はどこか可愛らしく。
 同時に、丁寧に扱わないと、なんて緊張してしまって。
 とてもゆっくり、ちびちびとしか歩めない櫻宵。
 そんな櫻宵のすぐ隣に並んで、同じくちびちびと進むのは、リル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)。
「わぁ、これが精霊のたまごなの?」
 リルは水面に桜花弁踊るようないろをした自分のたまごを、櫻宵と全く同じ様に抱えて。
「櫻、触れたらはじけ飛ぶの?」
 薄花桜の瞳をぱちくり、おっかなびっくりたまごを見つめながら。
 優しくよしよし撫でたり、ツンツンつついたりしてみるけれど。
 ――割れてしまわないか心配だ。
 櫻宵と一緒に、ちょっとずつしか進めないでいる。
 そんなふたりの様子に、ロキ・バロックヒート(深淵を覗く・f25190)は笑って。
「櫻宵ちゃん、だいじょーぶ? 手伝ってあげようか?」
「ちょ、ちょっと今あたしに触ったらダメよ、ロキ」
 ――落とすから!
 そう慌てる櫻宵の様子に、もう一度笑った後。
 ロキはぐるりと蜂蜜色の視線を周囲に巡らせて、首を小さく傾ける。 
「俺様あんまし丁寧に扱うってわかんないんだよね。両手で抱えてればいーの?」
 ……こう? なんて。
 皆がやっている様に真似っこしては、楽しそうに笑みを宿す。
 ――皆似たような持ち方して笑っちゃった、って。
 そしてまたひとり、同じ様に両手でそろりとたまごを持っているのは、ヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)。
「へええ、精霊の卵! それはとってもレアだね!」
 ……卵生なのか、それとも卵という概念が影響して……なんて。
 そんな無粋な詮索なんてしません、ええ!
 この地の精霊さんは、こういう生まれ方をする精霊さんということなのです。
 そんな両手で支えたまごを持つヴォルフガングの姿は、まるで赤子を抱えるかの様で。
「懐かしいな、あの子達もこんな風に抱いたっけな……ふふ、みんな大変そうだね、微笑ましいな」
 むしろそう笑む様は、孫を抱っこしつつほっこりしている、おじいちゃんのよう……?
「これが精霊の卵ですか……不思議ですねぇ」
「へー。本当に卵なのね」
 ほわりと笑みながら、そうっと卵を手に取ってじぃっと。
 手の中のたまごを見つめる、橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)の隣で。
 鶴澤・白雪(棘晶インフェルノ・f09233)も興味深々、レッドスピネルの瞳にたまごを映す。
「これが孵って精霊が生まれるなんて不思議ね」
「みなさんの精霊はどんな子になるでしょうか?」
 それぞれ違ういろを宿す皆のたまごの光をふたり、そうぐるりと見回してみれば。
「卵……どんな奴が出るだろう?」
 七彩の木漏れ日がぽかぽか降る森の中、眠そうながらも。
 これまた同じく両手でたまごを抱えるのは、空・終夜(Torturer・f22048)。
 そんな皆の様子を、薄花桜のいろを巡らせ見つめてから。
 リルは、瑠璃へと移り変わる秘色の髪をそっと揺らし、こてんと首を傾けて。
 ふと、疑問に思ったことを口にする。
「……ねぇ、赤ちゃんはどうやったらうまれるの?」
 そんな言の葉に一瞬、皆が揃ってぱちくりと瞳を瞬かせるも。
「え? 赤ちゃんはどこからくるかって? それはね――」
「……リル。赤ちゃんはね、コウノトリが運んでくるのよ」
 ――たまごを運ぶ今のあたし達みたいに、と。
 ロキの声に被せる様に言った櫻宵に、リルは改めてたまごを見つめて。
「へぇ、鳥が。じゃあこの子達のこのとり、は僕らだね」
「ふふ、そうだねコウノトリだね」
 このとり、ともう一度口にするリルに、ロキもこくりと頷いて笑う。
 精霊のたまごから生まれるのは、孵す者の心を象った精霊だと聞いたから。
「精霊のあかちゃん。ふふ、どんな子だろう。僕は一緒に泳げる子だといいな。ヨルとも仲良しになってほしい」
 生まれてくる子の姿を楽しみに笑み零しながら、大事に大事に、守る様にたまごを持って。
 櫻宵と一緒に並んでゆっくりと七色の森を游ぎながら、リルは思う――皆はどんな子がいいのかな、って。
 そうそわそわ楽しみな様子に、千織はふわふわと笑んで。
「森の大樹まで行けば孵るそうですから、のんびりお散歩しましょうか」
 ……ふふ、みなさん足元には気をつけてくださいねぇ、と。
 きょろり視線を巡らせる皆に、そう声を。
 白雪も、ちょっぴりずつしか進めない、慎重すぎる皆と歩調を合わせて。
「折角だし皆が見たいものや遊びたいものを見ながら、ゆっくり進むでもいいかもしれないわね。運び主が楽しい方が卵たちも楽しいかもしれないし」
 自分の手の中の、仄かに酸漿色を湛えるたまごを見つめれば。
 白雪、ナイスフォロー……! と、親指をぐっ。
 それからヴォルフガングは、同じ様に抱っこしているたまごへと視線を向け、ゆらりと尻尾を揺らす。
「ああ、そんな風にも確かに云うよね。胎教はこの子達にも当てはまるかも」
「白雪ちゃんが言うように卵の時から聞いてるかもしんないしね」
 ――楽しんで行っちゃおうか。
 そうロキもこくりと頷いて、不思議な風景広がる森を見回してみる。
 白雪も、そんな彼の視線を追って。
「とりあえず大樹目指して皆でお散歩すればいいのね。此処の森ってまるでお菓子の家みたいね」
 落とさないように大切にたまごを両腕に抱え歩く終夜も、ぽー……と森を眺めて。
 すん、と匂いを嗅げば、白雪の言葉に頷く。
「甘い匂いがいっぱいだ……」
「森全体がほんの少し甘くて良い香りがする気もします」
 千織も山猫の耳を微かにぴこりとさせながら、こう続ける。
「この森でピクニックしたら楽しそうですねぇ」
「ピクニック、神秘的で素敵だわ」
「ぴくにく、いいね!」
 櫻宵とリルは一緒に声を上げて。
 しなやかな細い指を伸ばし、木に生る実を摘んでみれば。
 櫻宵はその甘やかな木の実をひとつ食んで、そして嘯く。
 ……噫でも足りない、と。
 リルもちょっぴり游ぎ疲れたから。口にし飲むのは、甘いきゃんでーの雫。
 甘くておいしい木の実を、櫻宵や皆と仲良く分けっこ。
 そんな甘い雫を、ふたつみつと飲み干してから。
 櫻宵はおもむろに、春宵に咲く桜霞のいろを手の中へと向けて紡ぐ。
「……おいしいのかしら」
 そしてその言葉に、微かに彩りを変えたような気がするたまごに笑む……冗談よ、って。
 皆の後ろについて歩いていた終夜もふと、とても甘い香りがする木の実をひとつ、摘まんで。
 ぱくりと、口に運んでみれば――。
「……うまい」
 口の中に刹那ふわり広がるのは、まさに頬が落ちそうな……思わず顔も綻んでしまう、蕩けるような甘さ。
「ほら……ヴォルフガングも、どうだ……?」
「櫻宵もリルも終夜も、美味しそうな木の実見つけるの上手!」
 ヴォルフガングはお裾分けして貰った一等甘い実を受け取り、皆とのピクニックものんびり楽しんで。
「色んな味するね、幾つか持って帰ろうかなぁ」
 好奇心で木の実を摘まんでは、ぱくりと口に運んで。
 いろいろな色のものを食べ比べながらも、ロキは甘い蜂蜜のようないろをした瞳を細める。
「大体甘いのばかりだし、お菓子の森ってほんとだね」
 ――面白いや、って。
「私も木の実をひとつ食べてみようかしら?」
 千織もそう、そっと木に生る実へと手を伸ばして。その隣で、紅の視線を森の中へと巡らせる白雪。
「キャンディがなる木があるならグミがなる木とかないかしら?」
 そして見つけたのは――様々ないろをした水が湧く泉。
 グミが生る木も、あるか気になるけれど。
 透き通った綺麗な琥珀色をした水を、ひと掬い口に運べば。
 良い香りと味わいが口の中にふわり、それは美味しい紅茶味。
 お菓子の森を、皆と存分に堪能しながらも。
「ついつい寄り道して先に進むのが遅くなってしまいそうね」
 白雪はそっと、淡く優しい輝きを帯びるたまごを撫でる。
 ――珍しいものばかりだからちょっとワクワクするわ、って。
 それからピクニックを楽しみ歩みを進めながらも、皆の笑顔を見つめていた紅の瞳がふと捉えたのは。
「慈母たる大樹ってあれかしら?」
 こんもりと豊かな緑を抱いた、大きな大きな一本の樹。
「この卵からどんな子が孵るのか想像できないから、何だか楽しみだわ」
 勿論、たまごを割らないよう慎重に。でも気持ち、歩むその足が逸る様に速度を上げて。
「……本当に大きな樹ですねぇ」
 母なる樹の下まで辿り着き、大樹を見上げた千織であったのだけれど。
 すぐに視線を自分の手の中へと戻す。
「あら、卵が……??」
 千織のものと同時に、白雪のたまごも一緒に、その光を増して。
 生まれたのは――似た様な姿をした、翼が生えた2匹のもふもふな猫の精霊。
 けれど、そのいろは違っていて。
 千織の猫さんは、優しい風を纏う朝焼け色のもふもふ。くるり円らな瞳は、朝露に煌めく桜のいろ。
 白雪のたまごから生まれた猫さんは、海蛍輝く海の様な煌めき纏う深く濃い青のいろ。宝石の如き瞳は美しい赤。
 そして大きな樹を見上げ、感激していたリルのたまごも輝きを増して。
 桜咲く様に光が溢れ、現れたのは――。
「わぁ! うまれた!! 可愛い、桜色のベタだよ!」
 早速一緒に虹色の空をひらり游ぐ、愛しき色を纏う子。
 けれど、七彩の空もいいけれど、やっぱり。
「ふふ、連れて帰ろう。館の中庭で桜の海を一緒に泳ぐんだから!」
 一番、一緒に游ぎたいのは、大切な場所に咲く満開の海。
 そして、そんなリルたちを微笑まし気に見つめながら。
 櫻宵も大きな大きな樹を見上げ、そのまま逸るように歩みを進めれば。
「きゃっ! あっ……たまごは!?」
 足を取られて、派手にすってん!
 慌てて顔を上げ、たまごの行方を探せば――。
「あーー!! 割れた……」
 ここまで大事に抱えてきた精霊のたまごが、割れてしまいました……!?
 いや、次の瞬間、割れた様に見えた光の中から飛び出してきたのは。
「噫、暁の……可愛いわ」
 こけたままの櫻宵の周りをくるりと無邪気に飛び回る、暁色の小さな朱雀。
「櫻! 大丈夫?」
 リルと桜色のベタの精霊が、慌てて櫻宵へと駆け寄って。
 よいしょっと助け起こせば、次々と大樹の下で輝きはじめる光に、笑顔も満開。
 終夜は、派手に転んだ櫻宵の姿を視界に捕らえた瞬間、その拍子に孵ったたまごを目撃して。
 助け起こされるまでの賑やかな様子に、ひっそりと笑めば。
「あ、俺の卵も……?」
 腕の中に満ちた輝きから生まれたのは――ミルク色の羊の様な精霊。
 いや、ただの羊さんではなくて。
「気分で、変わるのか……毛が、もこもこしたり……チクチクしたりする……」
 もこもこにプラスされたちくちく……針鼠も思わせる姿も。
 そして、ロキのたまごからは。
「おぉっと産まれた」
 翼が生えた、夜色をしたヘビっぽい子。
 ばさりと羽ばたいたその翼のいろは、星が堕ちて見えない静かな夜。ベラドンナの花の様な、紫褐の空をした翼。
 そして額には、仄かに輝く月がひとつ。
「皆の子も色々で可愛いね。終夜くんの子もあいの子っぽくて面白い」
 ……俺様も館に連れて帰っちゃおう。
 そう、自分のたまごから生まれた夜色のヘビっぽい精霊さんにロキは笑んで。
「さあて、オレの精霊はどんな子かな……」
 輝き始めたたまごに、ドキドキ期待の眼差しを向けるヴォルフガング。
 そしてたまごの隙間から、ぱちりと視線が合ったのは――ちんまい羽の生えたジンベイザメ!
「……あれ、何か見覚えがある!?」
 そう、それは聖夜の水族館で出会って、ぬいぐるみまで買ったあの存在。
「ジベザベス四世……いや、それは流石にアレか」
 生まれた精霊さんの名前は、孵した人が自由に付けていいと思います!
「ふふふ、皆さん色んな姿の精霊が孵ったようですねぇ」
 千織は早速じゃれ合って遊んでいる精霊さん達を微笑まし気に見つめ、そして続ける。
「館の中庭が賑やかになりそうで楽しみです」
「中庭が精霊セラピーになりそうだ……俺も……一緒に、連れて帰ろう……」
 もふもふちくちくな羊さんを枕の様にぎゅっと抱っこしながら、終夜もこくりと頷いて。
 櫻宵もリルと顔を見合わせ、ふふっと桜の様な笑みを咲かせる。
 ――館の中庭が賑やかで楽しくなっちゃうわね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『災厄の浮島』

POW   :    竜の巣穴
【「炎」「氷」「雷」属性のドラゴンの群れ】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    空を照らす光
【触覚から放たれる閃光】が命中した対象に対し、高威力高命中の【体当たり】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    雲隠れ
【口】から【雲状の吐息】を放ち、【視界を遮ること】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


※お知らせ※
 第3章プレイング送信の受付は、【3/16(月)朝8:31】より開始いたします。
 それ以前に送信された分は流れてしまう可能性が高いのでご注意ください。
 追加情報を記載したOPを受付開始前日までに掲載いたします。
 送信締切等のお知らせは、MS個別ページ等でご確認ください。
.

●祝福の絆と災厄の浮島
 人型の男の子や女の子だったり、動物や海の生き物であったり。
 見目だけでなく、纏ういろや属性も様々。
 孵した者の心と慈母たる大樹の祝福を受け、孵った精霊達。
 誕生と出会いを喜び、七彩降る森で暫し精霊達とのひとときを楽しんでいた猟兵達であるが。
「……!」
 刹那――森に落ちる、大きな影。
 降り注いでいた虹の彩は消え失せ、ざわりと不穏な風が大きく木々を揺らす。
「あれは……!?」
 大樹の元に集った猟兵達は、一斉に天を煽ぐ。
 晴れ渡った空を完全に覆ってしまっているのは、小さな島ほどもある大きな雲。
 そう……街で噂になっていた、巨大雲。
 いや、よく見れば、それは雲ではない。
 雲に擬態している『竜と共に現れる災厄』――予知された、オブリビオンであった。
『ギャアアァァ』
 そしてその災厄の周囲を飛び交うのは、オブリビオンの身体に巣穴を作った竜たち。
 そんな巨大な災厄の狙いは……生まれたばかりの精霊達。
 ゆらり空を泳ぐ災厄は、精霊と還した者を攫い飲み込まんと、ぱかりと大きな口を開ける。
 生まれたての妖精は戦い慣れていないので、大した戦力にはまだならないかもしれないが。
 頑張って一緒に戦うことで、互いの絆を深められるかもしれない。
 勿論、危険が及ばぬよう避難させるのも良いだろう。
 懸命に自分達や森を守り戦う猟兵達の姿をみれば、精霊達もその心を感じ取るだろうし。戦闘の邪魔になる行動などもしない。
 精霊達は猟兵達が敵をひきつけていれば、戦況をみて退いたり隠れたりはできるので、必要以上に精霊を守ることにとらわれず動いて問題ないだろう。
 共闘する場合も、猟兵達の指示には素直に応じるだろうので、共に戦いつつ、戦い方を教えてあげても良いかもしれない。
 今回の目的は、現れたオブリビオン――『災厄の浮島』を倒すこと。
 迷いの森で生まれ、迷いの森に棲む精霊達は勿論。
 このまま放っておけば、レーベンの街やその周辺にまで被害が及ぶ未来が容易に想像される。
 敵は、小さな島ほどもある巨大な存在。
 だが、此処まで辿り着いた猟兵達や、その心を象り生まれた精霊達が力を合わせれば、撃破できない相手ではない。
 美しくも神秘的な森を、生命の祝福を降らせる大樹を、何よりもこの地や周辺の街に住む全ての守るべきものたちのためにも。
 猟兵達は各々得物を構え、災厄を迎え撃つ。
黒鵺・瑞樹
アドリブ絡みOK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

名前は陸(りく)…いや被るな。あ、陸奥(むつ)だ。君は陸奥。

陸奥は伽羅と一緒に隠れていてもらおうと思うけど、雲の吐息を風で掃ってもらうのを手伝ってもらえたら、ぐらい。
俺自身はUC月華で真の姿に。【存在感】を消して【目立たない】ように立ち回り、隙を見て【マヒ攻撃】を乗せた【暗殺】攻撃をする。マヒで動きを鈍らせられれば上等。
相手の攻撃は【第六感】による感知と【見切り】で回避。回避できないものは黒鵺で【武器受け】し可能なら【カウンター】を叩き込む。
どうしても喰らうものは【オーラ防御】【激痛耐性】、各属性の群れには【氷結・火炎・雷撃耐性】で耐える。



 あれほど七彩に満ちていた森を、一瞬で覆う影。
 それは一見、噂通りの巨大な雲かのように思えたけれど。
『……ぎゃわっ!』
 小さな島ほどの大きさもあるオブリビオン――『災厄の浮島』であった。
 そしてこの災厄は攫い、喰らうのだという。
 たまごから孵ったばかりの精霊と孵した者たちを、その大きな口でぱくりと。
 だが、精霊も勿論己も、喰わせるわけにはいかない。
 黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は、右手に胡、左手に黒鵺を握り、戦闘態勢に入りながらも。
 ふと青い瞳を向けたのは――額に青い宝石が付いた、白銀の毛並みの仔虎。
 そんな風纏う金の瞳持つ精霊に、瑞樹は銀の髪を揺らし首を傾けて。
「名前は陸……いや被るな。あ、陸奥だ。君は陸奥」
 そう名付ければ、仔虎……陸奥は嬉しそうに尻尾をふりふり。
 とはいえ、そんな陸奥は、まだ生まれたての精霊。
 同じ額の宝石と瞳のいろを持つ黒竜の伽羅と共に、安全な場所へと隠れて欲しいと思う瑞樹だけれど。
 風纏うその身を見れば、雲の吐息を風で掃ってもらうのを手伝ってもらえたら、と頼んでみる。
『ぎゃぎゃっ!』
 刹那、災厄が陸奥や瑞樹を喰らわんとゆうらり大きく空を泳げば。
 ――あまり使いたくないんだがな。
 そうは呟くも……刹那、月読尊の分霊を降ろし、真の姿へと変わる瑞樹。
 そして金に変わった瞳を敵へと向けつつも、存在感を消して目立たないように立ち回って。
 隙を見せる大きな図体へと、胡と刀に形を変えた黒鵺の二刀で痺れる様な斬撃を放ち、暗殺するべく刃を振るう。
 災厄もそんな瑞樹の動きを封じんと、口から雲状の吐息を放ち、視界を遮らんとするけれど。
『……ぎゃっ!』
 雲を振り払うべく陸奥が一生懸命に風を起こし、視界が晴れた瞬間。
 瑞樹の両の手に握られた二振りの刃が、災厄へと鋭き閃きを放つ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
他の猟兵と共闘
UC「精霊覚醒・桜」使用
片手で精霊抱え、上空を高速飛行しながら破魔の属性攻撃乗せ制圧射撃
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す
「相手が此方に集中すれば、他の方が攻撃しやすくなります。桃花ちゃんの得意なことは、みんなに夢を見せてあげることでしょうか。相手を眠らせれば他の方が出来ることが増えますから、桃花ちゃんも出来ることを試してみて下さいね」

「得意なことを突き詰めれば、他にも生かせることを知って欲しかったんです。それに桃花ちゃんと空から森を見てみたかった。強い願いを送れることも。桃花ちゃんは…私と一緒に来ます?それとも此処に残ります?」
浮島が普通の精霊になれるよう転生願い歌いながら尋ねる



 迷いの森の空を泳ぐのは、降り注ぐ七彩を奪う不穏な雲。
 いや、雲に擬態した巨大なオブリビオン『災厄の浮島』であるが。
 そんな敵の影が支配せんとする空に渦巻くのは、桜吹雪。
 ――我は精霊、桜花精。呼び覚まされし力もて、我らが敵を討ち滅ぼさん!
 御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は『精霊覚醒・桜』を発動させ、片手で精霊を抱えて。
 上空を高速飛行しながら、破魔の加護乗せた制圧射撃をオブリビオンへと見舞う。
『ぐあぁ!』
 そんな桜花を見つけ、災厄の放った竜たちが迫ってくるも。
 第六感や見切りを駆使し、それらをやり過ごしながら。
「相手が此方に集中すれば、他の方が攻撃しやすくなります。桃花ちゃんの得意なことは、みんなに夢を見せてあげることでしょうか」
 抱えている桜色のふわふわした精霊へと、声を掛けてみる。
 まだ生まれたての精霊だから、教えてあげることは沢山。
「相手を眠らせれば他の方が出来ることが増えますから、桃花ちゃんも出来ることを試してみて下さいね」
 その声に応える様に、めえっと可愛く鳴いた精霊に緑色の瞳を細めてから。
 桜花は、己がやるべきことを成す姿をみせてあげる。
「得意なことを突き詰めれば、他にも生かせることを知って欲しかったんです。それに桃花ちゃんと空から森を見てみたかった。強い願いを送れることも」
 桜の精である桜花が今やるべきこと……それは、浮島が普通の精霊になれるよう、転生願い歌うこと。
 そして歌いながら、桜花は訊ねる。
 ――桃花ちゃんは……私と一緒に来ます? それとも此処に残ります?
 その問いに答える様に、桜いろの精霊はもう一度鳴いて。
 一緒に居たそうにすりすりと甘える様に、桜花に身を寄せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラフィ・シザー
アナンシ(f17900)と
あれが精霊さん達を攫っちゃうオブリビオンだな。これ以上攫われないように俺達で倒しちゃおう!

ん、精霊さんも手伝ってくれるのか?
無茶しないで危なくなったら俺の後ろかアナンシの後ろに隠れるんだぞ。(精霊さん能力お任せ)
ふふ、やっぱりアナンシがいると心強いや。
それじゃあいつものやついくぜ!
UC 【Dancing Scissors】
さぁ、踊ろうぜ?その大きな体じゃ軽やかに踊れないかな?【挑発】
【ダッシュ】で駆け寄り【二回攻撃】
敵UC・攻撃は【ダッシュ】や【ダンス】するように回避。もしくは【盾受け】【オーラ防御】


アナンシ・メイスフィールド
ラフィ君f19461と
妖精のみならず孵した者も食べるのだろう?
前に出ず居て欲しい所だけれども…それではラフィ君の攻撃を削いでしまう事になるからね…気を付けて行って来給え
大丈夫、精霊君達の護りと君の援護は完璧にしてみせるのだよ

だが、ふんすふんすと戦う気満々な烏兎を見れば困った様に眉を下げようか
…君も戦うのかね?孵化したてなのだから、無茶をするでないよ…?(精霊の攻撃・能力はお任せで!)
ラフィ君が地を蹴ったら【捕食行動】…掌から放った糸を敵に放ち繋いで動きを鈍らせ援護せんと試みよう
抵抗されたら更なる糸を重ね掛けしその場に留め続んと試みようか
又、精霊に攻撃が行きそうな場合は『かば』い行動をするのだよ



 七色に降り注いでいた森の光が、大きなその存在の影に覆われる。
 それは――噂の巨大雲、いや、雲に擬態し現れたオブリビオン。
 そんな『災厄の浮島』の狙いは、生まれたての精霊とそれを孵した者たち。
 ラフィ・シザー(【鋏ウサギ】・f19461)はうんと顔を上げ、空を泳ぐ災厄の姿を、鋏の刀の如き銀の瞳を移した。
「あれが精霊さん達を攫っちゃうオブリビオンだな」
 現れた敵は、小振りな島ほどもある大きさ。
 けれども全く臆する事なく、ラフィはフレンドリーな笑みを宿し殺意を向ける。
 トモダチは殺さない主義だけど……この災厄は、トモダチは愚か、大切な家族にも危害を加えかねないから。
「これ以上攫われないように俺達で倒しちゃおう!」
 閃き纏う鋏の刃を掲げ、そうラフィがこくりと頷けば。
「妖精のみならず孵した者も食べるのだろう?」
 アナンシ・メイスフィールド(記憶喪失のーーー・f17900)もシルクハットのつばを押さえつつ、災厄を見上げて。
「前に出ず居て欲しい所だけれども……それではラフィ君の攻撃を削いでしまう事になるからね……気を付けて行って来給え」
 ――大丈夫、精霊君達の護りと君の援護は完璧にしてみせるのだよ。
 大切な家族を護るべく、くるりと美しい装飾施された西洋風の仕込み杖を回して。
 生まれたての精霊達を下がらせようと……したのだけれど。
「……君も戦うのかね?」
 ふんすふんすとやる気満々な、兎の足と鴉の上半身を持つグリフォンの如き精霊の姿に、困った様に眉を下げるアナンシ。
「孵化したてなのだから、無茶をするでないよ……?」
「ん、精霊さんも手伝ってくれるのか?」
 ラフィも、グリフォンさんの隣で気合い十分な白い翼の黒兎風な精霊さんへと、瞳をぱちくり瞬かせてから。
「無茶しないで危なくなったら俺の後ろかアナンシの後ろに隠れるんだぞ」
 そう言って聞かせ約束げんまんしながらも、ラフィは地を蹴り、精霊さん達と共に前へ。
『! ぎゃうっ』
 刹那、災厄が放った氷の龍が戦場に解き放たれるも。
 ――さて、捕まえてしまった訳だが……まだ抵抗するかね?
 戦場に煌めくのは、アナンシの掌から解き放たれた蜘蛛の糸。
 その粘着性の有るその糸は、鋭い牙を剥く氷龍を確りと捉え、繋いで。
 その呪縛から抜け出さんともがくその身を、更なる糸の重ね付けを駆使しその場に留め続んと試みるアナンシ。
 まるで、巣に引っかかった得物を逃がさないというように。
「ふふ、やっぱりアナンシがいると心強いや」
 ――それじゃあいつものやついくぜ!
 その声と同時にラフィは大きく頷き、片手持ちの細身の鋏……『pure』を瞬間複製すれば。
『ぎゃあっ!』
「さぁ、踊ろうぜ? その大きな体じゃ軽やかに踊れないかな?」
 アナンシが捉えた氷の龍を、それを繰り出した災厄ともども挑発しながら、まるで踊らせるかの様に刃の嵐を降らせる。
 けれど氷の龍は鋏の衝撃に揺らぎつつも、口から凍える様な吐息を吐き出す。
 だが――その時だった。
 ばさりと白い翼を羽ばたかせ、黒兎風の精霊が咄嗟に青の炎を繰り出せば。
 同時に、鴉の上半身を持つ兎足のグリフォンが風を巻き起こし、青き焔を煽っては大きく燃え上がらせる。
 そして威力落ちた氷の吐息から、精霊達を護るべくすかさず身を挺し庇うアナンシ。
 さらに、災厄が触覚から放った閃光を、飛び跳ねるかの如く地を大きく蹴りダッシュし、ダンスするかのようにラフィは回避した後。
 ――踊れ! 踊れ! 踊れ!
『……ぎゃっ!』
 再び複製した『pure』の数多の刃を躍らせ、次々と敵へと見舞うのだった。
 大切な家族を、それぞれが守るように、一緒にと。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と

生まれたての精霊たちは僕たちの子どものようなものです
ザッフィーロはもちろん、かれらを見事護りきって見せましょうとも

ザッフィーロ、きみにも同じ言葉をお返ししますよ
……まぁ、やすやすときみのいのちを奪わせはしませんがね

僕は後衛に位置しつつ精霊たちを守り戦いましょう
きみたちは僕から離れないでくださいね

雲状の吐息で視界が遮られれば
「第六感」「野生の勘」を頼りに敵オブリビオンを探りつつ
仲間に被害が及ばないように留意いたしましょう
ザッフィーロの合図を待って
練っていた「高速詠唱」「全力魔法」「属性攻撃」「範囲攻撃」をのせた
【天航アストロゲーション】で敵を攻撃いたしましょう


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と
ああ、宵と俺の子の様な精霊を斯様な化け物に喰わせる訳にはいかんからな
後…精霊を孵した者も敵から狙われるのだろう?…宵。余り、前に出るなよ?

宵に精霊を任せ俺は前衛にて敵の攻撃を左手の光の盾にて『盾受け』し3人を『かば』わんと試みる
閃光が放たれ己に当たった様を確認後、相手が己の方へ向かってくればギリギリまで引き付けた後【影渡り】にて宵の影に移動しようと試みた後、己が居た場所に居る敵へ『怪力』を乗せたメイスを振るわんと地を蹴ろう
その途中も宵や精霊に攻撃が向きかけたならば『盾受け』にて攻撃をそらしつつ行動しようか
地に降りてきたならば俺の攻撃もあたるだろう?
さあ、宵。お前の星を見せてやれ



 現れた巨大雲は、迷いの森を己の影で覆い、纏う七彩を奪って。
 生まれたての精霊や孵した者を飲み込まんと、大きくその口を開ける。
 けれども――そう易々と、思い通りにはさせないと。
「生まれたての精霊たちは僕たちの子どものようなものです」
 逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は、青星の如く煌めく瞳を向ける夜闇色の犬の精霊を見つめ、柔く瞳を細めてから。
「ザッフィーロはもちろん、かれらを見事護りきって見せましょうとも」
 ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)と、その傍らに在るポラリスの輝き宿す宵色の瞳をした小熊の様な妖精を交互に見遣れば。
「ああ、宵と俺の子の様な精霊を斯様な化け物に喰わせる訳にはいかんからな」
 夜闇色と蒼銀の双子は勿論だけれども。
「後……精霊を孵した者も敵から狙われるのだろう? ……宵。余り、前に出るなよ?」
 ザッフィーロはちらり、銀の瞳にその姿を映し紡ぐ。
 宵は決して絶対に、災厄などになんてくれてやれないから。
 そんな言の葉に、宵は星瞬く深宵の瞳で彼を見つめ返した後。
「ザッフィーロ、きみにも同じ言葉をお返ししますよ」
 ……まぁ、やすやすときみのいのちを奪わせはしませんがね、と。
 空を泳ぐ大きなオブリビオンを見上げる宵。
 刹那、宵に精霊たちを任せ、地を蹴ったザッフィーロが前を担わんと。
 左手に淡く光るエネルギーの盾を成し、3人を庇うべく位置取れば。
「きみたちは僕から離れないでくださいね」
 宵は彼の後ろから精霊たちを守り戦わんと、宵帝の杖を握りしめて。
 そんな言いつけをお利口に守るように、双子揃って、きゅっと短く鳴く精霊たち。
 そして、ゆうらり大きな影が揺れた瞬間。
『……ぎゃわっ』
 災厄の触覚から放たれる閃光がザッフィーロへと向けられ、直撃する。
 けれど……それは思惑通り。
 体当たりせんと己へと向かってくる浮島を、ギリギリまで引き付けた後。
『!?』
 突然、眼前にいたはずの彼の姿を見失うオブリビオン。
 そして変わりに見舞われるのは、夕の星の名を冠するメイスの強烈な一撃。
 影渡りにて宵の影へと移動して。己が居た場所に居る敵へと、ザッフィーロの怪力を乗せた戦棍が振るわれたのだった。
 そんな光の盾を携え前に立ち、自分たちを庇う様に動く彼の背中と双子の精霊を確りと護りながら。
「……!」
 宵は吐き出された雲状の吐息が視界を遮る中、第六感や野生の勘を研ぎ澄まし敵の位置を探りつつも。
 高速詠唱し、属性宿る広範囲をもカバーする全力魔法の魔力を練れば。
 刹那響くは……合図の一声。
「地に降りてきたならば俺の攻撃もあたるだろう?」
 ――さあ、宵。お前の星を見せてやれ、と。
 愛しき響きが響いた瞬間、戦場に数多の隕石が降り注ぐ。
 生まれたてのポラリスとシリウスが輝く中――宵色と星の杖が指し示す、悪しき存在を滅するために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シルヴィエート・ラーヴル
お友達ができればと思いましたが素敵な騎士を見つけてしまいましたね
ふふふ、これはお姫様への第一歩なのでは!?
精霊にはルィツァリと名付けて
ルイ、共に参りましょう!精霊の子らを助けるのが我らの最初の共同作業ですわ!
自身の冷気を集めて『белая сон』を形成
ルイは無茶をせず敵の気を引くことだけに集中させますわ
この機会に私の動きを覚えて頂くように
炎は少々苦手ですけれども、勢いと手数で押し切りましょう
【属性攻撃】【怪力】【範囲攻撃】で大鎌を振るい群れごと薙ぎ払うように
相手の攻撃は避けずに冷気を纏わせ【オーラ防御】で対応
距離を詰められれば全力の一撃でUC発動
思いっきりぶっ壊して差し上げますわ!



 七彩降り注ぐ迷いの森で出逢ったのは、お姫様に寄り添う白銀の騎士。
「お友達ができればと思いましたが素敵な騎士を見つけてしまいましたね」
 シルヴィエート・ラーヴル(お姫様Lv1・f25627)は、生まれたての氷の力宿す狼の精霊を見つめ、笑む。
 ――ふふふ、これはお姫様への第一歩なのでは!?
 もしかして、素敵な王子様を見つけるために必要な、素敵な騎士との出会い……なのかもしれない!?
 けれど、王子様を騎士と探すその前に……やらなければいけないことがある。
 まさに騎士を意味するルィツァリの名を、白銀の狼へと贈った後。
「ルイ、共に参りましょう! 精霊の子らを助けるのが我らの最初の共同作業ですわ!」
 虹の様な光を森から奪った大きな影……『災厄の浮島』へと視線を向けて。
 生まれたての精霊や孵した者を攫い喰らうというオブリビオンへと、共に立ち向かう。
 刹那、シルヴィエートの集めた冷気が、白き夢を描き出して。
 氷の力を宿す真白の大鎌を握り、この機会に私の動きを覚えて頂くように、と。
 まだ生まれたてのルィツァリには無茶をさせず、敵の気を引くことだけに集中させようと動くシルヴィエート。
『ぎゃわっ!』
 刹那、災厄が放つは、炎纏う竜の群れ。
 炎は少し苦手だけれど……でも、問題はない。
 勢いと手数と馬鹿力で押し切ります!
 ぶんっと豪快に怪力を駆使し大鎌を振えば、炎さえも刈り取るかのように群れごと纏めて薙ぎ払って。
 吐かれる炎も避けることはせず、その程度では決して溶けぬ冷気のオーラ纏い凌いでいく。
 そして……大鎌の薙ぎ払いを潜り抜け、1体の竜が眼前に迫れば。
 ――全て砕いて差し上げますわ。
 冷気纏わせた拳をぐっと固く握りしめて。
 ひらり戦場を跳びまわり、敵の竜の気をルィツァリがひいた瞬間。
「思いっきりぶっ壊して差し上げますわ!」
『! ぎゃわわっ』
 氷の如き固く強烈なお姫様の拳の一撃が、竜の鼻っ面へとモロに炸裂したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セナ・レッドスピア
【恋華荘】
雲と聞いてましたが、実際の姿はだいぶ違ってました…!

っと、今はそちらよりも討伐優先っ!
理緒さんや、生まれてきた精霊達の為にも…!

精霊達は安全な所に避難してもらい

前衛として前に出て戦いつつ
理緒さんや精霊達を守る為、突出しすぎず戦います

取り巻きの竜達は血槍を猟銃形態にして迎撃

閃光の予兆が来たら推盾形態で閃光を防ぎ
その後の体当たりをかわせるように!
かわしきれない場合は【盾受け】でガード!
また、理緒さんが狙われていたら急いで駆け付け
盾を構えつつ庇います

そして、攻撃から【吸血】した血を利用し
刻印覚醒「血力励起」を発動
さらに攻めていきます!

そんな私達を、精霊達が応援してて
それが私達に力を…!


菫宮・理緒
【恋華荘】

雲だか島だかしらないけど、
狙いがセナさんとわたしの子とか、冗談でも許さないよ。

『ルージュ』と『ノワール』には、
ちょっと離れて応援してもらいたいなって思うよ。
「おとーさんとおかーさんの戦いを見てて、ねー♪」

応援してもらえれば、気合いまっくす!
セナさんと2人の、愛のコンビネーション見せちゃうよ!

今回はセナさんがわたしが後衛ってことで、
セナさんののフォローに回って、守備的に行くよ。
【等価具現】で相手の攻撃をキャンセルして、
セナさんと精霊さんを守っていこう。
「2度はさせないからねっ!」

防御の必要がないときは【虚実置換】で竜巻とかを打ち消して、
次の攻撃への準備をさせてもらうね。



 迷いの森を覆った大きな影は、噂の巨大雲……かと思ったけれど。
「雲と聞いてましたが、実際の姿はだいぶ違ってました……!」
 セナ・レッドスピア(blood to blood・f03195)は姿を現したオブリビオン『災厄の浮島』を見上げる。
 はじめは雲に擬態し、虎視眈々と精霊が生まれるのを待っていた災厄だが――その正体は、雲とは全く別物。
 けれどセナは、血晶を錬成した穂先を持つ黒剣の槍を握りしめて。
「っと、今はそちらよりも討伐優先っ!」
 ――理緒さんや、生まれてきた精霊達の為にも……!
 そう赤い瞳に映した大切な存在を護るべく、巨大な敵を見遣れば。
「雲だか島だかしらないけど、狙いがセナさんとわたしの子とか、冗談でも許さないよ」
 菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)も視線を災厄へと投げた後、ふと精霊達へと目を移す。
 その視線の先には、翼の生えた小さな双子の黒兎さんの精霊。
「『ルージュ』と『ノワール』には、ちょっと離れて応援してもらいたいな。おとーさんとおかーさんの戦いを見てて、ねー♪」
 理緒はセナと一緒に付けたその名を呼んで、精霊達を安全な位置まで下がらせながらも。
 がんばってーっと応援するかのように、きゅーっと鳴きながら翼を羽ばたかせるその様子に、気合いまっくす!
「セナさんと2人の、愛のコンビネーション見せちゃうよ!」
 理緒は後方からセナの背中を護るべくサポートに回る。
 セナも理緒や精霊達を守る為、突出しすぎずに、でも確りと敵を後ろに通さぬようにと。
『ぎゃうっ!』
 猟銃形態の血槍で、取り巻きの竜達を迎撃する。
 そして竜の群れを放ってくる災厄へと理緒が展開するは。
 ――同位、検索……具現化シークエンス起動。
 電脳世界の情報を元に具現化した等価存在を放ち、相殺する『等価具現』。
「2度はさせないからねっ!」
 前へ立ち血槍ふるうセナのフォローに回りながらも。
 竜巻を打ち消し次の攻撃への準備を整えつつ、守備的に動いていく。
『……ぎゃわっ!』
 そんなオブリビオンが放つ衝撃の予兆を見極め推盾形態で確りと受けて。
 理緒に攻撃が向けばすぐにでも割って入って守れるように注意を払いつつ。
 ――身体が、熱い……血が……力が……駆け巡る……!
 血槍を振るい、吸血したその血を利用し発動した『血力励起』によって増した戦闘力で、竜も災厄も討ち滅ぼさんと攻めていく。
 それに何よりも、二人の力になっているのは。
 一生懸命自分たちを応援してくれている――『ルージュ』と『ノワール』の姿。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

月尾・白雪
慈母たる大樹のもと
精霊さんたちが孵る穏やかな場を
必ずや守りましょう

だから
貴方も一緒に戦ってくださいな
翠伯
と、折角の名付けだけれど
名の意味を語るは戦いが終わった暁に
気に入ってくださるといいのだけれど

ただ翠伯は孵ったばかり
私の戦い方を確と焼き付け、決して前には出ぬようにと
後方からでも翠伯の清い力は私を助けてくれるのだから

他の猟兵との連携も考慮して
まずは天の神火にて飛び交う竜を払いましょう
万が一、目を塞がれたなら
白影の符を放ち、その導きに依りて神火を招き喚びましょう

見えねば攻撃を防ぐ手立てがあるまいと敵に侮られましょうが
翠伯を甘く見ぬことです
孵ったばかりとて、攻撃を私に知らせる呼吸は見事なのですよ



 まるで森の祝福の輝きかのように、降り注いでいた七彩の木漏れ日も。
 一瞬にして、巨大雲に覆われてそのいろを失う。
 けれどそれは雲などではなく……孵ったばかりの精霊と孵した者を攫い喰らう、オブリビオン。
 その大きさは小さな島ほどもあり、周囲には竜が飛び交う。
 だが、猟兵達は怯みなどしない。
「慈母たる大樹のもと、精霊さんたちが孵る穏やかな場を必ずや守りましょう」
 月尾・白雪(風花・f06080)も勿論同じ。
 何故ならば、平和に不穏な影を落とす存在を炙り出し滅すること……それが此処へとやって来た目的だから。
 そして、それを成すために……この森に、美しい光を再び降らせるために。
「だから、貴方も一緒に戦ってくださいな――翠伯」
 白雪は名を贈った白孔雀の如き精霊へと紡げば。
 ピィ、と生まれたてなまだ幼い鳴き声を返しながらも、ふわりと淡い白緑の羽根を広げる。
 ――その名の名の意味を語るは戦いが終わった暁に。
(「気に入ってくださるといいのだけれど」)
 そう漆黒の髪を微か揺らし、見つめる銀の瞳を細める白雪だけれど。
 ただ翠伯は孵ったばかり。だから、決して前には出ぬようにと言って聞かせつつも。
 自分の戦い方を確と焼き付け、動きを覚えて貰うべく、白雪は指示する。
 いや、前へ出ずとも良いのだ。
 後方からでも翠伯の清い力は、白雪をきっと助けてくれるのだから。
『ぎゃうゥッ』
 そしてまずは他の猟兵達との事も考慮し、災厄の周囲を飛び交う竜の排除から。
 ――天翔る神火 我が瞳に宿る星辰を標に招き喚ばう。
 刹那、星辰の力秘めし蒼白の炎が、森の平穏を脅かそうとする悪しき竜を燃やして。
『……ぎゃわわ!』
 災厄がぱかりと大きな口を開け、雲状の吐息を放てば……視界が遮られてしまうけれど。
 邪を祓い、魔を清め、刻を穿つ――影一片。
 白雪の手を離れた白影の符が、その導きに依りて神火を招き喚んで。
(「見えねば攻撃を防ぐ手立てがあるまいと敵に侮られましょうが」)
 ばさり優雅に広げられ空へと舞った、雪の如き真白とけぶる若葉纏ういろを目にしながらも笑む。
 ――翠伯を甘く見ぬことです、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三上・チモシー
んー、そうだ!
きみの名前はもち麦ちゃんにしよう
もちもちしてるから!
これからよろしくねー、もち麦ちゃん

あれが町の人が言ってた雲……じゃなくて魚なのかな? おっきいねー
うわっ、ドラゴンいっぱい出てきた!
もち麦ちゃんは自分が持ってる鉄瓶に乗せておこう
エラが燃えてるし、熱いのは平気だよね?
危ないからあんまり動いちゃダメだよ
……落ち着いてるなぁ。のんびりやさんなのかな

『熱湯注意』で範囲内にいるドラゴンの群れをまとめて攻撃
もち麦ちゃんはお湯の温度を上げてお手伝い
すごいすごい!
よーし、一緒にがんばろー!



 森の祝福を受け、たまごから生まれた精霊。
 三上・チモシー(カラフル鉄瓶・f07057)が孵した精霊は、火属性のウーパールーパー。
 自分とお揃いのピンク色の瞳に、黄色い身体。
 そんな精霊と、チモシーは暫くじーっと見つめ合ってから。
「んー、そうだ! きみの名前はもち麦ちゃんにしよう。もちもちしてるから!」
 ――これからよろしくねー、もち麦ちゃん。
 そう付けてあげた名前で呼べば。
 嬉しそうにきゅーっと鳴いて、炎のえらをひらりと揺らすもち麦ちゃん。
 けれど……そんなもち麦ちゃんたち精霊を、攫ってしまうという存在。
 いや精霊だけでなく、孵した者ごと飲み込んでしまうという。
 それは、噂通りの巨大雲……にみえる、雲に擬態したオブリビオン『災厄の浮島』である。
 突如、七色の光降る森が、大きな影に覆われて。チモシーが天を仰げば。
「あれが町の人が言ってた雲……じゃなくて魚なのかな? おっきいねー」
 小島のように大きなオブリビオンが姿を現して。
「うわっ、ドラゴンいっぱい出てきた!」
 周囲を舞うのは、ドラゴンの群れ。
 そして災厄が狙う生まれたての精霊の力は、まだ未熟だから。
 もち麦ちゃんを自分が持ってる鉄瓶に乗せておくチモシー。
「エラが燃えてるし、熱いのは平気だよね?」
 ……危ないからあんまり動いちゃダメだよ、と言葉添えれば。
 のそのそちょこん、と言われた通り、鉄瓶の上でじっとするもち麦ちゃん。
「……落ち着いてるなぁ。のんびりやさんなのかな」
 大きな敵やドラゴンの群れを前にしても、慌てたりする様子がない精霊にそう瞳をぱちくりさせた後。
 ――そーれ、熱湯ざばー!
 チモシーは、鉄瓶の注ぎ口からあつあつの熱湯を放ち、ドラゴンの群れを纏めて攻撃して。
 炎の外エラをメラメラ、もち麦ちゃんも一生懸命お湯の温度を上げてお手伝い!
 そんなもち麦ちゃんに、すごいすごい! とチモシーは笑んでから。
 オブリビオンを見遣りつつ、もち麦ちゃんに声を掛ける。
 ――よーし、一緒にがんばろー! って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終夜・嵐吾
あや君(f01194)と

おお、でっかいの~
では、何時ものごとく燃やしてしまおうか
精霊の…名前がないと困るの
炎…メラメラしとる…メメ…
うむ、メメとしよう
メメはちょっと下がっておくんじゃよ

狐火を生み出し躍らせれば――メメがじゃれつき
危な……あ、炎の子じゃから大丈夫か
と、思うがぱくりとその炎を食べてしもた
腹へっとるんかの
なんて言っておったら

成長して炎のフードが大きくなりはずれ、顔が見える
…イケメンがおる…
ララもイケメン…イケメン精霊…!

攻撃すると楽しそに派手に炎を扱う
あっ、これは加減できぬのでは?
あや君、サポートしよ!

いつもなら一緒になって燃やすが、ここは森
真似しておいでと狐火でと道筋作ろう


浮世・綾華
嵐吾さん(f05366)と

ですネ
こいつらにも俺らの戦い方、お披露目してぇし

メラメラのメメ?
そんじゃあお前はララかねえ
ふ、いーの?
ほら。お前もメメと一緒に

此方の鬼火にはララが――
下がってろっていったのに
しょうがねえと彼の元へ向かいながら
炎の精霊だし、炎。好きなんですかネ?

ええ、食うの
……おわ。こっちもでかく――
動揺に口元抑えマジかと零しつつ
イケメン連呼する嵐吾さんに笑って
俺らの子だし、そりゃあ男前でしょ

げ――森の方まで燃やすんじゃねーよ
ため息つくも、何処か楽し気に
はぁい、いきましょ
俺らも負けてらんないですしねぇ

吐息を扇の風で相殺し
ほうら、風乗っていっておいで
ね。お前らの力、俺らにみせてよ



 七彩の祝福が降っていた森の空が、大きな影に覆われその彩を失う。
 突如現れた巨大雲の……いや、雲に擬態していた『災厄の浮島』というオブリビオンによって。
「おお、でっかいの~」
 終夜・嵐吾(灰青・f05366)は空を泳ぐ巨大な災厄を、そう見上げるけれど。
 友に予知を託され、此処へとやって来た身。
「では、何時ものごとく燃やしてしまおうか」
「ですネ。こいつらにも俺らの戦い方、お披露目してぇし」
 ゆらり灰青の尻尾を揺らし言えば、それに浮世・綾華(千日紅・f01194)も頷く。
 その瞳の紅をより濃く彩るのは――炎のフードをかぶった、双子の精霊。
 たまごから孵ったばかりの、掌に乗る程の小さな子たち。
 そんな、己のたまごから孵った金色に輝く炎の子を見て、ふと首を傾ける嵐吾。
「精霊の……名前がないと困るの」
 眼前でくるりと遊ぶ炎の子。炎の翅に炎のフード、キラキラした輝きを纏っていて――。
「炎……メラメラしとる……メメ……うむ、メメとしよう」
 ……メメはちょっと下がっておくんじゃよ。
 そう言った嵐吾のまわりを、メメは嬉し気に飛び回って。
 瞳瞬かせた綾華の子の名は、それならば。
「メラメラのメメ? そんじゃあお前はララかねえ」
 メラメラのララで決定!
 ララも、先が赤いグラデ―ションで彩られた翅を満足気にぱたぱた。
 そんな様子に、綾華は瞳細めつつ。
「ふ、いーの? ほら。お前もメメと一緒に」
 下がっておくようにと言われたメメと一緒に、後ろへと……そう、促したのだけれど。
 戦場に狐火と鬼火が生み出されれば、そわそわ堪らずに飛び出して。
「危な……あ、炎の子じゃから大丈夫か」
「下がってろっていったのに」
 しょうがねえ、と向かう先は、自分たちが生み出した炎とじゃれつく炎の子たちの元へ。
「炎の精霊だし、炎。好きなんですかネ?」
 きゃっきゃ無邪気に炎と遊ぶメメララに、綾華は首を傾けるけれど。
「……!」
 刹那、ふたりは同時に瞳をぱちくりとさせてしまう。
 狐火や鬼火と戯れていた炎の子たちが――。
「炎を食べてしもた……腹へっとるんかの」
「ええ、食うの」
 ぱくりと、炎を食べてしまったのだ。
 いや、それだけではない。
 燃え盛る炎が渦を巻き、掌ほどの大きさであった小さな精霊たちが大きく成長して。
 ふわりと炎のフードが外れ、その顔が見えれば。
「……イケメンがおる……」
 眼前には、キラキラ輝く煌めきと燃ゆる炎を纏う、双子のイケメン精霊が。
「……おわ。こっちもでかく――」
 マジか、と綾華も、動揺に口元抑えた隙間から零しつつ。
「ララもイケメン……イケメン精霊……!」
「俺らの子だし、そりゃあ男前でしょ」
 耳をぴこりとさせながらイケメン連呼する嵐吾に笑って。
 頼もしく成長した精霊と共に、いざ災厄を燃やさんと、再び緋色の鬼火を躍らせんとしたけれど。
「!」
 成長しても無邪気に遊ぶ様に、精霊たちから放たれる炎。
 ……燃やすの! 大好き!
 そう言わんばかりに楽しそうに派手な炎を繰り出す、その様子を見て。
「げ――森の方まで燃やすんじゃねーよ」
「あっ、これは加減できぬのでは?」
 いくら炎を喰らいイケメンに成長したとしても、やはり生まれたて。
 キャッキャ炎を放つ姿は、加減というのものを知らないようだ。
「あや君、サポートしよ!」
「はぁい、いきましょ」
 ……俺らも負けてらんないですしねぇ、と。
 ふたりも再び、精霊達に負けぬほどの炎を生み出して。
 いつもなら一緒に、燃やすの! 大好き! と狐火を放つところだけれど。
 此処は、燃えやすい樹が沢山並ぶ森の中。
 ――真似しておいで。
 今日の嵐吾の狐炎は、幼き炎を導く道筋となって。
『……ぎゃわっ!』
 災厄の口から放たれた雲の吐息が、視界を遮らんと立ち込めるも。
 ばさりと綾華の手の中で開かれるは、夜色に重なる金の輝き。
 舞う様に振るわれた扇の風が、邪魔な雲を蹴散らせば。
「ほうら、風乗っていっておいで」
 嵐吾がその狐火で、幼き炎を正しき道へと導くのならば。
 綾華はその風で、燃え盛る炎を煽り前へと送り出す。
 ……ね。お前らの力、俺らにみせてよ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

葉月・零
縁さん(f06518)と
アドリブ歓迎

さてとー、なんか出てきたねー
縁さん準備は大丈夫?

リーフもやるき満々だね

キミ……はどうする?
この森を護るために力を貸してくれる?

うーん、流石にが視界を遮られちゃうのはやりにくいよねぇ

まだこの子の力があるのかとか、どんなことが出来るのかは目にしてないけど
なんとなくわかるような気がする

行くよ

リーフの氷と生まれたばかりの精霊の起こした風、2人の力を借りて

氷の旋風を巻き起こして雲を吹き飛ばしちゃおう

縁さんこれで近づけそう?

そういう縁さんも良い感じだと思うけど

咲空さんも頼もしいねぇ

精霊2人を一撫でして

さて、2人ともありがとー
俺たちも負けてらんないね
もう少し力を貸してね


野宮・縁
れい(f01192)と
アドリブ歓迎

うむ!わしはいつでもだいじょうぶじゃぞ!

…おぬしはどうする?かくれていても…
言いかけて、前に出たあまえんぼだった子のなんとたのもしいことよ
よし、いっしょにいくぞ!

さすがれいじゃな
せいれいたちとのれんけい、みごとじゃ!
わしらもまけておれんな
れいたちが作った道をUCの蒼い炎がかけぬける
つづけて、あまえんぼのあの子もかけぬけて見えたのは
空をかける自由な風
炎と風のかけぬけるさまの、なんときれいなこと
一気にてきとのきょりをつめて
蒼い炎をまとわせたなぎなたをふりかぶり、一閃

よくやったな、咲空
思いうかんだ名をのせて、あたまをなでて
れいたちのことも、めいっぱいほめてやらんとな



 美しい森の虹いろをも飲み込むような、大きくて不穏な影。
 それは街で噂になっていた巨大雲……雲に擬態し精霊が生まれるのを待ち構えていた、オブリビオンであった。
「さてとー、なんか出てきたねー」
 ……縁さん準備は大丈夫?
 小さな島程の大きさがある災厄を見上げていた視線を、葉月・零(Rien・f01192)は今度はふと隣へと移して。
「うむ! わしはいつでもだいじょうぶじゃぞ!」
 そう、力強くこくりと頷いた野宮・縁(永久に七つと数えよう・f06518)と一緒に。
「リーフもやるき満々だね」
 こくこく首を縦に振る氷の精霊・リーフの姿に笑んで。
 それからふと、自分の周囲を無邪気に飛び回る鷹の様な子へと訊ねる。
「キミ……はどうする? この森を護るために力を貸してくれる?」
 そう紡げば、ばさりとやはり、やる気満々!
 そして縁も、抱えた猫の様な子へと目を向ける。
 自分にすりすり身を寄せる甘えん坊な精霊は、まだ生まれたてだから。
「……おぬしはどうする? かくれていても……」
 そう言いかけた刹那、ぴょんっと縁の腕の中から飛び出して。
 やっぱりこの子も、やる気です!
 そんな前に出た子を見つめ、縁は青の瞳を柔く細め思う。
 ――あまえんぼだった子のなんとたのもしいことよ。
 こうなればもう、迷うことはない。
「よし、いっしょにいくぞ!」
 皆で一緒に、災厄を討ち払うだけ。
『ぎゃううッ!』
 刹那、空を泳ぐ災厄の口から吐き出されたのは、視界を奪う雲状の吐息。
「うーん、流石にが視界を遮られちゃうのはやりにくいよねぇ」
 零は戦場を覆う雲にそう呟きを落としつつも、ふと鷹の子を見つめる。
「まだこの子の力があるのかとか、どんなことが出来るのかは目にしてないけど」
 ……なんとなくわかるような気がする、と。
 この子は、零の心を象り生まれた子なのだから。
 ――行くよ。
 精霊の先輩なリーフが先立って氷を生み出せば、それに倣って頑張って風を起こす鷹の子。
 ふたりの力が合わされば、巻き起こった氷の旋風が雲をあっという間に吹き飛ばして。
「縁さんこれで近づけそう?」
「さすがれいじゃな。せいれいたちとのれんけい、みごとじゃ!」
 ――わしらもまけておれんな。
 零とふたりの精霊さんが作ったその道を、蒼き狐火が駆け抜けて。
 同時に、あまえんぼのあの子が地を蹴ったかと思えば――炎についていく様に巻き起こるのは、空をかける自由な風。
 吹き抜ける風に煽られた蒼き炎が、そのいろをより鮮やかに燃え上がらせる。
 ――炎と風のかけぬけるさまの、なんときれいなこと。
 その瞳に鮮やかないろを映しながら、縁も零が拓いた道を一気に駆けて。
『! ぎゃあっ』
 青き炎纏わせたなぎなたを振りかぶり、一閃。
 七彩の森を覆う雲を晴らすべく、悪しき災厄を薙ぎ払う。
 そして、ぴょこんっとじゃれてきた甘えん坊の子へと笑み零して。
「よくやったな、咲空」
 思いうかんだ名を贈り、よしよしと頭をなでてあげる。
 そんなすっかり仲良しな様子に、零もふたりを見つめる瞳を細めれば。
「そういう縁さんも良い感じだと思うけど。咲空さんも頼もしいねぇ」
「れいたちのことも、めいっぱいほめてやらんとな」
 精霊たちも、そして零のことも勿論。縁は、頑張った皆をいっぱい褒めてあげて。
「さて、2人ともありがとー。俺たちも負けてらんないね」
 リーフと鷹の子を順に一撫でしながら、零は頼もしい子たちにお願いする。
 ――もう少し力を貸してね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ケルスティン・フレデリクション
わ、敵だ…!
ことりさん、危ないけど…離れてたほうが、あぶないかな…?
己の髪の中なら隠せるのでそこに隠すね。
これなら、敵に姿が見えないよね!
以降は髪の毛の中のことりさんを潰さないように戦うね!
武器は精霊銃の【きらめき】
ことりさんも、森も、皆も、守るために来たよ。だから、がんばらなきゃ!
ユーベルコードのひかりのしらべを使って攻撃するね。
属性攻撃、全力魔法、氷の魔法で敵を攻撃する時はことりさんにも協力してもらうね
「ことりさん、きょーりょくしてね!」
 相手を凍らす攻撃で敵を倒すために頑張るね

敵の攻撃で視界を遮られるなら
空中浮遊でふわふわして避けるね。



 七色の光に満ちた、慈母たる大樹の祝福。
 精霊のたまごから生まれた、ふわふわなシマエナガに似た小さな白い鳥の精霊。
 そんな小鳥さんと戯れていたケルスティン・フレデリクション(始まりノオト・f23272)は、森に突然落ちた大きな影に、顔をうんと上げて。
「わ、敵だ……!」
 大きな大きな敵……巨大雲に擬態していた『災厄の浮島』の姿に、円らな瞳を思わず瞬かせるけれども。
「ことりさん、危ないけど……離れてたほうが、あぶないかな……?」
 自分から遠く離してしまった方が危険だと判断したケルスティンは。
「これなら、敵に姿が見えないよね!」
 自分の紫色の髪の中に、小鳥さんを隠しておく。
 悪戯好きな小鳥の精霊さんも、ちゃんと今は大人しく、ささっと髪の中に上手に隠れて。
 小鳥さんを潰さないよう注意しつつも、ケルスティンは倒すべきオブリビオンへと視線を向ける。
 その手には、ちっちゃなおててによく馴染む、小さな精霊銃『きらめき』が。
「ことりさんも、森も、皆も、守るために来たよ。だから、がんばらなきゃ!」
 此処にやって来たのは、猟兵としてオブリビオンを退治するため。
 それに、ケルスティンは守りたいから。
 生まれてきてくれたことりさんも、美しい森も、森に住む精霊や街の人も……みんな。
 ――ぴかぴか、くるくる、ふわふわ。
 口から雲状の吐息をふーっと吐き出した災厄の攻撃を、ふわふわして躱した後。
 大きな災厄へと指先を向ければ、天からの光が敵を撃ち抜いて。
『ぎゃうッ!』
「ことりさん、きょーりょくしてね!」
 全力で氷の魔力を編み出しながら、こう声を掛けてみれば。
 ぴよ! っと元気な鳴き声と一緒に、ことりさんも頑張って氷の魔力を纏いお手伝い。
 そして向けた銃口から放たれた氷の衝撃が、的の大きな災厄を、的確に撃ち抜く。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シン・クレスケンス
「何だあれは?」
戦闘に備えて、僕が背に乗れる位の大きさに戻したツキが言います。
「予想外の姿ですね…」
僕も呆気に取られますが、即切り替えます。ユーモラスな姿をしていても、産まれた精霊さん達や街の人々にとっては危険な存在。
「あなたは隠れていてくださいね」
産まれたばかりの月と夜の精霊に言います。

浮島に近付く為、ツキに乗って高い場所まで移動し、攻撃命令。僕も援護します。

雲状の吐息は、いつの間にか付いてきていた精霊さんが羽ばたきで風を起こして払ってくれました。
「ありがとう、助かりましたよ」

ツキは牙と爪と先を刃に変形させた尻尾、僕は【破魔】を込めた詠唱銃、精霊さんはまるで三日月のような風の刃で攻撃します。



 辿り着いた慈母たる大樹の元で、無事に孵った精霊のたまご。
 そして生まれた精霊は言われていた通り、UDCのツキが吹き出してしまったほど、シン・クレスケンス(真実を探求する眼・f09866)に似ていて。
 まるで、夜更かししては研究している宵っ張りな彼を思わせる様な、フクロウの如き月と夜の精霊。
 そんな生まれたての精霊をちょこんと頭に乗せたまま。
 ――何だあれは?
 突然森を覆った不穏な影に、戦闘に備えシンが背に乗れる程の大きさに戻したツキが呟きを零す。
「予想外の姿ですね……」
 街で噂されていた、巨大雲の正体。
 それは巨大雲に擬態していた『災厄の浮島』……チョウチンアンコウの様な見目をした、巨大なオブリビオンであった。
 シンは予想外の敵の姿に、一瞬だけ呆気に取られるけれど。
 ――ユーモラスな姿をしていても、産まれた精霊さん達や街の人々にとっては危険な存在。
 そうすぐに気持ちを切り替え、青の視線を移して。
「あなたは隠れていてくださいね」
 産まれたばかりの、月と夜の精霊に伝えてから。
 倒すべき災厄へと近づくべくツキに乗り、空に近い場所まで駆け抜けて。
『ぎゃわわっ!』
 視界を遮ようと雲の吐息を放たんとする敵目掛け、ツキへと攻撃命令を出して。
 それをシンも白銀の美しい銃身を構え、援護する。
 そして災厄が、その大きな口から雲の吐息をふーっと吐けば。
 あっという間に白の靄に包まれ、周囲が見えなくなった……と思った、瞬間。
「ありがとう、助かりましたよ」
 ばさりと羽ばたかれたのは夜空のいろ。
 いつの間にかついてきていた月と夜の精霊が、深い藍と星の煌めきのような光を纏う翼で風を起こし、雲を振り払って。
 視界が晴れた中、シンはツキと精霊に声を掛ける。
 ――総攻撃で行きますよ!
 刹那、ツキの鋭き牙と爪や先を刃に変形させた尻尾が災厄へと見舞われて。
 同時にシンの破魔を込めた白銀の詠唱銃の引き金が引かれれば。
 精霊もふたりに倣い、三日月のような風の刃で頑張って攻撃を。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月舘・灯里
【灯夜】
おおきなおおきなオブリビオン……
でも、おおきくてつよいてきと
どうたたかえばいいのかは
あかりしっているのです

とうさまとかあさまをずっとみていたから
だいじょうぶです

あかりととうさまからはなれないでくださいなのです
はい!おなまえはかえってからです!

精霊遊戯でかぜのせいれいさんをよびます
せいれいさんにはてきのこうげきのしんろをかえてもらうです
ええっと、はなのりゅうさんもいっしょにたたかうですか?
ふふ、やるきまんまんなのです
にいさまみたいですね

とうさまのおさかなも、あかりのりゅうも……
みずのぞくせいなのですね!

せんこうをかくさんしてとどかせない
ほのおのこうげきをふせいでくれる
つよいつよいみかた!


月舘・夜彦
【灯夜】
奴が彼等を食べようとしていたのですね
このオブリビオンならば一瞬で飲み込まれてしまう
灯里、守りながら戦うのも良いのですが
そうですね、逃げて隠れるよりも共に戦うべきでしょう
灯里、帰ったら名前を考えてあげましょう

……頼もしく、子の成長を感じますね

視力にて敵の種類を確認
氷・雷ならばそれぞれの耐性にて耐えて戦闘
炎ばかりは互いに気を付けなくてはなりません

敵を見据えて刃を構えるが、私達の前に現れたのは先程の精霊
――炎相手なら水、という事ですか
灯里の精霊と合わさり、これならば防げそうです

精霊の水の力で炎を相殺した後、二刀流剣舞『襲嵐』
一撃目は離れた敵へ、そこを起点に嵐を発生させてドラゴンの群れを一掃



 七彩に煌めいていた森のいろを、一瞬にして覆ってしまった影。
 広い森を飲み込む様なその存在は、オブリビオン――『災厄の浮島』。
 ただでさえ小さな島ほどもある巨大な敵であるのに。
 空を泳ぐその様を見上げるには、小さな月舘・灯里(つきあかり・f24054)はうんと首を伸ばさなくてはいけない。
「おおきなおおきなオブリビオン……」
「奴が彼等を食べようとしていたのですね」
 そんな灯里の傍らに立つ月舘・夜彦(宵待ノ簪・f01521)は、生まれたての精霊だけでなく孵した者をも攫うと言われていた巨大雲の話を思い返しながらも納得する。
「このオブリビオンならば一瞬で飲み込まれてしまう」
 けれども、ぐっと懸命に災厄を見つめ、灯里は口を開く。
「でも、おおきくてつよいてきとどうたたかえばいいのかは、あかりしっているのです」
 その言葉に、夜彦は緑の視線を向けて。
「灯里、守りながら戦うのも良いのですが」
「とうさまとかあさまをずっとみていたから、だいじょうぶです」
 こくりと頷いた灯里の姿を見て、柔く娘の姿を映した瞳を細める。
「そうですね、逃げて隠れるよりも共に戦うべきでしょう」
 灯里も生まれてそんなに長い時間は経っていないし、まだまだ知らないことは沢山あるけれど。
 でも、いつも兄と一緒に見てきたから。
 自分たちを守り、人々や世界を守る、とうさまやかあさまの大きな背中を。そして、その戦う姿を。
 だから――自分も。
「あかりととうさまからはなれないでくださいなのです」
 生まれたばかりの精霊の子たちを、守る。
 逃げて隠れるのではなく、とうさまやかあさまのように、前へと出て。
「灯里、帰ったら名前を考えてあげましょう」
「はい! おなまえはかえってからです!」
 そして、そうもう一度頷いた灯里を改めて見つめ、夜彦は思う。
 ……頼もしく、子の成長を感じますね、と。
 だから夜彦も同じ猟兵として、灯里と共に戦場に並び立つ。
 それから空へと視線向ければ、災厄の周囲を舞う竜の群れが。
『ぎゃわっ!』
 そして災厄がふたり目掛け放つは、炎を纏う竜。
 氷や雷のものよりも、炎ばかりは互いに気を付けなくてはならないと。
 そう夜彦が迫る敵を見据え、曇り無き刃の愛刀を構えた、その時。
 ひらり、夜彦の前に泳ぎ咲いたのは、二藍のいろ。
 ――炎相手なら水、という事ですか。
 己の心を象り生まれた、魚の見目をした精霊の姿。
 ――いっしょにあそびましょう?
 そして灯里が『精霊遊戯』を展開し喚んだのは、風の精霊さん。
 灯里は召喚した風の精霊さんにお願いする。敵の攻撃の進路を変えて欲しいと。
 さらに、一生懸命お手伝いしようとするのは。
「ええっと、はなのりゅうさんもいっしょにたたかうですか? ふふ、やるきまんまんなのです」
 ……にいさまみたいですね、って。
 思わず兄を思い出してしまうようにやる気に満ち溢れた、橙色の花が咲いた竜の子。
 その竜が纏うのは、夜彦の精霊と同じ、水。
「とうさまのおさかなも、あかりのりゅうも……みずのぞくせいなのですね!」
 水属性の生まれたての精霊と、灯里が喚んだ風の精霊。
(「灯里の精霊と合わさり、これならば防げそうです」)
 夜彦は頼もしい娘と精霊達に視線を向けた後、迫る炎の竜を見据えて。
 災厄が触覚から放った閃光を拡散させ、炎の攻撃を防いでくれる、強い強い味方な精霊たちに、灯里はどう動けばいいか声を掛けてあげて。
 ――振るう刃は、嵐の如く。
 二藍の魚と橙の花咲かせた竜の水の力が、竜の炎を相殺した刹那。
 夜彦の握る、夜天に移す銀月と蒼銀の清流流れる二刀から、飛来する斬撃が閃いて。
『……ぎゃあぁ!』
 さらにその一撃を起点に激しく巻き起こった嵐が、竜の群れを巻き込んで一掃する。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「ずいぶん可愛らしいのが出たわね。サイズがちょっとおかしいけど」
精霊猫さんには避難してもらうわね。
ムリはさせられないわ。

森の木々を利用して迷彩、目立たない、逃げ足で敵の攻撃を避けつつ、弓で攻撃よ。
一撃入れては姿を隠し、また攻撃、を繰り返すわ。

相手に隙ができたらユーベルコード【ジャッジメント・クルセイド】で攻撃。
「ネコさんを攻撃する敵は私の敵よ」

…ところで話は変わるけどこの精霊猫さん、お持ち帰りできないのかしら?



 七色の木漏れ日降る、慈母たる大樹の下で。
 精霊のたまごから生まれたふわもこ猫さんと、もふもふ戯れていたヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)だけど。
 ふっと急に、森に満ちていた虹のいろが消え失せて。
 大きな影が光を全て飲み込むかのように落ちたことに気付き、藍と紫の宝珠を空へと向ける。
 そして、その色の違う両の瞳に映った存在は。
「ずいぶん可愛らしいのが出たわね。サイズがちょっとおかしいけど」
 見た目はキュートなチョウチンアンコウ風だけれど。
 その大きさは、小さな島ほどもある巨大な災厄――オブリビオンであった。
 そんな、生まれたての精霊や孵した者を狙い現れた『災厄の浮島』を見遣りながら。
 ふわもこ白猫精霊さんに、ヴィオレッタは避難してもらうよう伝える。
 羽をぱたぱた言われた通り避難する精霊は、まだ生まれたてだから。
 ……ムリはさせられないわ、と上手に猫さんが身を隠したことを見守った後。
 森の木々を利用し溶け込みながら、目立たず、逃げ足を駆使し、身を躱していくヴィオレッタ。
 そして呪が刻まれし『射貫き打ち抜く鋒矢』をぐっと番えては矢を放ち、再び森へと身を隠す。
 それから雲の吐息を吐かんと口を開けた敵の死角に入った瞬間。
「ネコさんを攻撃する敵は私の敵よ」
『ぎゃわっ!』
 災厄へと指先を向け、天からの光を喚び起こし、猫さんに危害を加える輩へと攻撃を。
 そしてヴィオレッタはふと金の髪を揺らし首を傾ける。
「……ところで話は変わるけどこの精霊猫さん、お持ち帰りできないのかしら?」
 精霊のたまごを持て余さず孵しさえしてくれれば、それで街の冒険酒場の依頼は達成されているから。
 ふわもこ羽白猫な精霊は、お持ち帰りは可能です!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と共に
・アドリブ歓迎

我が子をかばうように精霊たちを匿って。
ルミナ(女の子精霊)、フランム(男の子精霊)、ママの後ろに隠れて。
あなた達のことは、必ず守ってあげるわ。

パパ(ヴォルフ)たちが無事あの大きな怪物に勝てるように、みんなで祈りましょう。
【聖霊来たり給え】の歌声に乗せて、勇気と優しさに満ちた希望の光が、お日様の光となってあの雲を晴らせるようにと
ヴォルフたちが傷ついたら【生まれながらの光】で回復を
【主よ、哀れみ給え】の祈りが、更に眩さを増す光となって、怪物や竜の凶行を止められるように。

大丈夫。みんなで力を合わせれば、勝てない敵はないわ。


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と同行
・アドリブ歓迎

ついに現れたか。
せっかく生まれたこの命、むざむざと奪われてなるものか。

【守護騎士の誓い】を胸に秘め、敵と対峙
竜の攻撃がヘルガ達に向かわないようおびき寄せ、攻撃を受けたら【無敵城塞】発動
間に合わず受けたダメージは「激痛耐性」「勇気」「継戦能力」で耐える

愛する妻を、家族を守るためなら、多少の不利は覚悟の上
どんな苦痛にも耐えて見せよう

敵が隙を見せたら【獄狼の軍団】を召喚し反撃
竜の群れを掃討し、残りは鉄塊剣の範囲攻撃でなぎ払いカウンター
浮島には鎧砕きの力をこめた急所攻撃

人々の、愛する者の無辜の祈りがある限り、俺の闘志は決して折れることはない……!



 慈母たる大樹に降り注いでいた、祝福の七彩の輝き。
 その光は、孵す者の心を象った精霊をたまごから孵し、新しい生命を生み出したけれど。
 刹那、そんな七彩の光を覆い尽くしたのは――巨大雲に擬態していた『災厄の浮島』。
 生まれたての精霊と孵した者を飲み込まんとする、オブリビオンであった。
 けれど、それは予知されていた存在。
 平和を脅かすオブリビオンの討伐、それが此処へやって来た本来の目的だから。
「ついに現れたか」
 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)は前に立ち、空を泳ぐ災厄を見据える。
 ――せっかく生まれたこの命、むざむざと奪われてなるものか、と。
 ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)も夫のヴォルフガングの背中を護りながらも。
「ルミナ、フランム、ママの後ろに隠れて」
 ――あなた達のことは、必ず守ってあげるわ。
 女の子の精霊にはルミナ、男の子精霊にはフランム……そう、初めての名前という贈り物を与えた我が子たちを庇う様に、精霊たちを確りと匿う。
 そしてママの言うことをお利口に聞き、寄り添う精霊たちに、ヘルガは微笑む。
「パパたちが無事あの大きな怪物に勝てるように、みんなで祈りましょう」
 ――いと尊くも優しき聖霊よ。善き魂を庇護し導く聖なる光よ。御身を信じ祈る者に、災禍を祓い闇夜を照らす、七つの秘蹟を与えたまえ。
 刹那そう響き渡るのは『聖霊来たり給え』……祈りを込めてヘルガが歌う賛美歌。
 精霊たちのパパである夫のヴォルフや仲間の猟兵たちを、守りたい。そう想いを乗せた美しい旋律が戦場に満ちる。
 ……勇気と優しさに満ちた希望の光が、お日様の光となってあの雲を晴らせるように、と。
 そして、この命は守るべき者のために捧げよう、と。
 ――我は誓う。牙無き者の祈りに応え、この身を盾と成し、命を懸けて守り抜くと。
 ヴォルフガングは握る刃に、胸に秘めし『守護騎士の誓い』を立てる。
 たとえ不利な状況に陥ったとしても……いや、そうなってからこそ力を発揮できるように、と。
 愛する者や無辜の民を守護するという、誓いの為に。
『ぎゃうっ!』
 刹那、災厄から放たれし竜の群れが迫り来るけれど。
 ヘルガ達へと向かわぬよう群れを誘き寄せた後、ヴォルフガングは愛する者たちの壁となる。
「愛する妻を、家族を守るためなら、多少の不利は覚悟の上」
 ――どんな苦痛にも耐えて見せよう、と。
 そして子供達を守りながらも、天使の歌声を持つ歌姫は、献身的に夫のその背中を支えて。
 敵の隙を見逃さず、守りから反撃へと転じるヴォルフガング。
 竜の群れを掃討するべく立ち回り、迫る敵へと無骨な鉄塊の如き鉄塊剣を振り回し薙ぎ払って。
『! ぎゃあぁっ』
 大きく地を蹴った瞬間……纏う守りをも砕く、力込めた急所への一撃を災厄へと叩き込む。
 そんな勇姿を子供達と見守り祈りながらも、ヘルガの心は揺るぎない。
「大丈夫。みんなで力を合わせれば、勝てない敵はないわ」
 きっと敵に打ち勝つと、愛する人や仲間のことを信じているから。
 だから、ヴォルフガングも。
 ――人々の、愛する者の無辜の祈りがある限り、俺の闘志は決して折れることはない……!
 そう迷いなく戦場に立ち、駆け抜けられるのだ。
 自分には守るものが、守りたいものが、あるから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

新堂・ゆき
これが災厄の浮島ですか。
たろうちゃんが心配ですが、戦闘から遠ざけるよりは、私の戦うスタイルを見てもらった方がいいでしょうか。
たろう、ここに隠れていますか?自身の懐をしめして。
勇気を持った立派な精霊さんになって欲しいですからね。
月照丸で敵を攻撃。
からくりなら・・多少の無理もきくというもの!
ダメージも構わず近接で攻撃。
カイカが使用可能なら使います。
3回攻撃は味方を巻き込まないなら。(周囲に人がいなくて巻き込む心配が少ない等)
森は返していただきます。
たろうちゃんや他の精霊さんの故郷ですもの。
帰る場所がないのは私だけでじゅうぶんです。ぽつりと。



 七彩の祝福を受け、孵す者の心を象り生まれた精霊。
 その激可愛いつぶらでまるっこい瞳のひよこさん――たろうと戯れていた新堂・ゆき(月雪花・f06077)だが。
 生まれたての精霊と孵す者を攫い飲み込まんと姿をみせたのは、街で噂になっていた巨大雲に擬態していた、森の虹色を覆い尽くす大きな影。
「これが災厄の浮島ですか」
 ゆきは紫の瞳を空へと向け、巨大なオブリビオンを見遣った後。
 視線を自分の掌へと戻し、自分をうるうるな瞳で見上げているたろうを見つめ思う。
(「たろうちゃんが心配ですが、戦闘から遠ざけるよりは、私の戦うスタイルを見てもらった方がいいでしょうか」)
 生まれたてのたろうをひとりにするのも不安であるし。
 自分の近くで守りながら、戦う姿を見せた方が今後のためかもしれないと。
 ゆきは、自身の懐をしめして、精霊へと声を掛ける。
「たろう、ここに隠れていますか?」
 その声に、ぴよっと激可愛い声で一鳴きしてから。
 ぴょんっとゆきの懐におさまるたろう。
 その姿にきゅんときつつも、微笑むゆき。
 ――勇気を持った立派な精霊さんになって欲しいですからね、って。
 そうとなれば、たろうに堂々と見せられる戦い方をしなければと。
 ゆきは月照丸を繰り出し、巨大な災厄へと攻撃を仕掛けていく。
「からくりなら……多少の無理もきくというもの!」
 触覚から放たれる閃光を浴び、放たれた体当たりを受けても、果敢に距離を詰め衝撃を繰り出す月照丸。
 そして周囲に仲間がいないことを確認してから。
 ――今、解き放ちます。
 展開されるは『開花』、溜め込んだ呪詛によって巨大化した月照丸の三重に連なる攻撃が災厄へと見舞われる。
『……ぎゃううっ!』
「森は返していただきます」
 この森は、たろうや他の精霊さんの故郷だから。
 ゆきは懐の中のたろうのぬくもりを感じつつ、そっと瞳を細めて。
 ぽつり、言の葉を落とす。
 ――帰る場所がないのは私だけでじゅうぶんです、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ディアナ・ロドクルーン
共闘・アドリブ可

これが酒場のマスターが言っていた雲…いえ、災厄…

精霊と孵した者を喰らおうとは笑止千万
今までの様に簡単に飲み込めるとは思わない事ね

ヒンメル、無理をしないで。
貴方も、この森も、私が守るから
大丈夫よ、安心してね

他の猟兵と共闘できるのなら協力し合うようにする
竜に対しては多対一にならぬように注意を払い
各個撃破して確実に数を減らすようにし

災厄には
【第六感】で相手の攻撃を【見切り】
こちらの剣があたるギリギリまで引きつけて
【マヒ攻撃】で触覚の【部位破壊】を試みる

此処はお前の居るべきところではない
骸の海に還りなさい



 生まれたての精霊と孵した者を攫うという巨大雲。
 街でも噂されていたその正体、それはやはり――予知されたオブリビオン。
「これが酒場のマスターが言っていた雲……いえ、災厄……」
 ディアナ・ロドクルーン(天満月の訃言師・f01023)はそう紡ぎ、紫の視線を天へと向ける。
 精霊達が孵化するまでは雲に擬態し隠れていたが、沢山の新しい生命の誕生を察知し、その姿を現したのだ。
 生まれたての精霊と孵した者を、飲み込むために。
 けれど、ディアナはそんな巨大な敵を前にしても、戸惑い慌てる様子など微塵もない。
「精霊と孵した者を喰らおうとは笑止千万。今までの様に簡単に飲み込めるとは思わない事ね」
 此処へと赴いた目的は、この世界の平和を脅かす、失われた過去の化身を滅するためだから。
 森に降り注ぐ七彩の光を遮り奪う、大きな敵の影。
 けれど、そんな闇のいろに抗うかの様に……ばさりと広げられたのは、美しき白の翼。
 風を伴うそのはばたきに視線を移したディアナは、空を舞う森の哲学者へと柔く瞳を細めて。
「ヒンメル、無理をしないで。貴方も、この森も、私が守るから」
 ――大丈夫よ、安心してね。
 そう、白き翼の梟の精霊、ヒンメルへと言葉を掛けてあげる。
 その声に応えるかのように、くるりと数度、ヒンメルはディアナの周りを旋回して。
 言われた通り、前へ出すぎず控えめに。
 けれど、自分も共に森を守らんと、ディアナの傍で再び翼を羽ばたかせる。
 そんなヒンメルに小さく笑んでから。
 ディアナは改めて、敵へと向き合う。
 そして仲間の猟兵の攻撃を受け体勢を立て直さんとする竜目掛け、そうはさせないと。
『ぎゃあ……ッ!』
 握り放つのは、夜の夢を示す言葉と月見草の彩り宿る白き刃の閃き。
 周囲の皆と協力し合い、手負いの敵から確実に仕留め、まずは数を減らさんと試みながらも。
 ディアナは、空を泳ぐ巨大な災厄をギリギリまで己に引き付ける様に立ち回って。
 刃の届く距離まで災厄が迫った瞬間、内なる狂気を秘めた紫のいろを向け言い放つ。
「此処はお前の居るべきところではない。骸の海に還りなさい」
『……ぎゃわっ!』
 刹那、紫の夜のいろ纏う髪が踊り、閃光放たんとしていた触覚へと狙い放たれる一閃。
 そんな痺れを伴う斬撃は、月の弧の如き軌道と夜の夢を描き出す。

大成功 🔵​🔵​🔵​

華折・黒羽
空隠す大きさに呆けていれば
つんと頬に伝った精霊の手の感触

呼ばれてるのかと視線向ければ
目の前でくるり回って小さな握り拳

…一緒に戦ってくれる、のか?

勢いよく頷く姿がとても可愛らしい
頭上にちょこんと降り立ったのを感触で確認したら
さあ、攻撃開始だ

縹纏わせた屠を構えて生み出す冷気
何時もの感覚で刃先を地面に突き刺し氷花を咲かせる
─つもりだった

精霊が生み出した水の層により
氷花はいつもの何倍にも威力を増す
しかも生まれたてで加減も分からないのだろう
随分と高く聳え立ってしまった氷の花群を再び見上げ
降りてきた精霊と視線合わせる
ぱちり、瞬く眸が四つ

…俺と一緒に、鍛錬するか?

苦笑で紡いだ言葉に、精霊はまた元気よく頷いた



 森に満ちていた虹のいろが、一瞬にして何ものかが落とす影に覆われ失われる。
 それは街で噂されていた巨大雲……いや、それに擬態していたオブリビオン『災厄の浮島』。
 華折・黒羽(掬折・f10471)はその正体を追い、青の瞳を天へと向けるけれど。
 空隠すその大きさに思わず呆けてしまう。
 だが……その視線の端に割り込んできたのは、勿忘草のいろ。
 そして、空仰ぐ黒羽の頬に、つんと伝った小さな手の感触。
 呼ばれてるのかと。そう黒羽が、鰭耳の精霊へと視線向ければ。
 纏う羽衣揺蕩わせ、目の前でくるり回ってみせた後、ぐっと小さな握り拳ひとつ。
 その様に、瞳をぱちくりと瞬かせるけれど。
 すぐに勿忘草色の精霊映す青の双眸を細め紡ぐ。
「……一緒に戦ってくれる、のか?」
 こくこくと、力強く頷く姿。
 それがとても可愛らしくて、そして頼もしい。
 それから、ひらり羽衣靡かせた精霊が、頭上にちょこんと降り立ったのを感触で確認すれば。
 ――さあ、攻撃開始だ。
 構えるは、白姫の縹纏わせた黒き屠。
 呪印記した符が、握る黒剣に冷気生み出す力与えれば。
 何時もの感覚でその刃先を地へと突き刺し、氷花を群れ咲かせる――つもりだった。
「……!」
 けれど刹那、咲き誇った氷花は、いつもの何倍にも威力を増す。
 精霊が生み出した、水の層によって。
 しかも……生まれたてで、加減もまだ分からないのだろう。
「随分と高く……」
 思わず零れ落ちた呟きと同時に黒羽が再び見上げるのは、高く聳え立ってしまった氷の花群。
 そして、何だか得意気にひらり降りてきた精霊と視線合わせれば……ぱちり瞬く、四つの眸。
 黒羽は、満開に咲きすぎた氷の花をもう一度見遣ってから。
「……俺と一緒に、鍛錬するか?」
 そう、苦笑で紡いだ言葉を向ければ。
 くるりひらり、黒羽の周囲に水が流れるかの如く羽衣が再び靡き遊んで。
 勿忘草色の精霊はまた元気よく、こくりと。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フリル・インレアン
ふえぇ、お、大きいです。
ど、どうしましょう。
ふぇ、アヒルさん、無茶ですよ。
いくらアヒルさんが勇敢でもあんな大きな相手に挑むのは無謀です。
なら、この子があれに食べられてもいいのかって、それもよくないですけど、私はアヒルさんも心配なんです。

ふぇ、アヒルさん、待ってください。
行ってしまいました。
アヒルさんの無茶を助けるのもパートナーとしての役目ですね。
サイコキネシスでアヒルさんの行く手を妨げるドラコンさんを追い払います。
ですが、アヒルさん一人じゃ無理。
ふえぇ、アヒルさん危ないです。
ふぇ、ヒヨコさんがアヒルさんを助けた。
勇敢なアヒルさんの魂がヒヨコに受け継がれたんですね。



 虹の様な輝きを纏う光が降り注ぐ、美しい迷いの森。
 けれど、精霊達が次々と孵り、様々な姿をした彼らが戯れ飛び交っていた森を、突如大きな影が飲み込む。
 そして顔を上げれば……巨大雲に擬態していた、オブリビオンが姿を現す。
 しかも、その敵は。
「ふえぇ、お、大きいです。ど、どうしましょう」
 フリル・インレアン(大きな帽子の物語はまだ終わらない・f19557)が、いつも以上におどおどしてしまう程、巨大なオブリビオンであった。
 そんなフリルを後目に、果敢に前に出ようとするのは、アヒルちゃん型のガジェット『アヒルさん』。
 でもどうみても、大きさが違いすぎるから。
「ふぇ、アヒルさん、無茶ですよ。いくらアヒルさんが勇敢でもあんな大きな相手に挑むのは無謀です」
 フリルがそう告げれば。
 アヒルさんは逆にフリルに問う。
「なら、この子があれに食べられてもいいのかって、それもよくないですけど、私はアヒルさんも心配なんです」
 そう答えつつ、フリルがちらりと見るのは、帽子を被ったヒヨコさんの精霊。
 勿論、生まれたこの子も心配だけど。アヒルさんも心配――。
「ふぇ、アヒルさん、待ってください。……行ってしまいました」
 フリルがそう言っている間に、災厄へと果敢に挑まんと向かうアヒルさん。
 そんなアヒルさんを、フリルも追って。
 ――アヒルさんの無茶を助けるのもパートナーとしての役目ですね。
 敵へと進むアヒルさんの行く手を妨げるドラコンたちを、見えないサイキックエナジーを放ち、追い払うフリル。
 けれどそれでも、アヒルさん一人で挑むのは無理な敵。
『ぎゃうっ』
「ふえぇ、アヒルさん危ないです」
 ビクビクしながらも、フリルはアヒルさんへと襲い掛からんとするドラゴンに気付き、声を上げるけれども。
『……ぴよ!』
 咄嗟に一生懸命羽をぱたぱた、追いついたヒヨコさんが。
 帽子のかぶった頭でごつんと、全力の頭突きを!
「ふぇ、ヒヨコさんがアヒルさんを助けた」
 その隙に、何とか危機を逃れるアヒルさん。
 そんな様子にホッとしながらも、フリルは思い返すのだった。
 フリルの帽子を巣にして、一生懸命たまごをあたためていたアヒルさん。
 ――そんな勇敢なアヒルさんの魂がヒヨコに受け継がれたんですね、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイシャ・ラブラドライト
狙いは生まれたばかりの精霊たち…
となれば、生まれてきたこの子を全力で護りたい
ここに隠れていて、とフェアリーランドの壺を差し出し
こうするんだよ、と壺に触れるように教えて
一瞬入っていったけれど、すぐに出てきてしまいました…
ちょっと拗ねてる…
ごめんなさい、急に一人は怖かったですよね
一緒に居よう

精霊さんと自分の周りに、embraceで透明な包み込む形のシールドを形成
UCを邪魔しないように、声はよく通るものを
生まれた精霊の命を祝福する歌を歌い
あなたの思い通りにはさせません、と
敵のUCを封じます
そしたら精霊さんが一緒に歌いだして、風の力で手を貸してくれました
どうやら私の歌声を気に入ってくれたみたい
嬉しいな



 慈母たる大樹の下で無事に孵った、沢山の精霊達。
 その祝福を受けた新しい生命は、七色の光降り注ぐ森に嬉しそうに遊ぶ。
 けれど……その虹の如き色が、大きな災厄によって失われてしまう。
 現れたのはオブリビオン『災厄の浮雲』、そしてその目的は――。
「狙いは生まれたばかりの精霊たち……となれば、生まれてきたこの子を全力で護りたい」
 アイシャ・ラブラドライト(煌めく風・f19187)は、風を纏い歌う少女の精霊を緑色の瞳で見つめて。
 ここに隠れていて、と差し出したのは――フェアリーランドの壺。
 やはり、生まれたての小さな子が心配だから。
 ……こうするんだよ、と壺に触れるようにアイシャが教えれば。
 少女の精霊はひらりと言われた通り、一瞬だけ壺の中に入ってみるけれど。
「すぐに出てきてしまいました……」
 それに、その様子を見れば――ちょっと拗ねてる。
 そんな、むうっと拗ねた表情を宿している小さな精霊さんと、アイシャはそっと見つめ合って。
「ごめんなさい、急に一人は怖かったですよね」
 一緒に居よう、とそう声を掛ければ。
 嬉しそうにぱっと表情を変えて、身を寄せてくる精霊さん。
 でも、小さな精霊さんのことは全力で守りたいから。
 自分と精霊さんの周囲に『embrace』で描き出すは、包み込む形の透明なシールド。
 そして響かせるように、よく通る澄んだ声でアイシャは歌う……生まれた精霊の命を祝福する歌を。
 それから、はっきりと災厄へと紡ぐ。
 ――あなたの思い通りにはさせません、と。
 その確りと明確な意思を乗せたよく通る声で、大きな敵の攻撃を封じんとすれば。
 刹那、風と共にアイシャの耳を優しく擽るのは……少女の精霊が歌う可愛らしい声。
 一緒に歌い出し、くるりと風を巻き起こしては、周囲に吐き出された雲を振り払って。
 そんな一生懸命な精霊さんと共に歌を響かせながら、アイシャは楽しそうなその姿を見つめる瞳を細める。
 ――どうやら私の歌声を気に入ってくれたみたい……嬉しいな、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
【邪蛸】
腹にナイフ滑らせてUC発動
相棒の魔炎竜を召喚
俺は常識人なので精霊達に見せねえように木陰に隠れて肉を削ぐ
ついでに血を燃やして止血
普段より露出控えめな服を着てきた俺を褒めたい(隠す)

パウルや精霊達と一緒に騎乗
距離詰めるぜ、しっかり掴まってな
って精霊ども高い高いってぴるぴるはしゃいでやがるなァ
落ちても知らねえぞ、とメンダコ抱えて懐へ
悪魔の方はパウルに任せた

パウルの鎖を利用して食らいつきつつ
浮島の正面に位置しねえように心掛ける
ドラゴンの群れは相棒の炎とナイフ投擲で払い落とすぜ
ガキ二人の安全が第一だ
何かあったら身を挺して【かばう】

かぞ…っ
ほんと今日のパウルはだいたーん
赤い貌を隠しつつ


パウル・ブラフマン
【邪蛸】
ジャスパーのジャバウォックさん召喚時は
みょいんと触手を拡げて
精霊達(以下ぷちじゃたこ)に「見せられないよ!」のポーズ。
気遣い上手なパパにトキメキつつ
ジャバウォックさんに同乗させて貰って、皆で大空へ!

はしゃぐ悪魔風精霊くんを抱えつつ
オレもUC発動!
死角から楔を打ち込むかの如く、島に鎖を繋ぐね♪

属性や何重視のドラゴンなのか
冷静に【見切り】つつ
展開したKrakeで
見本代わりに最寄りの個体から撃っていくよ!
島本体は
【目潰し】を狙って【乱れ撃ち】を。


子煩悩パパ全開で
ぷちじゃたこには狙撃の仕方をアドバイス。
庇ってくれるダーリンに胸キュンしつつ
全砲門【一斉発射】ァ!!
オレの家族の居場所、絶対護るよ。



 慈母たる大樹の祝福を受け生まれた精霊たち――ぷちじゃたこが、キャッキャじゃれ合い遊んでいた美しい森。
 だが、降り注いでいた七彩の光が突如失われ、不穏な影が森へと落ちる。
 見上げればそこには、街で噂されていた巨大雲……いや、巨大雲に擬態していたオブリビオンの姿が。
 刹那、みょいんみょいんと拡がるのは、パウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)の触手。
 それは仲良く遊んでいたぷちじゃたこのおめめを塞いで、「見せられないよ!」のポーズ。
 同時に、常識人であるというジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は、木陰にそうっと隠れてから。
 ――出番だぜ、相棒。
 腹にナイフ滑らせ肉を削いで喚ぶのは、黒い炎に赤い鱗の飛び切りイカしたジャスパーのカノジョ。
 ついでに血を赤々と燃やし止血を済ませた後、傷口をささっと服で隠すジャスパー。
(「普段より露出控えめな服を着てきた俺を褒めたい」)
 そんな気遣い上手なジャスパーパパにトキメキつつ。
 パウルパパも、なになにー? と触手の向こうに興味津々なぷちじゃたこに、何でもないよ! って笑って。
 ジャスパーが服を纏い終えれば、しゅるりと何事もなかったかのように触手をおさめる。
 そんな、子どもたちの教育的なあれそれに配慮するパパたちは。
「距離詰めるぜ、しっかり掴まってな」
『ぎゃわっ!』
 ジャバウォックに乗り、精霊たちも一緒に連れて、皆で。災厄が我が物顔で泳ぐ大空へ!
「って精霊ども高い高いってぴるぴるはしゃいでやがるなァ」
 ぐんっと一気に高くなる景色に臆するどころか、わーい! と言わんばかりにはしゃぐ姿は、やはり間違いなくふたりの子。
 落ちても知らねえぞ――そうジャスパーがひょいっと抱えるのは、ぷにぷにぷるぷるなスカイブルーのメンダコの精霊。
 そしてパウルも、キャッキャはしゃぐ悪魔風精霊くんを優しくぎゅっと抱えてから。
 大きくジャバウォックが空を翔け旋回し、敵の死角に入った瞬間。
 放たれるは、首輪から具現化した伸縮性の鎖。楔を打ち込むかの如く、大きな敵の身体にじゃらりと繋いで。
 そしてジャスパーは囚人を繋いだかの如き枷を辿り利用して、巨大な敵に喰らいつきつつも。
 相手の正面に位置せぬよう巧みに空を舞うカノジョの上から戦況を見遣れば。
『ぎゃぎゃ!!』
 パウルも悪魔風精霊くんを撫でてあげながらも冷静に、解き放たれたドラゴンの属性を見極める。
 そして、それが氷属性のドラゴンだと分かれば……迫る敵の群れへと放たれるは、混沌と化す黒い炎。
 同時に、ジャスパーの手を離れたナイフが、炎に悶えるドラゴンを払い落して。
 見本代わりにと、一番近くにいたドラゴンへと見舞われたのは、パウルが展開したKrakeからの一斉掃射!
『ぎゃあっ!』
 堪らずに声を上げ、墜落していくドラゴンたち。
 けれども、しぶとく距離を詰めた1体が、凍てつくような氷の息を吐いてくれば。
 ――ガキ二人の安全が第一だ。
 ジャスパーは燃える血を宿した身体でぷちじゃたこを包み込むように、咄嗟に放たれた冷気から庇って。
 そんな身を挺し守るダーリンに胸キュンするパウルのKrakeが再び火を噴けば、子供達に危害を加えんとしたドラゴンを容赦なく撃ち落とす。
「パパがしたみたいに、しっかりよーく狙ってからぶっ放つんだよ♪」
 それからそう子煩悩パパ全開で、ぷちじゃたこに狙撃の仕方をアドバイスした後。
 次に狙うは――巨大な災厄の目。
「全砲門、一斉発射ァ!!」
 大きすぎる的目掛け、一斉発射の乱れ撃ち!
 そしてくるり、空を舞うジャバウォックの上に一緒にいるみんなを見回し、パウルは笑む。
「オレの家族の居場所、絶対護るよ」
「かぞ……っ」
 そんな言葉に、ジャスパーはピンクと紫が混ざり合う瞳を、ぱちくりと一瞬見開くけれど。
「ほんと今日のパウルはだいたーん」
 そう言いながらも、楽しそうな仲良しぷちじゃたこへと視線をそっと逸らす――赤い貌を隠しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティーシャ・アノーヴン
風花(f13801)さんと共に。

弱肉強食は世の常。
ですが、生まれたばかりの精霊を守ることもまた、大きな意味を持ちます。
・・・小さなわにの精霊を守るのは、大きな古代の鰐霊様。
きっと貴方の存在があったから、あの子が生まれました。
大鰐霊様、私と貴方の新しい繫がりを守りましょう。
小さなわにの精霊さんも、大鰐霊様(おとうさん)の戦いぶりを見ていて下さいね。

風花さんも気を付けて下さいね。
精霊を食べる、と言う意味では、風花さんも危ないかも知れませんので。

それにしても、大きさはともかく、空の敵をどうしましょう。
・・・援護は可能だと思います。
ううん、大鰐霊様が飛べれば・・・はッ、もしかして可能なのではッ!?


七霞・風花
ティーシャ(f02332)と

精霊と妖精は似て非なるものなので、そういう意味では大丈夫かと思いますけど
でも、うーん、これはもうサイズ的にそういうの関係なく食べられそうですね?
私だけでなく、ティーシャさんも丸呑みされちゃいそうですよ

さて、私の精霊
大きさこそ立派ですが、私にはまだまだ及ばない私の理想
貴方はそこで見ているといいでしょう
あぁ、でもひとつだけ任せたい事があります

「私たちの気づかない何か。それにもし気づく事あれば、吠えてください」

戦う力ではなく
生き残る為の力を

「さて――空ならば私の領域。ティーシャさん、援護をもらえると動きやすいのですけども?」

私たちだけではない、多くの精霊を守るとしましょう



 七色の光降っていた森に、突如大きな大きな影が落ちて。
 美しい森の輝きを、一瞬にして奪い去ってしまう。
 見上げればそこにあるのは、街で噂であった巨大雲に擬態していた『災厄の浮雲』の姿が。
 そんなオブリビオンを見遣りながらも、ティーシャ・アノーヴン(シルバーティアラ・f02332)はふと考える。
 故郷が森である彼女はよく知っている。森は、いや森だけでなく……弱肉強食は世の常だと。
(「ですが、生まれたばかりの精霊を守ることもまた、大きな意味を持ちます」)
 ――お出でなさい、獰猛にして気高き大鰐霊。
 刹那ティーシャが戦場に喚ぶのは、古代の大鰐霊。
 仄かに紫色に輝く小さなわにの精霊を守るのは、大きな古代の鰐霊様。
 そんな大鰐霊様とティーシャは向き合い、言の葉を紡ぐ。
「きっと貴方の存在があったから、あの子が生まれました」
 ――大鰐霊様、私と貴方の新しい繫がりを守りましょう、と。
 それから、きょとりと無垢な表情を宿す生まれたての小さなわににも声を掛ける。
「小さなわにの精霊さんも、大鰐霊様――おとうさんの戦いぶりを見ていて下さいね」
 そう、大きなわにと小さなわにに言った後。
 ふと次に視線を向けるのは、小さな身体の連れ。
「風花さんも気を付けて下さいね。精霊を食べる、と言う意味では、風花さんも危ないかも知れませんので」
 そんなティーシャの言葉に、七霞・風花(小さきモノ・f13801)は首を傾ける。
「精霊と妖精は似て非なるものなので、そういう意味では大丈夫かと思いますけど。でも、うーん、これはもうサイズ的にそういうの関係なく食べられそうですね?」
 ……私だけでなく、ティーシャさんも丸呑みされちゃいそうですよ、と。
 うんと空高く見上げて、敵の大きすぎる口を眺めた後。
 移した視線の先には、自分と同じ色と瞳をした犬の精霊の姿が。
(「大きさこそ立派ですが、私にはまだまだ及ばない私の理想」)
 視線がぱちりと合えば、ぶんぶんと尻尾を振る犬の精霊に、風花は言って聞かせる。
 ――貴方はそこで見ているといいでしょう、と。
 でも……あぁ、でもひとつだけ任せたい事があります、と。
 風花は思い直し、もう一度振り返ってから精霊へと告げる。
「私たちの気づかない何か。それにもし気づく事あれば、吠えてください」
 生まれたての精霊は戦う事には慣れてはいない。
 けれども――戦う力ではなく、生き残る為の力を。
 そう風花は、自分と同じいろをした精霊を映した青の瞳を細める。
 そんな風花の隣で、金髪を揺らしながら首を傾けるティーシャ。
「それにしても、大きさはともかく、空の敵をどうしましょう」
 自分には、空を飛べるような翼や翅はないけど。
「さて――空ならば私の領域。ティーシャさん、援護をもらえると動きやすいのですけども?」
 ……私たちだけではない、多くの精霊を守るとしましょう、と。
 そう白き翅で空を駆ける風花に、こくりと頷きながら。
「……援護は可能だと思います」
 先にルビーの赤が煌めく樫から作られた長杖をティーシャが握れば。
 刹那、わおーんっと一声上げた犬の精霊。
 そして災厄が口から視界を奪う雲を放たんとする動作を察し、吠えた精霊の声に顔を上げ、空を飛ぶ風花の援護を担いつつも。
 ティーシャはもう一度首を傾げ、ぽつりと呟く。
「ううん、大鰐霊様が飛べれば……」
 それから、ちらりと、気高き大鰐霊様を見遣った瞬間……顔を上げ、大きく紫の瞳をぱちくり瞬かせると、こう続けるのだった。
 ――はッ、もしかして可能なのではッ!? なんて。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鶴澤・白雪
ごめんなさい、精霊の猫ちゃん
巻き込んだら危ないから隠れていてくれるかしら

接近戦は得意じゃないの
あなたまで巻き込んだらあたしが悲しいから
いい子で待ってて

生まれたばかりの精霊に隠れるよう促したら
両手に銃を構えるわ

オーラ防御で身を守ってから2丁の銃で制圧射撃
デッカイ相手なら焔の属性を銃弾に込めて属性攻撃に

それでもダメージがなければ全力魔法のUCで巨大な棘槍を作って串刺しにしてやるわ

この森を滅茶苦茶にするなんて言語道断
あの子が生まれた場所を滅茶苦茶にしないで

だけど生まれた精霊の猫はやっぱり可愛いわ
危険が及びそうならそっちを守りに行く

自分の身を守ることも大切だけど自分より猫の方が優先よ
無事ならよかったわ


橙樹・千織
アドリブ歓迎

たった今生まれた命
そして多くの命を見守ってきた森を奪うことはさせません
災厄を祓い、森を護る
やることはいつもと同じですねぇ

あら、手伝ってくれるのですか?
ふふふ、頼もしい子ですねぇ
無理はせず、ね
精霊には視界を遮る雲を全力魔法の風で流すお手伝いをお願いしましょうか
森への被害を抑えるよう心がけつつ、地形を利用して立ち回ります

精霊ではなく…椿の華をどうぞ
その大きな口を開けたなら椿の焔を操作し、口の中へ

森に、街に、それぞれに住まう者達に仇なすことは許さない
歌唱によるマヒ攻撃で怯ませたなら、破魔を付与した薙刀で傷口を抉るようになぎ払ってしまいましょう



 皆で楽しく森を行きながら、大事に大事にそれぞれのいろをしたたまごを抱えて。
 慈母たる大樹の祝福を受けて孵った精霊達。
 そんな、生命が生まれ、生命を育む七色の光降る森に……刹那、大きな影が落ちる。
 街で噂されていた巨大雲、その正体は生まれたばかりの精霊や孵した者を喰らう、オブリビオン。
 その大きさは、小島ほどもある巨大さを誇るけれど。
「たった今生まれた命。そして多くの命を見守ってきた森を奪うことはさせません」
 橙樹・千織(藍櫻を舞唄う面影草・f02428)は倒すべき敵を見遣り、黒鉄の刀身に藍の装飾施された薙刀を構えて。
 いつもの様にふわりと笑み、続ける。
 ――災厄を祓い、森を護る。やることはいつもと同じですねぇ、って。
 空を覆い尽くすほど大きなオブリビオン。
 鶴澤・白雪(棘晶インフェルノ・f09233)は天を仰いでいた紅きレッドスピネルをふと、自分にじゃれている深く濃い青を纏う子へと向けて。
「ごめんなさい、精霊の猫ちゃん。巻き込んだら危ないから隠れていてくれるかしら」
 そして、こてんと首を傾げ自分を見つめる赤の瞳を見つめ返し、続ける。
「接近戦は得意じゃないの。あなたまで巻き込んだらあたしが悲しいから」
 ――いい子で待ってて。
 そう告げれば、聞き分けよくお利口にタタッと下がる猫の精霊。
 その様子にそっと安堵し、生まれたばかりの精霊が上手に隠れるのを見守ってから。
 黒い銃身を持つ細身のライフルを両手に銃を構える。
 森の祝福を受けた精霊達を、生命に溢れる美しい森を……そして、この世界の平和を守るために。
 守りの気を纏い、白雪は両の手に握る銃で制圧射撃を放って。
『ぎゃぎゃっ!』
 ゆうらり動くデッカイ相手目掛け、燃え盛る赤き焔の尖晶石を撃ち込む。
 さらに全力で編み出した魔法で成したのは、尖晶石の剣林。
 ――虚無を贄とし処断の槍を具現せよ。慚悔と共に棘の泥濘へと沈みなさい。
 刹那、作り出された巨大な棘槍が、敵の大きな身体を串刺しにせんと繰り出される。
「この森を滅茶苦茶にするなんて言語道断」
 ……あの子が生まれた場所を滅茶苦茶にしないで。
 白雪はそう、ふるりと小さく首を横に振る。
 そして災厄を見遣れば……その口から放たれるは、視界を奪う雲の吐息。
 けれど、その雲を頑張って散らそうと翼をはばたかせるのは――隠れていたはずの、2匹の猫の精霊。
「あら、手伝ってくれるのですか? ふふふ、頼もしい子たちですねぇ」
 ……無理はせず、ね、と。
 千織はほわりと微笑みを宿しながら、やる気満々な子たちへとお願いする。
「視界を遮る雲を全力魔法の風で流すお手伝いをしてくれますか?」
 その言葉に、2匹並んでゆうらりご機嫌に尻尾を振ってお返事を。
 本当は危ない目には遭わせたくはないのだけれど。そんな姿に、仕方ないわね、と白雪は紅の瞳を細めてから。
 自分の身を守る事も勿論大事だけれど。精霊達に危険が及びそうならば、自分より優先し守りに行く気持ちで、再び銃を構える。
 生まれた精霊の猫は……やっぱり、可愛いから。
 そして危険がなるべく及ばぬよう下がった位置から放たれる朝焼け色の優しい風が、海の様に煌めく青の炎を煽り、周囲の雲を蹴散らして。
 森の地形を利用することは、森を守る守護巫女にとってお手の物。
 千織は被害を抑えるよう心がけつつ、立ち回って。
 白雪の放った焔の尖晶石が災厄の目を撃ち抜き、堪らず叫び声が上がれば。
『……ぎゃわッ!』
「精霊ではなく……椿の華をどうぞ」
 大きくぱかりと開いた口の中へと、ぽとりぽとりと。千織が繰り出すのは、咲き誇る椿の焔。
「森に、街に、それぞれに住まう者達に仇なすことは許さない」
 さらに歌を響かせ痺れさせ怯ませれば、閃くは藍雷鳥の刃。
 破魔宿す薙刀で、傷口を抉るようになぎ払いにかかる。
 そんな千織を白雪は二丁の銃で援護しながらも。
 後方で元気にじゃれ合いつつ、再び上手にかくれんぼする猫の精霊達を見て、そっと瞳を細める。
 ――無事ならよかったわ、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アテナ・アイリス
【KOR】
なんてきれいな姿の精霊なの。ずーと眺めていたいのに邪魔が入ったよね。
あら、なんて大きいオブビリオンなの。これは手ごわそうね。

さあ、新たにこの世に生まれた精霊よ、一緒に戦ってくれるわよね。
UC『フェニックス・アサルト』を使って、精霊の力を借りて、自分もフェニックスになる。災厄の浮島の周りを飛び回ったり、体当たり攻撃をして、こちらに注意をひかせる。

さあ今のうちに、災厄の浮島を倒す準備をお願いね。みんな、任せたわよ!


薄荷・千夜子
【KOR】
精霊の子らを護らねばなりませんね
それにこの素敵な森も
それでは、私は皆さんの援護を
太陽の力を宿した子に、さっそくですが力を貸してくれますか?
そっと触れればこの子も同じ力を持っていることが分かります
貴方の名前は陽、その力と同じ名前
私の力を皆に届けてくださいな
UC発動、陽を媒介に皆に強化の光を放ちます
皆さん存分に力を振るってくださいな、後ろは任せてください
『花奏絵巻』から花嵐を具現化し花の盾を
【オーラ防御】【破魔】を纏わせ敵の攻撃に合わせ【盾受け】
皆さんも、精霊たちも傷つけさせませんよ


城島・冬青
【KOR】

これはまたでっかいですね…(浮島を見上げ)攻撃届くかな?
まぁ届かなくてもこっちから飛んでいけば問題ないですよね

アテナさん達は精霊と一緒に戦うようですね
私は…(精霊と暫し見つめ合い)えーと…君はここで待っててね(鞄の中に退避させる)
では援護宜しくです!

UC夜歩くで浮島まで飛翔!
刀を抜いて斬りつけます
大き過ぎて効いてるのかちょっとよくわからないな…
アヤネさん、浮島も脆い部分とか弱ってる部分とか感知できます?

え?!ドラゴンの群れを出してくるなんて狡い!
一旦距離を取りつつドラゴンは衝撃波で纏めてぶっ飛ばします
ダッシュで浮島を翻弄しつつ
脆い部分や弱点箇所を重点的に攻めていきます
負けませんよ!


花屋敷・幽兵
【KOR】
でっかいことはいい事だ。誰がそういったんだろうな?なあサクラコ。
もっとも出る所は身長だけだが…この敵もなかなかのサイズだな。
俺は何時もの槍でチクチクやる感じになるな。背中は任せたぞちょこ。
都月の所のちい兄ちゃんは元気でいいな。都月も親の自覚が…(ほろり)
俺はアテナのフェニックスや都月の攻撃を活かす様に攪乱の手助けをしよう。
ドラゴンとかの妨害を妨害するナイスガイ。それが俺さ。しかしアテナカッコいいな。
オクやアヤネ、冬青は攻撃中心か。ドラゴン吹っ飛ばしには巻き込まれない様に行動を注視しないとな。
あ、因みに精霊は戦闘に参加させない。俺の背中を見て育て!が教育方針なのでな。


木常野・都月
【KOR】

ちょっと…想像より遥かに敵がデカイ。

でも、俺は精霊術師。
孵化したばかりの精霊の子達を守らないと。

自分の相棒の精霊の子に、少し力を貸して欲しいとお願いしたい。

花屋敷さんの精霊の子と気があうのか…一緒に遊んでる俺の精霊の子に話しかけたい。

生まれてすぐにごめん。
でも、花屋敷さんの精霊様や、君の仲間、兄弟達を守りたいんだ。

名前は、チィって鳴くからチィだな。

UC【精霊騎乗】を使用、魔力で大きくなったチィに跨って敵の迎撃を行いたい。

薄荷さんの精霊様の強化もある、きっと大丈夫だ。

敵の攻撃は、[属性攻撃、高速詠唱、全力攻撃]で[カウンター]を。
アテナさんのフェニックスと共闘しつつ、敵を迎撃したい。


日隠・オク
【KOR】
まるで島……お、おおきいです……。
負けません……!

UCシーブズギャンビットで斬り込みます
……ど、どこに斬り込みましょうか!
とにかく攻撃しやすいところに

触角には注意をしながら光に当たらないように

精霊さんのためにも
ナイフ持ち換え
パーカー脱いで速度をあげていきます

みんなで力をあわせて、いきます!


アヤネ・ラグランジェ
【KOR】
僕の精霊は戦闘向きではなさそうだし
ポケットに入れて見学させよう

電子ゴーグルで敵の弱点を探る
おそらくは目の後ろにある鰓孔
硬くはなさそうだけど
問題はその大きさだネ
ダメージを与えるなら
内部まで貫通させる必要がある

このメンバーで貫通と言えば僕だろうネ
大物を倒すのはまかせて

背中からケースを下ろしSilverBulletを組み立てる
的は大きいが急所を撃ち抜いて一撃で倒すには精度が必要だ

仲間がいるというのは悪くないネ
指示しなくても支援して守ってくれる
周りの邪魔なドラゴンはまかせた
おかげで射撃に集中できる
感謝を込めて引鉄を引こう
ありがとうみんな
さよならオブリビオン


鏡彌・サクラコ
【KOR】
この綺麗な世界を壊す者は容赦しないでいす!

ふわあ!
それにしてもずいぶん大きいでいす!
みなさま大丈夫ですかねい?
と余裕をもって確認
おっけー
では参りましょう!

こんなちびっこい精霊でも活躍の場はあるでしょうか?
とりあえずついておいで!でいす

千代子さまの援護を受けて

ドラゴンは冬青さまと幽兵さまにお願いしますねい

アテナさま都月さまの作った隙を逃さず突撃でいす!

オクちゃん乗って!
黄金のライオンを召喚して島までひとっ飛びします

ナイス連携でいす
アヤネさまサクッとやっちゃってくださいませ!



 七彩の光に溢れていた森に落ちる、大きな影。
 それは街で聞いた巨大雲……に擬態した、オブリビオンのもの。
 小さな島ほどもあるその巨体が姿現せば、降り注ぐ虹のいろも一瞬にして飲み込まれてしまうけれど。
 まだそのいろを取り戻すことは、十分に可能だ。
 いや、むしろそれを成しに、猟兵達は此処へ赴いたのだから。
 この世界の平和を脅かすオブリビオンを……『災厄の浮島』を退治するために。
「この綺麗な世界を壊す者は容赦しないでいす!」
 鏡彌・サクラコ(鏡界に咲く花・f09974)はこれまで、皆と沢山楽しんできた。
 七色に輝く森を歩いて、森が育んだ美味しい実や湧き水を口にし、大樹の元で精霊達を孵して。
 だから、この森のいろが奪われるのを見過ごすわけにはいかない。
 そして倒すべき敵を見遣るべく、空へと金の瞳を向ければ。
「ふわあ! それにしてもずいぶん大きいでいす!」
「まるで島……お、おおきいです……」
 サクラコと並んでぐんと空を見上げ、思わず瞳を見開いてしまう日隠・オク(カラカラと音が鳴る・f10977)だけれど。
 ――負けません……! そうサクラコと顔を見合わせ、こくりと頷く。
 そしてサクラコへと、ちらっと視線を向けながらも。
「でっかいことはいい事だ。誰がそういったんだろうな? なあサクラコ」
 花屋敷・幽兵(粗忽なダークヒーロー・f20301)は今度は空を泳ぐ敵を見上げて。
「もっとも出る所は身長だけだが……この敵もなかなかのサイズだな」
 小さな島程もある巨体にそう続ければ。
 城島・冬青(六百六十九番目の宿木・f00669)も空を飛ぶ浮島の如きオブリビオンを見ながら、橙色の髪を小さく揺らす。
「これはまたでっかいですね……攻撃届くかな?」
 けれど、一見不可能そうにみえても、それをさくっと可能にするのが猟兵。
「まぁ届かなくてもこっちから飛んでいけば問題ないですよね」
 何も問題ないです!
 そんな冬青を見つめる緑の瞳を細めてから。
 ふとアヤネ・ラグランジェ(十二の結び目を解き放つ者・f00432)が視線を移すのは、すぐ隣にいる彼女の髪と同じいろをしたウミウシ。
 手元でピカァッと鳴き、ふわふわ宙を飛んでいる精霊をアヤネは暫し見つめて。
「僕の精霊は戦闘向きではなさそうだし、ポケットに入れて見学させよう」
 ポケットへ促せば、チュウッと一鳴きした後、もそもそ素直にポケットに入って、ちょこんと顔だけ出すウミウシの精霊さん。
 そして、アテナ・アイリス(才色兼備な勇者見届け人・f16989)も、自分のたまごから生まれた精霊を見つめて。
 ……なんてきれいな姿の精霊なの、と。花の様に炎咲かせ空を舞う火の鳥に青の瞳を細めるけれど。
「ずーと眺めていたいのに邪魔が入ったよね」
 不死鳥が舞うには、今の空は相応しくない。
 そしてそんな空のいろを作り出している元凶へと視線を向け、続ける。
「あら、なんて大きいオブビリオンなの。これは手ごわそうね」
「ちょっと……想像より遥かに敵がデカイ」
 木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)も、予想斜め上のサイズをした敵に瞳瞬かせるけれど。
「でも、俺は精霊術師。孵化したばかりの精霊の子達を守らないと」
 すぐにすぐ傍にいる青白い月のいろをした子を見つめ、そして再び倒すべき存在を見遣れば。
 その言の葉にこくりと頷くのは、薄荷・千夜子(羽花灯翠・f17474)。
 そんな千夜子に寄り添うのは、太陽のいろを纏う子。
「精霊の子らを護らねばなりませんね。それにこの素敵な森も」
 生まれたての精霊の子たちも、この美しい森も、そしてこの世界も……全部、守りたいから。
 それぞれ得物を握り敵を見遣る皆を、サクラコはぐるりと見つめて。
「みなさま大丈夫ですかねい?」
 戦闘態勢も万全、他猟兵たちの攻撃を受けてきた災厄を完全に滅するべく。
 ――おっけー、では参りましょう!
 巨大な災厄へと立ち向かう。此処に赴いた、皆で。
 都月はふと、幽兵のダークヒーロな黒い精霊さんと気が合うのか、キャッキャ一緒に遊んでいる自分の月色の狐の子の目線に屈み、こう話しかけて。
「少し力を貸して欲しい」
 その声に応えるように、チィとお返事した精霊へと続ける。
「生まれてすぐにごめん。でも、花屋敷さんの精霊様や、君の仲間、兄弟達を守りたいんだ」
 そしてふわり、ふわふわの尻尾を揺らしながら。
 青白き月のいろをした精霊は、己の主へと寄り添い、共に天を仰ぐ。
「さあ、新たにこの世に生まれた精霊よ、一緒に戦ってくれるわよね」
 アテナの声に、ばさりと美しい翼を羽ばたかせた火の鳥に頷いて。
 ――不死鳥の力を受けてみなさい!
 アテナがそう紡げば、オブビリオンを浄化する炎纏いし美しい鳥が、二羽となる。
 フェニックスと化したアテナに付き従う様に、精霊も並び舞い飛んで。
 二羽の炎鳥が災厄の周りを飛び回り、時に体当たりを仕掛け、敵の注意をひかせるべく飛び回れば。
「それでは、私は皆さんの援護を」
 千夜子は太陽の力を宿した子へと、そっと手を伸ばして。
「さっそくですが力を貸してくれますか?」
 優しく撫でる様に触れれば、すぐに分かったのだった。
 この子も……同じ力を持っていることが。
 そして千夜子は太陽の子に、最初の贈り物を。
「貴方の名前は陽、その力と同じ名前」
 それから嬉しそうに尻尾をひょこりと揺らす子に、千夜子は改めてお願いする。
「私の力を皆に届けてくださいな」
 ――陽の力と共鳴して。
 刹那、生み出されたあたたかくも優しい太陽の光が、仲間達へと放たれ注がれて。
 陽光纏いし狐の精霊を媒介に皆へと、強化の力を宿した光を解き放つ。
「背中は任せたぞちょこ」
「薄荷さんの精霊様の強化もある、きっと大丈夫だ」
 あたたかな陽光の様な加護を浴び、同時に言ったのは幽兵と都月。
 都月は太陽の子がもたらした強化の力を感じながらも。
 自分の、青白き月色の精霊へと改めて視線を向けて。
「名前は、チィって鳴くからチィだな」
 チィ! と嬉しそうに飛び跳ねるチィへと笑んでから、声を掛ける。
 ――いくよ、チィ。
 刹那、都月の魔力に呼応した狐の姿をした月の精霊が、術士である彼の背の2倍もの大きさに変化して。
 大きくなったチィに跨り、共に戦場を駆け、敵の迎撃を。
「都月の所のちい兄ちゃんは元気でいいな。都月も親の自覚が……」
 そんなチィと共に征く都月に、ほろりとしながらも。
「俺は何時もの槍でチクチクやる感じになるな」
 幽兵が良く磨き込んだ鋼鉄の槍に搭載するは、破壊力を増す蒸気エンジン。
 そして戦場を駆ける都月とチィや空を飛ぶアテナと火の鳥の精霊の攻撃を活かせる様にと。
 ――ドラゴンとかの妨害を妨害するナイスガイ。それが俺さ。
 そうキリッと、仲間の攪乱の手助けをするべく立ち回りながらも思う。
「しかしアテナカッコいいな」
「アテナさん達は精霊と一緒に戦うようですね」
 そんな幽兵に同意するように、冬青も戦場を舞うアテナやチィに跨った都月へと視線を向けた後。
「私は……」
 ふよりと宙を飛ぶ猫程の大きさのアオミノウミウシと暫し、じっと見つめあって。
「えーと……君はここで待っててね」
 ぱかり、開いた鞄の中へと退避を促せば。
 にゃあ、と猫の様な人懐こい鳴き声を発し、もそりと大人しく鞄の中に収まるウミウシの精霊さん。
 その様子を見届けて、鞄をしめてから。
「では援護宜しくです!」
 ――音速で駆け抜けますよ!
 早く翔びたいと願う気持ちを心に描いた刹那、冬青の全身を覆うのは黒蘭の花弁。
 そして得た飛翔能力を駆使し、大きく地を蹴って。
 花髑髏を抜けば、大きな影に抗う様に閃くは虹の輝石の輝き。
 その刃で、巨大な敵の身体を斬りつける。
『ぎゃわわっ!』
 これまでも猟兵達の攻撃を浴びてきた災厄は、そう声を上げるけれど。
「大き過ぎて効いてるのかちょっとよくわからないな……」
 手応えこそあったが、何せ相手は島ほどの大きさを誇る敵。
「……ど、どこに斬り込みましょうか!」
 オクもシンプルな諸刃の短剣を握り、そう一瞬敵を見遣るけれど。
「オクちゃん乗って!」
 刹那降ってくるのは、サクラコの声。
 オクは振り返り、はい! と返した後、サクラコが喚んだ黄金のライオンに乗りこんで。
 サクラコはそんなオクに笑み向けながらも、ふと自分についてくる子に気付く。
「こんなちびっこい精霊でも活躍の場はあるでしょうか?」
 けれど、一緒にくる気満々な桜の葉に乗ったおかっぱの精霊へと頷いて。
「とりあえずついておいで! でいす」
 黄金のライオンへと指示を出し、空を泳ぐ浮島までひとっ飛び!
『ぎゃうっ!』
 向けられた触覚から放たれる閃光をひらりと躱して。
 逆に言えば、相手が大きいからこそ外さない。
 とにかく攻撃しやすいところに……そう、素早くナイフを放つオク。
 そんなオクたちと空を舞う災厄へと斬りかかりながら。
「アヤネさん、浮島も脆い部分とか弱ってる部分とか感知できます?」
 そう、冬青が訊ねれば。
 装着した超高度コンピューター内臓のゴーグルで、敵の弱点を探るアヤネ。
「おそらくは目の後ろにある鰓孔。硬くはなさそうだけど、問題はその大きさだネ」
 ――ダメージを与えるなら、内部まで貫通させる必要がある。
 アヤネはそう分析し、背中からケースを下ろして。カチャリと組み立てるは『SilverBullet』。
 的は大きいけれど、解析した急所を撃ち抜いて一撃で倒すには、精度が必要だから。
「このメンバーで貫通と言えば僕だろうネ。大物を倒すのはまかせて」
 重量10kgを超える大型ライフルを構え、狙いを定める。
 そんな仲間たちが敵を仕留めるべく、動きやすいようにと。
『……ぎゃぎゃ!』
「さあ今のうちに、災厄の浮島を倒す準備をお願いね。みんな、任せたわよ!」
「皆さん存分に力を振るってくださいな、後ろは任せてください」
 敵の意識を逸らすべくアテナが空を舞い、災厄を惹きつけるように攻撃を見舞って。
 千夜子の手にぱらり開かれるのは、百花繚乱な花々が描かれた絵巻。
 そして溢れ零れ咲く様に魔力によって具現化された花嵐が盾と成って。
「皆さんも、精霊たちも傷つけさせませんよ」
 太陽に耀き鮮やかに皆を護る花を開かせる。
 だが、尚もしぶとく攻撃を仕掛けてくる災厄の浮島。
「え!? ドラゴンの群れを出してくるなんて狡い!」
 冬青は解き放たれたドラゴンの群れに、ついそう言い放つけれども。
 ――負けませんよ!
『ぎゃあッ!』
 一旦距離を取りつつ、ぶんっと大きく刀を振り回せば。
 生じた衝撃波で纏めてぶっ飛ばされるドラゴンたち。
 さらに、すかさず地を蹴りダッシュして浮島を翻弄しながらも、アヤネが教えてくれた脆い部分や弱点箇所を狙い、重点的に果敢に攻め込んでいく。
 そんな攻撃を見舞う仲間を見遣り、サクラコは黄金のライオンを操りながら。
「ドラゴンは冬青さまと幽兵さまにお願いしますねい」
「ドラゴン吹っ飛ばしには巻き込まれない様に行動を注視しないとな」
 幽兵が蒸気エンジン搭載の槍を、ドラゴンの群れへと振るえば。
『ぎゃわわ!!』
 刹那、災厄が放つのは、視界を奪うような雲の吐息。
 けれど、すかさずそれを払わんと、桜吹雪と翼の羽ばたきを起こしたのは、サクラコの桜の葉に乗った精霊とオクの藍色の翼を持つ鳥型の精霊。
 生まれたてのその子たちだけでは全ての雲は払えないけれど。
 フェニックスとなったアテナの羽ばたきや、チィに乗った都月が振るう風の属性纏わせた片刃の短剣が雲を打ち払い、敵を引き続き迎撃して。
 戦闘には参加させない方針だけれど。
 ――俺の背中を見て育て!
 幽兵のダークヒーロー風な小さな精霊もその教育方針に則り、幽兵や皆の戦いぶりを確りと見守って。
「みんなで力をあわせて、いきます!」
『ぎゃっ、ぎゃあ!!』
 精霊さんのためにも――そう、ナイフ持ち換えたオクはバサリ、パーカーを脱いで。
 速度を上げた鋭い一撃を、災厄へと見舞う。
「ナイス連携でいす! アテナさま都月さまの作った隙を逃さず突撃でいす!」
 ――アヤネさまサクッとやっちゃってくださいませ!
 サクラコのひと声に、アヤネは敵の急所を射抜く隙を探りながらも小さく笑む。
「仲間がいるというのは悪くないネ。指示しなくても支援して守ってくれる」
 周りの邪魔なドラゴンは任せた、おかげで射撃に集中できる……そう、狙いを定めて。
 ――ありがとうみんな。さよならオブリビオン。
 そう、感謝を込めて……ぐっと、迷いなく引鉄を引いた刹那。
『! ……ぎゃああッ!』
 災厄の浮島の急所を的確に撃ち抜き、さよならの言葉通り――確りと、敵を仕留めたのだった。
 
 そして、再び七彩の光が森に戻ってくれば。
 嬉しそうに飛びまわる精霊達。
 猟兵達も一緒に笑み綻ばせ、暫し精霊達と共に喜んでから。
 共にこれから歩む選択をした精霊は、どうぞよろしくと……そう言わんばかりに猟兵達にすり寄って。
 森へと解き放たれた精霊達は何度か振り返りつつも、虹の景色に溶ける様に、仲良く姿を消していく。
 そして孵った全ての精霊は、猟兵達にきっと、こう思っているに違いない。

 ――孵してくれて、どうもありがとう、って。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年03月23日


挿絵イラスト