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赤い果実は加速しない

#UDCアース

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#UDCアース


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●日本では冬に枯死する一年生植物
「トマトートマトー美味しいトマトー♪」
 東京都渋谷区神宮前。明治通りに面したオフィスビルの屋上で、そんなファンシーなBGMが流されていた。
 否、BGMではない。作業服を身に纏った人間たちの喉から、その歌は発せられていた。
 如雨露を手に手に、ビルの屋上のプランターに植えられたトマトの苗木に水をやっている彼ら。
 見るものが見れば、彼らが人間ではないことは一目瞭然だろう。シャーマンズゴーストだと看破するだろう。
 彼らのいるビルの入り口には、こんなプレートがかけられていた。――「大神霊尊敬教会」。
 この作業員たちも、この屋上農園で育てられているトマトも、無論のこと平和的なものには非ず。
 UDCと、彼らは呼ばれる。

●春と秋は旨味が強くなる
「君達、トマトは好きか」
 イグナーツ・シュテークマン(炸裂する指弾・f00843)はグリモアベースにて開口一番、そう切り出した。
 なんとも唐突な発言に首を傾げる猟兵たちに、イグナーツは額に指を当てながらその鋭い眼差しを前方へと向ける。
「好きだとしても嫌いだとしても、覚悟はしてもらいたい。トマト型UDCを栽培して市場展開しようとする動きが確認された」
 彼の予知によると、東京都渋谷区神宮前のビルに入っているテナント企業がUDCを崇拝する教会であり、そこの構成員がビル屋上でトマト型UDCを栽培しているらしい。
 UDCが広く世の中に流通してしまったら、どれだけの被害を発生させるかは想像に難くない。拡散する前に対処しなくてはならないだろう。
「俺の予知では、やつらは作業員の姿でビルの屋上でトマト型UDCを栽培している。栽培実験中という体なのだろうな。
 一見したその姿は普通の人間だが、それは認識阻害をかけていることによるものだ。本当の姿は、シャーマンズゴーストに酷似したそれとなっている」
 骨で構成された肉体を持つUDC、シャーマンズゴースト・ボーン・リボーン。それがおおよそ10体ほど、屋上で作業をしているようだ。
 白骨化した馬を召喚して騎乗したり、骨を念力で飛ばして攻撃したり、物体を石化させる光線を放ってくるようだ。石化して動けなくなっている所を集中攻撃されないよう、注意が必要だろう。
「作業員たちを排除したら、問題のトマト型UDCを完全に破壊してくれ。能動的に動くことが出来ないとはいえ、脅威であることに変わりはない」
 トマト型UDCは、高速震動による衝撃波や、トマト弾を放つことによって攻撃してくる。表面を硬質化させて防御することも出来るようだ。
 目にしたものの正気度を削り、心の弱いものが目にすると発狂してしまうという特殊能力もあるため、美味しそうに見えても注意が必要だ。
「仕事が終わったら、原宿で遊んでくるといいだろう。竹下通りも近いことだし」
 流行の最先端、原宿。スイーツを買い食いしたり、喫茶店に立ち入ったり。街中の様々なファッションショップに立ち入って服を買うのもいいだろう。
 夜には街はイルミネーションで彩られるので、それらを目にして楽しむのもよさそうだ。
「それでは、君達の検討を祈る。頑張ってきてくれ」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 トマトは大好物です。
 批判的なトマトも大好きです。
 しかしこのトマトは吹っ飛んだりしませんので、悪しからず。

●目標
 ・トマト型UDC×5体の撃破。

●舞台・戦場
(第1章)
 原宿にあるビルの屋上です。
 ビルの屋上までは邪魔されることなく立ち入れます。
 作業員を装ったシャーマンズゴースト・ボーン・リボーンが10体、トマト栽培を行っています。

(第2章)
 第1章と同様です。
 プランターに植えられたトマト型UDCが相手です。
 トマト型UDCはプランターから動くことは出来ません。

(第3章)
 原宿の街中です。竹下通りが描写場面の中心になりますが、駅周辺や表参道方面に遊びに行くのでもいいです。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『シャーマンズゴースト・ボーン・リボーン』

POW   :    クロウボーン・ライダー
自身の身長の2倍の【白骨化した馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
SPD   :    サイキックボーン・パレード
【念力で操った自分自身の骨】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    ストーンエイジ
【杖の先端に嵌った宝玉】から【物体を石化させる光線】を放ち、【石化】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

皇樹・星佳
トマトのお世話をしているとは、中々アッパレな心がけなのだ!
もうじゅーぶん大きくなってるはずだから、このセイカ様に献上する栄誉を与えてもいいのだぞ!

む、それだけ大きくなってもまだ収穫しないのか!?
それじゃあトマトとしての意味がないのだ! 早く食べさせるのだ!
あたしはトマトが食べられるまで帰らないのだ!

多対一じゃ分が悪いから、一対一を繰り返せるよう上手く誘導していくのだ。
皇樹流の真髄は移動術!
手すりの上や貯水タンクの上でもお構いなしに走って跳んで、ついてこれる敵が一人になったところで剣刃一閃の袈裟斬りをお見舞いしてやるぞ!
あ、勿論周りを壊さないよう充分気をつけるのだ!
ビルに罪はないのだからな!


庚・鞠緒
悪党がトマト育ててンじゃねェぞ…!
てめぇらが育てていい野菜なんて世界のどこにもねェんだよ…
…ウチは何言ってるんだろう

POW重視
ブラッド・ガイストで武器である両腕の刻印から伸びている「鉤爪」を強化
白い刃を鮮血のような赤に染めて攻撃していく
単体でいるやつには【2回攻撃】
まとまっているなら【なぎ払い】でどんどん数を減らしていくぞ
【生命力吸収】もあるからシャーマンズゴーストの骨を斬り喰らいまくってやる

どうせ苗もUDCなら土も肥料も水もロクなもんじゃねェんだろ
全部ぶち壊しにして2度と何も育てられねェようにしてやる



●ナス科のモデル植物として注目されている
 渋谷区神宮前、明治通り沿いのとあるオフィスビル。
 大人も子供も人狼もケットシーも、実に雑多な集団としてビルに踏み入った猟兵たち。入り口の警備員は特になんの制止もなく中に入れてくれた。
 そうして何の苦も無く屋上まで上っていき、階段の先にある鉄扉をバーンと勢いよく開いたのは皇樹・星佳(撃滅神剣・f08751)だ。
「トマトのお世話をしているとは、中々アッパレな心がけなのだ!もうじゅーぶん大きくなってるはずだから、このセイカ様に献上する栄誉を与えてもいいのだぞ!」
 何を隠そうこの幼女、脳筋である。
 そのどこまでも明け透けな物言いに、反応しないほど作業員は愚鈍ではない。その画一的な表情を一斉に不審そうに歪めて星佳を睨んだ。
「何だ君は!ここは社員以外立ち入り禁止だ、すぐに出ていきなさい!」
 そう事務的で平坦な物言いで闖入者を追い払おうとする作業員たち。だがそれで怯むような猟兵たちではない。
 庚・鞠緒(喰らい尽くす供物・f12172)がその鋭い眼をキッと細めて噛みつくように口を開いた。
「悪党がトマト育ててンじゃねェぞ……!てめぇらが育てていい野菜なんて世界のどこにもねェんだよ……!」
 傍から聞いたら何を言っているのか、と思うことだろう。彼女もそう思っていた。しかしその敵意は本物である。
 自らの血を装備武器に捧げ、両手の鉤爪を禍々しい殺戮捕食態に変化させて躍りかかる鞠緒。
 それを目の当たりにして作業員たちも、目の前にいる面々がただの一般人でないことを悟ったのだろう。認識阻害の解除もそこそこに骨で出来た馬を召喚してきた。
 召喚された馬を盾にするように動く敵に、歯噛みする鞠緒。その横に並ぶようにして刀を構えた星佳が飛び出してくる。
「皇樹流の真髄は移動術!ちょっと隣を失礼するのだ!」
 横に並んだかと思ったらすぐさま横っ飛びに床を蹴り、屋上の手すりの鉄棒まで到達する星佳。それを見て鞠緒は無言で口角を持ち上げる。
 正面から突っ込む鞠緒と、横に移動した星佳。その二人が一人に同時に攻撃を仕掛けるということは、つまり。
「なっ……!?」
 慌てた作業員がたたらを踏むも、数瞬遅い。
 鞠緒の両手の鉤爪が骨の馬を砕くのと、星佳の刀が作業員の身体を袈裟に切り裂くのは、ほぼほぼ同時であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アトシュ・スカーレット
【POW】

【心情】
トマト型ってなに!?どうしてくれるんだよ、今後トマト食べようとしたら、連想するじゃねぇか!!

【戦闘】

【トリニティ・エンハンス】は【炎の魔力】を選択
両手の武器を炎の魔力で覆い、【鎧砕き】を狙いやすくする

【先制攻撃】で敵陣営に突撃し、【2回攻撃】で手数を稼ぐ
【鎧砕き】が成功すれば、【傷口をえぐる】ように攻撃を重ねる

回避は【第六感】で【残像】を残す速度で回避
間に合わなければ、【オーラ防御】で防御する


ユートピア・ディス
「はーん、トマト型のUDCね。別にトマトは好きでも嫌いでもねーが、UDCならどうにかしねーといけねーな? よーし、んじゃあいっちょ、両断すっかな」
 ビルの屋上までは普通に行く。屋上についたらまず敵のシャーマンズゴースト共の注意を引こうと話しかけるぜ。

「よう人間もどき。いい天気じゃねーか。調子はどうだ? 暇ならボクと遊んでくれよ」
 そう言ってユーベルコードを発動だ
 シャーマンズゴースト達まで影を伸ばして、そんで踏ませる。相手の足元までのばせば「踏んだ」ことになるだろ?
 影に潜んでる根暗野郎(あくま)は貪欲だからな 餌がありゃあすぐに食らいつく
 ボクは逃げたやつにギロチンの刃を飛ばして攻撃だな



●その生長量は8メートル~10メートルにも達する
「よう人間もどき。いい天気じゃねーか。調子はどうだ? 暇ならボクと遊んでくれよ」
 ユートピア・ディス(ネガジャスティス・f10453)は両腕を封じられたままで先を行く猟兵たちを追った。ようやく本来のシャーマンズゴーストらしい姿を曝け出したオブリビオンたちが杖を振るってくる。
 骨の身体でも影は落とす、幸いにして天気は快晴、太陽は中天だ。会話で注意を引いたユートピアが影を伸ばす間に、アトシュ・スカーレット(銀目の放浪者・f00811)が隣を駆けてゆく。
「トマト型ってなに!?どうしてくれるんだよ、今後トマト食べようとしたら、連想するじゃねぇか!!」
 傍らにちらりと見えた一見何の変哲もないトマトを見やりながら、そう独り言つアトシュ。その彼に向かってシャーマンズゴースト・ボーンの一体が声を張りながら杖を振り下ろした。
「何を言う!トマトこそ神の食物!神はトマトにこそ宿るのだ!!神を軽んじる不敬者に天罰を!!」
 振り下ろした杖から放たれる石化の光線。音もなく放たれる光の帯は、確かにアトシュの足を捕らえた。
 びしりと固まったように静止するアトシュ。その足は駆けていこうとする前傾姿勢のままで動けない。
「くそっ、石化か!」
「おっと、足を封じられたか。悪いがそのまま、少し耐えていてくれ」
 一瞬瞳を見開くユートピアの影は、アトシュが留まる間も伸びていく。そしてアトシュへと石化の光線を放ったシャーマンズゴーストの足元へと、伸びた影が触れた途端に。
「Invitation The Shadow demon's.(来いよ根暗。お前の出番だ)」
 影から立ち上った漆黒の悪魔が、鉄の処女の形を取ってシャーマンズゴーストの骨の身体を飲み込んだ。
「ぐっ、ぎゃあああああ……!!」
 影の内側からくぐもった声が漏れ響く。程なくして解けた影の内から溢れ出た骨片は、風に溶けるように消えていった。
「すまないユートピア、残り貰ってく!」
 影の攻撃の最中に石化の解けたアトシュが、勢いそのままに敵陣に突っ込んでいく。
 出鼻をくじかれたが彼の攻撃の手は封じられていない。両手の剣に炎の魔力を纏わせて、手近な位置にいるシャーマンズゴーストの身体を袈裟に切り裂いた。
 怯んだ隙に、もう片方の武器で一閃。
「おぉぉぉ……」
 クロスに刀傷を刻まれたシャーマンズゴーストは、刀身の炎に焦がされながらか細い声を上げて消滅していった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

デュオゼルガ・フェンリル
【心境】と……トマト型のUDC?こんな奴もいるもんなんだなー。
トマトは好きだけど、このトマトは人に危害を加えそうだしちゃちゃっと倒しちゃいたいところだ!…の前に、シャーマンズゴースト・ボーン・リボーンの体力が少なそうなやつから各個撃破を狙って数を減らしたいとこだなー

【作戦】
【第六感】を生かした立ち回り、作業員?が逃げる場合は対象を【追跡】して攻撃。敵の攻撃は【カウンター】してやるぜっ
トドメにユーべルコードを使う感じで行こうかなー


【セリフ】
・で、でっかいトマトだ!!あれもUDCなのかぁ
・ガイコツなんて粉微塵にしてやるぜー!


ロアー・アレグリアス
トマトか!
トマトは好きだぞ、オムライスやチキンライスには必須だな!
ほっくほくのポテトにつけて食べるのも我は大好きだ!

…それはケチャップだと?
ええい、トマトもケチャップも大差ないだろうに!
すべてのトマトはケチャップになってしまえばいいのだ!!

しかーし、そのトマトそのものがUDCならば仕方がないな、盛大にボコってやろう!
トリニティ・エンハンスの風の型よ、我が剣に力を示せ!
骨の馬なんぞ、我の風の剣でどーんと吹き飛ばしてくれよう!
なんせ骨なのだ、そこまで重たくはあるまい、はっはっはー!
さあさあ、盛大にビルから空の旅に羽ばたきたまえ、紐無しバンジーだ!!
アモーレー!!(いろいろ間違えてるけど気にしない)



●色による分類ではピンク系と赤系と緑系に大別される
 順調に砕かれて数を減らしていくシャーマンズゴースト・ボーンを前にして、モフモフした二人は傍らに見えるプランターに植わったトマトをキラキラした目で見つめていた。
「で、でっかいトマトだ!!あれもUDCなのかぁ……」
 そう言って興味深げに視線を送るデュオゼルガ・フェンリル(月下の人狼・f00372)と。
「トマトか!トマトは好きだぞ、オムライスやチキンライスには必須だな!」
 なにか若干勘違いした所見を述べているロアー・アレグリアス(ケットシーのマジックナイト・f02956)である。
 胸をびしりと張って声色高く宣言するロアーを見下ろして、デュオゼルガが不思議そうに声をかけた。
「それは、トマトケチャップじゃないのか……?」
「む……ええい、トマトもトマトケチャップも大差ないだろうに!すべてのトマトはケチャップになってしまえばいいのだ!!」
 むきーと地団駄を踏むロアー。何気に暴論である。
 そんなやり取りを繰り広げる二人の隙を突かんと、三体のシャーマンズゴースト・ボーンが骨の馬に跨り三方向から襲い掛かった。
 すぐさまそこから左右に分かれる、デュオゼルガとロアー。右方向に展開したロアーが手に握った剣に風の魔力を纏わせた。
「【トリニティ・エンハンス】の風の型よ、我が剣に力を示せ!はっはっはー!」
 突風を纏わせた剣を、横薙ぎに一閃。風の刃が骨の馬をロアーの前方、すなわちデュオゼルガのいる方へと押し返していった。
 骨の馬の身体が如何に骨でスカスカと言えども、強烈な風を受けて煽られないほど質量が無いわけではない。体勢を崩したまま三頭まとめて屋上の際、手すりの方まで押されていった。
 そこに待ち構えるデュオゼルガが、その拳をぐっと握り込む。
「餓狼の拳、その身に叩き込んでやるぜぇ!!狼牙……爆迅衝ッ!!!」
 握り込んだ右の拳を、横殴りに叩き込む。風で押しやられた骨の馬の手近な一体と、その上のシャーマンズゴースト・ボーンを更に外へと押し込んでいくように。
 しかして殴り飛ばされていったシャーマンズゴースト・ボーンの身体は屋上の床から離れ、宙へと投げ出され。
「う、うおぉぉぉぉぉ……!!」
 地面へと吸い込まれるようにして、紐なしバンジーと洒落こんだのであった。
 ちなみに残りの二体については屋上の手すりに激突して昏倒している間に、ロアーとデュオゼルガの手によってそれぞれ粉微塵にされていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
…トマト型、UDC?…は?
なんでそんなもんを栽培して―――ああそうだ。こいつら大神霊尊敬教会は善意でやってるんだったな。
その結果が善になると信じてるバカばかりだ。
はー、やってらんねえぜ。じゃ、俺は帰るからあと宜しく…って訳にもいかねえよなあ。

さて、一番厄介なのは石化光線だよなあ。
戦闘中に喰らいたくねえもんだ。
攻性プログラム・展開。
杖を構えた奴を見つけたらまとわりついて石化光線を妨害しろ。
最悪、石化光線は攻性プログラムを防壁代わりに使って防ぐ。


アガト・シレスティアル
「しゃー……」
シャーくんがナプキンを首に巻いてトマトを食べる気満々にゃ
涎たれてるにゃ
シャーくんはトマトが好きで、UDCは異端の血を啜る黒剣として好物のはずだけど……血を口に入れるのが嫌いなシャーくんに合うかにゃ?

とりあえずトマト狩りの前に作業員さんに代金としてシャーくんのガトリングモードで魔力弾をプレゼントするにゃ
エレクトロレギオンで機械兵器さんを召喚、残党を包囲してバリバリ撃つにゃ
でも他に戦ってくれる人がいたら、当たらないよう気をつけて援護射撃したり
ストーンエイジが当たらないよう機械兵器さんを盾にするにゃ
一撃しか防げないけど、動き回りながら撃てばたぶん当てられらないにゃ

アドリブ歓迎



●16世紀以前、メキシコのアステカ族がアンデス山脈からもたらされた種から栽培し始めた
 屋上で繰り広げられる戦闘を知ってか知らずか、その実をぷるんと震わせるトマト型UDCたち。
 それを目にしたブリッツ・エレクトロダンス(DJ.Blitz・f01017)は、心底から呆れた表情を隠しもしなかった。
「トマト型UDCとか、なんでそんなもんを栽培して―――ああそうだ。こいつら大神霊尊敬教会は善意でやってるんだったな。その結果が善になると信じてるバカばかりだ」
 肩をすくめるブリッツの隣で、アガト・シレスティアル(シャーくんと一緒!・f03547)は鮫剣のシャーくんを抱いている。
 シャーくんの首には、真っ白なナプキン。既に涎が垂れて染みが付いていた。
「しゃー……」
「シャーくんがトマトを食べる気マンマンにゃ。UDCは好物のはずだけど……血を口に入れるのが嫌いなシャーくんに合うかにゃ?」
「食わせるなよアガト、こんなもんを」
 アガトの抱える鮫剣が鳴いたのを見下ろしたブリッツが、深い溜息を吐いた。
 二人のその発言に我慢がならなかったか、シャーマンズゴースト・ボーンの一体が気炎を上げる。
「こんなもんとはなんだ!神聖な第神霊の遣いであるトマト様だぞ!トマト様のお力で世の人々の心を幸せへと導き、心身ともに健康にする一助とするのだ!!」
「……それ、本気で言っているのにゃ?」
 アガトも最早呆れ顔である。
 ムキーと奇声を上げて地団駄を踏むシャーマンズゴースト・ボーン。そのままの勢いで手に持った杖を振り上げた。
「おっと、攻性プログラム・展開」
「機械兵器さん、召喚にゃ!」
その振り上げたタイミングに、ブリッツとアガトが同時に召喚を発動させた。実体化した校正プログラムと機械兵器が、まるで灯りに群がる夏の虫のように杖を構えたシャーマンズゴースト・ボーンへと殺到する。
「ちょ、わっ、やめ、やめろーっ!」
 視界を完全に遮られて、シャーマンズゴースト・ボーンはパニックだ。石化の光線を放つことも出来ずにわたわたとする相手に、アガトが手に持ったシャーくんを構える。
「トマト狩りの代金に、魔力弾をプレゼントにゃ!」
「しゃー!」
 シャーくんの口からがしょんと出現した砲門が、一気に火を噴く。破裂音が響き渡った。
「バカな……トマト様、ばんざーい……!」
 ハチの巣にされたシャーマンズゴースト・ボーンは、トマト様を礼讃する言葉を残して、儚く原宿の空へと溶けていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

チガヤ・シフレット
同行:f01419

アタックオブザキラーなんちゃら、って感じだな。トマトは嫌いじゃないが、UDCならぶち抜かないとな。

な、私に食べろと!?
お断りだぁ!

今回は十兵衛と組んで暴れるとしよう。終わったら遊びに行くぞー!

まずはシャーマンズゴーストどもを蹴散らすか!
ヴァリアブル・ウェポンを起動。
両手足の義手に内蔵してある銃火器とワイヤーで、蜂の巣にしてやろう。
基本は攻撃回数重視で。【二回攻撃】等でガンガン打ち込もう。
十兵衛と連携できるように声を掛け合って。

敵からの遠距離攻撃とか飛んで来たらワイヤーで他の敵を引っ張って【敵を盾にする】ように。

十兵衛と一緒だと楽ができていいねぇ。


宗像・十兵衛
チガヤ(f04538)と組んでるぜ!

トマトは嫌いじゃねーけどよ、噛み付いてくるなら話は別だぜ!
つーか売れねーだろコレ誰が買うんだよ!
……いや、でも、ひょっとして美味いのか……?ゴクリ。
チガヤ、ちょっと味見する気ねーか……?

っと、その前に面倒な連中の相手をしなきゃだな。

クイックドロウで相手してやるぜ!
2回攻撃でもって手数で勝負!頭数はいるがビビるこたねぇ!
石化の光線はやべえからアクション映画さながらに全力で避けるぜ!
当たったらチガヤがフォローしてくれるだろうし、チガヤに当たったらオレがフォローする。
いつもはソロだけどたまにはコンビも悪くないな!



●トマチンには幾つかの菌に対する抗菌性と昆虫への忌避性がある
 既に残るシャーマンズゴースト・ボーンは少ない。そんな中でビルの屋上に猟兵が二人、新たに姿を見せた。
「アタックオブザキラーなんちゃら、って感じだな。トマトは嫌いじゃないが、UDCならぶち抜かないとな」
 そうトマト様をねめつけるチガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)と。
「トマトは嫌いじゃねーけどよ、噛み付いてくるなら話は別だぜ!つーか売れねーだろコレ誰が買うんだよ!」
 胸を張ってジャケットを翻した宗像・十兵衛(人狼のフォースナイト・f01419)だ。
 十兵衛は傍らのトマト様を指さしてシャーマンズゴースト・ボーンに向かいがなり立てるも、その傍らのトマト様が水をやった直後で随分と瑞々しい。
 陽光を反射してつやつやと光るトマト様を、まじまじと見つめた十兵衛は。
「……いや、でも、ひょっとして美味いのか……?ゴクリ。チガヤ、ちょっと味見する気ねーか……?」
「な、私に食べろと!?お断りだぁ!」
 チガヤに意味ありげな視線を送るも、全力で拒否された。
 トマト様の狂気に飲まれたか、あるいは単なる食欲か。だがそこはそれ。まずは敵陣の排除が先だ。
 そのことに思い当たらないほどトマト様に釘付けな十兵衛ではない。腰のホルスターの熱線銃に手をかけた。
「クイックドロウで相手してやるぜ!チガヤ、いくぞ!」
「ああ、組んで暴れるとしよう。終わったら遊びに行くぞー!」
 十兵衛の横から飛び出していったチガヤの両腕の義手、両足の義足から多数の銃火器がその銃口を覗かせた。
 シャーマンズゴースト・ボーンたちは向かってくるチガヤに向けてその身体の骨を投げつけて迎撃せんと試みる。が。
「そこだっ!」
 十兵衛の熱線銃から光線が放たれた。二本の光線はまっすぐ投げられた骨へと飛び、その骨を打ち砕いていく。
「今だチガヤ、やってやれ!」
「サンキュー!」
 十兵衛の援護を受けたチガヤの銃火器が、一斉に火を噴いた。その攻撃回数は、十兵衛のそれを遥かに上回る。ハチの巣という表現が生易しいものに感じる程に、シャーマンズゴースト・ボーンの肢体は粉々に砕かれていった。
 断末魔の悲鳴を上げることもなく、消滅していく作業員、ことシャーマンズゴースト・ボーンたち。
 銃火器をしまったチガヤは一度屋上の床を踏みしめると、くるりと身体を反転させて十兵衛に笑いかけた。
「十兵衛と一緒だと楽ができていいねぇ」
「へへっ、いつもはソロだけどたまにはコンビも悪くないな!」
 そうして笑い合う二人。彼女らの横で、トマト様が一等大きく震えたような、そんな気がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『正気を奪う赤い果実』

POW   :    硬化する赤い果実
全身を【硬質の物質】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    振動する赤い果実
【高速で振動することで衝撃波】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    空腹を満たす赤い果実
【空腹】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【無数のトマトの塊】から、高命中力の【トマト弾】を飛ばす。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠赤城・傀です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

庚・鞠緒
うわートマトだ…でけェトマトだ…
こりゃァ世間に出回っていいモンじゃねェな
切って潰してスタッフも美味しくいただきませんってなもんだ

さっき結構血を使っちまったから【Blooddrunk】を使って血を補充しつつ【攻撃力】を上げる
でけェトマト見ながら血入れてっと体にトマト入れてる気分になるな……
ええいどうでもいいンなことは!

とにかく「鉤爪」での【2回攻撃】でガンガン刻んでいく
目の前の奴が硬化したら一端放っておいて別なヤツ攻撃するぜ
他のやつが攻撃してるのを手助けするのもいいかな
【鎧無視攻撃】がこいつらの皮に有効か試してみるのもいいしよォ
やわそうなところ見つけたら鉤爪ブッ刺して、切り裂いてやるよ



●唐柿、赤茄子、蕃茄、小金瓜、珊瑚樹茄子などの異称もある
 ビルの屋上に置かれたプランター、その数5つ。
 プランターから枝を伸ばし、大きな実を付けるトマトは、傍から見ればなんの変哲も無いトマトだ。
 食卓の上でスライスされて並んでいても何にもおかしくないトマトだが、このトマトは人間の正気を削ってくるトマトである。
 プランター育ちにしては大きく育ったトマトを見て、鞠緒は露骨に眉を寄せた。
「うわートマトだ……でけェトマトだ……こりゃァ世間に出回っていいモンじゃねェな。切って潰してスタッフも美味しくいただきませんってなもんだ」
 そう、美味しくいただけない。いただけないっていうかいただかない。UDCだから。
 そうして鞠緒は両手の鉤爪を振りかぶってトマト様に踊りかかった。
 ズタズタに斬り裂かんと、振るわれる鉤爪。しかしその爪の先端は、トマト様の硬い表皮を滑っていくばかり。手応えも硬い。
「くっ、硬化しやがったか!」
 全くダメージを与えられない様子に、鞠緒は歯噛みする。硬くなって幾分か重量を増したトマト様が、ゆらりと揺れた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ブリッツ・エレクトロダンス
正気を奪う赤い果実―――待てお前。
このトマトの形をしたやばい存在自体が狂気と与太話の産物なんだぜ!?
シリアスな笑いとトマト都市伝説と狂気と与太話をミキサーで混ぜてコンクリートにぶちまけたような産物…つーかそもそもトマトは果実じゃなくて野菜だ!

…はぁ。本当に頭が痛くなるぜ。
ともかく、このヤバいのを片付けねえとな。
さて。硬質化されるのも面倒なもんだ。硬すぎるトマトとか食えたものじゃない。
まあ、硬質化の代償として動けなくなる―――まあそもそもプランターからは動けないんだが、動けないならいい的だ。
封印バッチを全て叩き込んで、硬質化を封じてやる…!


ロアー・アレグリアス
近くで見てもどこからどう見てもトマトだな!!
でもこれもUDCであり、育ててた連中が大神霊尊敬教会と言うことは……食べたらUDC化するんだろうか?
むむ、それはいかんな、であれば我はこのまま使命を果たすとしよう!
とはいえ我の技ではちょっと分が悪そうだ、ここは盟友の手助けといこう。
さあさあ、我が演奏に耳を傾け、その力を高めるがいいのだ!
空腹など吹っ飛ばす溌剌とした旋律を届けてやろう!
(竜髭のヴィオラで演奏開始)

……戦い終わったらケチャップでも買いにいこうかなー。
UDCアースのファーストフードは旨いからなー、我のお気に入りなのだ。
コンラッドの目もないし、がっつり食べてくのだ!



●「トマト」の語源はナワトル語でホオズキの実を意味する「tomatl」に由来する
「近くで見てもどこからどう見てもトマトだな!!でもこれもUDCであり、育ててた連中が大神霊尊敬教会と言うことは……食べたらUDC化するんだろうか?」
 トマト様を興味深げに眺めながら、ロアーはそう零した。大きさで言えば彼の顔ほどもあるトマト様、UDC化するまでは行かずともUDCの信望者になるくらいはやりかねない。ならないといいな。
 そんなロアーの後ろでブリッツはげんなりした表情を浮かべた。
「待てお前。このトマトの形をしたやばい存在自体が狂気と与太話の産物なんだぜ!?」
 つーかそもそもトマトは果実じゃなくて野菜だ!と激昂するブリッツには悪いが、ちゃんとWiki○ediaにはトマトの実は果実と書かれているのだ。ごめん。
 ともあれ食物と見られている現状に危機感を覚えたか、高速でブルブルと振動を始めるトマト様。
「む?震え始めたか。ならば我が演奏に耳を傾け、その力を高めるがいいのだ!」
 そうしてトマト様の放つ衝撃波に対抗するようにして、龍髭のヴィオラを奏で始めるロアー。振動と音波、ぶつかり合って相殺、とまでは行かなかったが、その音色は確実に亮平たちの力を高めていった。
 無論、間近で演奏を聴いていたブリッツの身体も格段に軽くなる。
「おっと、ナイスアシストだ。
 まあそもそもプランターからは動けないんだが、動けないならいい的だ……そのまま封じ込めてやる!」
 そうしてブリッツの手から放たれる【封印バッチ・起動】。封印バッチがトマト様へと殺到し、その表面へと貼り付いていく。
 封じ込めにかかるのは、硬質化。防御を封じられたトマト様の表面が、薄皮一枚の柔らかな食感で固定される。
「ナイスだブリッツ、このままこやつは刈り取ってしまうぞ!」
 演奏を終えたロアーがブリッツの脇から飛び出した。そのままの勢いで腕を振るう。
 茎から切り離されると同時に十字に切り刻まれたトマト様が、屋上の床にべちゃりと落ちた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アトシュ・スカーレット
【SPD】

真の姿を解放します
ドレスを模した衣装姿の霊体(片目が金に変色)へと変化
30センチくらいは浮いてると思います

「あぁ、もう!!この姿を解放した方が早いかな!?」
「なるべく手早く済ませるよ!」

【戦闘】
武器をルルディに切り替え、霊体に変化した為、少しだけ【空中戦】が可能

魔法で筋力を強化し、一時的に【怪力】になり、【鎧砕き】を狙って【串刺し】にする
砕けた後は、【傷口をえぐる】ように攻撃を重ねる

回避は【絶望の福音】で予知し、【残像】が見える速度に脚(霊体だけど)を強化、回避を試みます

「いくよ、ルルディ!」
「これで、倒れろ!!」



 一体が落ちたとして、まだトマト様は四体。戦闘はまだまだ終わらない。
 残る四体の手近な一体を目の前に据えて、アトシュは眦を決した。
「あぁ、もう!!この姿を解放した方が早いかな!?」
 そうして解放する真の姿、片方の眼を金色に変じた霊体にその姿を変えて、アトシュは宙を駆けた。
 屋上の床の上、数十センチ上を滑るように移動して、目立つ形で移動す彼に、トマト様から放たれる衝撃波が浴びせかけられる。
 その衝撃に押されるようにしながら、それでもアトシュは駆けた。
 先の未来を見通す目を以てしても攻撃を避けることは叶わなかったが、まだ、まだだ。
「いくよ、ルルディ!」
 フードの中の相棒に声をかけて、トマト様に肉薄するアトシュ。
 そのタイミングでフードから飛び出したルルディが、高速で宙を駆けた。
 防御する間も与えない、高速の一撃。大きく穴を穿たれたトマト様は、そのまま萎れるように力無く崩れ落ちていった。
「危なかったけど……こんなところだね、うん!」
 ルルディを労うように指先で撫で、アトシュはふぅと息を吐くのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ウルフシャ・オーゲツ
すまぬ、すまぬなトマト……
ウチは、キミが、……嫌いなんじゃ……いや、食えるんじゃがな?
ということで、なんの容赦もせずにトマトケチャップにしてくれよう。あれは美味しい。
「トマトが衝撃波? 生意気じゃ! 逆にこちらが衝撃を与えて吹き飛ばしてやろう!」
 宇宙バイク『ステラドラグーン』に乗っての【ゴッドスピードライド】で一気にトマトを引き倒すのじゃ!
「音速を超えた一撃によるこちらの衝撃波に、果たしてトマトで耐えられるじゃろうかのう!」

アドリブはなんでもこいじゃ!
※ウルフシャはトマトを食べることはできるけれども生はそれほど好きではないです。



●トマトの作付け面積は1985年頃から減少傾向にあり、ピーク時の75%程度にまで落ち込んでいる
 たわわに実るトマト様を前にして、ウルフシャ・オーゲツ(ヤドリガミのフードファイター・f00046)は小さく頭を下げて申し訳ない表情をした。
「すまぬ、すまぬなトマト……ウチは、キミが……嫌いなんじゃ。いや、食えるんじゃがな?生がダメなだけでな?」
 そう、この場に集まった猟兵は何もトマトが好きなものばかりではない。ウルフシャのように、トマトが嫌いという人間もいるのだった。
 ちなみに生のトマトが苦手という人は一定数いる上に、加熱するとグルタミン酸が増加して旨味が増すので、生のトマトが食べられない人は是非焼くなり煮るなりしてほしい。
 ウルフシャの告白を受けて悲しんだのか怒ったのか、手すりの際に置かれたプランターのトマト様が細かく震えだした。振るわされた空気が衝撃波となってウルフシャの身体に叩きつけられる。
「トマトが衝撃波? 生意気じゃ! 逆にこちらが衝撃を与えて吹き飛ばしてやろう!」
 ビルの屋上だろうとお構いなし、宇宙バイク『ステラドラグーン』のフィールドは選ばない。
 ステラドラグーンを変形させて、猛スピードでトマト様に突っ込むウルフシャ。直撃する直前に機首を上に引き揚げて上方に突風を巻き起こした。
 風にあおられたトマト様のプランターがぐらりと傾ぐ。バランスを崩したプランターは、そのまま横倒しになった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アガト・シレスティアル
「しゃっはーん!」
シャーくんが悪い笑みを浮かべてるにゃ。まあ気持ちは分かるにゃ
悪党の企みを阻止するついでにお腹もいっぱいになる
一石二鳥にゃ
シャーくんはお腹壊しても後でメンテナンスすればいいにゃ
「しゃー……」

戦闘ではバイティングシャーくんを使って
シャーくんをガブガブモードに変形させるにゃ
敵の攻撃を残像や見切り、第六感で避けながら近づいて、
トマトをシャーくんにガブガブ食べさせるにゃ!
トマトでシャーくんがお腹いっぱいになれば
空腹を満たす赤い果実は無意味になるはずにゃ!
ダメージを食らっても2回攻撃からの生命力吸収にゃ

あっ、にゃーはシャーくんが食べるのを見るだけでお腹いっぱいにゃ
それに生のトマトは嫌にゃ


デュオゼルガ・フェンリル
【心情】
よーっし、″月下の人狼″の本領発揮と行こうじゃねぇか!
トマトは好きだけど、UDCならちゃんと退治しておかないとなダメだよなっ
……このトマト、後で食べられたりするのかなぁ?(じゅるり

【攻撃】
【気合い】を入れてから【第六感】を生かした立ち回りを意識しつつ相手の攻撃を【カウンター】するぜ! 敵のトマトが硬質化した場合【鎧無視攻撃】で攻撃するぜー



●日本でトマトラーメンを出す店も増えている
「しゃっはーん!」
「シャーくんが悪い笑みを浮かべているにゃ……」
 次々に倒されては地面に落下したり砕けたりしていくトマト様を見て、アガトの抱えるシャーくんが露骨に悪い笑みを浮かべた。
 しかし気持ちは分かる。何しろ大好物なトマトをお腹いっぱい食べられるうえに、そのトマトが敵なのだ。一石二鳥である。
 アガトの隣でデュオゼルガも拳を鳴らす。
「トマトは好きだけど、UDCならちゃんと退治しておかないとなダメだよなっ!このトマト、後で食べられたりするのかなぁ……?」
 こちらも食い気が勝っていた。
 残すトマト様はあと二つ。故にアガトとデュオゼルガは二手に分かれた。
 目指すは屋上の両端の方に置かれたプランター、そこに大きな実をつけるトマト様だ。

 自身に向かってくることを察知したか、二つのトマト様がほぼ同時にトマト弾を発射した。シャーくんと、デュオゼルガ。【空腹】の感情を与えることには完全に成功している。
 自分の顔に向かって真っすぐに飛んでくるトマトを見て、デュオゼルガは【第六感】を鋭く働かせた。小さくスウェーしてトマト弾をかわすと、左手でトマトをキャッチ。
 そしてそのままトマトを手に持ったまま、その手を振りかぶると。
「お返しだっ!」
 トマト様めがけてトマトを思いっきり叩きつけた。
 綺麗なまでに決まったカウンター、トマト様の実に与えられた衝撃が、自然とその実を枝から切り離す。
 べちゃりと、ビルの屋上にトマト様が潰れて広がった。

 他方ではアガトがシャーくんをガブガブモードに変形させて、トマト弾をその歯で受け止めていた。
 放たれたトマト弾を、ムシャリと咀嚼するシャーくん。
「しゃーん!」
 美味しかったのだろう、満足げだ。相手はUDCだけれど。
「シャーくん!後でいっぱい好きなものを食べさせるから、今は敵をガブガブするにゃ!」
「しゃっしゃーん!」
 放った弾を無力化された無防備なトマト様に、一気に突き出されたアガトの手の中のシャーくんが。
 無慈悲に、トマト様の真っ赤な実にその鋭い歯を思い切り突き立てた。
 そのままトマト様の身体をむしゃむしゃと貪っていくシャーくん。その様子を見てブリッツがげっそりとした表情をしていたのはここだけの話だ。
 ふと、自身の後方でジーッとしているアガトに、シャーくんが視線を向ける。
「しゃー?」
「あっ、にゃーはシャーくんが食べるのを見るだけでお腹いっぱいにゃ」
 それに生のトマトが嫌いだし、という言葉はぐっと飲みこむアガトなのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『原宿で遊ぼう!』

POW   :    スイーツを買い食いして街を楽しむ

SPD   :    ファッションを選んでセンスを磨く

WIZ   :    イルミネーションを楽しんで街を満喫する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「君達、お疲れ様だ。これでUDC由来のトマトが市場に出回る危険は回避されただろう」
 屋上へと姿を見せたイグナーツが、猟兵の面々を見回して頭を下げた。
 一番大きく実っていたトマト様はいずれも撃破されて潰されている。当座の危険は回避されただろう。
 プランターの中にはそれよりも小さい実や、熟しきっていない実があるが……
 無言の疑問が、イグナーツへと突き刺さる。
 イグナーツは肩をすくめてため息をつきながら言った。
「俺は『完全に破壊しろ』と言った。破壊の方法は問わん……食べたいなら好きにするがいい。完全に自己責任だがな」
 その言葉に、一部の猟犬からは歓声が、一部の猟犬からは悲鳴が上がった。
「この後原宿で遊ぶのなら、俺も付き合おう。気軽に声をかけてくれたまえ」
 ひらりと手を振りながら、イグナーツは口角を持ち上げるのだった。
アトシュ・スカーレット
【POW】
このトマト完食って、あの戦闘のすぐは無理だよ!?
…あ、ルルディ!?え、お腹空いたの?
…あ、そういえばこの子、ベジタリアンだ…。鶏肉以外お肉食べれない子だったよ…。
うん、たくさんお食べ。

ルルディ、お腹いっぱいになったー?
君の飼い主はお腹空いたよー…。
スイーツ買い食いする?していい?

ルルディがいつもの定位置に戻ったら、そそくさと街に繰り出すね
クレープとかクッキー、アイスが美味しいんだよね♪
機会があればパンケーキも食べたいけど、それはまた今度!



●トマトに含まれる13-オキソ-9,11-オクタデカジエン酸に血液中の脂肪増加を抑える効果があることが発見された
 イグナーツのいっそ清々しいまでに発せられた「食べたいなら好きにしろ」発言に、まず反応したのはアトシュだった。
「このトマト完食って、あの戦闘のすぐは無理だよ!?」
「方法は問わんと言っただろうが。アトシュだけに食えとも言っていない」
「え……」
 そこでアトシュは、イグナーツの視線が自分に向いていないことに気が付いた。向けられているのは自分の肩の上。そこに視線を向けると、そこにいたのは。
「……あ、ルルディ!?え、お腹空いたの?」
 驚き目を見開くアトシュの声に、ルルディはこくこくと頷いた。鼻息も荒く身を乗り出すルルディの視線は、赤く実るトマトに釘付けだ。
 そう、何を隠そうこの少女、鶏肉以外は肉を口にしないベジタリアンである。
 かくしてアトシュはそっとルルディを地面に降ろす。地面に降り立った少女は両腕を振ってトマト様のプランターに突進したのだった。

「ルルディ、お腹いっぱいになったー?君の飼い主はお腹空いたよー……」
 トマトをお腹いっぱい食べて満足したルルディを掬い上げて、アトシュはにこりと笑った。しかしお腹の虫は小さく悲鳴を上げている。
 スイーツ買い食いしてもいいかな?いいですよね?
「それじゃオレ、下に降りてスイーツ食べに行くんで!」
 少女をいつものフードの中に収めたアトシュは、ひらりと手を上げ階段に繋がる扉を開けた。
 クレープにクッキー、アイスにパンケーキ。
 さてさて、何を食べに行こうか、どの順番で食べに行こうか。
 わくわくを胸に秘めて、アトシュは足を一歩踏み出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

庚・鞠緒
トマトの処分ー? ウチはパスだわ。勝手にやってくれっつーか……え? 食うヤツいンの? マジ?

しっかし原宿あんま詳しくねェんだよな……ま、せっかく来たし手ぶらで帰るってのもな
戦闘のほうじゃ冴えなかったし、気晴らしに服でも見ていくかァ
食い気もイマイチ起きねェしな


このスカートいいなァ、店員さんこれの赤ねェかな?

へー靴良さそうなのあんじゃん、特にこの赤いヤツめちゃ良くねェか

歩いてたら小腹空いてきたな……どっかで休憩すっか
ミルクティーとー……ふーんトマトのコンポート?じゃあそれ

赤、トマト、赤、トマト……
なんだろう赤いモンが頭から離れねェや……ウチ疲れてンのかな


ブリッツ・エレクトロダンス
さて、終わった終わった。
後は―――小腹が空いたな。何か買い食いでもするか。

(原宿駅前から竹下通りへ、入り口のカリフォルニア料理屋のリブステーキに惹かれつつ東へ。クレープや驚きの長さのソフトクリームを堪能する)
…んー、これは中々だな。


アガト・シレスティアル
にゃーは原宿初めてだからシャーくんとふたりぼっちは不安にゃ
イグにゃ……イグニャ……イグナーツさんか、誰か他にスイーツ食べに行くけど一緒に連れて行ってくれる優しい猟兵さんとかいないかにゃ?

どんなスイーツが原宿にあるか分からないけど……買い食いして歩き回るならクレープとか良さそうにゃ?
良さそうなお店を電脳ゴーグルでネットに繋いで検索とかするにゃ
ネットが無理だったら通行人に聞くにゃ
世界知識と情報収集で教えてもらうにゃ!

スイーツはどんなのがあるかにゃ?
にゃーはブルーベリーとチーズケーキが入ったクレープとかあるといいにゃ
「しゃしゃんしゃー、しゃーん!」
シャーくんは店員のオススメにするにゃって

アドリブ歓迎


ロアー・アレグリアス
はっはぁ、これでお仕事完了だな!
ではさっそく買い食いツアーと行こうではないか!
UDCアースの食事は安上がりなのに旨いものが多いからなぁ、パフェにクレープに二段アイスを食べまくるのだ!
最近だとチョコレート味が流行りなのか? 甘くってんまいなぁ!

……なに、猫にチョコレートは厳禁だと?
心配ないぞ、我は猫ではなくケットシーだからな!
それに甘いものは別腹と言うではないか、はっはっはー!

そうだ、CSFの皆に土産を買っていこうかな。
ぴよこまんじゅうか、なんか鳥っぽくて愛らしい形が気に入ったぞ!
むぐむぐ、ん、あんこが甘くて旨いっ!

……あ、ケチャップも買っていかねば!
やはりトマトはケチャップになるべきなのだ!



●春~初夏と秋~初冬のトマトが美味とされる
 アトシュが屋上を立ち去るまでの一連の流れを、鞠緒は信じられないものを見るかのような目で、いっそ開いた口が塞がらない状態で見ていた。
「……え?あのトマト食うヤツいンの?マジ?」
 マジでした。二人いました。両方とも武器でしたけど。

 ばらばらと猟兵が屋上から降りて、階段を下っていく合間に、鞠緒はぐっと背筋を伸ばして独り言ちた。
「しっかし原宿あんま詳しくねェんだよな……ま、せっかく来たし手ぶらで帰るってのもな」
「あっ、それならにゃーとスイーツ食べに行かないにゃ?にゃーも原宿初めてだからシャーくんとふたりぼっちは不安にゃ」
 先に階段を降りていたアガトが後ろを振り返る。しかし鞠緒はひらりと手を振った。
「んー、わり、食い気もイマイチ起きねェしな。気晴らしに服でも見ていくわ」
「にゃー……」
「しゃー……」
 そっけない返事に尻尾を垂らすアガトとシャーくんだったが、その肩をロアーが力強く抱いた。
「なんだ、アガトは寂しいのか。それなら我が同行しよう!同じCSFの仲間であるしな!」
「俺も同行しよう。買い食いする予定だし、小さいの二人だけってのもあれだしな」
 ロアーに同調して全員の後方にいたブリッツも手を上げる。が。
「小さいのとはなんだ!」
「そうにゃ!にゃーはこれでも18歳にゃ!」
 「小さいの」という言葉に猫妖精二匹が猛然と噛みついた。しかしUDCアースの建物やら設備やらは人間を基準に作られている。ケットシー二人だけではままならないのも事実だ。
「ブリッツ殿がそちらに付き添うなら、俺は鞠緒殿に同行しよう。一人にするのも少々申し訳が無いしな」
「いや、無理して付き合わなくても……それなら先に降りていったアトシュだって」
 ブリッツの隣で最後尾についていたイグナーツによる突然の同行の申し出に、鞠緒が困惑の色を見せた。ブリッツがその横で首を傾げる。
「アトシュとは俺達がどこかで行き会うこともあるだろう。あちらもスイーツを食べに行っているしな」
「いいっての!ウチは一人の方が気楽なんだよ!!」
 今度は鞠緒が大人二人に噛みつく番だった。

●トマトの年間消費量は1億2000万トン以上と、野菜の中でも世界1位である
 ビルの下まで降りた後は各自解散、自由行動だ。
 早々に一人別れて竹下通りに繰り出した鞠緒は、あるゴシックファッションのブティックに立ち寄っていた。
 黒や臙脂色などの深みのある色合いと、タイトなラインが特徴的な装いは、色の白い肌を持つ鞠緒にはよく似合う。
 その抜けるような肌色とよくマッチした服装を店員に誉めそやされた鞠緒は、一着のスカートに目を留めた。
「このスカートいいなァ、店員さんこれの赤ねェかな?あ、そいつの下にある赤いブーツもめちゃくちゃ良くねぇか」
「あっ、いいですよねそのショートブーツ!!お客様に良くお似合いだと思いますよ~!スカートもすぐお持ちしますね!」
 機敏に動く店員は、すぐさまスカートの色違いを持って来た。試着も済ませてサイズもピッタリ、合計2点をお買い上げ。
 大きな紙袋を手に竹下通りを進む鞠緒、気が付けば少々小腹が空いてきた。戦闘の前後にビルの階段を上り下りもしたし、足も休めたい気分だ。
「どっか休憩できる場所……お?」
 そんな鞠緒の目に留まったのは一軒のカフェだ。店頭に掲げられたボードに、本日おススメのフードメニューが書かれている。
「トマトのコンポート、ドリンクセットで700円……へー、んじゃそれにすっか」
 そうして席について、店員に注文を告げてしばし。運ばれてきたミルクティーと、赤色が鮮やかなトマトのコンポートを前にして、鞠緒はぽつりと零した。
「赤、トマト、赤、トマト……なんだろう、赤いモンが頭から離れねェや。ウチ疲れてンのかな……」

●アメリカの法律では、トマト・ペーストを使ったピザが「野菜」に分類されている
 他方、買い食い勢。
 ロアーとアガトを先頭に、原宿駅の駅沿いを歩いていた四人は、道行く人の多さと四方八方から漂う甘い香りに圧倒されていた。
「買い食いして歩き回るならクレープとか良さそうにゃ?」
「おぉいいな!ではさっそく買い食いツアーと行こうではないか!パフェにクレープに二段アイスを食べまくるのだ!」
「食いすぎて腹を壊すなよロアー、食い物だってケットシーサイズじゃねぇんだぞ」
 早速買い食いの算段を付けているケットシー二人を嗜めるようにブリッツが言葉を投げる。しかしロアーはどこ吹く風だ。
「それにしてもチョコレートを扱う店が多いな。最近だとチョコレート味が流行りなのか?」
「チョコレート味は確かに近年力を入れている店が多いな」
 ロアーの疑問にイグナーツがふむ、と顎に手をやる。その隣でブリッツが訝し気な視線を向けた。
「ケットシーって、チョコレート大丈夫なのか……?猫には毒だろ?」
「心配ないぞ、我は猫ではなくケットシーだからな!それに甘いものは別腹と言うではないか、はっはっはー!」
 往来のど真ん中で高らかに笑うロアー。そのちまっこい猫妖精は非常に、そう非常に目立っていた。主に若い女性方から視線を集めていることに、先に気付いたのはアガトである。
「美味しいクレープのお店がこの近くに無いか、そこのおねーさん達に聞いてくるにゃ!」
「しゃーん!」
 言うが早いか手近なところでこちらを見ていた女子高生の集団に、シャーくんを抱えて突撃するアガト。慌ててイグナーツが止めようとするが。
「あっ、そんないきなり突っ込んで不躾な」
「きゃー!!猫ちゃんかわいいー!!」
「にゃー!にゃーは猫じゃないにゃー!」
 女子高生の集団に抱え上げられ撫でられ、アガトが悲鳴を上げるまで、時間はかからなかった。

 やがて解放されたアガトを連れて、女子高生に教えてもらったクレープの屋台に行くと。
「あれ?皆もこっちに来たんだ?」
 アトシュが屋台の前でクレープを食んでいた。その手にはクッキー屋さんのビニール袋も下がっている。既に何ヶ所か回ってきたようだ。
「何を頼んだんだ?」
「バナナチョコクリーム。定番だけど美味しいよ」
 そう言いながらアトシュは手に持ったクレープを指さした。隙間からカットされたバナナが覗いているクレープは、実に食欲をそそる。
「ふむ、なら俺もバナナチョコクリームにしてみようか。生クリームは増量でな」
「にゃーはブルーベリーとチーズケーキが入ったクレープがいいにゃ。シャーくんはどれにするにゃ?」
「しゃしゃんしゃー、しゃーん!」
「店員さんのおススメにするにゃ?分かったにゃ」
 イグナーツとアガトがクレープを決める横で、ロアーは早速クレープ屋の屋台に突撃していた。
「頼もう!我はチョコスペシャルクレープを所望する!」
「はい……え?あれ?」
「おいロアー、だからお前だけじゃ無理だって言っただろう。すみませんね、今の注文はこいつので……あ、俺にはいちごスペシャルクレープを一つ」
 屋台のカウンターのだいぶ下から声を張るロアーの姿を見つけられずに、目を白黒させる店員のお姉さん。ロアーの身体を後ろからひょいと抱え上げたブリッツのおかげで、何とか注文を取ってもらえた。
 各々クレープの注文を済ませ、待つことしばし。出来上がって手渡された色鮮やかなクレープに、四人の目はキラキラしていた。
 何故か示し合わせたように、四人揃ってクレープに口をつけると。一気にその表情が華やいだ。
「おぉ、これはなんとも甘くってんまいなぁ!」
「なるほど、確かにこのバナナチョコは他とはどこか違う……」
 初めて食べたクレープに感嘆の声を漏らすロアーの隣で、クリーム増し増しのクレープに舌鼓を打つイグナーツ。その向かい側で抱えたシャーくんにクレープを食べさせているアガトが、シャーくんに声をかけている。
「シャーくん、おいしいにゃ?」
「しゃっしゃーん!!」
 ご満悦のシャーくんが尾びれをブンブン振って答える。その様子を見て目を細めたアガトも、自分のクレープを一口パクリ。こちらも笑みが零れた。
 その三人を微笑まし気に見つめながら、ブリッツも自ら頼んだクレープを食べ進める。いちごの甘酸っぱさとクリームの甘さ、アイスクリームの冷たさが渾然一体となって、まさしく幸せの味がした。
 幸せの味を噛み締めながら、ブリッツが通りの向こうに視線を投げて言葉を投げかけた。
「これを食い終わったら、長くてでっかいソフトクリームを食いに行こうか」
「おっ、いいな!我は土産物も買いたいぞ、CSFの面々に買っていくのだ!UDCアースの食事は安上がりな上に美味しいのでな!」
「さっき通りがかったお店で、ぴよこまんじゅう売ってたにゃー」
「なるほど!それとケチャップも忘れずに買っていかねばな!やはりトマトはケチャップになるべきなのだ!」
「えー、またトマトの話?オレ、もう暫くはトマトはいいかなぁ……」
 ブリッツの言葉にロアーが快哉を上げ、アガトがクレープ食べ食べ言葉を返して、アトシュはちょっとげんなりとして。
 そんな様子を見て小さく肩をすくめたイグナーツが、ふぅと息を吐く。そしてその場の全員を見回して述べることには。
「……だが、まぁ、日本のトマトは美味い。日本のトマトケチャップも美味い。それは事実だ。UDCでなければな」
 そう、UDCでさえなければ、日本のトマトは美味なのだ。そこに異論を挟む者は、一人としていなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月21日


挿絵イラスト