●
「お、おねがいします、どうか、どうかたすけ、ぎ、あ゙」
ぐしゃり。
助けを乞うた男の頭部は強靭な顎に噛み砕かれ血飛沫をあげる。
「いやぁああ!」
「たすけて、たすけてぇえ!!」
村の周囲は小さい子供ほどの大きさをもつ蟲に包囲され逃げ場はない。
青い毛並みの獣は軽い味見だけで次の獲物を選び始め、残りの死肉は数体の蟲が貪る。
その様子を家屋の上から見下ろすのは黒衣の男。
「ふっ。獲物をおびき寄せるための餌は用意ができた」
ライフルを手に来る時を想像し笑みを浮かべる。
「狩りの時間が楽しみだ。早く来ると良い、猟兵たちよ」
村人の嗚咽と悲鳴が絶えず響く中、黒衣の男は村の奥へと姿を消した。
●
「さて、ダークセイヴァーで事件だ」
グリモアベースにて猟兵を募るはエコリアチ・ヤエ(悪魔の囁き・f00287)だ。
表情がいつになく険しいのは予知の内容によるものである。
「1人のオブリビオンが指揮をとり、村人を殺している。まるで雑草を刈り取るかのようにな。しかもその行動をとった理由は、猟兵をおびき寄せるためのようだ」
つまり猟兵という存在がこの凶行に走らせた原因ということになる。
「悪いが村人は数人喰い殺された後からの転送になる。転送した先には無残な死体が転がっていることを覚悟のうえ、向かってもらいたい」
生き残っている村人も多数いるが、怯えきり自力で逃げることは無可能な状態だ。
かといって抱えて逃がすにしては数が多すぎる。
そもそも村の周囲を蟲のオブリビオンが包囲していることもあり、逃げ場はない状態だ。
さらには指揮をとっているオブリビオン以外は村人を優先して襲ってくる。
よほど上手く防衛しなければ村人の被害者は増えていくことだろう。
「まず会敵するのはマンティコア1体。手始めにこいつを倒さなければならないだろう」
今回の仕事に関してはオブリビオンの壊滅が目的。
「村人生存の是非に関してはこちらからは言及しない。どれだけの村人が死のうともオブリビオンさえ倒しきってくれればそれでいい」
マンティコアと死肉喰らい、それらを倒せばようやく指揮をとったオブリビオンと対峙することとなる。
転送後は連戦となるため体力の温存なども考慮する必要があるだろう。
「転送先は村の中央広場。マンティコアが村人を喰らっている現場だ」
エコリアチは転送ゲートを用意し、準備ができた者から送り出してくのであった。
鬼騎
1章:ボス戦
2章:集団戦
3章:ボス戦
頑張らないと村人の死亡者はかなり出る想定のシナリオになります。
内容次第では流血表現など入れていく予定になりますので、苦手な方は流血NGとプレイングに入れてください。
1章の執筆はプレイングが届いている場合、22日から執筆開始予定になります。
第1章 ボス戦
『暴食のマンティコア』
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POW : 刈り取り喰らう
【強靭な牙や爪による引き裂き】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 魔獣の威圧
【強い衝撃波、聞く者を恐怖で竦ませる咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 猛毒を持つ鋼鉄の尾針
【放たれる針、穿たれる尻尾】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【が腐敗し毒が広がり猟兵達を沈める】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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瀬尾・カズマ
上ッ等だよクソボケアホンダラァ…!親玉め…絶対ニョグの餌にしてやっからな…!
被害を少しでも減らさないと…UC発動!ニョグ、敵を触手で絡め取って拘束!村人や猟兵への猛毒針攻撃も叩き落とせ!言うこと聞かなきゃ餌(おれ)が死ぬぞ!
何本触手を引き千切られようが、何度だって拘束チャレンジ!おーいおいライオンくん。一般人と大差ないピチピチ17歳の俺をスルーとは。お目目節穴か?村人のとこには行かせねーよ!
支援やってると攻撃までは手が回らないけど、そこは仲間の火力を信頼してる。
でも連戦考えたらマンティコア拘束チャレンジは十分が限度かな…!?
頼みます先輩方!なるべく早めにお願いしますぜ…!
(アドリブ共闘歓迎
ルナリリス・シュヴァリエ
死者を悼むのは後、これ以上の非道を許す訳にはいきません。
怒り、悲しみ、怖れ
吹き荒れる感情には抗わず、敵意に焦点を絞ります。
惨い、酷い、許せない
例え恐怖に足が竦んでも、理不尽に殺められた村人達の声なき声を聴いて敵意を奮い立たせ、力ずくで歩を進めます。
マンティコアと対峙すればしかと見据えつつ、聖剣アストライアを握り鷹の構え。
大上段からの威嚇牽制で距離を保ち、牙爪を使わせません。
尻尾と針は、柄や小手等による『武器受け』で弾きます。
狙うは体勢を崩しにくる動き。下段の隙に喰らい付かれるのは覚悟の上
突進してくる勢いを逆用して聖剣を突き立てたなら
全ての感情を込めてUC『セレスティアル・フレア』を放ちます。
「死者を悼むのは後、これ以上の非道を許す訳にはいきません」
「ああ、上ッ等だよクソボケアホンダラァ……!」
ルナリリス・シュヴァリエ(変態殺しの聖剣士・f25397)と瀬尾・カズマ(ニョグダノオトシゴ・f25149)は転送されすぐ目に入った光景に憤り、吐き捨てる。
生きながらにして肉を引きちびられた村人は声にならぬ声を上げ、痙攣、そしてその瞳からは光が失われていった。
『グルル……』
貪る青い毛並みの獣は村に現れた猟兵に気が付き、顔を上げる。
オブリビオン、暴食のマンティコアはその口から鮮血を垂らし、猟兵を睨みつけながらも口に含んだ新鮮な肉を咀嚼する。
周囲には同じように貪られ、打ち捨てられた人であった肉の塊。
血生臭い匂いが漂う中央広場に集められた人々は村を囲う他のオブリビオンによって逃げ場もなく。
村に襲いかかった災厄に泣き叫び怯える人々は突如現れし猟兵へと救いを求めた。
「親玉め、絶対ニョグの餌にしてやっからな! ニョグ来いよ!!」
カズマは村人とマンティコアの間に体を滑り込ませ、己の中に眠るUDC生物へと語りかける。
「言うこと聞かなきゃ、餌である俺はあっという間に死んじまうんだからなっ!」
常日頃からカズマのことを狙おうとするUDC生物は戦闘中だけは協力的だ。
おそらく餌である己を死なせたくないだけだろうと踏んでいるカズマは自分自身を人質とすることでUDC生物の協力を仰ごうとする。
その呼び声に応えたのかどうか、真意は分からない。
しかし無数の黒い触手がカズマの影から伸び出しマンティコアへと襲いかかる。
『ガルルルル!!』
マンティコアの尾から毒針がカズマと背後にいる村人へと向け放出される。
触手はカズマに向かった毒針を叩き落としマンティコアの四肢を絡め取る。
「くっそ!」
だが叩き落された毒針は落下した地面に転がると毒が広がり土地が腐り始める。
またカズマの後方では村人の悲鳴が上がる。
触手が叩き落としきれなかったカズマ以外に向かった毒針はそのまま村人の命を奪っていったのだ。
「ちくしょう俺をしっかり狙えよ!! それともこのピチピチ17歳の俺が目に入んねぇってか!?」
ニョグダノオトシゴの触手は未だマンティコアを絡め取り抑えている。
しかしマンティコアは猟兵村人問わず目の前の新鮮な肉を喰らおうと触手から逃れようともがき続けていた。
「そのままもう暫く捕らえていてください!」
腐り落ちる地面を飛び越えながらマンティコアへ肉薄するのはルナリリスだ。
正義を司る女神を宿した伝説の聖剣アストライアを手にマンティコアを見据える。
努めて平静を装ってはいるものの、その心境は大いに荒れすさんでいた。
感じるのは怒り、悲しみ、恐れ。
そして惨い、酷い、許せない。
それらは心の中で叫びを上げ、ルナリリスを敵へと向かわせる衝動となる。
「はあああ!」
身動きが取れずにいるマンティコアの眼前まで接近したルナリリスは素早く聖剣を振り上げ構える。
手足を囚われている以上注意すべきは牙と尾。
それらを振るう暇を与えず、大上段から振り下ろした一撃を入れ、一歩後退。
すぐさまもう一度踏み込んだルナリリス。
正義をなすための感情全てを聖剣へと込めれば聖剣は実体から光の剣へと姿を変え、マンティコアめがけ横一文字に薙ぎ払った。
『ガァアア!』
己の肉を裂かれたマンティコアはとうとうニョグの拘束を振り切り、猟兵たちから距離を取る。
それと同時に、守りが薄くなった村人を数人その爪で切り裂いた。
「くっ、どこまでも卑劣な……」
「胸くそわりぃ……」
マンティコアに課せられた使命は村人を殺し猟兵を多く呼び寄せること。
オブリビオンの手から村人を守ることは容易な事ではないのであった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミリリア・ミレニアム
猟兵を誘き出す為に虐殺ねぇ…ボク並に趣味の悪い畜生がいるみたいだよぉ…
まぁ…人間が何人死のうが知った事じゃないけどぉ…オブリビオンはやっつけないとねぇ…
うわぁ…死屍累々だねぇ…ご愁傷様…
ボクはマンティコアが殺戮に興じてる隙に死角に隠れて、そこから選択UCを使い獅子の目を狙い【テイルブレード】を発射、変幻自在の機動で目や顔をズタズタにしつつ刃から毒を傷口に抉るように塗り込んで弱らせるよぉ
おっとぉ…気がついたかなぁ?
存在に気づかれたらヒラヒラ飛んで離脱、隠れて村人の死体から魔力を吸収して連戦に備えよう
くふふ…キミの命は無駄にはしないからねぇ…ボクが残さず食べてあげるよ…
アドリブ大歓迎…流血OK
「この事件を引き起こしたオブリビオンはボク並に趣味の悪い畜生だねぇ……」
村の中央広場にはですに時間がたったであろう肉の塊から、つい先程見ている中で命が途絶え、まだ人の形を残したものまで様々な死体が転がっている。
ミリリア・ミレニアム(人誑しの妖精・f23641)は転送後、敵に気づかれる前に物陰へと隠れ安全に攻撃できるタイミングを見計らっていた。
「しかし見事に死屍累々だねぇ……ご愁傷さま、ってやつだねぇ」
人間が何人死のうがミリリアにとってはどうでも良いこと。
しかしオブリビオンは倒さなければと戦場へと来ているのだ。
ミリリアが様子を伺い続けると、先程まで他の猟兵と交戦していたマンティコアが猟兵たちから距離をとり村人を数人その爪で切り裂き殺したのを確認。
マンティコアの注意は交戦していた猟兵と、付近にいる村人たちに向けられている。
「今が好機」
ミリリアは物陰から飛び出し、マンティコアの死角になる方向から浮遊し接近。
敵に気づかれぬよう発動したユーベルコードは命中精度を上げるためのもの。
狙いを定めたミリリアは己の腕から生やした刃つきの触手を操り、後頭部からマンティコアの目を狙い攻撃を仕掛けた。
『ガアッ! ヴーーーー!!』
死角から突如顔を狙われたマンティコアはその場で暴れまわり振り切ろうとする。
だがミリリアはマンティコアの動きにしなるように形を変える触手で何度も何度もその刃で執拗に目を狙い切りつけていく。
この刃には毒も仕込まれており、傷をつければつけるほどマンティコアへと毒が傷口から侵入し体内を犯していく。
『オ、オオオオオオ!!』
死角にいたミリリアを見つけることができないマンティコアはこのままではと、全方位に向け付近にいる生命体全てに対し咆哮による衝撃波を飛ばした。
「ひぁあ!?」
強い衝撃波により吹き飛ばされたミリリアはそれ以上の追撃を受けないよう近くにあった死体の影へとすぐさま隠れる。
ほんの少し咆哮にあたっただけで小さなミリリアの体は肌が薄く裂けうっすらと痺れを残す。
(「これ以上はちょっとあれだねぇ。このまま暫くは大人しくしてようかな……ちょうど良いご飯もあるみたいだし」)
ミリリアがご飯と称したのは体を隠す遮蔽物として利用している死体のこと。
まだ死んだばかりといったその死体にはミリリアが吸収できる魔力が体内に残ったままなのである。
いただきます、と小さく呟き、ミリリアは消えゆくのを待つだけであった死体の魔力を食べ、次の行動に備えるのであった。
成功
🔵🔵🔴
リーヴァルディ・カーライル
…ん。私達を釣る為に多くの人達を巻き込んで…。
この償いはその生命で果たしてもらうわ、覚悟しなさい。
事前に村人を救助するように指示してUCを発動した後、
自身の存在感を分割する“写し身の呪詛”を付与
本体は闇に紛れるオーラで防御して気配を消し、
第六感を惑わす殺気を放つ無数の残像で敵を引き付ける
…無数の幻影に囲まれた時に取るべき手は主に二つ。
一つは本体を見つけること。もう一つは…。
今までの戦闘知識から敵が咆哮を放つ機を暗視して見切り、
力を溜めた敵の口内を狙い早業のカウンターで“呪壊弾”を銃撃、
限界突破した力を暴走させて傷口を抉る闇属性の2回攻撃を行う
…餌が欲しいならくれてやる。たらふく食いなさない。
「多くの人達を巻き込んだ罪、生命をもって償ってもらうわ……」
転送された先、襲われている村の悲惨な状況を見てリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は強く事件解決の意志を固める。
猟兵を釣り出すために多くの人々を巻き込み、罪なき人々を殺害するオブリビオンを許すことは決してない。
「……ん。何よりも優先すべきは村人の救助」
リーヴァルディがユーベルコードで召喚するのは14人のヴァンパイアハンター。
他のオブリビオンに囲まれ村の外には出れないとはいえ、戦場真っ只中にいるよりはこの場から離れたほうが安全なのは間違いない。
ヴァンパイアハンターたちは一人でも多く救い出すべく手分けして村人たちを移動させ始める。
『ガルルル』
自体の異変に気がついたマンティコアは村人たちに向かい駆ける。
移動させられる前に殺せるだけ殺そうという魂胆だ。
しかしマンティコアの行く手を阻んだのは"無数"のリーヴァルディであった。
無数に現れたリーヴァルディはマンティコアをぐるりと囲い込んだ。
これらはリーヴァルディが己に付与した写し身の呪詛により生み出された戦闘力の無い残像にすぎない。
しかしその残像から殺気を放つように仕向け、己自身は気配を消し闇に紛れればどれが本物か簡単に見分けがつかないものとなる。
『ヴゥウウウ!!』
周囲を囲む残像に威嚇をするマンティコア。
獣の姿をしているとはいえオブリビオンであるマンティコアはこれらがすべて本物だとは思わないだろう。
幻影に囲まれたとき取るであろう行動は何かしらの方法で本体を見つけること。
あるいは――。
マンティコアは大きく息を吸い込み始める。
幻影すべてを攻撃しかき消そうというわけだ。
だがこれこそがリーヴァルディが待っていた好機。
咆哮を放つため口を開けたマンティコア。
そのタイミングを逃さず、リーヴァルディは口内に照準を合わせた。
攻撃と同時に姿を現したリーヴァルディを見てマンティコアは本体を悟るが、咆哮の攻撃行動は止められない。
「餌が欲しいならくれてやる……」
二連装マスケット銃から撃ち出されたのは呪壊弾。
闇の力が込められた弾丸はリーヴァルディの力によって限界を突破し、暴走。
続けて2発撃ち込まれた弾丸は通常に放たれる力より強い破壊力を持ってマンティコアの口内へと直撃。
「たらふく食いなさない」
直撃した呪壊弾は内側からマンティコアの頭部一部を破壊し、動きを止めることに成功したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
ひどーい、怪物が村の人を食べているのー早く助けないとー
村人の数が多すぎるならこちらも沢山居たらいーよねー?
【『アリス』の妹(成虫)】達を沢山呼び出して、村人を【庇い】護衛するのよー
子供やお年寄りも【騎乗】させて安全な場所まで【運搬】し妹達が【団体行動】で壁になって守るのー
村人の安全を確保しつつ『マンティコア』に【ダッシュ】で突撃して後退させて引き離すのよー
『牙や爪による引き裂き』は甲殻で受けて【激痛耐性】と【継戦能力】で耐えるのよー
こちらも鋏角や前肢で【串刺し】にして反撃するのー
【傷口をえぐり】【マヒ攻撃】で動きを阻害しながら【捕食】するのよー
みんなは絶対守るんだからー!
「ギチギチ(ほんと、怪物がひどいことするよねー)」
アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)は村の惨状を嘆く。
他の猟兵によりいくらかの人数が避難をしているようだが、それでも村の中央広場にはまだ多くの村人が残され、死体がそこかしこに転がっている。
『グルルルル……』
威嚇の声を発しながらアリスを見やるマンティコア。
マンティコアとアリスが対峙すると、周囲の緊張感はより高まる。
なぜならアリスは2メートルを超える巨大昆虫のような容姿をしているからだ。
彼女を知らないものが見れば敵が増えたのかと思うことだろう。
しかし養父(マッド)に愛され育ったアリスの心は純白。
寄生するだけならまだしも、遊び半分で食い散らかすなど許せないことだ。
一人でも多く村人を助けるため、アリスは行動に移る。
「ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~♪)」
ユーベルコードで呼ぶのは大量の妹たち(成虫済み)だ。
妹たちは中央広場に残された村人たちを素早く持ち上げ背に乗せる。
助けてくれる存在だということは違和感なく受け止められるため、悲鳴をあげながらも、大人しく救助済みの村人たちがいる場所へと運ばれていくのである。
『ガアアアッ!!』
「ギッチギチ〜!(そうはさせないのよー)」
マンティコアは獲物を横取りされるのを阻止するため、村人を運び出す妹たちへと突撃しようとするが、アリスがそれを許さない。
マンティコアの側面から走り込み体当たりをかますアリス。
敵が態勢を崩せばすかさず上に覆いかぶさりその肉を強靭な肢で切り裂き、マンティコアの反撃は頑丈な濡羽色の甲殻で受け止める。
その間にも妹たちは運んだ村人を囲い込み、自分たちの身を寄せ合うことで外敵から守る壁となった。
もみ合いながら激しい闘争を繰り返すマンティコアとアリス。
しかしすでに多数の猟兵から傷を受けていたマンティコアの動きや攻撃の切れは失われている。
その強靭な顎で村人を喰らっていたマンティコアは、今や更に強靭な肢や顎によって青の毛並みを血で濡らしもがき苦しむ側へと変わる。
「ギチギチ!(いただきまーす!)」
敵の動きを封じ込めたアリスはトドメとしてマンティコアの喉元へとかぶりつく。
最初はもがき苦しんでいたが、直にぐったりと動かなくなるマンティコア。
アリスはそのままの流れでマンティコアの肉を喰らい尽くしたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『死肉喰らい』
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POW : 捕食行動
【集団での飛び掛り攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【噛み付き】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 多足歩行
【大口を開けての体当たり】による素早い一撃を放つ。また、【数本程度の足の欠損】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : 死肉を喰らう
戦闘中に食べた【落ちた仲間の足や死肉】の量と質に応じて【傷を癒し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
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中央広場には村人の死体が転がり、血の匂いが充満していた。
マンティコアは猟兵により捕食され、生き残った村人たちは寄せ集められている。
村を包囲していたオブリビオン、死肉喰らいはここにきて動きを見せる。
包囲の輪を縮め村中央へと集まってくるのだ。
未だ広場に転がる村人の死体は格好の餌となる。
しかし生存者たちは未だ安心とはいえない。
死肉喰らいが村人を食べるためには、まずは殺さねばならないのだから――。
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プレイングは24日8:31以降からお願いします。
執筆開始は26日からの予定となります。
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ミリリア・ミレニアム
死肉を喰らう虫達が動いたねぇ…死体に誘き寄せられてるのか…アレはボクのご飯なんだけどなぁ
まぁ…こういう時は勇者ご一行の出番だよねぇ…そんな訳で…
【キミ達は何の為に産まれ、何を成し遂げたいの?】なんて、答えられない問いを投げかけながら選択UCを発動、そうすれば召喚されたエルフの女騎士は剣で斬り裂き、女アサシンは素早く短剣で引き裂き、老魔術師が炎の竜巻で死肉食らい達を蹂躙してくれるよぉ
ボクは一行のリーダーである少年を四つん這いにさせて上に騎乗し、ゆっくり戦いを見守らせてもらうよぉ…
ほらほら、ご褒美が欲しけりゃしっかり働きなぁ…
アドリブは大歓迎…NGは無しだよぉ…
ミリリア・ミレニアム(人誑しの妖精・f23641)は村中央へと包囲の輪を縮め始めたオブリビオンを観察する。
蟲の形をしたオブリビオン。
村の中央へと向かう最中、地面に転がる死体があれば数体で群がり、蟲が居なくなった後には死体の骨だけが残される。
「死体に誘き寄せられているのか……アレはボクのご飯なんだけどなぁ」
死体から肉がなくなってしまうとミリリアが吸い取る生命力は散ってしまう。
途中で力を補給できないのならば補給が必要なほど力を使わなければ良いだけのこと。
ミリリアは遠くから蟲へと、こう投げかける。
「キミ達は何の為に産まれ、何を成し遂げたいの?」
ミリリアの問いかけと同時に展開されるのは無数の召喚魔法陣。
召喚陣から現れるのはミリリアが墜落へと導き虜にした幾人もの冒険者たち。
「……なーんてね。答えられないよねぇそんなこと」
答えられない問いかけであることは百も承知。
むしろ蟲の形をしているこのオブリビオンは言葉自体を操るようすは見受けられない。
そのような相手に対しミリリアが答えを得られるまで召喚魔法陣から現れた者たちは蟲たちに向かい攻撃をやめることはない。
召喚されし騎士はミリリアを庇うようにしながら敵を斬り裂き、暗殺者はミリリアの敵を一心不乱に屠り、魔術師は炎を操り跡形もなく蟲を燃やし尽くす。
「ふふ、いい眺めだねぇ……」
ミリリア自身は一行のリーダーたちを侍らせ、少年を四つん這いにさせた上に座りただ冒険者たちに蟲たちが蹂躙される戦場を眺めている。
むろん蟲たちもただ黙って消されていくわけではない。
その口を開き齧り付き、時には冒険者たちの肉を切り裂く。
血が吹き出し肉がもげようとも、彼らの動きは止まることはない。
「ほらほら、ご褒美が欲しけりゃしっかり働きなぁ……」
仕事をしないものどころか、活躍をしないものには褒美など出るはずもない。
彼らは皆ミリリアに囚われた奴隷も同然。
他の場所で生存者の悲鳴が上がろうとも動じることなどない。
己の肉体がどれだけ壊れようとも、ただひたすら目の前の敵を屠り続ける。
万が一にも死んだ場合、ミリリアに最後の生命力を吸ってもらえるならばそれが彼らの本望。
体が動く以上、召喚されし者たちはミリリアが満足するまで戦い続けるのであった。
成功
🔵🔵🔴
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
死肉しか食べないなんて偏食なのねー?
好き嫌いは駄目ってパパが言っていたのよー
アリスは『死肉喰らい』さんと違って好き嫌いはないのー
『死肉喰らい』さんも美味しく食べちゃおー!
【『アリス』の妹(成虫)】たちを呼んで【トンネル堀り】で地中に潜伏、幼虫達に広場に転がる村人さんの死体を操って貰って予定地点まで誘導して敵をおびき寄せて奇襲するのよー
誘導できたら、【地形を利用】して地中から鋏角で噛み付いて敵を【串刺し】にして【マヒ】させるのよー
そのまま地中に引き込んで【捕食】しちゃおー
『死肉喰らい』さん、脚はお肉がついていないけど胴体部分は丸々としていて美味しそー!みんなーお残し厳禁よー
「ギチ……(死肉しか食べないなんて偏食なのねー?)」
アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)は死肉喰らいを見て小首を傾げる。
好き嫌いは駄目ってパパに教わらなかったのかしらー? などと考える。
アリスはパパから教わり、好き嫌いすることなくこれでもかという大きさに育った。
やはり大きくなるには好き嫌いせずバランスよく、そして色々なものを満遍なく食べる必要があるということなのだろう。
「ギチィー(みんなご飯の時間よーがんばりましょー)」
アリスが妹たちに号令を出すと、全員一斉に地中へと潜っていく。
アリス本人は地中に潜伏し、息を潜める。
対照的に妹たちは広場に打ち捨てられた死体のもとへと地中から掘り進んでいく。
妹たちが死体の元へと辿り着いたかと思えば、突如地に伏していたその死体たちが動き始めたのだ。
時折ちぎれかけた腕などが地面へと転がるも、動き始めた死体たちは目標地点めがけ移動していく。
その目標地点とはアリスが地中に潜み隠れている場所。
死肉喰らいたちは死体が動こうとも気にせずそれを追うように村の内部へと進軍。
死体に惹かれて集まってきた死肉喰らいたち。
その地面は突如くぼみ、できた穴から突然アリスが飛び出す。
その鋏角で上にいた死肉喰らいたちを串刺しにし喰らい付き、麻痺毒を流し込み相手の動きを封じ込める。
そしてそのまま貫いた死肉喰らいたちを穴へと引き摺り込んでいくのだ。
いつの間にか死体に寄生していた妹たちもそこへと合流。
蟻地獄と化した穴の周囲にいた死肉喰らいも妹たちが同じように地中へと引き摺り込んでいく。
「ギヂギヂ、カチカチ(みんなお残しは厳禁よー)」
アリスは妹たちにも好き嫌いせず食べるよう教え込む。
死肉喰らいの脚は肉がついておらず食べれる箇所は少ないが、逆に胴体部分は丸々としており筋肉もしっかりついて美味しそうではないか。
「ギチギチ!(いただきまーす!)」
アリスとアリスの妹たちは、次々と死肉喰らいを捕食。
地中に引き摺り込んだ者たちは皆、肉一片たりとも残さずに食べ尽くしたのであった。
成功
🔵🔵🔴
リーヴァルディ・カーライル
…ん。数が多い。あまり気乗りしないけれど…致し方ないか。
…骨だけになっても何とかなるでしょう。多分…。
空中戦を行う“血の翼”を広げ上空に離脱し、
マンティコアの霊魂の残像を左眼の聖痕で暗視して見切り、
吸血鬼化した自身の生命力を吸収してUCを発動
…せめてもの償いよ。あの虫を狩りなさい。
自分で汚染したこの地の毒を取り込めば、
弱体化も多少はマシになるはずよ。
地を汚染する毒の力を溜め限界突破して“毒の精霊”化した魔獣を操り、
虫の群れを魔獣の怪力任せになぎ払う毒属性の先制攻撃を放ち、
仲間の死肉を喰らうと傷口を抉る猛毒を付与させる
…お前達のような存在を狩るのに手段を選ぶ気はない。
消えなさい、この世界から…。
村を囲み中心部分へと向かってくるオブリビオン、死肉喰らい。
その数は猟兵たちによって減らされてきてはいるものの、依然としてその数は多い。
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)はあまり気乗りがしないものの、背に腹はかえられない。
リーヴァルディが限定的に吸血鬼の力を解放すると背から血のような色をした魔力の翼が大きく広がり、彼女の体は上空へと舞い上がる。
それは広い視野を得るための行為。
リーヴァルディが探すのは、今や大きな骨が一部のみ残るマンティコアの霊魂。
左目の聖痕に力を込め辺りを見渡す。
すると霊魂を探すリーヴァルディの視線がふと一箇所を見つめ止まった。
「……骨だけになってもなんとかなるものね」
リーヴァルディは目的の霊魂を見つけることができたのだ。
肉を食され骨だけとなったマンティコアの霊魂がまだこの場に残っているかは若干の賭けであったが、問題はなかったようだ。
「さあ……せめてもの償いにあの蟲を狩りなさい」
リーヴァルディは己の吸血鬼化した生命力を使い、マンティコアの霊魂を昇華するレクイエムを歌い上げる。
その調べは力となりオブリビオンの霊魂を精霊へと変化させた。
精霊と化したマンティコアは地へと一気に降下し、己がふりまいた血を腐らせる毒をその体に吸収。
かの魔獣は己の毒を吸い込み、精霊化したことで弱体化した力を高めてく。
「毒の精霊よ、その力を存分と発揮せよ」
肉体という器から解放され毒の精霊となったマンティコアは物理法則に逆らい上下左右自在に移動を繰り返し、迫りくる死肉喰らいをその体で飲み込んでいく。
飲み込まれた蟲たちは毒により息絶え、なおその肉体は毒を溢れさせ横たわる。
完全にマンティコアに飲み込まれず無事だった個体、あるいは無傷な蟲たちは本能的に、死んだ仲間の肉体をこぞって喰らう。
毒の塊と化した仲間の死肉をくらった蟲たちはその毒によりさらに息絶え、毒の連鎖は続いていく。
リーヴァルディは上空から敵を見渡し、マンティコアを操りながら口を開く。
「……お前たちのような存在を狩るのに手段を選ぶ気はない」
その口調は一切の感情が込められておらず。
「消えなさい、この世界から……」
敵の消滅を願うのだった。
成功
🔵🔵🔴
瀬尾・カズマ
ルナリリス(f25397)と
ルナ!死体を庇うな!俺らにそんな余裕無えだろうが!
俺だってちゃんと弔ってやりてえよ。
だが俺らは何のために来た。一人でも多く守るためだろ!
ルナの聖壁なら安心だ。頼んだぜ。敵は任せろ!
ようこそ、餌志願者ども。本物の捕食者を見せてやる。UC発動!俺の影が沼のように広がり、そこから触手が大量に這い出る。
ニョグ、ルナの聖壁外に村人がいたら、壁内に入れたげて。絶対殺すなよ
いい子にできたら…あとはバイキングだ!敵を呑み潰せニョグ!あれは食べてもいいご飯!
遠慮はいらねえ。喰らえ、喰らえ、喰らえ、一匹でも多く!
触手が敵を影沼に引き摺り込むと、エグい咀嚼音が響く。い、今は頼もしいぜ…!
ルナリリス・シュヴァリエ
カズマ様(f25149)と共に行動。
命ばかりか遺体まで貪り喰おうというのですか
私は遺体に群がる死肉喰らいを聖剣で蹴散らそうとします。
しかしカズマ様の叱咤により
その行動が、敵を生存者の方に向かわせる事に気づきます。
ですが……いえ、確かに貴方の言うことが正しい。
攻撃はカズマ様に任せ、私は生き残った者達を守る行動を!
UC『聖域』を使用する事で、カズマ様や村人達を『かばう』障壁となり『拠点防御』の砦となります。
私は彼らの親しい者達を守れなかった
村人達に許しを請わねばなりません。
それは許される為ではなく、彼らのやるせない怒りを自分に向けることで
親しい者の無残な姿を彼らが直視せずにすむように。
村の包囲を縮めながら迫りくるオブリビオン、死肉喰らい。
その数はかなり減ったものの、いまだ残るその数で包囲を続けている。
生き残った人々を守るべく、死肉喰らいを一体ずつ撃破していたルナリリス・シュヴァリエ(変態殺しの聖剣士・f25397)。
だがその視界に、死肉喰らいが村人の死体を食い散らかす様子が入る。
「村人の命を弄ぶだけにあきたらず遺体まで貪り喰らおうというのですか!」
ルナリリスはその様子に激昂し、死体を喰らう蟲を蹴散らそうと剣を握りしめる。
だがその行動を阻止したのは行動を共にしていた瀬尾・カズマ(ニョグダノオトシゴ・f25149)であった。
「待てルナ! 俺らに死体を庇えるほどの余裕はねぇだろ!!」
敵は順調に減り続けているが、生存者を守ることで手一杯な状況は続いている。
今もう助けることができない失われた命にかまけてしまえばどうなることか。
火を見るより明らかなことであった。
「く……ぅ……そう、ですね。カズマ様、ありがとうございます。目が覚めました」
「あぁ。俺らは一人でも多くの人を守るために来たんだ。だろう!」
「はい……!」
カズマの呼びかけにより冷静さを取り戻したルナリリスは背後にいる守るべき人々を改めて確認し、気を取り直す。
「カズマ様、生存者を守るのは私にお任せください。必ず守り通します!」
生存者を背に仁王立ちになったルナリリスは、ユーベルコード聖域を発動。
災厄を退ける神聖な魔力障壁を築き上げ、蟲一匹たりとも通さぬ絶対防壁と化す。
「おうよ! 攻撃は任せろ! 全部終わったら、一緒に村人を弔ってやろうな」
「……っはい!!」
ルナリリスはカズマの言葉に強くうなずく。
死者の弔いと同時に、この戦が全て終わったら村の人たちには許しを請わなければならないと考えている。
それは主に許される為ではなく、村の人たちが前へと進む為の感情の向け場として己の身を犠牲にするため。
彼らの親しき人々を守れなかったのは事実であり、今も力が足りぬが故に目の前の遺体が損なわれることを黙って見ているしかできないこともあってのこと。
そのようなルナリリスの考えはつゆ知らず、カズマは敵を一掃すべく動き始める。
「こいよ餌志願者ども! 底無しの捕食者の胃袋を見せつけてやるぜ!」
カズマが呼び出すはニョグダノオトシゴ。
カズマの影が不自然に広がるとそこから這い出すのは多数の黒い触手たち。
それらの触手はカズマが制御ができる代物ではない。
しかし蟲たちの前にカズマが無防備に立てば、己の餌と認識しているらしいカズマを守るため触手たちは次々と蟲たちへと襲いかかっていく。
「食べ放題飲み放題のバイキングだぜ! 呑み潰しちまえニョグ!!」
カズマの言葉に呼応するかのように黒い触手は次々に蟲へと絡みつき、影ができた地面へと引き摺り込んでいく。
影からはグチュリという肉を噛む音や、ガリゴリという骨を砕く音が鳴り響く。
「う、うぇ……」
自ら喰らえ呑み潰せと言ったはいいものの、そのエゲツない咀嚼音には辟易とする。
このUDCは何かを喰らうことで栄養にしているのかどうかはわからないが、その捕食はまさしく底無し沼。
カズマが残りの蟲へと自ら進んで近寄り、ニョグダノオトシゴが蟲を飲み込んでいくことでいつの間にか村を囲っていた蟲を全滅させることに成功したのであった。
大成功
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第3章 ボス戦
『暴食卿『ヴェルハディス』』
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POW : 血の追跡者
自身の【存在を知覚した者の意志力と生命力】を代償に、【次元すら越えて対象を猛追する異形の餓狼群】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【“腐食”の呪いを帯びた咆哮と牙、爪】で戦う。
SPD : 奈落の王
自身からレベルm半径内の無機物を【あらゆる存在を貪欲に喰い尽くす無数の銀蝗】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
WIZ : “何人も死より逃れること能わず”
【あらゆる“障害”を接触即時消滅させる魔弾】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【七度その身を貫くまで止まらぬ呪いの弾丸】で攻撃する。
👑11
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マンティコアも蟲もいなくなり、戦闘によって荒れた村。
その村の奥から現れたのは黒衣の男。
「獣や蟲による狩りの時間は楽しんでもらえたかな?」
飄々とした態度で猟兵たちを見渡す。
その男の瞳には生き残った村人は映らない。
「次は……この俺による猟兵狩りの時間だ!」
不気味な笑みを浮かべライフルを構える男。
暴食卿ヴェルハディスは手強い狩りの対象として猟兵を選び、誘き寄せた張本人。
ここで逃せば、より狩りを重ねるため多くの人を殺すことだろう。
このオブリビオンは必ずここで倒す必要があるのである。
アリス・ラーヴァ
※アドリブ・連携歓迎
あのおじさんが悪者なのねー?ただ狩るだけの為に村人さん達に危害を加えるなんてひどい人なのー
皆の為にもあのおじさんを倒すのよー
(『“何人も死より逃れること能わず”』に対し)
あの魔弾が問題ねー、ここは妹達にその辺りに散乱している『死肉喰らい』の死体を操って貰って壁になって貰おー
他の猟兵さん達を【かばう】ように敵からの視界を遮るのよー
そのまま【ダッシュ】で突っ込んじゃえー!
アリスは【トンネル掘り】の要領で地中から『ヴェルハディス』さんの真下まで近づいて、地中から足に噛みつくのー
そのまま【傷口をえぐって】【マヒ毒】を流し込むのよー
もぐもぐ…この足は食べちゃってもいいよねー?
「カチカチカチ!(村人さんたちに酷いことしたのはあなたねー!)」
アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)は現れた黒衣の男を見て威嚇をする。
食べるわけでもなくただ猟兵を狩るためだけに、無関係な村人を巻き込んだ卑劣な男。
アリスは被害にあった人々のため、この男を必ず倒すと心に誓う。
「貴様が最初の獲物になってくれるのかな」
くつくつと笑いながら黒衣の男、暴食卿ヴェルハディスは悠々とアリスに向き合い、ライフルと構える。
その動きは緩慢だが隙は少ない。
帽子の奥に光る赤い瞳は獲物を見据えチャンスを狙う。
その時両者の間に横から割って入ってきたのは先ほどまで戦っていたオブリビオン死肉喰らいたち。
正確にはアリスの妹たちが寄生し動かしている死肉喰らいたちの死体である。
死肉喰らいたちはアリスを敵から隠すよう壁を築き上げようとする。
「ほう……」
ヴェルハディスは寄り集まってきた死肉喰らいをライフルから放つ魔弾で撃ち抜く。
すると魔弾が貫いた死肉喰らいはその存在ごと消滅。
数発撃ち込み壁を崩したものの、その向こう側に居たはずのアリスの姿が消えていた。
「ちっ……」
一度獲物を見失ったヴェルハディス。
再び壁を築き上げながら迫りくる死肉喰らいを見て態勢を整え直すべきかと考え、踵を返そうとするが、その時ふいに足下がぐらついた。
咄嗟に己の足元を見れば地面が盛り上がり、地中からアリスが飛び出してきたのだ。
「ギェエエ!!(くらいなさーい!!)」
「くっ!」
ヴェルハディスの足へと噛みつくアリスだが、ライフルの銃口が己に向いていることに勘付き、すぐさま口を離し再び地中へと潜り退避する。
アリスを追って魔弾が数発撃ち込まれるも、さすがに魔弾といえども地面を消し去ることはできないようだ。
「キュェ……」
できればあのまま足の捕食をと考えていただけに、噛みつくだけに止まったことにアリスは無念を感じる。
この敵に二度と同じ奇襲は効かないだろう。
しかし噛み付くと同時に流し込んだマヒ毒は直にヴェルハディスの動きを鈍らせるだろうと確信がある。
一旦敵への攻撃はやめ、アリスは妹たちを引き連れ生存者たちの保護や安全な場所への誘導へと動くのであった。
成功
🔵🔵🔴
白斑・物九郎
●POW
「ワイルドハント、白斑物九郎。
手前拝見――“暴食卿”」
・羅刹紋『魔人降臨』を全身に励起
・殴打をトリガーとして【生命力吸収】と【吸血】を行う呪紋を体表に予め記述
・【野生の勘】で敵を強力に捕捉し、コード発動を誘う
・意志力を持って行かれる直前で【オーバードライブ】発動
・せめても持って行かれるのを「生命力」に留める企図
・己の【限界を突破】した、【怪力】で万象をただ【なぎ払い】【蹂躙】する魔人と化す
・理性を失した今の己からは「意志力」を捕捉出来るまい
・餓狼群の襲来を高速動体優先照準の無差別攻撃に任せて迎撃し抜く作戦
・餓狼を屠る毎の生命力吸収&吸血を以って、持って行かれた「生命力」をも補填し戦う
「先の猟兵は逃したが……新たな猟兵か。先ほどまでは見なかった顔だな」
黒衣の男、暴食卿ヴェルハディスはこの場に新たに現れた白斑・物九郎(デッドリーナイン・f04631)を見やる。
「ワイルドハント、白斑物九郎」
仏頂面のまま物九郎はオブリビオンに名乗りを上げると、左腕を起点に白い羅刹紋の虎縞模様が体中の体表へと励起。
それは体表に同時に仕込んだ殴打をトリガーとした生命力吸収と吸血効果の呪文を敵の目から覆い隠す。
「手前拝見――“暴食卿”」
見ればヴェルハディスは足を怪我しているようだが、その程度の怪我で動きが鈍る相手でははいだろう。
猟兵を相手に狩りがしたいというヴェルハディスの力量は如何程か。
物九郎はヴェルハディスめがけ飛び出した。
「正面から突っ込んでくるのか。芸のない」
ヴェルハディスは向かいくる物九郎にため息をつきながらユーベルコードを発動する。
それは物九郎の意志と生命の力を吸い取り発動する力。
だが力を吸い取られる直前、物九郎は全身に浮かぶ羅刹紋の力を発動し、限界を超えた力を引き出す。
それにより理性を失った物九郎は視界に入っていたヴェルハディスをただ本能のままに蹂躙する獣と化す。
「ちぃ」
物九郎が暴走したことにより、意志の力を吸い取ることに失敗したヴェルハディスの力は威力が激減。
吸い取った力によって呼び出された異形の餓狼群は数が減少。
力が減少したうえにその程度の数、理性を失い暴れる物九郎の敵ではない。
一瞬で餓狼群を打ちのめした物九郎はそのままヴェルハディスへと駆け抜ける。
「ぅらぁあ!!」
「ぐぅ……!」
ヴェルハディスを直接殴打すれば物九郎の体に仕込まれた呪紋が発動。
吸い取られた分、逆に生命力を吸い取り己の力とする。
ヴェルハディスは手にするライフルで物九郎を殴り反撃しよとするが、素早く回避した物九郎は再び攻撃を繰り出す。
理性がない今、物九郎は目の前で動くものをただひたすら攻撃するのみ。
ヴェルハディスからの攻撃を出し抜いた物九郎は理性が戻るその時まで、敵へと殴りかかり続けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…ん。簡単に狩れると思わない事ね、暴食卿。
お前の方こそ、魔獣に喰われた人達の報いを受けてもらうわ。
左眼の聖痕に取り込んだ魔獣の魂を代償にUCを発動
今までの戦闘知識から空中戦を行う黒刃を手を繋ぐように操り、
不可視の殺気に向け残像が生じる早業で黒刃を乱れ撃ち傷口を抉るカウンターを行う
…厄介な猟犬ね。空間を渡るなんて…。
負傷は気合いで耐え自身の生命力を吸収して治癒し、
第六感が好機を捉えたら大鎌と黒刃を合体して武器改造
…現在と過去を繋ぐ楔を断つ刃を此処に…!
限界突破した神力を溜めた大剣を怪力任せになぎ払い、
時を断つオーラで防御を無視する時間属性攻撃の斬撃を放つ
…この一撃で決める、受けきれると思うな…!
「くっ……やはり見込み通り猟兵を狩るのは一筋縄ではいかないか」
予想以上に抵抗され傷を負った黒衣の男は焦りの表情を見せる。
「……ん。簡単に狩れると思わないことね、暴食卿」
この地で闇に抗い続ける者の一人として、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、オブリビオン暴食卿ヴェルハディスへと立ち向かう。
しかし焦りの表情を見せるヴェルハディスだがこの狩りを諦めたわけではない。
ライフルを手にリーヴァルディへの攻撃を行う隙を伺い始める。
「私たちをおびき寄せるために行った凶行の数々……ただで済むと思わないで」
リーヴァルディは先ほど左眼の聖痕に取り込んだ魔獣の魂を力の代償として支払い、飛翔する黒刃外装を召喚し周囲に展開。
敵に動かれる前にリーヴァルディは一気にヴェルハディスへと攻め込む。
反撃する隙を与えぬよう間髪入れずに六刃が空を舞い敵を斬り付けていく。
その攻撃は繰り返せば繰り返すほど精度を上げ、より鋭く、より深くヴェルハディスの肉体を傷つける。
「ぐ……ぅ……! このぉ!」
ヴェルハディスは止まぬ攻撃の合間に無理やりユーベルコードを使用。
その力はリーヴァルディの意志力と生命力を代償に餓狼群を召喚し襲わせるもの。
「……っ! 厄介な猟犬ね……」
攻撃がくることを本能的に悟ったリーヴァルディは咄嗟に後方へと跳躍するが、次元を超える力をもつ餓狼群にとってその程度の距離は回避にならない。
餓狼群はリーヴァルディに迫り、その細い四肢へと食らいつく。
「ハハハ! そのまま喰らい尽くせぇ!」
反撃が決まったことによりヴェルハディスは声を上げ笑う。
だがこの程度の負傷と力の奪取でリーヴァルディの行動を制限できると思ったら大間違いである。
「現在と過去を繋ぐ楔を断つ刃を此処に……!」
力任せに餓狼群の攻撃を振り切り、手にする大鎌と黒刃を結合しながらヴェルハディスへと肉薄。
その間に己の生命力を活性化させ傷を癒す。
「魔獣に喰われた人々の報い、受けなさい!」
「があっ!」
全力で振るわれたその一撃はヴェルハディスの体を大きく切り裂く。
度重なる傷を負い満身創痍の状態であるヴェルハディス。
決着の時はもうすぐそこだろう。
成功
🔵🔵🔴
ルナリリス・シュヴァリエ
カズマ様(f25149)と共に行動。
さっきの言葉、もう一度聞きたいものです
そう意味深な言葉で囮作戦を示唆しておきます
その上で、黒衣の男に怒りをぶつけます
命を弄んだあなたを、絶対に許しません
素早い#ダッシュと#ジャンプで木々を縫い枝を渡る事で、ライフルの照準から逃れ
ときに#地形を利用して遮蔽とし、着地を狙われれば#空中浮遊でタイミングをずらし
弾切れを#見切り、その隙に聖剣の間合いに捉えて攻撃、敵の腕を#部位破壊を狙います。
敵の#血の追跡者に追い詰められれば、UC#超絶美少女で耐えます。
狩りに夢中になれば、黒衣の男は周りが見えなくなる
「そんな余裕無えだろうが!」と叱咤されたあの時の私のように。
瀬尾・カズマ
ルナリリス(f25397)と
『さっきの言葉』…ああ成程。
ルナが敵を引きつけてる間に、後ろに回って#暗殺。ニョグ召喚して、敵の腹をブチ開けて言ってやるよ。
「余所見すんなよ。お前に一人を構う余裕無えだろうが」って。
屍肉喰らいの集団戦時、ルナに似たようなこと言ったっけ。
敵がUC発動したら触手を盾にする。何本も、何本も!出した端から消されるから俺が不利か?でもいい。今度は俺に夢中になった隙を突いてルナが攻撃してくれる。
だから言ったろ?余所見する余裕無いってな。
さて…お望み通り来てやったんだ。出張料金、テメェの命で支払ってもらおうか。
行くぞルナ!最後は二人、出来るなら全員の攻撃全集中で塵にしてやろうぜ!
残る敵はこの事件を起こした張本人、黒衣の男のみ。
敵と完全に対峙しきる前に2人の猟兵は簡単に言葉を交わす。
「カズマ様、ありがとうございました。ですが、もしよければさっきの言葉、もう一度聞きたいものです」
「さっきの言葉……ああ、成程」
ルナリリス・シュヴァリエ(変態殺しの聖剣使い・f25397)の言葉に合点がいった瀬尾・カズマ(ニョグダノオトシゴ・f25149)はすぐさまルナリリスが示唆したことを汲み取り、行動に移る。
そして黒衣の男、暴食卿ヴェルハディスの眼前へと躍り出たのはルナリリスのみ。
「命を弄んだのはあなたのこと、絶対に許しません!!」
間髪入れずに、ルナリリスは聖剣を手に走りこむ。
「正面突破などさせるとおもうてか!!」
村の家屋や村に散らばるオブリビオンたちの死骸などを遮蔽物として利用し、時に家の壁を蹴り上げ敵の照準から逃れるように駆け込むルナリリス。
だが正面から向かってくるルナリリスを撃破するべくヴェルハディスのライフルは常に構えられ狙いをつけてくることにより、その距離はあまり縮まらない。
しかし突如ヴェルハディスの腹部に激痛が走った。
「ぐぅう
……!!」
ヴェルハディスの腹から突き出るのは黒く蠢く触手たち。
それはカズマが召喚したニョグダノオトシゴであった。
「余所見すんなよ。お前に一人を構う余裕無えだろうが」
「ちぃ!!」
ヴェルハディスはルナリリスに気を取られ、背後へと回り込んできていたカズマに気づくことができなかったのだ。
これは先ほどルナリリスが示唆したことによる作戦。
同じ戦場で同じ目的をもって共に戦った者たちだからこそ通じ合えたもの。
たとえ先ほどの言葉をヴェルハディスが耳にしていたとしても、その言葉の意図に気づくことはできなかったことだろう。
「いけっ! 餓狼ども!!」
ヴェルハディスは両者を己一人で対応することは不可能だと判断し、カズマに向け餓狼群を解き放つ。
だがカズマの意志力や生命力を吸い取ったところで、何も問題はない。
カズマには自立して行動が可能なUDC、ニョグダノオトシゴがいる。
寄生主であるカズマが生きている限り、否応無しにカズマを守り続けるのだから。
餓狼群が効かないことに焦るヴェルハディス。
だが今、ヴェルハディスに迫っている危機は別のものであった。
「はぁああ!!」
「ぎっ!!」
それはルナリリスの聖剣による一撃。
「だから言ったろ、よそ見する余裕ないだろうってな」
カズマには全てが見えていた。
ヴェルハディスがカズマの対応に追われているうちに、フリーとなったルナリリスが今度はヴェルハディスの背後から迫り、聖剣を振り上げたことが。
「ぐっ……ぬぅ……!」
膝をつくヴェルハディス。
だが未だライフルは握られており、その瞳は閉じられていない。
まだ微力ながら立ち上がる力を残していることが窺える。
「いくぞルナ!」
「はい! カズマ様!」
2人はヴェルハディスが立ち上がる前に。
黒き触手と白き聖剣により、互いの全力の一撃が放たれる。
「がっ……はっ
…………」
ヴェルハディスは2人からの一撃を受け、その場に崩れ落ちる。
直にその体は灰と化し、風によって飛散していった。
村の家屋は激しい戦闘により一部崩れ、また猟兵をおびき寄せるためだけに多くの死者が出た。
猟兵へと怒りを向ける者もいれば、ただ泣き崩れる者もいる。
欠けたものは多い。
だが村は次第にいつもの日常へと戻り、この地で生き続けることだろう。
猟兵たちの仕事は多くの人を救い、達成となったのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵