アルダワ魔王戦争9-B~ボルケーノ・キャノンボール
●魔王戦争ラストスパートです
「みんな、お疲れ様なんぬ」
もはやアルダワ魔王戦争の勝利を確信した黒い猫、ケットシーのグリモア猟兵、ハンニバル・エルバッキー(キャプテン・ユニバース・f02423)が集まった猟兵をねぎらう。
「大魔王も直に完全討伐と行く……と思うんぬ」
ハンニバルはふてぶてしい笑顔から一転、やや考えるような動きで自信の顎をさすった。
「だが、まだやることは残っているんぬ」
●戦略殺人鬼
ハンニバルは毛玉状のグリモアを吐き出す。
「今回は気になる動きがあったからエクストラとして、とある戦場に向かってもらおうと思うんぬ」
戦場は魔王の玉座の一歩手前。噴火する地底火山という危険な地形。
「何が気になるっていうと、ここに待ち構えている者が異世界から来た殺人鬼、ということらしいんぬが……」
多数のグリモア猟兵が予知したところ、『宝石災魔』なる存在を創り世界移動能力を身に着けようとしている。
「これ、ちょっとキナ臭い雰囲気しないかぬ?仮にグリモアベースが狙われたら最悪なんぬ」
敵の名前はグラン・ギニョール。巨大なハンマーを携えた女性だ。自分が楽しむために戦いを望んでいるようでもある。
「大魔王を倒す前にコイツをやっつけたほうが得策かもしれないと思ってぬ。大魔王は眼中になさそうなところからも何か企んでいるのが伺い知れるんぬ」
地底火山の噴火を利用すれば有利に戦いを進めることが出来るかもしれない。上手く地形を活用して欲しい、とハンニバルは語った。
「じゃあ、危険な相手だけどブン殴って来てくださいぬ。現地に着いたら後は流れでヨロシク」
そしてハンニバルは燐光を纏ってファーストダンジョンへの転移を開始した。
JUNK.O
どうも!オープニングの閲覧ありがとうございます!
誕生石はダイヤモンドの方のJUNK.Oです!
今回はエクストラステージということで「?」のエリアに居た殺人鬼、グラン・ギニョールとの戦いです。
ボス型オブリビオンとは違い、先制攻撃は行わないので対策は特に必要ありませんが強敵に違いはありません。
この戦場では「地底火山の噴火を戦闘に利用する」というプレイングが有利に働きます。
少し強いですが、プレイングお待ちしております。後々のことを考えるとすぐ倒したほうが良いかも。
こちら速やかにリプレイを返却できれば幸いと思っております。
それでは、ヨロシクオネガイシマス!
第1章 ボス戦
『戦略級殺人鬼『グラン・ギニョール』』
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POW : 殺しの鉄槌
【巨大ハンマー】が命中した対象に対し、高威力高命中の【必殺の二撃目】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 弾幕オペレッタ
【ハンマーが無数の拳銃に分解し、一斉射撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : グラン・ギニョール劇場
【不愉快さ、嫌悪感といった負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【サンシャイン60】から、高命中力の【亡霊殺人鬼の軍団】を飛ばす。
👑11
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ヘザー・デストリュクシオン
【ファブル】で参加
むずかしいことはよくわかんないけど、強そうな敵だから楽しく壊しあえそうなの!
敵も壊しあうの好きみたいだし、気が合いそうね!
ふんかを利用とか、わたしだけじゃどうしようもなかったけど、みんながいればだいじょうぶなの!
玲くんのUCで玲くんの技能をかりて、ふんかの火を火炎耐性と地形耐性でたえて足に火をつけて敵に火の属性攻撃で焼却!
敵の攻撃はダッシュやジャンプ、スライディングで素早く回避するの。
遅いの!そんな大ぶりじゃ当たらないの!
ほらもっと楽しませてよ!って敵をおびき寄せてそのすきに玲くんとオリフィスちゃんに攻撃してもらうの。
敵が弱ってきたら回避を考えない、攻撃力重視の捨て身の一撃!
高砂・オリフィス
【ファブル】で参加
あついあついあっつーいーっ!
ほえー! なんかそこかしこグツグツしてるし、これは面白いことに使えそうだねっ!
さて二人とも、ぼくたちも負けないくらい熱く、元気出してこテンション上げてこー!
玲さんのユーベルコードで技能を拝借っ
地形耐性と火炎耐性で踏ん張りつつ、限界突破した攻撃を叩き込もうっと!
自分のダメージは度外視、溶岩を気にせずものともせずで攻めかかれば奇襲になりそう!
ヘザーさんの攻撃で体勢を崩しているタイミングで、ユーベルコードを使用!
飛び上がって《一撃必殺》の拳を振り下ろし、地面に叩きつけちゃう! どう!? 効いた効いた!?
雨音・玲
【ファブル】で参加
生半可な準備だとマジやばい環境だな
グツグツと煮えたぎるマグマに深い溜息をつきます
まぁこんな環境でも、俺たちなら何とかなるか?
頼むぜ二人とも短期決戦と行こう
直ぐにUC「双子の炎」を使用
二人と炎の鎖で繋げLv620に強化した技能を共有
無いよりマシと「火炎耐性」「環境耐性」「地形耐性」で環境ダメージを減少
「情報収集」「野生の勘」で噴火のタイミングを計り、攻撃を回避しながら
「属性攻撃」で強化した燃える拳で
「早業」「先制攻撃」で「鎧無視攻撃」を確実に当てながら削って行きます
足元注意ってな!くらえ!
「限界突破」「焼却」で強化した拳で敵の足元をぶん殴り
噴火の呼び水として使用します
●炎の絆
複数の火口より轟々と溶岩を吹き出し続ける地底火山。一酸化炭素濃度も濃いが、猟兵たちなら大丈夫だろう。
妙齢に見える女性が剛鎚をを振るい、地面に叩きつける。一層のこと猛烈に溢れるマグマ。
さっそく立ち向かうのは地下バル『ファブル』から参加した3人の猟兵。
「生半可な準備だとマジやばい環境だな……まぁこんな環境でも、俺たちなら何とかなるか?」
黒衣の情報屋。軽い身のこなしを持ち『カラス』の異名を持つ人間、雨音・玲(路地裏のカラス・f16697)。
「むずかしいことはよくわかんないけど、強そうな敵だから楽しく壊しあえそうなの!」
可憐な戦闘狂。気まぐれで居場所を求めるキマイラ、ヘザー・デストリュクシオン(白猫兎の破壊者・f16748)。
「さて二人とも、ぼくたちも負けないくらい熱く、元気出してこテンション上げてこー!」
アポカリプスヘルのムードメーカー。陽気なカポエイラ使いの人間、高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)。
「オイオイ、魔王サマじゃなくてなんでこっち来るんだか」
『邪魔立てするなら帰ってもらうしかないねえ』
グラン・ギニョールが巨大ハンマーに語りかける。
玲は早速、ユーベルコード【双子の炎】を使用。仲間ふたりと自分を炎の鎖でつなぎ、互いの特技を共有しながらその技量を伸ばす。
火炎、環境、地形。高い耐性を得た三人は流れるマグマの上をまるで川を跳び越えるかのような感覚で走る。
足に炎を纏ったヘザーがハイキック。グラン・ギニョールは巨大ハンマーで防御し、必殺の殺しの鉄槌を放とうと振りかぶる。
ヘザーの身動きは玲のユーベルコードで極めて高く上昇されている。大振りのハンマーなど当たるはずもなく、ヘザーは容易く回避。
「こン畜生……ッ!生意気ッ」
右へ左へハンマーを避けて敵の注意を引くヘザー。グラン・ギニョールのハンマーは大きすぎて自身の視界すら狭める。
疎かになった足下を狙うのは玲。燃える拳でグラン・ギニョールの足下を砕く。
「足元注意ってな!くらえ!」
「ンだよ、邪魔くせぇッ!」
玲にもハンマーを向けるグラン・ギニョールだが、三人が共有した技術、能力は極めて高まっている。ヘザーと同じく素早い動きでバックステップを取ってグラン・ギニョールから離れる。
直後、地響きと共にマグマが噴出。玲が砕いた地形から新たな噴火が始まった。噴火の勢いで上空に持ち上げられるグラン・ギニョール。ハンマーの遠心力を頼りに制動を取るが、空中で姿勢を直すのは困難。
グラン・ギニョールの直上。高まった跳躍力でグラン・ギニョールに追いすがったオリフィス。姿勢を崩す相手に効果の高いユーベルコード【一撃必殺】で思い切り拳を振り下ろし、地面に叩きつける。
「カハ……ッ!」
地面に叩きつけられたグラン・ギニョールを待っていたのはヘザー。兎のものへと変化させた脚に力を溜めて、攻撃力を高めたユーベルコード【ラビットキック】でグラン・ギニョールを強く蹴飛ばす。
地底火山に衝突した戦略殺人鬼。三人の連携は上手く作用し、グラン・ギニョールに強い負傷を与えることが出来た。
大成功
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エミリロット・エカルネージュ
●POW&対策
事前
或いは戦闘中にも
火山の噴火位置を『情報収集』し
『地形の利用』もしつつ『空中戦』で低空飛行で『ダッシュ』で駆けつつ
撹乱しつつ噴火位置に誘導
『オーラ防御』と『激痛耐性』で備え
※被弾時は『怪力』と『武器受け』も加え受け流し
『オーラ防御』と『属性攻撃(冷気)』を込めた実体『残像』を『第六感』で『見切り』回避しつつ設置を
その間怪しまれない様『誘導弾』の『乱れ撃ち』を
気弾(武装の桜モツアン餃子を食べて)発射したり
シャオロン(麺棒モード)で『怪力』の『早業・グラップル』をしたりも
誘導しマグマ浴びせたら
その隙に『早業・怪力』で
UCを
お前はもう死んでいる(パワー的)
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
龍ヶ崎・紅音
アドリブ・絡み歓迎
【POW】
「確かにグリモアベースが落ちて、せっかくの勝機がなくなったら元も子もないから、絶対に倒してこの人の企みを阻止しないとね!」
一度目の攻撃を【怪力】の片手で持っていた「黒焔竜剣 壱式」で【武器受け】
続く"必殺の二撃目"で、もう片方の手にあるホムラで焔【属性攻撃】の『千手焔風衝』を"ハンマー"に対して放つよ
その時噴火による地震が起き、それに合わせて【気合い】で踏ん張りさえすれば、より確実に"ハンマー"の破壊を狙える!!
これで攻撃がほぼできなくなったようだし、自身の武装を解除して"宝石災魔"の居所を聞き出したいけど
最後の抵抗を見せたら【グラップル】攻撃で反撃するよ
ニコ・ベルクシュタイン
…大きいな
いや、奴の得物の事だ、他意は無いぞ
ともあれ、此の手の輩は取り逃がしては禍根が残る、確りと仕留めよう
俺の予想が正しければ、少し懐に潜り込んだ程度では
あのハンマーを封殺するのは不可能だろう
此処は地底火山、自然と噴出するものの他に
意図的に発生させられる噴火もあるだろう
炎の精霊を宿した精霊銃に「属性攻撃」を乗せて
不規則な「ダッシュ」で徐々に迫りながら地面を数回撃つ
炎の弾丸が地中の溶岩に反応し、噴火が発生すれば重畳よ
俺は何処から噴出するか把握しているが
お前はどうだ? グラン・ギニョールよ
火柱を盾にして「地形の利用」で一気に接近、一切の躊躇も無く
【時計の針は無慈悲に穿つ】を叩き込む
●炎の連撃
「おいババア……こんな苦労する仕事なんて聞いてねェぞ」
『それはあんたの手落ちさね。トンカチのあたしにゃどうにも出来ないよ』
口元の血を拭うグラン・ギニョール。巨大ハンマーを地面に叩きつけて起き上がった。
「ふむふむ」
赤い体毛に包まれたファードラゴンの竜派ドラゴニアン、餃子の力を操る拳法の奥義継承者。エミリロット・エカルネージュ(この竜派少女、餃心拳継承者にしてギョウザライダー・f21989)が先の猟兵達の戦いから噴火の位置やタイミングを記憶する。
「……大きいな」
生真面目かつ几帳面、時間に厳しい懐中時計のヤドリガミ。ニコ・ベルクシュタイン(時計卿・f00324)が敵の様子を眺めて呟いた。隣の少女が訝しむ。
「いや、奴の得物の事だ、他意は無いぞ。ともあれ、此の手の輩は取り逃がしては禍根が残る、確りと仕留めよう」
「確かにグリモアベースが落ちて、せっかくの勝機がなくなったら元も子もないから、絶対に倒してこの人の企みを阻止しないとね!」
一回は訝しんだ人派のドラゴニアン、巨大剣を片手で軽々振り回す行動的な少女。龍ヶ崎・紅音(天真爛漫竜娘・f08944)が頷いた。
ニコの予想では、懐に潜り込んだ程度で巨大ハンマーの安全圏になるか怪しい。地底火山が意図的に噴火を引き起こせる事は理解出来た。
「考えがある。俺たちも意図的に噴火させて行きたい、そこでだ……」
自身の策に則り、不規則な動きで駆けるニコは炎の精霊を宿した精霊銃、エレメンタル・ワンでグラン・ギニョール周囲の地面を穿つ。数発程度で噴火の誘導が出来るとは思っていない。
「崩落狙いだとしたらちと威力が足りねーな!」
嘲笑うグラン・ギニョール。紅音が駆けて敵へ接近し、巨大ハンマーの攻撃を自身に誘導。殺しの鉄槌の初撃が振り下ろされる。
「っらぁ!!」
「えいっ!」
片手の無骨な巨大剣、黒焔竜剣 壱式が漆黒の呪炎を纏い受け止める。大きな剣は盾のようにハンマーから紅音の身を守る。
初撃が命中すれば必殺の二撃目が放たれる。その時、グラン・ギニョールの足下が揺らぐ。噴火、とは行かずとも穿たれた地盤は浮島のように不安定。紅音は二撃目への防御を取る……ではなく、もう片手の竜騎士の槍、ホムラで千手観音かの如き手数の突きを放った。
ユーベルコード【千手焔風衝】はスピアで放つ疾風のラッシュ。狙いは体勢を崩したグラン・ギニョールの“ハンマーそのもの”、連突きを受けたハンマーは粉々に砕け散る。
「ババアーーーーッ!」
相方でもある巨大ハンマーが破壊されたグラン・ギニョールの慟哭。これでもう武器による攻撃は叶わない。
「宝石災魔の場所を教えて!」
「言えるかンなもん!!」
聞き出すことは不可能なようだ。低空飛行で移動してきたエミリロットは竜騎士の麺棒、シャオロンを地面に叩きつける。
「ここらへんを叩けば……どうなるかな?」
笑うエミリロット。ニコが穿った地面から吹き上がる溶岩の柱。マグマを浴びたグラン・ギニョールに対し、ユーベルコード【薄荷餃裂拳】を放つ。
「気勢活殺……薄荷餃裂拳っ!」
敵の力を代償に、ミント餃子とオイルだれの霊力を籠めた拳を打ち付ける。殴り飛ばす先はニコ、火柱を盾に地に足を踏ん張る。
「ありがとう、タイミングから全て算段通りだ」
躊躇いなく精確に放たれた拳。ユーベルコード【時計の針は無慈悲に穿つ】が眼前に殴り飛ばされてきたグラン・ギニョールの腹部に叩き込まれた。
地面に叩きつけるように振り下ろした拳、グラン・ギニョールは横たわり満身創痍の様相。
大成功
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アマータ・プリムス
何かを企んでいるというのなら止めねばなりませんね
はい、ではそんな流れでいきましょう
グラン・ギニョールを相手にする前にまずは亡霊の相手ですね
相手が軍団で来るのなら好都合
先頭集団をフィールムで拘束し盾にさせていただきます
精々同士討ちを楽しんでくださいませ
そんな攻防を続けながら目立たぬようにフィールムをグラン・ギニョールへと忍ばせます
火山の噴火に合わせて四肢を拘束
人形の代わりに溶岩や火山弾を防ぐ盾にさせていただきましょう
「申し訳ありませんが使わせていただきますね」
軍団からの攻撃もグラン・ギニョールを操り防ぎ
頃合いをみて溶岩の中へダイブしていただきます
「今宵の人形劇は楽しんでいただけたでしょうか?」
ルトルファス・ルーテルガイト
(アドリブ連携絡み歓迎)
…こそこそと企みするのは奴等の専売特許だな。
…何を企んでいるかは知らんが、貴様も魔王に与するオブリビオン。
…ならば容赦の文字はない、悪企みごと潰させてもらう。
…本来であれば地底火山は危険な領域、手出しをしたくはない場所だが。
…俺ら精霊術師にとってなら、この地形も武器に使わせてもらう。
…地底火山の噴火・溶岩を媒介にして、『UC』を起動。
貴様の足元に至る範囲にかけて、『火炎属性の大噴火』を引き起こす。
(属性攻撃、全力魔法)
…視界を覆う程の猛火と、周囲に反響する程の轟音を響かせる噴火なれば
貴様の感情植え付けは通じない。
…自身は『火炎耐性』と『激痛耐性』で噴火の余波を耐える。
●炎の劇場
「……こそこそと企みするのは奴等の専売特許だな」
「何かを企んでいるというのなら止めねばなりませんね」
不愉快さをあらわにして地底火山の地を踏みしめるのは、エルフに育てられすべてをオブリビオンに食い尽くされた精霊術使いの冷淡な人間、ルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)。
並び立つのは存在意義を『他人のため』と定義して人助けを優先するミレナリィドール、アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)。
グラン・ギニョールはハンマーを失った。しかし、攻撃手段はハンマーのみにあらず。二人の猟兵に亡霊殺人鬼の軍団を飛ばすグラン・ギニョール劇場、開幕。
「相手が軍団で来るのなら好都合」
先頭の亡霊殺人鬼。懸糸傀儡操作用の糸、マギア・フィールムを指先から展開したアマータは敵を盾にして亡霊からの攻撃を防ぐ。
「ルトルファス様は、当機に構わず本体を」
「……わかった。この地形、使わせてもらう」
精霊術士にとっては火山地帯は都合が良い。“炎”という『属性』、“噴出”という『自然現象』。その二つを合成した噴火を発生させるのはわけない。
ユーベルコード【エレメンタル・ファンタジア】で噴火を引き起こすのには、まさにちょうど良い環境だった。
グラン・ギニョールの足下から広範囲に起こる『火炎属性の大噴火』、周囲に反響する轟音、視界を覆う噴煙。降り注ぐ火山弾。
ユーベルコードを放ったルトルファス本人の防御が手薄だ。大噴火に巻き込まれかねない。ところがルトルファスを守ったのは、グラン・ギニョール本人。
「申し訳ありませんが使わせていただきますね」
「なんでこうなってンだよッッ!!」
亡霊殺人鬼を同士討ちさせている間、アマータは密かにグラン・ギニョールへとフィールムを忍ばせていた。ユーベルコード【Festina lente】は指先から伸びた鋼糸で敵を束縛する術。
噴火の瞬間に四肢を拘束し、人形代わりに噴出物から自身とルトルファスを守る盾と利用した。
「がァ~~~~ッッ!!」
噴石が続々と仰向けに拘束されたグラン・ギニョールの胸に刺さる。
「ありがとうございました、ルトルファス様」
「……礼には及ばない、俺の仕事だ」
「では、そろそろ敵にはダイブしていただきます。どうぞ遊泳をお楽しみください」
「よせッ、やめろッ!」
フィールムで拘束したグラン・ギニョールを、ルトルファスが起こした噴火の火口へと投げ捨てるアマータ。
「アァ~~~~~!!!」
グラン・ギニョールはマグマの中へと消えていった。
「――今宵の人形劇は楽しんでいただけたでしょうか?」
●残る謎
猟兵たちはお互いの健闘を称え合い、地底火山から去る。
しかし、“宝石災魔”とはいったい何の事なのだろう。そして、敵の狙いである“世界移動能力”とは。
まだ明かされぬ謎が残ったままではあるが、猟兵たちは戦略殺人鬼の撃破に成功した。
大成功
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