アルダワ魔王戦争9-A~希望と共に歩むは不確かな未来
●最終決戦の幕が開く
『好きに、望むがよい。
好きに、願うがよい。
願い、望み、祈り……すなわち『希望』は、汝らが知的生命体である事の証左なのだ。
我は、汝らの肉の他に、希望そのものも喰らう。
汝らが武力を願えば、我も強き形態を得る。
汝らが勝利を望めば、我も勝利の術を得る。
汝らが幸せを祈れば、我に幸運が齎される。
知的生命体よ、願いを持て。
望みを持て。
祈りを持て。
さすれば我はすべての希望を聞き届け、我が糧としよう。
我はウームー・ダブルートゥ。
汝らが『大魔王』と呼ぶ、この世の全てを喰らうもの……!』
――大迷宮アルダワ、ファーストダンジョン。区画9-A。そこは――彼の大魔王の玉座。
区画9-Bから歩んだ先に見えるは彼の大魔王、そして――逃げることのできない、直線の道。その先にある広間にて大魔王は佇む。
ここに、決戦が始まろうとしていた――!
●不確かな希望へ
「みんな、お疲れ様。最後の大魔王が見えたよ」
水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は皆の前でほほ笑む。
「大迷宮アルダワ、ファーストダンジョン攻略作戦――通称、『アルダワ魔王戦争』。まさかこんなに早く終わりが見えるとは思ってなかった。それだけみんな頑張りすぎってことだよ。まずはそれに感謝とねぎらいを」
――だが、最後の大魔王を倒さなければそれも露と消える。
「覚悟して。この依頼は『高難度依頼』と認定されている。今までと同じと舐めないで」
まあ、大魔王の各形態と戦ってきたみんななら大丈夫と思うけど、と付け足すが、戦ったことない存在もいるのだ、忠告しておくに越したことはない。
「今回の敵は大魔王の最終形態。ロケーションは『はじまりの玄室』という大広間だよ。何のギミックも何のオブジェクトもない、強いて言うなら大魔王の玉座があるだけのガチバトル環境だ。遠慮なくみんなの実力を出してほしいな」
予知できた相手の行動手段は主に3つ。
「まず、こちらの願いや望み、祈りで自分を強化する力。あの妖精よりはましだけど、それでも強化されてしまうのは確かみたい」
次に、大魔王各形態を召喚する力。
「これはこちらが恐れている形態が召喚されるみたい。じゃあ恐れなければいいじゃん、と思うだろうけど、そしたら悪化して全員出てきてしまうみたい。ならどうすればいいか……考えてみてほしい」
最後に、触れると急速に若返る『産み直しの繭』で出来た迷路を作り出す力。
「『産み直しの繭』がなんなのかは私にもわからないけど、迷路作成の壁が全部それだとすると、もしかしたら厄介になるかもしれないし、あるいは武器になることもあるかもね?」
――こんなところである。
「これがアルダワの最終決戦だと思う。きっと生徒たちも教職員も討滅を望んでいる。何が希望を喰らうだ――希望と共に不確かな現在(いま)を歩んでいる私達はそんなものには決して屈しない」
ぐっと拳を握りしめ、可奈は絞るように言葉を出す。
「そうでしょ? みんな」
――そして返事を待たずにグリモアを展開した。
「Alea jacta est(賽は投げられた)! 信じているからね、みんな!
探索の果ての大魔王に――絶望を! そして――現在(いま)を生きる、生命ある者に――祝福を!」
結衣謙太郎
探索の果てに佇む大魔王。迷うことはない、ラスボス戦だ!
結衣(最終決戦モード)です!
●やること
『ウームー・ダブルートゥ』を討滅せよ!
●章構成
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「アルダワ魔王戦争」の「ダンジョンアタック」に使える🔵を獲得できます。もうダンジョンアタック終わっちゃったけど。
●ロケーション
『はじまりの玄室』と呼ばれる大広間。玉座しかなく、ガチバトルの舞台にうってつけ。
大魔王は玉座に座り皆さんを待っています。
●重要な注意
『ウームー・ダブルートゥ』は先制攻撃を行います。
これは、『猟兵が使うユーベルコードと同じ能力(POW・SPD・WIZ)のユーベルコード』による攻撃となります。
こいつを攻撃する為には、この先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動が重要となります。
対抗策を用意せず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、先制攻撃で撃破され、敵にダメージを与える事はできないでしょう。
対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性があるので注意してください。
さらに1つ。
先制攻撃は『ユーベルコード1回につき1回』繰り出されます。よって、2つ以上のユーベルコード使用、あるいは1つのユーベルコードの複数回使用は推奨されません。それだけ先制攻撃が飛んできます。
決戦依頼はいつもよりさらに判定を厳しめに行います。そこに手加減はしないのでご注意ください。
以上です。
最終決戦です。
皆さんの希望あるプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『『ウームー・ダブルートゥ』』
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POW : ホープイーター
【敵対者の願い】【敵対者の望み】【敵対者の祈り】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : ホープブレイカー
【敵が恐れる大魔王形態(恐れなければ全て)】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : ホープテイカー
戦場全体に、【触れると急速に若返る『産み直しの繭』】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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メリナ・ローズベル
「何も望まない
ただ自分を信じるだけ」
●ユーベルコード対策
魔法で壊せるか試す…ダメ?
壊せない迷路なら地道に攻略するしかない!
繭には絶対に触らない
自分の第六感を信じて…
紙に略図を書いたり、通った道にバラの花びらを撒いて迷わないように
急ぐけれど慌てずに
杖の上部にあるバラの棘で繭を掻きむしっておく
●反撃
迷路の出口が見え、敵の姿を目に捉えたらユーベルコードを放つ
ユーベルコードは1回のみ
「あなたには何も与えない!」
決死の覚悟で敵に近づき、獣の前脚に繭を絡めた杖を投げつける
一か八かなのよ…!
その後は距離を取り、炎・氷・雷の属性攻撃付与の全力魔法で戦うわ
敵からの攻撃はオーラ防御で身を守る
できれば1人描写がよい
●ただ、自分の心のみを
「私は何も望まない、ただ自分を信じるだけ」
メリナ・ローズベル(紅い花・f13268)が真っ先にウームーに相対して言い放つ。
『そうか――しかし汝にも望みを持っていた時期はあったはずだ……』
言葉と共に展開される『産み直しの繭』の迷宮。
「……例えあっても大魔王なんかに言うものじゃないわよ」
物心ついた時から学園暮らし。過保護に育てられたお嬢様気質。そんなメリナには確かに望みがあってもおかしくないだろう。昔から――だが、人は成長し、歴史を歩むもの。彼女が自分を信じるのみとすればそれは彼女の心からの在り方なのだろう。
「ちっ、やはり魔法じゃ壊れないわね」
繭ということで炎魔法を放ってみたが、予想通りそれだけでは壊れず。
「なら地道に攻略するしかないわね。学園暮らしでダンジョンとかに慣れた身を舐めないでよ」
――罠の可能性を考え繭には触れず、己が直感のみ信じ。しかし紙に略図を書いたり、通った道にバラの花びらを撒いて迷わないようにし。ダンジョンアタックは急げど慌ててはいけない。学園生として普段からダンジョンに挑んで分かったこと。
(……と、一つ思いついたわ)
メリナは何を思ったか杖の上部にあるバラの棘で繭を掻きむしっておく。――何の役に立つというのか。
『ほう、あの迷宮を抜けるか』
ウームーは短時間で迷宮から抜け出そうとしてくるメリナに賞賛の言葉を投げかける。しかしメリナが望んでいるのはそれではない。
「お褒めの言葉どうも。でも、あなたには何も与えない!」
メリナが放ったのは無数の絶対零度の薔薇の花びら。そして、それに交わるように、そして攻守一体の花びらで接近し――繭を絡めた杖をウームーの下半身の前足に投げつけた!
(一か八かなのよ……! うまくいって!)
『ふん、我の使うものくらい心得ておる』
しかしその杖は、虚しくも前足で軽く蹴飛ばされてしまう。ウームーが繭の効果を受けることもなく。
(くっ……くそっ! くそっ!!!)
すぐにバックステップで後退したメリナは炎・氷・雷の魔法を全力で放つ。
『そうだ、もっと足掻け知的生命体。我にその望みを見せてみよ』
ウームーも負けじと羽を展開すると魔力波を放つ。薔薇の花びらのオーラで身を守るも、分が悪い。
(ど、どうすれば――どうすれば、いいの!?)
――ふと、自分のハートが輝いた気がした。
それは『恋する乙女心』と名付けたはいいものの「使える……はず」と自信なかったもの。
(そうだ――自分を信じるだけ)
魔導書のようなものを構え魔力を編む。そして――
(魔力波の隙間を――貫く!)
ハートの力も込めて魔力を強く強く集中させ、そして――一つの、雷撃が放たれる。
その雷撃は魔力波の隙間を縫うように動き――そして!
『むっ!』
ウームーの胸のクリスタルの少し下に見事に命中! 怯んだかのように魔力波が止む。
『――そうだ、いいぞ知的生命体よ』
メリナは相手が怯んでる隙に杖を回収、一度離脱することにした。
成功
🔵🔵🔴
星群・ヒカル
「おれはてめーに、拳同士でのタイマンを申し込むぞ!」
希望を敵が食い強化するのに時間はかからないだろう
だがその強化の指向性も、おれの希望次第のはずだ
攻撃に強化を回させるため、『挑発・パフォーマンス』も交えつつ、【超宇宙・拡我黎明光】で啖呵を切ろう
「てめーはおれたちにとっての最大の壁だ。ならばこの超宇宙番長、正々堂々てめーと喧嘩して、そして勝ちたいというのがスジってものだ!
受け入れてくれ、この世界の天辺に立つ男よ。この星(いのち)の輝きを!」
必要なのはワイヤーを巻いて強化した拳のみ
星の目の『視力・第六感』は、おれに危機を超え弱点を告げる力を与えてくれる
ユベコの効果を加えて、急所に一撃ぶちかますぞ!
●男は黙って拳で殴り合い
(壮大なファンファーレ)
〜宇宙暦ホニャララ年、大迷宮アルダワの最深部、そこに巣くう大魔王に、一人己が拳のみで立ち向かう存在がいた! 彼こそが宇宙より来た番長、彼こそが超銀河番長! 大魔王の玄室に単身カチコミをかけたその者こそ、猟兵登録番号f01648! 名乗る称号は勿論超銀河番長! 名を、星群・ヒカルという――!〜
「おれはてめーに、拳同士でのタイマンを申し込むぞ!」
『タイマン……だと。ほう』
星群・ヒカル(超宇宙番長・f01648)がウームーをビシッと指さすと宣言する。お前には拳で十分だと。
「たしかにてめーが希望を食い強化するのに時間はかからないだろうな! だが、その強化の指向性も、おれの希望次第のはずだ!」
『言ってくれる……』
これぞ彼の命の輝きを使った術技、超宇宙・拡我黎明光(チョウウチュウ・タンカインフレーション)。啖呵を切る時間に応じて味方全員に刃付(バフ)をかける術だ。今回のはどっちかというと切ってるのはメンチだが。
「てめーはおれたちにとっての最大の壁だ。ならばこの超宇宙番長、正々堂々てめーと喧嘩して、そして勝ちたいというのがスジってものだ!」
『ふん……笑わせる。しかし望むのは自由だ』
ウームーが右手を軽く動かし――え、マジでやる気? 望みをオーラとして纏って、それを右手に集中――あ、マジでやる気だこいつ。
『来るが良い、超宇宙番長と名乗る者よ』
「ああ、受け入れてくれ、この世界の天辺に立つ男よ。この星(いのち)の輝きをッ!」
彼が使うのはワイヤーを巻いて強化した拳のみ。強いて言えば、星の目という異能による、危機を超え弱点を告げる力、それだけ。後は小細工なしの、真っ向勝負――!
「おおおおおおお――!!」
『はああああああ――!!』
互いに心の臓を狙った攻撃が交差する!
「いくぜッ! 受けきれるか!」
ウームーの右腕を左手で押さえてよろけさせ、跳躍!
『舐めた真似を!』
だがその顔に深々とウームーの左手の拳が刺さる!
「ってえなッ! だが、まだだ!」
一度地面に着地するとすぐに跳躍! ――が! それを狙ったかのようにウームーが両手で首の後ろを狙い一撃! はたき落とされるようにヒカルは叩きつけられ、転がる!
「ぐあっ……」
仰向けになってしまったヒカルにウームーの拳が迫る!
『ほう、まだ足掻くか』
「へっ、拳同士のタイマン挑んで負けたら世話ねえんだよ」
しかしそこに容赦なくウームーの空いた拳が腹を穿つ!
「ぐふっ」
『諦めよ。我を超えるなど』
「ああ、諦めたい気持ちはあるな。だがッ」
腹を穿った腕を押え、ウームーを逆に体制を崩させる!
『っ!?』
横転したウームーに、ヒカルの渾身の一撃!
「おれは、諦めねえッ!!」
ウームーの胸のクリスタルに、一撃が響く!!
『ぐっ……ほう』
吹き飛ばされたウームーはすぐに体制を整える。
『我に傷をつけたその力は褒めてやろう、超銀河番長よ』
「へっ――」
――が、血を吐きながらで言葉が出ない。一度ここは距離を取ることにした。
成功
🔵🔵🔴
大神・零児
こちらの願い、望み、祈りで強化か
【オビリビオンや『ウームー・ダブルートゥ』の消滅】を願い
【今を生きる未来に歩みを進める命の生存】を望み
【俺達、猟兵がカタストロフを阻止し戦争に『ウームー・ダブルートゥ』に勝利する事】を祈ろう
俺の願い、望み、祈りで強化するのなら
この内容は敵からすれば「強化とはまさしく正反対」「ウームー・ダブルートゥやオブリビオンの存在を否定するもの」であり、自身の首を絞めるはず
これは俺の望み、願い、【祈り】に込めた敵に対する【呪詛】であり【だまし討ち】
実験といこう
敵の先制の後にUC発動
成功
C-BAからグレネード一斉発射
魂喰からの衝撃波
失敗
鮮血の氣で武器受けオーラ防御
アドリブ共闘可
●祈りを力にするとは
「こちらの願い、望み、祈りで強化か」
大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)が確認するようにぼやく。
「ならば、俺は【オブリビオンや『ウームー・ダブルートゥ』の消滅】を願い、【今を生きる未来に歩みを進める命の生存】を望み、【俺達、猟兵がカタストロフを阻止し戦争に『ウームー・ダブルートゥ』に勝利する事】を祈ろう」
――彼の願い、望み、祈りでウームーが強化されるのであれば、ウームーからすれば「強化とはまさしく正反対」「ウームー・ダブルートゥやオブリビオンの存在を否定するもの」であり、自身の首を絞めるはず……
……だった。
『そうだ、その願いこそ我が力となる』
しかし結論は全くの真逆。
――彼は言っていた。【汝らが勝利を望めば、我も勝利の術を得る】と。単純に祈ってしまっては全くの逆効果なのだ。
「くっ、しくじったか……」
強化されたウームーの右手を鮮血の氣で受けるが、戦いは完全に防戦一方。
(ここは引くしかないか……だが俺の目的は実験に騙し打ち。そう考えれば一つ情報を得ただけでも収穫だ)
零児はウームーの右手に気をつけながら後ずさりをしていった。
苦戦
🔵🔴🔴
黒城・魅夜
希望を自分のものとする?……ふふ
あなた自身が希望を抱けないが故の、惨めで哀れなあがきですね
希望とは未来へ己を導く動因
それを持たぬあなたは他者の希望を喰らって仮初めに己を誤魔化しているだけ
ええ、私も似たようなものでした
悪夢の底で偽りの希望の依代として生み出された私はね
けれど私は他者の希望を喰らうのではなくそれを光とし翼としました
あなたと私の差は僅かですが、同時に決して同じではない
己の内部に広がる空疎な暗渠を知りなさい、魔王よ
それこそが真なる「絶望」――
本当の希望を持てぬあなたはあなた自身の絶望によって滅ぶのです
魂さえも穿つ私の牙……でも何の味もしませんね
あなたの魂は最初から空っぽだったのですから
●同族嫌悪?
「希望を自分のものとする? ……ふふ、ふふふ」
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)が零児を追い詰めるウームーにほくそ笑む。
『――何が可笑しい』
「可笑しいですよ。ええ。あなた自身が希望を抱けないが故の、惨めで哀れなあがきですね」
『なんだと?』
ウームーの視線が零児から魅夜へと移る。
「希望とは未来へ己を導く動因……それを持たぬあなたは他者の希望を喰らって仮初めに己を誤魔化しているだけ」
『汝に何がわかる……我の何がわかるという』
「わかります。完全ではありませんが。ええ、私も似たようなものでしたから」
不自然なほど動かないウームーの傍に寄りながら魅夜は語り続ける。
「――悪夢の底で偽りの希望の依代として生み出された私。けれど私は他者の希望を喰らうのではなくそれを光とし翼としました。
あなたと私の差は僅かですが――同時に決して同じではない」
鎖の先端をウームーに向けながらなおも魅夜は語る――
「己の内部に広がる空疎な暗渠を知りなさい、魔王よ。
それこそが真なる【絶望】――本当の希望を持てぬあなたはあなた自身の絶望によって滅ぶのです」
『くだらぬ……本当も偽りも関係ない。我は希望を喰らい、そして汝も喰らう。そうして我は大魔王として在ってきた。我が内心に如何な絶望があろうとも、我は止まるわけにはいかぬ』
「ならば――試してみますか?」
瞬間。魅夜の鎖が、ウームーの胸を貫く!
「肉体だけでなく魂さえも穿つ私の牙……でも何の味もしませんね」
『そうだ、これでわかっただろう』
貫かれてなお、ウームーは余裕の表情だ。
「ええ、あなたの魂は最初から空っぽだったのですからね」
『――言わせておけば、図に乗るな小娘!』
ウームーがキレた! 鎖を逆に自分から手繰り寄せ、魅夜を一気に手元に持ってきて体制を崩させると、そのまま前足で踏みつける!
「くっ――うう」
『我が魂は空にあらず! 希望を喰らい、肉を喰らってきた我が心に空白など――!』
(くっ、具体的な方法を考えなかったのが仇となりましたね)
説教に頭を使ってしまいウームーの行動への対処を蔑ろにしたツケが回った。この類はうまく相手を説得して戦意喪失できれば強いが――そのリスクは大きい。
苦戦
🔵🔴🔴
別府・トモエ
おうよ、それじゃ私の希望(テニス)を喰らえ
テニスしたい
テニス楽しみたい
テニスを貴方にも楽しんでほしい
ウームー・ダブルートゥ、これだけが私の願いで、望みで、祈り
「さあ、私が怖くないんならテニスでかかってこい……サーブ権は譲ったる」
だってこっちは経験者だもんね
空前絶後のテニス大魔王が有り得んほど強烈な【サーブ先制攻撃】を打ってくる
「……はは」
それを【視力】で【見切って】【ダッシュ】で追い付く
「……ははは!」
絶妙なポジションとって【ラケット武器受け】から会心の【誘導弾ショット】でリターン
「ウームー・ダブルートゥ!すごいね!強いね!楽しいね!」
ぐんぐん力が沸いてくる……この最高の試合をもっと味わいたい
●まさかこんなことになるとは、その1
「おうよ、それじゃテニスしようぜ」
『何?』
ウームーも思わず聞き返す別府・トモエ(人間のテニスプレイヤー・f16217)。無理もないよ、これ激戦中だもん、テニスしたいなんて通るわけが
『ならば1マッチ1ゲームでどうだ?』
「足りない! 3セットマッチだ!」
『ふむ――なら、1セットマッチで手を打とう』
やる気かよ!
「おーし、かかってこい! 私が怖くないんならな! サーブ権は譲ったる」
――だがウームーもなあなあで承諾したわけではない。彼女が願っていたこと。それは。テニスがしたい、テニスを楽しみたい――そして、テニスをウームーにも楽しんでほしい。それだけが彼女の願いで、望みで、祈りだったからだ。ならば彼の在り方として、受けないわけにはいかない。
だが――
『ふん』
「おおっと強烈なサーブだな! いいぜ、口だけ達者の他校の高校生の相手よりやりごたえがある!」
――ここまで盛り上がるとは誰が思っただろうか?
『これで30-40だ……汝も無駄な足掻きはよせ』
「……はは」
『む? ようやく足掻きを止めたか?』
下を向いたトモエの眼光が、顔を上げた途端に光る。
「……ははは!」
それは、逆境でもなお立ちあがろうとする魂。例えあと1ゲーム取られたら負けでも、それでもなお彼女はあきらめない。そうだ、そんなシーンは何度も大会で目にしてきた。味わった。なら負けない。
「ウームー・ダブルートゥ! すごいね! 強いね! 楽しいね! さあ続きだ!」
『ふん……その口をもうきけないようにしてやる』
そして再び放たれるウームーの強烈なサーブ……!
「ああ……それはもう、通じない!」
先ほど見たそれを視力で見切り、普段から鍛えた足腰で――
『――なんと』
追いついて見せた! そしてウームーが驚いてついロブを返してしまう!
「へっ……致命傷だな! そんな後ろからロブなんて!」
そう、ロブは本来、ネットにつめてきた相手の上を飛ばし、後ろに落とさせるもの。後ろからやったら何の意味もないチャンスボール。これを使わない手はあるまい。
「ウームー・ダブルートゥ! これが私の――会心の一打だーー!」
少し力を入れ、ボールを確実にスマッシュでウームーの足元に落とそうとする! 会心の誘導弾ショットだ! いや誘導弾なのか? マジで誘導弾なら超次元テニスに――いや、生命の埒外である猟兵にそんなのは日常茶飯事か。
『ほう――』
ウームーが返し損ね、これで40-40。デュースだ。
「私、今ぐんぐん力が沸いてくる……この最高の試合をもっと味わいたい。だから――付き合ってくれるよね!」
『ならば汝が望む限り付き合おう。我も面白くなってきた』
ねえ君たちバトりにきたんじゃないの? いつから仲睦まじくテニスすることになったの?
ちなみにテニスの結果は2-1でトモエが勝ちました。大逆転。まあ今回のようなことになったのは彼女が実は思うがままに世界を変える現実改変能力者であることにも少し起因するのだが――それはまた別の話。
成功
🔵🔵🔴
アリス・セカンドカラー
お任せプレイング。
ほほう、ホープイーターはこちらの願望に合わせた方向で強化される、と。
ならば、男の娘だ!男の娘にメタモルフォーゼした魔王をちゅっちゅぺろぺろと捕食したいというのが我が願望!限界突破した祈りでの全力魔法でその強化をハッキングして反転属性攻撃で強化を反転させて男の娘化デバフにしてくれるわ♡
で、指定UCによる『夜』のスタイルで男の娘になった魔王様を捕食してー、限界突破した快楽属性攻撃で蹂躙してー、継戦能力による連戦で精を盗み攻撃で搾りとって生命力吸収よ♡私、大食いだから、過剰摂取で自滅もあり得ないわ♪
さぁ、魂まで吸い付くしてあげる♡私の中で果てなさい☆
えっちなのうみそおいしいです♡
●まさかこんなことになるとは、その2
「ほほう、ホープイーターはこちらの願望に合わせた方向で強化される、と。ならば、男の娘だ!」
おいばかやめろアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)、嫌な予感しかしねえ!
『男の娘、だと――?』
「そう、男の娘にメタモルフォーゼしたあなたをちゅっちゅぺろぺろと捕食したいというのが我が願望!」
『何を馬鹿な――む!?』
ウームーが自分の体に違和感を感じ、下を見ると、そこにはなんということでしょう、上の写真のような禍々しいオーラなんか感じられないような、美形のケンタウロス男児がいるではないですか!
「うーん、2本脚がいいんだけど……これはこれでありね♡」
『おい、汝、我に何をした――!』
「何って、限界突破した祈りの強化をハッキングしてー、反転属性浴びせて強化を反転させてー、男の娘化デバフにしただけよ?」
ウインクしながら首をかしげるアリスに反省の2文字はない。むしろ「ご不満?」とでも言ってくるかのようだ!
「はーい、じゃあここからアリスターイム♪」
アリスがいきなり(あまりにもアレな表現なため自主規制)になるとウームーに触手を伸ばしてくる!
『やめろ、今の我に――』
「やめない♪」
あーるじうはちにじーでもつきそうな感じでウームーの体を開けると触手で精を盗み絞り出す。
『汝――我は重いぞ。そんなに食べたら自滅するぞ』
「あら、この状況でわたしのの心配? だーいじょうぶ、わたし大食いだから、過剰摂取で自滅もあり得ないわ♪」
『く、くそ! 触手が離れない! なんなのだ汝の願いは!』
「何って言った通りよ。だ・か・ら」
パチン、と指を弾くと小悪魔の笑みで言い放つ。
「魂まで吸い付くしてあげる♡ 私の中で果てなさい☆」
『く、くっ――!!』
この後ウームーは滅茶苦茶(あまりにもアレな表現なため削除されました)
大成功
🔵🔵🔵
主・役
おまかせプレイング。
アルダワ戦争はこれが初戦争なので恐怖もなにもあったもんじゃない。
だから、全部盛り。わぁお、贅沢だね☆
魔王が現れた時点で先制攻撃は成立してるので、エクストリームタイム☆
リアル弾幕シューの提供により、魔王達をステージ毎に分断してその攻撃を弾幕へと変換するよ。残機とボムはスコアで増えるタイプ、グレイズ(カスリで威力増強)システムも完備。
はっはー、VR弾幕シューのルナティックモードを初見クリアできるえにっちゃんにこのモードを許したら、もうクリアしたも同然さ☆
ステージではスコア稼ぎを優先し、残機のストックを確保してからステージボス(魔王)戦だ。
●まさかこんなことになるとは、その3
「アルダワ戦争はこれが初戦争なので私には恐怖もなにもあったもんじゃない。つまり」
主・役(エクストリームアーティスト・f05138)、いきなり何を言いだす?
「えにっちゃんの前には全部盛りが出るわけだ。わぁお、贅沢だね☆」
『この軍団を見てなおも平常心を崩さないとはなかなかやるようだ』
主役ちゃんの前には男の娘から解放されたウームー含め全ての形態の大魔王がずらり。これをいちいち相手すると手間がかかりそうだが……
「なら、エクストリームタイム☆」
来たかエクストリームタイム! パルクールか? 以前侍たちに教えたパルクールで華麗に全滅させるのか?
「いや、今回は――これだ!」
空間が変質していき――
『――む?』
ウームーが不思議がる。それは――
『――我が、奥に追いやられてる!? それに、これは――』
「ふっふっ、これぞリアル弾幕シューだ」
そう、主役ちゃんは魔王達をステージ毎に分断したのだ。各個撃破のためには分断は基本、なるほどよく考えられた戦法である。しかしリアル弾幕シュー……?
「攻撃が弾幕へと変換されればそれはリアル弾幕シューだろう? よし、これで2体目」
はええな!? もうレオまで倒したのか!
「なにせ残機とボムはスコアで増えるタイプ、グレイズ(カスリで威力増強するタイプ)システムも完備してるからな。はっはー、VR弾幕シューのルナティックモードを初見クリアできるえにっちゃんにこのモードを許したら、もうクリアしたも同然さ☆」
何とは言わんが、ボムは自中心に弾幕を一定時間消すタイプだけどね。しかし主役ちゃんさすがである。このボスラッシュにもかかわらずスコア稼ぎを優先し、残機のストックを確保している。あ、もう5体目倒した――つまり。
「待たせたな、ステージボス(魔王)戦だ!」
『今までのはボスにも満たないと……その意気やよし』
あれだけ強い大魔王各形態をボスにも満たない扱いにウームーが本気だ!
『ならばルナティックでも敵わぬような弾幕で相手してやろう。
死ぬがよい』
そしてウームーが放ったのは空と地表付近でタイミングがずれている洗濯機のような弾幕に加えて翼から放たれる回転レーザー!
「わお、回転レーザーが来るんじゃあ前に行くしか――」
しかし――目の前には、もう一つの回転レーザー。そして空を見上げればもう2つレーザー。そう、左右両方からレーザーを回転させることで――確実にルートをなくし、相手は死ぬ。
「ボム、ボムらないとよけれないなこれ」
『ふん、最終ボス相手にボムが通じないのはよくあることだろう、そして』
「あ――」
前のレーザーをボムってかわしたはいいが、その後のヒットストップにもう片方のレーザーが直撃!
『――その後の隙をやられるのもよくあることだろう』
「く、くっ――」
残機残り1。ボムももうない。鬼畜弾幕。遊びではない。
でも。それでも。
「わたしは負けない――あなたなんかに!」
余裕な顔をしかめ、ウームーに一気に急接近。
「残機がどれだけなくなってもいい、コンティニューしてもいい! だから――あなただけは倒すわ!」
それだけ言うと無口で気合を入れ零距離攻撃。可憐な体に傷が増える。でもそれでも、一気に短時間で倒すにはこれしかない――そして。
『――その意気や見事』
胸のクリスタルにひびが入ったあたりで、ウームーがついに後ずさった。
大成功
🔵🔵🔵
ソラスティベル・グラスラン
この物語は過去の英雄たちから続く英雄譚
世界の誰もが望み、書き記せなかった決着を綴る戦い!
願いではなく、『誓い』を
【勇気】は、負けませんッ!!
【オーラ防御・盾受け】で守り【怪力・見切り】で受け流す
【第六感】で察知し可能な限り万全な【継戦】を
耐えて耐えて耐え延びて、只管に前進
攻撃を縫い【ダッシュ】、我が大斧を叩き込む為に!
『願い』は不要
刃を構え、勝利を拾うのは我が【勇気】
『望み』も
痛みを遠ざけ、危機を祓うのは我が【気合い】
『祈り』も
賦活を与え、前進せしめるは我が【根性】
『勇者』とは勝利を願われ、望まれ、祈られる者
艱難辛苦が迫り来ようとも逆は無く
今わたしが持つ全てで、貴方を討ちます―――ッ!!
●勇者とは、古来より――
「皆さん――後は任せてください!」
ソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が猟兵たちの前、後ずさったウームーの真ん前に出てくる。
『――汝は、我を恐れぬのか』
「ええ、わたしは決して恐れません!」
――なぜなら。
「この物語は過去の英雄たちから続く英雄譚――世界の誰もが望み、書き記せなかった決着を綴る戦い!
だから、だからこそ! 願いではなく、『誓い』を! あなたを倒すという、『近い』をここに!
わたしの勇気は、決して負けませんッ!!」
『面白い――ならば、我を倒して見せよ!』
ウームーが翼からの魔力波にくわえて叩きつけの攻撃もしてくる。ソラスティベルは斧で受け、流せるものは受け流す――そういった防戦がやっとだ。
――だが、その足は、少しずつ前進している。絶え間なく続く攻撃の中で、ただただ、勇気のもとに彼女は歩みを進めていた。
――彼女に、『願い』は不要である。
刃を構え、勝利を拾うのは己が勇気によるものだから。
――彼女に、『望み』は不要である。
痛みを遠ざけ、危機を祓うのは己が気合いによるもので。
――彼女に、『祈り』は不要である。
その根性が賦活を与え、前進していくのだから。
――ソラスティベル・グラスランは【勇者】である。
『勇者』とは即ち、勝利を願われ、望まれ、祈られる者。
たとえそこに艱難辛苦が迫り来ようとも自分がそれをすることはない。
必要なのは魂の力と勇気。それで十分だし、それしか必要ない。
気合も根性も、勇気があるからこそわいてくるものだから。
『ここまで耐えるか……ふっ』
「ええ、わたしは決して負けないんですから――!」
相棒はいない。最高のパートナーは今はいない。でも、それでもいい。
「はあああああ!!」
『――!』
渾身の叩きつけを、蒼空色の斧が弾き飛ばす。攻撃が途切れ、相手が態勢を崩した、好機は今しかない――!
「行きます! ウームー・ダブルートゥ!」
ソラスティベルは全力でダッシュし、肉薄、そして勢いのまま肘打ちで胸のクリスタルに攻撃しながらブレーキすると。
「これがわたしの全力――今わたしが持つ全てで、あなたを討ちます―――ッ!!」
巨大な斧が、ウームーの胸のクリスタルに突き刺さる――!
『ぐ、ぐおおおおおおっっ!!』
「はああああああああああ!!」
――軽快な、音が響いた。
何かが、割れるような。
『――見事だ、知的生命体よ』
胸のクリスタルを壊されたウームーは、その体をよろけさせたまま、横転する。立ち上がろうとするが――体が思うように動かない。
『我が『大魔王』と呼ばれる存在ならば――汝のような『勇者』にやられるのは、必然だったか』
ウームーはどこか達観した顔で続ける。
『今一度問おう――汝が我を恐れなかったのは、汝が勇者だからか。それとも』
「――ええ、わたしも無邪気に勇者を目指していました。英雄譚に憧れて。――でも、違うことに気づいたんです」
『――ほう?』
「勇者は、自分から勇者と名乗るようなものじゃないんです――皆さんの希望を、願いを、望みを、祈りを聞き届け――あるいはそこから生まれて。ただそう在ろうとしている在り方に過ぎないんです。わたしなんて、勇気で攻め! 気合で守り! 根性で進む! それくらいしかとりえないんですよ」
ウームーの目に驚きが浮かぶ。少し、口から笑い声が出た気がした。
『そうか――ならば、希望を聞き届け、我が糧とする我も――』
「――形が違えば、勇者だったかもしれませんね」
ウームーがふっ、と息を吐く。
『――ひとおもいにやるがよい、勇者よ。我を倒したこと――誇りに思うがよい』
「ええ――では」
「さようなら、ウームー・ダブルートゥ」
乾いた空気の中に、斧の一撃の音が響いた。
――歓声が沸き上がるまでに、時間はかからなかった。その声を聞き、討滅した、かの『勇者』に――
大成功
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