アルダワ魔王戦争9-B〜破砕粉壊のグラン・ギニョール
●獄炎の間
「さて、宝石災魔が完成するまでここを守り切ればあたしの勝ちだ」
『こんな暑苦しい場所、放って置いてくれると楽なんだがね』
「枯れてんなぁ。これだからババアは」
『こんな負け戦に付き合うだけでも割に合わないんだ。これ以上苦労することもないさ』
「つまんねえなぁ。来た奴なんて片っ端から殺しちまう方が楽しいだろ?」
『好きにしな。ただどうしても無理そうな時は』
「ケツまくってどんな手を使っても生き延びる!」
『わかってるならいいんだよ。今のあたしゃトンカチだからね』
●グリモアベース
「集まったようだな」
ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)の背後のスクリーンには迷宮内の地底火山区画が映っていた。
「ダークゾーンが晴れたことで、この迷宮区画にオブリビオンがいることを予知することができた」
画面が切り替わり、噴火の続く火山地帯に立つ一人の女性が映し出される。
「この身の丈より巨大な戦槌を持つ女が、今回予知によって察知されたオブリビオンだ」
巨大なハンマーを片手で軽々と持っていることからも、このオブリビオンが非常に強力な存在であることがわかる。
「戦略級殺人鬼『グラン・ギニョール』、大魔王に協力的という訳でもないようなので、無理に交戦して危険を冒す必要はないかもしれない。しかしコイツを放って置くというのは嫌な予感がする」
相手がオブリビオンである以上、それと戦い打倒するのは猟兵の宿命だ。
それが不穏な動きをしている者であれば尚更である。
「活発に噴火を続ける地底火山は、戦場として地下迷宮の中でも最も危険な場所と言ってもいいだろう」
無策に挑めば十分に実力を発揮できないかもしれない。
「グラン・ギニョールは強力なオブリビオンであるが故に、地底火山の地形をあまり苦にしていないようだ」
逆を言えば地の利を活かそうという気もなさそうである。
「グラン・ギニョールを噴火するマグマに突っ込ませたり、噴火を利用して移動を制限したり、噴火によって打ち上げられた火山岩を足場にしたり、地形を利用することで相手の虚を突くことができるかもしれない」
正面から戦うのが危険な相手でも、地形を味方につければ有利に戦いを進められるかもしれない。
「グラン・ギニョールは先に行動してお前達がユーベルコードを使う前にそれを潰しに来ることはないが、グラン・ギニョールのユーベルコードはどれも一撃必倒の威力がある」
ユーベルコードを撃たせる前に出鼻を挫くなり、撃たれても前以て対策をしておいた方がいいだろう。
「オブリビオンを倒すことが我々の務めとはいえ、今回が危ない橋であることには違いない。油断せず十分に準備をして事に当たってくれ」
刀道信三
冷たいお飲み物はお持ちでしょうか。
刀道信三です。
このシナリオは強敵を相手にする純戦シナリオになります。
判定は難易度相応になりますので、ご注意下さい。
またこのシナリオは『戦争シナリオ』です。
1フラグメントで完結し、『アルダワ魔王戦争』の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。
このシナリオでは、地底火山の噴火を戦闘に利用することでプレイングボーナスがあります。
地底火山の地形を利用することで有利に戦闘を進めることができます。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『戦略級殺人鬼『グラン・ギニョール』』
|
POW : 殺しの鉄槌
【巨大ハンマー】が命中した対象に対し、高威力高命中の【必殺の二撃目】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : 弾幕オペレッタ
【ハンマーが無数の拳銃に分解し、一斉射撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : グラン・ギニョール劇場
【不愉快さ、嫌悪感といった負】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【サンシャイン60】から、高命中力の【亡霊殺人鬼の軍団】を飛ばす。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
アマータ・プリムス
この足場……なるほど
やることは決まりましたね
戦闘開始と共にUCを発動
銃弾を防ぐために盾を持った人形たちを作り出します
それで相手の銃撃を防ぎながら時間を稼ぎこちらは仕込みを
工作用の人形を一体だけ作り出しそれを操り
足場の溶岩を削り割れやすく
その上からハリボテの足場を追加すれば落とし穴の完成です
足場の偽物は造りこそ荒いですがここは火山地帯
火山灰が降り注いで隠してくださるでしょう
あとはここに相手を誘い込むだけ
人形たちの配置を操作して誘い込みましょう
「さぁ、鬼さんこちら。手の鳴る方へ」
穴を踏み抜いたら人形たちを纏わりつかせ自由を奪います
どうぞそのまま落ちていってくださいな
「貴女の企みはここで終わりです」
「……なるほど、やることは決まりましたね」
地底火山の足場に視線を走らせてから、アマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)は片手を水平に持ち上げる。
そしてAb uno disce omnesにより盾を持った人形を次々と作り出していった。
「ババア、出番だぜ」
『やれやれババア使いが荒いね』
グラン・ギニョールの持つハンマーが端から拳銃に分解していき、銃弾を発砲していく。
アマータは十分に距離を取って人形達を展開していたが、一見弾幕のように乱射されている銃弾は正確に人形達の持っている盾の中心に命中した。
一弾一殺。
弾雨はひとつの無駄弾もなく盾を穿ち、人形を貫き、その背後へと抜けていく。
一体だけ工具を持って作られた人形が地面に細工をしている間、アマータは人形に流れ弾が当たらないように前に立った。
まるで盾を持った人形達がいないかのように飛来する銃弾が、何発もアマータの体を擦過する。
しかしもし人形達がいなければ、銃弾はアマータを掠めるだけでは済まなかったかもしれない。
「さぁ、鬼さんこちら。手の鳴る方へ」
足場への工作が終わったところでアマータは人形達を操作し、まだ動ける人形達も倒れさせることでグラン・ギニョールとの遮蔽を取り払った。
「もうお人形は品切れか? じゃあ、死ね!」
グラン・ギニョールは無数の拳銃を巨大ハンマーに戻すと一息で間合いを詰めて来る。
数十メートルあった距離は一瞬で、一度の跳躍によって埋められた。
その打撃面がすっぽりとアマータを収めるほどのハンマーが頭上から振り下ろされるように思われた。
しかしグラン・ギニョールが踏みしめた地面が割れ、そのまま溶岩に向かって沈み込んでいく。
「貴女の企みはここで終わりです」
アマータは動けない振りをさせていた人形達を、溶岩の落とし穴に腰まで浸かったグラン・ギニョールに纏わり付かせ、そのまま溶岩に沈めようとした。
「ええい、鬱陶しい!」
グラン・ギニョールは身の丈ほどのハンマーを振り回す膂力で人形達を振り解くと、煙を上げながら落とし穴から這い上がる。
その超常の身体能力によって肉が焼き爛れてはいないもののグラン・ギニョールの表情は苦痛に歪んでいた。
成功
🔵🔵🔴
エドゥアルト・ルーデル
既にサンシャイン60が現れている!
拙者は別に嫌悪感とかはないんだが…拙者も似たようなモンだからネ!
むしろセクシー殺人鬼と謎のBBA相手にヒリつく戦いが出来そうでワクワクすっぞ!な気分なのに…
あそこに居るのは…【知らない人】だこれ!誰この人!?誰なの…怖いよォ!
知らない人(極めて発見され難い)を探し回る殺人鬼集団!知らない人お前だったのか…負の感情を抱いていたのは…
このまま知らない人が囮になっている間に【UAV】に掴まって火口付近に移動、手持ちの爆薬を使って火口の一部を爆破粉砕、下流にいる敵を纏めてマグマや火砕流で押し流す作戦でござる!
やっぱ地形を利用するなら破壊してなんぼですな!
「既にサンシャイン60が現れている!」
エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が地底火山に着いた時には、サンシャイン60が召喚されていた。
事前の情報によれば、このユーベルコードは不愉快さや嫌悪感といった負の感情を抱いた対象に発動するものである。
「拙者は別に嫌悪感とかはないんだが……」
むしろセクシーな殺人鬼と謎のトンカチBBAとの戦いを前に昂揚すらしていた。
「あそこに居るのは……知らない人だ、これ!」
不思議に思っているとエドゥアルトの視界に知らない人が入る。
「誰この人!? 誰なの……怖いよォ!」
何が怖いって知らない人は極めて発見され難く、エドゥアルトと五感を共有しているのだ。
ヒタヒタと歩く赤いフードを被り顔もよくわからない知らない人と、五感を共有するというのはSAN値直葬並の恐怖ではないだろうか。
サンシャイン60の地下から現れた亡霊殺人鬼の軍団は、エドゥアルト以外から極めて発見され難い知らない人を探し回っているようだ。
「知らない人、お前だったのか……負の感情を抱いていたのは……」
知らない人が囮になっている間に、エドゥアルトはUAVに掴まって火口付近に移動する。
「ポチっとな」
そして火口の一部、サンシャイン60側に手持ちの爆薬を仕掛けて爆破した。
爆破によって崩れた部分から火砕流が溢れ出し、知らない人ごと亡霊殺人鬼の軍団を押し流す。
「やっぱ地形を利用するなら破壊してなんぼですな!」
知らない人は逃げおおせたのだろうか。
兎も角グラン・ギニョールがいるであろうサンシャイン60までに立ち塞がる亡霊殺人鬼の軍団を排除することには成功したのだった。
成功
🔵🔵🔴
ルトルファス・ルーテルガイト
(アドリブ連携絡み歓迎)
…こそこそと企みするのは奴等の専売特許だな。
…何を企んでいるかは知らんが、貴様も魔王に与するオブリビオン。
…ならば容赦の文字はない、悪企みごと潰させてもらう。
…本来であれば地底火山は危険な領域、手出しをしたくはない場所だが。
…俺ら精霊術師にとってなら、この地形も武器に使わせてもらう。
…地底火山の噴火・溶岩を媒介にして、『UC』を起動。
貴様の足元に至る範囲にかけて、『火炎属性の大噴火』を引き起こす。
(属性攻撃、全力魔法)
…目に映らぬ程の猛火、耳に入らない程の轟音を響く噴火なれば
貴様の感情植え付けは通じない。
…自身は『火炎耐性』と『激痛耐性』で噴火の余波を耐える。
虚偽・うつろぎ
アドリブ連携等ご自由にどぞ
あははははははは!
六六六!六六六だ!
僕は覚えている!
この執念を!六六六を!
ならば蒐集しよう!記録しよう!
六六六だった僕が!
六三の残滓たるこの僕が!
殺人鬼であるこのうつろぎが!
上記を叫んでおくね
意味不明な狂気的執念を見せておくさ
登場即自爆
とにかく速攻で自爆する
火山の近くで自爆して噴火を更に大規模に
自爆に巻き込むことを狙いたいけど
自爆の射程範囲内に敵がいなくても自爆する
近づきすらせず自爆
こちらに注意を引き付けるよ
敵同様に愉快犯
技能:捨て身の一撃を用いてのオウサツモードによる広範囲自爆
対象は範囲内の敵
強化は攻撃力重視
捨て身の一撃なので自爆は1回のみ
自爆後は爆発四散して完
「あははははははは! 六六六! 六六六だ!」
虚偽・うつろぎ(名状しやすきもの・f01139)は筆で書き殴ったように体を波打たせながら哄笑する。
「僕は覚えている! この執念を! 六六六を! ならば蒐集しよう! 記録しよう!」
憶えている。
この体になる前に宿敵である彼らを記録し続けていたことを。
「六六六だった僕が! 六三の残滓たるこの僕が! 殺人鬼であるこのうつろぎが!」
狂乱し黒いタール状の体を赤熱させながら、うつろぎは笑い続ける。
「なんだありゃ」
『さあね。妄言を信じるとしたら、けったいな重機みたいなのがいた気がするよ』
「イチイチ覚えてないけど、もしそうならあたしが負ける道理はないな」
グラン・ギニョールがハンマーを構えるより早く。
うつろぎは流体が放物線を描くようにしてグラン・ギニョールの足許に飛び込んだ。
そして有無を言わさず自爆した。
「美女だからって、そう何度も熱湯に浸かってやりはしないよ!」
グラン・ギニョールはまずうつろぎの自爆による爆風を巨大ハンマーの振り下ろしで相殺する。
更にうつろぎの自爆によって活性化した火山が、グラン・ギニョールの足許で大規模な噴火を起こすのを二撃目が抑え込んだ。
「……こそこそと何か企んでいたようだが、ここで悪企みごと潰させてもらう」
グラン・ギニョールがユーベルコードを放った隙を突いてルトルファス・ルーテルガイト(ブレード・オブ・スピリティア・f03888)は精霊術の詠唱を始める。
うつろぎの仕掛けた自爆も大噴火の誘発も捨て身の一撃。
グラン・ギニョールも片手間や余力で抑えられるようなものではない。
「……本来であれば地底火山は危険な領域、だが俺ら精霊術師にとってはこの地形も武器になる」
ルトルファスはうつろぎの巻き起こした噴火に干渉し、火の精霊を限界以上に燃え上がらせた。
「クソ、小癪な真似を!」
グラン・ギニョールがハンマーで抑え込もうとしていた噴火は徐々にハンマーを押し返し、ルトルファス自身すら巻き込むほどの猛火と轟音となった噴火が三人を中心に溶岩を迷宮の天井まで噴き上げる。
そして地底火山迷宮は許容量を超えた溶岩の噴出によって真っ赤に染まったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ハロ・シエラ
私には火山の噴火を利用するなんて器用な事は出来ません、真正面から相手をします。
最初にそう言う【パフォーマンス】を。
まずはやはり相手の動きを【見切り】ハンマーの攻撃を回避していく事になるでしょう。
なるべく戦いに集中させる様に動きたいですね。
そうしながら【第六感】を働かせ、地面の振動などから噴火を予測します。
噴火前に地震が起こるでしょうからその直前に【ジャンプ】で敵に近付きましょう。
とは言え地震程度で生じた隙では付け入るのは難しいかも知れません。
敵を攻撃するという【フェイント】をかけ、ユーベルコードで敵の足元を爆破し、溶岩を敵の元へ導いてやろうと思います。
上手く【だまし討ち】出来ると良いのですが。
「私には火山の噴火を利用するなんて器用な事は出来ません。真正面から相手をします」
そう言ってハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は細剣『リトルフォックス』を構える。
「あたしと真っ向勝負とは無謀極まりないな。そういうの嫌いじゃないぜ」
グラン・ギニョールは獰猛な笑みを浮かべながらハンマーを上段に構えた。
(「なるべく戦いに集中させないとですね」)
ハロの狙いは正面からの対決と見せ掛けて地形を利用する奇襲である。
その為にはまずグラン・ギニョールのハンマーによる一撃をやり過ごさなければならない。
相手に動き回られては攻撃を見切るのは難しくなる。
ハロはグラン・ギニョールより先に駆け出して、一直線にグラン・ギニョールの懐に飛び込んだ。
敢えて間合いに入ってしまえば後はハンマーを振り下ろされるだけである。
ハロは足に無理な負荷を掛けてでも急制動を行い、踏み込んだ勢いをそのままに全力で回避を敢行した。
「オイオイ、真っ向勝負じゃなかったのか?」
地底火山を揺るがすほどの二連撃が大地を打つ。
期せずしてグラン・ギニョール自身のユーベルコードが、彼女の足許の火山活動を活発化させる。
透かさずハロは跳躍してグラン・ギニョールの頭上から刺突を繰り出した。
グラン・ギニョールはそれをハンマーで難なく受け流すが、そこまでは狙い通り。
ハロはリトルフォックスをグラン・ギニョールの足許に突き立てて『陥落』(ダウン・イン・フレイム)を発動した。
そして自分が巻き込まれることも構わずグラン・ギニョールの足許の岩盤を爆破する。
それを呼び水に溶岩が噴火してグラン・ギニョールに直撃した。
成功
🔵🔵🔴
緋薙・冬香
戦略級殺人鬼『グラン・ギニョール』、か
ちょっと体の芯が疼くのは、遠い前世とかで縁なのか
あるいはそのスタイルとデカ乳に負けていられないという女の意地?
『魅せる脚』を命中率重視で
確実に当てに行く
先制攻撃はおそらく『殺しの鉄槌』
当たれば負け必至だけど…初撃が当たらなければ
真正面から『魅せる脚』で仕掛ける…と見せかけて!
フェイントからのスライディング、残像を駆使しつつ
ハンマーの軌道を見切って回避
同時に懐まで跳び込んで蹴りで攻撃
狙いはハンマーの柄とそれを持つ手!
ハンマーの軌道をずらしたらそのままグラン・ギニョールを蹴りつける!
「貴女とはモデルの戦場で会いたかったわ!」
それはそれで壮絶な女の戦いってね?
「戦略級殺人鬼『グラン・ギニョール』、か」
地底火山の熱風が緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)の長い髪を靡かせる。
「負けていられないって思うのは、そのスタイルとデカ乳に対する女の意地かしら?」
戦略級殺人鬼というには整ったグラン・ギニョールの美貌に、モデルとグラビアの仕事をする者としての対抗心だろうか。
「イイ女っていうのも大変だよな。来るやつ来るやつ溶岩をぶっかけやがって」
外傷こそ見当たらないものの度重なる攻撃で軽口を叩く声にも張りがなかった。
(「当たれば負け必至だけど……初撃が当たらなければ」)
事前の情報からこの間合いでグラン・ギニョールが繰り出して来るのは『殺しの鉄槌』だろう。
常識外の質量のハンマーによる二連撃。
一拍の間に同じ標的を連打するその技は一撃と見紛うもの故に、一撃目さえ避けてしまえば対処は容易い。
蹴りの間合いに踏み込もうとする冬香。
それを迎撃しようとするグラン・ギニョール。
リーチの差でグラン・ギニョールのハンマーが冬香を捉えると思われた。
しかし冬香はスライディングでハンマーが地面に振り下ろされるより早く潜り抜ける。
「貴女とはモデルの戦場で会いたかったわ!」
起き上がる暇すら惜しみ腕のバネによって蹴り上げられた足が、グラン・ギニョールのハンマーを持つ手を打ち据えた。
続いて反対の脚で蹴りを見舞うことでグラン・ギニョールからハンマーを手放させる。
「ちょっと待ってろよ、ババア」
『早くしとくれよ。あたしゃ自分じゃ動けないからね』
逆立ちから宙返りの要領で着地した冬香は、グラン・ギニョールとハンマーの間に立ち塞がるのだった。
成功
🔵🔵🔴
黒城・魅夜
親近感を覚えるお顔ですね、ふふ(同じ絵師様というメタネタ)
だからといって容赦はしません
ですが、その戦力を侮ることもしません
我が身を斬り裂いて血を噴出させます
血は溶岩に触れ、濛々とした蒸気を発生させ周囲を包み込むでしょう
けれどあなたの技は飽和範囲攻撃、視界が閉ざされても関係ない、と思うでしょうね
ええ、そう思うように誘導したのです
その技の欠点は止まれないこと
無数の銃弾は蒸気の中に展開しておいた多重の鎖網によって跳弾し、あなた自身を襲うでしょう
私も被弾しますがその傷がさらなる一手
既にあなたは私の血霧の中にいます
ええ、あなたを内側から斬り裂くこの結界の中にね
ふふ、私と似た顔の断末魔、趣深いものですね
「親近感を覚えるお顔ですね、ふふ」
「それなら楽に殺されてくれるといいんだが。いい加減千客万来過ぎてウンザリしてきたぜ」
「当然容赦はしませんが、貴女の戦力は侮れませんからね」
「ああ、まったくモテる女はつらいぜ」
グラン・ギニョールと言葉を交わした後、黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は短刀『血浴みの女王』で自らの手の平を切り裂く。
魅夜の血は地底火山の地面に触れると蒸発し、赤い霧となって濛々と周囲に拡がっていった。
「なんか厭な感じがするな、ババア」
『あいよ』
グラン・ギニョールの手許を離れていた巨大ハンマーは無数の拳銃に分解し、射撃を繰り返しながら戻って行く。
一弾一殺の銃弾は『血に霞みし世界に祝福を捧げよ硝子の心臓』(ミスティック・ミスティーク)の鮮血の濃霧を吹き散らそうとするが、必殺の弾雨は血霧に呑まれて消えていった。
「おい、ババア。しっかり狙え!」
『見えないのに無茶言うんじゃないよ』
何かに弾かれているのか金属音と火花が爆ぜて鮮血の濃霧から銃弾が飛び散る。
そして銃弾だけではなく血霧はどんどん拡がりグラン・ギニョールを包み込んだ。
「…………!?」
血の水蒸気に触れた瞬間、グラン・ギニョールは形振り構わず全力で飛び退く。
「ふふ、勘が良いんですね」
飛び退いたグラン・ギニョールの腕は内側から鎖に喰い破られている。
そして拡がる鮮血の濃霧の中心に、その発生源である魅夜が跳弾で全身を血塗れにしながら立っていた。
成功
🔵🔵🔴
アイリ・フラジャイル
アドリブ連携お任せ
いいわ、どこの誰だか知らないけれど
これ以上面倒事を増やさないで欲しいわね!
目的は溶岩が溜まっている所に奴を落とす事
自分自身を鼓舞して剣を片手に
立ち回りを演じる振りをしてアイツの動きを学習する
相手は近距離からの攻撃しか出来ない
ならば敢えて近寄って攻撃を誘発し
アタシは透明の腕を利用して上下左右に逃げ続けるわ
この透明の腕は精密動作が可能なパワー型
最悪ハンマーの攻撃を――打点をずらす事だって出来る筈
時々岩塊を投げつつ挑発してやるわ
どうしたのおばさん、ちょっと下手糞すぎじゃあない?
そして世界知識で得た攻撃ポイントに誘導したら
そこを思い切り叩かせて溶岩に沈めてやるわ
残念、大当たりよ――!
「いいわ。どこの誰だか知らないけれど、これ以上面倒事を増やさないで欲しいわね!」
アイリ・フラジャイル(イレギュラーケース・f08078)は大剣『錆びた黄金竜の牙』の切っ先をグラン・ギニョールに向ける。
「チッ、こっちの腕はしばらく殴るのくらいにしか使えねえな」
『殴れはするのかい。それより来るよ』
グラン・ギニョールは腕を内側から切り裂いた鎖を引き抜くと、無事な方の手で巨大ハンマーを構えた。
「この距離ならハンマーを使う以外できないでしょ」
アイリはグラン・ギニョールに接近して大剣を振るう。
「近付いて来てくれるなんて、いい度胸だ。潰れて死にな!」
グラン・ギニョールは巨大ハンマーを片手で振り回した。
まるで重さを感じさせない筒でも振っているような動作だが、実際には身の丈以上のハンマーである。
その質量は打撃部であればアイリの大剣でも受けられない。
それをなんとかハンマーの柄を狙って大きく弾くことでしのぎ続けた。
「どんな絡繰りだ? もう5回は殺してるはずだぜ」
ハンマーが命中する寸前。
アイリは何かに引っ張られるような不自然な動きで間合いの内側に移動する。
「どうしたのおばさん、ちょっと下手糞すぎじゃあない?」
インビジブル・レジスタンス。
アイリは見えざる腕を操ることでハンマーの打撃点を避け続ける。
「ハハ、抜かしたな。絶対に殺す!」
グラン・ギニョールはハンマーを振るう速度を上げ、滅多打ちにして面でアイリを捉えようとした。
そこまでがアイリの計算の内である。
「残念、大当たりよ――!」
アイリは透明の腕を使い全力で後方に離脱した。
そしてグラン・ギニョールは地盤が薄く、その下に溶岩をたっぷり湛えた場所をハンマーで打ち抜く。
落とし穴に嵌まるように、グラン・ギニョールは高く溶岩の飛沫を上げながら、自分が叩き割った地面に落ちた。
成功
🔵🔵🔴
彩瑠・理恵
リエ、そう喚かなくてもこれをしたらすぐに代わりますよ。
さて貴女達はこれを覚えていますか?もし覚えていたら、まぁトラウマになってるかもしれませんね?
天井に指鉄砲を向けて【模倣再現・殲術再生弾】ですっ!
ダークネスカードで理恵から代わるわ
あはは!六六六人集番外位リエが序列第2位と第1位に下剋上を宣言するわ!
リヴァイヴァーの能力向上と回復力任せのゴリ押しでいくわ!
回復不能な致命傷でなければ傷つけば傷つく程、血が流れてボクの武器が増えるわ!
ハンマーの一撃目は鮮血槍と血の影業を犠牲に防いで、そのまま突っ込んで組み付くことで二撃目を避けるわ
後は一緒にマグマに落ちるだけよ!ボクには殲術再生弾の回復があるわ!
「リエ、そう喚かなくてもこれをしたらすぐに代わりますよ」
彩瑠・理恵(灼滅者とダークネス・f11313)は内なる人格であるリエを宥める。
「さて、貴女達はこれを覚えていますか?」
理恵はサイキックエナジーをその手の中に集束させながらグラン・ギニョールに問い掛けた。
「藪から棒になんだよ?」
『あのなり損ない共が使っていた大仰なのに雰囲気が似ているねえ』
そして天井に向けた理恵の指鉄砲から『模倣再現・殲術再生弾』が放たれる。
「もし覚えていたら、トラウマになってるかもしれませんね」
地底火山の階層に満ちたサイキックエナジーの中を理恵はダークネスカードを手に駆けた。
「あはは! 六六六人集番外位リエが序列第2位と第1位に下剋上を宣言するわ!」
グラン・ギニョールのところに駆け寄るまでの間に、理恵とリエが入れ替わる。
「さっきもジジイの付けてた序列を名乗ってる奴がいたな。その通りならあたしとババアが負けてるところなんて見たことがないぜ」
巨大ハンマーの打撃面と鮮血槍、そしてリエの足許から伸びた影業の刃が激突する。
あまりの衝撃に圧されリエの体は軋み全身から血が噴き出した。
「こいつでトドメだ!」
リエが衝撃から動き出すよりグラン・ギニョールの必殺の二撃目の方が早かった。
釘を打つように鮮血槍の穂先に再びハンマーが打ち下ろされる。
「威勢が良かった割に他愛なかったな」
『まだ油断するんじゃないよ』
巨大ハンマーを肩に担ぎ直すグラン・ギニョールの目の前、リエは血溜まりの中で立ち上がった。
グラン・ギニョールがハンマーを振り被るより早くリエはグラン・ギニョールに組み付く。
出血により数を増した影業がハンマーを押さえ込み、リエはグラン・ギニョール諸共溶岩に突っ込んだ。
「さあ、我慢比べだよ! ボクには殲術再生弾の回復があるわ!」
そのままリエはグラン・ギニョールに組み付いたまま溶岩に沈んで行くのだった。
成功
🔵🔵🔴