アルダワ魔王戦争6-C~言霊の裁定者
●今日の魔王戦争
魔王戦争の今を伝える猫。グリモア猟兵のケットシー、ハンニバル・エルバッキー(キャプテン・ユニバース・f02423)が猟兵達に今日の魔王戦争の状況を伝える。
「いい感じなんぬ。あと2エリアを制せば大魔王最終形態のフロアまではすぐなんぬ」
ファーストダンジョン9層目、どうやら大魔王最終形態に挑むまでは一本道のダークゾーンを晴らさなくてはいけないようだ。
「しかし、ダークゾーンが全て晴れても最終形態と戦うにはまだ各形態を倒す量が足りてないんぬ」
敵の親玉はもう目の前。そろそろ一気に魔王各形態を討ち滅ぼすとするか、とハンニバルは口から毛玉状のグリモアを吐き出した。
●『裁定者』モルトゥス・ドミヌス
「今回、我々のチームは魔王第五形態であるモルトゥス・ドミヌスとの戦いに臨むんぬ。覚悟を決めて気を締めてかかるんぬ」
モルトゥス・ドミヌスは無敵の『裁定者』のオーラで自身を守る。
次に、ユーベルコードを『喰らう』両手で受け止めたユーベルコードをコピーする。
そして『放った言葉を現実化する』という攻撃を取る。
「敵は先制してこれらのユーベルコードで攻撃してくるんぬ。対処法を考える……つまり防御なんぬ。攻撃からの防御に成功したら、攻撃に転じるんぬ」
ハンニバルの口ぶりはいつにもまして真剣だ。
「なお、戦場はファーストダンジョンに魔力を供給する巨大な動力炉となるんぬ。この蒸気反応炉はファーストダンジョンの心臓。魔王が利用して無限の魔力を生み出している……が」
これを破壊しようものなら、莫大な魔力の奔流によってアルダワ魔法学園全てが消し飛ぶほどの大爆発が起きる。魔王は自身の勢力を保つためこれを破壊することはないが、猟兵たちが破壊しようとするとアルダワは終わる。
「では、転送を始めるんぬ。開幕からすぐ魔王の目の前に行く事になるため、各攻撃への対策は万全に講じてから戦闘に挑む。しっかりとやってくれぬ」
そう言ってハンニバルは転移を始める。
「諸君の無事を祈ってるんぬ。現地に着いたら後は流れでヨロシクぬ」
JUNK.O
どうも!オープニングの閲覧ありがとうございます!
まだMSとしては第二形態くらいの方のJUNK.Oです!
今回は大魔王第五形態モルトゥス・ドミヌスとの戦いになります。
ボス敵は例によって先制ユーベルコードなので、敵のユーベルコードへの対策を事前に行ってからの攻撃を考えてください。
トンチで構いません。先制を防げればプレイングボーナスとなりますが、逆に防げないと判定にマイナス修正がかかる場合があります。
ボス戦なのでマスタリングはやや厳しめに行っていきます。出目次第では苦戦判定も充分にあり得る戦場です。
それでは、裁定者をぶちのめすカッコいいプレイングをお待ちしております!ヨロシクオネガイシマス!
第1章 ボス戦
『大魔王第五形態『モルトゥス・ドミヌス』』
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POW : 『貴様らの攻撃は我が肉体には届かぬ』
無敵の【全身を包む『裁定者』のオーラ】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 『己の力にて滅びるがいい』
【ユーベルコードをも『喰らう』両手】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、ユーベルコードをも『喰らう』両手から何度でも発動できる。
WIZ : 『裁定者に仇為す者には災いあるのみ』
【悪意と魔力に満ちた言葉】を向けた対象に、【放った言葉を現実化すること】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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アンネリーゼ・ディンドルフ
アドリブ連携大歓迎
SPD
「必ず先制攻撃ですか」
アンネリーゼは思案する
モルトゥス・ドミヌスのユーベルコードのうち、『己の力にて滅びるがいい』は、こちらのユーベルコードを受け止めてコピーしたこちらのユーベルコードを我がものとして使うらしいです
つまり、発動してもそれ自体が直接こちらに何かするものではないということです
「それではこのユーベルコードで対抗しましょう」
相手の攻撃は見切りで回避しつつ問答無用でユーベルコードを放ち、モルトゥス・ドミヌスの急所への攻撃を試みる
「このユーベルコードはオブリビオン相手にしか効果がありませんよ?」
ソラスティベル・グラスラン
ふふふ…それでこそです
物語の勇者たちは、絶望の戦いから幾度となく勝利を収めた
ならばこれも…勇者を目指す道で避けれ得ぬ、越えるべき試練なのです!!
今までの戦いと同様に、正面から一歩
オーラ防御で守り、第六感・見切りで攻撃が弱い場所へ跳ぶ
怪力・盾受けで受け流し、気合いで耐える!
どうしました、大魔王よ
わたしはまだ『立っています』よ!!
継戦能力で何度でも耐え、燃え滾る【勇気】を胸に一歩ずつ前進
見た目は無防備に見える防御重視の【勇者理論】
着実に距離を詰め恐怖を与える
わたし一人倒せない、貴方の『裁定』はその程度なのですかッ!!
無敵を否定、恫喝し更に彼に恐怖を
貴方たちが始めた戦いです…退くは許しませんよぉ…!
茲乃摘・七曜
心情
強大であろうとも引けませんね
指針
言葉の魔力と悪意を浄化し現実化を阻害する
Angels Bitsとの三重の輪唱で破魔の力を込めた水蒸気で周囲を覆い、大魔王の悪意を希望を込めた歌声で塗り潰してゆく
「アルダワ魔法学園の為にも、揺らがない姿を示しましょう
行動
両腕の動きに注意してPride of foolsでの射撃戦
腹部の結晶、触手脚、邪巨翼と大魔王が攻撃する動きに合わせて各種属性弾を撃ち込んでゆく
また、息を吸い込む挙動に警戒し言葉を放つ動作にあわせ口への射撃を狙う
※『流転』は攻撃に織り交ぜ魔導杭を撃ち込み備え、仲間の攻撃の機会を作るように使用
「厳しい戦いであろうとも、必ず勝機を見つけて見せましょう
大豪傑・麗刃
わたしの攻撃はきみには届かないと。
それはいいのだが、どうやってわたしを攻撃するのだ?守ってばかりでは勝てないのだ!
本当に攻撃が来たらユーベルコード解禁までひたすら逃げる。
存在感を持った残像で疑似的分身をばらまきながら、フェイントしながらのひたすらダッシュ。
解禁後は。
残念だがきみは弱い!
だってきみ自身の技がそれを示しているのだ。
裁定者のオーラ。
そう!
きみは
最低者!!
……
今、わたしのギャグできみは笑った(あるいは白ける、怒る、あきれる、ずっこける 等)だろう。
すなわち!!
わたしの攻撃は
たしかにきみに届いた
これで精神的に相手をゆさぶり、わずかに抱いた能力への疑念を無理やり広げてあとは刀で斬る。
リア・ファル
POW
アドリブ共闘歓迎
「恣意なる裁定者はその責を果たさず!
今を生きる誰かの明日の為に。ボクはキミに挑む!」
オーラか、まずは囚われないように立ち回ろう
「演算開始……暫くは鬼ごっこだ、イルダーナ!」
オーラ…魔術やら起源は数あれど即ち、エネルギーだ
『イルダーナ』で距離を離しつつ、構成要素を解析把握
(時間稼ぎ、操縦、空中戦、逃げ足、視力、情報収集、学習力)
ボクの攻撃をキミに届ける必要は無いのさ
そのオーラに反粒子をぶつければ……対消滅を起こす
演算結果から精製した反粒子を弾丸に込めて
『セブンカラーズ』から放つ!
(スナイパー、全力魔法)
オーラが途切れたら、一気に接近し
UC【銀閃・次元斬】で追撃!
●『無敵』の『防御』
大魔王第五形態『モルトゥス・ドミヌス』が待つファーストダンジョンの心臓。
「『貴様らの攻撃は我が肉体には届かぬ』」
裁定者は全身を無敵のオーラで包み、猟兵達からの攻撃に備える。
「『己の力にて滅びるがいい』」
次にユーベルコードを『喰らう』両手を前にかざし、猟兵から受けるユーベルコードを我がものとする準備を整えた。
優先順位では無敵のオーラで攻撃から防御、防御がもしも崩れた時にはユーベルコードを『喰らう』という順になる。
●『言葉』を『覆す』
「わたしの攻撃はきみには届かないと。それはいいのだが、どうやってわたしを攻撃するのだ?守ってばかりでは勝てないのだ!」
「『何』?」
大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は武人の家系の剣豪である。歴代当主は奇人変人揃い。まともな当主たれ、と願われて生まれてきた麗刃は実際、歴代でもトップの変人に育ってしまったようだ。
「『裁定者に仇為す者には災いあるのみ』」
モルトゥス・ドミヌスには猟兵達へ攻撃する手段がある。悪意と魔力に満ちた言葉を現実化する能力だ。
「『我が前』に『ひれ伏せ』」
「なんだって?……身体が思うように動かない!」
麗刃は抵抗することが難しい魔力の言葉により、大魔王の前に膝をつく。次の一言で麗刃の命運が決まる、という時。
「アルダワ魔法学園の為にも、揺らがない姿を示しましょう」
鍔の広い帽子で目元を隠した黒衣のミレナリィドール、茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)が浮遊する小型の蒸気機関式拡声器・Angels Bitを舞わせて、破魔の力を籠めた水蒸気で大魔王を覆う。
水蒸気の向こうから大魔王の声は伝わりにくく、拡声器を通した三重の輪唱がモルトゥス・ドミヌスの悪意の声を塗りつぶしていく。
「動けた」
麗刃の身体に自由が戻る。これで魔力の声は封じる事が出来た。しかし、モルトゥス・ドミヌスは防御に特化している。まだ身を覆う無敵のオーラを晴らさねばいけない。
麗刃は拡声器を借りて声を放つ。
「残念だがきみは弱い!だってきみ自身の技がそれを示しているのだ」
「『意味』が『理解』出来ない」
「裁定者のオーラ。そう!きみは……最低者!」
麗刃のユーベルコード【ネタキャラとしての矜持】はギャグを放って対象の平常心や戦闘に挑む意思を崩す。魔王が白けたことで無敵のユーベルコードが僅かに薄れた。だが魔王は未だその事実には気付いていない。
「続けよう」
場の空気が凍りついたところで、機動戦艦ティル・ナ・ノーグのヒューマンインターフェースを務めるバーチャルキャラクター、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)が制宙高速戦闘機・『イルダーナ』を駆る。
「恣意なる裁定者はその責を果たさず!今を生きる誰かの明日の為に。ボクはキミに挑む!」
魔王の攻撃手段はユーベルコードのみではない。モルトゥス・ドミヌスは下半身の触手を蠢かせて攻撃を放ってくる。
「演算開始……暫くは鬼ごっこだ、イルダーナ!」
触手が蠢きリアを追う。追いつきそうで追いつかない。
「『邪魔』だ『小童』!」
「オーラ、魔術、起源は数あれど即ち……エネルギーだ」
イルダーナで回避を続けたまま構成要素の解析を試みる。いくら物理の法則を越えたオーラといえど、対になる物はあるはずなのだ。
「演算結果、精製!ボクの攻撃をキミに届ける必要はないのさ」
オーラと対になる反粒子を精製。弾丸に込めると呪文を封入した銃弾を放つリボルバー・『セブンカラーズ』から射撃。
「『足掻き』は『無意味』と『識る』がいい!」
射撃された反粒子は裁定者のオーラに命中すると対消滅を起こした。エネルギー量は少ない。一時的にオーラが途切れた、というところだ。
急速接近するリアだが、モルトゥス・ドミヌスはすぐにまた裁定者のオーラを纏う。しかし、魔王の思念に疑念がひとつ。
「『一時的』に『破られ』た『我』が『守り』、『理解』が『及ばぬ』」
能力に疑念を抱くと大幅に弱体化する裁定者のオーラ。
勇者を目指すド根性ドラゴニアンのソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)が魔王へ攻撃を向ける。
「物語の勇者たちは、絶望の戦いから幾度となく勝利を収めた」
魔王の脚部触手へ巨大な斧を叩きつける。無敵のオーラに弾かれる斧を怪力で制御して姿勢を立て直すソラスティベル。
「ならばこれも…勇者を目指す道で避けれ得ぬ、越えるべき試練なのです!!」
めげない勇者は幾度も触手へ斧を振るう。あしらうように触手が動くが、ソラスティベルは盾で攻撃を受け流した。
「どうしました、大魔王よ。わたしはまだ『立っています』よ!!」
「……」
盾で受け流し損ねた触手に弾かれても立ち上がる。ユーベルコード【勇者理論】、不屈の勇気で一歩、また一歩と魔王に近付いていく。
「『立っている』、『何故』に『幾度』も『立ち向かう』のだ」
跳躍したソラスティベルは魔王の眼前で言い放つ。
「わたし一人倒せない、貴方の『裁定』はその程度なのですッ!!」
その言葉が魔王の疑念を確かなものにした。裁定者のオーラは今や完全に晴らされた。
「ヌゥ……『喰らう』ための『両手』を」
しかしソラスティベルの攻撃はユーベルコードではない。巨斧の一撃を防いだ両手が負傷。魔王にはじめて攻撃が通った。
「喰らう両手、ですか」
アンネリーゼ・ディンドルフ(オブリビオン料理研究所の団長・f15093)、エルフの森を故郷にもつグールドライバーは先制する大魔王のユーベルコードに対し思案した。
「こちらのユーベルコードを受け止めてコピー、そして我がものとして使う。それではこのユーベルコードで対抗しましょう」
「『喰らう!」
アンネリーゼが放ったユーベルコード【Time's Arrow】は『「失われた過去の化身」の時を進める光の矢』で敵を攻撃する。両手でユーベルコードを受けた魔王だが、この攻撃はオブリビオンに対してしか効果を与えない。
「このユーベルコードはオブリビオン相手にしか効果がありませんよ?」
逆に時が進んだ魔王は弱体化。過去に猛威を奮った者であれば今に近付くほど弱まるのは道理。
「これで魔王の防御が途絶えました。皆さん、攻撃を」
アンネリーゼの光の矢は魔王の腹部中心にある水晶状の器官へ次々と放たれている。触手脚、邪巨翼を動かして反撃を試みる魔王だが、七曜が二丁の拳銃・Pride of foolで各部に属性弾を撃ち込む。
「『無力』な『銃弾』!『我が身』は『不滅』!」
発言の際にも口内へ銃弾が撃ち放たれる。ユーベルコード【封印術式『流転』】で魔王の全身に七曜を象徴する杭を放ち、魔導回路からの封印術式でモルトゥス・ドミヌスの動きを封じた。
「厳しい戦いであろうとも、必ず勝機を見つけて見せましょう」
「……煌めき奔れ銀の閃き!」
リアのユーベルコード【銀閃・次元斬】、魔剣型多元干渉デバイス・『ヌアザ』の斬撃が魔王の両邪翼を切断。触手脚で抵抗するも、斬撃が触れた箇所から続々と切断される。
「『万に一つ』も『勝ちの目』は『無し』!」
魔王が一喝すると衝撃波が放たれ、猟兵達は後退した。
「その言葉、そっくり真実になりますよ……大魔王!貴方にとって!」
退く事を強いられたソラスティベルが言い放った。ここで一度に決めたいところだが、魔王は済んでのところで健在である。
大成功
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ルルチェリア・グレイブキーパー
≪絆≫
アドリブ歓迎
敵の「悪意と魔力に満ちた言葉」を受け負の感情が増幅し
仲違いしてしまうわ
だけど私達は喧嘩する勢いでお互いの寂しさ不安等の本音をぶつけ合い
仲直りするの
私の事なんかホントはどうでも良いんでしょ!
そんな事言いながら、他の親友さんと遊んでる方が楽しいんでしょ!
シホを待っている間、どれだけ寂しかったと思ってるのよ!
怒りに任せて術者なのに肉弾戦で喧嘩(へなちょこ)
ううん、私こそごめんなさい
私はシホと一緒に居たい
私は…私を信じてくれたシホを信じるわ!
シホがUCで私の負の感情を和らげてくれたら、
私はUC【サモニング・ガイスト】で古代の戦士を召喚
敵を槍で貫き炎で焼き尽くすわ
もう頭に来たのよ!
シホ・エーデルワイス
≪絆≫
アドリブ歓迎
敵の言葉で
最近ルルに寂しい思いをさせた罪悪感が増し
体が動かなくなる
ルルに私を殺させてはいけない!
という<覚悟と呪詛耐性や狂気耐性で私に催眠術>をかけて
必死に正気を保つ
攻撃は<オーラ防御>で受止める
違います!ルルは私にとって無二の親友です!
ルルはルルです!
他の誰とも替えのきかない大切な心の支えです!
…ごめんなさい…
親友なのに傷つけてしまって…
ルルの死霊術で私の魂を繋ぎ留め…させちゃダメ!
私だてルルともっと一緒に色々な事をして過ごしたいです!
ルル
私はルルを信じますだからお願いルルも私を信じて!
ルルに<破魔の祈り>を込めた【終癒】を放って
負の感情を取り除き呪縛を解く
やっちゃえルル!
●『喧嘩』と『仲直り』
「『我が言葉』を『然と』『耳に』せよ!『不満』で『不安』で『心を満たせ』!」
悪意と魔力に満ちた言葉が猟兵達に向けられる。ルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)はキマイラの墓守、寂しがりの強がり。
シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)はオラトリオ。異世界の自分から記憶を託された人助けを重視する聖者だ。
「私の事なんかホントはどうでも良いんでしょ!」
不満と不安に心が満たされたルルチェリアは思わずシホへと罵声をぶつけた。一方のシホはルルチェリアへと寂しい思いをさせた事から来る罪悪感で動く事すら叶わず。
先に敵の呪言から解放されたのはシホだ。必死に正気を保ち、怒りに任せてぶつかってくるルルチェリアを受け止めた。ルルチェリアはシホをポカポカと叩く。痛みはない。
モルトゥス・ドミヌスからすれば愉快なことだ。猟兵たちは勝手に同士討ちを始める。手を下すまでもない。
「違います!ルルは私にとって無二の親友です!」
「そんな事言いながら、他の親友さんと遊んでる方が楽しいんでしょ!」
シホは正気を保つ事に注力している。不安と不満の中から出てくる声。紡ぐ言葉は自らの意思とも関係なく本心から出たものだ。
「ルルはルルです!他の誰とも替えのきかない大切な心の支えです!」
「……シホを待っている間、どれだけ寂しかったと思ってるのよ!」
ルルチェリアは制御出来ない感情をシホに叩きつける。
シホの心の中によぎる一つの思い。傷付けてしまった親友。いっそ死霊術で自分の魂を繋ぎ留めさせて……。
「ダメ!私だってルルともっと一緒に色々な事をして過ごしたいです!」
「私の方がもっと、もっと一緒に色々な事をしたいんだから!……私、シホのこと……本当に信じていいの?」
その言葉を聞いてシホの意識が集中した。ユーベルコード【【終癒】死者へ捧げる弔いの祈り】で負の感情を和らげる優しい光を纏って、ルルチェリアを抱きしめるシホ。
「ルル……、私はルルを信じます。だからお願い、ルルも私を信じて!」
温かな光が二人を包む。
「ごめんなさい……私はシホと一緒に居たい。私は……私を信じてくれたシホを信じるわ!」
果たして本当のいユーベルコードの効果なのだろうか。二人の負の感情は消え、心の苦痛は晴れて穏やかな気持ちが湧き出てくる。
「頭に来たわ、あいつを焼き尽くして……シホと一緒に帰るんだから!」
ルルチェリアが地面に手を着く。ユーベルコード【サモニング・ガイスト】により、大魔王に敗れ去った古代の戦士を召喚。一人のみならず続々と蘇る古代の戦士。
「『彼奴ら』、『かつて』『我に』『仇為した者』!」
古代の戦士たちはかつての雪辱戦とばかりに炎を纏った槍を大魔王へ投げつける。ルルチェリアの死霊術が古代の戦士に力を与える。
「信じてくれてありがとう……やっちゃえ、ルル!」
「任せて!」
シホがルルチェリアの手を強く握る。古代の戦士はますます燃え上がり、大魔王に向かって行くと炎を纏った槍でその胸を貫いた。
「グオォ……『不安は』、『不満は』、『何処』に『消えた
』……!?」
「親友同士はね!お互いの本音をぶつければ仲直りできるものなのよ!!」
モルトゥス・ドミナスの知らない「感情」という気持ちの中でも特別、理解の遠い「友情」。二人の友情に魔王の悪意の声はかき消された。
大魔王は全力で衝撃波を放ち、古代の戦士と猟兵二人を吹き飛ばす。シホの手がルルチェリアのか弱い腕を掴み、共に安全圏まで飛ばされていく。
大成功
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ラティナ・ドラッケンリット
私を相手に防御を取ったな
防御に切札を使ったこと後悔させてやる
我が一族の戦技は元々守りを固めた相手を討ち倒す為のもの
敵の攻撃を間合いの内側に潜り抜けたと思えば距離を取り
足を使ったヒット&アウェイで翻弄する
断山戦斧『しゅとれん』
穿竜槍『たると』
屠竜刀『まかろん』と武器が弾かれたら躊躇なく持ち替え
守護者『しょこら』や豆の木の種を投擲して
武器を回収する隙を作り間断なく攻撃を続ける
お前の想像と私の信念
どちらが上か根比べだ
帝竜を狩る為には何者をも討ち滅ぼす力が必要だ
大魔王、お前には試金石になってもらう
あと何発耐えられる?
何百、何千と繰り返してやる
私の体力切れは期待するな
死ぬまで付き合ってもらうぞ
連携歓迎
ユスト・カイエン
途方もなく強大な相手だけど、勝てない相手じゃない。
無敵の存在なんてものはない。
おまえの自信に傷が付くまで、何度でもこの剣を振るおう。何度でもだ。
魔王斃すべし。 ……その力は僕たちと共にある。
……ところで便利そうなものがあるじゃないか。
おまえだけが使うのは勿体ないな。僕も借りるとしよう。
先制攻撃で飛んでくるオーラを【念動力】で強引に偏向させ、【武器受け】で防ぐ。
防ぎ切れないものは【激痛耐性】で痩せ我慢、【勇気】を振り絞り、繰り出す【鎧無視攻撃】で立ち向かう。【空腹耐性】【継戦能力】で粘り根比べをするかの如き長期戦に持ち込みつつ、動力炉の魔力を利用、フォースセイバーの威力を【限界突破】し強化する。
玉ノ井・狐狛
ほかのヤツらとは違って、「それっぽい」ナリの魔王サマだな。
🛡
言葉の現実化って言うと何とも御大層な話だが。
要は「消える魔球」みたいなモンだろう? 原理がわかれば、やりようはあらァ。
魔力の動きを可視化し、やっこさんの攻撃が具象化するより先に回避する。
⚔
さて、ウワサの動力炉とやらを検めよう。
まるごと吹っ飛ばす花火なんざおっかねぇ、さすがに火ィつけたりはしないが。
UC使用、炉に干渉して――そこの大魔王サマへの供給ラインを遮断する。
何せ王サマだ、外部供給がなくとも自前のだけで動けはするんだろうけどよぅ。
……その状態で、腕利きどもの相手をどれだけできるかねぃ?
●『卓抜』した『技量』
「私を相手に防御を取ったな。防御に切札を使ったこと後悔させてやる」
「途方もなく強大な相手だけど、勝てない相手じゃない。無敵の存在なんてものはない」
『竜殺し』と畏れられる一族の出である、ラティナ・ドラッケンリット(ビキニアーマー道の冒険者・f04425)が戦斧を手に取る。
銀河帝国を裏切り、放浪の末にダークセイヴァーの老騎士に教育された闇のフォースナイト、ユスト・カイエン(終の紅刃・f24320)は戦闘用つるはしのザグナルを地面に突き立てる。
「おまえの自信に傷が付くまで、何度でもこの剣を振るおう。何度でもだ」
「『ならば』『潔く』『死』を『選べ』!」
モルトゥス・ドミヌスの目が輝き、悪意に満ちた呪言を向ける。
「『真実』となる『裁定者』の『言葉』!『汝ら』『無力』と『識れ』!」
「……言葉の現実化って言うと何とも御大層な話だが」
洞察力、霊感、符術や瞳術に長けた代理賭博師の妖狐。玉ノ井・狐狛(代理賭博師・f20972)が向けられる言葉の『魔力』を可視化し、二人を引っ張り呪言から回避させる。
「要は「消える魔球」みたいなモンだろう?原理がわかれば、やりようはあらァ」
魔力で隠され、増幅されただけの強制力が高い命令と解釈した狐狛。魔力の筋道を瞳力で見抜き、指向性から猟兵達を免れさせた。
「さて?あとはやっこさんの無敵のなんちゃらだが?」
「我が一族の戦技は守りを固めた相手を打ち倒す為のもの。任せてくれ」
「オーラ、要するにフォースみたいなものだ。借りるとしよう」
ユストは念動力でモルトゥス・ドミナスのオーラを強引に偏向させた。オーラが手薄になっている部位を狐狛が瞳力で視て、ラティナに伝える。
「両腕がお留守だぜ」
「ありがとう、行ってくる」
接近、敵の触手脚を伝って右腕部に辿り着いたラティナは断山戦斧『しゅとれん』を叩きつける。弾かれた衝撃を利用して穿竜槍『たると』に持ち替え、空中で姿勢を立て直して狐狛のもとへと着地。
「次は触手だ」
「わかった」
ユストが念動力を使って強引にオーラをコントロールしている間、ラティナは槍で突進して弾かれれば持ち替えるヒット&アウェイ。
「お前の想像と私の信念、どちらが上か根比べだ」
屠竜刀『まかろん』を携えると再びオーラが手薄な箇所へ切りかかり、投擲や白兵戦での用途を想定されたバックラー・守護者『しょこら』を投擲。次々と地面に落ちた武器を回収・使い分けてモルトゥス・ドミナスへ攻撃していく。
「ヌゥ……『手数』が『多い
』……!」
「何百、何千と繰り返してやる。私の体力切れは期待するな」
魔王は攻撃から身を守るだけで手一杯の様子、このままでは徐々に不利になるのではないか。そう思った瞬間、無敵のオーラは一括で弱体化。
「視えた、オーラが手薄だぜ」
狐狛の一言でラティナは断山戦斧『しゅとれん』を手に魔王の左腕へと駆け上る。
「帝竜を狩る為には何者をも討ち滅ぼす力が必要だ。大魔王、お前には試金石になってもらう」
今が攻撃の機、とユーベルコード【グラウンドクラッシャー】を叩きつけるラティナ。モルトゥス・ドミヌスの左腕が破壊されて地に落ちる。
「さて、こっちがウワサの動力炉か。さすがに火ィつけたりはしないが……ちょいと検めさせてもらうぜ」
瞳力でモルトゥス・ドミヌスへ力を与えている魔力の供給ラインを見つけると、ユーベルコード【佰器夜行】による術符を動力炉に貼り、一部をしばらく式神に変換。操作する。
「せっかくだ少年、この魔力を使え」
「少年じゃない、ユストだ」
狐狛は動力炉からの魔力をユストに供給。部分的とはいえ、膨大な量の魔力がユストに流れ込む。
「……この剣を見せたからには、死んでもらうという事だ」
彼は『フォースセイバーを使わない』という自身に課した誓約を破る。三叉のフォースセイバー、魔剣プルガトリオが限界を超えた出力を発揮。モルトゥス・ドミヌスの中心部、結晶状の物体に十字に長く伸びた光の刃を突き立てた。
「グアァァ!!『我』が『敗れる』!?『裁定者』の『敗北』!?」
「言ってたよな、『万に一つ』も、『勝ちの目』は、『無し』ってなァ」
狐狛が軽薄に笑う。皮肉にも、裁定者の宣言は真実となった。自身にとって『万に一つ』も『勝ちの目』は『無し』と。
胸部を貫かれたモルトゥス・ドミヌスは崩壊、ぼろぼろと崩れ落ちて消滅していった。
●『炉心』は『安全』
狐狛がユーベルコードを解除する。長時間、動力炉を抑えておくと魔力がどう溢れ出るかもわからない。
ユストは先に流れ込んだ魔力のあまりの大きさに疲労して地面に膝を着いた。ラティナが彼に肩を貸す。
「ユスト、よく耐えたな」
「おう、アレだけの魔力を受けてまだ生きてるとは大したもんだ、少年」
「少年じゃない、ユストだ。……死ぬかもしれないような事をさせたのか?」
狐狛は冗談とも取れるような笑いを向けた。とりあえず生きている。今はそれで充分じゃないか。
大魔王第五形態、モルトゥス・ドミヌスの討伐に成功。いよいよ直に最終形態との戦いになる。猟兵達を待ち受ける最終形態とは、如何なる姿で如何なる戦闘を行ってくるのだろうか。アルダワを揺るがす魔王戦争も、終結が近い。
大成功
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