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百万のラブストーリーを捧げよ

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●強欲な耳の石像
「困ったら猟兵に頼れっていうのが最近の鉄則、だよね」
 妙なフレーズからフィンブル・テュール(オラトリオの聖者・f01804)は話を始めた。実はアルダワ魔法学園の迷宮に新たなトラップが発見されたらしいのだ。
「偶然発見されたみたいなんだけどとっても奇妙な部屋があるらしいんだ。でも、そこを通過しないと到達できないダンジョンの奥があるはずだから、挑戦して欲しい、かな? そんなに難しことじゃないみたいだしね」
 と、フィンブルは言う。
 その部屋に行くのはとても簡単で敵も罠もない。重い石の扉は最初に見つけた者たちが破壊してしまって残骸となっているから出入りは問題なく出来る。内部はガランとしていて学校の教室ぐらいの大きさがあり、中央には大きくてきれいな石像がある。
「エルフみたいに長くてクリスタニアンみたいなキラキラな耳の像なんだよ。どうもその耳自体がこの部屋のギミックで、素敵な恋愛物語を聞かせてあげると満足してダンジョンの奥に通じる道が出現するようになるんだけど、初々しくて甘酸っぱい青春! みたいなのがレアな物語が大好物、かな?」
 誰かそんな素敵なお話を知っている者はいないだろうか、とフィンブルはあたりを見回す。
「耳はお話を聞いて満足すれば道を示してくれる。だから危険は全くない安全な事案だよ。誰かから聞いたお話でもいいし、実体験でも構わない。素敵な物語のストックがある人、提供してもらえないかな?」
 ただし、聞かせたお話は誰もが閲覧できる報告書にも記載されるので広く万人に知られてしまう可能性がある。
「秘密も匿名性も守れないけど、それでもよかったらお願いしたい、かな?」
 相変わらず妙な語尾をつけつつフィンブルは言った。


霧原澪
 2019年もよろしくお願いします。

 皆さまにはラブラブなお話を披露していただきたいと思います。ネタはなんでも構いませんが、みんなが知っているようなお話では耳は満足してくれません。ネットから拾ってくるのもナシで、創作か実体験など誰も知らないぐらいのお話を石像の耳に聞かせてやってください。
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第1章 冒険 『愉悦を喜ぶ耳の間』

POW   :    ソウルフルに熱意を込め歌い話す。

SPD   :    論理的に、もしくはテクニカルに歌唱し述べる。

WIZ   :    情感豊かに歌い上げ、色褪せぬ思い出の如く語る。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ファリド・ローズブレイド
こういうところに、私の仲間になれるような「者」がいそうですね。

「はじめまして、美しい人。
私の話をきいてくれるかな?」

昔、漠然とした目的のみを持って生きる意味さえ持たず世界を旅していた少年が、誰からも愛されてるが故に孤独な子と出会った瞬間に、この子のために生まれてきたのだと悟ったお話しだ。
その子も伸ばした手を縋るように握ってくれた。
絶対にその手を二度と離してはいけないと、お互いに思ったんだ。

その世界からその子の手をとり抜け出して、今は共に暮らしているそうだよ。

……君が望む恋愛なるものではないかもしれないが、そこには二人だけの信頼と愛がある。
少しは君の心の糧になってくれただろうか?



●この世界のどこかに
部屋に入るとすぐに充満する濃厚で異質な雰囲気を感じる。それまでの通路とこの部屋の中とでは明らかな違いがある。その元凶は中央に鎮座している綺麗な石の大きな耳だ。
「こんな場所にいたなんて知りませんでした。逢えてよかった」
ファリド・ローズブレイド(科戸風・f10313)はオパールの様に煌めく瞳を石の耳へと向け、切なる期待をにじませ人間と会話するかのように言葉をかける。
「はじめまして、美しい人。私の話を聞いてくれるかな?」
耳の形をした石からの返事はないが、ファリドは了承を得たかのように物語を語り始めた。
「昔、どのくらい昔かわからない程遠い昔、旅を続ける少年がいた。どこから来て、どこへ行くのか。目的さえ忘れてしまった遠い旅路に果てに少年は運命のヒトに出会う。その瞬間、少年はその人に会うために生まれてきたのだとわかった。そのヒトは誰からも愛されえているがゆえに誰の特別でもなく、誰も選べない孤独なヒトだった。2人の孤独は混じり合い満たされえた。少年が伸ばした手をそのヒトも握り返した」
ファリドはたった一人の聞き手である石の耳へと視線を巡らす。
「少年はそのヒトを世界から引き寄せ、2人はずっと幸せに暮らしたそうだよ」
石はひっそりとしている。
「君の望む恋愛なるものではなかったかもしれないけれど、そこには2人だけの信頼と愛が確かにある。少しは君の心の糧になってくれただろうか?」
ファリド自身が物語の中の旅する少年であるかのように、優しい瞳で石を見て言った。

成功 🔵​🔵​🔴​

欄干橋・ヒカタ
恋物語が好きなのは、ヒトだろうとドールだろうと像だろうと…ね。
一番きゅんとした話を歌ってあげる(WIZ)。

「折角だから『耳』のお話よ」
.
旅の資金稼ぎに街で歌っていると
少年と少女に出逢った
風が髪を掠い、少女の耳元に覗く小さな機械

何故そんな彼女を詩人の前へ?
戸惑う彼女に、少年は楽しそうに歌詞を手話で伝えていた
彼女の表情が優しくなっていく

曲が終わると二人は拍手をくれ
少年はポケットからイヤリングを取り出す
耳を隠そうとする彼女に向かって彼は大声で

「好きだ」
と叫んだの

瞬時に理解した彼女は頬を真っ赤に染め
頷くのがやっとだった
.

わかる?ありのままが好き、ってとっても素敵よね。
いずれまたあの子たちに会いたいわ。



●歌は空気を伝わるのではなくて
 次にその部屋に入ってきたのは不思議な色の髪を耳を隠すぐらいの長さで切りそろえたミレナリィドールだった。
「せっかくだから『耳』のお話よ」
 欄干橋・ヒカタ(日かげ日なたと飛びにけり・f05881)は赤い薔薇に似た鮮やかな色の唇を開く。
「もうずいぶん前になるわね。ワタシが路銀稼ぎにちょっと羽振りのよさそうな街で歌っていた時のことよ」
 ヒカタはやや視線を遠くへと向ける。その時の情景を思い浮かべているのだろう。
「明るい目をした少年と美しいけれどどこか憂いを帯びた少女がワタシの前で止まったの。少女の髪を風がさらうと、そこにはあまり似あっていない機械があって。ワタシ、どうしてそんな彼女を詩人の前に連れてきたのかしらって不思議だったの。でも、少年は楽しそうに歌詞を手話で伝えるの。大きな身振り手振りにだんだん少女の表情が変わっていくの。とっても嬉しそうに、優しそうに」
 ヒカタは嬉しそうに言う。
「そうよ。そんな風に喜んでくれるなんて、詩人冥利に尽きるもの。ワタシだって嬉しかったわ。でも、それだけじゃないの」
 曲が終わると少年と少女は盛大に拍手をしてくれた。すると、少年はポケットからそっと何かを握り、少女の前で手を開いた。華奢なイヤリングだった。あれほどの微笑みが少女から消え、彼女は両手で自分の両耳を髪ごと押さえる。
「その時、少年が叫んだの。もうすっごく大きい声で『好きだ』って。ほんの少しだけ時間が経って、それから彼女は頬を真っ赤に染めて……うなずいたのよ」
 ヒカタは今、唯一の聞き手である石の耳に微笑む。
「わかる? ありのままが好き、ってとっても素敵よね。いずれまたあの子たちに会いたいわ」
 ヒカタは自分も髪ごと耳を押さえ、淡く笑って言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウレリア・ウィスタリア
WIZ
普段は顔を隠すためにつけている仮面
でも歌を奏でるならこれは外しましょう

これはボクの……私の魂に刻まれた歌

狂気に染まった少女
彼女が恋をして、その恋を受け止めた騎士
恋に救われた少女の狂気は祓われ
どこか自信のなかった騎士は
彼女を守るために強く成長していった
やがて二人は結ばれて、そして幸せに、幸せに暮らし、ました……

これが実際あったことか、ボクにはわからない
でも二人の想い、二人の愛はきっと存在したのだと
そうボクの胸のなかに残されています

ボクは歌い、天騎士と魅魔は楽器を、コーラスを奏でる
これが私の理想
優しい世界の理想

アドリブOK



●歌劇・魂の歌
 それは本当に勇気のいることだった。他の人ならば何気ない行為だとしても、アウレリア・ウィスタリア(瑠璃蝶々・f00068)にとって、素顔を晒すのは心の中の全てを誰彼かまわず見せてしまうことにも似たことだった。けれど、震える指先を必死に押さえ、アウレリアは黒猫の仮面を外した。狭められていた視界がぱぁっと広がり、世界が光に満ちていることがわかる。こんな迷宮の一室だとしても、だ。
「これはボクの……私の魂に刻まれた歌」
 琥珀色の瞳は優しく、唯一の聞き手である石の耳を見つめ、ささやくようにそう告げる。アウレリアが力を使うと彼女と同じ姿でありながら、その背に負う翼の色だけが違う琥珀の天騎士と紫の魅魔とが現れる。

「心が震える。揺り返し戻らない少女の心。あぁ、それでも少女は恋をする。彼女の心を占めるのはいつしか愛しい殿方だけ。実らぬ恋と諦めて、でも燃える思いに身を焦がす」
 白と黒、もう二人のアウレリアが伴奏しコーラスを添える。
「少女が恋で心をつなぎとめた。そして思いは愛しい人に伝わり振り向かせる。それは清廉なる騎士。けれど年若く高潔なる魂は柔らかく弱い。少女に思われ愛する人を得たことで、騎士の心は強くなる。あぁ、稀有なるか二人の物語」
 ひときわ伴奏とコーラスが強く間奏を奏で、ソリストである本当のアウレリアは静かに息を整え石を見る。
「100の恋人たちがいたとして、100の恋は実らない。けれど少女と騎士は心を強く鍛え上げ、そして二人は結ばれて、末永く幸せに暮らし、ました……」
 歌が終わると二人のアウレリアも消え、静寂が戻ってくる。頬を仄かに染めそっと息を吐いたアウレリアは面を顔に戻す。
「これが実際あったことか、ボクにはわからない。でも二人の想い、二人の愛はきっと存在したのだと、そうボクの胸のなかに残されています」
 夢、あるいは理想なのだと笑って言った。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
……

【WIZ】

ある所に聡明な女がいた
魅力的な彼女は真に愛されたことがなかった
かたや思索好きな男
彼らは夜通し語り合った

運命
神の存在
生きる意味について

【真実の愛は存在するか?】
ある日男が問いかける
女は否定した
その身の経験を持って
ならば覆してやろう
男が笑った
彼なりの変わったプロポーズ

共に起きて
共に笑い
共に泣き
共に寝る
ささやかな喜び 平凡な日常

終わったのは一瞬
奪われる命
男の亡骸は女を庇うように
被さる
安らかな寝顔

終わらぬ嘆きと
感謝の後
彼女は祈った

いつか遠い未来の果て
数えきれない星達ほどの世界の果てに
また、貴方と私が生まれて出会い
愛し合う奇跡の日まで
私の愛を、貴方に捧げる

彼女はそれから
ずっと男と共にある



●最後の唄
「あなたに物語を聞いてもらうのは、ここでよろしいでしょうか?」
 鈴木・志乃(ブラック・f12101)は夕陽色にも金木犀の花の色にも似た不思議な色の瞳を石の耳へと向けて問う。石は肯定の言葉を発することはないけれど、否定もしない。
「では、私の知るお話をお聞かせします」
 志乃は小さく会釈をすると物語を始める。
「ある所に聡明な女がいた。魅力的な彼女は真に愛されたことがなかった。かたや思索好きな男。彼らは夜通し語り合った」
 運命、 神の存在、生きる意味について。二人の会話は途切れることなく続けられる。そうしてある日、男が問いかけた。
『真実の愛は存在するか?』
 女は否定した。その身の経験を持って。ならば覆してやろう、と男が笑った。彼なりの変わったプロポーズ。
「共に起きて、共に笑い、共に泣き、共に寝る。ささやかな喜び 平凡な日常。終わったのは一瞬。奪われる命、男の亡骸は女を庇うように被さる。安らかな寝顔」
 志乃は小さく息継ぎをし、情感を押さえた声を出す。
「終わらぬ嘆きと感謝の後、彼女は祈った。 いつか遠い未来の果て、数えきれない星達ほどの世界の果てに、また、貴方と私が生まれて出会い、愛し合う奇跡の日まで私の愛を、貴方に捧げる」
 石は静かに聞いている。
「真実の愛を否定した女は永遠の愛を捧げるほどに愛を知り、愛を心にともしていた。彼女はそれから ずっと男と共にある」
 いい話でしょう? と、志乃は石に問いかけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラウル・シトロン
真偽不明なんだけど、僕が家族から聞いた話はどうかな?

ある森に一人の狼がいたんだ。
彼は人間を狼の姿に変える病気になってね、感染者は例外なく短命だから絶望して何もかも捨てて森に来たんだ。

ある日、男の前に捨てたはずの恋人が森に現れる。
「あなたをずっと探してた」
そう微笑む恋人を男は拒絶した。
でも、恋人は毎日ずっと男の元へ通ったんだ。
そして、通い続けているうちに彼女の頭に狼の耳が。
男はそれを見て、大声で泣き出した。
「君には俺なんか忘れて、ずっと生きて欲しかった……!」
それに対して、恋人はこう返したんだ。
「私にはあなたのいない長い人生なんて、ただの不幸よ」
こうして、二人の人狼が森で暮らすようになったんだ。


シャルロッテ・エンデ
コイバナを求める迷宮のシカケでちか?

よ〜し、シャルロッテちゃんの
パパとママのお話をきくでち!
WIZ

あたちのパパはイケメンエルフ
ママはびしょうぢょドワーフ
ふたりは、ふとしたきっかけで
パーティを組んだ冒険者でちた

森と地底世界
生まれ育った場所も文化も、全然ちがうふたりは
いつもケンカばかり
でも、イザという時には息ぴったり

退屈な故郷を抜け出し、冒険を求めたふたりは
いつしか離れられない相棒になってたんでちゅ

エルフとドワーフの里は、古いしきたりで
ふたりの結婚に大反対
そこでふたりは故郷をすて、とある雪の街へ

そうして、あたちが生まれたんでちよ!
背丈はドワーフでちけど、耳はエルフっぽいでちょ?
(自分の耳を指して)



●2つの恋の物語
「僕が家族から聞いた話はどうかな?」
ラウル・シトロン(人狼のひよっこ探索者・f07543)は快活に石造りの耳に話しかけた。まるでそこに仲の良い友人がいるかのように。
「ある森に一人の狼がいたんだ」
ラウルはごく自然に狼を『ひとり』と数える。
「彼は、あ、その狼は男性だったんだけど、生まれた時から狼だったわけじゃなくて、人間を狼に変えてしまう病気にかかっていてね。そういう人はみんな短命だったから彼もすっかり絶望して何もかも捨ててしまいたくて森に来たんだ」

「コイバナを求める迷宮のシカケでちか? よ〜し、シャルロッテちゃんのパパとママのお話をきくでち!」
石の反対側、ラウルからは死角になった場所にシャルロッテ・エンデ(暁のびしょうぢょ神官・f12366)がいた。そして目一杯の上から目線で胸を張り、石造りの耳に向かって話し出す。
「あたちのパパはイケメンエルフ。ママはびしょうぢょドワーフ。2人はふとしたきっかけでパーティを組んだ冒険者でちた」
シャルロッテはその『ふとしたきっかけ』にもおおいに興味があったが、今はその詳細な経緯を聞くことはできない。
「とにかく、生まれも育ちも全然違う2人はケンカばかり。でも、イザとなったら息ぴったり。いつしか2人は離れられない相棒になってたんでちゅ」
やっぱり自慢げにシャルロッテは言う。

「ある日、森に別れたはずの恋人が現れた。恋人はずっと男を探していたんだ。。だけど、男は拒絶した。それでも恋人は毎日森にやってきた。本当に会いたくなかったのなら、もっと違う場所に行ってしまえばよかったのかもしれない。でも、男はできなかった、そうしている間に恋人の耳が狼の耳に変わってしまった。それを見て男は泣いた。涙が枯れてしまうくらいに泣いた。自分なんか忘れて恋人にはずっと生きて欲しかったから。でも、恋人は首を横に振った。私にはあなたのいない長い人生なんて、ただの不幸よ、ってね」

「でも、パパとママの結婚はありとあらゆるところから大反対。そこで2人は故郷を離れ、とある雪の街へやってきた。とっても寒いけど人の心は優しい街でちよ。で、そこであたちが生まれたでちよ!」
シャルロットは誇らしげに父と母から受け継いだ種族の特徴を石の耳へと披露する。

「こうして、森では2人の人狼が暮らすようになったんだって」
ラウルは人狼の始祖のお話かもしれないし、そうじゃないかもしれないよと笑顔で言った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 冒険 『探せ!宝の地図』

POW   :    生徒たちをなぎ払いながら地図を見つける

SPD   :    どの生徒たちよりも早く動き、地図をみつける

WIZ   :    生徒たちを罠にかけて動きを封じる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


恋のお話に満足したのか、石の耳が淡く明滅すると壁の一部がガクンと音をたてて開いた。壁を抜けると、そこにはたくさんの学生たちが宝の地図を探していた。会話から察すると、短い者でも7日以上遠回りをしてここまでやってきたらしい。だが、学生たち地図を渡すわけにはいかない。何故なら地図の先にあるのは宝ではなくオブリビオンなのだから。
ラウル・シトロン
まず、【レプリカクラフト】を使って仕掛け罠を作るよ。
仕掛け罠はそうだな――網にするよ。
僕が「地図、見つけたよー!」って大声で嘘を吐いて、それを聞いて来た学生たちの頭上に網が降ってくるようにしよう。

それで、罠にかかった学生たちと話をしようと思う。
地図の話の出所が何処なのかさりげなく聞き出して、事情を話して帰るように説得するよ。

罠にかかった学生たちにとって僕は罠に嵌めて出し抜こうとしようとしている風にしか見えないと思うけど、そこはもう必死に頭を下げて信じてもらうしかないね……。
信じてもらえなくても、多少の足止めになるだろうし……。



●目に見える罠
 少年はほんの少しだけ首を傾げ視線を左上に向ける。何かのテレビかどこかのサイトで考え事をする時には視覚からの情報を制限した方がいいとあった、ような気がする。
「そうだな、どうしようかな?」
 ピンと立った左右の耳が小さく震える。誰かを罠にかけるなら、その人が欲しがりそうなモノを提示してやればいい。今なら、そう……宝箱へと至るためのアイテム、地図だ。
「うん、そうだね。それしかないよね」
 少年はうんうんと小さくうなずき、そして仕掛けを作り手慣れた感じでするするとダンジョンの壁を伝ってより高い場所へと昇って行った。

「おい、あったか?」
「あるわけないだろ。あったらソッコー移動してるし」
「どうだか。別の奴らの足止めしてから異動するんじゃなく?」
「あー、それな!」
 学生たちはてんでバラバラに好き勝手なことを言い合いつつ、あちこちを探している。本当は血眼になって地図を探したいのだが、他の者にそれを見られたくはない。彼らにとって真剣に何かをするということは、限りなくダサくてイケてないことに近いのだ。
 その時だった。
「地図、見つけたよー!」
 誰かの声がした。それまでダラダラとしていた学生たちが向き直り、互いを見る。
「っていうか、誰よ?」
「知るか! とにかく行くぞ!」
 散らばっていた学生たちはその声が聞こえてきた方へと一斉に走り出す。
「あ、あそこ!」
「いたぞ!」
 それほど大きくはない黒髪の少年がひとり、立っていた。その手に何か持っているように学生たちには見えた。
「それが地図か!」
「見せてよ!」
 少年に殺到する学生たち。ふっと後方に倒れるかのように少年が後退し、たった今まで少年が立っていた場所に集まった、いや、集められた学生たちの頭上から大きな網が降ってきた。まさに一網打尽という感じで学生たちは捕縛される。
「ごめんね。これ、フェイクなんだ」
 ラウル・シトロン(人狼のひよっこ探索者・f07543)は申し訳なさそうな表情を浮かべて言う。口々に出せだの、卑怯だの文句を言う学生たちににこっと笑う。
「こんなところにお宝があるわけないよね。どうして信じちゃったかな?」
 琥珀の瞳が心の奥を覗くように静かにきらめく。
「噂よ、噂があったの」
 少女が言った。
「でも、そうだな。こんなところに宝なんて嘘くさいな」
「うん」
 網にからめとられて少し冷静になったのか、一部の学生たちは憑き物が落ちたかのようにぽつんとつぶやく。
「僕の真実はまだ知らないけど、きっとこの先は危ないんだ。だから、今は学園に戻ってくれないかな?」
 ラウルは言った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・エンデ
七人のドワーフ教師と一緒に
シャルロッテ先生の特別授業でち!

みなしゃん、おしずかに!

冒険者のキホン、マッピング実技の
授業をはじめまちゅ

災魔の親玉、大魔王は
誰かがぬけがけして倒せるほど甘くないでち
だから昔の人は、新たな勇者を育てる迷宮をつくりまちた

あたちの故郷には、アルダワみたいな学校がないから
未熟な冒険者が若い命を無駄に散らしてばかり
みんなにはそうなってほしくないでちゅ

まずは手分けして、迷宮の地図を描きあげまちょう
(方眼ノートを取り出し)

何かあやしいのをみつけたら
先生に教えてくだしゃい!
宝の地図は答え合わせ用

ボスは猟兵のみなしゃんが引き受けまちゅ
お宝は、一番見やすい地図を描いた人にあげまちゅよ!



●例えば一種のフィールドワークで
「シャルロッテ先生の特別授業でち! みなしゃん、おしずかに!  冒険者のキホン、マッピング実技の授業をはじめまちゅ」
 七人のドワーフ教師を従え、高らかにそう宣言した琥珀色の女性に学生たちは今までしていたことを中断して向き直った。悲しいかな、学生たるもの、教師という名の上位者に逆らうことはなかなかできない。ともすれば、条件反射的に身体が動いて従ってしまったりするものだ。シャルロッテ・エンデ(暁のびしょうぢょ神官・f12366)はこうした学生たちの心理を巧みについていた。なんとも悪が……いえ、巧妙な頭脳プレイである。
「災魔の親玉、大魔王は誰かがぬけがけして倒せるほど甘くないでち。だから昔の人は、新たな勇者を育てる迷宮をつくりまちた。はい、ここ期末試験に出るところでちから、ちゃんと憶えておくでちよ。 あたちの故郷には、アルダワみたいな学校がないから未熟な冒険者が若い命を無駄に散らしてばかり。でも、みんなにはそうなってほしくないでちゅ」
 ここでシャルロッテ先生はにっこりと屈託のなさそうな笑顔を浮かべた。
「まずは手分けして、迷宮の地図を描きあげまちょう。 何かあやしいのをみつけたら
先生に教えてくだしゃい!」
 シャルロッテと七人の助手たちは手分けして学生たちに方眼紙を配ってゆく。
「ボスは猟兵のみなしゃんが引き受けまちゅ。 お宝は、一番見やすい地図を描いた人にあげまちゅよ!」
 さぁ! キリキリとシャルロッテ先生のために働くがいい、と、思ったかどうかはわからないが、その場にいた9割の学生たちはしぶしぶ従う者もいたし、喜々として動く者もいて、とにかくほぼほぼチョロい感じで彼女の支配下に入っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウレリア・ウィスタリア
うーん、ボクはそんなに大勢の人とコミュニケーションとるのは苦手なんですよね
なので走りましょうか

血人形の数の力で探すのも考えましたけど
それだと無用な混乱を招きそうなので
【合わせ鏡の境界】でもう一人のボクをよんで
二人で室内を駆け回って探していきましょう

暗い場所も暗視で見分けつつ
学生たちの目を掻い潜って探索
走ってる最中に足元から違和感のある音がすれば
そこも調査ですね
隠された穴とかありそうですし

あと発見したときに学生に囲まれるのも嫌なので
血糸レージングも準備しておきましょう
強い力がかかれば切れてしまいますが
血糸で縛れば学生の動きも多少は封じれるでしょう
その間に空に逃げてしまえばいいのですし

アドリブ歓迎



●手加減は難しい
「やっかいな案件ですね」
 黄昏に染まる空の色を映した髪を微かに揺らし、2人のアウレリア・ウィスタリア(瑠璃蝶々・f00068)は2重ながらもシンクロした声を小さく漏らす。ここは学園の地下に広がる迷宮、その中でも少々深い場所だ。並みの学生たちでは到達すら難しい。しかし、中には周到な準備と時間、マンパワーでここまで来てしまった者たちもいる。彼らを出し抜き捜索を完遂するにはこちらもマンパワーが必要、ということで、アウレリアは今、暫定的に2人いる。まるで双子の様によく似ているが、よくよく見れば少し違う。決定的に違うのは背を飾る羽根で……左右の色が逆なのだ。
「ほどよく走ってみましたが、学生たちが邪魔ですべての地面を調べるには至っていません」
「ボクもです。違和感を感じる音や質感はありませんでした。困りましたね」
「しかし……」
「きゃああああああぁぁぁぁ!」
 どちらかのアウレリアの言葉にかぶせるように悲鳴があがった。その声が聞こえた方を見ると、一人の学生が蜘蛛の巣にかかった獲物のように張り巡らされた糸にからめとられていた。
「い、いたーい!」
 学生がもがくほどに糸が身体に食い込み血がにじむ。それ以上はもっと危ない。二人のアウレリアは物も言わずに動き出した。一人が学生を助けに行き、もう一人が糸の罠を解除しようとする。しかし。
「わ、こっちもだ!」
「俺も! 助けようとして気が付いたら動けなかった」
「私もよ、助けて!」
 あれよあれよと学生たちがどんどん罠にかかってゆく。からめとられた者が増えるほど、もがく学生の動きも激しく傷だけで済まなくなりそうだ。
「……どうしましょうか」
「って、迷っている暇はありませんね」
「善処しましょう」
 二人は次々に罠を解除し学生たちを救出してゆく。
「そのまま動かないでいてください」
「今度は間に合うかわかりません」
 物騒な脅し文句だが、言葉を選んでいる暇はない。アウレリアの迅速な行動で学生たちの怪我は軽微であったが、とんでもなく消耗することとなった。
「こんなにトラップにかかるとは思いませんでした」
「……お疲れさまでした」
 もう一人のアウレリアは疲労困憊で戻っていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

鈴乃音・司
にゃにゃにゃ~?
兎に角、地図を見付ければいいんかにゃ?
だったら、【ライオンライド】でライオンくんに手伝ってもらうにゃ!
ライオンくんは百獣の王だから学生さんたちも道を開けてくれるだろうし、嗅覚が優れているからきっと視覚だけじゃ気付けないとこも気付いてくれるにゃん!
私――つーにゃんはライオンくんに乗りながらこの空間の隅々を見て地図を探すにゃん。
目を皿のようにして探すにゃん!
ライオンくんとつーにゃんできっと地図は見付かるにゃん♪



●誰がなんて言おうとつーにゃんはアイドルです
「にゃにゃにゃ~? 兎に角、地図を見付ければいいんかにゃ? だったら、ライオンくんに手伝ってもらうにゃ。つーにゃんとライオンくんできっと地図はすぐ見つかるにゃ!」
 アイドルは世俗の時間になんて縛られない。だから1年に1つ年を取るなんて事もない。だから鈴乃音・司(バーチャル猫耳アイドル・f14615)は永遠にアイドルであり続ける、ことが出来る、たぶん。今も愛らしい猫のしぐさと猫を連想させる語尾であざと可愛く小首をかしげて微笑んたりする。ただし、黄金のライオンが召喚できたのはキッチリ3回目だ。なかなかに成功率が低いのだが、なにアイドルには無限の時間がある。だからつーにゃんは気にしない……司が気にするとしても、だ。
「よ、よっこいしょっと」
 自分の身長の2倍ほどもあるライオンの背によじ登るのは少々コツが必要だ。ついつい素の自分に戻って掛け声をかけてしまった司はハッとしつつも、何ごともなかったかのようにライオンの背で胸を張る。
「ら、ライオンは嗅覚が優れているからきっと視覚だけじゃ気付けないとこも気付いてくれるにゃん! つーにゃんはここから隅々まで目を皿のようにして地図を探すにゃん! ゆけ、ライオンくん!」
 慌ててライオンくんを避けて逃げる学生たちを見下ろしエヘヘっと可愛く笑い、しかし視線はあちこちに向ける。
「なに? あれ?」
「ちょっとやだ。ライオン?」
「こわい~」
 逃げてゆく学生たちの表情も態度もちょっと不満だが、ライバルもいなくなればきっと地図は見つかるだろう。司はちょっとだけホッとした。
「よろしくね、ライオンくん」
 誰にも聞こえないよう、そっと小さな声で優しく言った。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリス・ザントマン
マリス:ねえねえ、ボクたちも一緒にいっていい?
マリカ:あなたたち、学園の生徒ね。だったらこの迷宮のこと、詳しいのかしら?

【まりまり】で実体化した
もうひとりの人格マリカ
まるで双子の姉妹みたいなふたり

ちびっ子先生の支配下に入ってない
1割の男子をターゲットに
ふたりがかりの【誘惑】【コミュ力】で
それぞれの魅力をアピールして味方にしちゃう

オープンに健康的お色気を振りまく、元気なマリスと
年の割に少女趣味で、恥ずかしがりな箱入り娘マリカ
冒険したくてワクワクしてます

マリカ:あとで学園の案内、頼めるかしら?
あたしってば、方向音痴だし



●似て非なるふたり
「ねえねえ、ボクたちも一緒に行ってもいい?」
「あなたたち、学園の生徒ね。だったら迷宮のこと、詳しいのかしら?」
話しかけられて振り返った少年は無言で目を見開いた。けれど、そんな反応にはもう慣れっこだったマリス・ザントマン(ふたりでひとり・f09415)は畳み掛ける。
「ボクもマリカもこの辺は潜ったことがないし、罠の傾向とかもわからないんだ。あ、ここは下調べもせずに来ていいような場所じゃない、とか思っちゃった? 」
マリスは悪びれた様子もなく朗らかに笑う。反対にややおとなしやかで温和そうなマリスによく似た少女が詫びる。
「気を悪くしたかしら、ごめんなさい。この子、悪い子じゃないのよ。思ったことを言葉にするまでが短時間で推敲していないだけなの。許してあげてね」
「それ、そうどういう意味? フォローになってないよ」
笑顔で淡く睨むように上目遣いになるマリスにマリカも笑顔で応対する。知らない少年に話すより、ついついマリスに話しかけてしまうマリカだ。
「フォローのつもりじゃないわ。真実を述べただけよ」
話しかけられた少年はすっかり置いてきぼりだ。
「あ、あの……あなたたちの事は僕じゃ無理みたいなんで、他の人をあたってくださ〜〜い!」
及び腰の少年はすでにマリスとマリカから徐々に後退している。
「あ、待って!」
「私たち、方向音痴なの! 見捨てないで!」
ウサギの様に逃げる少年と追うマリスとマリカ。そっちは迷宮の奥じゃないと遠巻きに見ていた学生たちは思ったが、何か声をかける前に3人の姿は遠く小さくなっていった。
この3時間後、観念した少年はふたりの忠実な案内人になってくれた。めでたし、めでたし。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『『邪を祓う巫女』ヴェルぺ』

POW   :    封印の儀
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【式符から生まれた式神】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    呪返の儀
対象のユーベルコードに対し【鏡から全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ   :    結界の儀
全身を【殺生石と呼ばれる大岩】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクネウス・ウィギンシティです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●邪を祓う巫女
地図を手にした選ばれし者たちがやってくる。巫女はスクッと立ち上がった。彼女にとって、それは調伏すべ者だった。なぜこんな事になってしまったのか。けれど彼女には一抹の疑念もない。ただ聖域を犯す者を退治する、それだけだった。
鈴乃音・司
あっ、生徒さん?(ライオンの召喚を解く)
えっ、違う!? 急いで【グッドナイス・ブレイヴァー】を使うにゃ!

「みんなー、つーにゃんにゃん♪
 これから、あちらの可愛い怪人? 災魔? さんと戦うにゃ!
 応援よろしくにゃん♪ そ、それじゃ、行ってきますにゃ!」

そう視聴者に呼び掛けたあと、獣奏器で迷宮にいる動物さん(鼠など)たちに協力してもらえないかお願いするにゃん。
敵の注意を逸らすようにお願いするにゃ。
上手くいって、パフォーマンスと思われるといいんだけど……。
衣装の迷彩効果と長年アイドルをやっている根性で、なんとか敵に近付くにゃ。
それで、今の私の武器は身一つ……つーにゃんは体当たりで敵に攻撃するにゃん!



●LIVEは新鮮じゃなくっちゃね
「あれ、つーにゃん、いつの間にかこんな奥まで来ていたにゃん♪ ってこんな場所に生徒さん?」
 鈴乃音・司(バーチャル猫耳アイドル・f14615)は少し広くなった場所で、何やら祠か社にも見えるこぢんまりとした建造物の前にたたずむ少女に尋ねた。緋色よりも赤い袴を身に着けた巫女のような少女は首を横に振った。
「いいえ、私はこの領域を守るモノです。ここは禁足、立ち入る者は誰であろうとも排除いたします」
 淡く微笑みながらも少女は少々物騒なことを淡々と言う。
「えっ、違う!? もしかしてボス敵にゃん?」
 司は慌ててライオンの召喚を解き、すぐさまドローンを召喚する。
「あの機械で私を攻撃するのですか?」
 少女の問いに今度は司が首を振る。
「違うにゃん! あれは撮影用のドローンだから誰かを攻撃したりする力はないにゃ!」
「……それならば、なぜ『ドローン』とやらを喚んだのですか?」
 少女の更なる問いをもう司は聞いていなかった。
「みんなー、つーにゃんにゃん♪ これから、あちらの可愛い怪人? 災魔? さんと戦うにゃ! 応援よろしくにゃん♪ そ、それじゃ、行ってきますにゃ!」
 ドローンのカメラ、そしてその向こうにいるだろうファンに向けて可愛く宣言する。
「わかりました」
「え? 何か言ったかにゃん?」
 ふいに少女の声が冷たくなった気がして司は振り返った。
「あなたとは理解しあえない……それがわかったのです。では、この場で神罰を受けなさい!」
 少女が呪符を使うと、巨躯の式神が出現した。そして、古民家の大黒柱ほどもありそうな腕を振り上げ司へと振り下ろした。
「きゃーキャーやめて~、つーにゃん、これでもアイドルにゃん! 顔も身体も大事な商品にゃん!」
 きゃーきゃー悲鳴をあげつつ逃げながらも『キャラ』を手放さない、立派なアイドル根性をドローンを介して配信し続けている。
「今の武器はこの身体ひとつ……にゃん!」
 反撃に出るのか司は立ち止まり振り返った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラウル・シトロン
狼の姿になるよ。
敵とは距離を取って【サラマンダーズ・アシスト】を使おうと思う。
火の蜥蜴を四方八方に飛ばして敵になんとか隙が出来ないか頑張るよ。
敵からの攻撃は聞き耳や野生の勘を使って見切ろうと思う。
当たっても、激痛耐性と気合いで完全に動けなくなるってことはないだろうから。
隙が出来たら、全ての火の蜥蜴を合体させて全力魔法で敵に一撃を喰らわせるように狙うよ。



●狼は大神
 巫女姿の少女が操る式神とアイドルの間に割って入ったのはしなやかに身を躍らせた美しい獣だった。
「火の精霊。もし、僕の正義があなたの正義に反することがないのなら、誇り高きあなたの力を貸してください!」
 ラウル・シトロン(人狼のひよっこ探索者・f07543)の願いにより、現世に喚び出された炎の精霊、サラマンダーはラウルから四方へと飛び、式神とその先にいる巫女の少女を牽制する。
「禁足であるこの地で異教の神を呼ぶとは! なんという罰当たりなことでしょう。神も、そして私もあなたを許しません」
 微笑みを消した少女は強い怒りを花のようだった顔に浮かべ、ラウルをねめつけた。
「式神よ!」
 またも召喚された式神が2方向から炎の精霊を抑え込もうとする。しかし、俊敏な動きをみせる精霊は式神の手をするりとすり抜け、逃げつつも炎を放つ。それはむやみやたらと放たれているようにみえて、実は巫女の少女の退路を断っている。
「ほら、もう逃げ場はありませんよ」
 真正面に躍り出たラウルにハッとした巫女だが、周囲は炎に囲まれている。
「炎の精霊、今です!」
 美しい破邪の炎が1つに合体する。巫女へと向かって燃え盛る炎、そして主を守るかのように盾のように立ちふさがる式神たち。二つの力は相殺し消えてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・エンデ
ここは縁結び神社?
それとも、人を化かす狐でちか

(恋物語を求める、途中の仕掛けを思い出し)
偶然出会った、人狼の男の子
彼とは、いい思い出ができまちた

最初はゆ〜べるこ〜どを使わず
自分の身長ほどの盾
蒸気ドリルシールドマシンを構え●盾受けで身を守り
聖鎚・暁の星での打撃
(●気絶攻撃、●鎧無視攻撃)で攻めまちゅ

殺生石に変身されたら、有毒ガスや呪詛を警戒
間合いをとって●オーラ防御、●呪詛耐性を発動
様子をうかがう

ただ無敵になるだけで、何もできないなら
殺生石出現による地脈の変化を利用し
◆地脈操作で、大地の力を琥珀色に光る温泉卵にして食べ
自身と味方を回復+自己強化

「ほんのり硫黄の香りと、岩塩の味が…あ〜おいち〜♪」



●ここは縁結び神社ですか?
「ここは縁結び神社? それとも恋の試練を与える修行の場……じゃなくて人を化かす狐でちか」
 シャルロッテ・エンデ(暁のびしょうぢょ神官・f12366)はちょっぴり本気で聞いてしまった。地球人の感覚からすると愛らしいシャルロッテは美幼女的なくくりになるのだろうが、間違ってはいけない。彼女は立派な成人女性なのだ。恋愛やその先にあるのだろう結婚にも前向きなお年頃だ。可愛らしい巫女さんと戦う綺麗な女性、そして石造りの耳で出会った人狼の姿にシャルロッテの連想は連想を重ねてゆく。
「……強いて言うのならどれも違いますね」
 巫女姿の可愛いラスボスは嘆息まじりにそう言った。ここは彼女の愛するモノと彼女ためにある場だ。
「ですから、誰も立ち入ることは許されておりません」
 巫女の式神がシャルロッテを攻撃する。しかし、その拳による攻撃は身長と同じぐらい大きな盾を構えて防ぎきる。
「いきなり何をするでちか。これではいい思い出に浸る暇もないでちよ!」
 可愛らしい幼女の顔で頬を膨らませて怒りを露わにすると、シャルロッテは聖鎚・暁の星で式神を返り討ちにする。
「ほらほら、この鈍器であんたのことも殴っちゃうでちよ」
 うりうりと握った得物を振り上げて挑発すると予想通りに巫女の少女は身体を石に変えて防御の構えをとる。しかし、これはシャルロッテの狙い通りの展開だ。地脈操作で大地の力を琥珀色に光る温泉卵に変化させる。
「ほんのり硫黄の香りと、岩塩の味が……あ〜おいち〜♪ じゃそろそろやっちゃううでちよ」
 悪そうな笑みを浮かべてシャルロッテは石の巫女へと近づいていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アレクシア・アークライト
 おそらく彼女は、私達がこの領域に立ち入らない限り何もしてこない。
 しかし、彼女はオブリビオン。ただいるだけで世界の未来を失わせる存在。

 彼女は、自分こそが祓われるべき存在になっていることに気付いていない。
 いや、ひょっとすると、彼女だけではなく、彼女を含めたこの領域全体がオブリビオンなのかもしれない。
 ならば、全力をもってこの領域ごと葬ろう。

・周囲に存在する魔力、霊力を見極め、取り込む。[情報収集]【能力吸収】
・力場を拳に収束するとともに取り込んだ力を空間を操作する力に転換し、領域ごと破壊する。[念動力、グラップル、捨て身の一撃]【空間操作】

「貴方が守るべき場所は、もうこの世界にはないわ」



●崩界
「貴方が守るべき場所は、もうこの世界にはないわ」
 静かに、いや淡々とした感情のこもらない口調でアレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は巫女の姿をした少女に言った。
 おそらく彼女は、私達がこの領域に立ち入らない限り何もしてこない。彼女と彼女の神が存在する(と、彼女が思っているだけかもしれないが)この小さな世界を存続させることが彼女の存在意義、その全てなんだろう。もし、彼女がいることがもっと大きな世界を侵食しないのなら……勝手にすればいいとアレクシアは思う。しかし、彼女はオブリビオン。ただ存在するだけで世界の未来を失わせる存在だ。
「そんなことはない。私が守るもの」
 少女は淡く笑うが、アレクシアはそっと首を横に振った。
「あなたは、あなたこそが祓われるべき存在なのよ。あなただけじゃなくこの領域すべてがそうなのかもしれないわね。いえ、わからなくていいわ」
 敵である少女の反応を確かめることもなくアレクシアは攻勢にでた。
「私の全てを込めた一撃、貴方なんかに防げる代物じゃないわ」
 アレクシアの全てを込めた超高速かつ大威力の一撃が少女をかすめ、そして背後の壁に激突しガラスのように砕け散った。バランスを失った力は拡散と収束を行い、一点へと向かったエネルギーはこの空間そのものを消しさってゆく。悲し気な少女の顔、それもすぐに空間と一緒に消えていった。
 オブリビオンは退治された。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月17日


挿絵イラスト