アルダワ魔王戦争8-E〜ねがいをかなえるもの
「アルダワ魔法学園の世界、ファーストダンジョンの区画の一つに人々の願望を叶える妖精たちが現れたそうです」
ただしこの妖精たちは、理不尽な代償を支払わせる事で人々の願望を叶え、願いを叶えた人間を不幸にする歪んだ妖精でもあるのだという。君たちに説明するフェリクス・フォルクエイン(人間の天馬聖騎士・f00171)がどことなく残念そうなのは、何か叶えてもらいたい願い事でもあったのだろうか。
「そう言う訳なので、願い事を口にするとか思い浮かべるのはお勧めできません」
もし戦闘中、迂闊にエリクシルに願いを伝えてしまうと、その対象は大ダメージにより戦闘不能になってしまうことだろう。
「そもそも悪意をもって捻じ曲げた願いの叶え方をする上、すぐに願いを叶えるという訳でもないみたいですからね」
更に条件もあるらしく、願いをかなえる三月一日の時点で大魔王が生存していないといけないのだとか。
「もっとも、願い事とかなければやることは他のオブリビオンとの戦闘と大差ありませんよね」
更に先に進むために邪魔な敵を排除する、それだけだ。
「件の妖精たちは10mの巨体を持ちながらも群れを成して敵対者に襲いかかってきます」
とはいうものの、人々の願望をかなえるという性質上、そちらに重きを置くと思われるので、君たちがエリクシルの妖精に願いを伝えなければ、戦闘を行うにあたって有利に働くこともあるかもしれない。
「こう、願いを叶えてくれると希望を持たせてふたを開けたらこんなのってあんまりですよね?」
微妙に私怨が混じって居そうではあるが、討伐よろしくお願いしますねとフェリクスは頭を下げたのであった。
聖山 葵
願いをかなえるだッて?! あ、聖山です。
今回はファーストダンジョン内のとある区画に存在する願いを叶えた人間を不幸にする歪んだ妖精たちを撃破していただくお話の模様です。
尚、このシナリオには、下記の特別な「プレイングボーナス」があります。これに基づく行動をすると有利になるようなので、狙ってみてはいかがでしょうか。
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プレイングボーナス……エリクシルの妖精に願いを伝えない
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 集団戦
『エリクシルの妖精』
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POW : 力翼
【魔力を纏った翼を震わせながらの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【残っている他の妖精達】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう
対象への質問と共に、【虚空】から【新たなエリクシルの妖精】を召喚する。満足な答えを得るまで、新たなエリクシルの妖精は対象を【秘めたる真の欲望を暴く精神波】で攻撃する。
WIZ : ドッペルゲンガー
戦闘用の、自身と同じ強さの【交戦中の猟兵と同じ姿を持ち、同じ武器】と【同じユーベルコードを使う『鏡像存在』1体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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レパル・リオン
願いを叶えるけど、願ってはいけない妖精!
なるほど、悪いマスコットね!
虚空からの召喚!だったらスピードで対抗するわ!
フォームチェンジ!『ソニックタイガー・フォーム』!
説明するわ!ソニックタイガーは音速の動きと虎の爪とパワーで戦う衣装なのよ!
うおおおお!精神波を猛烈なダッシュでよけるながら、取り出した『ソニックタイガー』に着替えるわーっ!
変身完了したら大ジャンプ!虎の爪を妖精怪人エリクシルにぶっ刺し引っ掛けて、一気に頭まで登る!そしてなんやかんや無防備っぽい首を爪でぶった斬れば、どーよぉーッ!?
そこから先は徹底的に妖精怪人の首を狙っていくわ!虎の狩りを!見て逝きなさいっ!
「願いを叶えるけど、願ってはいけない妖精! なるほど、悪いマスコットね!」
転送され、視界にそれらを入れたレパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は断じた。
「「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」」
「虚空からの召喚! だったらスピードで対抗するわ! フォームチェンジ! えいっ! 『ソニックタイガー・フォーム』!」
間を置かずしてリオンの存在に気付いた巨大な妖精たちは、虚空から新たな同胞を喚び出し、リオンも虚空から魔法少女の衣装を引っ張り出すと出した衣装を翻し。
「説明するわ! ソニックタイガーは音速の動きと虎の爪とパワーで戦う衣装なのよ!」
「汝の「汝の『望み』を『言う』が「『言う』が『よい』でしょう」」」
解説を始めるリオンへと妖精たちから立て続けに精神波が放たれる。
「っ、うおおおお!」
こういう解説の時は攻撃は待つのがルールでしょとか思ったかどうかは定かでない。だが、立ち尽くしたまま迫りくる精神波に当たるつもりのなかったリオンは猛烈な勢いで走りだし、攻撃を避けながら先ほど引っ張り出した衣装に袖を通し着替えて行く。
「はぁ、はぁ、はぁ、よくもやってくれたわね! ここからはあたしの反撃よ!」
精神波を放ってきたのは新たに召喚された妖精のみ。まだ呼吸は荒かったが変身を完了したリオンは身を屈めると、地を蹴って召喚した側の妖精の足元へと跳びつつ腕を振りかぶる。
「はあっ、よっ」
叩きつけるように突き刺した虎の爪を支えに自身の身体を引っ張り上げるとそのまま妖精のすねを蹴って更に上へ。
「とっ、やっ」
所々に虎の爪をぶっ刺し引っ掛けながら一気に頭まで登り。
「喰らいなさい、妖精怪人!」
頭から飛び降りながら、巨大な妖精の首を爪で斬り裂く。
「どーよぉーッ!?」
重力に引かれつつ振り向けば、首を斬り裂かれた妖精は傾ぎ、召喚された妖精も一体が消滅し始めており。
「効果は充分の様ね。それじゃ、次よ! 虎の狩りを――」
首を巡らせたリオンは次の獲物へ襲いかかり、更に妖精の数を討ち減らしたのだった。
成功
🔵🔵🔴
芦谷・いろは
世の中タダより高い物は無いと言いますです!
なので、何か甘言でいい感じに願い叶えるよ☆
って言ってる奴は、信用置けないですし
正直なんかこの妖精見てて殴り倒したくなるので
殴り倒しちゃいましょう!
大きいなら、こっちも大きいので対抗です!
【傀儡の宴】を使用!合体ですよ、ヌイグルミさん
合体したヌイグルミさんで《なぎ払い》&《範囲攻撃》して貰いながら
敵からの攻撃は《第六感》に頼って避けたり
あやつり人形の襲さんで《武器受け》して頂いたりしようかな
《ロープワーク》&《罠使い》技能を使って操作糸で、ちょこっと妖精さんに動きにくくなって貰いますね
願い事?一杯ありますがいろは自身で叶えるんで結構です!
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
数を減らしつつも妖精たちの発した言葉は、転送されたばかりの芦谷・いろは(傀儡使い・f04958)にも聞こえていた。
「世の中タダより高い物は無いと言いますです!」
故に、何か甘言でいい感じに願い叶えるよと言うような相手をいろはは信用できなかったし、グリモア猟兵も願いを言うよう促す妖精については忠告をしていた、加えて。
「正直なんかこの妖精見てて殴り倒したくなるので」
という理由まで加われば、一体どうしていろはが願いを口にしようか。
「殴り倒しちゃいましょう!」
決断は早く、それはすぐに行動へとつながった。
「大きいなら、こっちも大きいので対抗です! さぁ、合体ですよ、ヌイグルミさん♪」
呼びかけに応えるように現れたのは、腹部に一の刻印があるぬいぐるみたち。
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
いろはの指示でぬいぐるみたちは次々と合体し誕生した巨大なぬいぐるみは新たな妖精を召喚する妖精の声に振り向くと、腕を使って広範囲を薙ぎ払う。
「「『わたしたち』ごッ」」
はっきり言って相手が悪すぎた。秘めたる欲望を暴く精神波をいくら放とうとも相手はぬいぐるみ。欲望がまず存在しないのだから妖精たちの攻撃は何の意味もなく、ただ一方的に掃討されてゆく。
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
「わっ、やっぱりこっちも狙ってきますよね」
ならばといろはへと標的を変える妖精もいたが、第六感で察知したいろはは声を漏らしつつも後方に下がることで危なげなく精神波の範囲から脱し。避け切れない時はあやつり人形の襲さんを盾にして難を逃れた。精神波が効かないのは人形も同様である。
「ごッ」
「あッ」
もちろんいろはが回避している間も戦闘用のぬいぐるみは一方的に妖精を駆逐し続けており。
「後はこの糸で~」
数が減って自身に向かう攻撃が減れば、いろは自身も操作糸を使って反撃に出る。波を打って空で踊った糸は妖精の巨体のあちこちに絡みついて動きを鈍らせ。
「汝の『望み』を」
「願い事? 一杯ありますがいろは自身で叶えるんで結構です!」
何とか糸から抜け出そうともがきつつも相変わらず望みを聞き出そうとする妖精をぬいぐるみの腕が叩き潰すのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ラモート・レーパー
「自分を巻き込めるUCの方が良いな。自分ほどめんどいのはないからね」
UCで自分ごと雷を伴った酸性雨で攻撃する。雨なら避ける術はないから相手のUCはすぐ解けるはず。
あとは黒剣を槍に変えて直接攻撃する。
願いはあるようでない。自分は人々のイメージであって世界のシステムだからなにがあろうと与えられた役割を果たすだけ。
「自分を巻き込めるUCの方が良いな。自分ほどめんどいのはないからね」
転送された先の戦場で、ラモート・レーパー(生きた概念・f03606)は一人言ちた。
「『敵対者』を『確認』。『わたしたち』は――」
それは既に自身を認識した妖精が何かしようとしているのを認めたからか。
「やっぱり」
眼前の妖精についてラモートはグリモア猟兵から説明を受けていた。故に妖精が鏡に映したように左右が逆であることを除けばラモートそっくりなナニカを召喚したとしても驚きには値しない。
「「『』の名において試練を与える」」
ただ、ホンモノとニセモノは共に天変地異の災害を引き起こし。
「ご苦労様」
数秒もたずして偽物が姿を消すと、酸性雨に打たれたまま黒剣を槍に変え視線を同じように酸性雨に晒される妖精へやる。妖精からすれば、避けようのない広範囲の攻撃によって傷を負えば消えてしまうと言う弱点を突かれた形だ。
「相手が悪かったね」
自分は人々のイメージであって世界のシステムだからなにがあろうと与えられた役割を果たすだけ、とラモートは言う。その言葉が正しかろうが偽りだろうが、繰り出され旨を貫いて妖精を屠った一撃は確かな事実であった。
大成功
🔵🔵🔵
山梨・玄信
フェリクス殿の願い…巨乳にでもなる事かのう?
まあ、人の心配をしている場合でもないな。
【POWを使用】
先ずは褌一丁になるぞ。
この迷宮ではそうしなければならないからのう(3-Eばかりに行っている為の勘違いです)。
向こうから突撃して来るなら、受けて立つのじゃ。
敵の突撃コースを見切りと第六感で読み、ダメージを減らす為にオーラ防御を全身に張って待ち構えるぞ。
敵が衝突するコースに合わせて、敵の体が来る位置に灰塵拳を打ち込むのじゃ!
こちらもダメージで飛ばされるじゃろうが、それ以上の痛撃を与えれば問題無しじゃ。
「望みなぞ、自力で叶えるものじゃ。お主らなんぞお呼びでないわ」
アドリブ歓迎じゃ。
火土金水・明
「10mの巨体を持つ妖精・・・、冗談はようせい。」「ゴホン(咳き込む振り)。さて、戦いますか。」
【POW】で攻撃です。
攻撃方法は、【高速詠唱】し【破魔】を付けた【全力魔法】の【ファイナル・フレア】で『エリクシルの妖精』を攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【武器受け】【地形耐性】でダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも、ダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします
備傘・剱
願い、ねぇ
生憎と、そんなもん、考える時間もないんでな
青龍撃、発動!
ダッシュで突撃、あっちも突進してきたならば、カウンターで呪殺弾、衝撃波、誘導弾を周囲に叩き込んでやる
質問には一切、応えないぜ、それ所か、オーラ防御で防御、最悪、欲望を口走る前に声帯を壊す
ろくでもない願いを押し付けられるよりはなんぼかマシってな
同じ姿を召喚したら、全射撃武器を妖精に向けて射撃しつつ、分身の攻撃はガントレットで受け流しつつ、反撃するぜ
願いをかなえるってのはな
他人の力を借りるもんじゃねぇよ
他人がどう思おうが、その思いは自分だけのもんだ
人と共有できるだなんて、甘い考えは捨ててる
人は、孤独だな
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
「フェリクス殿の願い……巨乳にでもなる事かのう?」
何故か送り出したグリモア猟兵のことを思い浮かべ首を傾げた山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は視線を戻し、まあ、人の心配をしている場合でもないなと言いつつ衣服に手をかけた。魔力を纏った翼を震わせる巨大な妖精の姿が視界に入ったからだ。
「10mの巨体を持つ妖精……、冗談はようせい」
ぼそりとダジャレを火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が口にすると、一瞬の沈黙が生まれ。
「ゴホン。さて、戦いますか」
空咳をして誤魔化した明も高速で詠唱を開始し、突進してくる妖精たちの巨体に備える。
「この迷宮ではそうしなければならないからのう」
10mもある妖精たちが全力で迫りくる迫力は、心弱いものであれば足もすくんでしまうことだろう。だが、玄信は臆すどころか謎の勘違いをもって衣服を脱ぎ捨て褌一丁となる。きっと脱衣区画を探索しすぎたせい、なのだろうか。
「「『敵対者』へ『接近』。『わたしたち』は『真向』から『ぶつかり』ます」」
ともあれ、玄信が脱いだことに構わず妖精たちは突進を続け、何もなければ玄信と明は妖精たちの巨体に撥ね飛ばされるかと思われた。
「この攻撃にすべてを込めて!」
むろん、何もしないことなどありえなかったが。激突よりも早く明の魔法が完成し、結果的に明の全ての魔力を込めた一撃へ自分から突っ込む形となった複数の妖精が消し飛ぶ。
「残念、それは残像です」
「っ、ぐぅ、ここじゃ!」
直撃は免れダメージを受けつつも続けて突っ込んできた妖精の巨体を明は残像を代償に回避し、玄信は敢えてオーラで身を包みぶちかましを受けながらも己の拳を妖精に叩き込むことで粉砕、返り討ちとする。
「望みなぞ、自力で叶えるものじゃ。お主らなんぞお呼びでないわ」
まだ残る妖精たちを睨みつつ玄信は再び迎撃の構えを取り。
「少しでも、ダメージを与えて次の方に」
横に立つ明も詠唱を再開する。二人の戦いはまだ終わらず。
「汝の『望み』を『言う』が『よい』でしょう」
「天よ、祝え!青龍、ここに降臨せり!踊り奏でよ、爪牙、嵐の如く!」
青龍の爪と牙を纏った備傘・剱(絶路・f01759)は、視界の中で新たに召喚された妖精が精神波を放つ中を飛び出していた。
「願い、ねぇ。生憎と、そんなもん、考える時間もないんでな」
帯びるように纏ったオーラで身を守りつつ、それが及ばなかった場合声帯を壊すことも視野に入れて片手を首に添え、距離を詰めながら呪殺弾、衝撃波、誘導弾をばら撒くように叩きつける。
「願いをかなえるってのはな、他人の力を借りるもんじゃねぇよ」
視界の中で誘導弾が命中して怯んだ個体に向けて追撃を加えつつ駆け抜け。すれ違いざまに真空刃で斬り捨てた巨大妖精にはもう目もくれず先に進む。
「汝の『望み』を゛」
「他人がどう思おうが、その思いは自分だけのもんだ!」
別方向から精神波を放とうとした妖精には高圧の水弾を撃ち出し。
「人と共有できるだなんて、甘い考えは捨ててる」
撃ち抜かれて倒れこんでくる妖精を足場に飛ぶと更に言葉を続ける。
「人は、孤独だな」
そう漏らしつつも、いやと続けたのは駆け抜けた先に見知った顔を見つけたからか。
「山梨、火土金水、合わせるぞ」
「うむ」
「はい」
三者を合流させてしまったことが妖精たちにとっての不幸か。玄信を狙った妖精は剱の水弾に、明を狙った妖精は玄信の拳に、剱を狙った妖精は明の魔法に屠られ骸の海へと還るのだった。
大成功
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フィロメーラ・アステール
「願いを叶えるー?」
どちらかと言えば叶える側なんで!
そういうのいいです。
【月の庇】を発動だ!
見えない魔力の幕を【オーラ防御】で補強して、【空中浮遊】させて展開し、敵の進行を遮断して受け止めるぞ!
敵は巨体みたいだけど、そこは【気合い】を振り絞ってキャッチ!
動きを抑えてる間にあたし本体が【ダッシュ】で回り込み【防具改造】魔法を応用!
翼の魔力を【盗み】取って弱体化&自分強化!
他の敵に介入されない内に【早業】でこなす!
敵のパワーが弱まったら!
敵が突っ込んできた反動を【全力魔法】で増幅【カウンター】し【投擲】ショット!
スリングショット(パチンコ)のノリでかっ飛ばす!
地形や他の敵にぶつけて攻撃だー!
「願いを叶えるー?」
猟兵たちに討ち減らされ、数を減じて行く巨大な妖精。フィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は自身へと迫ってくるうち一体の妖精にグリモア猟兵の説明を思い出したのだろうか。
「どちらかと言えば叶える側なんで!」
迫りくる妖精へフィロメーラがぶつけたのは、そういうのいいですと言う拒絶であった。
「空を彩る星の装い……」
もちろん、ただ言葉で拒絶しただけには留まらない。見えない魔力の幕を放ち、展開させたそれに突っ込んで来た巨大妖精を絡め。
「気っ合いだー!」
気力を振り絞って突進を受け止めながらフィロメーラ自身は空を駆けるように妖精の背後に回り込む。
「よーし、魔力いただきーっ!」
狙ったのは、翼。纏った魔力を奪うことで妖精の勢いの更なる減退を狙い。
「さあ、ここからはあたしの反撃だぞー!」
たわみ突進の勢いを受け止めていた魔力の幕の反動を利用し、投げ飛ばすようにスリングショットのノリでかっ飛ばす。
「攻撃だー! いっけー!」
「『わたし』の゛ッ」
仲間に続く形で突進していた巨大な妖精にとって向きを変えた味方が突っ込んでくるなど想定外だった。互いに相手へ突っ込んでゆくこととなった結果、ダメージはほぼ二倍に。
「「『止まり』なざっ」」
自爆に近い形で大ダメージを負ったところへ後続が突っ込んで更に被害を広げて行く。ここまでの交戦で傷を負った妖精の幾体かはこれがトドメとなって骸の海へと還り始め、妖精の数はまた減じたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
神元・眞白
【WIZ/割と自由に】
夢。そうね、確かに私にもあるけれど暫くは叶わない事。
夢が目標に変わるまではそれは心の中に。誰にも言えない私の秘密。
こちらに攻撃をしないなら通るだけ、だけどそうでないなら話は別。
実力行使は避けたいのだけれどそうでないならしょうがない。
相手がこちらならそれはそこまで。私自身が戦う訳ではないし、サポート。
飛威、相手が私の姿を取っているけど必要なのは本体を討つ事。
けん制で相手をしてもいいけど、大体打ち合ったら次の目標に。
鏡像存在。面白い言葉。反射存在ならこちらもリフレクションをすると?
鏡映しみたいにいつまでも映り込む?……ちょっと面白そう。
(「夢。そうね、確かに私にもあるけれど暫くは叶わない事」)
ここまで幾人かの猟兵に望みを言う様促してきた妖精たちの生き残りを前に、神元・眞白(真白のキャンパス・f00949)が具体的な中身を口にすることはなかった。思い浮かべることでさえ危ういのであれば、心の中に秘めておくことしかできず、心の中の呟きですら直接内容には触れなかった。
「『わたしたち』は『自動なる者』」
仮に眼前の巨大な妖精が居なかったとしても、夢が目標に変わるまでは表に出すことはなく誰にも言えない眞白自身の秘密としてあり続けたであろうが、それはそれ。
「『自動なる者』にして『宝石の妖精』」
眞白が無言故にか、妖精たちは勝手に話しつつ何かを召喚しようとする。いくら眞白が実力行使は避けたいと思っても、妖精にその気はないのであろう。飛威と符雨、二体のメイド服を着こんだ戦闘用人形が主を守らんと動き出す中、出現したのは左右が反転した飛威と符雨を伴うやはり左右逆の眞白であった。
「飛威、相手が私の姿を取っているけど必要なのは本体を討つ事。けん制で相手をしてもいいけど、大体打ち合ったら次の目標に」
そう口に出して指示をしたわけではない。だが、メイド服を着た戦闘人形の片割れはまるでそう指示されたかのごとく動き出す。刃と刃がぶつかり火花が散り、本物がけん制に止めてすり抜けようとすれば偽物は行かせまいと追いすがる。同じ武器、つまり性能が全く同じ人形達がぶつかり合ったなら、普通は千日手か相打ちがよいところ。だが、一つ大きな違いがあった。
「鏡像存在」
新手が何であるかを口にし、面白い言葉と思いつつ唇の端を微かに綻ばせる。武器の持ち手たる眞白について真似られるのは姿とユーベルコードのみなのだ。結果として主の能力の差が明暗を分けた。本物は偽物を振り切って妖精の身体に一太刀を浴びせ、召喚者が傷を負ったことで鏡像存在は消滅する。
「『次』の『鏡像存在』を――」
このままでは拙いと巨大な妖精は再び鏡像存在を召喚しようとするが、眞白はその能力を見たばかり。相殺に眞白が召喚した鏡像存在のコピーを見た鏡像存在が、これを相殺すべく鏡像存在のコピーのコピーを召喚し。
(「反射存在ならこちらもリフレクションをすると?」)
鏡像存在のコピーがコピーのコピーを召喚、周囲に眞白と戦闘人形達にそっくりな者達が増殖してゆく。まさに鏡映しの様に果て無く続きそうではあったが、そこは戦場。増えた戦闘人形達が戦いを開始すれば増えすぎて十分な広さを失った戦場で攻撃を回避しそこなった者達がダメージを負い、召喚が維持できなくなったことで、増えた者達が消えて行く。
「『回避』じッ」
「『退き』な゛ッ」
災難だったのはこの攻防に巻き込まれた妖精たちであろう。巻き込まれる形で符と銃弾の雨に曝された巨大な妖精たちは空間を埋める鏡像存在の戦いに逃げ場すらなく打ち減らされ数を減じていったのだから。
成功
🔵🔵🔴
ソラスティベル・グラスラン
己の願いを叶えるためには、大魔王を倒してはならない、と
ふふ……どうにもならないではありませんか!
10Mの巨大妖精さんたち!ひええぇ圧巻です!?
ですがわたしは『勇者』!向かってくるなら、迎え撃つのみ!!
此処に誓うは不退転の意思…勇者とは誰より前に立つ者!
これがわたしの、【勇者理論】!!(攻撃・防御重視)
突進してくる妖精を【オーラ防御・盾受け】で守りを固め、
こちらも竜の【怪力】の突撃!逆に【吹き飛ばし】断ち斬るつもりで!
わたしの願いは貴方たちには決して叶えられないもの
口に出さずに思う、わたしの願い…それは
『勇者として大魔王に立ち向かい、打倒すること』
お気持ちだけ受け取っておきますね!
「己の願いを叶えるためには、大魔王を倒してはならない、と」
少なくともそう言う旨の説明をグリモア猟兵がしていたのをソラスティベル・グラスラン(暁と空の勇者・f05892)は覚えていた。
「ふふ……どうにもならないではありませんか!」
それを含めて妖精たちの悪意であるのか。
「『わたしたち』へ『望み』を『言う』が『良い』でしょう」
「え? こ、これが10mの巨大妖精さんたち! ひええぇ圧巻です!?」
声に顔を上げたソラスティベルは思わず気圧されるも、ですがと口にし蒼空色の巨大斧の柄を握りしめ。
「わたしは『勇者』! 向かってくるなら、迎え撃つのみ!!」
スチームシールドを構え、叫ぶ。
「此処に誓うは不退転の意思……勇者とは誰より前に立つ者! これがわたしの、【勇者理論】!!」
翼を震わせながら突進してくる巨体にも怯まず、ソラスティベルは地を踏みしめ。
「こちらも突撃です!」
否、立ち止まるのではなく妖精目掛け走り出す。
「やあああっ」
互いに向かってゆけば両者の距離がゼロになるのはあっという間だった。突っ込んで来た妖精の身体はまずソラスティベルの蒸気機関を搭載した盾へと接触し。
「っ、う」
体格差と勢いを考えれば、あっさり跳ね飛ばされてもおかしくはなかったが勇気と気合と根性がソラスティベルを踏み止まらせ。この時ソラスティベルの巨大斧も妖精の巨体へと刃がめり込んでいた。
「『わたし』がッ」
胴を半ば断ち切られながら吹っ飛ばされた妖精は後続の妖精にぶつかると起き上がることなく骸の海へと還り始め。
「わたしの願いは貴方たちには決して叶えられないもの――」
口に出さずソラスティベルは思う。自身の願い、それは勇者として大魔王に立ち向かい、打倒することだと。
「お気持ちだけ受け……あれ?」
急速に身体の力が抜けたのは、その直後だ。
「『願い』は『確か』に『聞き』ました」
妖精は悪意を持って願いを歪めて叶える。故に不可能に思えても何らかの方法で叶えられると妖精は判断したのか。妖精の声を最後に視界は暗転し、ソラスティベルは転送されて戦場から消えたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
クーナ・セラフィン
性質の悪い妖精も居たものだね。
願いを聞いてあれこれしようだなんて存在が碌なものな訳ないよね。
代償を要求する方がまだ健全に思える…いやどっちにしてもダメだけど。
こんなのが地上に押し寄せたら目茶苦茶にされちゃう、そんな未来は阻止させて貰うよ。
現れるのは私と同じ姿の鏡像か。
対処は妖精狙い、遠距離に居ようがUCで狙い凍て付かせてやろう。
傷を受ければ消えるならば先手で傷を与え続けるのが上善。
それが叶わないならば鏡像と突撃槍でやり合いつつ隙を伺い、
向こうのUC発動の瞬間を見切って一気に潜り込みルーンソードで槍を横合いから弾き飛ばしてやろう。
その勢いで妖精に一撃加えれればいい感じかな。
※アドリブ絡み等お任せ
「性質の悪い妖精も居たものだね」
願いを歪めて叶える妖精、グリモア猟兵の説明を思い出してクーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)は空を飛ぶ巨体の妖精に目をやった。
「願いを聞いてあれこれしようだなんて、存在が碌なものな訳ないよ。代償を要求する方がまだ健全な気がしたけれど……願いを口にした瞬間に大ダメージだっけ? っていうことは代償も強制的に取り立てるのか」
クーナが先ほどの健全と言う言葉を引っ込めても無理はない程度に碌でもない存在の様であり。
「こんなのが地上に押し寄せたら目茶苦茶にされちゃう、そんな未来は阻止させて貰うよ」
手にした突撃槍をクーナは突き出す。
「『敵対者』を『確認』。『鏡像存在』を『召喚』します」
もはや二体にまで減じていた生き残りの妖精は、片方が自身に武器を向けるクーナを視認するなり左右反転したクーナを召喚し。
「これが鏡像か。厄介そうではあるけどね」
傷を受ければ消えるならば先手で傷を与え続けるのが上善、迷うことなど何もなかった。
「こんな趣向はどうだい?」
槍の先端から雪混じりの花吹雪が放たれれば、花吹雪は鏡像存在だけではなく後方の妖精にまで届き、後手に回ったが故にクーナの鏡像は何も出来ぬままに消え去り。
「さて、退場願おうか」
花吹雪を追いかけるよう勢いのままに突き進んだクーナは突撃槍の一撃で最近の妖精を倒す。
「あとは――」
一体。ただ、この時既に最後の一体は鏡像を召喚し終えており、クーナのもので無い突撃槍の先端がクーナ自身へと向けられていた。
「おっと」
自身のユーベルコードともなれば勝手も知ったもの、発動の瞬間を見切って一気に潜り込むとルーンソードを振るい。
「何とか間に合ったね。では」
突撃槍を弾いたルーンソードを手に妖精へと斬りかかる。後方からは突撃槍を諦めた鏡像がルーンソードを手に追ってきていたが、召喚主が傷を負えば消える存在。
「『わたし』ばッ」
鏡像のルーンソードがクーナの背を斬る前に妖精の胸に斬撃が走り、巨体が崩れ落ちる前に鏡像は掻き消え。妖精の身体が骸の海へと還れば、もはやあの巨体はどこにもなく。
「何とか間に合ったみたいだね」
一つ嘆息を残し、クーナも転送されて帰還するのだった。
大成功
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